平成6年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

  午前十時三分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 日程第一、議案第七十六号から議案第八十四号まで、並びに知事専決処分報告報第二号から報第六号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 3番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 おはようございます。二日目ということで昨日の一般質問と幾つか重複した点があるかと思いますけれども、どうかよろしくご清聴お願いします。
 昨日、馬頭議員から知事に対し、県市協調に関係して非常に心配を込めた、また知事は和歌山県の親のようであってほしいという希望を込めた質問がありました。私も、和歌山市長選挙に絡む質問はしない方がいいんじゃないかと随分考え、悩んだんですけれども、和歌山市民の皆さんが非常に心配をしておられます。実は、きょう頭をセットしに行きましたら、床屋さんで、「知事さんが怒っているのはよくわかるけれども、和歌山市の人らがこれに巻き込まれたらどないなるのかな」と言われました。「きのうも一般質問であったので、新聞見てくれましたか」と言うと、「見たけれども、やっぱり心配や」ということでありました。私は、知事からそういうことについて適切な答弁をいただけると思いますので、さらに質問させていただきたいと思います。
 先般実施された和歌山市長選挙につきましては、全国的に和歌山市の名前を知らしめたというか、全く不可解な選挙であったことは、皆様もご存じのとおりであります。和歌山市議会においても、六月二十四日、市議会議長より、「旅田市長のとった行動は、市政への不信感を及ぼし、民主主義のルールを大きく外れ、議会との正常な関係を損なう結果ともなり、甚だ遺憾である。改めて民主主義の根幹に立ち返り、法の精神を十分遵守し、常識ある、正常で民主的な自治体運営に心がけられるよう注意する」との異例の議長注意があったことを報道で知りました。
 なぜ、この時期に市長選挙と同時に一年二カ月後の知事選出馬表明を行い、その後の選挙戦においては、今回の市長選候補者についてはこの相手では負けることはない、後は打倒仮谷県政の戦いであるとの選挙運動を繰り広げたのか、なぜここまで市長が知事選に向かってエスカレートしてしまったのか、これも旅田氏の作戦であったのか、成り行きでこのようになってしまったのか、いまだに疑問に思っているところであります。これで、とんでもない混迷選挙に巻き込まれたのは、旅田市長を支援すべく何かと応援してきた仮谷知事を初め、国会・県会・市会議員や各種団体の世話人、そして和歌山市民の皆様でありましょう。その後において、旅田市長も、皆様に大変な混乱を与え、このことで迷惑をかけたのは全く申しわけないとのおわびも連発されておりますが、「私に与えられた市長としての期間は一年二カ月として、この期間、市政に全力を尽くす」と述べて、県知事選に向かって選挙戦術の展開を進めている実態と思われます。
 この混迷した市長選挙の結果、市民の間で仮谷知事に対して、仮谷知事はかなり憤慨をされているようだがとの心配というか、気の毒にという声を多く聞かされます。住友金属西防埋立地の今後の取り扱いについても、市長選挙の影響はないだろうかとの相談も幾つかありました。そして、和歌山市つまり和歌山市民が不利益な結果とならないように、和歌山市行政に対する処理と旅田氏個人への対応とを区別していただき、和歌山県行政、県都和歌山市の行政処理は仮谷知事の適切なる対処をもって臨んでいただけるよう、市民は切望と心配をしているのが実態であります。
 戦国時代の戦いならともかく、民主主義国家における今日の政治家として、今回のような戦略は極めて遺憾なことと感じております。和歌山市長選、そして和歌山市民の県市協調不安に対して、当該市選出の県会議員として知事の見解をお尋ねいたします。
 二番目に、仮称新南海橋についてお尋ねします。
 昭和六十一年九月定例議会において、第二阪和国道和歌山早期延長についてと題して、新南海橋は和歌山県で一番先に開通が必要とされ、最も経済効果に影響ある橋であるから、第二阪和国道和歌山北バイパス、すなわち新南海橋ルートを早期に完成させることが和歌山市はもとより和歌山県にとって重要なことであると述べました。初登壇以来、平成五年十二月定例会で合計十一回、すなわち今議会で十二回目となりますが、第二阪和国道と新南海橋の早期完成に向かって努力をお願いしたい旨、事業促進を提言してまいりました。
