平成6年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第五号 平成六年三月十四日(月曜日)
   午前十時開議
 第一 議案第一号から議案第七十五号まで、及び報第一号(質疑)
 第二 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第一号から議案第七十五号まで、及び報第一号(質疑)
 二 一般質問
出 席 議 員(四十四人)
 1 番 小 川  武
 2 番 吉 井 和 視
 3 番 井 出 益 弘
 4 番 和 田 正 一
 5 番 町 田  亘
 6 番 尾 崎 吉 弘
 7 番 岡 本  保
 8 番 藁 科 義 清
 9 番 向 井 嘉久藏 
 10 番 佐 田 頴 一
 11 番 阪 部 菊 雄
 12 番 堀 本 隆 男
 13 番 平 越 孝 哉
 14 番 富 田  豊
 15 番 門  三佐博 
 16 番 西 本 長 弘
 17 番 高 瀬 勝 助
 18 番 上 野 哲 弘
 19 番 宇治田  栄 蔵
 20 番 尾 崎 要 二
 21 番 中 村 利 男
 23 番 山 本  一
 24 番 馬 頭 哲 弥
 25 番 鶴 田 至 弘
 26 番 飯 田 敬 文
 27 番 村 岡 キミ子  
 28 番 松 本 貞 次
 29 番 下 川 俊 樹
 31 番 宗  正 彦
 32 番 橋 本  進
 33 番 浜 田 真 輔
 34 番 冨 安 民 浩
 35 番 上野山 親 主
 36 番 中 村 裕 一
 37 番 和 田 正 人
 38 番 大 江 康 弘
 39 番 中 西 雄 幸
 40 番 木 下 秀 男
 42 番 森  正 樹
 43 番 野見山   海
 44 番 新 田 和 弘
 45 番 浜 本  収
 46 番 森 本 明 雄
 47 番 浜 口 矩 一
欠 席 議 員(なし)
 〔備 考〕
 22 番 欠 員
 30 番 欠 員
 41 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 西 口  勇
 出納長 梅 田 善 彦
 知事公室長 中 西 伸 雄
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 佐 武 廸 生
 民生部長 南 出 紀 男
 保健環境部長 江 口 弘 久
 商工労働部長 吉 井 清 純
 農林水産部長 野 見 典 展
 土木部長 山 田  功
 企業局長 高 瀬 芳 彦
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長職務代行者
   上 野  寛
 教育長 西 川 時千代 
 以下教育次長
 公安委員会委員 山 階 清 弘
 警察本部長 西 川 徹 矢
 以下各部長
 人事委員会委員長
   水 谷 舜 介
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長職務代理者
   谷 口 庄 一
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 梅 本 信 夫
 次 長 中 村  彰
 議事課長 中 西 俊 二
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主事 長 尾 照 雄
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 川 端 孝 治
 調査課長 岡 山 哲 夫
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田  繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時四分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(宗 正彦君) 日程第一、議案第一号から議案第七十五号まで、並びに知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 2番吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 それでは、通告に従って一般質問をさせていただきます。
 戦後半世紀を経過して世界における日本というものが注目される今日、我が国では経済発展とともに国民生活において「ゆとり」や「豊かさ」という言葉が各方面で取り上げられ、大手企業を中心に週休二日あるいは週休三日時代を迎えるようになりました。このゆとりと豊かさの中で、国民は家族や友人とともに過ごすレジャーやリゾートといった点について思考する時代に入ったことは、だれもが認めるところであります。
 そこで、レジャーとリゾートについての質問をさせていただきます。
 大阪にはみさき公園やエキスポランドといった大型レジャーランドがあるほか、奈良にはドリームランド、兵庫には東条湖ランドや宝塚ファミリーランドなどといったように、近畿各地には数多くの大型レジャーランドがあります。このような大型レジャーランドは我が和歌山には白浜アドベンチャーワールドだけで、これにしても動物がメーンのレジャーランドと言えます。
 我が和歌山県は京阪神といった大都市圏に近接している上、県内にはこの京阪神地方にはない、自然環境に恵まれた美しい海や山を初め、温泉、それに高野山や熊野文化といった歴史的な文化遺産を有しております。これまでの和歌山県の観光施策は、こういった温泉をPRしたり高野山や熊野観光をPRしたりするだけの観光振興行政を展開してきたと言っても過言ではありません。しかし、仮谷県政におかれましては、関西国際空港の開港に伴い、これからの観光リゾートがどうあるべきかを踏まえ、世界リゾート博を契機とした和歌山マリーナシティの建設を決意した点については、仮谷知事の先見性と和歌山の今後のあり方を十二分にとらえたものと高く評価するところであります。
 細川政権が誕生して以来、景気の動向は上向きする傾向が全く見られない中、さきに述べた大型レジャー施設の誘致といったものは、県では和歌山マリーナシティの建設を除いてかなり難しいものがあると思われる昨今でありますが、我が県政は、こういった大型レジャー施設の誘致といったものは絶対避けて通れないものだと私は認識いたしております。なぜならば、このレジャー施設自体、人が集えばその周辺も含めての経済波及効果ははかり知れないものがあると同時に、地域もしくは和歌山県全体のイメージアップにつながるからであります。
 そこで、まず大型レジャー施設の条件の一つである道路網について、さきの近畿自動車道の大阪直結に合わせて来月には阪神高速湾岸線の和歌山直結といった、観光リゾート立県和歌山を売り出すには格好の条件が整ったと言っても間違いないと言えます。
 また、県内各地の観光リゾート振興をどのように位置づけしていくのかというこれからの県行政の課題についてでありますが、和歌山の観光と言いますと、まず、これまで同様、温泉を生かした白浜や勝浦での観光振興が挙げられるほか、歴史や文化遺産を生かした高野山や熊野観光振興も大きな柱の一つと言え、このように地域の特性を考え、地域のバランスを考えながらの観光振興が県の観光行政の重要な施策と思います。
 そこで私は、そういったものと比較的縁の薄い、有田地方を中心とした中紀地方の観光施策についてのお考えをお伺いしたいと思います。
 平成三年、財団法人和歌山社会経済研究所が創立十周年を記念して行った「ふるさとに生きる─地域の活性化を目ざして」をテーマに記念論文を募集したところ、県内外から多くの論文が寄せられ、二十一世紀を目前にした和歌山のあり方などをとらえた作品が多くあったと聞きました。
 この中で私が最もユニークだと思ったのは、県職員である佐々木利純さんの作品で、優秀賞として選ばれたものであります。この作品は、市民がゆったりと楽しめる、これまでにない植物園づくりを提唱したものであります。「PLANT WORLD」と名づけられているこの植物園は植物公園を中心に構成されるものですが、レストランやショッピングプラザを兼ね備え、しかも植物自然環境についての情報も市民に提供できる施設で、子供からお年寄りまで幅広く、各世代が楽しめるような設計が練られております。この発想・構想がこれから迎えるゆとりや豊かさを求める時代に大変マッチしたものと、私も考えを同じくするものであります。それは、京阪神の大型レジャーランド自体が市民にどのようなものか既に知れ渡り、マンネリ化している中、週休二日時代を迎えて家族連れを中心とする人々がゆったりとしたレジャーを楽しむ時代となり、県内にもアウトドアブームが押し寄せてきているからであります。
