平成6年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(村岡キミ子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時二十八分再開
○議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(平越孝哉君) この際、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
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  財第172号 
 平成6年12月8日
 和歌山県議会議長  平 越 孝 哉 殿
  和歌山県知事  仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成6年12月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 記
 議案第143号  職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第144号  教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第145号  和歌山県税条例の一部を改正する条例
 議案第146号  市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第147号  警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第148号  企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
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○議長(平越孝哉君) 日程第一、ただいま報告いたしました議案第百四十三号から議案第百四十八号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました諸議案についてご説明申し上げます。
 今回追加提案いたしましたのは、職員等の給与改定に伴う関係条例の改正であります。去る十月十七日、県人事委員会より職員の給与改定に関する勧告を受け、本年四月一日から実施するため所要の措置を講じるものであり、条例案件として議案第百四十三号、議案第百四十四号及び議案第百四十六号から議案第百四十八号をもって給与関係条例の改正をお願いいたしております。また、給与改定に伴う所要の経費につきましては既定の予算で対応することといたしております。
 なお、議案第百四十五号は地方税法の一部改正に伴う関係条例の改正であります。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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○議長(平越孝哉君) 次に日程第二、議案第百二十一号から議案第百四十二号までをあわせ一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 27番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 お許しをいただきましたので、四つの問題についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 まず初めに、高齢者問題でございます。今回は、とりわけ特別養護老人ホームに絞ってご質問を申し上げてまいりたいと思います。
 今、県下では公立十施設、民間三十一施設で、定員総数二千六百八十五人が特養ホームに入所可能となっております。最近、私の方にも、多くの方々から特養ホームへの入所相談がございます。特に、「病院に入院しているけれども、退院を再三言われて困っている。家では介護することが困難である」とか、あるいは「仕事を休みながら今まで介護を続けてきたけれども、これ以上休むと会社を解雇されるかもしれない」、こういう不安いっぱいのせっぱ詰まった相談もふえてまいりました。中でも、付き添いの要らない病院などの紹介や相談が大変多い状況にあります。また、特養ホームへの入所まで半年あるいは一年待ちにいらいらしている家族からは、「どうか県内外を問わないから何とかしてほしい」、こんな相談も持ち上がってまいりました。待っている間に入院あるいは亡くなられるなど、こんな報告を聞くたびに私はどうしようもない気持ちになります。何とかこの方々が待つことなく入所できる施設の整備が緊急に必要ではないかということを強く感じるものです。
 特養ホームの入所待機者は、常時入所待ちの方も合わせますと五百人を超えると聞いているのでありますけれども、現在県下にどれぐらいの方がお待ちなのか、そしてその期間はどのくらい待たなければならないのでしょうか、教えていただきたいと思います。
 県は、ゴールドプランで特養ホームの設置目標を三千床としております。待機者あるいは今後さらに特養ホームへの入所希望者が増大することを思えば、目標そのものをもう一度検討し直し、見直すことが必要ではないのでしょうか。ご所見を伺うものです。
 次に、特養ホームの建設についてであります。
