平成7年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(高瀬勝助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時五分開議
○副議長(富田 豊君) これより本日の会議を開きます。
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○副議長(富田 豊君) 日程第一、議案第一号から議案第八十二号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第三号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 17番高瀬勝助君。
 〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○高瀬勝助君 おはようございます。
 私は、高野文化の認識、ボランティア活動の振興策、多目的ホールの活用、そしてスポーツイベントの誘致の四点について質問をさせていただきます。
 初めに、高野文化についてお尋ねをいたします。
 世界は、交通手段の変遷により大きな進歩を遂げてまいりました。二十世紀初頭は鉄道と海運が国の将来を左右し、二十世紀も半ばになるとハイウエーの時代、航空の時代が到来いたしました。ある経済評論家によると、来る二十一世紀は情報ハイウエーの時代になるとともに、大航空の時代になるということであります。従来の航空の時代というのは国内航空中心の時代のことであり、それに対し人々が航空機で地球規模で動き回ることを、「航空」に大きいという字をつけて「大航空の時代」と言うのだそうです。また、従来は十億人規模の自由市場しかなかったのですけれども、東西冷戦の終結後、中国を含め五十億人の市場が出現し、競争の時代から大競争の時代に移行しつつあるということでございます。
 一方、自治体間では、地域の活性化、産業振興、観光振興などの観点から、地域文化振興のための施策が活発に展開されています。地域文化は幅広い領域にわたるもので、またそれぞれ歴史や風土を背景に、多様かつ個性的でなければならないと思います。幸い、本県は温暖かつ風光明媚な環境にあり、古くから木の国とも呼ばれ、自然に恵まれた歴史的風土を誇る県土であります。また古代から、南に熊野三山を中心とした熊野文化、北に真言密教を中心とした高野文化といった二大信仰の地を持ち、県内には国指定の文化財が四百二十一件、県指定文化財が五百三件と、数多くの文化財を保有しております。私は、和歌山に住んでよかったという誇りを持つとともに、先ほども申し上げたように、世の中が地球規模で動いている中で、地域文化の振興に対する考え方もまた世界を視野に入れたものでなければならないと思うのです。こうした中で、私は高野文化の認識についてお伺いしたいと思います。
 高野山は海抜一千メートルの高さにあり、真言宗総本山金剛峯寺を中心に、東に奥ノ院、西に大門を抱えた広大な聖地であり、八百十六年に空海によって開祖されて以来、一千百余年にわたる長い歴史を有しております。深い杉木立の中、おびただしい数の墓碑や供養塔が建ち並び、また年間を通じて十度も涼しいと言われる絶好の避暑地でもあり、高野山全土は数多くの重要な文化財を持つ、世界に誇り得る文化遺産であると言えます。
 ところで、関西財界人の多くは軽井沢やアメリカのアスペンのようなしゃれた避暑地が近くにあればと常々思っていると、ある評論家から伺ったことがあります。ご承知のように、軽井沢は東京の財界や政界の方々が夏にさまざまなセミナーを開く場所でございます。また、一九六○年代に鉱山の町から、冬はスキー場、夏は音楽と会議の町へと華麗な変身を遂げたアメリカ・コロラド州のアスペンにおいても、政治家や財界人、研究者の国際会議が多く開催されております。関西国際空港が開港した今、私は、高野山はアメリカのアスペンのように世界各地から人々が集まる場になる可能性を持っているのではないかと思うのです。大航空、大競争の時代に入りつつあるこの時代に、私たちは今まで思いもつかなかったような大きな発想をする必要があるのではないでしょうか。
 和歌山は、従来、地域振興の面では全国的に見て先進県であるとは必ずしも言えない側面があると思います。この際、むしろ国内レベルを飛び越えて、世界を相手にした発想をしてみてもいいのではないかと思っております。例えば、今後の研究課題であるとは思いますが、私は法隆寺や姫路城のように、高野山を世界遺産条約の文化遺産リストに登録し、世界にアピールするというような発想をしてもまたおもしろいのではないかと、個人的には考えております。