 また、私の住む有田地方の観光リゾートの推進でありますが、有田川が流れ、京阪神からも近く、自然環境に恵まれた有田地方は、大規模レジャー施設の誘致が図りやすい場所であると考えております。有田地方には日本一のミカンといった特産物があるほか、ブドウなどの果物栽培や花卉栽培が盛んに行われているところであります。しかし、ミカン栽培をめぐっては、オレンジの輸入自由化が行われ、全国各地で産地化が進められ、PR合戦も過熱する中、ミカン農政の新たな展開が求められてきております。有田地方のミカン農家は、観光ミカン園を設けて京阪神からのミカン狩り客の誘致を図っておりますが、これも広告PR費用は各自で負担するなど、かなりの経営負担を迫られているのが現状だと言えます。
 そこで私は、ミカンを中心とした、有田地方の果物や花卉などを収穫できたり観賞できる大型観光農園形式のレジャー施設の設置を考えてはと思います。家族連れから一般市民まで、京阪神で購入するよりも安い果物や野菜、花卉を買い求めてもらったり、サイクリングをしながらこれらを収穫してもらったり、花を観賞してもらったり、あるいは果物を食べたり飲んだりするフルーツランドを設置するなどして、ゆったりと自然を満喫しながら有田地方の一日を過ごしてもらうということであります。
 そこで、このような大型レジャー施設は、県や地元を初めとする第三セクターの資本参加で、官民が一つとなって、これからの有田をどうするかを考えて運営に当たってはどうかと思うのであります。
 幸い有田地方は、世界リゾート博開幕までに御坊湯浅道路の広川町井関インターが開通するほか、JR紀勢線には広川ビーチ駅も設置され、こういった施設を誘致するには格好の条件が整ったところと言えます。また、この大型レジャー施設が積極的なPR展開を図り、有田に行けばミカンを初め果物や野菜、花卉がそろっているという宣伝効果を発揮させることによって、この大型レジャー施設だけでなく周辺の観光農園にも行楽客が数多く足を運ぶほか、既存の観光農園が負担を強いられているPR費用なども節約できるといった波及効果も見られると思います。
 これまで、県は製造業を中心とした企業誘致を積極的に展開されてきましたが、こういった製造業がハードとしたら、このような大型観光農園誘致はソフトと言ってもよいと思います。二十一世紀を控えてこういったソフト面での企業誘致にも積極的に取り組んでもらいたいと思いますが、関係部長に今後の取り組みについてお伺いいたします。
 なお、この際、知事に対しては、有田地方を中心とした地域振興策の将来ビジョンについてのご所見をお伺いいたしたいと思います。
 「政治は身近なところから、天下・国家は足元から」という私の政治姿勢に基づきまして、身近な問題に大きな問題が隠されていることについて、今から質問をさせていただきます。
 戦争が終わって既に半世紀がたち、現代の平和の礎を築いてくれた方々のことを、ともすれば我々は忘れがちになっていることがあります。首相や閣僚の靖国神社への公式参拝ですら議論されなければならないことに対して、私は大変残念に思います。同時に、戦争により肉親を亡くした遺族、そして戦後苦しんでこられた年月を思うとき、まだまだ我々がしなければならないことがあるように思います。戦争において生計の中心者を亡くした遺族に国が責任を持って生活を保障することは当然であり、国の援護事業そのものでもあります。
 現在、戦没した遺族に対して、恩給法上の公務扶助料として年に百八十万円程度の給付金が支給されております。またさらに、昭和三十八年度からずっと現在も続いておりますが、戦没者の妻に対して十年国債で特別給付金が支給されております。
 そこで、公務扶助料の受給資格について私は大きな問題があると思うので、ただしてみたいと思います。
 それは、一たん戦没者の妻が再婚すると受給資格を失い、その後、どんな変化があっても受給権が戻らないということであります。具体的な例でお話をさせていただきますと、昭和十九年、ある人の夫がサイパンで戦死し、幼い子供を抱えて生活することができないので、戦後の昭和二十四年に再婚したのであります。このまま幸せな生活をずっと送れば問題がないのでありますが、数年して、昭和三十一年に死別するわけであります。参考までに、戦後、恩給法が一時廃止され、復活したのが昭和二十八年からであります。この妻には公務扶助料も何も支給されないわけであります。配偶者が婚姻したり遺族以外の養子になったときには権利が消滅するということで支給されないわけであります。知事は心情的にどのように思われますか。そのことをお尋ねしたいと思います。
 私は、古い家制度が強く残っているように思います。戦争犠牲者の苦しい生活を助けるというよりも、家そのものに恩給を支給しているという感じが強くしてならないわけであります。遺族は、その人が生きている限り遺族であります。このような妻に対して国は遺族として恩給法上取り扱っていただきたいと思うのでありますが、知事のご見解をお願いいたします。また、県の援護事業として特別の対策が考えられないものか、お尋ねいたします。
 次に、産業廃棄物対策についてお尋ねいたします。
 産業廃棄物の処理については、いずこも同様に、その処理について行き場のない問題として混迷を深めております。最大の問題は、廃棄物の処理場の確保という最終出口の問題であります。
 国においても、「フェニックス計画」という夢のあるネーミングで十三年前に広域臨海環境整備センター法をつくり、廃棄物を埋め立てて新しい国土をつくるという計画をしたのであります。現在、大阪湾において計画進行中であり、廃棄物の処分に困る本県についても環境保全公社の後継処分場の確保が困難であり、西防埋め立てが終了する平成八年からこのフェニックス処分地に向かう方針であると聞いております。
 このフェニックス計画処分場に船で運搬するための積み出し基地を事業主体である大阪湾広域臨海環境整備センターが建設するわけでありますが、現在、積み出し基地の建設事業についてはどのように進捗しているのか、まずお尋ねいたします。
 フェニックス計画の処理対象区域は四市十町に限られ、無制限にすべての廃棄物を受け入れてもらえるわけではなく、また県内で発生するものは可能な限り県内で処理すべきであると考えます。
 産業廃棄物の処理については、排出業者の責任において適正に処理すべきものと処理法でうたわれているが、地球環境の保護という観点からすれば、もはや法に言うところの業者責任だけで突き放してしまうと適正処理を確保することが大変困難であり、適切な公共関与がぜひとも必要であると考えます。
 そこで、産業廃棄物処理における役割についてお尋ねいたします。
 長期的な処理計画についてどのように取り組むのか、また処分場の確保ということから、その必要性に理解を得るための県民の啓発が必要と思われますが、どのように取り組みを考えておられるのか、さらに廃棄物の技術管理者の育成はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 また、廃棄物の問題は資源問題や産業政策として取り扱わなければならないもので、平成三年にリサイクル法・再生資源利用促進法が制定されております。リサイクル行政は県民や企業にごみの減量化や再生利用を促進するものであり、大変重要な近代行政の一つでもあります。現在、このリサイクル法を運用推進する部局は保健環境部であると思いますが、今後、リサイクル産業は大いに成長が期待できる分野であり、リサイクル産業の育成という産業政策として位置づけてこの行政を推進するためには、専門のリサイクル産業課というような部署を総合計画的な企画部あるいは産業部門である商工労働部に設置されてはどうかと思うのであるが、いかがでありますか。また、現在行われているリサイクル行政への取り組みについてはどのようになっておられるのか、お尋ねいたします。
 本年から高校入試において、和歌山高校に定員二百名の総合学科クラス、五クラスが新設されました。これは生徒の進路や個性に応じたもので、時代のニーズにこたえた体制であり、大変すばらしいものであります。その科目の内容は、高等学校必履修科目と総合学科必履修科目、総合選択科目とになっており、その中で予定されている総合選択科目は、情報科学系、工業技術系、流通管理系、美術・工芸系、健康・体育系、語学・文科系、自然科学系とさまざまな単位科目があり、生徒が意欲的に学習し、進路にも実践的にも役立つものと大変期待するものであります。
