平成6年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時六分再開
○副議長(富田 豊君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(富田 豊君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 3番井出益弘君
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 まず最初に、先日亡くなられた故浜口矩一議員に哀悼の誠をささげ、ご冥福をお祈り申し上げます。
 では、お許しをいただきましたので、順次一般質問をさせていただきます。
 まず、道路、交通網体系について。
 最初に、和歌山市外周圏域バイパス環状高規格道路の建設について知事と土木部長にお尋ねいたします。
 六月の議会でも申し上げましたけれども、関西国際空港の開港とともに、関空関連地域として和歌山市、岩出、海南をも含めて人口百万都市構想に向かい、将来の県都和歌山市圏域が万年交通停滞とならないために、第二国土軸とともに和歌山市、岩出、海南圏域の環状高規格道路が和歌山県の重要な交通体系として必要な時期が近い将来必ず来ると考えます。和歌山市内の中心部における交通網の停滞緩和については、道路の拡幅等も必要でしょうが、建築密集地域での内環状道路の整備については民間の協力を取りつけるのが極めて困難で、費用も余りにも巨額となり、貫通、完成するにはまず不可能に近いような年月が考えられます。その点、関西国際空港へのアクセス道路は開港時期目指してかなり早く完成したものであります。泉佐野市や泉南地域は、この機会に高速道路の整備がかなり進んだため、市内の停滞が大きく改善されたと聞いております。将来、和歌山市外周圏域バイパス環状高規格道路建設の必要性について、知事の見解並びに土木部長の答弁を求めます。
 二番目に、第二阪和国道と和歌山北バイパス、新南海橋の経過と今後の取り組みについて土木部長にお尋ねします。
 和歌山の大動脈ともなるべき第二阪和国道開通事業において、バブル崩壊後、最近、地元和歌山市では用地買収や家屋買収に対して買収申し出が大変ふえております。以前は予算をつけていただいて、買いに行ってもなかなか売っていただけなかった話が、最近は、家の方も雨漏りがしかけているし事業も早くやってほしいので協力するから早く買いに来てほしいと言われております。しかし、以前は地元の協力が得られない状況との答弁であったが、最近は予算がなくて買収に応じられないとのことであります。
 理由はいかんにしろ、一日も早く着工し開通させることが、和歌山にとって大きな経済波及効果があることは明らかであります。世界リゾート博覧会の事業を成功させるために、道路関係予算はトータル的には第二阪和すなわち新南海橋ルート、和歌山北バイパスの予算が大きく削られてしまったようであります。世界リゾート博覧会が見事に成功した現在、次は第二阪和、新南海橋を一日も早く開通させることに全力を挙げていただかねばなりません。取り組み状況をお尋ねします。
 三番目に、国道二十四号岩出バイパスの紀州大橋へのアクセスについて土木部長にお尋ねします。
 紀州大橋北詰めで、紀の川川下より岩出バイパス国道に合流する部分での交通事故が多発しております。直川、有功、六十谷、楠見方面から紀州大橋を利用して和歌山インター方面へのアクセスが整備されていません。関係方面から改善、対処を求められていますが、早急に取り組んでいただきたいものであります。当局の対処について答弁を求めます。 
 次に、都市計画について土木部長にお尋ねします。
 一番目に、鉄道の高架について。これは、JR、南海ともであります。
 新南海橋南端にも関係しているのですが、道路交通網整備に極めて効果的な鉄道高架のその後の取り組みと状況についてお答えください。南海紀ノ川駅周辺の連続立体交差事業、またJRの紀の川右岸六十谷橋北詰めについても何とか立体交差にできないかという以前からの懸案事項にその後いかに取り組まれているか、お尋ねします。
 二番目に、都市計画の見直しの実行がおくれることは県民には実害となっていることについて述べさせていただきます。
 戦前の昭和十六年当時の都市計画決定のまま戦災を受け、焼け野原になった後、戦災復旧の家屋が風致地区の松林だったところにも建ち並んでいます。家屋が建ち並んでいるのに、五十五年前の松林だったときの規制を現在も県や市の行政は適用するため、市民、県民の行政への不信は高まっています。これだけ議会で見直しの必要性を指摘され、見直しが必要と答弁しながらも、この規制は改正されていないとして市民に押しつけるのは、行政の間違いか、法律が間違っているのか。市民、県民に相談を受けるたびに、県は見直すと言ってくれていますよと、三期九年の間、何回説明したことかわかりません。このことで、県民は多くの実害を受けています。何かと仕事が忙しいかと思いますが、やっていただきたいものであります。関連した事柄もたくさんありますが、この風致地区の件にだけ絞って答弁を求めます。
