平成6年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第二号 平成六年三月九日(水曜日)
   午前十時開議
 第一 議案第五十五号から議案第七十五号(知事説明・質疑)
 第二 議案第一号から議案第五十四号まで、及び報第一号(質疑)
 第三 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第五十五号から議案第七十五号(知事説明・質疑)
 二 議案第一号から議案第五十四号まで、及び報第一号(質疑)
 三 一般質問
出 席 議 員(四十五人)
 1 番 小 川  武
 2 番 吉 井 和 視
 3 番 井 出 益 弘
 4 番 和 田 正 一
 5 番 町 田  亘
 6 番 尾 崎 吉 弘
 7 番 岡 本  保
 8 番 藁 科 義 清
 9 番 向 井 嘉久藏 
 10 番 佐 田 頴 一
 11 番 阪 部 菊 雄
 12 番 堀 本 隆 男
 13 番 平 越 孝 哉
 14 番 富 田  豊
 15 番 門  三佐博 
 16 番 西 本 長 弘
 17 番 高 瀬 勝 助
 18 番 上 野 哲 弘
 19 番 宇治田  栄 蔵
 20 番 尾 崎 要 二
 21 番 中 村 利 男
 23 番 山 本  一
 24 番 馬 頭 哲 弥
 25 番 鶴 田 至 弘
 26 番 飯 田 敬 文
 27 番 村 岡 キミ子  
 28 番 松 本 貞 次
 29 番 下 川 俊 樹
 30 番 石 田 真 敏
 31 番 宗  正 彦
 32 番 橋 本  進
 33 番 浜 田 真 輔
 34 番 冨 安 民 浩
 35 番 上野山 親 主
 36 番 中 村 裕 一
 37 番 和 田 正 人
 38 番 大 江 康 弘
 39 番 中 西 雄 幸
 40 番 木 下 秀 男
 42 番 森  正 樹
 43 番 野見山   海
 44 番 新 田 和 弘
 45 番 浜 本  収
 46 番 森 本 明 雄
 47 番 浜 口 矩 一
欠 席 議 員(なし)
 〔備 考〕
 22 番 欠 員
 41 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 西 口  勇
 出納長 梅 田 善 彦
 知事公室長 中 西 伸 雄
 総務部長 木 村 良 樹
 企画部長 佐 武 廸 生
 民生部長 南 出 紀 男
 保健環境部長 江 口 弘 久
 商工労働部長 吉 井 清 純
 農林水産部長 野 見 典 展
 土木部長 山 田  功
 企業局長 高 瀬 芳 彦
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
   岩 崎 正 夫
 教育長 西 川 時千代 
 以下教育次長
 公安委員会委員長
   西 本 貫 一
 警察本部長 西 川 徹 矢
 以下各部長
 人事委員会委員長
   水 谷 舜 介
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 天 谷 一 郎
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
   鈴 木 俊 男
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 梅 本 信 夫
 次 長 中 村  彰
 議事課長 中 西 俊 二
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主事 長 尾 照 雄
 総務課長 川 端 孝 治
 調査課長 岡 山 哲 夫
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田  繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時五分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
○議長(宗 正彦君) この際、報告いたします。
 過日提出のあった議案第二十六号から議案第二十八号まで、及び議案第四十四号、議案第四十六号は職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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    和人委第391号
    平成6年3月2日
 和歌山県議会議長 宗 正 彦 殿
 和歌山県人事委員会委員長 水 谷 舜 介
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成6年2月28日付け和議会第340号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
   記
 議案第26号 職員の分限に関する手続き及び効果に関する条例の一部を改正する条例
 議案第27号 職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例