 これまで多くは民間に依存してきたことは先ほどの数字でおわかりと思うのでありますが、今後は県立の特養ホームの設置をみずから県が積極的に行うことが求められるのではないでしょうか。既に全国的に二十四府県で八十七施設が建設をされています。そしてその運営は委託あるいは直営事業が進められ、近畿においても大阪、兵庫、滋賀県等で大きな役割を果たしていると聞いております。市町村事業であるとはいえ、小規模な三十人程度で、しかもお年寄りが長年住みなれた地域に設置するなど、思い切った県の対応を期待するものです。ご所見をお聞かせいただきたいと思います。
 さて、この七月一日から特養ホーム入所者に係る費用徴収基準が改定をされました。それによりますと、平成六年四月一日以降の入所者は、年額十二万円を超える収入を得ていると入所経費の一部を負担するというものです。これまで入所者は、年金等の収入が年額二十七万円以下の場合、無料でありました。しかし、改定後、これが一気に、半額以下の年額十二万一円以上の収入があればその中から費用負担として徴収されることになったのです。負担額は年の収入額に応じて最低月額千円から四十六段階に分けられ、最高月額二十四万円までとなっています。しかも最高額においては、これまで十八万円であったものがこれまた一気に六万円も引き上げられたことになります。
 改定による問題点を見てみますと、第一に、生活保護基準では入院患者日用品費が月額二万二千二百円であります。特養ホームの負担金は、十二万円の年収者で月額一万円の生活費となることからも、制度上の最低生活が保障されなくなることになります。まさに生活保護基準の半額以下の保障となることは重大で、放置しておくわけにはいきません。
 第二に、今回の改定は入所者の実態を無視していると言わざるを得ません。特養ホームに入院している方々は、入院あるいは死亡のときの出費を心配してむだ遣いをしないように、施設側も何らかのアクシデントに備えて貯金するよう助言するのだそうです。そのため、少なくとも百万円はためることに努めているというふうに言われていますし、実につましい生活だと聞いているのです。こうした実態がまさに無視されていると言わざるを得ません。
 第三に、福祉サービスの費用は原則としてサービスの利用者、サービスを受ける側が負担する──それは特に食費の問題が挙げられております──自己負担という考え方です。在宅での介護はできないというさまざまな事情からホームに入所するのでありますから、いろいろなハンディに配慮ある対応があってこそ当然ではないでしょうか。こうした問題点から、行政側の担当者の反対の意見や抵抗も出る中で、幾つかの自治体で実施時期を延期するなどの状況も出ているのであります。しかも費用負担に至っては、制度開始当初の昭和五十五年当時は五万円であったものが、今回の改定ではその五倍もの二十四万円に引き上げられている。まさに福祉サービスの基本からも逸脱していると私は思えてなりません。
 さらに、これが病院に入るとなると、入院期間が三カ月以上続いた場合は特養ホームへ変えることができません。資格がなくなります。そうなりますと、住むところもないという深刻な事態になることも起こってまいるのではないかと、私は大変危惧するものです。入院にかかる費用も、医療費だけではありません。付き添い料、洗濯代、おむつ代、さらに給食の自己負担など、収入の少ない人は安心して入院もできなくなります。年金取得者の五五%は月額三万円代と言われています。こういう実態から見ても、あるいは老人福祉法に照らしてみても、このような低所得者にせめてもの費用負担金の軽減をと願うものでありますが、いかがなものでしょうか。
 次に、十二月三日の朝日新聞は、行政監察事務所が県内の特養老人ホーム等における運営状況調査を行い、幾つかの問題点を指摘し、改善を県に求める通知を出したと報じています。その通知内容はどのようなものか、またその対応はどうされたのか、明らかにされたいと思います。
 以上、この四点について民生部長の答弁をお願いするものです。
 次に、大規模開発問題についてお伺いいたします。
 知事は去る十一月二十七日、株式会社柏栄不動産が申請をしていた和歌山ニュータウン計画の開発を許可いたしました。この計画は、和歌山大学に隣接する和歌山市栄谷の山林約百六十一・八ヘクタールを切り開き、五千三百戸の宅地造成を行うもので、周辺の住民からは慢性的な交通渋滞や浸水問題をさらに深刻にするのではないかという不安の声が大きく広がっております。県はこうした住民の切実な声を事実上無視して許可したわけですが、さらに、許可された計画地には未買収の用地が約六・六ヘクタールも存在していることが判明をいたしました。この山林は現在、若衆山組合に所績する百三十四名の権利者によって登記されておりますが、そのうち少なくとも数十名はこの計画に反対をし、将来とも売買契約に応じる意思がないことを明言されております。
 柏栄不動産は、この山林の取得に際し、これらの反対地権者を無視し、若衆山組合の代表者と売買契約なるものを締結し、地元住民に聞くところによりますと、最近、同代表者を相手取って所有権の名義変更を迫っているようでありますが、さきにも申しましたように、この山林は百三十四名の組合員の名義になっている以上、たとえ勝訴してもその実効性は皆無に近いものです。このように私は思います。