 そこで、お尋ねいたします。
 高野文化の認識についてどのようなお考えを持たれているか、教育長にお答えをいただきたいと思います。
 次に、ボランティア活動の振興策についてお伺いいたします。
 一月十七日に発生いたしました兵庫県南部地震による阪神・淡路大震災の人的、物的被害については、消防庁災害対策本部の二月二十八日発表では五千四百三十八人のとうとい人命が一瞬のうちに失われました。心からご冥福をお祈りいたします。また、行方不明三人、負傷者三万四千六百九十八人、物的被害も、現地をつぶさには見ておりませんが、報道等からも目を覆う惨事がひしひしと伝わってきて、改めて地震災害の恐ろしさを痛感する次第です。
 そういった中で、連日、大震災関連でボランティアの目覚ましい活躍が報道されています。今回、初めてボランティアに参加された方々も多いと聞いておりますが、被災された方々は本当に勇気づけられたと思います。寒さ厳しい避難所で熱い豚汁をサービスするボランティア、焼き鳥と木炭をワゴン車に積み込んで張り切っているボランティア、全国から送られてきた救援物資をてきぱきとさばくボランティア、医療、福祉や土木、農林技術等、多くの分野で多くの方々が活躍されております。今回の震災は、ボランティア活動の重要性について私たち国民に強烈なインパクトを与えたのではないかと思います。また、大成功をおさめた世界リゾート博においてもボランティアの方々が活躍され、多くの入場者の方々に和歌山のよさを再認識していただいたのではないでしょうか。そして、昨年広島で開催されたアジア大会の成功もまた、学生を中心にした多くのボランティアのたまものと言われております。
 さて、このように大災害とか大イベントにおけるボランティアの目覚ましい活躍は、これからの地域社会のあり方に一つの方向を示したものではないでしょうか。行政が、実際問題としてすべての面をカバーし切れないという問題もあると思います。しかし、もっと大事なことは、県民の参画があれば何事もなし得るし、また生きがいや人生の喜びにつながるということではないでしょうか。相手から喜んでもらえた、あるいは「ありがとう」の笑顔が忘れられない、自分の技術や知識が役に立ったとか、さまざまな理由があると思います。昨年、関西国際空港も開港し、和歌山も世界の玄関として羽ばたくチャンスがめぐってまいりました。近い将来、和歌山においても国際会議や大会を誘致し、世界にアピールしなければならないと思います。これらを成功させるためには、行政だけでなく、通訳を初めホームステイや史跡の案内など広範囲にわたって県民の参画がなければならないと言っても過言ではないと思います。このためには、若者や女性に限らず、高齢者の方々の参加も必要であります。
 私も、スポーツには多少縁がありますので、よく思うのですが、スポーツの基本である他人への思いやり、助け合いの心、奉仕の精神、勇気と実行といったことがボランティアの理念と根本のところでつながっていると思います。ラグビーの精神ともなっている「ワン・フォア・オール、オール・フォア・ワン」、直訳すれば、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」ということになるのでしょうか。まさに名言であると思います。ボランティアの重要性に対する認識は高まりつつありますが、実践している人はまだまだ少ないようです。しかし、今後機会があれば参加したいと思っている人は多いのではないかと思います。このことは、まさに二十一世紀に向けた、人間としての温かみと思いやりのあるすぐれた人材の育成という大きな課題であると思うのです。
 そこで、お尋ねいたします。
 人材の育成あるいはボランティア活動の振興対策など、県として今後どのように取り組まれるのか、知事及び民生部長にお答えいただきたいと思います。
 次に、多目的ホールについてお尋ねいたします。
