平成6年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(尾崎要二議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午後一時六分再開
○副議長(富田 豊君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(富田 豊君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 20番尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○尾崎要二君 通告に従い、質問を始めさせていただきます。
 仮谷県政の大きな目標であり、県民挙げて取り組んでまいりました世界リゾート博が大成功をおさめ、先日、閉会式を盛大に迎えることができました。七十二日間の開催期間中、県内外より二百九十万人を超える方々が入場され、そのすばらしい内容に高い評価を与えていただくことができました。この成功を迎えるに当たり、今日までの関係者のご苦労に対し、心から敬意を表したいと思います。また、仮谷知事の何としてでもやり遂げるんだとの強いリーダーシップによるところも大きかったと、改めて拍手を送りたいと思います。閉会式を迎え、博覧会協会の会長として常に先頭に立ち、世界リゾート博を企画立案され、ここまで引っ張ってこられた仮谷知事の感慨もひとしおのものがあったと拝察をするものであります。世界リゾート博が成功した結果、県民の中に「やればできるんだ」との大きな自信が生まれたのも事実であります。知事が訴えてこられた誇れるふるさと和歌山県の大きな第一歩をしるしたわけでありますが、世界リゾート博の成功、待望していた関西国際空港の開港とビッグプロジェクトが順調に進んだ和歌山県にとって、まだまだ多くの課題が山積しております。紀淡海峡トンネル、高速道路の紀南延伸、京奈和自動車道の整備など、最重点で考えていかなければならない事柄も多いわけでありますが、この際、一度足元も見直す意味も含めて、数点質問をしていきたいと思います。
 まず第一点目は、関空建設の土取り跡、コスモパーク加太についてであります。
 ご承知のように、コスモパーク加太計画は、関西国際空港埋立用土砂採取跡地を中心とした二百六十ヘクタールの土地を活用して自然環境と調和のとれた研究開発、リゾート、住宅等の機能を持つ国際的な複合都市コスモパーク加太を建設して和歌山県の経済活性化に寄与する計画で進められ、昭和六十年、県、和歌山市、県土地開発公社の三者で加太地域開発整備推進協議会を設け、その後、民間企業のすぐれたノウハウを導入して計画を実現させるために、平成二年十一月に県、市、県公社に民間企業十四社を含めた官民でコスモパーク加太開発推進機構を発足させ、計画を推進してきたわけであります。近年のバブル経済の崩壊に伴う経済状況は大変厳しいものになり、本計画にも大きな影響を及ぼし、民間企業の本計画への対応にも大きな変化が出てきたところであります。このため、事業方針も行政が主体となって事業を進めようとすることになり、今後、公的利用、公共事業等の公共支援を進めることとなってきております。
 加太開発関連事業の平成五年度末の執行額が一千二百六十八億円、それに対して土砂の収入が八百三十三億円であり、差し引きの事業費が四百三十五億円になっております。この結果、大きな借入金が発生し、それゆえに平成五年度末の累積利息額だけで百二十三億円に達しており、県財政より金利支援のため、公社に対する貸付金が平成四年度に十八億円、五年度は十四億五千五百万円となってきております。このことからも、一刻も早くこの事業を本格的に進めていかなければ金利支援の貸付金が膨らむばかりになり、その分地価にはね返ることから、年々本計画を進めることが難しくなると言わざるを得ません。有効利用面積が百六十ヘクタールにも達する貴重な土地でありますので慎重な審議も必要でありますが、借入金の大きさから見てみると、早く対応することもまた必要であると訴えたいと思います。今日までも、この議場で多くの先輩議員より数々の提案がなされてきたわけであり、その関心の大きさがうかがえるところであります。今日のコスモパーク加太の置かれている状況について、企画部長のご見解をお聞きしたいと思います。
 二点目の質問は、紀三井寺公園についてであります。
 昭和四十六年の黒潮国体を控えて、昭和三十九年に陸上競技場が、昭和四十年に野球場が建設され、その後三十年の歳月が過ぎ、その間、黒潮国体やさまざまな大会が開催されてまいりました。しかし、現在でも野球場には夜間照明もなく、また補助競技場ではサッカーやラグビーの試合を行っておりますが、観客席すら満足にない状態であります。公園を訪れた県民がゆったり過ごせるような施設やスペースも少なく、特に全体的に手狭な感じがいたします。