 議案第28号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第44号 警察官に対する支給品及び貸与品に関する条例の一部を改正する条例
 議案第46号 警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
   意 見
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(宗 正彦君) 次に、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から現金出納検査の結果報告がありましたので、報告いたします。
○議長(宗 正彦君) 次に、知事から議案の追加提出がありました。
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     財第215号 
    平成6年3月9日
 和歌山県議会議長 宗 正 彦 殿
   和歌山県知事 仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成6年2月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 議案第55号 平成5年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第56号 平成5年度和歌山県農業改良資金特別会計補正予算
 議案第57号 平成5年度和歌山県林業改善資金特別会計補正予算
 議案第58号 平成5年度和歌山県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算
 議案第59号 平成5年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計補正予算
 議案第60号 平成5年度和歌山県東京事務所宿舎特別会計補正予算
 議案第61号 平成5年度和歌山県職員住宅特別会計補正予算
 議案第62号 平成5年度和歌山県物品調達特別会計補正予算
 議案第63号 平成5年度和歌山県立医科大学特別会計補正予算
 議案第64号 平成5年度和歌山県印刷事業特別会計補正予算
 議案第65号 平成5年度和歌山県営競輪事業特別会計補正予算
 議案第66号 平成5年度和歌山県営港湾施設管理特別会計補正予算
 議案第67号 平成5年度和歌山県市町村振興資金特別会計補正予算
 議案第68号 平成5年度和歌山県自動車税等証紙特別会計補正予算
 議案第69号 平成5年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
 議案第70号 平成5年度和歌山県立五稜病院事業会計補正予算
 議案第71号 平成5年度和歌山県電気事業会計補正予算
 議案第72号 平成5年度和歌山県工業用水道事業会計補正予算
 議案第73号 平成5年度和歌山県土地造成事業会計補正予算
 議案第74号 平成5年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
 議案第75号 工事請負契約の締結について
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○議長(宗 正彦君) 日程第一、ただいま報告の議案第五十五号から議案第七十五号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました諸議案について、ご説明申し上げます。
 今回追加提案いたしました補正予算案は、冒頭ご提案いたしました国の総合経済対策に係る補正予算以外の平成五年度予算の所要の補正であります。
 まず、一般会計の補正総額は百三十二億円余の増額となり、その主な内容としては、特定資金公共事業債いわゆるNTT債の繰り上げ償還、県債管理基金への積み立て、公共事業、災害復旧事業等の事業費の確定に伴う所要の補正であります。
 また、特別会計、企業会計においても、事業費の確定等に伴う所要の補正を行っております。
 続きまして、その他の案件といたしまして、議案第七十四号は建設事業施行に伴う市町村負担金について、議案第七十五号は南紀新空港建設に係る工事請負契約の締結についてであり、それぞれ議決を求めるものであります。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(宗 正彦君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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○議長(宗 正彦君) 次に日程第二、議案第一号から議案第五十四号まで、並びに知事専決処分報告報第一号をあわせ一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 6番尾崎吉弘君。
 〔尾崎吉弘君、登壇〕(拍手)
○尾崎吉弘君 まず、今議会に上程された予算案件につきまして質問を進めてまいりたいと思います。
