平成6年2月 和歌山県議会定例会会議録 第9号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第九号 平成六年三月二十四日(木曜日)
   午前十時開議
 第一 議案第一号から議案第二十二号まで、議案第二十五号から議案第五十号まで、議案第五十二号から議案第七十五号まで、報第一号、及び請願十七件、並びに継続審査中の議案第百四十六号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 第三 各特別委員会閉会中継続審査の件
 第四 意見書・決議案
会議に付した事件
 一 議案第一号から議案第二十二号まで、議案第二十五号から議案第五十号まで、議案第五十二号から議案第七十五号まで、報第一号、及び請願十七件、並びに継続審査中の議案第百四十六号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 二 各常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 三 各特別委員会閉会中継続審査の件
 四 意見書案
出 席 議 員(四十四人)
 1 番 小 川  武
 2 番 吉 井 和 視
 3 番 井 出 益 弘
 4 番 和 田 正 一
 5 番 町 田  亘
 6 番 尾 崎 吉 弘
 7 番 岡 本  保
 8 番 藁 科 義 清
 9 番 向 井 嘉久藏 
 10 番 佐 田 頴 一
 11 番 阪 部 菊 雄
 12 番 堀 本 隆 男
 13 番 平 越 孝 哉
 14 番 富 田  豊
 15 番 門  三佐博 
 16 番 西 本 長 弘
 17 番 高 瀬 勝 助
 18 番 上 野 哲 弘
 19 番 宇治田  栄 蔵
 20 番 尾 崎 要 二
 21 番 中 村 利 男
 23 番 山 本  一
 24 番 馬 頭 哲 弥
 25 番 鶴 田 至 弘
 26 番 飯 田 敬 文
 27 番 村 岡 キミ子  
 28 番 松 本 貞 次
 29 番 下 川 俊 樹
 31 番 宗  正 彦
 32 番 橋 本  進
 33 番 浜 田 真 輔
 34 番 冨 安 民 浩
 35 番 上野山 親 主
 36 番 中 村 裕 一
 37 番 和 田 正 人
 38 番 大 江 康 弘
 39 番 中 西 雄 幸
 40 番 木 下 秀 男
 42 番 森  正 樹
 43 番 野見山   海
 44 番 新 田 和 弘
 45 番 浜 本  収
 46 番 森 本 明 雄
 47 番 浜 口 矩 一
欠 席 議 員(なし)
 〔備 考〕
 22 番 欠 員
 30 番 欠 員
 41 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 西 口  勇
 出納長 梅 田 善 彦
 知事公室長 中 西 伸 雄
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 佐 武 廸 生
 民生部長 南 出 紀 男
 保健環境部長 江 口 弘 久
 商工労働部長 吉 井 清 純
 農林水産部長 野 見 典 展
 土木部長 山 田  功
 企業局長 高 瀬 芳 彦
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
   岩 崎 正 夫
 教育長 西 川 時千代 
 以下教育次長
 公安委員会委員 高 垣  宏
 警察本部長 西 川 徹 矢
 以下各部長
 人事委員会委員長
   水 谷 舜 介
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
   鈴 木 俊 男
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 梅 本 信 夫
 次 長 中 村  彰
 議事課長 中 西 俊 二
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主事 長 尾 照 雄
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 川 端 孝 治
 調査課長 岡 山 哲 夫
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田  繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時二分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
○議長(宗 正彦君) 議事の都合により暫時休憩いたします。
 午前十時三分休憩
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 午後三時三十五分再開
○議長(宗 正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○議長(宗 正彦君) 日程第一、議案第一号から議案第二十二号まで、議案第二十五号から議案第五十号まで、議案第五十二号から議案第七十五号まで、知事専決処分報告報第一号、並びに今期定例会の請願一件及び継続審査中の請願十六件、計十七件、並びに前会から継続審査中の議案第百四十六号平成四年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを一括して議題とし、順次、各常任委員会委員長及び決算審査特別委員会委員長の報告を求めます。
 建設委員会委員長吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(吉井和視君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案二十五件、知事専決処分報告一件であります。
 当委員会は、三月十七日及び十八日の二日間、第五委員会室において土木部、企業局の順に開催し、当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議に入りました。
 当委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 土木部関係では、国の緊急経済対策を受け工事発注がなされているが、各土木事務所の発注について景気対策としての配慮が十分なされているかただしたのに対し、各土木事務所では現場の状況、工事内容、工期等、総合的に判断し、できるだけ分割発注をして県内中小企業者の育成と事業参加機会の確保に努めているとの答弁がありました。
 次に、土地収用手続による用地取得をしたことがあるかとただしたのに対し、事業認定については年間十二、三件の認定を行っているが、代執行については、昭和五十六年に国の有田バイパス関係と昭和六十三年に町道関係で執行手続が行われたが、執行令書の送付前にいずれも解決しているとの答弁がありました。
 次に道路関係では、湯浅御坊道路の広川─御坊間の供用時期はいつかとただしたのに対し、広川までは世界リゾート博開催までに供用できるよう要望している、御坊までについては平成七年のできるだけ早い時期に供用できるよう国に働きかけているとの答弁がありました。
 また、紀淡海峡道路調査の内容及び今後の見通しについてただしたのに対し、平成五年度は地形、地質の音波調査や風向、風速調査を実施するとともに、平成六年度では海上ボーリング調査等を予定している、平成九年度までの第十一次道路整備五箇年計画の中で事業の具体化を図ることとなっている、鉄建公団では既に十一年間トンネル調査を実施しているので、メーンルートの調査補完資料として調査結果の提供を要望していきたいとの答弁がありました。
 次に、高野龍神スカイラインの現状と今後の取り組みについてただしたのに対し、昭和五十七年度より貸し付けを開始し、平成四年度までの貸付金は百三十三億四千万円であり、平成十一年度まで貸し付けを行えば国の無利子貸付金の償還はゼロとなる、今後の対策については、国道移管等については制度上の問題もあり困難であるが、取りつけ道路の整備促進やPR等を行い、交通量の増加に努めてまいりたいとの答弁がありました。
 また、国道四百二十四号、四百二十五号の改良計画についてただしたのに対し、国道四百二十四号の白馬トンネルについては五月末供用予定である、また甲斐ノ川トンネルは平成六年度に着手予定であるとの答弁がありました。
 次に、紀三井寺駅から新県立医科大学間に動く歩道を設置するなど、和歌山県のシンボルとなる県道を新設してはどうかとただしたのに対し、現在、地形測量を行い、ルートの検討を進めている、また当駅西側に駅前広場を設置する方向で駅利用人口需要予測を行い、その整備のあり方を検討しており、四月にはJR西日本と協議を行う予定である、今後の協議状況によっては国体道路から新県立医科大学までの区間を先行して都市計画決定することも考えられる、また道路構造については、将来において動く歩道等も建設可能な幅員を想定し、検討してまいりたいとの答弁がありました。
 さらに、和歌山野上線の改修についてただしたのに対し、現在、黒岩地区で工事中であり、平成七年度に完了の予定である、また和歌山橋本線と和歌山野上線の連結については、貴志川線の立体交差等、難しい問題も数多くあるが、調査を行っていくとの答弁がありました。
 次に、那智勝浦本宮線の崩土の状況及び復旧計画をただしたのに対し、崩土は那智勝浦町上長井地区で延長二十メートル、幅三・五メートル、土量四百立方メートルであり、新宮土木事務所で応急工事に着手するよう協議中である、早期に工事着手し、通行どめを解除できるよう努力するとの答弁がありました。
 また、県道高田相賀線の県道延伸についてただしたのに対し、現在、県道認定に向け、ルート選定、改良計画等について関係市町とも協議を重ねているが、地元の熱意と協力が大きな要因であるとの答弁がありました。
 このほかに、国道三百七十一号線の道路改良工事及びたかの金屋線のトンネル工事、緊急地方道路整備工事についても質疑が交わされました。
 さらに、魅力ある地域づくり、和歌山県としての顔の見える道づくりや地籍調査への協力、さらにリゾート博に向けた植栽事業についても土木部として協力するようにとの要望がありました。
 また、市町村道の補助についても充実するようにとの要望もあわせて行われました。
 次に河川関係については、切目川ダムの現状と本体工事の着工時期についてただしたのに対し、本年度については地元地権者の反対があったため航空測量等を実施したが、来年度からは現地測量に入れるものと考えている、本体工事の時期については未定であるが、早期着工に向け調査を進めたいとの答弁がありました。
 また、土入川転落防止安全さく設置に関する陳情書についてどのように対処しているのかとただしたのに対し、現在、和歌山市や関係団体と協議中であり、早急に対策を行っていく、また管理責任についても和歌山市と協議を進めるとの答弁があるとともに、その他危険箇所について事前に管理者がチェックして予算措置するように、また主要河川管理上、また景観上からも堤防のり面の雑草刈り込みを行うようにとの要望がありました。
 次に港湾関係について、テクノスーパーライナー関連予算は計上されているかとただしたのに対し、調査費については企画部で計上されている、実際の受け入れについては港湾整備で行うこととなり、重大な関心を持っている、土木部としても港湾計画の調査費等で勉強してまいりたいとの答弁があるとともに、県庁内でプロジェクトチームをつくり積極的に対応すべきではないかとの指摘もありました。
 その他、平成五年度補正予算で道路、街路、港湾事業について減額補正等がなされているが、減額理由等についての質疑が交わされました。
 次に企業局関係では、大新公園地下駐車場建設についての総事業費、企業債借入利率、償還完了時期や供用時期及び営業時間についてただしたのに対し、総事業費は二十六億一千万円、借入利率上限は九・五%に設定しているが、公営企業金融公庫からの借入利率は現在三・八%である、償還完了については営業開始後二十五年を予定している、また供用開始は平成八年十月、営業時間については七時から二十四時までを予定しているとの答弁がありましたが、営業時間等について、利用者の利便性やサービス等も考慮の上、採算性の向上につながるよう事業を推進すべきであるとの意見がありました。
 また、雑賀崎地区土地造成事業の取り組みについてただしたのに対し、昨年、商工労働部において企業募集の結果、二十四社の申し込みがあり、近く企業選定が完了するとの答弁がありました。
 さらに、西浜木材港造成事業の実施理由についてただしたのに対し、製材業及び木材加工業の移転のための用地の確保を目的としている、また、木材の貯木についても原木の水面貯木からおか取り貯木へと変化するとともに、半製品の輸入や乾燥材需要の高まりによる倉庫や事務所用地の需要が大きくなっているため造成を行いたいとの答弁がありました。
 また、土地造成事業の企業誘致については国内企業だけでなく外国企業の誘致も含めてはどうか、また誘致企業選択については立地企業付近の交通事情等、現在の立地条件も踏まえて検討してはどうかという意見、要望もありました。
 さらに、企業局の将来的な事業のあり方も検討してほしい旨の要望もありました。
 以上、慎重審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案二十五件は、いずれも賛成全員をもって可決すべきものと決しました。
 また、知事専決処分報告一件は賛成全員をもって承認すべきものと決しました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 農林水産委員会委員長冨安民浩君。
 〔冨安民浩君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(冨安民浩君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十二件であります。
 当委員会は、三月十七日、第四委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず、農業振興に関し休耕農地対策についてただしたのに対し、特定農山村法に基づき遊休農地の利用などを含めた農林業等活性化基盤整備計画に基づく推進事業を有田、東牟婁地域で実施するとともに、集落の話し合いをもとに農地の流動化のため地域農政推進対策事業を実施している、また水田については花の栽培や市民農園、学童農園を設置するふれあい水田創生事業を実施しており、今後市町村独自でも取り組むよう推進していく、さらに果樹関係については、かんきつ園地再編対策で実施した廃園について保全管理指導の徹底を図っているとの答弁がありました。
 また、農協合併の現状と今後の見通し並びに紀の国農業振興基金についてただしたのに対し、平成四年十月に紀の里農協が、そして平成五年十月にわかやま農協が広域合併農協として誕生した、今後の状況については伊都地区が最も明るい見通しにある、基金については平成四年十二月、県農業協同組合連合会が中心となり、農協の財務内容の改善と広域合併を促進するため十億円を拠出し基金を設立した、この基金に対し平成五年度から県が二億円の貸し付けを行っているとの答弁がありました。
 次に農業後継者対策の取り組みについてただしたのに対し、農業後継者の育成確保は農政推進上の重要課題であるので、学校教育との連携を図り、就農相談活動、四Hクラブや青年経営者協議会活動の促進指導等を行っている、また平成六年度から県教育委員会とも連携の上、農村地域を重点に中学生に対する農業教育支援事業を実施するとの答弁がありました。