 いずれにせよ、計画区域内の、しかも極めて重要な部分に未買収地を残したままで、しかも将来とも買収のめどが立たないという状況でこれを許可した県当局の責任は重大です。問題は法的要件にかなうかどうかではなく、多くの地権者の意向を無視するような県の姿勢、さらには着工すらできないようなものまで強引に許可する県の姿勢そのものです。湯浅の山田山ゴルフ場問題と同じ失敗、失政をまた繰り返すつもりですか。
 県はこの際、和歌山ニュータウン計画への許可を撤回するとともに、開発業者の言い分にくみするのではなく、地権者や周辺住民の声に謙虚に耳を傾けるべきではないでしょうか。土木部長の答弁を求めるものです。
 ここで、改めて知事に伺いたいと思います。県には、燦黒潮リゾート構想を初めとした大規模開発計画がメジロ押しです。これらの計画を進めようとする基本的な考え方についてお聞かせいただきたいと思います。
 続いて、三つ目の問題であります。マリーナシティ計画と下津の土取り跡地利用についてであります。
 約四十九ヘクタールの人工島・マリーナシティ用地の完成を祝う世界リゾート博も終わり、はや二カ月を経過いたしました。これまで県費約五百六十億円という巨額をつぎ込んだ事業でもありますが、今後、松下興産主導のマリーナシティ計画が本格的に具体化されつつあるようです。これらの計画が一企業の利益のみ優先されるようなものであってはならないことは当然であります。真に県民が大いに喜び合えるばかりでなく、本県の経済的効果はもちろんのこと、雇用等への発展的効果の見通しを持ち得る、より具体的かつ緻密な計画であるべきです。
 お尋ねをいたします。マリーナシティ計画における今後の具体的計画とその進捗状況についてお聞かせください。特に、県がかかわる第三セクターに係る出資金額と事業、そして松下興産の事業や公共施設など、それぞれの事業費などについてもお聞かせ願いたいと思います。あわせて、県経済への波及効果と雇用などの見通しについてもお聞かせください。
 さて、跡地利用の問題でありますが、マリーナシティ用地に必要な土砂採取は、最も至近距離の下津町戸坂周辺の山林やミカン畑約十六万坪から約四十五万立方メートルの土量を要して完成をいたしました。現在なお、雑賀崎土地造成事業用の土取りが本年十二月末まで続けられているようです。広大な山肌はむき出しとなり、見るも無残な姿でありますが、土取り事業も終わろうかという今日において、跡地利用計画が明らかにされておりません。下津リゾート開発株式会社の跡地利用計画を見ますと、リゾート開発企業の誘致を挙げております。ところが、いまだに企業が訪れる状況もなく、現在の経済状況から見ても、あのコスモパーク加太同様、極めて厳しい状況にあると言わざるを得ません。土取り事業に積極的に協力してきた下津町の財政負担は多大なものになるでありましょう。地元住民からは、土取り跡地利用の現状に大きな不安の声が出始めております。当初、バブル経済という情勢であったこともありましょうが、いずれにせよ、土取りを急ぐ余り十分な計画検討ないまま進められてきた事業への甘さが感じられてならないのであります。
 県は、燦黒潮リゾート構想の重点整備地区に指定をしております。マリーナシティとリゾート博開催といった公共事業の成否を問う点でこの土取り地がその基礎づくりに大きく貢献してきたという経過から見ましても、黙って見過ごす姿勢であってはならないと思うのです。
 幸いにして、下津リゾート開発株式会社と株式会社浅川組の間で交わされた協定書にこのことについて書いてあります。その内容を見てみますと、次の事項が明記されております。跡地はリゾート開発企業を誘致するが、土取り終了までに誘致企業が決定しないときは株式会社浅川組がその用地を取得する、また下津リゾート株式会社が目的を達成し、存続する必要が消滅したときには、その時点において残存する負債があるときは株式会社浅川組がそのすべてを負担することを明文化しております。したがって、浅川組はこの協定を遵守する義務を負わなければなりません。県は直接的責任はないとはいうものの、積極的にこれらについての指導援助をすべきものと考えるものです。こうした点について関係部長のご所見をお聞かせ願います。
 最後に、国会で大詰めを迎えているガット合意協定関連法案に関連して質問を申し上げます。
 今国会では、国民を苦しめる年金法改悪、米の輸入自由化、消費税率引き上げ、自衛隊法改悪、小選挙区制の区割り法など、悪法が次々と国民の意思とは無関係に強行されてまいりました。いずれも、旧連立の細川内閣時代に提案されたもので、新連立の村山政権がそれを仕上げるという構図で進められました。特に消費税の増税は、五%への引き上げという内容で成立しているものの、見直し条項により九七年四月の実施段階では六%にも七%にも税率を引き上げることができる仕組みになっており、国民にとっては重大な問題だと思うのです。
 私ども日本共産党は、消費税増税が実施される二年余りの間に国民の皆さんと力を合わせて実施にストップをかけるために全力を挙げることを、この場でまず表明をしておきたいと思います。
 また、重大な事態を迎えている米の輸入自由化などを含むガット合意協定関連法案の問題について、まず指摘をしておかなければならないのは、米の輸入自由化反対は三度にわたり国会で決議をされた国民の総意でもあり、すべての政党が公約したことでもあります。このことは、国会の中でも村山首相自身、ガット合意協定への調印が公約違反であり国会決議違反であることを国会答弁で認めたことであり、それでも国会でごり押しすることは全くもって許されないことです。また、和歌山県議会におきましても国に意見書を上げて県民の意思を伝えてきたところであります。
