平成6年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(高瀬勝助議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成六年三月十四日(月曜日)

○議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 17番高瀬勝助君。
 〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○高瀬勝助君 私は、間近に迫った世界リゾート博の受け入れ態勢の問題、国際家族年の問題、そしてスポーツの振興という三点について質問をさせていただきますので、誠意あるご答弁をお願いいたします。
 さて、本年七月十六日から九月二十五日までの七十二日間にわたり和歌山マリーナシティで開催される、本県始まって以来のビッグイベントである世界リゾート博も、開催まであと百日余りと迫ってまいりました。知事は年頭の記者会見の中で、「ことしは世界リゾート博の開幕と関西国際空港の開港という二つの翼で、新しい和歌山の時代に向けて力強く羽ばたこう」と言われております。昨年、阪和自動車道が開通したことにより国土軸へ直結し、さらにことしは関西国際空港の開港により国際軸へも直結することとなり、本県にとっては画期的な時期を迎えたということをひしひしと感じているところであります。
 この世界リゾート博の開催によって和歌山県の魅力が国内外にアピールされ、地域の活性化が図られるとともに、本県の国際化がより一層促進されるものと確信しておりますが、一方、この博覧会の成否が和歌山県の将来を左右すると言っても決して過言ではないと思うのであります。仮谷知事も記者会見の中で、「本県にとってかつてない大きな博覧会を県民の皆さんと一丸となって大成功におさめなければならない」と決意を新たにされ、目下、知事を初め関係者が一丸となって全精力を傾注されていることと推察するところであります。
 「県民の友」一月号を拝見いたしますと、ほとんどの公共・民間パビリオンの構想が紹介されておりますし、また会場内においては各施設も本格的に建設が開始されており、博覧会の姿が具体的に目に見えてまいっております。
 このように、厳しい経済情勢の中で着々と準備が進められておりますことは、主催者である県当局を初め世界リゾート博協会の皆様の大変なご苦労があったこととお察しするわけですが、博覧会の成功を願う者の一人として気がかりな点があるのも事実であります。
 先般、他の議員からも質問がありましたので、私からは、世界リゾート博に向けての受け入れ態勢に絞って何点かお伺いいたしたいと思います。
 まず一点目は、開催期間中の交通輸送対策についてであります。
 リゾート博協会の発表によりますと、国内外から百五十万人の入場者が主にマイカーや公共輸送機関を利用して博覧会に訪れることになっておりますが、阪和高速道路、国道四十二号あるいは和歌山市及び海南市内の交通状況の中で、マイカーや電車・バスなどを利用して来られた方々が会場までスムーズに行っていただくためにどのような対策を立てておられるのか。現在、県、警察本部、リゾート博協会、電車・バス等の関係事業者が一体となって交通輸送対策に取り組んでおられると思いますが、その具体的内容について企画部長並びに土木部長にお伺いしたいと思うのであります。
 二点目は、開催期間中の宿泊対策についてであります。
 世界リゾート博のような大きなイベントを開催するともなりますと、交通輸送とあわせて宿泊対策が大きな課題となってくると思います。世界リゾート博には百五十万人の入場者が予想されますし、また期間中には、一般観光客に加えて各種の全国大会や会議の開催も予定されていると聞いております。そこで、和歌山市周辺の宿泊収用能力はどのくらいあるのか、また収用能力を超える場合についてどのように考えておられるのか、さらに県内外からお越しになる一般観光客に対する宿泊についてはどのような対策をとっておられるのか、商工労働部長にお伺いしたいと思います。
 三点目は、ボランティアの受け入れ態勢についてであります。
 世界リゾート博は県民総参加で盛り上げ、成功させなければならないのでありますが、このようなイベントが成功するかどうかは、これを手伝っていただくボランティアの方々に負うところがまことに大きいと考えるのであります。国内外からお越しになるお客様にとりまして、あの大きな会場内での見学や移動など、何かと戸惑うことが多いと思うのでありますが、その際、気軽に相談のできる人やお手伝いをしてくれるボランティアの人がおれば大変ありがたく、心強く感ずるものであります。それらの人々の心のこもった応対は訪れる人々をすがすがしい気持ちにするばかりでなく、そのことは、ひいては和歌山県のイメージアップにつながっていくものであります。