 また、バイオ研究に関する体制と成果についてただしたのに対し、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意による国際化の進展や産地間競争に対応し、バイオによる優良品種の育成等の取り組みは重要である、このためバイオ研究については暖地園芸センターで実施しており、平成五年度で二名の研究員を増員し、現在五名体制で取り組んでいる、成果として花ではカスミソウのわせ品種クリスタル・クイーンを育成、野菜ではエンドウの新品種の開発、特産品目としてイチゴ、エンドウ等の原々種の維持と原種の増殖を行っている、今後とも農業施策を展開していく上で引き続きバイオ等の技術開発を優先的に進めていくことが重要であるとの答弁がありました。
 さらに、ミカンのウイルスフリー化についての質疑があり、現在果樹園芸試験場において研究しているところであるが、今後も引き続き調査研究を進めるとともに、施設や研究体制の整備についても努めてまいりたいとの答弁がありました。
 次に、紀南地方における特産物の産地づくりにどのように取り組んでいるのかとただしたのに対し、地域の特性を生かした黒潮イチゴ、ナス、里芋等の野菜や古座町のカスミソウ等の花卉類、また果樹ではポンカン、ユズ、ジャバラ等の産地づくりに取り組むとともに、これまでも加工所、モノレール、育苗施設、防霜施設等々の整備について県単独事業で補助しており、また国庫補助事業で新宮市高田の特産品センターの整備を行っている、今後も県事務所、普及所、農協等で構成している振興協議会を中心に新品目の導入と産地の拡大に取り組んでまいりたいとの答弁がありました。
 また、規制緩和の関連で地ビールを製造する場合、その製造施設への補助事業が考えられるかとただしたのに対し、国では地域で生産された原料を地域で加工する場合に限り補助対象となる、今後、地域活性化のためにも情報を入手しながら研究していきたいとの答弁がありました。
 次に、昨年の米の不作に伴い緊急輸入が行われているが、県内の米の安定供給と米不足による値上がりの対策についてどうかとただしたのに対し、現在のところ政府米については県内卸売業者への必要量が確保されているが、今後も安定確保が図られるよう食糧庁や食糧事務所に働きかけてまいりたい、また、値上がり防止のため関係機関と連携を図りながら巡回指導による価格監視や販売状況の調査を行っているとの答弁がありました。
 続いて、米の減反割り当てとペナルティーについての質疑に対し、米の潜在的な生産力が需要を上回るため、国は引き続き減反政策を行うが、平成六、七年度は六十万ヘクタールに減反を緩和し、百三十万トンの備蓄を計画している、減反未達成のペナルティーについては、過去三カ年にわたり目標達成されている場合は、仮に事業実施の前年度に転作未達成となっても採択を行うなど緩和策が出されている、一方、平成六年度の本県の転作推進に当たっては稲作農家や地域の意向を尊重した転作面積の配分を行ったところであり、平成六年度は二百ヘクタールの水稲作付面積の拡大が見込まれているとの答弁がありました。
 また、新宮公設市場への出荷の推進についてただしたのに対し、新宮公設市場への出荷は県内産地が三分の一であり、太田のイチゴ、古座のナス、古座川のユズ等がブランド化され、有利な販売がなされている、今後とも市場と農協、産地が連携して出荷を推進していく旨の答弁がありました。
 さらに、県産農産物の消費拡大に伴うソフト面における取り組みについてただしたのに対し、県では県産物全体のイメージアップを図ることを基本に置き、生鮮農産物販売拡大推進事業や青果物新流通対策事業等で消費宣伝に取り組んでいる、なお、有田地方のミカンや紀北地方の柿等は出荷者みずからがテレビ宣伝を実施している、県においてもあらゆる機会をとらえ宣伝に努めていく、近く開催されるきのくに花まつりや世界リゾート博等においても積極的に県産の花卉類や県産物の消費宣伝に努めていくとの答弁がありました。
 続いて、大都市等消費地における屋外広告についてただしたのに対し、東京駅における広告について調査した結果、三平方メートルの大きさで年間一千万円程度の費用が必要である、今後、効果ある屋外広告など、関係団体ともども検討してまいりたいとの答弁がありました。
 また、熊野牛の生産現状についてただしたのに対し、現在、肥育牛はほぼ二千頭程度、繁殖いわゆる子取り雌で六百五十頭程度あり、主に東牟婁、西牟婁の紀南地方が繁殖用、肥育用は県下にわたっている、熊野牛の肉質そのものは良好である、今後、熊野牛ブランドで積極的に推進していきたい旨の答弁がありました。
 このほか、農協合併の積極的な推進についての要望やあらゆる機会をとらえての県産物の販路拡大のためのPR、また農業後継者確保のため県農業大学校の充実について、さらに農家がやる気を持って農業ができるような基盤整備を進めるとともに、農業集落排水事業の積極的な推進による生活環境の整備も図り、農業後継者が安心して残れるような環境づくりに努められるよう、今後、国等への働きかけも含め強い要望がありました。
 次に林業関係について、林業振興に関する今後の見通しについてただしたのに対し、林業の振興は山村の活性化と一体的なものであり、小規模な林家の対策として短伐期林業等集約林業を進める必要がある、木材市場の外材シェアは約八割を占めているが、近年、外材については規制等により原木供給が不安定であり、今後、国産材シェアの増加が見込まれる、このため、森林、林業の担い手の確保と木材の安定供給の推進を目的とする流域管理システムをさらに進めてまいりたいとの答弁がありました。
 続いて、林業労働対策についてただしたのに対し、林業労働者の減少、高齢化が進む中、県内外の都市部から山で働きたいとの希望者が龍神村や本宮町の森林組合に問い合わせが来ており、平成五年に本宮で五名、龍神でも五名、それぞれ採用している、こうした中、昨年度設置した十億円の森林整備担い手基金に六年度さらに五億円を上積みし、その運用益を有効に活用するほか、社会保障制度の充実、林業労働安全衛生や福利厚生の充実などに取り組み、希望の持てる職場づくりに努めるとの答弁がありました。
 また、間伐材の利用についてただしたのに対し、間伐材は集成材の材料や足場丸太や植木の支柱など幅広く利用されている、しかし、採算性がネックとなって利用率が一七%にとどまっているので、林道や作業道など林内の道路の整備やタワーヤーダなどの高性能な機械の導入、さらに新しい需要開拓などに取り組んでいるとの答弁がありました。
 さらに、古座川地域内の杉の変色についての質疑があり、東牟婁県事務所及び林業センターで現地調査をしたところ、二十年生以上の杉林で約三百ヘクタールの被害区域面積のうち実発生面積が約三ヘクタール点在している、病名は褐色葉枯れ病で、成長は一時期弱るが大きな影響はないと思われるとの答弁がありました。
 続いて、林地・農地の小規模開発による災害防止についてただしたのに対し、林地開発許可の対象とならない一ヘクタール未満の場合は、県に伐採届が提出された時点で、災害が発生しないよう適切な措置を講じる指導を行っているところである、今後、災害等の未然防止のため市町村にも指導してまいりたいとの答弁がありました。
 また、メジロの違法捕獲や植林後の被害防除用ネットによるカモシカの死亡事例についての対応はどうかとただしたのに対し、鳥獣保護等の標識については必要に応じて設置しているが、再度実情を点検し対応していきたい、また取り締まりについては、県下で五十一名の鳥獣保護員を委嘱し、年間五十日間の保護員業務の中で警察とも連携し実施している、カモシカの保護については防御用ネットの網目を細かくする指導をしており、材質についても漁網から金網に変えてきている、カモシカは天然記念物でもあるので、関係機関とも協議の上、農林業の被害対策も踏まえ対応してまいりたいとの答弁がありました。
 続いて、森林山村リゾート推進事業の内容についてただしたのに対し、自然志向の高まる中で山村地域への観光入り込み客が増加してきている、県ではこれまで山村町村のキャンプ場などの都市交流施設の整備を支援してきた、この事業は県においてトレーラーハウス十台を購入して山村町村に貸与するもので、これにより山村過疎地域の活性化を図っていく旨の答弁がありました。
 さらに、不在村者に対する「山の日」のPRと熊野古道周辺の公有林化についてただしたのに対し、山の日については委員各位のお力添えにより制定の運びとなった、山の日の趣旨は森林の恵みとそれを支えてきた山村に対する理解と関心を深め、感謝の心をはぐくみ、山村振興、後継者対策を進めていこうというものであり、実施内容については今後検討してまいりたい、PRについては市町村ともども広く県民並びに不在村者にその趣旨を広めてまいりたい、熊野古道周辺の公有林化については、今後関係市町村ともども研究してまいりたい旨の答弁がありました。
 このほか、ふるさと林道等を活用した林道整備についての要望もありました。
 続いて水産関係では、まず、つくり育てる漁業の推進を図るために中間育成施設の充実が必要であり、これに対する助成と今後の対応はどうかとただしたのに対し、アワビ類では下田原漁業協同組合の施設整備や県栽培漁業センターでの中間育成効率化の研究について、また広域に回遊する魚類の中間育成に対し助成する予算もお願いしているとの答弁がありました。
 次に突きん棒漁業の現況についてただしたのに対し、突きん棒漁業と追い込み網漁業はそれぞれ水産庁から捕獲枠が示されているが、双方の合意により枠の変更は可能である、現在、頭数についてはほぼ合意ができており、条件面で努力すれば調整できるとの答弁がありました。
 さらに、熊野川の濁水によるアユへの影響とその対策として放水口へのろ過装置の設置についてただしたのに対し、これまで濁水軽減策として池原ダムで表面取水を行っているが、さらに効果を上げるためろ過装置を含めた改善の方法を関係課とともに電源開発株式会社に要望していきたい、また漁協から要望のあるアユ稚魚の中間育成場についても関係課とともに電源開発株式会社と協議をしているとの答弁がありました。
 続いて漁港関連道の現状をただしたのに対し、漁港関連道整備事業としては、田ノ浦漁港は完成、戸津井漁港は早期完成を目指し継続工事中であり、新規として那智漁港を要望中であるとの答弁がありました。
 また、遊漁船の漁港使用料の徴収状況、さらに使用料が高いという声もあり還元策を考えるべきではとの質問があり、県管理漁港は係留隻数が二百五十九から今年度は二百十に減少しており、現在の届出率は六八%で徴収率を上げるよう努力している、また使用料の還元策については今後とも努力していく旨の答弁がありました。
 このほか、漁港内はごみが多く照明も少ないため、今後積極的に環境整備を進められたいとの要望がありました。
 以上のような審議の結果、当委員会に付託されました議案十二件は、賛成全員をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 厚生委員会委員長村岡キミ子君。
 〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○厚生委員会委員長(村岡キミ子君) 厚生委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案十三件、請願四件であります。
 委員会は、三月十七日及び十八日の両日、第二委員会室で開催し、民生部、保健環境部の順に当局から付託案件についての説明を聴取した後、審議を行いました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望の主なものは、次のとおりであります。
 民生部関係では、まず県身体障害者福祉センターの義肢課を廃止し障害者の補装具の製作、修理の業務を廃止するとあるが、身体障害者に対するサービスなどスムーズにいくのかとただしたのに対し、当初は公立の補装具製作施設が製作に当たってきたが、昨今は民間で医師の指導のもとに作成する補装具製作施設や技術力の向上した補装具製作業者が多くなってきているし、更生相談所が巡回相談を行う際も市町村が選定した適正業者に製作させるため問題はないと考えているとの答弁がありました。これに対して、補装具製作手続については簡素化に心がけるようにとの要望がありました。
 次に、ホームヘルパーに資格は要るのかとただしたのに対し、介護知識及び技量があれば資格は要らないが、研修を実施し、資質の向上を図っているところであるとの答弁がありました。
 次に、特別養護老人ホームの六年度新設は何カ所か、また現在の建設要望数はとただしたのに対し、六年度新設は和歌山市で五年度よりの繰り越しを含めて二カ所で、日高郡で一カ所である、また要望が出て十年を経過したものも含めて約五十件であるとの答弁がありました。
 これに対して、一年間に三カ所建設するのであれば五十件の要望を満たすには十七年かかるのか、また要望して何年でできるのかとただしたのに対し、先着順ではなく、老人保健福祉計画に基づき、入所希望者の状況、整備率、地域間のバランスなどを総合的に勘案し、建設していきたいとの答弁がありました。
 また、特別養護老人ホームの配置については広域的な整備を考慮してほしいとの要望もありました。
 次に、痴呆性老人は現在何名特別養護老人ホームへ入所できるのか、また在宅の痴呆性老人の対策についてはどうかとただしたのに対し、現在、特別養護老人ホームへの痴呆性老人の待機者は県下で二百一名であり、痴呆性老人に対応する特別養護老人ホームは和歌山市と大塔村でそれぞれ一カ所、五年度整備の新宮市で一カ所であるが、その他の特別養護老人ホームについても受け入れを指導しているところである、また在宅で対応できない痴呆性老人については、五稜病院の整備を含め、保健環境部と協議してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、ボランティア推進支援事業の具体的な内容並びに先進県の状況、及び県は他県と比べて活動はどうか、また「隗より始めよ」との言葉もあるように、まず県職員から率先して活動に取り組むべきではないかとただしたのに対し、国の調査によると四人に一人は活動したいと望んでいるが、実際は一%程度の状況であるが、地域は県民みんなで支え合う健やかな和歌山を築くため、県ボランティアセンターを六年度に開設し、福祉教育の推進、リーダーの研修や情報誌の発行などの事業を行うとともに、企業や農協等の各種団体とも連携し、積極的に振興を図ってまいりたい、また、他県との比較は把握していないが、リゾート博におけるボランティアの募集において五百人定員に対し約一千七百人も集まるなど、意識と活動はむしろよい方ではないかと思うし、県職員のボランティア活動については、リゾート博の手話通訳などにも参加しており決して低いわけではないが、県民総参加のボランティア活動の振興を図る上においても、ボランティア休暇など環境整備が整えば相当ふえることが期待できるとの答弁がありました。
 次に、一月九日の新聞記事で、中国残留婦人に関して「県老人休養施設職員住宅三DKの一室、暖房はなし」という掲載があったが、実際は暖房器具もあり、特別身元引受人は足りない家庭用品などを買って提供したり生活の手助けをしている、こういう事実があるにもかかわらず今回のような記事が出たことに対して県は抗議をしたのか、抗議すべきではないかとただしたのに対し、特別身元引受人の方々のご苦労は十分理解しているが、報道機関に対しての抗議は行っていない、また、現在県では十人の特別身元引受人がいるが、本県関係の中国残留婦人の方が約三十名で、特別身元引受人の絶対数が足りないので、現在、拓友会を中心に拡大を図っているところである、特別身元引受人の方は、中国残留婦人に対する生活上の手助けや財政的な支援といった点でボランティアとして大変なご心労をいただいていることについては十分承知しているので、特別身元引受人と連携を十分にとっていきたいとの答弁がありました。
 次に、今国会に提出されようとしている年金制度改正では、公的年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げる問題、国民年金の保険料が毎年増額される問題、年金を受けるに至ったときの失業保険との受給調整の問題、また厚生年金の保険料としてボーナスからも徴収されるが年金額に反映されないなどの問題があり改悪であると言わざるを得ないが、どのように思われるかとただしたのに対し、今通常国会に幾つかの改正案が提出される予定と聞いている、県としては国会の審議経過等の推移を見守ってまいりたいと考えているとの答弁がありました。
