平成6年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(飯田敬文議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成六年三月十日(木曜日)

 午前十時四分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
○議長(宗 正彦君) この際、報告いたします。
 石田真敏君から、三月九日付で議員辞職願が提出されております。
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○議長(宗 正彦君) 日程第一、石田真敏君の議員辞職の件を議題といたします。
 まず、その辞職願を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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 辞 職 願
今般一身上の都合により議員を辞職いたしたいので許可されるよう願い出ます。
 平成六年三月九日
  和歌山県議会議員 石 田 真 敏
 和歌山県議会議長 宗 正 彦 殿
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○議長(宗 正彦君) お諮りいたします。石田真敏君の議員辞職を許可することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、石田真敏君の辞職を許可することに決定いたしました。
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○議長(宗 正彦君) お諮りいたします。ただいま、議会運営委員会の委員に欠員を生じました。
 この際、議会運営委員選任の件を日程に追加いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、この際、議会運営委員選任の件を日程に追加し、議題といたします。
○議長(宗 正彦君) お諮りいたします。本件については、委員会条例第五条第一項の規定により、宇治田栄蔵君を指名いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) ご異議なしと認めます。よって、宇治田栄蔵君を議会運営委員会委員に選任することに決定いたしました。
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○議長(宗 正彦君) 次に日程第二、議案第一号から議案第七十五号まで、並びに知事専決処分報告報第一号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 26番飯田敬文君。
 〔飯田敬文君、登壇〕(拍手)
○飯田敬文君 議長の発言のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。
 日本政治の変化のうねりが音を立てて大きく加速してまいりました。リクルート事件を契機として沸き上がった「金のかかる選挙を変えよう」との世論を背景に、実に六年に及ぶ国政の最大の課題であった政治改革法案が、廃案の公算が強まっていた一月二十九日、劇的にも成立いたしたわけであります。我が和歌山県も、この小選挙区の区割りを含めて政治改革の大きな流れが起きようとしております。いずれにいたしましても、この改革が戦後五十年という節目を迎え、政治不信の諸悪の根源である腐敗政治から脱却し、その流れが国民生活や国勢の発展に寄与することを願ってやまないわけであります。今ほど地方が重視されているときはないと思います。私たちの住むふるさと和歌山県は、本年九月四日に開港する関西国際空港の地元中心県として、日本の中の関西、関西の中の一地方和歌山県から、世界の和歌山たる気概を持ってこの急激な変革を慎重かつ大胆に県勢の発展へと取り組んでまいらなければならないと思うわけでございます。
 では、世界の中の和歌山県たる位置づけを確立するためには一体何が必要でありましょうか。私は昨年の九月議会においても、関空開港のインパクトを最大限に利用して、大阪泉南地方と紀北地域とりわけ那賀郡との一体化を促進し、京都、大阪、神戸と並ぶ経済集積をこの地域につくっていく必要があると提言をいたしました。このため、当該地域を一体として整備するための障害となっている和泉山脈の壁を取り払うことが不可欠であると申し上げました。その障害となる壁を取り除く一つに、昨年九月二十五日に全線開通した近畿自動車道があります。その先は言うまでもなく名神高速道路とつながり、和歌山県は全国と高速道路で長年の念願であった国土軸にやっと直結することができたわけであります。しかし、第二阪和国道、加太・岬スカイライン、泉佐野岩出線、泉佐野打田線の拡幅及び国道四百八十号線のトンネル化等、新年度予算でようやく着手されることになりましたが、これら主要な府県間道路は遅々として進んでいないのが現状であります。まず、これらの整備の現況と今後の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。
