平成6年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(上野山親主議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時四分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
○議長(宗 正彦君) この際、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から監査結果の報告及び現金出納検査の結果報告がありましたので、報告いたします。
○議長(宗 正彦君) 次に、申し上げます。
 昨日の会議における鶴田議員の質問に対する答弁について、その一部に不適当な箇所があり、これを取り消したいとの申し出がありますので、議長において速記録を精査の上、措置したいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
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○議長(宗 正彦君) 次に日程第一、議案第七十六号から議案第八十四号まで、並びに知事専決処分報告報第二号から報第六号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 35番上野山親主君。
  〔上野山親主君、登壇〕(拍手)
○上野山親主君 おはようございます。
 お許しを得ましたので、通告順に従って一般質問を行いたいと思います。
 いよいよ、九月四日に我が国初の本格的な二十四時間国際空港・関西国際空港から一番機が飛び立ちます。また、関西文化学術研究都市も九月に町開きが計画され、関西の活性化、関西復権の期待は広がる一方であります。
 そうした中で、去る四月二日午後三時、関西国際空港と六甲アイランドを結ぶ大動脈・阪神高速湾岸線が開通をいたしました。今回開通をしたのは全線約八十キロの計画のうち六甲アイラインド北─りんくうジャンクション間の五十五・八キロでありますが、今までの高速道路には見られないさまざまな配慮がなされています。何といっても大きな特徴は、いろんなデザインを施した大橋であり、それぞれの大橋の存在であります。斜張橋としては長さ世界第八位の東神戸大橋、だんじりの屋根をイメージした岸和田大橋等であります。高速道路自体を観光資源、観光名所として、見事なまでにライトアップされ、演出されております。この湾岸線は、まさに未来への、二十一世紀への関西復権をかけた希望のハイウエーと言っても過言ではありません。今後計画されておりますアジア太平洋トレードセンター等々、次の世界を担う基幹施設と関西国際空港とを有機的に結ぶ夢のハイウエーであります。
 我が和歌山県にとりましても、関西圏の中心部と直結する極めて大切な大動脈と位置づけることができます。新空港が開港すれば、世界じゅうから、そして世界じゅうへ、人、物、情報が発信・受信されることになります。今こそ我がふるさと和歌山のビジョンづくりを急がねばならないときではないでしょうか。
 関西復権をかけ、世界都市・関西を目指し、オール関西で取り組んでいる事業に大阪湾ベイエリア開発整備事業が挙げられます。大阪湾ベイエリアは、関西国際空港のインパクトを生かし、世界都市機能の整備をし、ウオーターフロントにおける人間性回復空間を再生し、個性ある都市核を結ぶ多核ネットワーク型都市圏の形成を二〇二五年までに目指すものであります。
 昭和六十二年三月に近畿の創世計画すばるプランが発表され、同年六月、四全総に位置づけられて以来、平成元年九月に官・民・学三者により大阪湾ベイエリア開発推進協議会が発足し、平成三年四月、大阪湾ベイエリア開発整備のグランドデザインが発表され、同年十二月、財団法人大阪湾ベイエリア開発推進機構が設立され、平成四年十二月、大阪湾臨海地域開発整備法が制定され、着実にその環境が整備されてまいりました。
 平成三年四月に発表されたグランドデザインによりますと、大阪湾ベイエリア開発整備の方向は、まず関西の有する経済的、文化的可能性を生かし、世界に貢献できる世界都市機能を構築することが位置づけられております。世界都市機能を高水準レベルまでに育成するためには、国際的な文化学術研究機能、経済機能、交流機能、居住滞在機能を強化しなければなりません。その具体的方策として、大阪湾ミュージアムの建設、国際ベイエリア研究センターの整備、情報技術大学の設置、企業立地のための産業情報センターの整備、ベイエリア都市連合によるオリンピックの開催、外国人生活支援システムの整備等々が計画されています。