 次に、少子化は各方面に影響を及ぼす大変重要な課題であり、その対策としてどのような施策を行っているのかとただしたのに対し、平成五年度には有識者二十六人から成る和歌山県子育て環境づくり推進協議会を設置し、六年度には提言をいただき、庁内組織の子育て環境づくり連絡会議に諮り行政施策として反映させていきたいと考えているとの答弁がありました。
 これに対して、子育て環境づくりをするだけで少子化の傾向がとまるのか、例えば女性の社会進出が増加する中、子育てと仕事の両立を考えただけでも、保育所のあり方とかさまざまな問題が考えられるし、これも民生部だけの問題というわけにはいかない、少子化の原因をどのように把握しているのかとただしたのに対し、関連する問題が広範囲に及ぶため、原因、背景を探るとともに、県民意識調査等を実施し、調査結果を踏まえ、和歌山県子育て環境づくり推進協議会であらゆる角度から検討をお願いしたいとの答弁がありました。
 また、子供が育つ環境は地域によって実情が違い、それを把握して進める必要があり、子育て環境づくりは県民の声を聞きながら行ってほしい、またことしは国際家族年でもあり、家族のあり方を長期的な視点に立って考えていく必要があるのではないかとただしたのに対し、今後の取り組みについてはそれらの趣旨が十分生かされるよう検討をお願いしてまいりたいとの答弁がありました。
 次に、保育所に対する利用者のニーズが変化してきており、最近は女性の職場進出、社会形態等も変化してきているのが現状であるが、今後の保育所のあり方についてどう思うのかとただしたのに対し、保育所は、保護者が労働に従事したりあるいは疾病にかかって家庭において保育に欠ける児童を保護者にかわって保育することが基本であるが、近年、出生率の低下、女性就労の増加、就労形態の多様化等、社会経済状況の変化に伴い保育需要が従来にも増して多様化してきているのが現状であり、利用されやすい保育所を目指して乳児保育、障害児保育、長時間保育などを実施しているとの答弁がありました。
 次に女性問題について、女性の生活と意識調査の内容と五年前の同調査のフォローアップについて、また男女共同参画型社会を目指すシンポジウムの「共同参画型」の意味、女性アドバイザーの活動状況及び人員増についてただしたのに対し、調査については五年に一回実施し、二十歳以上の女性千五百人を対象に九月から十月ごろに実施をし、年度末までに報告書を作成する予定である、前回の調査結果については啓発の材料として、また予算面においても参考にして取り組んでいる、共同参画型とは男も女もともに対等なパートナーとして家庭、地域、職場などあらゆる分野に平等に共同して参画し、ともに社会の発展を支えていくということであり、国が策定した西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画を初めとして、シンポジウムなどにおいてこの言葉を使っている、女性アドバイザーは昭和六十年から八十名で発足し、平成三年から百二十名を任命し、現在五期目でOGは約百八十名あり、女性問題推進については地域に即した問題を考えるようにしており、女性団体という枠の中だけでなく、お互いを高める活動をし、成果は上がっている、人数についてふやすのがよいか、内容的により充実していく方が効果的であるか、今後の検討課題としていきたいとの答弁がありました。
 また関連して、女性の県職員採用率、幹部への登用率及び審議会等委員への登用率とこれらの国との比較、及び女性の就職状況についての質疑がありました。
 次に同和関係事業予算について、約六億円の減少となっているが残事業の進捗に影響はないのか、また、市町村振興資金特別会計予算の同和対策資金助成費のうち一般会計への繰出金十四億七千四十九万六千円の内容及び使用目的についてただしたのに対し、減額は商工労働部所管の構造改善等高度化事業の約四億九千万円と同和室所管の市町村同和対策資金貸付事業の約二億六千万円が主要因で、残事業の進捗には影響はないものと考えている、また繰出金については、貸付金の償還金が歳入として組まれており、これと歳出として組まれている各貸付金の需要額と比べその差額分を繰出金として一般会計へ繰り出しているもので、これには過去に一般会計からこの特別会計に繰り出していたという経緯があり、使用目的については特に限定されたものになっていないとの答弁があり、関連して、平成六年度同和地区経済更生資金損失補償及び新規開業者資金損失補償で、融資総額を限度として県信用保証協会が代位弁済した元利金の三〇%で計算した額をそれぞれの期間補償するとなっているが、どのような内容かとただしたのに対し、この貸し付けについては県保証協会で〇・三二の保証料で保険をかけ、事故が起こった場合にはその時点での元金分の八〇%が保険公庫から保険で支払われ、あとの二〇%の元金と利息分について県が損失補償することになっているとの答弁がありました。
 次に母子寮の建てかえについてただしたのに対し、母子家庭の人の最近の傾向として母子寮が敬遠されがちである、建てかえについては規定はないとの答弁があり、委員から、なぜ敬遠されるのか理由を把握しているのか、今の母子寮の現状では個人の人権や生活権が守られていると言えるのかとただしたのに対し、母子寮が一番多く建てられたのは昭和二十三年から三十年代にかけてで、今の時代から見るとプライバシーを守りにくいとか狭いとかの問題があり、検討しているが、今後さらに母子家庭の生活や人権保障を守れる施設のあり方について検討してまいりたいとの答弁がありました。
 次に生活保護について、扶助費が前年度に比べ減額となっているが、憲法に保障されている健康で文化的な最低限度の生活が保障できるのか、また文化的な生活を営む権利としての基準をどこに置いているのかとただしたのに対し、現在、被保護人員は年々減少しており、それに伴って予算を減額したもので、生活保護費の支給には支障がないが、高齢、母子、傷病、障害者世帯等のハンディキャップを負ったいわゆる要保護世帯が約九割以上を占めており、今後ともきめ細かな助言指導を行ってまいりたい、また、生活扶助費は一般勤労者世帯の消費支出の約六割強となっているが、今後、国に均衡ある生活水準が図られるように求めてまいりたいとの答弁があり、委員から、行政と県民の格差が出てきている、被保護世帯の実態を把握し、温かみのある生活保護行政を求めるとともに、この不況の中で減額になること自体が矛盾するので十分考えてほしい旨の要望がありました。
 また、母子家庭等児童修学費助成事業について、平成七年度より児童扶養手当の受給資格の期間が延長されることに関連して助成額のアップがなされていないのはどうしてかとただしたのに対し、財政等の問題もあり月額一万円の据え置きとなったとの答弁がありました。
 次に保健環境部関係では、まず平成六年度県立五稜病院事業会計当初予算案に赤字を想定して一般会計補助を含む医療外収益として六億円余りを計上している、公的病院としては赤字は当然のことであるのか、また病院の経営改善の状況や取り組みはどうかとただしたのに対し、現在、五稜病院整備委員会を設置し、赤字や一般会計繰り出しについて分析を行っているところであるが、平成六年度予算に計上している基本計画策定事業においても経営分析を行い、繰り出し基準を策定した上で適正な予算計上を行ってまいりたい、赤字解消は大きな課題だが、一方では県立精神病院としての役割を果たすため一般会計が負担すべき経費もあり、六億円余りの補助金のうち約四億円は交付税措置がなされているところである、今後も病院側と密接な連携をとりながら検討してまいりたいとの答弁がありました。
 また、五稜病院の問題についてはこれまでも当委員会や決算審査特別委員会等において指摘されてきたところであり、検討委員会の検討内容を見ても、作業療法やデイケア施設の設置などすぐに着手のできる事項もあると思うが、どのように取り組んでいるのかとただしたのに対し、早急に改善すべき事項について五稜病院整備委員会の分科会等で検討を進めているが、作業療法やデイケアについては専門職、専門施設の確保等の必要があり、これらの点に関し検討を進めているところであるとの答弁がありました。
 また、国立病院等の賃金職員については、現状の状況から見て過剰職員ではないという観点で考えてほしい、また特に国立南和歌山病院においては、統合整備の経緯からも紀南地域の中心的な役割を果たし、地域住民が安心して診療を受けられるよう診療機能を充実するよう国に意見を強く申し入れてほしいとの要望がありました。
 次に和歌山市排出水の色等規制条例について、県としてどのように現状を把握しているのか、また、市はトン当たり四百円から六百円の運転経費ということであったが、高濃度では五千から六千円かかり、指導時の金額と実際とでの開き及び企業への影響について県はどのように思っているのかとただしたのに対し、工場排水は水質汚濁防止法等により規制しているが、色については感覚的な公害であり、市の当該条例についてはその成果に期待しているところである、市は大体の目安として四百円から五百円の運転経費がかかるとしたと思うが、化学関係では立方メートル当たり千円程度と把握しており、活性汚泥は廃棄物処理が必要であるが、企業活動で自己負担が必要である、一生懸命取り組み内川がきれいになればよいことである、平成五年十二月議会で商工労働部では関係業者や市とともに検討してまいりたい旨の答弁をしているとおりであり、保健環境部としては市から相談があれば協力してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、近ごろ野犬が多いように思われるが、野犬対策はどうなっているのかとただしたのに対し、野犬捕獲業務は狂犬病予防技術員九名を配置し、県内の野犬撲滅に努めている、捕獲頭数は毎年余り変化はない、野犬対策は捕獲するだけでは問題解決ではなく、広く国民に動物の適正飼育に対する愛護意識の高揚を図ることがその減少につながるものであるとの答弁がありました。
 次に、覚せい剤、シンナーの検挙補導状況、覚せい剤乱用防止推進員の構成についてただしたのに対し、検挙補導人員は、覚せい剤事犯二百六十人、シンナー事犯三百十八人、また推進員の構成メンバーは、保護司連盟、更生保護婦人連盟、学校薬剤師で県下四百名がその知識を活用し、また警察と連携を密にし、日常活動の中で地域に密着した活発な啓発活動を展開していただいているとの答弁がありました。
 これに関連して委員からは、薬物対策には警察の役割である検挙とともに事前の啓発が大切であり、推進活動が十分成果を上げられるようその人選についても配慮されるようにとの要望がありました。
 次に、環境基本法の制定を受けて大阪府は豊かな環境の創造を打ち出し、他の県でも地域性を盛り込んだ方針が示されているが、本県の基本的な考え、基本法に対する作業の進展状況、環境審議会の設置時期、住民の環境権の考え、県の環境影響評価指導要綱に対する見直しについてただしたのに対し、基本法の制定を受けて各府県独自に条例のあり方を検討しており、本県でも課内で検討を進めている状況で、環境基本計画の策定状況や他府県の動向を見きわめた上で対応してまいりたい、公害対策審議会については法律上は八月一日から環境審議会への移行となり、環境権は法解釈上明確なものがないとされており、国で策定中の環境基本計画でどう扱われるかなど、県としては今後の課題としたいとの答弁がありました。
 また、委員から、他府県を参考にするのはよいが後発では困る、他府県の様子を見てというのは主体性がないのではないかとただしたのに対し、現在環境管理計画の策定に入っており、原案をつくっている状況で、地球環境問題等に対応すべく庁内連絡会議も設けているとの答弁がありました。
 次に、ごみの減量化に対応のため透明袋等の使用を義務づけている市町村の状況、またごみのリサイクル等の推進についてただしたのに対し、ごみ質に応じ透明袋を義務づけている市町村がある、また、ごみの減量化を目的として市町村指定の袋の使用や粗大ごみについては指定荷札の取りつけとともに記名を義務づけている市町村もある、なお、平成五年九月に県ごみ減量リサイクル推進協議会を設置し、各種啓発事業や実態調査等を実施するとともに、市町村については廃棄物再生利用等推進事業の補助制度が厚生省に設けられており、県としても、平成六年度から市町村のリサイクル推進を対象として補助制度を新たに設けることとしているとの答弁がありました。
 次に、市町村の設置する廃棄物処理施設への県費助成状況及び施設整備に対する県の指導についてただしたのに対し、平成六年度は那智勝浦町太地町環境衛生施設一部事務組合と那賀町の二カ所である、また、市町村に対し廃棄物処理計画を作成するように指導する中で計画的に処理施設の建設及び補修を進めるよう指導しているとの答弁がありました。
 このほかに、検診体制整備充実事業についての意見がありました。
 以上が、厚生委員会における審査の概要であります。
 採決の結果、付託されました議案十三件は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおりであります。
 以上をもちまして、厚生委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) この際、本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。
○議長(宗 正彦君) 経済警察委員会委員長小川 武君。
 〔小川 武君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(小川 武君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案十一件であります。
 当委員会は、三月十七日及び十八日の両日、第三委員会室で開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議に入りました。
 各委員の質疑、意見並びに要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず商工労働部関係では、和歌山県商工信用組合再建に県として支援を行うこととされたが、その再建計画の具体的な内容、支援することに至った理由、支援資金の総額並びに運用利ざやはどの程度になるのかとただしたのに対し、再建計画の内容は、店舗の統廃合等のリストラ、延滞債権の回収、協調支援融資の三本柱で行うこととしており、支援に至った理由は、当該組合の平成四年度決算で経常収支が赤字となり無配当となったため、預金者、組合員の不安が出るなど自主再建に影響を及ぼすおそれがあったこと、また融資先は中小零細企業が多く、これらの人々の不安感を解消するために支援に踏み切った、支援資金の総額は県が五十億円、紀陽銀行が五十億円、全国信用協同組合連合会が二百五十億円で、総額三百五十億円の融資を行い、その資金を同連合会が運用し、運用利ざやを県信へ助成することとしている、支援資金の貸付利率は、紀陽銀行が一%としているが、県としては一%以内で預託することを交渉しているところであり、また当該計画が十年ということもあるので、計画等については五年後に見直し、リストラの進行状況、経済・金融状況の変化等を考慮して対応していくとの答弁がありました。
 関連して委員からは、再建計画を進める上での県としてのチェック体制、人材面での支援方策について質疑があり、厳しい財政状況の中で支援を行うのであるから厳正な進行管理を行うよう要望がありました。
 次に、中小企業者が融資を受ける際、担保不足等により信用保証協会の保証が受けられないとの事例があるが、同協会における対応はどうかとただしたのに対し、中小企業者からの保証申し込みの相談を受けたときは、その個々の企業と十分面談を行い、実情に応じ弾力的に対応するよう指導しているとの答弁がありました。関連して委員からは、金融機関における貸し渋りに対する見解、融資制度における運転資金と設備資金の貸し付け割合について質疑があり、貸付金の償還期限延長について検討してはどうかとの意見が出されました。
