平成7年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第五号 平成七年三月二日(木曜日)
 午前十時開議
 第一 議案第一号から議案第八十二号まで、及び報第一号から報第三号まで(質疑)
 第二 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第一号から議案第八十二号まで、及び報第一号から報第三号まで(質疑)
 二 一般質問
出 席 議 員(四十人)
 1 番 小 川  武
 2 番 吉 井 和 視
 3 番 井 出 益 弘
 5 番 町 田  亘
 6 番 尾 崎 吉 弘
 7 番 岡 本  保
 8 番 藁 科 義 清
 9 番 向 井 嘉久藏 
 10 番 佐 田 頴 一
 11 番 阪 部 菊 雄
 12 番 堀 本 隆 男
 13 番 平 越 孝 哉
 14 番 富 田  豊
 15 番 門  三佐博 
 16 番 西 本 長 弘
 17 番 高 瀬 勝 助
 18 番 上 野 哲 弘
 19 番 宇治田  栄 蔵
 20 番 尾 崎 要 二
 21 番 中 村 利 男
 23 番 山 本  一
 25 番 鶴 田 至 弘
 26 番 飯 田 敬 文
 27 番 村 岡 キミ子  
 28 番 松 本 貞 次
 29 番 下 川 俊 樹
 31 番 宗  正 彦
 32 番 橋 本  進
 33 番 浜 田 真 輔
 34 番 冨 安 民 浩
 35 番 上野山 親 主
 36 番 中 村 裕 一
 37 番 和 田 正 人
 38 番 大 江 康 弘
 40 番 木 下 秀 男
 42 番 森  正 樹
 43 番 野見山   海
 44 番 新 田 和 弘
 45 番 浜 本  収
 46 番 森 本 明 雄
欠 席 議 員(三人)
 4 番 和 田 正 一
 24 番 馬 頭 哲 弥
 39 番 中 西 雄 幸
 〔備 考〕
 22 番 欠 員
 30 番 欠 員
 41 番 欠 員
 47 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 梅 田 善 彦
 出納長 中 西 伸 雄
 知事公室長 野 見 典 展
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 宮 市 武 彦
 民生部長 南 出 紀 男
 保健環境部長 江 口 弘 久
 商工労働部長 中 山 次 郎
 農林水産部長 日 根 紀 男
 土木部長 山 根 一 男
 企業局長 中 村 協 二
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
   岩 崎 正 夫
 教育長 西 川 時千代 
 以下教育次長
 公安委員会委員長
   西 本 貫 一
 警察本部長 西 川 徹 矢
 以下各部長
 人事委員会委員長職務代行者
   宮 崎 静 治
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長職務代理者
   谷 口 庄 一
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 岩 垣  孝
 次 長 中 西 俊 二
 議事課長 松 田 捷 穂
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主事 長 尾 照 雄
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 岡 山 哲 夫
 調査課長 柏 木  衛
 (速記担当者)
 議事課主任 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田  繁
 議事課速記技師 保 田 良 春
 ──────────────────
 午前十時五分開議
○議長(平越孝哉君) これより本日の会議を開きます。
 ──────────────────
○議長(平越孝哉君) 日程第一、議案第一号から議案第八十二号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第三号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 16番西本長弘君。
 〔西本長弘君、登壇〕(拍手)
○西本長弘君 災害への備えについて質問をいたします。
 「災害は忘れたころにやってくる」、まさにまさかの阪神大震災は、五千四百余名のとうとい生命を奪うとともに、三万四千五百余名の負傷者を出し、さらに十五万一千五百余の倒壊家屋、焼失家屋を出し、実に三十万人を超える避難者を出すなど、戦後最大の大惨事に私たちは大きな衝撃を受けたのであります。
 私は、まず犠牲になられた方々に謹んで哀悼の誠をささげ、衷心よりご冥福をお祈り申し上げる次第であります。同時に、被災された方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早く物心両面の大きな痛みを和らげられ、力強く復興への道を歩まれることを、心からお祈り申し上げる次第であります。
 私たちは、この大震災から多くの反省や大きな教訓を得ましたが、そこで知事に、近隣県のこの大震災に、和歌山県知事として、また和歌山県防災会議会長、さらに兵庫県南部地震に係る本県救援対策本部長としてどのような経験をなされ、どのような教訓を得られたのか、まずご所見を賜りたい。
 次に、国の危機管理の対応や自衛隊の出動云々が大きく取りざたされるなど、地元自治体の必死の救援活動や全国のボランティアなど、さまざまな評価や動きがありました。
 本県では、昨年十月の和歌浦湾の原油流出事故の際に自衛隊の応援を受けており、毎年実施している県防災総合訓練や自衛隊との合同訓練は、今県民から高く評価されております。私も、自衛隊との提携を密にしている本県の防災体制に、心から敬意をささげている次第であります。全く願わないことでありますが、本県が万が一震災に見舞われた場合の危機管理や防災計画などについて知事はどのような使命感でおられるのか、お伺いいたしたい。
 次に、このたびの大地震が大都会での発生であったので、大多数の犠牲者が出るなど被害がより甚大になったわけでありますが、関東大震災が予想される中であってさえ一向に東京一極集中を拝することなく至っております。今回の神戸はもちろん、大阪や名古屋など大都市の分散が極めて重要と思われますが、知事のお考えをお伺いいたしたい。
 こうした中で、神戸を中心とした復興に国も地方自治体も最大限の努力をし、さらに全国から、海外からの応援もあって、一日も早い復興を願っているものでありますが、その過程で二月二日、二月八日の日本経済新聞の社説は、ウルグアイ・ラウンド農業対策費を強く批判の上、見直しを提起し、農林業、農山村整備、漁港、林道などの予算を削って、大都市の復興や区画整理、災害時の避難場所になる公園、さらに住宅密集地の道路拡幅などにその財源を厚く回せと強く主張しております。私は、当然、思い切ってその復興策を急ぎ講じるべきだと思いますが、農山漁村の財源は財源で極めて必要不可欠のものであり、この新聞の主張は筋違いというものであり、断じて認めるわけにはまいりません。知事は、この筋違いの社説についてのお考えを示されたい。
 常に災害県と言われている本県は、地震だけでなく、台風、水害、その他の災害を未然に防ぐため、この際、県土の活断層や断層を初め、山岳急傾斜危険地帯、地すべり地帯、ダム、河川など、改めかつ早急に調査をすべきと考える一人であります。知事のご所見を承りたい。