 ボランティア活動の重要性については学校教育の分野でも大きく取り上げられ、高校入試においても平成六年度からボランティア活動を積極的に評価していくというように承っております。地域住民それぞれがお互い相手の立場に立って地域社会を支えていくという社会に二十一世紀は変わっていくであろう、また変えていかなければならないと思うのであります。そういった中で、世界リゾート博におけるボランティアの受け入れ態勢はどのようになっているのか、またボランティアの申し込み状況はどのようになっているのか、民生部長にお伺いしたいと思います。
 四点目といたしまして、環境美化等に対する県民運動についてお尋ねをいたします。
 博覧会が成功であったかどうかは、先ほどから申している輸送対策や宿泊対策、それに入場者数が多いか少ないかということも大きな要因となりますが、一方では、やはり国内外から来られたお客様が「和歌山は美しかった」、「和歌山へ来てよかった」と好感を持って帰っていただけるかどうかにかかっていると言っても過言ではないと思うのであります。
 和歌山県には海や山の豊かな自然があるとともに、きれいな町や豊かな人情があると感じていただく、そんな美しい和歌山を創造していくためにこの県民運動をより盛り上げることが重要な課題であると思うのであります。県民運動は、字のごとく、県民の皆さんお一人お一人が自分のこととして理解され行動することによって生み出される運動であり、「県民総参加」といった合い言葉、スローガンで象徴されております。みずからの手でみずからの町や村をきれいにしよう、そして親切に応対していこうと、各地の自治会や青年団、老人クラブあるいは婦人団体などが花づくり運動やクリーンキャンペーンなどに自主的に取り組んでおられる状況が報じられておりますが、まことに喜ばしいことと思っております。
 私たちの暮らしている地域が住みよい、潤いのあるものであってほしいと願うのは、だれしものことであります。私は、世界リゾート博は単なるお祭りだけに終わらせるのでなく、これを契機としてさらに美しい和歌山をつくる県民運動の輪を広げていくべきであると考えております。この点について、知事公室長のご見解をお伺いしたいと思います。
 次に、少子化と国際家族年に対する取り組みについてお伺いをいたします。
 近年、子供の数が大変少なくなってきております。私たちの周りを見ましても、昔のように大勢の子供をもうける家庭を見かけることが少なくなってきており、町や村で子供たちが歓声を上げて戸外を走り回る姿がめっきり少なくなりました。これは、塾通いで子供たちが忙しくなったということばかりでもないようであります。
 厚生省の平成四年の人口動態調査によりますと、一人の女性が一生涯に生む子供の数、いわゆる合計特殊出生率は全国平均で一・五〇、本県では一・五二となっており、平成五年はさらに低下するとの予想がなされているのであります。この数字がいかに低いかは、昭和四十一年のひのえうまの年でさえ一・五八であったことからもおわかりいただけるものと思うのであります。
 いずれにいたしましても、人口を維持するために二・〇八という数字が必要だとされておりますが、現実はこれを大きく下回っております。このままの状況で推移いたしますと、二十一世紀の初頭をピークに我が国の人口が減少に転じることが予想され、我が国の社会、経済、文化に大きな影響を及ぼすことが懸念されるのであります。
 我が国は、戦後、高度経済成長政策によりいち早く経済の復興をなし遂げた後、福祉社会を実現するために全力を注いできたところでありますが、急速に高齢化が進み、少子化により人口構造が大きく変化するという新たなる問題が発生して、一九九〇年に五・七人で高齢者一人を支えていたのに対し、二〇二〇年には二・三人で支えることになり、将来の社会保障負担や老人などの介護負担など、その福祉制度を支える基盤が危うくなろうとしているのであります。
 また、さらに少子化は、子供が多くの仲間の中でもまれる機会や人と人の間で育つ機会が減少し、その結果、社会性の発達や相手を思いやる心をはぐくむなど、子供自身の心身の健全な発育に大きな影響を及ぼすことも懸念されているのであります。また、本県にとってみましても、高齢化の進展が全国平均を上回っている上に少子化によって地域の担い手である若者が減少するということは、活力ある地域づくりの推進にとって大きな障害になろうとしているのであります。