 言うまでもなく、ガット合意協定を受け入れると、日本農業は大打撃を受けるとともに、世界的な食糧不足が警告される中で、日本国民にとっては死活的な問題だと思うのです。このような重要問題を村山内閣は、WTO特別委員会で審議を開始した日に採決の日を口にするという異常なことを行い、本日八日にも採決を強行しようとしています。
 この間、私ども日本共産党の国会議員団の質問によって、米輸入自由化など日本がどうしても自由化したくないものはガット合意から除外できること、これからも自由化受け入れの撤回を求める再交渉ができることを国会の中で明らかにしてまいりました。現に、例えばアメリカは、世界最大のサービス貿易の輸出国であるにもかかわらず、商業宇宙衛星や航空運送サービスなど九つの分野で自由化免除措置をとっていますし、EU(欧州連合)も音響・映像や航空運送サービスなどの十の分野で免除登録をしているではありませんか。
 私ども日本共産党は、日本の風土と環境、文化が長い歴史を通じてはぐくんできた稲作を破壊することになる合意を日本が受けなければならない理由がどこにもないと考えます。この問題に対する知事のご所見をお伺いいたします。また、ガット合意が批准された場合の本県農業に与える影響についてどのように把握しているのか、農林水産部長にお伺いをして、第一回目の質問を終わります。
○議長(平越孝哉君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 村岡議員にお答え申し上げます。
 開発に対する知事の基本的な考え方と姿勢ということでございます。
 二十一世紀を目指し、私は活力と文化あふれるふるさとづくりを基本目標として、豊かさと潤いのある県土を創出するため、これまで交通基盤の整備、産業の振興、文化施設の整備等、テクノ&リゾート計画を進めておるところでございます。そのために必要な開発はしてまいりましたが、一方で自然環境の保全にも十分配慮を行って進めてまいっておるところでございます。今後とも、保全、保存、開発の調和した安全で快適で活力のある県土づくりを、民間活力の導入も含めて県民の方々とともに進めてまいりたいと考えております。
 次に、ウルグアイ・ラウンドの合意協定についての知事の見解ということでございます。
 ウルグアイ・ラウンドの農業合意に伴う米の輸入自由化問題に対する見解については、これまで県議会から意見書の提出をいただくとともに、私も国内自給を基本とした米の市場開放阻止に向けて積極的に取り組んでまいったところでございます。しかしながら、昨年十二月の農業合意については、国において厳しい国会決議がある中でございましたけれども、世界の自由貿易体制を堅持していく見地からやむを得ない措置であったと理解しておるところでございます。
 しかし、日本の農業は擁護しなければならない。国においても、先般国内対策大綱が示されたところでございまして、現在国会において協定や法案等について種々審議がなされております。今後ともこうした国の動向を注意深く見守り、そしてまた国の諸施策を取り入れて、活力のある本県農業の振興に努めてまいりたいと考えております。
 他の問題は、各部長から答弁申し上げます。
○議長(平越孝哉君) 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 村岡議員の高齢者問題にかかわる四点のご質問にお答え申し上げます。
 まず一点目の、特別養護老人ホーム入所希望者の待機者数と計画の見直しについてでございますが、現在、特養ホームへの入所希望者は県下で七百余名となってございます。県としては、これらの方々にはできるだけ住みなれた家庭、地域で暮らしていただくのが高齢者のためとの考えから、特別養護老人ホームのみで処遇することは適当であるとは考えておらず、むしろホームヘルパー等の在宅福祉サービスの充実を通じて、できるだけ本人や介護する家族の方々の負担を軽減していこうと考えてございます。
 もちろん、特別養護老人ホームに入所していただくのが必要な方々も多いわけですが、これらの方々を処遇するための施設の整備についても、和歌山県老人保健福祉計画にのっとり、入所待機者の状況や地域的なバランス等を考慮しながら、緊急性の高い地域から計画的に整備を進めているところでございまして、老齢人口一万人当たりの定員で見ますと、本県の整備率は近畿圏で一位の整備状況を達成しているところでございます。この特別養護老人ホームへの入所に関しては、それぞれの施設の立地条件等によりその期間に相違がございますが、おおむね数カ月から一カ年といったところでございます。
 なお、和歌山県老人保健福祉計画は平成五年五月に策定をされて以来、今日まで一年半余が経過いたしました。さきに厚生省において新ゴールドプランの素案が示されたところですが、本県の老人保健福祉計画について今後見直しを行うか否かは、この新ゴールドプランの内容等について十分に吟味をしながら慎重に検討を重ねてまいりたいと考えてございます。
 二点目の、民間依存より県立特養ホームの建設をというご質問でございますが、議員のお話の中にもありましたように、特別養護老人ホームは現在県下に四十一カ所ございまして、そのうち三十一カ所が社会福祉法人立となってございます。これらの状況の中で、県においては特別養護老人ホームの建設については、地域バランス等を考慮しながら、公立あるいは民間立を問わず計画的な整備を進めているところでございます。