 次に、読売新聞は、「阪神大震災の救援で、外国から一番乗りしたのはスイスの災害救助隊であった。 積極的な人道援助の取り組みは、中立を守る小国の『明確な意思と経験に基づく知恵だ』 スイス政府が各家庭に配った啓発書『民間防衛』がある。戦争の最悪事態も想定し、きめ細かい地域防災組織の編成、避難所の配置などの周到ぶりに、むしろショックを覚える。一人あたり米・めん類二キロ、砂糖二キロ、食用油一リットルなど非常用食料の備蓄も義務づけている。 スイスが平和と安全を守る備えをいかに大切にしているか。いかに汗を流しているか。震災で救援してくれたこの国の姿を知ることは、ひるがえって、わが国の防災を考え直す手掛かりになるだろう」と伝えております。
 本県では、「地震に自信を」という自治省の「防災手引き」を平成二年から本年まで、約九百万円かけて約二分の一の県民に配布されているというが、私の調べでは県民の間では手引の配布されていることさえ知らないという。この際、改めて現代版を作成して全県民に早急に配布すべきと強く思うのであります。知事のお考えを示されたい。
 なお、私は平成三年二月定例会本会議の一般質問で「稲むらの火」浜口梧陵翁の記念館建設について質問をいたしております。そのときの原稿を読んでみますと、「黒潮躍る有田の旧広村に生まれ、黒潮にはぐくまれ、祖国と和歌山県に大きく羽ばたいた浜口梧陵翁は、私たち和歌山県民の限りなき最高の誇りであります。それは、全国の人々、世界の人々も知る『稲むらの火』の梧陵翁、中央、地方において活躍、傑出した政治家・梧陵翁、人づくりこそ国づくりと人材を育てた偉大な教育家・梧陵翁、私財で大堤防を建設するなど多くの人々から崇拝され『生き神』と仰がれた梧陵翁、我が和歌山県会初代議長、我々の大先輩・梧陵翁、勝海舟らと交わって世界に広く知識を求めた梧陵翁と、数え上げれば枚挙にいとまがありません(中略)梧陵翁の崇高な防災の精神は、今でも遠くカナダ国において教材となり、地元広川町でも今なお、毎年、翁の御遺徳をしのび、児童の皆さんの参加を得て津波祭りが盛大かつ厳かに行われております。梧陵翁の残した遺徳は時代を超え、あるときは銅像として、あるときは記念碑として、またあるときは物語として広く人々の間に引き継がれておりますが、それに加えて、この翁の貴重な史資料による記念館は、後世の我々に、またこれからの世にすばらしい財産、教訓の贈り物となるのではないでしょうか。 そこで知事に求めたいのは、この偉大な我々の大先輩・浜口梧陵翁の記念館を、この際、ぜひ広川町と連絡をとって県費で建設してほしいと強く思うのであります。知事の御所見を承りたい」──これがそのときの原稿の一部であります。
 防災に県民の関心が高まっているこの際に、知事のご英断でぜひ浜口梧陵翁の記念館を建設されるよう、強くお願いするものであります。知事のご所見をお伺いいたしたい。
 次に、半島振興法の充実・延長について質問いたします。
 半島振興法は、昭和六十年六月に十年間の時限立法として制定されてから、この三月末ではや期限が切れようとしております。思い返せば、私のあの提唱に知事は、十カ月後の昭和五十八年十月、全国知事会の席上で、半島振興法の制定を力強く呼びかけられ、また国会の場では故玉置和郎先生のまさに命をかけたご尽力によって半島振興法が制定されたのであります。
 法案成立後は、全国二十四道府県、三百四十九市町村が地域指定され、そして全国二十四道府県から成る半島地域振興対策協議会、全国二十四道府県議会議長会から成る半島地域振興対策議会議長会、さらに全国三百四十九市町村から成る全国半島振興市町村協議会の三協議会が一体となって、半島振興促進大会や半島振興法充実・延長要求大会など開催し、法の充実・延長に全力を挙げられました。
 この間、仮谷知事におかれては、常に三協議会の先頭に立たれ、私は長きにわたる仮谷知事の半島地域を思う懸命のご尽力に対し、心から尊敬をいたしつつ、深く感謝申し上げている次第であります。そのおかげで、本県紀伊半島だけを見ましても、半島振興道路整備事業や企業誘致に大きな威力を発揮され、私は心静かに喜んでいる次第であります。しかし、私はまだまだ半島地域のおくれた現実を見るにつけ、何が何でも充実・延長させなければならないと、先輩、同僚議員各位のご尽力を賜りながら今日まで頑張ってきた次第であります。
 この際、次の三点について質問をいたしたい。
 まず第一点、半島振興法十年間の成果について、第二点、法の延長とその見通し及びその内容について、第三点、新半島振興法に対する期待についてであります。何とぞ、知事のお考えをお伺いいたしたい。
 次に、ミカン農家の繁栄についてであります。
 申すまでもなく、本県はミカンを中心にした果樹立県であり、今後とも全国に誇れる産地を維持、発展させるためには、何をおいても新しい優良品種、系統を導入することが不可欠と考えております。
 最近、かんきつ類の優良品種の中にウイルス病に侵されているものがあり問題となっていることから、昨年六月、私はかんきつのウイルスフリー化に取り組んでいる福岡県の試験場を視察し、ウイルスフリー化の重要性を認識してきたところであります。本県においても、かんきつウイルスフリー化事業に取り組むべくこの当初予算に約一千万を計上されておりますことは、まことにうれしく、心から感謝申し上げております。
 そこでお伺いいたしますが、当局のウイルスフリー化に取り組む内容と計画について詳しくご説明賜りたい。また、ウイルスフリー化した優良品種については、「味・日本一」を目指し改植するものとして、助成措置を含めどう取り組まれるのか、農林水産部長にお伺いいたしたい。
 次に、「山の日」、「川の日」の国民の祝日制定について提言いたします。
 私は、平成五年十二月議会において、紀州「山の日」、紀の国「川の日」を提言いたしましたが、当局におかれては深いご理解を賜り、深く感謝申し上げております。そして、「山の日」を十一月七日、「川の日」を五月二十九日とそれぞれ定められ、記念式典や各種イベントを実施され、それぞれ盛況のうちに、この「山の日」「川の日」に対する県民の理解と関心が深められました。
 申すまでもなく、清らかな流れと緑豊かな自然は、私たちに安らぎと潤いなど多くの恩恵をもたらし、心を和ませてくれております。山も川も県民の生活及び産業を支える重要な資源であり、人類全体にとってかけがえのない財産であります。私たちは、大自然が与えてくれたこの貴重な財産を守り続け、立派に後世に伝えていかなければなりません。さらに、豊かな山村づくり、安全で美しい河川づくりに全力を挙げなければなりません。
 その意味から、今国会で制定された「海の日」と同様に、長い歳月がかかると思いますが、「山の日」「川の日」を国民の祝日として制定されるよう、強く国や関係機関に働きかけていただきたいと思います。知事のご所見をお聞きいたしたい。
 次に、若い国ブラジル見聞とあすの和歌山県政について、ごく簡単に質問をいたします。
 私は、昨年十一月三日から八日間、若いころよりあこがれていた若い国ブラジルを初めて訪問させていただき、千人を超す盛大な在伯和歌山県人会創立四十年記念式典に、仮谷知事、平越議長、門議員とともに出席し、長年にわたる血のにじむ苦難を乗り越えてこられた一世を初めとする県人会の方々に心からねぎらいを申し上げ、そのすばらしい活躍に衷心より敬意を表した次第であります。
 まず、私がブラジルで印象強く感じたことは、国民の七割近くまでが活気あふれる三十歳までの若い人々ということでありました。第二点は、県人会の方々の活躍ぶりで、ブラジル国の政治、経済、産業などの重要な地位を占められ、日系人として大きな誇りを持ち、ばりばりと活躍されている姿でありました。第三点は、一九六○年にリオデジャネイロから遷都した新しい首都ブラジリアの十二車線、フリーハイウエーは、もちろん無料、中央分離帯が二百五十メートルもあり、私は腰を抜かすほどでありました。
 振り返って、我がふるさと和歌山県の一般有料海南湯浅道路の九百二十円という高い通行料金を値下げすべきことと、スケールの大きいブラジリアのようにはまいらない我が国でありますけれども、四車線、つまり片道一車線を、せめて片道二車線の高速道路に一日も早く整備すべきであると、ブラジリアの空の下でつくづく思わずにはおられませんでした。