 我々地方の当初予算というものは国の予算、地方財政計画というものを参考にしながらつくっていくものでありまして、今回のように一カ月余り国の予算がおくれたというのは異例のことでありましたので、県当局は大変ご苦労されたと聞いております。地方行政の立場から、また速やかに景気対策を講じていくという立場から、かかることのないように強く希望をするものであります。
 こうした大切なときの予算でございますが、この予算において何を最重点として編成されたのかということをまず知事にお伺い申し上げます。
 景気と言えば、けさの新聞にも、住友金属工業株式会社が四千三百人の人員の合理化を行って一万五千人体制を確立するということを大きく報道されております。今までも三千人の合理化ということが言われておったわけでありますけれども、加えて千三百人の増加ということであります。
 住友金属は、和歌山でもそうでありますけれども、いわゆる世間で言う首切りというような形ではなしに、出向という形で、関連会社その他に社員を外に出すという形をとりながら人員を減らすということ、いわゆる首を切るというような事態にならないようにご努力をされてきておるところであります。しかし、だんだんとその関連会社や他の企業の出向社員を受け入れる容量が減ってきているのではなかろうかということも心配されるわけでありますが、景気ということに対して大変大きな関係がございますので、こういうことについての関係部長の見解を求めるものであります。
 また一方、住友金属は、株主に対する配当が無配になる、遺憾であるが、そうせざるを得ない、そして景気の見通しとして、平成六年はさらにこの環境が悪化するとの見解を発表しておるわけであります。後ほど景気の見通しについて総務部長にもお伺いしますが、その中においても、こういうことも加えてご答弁を願いたいと思うのであります。
 今回の予算の中で、景気対策としてどのような手を打たれているのか、国の総合経済対策への対応を含めてお伺い申し上げます。
 次に、今年度の予算は四%の伸びという、こういうときに思い切って積極的な予算をつくられたわけでありますけれども、これを支えたのはいわゆる借金で、対前年度と比較して三三%増の県債の発行をいたしております。県債依存の将来は財政構造の硬直化を招くおそれがないのか、心配されるところであります。総務部長のご所見をお聞かせいただきたいのであります。
 県税につきましては、三年連続して減収いたしておりまして、前年度と比べて五十八億円という大幅な県税の減収でありますが、その要因、そしてその税の主なもの、また今後の税収の見通しについても、あわせてお伺いを申し上げます。
 その次に、県信の問題でございます。
 今回の予算において五十億円という支援融資を図って県信の健全化を進めるということになっておりますが、和歌山県が特定の金融機関に対して支援をするということはどのような考え方のもとに決定をされたのか、県の方針をお伺いするものであります。
 また、県信みずからリストラを前提とした再建計画をつくっておるわけでありますが、この計画によってどんな経営の改善を図っていくのか、それをお示し願いたいのであります。
 また、和歌山県、紀陽銀行、全国信用組合連合会の共同支援を得て、その再建のめどをどのように考えておるのか。また、人材も派遣するということでありますが、どんな人をどんなところに派遣しようと考えておるのか、あわせてお伺いを申し上げます。
 続いて、住友金属西防埋め立ての問題でございます。
 平成三年の五月、住友金属と和歌山市の電力立地誘致を希望するという表明がございまして、この議会でもいろいろと意見が出されてまいりました。民間企業が埋め立ての申請をして途中で埋め立ての変更をするということは全国で初めてでありまして、そういう意味では大変な問題でもございます。
 一方また、和歌山県といたしましては、産業廃棄物の処理場としての役割も果たしておりますし、またこの埋め立てが環境を改善していくんだという理由のために認められた埋め立てであるということ、そしてこの土地が和歌山下津港内においても重要な役割をする土地であるということ、こういう点をいろいろと考えてまいりますと、その処理の仕方が大変難しいと思われるわけでありまして、知事が当初、情勢の推移を見きわめつつ適当な段階で指導し、具体的な変更申請がなされたときに判断すると表明されたのも、無理のないことであったと思うわけであります。あれから三年、これだけの土地利用を民間だけに委託しておくというような格好で進めるのではなしに、私は、そろそろ知事が土地利用の検討の主体になってこの問題の解決に乗り出すべきではないかと考えておりますが、まずこの点について行政としてどのように考えておられるか、知事の見解をお伺いしたいと思うのであります。
 次に、西防問題の前提として、環境改善目標の達成について明確な見通しが必要であります。そこで保健環境部長に、この環境問題の現状、今後の西防跡地利用を含んだ見通しを伺っておきたいと思います。
 次に、ぜひともそうしてもらいたいのでありますが、県がこの問題について主体的に取り組んでいくというふうにしてまいりますと、そのためには中期、長期的にどんな取り運び方をしていくのかということがその次の問題として浮かび上がってくるわけであります。これについての土木部長のお考えをお聞かせ願いたいのであります。