 毎年、国からの予算を見て、なぜこのように予算がつかないのかを原因追及した結果、限られた国の予算の中で和歌山県のどの箇所にどれだけの土木予算を配分してもらうかは配分に対する国への県の働きかけで決まるものであるとの結論であります。つまり、平成五年七月には国道二十四号和歌山バイパス十二・四キロメートルが開通し、平成六年七月にはリゾート博開催までの供用を切望していた新毛見トンネルと湯浅御坊道路の広川─井関間六・四キロメートルが供用する運びとなりました。これは、本県の交通体系上、またリゾート博成功のためにも予算配分としてやむを得なかったかもしれません。しかし、和歌山はこれだけ道路整備がおくれているのでありますから、おくれを取り戻すためには何とか特段の取り組みをせねばならないと考えます。
 とりわけ第二阪和国道は、国道として大阪よりの玄関口であり、県経済に及ぼす影響は多大なものであり、県として最重点的取り組みをして早期開通をせねばならないといつも私が提言し、県も努力すると答弁をしているのに、なぜ毎年、第二阪和南海橋ルート、別名称和歌山北バイパスの予算がこのように少ないのか、少ないのを和歌山県として了解しているのか、また早期に橋梁工事に着手できないのか、そして今後の見通しについてお聞きしたいのであります。
 三番目に、都市計画について。
 都市計画の原案は昭和十六年につくられたもので、その後、第二次世界大戦に和歌山市の多くの部分が戦災を受けたため、戦災復興のやむを得ない建造物が乱立した等のこともあって、原案とはかなり違う現況にあります。
 風致地区として指定されていた例ですが、昭和十六年ごろ松林があり、その前は砂浜で風光明媚な場所であったらしいのですけれども、戦後は民家が建ち並び、松の木などは皆無となってしまっているが、地区民はなぜここがいつまでも風致地区指定を解除してもらえないのか、余りにも不自然な規制だと困惑しております。
 また、和歌山市内には戦時中、食物不足を補うため、農林省が市街化調整区域内の国有地を農地として民間へ耕作用に貸し付けた土地がかなりあります。農地として国より払い下げを受け、本人の所有となっている土地はいいのですが、農林省より今日も借地料を払って借地しているけれども、実態は戦後、農地以外に使用されて現在に至っているため、国より本人への払い下げは農地に原状回復もしくは市街化区域へ編入がなければ払い下げの対象とならないとのことであります。しかし現実は、当該場所を農地として原状回復することは不可能に近く、また無理をして原状回復する意義がないと考えるし、そのため原状回復命令も出されずに、現状は宅地または雑種地や山林として使用されておりますが、実態は使用されていないままで借りているところもたくさんあります。登記簿の地目は農地で所有権は農林省となっているため固定資産税も課税されず、当該土地使用者にとっては、先祖の時代にこのようなことになってしまったことであり、農地に原状回復もできず、土地の有効活用がされていないので善処してほしいとのことであります。
 国や県、市にとって税収財源でもある貴重な土地がこのように有効活用されていない面積部分がかなりあり、戦後の現状を戦前の計画に合わそうとするのが正しい都市計画なのか、戦後の現状を基本に考えるのが正しいのかということになりますが、戦災という思わぬ事態を理由に都市計画の原案を大きく改正することは困難でも、ぜひともやらねばならない正しい改正だと考えております。もちろん、無秩序な市街化や乱開発を認めないためにも、県として正常にすべきところは早急かつ抜本的に見直さなければ、問題の後送りをして、問題のない場所についてのみの小手先改正の都市計画では実態との間に矛盾箇所が生じ、市民のもめごとの原因となるだけであります。どこかで無秩序な市街化を食いとめるため、現実と現状を的確にとらまえ、規制するばかりでなく、緩和すべきところは勇気をもって規制緩和をせねば、放置して問題を後送りするのは行政の立場をかばうのみで、県民のための行政であるべきものが県民の立場に立って汗を流すことを忘れているとも言われております。つまり、昔のお上のお役所仕事タイプになっては、民主主義国家の行政の姿として法の精神を欺くことになるのではないでしょうか。県都である和歌山市の都市計画は、原案は和歌山市において検討・作成されるわけでありますが、県のさらなる指導力を求めるとともに、見解をお尋ねします。
 次に、都市計画道路についてお聞きします。
 都市計画道路も多くの計画道路がありますが、貫通してこそその効力も一○○%となりますけれども、ほとんどが未着手や未貫通であり、重要路線で貫通が最も早く竣工したとして、三十年先、五十年先、百年先等の進みぐあいの状況であります。都市計画道路の今後の見通しについてお尋ねします。
 この際、県都和歌山市、そしてその圏域の交通アクセスについて、画期的な提案を申し上げたいと思います。