 和歌山操駅跡地に建設される多目的ホールは、総工費約百二十億円をかけて平成九年春に完成する予定であるとのことであります。私は、昭和三十九年に、当時全国に類を見ないほどの立派な県立体育館が中之島に完成したときのことを思い浮かべます。あれから三十年、県立体育館は、紀三井寺の総合運動公園とともに、本県におけるスポーツの拠点として、国際大会や国内のビッグ大会はもちろんのこと、あるときには興行や大規模な展示会等さまざまな形で利用され、立派にその役割を果たしてまいりました。しかしながら、三十年という相当な年月を経た現在、老朽化も進み、また設備等についても、比較的最近の建設になる他府県のメーン体育館のように充実しているとは言いがたいものがあり、新しい体育館を早期に建設してほしいというのがスポーツ関係者の切実な願いでありました。
 このたびの多目的ホールの完成予想図や施設の規模等を見てみると、メーンアリーナの面積が三千二百八十平方メートルとなっており、現在の県立体育館の約二倍、大阪城ホールにほぼ近い広さを持っており、大相撲の春場所が開催される難波の大阪府立体育館よりも若干広いという実に立派なものであり、最大収容人員も約八千五百人と、本当にすばらしいものであることが十分うかがえるところです。もちろん、多目的に使用可能な建物でありますから、スポーツに限らず完成後にはさまざまな用途があろうかと思いますが、スポーツ関係者の間では現在の県立体育館にかわるものであると受けとめております。その意味においても、スポーツ界の要望を踏まえてアリーナの床面を木質にしていただいた経緯もあるようですので、完成を心待ちにしているわけです。事ほどさように、私たちスポーツ関係者はもとより、関係の方々にとって待望久しかったホールがいよいよ完成する運びとなってまいりました。今後は、長期的な視野に立った有効な活用を早急に考えなければならないのではないかと考えております。すぐれたスポーツイベントを誘致開催するにしても、大規模な文化イベントを開催するにしても、関係機関と相当な準備期間や調整期間が必要になるのではないでしょうか。
 そこで、お尋ねいたします。
 まず、この多目的ホール完成後に向けて、その活用等どのようなお考えをお持ちか、また今後の活用促進を図っていくために、長期的な観点から、オープニングイベントも含めてその計画、準備等について企画部長にお答えをいただきたいと思います。
 最後に、大規模なスポーツイベントの誘致について、長期的な観点から、その計画、準備等についてお伺いしたいと思います。
 すぐれたスポーツイベントの誘致開催については、青少年に夢と希望を与え、スポーツへの関心と意欲をさらに高めるためにも、また県外から多くの観客に観戦していただき、ひいては地域を活性化するためにも、ぜひとも実現していただきたいと思っております。また、多目的ホールを有効利用する意味においても、スポーツイベントを継続的に誘致することは非常に大事なことだと思っております。この点について、教育長の見解をお伺いしたいと思います。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(富田 豊君) ただいまの高瀬勝助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 高瀬議員にお答え申し上げます。
 ボランティア活動の振興策についてでございます。
 お話ございましたように、今度の阪神・淡路大震災においてボランティアの活躍には非常に目覚ましいものがございまして、心温まる感じがいたしたわけでございます。また、県内からも多くのボランティアの方に参加していただいて大きな成果を上げていただいたこと、非常にうれしい限りでございます。
 この振興策については、県社会福祉協議会の中に県ボランティアセンターを設置しておりますし、また県立図書館においても生涯学習ボランティアセンターを設置して、リーダーの養成、啓発、参加する機会の提供等々について指導を行っておりまして、今後ともなお一層の充実強化を図ってまいりたいと思っております。
 また、旧国鉄和歌山操車場駅跡地に建設を予定している総合健康・福祉棟に、県ボランティアセンターを初め、女性センター、国際交流センター、青少年活動センターなどの活動拠点を設置いたしまして、人材の育成に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 福祉や国際交流、その他各方面にわたる活動を通じてその知識、体験が蓄積されることにより、ボランティアとして活動される場所がさらに広まっていくということが非常に重要なことでございます。行政とともに、こうした民間の温かいボランティア精神が相まって住みよい郷土を築いていくことが最も肝要なことではないかと思っております。これから、福祉の問題、災害の問題、イベントの問題、各種大会、国際会議等いろいろ行われますけれども、生きがいの実感できるボランティアの活躍の場をなお一層広げてまいる所存でございます。