 さらに、事業着手されたとはいえ具体的な形で姿は見せておりませんが、県が強く要望している京奈和自動車道の完成促進が急務であると思います。これが完成いたしますと、和歌山、大阪、京都、奈良、神戸と結ぶ関西地域の内陸大環状線ができ上がり、我が和歌山県の大いなる浮上が現実のものとなるわけであります。しかし、関空開港を目前に控えた今日でありますが、京奈和自動車道の建設の日程さえも見えておらないわけであります。これでは、関空開港におけるせっかくの波及効果を受けるタイミングに大きく乗りおくれるのは火を見るよりも明らかであると思うわけであります。昭和六十一年十二月に和歌山県長期総合計画の策定があって、七年が経過し、その目標を着実に達成されてきている県当局に敬意を表するものであり、さらに先日より第三次中期実施計画を策定、ご説明を受けたところでもあります。確かに、その中の高速交通網の整備体系に京奈和自動車道の促進がうたわれておりますが、完成目標、完成日時とそのめどさえ明記されておらないわけであります。この点について、仮谷知事のご見解と推進に対する決意をお伺いいたしたいと思います。
 また、これに関連をいたしまして、平成六年度の新年度予算案の中に、関空開港のインパクトを活用し、紀の川流域の豊富な自然環境と調和した紀の川臨空都市整備構想策定事業がございますが、開港直前の今、とりわけその重要性がますます必要となっており、紀の川流域を大きく泉南地域と合わせた一大都市圏の中で位置づけし、広域的視点に立った、夢物語ではない、本当に地域に根づいたものにしていただきたいと願うものであります。紀の川臨空都市整備構想の位置づけと地域に根づいた構想の県当局としての所見をお伺いいたすところであります。
 次に、日本は、古代より歴史と伝統の国であります。とりわけ関西地方は、邪馬台国の昔より文化と歴史の宝庫であります。我が和歌山県も、高野山、根来寺、粉河寺を初め、京都、奈良等にまさるとも劣らない文化と歴史の宝庫であります。この事実を利用して、先ほど述べた内陸高速大環状線を利用した文化と歴史の関西観光プロジェクトを今から考えてみてはいかがでしょうか。
 和歌山県は、林野率が七七%にも及ぶ森林県でありますが、人工針葉樹が多く、天然広葉樹が少ないわけであります。幸いにして那賀地方は開発の波にさらされておらず、まだ天然林が多く残っておるわけであります。また、さきの九月議会で和歌山県勢停滞の元凶は和泉山脈であり、府県間の隔たりを取り除くため大規模プロジェクトの推進を提唱いたしたところでございます。これは、もちろん和泉山脈との共存共栄を踏まえたものであります。このようなとき、さらに昨年四月開通した粉河町から那賀町に及ぶ紀泉高原スカイラインと、大阪湾及び紀の川平野が望めるハイランドパークの開園が森林レクリエーションのメッカとして県内外から人気を博しておるわけでございます。この紀泉高原スカイラインを根来寺まで延伸する「紀仙スカイライン」とその沿線に森林レクリエーション施設を整備することで、国際的な森林と人間と歴史が触れ合い共生する紀仙スカイライン構想を提言いたしたいと思うわけであります。
 なお、この構想は現存の林道を利用しての増幅改良が望ましいわけでありまして、地元各町との協議のもとで進めることが必要であります。各町と十分連携の上でお願いをするものであります。この提言に対する県当局のご意見をお聞きいたしたいと思います。
 さらに、関西国際空港の開港に伴って、私たちの和歌山県が世界の中の国際都市として名実ともに世界に誇れるふるさと和歌山を築き上げることが急務であります。私は、迎賓館やスポーツの世界大会ができ得る国際競技場、国際会議場などの建設を推進してはどうかと考えておるわけであります。これらの建設促進と同時に、宿泊施設の整備も必要不可欠であります。事実、過日、那賀郡打田町において開催したパラグライダー全国大会に出席したとき、外国の参加選手からこのようなことを聞きまして特に切実に感じているところでございます。県当局の見解をお伺いいたしたいと思います。
 続きまして、日本は現在、近来に見ない経済不況に陥っております。景気後退の持続期間といい、落ち込みの深度といい、第二次世界大戦後の最悪記録になると、経済評論家は警鐘を鳴らしておるわけでございます。戦後の復興をなし遂げたのは、ほかでもなく日本国民の勤勉と努力であります。また、政治もその大きな指導的役割を果たしてきたのも事実であります。今ほど政治に大きな期待がかかっているときはありません。国、県の予算案も、景気浮揚対策として公共事業の積極的推進を図っております。仮谷知事は、現在のこのような経済情勢をどのように認識しておられるのか、また県予算での景気浮揚対策の取り組みについてお伺いをしたいと思います。
 さらに予算案に関連してでありますが、細川連立内閣は、総合経済対策として連立内閣の中心的政策である、環境に優しい、生活者の視点に立った生活の質の向上策として生活関連施設の充実を打ち出しておるところであります。県も、県民生活環境整備特別枠を設け予算編成を行ったと聞いておりますが、この特別枠の基本的な考え方と新年度予算にどのように反映をされているのか、お伺いしたいと思うわけであります。
 次に、昨年の九月議会でも質問いたしました企業誘致に関する問題であります。