 和歌山県の広域道路網・マスタープランでも検討はされておりますが、これは現在ある都市計画道路やその連絡道路として、和歌山市の主に市内中心部の内環状道路的な計画であります。市内中心部の道路拡幅は、新設道路の建設より地元民や地権者の協力が得られにくい。昭和十六年の都市計画道路として決定していたのに、五十年以上経過しても進捗状況は極めて悪い状態にあります。また、道路の事業計画も県、市、国が一貫した事業計画として推進されておらず、ばらばらにそれぞれが工事をするため、県民、市民にとっては喜ばれる度合いの極めて低い道路事業の推進実態だと、残念でなりません。
 さて、私の提言と申し上げますのは、一口で言いますと、和歌山市周辺外バイパス環状道路という機能の高規格道路的なものであります。概要は、和歌山県の広域道路網マスタープランの和歌山市周辺についての計画をより現実的に考え、道路事業の早期完成を望むのと、三十年、五十年、百年先を考え、和歌山市と岩出町で人口六十万から七十万都市としての都市機能が必要とされ、交通アクセスについても和歌山市の外周を循環道路として目的地に一番近いランプウエーから乗りおりする。つまり、目的地に向かうのに市内地を通過する従来の道路を拡幅整備するタイプの道路ではなく、未来の和歌山市圏域の交通アクセスを考えるとき、関西国際空港の開港、大阪湾ベイエリア開発整備、第二国土軸構想、紀淡海峡構想等々、二十一世紀の近畿圏の整備のあり方として、和歌山県においてもこれらに対応する都市整備に取り組んでいかねばならないと思います。つまり、都市計画及び都市計画道路の推進と見直し、また新たに都市型交通アクセスの取り組みの一つとして、県都和歌山市が将来、交通停滞による経済損失、発展阻害より救えるこの和歌山外環状バイパス道路は、和歌山市の比較的に建築物が密集していない外周を一巡するもので、用地買収も密集地の立ち退き者対象の工事とは違って早期完成が期待できるのであります。和歌山市内各地へのバイパス機能を持った高規格道路的な外環状バイパス道路を、和歌山市と岩出町圏域に対応するためにも県都和歌山市が備える必要があると考え、今後ぜひ考えていただきたいと望むものであります。
 これは、今回、答弁をいただこうというところまで最初は考えておったんですが、質問としてはまた別の機会にしたいと思いますので、ぜひ提言として県の方では聞いていただきたいと思います。
 四番目に、和歌山下津港湾の使用と整備及び埋立計画について。
 和歌山市下津港使用実態については、いろいろと問題点も多くあります。先日も尾崎議員が和歌山下津港について質問されましたが、それに関連した一部として、今回は間もなく和歌山下津港湾の埋立工事に着手する和歌山下津港西浜地区における水面貯木埋め立てについて、木材協同組合より県の対応策に問題があるとの点について質問し、対応を確認するものであります。
 和歌山港入港の年間木材数量は、平成三年では三十九万七千九百十二立方メートル、うち陸上おろし四八%、平成四年では三十九万八千七百七十六立方メートル、うち陸上おろし五二%、平成五年では三十六万三千百七十四立方メートル、そのうち陸上おろしは五五%と、陸上おろしが上昇の推移となっております。このこともあって、このたび水面貯木場を埋め立て、陸上貯木場及び木材関係基地に統合するものであります。
 ここで水面貯木場を埋め立てますが、ここを利用していた水面貯木材をすべて陸上貯木にすることはできないのであります。なぜかと申しますと、比較的安価で取引の早い木材のトガや米杉などは陸上においても余り傷まないうちに短期間に売却取引があるのですが、高級ですぐに売却できない上米松、スプルース、米ヒバなどは長期間保存取引となることが多いので、木材の腐りやひび割れ防止のため水面貯木し、顧客があればその都度水上にて丸太を回転させ、木材の形状及び材質を入念に判定してもらうのだそうです。このように、一本数十トンで数百万円もする高級材は水面貯木する必要があるのにもかかわらず、今後ほとんどが陸上貯木となり、水面貯木場埋め立て後は水面貯木場で貯木していた木材をすべて陸上に貯木し、水面貯木場確保の必要がないという、最近までの県の対応でありました。木材協同組合が県に対して木材界業務内容について詳しく説明し、対応を申し入れましたが、今後とも三○%前後の水面貯木が必要であるため、水面貯木場と荷役機能が可能な場所を新たに確保すべく対処していただけるものと考えるが、答弁を求めます。
 最後に、県人事と人事異動について質問します。
 以前、当本会議場において同僚議員より質問がありましたのも、まだ記憶に新しいところであります。たしか大江先生がされたと思いますが、関連したことで質問をさせていただきます。
 事務職と技術職において管理職への登用率に歴然として差があることは、私もこの県議三期の間に何かと感じてきたところであります。とりわけ技術職の方は、管理職として活躍できる場が少ないばかりか、役付職として役だけはいただいているようですが、明らかに給料面でも格差がついており、平成五年から平成六年を比較してもまだまだ格差が是正されておりません。県職員が事務職、技術職を問わず公平に努力することの励みとなるためにも、早急にさらなる見直しと是正をすべきと考え、この点について見解をお尋ねします。