○副議長(富田 豊君) 民生部長南出紀男君。
 〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 高瀬議員の、ボランティア活動の振興策についてお答え申し上げます。
 ただいま知事の答弁にもありましたように、このたびの阪神・淡路大震災において、ボランティア活動として、県内から救援物資の受付、仕分け、搬送など、あるいは被災地の各地での炊き出し、物品の輸送、福祉、医療、建築、土木関係等、また社会福祉協議会による被災地の高齢者や障害者を初め、被災者の方々のニーズの把握等々、あらゆる分野において大いに活躍されているところでございます。
 議員ご指摘のとおり、ボランティア活動については、行政で及ばないきめ細かなニーズに対して、自主的、自発的に活動される面があるとともに、ボランティアの方々自身についても、地域社会の中で自分の知識、体験が役立っている、感謝されているといった生きがい、充実感があるのではないかと考えております。
 昨年の世界リゾート博においても、多くのボランティアの方々の参加をいただき、いろいろな分野で活躍されました。また、本県を訪れる外国人に対して、通訳、ホームビジット、ホームステイなど、国際化に対応すべくボランティア登録制度を実施するとともに、育成に努めているところでございます。
 しかし、ボランティア活動に関心があり、機会があれば参加してみたい人は多いようですが、常々活動されている方々はまだまだ少ないのが実情でございます。
 県といたしましては、平成六年四月、県社会福祉協議会の中に和歌山県ボランティアセンターを設立し、広報・啓発活動に努めるとともに、リーダー研修の開催、体験の場の提供として、サマーボランティアスクールの実施、ボランティア保険の掛金の補助等の支援策を行っているところでございます。また昨年十一月、気軽にボランティア体験をしていただくためにボランティア祭りを開催いたしましたところ、高校生を初め約五千人の参加があり、ボランティアに対する関心の高さを感じたところであり、今後の活動に期待しているところでございます。
 ボランティア活動の必要性は、災害、福祉、清掃美化、スポーツ、国際会議等、今後各分野において予想されます。非常時においても、ボランティアの組織や役割分担について、特にその力を一○○%発揮させるためにも、ボランティアコーディネーターの養成に取り組む必要があると思います。またボランティア活動は、地域社会の中で青少年の健全育成の上にも大きなものがございます。今後なお一層、県ボランティアセンターなどの機能充実を図り、関係部局とも連携を深めながら、人材の育成ともどもボランティアの振興を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 企画部長宮市武彦君。
 〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 高瀬議員にお答えいたします。
 多目的ホールの活用についてでございます。
 二十一世紀における県民の健康増進及び触れ合い交流の場といたしまして、仮称・和歌山県多目的ホールを建設することになっております。本ホールは、日本で初めて鯨の形態をイメージした外観、また木の国和歌山を象徴する天然材の使用、フレキシブルな利用を図る移動つり物機構などの最新鋭の設備、全長千二百メートルの桜並木などを配した遊歩道、周辺整備等、随所に趣向を凝らした、国内外に大きくアピールできる日本有数のホールとなってございます。
 本ホールの活用については、国際級の室内スポーツ競技大会を初め、集会、展示会、見本市、興行などの各種イベントを開催することにより、本県の文化振興、スポーツ水準の向上、地場産業の振興、国際交流の促進の拠点となるような活用を進めてまいる所存でございます。
 また、活用促進を図るため、国内外に広くアピールするとともに、利用形態をイメージしたオープニングイベントについて庁内外の関係者のご意見を伺いながら、平成七年度より準備に取りかかってまいる所存でございます。さらに、室内スポーツ競技大会や各種イベント主催者、関係機関に対して、誘致に向けたPR活動をあわせて実施いたしたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 高野文化の認識とスポーツイベントの誘致についてお答えいたします。