 議員ご質問の県立の施設の設置については、現在、市町村、民間の特別養護老人ホームの設置希望も多いことから、それらによって老人保健福祉計画の実現が可能と考えております。そういったことから、現時点において県立の特別養護老人ホームの設置については考えておりませんので、ご理解をお願いいたします。
 なお、特別養護老人ホームの建設についてはただいま申し上げたとおりでございますが、和歌山県老人保健福祉計画の中には、例えば百三十五カ所のデイサービスセンターや十三カ所の高齢者生活福祉センターの整備といったメニューもあり、過疎地も含めた地域の方々が身近に利用できる施設の整備にも努めているところでございます。
 三点目の、低所得者の費用負担の軽減でございますが、特別養護老人ホームに係る費用負担については、老人福祉法に基づき、入所者本人及び扶養義務者の負担能力に応じて負担をしていただくことになってございます。本制度は入所者及び扶養義務者の負担能力に応じて負担していただくものであり、適切なものと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
 最後に、十二月三日の朝日新聞報道に対する県の対応でございますが、先般新聞報道がなされた和歌山行政監察事務所の県内老人福祉施設に対する監察結果の指導内容の主なものは、まず一点目は機能回復訓練指導員の配置等による効果的な機能回復訓練を行うこと、二点目は居室定員の超過の是正、三点目は看護婦室等の必要な設備の確保、そして四点目は在宅福祉施設の特別養護老人ホーム等への併設について市町村に対して指導を行うことというような内容が主たる内容でございます。
 県においては、老人福祉施設の指導監察について、法人・施設運営及び入所者処遇等について全施設を対象として各施設に対し毎年一回以上実施しているところでございまして、今後も今回の指導事項を踏まえ、入所者処遇のより一層の充実向上を図るため、指導監査を初め、あらゆる機会をとらえて各施設の指導を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 土木部長山根一男君。
  〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 大規模開発について、和歌山ニュータウン計画に関するご質問にお答えいたします。
 和歌山ニュータウン計画については、和歌山大学に隣接する丘陵地約百六十二ヘクタールで住宅地等の造成を目的とした開発行為の許可申請がなされ、都市計画法等の許可基準に照らして審査を行った上で、平成六年十月二十七日付で開発許可を与えてございます。
 また、開発に伴うトラブルを未然に防止し安全かつ円滑な開発の推進を図るため周辺住民の理解を得るよう指導を行っており、事業者側は周辺住民との調整に努力をしてきたところでございますが、隣接九自治会のうちなお一自治会の同意が得られてございません。和歌山市が住民と調整しつつ円滑に開発を推進するよう事業者を指導すること、また事業者側も住民と調整しつつ開発を進めることを確認し、許可をしましたが、この際、周辺住民と調整することを条件としたところでございます。引き続き、周辺住民の理解を得るよう和歌山市ともども事業者を指導してまいります。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 企業局次長味村 勝君。
  〔味村 勝君、登壇〕
○企業局次長(味村 勝君) 村岡議員にお答えいたします。
 マリーナシティの具体的計画とその進捗状況でございます。
 和歌山マリーナシティについては、平成元年より国、県、第三セクターである和歌山マリーナシティ株式会社の三者で事業に着手をいたしました。総事業費五百六十五億で、平成六年三月に土地造成事業と基盤整備が概成してございます。
 土地造成後の整備でございますが、県は、公共マリーナの施設整備、サンセットパーク、緑地及び情報発信基地として県下の歴史、文化、産業等を紹介するわかやま館でございます。松下興産株式会社の整備する主な施設は、テーマパークとしてのポルトヨーロッパ、フィッシャーマンズワーフの黒潮市場、住宅施設としてのマンション、艇庫つき住宅やホテル、スポーツ施設、コンベンションホール等のレクリエーション施設でございます。次に、第三セクターの和歌山マリーナシティ株式会社でございますが、構成者は県、松下興産株式会社の二者から成っており、出資額一億円中、県三千四百万円、松下興産株式会社六千六百万円で現在運営を行っております。整備する施設は、居住用中高層マンション六棟を予定しております。
 これらの施設の総事業費は約一千億円程度であり、現在、ご承知のとおり、世界リゾート博時に好評をいただいたわかやま館、ポルトヨーロッパ、黒潮市場等が完成しており、引き続きマリーナ施設、マンション等、平成十二年の完成を目途に段階的に整備していく予定でございます。
 次に、マリーナシティ計画と県経済への効果や雇用の見通しについてでございますが、和歌山マリーナシティでは、和歌浦湾のすぐれた景観と調和し、親水性の高い防波堤、護岸や緑地などの多様な公共施設を配置した町づくりを目指しており、多くの方々に利用していただけるものと考えております。
 昭和六十三年に行った民間調査機関の予測によると、観光客等の年間入り込み客数が三百万人と推定され、また定住人口が四千人の町ができるなど、多数の利用客による県内産品の売り上げ、ホテルその他施設の利用などによる経済効果が期待されるとともに、既に稼働中のポルトヨーロッパ、黒潮市場等で約一千人が雇用されております。さらに、将来は施設の充実に伴い年間約八千人の誘発就業者数が見込まれます。また、これらに伴う所得の創出、税収も見込まれ、本県の活性化に大きく寄与するものと確信をいたしております。