 このような少子化の背景には、最近のライフスタイルの変化により、多方面にわたって多くの問題が掲げられているのであります。手がかかる育児よりも個人の生活を楽しむといったように、若者の価値観や結婚観が変化したことによって晩婚や非婚といった現象が進んだということ、また女性の社会進出が進んだものの就労と育児の両立が容易でないということ、過熱する受験戦争によって教育費が高騰したことに代表されるように育児費用の負担感が増大したということ、さらに住宅環境の整備が立ちおくれたということ、等々であります。
 二十一世紀まであと七年、まさに二十一世紀はこれからの子供たちのものであります。子供たちは未来を築く社会の宝物とも言うべき存在であり、その健やかな成長は社会全体の願いでもあります。子供の出産や育児は個人の問題でありますが、同時に私たちの社会の将来のあり方に大きくかかわってくる問題であり、行政として取り組むべき課題であると考えるものであります。このような観点から、県として少子化にどのように対処する方針なのか、お伺いしたいと思います。
 また、本年は国連総会で決議された国際家族年の年でもあります。家族や家庭は、まさに子供が生まれ育つ最も重要な環境の一つと考えますが、核家族化の進展などにより地域や家庭における養育機能が低下していると言われております。これらのことが先ほどから申し上げている少子化の一因とも考えられますが、国際家族年は、これらの問題を広く県民にアピールし、それぞれが家族問題について考える絶好の機会であると考えるものであります。県としてどのように取り組んでいかれるのか、民生部長にお伺いしたいと思います。
 質問の最後は、スポーツ振興についてであります。
 私が初めて質問に立たせていただきましたのが、二年前のフランス・アルベールビルで行われた第十六回冬季オリンピック大会の終了後間もなくのことでありました。深夜・早朝を問わず多くの国民がテレビに見入り、日本選手の活躍に胸ときめかしたものであります。
 先月、ノルウェーのリレハンメルで開催された第十七回冬季オリンピック大会も、前回のアルベールビル大会を上回る日本選手の活躍を期待しておりましたが、残念ながらやや不調に終わりました。しかし、ノルディック複合で連続金メダルをとるなどの活躍があり、私は選手の健闘をたたえるとともに、四年後に長野で開催される第十八回冬季オリンピック大会におけるさらなる活躍を心から期待するものであります。
 また、昨年十月、炎天下のカタールで行われたサッカーのワールドカップアジア地区最終予選会は、初めての本戦出場をかけて日本チームが奮闘いたしました。イラクとの一戦では、終了のホイッスルが鳴る直前までリードしながらまさかの同点ゴールを決められ、あと一歩のところで惜しくも代表の座を逃しましたが、サッカーファンのみならず、私たち国民や青少年を中心とするスポーツファンに最終予選終了までの長期間にわたり多くの夢や希望を与えてくれるとともに、一方で本戦出場ならずという無念さも味わわせてくれたのであります。
 私が常々申し上げておりますように、スポーツは、みずから実践する場合においても、あるいは観戦する場合においても、心を豊かにし、充実した満足感を味わわせてくれるものであり、私たちにとって切っても切り離せない営みであると思うのであります。
 ところで、ただいま申し上げた冬季オリンピックやサッカーのワールドカップ予選を見ていて痛感いたしましたのは、会場となったその国の国民はもとより、会場地の地域住民を挙げて大会成功に向けて取り組みを進めておられ、まことに活気あふれる様子がうかがわれましたし、その上、世界各国から観戦や応援、あるいは報道にと多くの人々が訪れ、まさにオリンピック効果、大会効果を生み出していたようであります。
 また、昨年開幕したサッカーのJリーグは、公式試合二百二十二試合で延べ四百十一万人の観衆を集め、ヴェルディ川崎の本拠地の争奪戦もあったことは記憶に新しいところであります。
 この夏開催される世界リゾート博は関西国際空港の開港と相まって多くの入場者が予想されておりますが、リゾート博終了後も引き続き国内外に本県を広くアピールしていくためには、すばらしい自然に恵まれた南国紀州へ観光客を誘致することももちろん大切でありますけれども、昨年の二月議会でも申し上げましたように、スポーツや文化に関する話題を提供することによって多くの人々が集まり、和歌山を知ってもらうことが地域の活性化の一助になると思うのであります。こうした観点から、今後、スポーツ施設の種々の整備も考えていかなければならないと思うのであります。
 今議会におきまして、過日、尾崎議員並びに森議員からコスモパーク加太に総合運動公園あるいは球技場複合施設を立地してはどうかとの質問があり、当局から、総合運動公園等の施設立地については総合的な見地から積極的に取り組むといった趣旨の答弁がなされたところであります。このことにつきましては、私も実現に向かって進めていただきたいと願うものであります。