 そこで、何点か質問をさせていただきます。
 本年は和歌山高校だけとなっておりますが、県内の各地域への対応はどうするのか。
 平成四年の十二月議会で私は、県立高校に福祉科あるいは福祉のカリキュラムを持った学科を設置すべきであると質問したのに対し、西川教育長は答弁の中で、「福祉関連学科の設置については、時代や社会のニーズ、地域や学校の実態等を踏まえ、福祉や介護等を学習する福祉系のコースを含めた高等学校における新たな総合学科設置構想との関連の中で多面的に研究してまいりたい」と答えられておるわけでありますが、その多面的な研究過程と成果についてお答えください。また、今後の方針についてもお尋ねいたします。
 新しい学科創設と同時に、時代や社会のニーズに応じた魅力ある学科づくりをしなければならないと考えます。従来の学科についても見直し検討が必要であると思いますが、いかがでありますか。
 例えばの話でありますが、吉備高校の柑橘園芸学科であります。ミカン産地和歌山にとってはなくてはならない特色のある学科であると思いますが、最近の状況では専業・兼業農家の師弟が半数となっており、魅力に欠ける学科になっているのではないか、魅力ある学科づくりという観点から見直し検討の時期に来ているのではないかと考えますが、教育長はどのように考えられているのか、お尋ねいたします。
 一芸入試を実施するという新聞記事を読んだこともあり、ことしから高校入試の判定がかなり改善されたと聞いております。昨年の六月議会で私がボランティア活動を入試の合否判定に加えていただきたいと要望いたしており、積極的に評価するあり方を研究するとの答弁がありましたが、この点も含め、改善された内容をお伺いしたいと思います。また、推薦合格者は昨年に比べ三〇%強増加しておりますが、今後、推薦入試はどのような方針で行くのかをお尋ねいたします。
 以上であります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの吉井和視君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 吉井議員にお答え申し上げます。
 有田・日高地方の振興についてでございます。
 これまでも高速道路の整備や関西国際空港の開港のインパクトを活用して、有田定住圏においては有田オレンジインダストリアルパークの形成、日高定住圏については御坊田園テクノタウンの形成を核とした、調和のとれた、活力と潤いのある新しい町づくりを推進してまいっているところでございます。
 特に観光面におきましては、国道四百八十号や本年度完成予定の白馬トンネルなどの道路を整備するとともに、高野山、龍神、白浜、本宮、新宮と連携を密にいたします。また、有田・日高の湾岸道路を現在積極的に進めているのでございますけれども、そのすばらしい自然海岸を持つ湯浅湾、白崎海岸、日高湾を全国的に宣伝してまいりたいと思っております。
 話ございましたように、昨年、広川町に駅が開設いたしました。また、高速道路に結びつけるための農免道路が本年に完成する予定であり、絶好の機会ではないかと思っております。
 また、議員からご提言のあった当地域は先端的な農業経営を行っているところであり、全国的に有名な有田ミカンを初め、諸農園がございます。また、花などの活用も新しい観光振興の上で非常に重要な課題であると思いますし、お話ございましたフルーツランドの大規模な農園の形成はこれからの重要な課題になってくると思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、高速道路の開通によって有田・日高地域は京阪神大都市圏から一日レジャー圏ということになり、観光開発のポテンシャルは大変高まっておると考えますし、こうした条件を活用して積極的に観光の振興策を図ってまいる所存でございます。もちろん、企業誘致、農業・林業・水産業についても、この機会に進めてまいりたいと思っております。
 次に、恩給法の課題でございます。
 お話のございました公務扶助料につきましては、援護行政の重要性を改めて痛感しているところでございまして、再婚によって受給権利を失った配偶者の権利回復は、議員ご承知のとおり、非常に難しい問題であると私も認識しているところでございます。
 私も、議員お話しのその心情は十分理解できるところでございますので、県内におけるこうした方々の特別な実情を国にお伝えし、理解を得られるように今後努力してまいりたいと思っております。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 紀中地域のリゾート構想についてのご質問にお答えいたします。
 有田・日高地方は全国有数のシェアを誇る有田ミカンやしょうゆといった豊富なグルメ資源を有するとともに、白崎海岸など、従来から観光・レクリエーションゾーンとして広く親しまれてきたところでございます。
 このような地域の特性を生かして県では燦黒潮リゾート構想を策定し、西有田・白崎地区として、その地でとれた果物を味わうことのできる観光農園や釣った魚を料理して楽しむなど、味覚体験型リゾート空間の創出をテーマにその推進に努めているところでございます。
 一方、豊かな自然や生活文化等を生かした地域資源活用型のリゾート整備が再認識されてきている状況の中で、県では、去る二月二十三日、二十四日の両日、国土庁と共同で「自然・地域文化とのふれあいリゾート」国際シンポジウムを開催いたしました。このシンポジウムでは、ルーラルツーリズム、すなわち農山漁村を舞台とした手づくりのリゾートのあり方について有意義な提言がなされたところでございます。
 このような視点から有田・日高地方を見ますと、コスモスパークやミカン園など豊かな自然を有し、ルーラルツーリズムの実現可能性の高い地域であると認識してございます。県といたしましても、地域の機運の高まりを得て、観光農園等、地域資源を活用したリゾート整備の推進に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 商工労働部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 観光振興とレジャーランドの誘致についてお答えをいたします。
 最近の観光の動向は、従来からの景勝地や神社仏閣などを訪れることに加えて、観光農園やキャンプ、スキューバダイビングなど、アウトドア志向を初め、その地域独特の産業や文化などを求める傾向にございます。そうしたことから、新しい観光資源の開発には地域の文化や特色ある産業との結びつきが重要な要素でございます。
 有田地方の観光形態は、海水浴や釣りを初め、全国に聞こえたミカンを中心とした果樹の観光農園、みそ・しょうゆなどの伝統産業もございます。
 現在、高速道路によるアクセスも整備され、京阪神から訪れやすい条件が整っていることから、今後、観光客の増大が大いに期待される状況にあり、議員ご提言のレジャー施設は観光ニーズに沿ったものでございますし、観光の振興に大きな役割を果たすものであると存じます。
 いずれにいたしましても、ご提言の趣旨については、今後、関係部局や地元の意向等を踏まえ、研究してまいりたいと存じます。
 次に、リサイクル行政の取り組みについて答弁をさせていただきます。
 産業活動から発生する廃棄物の処理については重大な課題であると認識しており、現在、工業技術センターでは、皮革産業の製造工程で発生するシェービングくずなどのたんぱく質を主成分とする天然高分子を原料とする生分解性プラスチックを製造する研究を行うとともに、平成六年度より近畿地域の公設試験研究機関との共同研究で高分子系産業廃棄物の高度利用技術に関する研究にも参加することといたしてございます。
 また、民間企業が協同組合等を組織して取り組んでいるものとしては、木材産業で大量に発生するおがくず等の植物性の物質を原料として生分解性プラスチックを製造する研究や繊維産業から発生する繊維くずを炭化して新商品を開発する研究等がございますが、いずれも工業技術センターの技術力に大学等の支援もいただきながら共同して研究を進めているところでございます。
 また中小企業情報センターでは、平成五年七月からエネルギー使用合理化設備導入促進指導事業を実施するに当たり、エネルギー使用合理化相談員を設置したところでございます。