 以上です。
○議長(平越孝哉君) 商工労働部長中山次郎君。
  〔中山次郎君、登壇〕
○商工労働部長(中山次郎君) 下津土取り跡地の利用計画についてお答えします。
 下津町丸田地区での土取り跡地は、開発面積六十一・九ヘクタール、有効平地面積十八・六ヘクタールでございまして、その利用計画についてはまだ最終決定がされてございません。下津町では、リゾート関連施設の誘致を行って地域活性化を図りたいと考えてございます。県も町と一体になり、企業の誘致活動に努めているところでございます。
 ただ、現在、雑賀崎企業団地へ引き続き土砂搬出中でございまして、跡地につながる幹線道路として町道丸田戸坂線が工事中でございます。また、地域内道路、上水道等の基盤整備も必要となってきてございます。今後、これらの事業の進捗により周辺整備が急速に進み、跡地利用計画も具体化してくるものと考えてございます。
 今後、町とも連携をとりながら、最適の有効利用を図られるよう企業誘致に努力してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 村岡議員にお答えをいたします。
 先ほど知事からウルグアイ・ラウンド農業合意に対する見解について答弁がございましたが、ご質問の本県農業への影響についてお答えをいたします。
 ご承知のとおり、今回の合意に基づく米のミニマムアクセスの受け入れや農林水産物の関税引き下げなどがあり、農業情勢は今、厳しい環境下に置かれてございます。中でも、本県農業と関係の深いオレンジや果汁については、現在の関税率を徐々に下げていくことで合意されてございまして、今後、輸入量の増加が予想される中で、本県農業の基幹である果樹産業に与える影響について懸念いたしてございます。
 こうした情勢に対応し、国では先般、国内対策大綱に基づく六兆百億円の措置が決定され、各般の施策が講じられようとしてございます。県としては、農家の意向等も十分踏まえながら、コストダウンを目指した園地改良や消費者ニーズを考えた他品目への転換等を積極的に推進するなど、地域の特性を生かした収益性の高い農業の展開を図り、農家の経営安定に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 27番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 答弁をいただきました。
 最初に民生部長ですが、申し込みをして待っている人が七百余人あるということですね。そして毎年ふえていっている現状にあると、このことはお認めになるわけですが、これは老人ホームだけで賄うということではなくて、基本的には在宅の支援をするんだ、そのためにデイサービスやショートステイ等について手厚くやっていくんだ、これが今国や県が進めている基本なんですよと、あなたはそういうことを言いたいんだと思うんです。
 しかし、この特別養護老人ホームというのは、病院から直接行く人もあれば、病院から老健施設を通って最終的に特養へ行く人もありますけれども、現場の皆さん方、施設長なんかに聞きますと、自宅から直接寝たきりの方が特養へ入ってくる率が最も高いとおっしゃっているわけです。そういう点から見てみますと、ショートステイとかいったものは、必ずだれかお家に介護者がいることが最低の前提条件ですよね。そうでしょう。
 けれども、例えば、入院していても、再三お医者さんから「退院をしてよろしい」「連れて帰ってくださいよ」と退院を催促されて、お家の人たちは病院へ行くことが非常につらいという訴えもたくさんあるんです。そういう中で、自分も働いていたりしてどうしても介護できない、長年頑張ってきたけれども、もうこれ以上続かないんだ、仕事も休み休みやってきたけれども、もう限界なんですと、こういう方々が特別養護老人ホームを希望されるのは、本当に切実なんです。そういう中で七百余名の方々が待っていらっしゃるんです。簡単に特養を希望して言っているのではないということを、しっかりとつかんでいただきたいと思うんです。
 今、和歌山県には二千六百八十五床あるわけですね。目標が平成十一年で三千床ですから、あと三百何床あればいいわけですが、開設間近のところが百五十床あるとなっていますから、もう間もなく到達をすると。そうなりますと、七百人のうちの三百五十人がどうしても必要なんだと判定されたときには、これは実際には収容可能になります。それでも、やっぱりこれからまだまだ高齢化が進んでいく中で、今も在宅や中間施設、病院にいらっしゃる方もありますし、予備軍というのは相当な数に上っていると思うんです。そういう人たちがいざ入れてほしいといったときには、この目標ではだめなんだということはもうはっきりしていると思うんです。
 そういう点で見れば、この特別養護老人ホームのベッド数の見直し、ふやしていくことが今緊急に求められていると私は思うんですけれども、そういう点について民生部長はどう思われるのか。緊急性の問題だと──私が言うのはそこなんですが、おたくは地域性ということを言っています。だから、希望があったとしても「あなたのところはそんなに急がなくてもよろしい」ということで、つくることを抑えてきているんですか。そこのところもはっきりしてください。