 次に、産業の高度化と新たな産業創造のための機能を蓄積するための施策が盛り込まれています。その具体策としては、各国の通商機関、世界企業の本社機能の誘致、世界的規模の国際見本市会場、国際会議場、ホテル等を一体的に整備することによって国際的業務機能を強化し、世界に開かれた交流拠点を形成することが可能とされています。また、二十四時間型の通関・保税機能を持つ国際航空貨物物流中枢的拠点・環太平洋トレードゾーンを設置し、総合物流システムを構築することによって物流機能の強化が図られるとされています。また、ウオーターフロントを生かした開放的な空間の整備により、リゾート空間の整備と一体となった人間性回復の場としての居住空間が育成されるとしています。このような諸施策を遂行するためには、交通インフラ、情報通信インフラの整備がぜひとも必要であると、当然ながら述べられております。
 今、ウオーターフロントブームであります。古来、ウオーターフロントは人間が定住生活を始めたところであり、人、物、情報が交流し、都市が形成されてきたところでもあります。今、新たな発想のもとで見直されようとしています。我が国においても、東京湾では東京臨海新副都心計画、横浜のみなとみらい計画、千葉の幕張新都心計画等々、大型のウオーターフロント計画だけでも四十、中小規模のものを含めれば実に百を超えるプロジェクトがひしめいております。大阪湾でも同様に、神戸ポートアイランド、大阪市南港ポートタウン、関西国際新空港、六甲アイランド、フェニックス計画等々、着々とその計画が進められようとしています。
 コンテナ化や船舶の大型化によって旧来の港湾施設が使えなくなり、港湾機能の旧施設の遊休化が進み、大規模な改造が必要となってきたこと、造船、製鉄などの重厚長大産業の減退によって臨海部の生活機能が低下し、広大な遊休地が発生したこと、それに伴って港湾施設や重化学工業部門で働いていた人々の流出が始まり、生活空間としての臨海部の衰退も顕著になってきたことなどの理由から、産業構造の転換と交通通信システムの転換を背景として今日のウオーターフロントブームを起こしたと言っても過言ではありません。
 すばるプランには、双眼型国土構造の確立に向けてという副題がつけられています。これは、我が国全体を二つの異なる核を中心とし、均衡ある国土の形成を目指そうとするものであります。それは、関西国際空港を軸とする国際交流都市圏、アジア太平洋地域とのつながりを生かした先導的経済圏、関西文化学術研究都市を初めとする創造的文化圏といった三つの圏域構想の実現によって可能だとされています。このような世界を先導し得る経済、文化、学術の一大集積地としての関西国際文化圏を形成することによって国土の双眼構造の一翼を担おうというのがすばるプランの基本的な考え方であります。
 以前、関西国際空港のインパクトを活用し、いかに和歌山県の発展を促進するかという県民挙げての課題が本会議場でも何十回となく議論され、先輩、同僚議員からも数多くの指摘と提言がなされました。中でも、「扇風機の裏側」という言葉がよく使われたのも事実であります。これまでの体験、反省を踏まえ、私たちはふるさと和歌山の将来像を創造していかねばなりません。
 大阪湾ベイエリア構想について質問を申し上げたいと思います。
 第一点は、この事業は、関西が日本の二大核を目指し、国際都市機能を有する二十一世紀に向けての未来都市を建設しようとする一大プロジェクトであります。当然、本県もこの事業に積極的に参画し、本県の二十一世紀のビジョンづくりをしなければなりません。大阪湾ベイエリア構想を通じ、本県のあるべき姿をどのように位置づけているのか、また何を求めているのか、お伺いいたします。
 現在、各関係府県で独自の青写真を構想中であると聞いておりますが、本県の取り組み状況をお伺いいたします。その取り組みのタイムスケジュールもあわせてご答弁をお願いするものであります。
 本プロジェクトは民間活力の協力がなければ目的の達成はできるものではないと考えますが、県民に対してどう理解を求め、どのようにアピールをしていくのか、またその協力体制をどう考えておられるのか、お示しをいただきたいと存じます。
 続いて、行政のリストラについてお伺いいたします。
 今、国際社会は東西冷戦の終結により平和協調の流れと民族紛争等の諸問題に対する危機感が共存する中で、大きく変動しております。また経済的には、資本主義国家間でのブロック化や保護主義の強まり、管理貿易の動きなどが我が国の経済基盤を揺るがそうとしています。一方、国民生活においては、長い労働時間、高い物価水準、住宅・社会資本整備の立ちおくれ等が指摘される中で、国民意識はこれまでの成長を優先する傾向から、ゆとりや安心、公正を重視する傾向へと変化しています。また、バブル経済が崩壊し、中長期的な不透明感も強くなっています。我が国の市場経済システムは、日本経済が諸外国に大きな影響を及ぼすようになってきたことに加え、長い労働時間や通勤時間などを通じて個人の生活が犠牲にされてきたこと、国内市場が成熟化に向かいつつあることから、市場経済の透明性、余暇やゆとりの重視、事業の再構築を初めとする企業活動の革新が求められています。また、政治社会システムについても、新たな政治秩序の確立に向けた指導力の発揮や、女性や高齢者が安心して働き生活できる社会構造が求められています。