 那賀郡打田町北勢田ハイテクパークなど、造成の完了した工業団地が現在もそのままになっておる事実があります。現在の経済不況の中、企業誘致や工業団地を生かした長期的視野に基づく雇用関連の総合的な計画の見直しが必要であります。また、企業の誘致が実現いたしますと、働く人たちの住宅がたちまち必要になります。和歌山県に優秀な人材を引きつけるならば、企業誘致と雇用促進の住宅や県営住宅の建設も同時に取り組まなくては、後々大きな問題を残すことになるわけであります。県の企業誘致の進捗とそれに対する雇用者住宅の建設についてのお考えをお聞きいたしたいと思います。
 さらに、私の出身地でございます那賀郡は農業が基幹産業でございます。前にも述べましたが、地域の振興は若き優秀な人材の育成であります。若き人材を引きとめておくためには何が必要でありましょうか。国内農業では、先行き不安定のため継承者が育たないのが現状であります。これからの農業は、集中した経営と近代化による低コストの農産物の生産によって経営されなければならないと考えるわけであります。若者たちが進んで取り組める農業体系が必要であります。
 そこで、関西国際空港の開港を間近に控えて、臨空農業として近代化施設の農業経営や大規模野菜工場の建設が必要不可欠であると思うわけでございます。県当局のこの農業に対する考え方をお伺いいたしたいと思います。
 次に、我が国は平均寿命の大幅な延びにより世界最長寿国となっております。また同時に、出生率の低下により、私たちの想像をはるかに超えるスピードで高齢化社会が進んでいるわけであります。
 そこで、高齢化をめぐる諸問題の重要性を踏まえ、県老人保健福祉計画の基本的事項とこれからの福祉の問題点についてお伺いをいたします。
 老人問題については、私も含め、だれもが避けて通れない二十一世紀を目の前にした大きな課題であります。本県における高齢者の現状は、平成五年四月一日において、六十五歳以上の高齢者は十八万八百二十八人であり、県総人口に占める割合は一六・五%に及んでおり、六人に一人が六十五歳以上であります。さらに、二十一世紀初頭には高齢率が二○・二%になり、五人に一人が六十五歳以上になるわけであります。県は、こうした現況を厳しく認識し、県政の主要課題として取り組まなければなりません。昨年五月、全国に先駆けて和歌山県が老人保健福祉計画を策定したことは、仮谷知事の並み並みならぬ決意のあらわれとして高く評価するものであります。
 そこで、今回は本問題の最初の質問として、高齢者福祉の基本とななる県老人保健福祉計画策定の考え方について質問をいたしたいと思います。
 県老人保健福祉計画決定の基本的な考え方に基づく本計画策定の中で、老人福祉圏域を設定する必要があるとしてございます。私は、常々高齢者対策は市町村単位で行うべきであると主張してまいったわけでございます。とりわけ、福祉関連八法が改正され、措置権等が県福祉事務所から各市町村に移譲されたところでもあります。この趣旨は、住民に最も身近なところにおいてきめ細かな福祉施策を講ぜられるよう改正されたと理解しているわけでございます。例えば、特別養護老人ホームの設置について申し上げますと、私の方へ多くの県民の方々から我が町にも特別養護老人ホームを設置してほしいとの声があるわけでございます。本県の福祉目標である「いつでも、どこでも、だれでも」のキャッチフレーズから見ても、こうした老人保健福祉計画は市町村ごとに地域に合った計画を策定すべきであると思うわけでございますが、この見解についてお伺いをいたしたいと思います。
 次に、高齢者対策の問題は数々の諸先輩議員が過去において提案され、その成果を上げてきておりますので、少し視点を変えて質問をさせていただきたいと思います。
 今まで申し上げてまいりました高齢者問題は、主に特別養護老人ホームへの入所を基本として訴えてまいりましたが、老人の方々は自分の家庭で家族と一緒に暮らしたいと願っている方が多いと聞いておるわけでございます。社会復帰を目的とした、病院と家庭との間に通所可能なリハビリを行える中間施設が必要であると考えますが、県当局は老人の実態と老人の社会復帰についてどのように考えておられるのかをお伺い申し上げたいと思います。
 次に、教育問題についてお尋ねをいたします。
 和歌山大学に理工学部設置に向けた調査費が政府予算案で計上されたことは、理工学部のない本県にとって大変有意義なことと喜んでおるところでございます。和歌山大学に一日も早く理工学部の設置ができるよう県の取り組みを期待いたしているところでございます。
 さて、私たち和歌山県は、大企業が少ない上に大学等高等教育研究機関が少なく、県内の優秀な頭脳が他の県へと流れているのが実態であろうかと思うわけであります。ちなみに、県内大学への入学者数全国四十七位、県内大学の収容力及び県内残留率とも全国四十七位という驚くべき実態であります。これでは、我が県の発展にとって重大なマイナスであります。和歌山大学の理工学部設置だけでは本県の大学生の県外流出の歯どめにはならないと思うわけであります。現在、那賀郡打田町に近畿大学生物理工学部が昨年四月に開設され、私もこの学生の通学に出会うことが多くなってきております。