 三番目に、土地の有効利用と行政対応の現状について。
 今から約三十年前、和歌山に路面電車が走っていたところを、路面電車廃止の際、その細長い電車敷地を二キロメートルにわたって県が寄附を受け、この土地を都市公園に指定した。このことにより、隣接する多くの土地が緑道でふたをされて袋土地にされていることが最近わかってきた。つまり、この一群の広大な土地は、市街化区域の中心地でありながら、現状では農地としてしか使うことが許可されない、市街化区域の土地として使用できないような法的制限を受ける扱いの土地となってしまっているのであります。和歌山市も、三十年前と現状とでは大変な変化があります。狭い、平地の少ない和歌山です。市街化区域の土地の有効利用について、適切な行政対応をされるとともに、まごころ県政の取り組みやいかにか、答弁を求めます。
 次に、規制緩和について。
 これも先ほどと少し関係がありますが、規制緩和について県はどのような緩和を考えているのでありましょうか。実施の取り組み状況と今後について、土木部長、商工労働部長──商工労働部長は、土木部長からその旨を十分申し伝えておくということですので、実施に当たってはぜひご相談をしていただいて努力をしていただきたいということで、答弁は結構です。
 土木部長にお尋ねします。
 和歌山市雑賀崎の泊まり新開周辺つまり鉄鋼団地埋立地周辺は、外材の木材港とその荷揚げ場となっており、工業地域であります。しかし、四十年前の埋め立てをするまでは海岸地と海でありました。そのころまでは、瀬戸内海国立公園として名実ともに合致していたのでしょう。工業地域の周辺は、瀬戸内海国立公園の規制の網は昔のままですが、現場は工業地帯とごみ捨て場、荒れ地となっている実態であります。そして風致地区です。つまり、昔からのいろいろな規制がかけられたままの、整地して有効利用したくてもさわれない土地にされているのです。昔の名所古跡と一緒にされたのでしょうが、現実とは余りにも整合性のない実態であります。なぜ、県がこの土地を工業地域として埋め立てをし海岸をなくしたのかよくわかりませんが、民間にこのようなことを許すでしょうか。しかし、考えがあってこのようなことを県が推し進めるのならば、県民が所有している土地に対しても、せめて国立公園や風致地区の厳しい規制を解除して、土地を有効に使用できるように、現場と整合性のあるように県として対応するのが県民のための県政だと考えますが、当局の善処策をお聞かせいただきたい。
 二番目に、戦後四十数年非農地が実態の農地の有効活用と行政対応についてお尋ねします。
 先ほどの雑賀崎地区の鉄鋼団地の周辺でありますけれども、この海岸近くには戦時中より食糧事情対策として農林省が土地を農地として所有し、その土地を国民に貸し付け、食物を供給させたが、終戦より今日までの間にそれらのほとんどの土地の上に建物が建っていたり山林化していて、今から開拓して農作物をつくれるように復旧することは不可能に近い状態であります。農林省としては、農地に復旧しなければ払い下げをしないが、市街化区域になるなら現状での処分も可能であるとのことであります。この雑賀崎地区だけでも、七十二筆、約三十人が土地を有効利用できないまま放置しているのであります。農地法を初め関係の規制緩和も既に実施検討を始めていると聞いていますが、この件について農林水産部長、土木部長に答弁をお願いします。
 次に、地方分権について。これは、知事に答弁をお願いします。
 第二十四次地方制度調査会は、去る十一月二十二日、地方分権の推進について答申を出しました。これによりますと、国と地方公共団体の役割分担の基本的な考え方として、国は内政面の役割を整理し、国際化への対応等に重点的に取り組む体制に転換すべきである、また地方公共団体は地域に関する行政を主体的に担い、企画立案、調整、実施等を一貫して対応できる体制に転換すべきであるとあります。事務配分の考え方として、国は、国家の存立に直接かかわる政策に関する事務、例えば、外交、防衛、通貨、司法などを行うほか、国内の民間活動や地方自治に関して全国的に統一されていることが望ましい基本ルールの制定に関する事務、例えば公正取引の確保、生活保護基準、労働基準など、及び全国的規模、視点で行われることが不可欠な施策、事業に関する事務、例えば公的年金、宇宙開発、骨格的・基幹的交通基盤などを重点的に行うこととし、その役割を限定的なものにしていくべきであるとあります。地方公共団体は、国が行う事務以外の内政に関する広範囲な事務を処理する、またみずからの判断と責任で事務処理をできるよう財源の確保や自主立法権も含め、自主性、自律性を確立することが重要である等のことが示されてあります。国から地方公共団体への権限の移譲等の推進に伴う利点、問題点、難点等も多く考えられます。知事は研究されていると思いますけれども、利点等についての知事の所見をお伺いします。