 次に、本県地場産業の全国シェアとその振興策についてただしたのに対し、ニット生地の中の丸編みニット生地、染色整理業種中の捺染業界等が全国シェアで一位であり、このほかパジャマ等の衣料縫製品、ボタン業界、皮革業界等も大きなウエートを占めている、これら地場産業の業界にとって弱いとされている技術開発能力の強化を工業技術センターを中心に種々研究しており、各種の融資制度も活用しながら地場産業の振興を図っていきたいとの答弁がありました。関連して委員からは、メリヤスの町、ボタンの町というようなPRを全国に向け推進するよう要望がありました。
 次に企業誘致について、今後は体系的な誘致計画を講ずるべきではないかとただしたのに対し、企業誘致を本格的に始めて十一年が経過し、この間、六十社を誘致し、若者等の県内定着や賃金の上昇等、一応の成果を上げたものと考えている、本県を取り巻く環境も好転しているので、今後とも優良企業を誘致するため関係機関と協議しながら誘致促進を図っていきたいとの答弁がありました。
 次に、和歌山市内におけるタクシーのマナーが非常に悪いとのことであるが、これがリゾート博へ来られた人々の第一印象を悪くするおそれがある、マナーを向上させるためどのような対策を講じているのか、また今後観光立県としてどのような取り組みを行うのかとただしたのに対し、リゾート博の来場者にはよい印象を持って帰っていただくことが重要であり、従来からタクシー協会等へサービス向上について話をしており、今後とも強く指導していきたい、また、旅館等を初め各種交通機関の関係者に対し接遇向上のための研修会を行ったところである、今後の観光立県としての取り組みは、本県の神社、仏閣といった歴史的・文化的資源や豊かな自然資源をハード、ソフトの両面でグレードアップを図りながら観光振興に取り組んでいきたいとの答弁がありました。関連して委員からは、時代に即応した事業の実施を行うよう要望がありました。
 次に、離転職者及び中高年齢者に対する職業能力開発への取り組み状況についてただしたのに対し、必要な時期に適切な能力開発を計画的に県立高等技術専門校、雇用促進事業団立職業能力開発促進センター等において離職者等に訓練を受講していただく体制をとっており、訓練終了後は職業安定所との連携のもと職業あっせんを行っているとの答弁がありました。
 次に、雇用支援トータルプログラムの内容についてただしたのに対し、雇用調整助成金制度の一層の充実等により雇用を維持しようとする事業主に対する支援、特定求職者雇用開発助成金制度の充実による再就職の促進、地域開発助成金制度の充実等による地域における雇用機会の開発に対する支援を三つの柱として総合的に取りまとめたものであり、今後もこのプログラムにより雇用対策を推進していきたいとの答弁がありました。
 このほか、県内景気の見通し、マリーナシティわかやま館に温泉を常設することへの検討、和歌山市内で観光地の温泉を気軽に楽しむための方策、本県のすばらしい温泉のPR方策、景気・雇用対策本部における企業訪問の具体的な内容、現時点における失業者の実態等について質疑がありました。
 公安委員会関係では、世界リゾート博に関連して、まず同開催を控え、阪和銀行副頭取射殺事件等の未解決事件や重要事件の多発傾向が治安上の不安材料であるが、未解決の事件の捜査状況とともに解決に向けた警察の取り組み方針をただしたのに対し、昭和六十年以降、捜査本部を設置したいわゆる重要事件は十五件で、うち十一件を検挙し、捜査中の事件は平成五年八月五日発生した阪和銀行副頭取射殺事件等四件である、重要事件の捜査については、昨年、大阪府警察が検挙した暴力団員による一般人の誤認殺人事件等に見られるように、相当期間大量の捜査員の投入を要することが多い、阪和銀行副頭取射殺事件の捜査においても本県警察官定員の一割に近い百三十名の体制で臨み、可能な限りの捜査を行ってきた、その後、他事件の発生や捜査項目の終了したもの等があり少し体制を縮小しているが、現在も百名内外の体制で着実な捜査を行っている、重要未解決事件についても、捜査の過程では被害者の人権はもちろん被疑者、参考人の人権にも最大の配慮を要するものであり、捜査環境の厳しい中ではあるが、今後とも証拠に基づいた合理的かつ適正な捜査を着実に推進し、これら重要未解決事件の一日も早い解決に向け努力したいとの答弁がありました。
 次に、開催期間中、交通渋滞によってこれを嫌うタクシーの乗車拒否等も予想されるが、交通渋滞緩和に対する警察の取り組みについてただしたのに対し、警察官を弾力的に運用して混雑緩和が図れるような体制をつくることを考えているとの答弁がありました。
 このほか、世界リゾート博に伴う誘導表示板等の工事等の進展計画について質疑があり、開催期間中、婦人警察官を会場近くの交番等に配置してはどうかとの意見が出されました。
 次に、平成六年度予算に関連して、まず水上警察隊の設置目的、体制及び運用についてただしたのに対し、本年四月一日、警察本部に水上警察隊を設置したいと考えている、その設置目的は、けん銃や覚せい剤等の密輸入事件の水際での検挙や、最近多発傾向にある密入国事件の早期発見と検挙、及びプレジャーボート等による水難事故の防止と危険行為等の取り締まりのほか、関空関連の重要施設の警戒等も含め、水上警察活動を強化することにある、隊長以下十名程度の体制を考えており、警備艇四隻と水上オートバイ二隻を運用し、県内の海域と主な河川の警ら・警戒活動等を行っていくとの答弁がありました。
 次に、暴力団総合対策の一つとしての被害回復・社会復帰アドバイザーの設置趣旨及び資格等についてただしたのに対し、同アドバイザーは、暴力団対策法に基づき暴力団の不当要求による被害者等に対する被害の防止や被害回復のための援助活動、及び暴力団に対する離脱や更生のための援助を行うもので、非常勤の嘱託職員である、アドバイザーの資格等は暴力団対策法施行規則により、県警察の職員であった者で必要な知識、経験を有し、かつ社会的信望等がある者の中から警察本部長が任命することになっているとの答弁がありました。
 次に、交通安全施設等整備事業の事業内容等についてただしたのに対し、平成六年度は交通安全施設等整備事業五箇年計画の四年度目であり、本年は特に世界リゾート博開催、関西国際空港の開港に対応した信号機の改良、新設等の事業のほか、高速走行抑止システムを設置するなど、交通の安全と円滑化を図っていきたいとの答弁がありました。
 次に、刑事警察官の配偶者報償費の内容についてただしたのに対し、刑事警察官は突発事案の発生に際しては夜間休日等にかかわらず招集に応じなければならず、また重要事件の捜査となると早朝出勤、深夜帰宅など、勤務時間が不規則になったり長期間家をあけることがある、このため家庭団らんの時間が持てないほか、刑事警察官の不在中は配偶者が家庭を守らざるを得ないなど、家庭生活にもかなりのしわ寄せを与えているため、その配偶者への報償として夏季、冬季の年二回、各二千円を支給してその労に報いるものであるとの答弁がありました。これに対し委員からは、刑事警察官の配偶者は大変ご苦労されていると思うので、手当額の引き上げについて努力するようにとの要望がありました。
 次に、本年五月十日施行の道路交通法の改正の主な点とねらいについてただしたのに対し、改正のポイントは交通事故の防止等と運転免許に関する規定の整備の二点であり、過積載車両による重大事故の防止、優良運転者に対する免許の延伸の導入による運転者の安全意識の向上等がねらいであるとの答弁がありました。
 さらに、改正中の過積載に関する改正は運転者、使用者及び荷主等に対する規制や罰則が強化されていることについてただしたのに対し、取り締まりだけでは過積載の防止を図ることができないので、経営者、荷主等の協力が不可欠であり、これらの人々に対する講習会等を開催して過積載の防止のための理解が得られるよう努力したいとの答弁がありました。関連して委員からは、過積載関係についての許可等の見解について質疑がありました。
 このほか、建てかえ予定の警察署数、無線電話取扱手当額、大分県での一村ゼロ事故運動の内容、道路を車庫がわりに使っている違法駐車対策、三月十日発生した中国人集団密入国事件の捜査状況について質疑があり、派出所、駐在所は住民との接点となる施設であるので、住民から親しまれるようなものを建ててはどうかとの意見が出されました。
 以上のとおり慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第一号、五号、十二号、十七号、三十六号、四十四号から四十六号及び五十五号、五十九号並びに六十五号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上で、経済警察委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 文教委員会委員長高瀬勝助君。
 〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(高瀬勝助君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案五件、請願継続審査分十二件であります。
 委員会は、三月十七日、十八日の両日、第六委員会室において開催し、当局から付託案件等について詳細な説明を聴取した後、審議に入りました。
 委員会における各委員の質疑、意見及び要望等、主なものは次のとおりであります。
 まず初めに、県教育委員会所管の予算の中に七月十六日から開催されるリゾート博に関する予算二千七百万円が計上されているが、この内訳とリゾート博に対する教育現場での受けとめ方はどうか、また、生涯学習の観点から地域社会での文化財、歴史をどう活用していくか、ふるさとについて学校教育の中でせめて年に一、二回でも教える機会を持ってもらいたいと思うがどうかとただされたのに対し、七百万円はイベントに参加する文化連盟等七団体への補助であり、二千万円については会場への交通費用に対する学校への補助を考えている、また、各学校を訪問しリゾート博への参加を学校行事の中に取り入れるよう指導しているところであるが、各学校においても体験学習の行事としての姿勢で臨んでいるとの答弁があり、文化財や歴史等については、身近な地域に目を向けることは大切で、小学校社会科学習においても「ひらけゆく和歌山」等を副教材として扱い、郷土の文化財や偉人について教えている、また平成六年度に新設する和歌山高校の総合学科においても「紀州の文学」をカリキュラムに取り入れている、国際化の進展の中で自分のふるさとを再認識させることが大切との認識を持っている、また郷土の誇りである文化や歴史を学ぶことは生涯学習の観点からも重要なことと考えており、県立図書館では本県ゆかりの郷土資料の提供を目的に郷土資料コーナーや木の文化資料コーナーを設置し、特に子供の学習を推進するためビデオや映像で郷土の文化財、歴史を紹介する等、多様なメディアを活用し、生涯学習の充実を図ることとしている、また平成五年度実施した県民大学講座においてふるさとの人と自然講座、市町村では町民大学講座等、広く県民、住民の方々にも郷土の文化、歴史、ふるさとの昔話等をテーマに学習がなされている、今後とも郷土の文化財、歴史を活用した学習が進むよう研究していきたいとの答弁がありました。
 委員からは、予算をうまく有意義に使うことや、各市町村にもビデオなどメディアの技術的なことを指導してもらいたいとの意見、要望がありました。
 次に、今回の高校入試改善の現状はどうか、スポーツ競技の成績と文化活動の成績をどのように評価するのか、特色ある学校づくりという点ではよいが、学校間にアンバランスが生じることになりはしないかとただされたのに対し、選抜の改善点については、学力検査の成績、調査書の評定、観点別学習状況、ボランティアを含めた学校内外の活動の評価を四つの柱として総合的に評価し選抜することとした、今までは学力検査の成績と調査書の評定を主として他の報告書等も資料として見てきたが、これからは四つの柱を中心に評価していくこととし、このことについて一定の基準を各学校に示し指導している、各学校においては調査書等審査委員会を設置しており、学校内外の活動についても、体育、文化、ボランティア活動等、中学校から提出のあった調査書の記入内容を各高等学校が特色ある学校づくりに照らして評価することとなるので、学校により大きい違いが生ずるとは考えていないとの答弁がありました。
 委員からは、観点別学習状況等は中学校から記入されてきているのか、保護者の理解度はどうか、また県教育委員会としての基準や目安を示しているのかとただされたのに対し、観点別学習評価は新学習指導要領に基づいて行わなければならないことになっており、したがって当然記入されているものである、このことについては教育課程講習会や地方別進路指導研究協議会等、さまざまな機会をとらえて趣旨の徹底を図ってきた、保護者についても各中学校における進路指導説明会等において十分説明を行ってきているところであるが、さらに理解を得られるよう今後とも努めてまいりたいとの答弁がありました。
 関連して委員からは、平成六年度より高校において新学習指導要領が実施されることとなっており、文部省はこの学習指導要領で進級認定等、緩和措置をやっていく必要があると述べているが、県教育委員会としてどのように考えているのか、一年間で十二単位を落とすと進級できない、また三分の一以上の欠課時数があると単位を修得できないと聞いているが、若干の緩和措置があるのかとただされたのに対し、各学校における進級認定、単位認定については学校長の裁量であり、出席日数や成績等に基づいて判定してきている、この場合においても生徒の学習状況等を踏まえて教育的配慮から補充授業等を実施している、また平成六年度から実施の新学習指導要領では、履修と修得を切り離し、八十単位以上修得すれば卒業できることなど、進級及び卒業の認定について各学校において弾力化が図られることとなっており、このことについて指導しているところであるとの答弁がありました。
 また、委員から、高校入試の問題に係る英語ドリルの出題についても意見がありました。
 次に、過日、京都府において小学生の子供がふたのない焼却炉で死亡するという痛ましい事故が発生したと報道されていたが、学校管理下でこのような事故があってはならないことである、県教育委員会はどのように状況を把握し、県下の学校に対し指導を行ったのかとただされたのに対し、学校管理下におけるこのような痛ましい事故についてはあってはならないことで、常々焼却炉を含め児童生徒が安心して学校生活が送れるよう各市町村、学校に対して指導しているところである、この新聞報道の直後、県教育委員会として各地方教育事務所を通じて全市町村の小・中学校の実態調査を行った、和歌山市については幼・小・中学校それぞれふたつきの焼却炉が完備されており、また有田管内の学校では四十二校中三十七校がふたつきを、五校については通常のごみとして処理を行っている等、県下の学校の焼却炉については現状の中では問題がないと把握している、なお、これから新学期を迎える中で教育事務所長会、学校長会を通じ、焼却炉を含め学校の安全管理を十分に図るよう指導してまいりたいとの答弁がありました。
 次に、教職員定数の削減とチームティーチング等による定数確保の現状と今後の予定についてはどうか、六次改善計画完成年度における本県の目標数はあるのかとただされたのに対し、教員定数は小学校で二十九人、中学校で三十四人の減員となっているが、チームティーチングのための教員は、平成五年度小学校十一校十一名、中学校六校七名が、平成六年度は小学校二十二校二十二名、中学校九校十名の配置を予定している、また、チームティーチング以外でも選択幅の拡大で平成五年度四名が六年度八名に、コンピューター利用教育で二名が六年度四名に等、定数の確保、指導の充実が図られるよう努めている、全国としての目標数はあるが、和歌山県で何人というものではない、しかし国の配当基準よりよいものになっていると考えており、実施内容をさらに充実させていかなければならないと考えているとの答弁がありました。