 このような時代の変動に対応していく上で、行政の基本的な役割は、経済社会システムの変革を支援し、ゆとりある豊かな国民生活を実現するとともに、我が国が国際社会と調和し、国際社会に貢献していくための各般の施策を積極的に提案し、実現していくことにあることは言うまでもありません。そのためには、みずからの組織が、制度が、運営等の仕組みそのものが新しい変革の時代に適合したものかどうかを問い直してみる必要があるのではないでしょうか。
 昨年十月、臨時行政改革推進審議会は最終答申を提出いたしました。一九八一年に発足した臨時行政調査会、土光臨調以来続いた審議会による諮問方式は最終段階を迎え、今後の焦点は行革推進本部が答申を実行する新しい局面に入ったわけであります。最終答申は、官主導から民自立への転換などを主テーマに、地方分権の推進、縦割りの弊害是正等、八項目で構成され、二十一世紀を展望した中央行政体制の見直しを示唆しています。その主な骨子は、規制緩和推進のためのアクションプランの策定、地方分権推進に向けての地方分権大綱の策定と基本法の制定、首相の補佐体制の整備などの内閣総合調整機能の強化、行政改革のオンブズマン的第三者機関の設置などが挙げられ、総合的検討が進められる契機となることを期待すると述べられています。
 また、不況下での財政事情悪化を背景に、地方自治体の間で組織機構の改正、整備が実施され、外郭団体の統廃合の動きが急速に広がっています。全国都道府県、政令指定都市のうちの三割を超える二十一自治体が統廃合に着手、検討に入っています。岩手県は、第三セクターだった岩手開発鉄道の旅客部門を廃止し、昨年八月、資金を引き揚げています。川崎市は教育施設整備会社を廃止、大阪府は四月、行政組織改革の第一弾として府内七カ所の府民センターを廃止、また東京都が三月の都議会で取り上げられたのをきっかけに都行政管理委員会などで統廃合を含めた見直しを始めるなど、全国的にその機運が高まっています。
 一方、本県は、行政改革推進本部、組織検討委員会を通じ、各部局において組織の改廃、統合が実施され、その取り組みがなされているところであります。地方行政の本分は、地域社会の活性化と地域住民の福祉向上のための具体的施策の遂行にあります。そして、安定的、継続的に県民の要請にこたえていかねばなりません。まず何といっても財政基盤を確立する必要があります。日本経済は、不安定な環境下に置かれています。税収入も一層不透明感が生まれてまいりました。近い将来、超高齢化社会が到来いたします。いかにむだをなくし、コストをできる限り低く抑えるかがそのかぎとなっています。優秀な人材を適材適所に配置し、最小限の人数で最大限の行政サービスを実施していかねばなりません。できる限りのむだをなくし、働きやすい働きがいのある職場環境づくりに努めなければなりません。
 今、労働時間の短縮が叫ばれています。週休二日制の導入により改善されているところでありますが、さらに年次休暇の計画的活用の促進が重要な課題となっています。長時間に及ぶ超過勤務は職員の健康管理上の問題に加え、職員の疲労の蓄積、事務処理の惰性化等の事務効率上の問題があります。また、年次休暇の有効な活用は職員の心身のリフレッシュが図られ、活力ある職場の形成に役立つものと期待ができます。これらの二つの課題については、幹部職員を初め職員の意識を高めるとともに、勤務時間内の事務効率の向上を図るために事務の簡素化、効率化を進めていくことが効果的であります。そのためには、事務の見直しをし、OA化の計画的な推進により事務処理方法の合理化を図ること、事務処理体制を見直し適正な人事配置を行うこと、年間を通じて可能な限り業務の量の平準化を図ることが前提となります。
 まず、外郭団体を含めた組織上の統廃合についての基本的な方針と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、本県の財政規模、事業規模、事務量等からすると職員の適正規模はどれくらいなのか、現状と比較するとどうなのか、お示しをいただきたいと思います。