 しかし、当面の問題といたしまして、平成九年に完成する予定の多目的ホールや、現在サッカーやラグビーの試合を想定して改修が行われている紀三井寺競技場において、今後どのようなスポーツイベントの開催が可能であるのか。ビッグイベントとなりますと、相当な期間をかけて関係者と事前の調整をする必要が出てくると思われますが、例えばラグビーの試合で、神戸製鋼と大学の有名チームの対戦といったようなカードでも実現できないものか。その見通しなどについて知事のご所見をお伺いするものであります。
 次に、競技スポーツについてであります。
 ご承知のように本県は、みずからもスポーツを実践してこられた仮谷知事・体育協会会長の強いリーダーシップのもと、特に競技スポーツ面においては、ロサンゼルスオリンピックへ十四名、ソウルオリンピックへ十五名、バルセロナオリンピックへ九名の関係選手を送り出したことからも明らかなように、高い水準を維持してまいりました。しかしながら、第四十六回石川国体、第四十七回山形国体、そして昨年の第四十八回東四国国体における本県の総合成績は、必ずしも満足のいく成績ではありませんでした。さまざまな原因が考えられるのでありますが、一つには中学生や高校生といったジュニア層の競技力が落ち込んでいることが指摘できるのではないでしょうか。全国中学校選抜大会や全国高等学校体育大会での入賞者が減少していることが国体での結果に大きく影響を与えていると思うのであります。
 ちなみに、総合成績十九位であった昭和六十三年の京都国体時のインターハイでは、団体で九種目入賞、個人で十三種目入賞しておりますが、四十二位の山形国体では、わずかに団体三種目、個人六種目の入賞にとどまっているのであります。
 私は、人間形成や地域社会の人材育成のために競技スポーツの果たす大きな役割をいつも申し上げてまいりましたが、こうした観点に立てば、本県の競技力の低下はまさにゆゆしき事態であると言えるものではないでしょうか。
 現在、県体育協会を中心として各競技団体や学校現場の先生方もそれぞれに懸命に取り組んでおられ、随分つらく苦しい思いをされていることと推察しているのであります。そこで、ジュニア層の競技力の落ち込みの原因やこれを引き上げていくための今後の施策などにつきまして、具体的に教育長にお伺いしたいと思います。
 最後に、去る二月二十八日に出された県スポーツ振興審議会の「二十一世紀を展望した本県のスポーツ振興方策について」の答申についてであります。
 私も、この審議会の委員の一人として審議に参加してまいりました。答申には、今後展開していかなければならないスポーツの振興について実にさまざまな角度から意見が述べられておりますが、私たち議会関係者もこの答申内容を真剣に受けとめ、全力を挙げて取り組まなければならないと考えているところであります。そこで、この答申を今後どのように具体化していくのか、知事並びに教育長にお伺いいたしたいと思います。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの高瀬勝助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 高瀬議員にお答え申し上げます。
 スポーツの振興でございます。
 来るべき二十一世紀の和歌山県の発展と活力のある郷土づくりを進めるには、健康でたくましい体力を兼ね備えた人材の育成ということが最も肝要なことではないかと思っておりまして、そうした面から、スポーツは重要な役割を果たすと確信しているところでございます。
 とりわけスポーツのイベントについては、お話ございましたけれども、県民のスポーツへの関心を高めることはもとより、また生活に夢と活力を与えるものであり、今後積極的に誘致してまいりたいと考えておりまして、平成九年に完成予定の多目的ホールを生かした国際的、全国的なビッグイベントの開催に向けて検討を進めているところでございます。
 また、現在、紀三井寺陸上競技場を改修中でございますけれども、世界リゾート博開幕一週間前の七月九日にJリーグの鹿島アントラーズとガンバ大阪を迎えてオープン戦を行うということで和歌山カップの開催を決定しており、多くの県民の皆さんにプロの妙技を楽しんでいただけると思っておりますし、またリゾート博においては世界レーザー級ヨット選手権大会を開催することになっております。
 次にスポーツ振興審議会の答申についてでございますけれども、審議会の委員の皆さんには約二年をかけてご審議いただき、今後四半世紀を展望したスポーツ振興についての基本的な考え方とその方向をお示しいただいておりまして、今後、答申を尊重して積極的に推進してまいりたいと思っておるところでございます。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 世界リゾート博の受け入れ態勢における交通輸送策についてのご質問にお答えをいたします。