 関連して各委員から、免許外教員(非常勤講師を含む)の現状と今後の対策について、国際化に係る外国人子弟への教員加配の対応状況と子弟を教える人材面での研究、取り組みについて、定時制高校のあり方と教員適正配置等についても質疑がなされました。
 次に、和歌山版画ビエンナーレ展について、開催回数も第五回、十年間が経過し、和歌山の伝統文化の一つになりつつある、次回以降の開催について、県教育委員会の直接事業ではないが、知事部局の補助金を受け実施されてきたところであり、六年度当初予算に事業計画が提案されていないが、新美術館も開館するので今後も続けるべきと思うがどうかとただされたのに対し、昭和六十年三月の第一回開催から実行委員会により民間の協力をいただき、当初から五回、十年を一つの区切りとして実施してきたところであり、高い評価を受けている、優秀作品については実行委員会から館蔵品として寄贈していただいている、今後の開催についてはご尽力いただいた方々や関係機関、美術館協議会等の意見を聞く必要がある、現在のところ本年七月の新近代美術館開館に向け全力を傾注しているので、開館した後に今後のことについて検討していきたいとの答弁がありました。
 委員からは、和歌山の文化の発信という伝統が続いており、三千万円近い予算を要するということでもあるが、今後も続けられたいという要望や、またこの際、文化を統括する部を設置してはどうかとの意見、新博物館開館記念展での「和歌山の国宝展」に高野山の国宝を展示し、リゾート博で訪れる世界の人々に見てもらえるよう金剛峯寺に協力依頼するよう要望がありました。
 このほか、子供の心を育てる教育、愛を育てる教育の議論について、高校中途退学者対策について、登校拒否をなくすための対症療法や人材育成等の取り組みについて、国民体育大会での成績低迷について、総合学科や二学期制の利点について、また野上電鉄廃止に伴う生徒の通学方法について、現状の三ない運動の考え方とこれから社会人となるための条件を考えて三ない運動を研究、議論するよう、質疑、意見、要望等がありました。
 以上が、当委員会における審議の概要であります。
 当委員会に付託されました議案第一号、議案第四十一号、議案第四十二号、議案第四十三号及び議案第五十五号は、全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 また、継続審査中の請願十二件については、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、継続審査すべきものと決しました。
 以上をもって、文教委員会の報告といたします。何とぞ、適切なご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 総務委員会委員長井出益弘君。
 〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(井出益弘君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案二十四件、知事専決処分報告一件、請願継続審査分一件であります。
 当委員会は、二月十七日、十八日及び二十三日の三日間、第一委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、審議を行いました。
 各委員の質疑、意見及び要望等の主なものは、次のとおりであります。
 まず医科大学関係では、移転整備を今後どのように進めていくかとただしたのに対し、大学として教育、研究、診療の三本柱をより発展させたものをと考えており、附属病院については五年度で実施設計を終了し、六年度着工する計画となっている、また学部関係の実施設計は六年度よりかかり、看護短期大学についても六年度より着工していくこととなっているとの答弁がありました。
 続いて、医大の統合移転に伴い、紀北分院の今後の位置づけと将来構想についてただしたのに対し、医大の移転問題が一段落すれば分院の将来構想について、学内だけでなく学識経験者、県当局等、さまざまな意見を聞きながら紀北地方の医療機関としての位置づけを検討していきたいとの答弁がありました。
 さらに紀北分院の充実について、地域住民からは整形外科設置の要望が強いが、その現況と今後の取り組みについてただしたのに対し、現在、整形外科については週一回本院から応援に来ている状況であり、これが常設となると医師、看護婦、理学療法士等、医療従事者の大幅増に伴い紀北分院としての職員定数上にも大きな問題があるので、将来構想により新しい病院となったときに整形外科についても検討していきたいとの答弁がありました。これに対し、将来的な話でなく、できるだけ早く整形外科の常設をしてほしいとの要望がありました。
 このほか、医大附属病院の給食用の米は国内産米を使っているのか、それともブレンド米かとただしたのに対し、従来より当院の使用米は自主流通米を使用していたが、ことしの米不足により国内米の確保が困難となり、三月十六日の夕食よりブレンド米を使用しているが、給食の質を落とさない方策として水かげん、炊き方にも工夫を凝らすとともに、国産米にコシヒカリを使用するなど、よりよい給食に努めているとの答弁がありました。
 選挙管理委員会関係では、金のかからない選挙の実現のため国、県を挙げて取り組んでいるが、公営ポスター掲示場の設置場所について、選管から渡された地図だけではわかりにくい場所が多く、また候補者にとっては一刻も早く掲示をしたいので、県または市町村の選管の方で全候補者のポスターを集めて選管が一括して掲示するとか、ポスター様式を画一的なものにするとか、あるいはポスター制度そのものを廃止するとか、そういう意見を発言できる機会はないのかとただしたのに対し、公職選挙法で認められた制度であるため、ポスター制度の廃止はできないが、今後、設置場所をわかりやすく伝えるとか制度について啓発するなど、有効な方法を検討していきたいとの答弁がありました。
 また、国会議員だけがポスター、選挙宣伝カー、新聞広告、はがき代等がすべて無料であるが、地方議員は対象外としているので、金のかからない選挙を徹底するためにも機会があればこの点についても発言してほしいとの要望がありました。
 次に人事委員会関係では、先ごろ配布された県職員採用募集パンフレットは大変好評であるが、どこで作成されているのかとただしたのに対し、事務局職員が原稿を作成し、委託先と打ち合わせをして作成しているとの答弁がありました。
 知事公室関係では、世界リゾート博に要する経費と地域活性化等の波及効果の見込みについてただしたのに対し、博覧会協会の予算は現在のところ約八十一億円であり、主催者団体である県のリゾート博関連予算は、恒久施設のわかやま館、道路等の交通対策、PR経費など三カ年で約百四十一億円である、また波及効果については直接的には博覧会投資に伴う生産活動、雇用等による個人所得増などが考えられ、社会的効果としては県のイメージアップ等が考えられるとの答弁がありました。
 さらに、博覧会の成功か否かの尺度として博覧会の収支についてはどのように考えればよいか、また投資額についてはどのように考えるのかとただしたのに対し、協会予算については百五十万人の入場者で収支が図られることとなっているが、全体として成功かどうかは、県民がこの博覧会にどう参加したのか、県民がどう評価したのか等、いろいろな面から評価を考える必要があるとの答弁がありました。
 次に宿泊対策について、特に博覧会開催時に値上げをするところがないか、また全体の宿泊の調整は可能かとただしたのに対し、博覧会での便乗値上げがないよう観光課等を通じて従来から強く指導している、また旅館組合においても同趣旨の申し合わせをしており、各旅行代理店でも博覧会時の宿泊料金について前年並みの契約をしていると聞いており、来県者の方々に迷惑をかけることはないと考えている、また宿泊施設の確保について、博覧会の関係者等についてはリゾート博協会や各部局で現在取り組んでおり、一般来場者については各旅行会社に、例えば紀南の観光地と組み合わせた商品企画をお願いするなど、広域的に対処をしなければならないと考えているとの答弁がありました。
 また、外国からどのような形でリゾート博へ参加されるのかとただしたのに対し、国際リゾート館への出展については、県内市町村等の友好姉妹提携都市からのイベント参加のほかに各国政府観光局を通じ十六カ国からの出展を予定しているとの答弁がありました。
 次に、アメリカ、メキシコ等、海外から来られる人の宿泊対策は万全かとただしたのに対し、海外からの賓客や県人会の皆さんの宿泊については県が要望等を聞いて適当な施設の確保に努めており、現時点においては予約がとれている状況であるとの答弁がありました。
 続いて、和歌山市側の駐車場確保と比べ海南市側の場外駐車場対策はどうなっているのか、また駐車場は有料かとただしたのに対し、海南市側の車については会場内四千台の駐車場の優先使用等も考え対処していくとともに、海南市側でも一部民間地を借用し場外駐車場を確保する、また駐車場料金は会場内については一日単位で有料であり、会場外についても会場内より多少安くなるが有料であるとの答弁がありました。
 さらに、世界リゾート博モニュメント建設事業の内容について、また開催までに間に合うのか、通常の入札等を行うのかとただしたのに対し、世界リゾート博が開催されたことを長く後世に伝えるため博覧会の象徴として設置するもので、計画としては高さ二十メートルぐらいでステンレスを材質とし、できれば音楽を流せるようなものにしたいと考えている、またモニュメントは通常の入札になじまないので実績のある芸術家にお願いする予定であるとの答弁がありました。
 このほか、世界リゾート博を盛り上げるため議会として前売り券を購入し近隣の他府県議員へ誘致などの働きかけをすることについて、議長に報告した上、会派代表者会議で協議願いたいとの意見がありました。
 企画部関係では、南紀白浜空港跡地利用懇談会開催事業についての予算額、過去に予算化されていないか、有識者とはどんなメンバーか、また昭和六十二年の質問に対し、国際文化リゾート基地の形成を目指し空港環境に調和したものを検討すると答弁されたが、まだできていないのかとただしたのに対し、予算額は二百九十万四千円で、平成四年度から五年度までは県勢活性化推進政策調整事業で跡地利用に関する基本理念等の検討を行ってきたが、今回、跡地利用の具体的な検討をするための事業予算としてお願いしていること、そして現下の経済情勢のもと、民間活力の活用を図る観点から有識者等を中心に地元関係者を含めて人選していく方針であるが、具体的にはまだ決まっていない、また白浜町も参加する中で検討を続けてきたが、具体的な利用計画までには至っていないとの答弁がありました。
 次に、和歌山大学理工学部設置のスケジュールをただしたのに対し、平成六年度に和歌山大学内に新学部創設準備室が設置され、文部省との間で学科やカリキュラム等の具体的な協議を行っていくと聞いており、現時点では何年度開学かは未定であるが、早期開学に向けて働きかけていくとの答弁がありました。
 次に、今回の米問題の状況についてただしたのに対し、県では従来から生活関連物資の調査を実施しているが、米については対象外であり食糧事務所が直接実施してきた、しかし、今回は経済企画庁の物価モニター六十六名により特別価格調査を十一月から実施しているほか、食糧事務所の調査はスーパーマーケットが対象外であるため、補完する意味で県職員により調査を実施している、こうした中で県消費生活センターに寄せられた苦情、相談については、昨年九月から本年三月十六日までに計四十二件あり、内容で一番多かったのは値上げの問題で二十件、店頭に米がない六件、抱き合わせ販売五件、米の品質の安全性の問題等となっている、これらの調査や苦情の状況についてはその都度指導監督の立場にある食糧事務所や農林水産部へも報告し、改善するよう要請しているとの答弁がありました。
 次に、健康ふれ愛和歌山計画における総合健康福祉棟に関する質疑があり、保健・福祉関係の単なる寄せ集め施設とならないように、今後、保健環境部や民生部とも十分協議し調整を図るよう意見、要望がありました。
 次に、今後のリゾート整備は小規模リゾートに向かうのかとただしたのに対し、グリーンツーリズムが世界の潮流の一つと言えるが、和歌山のリゾートのあり方として海洋型、山岳高原型、都市近郊型の三つのタイプがあるという考えに立ち、民活導入を柱とするリゾート法に基づき海岸部を対象に燦黒潮リゾート構想を策定し、並行して内陸リゾートにも取り組んでいる、また地域活性化の手法として、民活型リゾート整備とあわせ、グリーンツーリズムに代表される農山漁村型の小規模リゾート整備にも取り組んでいきたいとの答弁がありました。
 次に、六年度予算の紀の川流域水源地域整備振興事業補助事業についてただしたのに対し、紀の川分水に当たり大阪府から地域整備協力費が昭和六十三年度から平成四年度までに六十五億五千万円が財団法人紀の川水源地域対策基金を通して支払われている、一方、きめ細かい流域整備を実施するため県が紀の川流域水源地域整備振興事業補助事業により平成二年度から毎年四億円の予算で流域市町が実施する事業に助成しているとの答弁がありました。
 また、各市町ごとの額及び配分比率を決める根拠についてただしたのに対し、市町間の差を少なくするよう共通部分と人口及び流域面積を考慮した部分により算定した、また算定方式について国の要綱等はなく、県の算定方式であるとの答弁がありました。これに関連して、配分については適正に対応されるよう要望がありました。
 また、大阪府からの分水協力金を使って実施した事業については住民にPRの必要があること、府県間道路についても、整備の進んでいる道路もあるがおくれている道路もあるため、土木部とも協調して事業促進を図るよう要望がありました。
 次に、一〇三系電車の紀勢線への導入についての県の考え方をただしたのに対し、都市圏への通勤電車の運行範囲を拡大していくため、乗車定員の多い通勤型車両への置きかえをJR西日本において検討しているところであり、課題もあるが、阪和線─紀勢線の直通運転電車の拡充、混雑の解消による利便性の向上が図られることにもなるとの答弁がありました。
 次に、野上電鉄の廃止に伴うバス転換に当たり、定時性の確保及び海南駅前までのバス乗り入れについてただしたのに対し、四月一日から一日二十八往復のバスが運行されるが、定時性の確保、混雑の緩和対策については海南市においてバスの試験運行を行うなど、地元一市二町、土木部も含め協議を行っている、また海南駅へのバス乗り入れについても関係機関と協議をしていきたいとの答弁がありました。
 続いて、九月に関西国際空港が開港すると関西国際空港対策室のあり方が変わってくると思うがどうかとただしたのに対し、九月四日に関西国際空港が開港するので、関西国際空港関連地域整備計画を見直していきたい、また関西国際空港は海上空港であり公害のない空港であるが、騒音問題等も見きわめていかなければならないと考えているとの答弁がありました。
 次に、コスモパーク加太に関し、本会議で総合運動公園等の話があったが、総合運動公園には大きな室内競技場が必要であり、操車場駅跡地の多目的ホールとの関係はどうかとただしたのに対し、かねがね議会から種々ご提言をいただき検討しているところであり、総合運動公園等についてもこれから詳細に検討していきたいとの答弁がありました。
 また、推進機構はこれからどうなるのかとただしたのに対し、今後も推進機構のノウハウを活用して土地利用、施設立地計画の策定等を進めていきたいとの答弁がありました。
 また、これに関連して、コスモパーク加太に何をつくるのか、軽々に思いつきでやらないように、例えば議会、企業、有識者等で協議会、懇談会を組織し、意見を出し合ってどうすれば県のためになるかを考えるべきだとの意見がありました。
 このほか、関空への鉄道アクセスに関し、県民の利便性のためには朝夕のラッシュ時だけでなく他の時間帯も同一ホーム乗りかえができるよう、また県内で携帯電話が通じないところが多いが、通話できる地域の拡大に努めてほしいとの意見、要望がありました。
 総務部関係では、私立学校の生徒や園児に対する授業料軽減補助額についてただしたのに対し、私立高校の生徒一人当たり二万円を、私立幼稚園の園児一人当たり六千円をそれぞれ補助し、補助単価は変更していないとの答弁がありました。