 一方でこの土地の利用計画を検討して、また一方で第三工区の埋め立てを継続しているということについて、地域の切実な問題として何らかの解決策を見出さなければなりません。例えば、この埋め立て中の土地の一部を広く県民の用に供し、あるいは和歌山下津港の発展に供するという観点から、現実的な解決策を求めていくべきだと思うのであります。こうした解決策の可能性について土木部長の答弁を求めます。
 また、港湾、産業、都市再開発、環境改善、そしてまたその誘致が言われている電力、こういったものを総合的な視野から進めていくといたしますと、県がイニシアチブをとるわけでありますが、中でもぜひ企画部がその中心になるべきだと考えております。この問題の締めくくりとして、最後にこの点について企画部長の答弁を求めるものであります。
 次に、河西緩衝緑地についてでございます。
 昭和五十七年に河西の緩衝緑地が都市計画決定をされております。ところで、この三月二十七日に県は環境事業団に建設委託してまいった西松江の緑地の竣工式をとり行う旨、私もご案内をいただいて出席する予定にしておりますけれども、しかし、県が都市計画決定した区域の一部には、いまだ未完成の区域が残っているのであります。都市計画に定められた緑地は河西公園や農水省所管の松林、企業緑地も含められているので、新規に造成する緑地はおのずと定まってまいります。振り返ってみますと、住友金属が西防埋め立てを計画した際、この緑地計画はその中に不可欠なものとして包含されていたものであります。
 そこで、土木部長にお尋ねいたします。
 河西緩衝緑地として都市計画決定された区域と、そのうち完成したとみなしている区域はどのくらいあるのか。
 次に、環境事業団が実施した緑地の面積は幾らであるか。また、いまだ施工しておらない面積はどれくらいになっておるのか。
 次に、この計画が都市計画決定されたのは昭和五十七年六月で既に十二年を経過しているのに、いまだ施工されていない区域はどの付近で、どのようになっているのか、さらに、この工区の工事をやらねばならぬと思うがやるのか、明快にお答えをいただきたいと思うのであります。
 次に、コスモパークの問題に移りたいと思います。
 コスモパーク加太は我が県の極めて大きなプロジェクトとして県民の関心を集めてきたところでございます。そして、このコスモパーク加太の進め方の主たるあり方は、民間のノウハウを生かしてコスモパーク加太推進機構というものをつくって、そこでこの土地利用のあり方を委託していく、こういうような形で今もこの土地利用について検討中ということになっておるわけであります。しかし、この議場でもしばしば言われてまいりましたけれども、現下の経済情勢を素直に眺めますと、民間による土地利用は既に無理であるということが明白であります。
 まず、県の土地開発公社が行っておる土砂採取及び関連事業はすべて銀行からの借り入れによって賄われておるわけでありますが、コスモパーク加太計画の事業を早く促進して土地を処分しなければ金利負担が増加して今後の事業採算性がとてもとれない、著しく採算性が低下いたします。そこで、土砂採取事業の収支の見通しはどうであるのか、借入金いわゆる借金の利息の累計及び平成五年度の利息はどうなっておるのか。
 次に、今後のコスモパーク加太計画の総事業費を抑制する上からも、国の制度を活用した基盤整備及び公共用地の先行取得を行っていくということはどうか。先ほど申し上げましたように、率直に言って、既に民間のノウハウに期待して民間でこの土地利用を図っていくことは無理であるという現状でございますから、今申し上げておりますように、国の制度などを利用して基盤整備をしたり公共用地を先行取得する、こういうことを県が行ってはどうか。さらに、関西国際空港の開港に伴う影響、京奈和自動車道、紀淡ルート及び加太・岬スカイラインとこのコスモパーク加太計画との関連はどのように考えているのか。こういったこともお答え願いたいのであります。
 次に施設立地についてでありますが、これまでにもこの議会において幾人かの方々から、コスモパーク加太に、あの価値ある土地にこういうものをつくってはどうか、ああいうものをつくってはどうかという提案がございました。一つは総合体育施設であったりいたしましたけれども、今までは全部、提案として聞きおきますというご答弁でございました。しかしながら、今まで申し上げてまいったような現下の情勢を考えますと、この際は県が率先して県民に広く親しまれ活用される運動公園──運動公園だけに限りませんが、運動公園等の施設立地を、提案としてではなくして自主的に真剣に考えてみてはどうかと私は思うのであります。それについての見解をお伺い申し上げます。
 最後に、本年三月じゅうには県土地開発公社が行っておる土砂採取関連工事も終了すると聞いておりますが、本計画について、現在のこうした厳しい環境のもと、どう進めるつもりであるのか、企画部長の所見をお伺い申し上げます。
 以上で、第一回目の質問を終わらせていただきます。
○議長(宗 正彦君) ただいまの尾崎吉弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 尾崎議員にお答え申し上げます。
 第一は本年度の予算でございまして、予算の特色についてでございます。