 私は、かねてより申し上げてきたように、近畿大学の生物理工学部に加えて、工学部、法学部、医学部、文学部などを増加して近畿大学の総合化を一層推進しなければならないと考えるわけでございます。残念ながら、和歌山県には総合大学という名のつく大学は一つもないわけであります。若者を引きとめられる活気あふれる町づくりには、大学は大きな要因であります。県の考え方と取り組みについてお尋ねをいたしたいと思います。
 また、人をつくるという観点から、今日本じゅうで問題になっている登校拒否や高校の中退は、現在の学校が克服しなければならない大きな課題であります。人間は、顔かたちが違うように、興味や関心、適性や成長発達過程もまちまちであります。多様な人材を育成し、個々の個性を伸ばす適性に合った教育課程の創設が大事であろうと思います。我々の手で、来るべき二十一世紀の未来を担う青少年を育てなくてはなりません。県当局の教育の実践と教育課程の創設についてお伺いをいたします。
 最後の質問となりましたが、同和問題について仮谷知事の積極的なご答弁を期待し、質問をさせていただきます。
 昨年九月議会において質問させていただいた今日の現状や課題、さらに問題点について明らかにされてきておりますので、重複を避けながら、今回は今後の方向について質問をいたしたいと思います。
 さて、政府の動向にかかわって、昨年秋に総務庁が生活実態調査を実施し、今、その集計や分析作業に入っているところでございます。また、地域改善対策協議会も昨年三月に総括部会を発足して、各地域等で視察、研修を精力的に行っているところであります。こういった状況の中、和歌山県においても今後の方向を見定める主体的な対応が必要となっております。昨年十一月の参議院労働委員会で自民党の坪井議員の質問に答えて政府は、遺憾ながらいまだに差別の解消が徹底されているとは言いがたい状況であると答弁され、坪井議員も、逆差別云々よりも差別されている方々に施策なりをすることの方がより重要な問題であると述べられています。また総務庁の地域対策室長は、日本が人権国家になるためには最も重要な人権問題である同和問題を最優先に解決しなければならないと述べられました。私は、この発言をお聞きして大いに同調するとともに、非常に感銘をしたところでございます。
 本県では、仮谷知事初め県当局や多くの県民の努力で取り組まれ、数々の成果を上げてきておりますが、現実の実態からすると物的事業に係る課題もまだまだ多くあり、さらに産業、就労、教育、健康、生活といったソフトの課題、啓発の課題についてはなお大変な努力が必要であると思うわけであります。特に、現行法の中間年という年になっている今日、今後の方向を考えれば極めて厳しく、現行法の法期限切れ後、従来同様の法的措置が講じられたとしても同様の課題を残すだけであり、抜本的で総合的な法的措置こそが必要であると思うわけであります。同時に、本県としてもこれに伴う県条例の制定が不可欠であります。
 そこで、総務庁の実態調査の中間報告が本年九月提出され、県も独自の悉皆調査を計画されておるところでありますので、今後の考え方について三点にわたって具体的に質問をさせていただきたいと思います。
 第一点目は、昨年五月に提出された県の見解について総務庁からの中間報告を踏まえた中で改めて提出していただきたく、その見解をお聞きしたいと思います。
 第二点目は、同和対策総合推進計画の中での課題と県の実態調査計画を基本に新たな視点で基本方針を策定されるとともに、政府に対して総合的、抜本的な法的措置の実現に向けた県の取り組みをお伺いしたいと思うわけであります。
 第三点は、今まで述べてきた状況を踏まえて、県当局として県条例制定について十分検討されることを強く願うものであります。
 以上の具体的な要請なり、同和問題の全体的な今後の方向について積極的な答弁をお伺いしたいと思います。
 以上、多くの分野にわたり、体系的な質問になっておらないことをおわびいたしまして、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの飯田敬文君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 飯田議員にお答え申し上げます。
 京奈和自動車道の促進についてでございます。
 お話のように、京奈和自動車道の早期着工は、近畿自動車道紀勢線と同様に和歌山県発展の最も重要な課題であると考えておるわけでございます。すなわち京奈和自動車道は、関西大環状道路の一環として関西圏を結び、また将来的には第二国土軸の一環として東海地方、四国地方と連絡する重要な道路でございます。現在までのところ、橋本道路──橋本市から高野口町──が平成元年度に、また紀北東道路──高野口町から打田町──が平成五年度に事業化されておるわけでございます。残っている紀北西道路が平成五年度からスタートした第十一次道路整備五箇年計画内に整備着手することに位置づけられているところでございます。完成時期についてはまだ明らかにされておらないわけでございますけれども、この道路の重要性にかんがみ、ぜひ事業の促進、予算の増額等について、議員ともども積極的に対処してまいりたいと存じておる次第でございます。
 次に、景気浮揚対策と生活向上問題等についてでございます。