 土木部長にお伺いいたしますが、海南湯浅道路の九百二十円の通行料金を値下げさせ、四車線化、高速道路への片道二車線へのご決意をお聞かせ願いたい。
 第四点、私は二十万人を収容するリオデジャネイロのマラカナン球技場に圧倒されました。さすがサッカーを国技とするブラジル国に共鳴をいたしましたが、すぐ思い出したのは、我がふるさと和歌山県のコスモパーク加太のことでありました。
 私は、昭和六十三年二月定例本会議で第二国立競技場を誘致すべきであると提案いたしましたが、平成元年二月に木下秀男議員が国際交流館、平成二年十二月には和田正人議員がODAの窓口常設展示場、平成三年十二月には浜田真輔議員がユニバーサルスタジオ、平成四年九月には阪部菊雄議員が紀三井寺総合運動公園の移転、平成五年六月には上野山親主議員がサッカー等専用球技場、また同じく平成五年六月には和田正人議員のスポーツ施設の集合、さらに平成六年二月、富田豊議員がコンベンションホール、思い切ったホテルなどを誘致建設すべきであると、スケールの大きいすばらしい提言をされております。
 このコスモパーク加太は、和歌山県だけのものと考えるのではなく、関西国際空港全体構想実現に向けて、あるいは二○○八年のオール関西で誘致しようとしている大阪オリンピック開催などを考えるならば、私が初めに提案した国立競技場的なもの、あるいはリオのマラカナン球技場のような世界に誇るスポーツ施設をつくるべきだと声を大にして申し上げますが、企画部長のご所見を賜りたい。
 最後に、我が国には見られないリオの十五・五キロもあるニテロイ橋を往復乗用車で突っ走り、私は昭和六十年二月定例会でとっぴなことを申し上げた南徳島と我が紀南を結ぶ紀伊水道大橋の提唱を思い出しました。
 私が、いつも和歌山より──残念なことですが、和歌山より栄えている青森県の向こうに五百万人以上が住む北海道の存在を考えたとき、紀伊半島の南に四国四県があるものと想定し、南徳島と我が紀南を橋で結べば、本県に大変な繁栄をもたらすものと確信をいたしております。
 そこで、企画部長は二十一世紀、二十二世紀に向けての私の提案を真剣に検討すべきと、強くと訴えるものであります。二十一世紀、二十二世紀の和歌山に壮大な夢を描き、スケールの大きいご答弁をお願い申し上げ、以上で私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) ただいまの西本長弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 西本議員にお答え申し上げます。
 まず第一が、阪神大震災で得た教訓と本県の危機管理、防災計画についてでございます。
 私も、地震発生後、知事会を含めて被災地を三回訪れたわけでございまして、木造住宅の全壊、ビルの倒壊、高速道路の横倒しになった状況等を目の当たりにいたしまして非常なショックを受けたわけでございます。そうして、こうした大震災が本県で起こった場合どうすべきか、県当局の責任というものも痛切に感じました。
 今まで、和歌山県は災害常襲県でございました。それだけに、災害についての先進県だと思っておったわけでございます。今までは津波を考えておりましたが、これほどひどい直下型地震というものに対する認識を新たにしたところでございます。
 特に今回の大震災では、自衛隊との協力のあり方を早急にすべきじゃないかということ、初動体制、情報等の収集、通信、広域応援体制等の問題が言われたわけでございます。そうしたことを中心に取り入れて、私は県の防災計画の見直しを強く指示しているところでございます。また防災計画についても、県の新年度予算においてヘリコプターを買う費用等、予算面でも十分配慮したつもりでございます。
 次に、安全への大都市分散策と地方都市、農山漁村の振興ということでございます。
 お話ございましたように、今度の大震災では被災地に集中しておりました東海道線、山陽新幹線、高速道路など国土の大動脈が寸断され、物や人の移動に大きな影響があったということでございます。国においても災害に強い国土づくりについて、交通の代替ルートの確保など、各種機能を分散させる案を検討しているわけでございます。
 私もかねてから、太平洋の第二国土軸の形成は最も緊要なことだ、こうした災害等に備えても必要だと強く訴えてきたわけでございます。国も、次期の全総において主要検討課題としてこの問題を取り上げられていることは非常にありがたいわけでございます。これからは太平洋だけではなしに、また現在の主要都市だけではなしに、東北や日本海のそうした国土軸と相まって新しい国土軸というものを形成し、地方都市、農山漁村の発展に努力すべきじゃないかと思っておるところでございます。
 それから、ウルグアイ・ラウンドの農業関連予算を見直して今回の震災対策に回してはどうかという新聞の社説に対する見解でございます。
 ウルグアイ・ラウンドの農業合意の実施に対応して、新たな農業の将来展望を切り開いていくために必要な国内対策として、今後六年間で六兆百億円の事業を重点的かつ計画的に講じていくことになってございます。県としても今回の国内対策を積極的に取り入れて、農林水産業の体質強化と農山漁村の活性化に努めることとし、そのために必要な経費を計上してご審議をいただいているところでございます。
 私も、議員お話しのように、災害復旧を早急に図らなければならないことは第一前提でございますけれども、国民生活に果たす農林水産業、農山漁村の重要性という点からも、ウルグアイ・ラウンドの関連予算の確保は必要不可欠であると考えておるところでございます。
 次に、県内の活断層、断層、山岳急傾斜危険地帯、ダム、河川などの調査についてでございます。
 本県には、土石流、地すべり、急傾斜地合わせて四千三百余の土砂災害危険箇所がございます。そのために、調査については十分配慮してまいっております。そしてまた、これらの危険箇所についても、地域防災計画書に記載するとともに土砂災害危険箇所図を作成し、関係市町村を通じて県民の皆さんに周知していただいているところでございます。さらに、ダム、水門等、重要な構造物については耐震に十分配慮するとともに、日常的な点検についても安全を期するために入念な管理を行ってございます。こうした河川、ダム及び土砂災害危険箇所については、地震発生後、速やかに点検を行った結果、緊急の措置を要する箇所はございませんでした。いずれにいたしましても、このたびの震災を教訓といたしまして、さらに調査を深めてまいりたいと思っております。
 次に、スイスの例を挙げて県民向けの防災対策の手引の作成と配布についてでございます。
 県民の皆さんも、今回の大震災に接して、地震とはいかに恐ろしいものであるかということを身にしみて感じたことと思います。今回の地震の後で私もつくづく感じたことは、関西の人は関東や東海の人に比べて地震を身近なものと感じてはおらない、このため日ごろから備えが少なかったんではないかと思っておるわけでございます。
 県では、従来、地震が発生したらどのような対応をすればよいかなどをわかりやすく盛り込んだパンフレットを作成して県下各世帯に配布しておりますけれども、今回の大震災の経験を踏まえて、今後より一層活用しやすい家庭用、個人用の震災対策マニュアルのようなものをつくって利用していただくことが必要ではないかと考えております。そうした点について、十分配慮してまいりたいと思っております。
 それから、「稲むらの火」の浜口梧陵翁の問題でございます。
 おっしゃられましたように、和歌山県が生んだすばらしい人でございます。県としても浜口翁の功績について、機会をとらえて紹介するように努めてございます。平成五年度には、国際津波シンポジウムを本県で開催いたしまして翁の功績の紹介や現地見学を行い、広く周知を図るとともに、県刊行物等でも紹介しているところでございます。また、広川町で現在埋め立てをやっておりますけれども、浜口梧陵翁が築いた堤防の前のところに公園等をつくって遺跡を残してまいりたいと努めているところでございます。