 今、職場環境をよくするためにあらゆる業種でいろんな試みがなされています。中央省庁においても本年一月から毎週水曜日を全省庁一斉定時退庁日としております。一般企業においてもフレックスタイムの導入等で業務の効率化を図ろうとしています。この点についての本県の具体的な取り組み状況はいかがでありますか、お答えをいただきたいと思います。
 最後に、事務処理方法の見直し、事務処理体制の合理化、平準化についてお伺いいたします。全庁挙げて職員みずからがそれぞれの事務の合理化を図るためのQC活動、クォリティ・コントロールを実施してはいかがかと思いますが、お考えをお聞かせください。
 続いて、情報通信システムの取り組みについてお伺いいたします。
 一九九三年十二月二十一日、ナショナルプレスクラブにおいて、情報スーパーハイウエー構想の発表の中でゴア副大統領が次のように述べています。「クリントン大統領が年明け早々にもテレコミュニケーションに関する立法行政一括法案を議会に提出する旨を本日ここに発表いたします。(中略)情報時代を語るに当たっては、技術の面だけではなく、コミュニケーションについても語らねばならないでしょう。コミュニケーションという行為から社会が生まれるからです。そう遠くない昔、交通手段が非常に限られていたころ、社会は小さく、通信という行為はごく個人的でしかも直接的でした。家族や隣人、仕事仲間の間で行われるにすぎなかったのです。ところが、交通手段が発達するや、私たちは互いから遠く離れ、コミュニケーションはさらに困難になりました。(中略)私たちは、今後十年間に起こるべき変化の中で人類が遭遇し得る最も大きな変化を経験するでしょう。私たちは、通信手段によってより健全でより豊かなより教育レベルの高い社会を形成するでしょう。そして、社会のきずなを強め、さらに新たな情報社会の形成をも可能にするでしょう。私たちが最終的に目指すものは、新しい技術ではありません。それは、我々の基本原則にも当てはまることです。独立宣言の起草や署名に使われた羽ペンであれ、よりすぐれた通信はいつの時代にあってもより大きな自由とより大きな経済成長をもたらすのです。それこそが私たちの目指すものなのです。そして、国家が実現をしようとするものです」。
 今、アメリカでは、二十一世紀に向けてクリントン政権の大号令のもと、国家プロジェクトとして情報スーパーハイウエー構想に本腰を入れようとしています。一方、我が国も、一九九〇年に光ファイバー通信網を日本全国に網羅する新高度情報通信サービスが発表され、二〇一五年を目途に動き出しております。マルチメディアは情報、通信、放送並びにソフトウエアの四大ハイテク産業の融合の上に構築される二十一世紀型創造産業であります。将来の一大産業予備軍と言っても過言ではありません。ビデオゲームからホームショッピング、さらには医学、教育、オフィス、そして行政に至るあらゆる分野の変革を可能にする新産業革命の機関車的存在であります。全国各地でその取り組みが着々と進んでいます。
 今月の二十日、マルチメディア時代の情報基盤としてCATV・有線テレビが脚光を浴びる中、奈良県の生駒市を中心に有線テレビ事業を行っている近鉄ケーブルネットワーク社、加入世帯一万六千が第一種電気通信事業者の免許申請の準備に入ったと発表されました。郵政省との協議を進め、七月にも申請、認可を待って家庭警備保障・ホームセキュリティーサービスなどの事業に乗り出すことになっています。このほか、住友商事がアメリカ企業と提携しCATV事業を本格的に展開する一方、関西文化学術研究都市では好きなときに好きな映画が見られるビデオ・オン・マインドの実験が七月から始まる予定であります。このほか、第二電電など新電電各社がCATV会社が持つケーブルを利用し、電話や遠隔医療、パソコン通信などに乗り出す計画が着々と進んでいるようであります。
 CATVは九三年度末で全国に百五十八施設があり、百六十三万世帯が加入、うち近畿二府四県には二十九カ所、十六万世帯が加入しています。郵政省の政策の中で厚木テレコムタウンを一つのモデルとして全国各地の地方拠点都市の拠点地区にサテライトビジネスセンターを設置し、高度な通信機能を備えたオフィス開発を推進することによって進出企業による情報通信の投資を促進する事業が展開されています。全国各地からこの事業の構想を樹立し、名のりを上げている地方自治体が続出しております。
 本県も、黒潮ネットワークの整備等を中心に高度情報化に対処する施策に取り組まれておりますが、必ずしも十分ではありません。今後ますます情報化社会は、二十一世紀に向けて高度化が加速をつけて進展するものと思われます。当然、行政レベルだけでは取り組めるものではありません。また、県民レベルでの理解も深めていかねばなりません。必ずやってくる高度情報化社会に向けて、行政の責任の名のもとに受け皿づくり、体制固めを実施していかねばなりません。高度情報化社会を実現さすためには、あらゆる角度から研究を重ね、情報、データを収集し、そのノウハウを蓄積していかねばなりません。