 高野山や熊野三山は、古くから人々の心のよりどころの一つとなってまいりました。ここでは、すぐれた文化や自然などの遺産が歴史を超えて今もなお受け継がれてございます。地域の風土や生活の中ではぐくまれた伝統文化は、心の礎であるばかりでなく、創造の基礎となるものと考えてございます。科学技術が急速に進み経済が発展する中で、物質的には豊かになりました。しかし、他人を思いやる心や弱者をいたわる心、物を大切にする心など、人間として備えるべき基本的なものを見失いがちになってございます。国際化が進み、関西国際空港が開港された今日、高野山のすぐれた文化遺産、自然を生かすことがより重要であると認識いたしてございます。
 こうしたことから、私たちは高野山などの持つ貴重な文化財を国の内外にアピールし、多くの人々に触れていただけるよう、建造物、美術工芸品、史跡等の保存整備を行ってまいりたいと考えます。
 次に、スポーツイベントの誘致については、県民に明るい話題や感動を与え、青少年に将来に向けての夢やあこがれを抱かせ、スポーツに対する興味や意欲をかき立てるとともに、ひいては地域の活性化にもつながることから、大変重要であると考えてございます。
 特に、大規模なスポーツイベントともなれば、その競技の国際団体なり国内の統括団体との事前の調整と合意を要するなど、相当な準備期間が必要でございます。今後、多目的ホールの有効利用の観点からも、計画的な誘致に向けて努力してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 17番高瀬勝助君。
○高瀬勝助君 知事初め、ご答弁をいただいてありがとうございます。
 ボランティアということで、本当に私、今回の大震災の大きな教訓とでも言うべきものを考えさせられました。子供のいじめだとか、そういうような問題がある中で、最近の子供たちは家の中に閉じこもって、他人との遊びの場が少ないというようなこともございます。スポーツの団体競技を通じて、あいさつに始まり、あいさつに終わる、そういう中に物の時代から心の時代に移っていく上で考えなければならないものがあるのではないか。
 この大震災によって学校の体育館等で共同生活をしている中で、きのうまで隣の人と話もしたことのない人たちが、そしてまた今の少子化の時代、核家族の時代の中でお互いの話し合いができて、そこにほのぼのと心の通じるものを感じたというようなことを被災者の方たちから伺ったことがございます。私たち五十代の者が昔子供のころお互いに遊んだ子供心というものがこの大震災によって──災い転じて福ではないですけれども、一人で生活してきた者が共同生活の中でお互いに話し合うことによってそこに新しい融和ができたし、そういうことがボランティア精神に大きく生きてきているのではないかと、そんなことを感じて質問をさせていただいた次第でございます。
 その意味で、いよいよこれから和歌山県の時代でございますので、どうかボランティアということも含め、新しい時代に向かっての和歌山県発展につながればと思っております。
 高野山の遺産についてのお話もさせていただきましたが、これは高野山だけでなく、先ほどお話があったように、和歌山県には文化遺産がたくさんございます。かつて、8の字ルートということで、道路の延伸の中で和歌山県を大きく結んでいこうという構想がありました。宗教の問題等もありますけれども、それらを乗り越えて、和歌山県自身の文化遺産のようなものをつくってこれからの世界にアピールすることが関西国際空港を生かす大きな原点になるのではなかろうかと思っております。
 多目的ホールの活用について企画部長から答弁をいただいたわけですけれども、どうかオープニングイベントだとかスポーツイベント、文化イベント等、話題性のある大きなものの企画誘致をしていただきたいと思っております。
 平成九年の春まで二年しかございませんけれども、教育長のご答弁にもございましたように、例年行える全国大会だとかそういうものが企画できればなと、スポーツを愛する一人として感じております。そういうことによって県勢の活性化につなげていただければと、それをひとつ要望としてお願いして、質問を終わります。
○副議長(富田 豊君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で高瀬勝助君の質問が終了いたしました。

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