 さらに、エネルギーの再生資源の利用等、エネルギー環境問題への対応を図る際に必要な情報を収集・蓄積するとともに、これらの情報を中小企業者等に提供することについても研究をしてまいりたいと考えております。
 なお、環境関連産業については将来的な発展が期待されているところであり、今後とも国の施策の動向を踏まえ、適切な対応を行ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 民生部長南出紀男君。
 〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 吉井議員の恩給法についてのご質問にお答えいたします。
 先ほど知事からもお答えしたところでございますが、恩給法における公務扶助料は、軍人等が戦病死した場合に、その軍人等によって生計を維持し、または生計をともにしていた配偶者を先順位者として、続いて未成年の子、父母等の順序で支給されることになってございます。また、配偶者が再婚した場合には恩給の受給権が消滅し、次の順位者に継承されることになります。
 しかしながら、先ほどの例でお話のありましたように、ご主人の戦死、恩給法の廃止、再婚、死別という大変なご苦労を考えると、その心中は察して余りあるものがございます。県といたしましては、議員のお話のこうした特別の実情を国にお伝えし、支給範囲の拡大を強く要望いたしたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 保健環境部長江口弘久君。
 〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 吉井議員ご質問の、産業廃棄物対策のフェニックス計画における積み出し基地についてお答えいたします。
 フェニックス計画の積み出し基地につきましては、平成六年度に調査と設計を行い、平成七年度に建設工事に着手し、環境保全公社の処分場が終了する平成八年九月から運用開始できるよう準備が進められてございます。そのため、現在、関係する地元に計画の趣旨等について説明を行っているところでございます。
 続きまして、廃棄物処理における役割の長期的な取り組みについてでございますが、長期的な産業廃棄物処理のあり方につきましては、現在、産業廃棄物処理計画を策定中であり、三月末に公害対策審議会から答申をいただく予定で作業を進めてございます。その中で、産業廃棄物の発生から処理・処分に至る過程を示し、それぞれの過程における関係者の役割を明らかにする考えでございます。
 次に県民啓発についてでございますが、産業廃棄物の最終処理場につきましては、土地利用に関する各種の規制や地域住民の反対運動等によって全国的に設置が困難な状況にございます。
 議員ご指摘のとおり、廃棄物行政への理解と協力が得られるよう、また産業廃棄物処理施設の設置が円滑に進められるよう、県民に対して産業廃棄物に関する正しい知識の普及啓発に努める必要があると認識してございまして、今後、適切な内容や方法等について検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、技術管理者の育成についてでございますが、最近の廃棄物処理施設は高度に機械化されており、その操作について相当高度な知識及び技能が要求されてございます。そのため、平成四年に改正施行された廃棄物処理法では、廃棄物処理施設の設置者に対し技術管理者を置くことが義務づけられたところでございます。
 技術管理者の資格を取得するためには、財団法人日本環境衛生センターが実施する厚生大臣認定講習を受講していただき、資格を取得する必要がありますので、関係の事業者に対し、この制度の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 最後にリサイクル行政について、専門部署の設置とリサイクル行政の取り組みについてお答えいたします。
 年々ふえ続ける廃棄物を減量し、資源やエネルギーのむだをなくし、環境を保全する上でリサイクルを推進することは極めて重要であると認識してございます。平成三年に制定されたリサイクル法では、鉄鋼スラグや建設副産物等、リサイクルを進めるべきものが指定され、それぞれの主務大臣が定めた基本方針のもとに関係者が役割を分担して取り組むこととなってございます。県としては、法の趣旨を受けて、商工労働部ほか関係部局が分担して関係の事業者を指導しているところでございます。
 専門部署の設置とのご提言でございますが、当面は保健環境部が推進の窓口となり、関係部局が連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 総合学科の設置検討など、四点についてお答えいたします。
 ご承知のように、急速な社会の変化の中で、新しい学校教育の創造に向け、大きく前進していく必要があると考えてございます。こうしたことから、教育委員会といたしましては、子供たちが生涯を通じて個性を発揮し、たくましく生きていく力をはぐくむ教育を目指し、積極的な教育行政を推進しているところであります。その施策の一つとして、生徒の特性を最大限に伸ばす新しいタイプの学校として期待されている総合学科を平成六年度に和歌山高校に設置することといたしました。
 総合学科の今後の設置計画につきましては、和歌山高校における総合学科の教育成果を踏まえ、また全県的な適正配置等を考慮し、長期的展望に立って検討してまいりたいと考えております。
 議員ご指摘の福祉系の学科、コースの設置につきましては、高齢化社会や核家族化などが進展する中で福祉の心をはぐくむ教育が重要であることから、これまで、各学校における教育課程上の工夫、学科の新設及び総合学科設置構想など、さまざまな角度から検討してまいりました。こうした中で、生徒のニーズや設置に伴う看護系専門科目の指導教員の確保、介護実習のための施設設備など多くの課題があり、さらに慎重な検討が必要であると考えております。
 今後とも、各学校や総合学科において、教育課程の中で福祉関連科目を開設することについて引き続き研究してまいります。
 次に、魅力と特色のある学校づくりについてでございますが、これまで、時代のニーズや地域の実態などを踏まえ、職業学科において、電子機械科や情報処理科など、特色ある学科の新設・改編に取り組んでまいりました。特に農業関連学科においては、本県が全国に誇れる梅やミカン、柿、木材等の生産地であるという特色を生かして、森林科学科や生産技術科を設置してきたところであります。
 今後とも、地域産業の振興にもこたえることができ、生徒が目的意識を持って学び、この学校で学んでよかったと言える魅力ある学科づくりに取り組んでまいる所存でございます。
 最後に高校入試についてでありますが、これからの社会では、単なる知識ではなく、思考力、判断力、表現力など、生きて働く学力が求められてございます。こうしたことから、今回の入試改善におきましては、学力検査の成績や調査書の評定に偏ることなく、ボランティア活動を初めとする学校内外での生徒の諸活動等を合否判定において積極的に評価することとしております。
 また推薦入学においても、生徒の適性や希望をより生かすため、調査書を重視したり、実技、口頭による検査などを実施できるようにするとともに、推薦入学枠を原則としてこれまでの四〇%程度から五〇%程度を標準とするなど、さまざまな改善を図ったところであります。
 なお、推薦入学の今後の方向につきましては、本年度実施する入試改善の成果を踏まえながら対処してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 2番吉井和視君。
○吉井和視君 ご答弁、ありがとうございます。
 まず、レジャーランドの建設であります。景気が今後上向きということになれば、全国的にも、また県内でも新たなそういうリゾート構想というのが浮上してくると思いますが、特に有田を中心とした、また日高を初めとする中紀地方の観光リゾートについては、今までにない新しい発想で、知恵を絞り、いろんな地域の特性を生かしたリゾートを推進していただきたい、そのように思います。
 また、一遍にできないと思いますが、一番おくれておる中紀地方の観光についてのそういったプロジェクトチームというようなものを設置する際には、地元の人たちと一緒に考えるような機関をつくっていただければと、そのように思います。
 次に、恩給法の問題についてであります。私が特に言いたいのは、戦争が終わって昭和二十八年までの間、国力が一番の理由なんだろうと思いますけれども、恩給法の適用がなかったと。その間に子供を抱えて食べていけない、どうしても生活することができないということで再婚したような人には非常に気の毒に思います。