 それから、半島振興法の問題でございます。
 西本議員初め県会の皆さん方のご支援、また玉置先生を初めとする国会議員の先生方の格別の配慮によって半島振興法が成立いたしまして十年を経過したわけでございます。本年度末で法が切れるということ、ひとしお感慨深いものを覚える次第でございます。法の制定によって半島に光を与えていただくとともに、半島地域振興の方向性を示していただいたということは、まことにありがたいことだと思っておるわけでございます。
 その効果でございますが、簡単に申しまして、この十年間に半島振興道路に係る事業費は一千億円を超えております。その半分近くを交付金で国からいただくことになっております。また、税制上の支援措置をいただいて五十社以上の企業進出を見たわけでございまして、相当な成果を上げ得たと思っております。
 その延長と見通しでございますけれども、先ほど申しましたように、この十年間に交通基盤の整備等、相当な成果を上げておるわけでございますけれども、地域の現状はまだ多くの課題を抱えております。それとともに、最近の情報化の時代の中で、都市部との情報格差、例えば携帯電話など新たな課題も生じておるわけでございます。新法においてはこうした課題を克服するため、従来の交通基盤の整備と産業振興という二つの柱に加えて情報基盤の整備など新たな支援措置が創設されるように、半島振興議員連盟の皆さん方のご協力、特に本県出身の二階先生が議員連盟の事務局長をやっておられますし、また県出身の国会議員の先生方、国の各党の先生方のご協力を得ているわけでございまして、この半島振興法については各政党におかれても、我々の要望を踏まえて法の延長に向けた作業が行われていると聞いており、三月末には通過するのではないかと思っておるわけでございます。初めてつくったときに比べて、今度の方がスムーズに継続ができるのではないかと思っております。
 それから、半島振興法に対する期待でございますけれども、私たちはこの新しい法ができて、我々の半島がなお一層住みよい、また希望の持てる郷土にすべく努力していけるものと期待しているところでございます。
 次に、「山の日」「川の日」の制定でございます。
 これについては、全国に先駆けて「山の日」「川の日」を制定して各種イベントを行い、あわせて関係機関や関係団体に対して制定の趣旨の説明を行うとともに、国民の祝日制定について協力を依頼してきたところでございます。
 「海の日」も、国民の休日になるには三十年の歳月を経たわけでございます。これを祝日とするためには、県民の理解と機運を高めるために国民運動まで発展していかなければならないわけでございまして、皆さん方のご支援を特にお願い申し上げる次第でございます。
 以上です。
○議長(平越孝哉君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) ミカンの農家の繁栄についての二点のご質問にお答えいたします。
 まず、ウイルスフリー化についてでございます。
 かんきつにウイルスが感染すると、樹勢が劣ったり、果実が小玉化するなどの症状があらわれて農薬による防除ができないため、その無毒化いわゆるウイルスフリー苗の育成が重要な課題となってございます。
 これまで、果樹園芸試験場においてウイルスフリー化を目指した試験研究を初め、汚染防止のためのモザイクウイルス検定を行ってきたところでございます。平成七年度からは、優良品種のウイルスフリー化をより迅速、効率的に行うため、隔離温室や熱処理施設等を整備することで予算をお願いしてございます。それとともに、研究体制の充実を図りまして、ウイルスフリー原母樹の育成に取り組んでまいります。
 なお、育成した原母樹を母体にして平成十年をめどに本県で育成したニュー則村、丹生系温州の母樹を生産者団体に供給できるよう努力してまいります。
 次に、「味・日本一」に向けての優良新品種改植についてでございます。
 これまでも、県を中心に農業者団体等、関係機関が一体となって日照条件、排水良好な園地を選定し、栽培条件の改善や優良品種の導入を図りながら、全国に先駆けて味一ミカンや完熟ミカンの生産に取り組みまして、市場で高い評価を受けてございます。今後さらに、ウイルスフリー化した優良品種の改植事業を推進し、名実ともに「味・日本一」の産地づくりを目指してまいります。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 西本議員の、海南湯浅道路に関するご質問にお答えいたします。
 海南湯浅道路は、一般有料道路として昭和五十九年に供用され、毎年、日平均交通量で千台程度伸びてございます。また、平成五年の阪和自動車道の全通や昨年の阪神高速大阪湾岸線の開通により急速な交通量の伸びを示しており、平成六年の平均交通量は一日当たり約一万八千台、その八月には平均で一日当たり約二万三千台となってございまして、早期の四車線化が必要であると考えているところでございます。
 国土開発幹線自動車道、いわゆる国幹道として四車線化を行うためには、予定路線から基本計画、整備計画、施行命令、工事着手という手順を踏む必要がありますので、県といたしましても、かねてより基本計画決定を国に対し強く要望していたところ、平成三年十二月の国土開発幹線自動車道建設審議会において基本計画の決定がなされたところであります。
 ご提言のとおり、早期の四車線化を図るため、平成六年度からは整備計画の決定に必要な環境アセスメントについて建設省に協力しながら調査を進めているところでございます。今後は、必要な調査を済ませるとともに、早期に整備計画に組み入れられるよう、国に対し強く働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 また通行料金については、国幹道として施行命令が出され、全国プール性が適用された時点で国幹道としての料金水準となるようでございますので、その意味でも整備計画が早期に出されるよう、県議会のご協力もいただきながら努力してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 企画部長宮市武彦君。
 〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 西本議員にお答えいたします。
 まず、コスモパーク加太の開発についてでございます。
 コスモパーク加太計画の推進に向けて、ただいま議員より貴重なご提言を賜りましたが、これまでも、議員を初め多くの皆様方から各種の提言をいただいております。この種々のご提言を踏まえつつ、コスモパーク加太計画の推進を図るため、諸般の検討調査を進めてまいっているところでございます。
 コスモパーク加太については、関西国際空港の全体構想の推進や大阪湾環状ルート、太平洋新国土軸の形成等、将来展望を踏まえると、長期的には広域的な地域連携軸の結節点としての立場が一層重要になると確信してございます。したがいまして、ただいま議員よりお話のございましたご提言の趣旨を念頭に置いて、少なくともコスモパーク加太の施設整備の検討に当たっては、コスモパーク加太とその周辺といった視野だけでなく、長期的視点を踏まえつつ、大阪湾ベイエリア、太平洋新国土軸の沿線の地域といった、より広域的な地域や二十四時間世界に開かれた関西国際空港を視野に入れての施設整備の検討もあわせ行ってまいりたいと考えてございます。
 次に、紀南と南徳島を結ぶ紀伊水道大橋の建設についてでございます。