 次に、リゾート博開催中の県職員の動員は何人ぐらいの見込みになるのか、また動員のため本来業務に支障が出て県民サービスが低下することはないのかとただしたのに対し、動員の人員数については現在関係部局で調査を行っているが、本来業務に支障の出ないように対応し、職員にも参加意識を持つよう配慮していくとの答弁がありました。
 続いて、女性の幹部職員が少ないが、能力の発揮できる職場を開拓し、幹部職員になるための経験をさせるなど、積極的に女性の登用を図るよう意見、要望がありました。
 次に、これからの東京事務所のあり方についてただしたのに対し、東京事務所の業務は予算対策時等一時的なものではなく、常時各省庁からの情報収集や地元の実情の説明等、一年間を通して働きかけが重要であると考えており、今後とも日常の活動の積み重ねが重要であることを認識し、各部局とも協議をしながら積極的な対応をしていきたいとの答弁がありました。
 次に、六年度予算において、国の財源措置のある起債の額と割合及び六年度末の残高や国の財源措置のある起債割合等についてただしたのに対し、起債の額は約六百二十億円の発行を予定しており、歳入に占める県債の割合は一一・六%となっているが、近府県を比較しても高くなく、全国的な趨勢であり、景気対策、社会資本整備等、必要な事業への積極的な対応を図っているところである、また、総額六百二十億円のうち交付税措置のあるものは五百五十八億円、約九割程度となっており、国の財源措置のある起債を有効活用している、六年度末の県債残高は約三千七百六十三億円となり、このうち同様の交付税措置のあるものは八割程度となる見込みとの答弁がありました。
 次に、身体障害者に対する自動車税等の減免についてただしたのに対し、本年四月一日から三ナンバー車についても限度額を設けて適用対象とするとの答弁がありました。
 次に、県と市町村の職員交流についてただしたのに対し、市町村実務研修生受け入れ制度は昭和三十五年から実施しており、これまで二百名程度受け入れを行っている、この制度は市町村においても好評を得ており、これまでの研修生の中では現在、市町村の収入役や部長級になっている人もいる、よい制度であるので今後ともぜひ継続していきたいとの答弁がありました。
 続いて、国体道路から医科大学移転地への進入路についてただしたのに対し、進入路について和歌山市と種々協議をしており、平成六年度に道路計画を作成するように聞いているとの答弁がありました。
 このほか、医科大学附属病院の紀北分院について、医科大学及び附属病院本院が整備されても分院が現状のままであれば、医科大学から分離されるのではないかという地域住民の心配などもあるので、今まで紀北分院が医科大学に貢献してきた歴史や背景を忘れず、大学としての位置づけを再認識して紀北分院の充実を進めるよう要望がありました。
 以上のような審議の結果、採決に入りましたが、当委員会に付託されました議案のうち、議案第一号、議案第七号、議案第十号、議案第四十八号、議案第五十五号、議案第六十号及び議案第六十三号については賛成多数をもって、その他の議案については賛成全員をもって、原案どおり可決すべきものと決し、知事専決処分報告報第一号は賛成全員をもって承認すべきものと決しました。
 また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、継続審査分、議請第四十五号は継続審査を要するものと決した次第であります。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切なるご決定をお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 決算審査特別委員会委員長中村利男君。
 〔中村利男君、登壇〕(拍手)
○決算審査特別委員会委員長(中村利男君) 決算審査特別委員会における審査の経過並びに結果について、ご報告申し上げます。
 当委員会は、昨年十二月定例会最終日の十二月十七日に設置され、同定例会に提出された議案第百四十六号平成四年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを閉会中の継続審査として付託されたものであります。
 委員会は、同定例会の閉会直後、議長招集により正副委員長の互選が行われ、委員長に私が、副委員長に小川武委員がそれぞれ選出されました。
 審査は、一月七日、十三日、十四日、十七日、十八日及び十九日の六日間にわたり行いました。
 まず初日に、出納長から決算概要、代表監査委員から決算審査意見書の内容についてそれぞれ説明があり、総括質疑を行いました。二日目からは、各部局別の審査を行いました。
 各委員からの質疑、意見、要望等の主なものは、次のとおりであります。
 知事公室関係では、公聴事業についてどのような施策が行われているのか、広報と公聴の予算配分はどうなっているのかとただしたのに対し、県内向けの事業としては県政モニターを百五十名委嘱しており、県政バス教室についても平成四年度は六十七台実施し、知事ふれあい訪問も実施している、一方、県外からの声を幅広く聞くため県外公聴推進委員会を設置し、紀の国大使として九名を委嘱している、また公聴予算は広報公聴予算全体の約五%であるとの答弁があり、委員からは、県民の声を聞くために公聴事業予算が少ないのではないか、「県民の友」等に積極的な参加を促すコーナーがあってもよいのではないかとの意見がありました。
 次に、浜口梧陵翁記念館の建設など先人の顕彰についてただしたのに対し、先人の偉業を後世に受け継いでいくことは大切なことであり、各方面の意見を聞きながら取り組んでいるところであるが、地元の盛り上がりが重要であり、地元の熱意も含みながら今後より一層取り組んでいきたいとの答弁がありました。
 次に、世界リゾート博がどういった形の県民総参加で進められているのか、入場券の売れ行きは順調と聞いているが、博覧会を見に行くという認識だけでは県が主催するリゾート博にとどまるのではないかとただしたのに対し、県民総参加がリゾート博成功のかぎとなると認識している、県民参加の機会としては、ボランティアとしての参加、郷土芸能の紹介や市町村のPRを行う市町村デーへの参加、県の物産面をPRするための和歌山プラザへの参加、イベント等への各種サークルの参加等があり、県民が何らかの形で参加し、博覧会を盛り上げていただけるよう考えているとの答弁がありました。
 このほか、南方熊楠記念館の運営補助等について質疑がありました。
 総務部関係では、総務管理費の中から県立医科大学特別会計へ毎年繰出金があるが、平成四年度の繰出金額は幾らであったのか、また傾向としては毎年同じような金額なのかとただしたのに対し、四年度繰出金額は五十一億六百八十一万九千円で、おおむね毎年五十億円前後であるとの答弁がありました。
 委員からは、医科大学の和歌山市紀三井寺への移転整備の問題もあるが、毎年五十億円程度繰り出しているような形は永久的に続いていくのか、移転整備されるとなくなるのか、一般会計から特別会計へ繰り出している金額を累積すれば相当な金額になる、経営診断的な要素もあるだろうが、県行政として医科大学と改善に向けて話し合われているのか、考え方はどうかとただしたのに対し、非常に大事な問題で、普通の公立の病院では不採算部門なども運営しなければならないので、繰り出し基準というのがあるが、実際問題として薬価基準や診療報酬問題等により運営がうまくいかない部分が多いというのが一般的な例ではないかと思う、医科大学では大学と病院が一緒になっているので公立病院と同様に話はできないが、少なくとも病院部分については同じような問題がある、附属病院は建物は古いが県内の中核的な病院として利用人数が多いということもあり、毎年予算の編成時期に財政当局と医科大学の予算執行が適正であるかについて詳細な話をしており、全く制限なくお金だけ出しているわけでもない、今後、大学や病院が新しくなる中で非常に大事な問題であり、また繰出金のあり方も考え直さなければならない部分もあるので、そのあたりも含めて将来お互い必要な額を検討し繰り出していくという形にしていきたいとの答弁がありました。
 次に県税の収入未済額については、その主なものは県民税、事業税、自動車税及び不動産取得税であるが、どういうケースか、徴収困難だからということで残っていると思うが具体的にはどうかとただしたのに対し、収入未済額は個人県民税が約十一億八千三百万円、不動産取得税が約六億四千九百万円となっており、個人県民税については市町村と共同徴収を実施し歳入の確保に努めている、不動産取得税については三年度から滞納繰り越し縮減強化事業を実施している、徴収困難な大口滞納の関係は差し押さえ、交付要求、執行停止という形で残っており、五百万円以上の大口滞納分で約三億円前後残っている、自動車税についてはその大半が廃車したもの、車検切れで更新していないものであり、不動産取得税については取得後すぐに転売され財産がないといったものが具体的な事例である、個人県民税については八団体と共同催告や共同徴収を実施しているとの答弁がありました。
 関連して委員からは、新聞報道に係る市税の滞納についても県は指導してもらいたい、また事前防止チェック体制についても検討してもらいたいとの意見がありました。
 次に、消防団員の減少と高齢化にかかわって団員の処遇改善対策と団員報酬への助成についてただしたのに対し、消防団員の減少、高齢化は全国的な問題となっている、本県においても消防団の活性化に取り組んでおり、その方策として消防団の装備の充実強化、住民の理解と協力を得るための積極的な広報活動、消防団組織の充実等を図る必要があると考えている、団員の報酬や出動手当は地方交付税により措置されており、県の助成はされていない、またそれぞれの市町村の財政事情により交付税措置額に満たないのが実情である、装備については国費及び県費の補助事業等により充実を図っているとの答弁がありました。
 委員からは、消防団員は災害から人命及び郷土を守るために献身的な活動をされている、少しでもこれに報いるため県としても何らかの助成措置をすべきではないか、団員確保のためには県職員等の公務員も入団してはどうか、自衛隊を除隊された方々を受け入れできるシステムの改善を、また県単独のやる気を起こすための体制の見直しはどうか等についても意見、要望が出されました。
 このほか、救急救命士の養成と高規格救急自動車配備による救急救命制度二十四時間運営体制の充実、米軍機の低空飛行訓練状況把握と低空飛行訓練中止に係る近隣県との合同要請等、行政サイドの実効ある対応、県職員定数削減に係る住民サービス低下の懸念等について質疑、意見、要望等がありました。
 企画部関係では、世界リゾート博の交通輸送対策について、交通渋滞により会場内への物品の搬入等が困難となるのではないか、道路が混雑するのであれば海上輸送が考えられないかとただしたのに対し、輸送対策については世界リゾート博交通対策連絡協議会を設置し検討を行っているところであり、会場への物品の搬入、搬出については博覧会の開門前と閉門後に行う予定と聞いており、道路の整備計画を踏まえ、バスの利用、場外駐車場等、交通輸送対策については万全を期していきたい、また会場への海上輸送については、一般旅客について和歌山港及び和歌浦漁港からはシャトルボートの運航をそれぞれ検討しているとの答弁がありました。
 次に、御坊田園テクノタウン構想の現状と将来的な見込みはどうかとただしたのに対し、構想の実現については、高速道路の整備、理工科系大学の存在、ハイテク産業の集積という条件が必要であり、当面の課題としてはハイテク産業の一定の集積が求められているため、現在、企業局において産業集積の受け皿として御坊第一、第二工業団地を造成しており、その中に企業立地を図っていきたいとの答弁がありました。
 次に、関西国際空港開港に伴いJRでは車両の配置転換を行い、紀勢線、和歌山線に旧型の車両が導入されると聞いているが、どう対応しているのかとただしたのに対し、現時点ではそのような計画は聞いていないが、関西国際空港へのアクセスについてはかねてから利便性が確保されるよう要望を続けているところであり、今後ともサービスの充実の問題も含め、JRと意見交換を行い要望していきたいとの答弁がありました。
 このほか、地方バス・鉄道の運行助成状況、国土利用計画法による無届け土地取引に対する処理、水需給調査に係る予測手法の考え方、県民相談の内容、和歌山操駅跡地利用計画の進捗状況、土地利用対策事業及び地籍調査事業等の事業概要、野上電鉄問題等について質疑、意見、要望等がありました。
 民生部関係では、生活保護の実態がどのような状況にあるのか、生活保護の実施について不正受給防止をも含めどのような指導をしているのかとただしたのに対し、生活保護の実態については、平成五年度の受給状況は世帯数で五千五百七十世帯、受給者は八千百十名であり、保護世帯数の九〇%以上を高齢者、障害者、傷病者世帯が占めている、また生活保護の実施については不正受給が起こらないよう福祉事務所等に指導を行うとともに、低所得者との比較においても均衡を失しないようにその適正な運営を図っているとの答弁がありました。
 次に、出生率が低下しているが、安心して子供を産めるにはどうしたらいいのか、子供をたくさんつくることが国のため県のためという考え方がなければならない、このままでは高齢化社会を支え切れないのではないか、今から子供を産み育てていく県職員からも意見を聞き、またしっかり考えてもらう必要があるのではないか等の質疑、意見に対し、庁内に子育て環境づくり連絡会議を設置し、その対策について取り組んでいるところであり、また、県民の意見を聞くため有識者等で構成する和歌山県子育て環境づくり推進協議会を設置しており、少子化の原因や影響、またその対策についての提言を平成六年度にいただく予定となっており、引き続き取り組んでいきたいとの答弁がありました。
 次に特別養護老人ホームの入所について、待機者の状況はどうか、家庭等の事情により急を要する場合の措置はあるのか、入所措置に当たっては設置されている町村が優先されているのではないか、県としての基本的な考え方はどうかとただしたのに対し、待機者は平成五年度四月現在で四百六十三名あり、これの解消については平成十一年を目標年とした和歌山県老人保健福祉計画に沿って施設の整備を進めていくとともに、施設入所者が少なくなるよう在宅福祉サービスも充実していきたい、また急を要する事情のある措置については、民生委員、医師、保健婦等で構成される入所判定委員会で配慮されていると考えている、また特別養護老人ホームを設置していない町村が幾つかあるが、入所措置に当たっては県域ブロックの広域利用を図っていくのが基本的な考え方であるとの答弁がありました。
 このほか、母子寡婦福祉資金未償還金の償還免除、母親クラブ子供クラブ育成事業の補助対象、心身障害者小規模作業所の運営補助年金の加入状況と未加入者の適用促進、国民年金基金の代議員選挙の方法、改良住宅の払い下げ等について質疑、意見、要望等がありました。
 保健環境部関係では、看護婦充足体制で、現在の看護婦不足状況とナースバンク登録者数の動向及び今後必要とされる充足対策の内容、並びに県下の看護体制の見直しに取り組むためのプロジェクトチームの設置の必要性についてただしたのに対し、平成十二年を展望した需給見通しでは九千七百七十六人の需要を見込んでおり、平成四年十二月における就業者数は七千七百二十九人で約二千人の不足を生じることとなるため、来年四月、紀南に看護婦養成所を、平成八年には看護短大の設置に向け取り組んでいるところである、ナースバンクの登録者数は平成三年で三百六十六人、平成四年で二百九十人と減少しているが、ナースバンクからの再就業者が増加したことに伴うものである、プロジェクトチームの設置については既に庁内組織及び県地域医療協議会で看護職員専門委員会を設置し、県全体のバランスを考慮した養成のあり方等の検討を行っている、また、離職者防止のための看護環境整備の改善、再就業促進のためのナースバンクの充実を図っていくとの答弁がありました。