 また、管理職の人事異動が平均二年ペースで実施されているようですが、平成五年十二月本会議においても、人事異動時の事務引き継ぎの悪さについて申し上げました。すなわち、県は人事異動によって県民との約束で都合の悪いことだけ外していく、そしてこの処理をうまくやってのける人、つまり困難な仕事はなるべく取り組まず、けがをしないように人事異動まで引き延ばして後送りして異動で渡っていく人が、困難な仕事を解決しようとする人より順調に昇進する傾向にあるのではないかと申し上げましたが、このようなことは「まごころ県政」を提唱する仮谷知事のもとでの管理職としてあるべき姿ではないと考えます。
 今回、私の質問の中の木材協同組合の問題で県民と県との食い違いがあったのも、人事異動による引き継ぎがうまくできていなかったのではないでしょうか。管理職人事異動の二年サイクルが適切で十分仕事がこなせるのか、疑問に感じているところであります。人事異動と引き継ぎについて、現状での問題点をよく把握し、「まごころ県政」を唱える仮谷知事のもとで管理職体制として知事をしっかり支えていくためにどうあるべきかの見解をお聞かせいただきたい。
 以上で、一回目の質問を終わります。
○議長(宗 正彦君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 井出議員にお答え申し上げます。
 県市協調の問題でございます。
 きのう馬頭議員にも申し上げましたように、私は旅田市長の一連の行動が市民を無視したおごれる行為であるということに、私も和歌山市民でございますので、市民の一人としても怒ったわけでございます。それゆえに、市民のためのもの、県民のためのものの事業等については、誠心誠意、県市協調で進めてまいるつもりでございます。
 特に今の時期、皆さん方の絶大なるご支援をいただき、私も政治生命をかけた関西国際空港がやっと開港する運びになりました。思い起こせば、その長い歴史の中に、兵庫県、神戸市との問題、また泉南地域の問題、県内の問題等々ありました。それが完工いたしまして、和歌山県の交通網、産業基盤を確立するときでもございます。また、和歌山県は臨海型工業地帯でございましたけれども、住友工業があのようになってまいったわけでございます。
 県勢発展のためにマリーナシティを和歌浦湾につくりまして、これができ上がりました。この完成と同時に世界リゾート博をやって、和歌山県のすばらしさ、すぐれたところを知っていただく絶好の機会であり、かつてない重要なときであると思っております。それだけに、この機会を十分に生かすために、今後とも良識をもって全市町村との協調のもとに県行政を推進してまいります。
 他の問題は、関係部長から答弁いたします。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山根一男君。
  〔山根一男君、登壇〕
○土木部長(山根一男君) 井出議員のご質問にお答えいたします。
 まず、仮称新南海橋についてお答えいたします。
 直轄事業については、限られた予算の中で県内の効率的な道路網の整備や各種プロジェクト等との整合を図りながら、その整備を進めているところであります。昨年には国道二十四号和歌山バイパスが供用され、また世界リゾート博開会までには毛見拡幅及び湯浅御坊道路の吉備と広川の区間が供用される予定であり、本県の発展に大きく寄与するものと考えております。和歌山北バイパスについては、この道路の重要性は深く認識しているところであります。
 このような事業を促進するためには用地の早期取得が重要でありますので、その促進方策について、手法も含め、関係機関と十分協議してまいりたいと考えております。また予算の拡大につきましても、県議会並びに関係の皆様方のご協力を得ながら、今後とも国に対し強力に働きかけてまいりたいと考えております。
 このうち新南海橋についてでありますが、橋梁工事に着手するためには、右岸側において排水処理の問題を含めた地元協議及び用地測量が終了し一部用地買収ができる状況になっていること、もう一つは、左岸側のJR高架に伴う費用負担並びに架線設置に伴う地元調整等の問題が解決し、一部工事が行える状況となっていることが必要であると聞いております。
 新南海橋につきましては、平成五年度に予備設計を完了し、平成六年度には地質調査と設計を行う予定となっております。さきに述べたような条件が解決され、早期に橋梁工事に着手できるよう、関係機関と連携しつつ努力してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、都市計画のうち都市計画関係の見直しの必要性についてでございます。
 市街化区域と調整区域の区分、いわゆる線引きについては、無秩序な市街化の防止を図るため、都市計画基礎調査の結果を踏まえ、公共施設の整備状況等も見きわめた上で定期的な見直しを推進することとなっております。