 次に、地方公共団体の行政改革について。これも、知事にお尋ねします。
 行政改革の推進は、政治改革、税制改革と並んで村山内閣の最重要課題であります。政府においては、平成五年十月の第三次行革審の最終答申及び平成六年二月の閣議決定を基本としながら、与党の基本方針を踏まえ、規制緩和の推進、地方分権の推進、特殊法人の見直し等、行政改革を強力に推進していくこととしています。具体的には、一番目に、規制緩和については平成六年度内に五年間を期間とする規制緩和推進計画を策定すること、二番目に、地方分権については地方分権に関する大綱方針を平成六年内に策定するとともに、これに基づき速やかに地方分権に関する基本的な法律の制定を目指すこと、三番目に、特殊法人については平成六年度内にすべての特殊法人の見直しを行い、整理合理化を推進することとしています。
 地方自治体における行政改革の推進については、自治省においても検討が進められていたが、与党の行政改革プロジェクトチームにおいて「地方公共団体における行政改革について」の考え方をまとめ、官房長官、自治大臣あて申し入れがなされたことを踏まえ、十月七日、自治事務次官名で各地方公共団体あて「地方公共団体における行政改革推進のための指針の策定について」が通知されてきたようであります。県の方針と取り組み、また市町村に対しての指導方針についてお尋ねします。
 次に、産業廃棄物等についてであります。
 廃棄物の処理及びその有効活用等について、保健環境部長にお伺いします。
 廃棄物の最終処分地の確保については、地域性、環境保全並びに跡地利用等の将来展望を踏まえ、推進していかねばならないと思います。財団法人和歌山環境保全公社の住友金属西防埋立処分地については平成八年八月で終了することとなっており、その後、大阪湾広域臨海環境整備センターが実施しているフェニックス計画に参加すべく、積み出し基地の建設に向けて現在準備中と聞き及んでおります。
 そこで、フェニックス計画に参加するとすれば、県内の市町村及び企業がどの程度負担となるのか。また、廃棄物は人間の生活及び産業活動に伴って必然的に排出されるものであり、いつまでも他府県に頼っておれない状況が将来必ず生じてくると思われます。そこで、県として県内で廃棄物等の最終処分場を確保し、跡地の有効利用を行い、地域の活性化を図っていくことも今から検討しておく必要があるものと思われます。どのような将来計画を持っているのか、お尋ねします。
 さらに、深刻化する廃棄物をどのように解決すべきかも重要な課題であります。一言で言えば、減量化と再利用の問題であります。つまり、再利用ないし再生利用という単なるリサイクル化にとどまらず、環境保全及び資源、エネルギーの節約の観点からも取り組むべきであると思われます。
 そこで、一般廃棄物の再資源化、有効利用等についての現状とそれらの事業にどのような助成等の施策がなされているのか、お伺いいたします。
 次に、和歌山医大の移転に伴う医大紀北分院の位置づけについてであります。
 まず、紀北分院の機能分担について。
 和歌山の紀北地方は私も知るところでありますが、和歌山市あるいは紀南には、大変信頼されるというか高次医療に対応していただけるような病院があるように県民は考えております。和歌山市で救急で運んで行ってもらって、和歌山市内の日赤とか医大とか労災とかでいろいろ処置をしていただいて亡くなった場合は、最高の病院で診てもらって精いっぱいの処置をしてもらったんだから家族、親戚も仕方がないじゃないかということになるが、紀北地方にはそこまで言える病院がないじゃないかということを紀北地方の県民の方からお聞きします。
 県立医大病院の移転整備が進む一方で、紀北地方の県民の医療として紀北分院の位置づけをどのように考えているのか。地域医療計画の中での紀北分院の位置づけ及び救急医療体制について県はどのように考えているのか、保健環境部長にお尋ねします。
 また、九月県議会において紀北地方への看護婦養成所設置について請願が採択されたところでありますが、県立高等看護学院が移転した場合、和歌山市内の学生が約四○%いますから、和歌山市内よりの通学の利便性についてどのように考えているのか、心配をしています。その人たちについて、事前に見解をお聞きし、県としてできる限り対処していただきたいと思います。
 最後に、地籍調査事業についてお尋ねします。