 関連して委員からは、県下における理学療法士数について質疑があり、那賀郡を含めた紀北地域への看護婦養成所設置について要望がありました。
 次に、老人保健推進事業における各種検診の目標値についてただしたのに対し、保健事業第三次計画の中で、平成十一年度で基本健診は五〇%、その他の検診は三〇%の目標値を設けている、平成四年度における各検診の受診率は基本健診二〇・二%、胃がん一三・七%、子宮がん一八・八%、乳がん一四・一%、肺がん二二・五%である、また基本健診の受診率は年々増加しているが、胃がん検診については過去三年間同率となっているとの答弁がありました。
 関連して委員から各種検診の受診率向上に対する対策が必要ではないかとただしたのに対し、受診率の伸びない原因の一つとして地域住民に浸透していないことも考えられるが、啓発活動としては昭和六十一年度よりフォーラムやセミナー等を実施しており、平成六年度には個々の市町村の状況を聞きながら個別指導を実施していきたいと考えている、また基本健診の受診率は全国ワーストワンであるので、この状況からの脱却に向け努力していきたい、今後とも受診率の向上のため新たな方策を関係機関と協議しながら進めていきたいとの答弁がありました。
 次に、廃棄物等の処分について今後どのような対策を講ずるのか、また一般廃棄物における事業系及び家庭系の排出量の割合と市町村における再資源化に対する取り組み状況についてただしたのに対し、住友金属西防埋め立て処分は平成八年八月に終了することになり、現在フェニックス計画に参加するための準備を進めている、建設廃材等の利用促進については資源の有効利用等も含め関係部局と協議していきたい、また、一般廃棄物の事業系並びに家庭系の割合は現在では把握が困難である、再資源化については県下市町村等の計画収集量は約三十五万トンで、そのうち古紙、缶及び瓶類等を約九万トン資源ごみとして分別収集処理されているとの答弁がありました。
 関連して委員からは、かつらぎ町天野地区産業廃棄物処分場設置反対問題、紀南地域における処分場の将来計画について質疑があり、産業廃棄物における有害物の安全管理を図るため早急に実態を把握し適切な指導体制の強化と一般廃棄物の事業系と家庭系の割合について把握するよう要望がありました。
 このほか、衛生費国庫負担金の減額補正の理由、成人病予防についての受診状況、酸性雨の測定状況及び酸性雨に係るガイドライン等作成への取り組み並びに環境基本条例制定への検討、小型合併浄化槽設置に係る放流同意の必要性、地下浸透型浄化装置への見解、下水道推進に係る関係機関の協力要請等について質疑、意見、要望等がありました。
 商工労働部関係では、景気が低迷している中で高度化事業の償還における問題点に「ないそでは振れない」との風潮があるように聞くが、これらに対する抜本的な対策を講じるべきではないかとただしたのに対し、現在、多くの未償還が出ているが、当初、協業組合等で計画した時点と社会経済情勢が大きく変化していることも大きな原因の一つになっており、できる限り計画どおりの償還の指導をしている、中でも中小企業診断士等により企業の経営診断等を行いながら経営の改善を指導し、分割納入額の引き上げ等を指導しており、個々の実態を見きわめながら対応している、また償還意欲向上のために年三回の強調月間を設けて各企業の指導を行っており、今後とも産業の振興、雇用の安定等を勘案しながら、法的な措置も辞さない、貸した金は返していただくという基本的な姿勢のもとに取り組んでいきたいとの答弁がありました。
 関連して、平成四年度における設備近代化資金の業種別の貸付状況及び高度化資金の貸付状況、並びに全額償還された組合の業種について質疑がありました。
 次に、県営競輪事業特別会計における亡失額二億一千六百八十七万六百四十円、並びに歳入と歳出額の差二十億六千七百三十三万七千八百二十九円の経理上における処理についてただしたのに対し、決算処理は事件発覚時の日の属する年度で処理をせざるを得ず、決算額については横領事件がなかりせばという前提に立って決算額を確定し、横領金額についてはそれだけの金額が不足している旨を欄外で明記している、二億一千六百八十七万六百四十円の後処理については平成六年二月の補正予算の時点で処理する予定としており、処理の詳細は現在検討中である、歳入と歳出額の差については本来一般会計に繰り入れるところであるが、平成五年度で競輪場の特別観覧席の新設を行うためそのまま特別会計の中に繰越金として残し、それを財源として新設したいとの答弁がありました。
 このほか、経営指導員の配置状況についての質疑並びに質の向上対策への要望、保証協会における信用補完制度等について質疑、意見、要望等がありました。
 農林水産部関係では、関西国際空港関連事業での農林水産部の取り組み体制はどうなっているのか、また食材供給の面では成果が出ているのかとただしたのに対し、総合的、系統的な事業については農林水産企画課が窓口になって企画立案や総合調整をしており、個々の問題に関しては中長期計画に基づき部内各課がその対応について努力をしている、県産物の供給については関西国際空港関連の機内食四業者に対して採用を要請しており、県産ミカンジュースについては採用が明るい見通しではある、カット野菜等、一次加工品の供給についても強く働きかけを行ってきたが、カット野菜工場については採算性等の問題もあり、関西国際空港の後背地需要も含めて今後さらに検討していきたい、また空港ターミナルビル内において県産物のPRと販売をしていきたいとの答弁がありました。
 委員からは、臨空農業に対する農産物流通センター等の流通機構の確立の必要性について強い意見がありました。
 関連して委員から、臨空農業に対する具体的な取り組みとしての野菜工場方式の導入、和歌山市中央卸売市場の改善指導及び関西国際空港周辺都市への流通対策、白浜空港の臨空農業対策、関西国際空港への緑化木の供給及び林産物、海産物の販売計画についての質疑、要望等がありました。
 次に、ミカン価格が低迷している中で、特に加工柑対策をどう考えているのか、技術面や流通対策等の問題もあると思うが、このままではミカン農業は衰退していくのではないかとただしたのに対し、五年度は長雨等の異常気象の影響でミカンの出始めに糖度が低かったことから生果の価格が低迷した、加えてジュース原料柑については果汁の輸入自由化等の影響で国産ジュースの消費が伸びないため農家の出荷調整がなされている、この対策としては、熟選工房といった高品質ジュースの生産や工場経営の合理化に努めるとともに、摘果等による生果の需給バランスや高糖系品種の導入、さらに品種構成の見直しによる出荷のピークの分散等、高品質低コスト生産に努めていく必要がある、またミカン等の県内農産物の消費拡大のため、東京及び大阪の市場関係者との懇談会等により販売促進を推進してきた、今後、味一ミカン等の高品質果実の生産拡大、傾斜地農業の基盤整備、消費者ニーズに即応した生産体制等検討していく必要があると考えているとの答弁がありました。
 次に魚礁設置事業について、魚礁の効果はあるのか、また白浜に密入国した中国船の処分については魚礁に利用するよう検討をしてはどうかとただしたのに対し、魚は天然礁や人工礁に集まり、魚礁一立方メートル当たり二・八キログラムから七キログラムの漁獲実績があると報告されている、中国船の問題は現在検察庁で処理について検討がなされており、魚礁等への利用についての照会もあり、検察庁と相談しながら対応していきたいとの答弁がありました。
 このほか、農機具共同利用組合の農機具利用状況、女性をたたえるための農林業まつり等での表彰、若者定住促進交付金制度創設、施設園芸のための運転資金の充実、農業後継者対策、林業担い手対策、梅衰弱症等に係る試験研究機関の設置、農業集落排水事業の取り組み、浄化槽推進に係る水利権者放流同意、紀の川水源地域対策基金交付金、漁協の養殖場沖出しによる汚濁の問題、根付魚の種苗生産等について質疑、意見、要望等がありました。
 土木部関係では、湯浅御坊道路の吉備町─広川町間は世界リゾート博までに間に合うのかとただしたのに対し、間に合うよう建設省に対して要望している、物件の移転がおくれた影響により現在突貫工事を行っているところである、今後、油断することなく進捗を見守りながら督促していくとの答弁がありました。
 次に、関西国際空港との関連において、府県間道路と京奈和自動車道との計画の位置づけはどうなっているのかとただしたのに対し、府県間道路については関西国際空港のインパクトを最大限に受けられるよう整備を進めている、京奈和自動車道はより広域的な道路であり、高速道路の骨格として必要である、今後、府県間道路については県で、京奈和自動車道については国あるいは公団で、それぞれ分担して整備していきたいとの答弁がありました。
 委員からは、関西国際空港と京奈和自動車道との関係を明確にし、高速道路により本県と関西国際空港を直接結ぶことが大事であるとの意見がありました。
 次に、県営住宅の未収金に対してどのように取り組んでいるのかとただしたのに対し、家賃滞納状況は、平成五年十二月末現在では過年度未収額七千四百十二万一千百十九円のうち一千五百七十二万五千八百七十九円を徴収しており、現在、五千八百三十九万五千二百四十円の未収となっている、滞納者への対応については、文書督促はもちろんのこと、職員及び委託管理人が昼夜を問わず戸別訪問している、今後もなお一層強化し、法的措置を前提とした督促催告等を従前以上に実施し、集中的に滞納整理に当たっていきたいとの答弁がありました。
 委員から、家賃滞納整理の難しさは理解できる、担当だけの問題ではなく職員全体、県全体の問題と考え取り組んでほしいとの意見がありました。
 このほか、職員の人事異動、官民境界確定の際の土地所有者説明資料の作成、半島振興道路整備事業成果、橋梁重量規制緩和に対する対応、交通安全施設等整備事業、紀の川水源地域対策基金交付金、マリーナシティの一般利用、換地清算徴収金等について質疑、意見、要望等がありました。
 教育委員会関係では、いじめについて、昨年末の新聞報道によると小学校、高等学校は五%の減少、中学校は十数%の増加と発表され、データでは減ったとあるが現実には実態がわからないのではないか、現実にはなくなっていないと思うが、本県の実態はどのようになっているのか、主たる原因はいろいろあると思うが、学校における教員の指導力に問題があるのではないかとただしたのに対し、いじめの件数は平成四年度小学校で五十二件、中学校で百二十三件、高等学校で十九件、合計百九十四件となっている、件数は平成元年度二百八十六件、平成二年度百九十八件、平成三年度百七十八件と減少してきていたが、平成五年度はまたふえる傾向にあり予断は許さない状況にある、いじめとは言葉のおどし、冷やかし、仲間外れ等、自分より弱い者に一方的に心理的、継続的に行われるものである、教育活動全般の中で人権尊重という観点から指導をしているが、今までは知識を教えるのがよい教員であった、しかし今後、人権に対する教員の研修をより深めていく必要があると考えており、現在、教育相談の充実、高校生集団宿泊の実施、校種間を超えた生徒指導研究協議会や自然教室推進事業などにより仲間意識をはぐくむよう指導しているところであるとの答弁がありました。
 委員からは、いじめをなくす対策の方法論は、心理的なことだけではなかなか直らない、子供は未完成で社会体験はない、学校の中で子供一人一人を指導することが大切である、そのためにも教員の人権意識を高めるいわゆる人間教育が大事である、教える側の人間的成長、豊かな人間性を深めていくことなしに根本的な解決はないと思う、豊かに成長していく教員の姿に子供は大いに感じるものであり、安心できる環境をつくることが学校の責任である、このことから教育委員会の考え方を現場に十分浸透させる体制づくりに努めるようにとの意見がありました。
 次に、教育というのは単に教えるというのではなく、実生活の上でそのことを感じなければならないもので、そういった観点からして障害者の問題を配慮しながら、もう少し教育行政の中でも進めてもらいたいがどうかとただしたのに対し、教育委員会が所管している中で障害児教育に係る教育施設等については全国に誇れる養護学校の設置を適正配置していると考えている、また現在建築中の新美術館、新博物館についても障害者用のエレベーター、スロープの設置を十分配慮しているところであるとの答弁がありました。
 委員からは、人権教育の観点から同和教育、障害者教育、外国人への配慮等、弱者の立場に立った総合的な人権教育を積極的に進めるよう意見がありました。
 次に生涯学習について、県民にはどのような教育の機会があるのか、また広報をどのようにしているのかとただしたのに対し、現在、生涯学習社会の構築を目指すためにも、市町村においては公民館活動等を中心にさまざまな広報媒体を使い創意工夫をし広報をしている、県においては県及び市町村の各種事業等を紹介する生涯学習情報誌「フレッシュきのくに」を年三回、各六千部を各関係機関へ配布するとともに、県内全市町村とネットワーク化している学習情報提供システムを使い各種の情報提供を実施している、今後とも関係機関と連携を深め、各種の広報活動のあり方等も含め研究していきたいとの答弁がありました。
 関連して委員からは、新博物館についても指定文化財や館蔵品等を積極的に展示するとともに、県内で県民の方々が身近に鑑賞してもらえる場や方法についての意見がありました。
 このほか、資質をも含めた教員の確保と採用について、外国青年招致事業の成果と国際化について、質疑、意見、要望等がありました。
 公安委員会関係では、初めに暴力団対策法施行後の取り組みの成果と県暴力団追放県民センターの活動状況及び県下の暴力団組織の現状についてただしたのに対し、暴力団対策法施行後、警察の総力を挙げた取り締まりを推進した結果、県下の暴力団四団体約百十人を減少させたほか、昨年まで暴力団対策法に基づく中止命令を十二件執行した、また県下で暴力団対立抗争は一件も発生していないなど成果を上げている、県暴力団追放県民センターにおいては暴力団に関する相談活動や暴力団追放のための広報、啓発活動に重点を置き、事業の推進を図っている、また、法施行後二回にわたり暴力団追放県民・市民大会を開催し、二千名に及ぶ県民の参加が得られるなど大きな反響があった、県下における暴力団は約五十五組織、構成員は約六百五十人を把握している、うち山口組は五十二組織、約六百三十人で山口組の寡占化が顕著であるとの答弁がありました。
 委員からは、反社会的団体である暴力団を壊滅するための対策と暴力団相談活動の実態についてはどうかとただしたのに対し、組織の壊滅を図るため、取り締まりの徹底、法の効果的運用、暴力団排除活動の三点を重点に総合対策を推進するとともに、暴力団壊滅を妨げる要因となっている暴力団を容認し利用するという社会の風潮をなくすための諸対策を推進している、平成五年中に警察や県暴力団追放県民センターに寄せられた暴力相談は約百五十件あり、それぞれ対応要領を指導するなど適切に措置するとともに、このうち五件八人の暴力団構成員を検挙しているとの答弁がありました。
 このほか、平成四年七月一日に施行された拡声機による暴騒音の規制に関する条例に係る右翼の暴騒音に対する指導、那賀郡青少年補導センターの体制強化、広域大型農免道路における信号機の早期増設設置、麻薬の密輸入などの水際対策等について質疑、意見、要望等がありました。
 以上のとおり、慎重審査の後、採決の結果、当委員会に付託されました議案第百四十六号平成四年度和歌山県歳入歳出決算は、賛成多数をもって認定すべきものと決しました。
 何とぞ、適切なご決定をお願いいたします。
○議長(宗 正彦君) 以上をもって、各常任委員会委員長及び決算審査特別委員会委員長の報告が終わりました。
 これより、委員長の報告に対する質疑に入ります。──質疑なしと認めます。
○議長(宗 正彦君) 次に、討論に入ります。
 まず、村岡キミ子君から反対討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 27番村岡キミ子君。
 〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 日本共産党県議団を代表いたしまして、上程された諸議案に反対の立場から討論を行います。
 まず議案第一号についてでありますが、深刻な不況の中で本予算案がどう県民の要望にこたえるかが問われるところであります。地方自治体としての一定の努力は見られるものの、県民に納得してもらえない問題も数々見られるところであります。
 昨年度も同じ趣旨で批判的討論を行いましたが、本年もやはり、マリーナシティの造成やリゾート博予算の突出が目立ちます。マリーナシティ造成は、本予算案で累計で五百六十億円を超える膨大なものとなり、県民の思いとはかけ離れた人工島となりつつあります。リゾート博も、県費の支出は累計百五十億円となり、その膨大な支出に懸念が表明されているところです。その宣伝費だけでも予算案では二億円を超え、モニュメント建設一億円と合わせて、他の福祉関係予算と比べて節約すべきものは節約すべしとの思いを強くするものであります。
 コスモパーク加太の失政のツケとして、今年度に続きまた十億円を超える融資が開発公社に対して行われることになっています。半ばやむを得ない措置としても、その財源が貴重な県民の税であることを思えば、失政の穴埋めに同意するわけにはまいりません。
 関西新空港等の負担金について言えば、本来この事業は国の事業であり、負担の地方転嫁を認めるわけにもまいりません。
 百億円を超すビッグプロジェクトとして多目的ホールの建設がスタートしようとしています。目下、コスモパーク加太に総合運動公園の機運もあり、その整合性を図るためにも、また財政的負担の大きさから見ても、慎重に対応すべきであろうと思います。
 このようなビッグプロジェクト関係予算に比べ、商工関係予算の相対的な貧弱さが目立ちます。建設事業に伴う市町村負担金については一定の軽減措置が行われてまいりましたが、なお一層の努力をしていただきますように要望しておきたいと思います。
 福祉関係予算について言えば、生活保護費が昨年当初より二億六千万円、そして補正予算についても二億六千三百万円余も少なくなっていますが、深刻な不況下で保護行政ももっと厚く行われるべきであります。
 障害者福祉に関しては一定の前進が見られますが、共同作業所等からの切実な声にこたえるべく努力を求めたいところです。
 高齢者福祉等についても一定の前進は見られるものの、高齢化が進んでいる本県の実態から見れば予算案は貧弱だと思います。
 また、議案第七号、十号、十二号、十三号、十八号はともに消費税の県民への転嫁が見られるところであります。認めるわけにはまいりません。
 議案第四十八号は県営住宅の使用料を値上げしようとするものですが、今、不況の中で県民所得の低下、雇用不安が増加している中、こうした時期に値上げは不適当だと思います。
 議案第四十一号は県立学校等職員の定数を削減する条例改定でありますが、児童生徒の減少により自動的に削減することには同意できません。今こそ、父母や教育現場からの「先生をふやしてほしい」という要望に積極的にこたえるべきだと思います。
 議案第百四十六号は平成四年度の決算認定でありますが、平成四年度予算案審議において指摘した問題点は結局克服されてまいりませんでした。したがって認定には同意できません。
 以上のことを申し述べまして、反対討論といたします。
○議長(宗 正彦君) 次に、宇治田栄蔵君から賛成討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 19番宇治田栄蔵君。
 〔宇治田栄蔵君、登壇〕(拍手)
○宇治田栄蔵君 私は、自由民主党県議団を代表いたしまして、この二月定例議会に提案されている予算関係議案並びに諸議案に対して、賛成の立場から討論を行うものであります。
 平成六年度は、県民の待望久しかった関西国際空港がいよいよ九月四日に開港され、またリゾート立県を目指す本県の中核施設であるマリーナシティでは世界リゾート博が七月十六日より開催されます。また文化施設の面でも、新美術館・博物館が開館の運びとなり、いわゆる三館構想が完成の年を迎えます。仮谷県政の十九年の中でも最も充実した実り多き年であり、県民に誇れる年であると言えましょう。平成六年度予算を見ておりますと、こういう仮谷知事の意気込み、熱意が真正面から伝わってくる思いがいたします。
 その第一は、現在の混迷する景気情勢を踏まえての積極的な予算編成であります。長引く不況は県税収入の三年連続前年割れという未曾有の状況を招来していますが、一方、それゆえに県、国を通じた前向きの予算措置が期待されるという財政的なジレンマが生じています。その中で、起債と基金をフルに活用して、全体として地財計画を上回る予算の伸びが確保されています。放漫財政であってはなりませんが、時期をとらえた真に必要な施策を行うに当たってはちゅうちょしてはなりません。
 平成六年度予算では、国の財源措置のある起債の最大限の活用とこれまでの歳出の削減、合理化の成果とも言うべき基金の大胆な取り崩しという果敢な措置がとられておりますが、私は、現在、和歌山県が迎えている申し上げたような状況にかんがみるとき、これらの措置を高く評価するものであります。
 第二に、予算の具体的な内容を見ましても、当面の課題、中長期的な課題、いずれに対しても適切な対応がとられていると考え、賛意を表するものであります。
 まず景気への対応ですが、平成六年度予算では県単独投資の三年連続二けたの伸びが確保され、金融面でも中小企業制度融資の融資枠が大幅に拡大されるなど、思い切った措置がとられています。景気の一刻も早い回復は県民のひとしく切望するところであります。既に議決をいたしております平成五年度の二月補正予算の執行と相まって、景気回復の効果が着実にあらわれてくることを期待します。
 また、世界リゾート博への対応についても、「県民総参加」の旗のもと、私たちのふるさと和歌山の持つすばらしい自然、歴史、文化を国内外の人に十分アピールするため、わかやま館の建設・出展を初め、適切な予算措置が図られているものと考えます。ぜひとも成功に導いていけるよう、さらなる努力を望むものであります。
 その一方で、交通網の整備、生活環境の向上、社会福祉・教育の充実等、県民生活の身近な分野についても十分な目配りがされ、着実に施策が進められています。これらの分野の充実なくして県勢の浮揚はありません。その意味で、これらの分野につき、めり張りとバランスのとれた予算になっている点は高く評価すべきと思います。
 このように見てまいりますと、平成六年度予算案は、現在本県の置かれている状況を十分踏まえ、極めて厳しい財政状況の中で財源面の工夫を凝らしつつ積極的な対応を図った予算であり、県民の期待に十分こたえ得るものと考えます。
 また、予算関係議案以外の議案についても、条例案件を初め、いずれもその内容については適切なものであります。この上は、以上の予算関係議案等に盛られた各般の施策の円滑な執行を図り、成果を上げていくことで県民の負託にこたえることが肝要であります。
 我々自由民主党県議団といたしましては、以上るる申し上げたような認識に立ち、今議会に提案されている予算関係議案並びに諸議案について、その早期成立を期するとともにその執行に最大限の努力を惜しまないことを申し上げて、賛成討論を終えるものであります。
○議長(宗 正彦君) 次に、上野山親主君から賛成討論の通告がありますので、これを許可いたします。
 35番上野山親主君。
 〔上野山親主君、登壇〕(拍手)
○上野山親主君 平成六年二月定例議会付託案件について、新生党開政クラブを代表して賛成の意見を述べさせていただきます。
 平成六年度一般会計予算案五千三百四十三億一千九百万円、特別会計予算総額九百九十五億三千六百九十六万円並びに企業会計予算総額五百五十四億二千八百九十五万九千円が今議会に上程されていますが、今、予算を取り巻く状況はまことに複雑であります。
 中央政界においては、細川新総理のもと、連立政権誕生以来初めての予算編成となっております。本県和歌山においても、全国的な例に漏れず、バブル経済崩壊後、税収が落ち込み、いまだ立ち直りの兆しの見えない景気状況となっております。
 その中にあって、仮谷知事初め財政当局の努力により平成六年度予算は国の財源措置のある起債の活用、各種基金の取り崩しによる財源確保に努め、やりくり上手といった予算編成となり、その結果、NTT債繰り上げ償還を除き、対前年度伸び率四・〇%、地方財政計画三・六%を上回るものとなっており、景気回復、県勢浮揚を念頭に置いた投資積極的予算と言ってもいいかと考えます。
 特に、予算において和歌山県の将来に対しての夢ある施策に積極的な投資がなされているのが特筆であると強く感じます。従来の交通網の整備はもちろんのこと、二十一世紀の陸・海・空にわたる新交通体系への取り組みも見られ、将来的に評価されるものだとかたく信じます。
 本年開催されます世界リゾート博については、県全体のたゆまぬ努力のもと、和歌山のイメージアップとともに経済波及効果も期待し、なおかつ国際化社会もにらみ、国際色豊かなイベントとして総合的な成功に一歩近づいたものと信じます。
 また、高齢化、過疎化の問題、教育、文化、社会福祉等の全般にわたり各分野の充実にも力が注がれているのが認められるところであります。例えば、本県の県民一人当たりの民生費予算は全国レベルでも上位にあり、近畿地方でも奈良県に次いで第二位となっております。
 以上の観点から、私たち開政クラブが従来から訴えている国土の均衡ある発展、それに伴う地方分権施策の重要課題「地方の自主性」が今回の予算編成において少なからず感じられるところであります。
 仮谷知事には、本予算編成における積極性を今後も推し進めていただき、なおかつ郷土の特色ある施策に引き続き努力を願うものであります。我々開政クラブといたしましては、以上の認識に立ち、今議会に提案されている予算関係議案並びに諸議案について円滑な執行とさらなる県勢浮揚に最大なる努力を惜しまないことを申し上げ、賛成討論といたします。
○議長(宗 正彦君) これをもって、討論を終結いたします。
○議長(宗 正彦君) これより採決に入ります。
 まず、議案第一号、議案第七号、議案第十号、議案第十二号、議案第十三号、議案第十八号から議案第二十号まで、議案第四十一号、議案第四十八号、議案第五十五号、議案第六十号、議案第六十三号、議案第六十五号、議案第六十六号、及び議案第七十号から議案第七十二号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(宗 正彦君) 次に、議案第二号から議案第六号まで、議案第八号、議案第九号、議案第十一号、議案第十四号から議案第十七号まで、議案第二十一号、議案第二十二号、議案第二十五号から議案第四十号まで、議案第四十二号から議案第四十七号まで、議案第四十九号、議案第五十号、議案第五十二号から議案第五十四号まで、議案第五十六号から議案第五十九号まで、議案第六十一号、議案第六十二号、議案第六十四号、議案第六十七号から議案第六十九号まで、及び議案第七十三号から議案第七十五号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長の報告は、いずれも原案可決であります。
 本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(宗 正彦君) 次に、地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第一号を採決いたします。
 本件についての委員長の報告は、承認であります。
 本件を委員長の報告のとおり承認することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立全員であります。よって、本件はこれを承認することに決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) 次に、請願について採決いたします。
 まず、議請第四十六号及び議請第四十八号を採決いたします。
 本請願に対する委員長の報告は、いずれも継続審査であります。
 本件を継続審査とすることに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立多数であります。よって、本件はいずれもこれを継続審査とすることに決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) 次に、ただいま採決いたしました請願を除くその他の請願十五件を一括して採決いたします。
 本件はいずれも委員長の報告のとおり決することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、本件はいずれも委員長の報告のとおり決定いたしました。
○議長(宗 正彦君) 次に、継続審査中の議案第百四十六号平成四年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを採決いたします。
 本決算に対する委員長の報告は認定であります。
 本決算を委員長の報告のとおり認定することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立多数であります。よって、平成四年度和歌山県歳入歳出決算はこれを認定することに決定いたしました。
 ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 次に、日程第二に入ります。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、以上のとおり、各常任委員会及び議会運営委員会に対し閉会中の継続審査として付議することに決定いたしました。
 ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 次に、日程第三に入ります。
 お諮りいたします。同和対策、関西国際空港対策、水資源対策及び半島振興過疎対策の各特別委員会に付議されたそれぞれの問題についても、さらに閉会中の継続審査とすることにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 次に、日程第四に入ります。
 まず、和議第三十五号「米の安定供給に関する意見書案」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の趣旨説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立少数であります。よって、本案は否決されました。
○議長(宗 正彦君) 次に、和議第三十六号「米の安定供給に関する意見書案」を議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の趣旨説明等を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、直ちに採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君はご起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(宗 正彦君) 起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
○議長(宗 正彦君) 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 長期間にわたる各位のご精励に対し深く敬意を表し、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 皆様方には、ご自愛の上、県勢発展のためますますのご活躍を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) これをもって、平成六年二月定例会を閉会いたします。
 午後六時十七分閉会

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