 本県は半島に位置していることから、半島性からの脱却が県政の大きなテーマとなってございます。紀伊水道大橋は、昭和六十年二月議会において議員からご提言いただいたところでございますが、半島性脱却という観点から、紀南と南徳島を結ぶことは大きな意義を有してございます。今後とも、議員ご提言のような大きな夢を抱きながら、紀淡海峡ルートの実現や紀伊半島の浮揚に向けた施策の充実に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 16番西本長弘君。
○西本長弘君 知事初め各部長には誠心誠意のご答弁を賜り、心から感謝申し上げて、再質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) 以上で、西本長弘君の質問が終了いたしました。
○議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番向井嘉久藏君。
 〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、去る一月十七日、神戸、淡路に起こりました大震災で多くのとうとい命が失われ、また多くの方々が被災され、負傷されたことについて、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと存じます。
 それでは、一般質問をさせていただきます。
 橋本市を中心とした交通アクセスについてご質問したいと思います。
 一昨年の九月、私は、橋本に新しい橋をかけていただきたい、清水─市脇間に橋をかけていただきたいという十五年にわたる地元の熱い希望を、知事さん初め各部長さんにお願い申し上げました。そのときの知事の回答は、紀伊丹生川ダムの工事に合わせて考えてまいりたいということであったと思います。昨年九月、再び同じ質問をさせていただきました。その折には、年内の十二月に紀の川河川敷でボーリング調査等を行いたいというお話をいただきまして、大いなる進展であったと、私たちは本当に喜んでおります。
 そのボーリング調査結果についてお尋ねするわけでございます。昨年十二月、紀の川河川敷においてボーリング調査が行われました。その調査結果がどうであったのか、またこの調査の資料を今後どのように利用していかれるのか、お伺いしたいと思います。これは、土木部長にお願いします。
 また、この橋を橋本市民は、仮称でございますが「新橋本橋」と呼んでおります。この新橋本橋の建設に当たっては、建設省の事業認可等を取らなければならないのであります。この新橋本橋は、恐らくや橋本市だけではなく和歌山県の背骨の部分に当たる非常に大事な橋となるであろうと予想されるのでございます。三百七十一号線のバイパスの延長上にあります。また将来、現在の三百七十一号線が紀伊丹生川ダムの建設によって水没するわけでございます。その水没する三百七十一号線にかわって新しく建設されるであろう新三百七十一号線と接続し、高野龍神スカイラインに向けて接続される非常に重要な橋となるのでございます。この大事な橋ですが、年次計画を立ててクリアしなければならない幾多の問題点がございます。
 その一点は、漏れ聞きますと、この道路は国道二十四号線を高架でまたぎ、現在の県事務所、警察署等がある橋本市都市計画道路を高架橋で通過し、また紀の川をそのまま渡って南海高野線路をまたぐ、こういう壮大な計画のようでございます。
 そういう計画でありますと、現在の橋本市都市計画道路を橋脚でつなぐことになり、非常に狭隘でございます。恐らくや、現在の二倍、三倍の道路幅が必要であろうと考えます。早急に橋本市と打ち合わせ、都市計画道路の変更が必要でなかろうかと思うのでございます。既に現在、この計画道路の沿線には建物が建設されようとしております。早急に計画の変更をし、計画決定して将来に備えなければならないのではないかと思います。そのためにも橋本市との事前協議が必要で、すぐにも計画変更の決定をすることが必要であると考えますが、どのようなお考えをお持ちなのか、お伺いいたします。
 続いて、京奈和自動車道並びに国道三百七十一号バイパスについて土木部長にお尋ねいたします。
 京奈和自動車道は、ご存じのように、京都、奈良を経て和歌山へ通じる大切な高速道路でございます。また、阪神大震災で日本の動脈が切断されたこともあり、第二の動脈となる京奈和自動車道でございます。太平洋新国土軸の中でも重要な位置づけがされてございます。そういう意味から、地元橋本市民のみならず和歌山県民が京奈和自動車道の早期開通を望んでおるところでございます。
 また国道三百七十一号バイパスについては、橋本市民が特に望んでおるところでございます。河内長野を起点として二十四号線まで結ぶ、橋本市内で約六・五キロの道路でございます。「大阪へ高速道路で一直線」、こういうことでございまして、この京奈和自動車道並びに国道三百七十一号バイパスの現在までの買収の進捗率、また着工時期についてお尋ね申し上げたいと思うのでございます。
 もう一つは、京奈和自動車道の橋本以西についてお尋ねいたします。すなわち、京奈和自動車道紀北東道路並びに紀北西道路でございます。
 現在どういう計画で進んでおるのか、お伺いしたいと思います。これらについても早急に計画を立てられ、計画決定されることをお願い申し上げたいと思うのでございます。
 続いて、広域農道について農林水産部長にお伺いいたします。
 現在、紀の川左岸農道の工事が九度山町で始められております。また、かつらぎ町、橋本市については地籍調査が当初計画から非常におくれておるようでございます。去年私がお伺いしましたところ、去年の秋には橋本、学文路地区内で橋をかけたいという話でございましたが、まだ全然その気配もございません。聞きますと、地籍調査に非常に手間取っているということでございます。現在、地籍調査はどこまで進捗しているのか、現在の人員で十分なのか。各市町職員の大幅な増員が必要と思われますが、県はどのように指導なさっておられるのか、伺いたい。
 また、かつらぎ町以西の那賀郡内、打田まで紀の川左岸道路が計画されておるようでございますが、現在どのような計画で地元へおろされておるのか、お伺いしたいと思います。
 農道で、もう一点お伺いしたいと思います。
 現在、橋本市内には、奈良県五條市から橋本市恋野にかけて農道がございます。それが途中で切れておりまして、現在の計画では紀の川左岸道路へは県道におりる形になっており、完成した暁には再び紀の川左岸農道へ直結されていくということでございますが、恋野農道と紀の川左岸道路を直結していただきたい。現在こういう計画をお持ちなのかどうか、お伺いしたい。途中で一たん切ってしまうような農道は非常に非効率的であると考えます。
 お聞きしますと、現在計画されていない箇所は、農業の受益面積が非常に少ないために計画がなされなかったようでございますが、今新たにふるさと農道整備事業等々、平成五年から農林水産省の計画であちこちに工事が行われております。平成九年までの時限立法だと伺っておりますが、この後の事業で両農道が結ばれるように計画をお願いできないものか、お伺いするわけでございます。
 最後になりますが、現在NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」が高い視聴率の中で放映されてございます。
 視聴率三○%の日もあると聞いておりますが、三○%を人数に換算すると約三千万人になるということだそうでございます。三千万人の人が、和歌山県にゆかりの吉宗のドラマを見ているということであろうと思うのでございます。
 昨年盛会裏のうちに終わりましたリゾート博の折にも、和歌山県は熱心にキャンペーンを行いました。全国各地、また県内で華々しいPR活動をされ、イベントも数多く行われました。しかし、この大河ドラマ吉宗については、三千万人が毎週見ているということに着目していただきたいと思うのでございます。私は、和歌山県のPRが現在全然されておらない、そんなことを言うつもりはございませんが、私のところに入ってくる情報では、リゾート博に比べて非常になまぬるいのと違うかという声がございます。