 和歌山海南都市計画区域につきましては、昭和四十六年決定後、市の発展動向を勘案し、ほぼ十年ごとに全体の見直しを行っており、最近では平成二年度に行ったところでございます。現況の線引き内での用途地域の見直しについては、都市計画法の改正に伴って用途地域の種別が八種類から十二種類に細分化されたところであり、それに基づいて現在関係市及び町において鋭意作業を進めているところであります。今後、これらの作業を進めるに当たっては、土地利用の変化の状況を十分踏まえて、議員のご指摘の点も十分参考とさせていただきながら、都市の健全な発展を目指して市及び町を指導してまいりたいと存じます。
 次に、都市計画道路についてでございます。
 市街地での都市計画道路は、円滑な都市活動を確保するためなくてはならないものであり、その整備促進は緊急の課題であると考えております。このため、和歌山インターチェンジと市街地への重要なアクセスとなる三年坂や湊神前線などの東西道路の整備促進を図るほか、南北幹線道路として本町和歌浦線などの整備に努力してきたところでございます。
 議員ご指摘のように、都市計画道路整備については、長期的な視点に立ちつつ、広域的な観点も踏まえて都市交通の円滑化に資するため、計画的、効率的に整備を進めていくことが必要と考えております。今後とも、都市の骨格となる主要幹線の整備については重要な課題でございますので、関係機関とも十分連携し、調整をしながら事業推進を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、和歌山下津港湾の使用の実態と整備及び埋め立てについてでございます。
 港湾における木材の取り扱いについては、荷役作業の効率性や製材輸入の増加などが要因となり、水面荷役から陸上荷役へと転換していく傾向にあります。和歌山下津港においても、昭和五十年代には水面荷役が八五%程度であったものが、平成五年には四五%まで減少し、それに対して陸上荷役は五五%に増加してきております。和歌山下津港西浜地区における水面貯木場の埋立計画はこうした動向に対応したものでございますが、一方では今後とも水面荷役が続けられるものとも予想しております。このため、埋立区域以外の水域や物揚げ場などを活用しつつ、必要な範囲での水面荷役にも対応できるよう検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 県人事における技術職と事務職の管理職ポストの格差についてのご質問でございます。
 ご案内のように、県の組織は数多くの職の集まりという形になっております。そしてまた、個々の職に対して事務、技術いずれの職員を配置するかについてはその職の内容等を勘案しながら決定しているところでございまして、ただいまご指摘のような点も踏まえて、今後とも変化する行政内容を見きわめながら、事務、技術いずれの職員がそれぞれの職務に適しているかを検討してまいりたいと考えております。
 次に、人事異動とそのときの事務引き継ぎに関するご質問でございます。
 県の組織の活性化のため、人事異動は欠くことのできない重要な要素でありますが、事務の継続性は非常に大事なことでございまして、これまでも文書あるいは口頭で綿密な事務の引き継ぎを行ってきているところでございます。今後とも、人事異動によって事業の継続性が損なわれることがないよう、より一層円滑な事務引き継ぎを徹底してまいりたいと考えておりますので、ご了承いただきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 3番井出益弘君。
○井出益弘君 知事は、和歌山県民の親でもあり和歌山市民の親でもあるということで、きょうの答弁を市民の皆さんが聞いてくれたら、あるいはそういうことがそのうち伝わっていくと、ほっとしてくれるんじゃないかと思います。みんなが随分心配しているものですから。質問する方も随分気を使いましたけれども、余りこういうはれものにさわらないのも悪いかな、逃げてもいかんなと思って質問させてもらったんですが、難しい答弁にもかかわらず、混迷選挙で迷惑を受けているご心中、また我々も本当に遺憾なことと思う中で適切な答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 それから人事異動については、今後とも対応してくれるということでありましたが、人事異動ごとに大変引き継ぎが悪いということを十二月にも申し上げ、また今回も申し上げるというようなことは異例なこと、異例な質問ととらえてもらって、特に心して取り組んでいただきたいと思います。
 以上、要望にかえて終わります。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で井出益弘君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