 そこで、知事に特別にお願いしたいわけなんですけれども、知事さんが県単独事業で特別福祉援助費ということで特援を支給されておったわけですが、そういったところへも光を当てていただきたい。そのことをお願い申し上げます。
 最後に教育長にお願いしたいのですけれども、私は福祉学科の福祉コース、専門コースというものを昨年十二月に質問させていただいて、教育長の答弁をいただきました。それで私は、ああ、今度の総合学科構想の中には福祉学科、コースというのができるなと、そういう強い期待感があったわけです。ところがあけてみると、それがなかった。我々はただ単に質問しているわけではないんです。広く県民の意見というものを集約して、この議場の中でそういうふうに質問をさせていただいておるわけであります。そして、そういう答弁をいただいたら、ああできるなということをまた県民に訴えるわけです。今度はできますよということで。だから、感じのいい答弁をしていただいたことについてはできるだけ何らかの形でやっていただきたい、そのように要望いたしまして、これで質問を終わらせていただきます。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で吉井和視君の質問が終了いたしました。
○議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 17番高瀬勝助君。
 〔高瀬勝助君、登壇〕(拍手)
○高瀬勝助君 私は、間近に迫った世界リゾート博の受け入れ態勢の問題、国際家族年の問題、そしてスポーツの振興という三点について質問をさせていただきますので、誠意あるご答弁をお願いいたします。
 さて、本年七月十六日から九月二十五日までの七十二日間にわたり和歌山マリーナシティで開催される、本県始まって以来のビッグイベントである世界リゾート博も、開催まであと百日余りと迫ってまいりました。知事は年頭の記者会見の中で、「ことしは世界リゾート博の開幕と関西国際空港の開港という二つの翼で、新しい和歌山の時代に向けて力強く羽ばたこう」と言われております。昨年、阪和自動車道が開通したことにより国土軸へ直結し、さらにことしは関西国際空港の開港により国際軸へも直結することとなり、本県にとっては画期的な時期を迎えたということをひしひしと感じているところであります。
 この世界リゾート博の開催によって和歌山県の魅力が国内外にアピールされ、地域の活性化が図られるとともに、本県の国際化がより一層促進されるものと確信しておりますが、一方、この博覧会の成否が和歌山県の将来を左右すると言っても決して過言ではないと思うのであります。仮谷知事も記者会見の中で、「本県にとってかつてない大きな博覧会を県民の皆さんと一丸となって大成功におさめなければならない」と決意を新たにされ、目下、知事を初め関係者が一丸となって全精力を傾注されていることと推察するところであります。
 「県民の友」一月号を拝見いたしますと、ほとんどの公共・民間パビリオンの構想が紹介されておりますし、また会場内においては各施設も本格的に建設が開始されており、博覧会の姿が具体的に目に見えてまいっております。
 このように、厳しい経済情勢の中で着々と準備が進められておりますことは、主催者である県当局を初め世界リゾート博協会の皆様の大変なご苦労があったこととお察しするわけですが、博覧会の成功を願う者の一人として気がかりな点があるのも事実であります。
 先般、他の議員からも質問がありましたので、私からは、世界リゾート博に向けての受け入れ態勢に絞って何点かお伺いいたしたいと思います。
 まず一点目は、開催期間中の交通輸送対策についてであります。
 リゾート博協会の発表によりますと、国内外から百五十万人の入場者が主にマイカーや公共輸送機関を利用して博覧会に訪れることになっておりますが、阪和高速道路、国道四十二号あるいは和歌山市及び海南市内の交通状況の中で、マイカーや電車・バスなどを利用して来られた方々が会場までスムーズに行っていただくためにどのような対策を立てておられるのか。現在、県、警察本部、リゾート博協会、電車・バス等の関係事業者が一体となって交通輸送対策に取り組んでおられると思いますが、その具体的内容について企画部長並びに土木部長にお伺いしたいと思うのであります。
 二点目は、開催期間中の宿泊対策についてであります。
 世界リゾート博のような大きなイベントを開催するともなりますと、交通輸送とあわせて宿泊対策が大きな課題となってくると思います。世界リゾート博には百五十万人の入場者が予想されますし、また期間中には、一般観光客に加えて各種の全国大会や会議の開催も予定されていると聞いております。そこで、和歌山市周辺の宿泊収用能力はどのくらいあるのか、また収用能力を超える場合についてどのように考えておられるのか、さらに県内外からお越しになる一般観光客に対する宿泊についてはどのような対策をとっておられるのか、商工労働部長にお伺いしたいと思います。
 三点目は、ボランティアの受け入れ態勢についてであります。
 世界リゾート博は県民総参加で盛り上げ、成功させなければならないのでありますが、このようなイベントが成功するかどうかは、これを手伝っていただくボランティアの方々に負うところがまことに大きいと考えるのであります。国内外からお越しになるお客様にとりまして、あの大きな会場内での見学や移動など、何かと戸惑うことが多いと思うのでありますが、その際、気軽に相談のできる人やお手伝いをしてくれるボランティアの人がおれば大変ありがたく、心強く感ずるものであります。それらの人々の心のこもった応対は訪れる人々をすがすがしい気持ちにするばかりでなく、そのことは、ひいては和歌山県のイメージアップにつながっていくものであります。
 ボランティア活動の重要性については学校教育の分野でも大きく取り上げられ、高校入試においても平成六年度からボランティア活動を積極的に評価していくというように承っております。地域住民それぞれがお互い相手の立場に立って地域社会を支えていくという社会に二十一世紀は変わっていくであろう、また変えていかなければならないと思うのであります。そういった中で、世界リゾート博におけるボランティアの受け入れ態勢はどのようになっているのか、またボランティアの申し込み状況はどのようになっているのか、民生部長にお伺いしたいと思います。
 四点目といたしまして、環境美化等に対する県民運動についてお尋ねをいたします。
 博覧会が成功であったかどうかは、先ほどから申している輸送対策や宿泊対策、それに入場者数が多いか少ないかということも大きな要因となりますが、一方では、やはり国内外から来られたお客様が「和歌山は美しかった」、「和歌山へ来てよかった」と好感を持って帰っていただけるかどうかにかかっていると言っても過言ではないと思うのであります。
 和歌山県には海や山の豊かな自然があるとともに、きれいな町や豊かな人情があると感じていただく、そんな美しい和歌山を創造していくためにこの県民運動をより盛り上げることが重要な課題であると思うのであります。県民運動は、字のごとく、県民の皆さんお一人お一人が自分のこととして理解され行動することによって生み出される運動であり、「県民総参加」といった合い言葉、スローガンで象徴されております。みずからの手でみずからの町や村をきれいにしよう、そして親切に応対していこうと、各地の自治会や青年団、老人クラブあるいは婦人団体などが花づくり運動やクリーンキャンペーンなどに自主的に取り組んでおられる状況が報じられておりますが、まことに喜ばしいことと思っております。
 私たちの暮らしている地域が住みよい、潤いのあるものであってほしいと願うのは、だれしものことであります。私は、世界リゾート博は単なるお祭りだけに終わらせるのでなく、これを契機としてさらに美しい和歌山をつくる県民運動の輪を広げていくべきであると考えております。この点について、知事公室長のご見解をお伺いしたいと思います。
 次に、少子化と国際家族年に対する取り組みについてお伺いをいたします。
 近年、子供の数が大変少なくなってきております。私たちの周りを見ましても、昔のように大勢の子供をもうける家庭を見かけることが少なくなってきており、町や村で子供たちが歓声を上げて戸外を走り回る姿がめっきり少なくなりました。これは、塾通いで子供たちが忙しくなったということばかりでもないようであります。