 この大河ドラマというのは、ご存じのように放映中が勝負でございます。どうかこの期間、和歌山県のPRのためにあらゆる機関が一本になっていただき、和歌山県PRのチャンスを絶対失ってはならないと思います。
 また、県と和歌山市がうまいこと歯車が合うていないということも聞きます。和歌山県の発展のために、どうぞ和歌山県と和歌山市が手を携え、考え方を一つにしていただきましてすばらしいPRをしていただきたい、また予算の増額等もお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 向井議員にお答え申し上げます。
 新橋本橋の今後の年次計画についてでございます。
 まず最初に、向井議員のこの橋に対する熱意に対し、敬意を表したいと思います。
 この橋については、橋本市の河北、河南を結ぶとともに、高野龍神スカイラインを経て紀南地方へ連絡する、国道三百七十一号の中でも最も重要な橋であると思っております。当路線は、府県境から高野山までについて、大阪高野山道路として昨年十二月に地域高規格道路の候補路線に指定されたわけでございまして、非常に重要で整備が急がれる路線になったわけでございます。
 昨年は橋台予定地における地質調査を行いまして、平成七年度は橋梁の予備設計並びに取りつけ道路のルート等の調査を行うとともに、河川協議を含めた架橋計画を積極的に進めることにしておるわけでございます。本橋梁整備の重要性にかんがみまして、私も早急に検討を進め、早期に工事着工できるように努力してまいりたいと思っております。
○議長(平越孝哉君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 向井議員にお答えいたします。
 まず、仮称・新橋本橋のご質問中でボーリング調査結果についてでございます。
 昨年十二月末に実施したボーリング結果については、左岸側橋台付近で現地盤より約四メートル、右岸側橋台付近で約八メートルの深さで良好な支持層が出てございます。この調査結果は、今後の調査を進める上でぜひとも必要なものでございます。具体的には、今後、橋梁の予備設計、詳細設計を行う場合に基礎工の根入れ深さの決定等の根拠としていくものでございます。
 次に、今後の年次計画についてでございます。
 新橋本橋架橋については、平成七年度に予備設計を行うとともに、建設省と河川協議を進め、早期事業着手に向けて積極的に取り組んでまいります。また、将来的には新橋本橋の北側の取りつけ道路が国道二十四号と立体交差することが望ましいと考えておりまして、立体交差をする場合には、ご指摘のように現道の拡幅が必要となってまいります。今後、これらの点について検討を急ぐとともに、市とも協議し、都市計画決定の変更も含め、計画案を早期に固めるべく検討・促進してまいりたいと思っております。
 次に、京奈和自動車道、国道三百七十一号バイパスの三点のご質問のうち、買収の進捗状況についてでございます。
 京奈和自動車道については、近畿自動車道紀勢線とともに国土の骨格をなす高規格幹線道路でございまして、県としても早期整備を国に強く働きかけているところでございます。
 奈良県境から高野口町までの十一・三キロメートルの橋本道路については、平成元年度に事業化され、平成三年度から県境部の真土地区より用地買収を進め、その後、下兵庫、上兵庫地内で、また今後、垂井、中島地内でも用地買収を進めることとしております。
 また、国道三百七十一号橋本バイパス六・五キロメートルについては、府県間道路として重要でありますし、また周辺では大規模な宅地造成も進んでおり、交通量も増加しているところでございまして、重点整備路線として取り組んでいるところでございます。現在、各所で境界確定、用地測量を行っております。さらに、完了した区間から用地買収を進めておりまして、御幸辻地内並びに市脇地内での物件等の調査を行っております。平成七年度は、残る区間の用地買収などを促進してまいります。
 次に両路線の工事着手につきましては、京奈和自動車道においては現在用地買収を促進中であり、なお一層予算の拡大を国に働きかけるとともに、用地の進捗状況を勘案しながら、早期に本工事に着手できるよう要望してまいりたいと思っております。
 また国道三百七十一号については、平成七年度は残土処理場などの仮設工事に着手する予定としており、今後とも事業の促進に努力してまいります。
 最後に、橋本道路以外の箇所の計画についてでございます。
 高野口町から打田町十六・九キロメートルについては、平成五年度に紀北東道路として事業化され、現在、平成七年度中に都市計画決定を行うべく必要な諸調査を行っております。残る打田町から和歌山市間の紀北西道路については、第十一次道路整備五箇年計画において期間内での事業着手が予定されております。今後とも、この道路の重要性にかんがみまして、事業の促進を国に強く働きかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 農林水産部長日根紀男君。
 〔日根紀男君、登壇〕
○農林水産部長(日根紀男君) 広域農道についてのご質問にお答えいたします。
 まず第一点の、広域農道紀の川左岸地区の進捗状況についてでございます。
 広域農道紀の川左岸地区は、橋本市西畑地内からかつらぎ町を経て那賀町北涌まで延長十七・九キロメートルを平成三年度から着手してございます。平成六年度までの進捗は三○・四%となってございます。また、これに続く那賀郡内でございますが、粉河町を経て打田町竹房まで延長十キロメートルを紀の里地区として平成七年度から着手する予定でございます。
 ご指摘の事業進捗を図るためには用地の確保が先決でございますので、地権者に協力を要請するとともに、関係市町に対しては地籍調査事業への取り組みを強く指導しているところでございます。いずれにいたしましても、早期完成を目指して関係市町とともに努力してまいります。
 次に、橋本市恋野地区農免道路から広域農道紀の川左岸地区に接続する道路についてでありますが、橋本市と協議をいたしまして、実現に向けて方策の検討をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 知事公室長野見典展君。
 〔野見典展君、登壇〕
○知事公室長(野見典展君) 向井議員にお答えをいたします。
 本年一月から放映されておりますNHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」を利用した本県PRについてのご質問であります。
 昨年の放映決定後、県ではこれを本県活性化の絶好の機会としてとらえ、県庁内に関係各課室による吉宗プロジェクトチームを設置し、ドラマの中に県内の吉宗ゆかりの地や観光地ができるだけ取り入れられるよう働きかけるとともに、さまざまなPR活動を展開してございます。
 県外へのPRの主なものについては、現在、東京、大阪、名古屋、福岡、広島において、吉宗展と観光展の実施や新聞、雑誌、ポスター等を通じてのPR活動を行ってございます。また、具体的な観光客誘致対策として、旅行エージェントとタイアップした商品の企画設定やキャンペーンを実施してございます。
 県内においては、現在、フォーラムや歴史講座を実施してございますが、今後も県立博物館での特別展の開催、吉宗ゆかりの文化財の整備、県内七カ所での吉宗リレーイベントの実施などにより、吉宗とその時代を知っていただくとともに、観光客誘致につなげる事業を積極的に展開することとしてございます。また、これらとともに、県内各地において吉宗にちなんだ催しを市町村と一体となって実施し、一層の盛り上がりを図り、和歌山県のイメージアップに努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 9番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 知事から、仮称・新橋本橋に非常に前向きなお答えをいただきまして、ありがとうございます。