 そのためには、まず人材の養成が最優先であると考えます。専門職員、プロフェッショナルの養成についていかがお考えか、お伺いをいたします。
 最後に、このたびの和歌山市長選挙を振り返って一言申し上げたいと思います。
 今度の選挙ほど、指導者のあり方、政治に対する取り組み姿勢を問われた選挙はなかったのではないでしょうか。選挙で選ばれる者は、国のため地域のために目的達成に向かって最大の努力を払うことを忘れてはなりません。我が国の議会制民主主義の礎を築いた大熊重信公は、「国の大小は土地にあらずして人にあり」と残されています。指導者の地位は、みずからのため、私利私欲のためにあってはなりません。過去の歴史を振り返ってみても、ナチスドイツのように指導者の政治に対する取り組み方で一国を滅ぼすまでに至った事実があります。
 仮谷知事がとられた態度、姿勢は、私たち県民の良識と県民の声を代表するものであったと思うのであります。私たちはいま一度、公人とは何か、民主主義とは何かをみずからに問い直し、事に当たらなければならないと存じます。
 仮谷知事には、ますますお元気で、百八万県民の幸せのために、健全な社会の建設のためにご活躍いただきますことを心よりお祈り申し上げ、一般質問といたします。ご清聴ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの上野山親主君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 副知事西口 勇君。
  〔西口 勇君、登壇〕
○副知事(西口 勇君) 上野山議員のご質問にお答えをいたしたいと思います。
 行政のリストラ、組織の統廃合についてのご質問でありますが、庁内の行政組織検討委員会の委員長を務めている立場からお答えをいたしたいと思います。
 本県における組織機構の見直しについては、昭和六十年十二月に策定をした和歌山県行政改革大綱の基本方針にのっとり、簡素で効率的な組織機構の確立を図ることを目的として、毎年度、行政組織検討委員会において検討を行ってまいりました。その結果、現在までに一定の成果を上げてきたものと考えてございます。
 また、組織の見直しに当たっては、その時代その時代の行政需要に対応した組織づくりはもちろんであります。しかし、いわゆる朝令暮改とならないような中長期的な展望に立った考え方もまた必要であると考えております。
 現在、国において地方自治体の行政リストラについての検討がなされており、この八月にも各団体に対して総合指針が示されると聞いております。そのようなことも参考として、今後とも住民ニーズに配慮しつつ、より簡素で効率的な組織機構の確立のために取り組んでいきたいと考えております。
 以上であります。
○議長(宗 正彦君) 企画部長宮市武彦君。
  〔宮市武彦君、登壇〕
○企画部長(宮市武彦君) 上野山議員にお答えします。
 大阪湾ベイエリアの開発整備についての本県の位置づけとその構想についてでございます。
 圏域が一体となって世界都市・関西の形成を目指そうとするものでございまして、法律等においては、こうした世界都市機能の具体例として、国際的な研究、展示、業務、文化等の機能が挙げられてございます。
 本県としては、すぐれた地域特性、すなわち恵まれた自然環境と豊かな歴史、文化の蓄積、さらには世界へのゲートウエーである関西国際空港への近接性等を十分活用いたしまして、世界都市・関西の一翼を担うべく、ベイエリアの南の開発拠点として位置づけていきたいと考えております。
 また、計画の概要でありますが、核となる開発地区を設定し、重点的な開発整備を図るとともに、圏域内外を連係する広域交通網や地域住民の良好な居住環境の整備を図るものといたしたいと考えてございます。
 それから、具体的な取り組み状況と今後のスケジュールについてでございます。
 本県の取り組み状況についてでございますが、昨年の地域指定後、対象市町村や関係者等に対して法制度の説明やヒアリング等を行ってまいりました。さらに、この六月には法律の規定に基づいて開発地区の申し出制度に関する手続を決め、この年末を期限としてその受付を開始する旨の告示を行ったところでございます。
 なお、今後、計画の作成に当たっては、主務省庁との協議のもとにより関係府県市や大阪湾ベイエリア開発推進機構等と調整の上、できるだけ早い時期に国に対して承認申請が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