 私も、和歌山県議会の野球チームの一員として、毎年、国体開催県での議長会主催の全国議員野球大会へ出場させていただいております。ことしの愛知県大会は名古屋市瑞穂運動場で開催されました。そこにはすばらしい競技施設が建ち並び、もちろん大きな野球場には夜間照明があり、グラウンドは人工芝で、公園全体の敷地面積は二十四ヘクタールとのことでありました。昨年の徳島県鳴門総合運動公園も施設が充実し、敷地面積は二十三ヘクタールとのことでありました。その前の年は山形県総合運動公園で、その面積は五十ヘクタールと大きな運動公園でありました。
 紀三井寺公園の面積は十四ヘクタールでありますので、山形県から見れば三分の一以下であり、なるほど狭いわけであります。その上、住宅地が隣接しておりますので、夜間照明すら設置するのに大変苦労されると思います。このような状態で、大きな全国大会はもとより、関空に隣接する本県として今後国際大会を計画していかなければならないわけでありますが、このままではとてもおぼつかない施設内容であります。
 高校三年生のときに黒潮国体に出場した私が今四十一歳でありますので、あと二十年もすれば国体を開催しなければならない時期を迎えようとしているのではと考えます。これら将来のことを考えていけば、現地でこれ以上手直し的な増改築を重ねることはどうしても無理が生じてくると思います。既に他の県では五十ヘクタールを超える面積を確保した総合運動公園も見られますので、この際、思い切って移転を考えるべきであると申し上げたいと思います。
 先ほども申し上げましたが、昭和四十六年に本県で開催した黒潮国体に私も選手として参加したわけでありますけれども、この黒潮国体の開催はその後の本県のスポーツ振興に大きく寄与してきていると思います。国体も昭和六十三年の京都から二巡目を迎え、近畿では平成九年に大阪府の開催が決まっており、その次に兵庫県が予定をされておりますが、本県はいつごろの開催を予定しているのか、また誘致を含め今後どのような取り組みが必要となるのか、教育長にお尋ねをしたいと思います。
 あわせて、紀三井寺公園のスポーツ施設等に対してどのような認識をされているのか、土木部長にお聞きをしたいと思います。
 続きまして、三点目の質問は県庁舎の問題であります。
 前回にもこの件で質問をさせていただいたところでありますが、その後、県立図書館、県立美術館が立派に完成し、平成十年には県立医科大学とその附属病院が紀三井寺競馬場跡へ移転を完了する予定となっております。建物として次に考えていかなければならないのは、やはり県庁舎であろうと思います。
 戦前の昭和十三年に西汀丁から現在地に移転新築され、その後、昭和二十三年に西裏側に庁舎が、昭和三十七年には東裏側にこの議会棟が増築をされ、昭和三十九年には東別館、昭和四十一年には北別館、昭和四十三年には警察本部の西別館が建設され、今日に至っております。そして、時代の流れとともに老朽化も進み、増築に次ぐ増築によりその機能も大きく後退し、問題点も数多く指摘されてまいりました。狭い、暗い、利用しにくいが県民の声であります。駐車場スペースも少なく、エレベーターのない建物が多く、利用する県民に不評を買っているところであります。
 前回の庁舎についての質問後、私も昭和五十年に移転新築した山形県、現地建てかえをした徳島県や福井県の庁舎にも行ってまいりました。移転をした山形県庁の敷地面積は十・二ヘクタールとゆったりとしたスペースを確保しておりますが、徳島、福井の両県庁舎は現地建てかえのため敷地面積が二・六、二・一とともに狭く、どうしても高層化になり、駐車場も地下を利用するなど、ゆったりとした気分になれなかったわけであります。
 本県においても、平成元年に議会棟建設基金として三億円を計上しておりますが、その後は利息のみであり、庁舎の調査費については平成四年に百万、五年も百万、今年度が五百万と、余り進んでいないような気がいたします。他県の例を見ると、本格的に計画を進めてからでも完成までに十年以上の期間を要しているし、平成八年度完成予定の鹿児島県庁舎においては建設費に五百九十七億円を予定していると聞いております。本県も、早急に基金の積み立てを始めるべきであると申し上げたいと思います。
 そして、二・二ヘクタールの敷地面積であるこの小松原通に現地建てかえを考えてみても、建てかえ期間中の職務を行う仮庁舎など大きな建物を確保することにおいて困難が予想され、また仮住まいをしなければならない期間、どうしても行政の機能を十分果たすことができず、高層化をすると必ず将来また新たな問題が発生してくると思われます。この際、山形県、新潟県、鹿児島県のように思い切って全面移転を真剣に考えるべきであると訴えたいと思います。現在の庁舎の状況と今後について総務部長の答弁を求めます。
 以上三点、コスモパーク加太、紀三井寺公園、県庁舎についての問題点を、私なりに指摘をさせていただきました。