 地元の者にとっては、まだ十年先の話かいなあと思っておりましたが、昨年十二月にボーリング調査をしていただき、非常に良好な地盤が出たという土木部長のお答えもいただきまして、本当にありがとうございます。一日も早い建設をお願い申し上げたいと思います。
 きのうも高瀬議員から、高野文化の認識についてということで一般質問がございました。世界に誇る高野の文化──公称年間百万人の観光客と言っているんですが、この橋の開通並びに新しく建設されるであろう丹生川ダムの国道三百七十一号線の広域道路により、橋本市から高野山まで制限速度六十キロで二十分で行けるような計画とお聞きしております。
 この橋と新しくできる道路が直結されることによって、高野文化がより広く日本国じゅう、また世界の皆さん方にご紹介できるんじゃないか、百万人が百五十万人の観光客になり、高野山並びに龍神スカイライン、ひいては紀南の方へ観光客がどっと繰り出していただけるんじゃないかと期待できる、そういう橋でございます。
 そういう意味から、知事さんには本当に前向きなご回答をいただいたことを心から感謝申し上げます。どうか、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、農免道路の恋野農道と現在工事中の紀の川左岸農道を直結することによりまして、地元は非常に活力が出るのではないかと思います。昔の農免道路は農業をするための道路で、耕運機が走るというような設計のもとにされた道路であったと思うのです。しかし、現在建設を計画されている道路は、ある意味では車のバイパス的な役目をする道路であろうと考えております。したがって、恋野農道と新しく計画されている紀の川左岸農道が直結することによって、奈良県、橋本市がより発展するのではないかと期待を申し上げておるわけでございます。
 もう一つ、吉宗の関係で公室長に辛口の質問をさせていただきましたが、一生懸命PRをしていただいているのはよくわかります。しかし、私が感じることを申し上げると、昨年燃えたあのリゾート博に比べたらどうかいなと思えるわけでございます。どうか、リゾート博に劣らぬPRとか活動をご期待申し上げまして、私の要望とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(平越孝哉君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時二十六分休憩
 ──────────────────
 午後一時五分再開
○議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 14番富田 豊君。
 〔富田 豊君、登壇〕(拍手)
○富田 豊君 職責をもわきまえず発言の機会をお与えいただき、お許しを賜りましたので、あいさつを含め、質問をいたしてまいりたいと存じます。
 私ごとで大変恐縮でございますが、このたび種々熟慮いたしました末、今期を最後として次期選挙には出馬しないことを決意いたしました。先輩・同僚各位はもちろんのこと、知事並びに当局の皆さん、そして報道関係の方々、後援会の皆様には大変お世話になりました。この間、温かいご交誼、ご厚情を賜りましたこと、私の生涯を通して忘れ得ない感謝の心で胸いっぱいでございます。本当に長い年月、ありがとうございました。厚く御礼を申し上げたいと思います。
 顧みますれば、昭和三十四年、市議会議員に初当選して以来、市会、県会を通して三十六年間、微力ながら郷土の発展のためにと心を尽くしてまいりましたが、今は懐かしい、忘れ得ぬことどもが走馬灯のように思い出されるきょうこのごろであり、万感胸に迫る思いであります。重ねて、厚く御礼を申し上げます。
 さて、私にとって最後の質問となりましたが、通告に従い、質問に入らせていただきたいと思います。
 今日まで、和歌山県勢の活性化はどうあるべきか、また心のこもる福祉や教育のあり方はどうすればよいのかと質問をいたしてまいりました。和歌山県は、地理的条件等々によりやむなく、人口問題、県民所得や県民総生産、そして雇用・就労の問題等々が全国ワーストランクに位置づけされ、低迷を余儀なくされたのでありますが、いよいよ仮谷県政も総仕上げとも言うべき最後の当初予算の本会議であります。五期二十年の長きにわたり県勢の浮揚対策、活性化について真剣に取り組まれ、「まごころ県政」を標榜して鋭意努力なされたそのかいあって、今ようやくその成果が実る基盤づくりができたのではないかと思うのであります。関西国際空港の開港を契機として、世界リゾート博の大成功と相まって、その関連事業も着々と成果をおさめつつあることはまことにご同慶の至りであり、将来に明るい基盤づくりができたとも言えるのではないでしょうか。
 しかしながら、その兆しが見えたとはいえ、まだまだこれからが本番であると思うのであります。関西国際空港も今のままではアジアの、否世界のハブ空港としての機能には乏しく、是が非でも全体構想実現が絶対欠くべからざるものであります。全体構想実現に向けての見通しや現況についてお示しを願いたいと存じます。
 次に、昭和五十六年三月の議会で私が提唱いたしました紀淡海峡大橋の架橋実現についてでありますが、今日、調査費もついたことでもあり、太平洋新国土軸構想とあわせ、ぜひ実現させなければならぬことは言をまたないのであります。現時点におけるその進捗状況はどうなのか、実現に向けての目標、日程等について、予想できる範囲で結構ですから、お伺いをいたしたいと存じます。
 次に、私が十数年前質問をいたしたことの中で、奇想天外なことを考えなければ和歌山県の活性化はないということで、当時、新幹線の予定のないのは和歌山県と沖縄県であるとうわさされた時代でもありましたが、夢みたいなことのようではあろうが紀伊半島を一周する新幹線誘致を唱えてはどうか、今から名のりを上げても決して早くはないと訴えてまいりました。近年はミニ新幹線構想が浮上してきたようにも思えますが、紀伊半島を一周するミニ新幹線についてどう受けとめ、どう対応していかれるのか、お考えのほどを承りたいと存じます。
 次に、土取り跡地におけるコスモパーク構想についてであります。
 今、新聞紙上によりますと島精機が提唱している人工スキー場・和歌山ドーム構想が浮上しているようでありますが、コスモパーク全体計画の構想を今後どのようにとらえ、どう対処していくのか、大枠で結構ですから、今お考えになっている構想をお聞かせいただきたいと存じます。
 最後に、今一番県民に求められているのは不況対策ではなかろうかと思うのであります。景気の落ち込みは、下げどまったとはいうものの、いまだ明るい見通しの兆しが見えてこないというのが実態ではないでしょうか。雇用の問題も含め、どこに起因しているのか、また景気を回復させるにはどうすべきなのか、その対策についてどう施策を進めるべきかをお示しいただきたいと存じます。
 以上、質問を申し上げまして私の質問を終わりますが、最後に、先輩・同僚各位のご指導、ご鞭撻賜りましたご厚情に重ねて厚く御礼申し上げ、来るべき選挙にはめでたく全員ご当選なさることを心から祈念申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(平越孝哉君) ただいまの富田豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 富田議員にお答え申し上げます。
 ただいま富田議員には、今期をもって県会議員を引退されるとの声明がございました。お話のごとく、市会、県会を通じて三十六年の長きにわたり県勢、市勢発展のためにご努力いただきましたご労苦に対し心から感謝申し上げますとともに、ますます健康に留意されまして、ご健勝を心からお祈り申し上げたいと思います。
 それでは、質問ございました関西国際空港全体構想についてでございます。