 私も、冒頭申し上げましたように、平成六年度は世界リゾート博の開催と関西国際空港の開港があるわけでございまして、これらのインパクトを最大限に生かして本県の飛躍発展を図らなければならない年であると考えておるところでございます。しかしながら、ご存じのように、バブル崩壊後において県税の収入も三年連続して前年を下回る状況でございまして、財政は非常に厳しい状況でございます。
 以上の点を踏まえて、平成六年度の予算編成におきましては、従来以上に施策の緊急性、内容性等を十分精査しながら歳出の一層の節減合理化に努めるとともに、国の財源措置のある起債をこれまで以上に積極的に活用することといたしまして、また各種基金についても昨年を上回る大幅な取り崩しを行うなどの工夫を凝らしまして、真に必要と考えられる施策については的確に対応したところでございます。
 具体的に申しますと、まず、バブル崩壊後、依然として低迷する景気の一日も早い回復を図ることを念頭に置きながら、道路網を中心とした総合交通体系の構築や生活環境整備等による社会資本の整備、さらにまた急速に進展する高齢化社会への対応、教育文化施設の充実等、本県がこれまで推し進めてまいった各般の施策の中でも特に緊急性の高いものについて、その充実を図ったところでございます。この結果、平成六年度の予算は地方財政計画を上回り、中でも県単独投資は三年連続して二けたの伸びを確保するなど、投資重点型の積極予算といたしました。
 次に、景気対策でございます。
 既に平成五年度から公共事業の前倒し発注を行っております。それに加えまして、昨年は六月、九月、十二月と過去に例を見ない大型の補正予算を編成するとともに、さきに決定された国の総合経済対策を受けた二月補正予算等も編成し、経済対策規模としては過去最大の対策を講じたところでございます。
 また、六年度の当初予算におきましても、景気の回復を念頭に置いた投資的経費に重点的配分を行うとともに、中小企業金融対策として融資総額の大幅な拡大も図ったところでございます。
 また、去る三月一日に県庁内に和歌山県景気・雇用対策本部を設置し、厳しい経営環境や雇用問題に直面している県内産業に対する対策を講ずることといたしたわけでございまして、これら施策のできるだけ円滑な執行に努めて景気対策の実を上げるよう、全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 次に、県信への支援をお願いしておりますけれども、これに対する基本方針でございます。
 ご承知のように、銀行とか信用金庫などの金融機関については国が直接指導監督する金融機関でございますけれども、信用組合については、国からの機関委任事務によって県が指導監督する唯一の金融機関でございます。
 現在、県信は県下に四十五店舗の営業所を有しておりまして、地域の金融機関として、県内の中小零細企業の振興や地場産業の育成に貢献している組合でございます。しかしながら、最近の進展する金融の自由化やバブル経済崩壊に伴う経済環境の激変により、組合独自の経営努力だけでは早急な経営改善は難しい状況となっております。このような状況が続きますと、県下の中小零細企業や地場産業、さらには預金者に対しても多大の影響を与えることが懸念されるわけでございます。
 そこで、話ございましたように、まず県信自身が再建を図るための積極的なリストラを盛り込んだ再建計画の実行ということが第一でございます。そうした諸施策とともに、県、全国信用協同組合連合会及び紀陽銀行において協調支援体制を確立いたしまして、支援・指導を行うことによって県信の経営の健全化を図ってまいることを基本方針として、今議会に支援のための予算をお願いしているところでございます。
 次に、住友金属の西防埋め立て問題についてでございます。
 話ございましたように、平成三年の五月に住友金属の沖出し中止の希望表明がなされました。県としましては、公有水面埋立法上は具体的な変更申請がなされた段階で判断するものとし、情勢の推移を見きわめながら、適当な段階で行政としての立場から指導することを表明してまいりました。
 住友金属の一部の施設の移転中止につきましては、まことに遺憾なことではございますけれども、鉄鋼業を取り巻く大幅な情勢の変化、環境の現状と今後の見通し、地元の理解が得られつつあることなどから、県としてもやむを得ないのではないかと考えているところでございます。
 ご指摘のように、住友金属の希望表明から相当な時間も経過しておるわけでございます。現状を総合的に判断いたしますと、県としても主体的にこれに取り組み、第三工区は廃棄物処理のため埋め立てを継続させる一方で、この埋立地が広く県民の利益につながるよう、環境保全に留意しながら、公共、公益的な利用を含めて新たな利用計画を検討する時期ではないかと考えておる次第でございます。
 今後、住友金属から何らかの意思表明等がなされれば、同社の一層の努力や和歌山市の積極的な取り組みとともに、知事として総合的な行政の立場から取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 尾崎議員のご質問のうち来年度予算についてのご質問、県債の増発についてでございます。