 ここで提案でありますが、紀三井寺公園は余りにも宅地に隣接し過ぎ、面積的にも十四ヘクタールと総合運動公園としては狭くなり、また施設自体も老朽化しており、県民の期待にこたえにくくなってきておりますので、その機能すべてを公共用地として考えておられるコスモパーク加太へ移転されてはいかがかと思います。そして、加太で十分な敷地を県で確保すると同時に、総合運動公園にふさわしい施設を新しく充実してほしいと思います。二巡目の国民体育大会や国際的なスポーツ大会を開催できるものにしていくべきであります。すばらしい加太の景観と緑に囲まれた総合運動公園ならば、必ず県民の期待にこたえていけると確信いたします。また、このことが残りの土地の有効利用にも大変役立つと考えます。
 紀三井寺公園がコスモパーク加太へ移転をするとすれば、十四ヘクタールの跡地が紀三井寺にできるわけでありますので、三点目に申し上げた県庁舎を紀三井寺公園跡地に全面移転することを二番目に提案したいと思います。
 過去、県庁舎を移転した山形県では三キロ、新潟県では二キロ、福岡県では三キロ、鹿児島県では四・三キロメートルと、もとの庁舎より移動しております。このことから見れば、本県においても小松原通と紀三井寺の距離が七キロから八キロでありますので、余り大きな混乱もなく移転ができると思われます。先ほどから述べております庁舎移転をした県の敷地面積は、山形県で十・二ヘクタール、新潟県で十二・五ヘクタール、鹿児島県で九・六ヘクタールとなっており、本県も紀三井寺で十四ヘクタールの敷地を確保できれば、五十年先の土地利用まで見込んだ計画を立てることができると思います。面積的に余裕がありますので、庁舎と公園が一体となった、全国的に見ても例のない新しい感覚の新庁舎が誕生するものと思います。
 現庁舎の小松原通の跡地には、すばらしい県立美術館に負けないような芸術文化センターを建設するのも可能であると思います。関西国際空港に一番近い県庁所在地にふさわしい機能を発揮できる芸術センターであります。既に和歌山市には県民文化会館、市民会館とありますが、日進月歩の中で進んでいく音響機能からすれば、どちらも少し古くなっていると聞き及んでおります。
 コスモパーク加太への紀三井寺公園総合運動場の移転、紀三井寺公園への県庁舎の移転となれば、大きな財政の負担を伴うことは十分承知をしております。例えば、十年計画で紀三井寺公園の運動施設を徐々に加太に移していき、そしてその後、県庁舎の紀三井寺移転を進めていけば計画的に推し進めていくことができ、その間に交通アクセスなどの改善も考えていけるわけであります。財政的にも対応が可能になると思います。これらの提案が実行されれば、コスモパーク加太計画にも弾みがつき、今日まで仮谷知事が着々と地道に推し進めてこられた県政が、その基礎をもとに、また大きく前進できる機会を得ると思います。
 市町村においても、野球場や体育館、プールなど、それぞれのサイズに合った施設をつくっておられますが、県が考えるときには、そのスケールにおいて同じようなものではなく、一段大きなものを考えていくべきであると思います。県庁舎についても、現地で建てかえるという計画であるのならば、敷地面積等で近い将来必ずひずみが生じてくると考えます。これについても、長期的な展望に立ち、お考えをいただきたいと思います。
 和歌山マリーナシティの建設、そして世界リゾート博覧会というスケールの大きな事業を先頭に立って積極的に推進された仮谷知事から、コスモパーク加太への紀三井寺公園総合運動場の移転と県庁舎の紀三井寺公園への移転についての私の提案に対するご見解をいただきたいと思います。
 続いての質問は、ことしの異常気象における農業への影響とその対策についてであります。
 今年は、近年に例を見ない記録的な少雨高温が長く続いてまいりました。和歌山地方気象台の調べによりますと、和歌山市では本年一月から九月中旬までの降雨量は四百四十五ミリであり、平年値の四五%という非常に少ない雨量で、特にことしは空梅雨の上に、七月の雨量は十九ミリで平年値の一二%、八月の雨量は八ミリで平年値の七%の雨しか降っておりません。加えて四月以降の平均気温が二度から四度も高いという、異常な年でありました。
 我が下津町においても、同じような数字の雨量や気温が計測されております。この結果、下津町を流れる加茂川より飲料水を確保するための町水道の取水井戸もだんだん水位が低下していき、最初は時間の給水制限から始まり、途中よりやむなく完全な断水までしなければならない地域も発生してまいりました。八月十三日、ついにその井戸もかれ、もっと深いところへ新しい井戸を掘ることでそのときは対応をし、少しの間水道の状態も改善されたわけでありますが、九月五日にはその新しい井戸もついに底をつき、町民の生活に重大な支障を来す事態となりました。しかし、その直後、海草県事務所を窓口として県保健環境部、企業局、土木部より特別な配慮を考えていただき、緊急的に工業用水の利用を認めていただき、そのおかげで大事に至らずに済むことができました。当局の配慮に心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。今後、抜本的な改善に対しても、県当局より指導のほどをよろしくお願いいたします。