 現在の経済情勢については、我が国経済は依然調整過程にあり、新設の住宅着工戸数等、一部回復の兆しが見られるものの、総じて厳しい現況にあるわけでございます。また県内の景況についても、一応の下げどまりの感はあるものの、製造業等、主要業種を中心として先行き不透明で個人消費も総じて低調であるなど、依然として極めて厳しい状況にございます。
 このような情勢に対する対策については、既に平成五年度から公共事業の前倒し発注に加えて、六月、九月、十二月さらに二月補正と、過去に例を見ない大型の補正予算を編成してまいりました。経済対策規模としては過去最大の対策を講じてまいったところでございます。また、六年度当初予算においても景気の回復を念頭に置いての県単独投資を中心とした投資的経費に重点配分を行うほか、厳しい経営環境の中にある中小企業に対し融資総額の大幅な拡大を行うなど、引き続き景気に対する十分な配慮を行ったところでございます。今後は、これらの施策を有効に組み合わせながら、年度当初から切れ目ない執行に努めて、一日も早い景気回復を図るべく最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。
 次に、同和問題でございます。
 今後の同和対策のあり方については、県として、差別のある限り問題解決に積極的に取り組んでいくことを基本認識とし、積極的に推進していく決意でございます。ご要請のあった三点についてお答え申し上げます。
 第一点目については、議員ご質問の趣旨を踏まえて、国が実施した実態調査により同和対策のあり方等の方針をまとめたいと考えております。
 第二点目については、県独自の実態調査を踏まえ、今後の同和対策の基本方針を策定するとともに、その状況によって、残された問題の解決に向けて、国の責務として第一義的には国に対し法的措置が講じられるよう働きかけてまいりたいと考えております。
 第三点目については、同和問題の解決は国の責務であるという認識のもとに、私自身も国の地域改善対策協議会委員として、過去の法改正、法延長についても取り組んできたわけでございます。現在、私は地域改善対策協議会委員ではございませんけれども、今後とも同和対策審議会答申の精神に基づいて積極的に取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 最初に、府県間道路についてでございます。
 第二阪和国道の和歌山北バイパス二・二キロについて、建設省、和歌山市が主体となって地元と協議を重ねながら、現在、用地買収を促進しているところでございます。大阪府側についても、阪南市から岬町間九キロメートルが事業化されておりまして、現在、地元調整を行っていると聞いております。残る和歌山側二・五キロ、大阪側六・九キロについても、早期事業化を国に働きかけてまいります。
 加太・岬スカイラインについては、コスモパーク加太と大阪府を結ぶ重要な道路でございまして、大阪府とともに基本的なルート等についての調査検討を進めておるところでございます。
 泉佐野岩出線については、昭和六十三年度から事業化した根来工区一・二キロに引き続き、平成五年度から森工区一・四キロを事業化し、残る区間についても、早期事業化に向け努力中でございます。大阪府側については、府県界から和泉市─金熊寺間四キロメートルは、バイパスを含め種々の調査を行っており、平成六年度から地元説明に入る予定でございます。金熊寺から樽井に至る五・二キロについては、関空開港までに概成を図るように努力中と聞いております。
 県道泉佐野打田線については、おおむね改良済みとなっておりますが、現在、府県界部の線形不良箇所の改良を大阪府とともに行っておりまして、平成八年度完成の予定でございます。
 また国道四百八十号については、大阪府と協議しながら、ルート、地質、水文等の調査を進めてきたところでございますが、平成六年度は地元説明を行った上で測量を行い、地元の協力が得られる区間から一部用地買収に入りたいと考えておるところでございます。
 これら府県間道路については、その重要性にかんがみ、早期整備に向け、大阪府とともに努力をしてまいります。
 次に、企業誘致と住宅建設についてでございます。
 地域の活性化を図るため企業誘致等の諸施策が推進をされておりますが、これらに伴って新たに生じる住宅需要については的確に対応していく必要があると認識しております。したがって、公的住宅の供給については、雇用促進住宅の建設との連携も図り、かつ県、市町村がそれぞれの役割を担いながら需要に対応した住宅供給を行ってまいりたいと考えます。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 二十一世紀への国際的な和歌山県づくりについてのご質問にお答えいたします。
 まず、紀の川臨空都市圏整備構想策定事業についてでございます。
 紀の川流域は、関西国際空港から至近距離に位置することや豊かな自然環境を有すること、さらには京奈和自動車道や府県間道路の整備等、交通アクセスの飛躍的な向上が見込まれるなど、将来の発展にとって極めて高いポテンシャルを有する地域でございます。このため平成四年度には、国土庁とともに紀の川臨空林間都市整備構想調査を実施いたしまして、紀の川流域に情報産業や研究所等を核とした新しい市街地が緑の環境の中に連檐するという新しい都市圏の形成を図るとの調査結果を得たところでございます。平成六年度は、これを受けて本構想のより具体的な展開を図るべく、開発適地の選定を土地利用や事業手法等の側面から検討していくこととしてございます。