 国土調査法に基づく地籍調査事業は、毎筆の土地について、その所有者、地番及び地目の調査、並びに境界及び地積(面積)に関する測量を行い、その成果の写しが登記所に送付されますと、登記簿の表題部の記載が変更されるとともに、公図にかわり不動産登記法第十七条に規定する登記所備えつけ地図となります。これにより、土地が不明確なために起こるトラブルを未然に防止するとともに、財産の保全、各種公共事業の円滑化等、土地に関するあらゆる施策の基礎として活用、利用されるものであります。また全国的に見ると、平成五年度末の地籍調査の進捗率は約三八%であるのに比べ、本県における地籍調査事業は、昭和三十三年に印南町が着手して以来、その進捗率はわずか三・九%であります。このため、県当局において鋭意努力されていることと思いますが、次の点について答弁を求めます。
 和歌山市は、県庁所在都市であるとともに、本年九月の関西国際空港の開港等に伴う各種社会資本の整備が急務でないかと思料しているところであります。一方、これら土地に関する情報が整備されておらず、戦争の後遺症等もあって地図が混乱している地区が数多く存在している状況であり、隣接地との境界が不明という話をよく聞きます。これは、住民の財産の保全及び安全な土地取引を初め、公共事業における用地買収等、問題が山積している状況ではないかと考えるわけであります。県の方も、公共事業で地積や境界が確定しないために随分苦労しているようであります。
 また、本県の八割を占める山間部に話を移しますと、明治以降のたび重なる災害等により公図と現地が大幅に食い違っているところも数多くあると聞き及んでいます。特に、花園村のように昭和二十八年の大水害により破滅的な被害に見舞われた地区では、その被害状況は大であり、これらの地区の早急な地図整備が待たれるところであるとともに、これら山間部では過疎の波が押し寄せ、住民の高齢化が進み、山間部における土地の境界を確認することが今後ますます難航することが予想されることから、早急に地籍調査を実施すべきだと考えます。
 これらを踏まえ、市町村への指導体制等、県当局は今後どのように地籍調査を推進していくかをお尋ねいたします。これも、私は何回か質問させていただいておりますけれども、なかなか進んでおりません。いろいろ公共事業のおくれをただしたときも、地籍事業をやってくれるといいんだけれどもという逃げの答弁でありました。しかし、これは早急に取り組まねばいけない重要なことであります。部長の答弁を求めます。
 これで、一回目の質問を終わります。
○副議長(富田 豊君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 井出議員にお答え申し上げます。
 お話ございました和歌山市及び周辺において環状の道路網を形成することが必要であると考えておりまして、昨年十二月に策定した和歌山県広域道路網マスタープランにおいて市内の環状道路の位置づけを行ったところでございます。これは非常に重要な計画でございますので、今後積極的に検討を深めてまいりたいと思っておるわけでございます。
 詳細については、土木部長から答弁申し上げます。
 次に、地方分権に関する質問でございます。
 お話ございましたように、国が年内に策定する予定の地方分権に関する大綱方針に地方の意見が反映されるように、地方六団体である知事会、県議会議長会、市町村長等の団体が、さる九月二十六日に内閣及び国会に対して地方分権の推進に関する意見書を提出したところでございます。意見書は、従来の行政の各分野ごとに個別に権限移譲を図るという手法では十分な成果が上がらなかったという反省点に立って、国の事務を限定して国と地方の役割分担を根本的に見直そうという内容となっておるわけでございます。
 先月、村山首相に提出された行政改革推進本部地方分権部会の最終報告書及び地方制度調査会の地方分権の推進に関する答申を見ても、私どもが提出した意見書の内容がおおむね取り入れられておるわけでございまして、政府の大綱方針も私どもの意見が反映されるものになるのではないかと期待しているところでございます。この方向で地方分権が推進されると、地方がみずからの創意と責任のもとに豊かな地域づくりができる体制が確立されるわけでございまして、行政の即応性、柔軟性、総合性が増して、住民の皆さんの多様なニーズにこたえることができるようになると思うわけでございます。これが、私は地方分権の利点ではないかと思っております。
 また、地方分権を実効あるものとするためには、地方の自主性が図られるように、地方の自主財源の充実が不可欠なことでございまして、国からの権限移譲にあわせて地方公共団体の税財政基盤の整備が行われるものと考えておるところでございまして、この地方分権に大いに期待を持ってまいりたいと思っております。
 次に、行政改革についての質問でございます。