 厚生省の平成四年の人口動態調査によりますと、一人の女性が一生涯に生む子供の数、いわゆる合計特殊出生率は全国平均で一・五〇、本県では一・五二となっており、平成五年はさらに低下するとの予想がなされているのであります。この数字がいかに低いかは、昭和四十一年のひのえうまの年でさえ一・五八であったことからもおわかりいただけるものと思うのであります。
 いずれにいたしましても、人口を維持するために二・〇八という数字が必要だとされておりますが、現実はこれを大きく下回っております。このままの状況で推移いたしますと、二十一世紀の初頭をピークに我が国の人口が減少に転じることが予想され、我が国の社会、経済、文化に大きな影響を及ぼすことが懸念されるのであります。
 我が国は、戦後、高度経済成長政策によりいち早く経済の復興をなし遂げた後、福祉社会を実現するために全力を注いできたところでありますが、急速に高齢化が進み、少子化により人口構造が大きく変化するという新たなる問題が発生して、一九九〇年に五・七人で高齢者一人を支えていたのに対し、二〇二〇年には二・三人で支えることになり、将来の社会保障負担や老人などの介護負担など、その福祉制度を支える基盤が危うくなろうとしているのであります。
 また、さらに少子化は、子供が多くの仲間の中でもまれる機会や人と人の間で育つ機会が減少し、その結果、社会性の発達や相手を思いやる心をはぐくむなど、子供自身の心身の健全な発育に大きな影響を及ぼすことも懸念されているのであります。また、本県にとってみましても、高齢化の進展が全国平均を上回っている上に少子化によって地域の担い手である若者が減少するということは、活力ある地域づくりの推進にとって大きな障害になろうとしているのであります。
 このような少子化の背景には、最近のライフスタイルの変化により、多方面にわたって多くの問題が掲げられているのであります。手がかかる育児よりも個人の生活を楽しむといったように、若者の価値観や結婚観が変化したことによって晩婚や非婚といった現象が進んだということ、また女性の社会進出が進んだものの就労と育児の両立が容易でないということ、過熱する受験戦争によって教育費が高騰したことに代表されるように育児費用の負担感が増大したということ、さらに住宅環境の整備が立ちおくれたということ、等々であります。
 二十一世紀まであと七年、まさに二十一世紀はこれからの子供たちのものであります。子供たちは未来を築く社会の宝物とも言うべき存在であり、その健やかな成長は社会全体の願いでもあります。子供の出産や育児は個人の問題でありますが、同時に私たちの社会の将来のあり方に大きくかかわってくる問題であり、行政として取り組むべき課題であると考えるものであります。このような観点から、県として少子化にどのように対処する方針なのか、お伺いしたいと思います。
 また、本年は国連総会で決議された国際家族年の年でもあります。家族や家庭は、まさに子供が生まれ育つ最も重要な環境の一つと考えますが、核家族化の進展などにより地域や家庭における養育機能が低下していると言われております。これらのことが先ほどから申し上げている少子化の一因とも考えられますが、国際家族年は、これらの問題を広く県民にアピールし、それぞれが家族問題について考える絶好の機会であると考えるものであります。県としてどのように取り組んでいかれるのか、民生部長にお伺いしたいと思います。
 質問の最後は、スポーツ振興についてであります。
 私が初めて質問に立たせていただきましたのが、二年前のフランス・アルベールビルで行われた第十六回冬季オリンピック大会の終了後間もなくのことでありました。深夜・早朝を問わず多くの国民がテレビに見入り、日本選手の活躍に胸ときめかしたものであります。
 先月、ノルウェーのリレハンメルで開催された第十七回冬季オリンピック大会も、前回のアルベールビル大会を上回る日本選手の活躍を期待しておりましたが、残念ながらやや不調に終わりました。しかし、ノルディック複合で連続金メダルをとるなどの活躍があり、私は選手の健闘をたたえるとともに、四年後に長野で開催される第十八回冬季オリンピック大会におけるさらなる活躍を心から期待するものであります。
 また、昨年十月、炎天下のカタールで行われたサッカーのワールドカップアジア地区最終予選会は、初めての本戦出場をかけて日本チームが奮闘いたしました。イラクとの一戦では、終了のホイッスルが鳴る直前までリードしながらまさかの同点ゴールを決められ、あと一歩のところで惜しくも代表の座を逃しましたが、サッカーファンのみならず、私たち国民や青少年を中心とするスポーツファンに最終予選終了までの長期間にわたり多くの夢や希望を与えてくれるとともに、一方で本戦出場ならずという無念さも味わわせてくれたのであります。
 私が常々申し上げておりますように、スポーツは、みずから実践する場合においても、あるいは観戦する場合においても、心を豊かにし、充実した満足感を味わわせてくれるものであり、私たちにとって切っても切り離せない営みであると思うのであります。
 ところで、ただいま申し上げた冬季オリンピックやサッカーのワールドカップ予選を見ていて痛感いたしましたのは、会場となったその国の国民はもとより、会場地の地域住民を挙げて大会成功に向けて取り組みを進めておられ、まことに活気あふれる様子がうかがわれましたし、その上、世界各国から観戦や応援、あるいは報道にと多くの人々が訪れ、まさにオリンピック効果、大会効果を生み出していたようであります。
 また、昨年開幕したサッカーのJリーグは、公式試合二百二十二試合で延べ四百十一万人の観衆を集め、ヴェルディ川崎の本拠地の争奪戦もあったことは記憶に新しいところであります。
 この夏開催される世界リゾート博は関西国際空港の開港と相まって多くの入場者が予想されておりますが、リゾート博終了後も引き続き国内外に本県を広くアピールしていくためには、すばらしい自然に恵まれた南国紀州へ観光客を誘致することももちろん大切でありますけれども、昨年の二月議会でも申し上げましたように、スポーツや文化に関する話題を提供することによって多くの人々が集まり、和歌山を知ってもらうことが地域の活性化の一助になると思うのであります。こうした観点から、今後、スポーツ施設の種々の整備も考えていかなければならないと思うのであります。
 今議会におきまして、過日、尾崎議員並びに森議員からコスモパーク加太に総合運動公園あるいは球技場複合施設を立地してはどうかとの質問があり、当局から、総合運動公園等の施設立地については総合的な見地から積極的に取り組むといった趣旨の答弁がなされたところであります。このことにつきましては、私も実現に向かって進めていただきたいと願うものであります。
 しかし、当面の問題といたしまして、平成九年に完成する予定の多目的ホールや、現在サッカーやラグビーの試合を想定して改修が行われている紀三井寺競技場において、今後どのようなスポーツイベントの開催が可能であるのか。ビッグイベントとなりますと、相当な期間をかけて関係者と事前の調整をする必要が出てくると思われますが、例えばラグビーの試合で、神戸製鋼と大学の有名チームの対戦といったようなカードでも実現できないものか。その見通しなどについて知事のご所見をお伺いするものであります。
 次に、競技スポーツについてであります。
 ご承知のように本県は、みずからもスポーツを実践してこられた仮谷知事・体育協会会長の強いリーダーシップのもと、特に競技スポーツ面においては、ロサンゼルスオリンピックへ十四名、ソウルオリンピックへ十五名、バルセロナオリンピックへ九名の関係選手を送り出したことからも明らかなように、高い水準を維持してまいりました。しかしながら、第四十六回石川国体、第四十七回山形国体、そして昨年の第四十八回東四国国体における本県の総合成績は、必ずしも満足のいく成績ではありませんでした。さまざまな原因が考えられるのでありますが、一つには中学生や高校生といったジュニア層の競技力が落ち込んでいることが指摘できるのではないでしょうか。全国中学校選抜大会や全国高等学校体育大会での入賞者が減少していることが国体での結果に大きく影響を与えていると思うのであります。
 ちなみに、総合成績十九位であった昭和六十三年の京都国体時のインターハイでは、団体で九種目入賞、個人で十三種目入賞しておりますが、四十二位の山形国体では、わずかに団体三種目、個人六種目の入賞にとどまっているのであります。
 私は、人間形成や地域社会の人材育成のために競技スポーツの果たす大きな役割をいつも申し上げてまいりましたが、こうした観点に立てば、本県の競技力の低下はまさにゆゆしき事態であると言えるものではないでしょうか。