 なお、その取り組みに当たっては、関西国際空港全体構想の実現を視野に入れながら、紀泉地域の一体的発展を図るという観点から、大阪府との連携を密にするとともに、地元市町村と一体となって計画づくりを推進してまいりたいと考えてございます。
 次に、国際都市建設に伴う国際施設づくりについてでございます。
 本県は、豊かな自然や文化、産業など世界に誇れる交流資源を有しておりますが、いよいよ本年は関西国際空港が開港し、世界リゾート博が開催されます。国内はもちろん、世界じゅうから多くの人々が本県を訪れ、スポーツ、文化、産業などの活動を通じて県内各地でさまざまな交流が活発化することになり、世界に開かれた魅力的な都市づくりを進める必要があります。これまで、国際的、全国的なスポーツ大会や各種のイベントが開催できる多目的ホール、美術館や博物館等の文化施設、国際的海洋リゾート基地としての和歌山マリーナシティの建設など、都市施設の整備にも積極的に取り組んでいるところでございますが、今後とも総合運動公園や宿泊施設、交流施設など、国際時代にふさわしい都市機能の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、近畿大学の総合化の推進についてでございます。
 近畿大学生物理工学部については、誘致から開学に至るまで、県議会を初め関係者の方々のご協力をいただくとともに、近畿大学総長でもある世耕先生の特別なご配慮をいただき、昨年四月に開学を見たところでございます。本学部については非常に高い人気を示し、二百九十人の入学生を迎え入れたところでございます。十八歳人口が減少していく中で、高等教育を取り巻く環境は非常に厳しい状況でございますが、県といたしましては、高等教育機関の整備充実を図り、学生の収容力を高めるためにも、大学院の設置や学部の増設等について、世耕総長を初め大学当局に対し強く要望してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(宗 正彦君) 商工労働部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 和歌山県を中心にした関西観光開発についてお答えをいたします。
 議員お話しのように、歴史と文化に彩られた関西には数多くの観光資源がございます。和歌山県においても、豊かな自然や根来寺、粉河寺などを初め、歴史的文化遺産も豊富でございます。関西国際空港の開港に伴い、こうした資源を内外にアピールし、観光客の誘致を図ることが重要でございますが、とりわけ空港に最も近い那賀郡など紀北地域においては観光需要の高まりが特に期待されるところでございます。こうした状況を受けて、那賀郡においては粉河ハイランドパークやパラグライダー基地といった新しい観光資源の整備や郡内六町共同で英文併記のパンフレットを製作することになっておりますが、県といたしましても、こうした取り組みを一層支援してまいりたいと存じます。
 また、議員ご提言の関西観光プロジェクトについては、空港を起点とした交通体系の整備に応じた広域的な観光振興も肝要であると考えてございます。県といたしましても、そのような新たな交通体系の整備を念頭に入れて、京都や奈良に劣らない和歌山県の豊かな歴史や文化を生かした広域観光ルートの設定や観光資源の開発を図りながら、近畿二府六県で組織している近畿府県観光委員会や観光連盟、また地元市町村を初め関係団体との連携をより強め、本県、特に紀北地域への誘客に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、企業誘致状況と住宅の建設についてお答えをいたします。
 本県が本格的に企業誘致活動を始めた昭和五十七年から現在まで六十社の企業誘致を行い、約二千九百人の雇用を見ておりますが、長引く不況で製造業の投資意欲は依然低迷し、企業誘致が大変厳しい状況であります。しかしながら、大都市での用地拡張の困難さ、立地環境の市街化等により、都市部から地方へ進出する傾向が依然続いてございます。受け入れ側としての本県の状況は、関西国際空港の開港、国土軸と直結した近畿自動車道の整備、大都市部と比較して相対的な地価の安さや優秀な人材等により、立地条件が好転しております。こうした状況のもと、県勢発展のため南麓サイエンスパーク構想や御坊田園テクノタウン構想など地域特性に配慮し、バランスのとれた企業誘致を強力に進めているところでございます。
 また社員住宅の確保については、今日まで商工労働部といたしまして雇用促進住宅の建設に努めてまいったところでございますが、先ほど土木部長からお答えいたしましたように、今後とも土木部を初め県関係部局や市町村とも連携を密にしながら住宅の確保に一層の努力をいたす所存でございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 農林水産部長野見典展君。
 〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 飯田議員にお答えをいたします。