 昨日、鶴田議員にお答え申し上げたところでございますが、本県においては従来、自主的、主体的にとり行ってきた。また、昭和六十年に行政改革大綱を策定して、これに基づいて事務事業の見直しを行って一定の成果を上げてきた。しかし、現在のような変化の激しい時代の中で、住民のニーズが大いに変わりつつある現状でございます。そうした中において、再度見直す必要を感じておるわけでございます。今後、一年を目途にして新行政改革大綱を策定する予定であり、そうした視点において進めてまいりたいと思います。
 特に話ございました市町村に対する指導については、行政改革においては従来から市町村で積極的に取り組んできたと考えておるところでございます。県と同様に、社会の変化に対応した、簡素でより効率的な行政の確立に向けた、自主的な行政改革の推進に取り組んでいただけるように、適切な助言と指導を行ってまいりたいと思っておるわけでございます。県も市町村も相ともに行政改革について進めていきたいと思っております。
○副議長(富田 豊君) 土木部長山根一男君。
  〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 井出議員にお答えいたします。
 まず、道路交通網体系についての三点のうちで、和歌山市外周の環状高規格道路についてでございます。
 市内の環状の道路については、知事答弁にもございましたように、昨年十二月に策定された和歌山県広域道路網マスタープランにおいて、整備手法は未定でございますが、広域道路交流促進型としての位置づけをしたところでございます。
 また、一般道路の和歌山市を通過しない環状道路としては、泉佐野岩出線、岩出野上線、国道四百二十四号、国道三百七十号等がございます。このうち泉佐野岩出線では、根来工区の事業促進を図るとともに、平成五年度から森工区、平成六年度から備前工区の事業に着手いたしまして用地買収を進めてございます。河南地域については、県道岩出野上線、国道四百二十四号、国道三百七十号ともにおおむね改良済みでありますが、一部残っている未改良区間については今後とも整備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、第二阪和国道と和歌山北バイパス、新南海橋の経過と今後の取り組みについてでございます。
 和歌山北バイパスについては、この道路の重要性は十分認識しているところでございまして、関係議員の皆様方と一緒に事業費拡大について国にも強く要望しているところでございます。
 議員ご指摘の箇所については、事業を進めるための種々の方策を検討し、建設省、和歌山市と調整中でありますが、今後とも早期事業促進に努力してまいろうと思っているところでございます。
 新南海橋については、橋梁に着手するためには右岸側において排水処理の問題を含めた地元協議及び用地測量が終了し、一部用地買収ができる状態になっていること、もう一つは、左岸側のJRの高架に伴う費用負担、並びに仮線設置に伴う地元調整等の問題が解決し、一部工事が行える状況になっていることが必要であると聞いてございます。とりわけJRの高架に伴う費用負担については、道路事業と街路事業の合併事業という特殊事情から、JRを含めた三者間の費用負担調整が課題となってございます。今後とも、和歌山市、建設省と精力的に協議を進め、早期整備に向けて積極的に努力してまいりたいと思っております。
 次に、三点目の国道二十四号バイパスの紀州大橋へのアクセスについてでございます。
 紀の川右岸堤防の県道小豆島船所線の川下側から国道二十四号和歌山インター方面へのアクセスについては、県道と国道との高低差があり、また国道の曲線区間でもあるため、両方向通行可能な信号交差点に改良することは、交通安全の観点などからも困難な状況でございます。このための交通処理としては、県道小豆島船所線と田屋地内の市道紀伊三号線を利用して国道左岸方面へアクセスすることが望ましいと考えておりますが、市道の県道への取りつけ部で一部用地買収が難航している状況でございます。しかしながら、県といたしましても交通安全の面から早期にこの対策を図ることが重要と考えておりますので、和歌山市とも十分協議しながらその対策に努めてまいります。
 次に、都市計画については三点お答えいたします。
 まず、鉄道の高架についてでございます。
 和歌山市紀の川右岸の河北地域は、近年の急激な市街化の進展に伴い、街路、公園等の都市基盤の整備が急務となってございます。中でも南海本線紀ノ川駅周辺については、南海加太線との分岐駅でもあり、今後、河北地域の核として発展する地域であると考えております。
 当地域の整備を進めるに当たっては、鉄道を高架化する連続立体交差事業も有力な事業手法の一つと考えているところでございます。なお、連続立体交差事業は事業費も膨大となり、また区画整理等により周辺市街地と一体的に整備することが必要とされているところでございます。このため、地元市の積極的な対応が不可欠であり、市の意向を踏まえつつ、今後研究してまいりたいと考えてございます。