 県民に対するアピールとその協力体制でございますが、確かに、議員ご指摘のとおり、このプロジェクトの推進のためには民間事業者の協力がなければ大変難しいものと考えてございます。現下の社会経済情勢は非常に厳しいものがございますが、二十一世紀における本県の世界都市機能の整備をしていくため、今後とも公共、民間がそれぞれの立場で、あるいは協力しながら進めていく所存でございます。
 最後に情報システムでございますが、情報関連専門職員の養成についてでございます。
 現在、情報システム課を初め、関係各課室に技術職員を配置して電算処理業務や情報関連の処理業務を行ってございます。特に、議員ご指摘のとおり、近年の情報化の進展は目覚ましいものがございます。技術面の動向についても、放送と通信の融合など、新たな展開を見せております。これらの動きに対応するためには、新しい知識と技術の習得や体制づくりが肝要であると考えてございます。
 このような状況に対応するため、専門職員を定期的に採用するとともに、各種研修会への派遣など、人材養成に努めているところでございますが、今後ともなお一層、高度情報化社会に対応できる職員の養成に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 本県の適正な職員規模はどれぐらいかというご質問でございます。
 本県においては従来から積極的に行政改革を行ってきているところでございまして、特に昭和五十年以降、四百三十五名の定員を削減し、その結果、現在の知事部局定数は四千三百七十四名となっているところでございます。
 本県の財政規模、事業量等に応じた適正な職員数ということに関しては、地理的な条件であるとか歴史的な事情から一概に申し上げることはできませんけれども、類似団体の職員数であるとか、自治省が作成している定員モデルといったものと比較していきながら、今後とも適正な職員規模の確立に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、業務の効率化についてのご質問でございます。
 定時退庁については、平成四年二月より毎月第一・第三水曜日を定時退庁日・ノー残業デーとして設定しておりましたが、完全週休二日制の実施に伴い、昨年の一月から毎週水曜日に拡充し、より一層労働時間の短縮の効果を高め、ゆとりと活力のある職場づくりに努めているところでございます。今後とも引き続き、年次有給休暇の計画的使用の促進とあわせ、労働時間の短縮に努めてまいりたいと考えております。
 また、ご質問の中にありましたフレックスタイム制でございますが、国では昨年の四月一日から試験研究機関を対象に導入しているところでございますけれども、地方公共団体における対象機関は一般住民との対応等々、国とは立場を異にするということもございますので、このような実態を勘案しながら、より効率的な職務の執行体制について検討を進めてまいりたいと考えております。
 それから、事務の処理体制、事務処理方法の見直しについてのご質問でございます。
 本県では、これまで職員みずからが、おのおのの事務の合理化を図ることを目的に各職場において業務要領づくりということに取り組んでおります。また、事務改善に関する職員のさまざまな意見を取り上げることを目的として、職員の提案制度というものも実施しているところでございます。今後とも、活力ある県政の推進を図り、効率的な行政運営を確保するため、職員一人一人の意識の向上を図っていくとの考えのもとに事務の合理化にますます努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 35番上野山親主君。
○上野山親主君 ご答弁ありがとうございました。
 一点だけ、企画部長に要望しておきたいんですが。
 大阪湾ベイエリアの問題で、今、和歌山県の青写真をつくる作業に入っていただいておりますけれども、この構想自体は二〇二五年、二十一世紀をにらんだかなり大きな構想であります。当然、和歌山県独自のビジョンづくりもやっていかなければならないと思いますが、そのためには行政だけでは不十分であると思います。行政と民間という形になりますが、分野によっては民間の方がレベルが高い分野が当然あるわけであります。特に、民間の知恵を行政に反映していく作業というのは怠ってはならんと思いますので、そこら、青写真をつくる中で民間の知恵と活力をいかに生かしていくのか、こういう作業をぜひ行っていただきたいと思います。
 一点だけ、要望として挙げておきます。以上です。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で上野山親主君の質問が終了いたしました。

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