 議員ご提言の岩出町根来寺まで延伸する紀仙スカイライン構想でございますが、昨年四月にオープンした葛城山系の森林レクリエーション施設について、その利用状況や延伸した場合の経済効果などを総合的に分析する必要があると考えてございます。今後、議員ご提言の趣旨を踏まえて、延伸について関係町並びに関係者と協議し、研究してまいりたいと考えてございます。
 次に、臨空農業に対応した農業育成についてでございます。
 これまで、紀の川流域を関空関連地域と位置づけ、各種の施策を講じながら高品質安定供給を基本に施設園芸タウンづくりを推進してきたところでございます。
 議員お話しの野菜工場については、最近、技術面で改善が加えられ、生産性の高い施設であると言われていますが、栽培品目と市況の問題、販路、採算性等の多くの課題がございます。県といたしましては、これらの課題について今後調査研究を行うなど、さらに検討を重ねてまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、関空の開港を控え、若者が意欲を持って取り組める農業を推進してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 県民生活環境整備重点化枠についてのご質問でございます。
 快適で住みよいふるさとづくりを目指し、本県においても生活関連社会資本の一層の整備を図っていくという観点から、平成四年度に県民生活環境整備重点化枠を設け、下水道、廃棄物処理、都市公園、保健衛生、文化等の生活環境整備に関する事業で緊急対策を講ずる必要があると考えられる事業を積極的に推進しているところでございます。平成六年度予算においても、重点化枠事業として約二十億円を措置しております。内容は、道路、河川の景観整備、下水道、公園の整備等多岐にわたっておりますが、これにより、県民生活の質の向上に直接結びつく生活関連社会資本の計画的な整備が促進されるものと考えております。
○議長(宗 正彦君) 民生部長南出紀男君。
 〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 飯田議員の高齢化をめぐる福祉対策についてのご質問のうち、老人保健福祉計画についてお答えを申し上げます。
 老人保健福祉計画については、老人福祉法、老人保健法でその策定が義務づけられておりますけれども、本県においては、既に個々の市町村でそれぞれの老人保健福祉計画が策定をされてございます。県の計画は、この市町村老人保健福祉計画を基本といたしまして、その目標数値を積み上げたものとなってございます。
 老人保健福祉計画は、市町村それぞれで今後の高齢者対策をどうしていくのか、特に在宅サービスを中心に保健、福祉が一体となった必要なサービスを、いつでも、どこでも、だれでもが受けられることを目標に計画されたものでございます。その上で、市町村だけでは計画できない規模の大きな施設等については、相互利用可能な圏域を設定して整備を図っていくというスタンスでございまして、さらに県計画はこの市町村老人保健福祉計画を支援し実現するためのものと位置づけをしてございます。今後は、この計画実現に向け、市町村と一体となって取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 保健環境部長江口弘久君。
 〔江口弘久君、登壇〕 
○保健環境部長(江口弘久君) 飯田議員ご質問の、老人の実態と老人の社会復帰についてでございます。
 和歌山県老人保健福祉計画策定の際、六十五歳以上の老人を対象に実施した老人保健福祉実態調査によりますと、寝たきりになった場合の老人ホーム入所の希望状況は、「入りたい」が一九・二%、「入りたくない」が五○・八%、「わからない・不明」が三○・○%となっており、老人の多くの方々が自分の家庭でいたいと願っていることがアンケート結果においても出てございます。
 このような状況を踏まえて、和歌山県老人保健福祉計画の中でも要介護老人に対して看護、介護、リハビリテーション等を実施し、病院等から家庭への復帰を目指した中間施設としての老人保健施設を平成十一年度までに三千床設置する目標で取り組んでおります。また、この施設内に設けられる通所型のリハビリテーションを行うデイケアの設置についても開設時に指導を行うなど、老人が住みなれた家庭や地域で安心して暮らせる在宅ケアの整備充実を推進してまいりたいと考えてございます。
○議長(宗 正彦君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 今後の教育の実践と教育課程の創設についてお答えいたします。
 議員ご指摘の、登校拒否、中途退学など、学校教育が抱える今日的な課題を解決するためには、いま一度教育の目的としての人格の完成の意味を再確認し、ともすると見失われがちになる個人の尊厳、個性の尊重、人間の心の重要性などを強調した活力ある郷土を支える人材、国際社会に貢献できる人材を育成することが重要であると考えてございます。