 それから、負担軽減についてです。これは、ことしの四月に法が改正されて、実施は七月一日からということになっていますが、この額を見ますと、実際には非常に大変な事態になってくる。今までは、年収二十七万円以下の方の場合には無料だったわけです。ところが今度は、十二万円の方からもう既にお金を徴収していくということになりました。そうすると、この方は、年収十二万円ですから、一カ月一万円で入所の間は日常生活をしなさいよと、こういうことになります。今までは二万二千五百円。これで見ると半分以下に徴収基準が改正されたということですから、それだけ低所得者からも搾り取るということになります。
 こういうことは、憲法第二十五条の趣旨から見ても、あるいは老人福祉法といったものには、長年ご苦労をされてきた方々については生活にしろ何にしろ大事にされなければならない、こういうことが明記されているわけです。憲法第二十五条でも最低限の生活は保障しなければいけないということで、生活保護というのが設けられているわけです。この生活保護を受けておられる皆さんたちが入院しますと──もちろん特養へ入られたら無料になりますし、入院されましても、医療費やそういったものについてはすべて無料化されます。しかし、「入院していても何かとお金は要るでしょう。ご自由に使いなさい」と、「日用品費」という名目で小遣い程度、月に二万二千二百円は支給されているんです。これが国の最低基準なんです。ところが、特養に入っている人たちは、年金をもらっているからそういう保障がないわけです。こうして見ますと、生活保護の皆さんには二万二千二百円が最低基準として支給されるにもかかわらず、特養に入っている人たちは支払うばかりで何にもないということになります。
 こういう矛盾点について、本当に行政側は国に物も言わんし──あなたは何と言いましたか。負担していただくのは「適切なものと考えております」と言っている。こういう、本当に最低の日常生活の保障すらもしない。月に一万円という基準をどこから持ってきたのでしょうね。それ、教えていただきたいんです。私はこういう収入のない方々、ましてや経済活動が全くできなくなって年金だけに頼らなければならない人たち、こういう弱者の方々には、やはり軽減制度を設ける必要があると思うんです。
 例えば、年金を六十歳からもらっていらっしゃる方々が今たくさんあるわけですけれども、この年金に税金がかからない額ってあるんですよね。それは、昭和四年一月一日以前に生まれた方で年金をもらっていらっしゃる方。こういう方は、年金額が百四十万円以下ですと、税金がかからないんだそうです。また、昭和四年一月二日以後に生まれた方、これは将来的には私どもも関係するわけですけれども、こういった人たちは年金七十万円以下ですと税金はかからないんだそうです。こういうふうに、額によって最低保障を税金の面でも国はやっているんですよ。
 こういう点から見てみれば、軽減措置がとられても当然ではないかと思いませんか。だから、県ができないとするならば、あくまでもこれは市町村が主体的に事務を扱っているわけですから、そこらの責任になるというふうに思いますけれども、今、市町村は大変な事態になっているわけです。国はいろんなことを言うけれども、財政的保障が全くされていないという現実の中で、大変財政的には苦しくなっているということもあります。そこで、県がせめても、こういう人たちに軽減制度を適用させていくべきではないかと思うんです。矛盾だらけの特別養護老人ホームの徴収基準だと思うんです。
 日本が最低とも言われている生活保護基準にも満たないような仕打ちをするということ、お年寄りをいじめ、ことも冷たくあしらうといった今のあり方について、私は非常に怒りに思うんです。もう一度、この負担軽減についてお答えをいただきたいと思います。
 それから、今希望がたくさんあるのであえて県がつくることは要らんと、平たく言えばそういう答弁でしたね。民間でやる方が非常にふえているのは確かだと思います。しかし県も、積極的に高齢化社会の一端を担うという部分で、お金だけ出すのではなくて、やはり施設もつくっていくという姿勢に立ってほしいということなんです。だから、「つくらなくてもいい」と言い切れるところに私は問題があると思うんです。この問題については要望しておきますから、検討しておいてください。
 それから、開発の問題であります。
 この開発の問題については、もう私は再三、質問をしてまいりましたけれども、住民の皆さん方の、今日常生活に不便を感じている切実な問題、そしてこういう開発をされると将来的に非常に危険きわまりない状況が起こってくるんじゃないかという不安や疑問に対して、当局や業者が全く答えないという姿勢が貫かれているということなんです。
 この柏栄不動産がやるのは、高層住宅を含めた五千七百戸という大規模な宅地造成ですよね。今でさえも浸水問題は深刻な状況にあるということから考えても、直下にある住民の皆さんたちは不安がいっぱいある。そして、地権者の皆さんも用地買収には応じないということが根強く、将来的にもその可能性はないという時点において、開発優先の立場で県が許可をするということについて、非常に慎重さを欠いていると思うんです。そういう点で、先ほど知事が答弁なされた開発に対する基本的な考え方から見れば、非常に矛盾だらけだと思うんです。