 飲料水さえ確保できなくなった加茂川は、最終的にはほとんど水がかれ上がり、風が吹けば砂ぼこりが舞い上がる無残な姿でございました。町内のミカン農家の人たちも、何とか木を枯らさないように、毎日毎日、炎天下のもとで汗と泥まみれになりながら、車に大きなポリタンクやFRPのタンクを乗せ、山の上まで運んでおりました。山では、雑木林や竹やぶも枯れ始めているところが見受けられます。このような気象条件のため、ことしのミカンの作柄はどうしても小玉になることは免れず、大きな痛手をこうむることが予想されております。
 また、先日、県下一の富有柿の産地である九度山町の柿畑を見せていただく機会がありましたが、柿の作柄も大変厳しいものでありました。このことから、県下全域にわたって農作物の被害が発生しているものと思われます。
 そこで、お尋ねをいたします。
 ミカン、柿はどのような被害が、どの程度発生しているのか、県としてこの干ばつに対してどう対処をしてきたのか、この大きな干ばつ被害に対し国への要望活動は行っているのか、干ばつ被害園の一刻も早い回復が大切であるが、事後対策をどう考えておられるのか、以上の点について農林水産部長にお尋ねをいたしたいと思います。
 以上をもちまして、一回目の質問を終わらせていただきます。
○副議長(富田 豊君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 尾崎要二議員にお答え申し上げます。
 ただいま、議員からコスモパーク加太利用計画等についてのご意見、ご提言があったわけでございますけれども、貴重なご意見として承ってまいりたいと思っております。
 とりわけコスモパーク加太計画については、話もございましたように、非常に厳しい社会経済の状況下にあるわけでございまして、従来の民間主導型から行政主導へと推進してまいらなければならないと考えております。話ございました総合運動公園を含めて、公共的な利用について十分検討してまいりたいと思っております。
 また庁舎については、後ほど総務部長から現況と調査の状況を申し上げますけれども、現在、他府県の状況、そしてまたことしはこの場所で開発がどの程度できるかという問題等を研究するし、またこの場所ではなしによその地域で考えるという問題も検討していかなければならないのではないかと思っておるわけでございます。
 話もございましたように、美術館、博物館もできましたし、多目的ホール、保健福祉会館等の建設のめどがつきましたので、庁舎の問題がこれからの最重要課題ではないかと思っております。極めて重要な問題でございますので、議会の皆さんのご意見を承りながら積極的に進めてまいりたいと思っております。
○副議長(富田 豊君) 企画部長宮市武彦君。
  〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 尾崎要二議員にお答えいたします。
 コスモパーク加太計画については、二十一世紀に向けて情報化、国際化に対応できる、しかも自然環境との調和のとれた魅力ある新しい町づくりを目指し、民間のノウハウを活用してその推進を図るため、平成二年十一月にコスモパーク加太開発推進機構を設置し、所要の検討を行ってまいりました。しかしながら、バブル経済の崩壊に伴う厳しい社会経済情勢の影響を受けて、本年四月以来、行政主導型で計画の推進を図るべく諸般の検討と取り組みを進めてまいってございます。そういった取り組みの一つとして、公共的利用の検討も行ってございます。議員ご提言の総合運動公園についても、公共的利用の一つの案として検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 土木部長山根一男君。
  〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 尾崎要二議員のご質問のうち、紀三井寺公園についてお答えいたします。
 昭和四十六年の第二十六回国民体育大会の主会場として昭和三十九年に開園した紀三井寺公園の施設については、その後の社会状況の変化や県民の多様なニーズにこたえるため、Jリーグのプレシーズンマッチの誘致に伴うフィールドの芝の張りかえやテニスコートの増設などを行ってまいりました。しかしながら、各種スポーツ関係団体などからも、より利用度の高い施設への改善要望もございます。各施設の充実については、利用者への影響など県民のニーズを十分踏まえて、今後調査研究してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 県庁舎の建てかえについてのご質問でございます。
 ご指摘のとおり、現庁舎は老朽化、狭隘化が進んでおり、建てかえについての検討が必要であると思われます。このため、ただいま知事から申し上げましたとおり、平成四年度から調査費を計上しておりまして、四年度、五年度は主に他府県の調査を行い、本年度はこれらの調査結果をもとに、まず現地で果たして十分な機能や規模を備えた庁舎の建設が可能であるかどうかについての検討を行っているところでございます。今後、この調査結果を踏まえ、他地域への移転ということも視野に入れて十分検討を行っていきたいと考えております。