 また、紀の川右岸JR踏切については、紀の川大堰関連事業としてJR鉄橋をかさ上げする必要もあることから、立体交差する方向で今後検討することといたしております。
 次に、都市計画の見直しについてでございます。
 風致地区は、都市環境を維持し、都市内の自然を保護するために、建築、土地の形質の変更等の行為に制限を行っているものでございます。
 和歌山市においては、昭和十六年に六地区、約三百九十四ヘクタールについて指定を行い、昭和四十五年に第一種から第四種の地域区分を行って現在に至っております。しかし、指定地域の状況は市街化の進展により変化しておりますので、現況を踏まえて適時に適切な見直しが必要と考えているところでございます。
 一方、平成六年十月に施行された都市緑地保全法の一部改正によりまして、市町村において緑の基本計画を策定することとなっております。風致地区の見直しについては、この緑の基本計画を踏まえて総合的に検討する必要があることから、今後、県としても関係市町村と十分協議してまいることといたしております。
 三点目の、土地有効利用についてでございます。
 市街地における土地の有効利用は、都市の健全な発展のために重要な課題と認識してございます。県といたしましても、種々の施策を講じているところでございますが、適切な法及び制度の運用により、住みよい都市づくりに努めてまいりたいと考えております。
 ご質問の都市公園に隣接するいわゆる袋路等の土地の活用については、市街地の限られた土地を有効利用するという観点も含め、所定の法手続等の中で十分議論していくことが必要と考えております。
 最後に、規制緩和についてでございます。
 議員ご質問の件については、風致地区の指定を受けており、瀬戸内海国立公園区域としても指定されております。このため、今後条件整備がなされた場合は、それらを踏まえて和歌山市ともども検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 井出議員にお答えをいたします。
 国有農地の管理については、農地法第七十八条第二項の規定により、知事が国から委任を受けてございます。市街化区域内の国有農地については、もとの所有者に売り払いすることとなってございます。一方、市街化調整区域内の国有農地については、農地としての利用を前提に、売り渡しまたは貸し付けということになってございます。
 なお、議員お話しの件については、将来の土地利用計画の動向も考慮しながら農地の有効活用を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 保健環境部長江口弘久君。
  〔江口弘久君、登壇〕 
○保健環境部長(江口弘久君) 井出議員ご質問の、産業廃棄物等についてお答えいたします。
 フェニックス処分場に搬入した場合の処分料金についてでございますが、現在、財団法人和歌山環境保全公社の一トン当たりの受入料金は、一般廃棄物及び建設廃材が千三十円、産業廃棄物が三千七百八円に対してフェニックスの受入料金は、一般廃棄物が四千百二十円、建設廃材が二千六十円、産業廃棄物がその種類によって二千六十円から六千二百八十円となってございます。このフェニックスの料金については、フェニックス計画に出捐している近畿二府四県百七十一市町村が同一料金であります。
 次に、最終処分場の確保に係る将来計画でございます。
 フェニックス計画参加のための対応と並行して、県内の処分場確保のため海面埋め立てや内陸部の未利用地の活用等、関係機関と連携しながら進めてまいりたいと考えております。
 最後に、廃棄物に係るリサイクルについては、産業廃棄物のうち建設廃材等三五%が有効利用され、一般廃棄物では紙類、金属類、ガラス類等五%が資源として活用されております。市町村責任の一般廃棄物では、住民のリサイクル運動を支援する目的で市町村が輸送費等を助成しているところもございます。今後、県においては廃棄物問題は重要な課題であると考えており、減量化、処理・処分、再資源化等あらゆる機会をとらえて適正な方向を見出し指導してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、和歌山医大の移転に伴う医大紀北分院の機能分担でございます。
 橋本医療圏においては、県立医科大学附属病院紀北分院は基幹病院として位置づけております。また救急医療については、休日急患診療所や救急告示医療機関で対応しているところであります。今後も、さらに関係機関との連携を密にしながら、医療供給体制の整備充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、看護学校の移転でございます。