 現在、県体育協会を中心として各競技団体や学校現場の先生方もそれぞれに懸命に取り組んでおられ、随分つらく苦しい思いをされていることと推察しているのであります。そこで、ジュニア層の競技力の落ち込みの原因やこれを引き上げていくための今後の施策などにつきまして、具体的に教育長にお伺いしたいと思います。
 最後に、去る二月二十八日に出された県スポーツ振興審議会の「二十一世紀を展望した本県のスポーツ振興方策について」の答申についてであります。
 私も、この審議会の委員の一人として審議に参加してまいりました。答申には、今後展開していかなければならないスポーツの振興について実にさまざまな角度から意見が述べられておりますが、私たち議会関係者もこの答申内容を真剣に受けとめ、全力を挙げて取り組まなければならないと考えているところであります。そこで、この答申を今後どのように具体化していくのか、知事並びに教育長にお伺いいたしたいと思います。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの高瀬勝助君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 高瀬議員にお答え申し上げます。
 スポーツの振興でございます。
 来るべき二十一世紀の和歌山県の発展と活力のある郷土づくりを進めるには、健康でたくましい体力を兼ね備えた人材の育成ということが最も肝要なことではないかと思っておりまして、そうした面から、スポーツは重要な役割を果たすと確信しているところでございます。
 とりわけスポーツのイベントについては、お話ございましたけれども、県民のスポーツへの関心を高めることはもとより、また生活に夢と活力を与えるものであり、今後積極的に誘致してまいりたいと考えておりまして、平成九年に完成予定の多目的ホールを生かした国際的、全国的なビッグイベントの開催に向けて検討を進めているところでございます。
 また、現在、紀三井寺陸上競技場を改修中でございますけれども、世界リゾート博開幕一週間前の七月九日にJリーグの鹿島アントラーズとガンバ大阪を迎えてオープン戦を行うということで和歌山カップの開催を決定しており、多くの県民の皆さんにプロの妙技を楽しんでいただけると思っておりますし、またリゾート博においては世界レーザー級ヨット選手権大会を開催することになっております。
 次にスポーツ振興審議会の答申についてでございますけれども、審議会の委員の皆さんには約二年をかけてご審議いただき、今後四半世紀を展望したスポーツ振興についての基本的な考え方とその方向をお示しいただいておりまして、今後、答申を尊重して積極的に推進してまいりたいと思っておるところでございます。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 世界リゾート博の受け入れ態勢における交通輸送策についてのご質問にお答えをいたします。
 世界リゾート博の入場目標百五十万人を会場へ円滑に誘導するため、現在、国、県、警察本部、地元市、リゾート博協会、さらには関係事業者等から成る世界リゾート博交通対策連絡協議会において交通計画を検討中であり、近く取りまとめたいと思っているところでございます。
 この計画のうち、陸上輸送についてでございますが、まずマイカーで来られる方々につきましては、道路の整備計画を踏まえ誘導ルートを設定しておりまして、総合交通管理システム、道路交通情報板、道路案内標識、FM・AM放送を利用して、会場内に設置した約四千台収容の駐車場まで誘導することとしてございます。混雑状況に応じて会場周辺に設置した三カ所、約五千台収容可能な場外駐車場まで誘導し、三分から十五分ごとに会場までの連絡バスを運行することとしてございます。
 また、電車・バス等公共輸送機関を利用して来られる方々につきましては、最寄り駅であるJR海南駅、JR和歌山駅、南海和歌山市駅の各駅から会場まで路線バス、シャトルバスを一時間に最大二十六便運行することとし、バス優先通行帯を設定するなど、円滑な運行を確保することとしております。
 今後は、関係機関を通じて会場までのルートや駐車場案内等を記したパンフレットを事前に配布し、PRを積極的に進め、リゾート博期間中の輸送対策に万全を期してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 世界リゾート博の交通輸送策のうち、海上輸送についてお答えをいたします。
 和歌山港駅と和歌浦漁港から会場であるマリーナシティまでのシャトルボートの運航を計画しております。和歌山港駅ルートにつきましては、主として南海本線の利用客や四国からのフェリー、高速船利用者を対象に、平日で二百八十人乗り七往復の運航を、また和歌浦漁港ルートにつきましては、和歌浦の観光客などを対象に、平日で九十九人乗り七往復の運航を計画しております。
 なお、土曜日、日曜日などの多客日には、輸送力強化のため増便することを予定しております。
 今後とも、案内・誘導方法、各ターミナルの管理体制、さらに航行ルートなどについて関係機関と調整を図り、円滑な海上輸送体制を構築できるよう努力をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 商工労働部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 世界リゾート博の受け入れ態勢のうち、宿泊対策についてお答えいたします。
 議員ご質問のように、宿泊対策がこの博覧会の大きな課題の一つでございます。和歌山市周辺の宿泊収容力につきましては、ホテル、旅館、民宿など合わせて約八千三百人の宿泊能力がございます。しかし、この宿泊収容力では県内外からの博覧会への来場者をすべて会場周辺でお泊まりいただくことが困難な場合もあると考えております。このため、県といたしましても、本県始まって以来のこの博覧会を絶好の機会としてとらえ、博覧会への来場者を一人でも多く県下の各観光地へお越しいただくための宣伝・誘客に努めており、博覧会会場と県下の各観光地を結ぶ旅行商品の企画を旅行エージェントに対し強く働きかけているところでございます。
 また、博覧会協会では、今までの博覧会にはなかった、会場内へトレーラーハウスを設置して最近のアウトドア志向に合った宿泊や、リゾート気分を満喫できる、世界最大級の豪華帆船を係留しての宿泊などに努めております。
 今後ともなお一層、県下市町村、また観光関係団体等と連携しながら旅行エージェントに働きかけるとともに、誘客を図ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 民生部長南出紀男君。
 〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 高瀬議員にお答えいたします。
 世界リゾート博におけるボランティアの受け入れ態勢についてでございます。
 まず、ボランティアの募集状況につきましては、昨年十二月から本年の二月にかけて広く一般公募したところでございます。その結果、募集予定人員五百人のところ、個人による応募を初め、各種団体や企業からの自発的で積極的なご応募によって一千七百余名の申し込みをいただいているところでございます。県民総参加の祭典とする世界リゾート博開催の趣旨が県民の皆様方に深くご理解いただけたたまものでございまして、応募された皆様に感謝を申し上げる次第であります。
 次に、開催期間中のボランティア体制についてでございますが、会場内で簡易な清掃や障害者の方々などの同伴介助、また外国語通訳や手話通訳による会場案内など、幅広いボランティア活動を通じて温かい心で接していただくことにより、ご来場の皆様方に心から満足をしていただけるような博覧会にしたいと考えてございます。
 次に、少子化と国際家族年のご質問にお答えいたします。
 少子化対策についてでありますが、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりは、活力ある福祉社会を実現する上で、高齢者対策と並び、車の両輪と考えてございます。このため、本年度において有識者や各種団体の代表で構成する和歌山県子育て環境づくり推進協議会を設置して、女性の就労と育児の両立支援、子育ての経済的、精神的負担感の軽減等に向けての方策をご検討いただいているところでございます。