 世界リゾート博の入場目標百五十万人を会場へ円滑に誘導するため、現在、国、県、警察本部、地元市、リゾート博協会、さらには関係事業者等から成る世界リゾート博交通対策連絡協議会において交通計画を検討中であり、近く取りまとめたいと思っているところでございます。
 この計画のうち、陸上輸送についてでございますが、まずマイカーで来られる方々につきましては、道路の整備計画を踏まえ誘導ルートを設定しておりまして、総合交通管理システム、道路交通情報板、道路案内標識、FM・AM放送を利用して、会場内に設置した約四千台収容の駐車場まで誘導することとしてございます。混雑状況に応じて会場周辺に設置した三カ所、約五千台収容可能な場外駐車場まで誘導し、三分から十五分ごとに会場までの連絡バスを運行することとしてございます。
 また、電車・バス等公共輸送機関を利用して来られる方々につきましては、最寄り駅であるJR海南駅、JR和歌山駅、南海和歌山市駅の各駅から会場まで路線バス、シャトルバスを一時間に最大二十六便運行することとし、バス優先通行帯を設定するなど、円滑な運行を確保することとしております。
 今後は、関係機関を通じて会場までのルートや駐車場案内等を記したパンフレットを事前に配布し、PRを積極的に進め、リゾート博期間中の輸送対策に万全を期してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 世界リゾート博の交通輸送策のうち、海上輸送についてお答えをいたします。
 和歌山港駅と和歌浦漁港から会場であるマリーナシティまでのシャトルボートの運航を計画しております。和歌山港駅ルートにつきましては、主として南海本線の利用客や四国からのフェリー、高速船利用者を対象に、平日で二百八十人乗り七往復の運航を、また和歌浦漁港ルートにつきましては、和歌浦の観光客などを対象に、平日で九十九人乗り七往復の運航を計画しております。
 なお、土曜日、日曜日などの多客日には、輸送力強化のため増便することを予定しております。
 今後とも、案内・誘導方法、各ターミナルの管理体制、さらに航行ルートなどについて関係機関と調整を図り、円滑な海上輸送体制を構築できるよう努力をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 商工労働部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 世界リゾート博の受け入れ態勢のうち、宿泊対策についてお答えいたします。
 議員ご質問のように、宿泊対策がこの博覧会の大きな課題の一つでございます。和歌山市周辺の宿泊収容力につきましては、ホテル、旅館、民宿など合わせて約八千三百人の宿泊能力がございます。しかし、この宿泊収容力では県内外からの博覧会への来場者をすべて会場周辺でお泊まりいただくことが困難な場合もあると考えております。このため、県といたしましても、本県始まって以来のこの博覧会を絶好の機会としてとらえ、博覧会への来場者を一人でも多く県下の各観光地へお越しいただくための宣伝・誘客に努めており、博覧会会場と県下の各観光地を結ぶ旅行商品の企画を旅行エージェントに対し強く働きかけているところでございます。
 また、博覧会協会では、今までの博覧会にはなかった、会場内へトレーラーハウスを設置して最近のアウトドア志向に合った宿泊や、リゾート気分を満喫できる、世界最大級の豪華帆船を係留しての宿泊などに努めております。
 今後ともなお一層、県下市町村、また観光関係団体等と連携しながら旅行エージェントに働きかけるとともに、誘客を図ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 民生部長南出紀男君。
 〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 高瀬議員にお答えいたします。
 世界リゾート博におけるボランティアの受け入れ態勢についてでございます。
 まず、ボランティアの募集状況につきましては、昨年十二月から本年の二月にかけて広く一般公募したところでございます。その結果、募集予定人員五百人のところ、個人による応募を初め、各種団体や企業からの自発的で積極的なご応募によって一千七百余名の申し込みをいただいているところでございます。県民総参加の祭典とする世界リゾート博開催の趣旨が県民の皆様方に深くご理解いただけたたまものでございまして、応募された皆様に感謝を申し上げる次第であります。