 私も議員と同じく、関西国際空港が世界第一級の国際ハブ空港となるためには全体構想の実現がぜひとも必要であると考えておりまして、第七次空港整備五箇年計画に盛り込むべく、調査費の確保、地元協力のあり方の検討等に取り組んでまいっておるわけでございます。おかげをもちまして、ボーリング調査費を確保するなど、全体構想実現に一応の明るい見通しができたものと考えております。
 しかし、最近の関西を取り巻く政治経済状況は非常に厳しいものがございまして、関西空港の服部社長が申しておりますのは、第七次空港整備が関空にとっての一番の正念場だ、これを実現するためには七月までに地元の体制の整備が最も肝要であるということでございます。特に、大阪が地元としてどの程度考えていくかという態度決定が重要な課題でございまして、五月の終わりごろまでにそうした地元の体制の決断が必要ではないかと言われておるわけでございます。大阪の政治情勢等、また神戸も災害で厳しゅうございますけれども、かねてからの念願でございます。早急に態度を決めていただくよう、和歌山県としてもそうした県とともに、連携を密にして今後とも取り組んでまいりたいと思います。
 特に議会の皆さん方のご支援をいただいて、大阪府、兵庫県、関西各府県の議会の皆さんとともに協調のもと進めてまいらなければならないと思ってございまして、格段のご支援をお願い申し上げたいと思います。
○議長(平越孝哉君) 企画部長宮市武彦君。
 〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 富田議員にお答えいたします。
 関西国際空港の全体構想実現への取り組みについてでございます。
 関西国際空港全体構想についてでございますが、その早期実現のためには、平成八年度から始まる第七次空港整備五箇年計画に全体構想の推進並びに二期計画の事業着手が明確に位置づけられることが不可欠でございまして、このためオール関西から成る関西国際空港全体構想推進協議会を設置し、二期計画に係る事業手法、地元協力のあり方等について、六空整に示された課題にこたえるべく調査検討を積極的に進めてきたところでございます。
 また、平成七年度政府予算において、六年度に引き続き、基礎的調査として欠かすことのできないボーリング調査など全体構想調査費を確保することができ、早期実現に向け大きく前進したものと考えてございます。今後とも、近畿が一丸となり、県議会のご支援をいただきながら全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
 次に、ミニ新幹線構想の進捗状況についてでございます。
 ミニ新幹線構想については、運輸省を初めとする関係機関や各界の有識者の参加を得て、現在、運輸経済研究センターにおいて新大阪との接続方法等、主に技術的な面から調査検討を行っていただいており、県としてもこの調査に参画して積極的に取り組んでいるところでございます。今後とも、これらの調査結果を踏まえ、政府を初め関係機関に対して積極的な要望活動を行ってまいりたいと考えてございます。
 最後に、コスモパーク加太計画の考え方についてでございます。
 コスモパーク加太計画については、昨年四月より、行政が主体となってその推進を図るため調査を進めてまいっているところでございます。
 議員ご質問のコスモパーク加太全体構想については、本県を取り巻く周辺の社会経済環境が依然として厳しく、現時点で二百六十ヘクタールの全体の構想を固めることに苦慮しているところでございます。従って、まず当面は開発整備の基本方向を定め、土地利用の骨格を固めてまいりたいと考えてございます。
 計画の実現に向けては、議員よりお話のございました民間サイドで企画されている人工スキー場構想も含め、今後、社会経済の動向に柔軟に対応しながら現実的、段階的に取り組んでまいるとともに、先ほど西本議員にもお答えしたとおり、長期的視点を踏まえつつ、大阪湾ベイエリア、太平洋新国土軸の沿線地域といった広域的な地域や関西国際空港を視野に入れての取り組みもあわせて行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 土木部長山根一男君。
 〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 富田議員の紀淡海峡大橋の状況と見通しについてのご質問にお答えいたします。
 紀淡連絡道路については平成三年度から建設省において調査が開始され、平成五年度からは和歌山県、兵庫県も現地調査等に加わり、技術的な可能性を探る調査を進めております。平成六年度の海上ボーリングは既に実施しており、現在は風及び地震の観測、環境調査、経済調査等を進めております。平成七年度についても、風及び地震の観測、環境調査を引き続き進めるとともに、波浪の調査、その他の基礎調査を実施する予定でございます。
 また昨年十二月には、これらの検討を進める上で重要となる現地調査の内容、方法等について学識経験者のご意見を伺い、さらに一歩踏み込んで調査の推進を図るために紀淡連絡道路調査委員会が設置され、その中でも「橋梁は技術的に可能である」とされているところでございます。
 紀淡連絡道路は平成五年度からの第十一次道路整備五箇年計画において地域の活性化施策とあわせ事業の具体化を図る路線として位置づけられておりますし、このたびの震災の教訓からも太平洋新国土軸の必要性がますます重要となってきておりますので、早期事業化に向けて国に対し強く要望してまいりたいと思っておるところでございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 商工労働部長中山次郎君。
 〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 景気対策の施策についてお答え申し上げます。
 経済企画庁は、二月の月例経済報告において「我が国は緩やかながら回復基調をたどっている」と判断してございますが、企業設備投資等の調整が続いているなど、回復の足取りは緩やかな状況でございます。また、今回の阪神・淡路大震災は景気の回復基調に大きな影響を及ぼすものと考えてございます。
 県内の景気についても、新設住宅着工戸数、新車登録台数などに明るい動きも見られるものの、円高の進行、企業の海外進出による投資意欲の減退、個人消費の低迷、とりわけ中国を初めとする安い外国製品との競合等の原因により、回復は緩慢な状況でございます。また雇用の状況についても、本年一月の県の有効求人倍率は〇・六六倍と厳しい状況でございます。
 県としては、こうした依然厳しい状況に対処するため、県制度融資の総融資枠を大幅に拡大するとともに、意欲的に新規に事業を開始しようとする方を支援するために新規開業支援資金を創設するなど、中小企業金融の拡充を図ることとし、一方、県内企業の研究開発を支援するための中核施設である工業技術センターの機能充実、技術改善費補助金の拡充等により、新製品、新技術の研究開発に積極的に取り組む企業を支援するための予算を今回お願いしているところでございます。また、雇用の場の確保については、各公共職業安定所での求人の掘り起こしに努め、確保した求人により合同就職面接会を実施するとともに、雇用調整助成金制度の活用などの雇用支援トータルプログラムに基づき企業の雇用維持を支援し、失業の予防にも取り組んでいるところでございます。
 今後とも、さきの阪神・淡路大震災の本県への影響を見守りながら、県内中小企業の発展、経営基盤の安定、雇用の確保のため諸施策を積極的に推進してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(平越孝哉君) 以上で、富田豊君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時二十七分散会

このページの先頭へ