 また、基金についてのご質問でございますけれども、ご案内のように莫大な建設費がかかるということで、一時にお金を調達することは事実上困難でございます。したがって、計画的な基金の造成についても今後十分検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 尾崎要二議員にお答えをいたします。
 本年の干ばつによる農作物への影響と対策についてであります。
 議員お話しのとおり、本年は空梅雨の上、近年にない記録的な高温少雨の異常気象により、柿やミカン等の果樹では果実の肥大抑制を初め日やけ果の発生、樹勢の低下等の症状が出るなど、野菜、水稲を含め干ばつの影響が出てございます。
 こうした事態に対処するため、県といたしましては、七月十九日に農作物干ばつ対策本部を設置し、被害の状況把握に当たるとともに、かん水や摘果等の技術対策指針を出し、関係機関とも連携を図りながら指導に努めてきたところでございます。それにもかかわらず、本県の被害は八月末の調査では約四十八億円でございましたが、九月以降も有効な降雨がなかったため、九月二十二日の調査では約七十二億円と被害がさらに増大し、このうちミカン、柿等の果樹が全体の九三・四%を占め、厳しい状況となってございます。このため県といたしましては、国に対し去る九月三十日に、天災融資法の発動や被害農家に対する農業共済金の早期支払い、並びにポリタンクや揚水機を購入した場合の干害応急対策事業に対する助成措置について強く要望してきたところでございます。国においても、本県の実情を理解していただき、前向きに検討されるとの感触を得てございますが、さらに県議会のお力添えをいただきながら、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、干ばつ被害園の事後対策についてでございます。
 来年度への影響も懸念されることから、改植事業や樹勢回復対策、冬季の防寒対策等について、関係機関ともども一丸となって取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 二巡目国体についてお答えいたします。 国民体育大会については、全国を九ブロックに区分し、輪番によって開催することになっております。本年は東海ブロックの愛知県で開催されますが、近畿につきましては平成九年に大阪府が決定しております。平成十八年に兵庫県の予定となっており、一巡目の順番からすればこの次が一番近い開催になろうかと考えております。
 二巡目国体の誘致については、本年二月に県スポーツ振興審議会よりいただいた答申においても、本県のスポーツ振興はもとより、活力ある郷土づくりを進めるためにも重要なことであるとの提言をいただいているところであります。今後、議員各位を初め関係の皆様方のご協力を得ながら、誘致・開催を含め、諸条件の整備を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(富田 豊君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 20番尾崎要二君。
○尾崎要二君 ただいまコスモパーク加太、紀三井寺公園、県庁舎について、知事初め各部長からご答弁をいただいたわけでありますけれども、それぞれ大きな財政負担が伴うことにおいて少し慎重になり過ぎているのではないかという感じがいたします。それと同時に、問題というのは大きければ大きいほど、あした考えようか、あしたになったらまた次の日に考えようか、またその次の日に考えようかということで、ずんずん先に送っていくのも人の常ではなかろうかなと思っておりますけれども、今回思い切ってそれぞれ関連性を持ってもう一度考え直してほしいと思うわけであります。リゾート博というスケールの大きい成功の後でありますので、時期的にも今またこういうことを考えるのに絶好の機会ではなかろうかなと思います。
 特に、紀三井寺の運動公園もこの庁舎も、できたときにはすばらしいものであったと思うわけでありますけれども、子供が大きくなっていくのに同じ服をずっと着せていくことが可能かというとそうではない。やはり、その時代時代に合ったものにしていかなければならないということを強く訴えたいと思うわけであります。
 それから、干ばつ対策について農林水産部長からご答弁をいただきました。大変熱心に対応していただいていることに感謝をするわけでありますけれども、答弁をお聞きして、これから先、特に国に対して激甚災害の指定をしてもらうことが何より大切ではなかろうかなと思います。この点を踏まえて、その趣旨に沿ったような動きをとっていただければとお願いするようなわけであります。
 以上、すべて要望でありますので、これで終わります。
○副議長(富田 豊君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で尾崎要二君の質問が終了いたしました。

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