 そして、この都市計画法というのは、開発を許可しなければならない、そして住民が全く救われないという法律になっているところにも着目をしてほしいと思うんです。だから、後で問題が起こらんがために行政指導で「話し合いをちゃんとやってくださいよ」「許可をおろした後は条件を守らないけませんよ」と言うようなことだけでは済まないと思うんです。許可してしまえば、業者というのは「許可はおりたんだ」ということで、だんだんやっていく中でそこだけがとり残されていく、住民の存在価値そのものを無視していくような工事が行われることもあり得るわけです。そういう点でも、許可はこの際、撤回していただきたいと思います。とりわけこの柏栄不動産の問題については、地権者の皆さんの態度、その申されている内容をもう一回吟味する必要があると思います。その点について、もう一回お答えください。
 マリーナの問題ですけれども、マリーナについてはむだ金を今後使わないでほしいという、この一言です。
 下津の土取り跡地については、マリーナシティやリゾート博を成功させたということから見れば、県にとっても放置できない問題だと思うんです。そういう点で、これから浅川組さんが約束をしてらっしゃることはきっちり守らせるという態度を、県からも特に要請していただきたいと思います。
 もう時間がありませんので──ガット問題については、恐らくきょう採択されてしまうと思うんですけれども、全国の農家の皆さんや農業にいそしんでいる皆さんが非常に危惧されている内容でありますし、六兆円のお金が本当に有効的に発動されるのかどうか、そして本当に六兆円で将来的な農業が確立されるのかどうか、このことについて私たちは非常に疑問に思っています。そういう点で、農林水産部長がおっしゃった問題について慎重にやっていただきたいと思います。
 以上で、答弁だけお聞きします。
○議長(平越孝哉君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 村岡議員の再質問にお答えを申し上げます。
 まず特別養護老人ホームの整備の点についてでございますが、ご承知のとおり、現在、国のゴールドプランに基づき、本県としてその整備目標を決めて整備を行っているところでございます。ちなみに、本県の整備目標については、実は国の二十四万床という整備目標をはるかに上回る整備率で、本県としての保健福祉計画に基づく特養施設の整備を行っているところでございます。しかも、ご質問にあったように、その整備に当たっては、当然のことながら、緊急性あるいは地域バランス、計画性等に基づいて実施しておるところでございまして、今後は、最初のご答弁の中でも申し上げたように、新ゴールドプランの早期策定を待って、本県としての実態を十分国に対しても働きかけ、さらにその内容等を検討しながら本県の老人福祉計画の内容に十分反映をしていきたい、このように考えてございます。
 二点目の費用徴収、負担の関係でございますが、これについては昨年十二月、中央社会福祉審議会の老人福祉専門分科会から費用負担のあり方について意見具申がなされ、この具申を踏まえて本年七月に費用徴収基準の改定が行われたところでございます。改正の趣旨については、食事は原則自己負担というような考え方のもとに従来から費用徴収基準が定められておりましたけれども、今回、在宅・施設間の負担の公平をさらに図る必要があるということ、さらには入所者の中には結果的に預貯金等の資産形成の状況にあるといったこと等が指摘されていること等から、入所者に認められている個別的な日常費、例えば嗜好品等の個人的な日常経費のあり方について、公平の観点から見直すべきであると、そうしたことに基づいて費用徴収基準の改正が行われたところでございます。この結果、確かに今回は年収十二万円を超える者について費用徴収をされたこととなったわけでございますけれども、従来どおりの費用徴収上限についてはそのままとなってございます。
 いずれにしても、そういった中央社会福祉審議会老人福祉専門分科会でご審議された内容に基づいて改定をされましたので、このことについて十分ご理解をお願い申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 土木部長山根一男君。
  〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) お答えいたします。
 この件については、安全性とか土地利用の面等について十分チェックの上、許可条件は満たしていると判断して許可したものでございます。
 また、ご指摘の土地については、許可時点では売買契約はなされているものの、権利移転の手続中でございました。約百六十二ヘクタールの計画地のうちで約六・六ヘクタールであること、また売買契約後の権利移転手続中であったことから、都市計画法に定める開発行為の妨げとなる権利の相当部分を取得しているとの基準を満たしていると判断して許可したものでございます。
 なお、先ほどもお答えしたように、周辺住民との調整については和歌山市ともども事業者を指導してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──発言時間が終了いたしましたので、以上で村岡キミ子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(平越孝哉君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時三十六分休憩
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