 紀北地方へ看護学校を設置することについては、現在、県立高等看護学院将来構想の中で検討しているところでございます。学生の通学の利便性については、県立高等看護学院の学生のうち和歌山市内出身の学生が議員ご指摘のとおり三八・七%でございますが、平成八年には和歌山市内に看護短期大学が開学することにより学生の選択の幅が拡大するものと考えてございます。しかしながら、学生の通学の利便性も考慮し、検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 企画部長宮市武彦君。
  〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 井出議員にお答えいたします。
 地籍調査についてでございます。
 地籍調査事業の推進については、平成四年九月議会において全国で初めての地籍調査に関する意見書を採択いただいてございます。本県の平成六年度における地籍調査事業の着手市町村は二十五市町村を数えるまでになりました。しかしながら、地籍調査の進捗率は議員ご指摘のとおりでございますが、進捗率の向上を図るため土地対策課に地籍調査班を設置し、事業実施市町村の指導、審査及び未着手市町村への啓発活動等、積極的に取り組んでいるところでございます。
 次に、全国的に見ても、県庁所在地等の都市部における地籍調査が進んでいないのは事実でございます。ご質問の和歌山市における現状でございますが、地籍調査に関する準備に努めていると聞いてございます。また未着手市町村についても、地籍調査の進捗を図るべく着手する機運になりつつありますが、地籍調査従事職員の確保が非常に困難であると聞いてございます。
 一方、公共事業の促進にあっては、この地籍調査の推進が非常に有効な手段であるため、市町村としても努力をしていただかなければならないと考えてございます。県といたしましても、機会あるごとに推進のための啓発を行ってございますが、今後とも地籍調査の円滑かつ適正な推進に取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 3番井出益弘君。
○井出益弘君 総枠一時間ということになっていますから、あと五分しかありません。丁寧なご答弁をいただいておりますので、再質問はせずに要望をしたいと思います。
 今回、私は土木部関係のことで非常に小さなことまで質問しました。長いものは、一期目に上がってから九年間言い続けてきました。何年かかっても何とかせなあかんとか、取り組む必要があると質問しても、まだ着手されていないとか、やる必要があると言っていながら、なかなかやらない。国との調整、いろんな規制あるいは法律的なこともあって、難しいことは確かにあると思います。
 今回私は質問項目にも一つ挙げておったんですけれども、なかなか立派な管理職の方が国からお見えになっており、努力をしてくださっておるのも事実であります。私は建設委員会へ所属したことがないので勉強不足かもわかりませんが、法律、規制でなかなか難しいとかという話ばかりされます。難しい、規制があるということももちろんわかりますが、何とか規制緩和をしてもらいたいし、国がいろいろ難しいことを言っておっても、県として県民サイドに立って、何とかせないかんと思うというところから、何とかするように、実行していくところまで頑張ってほしい。
 国から来ておる管理職の方は何か国の法律の見張り番のように、それはしてはいけない、それは問題があるとかということで、長くいたらできることまで余計できなくなるような気がいたします。県の管理職の方が何とかしてあげたいというところまで踏み込んでくれて動いてくれても、なかなかできないわけです。
 ですから、まず知事さんとか副知事さんなんかが何とか考えなかったらいけないだろうと思います。難しいけれどもほっておくわけにはいかんというようなことは、それは難しいですと言うのではなくて、県民の立場に立って対処していくと。それがまた、県益あるいは県勢の活力化に結びつくのではないかと思います。国から来られている方も、二年ぐらいの一定の枠の中で、よくわかってきたころにお帰りにならないといかんから大変だと思いますけれども、そこは県民サイドに立って、とにかく頑張っていただきたいと思います。今度和歌山へお見えになったときは、あなたは和歌山にいたときに非常によくやってくれたなあ、あるいは我々が東京に行ったときに、本当によくやってくれましたなあと言えるような間柄になっていただきたいことを特にお願いして、終わります。
○副議長(富田 豊君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で井出益弘君の質問が終了いたしました。

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