 そのため、教育委員会といたしましては、他人を思いやる優しい心や健康な体を育てることはもちろんのこと、生徒一人一人の学習ニーズや進路希望を大切にした個性化教育を推進するため、生産技術科、環境科学科など、学科の新設、改編を十五校、十九学科にわたって進めるとともに、さまざまな勤務形態や学習歴を持つ生徒の希望にこたえるため、紀の川、南紀、青陵の三高校に単位制課程を置き、また星林、和歌山商業、和歌山工業の三校間で相互に他校の特色ある科目が勉強できる学校間連携、さらには平成六年度に和歌山高校に総合学科を新設して、情報科学系や健康・体育系など七つの系列を設け、百二十もの選択科目を開設して、生徒が自分の興味、関心等を生かして選択できるなど、生徒一人一人の特性の伸長を図る教育を行い、高校教育の多様化、個性化を一層推進することとしています。高校入試においても、単なるペーパーテストの成績のみで判定するのではなく、生徒のさまざまなよさや可能性を多面的に評価する観点から入試改善を図ったところであります。
 小中学校においても、しつけや教科の基礎、基本をしっかりと身につけさせるとともに、自然や友達との触れ合いを深める自然教室の実施や体験学習の充実、複数の教員による授業の実施、選択科目の拡大など、その工夫を行うこととしてございます。
 新しい学習指導要領の改善の趣旨を生かすためには、生徒や地域の実態とニーズに応じた柔軟な教育課程の編制を工夫するとともに、生徒一人一人に目を注ぎ、そのよさを伸ばし、個人の持っている切実な悩みや困難性、学習のつまずきなどを解決していくためのきめ細かな教育実践が何よりも大切であると考えてございます。教育課程の改善、教育の個性化、子供と教員との心の通う教育、保護者と学校との信頼関係の成立したきめ細かな教育実践が一つになって、初めて、未来を担う人材の育成と登校拒否や中途退学などの問題の解決を一体として進めることができるものと考えてございます。
 今後とも、教育改革の諸事業と並行して、教育相談など生徒の悩みにこたえる体制の整備や教職員の研修、研究活動の充実、家庭や地域との連携を緊密にする中で、たくましく骨太く生き抜く力と豊かな感性を備えた児童生徒の育成を進めてまいる所存でございます。
 以上です。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 26番飯田敬文君。
○飯田敬文君 知事、関係部長、教育長の答弁をいただき、大変勇気づけられてきたところでございます。私は、京奈和自動車道路の早期完成と同和問題について再度強く要望しておきたいと、このように思うわけでございます。
 何としても国際都市和歌山を、関西国際空港が開港される今日、ぜひとも実現しなければならない。このような観点から、ともすれば今日まで日本の中心が東京であり、東京に対する意味での関西と考えてきた嫌いがあろうかと思うわけであります。私は、この関西国際空港を機にして発想を転換し、世界の中の関西和歌山、パリ、ニューヨークと匹敵する関西和歌山でなければならないと考えておるわけでございます。残念ながらこの関西の中にあっても、関西と言えば大阪、奈良、神戸、京都を思い浮かべ、和歌山はこの中に入っておらない感じがするのは私一人ではなかろうと思うわけでございます。そういう意味で、関西国際空港を大きなインパクトとして国際都市和歌山を創出するためには、関西内陸環状高速道路である京奈和自動車道路の一刻も早い実現が必要であろうと思うわけであります。これまでの大阪への一方連絡通路ではなく、関空を中心とした京都、大阪、奈良、神戸、和歌山が二時間で環状に連なり、産業、情報、流通機能を持った高規格高速道路が不可欠であると思うわけであります。仮谷知事を初め県民ぐるみで京奈和自動車道路の早期完成が実現することを強く期待するものであります。
 続いて、同和問題の解決についてでございます。
 同和問題について、先ほど知事からご答弁をいただきました。和歌山県が同和先進県として数々の成果を積み重ね、大きな成果を見ているところであり、大変大きく評価をしているところでございます。しかしながら、特別措置法施行後二十五年を経過しております。まだまだ解決しなければならない根本的な課題がたくさんあろうかと思うわけであります。
 答弁にもございましたように、国及び県の実態調査をさらに踏まえて今後の基本方針を策定すること、さらに国に対して法的措置を働きかけていくことは高く大きく評価されるところでございますけれども、人権問題が国際的にも大きく取り上げられ、その中での同和問題の質が大きく問い直されようとしている今日、これまでの施策のあり方、今後の進むべき方向を今こそ確立しておく必要があろうかと思うわけであります。
 答弁のとおり、同和問題解決の第一義的責任が国にあることは当然であると私も思うわけでございますけれども、地方自治体、特に県の果たす役割はそれに劣らず重要であると考えるわけでございます。同和先進県、人権先進県として、今日の実態を踏まえ、根本的解決につながる県条例の制定に向けて大きく前進することを強く望むものであります。仮谷知事の同和問題、人権問題に対してのより一層の積極的な取り組みを期待いたしまして、質問を終わります。
 以上です。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で飯田敬文君の質問が終了いたしました。

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