 なお、問題が多方面にわたるため、庁内の関係部局で構成する子育て環境づくり連絡会議を設置しており、推進協議会の提言内容の施策化に向け、連絡調整を図ってまいりたいと考えてございます。
 また、県民の子育てに関する意識や現状を分析するためアンケート調査を実施するとともに、少子化や子育て環境づくりについての啓発の一環として少子化社会を考えるシンポジウムを開催したところでございまして、平成六年度は子育て体験記募集事業等を実施してまいる予定でございます。
 なお、本年一月から県下で新たに百七十二名の主任児童委員を委嘱して子育て支援体制の強化を図るなど、今後とも、子供を生み育てたいと願っている人々が安心して子育てができる環境づくりの推進を図ってまいります。
 次に国際家族年への取り組みについてでありますが、核家族化や女性の社会進出により従来の家族構造や機能が著しく変化してございまして、その結果、家族の構成員、特に幼児や高齢者等への適切な養護を行うことが困難な状況も見られ、このことが昨今の少子化の一因にもなっているものと考えております。
 このような観点からも国際家族年を一つの機会ととらえ、広く県民の方々に家族の重要性に対する認識を深めていただくため、例えばこの夏開催される世界リゾート博会場での記念コンサート等を実施いたしたいと考えておりまして、国際家族年の意義を広く県民にアピールしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 知事公室長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 高瀬議員にお答えいたします。
 世界リゾート博における環境美化等に対する県民運動についてでございます。
 本県には、ご承知のとおり、豊かな自然や文化がございます。世界リゾート博の開催は和歌山県のよさを全国の方々に見ていただく絶好の機会でもありますので、議員仰せのとおり、県民総参加の立場で和歌山を美しくする県民運動を推進していくことが非常に大切なことと考えております。
 かねてより進めている紀州ふるさと運動におきましても、郷土愛をはぐくみ、美しい、誇りの持てる地域づくりを目指して県民運動を推進しておりますが、特に世界リゾート博の開催を契機として美化意識の高揚を図るため、昨年、各市町村や各種団体の皆さん方のご協力を得ながら県内全域において一斉クリーンキャンペーンなどを実施し、その啓発に努めてまいりました。
 また、県内外から訪れる方々を温かく迎えるためのまごころの輪づくり運動として、バス、タクシードライバーの皆さん方を対象にした冊子を作成するほか、マスメディア等、あらゆる機会を通じて県民運動を展開しているところでございます。
 また、各地の道沿いを花で美しくしていこうと花の植栽を行うグループに対しても補助をして美化意識の高揚を図るとともに、世界リゾート博を迎えるに当たって会場周辺には啓発プランターを設置するほか、近畿地方建設局、また日本道路公団、JR西日本等のご協力もいただきながら要所要所に花の修景を行うなど、国、県、市町村、県民が一体となって一層美しい郷土づくりに取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) スポーツの振興策二点についてお答えいたします。
 スポーツの振興、とりわけジュニア層の競技力の向上を図ることは全体的なスポーツ水準の向上につながるものでありますし、また学校や地域社会を活性化する上で大いに役立つものと考え、学校の部活動を初めジュニアスポーツの振興に努めているところでございます。
 昨年の東四国国体を見てみますと、一昨年の総合四十二位から、わずかではありますが、四十位と成績を伸ばすことができました。この原動力となったのが高校生を中心とするジュニア層の活躍であり、獲得したジュニア層の得点比率は、一昨年の山形国体の二四・六%から四〇・四%と大きく増加しております。
 しかしながら、議員ご指摘のとおり、本県の中高校生の成績を全国的なレベルで見た場合、フェンシングやレスリングなど高い競技もございますが、全体としては必ずしも満足できるものではありません。このため、教育委員会といたしましては、県体育協会並びに各競技団体、学校体育団体と密接な連携を図り、平成三年度から運動部活動指導者研修事業を実施し、指導者の資質向上を図るとともに、平成四年度からは中学生、高校生の部活動をより活性化するため二十八競技百六クラブ、千五百名の優秀選手を指定し、中学校・高等学校優秀スポーツクラブ育成事業を実施し、特色あるスポーツの拠点校づくりを進め、ジュニア層のレベルアップに努めているところであります。
 また、本年度からは、地域ぐるみのスポーツ振興を目的とした特定市町村スポーツ指定事業や、ジュニア選手にとって目標となる企業スポーツを育成する企業スポーツ指定事業をスタートさせ、重点的な強化を図ることとしております。
 今後、こうした事業を活用するとともに、なお課題として残している中学校・高等学校一貫した指導体制の確立、指導者の一層の資質向上、優秀選手の県外流出の防止などに取り組み、競技力の向上に努めてまいりたいと存じます。
 次に、「二十一世紀を展望した本県のスポーツ振興方策について」の答申でございますが、今後における本県のスポーツ振興について総合的な対策をお示しいただくとともに、具体的な方策として次の四点をご提言いただきました。一つ目は二巡目国体の誘致、二つ目はスポーツ振興を支援するための財源確保、三つ目にすぐれたスポーツイベントの誘致開催、そして企業スポーツの振興の四点であります。
 教育委員会といたしましては、この答申を尊重して、関係部局とも連携を図りながら、ご提言の内容の実現に向けて従前にも増してスポーツの振興に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 17番高瀬勝助君。
○高瀬勝助君 ただいま、それぞれご答弁いただき、ありがとうございます。
 私ども質問の世界リゾート博は、他の議員も同じだと思いますけれども、ぜひともこれは成功していただかなければいけないと思います。企画部あたりで入場券等の売れ行きとかいろんな反応を聞きますと、最近、旅行会社等でもそうした形で感触よくご協力をいただいているというように伺っております。その中で宿泊施設などについては、八千三百人と言っても、大体三割弱ぐらいが宿泊の予定だということで、そうした計算からすると常時三千人ぐらいの泊まり客を考えていかなければいけないということでございます。その一環として、そうしたパックの中で白浜や勝浦、高野山といったところにもお越しいただくようなことをお考えのようでございますので、ぜひとも和歌山県の名を知っていただくとともに、自然に恵まれた和歌山県に来てよかったと言っていただけるようにお願いしたいと思います。
 そのためには、前にも質問いたしましたが、各駅で迎えるタクシーを初めバスの接客態度などが大変重要じゃなかろうか。特にボランティアの方々にそういうことでいろいろお願いをする部分も多うございますけれども、この成果が和歌山県のあすにかかると言っても過言ではございませんので、知事以下皆さん方の絶大なる、強烈なる体制をしいていただくことを願うものでございます。
 それからもう一点、スポーツの振興について。協議会の答申もございましたが、かねがね国づくり、県づくりの中で、文武両道とはいかないまでも、スポーツを通じての体力づくりやいろんな形で地域に残って活躍してもらうためにも、今、教育長の答弁にもありましたが、基金をつくっていただくことが有能な選手を育てていく上でも大変大切じゃなかろうか。厳しい経済情勢の中ですけれども、ひとつ企業を中心とした皆さん方のお力をいただきながら、この答申に対して知事の強烈なるリーダーシップをとっていただき、基金づくりをお願いしたい。今、全国で三十カ所ぐらいが既にそういう体制ができていると伺っておりますし、基金の金額にもよると思いますけれども、ぜひともそうしたすぐれた選手を育てる援護ができる体制をお願いして、要望として質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で高瀬勝助君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(宗 正彦君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午前十一時三十八分散会

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