 次に、開催期間中のボランティア体制についてでございますが、会場内で簡易な清掃や障害者の方々などの同伴介助、また外国語通訳や手話通訳による会場案内など、幅広いボランティア活動を通じて温かい心で接していただくことにより、ご来場の皆様方に心から満足をしていただけるような博覧会にしたいと考えてございます。
 次に、少子化と国際家族年のご質問にお答えいたします。
 少子化対策についてでありますが、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりは、活力ある福祉社会を実現する上で、高齢者対策と並び、車の両輪と考えてございます。このため、本年度において有識者や各種団体の代表で構成する和歌山県子育て環境づくり推進協議会を設置して、女性の就労と育児の両立支援、子育ての経済的、精神的負担感の軽減等に向けての方策をご検討いただいているところでございます。
 なお、問題が多方面にわたるため、庁内の関係部局で構成する子育て環境づくり連絡会議を設置しており、推進協議会の提言内容の施策化に向け、連絡調整を図ってまいりたいと考えてございます。
 また、県民の子育てに関する意識や現状を分析するためアンケート調査を実施するとともに、少子化や子育て環境づくりについての啓発の一環として少子化社会を考えるシンポジウムを開催したところでございまして、平成六年度は子育て体験記募集事業等を実施してまいる予定でございます。
 なお、本年一月から県下で新たに百七十二名の主任児童委員を委嘱して子育て支援体制の強化を図るなど、今後とも、子供を生み育てたいと願っている人々が安心して子育てができる環境づくりの推進を図ってまいります。
 次に国際家族年への取り組みについてでありますが、核家族化や女性の社会進出により従来の家族構造や機能が著しく変化してございまして、その結果、家族の構成員、特に幼児や高齢者等への適切な養護を行うことが困難な状況も見られ、このことが昨今の少子化の一因にもなっているものと考えております。
 このような観点からも国際家族年を一つの機会ととらえ、広く県民の方々に家族の重要性に対する認識を深めていただくため、例えばこの夏開催される世界リゾート博会場での記念コンサート等を実施いたしたいと考えておりまして、国際家族年の意義を広く県民にアピールしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 知事公室長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 高瀬議員にお答えいたします。
 世界リゾート博における環境美化等に対する県民運動についてでございます。
 本県には、ご承知のとおり、豊かな自然や文化がございます。世界リゾート博の開催は和歌山県のよさを全国の方々に見ていただく絶好の機会でもありますので、議員仰せのとおり、県民総参加の立場で和歌山を美しくする県民運動を推進していくことが非常に大切なことと考えております。
 かねてより進めている紀州ふるさと運動におきましても、郷土愛をはぐくみ、美しい、誇りの持てる地域づくりを目指して県民運動を推進しておりますが、特に世界リゾート博の開催を契機として美化意識の高揚を図るため、昨年、各市町村や各種団体の皆さん方のご協力を得ながら県内全域において一斉クリーンキャンペーンなどを実施し、その啓発に努めてまいりました。
 また、県内外から訪れる方々を温かく迎えるためのまごころの輪づくり運動として、バス、タクシードライバーの皆さん方を対象にした冊子を作成するほか、マスメディア等、あらゆる機会を通じて県民運動を展開しているところでございます。
 また、各地の道沿いを花で美しくしていこうと花の植栽を行うグループに対しても補助をして美化意識の高揚を図るとともに、世界リゾート博を迎えるに当たって会場周辺には啓発プランターを設置するほか、近畿地方建設局、また日本道路公団、JR西日本等のご協力もいただきながら要所要所に花の修景を行うなど、国、県、市町村、県民が一体となって一層美しい郷土づくりに取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) スポーツの振興策二点についてお答えいたします。
 スポーツの振興、とりわけジュニア層の競技力の向上を図ることは全体的なスポーツ水準の向上につながるものでありますし、また学校や地域社会を活性化する上で大いに役立つものと考え、学校の部活動を初めジュニアスポーツの振興に努めているところでございます。
 昨年の東四国国体を見てみますと、一昨年の総合四十二位から、わずかではありますが、四十位と成績を伸ばすことができました。この原動力となったのが高校生を中心とするジュニア層の活躍であり、獲得したジュニア層の得点比率は、一昨年の山形国体の二四・六%から四〇・四%と大きく増加しております。
 しかしながら、議員ご指摘のとおり、本県の中高校生の成績を全国的なレベルで見た場合、フェンシングやレスリングなど高い競技もございますが、全体としては必ずしも満足できるものではありません。このため、教育委員会といたしましては、県体育協会並びに各競技団体、学校体育団体と密接な連携を図り、平成三年度から運動部活動指導者研修事業を実施し、指導者の資質向上を図るとともに、平成四年度からは中学生、高校生の部活動をより活性化するため二十八競技百六クラブ、千五百名の優秀選手を指定し、中学校・高等学校優秀スポーツクラブ育成事業を実施し、特色あるスポーツの拠点校づくりを進め、ジュニア層のレベルアップに努めているところであります。
 また、本年度からは、地域ぐるみのスポーツ振興を目的とした特定市町村スポーツ指定事業や、ジュニア選手にとって目標となる企業スポーツを育成する企業スポーツ指定事業をスタートさせ、重点的な強化を図ることとしております。
 今後、こうした事業を活用するとともに、なお課題として残している中学校・高等学校一貫した指導体制の確立、指導者の一層の資質向上、優秀選手の県外流出の防止などに取り組み、競技力の向上に努めてまいりたいと存じます。
 次に、「二十一世紀を展望した本県のスポーツ振興方策について」の答申でございますが、今後における本県のスポーツ振興について総合的な対策をお示しいただくとともに、具体的な方策として次の四点をご提言いただきました。一つ目は二巡目国体の誘致、二つ目はスポーツ振興を支援するための財源確保、三つ目にすぐれたスポーツイベントの誘致開催、そして企業スポーツの振興の四点であります。
 教育委員会といたしましては、この答申を尊重して、関係部局とも連携を図りながら、ご提言の内容の実現に向けて従前にも増してスポーツの振興に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 17番高瀬勝助君。
○高瀬勝助君 ただいま、それぞれご答弁いただき、ありがとうございます。
 私ども質問の世界リゾート博は、他の議員も同じだと思いますけれども、ぜひともこれは成功していただかなければいけないと思います。企画部あたりで入場券等の売れ行きとかいろんな反応を聞きますと、最近、旅行会社等でもそうした形で感触よくご協力をいただいているというように伺っております。その中で宿泊施設などについては、八千三百人と言っても、大体三割弱ぐらいが宿泊の予定だということで、そうした計算からすると常時三千人ぐらいの泊まり客を考えていかなければいけないということでございます。その一環として、そうしたパックの中で白浜や勝浦、高野山といったところにもお越しいただくようなことをお考えのようでございますので、ぜひとも和歌山県の名を知っていただくとともに、自然に恵まれた和歌山県に来てよかったと言っていただけるようにお願いしたいと思います。
 そのためには、前にも質問いたしましたが、各駅で迎えるタクシーを初めバスの接客態度などが大変重要じゃなかろうか。特にボランティアの方々にそういうことでいろいろお願いをする部分も多うございますけれども、この成果が和歌山県のあすにかかると言っても過言ではございませんので、知事以下皆さん方の絶大なる、強烈なる体制をしいていただくことを願うものでございます。
 それからもう一点、スポーツの振興について。協議会の答申もございましたが、かねがね国づくり、県づくりの中で、文武両道とはいかないまでも、スポーツを通じての体力づくりやいろんな形で地域に残って活躍してもらうためにも、今、教育長の答弁にもありましたが、基金をつくっていただくことが有能な選手を育てていく上でも大変大切じゃなかろうか。厳しい経済情勢の中ですけれども、ひとつ企業を中心とした皆さん方のお力をいただきながら、この答申に対して知事の強烈なるリーダーシップをとっていただき、基金づくりをお願いしたい。今、全国で三十カ所ぐらいが既にそういう体制ができていると伺っておりますし、基金の金額にもよると思いますけれども、ぜひともそうしたすぐれた選手を育てる援護ができる体制をお願いして、要望として質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で高瀬勝助君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(宗 正彦君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午前十一時三十八分散会

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