 平成六年度当初予算においては約六百二十億円、前年度当初対比三三・〇%増の県債を計上しているところでございますが、この中には、今般の個人県民税の減税に対処するための減税補てん債約三十億円、従来の交付税措置が起債に振りかえられた財源対策債約七十二億円が含まれておりまして、これらについては、いわば交付税の振りかわりとしての性格のものでございますので、これを除くと六年度当初予算における県債は一一・二%増ということでございまして、単独投資の伸びに見合ったものになっているところでございます。
 いずれにいたしましても、県債の発行いわゆる借金は後年度における公債費負担を伴うものでもございますので、発行予定の県債の約九割は後年度の元利償還金について交付税措置を伴うものを発行することとしておりまして、県財政の硬直化を招くことのないよう十分配慮しているところでございます。
 次に、県税の見通しについてでございます。
 平成六年度の県税収入につきましては、総合経済対策として先般実施された減税、地方財政計画、本県の産業構造の特殊性等々を踏まえ、慎重に見積もり作業を行ったところでございます。
 まず、個人県民税でございますが、主として減税と給与所得の伸び悩み、営業所得等の減収ということで約三十四億円、率にして一八%の減収ということになっております。
 また、法人二税につきましては、特に関係企業に業績照会などを行って見積もっているところでございますが、景気の低迷を反映して、製造業では、先ほど議員の方からご指摘がございましたように、住友金属を含む本県の基幹産業である鉄鋼産業を初めとして繊維、石油、機械器具等の不振が見込まれるほか、製造業以外の建設業、銀行業等、全般的に減収が見込まれまして、法人二税全体で約三十四億五千万円、率にして一一%の減ということになっております。
 これら個人県民税、法人二税の落ち込みが大きく影響しておりまして、県税全体を見ますと、対前年度当初比九三・八%、五十八億円減の八百七十一億円を計上するということになったものでございます。
 今後の見通しでございますが、景気が回復してまいると増収が期待できるということはございますものの、税収を大きく左右する法人二税については三月決算法人が多く、また個人県民税については、ご案内のように翌年度課税ということになっておりますので、いずれも平成六年度の税収には反映されにくいというふうな問題がございます。今後、経済動向を十分注意深く見守りながら予算計上額の確保に向けて努力してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 商工労働部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 尾崎議員にお答えをいたします。
 まず、住友金属工業株式会社のリストラ計画でございますが、今回の住友金属工業株式会社におけるリストラ計画の雇用調整につきましては、さきのアクションプランの三千人と今回の一千三百人を合わせて、全社で四千三百人の人員の合理化とのことでございますが、各事業所ごとの雇用調整数についてはいまだ確定していないと聞いてございます。県といたしましては、和歌山製鉄所へできる限り影響が出ないように住友金属工業株式会社に要請してまいり、雇用の安定に努めてまいりたいと存じます。
 次に、県信の経営改善計画と再建の目途、人材の派遣について、一括してお答えをいたします。
 まず、県信の再建計画による経営改善につきましては、現在、金融機関を取り巻く経営環境は、完全金融自由化を迎えるなど、一層厳しい状況となってございます。こうした中で生き残っていくためには早急な資産の健全化を図らなければなりません。しかし、景気の長期低迷の中にあって延滞債権の回収も予定どおりに進まず、収益を改善するところまでには至っていない状況でございます。
 このような状況を踏まえ、県信では県下の中小零細企業の金融の円滑化や地域金融機関としての役割を果たしていくためには、知事からもお答えいたしましたように、思い切った経営のリストラを行い、経営の改善を図らなければならないという判断のもとに再建計画を策定したところでございます。
 県信の再建計画の主な内容は、組合の経営努力として、まず相当思い切った経費の削減、人員の削減、店舗の統廃合等を行い、さらに延滞債権の回収につきましても、組合の最重点項目として積極的な回収に努め、経営の健全化を図るものでございます。これらの自助努力に対応いたしまして、県、全国信用協同組合連合会並びに紀陽銀行の総額三百五十億円の低利融資による資金的支援を行うことといたしております。
 次に再建計画の目途についてでございますが、十年間を目途に行い、少なくとも五年目で経営収支を黒字にし、組合の再建を図ってまいるものでございます。県といたしましても、全国信用協同組合連合会、紀陽銀行等との協調支援体制のもとで、県信の役職員が一丸となって再建に取り組むよう強く指導してまいりたいと考えてございます。
 なお、人的支援につきましては、県信から支援機関に対して要請しているところでありますが、現在のところ実現はいたしておらず、非常に厳しい状況にあると聞いてございます。今後とも、人的支援については全国信用協同組合連合会に要請してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 保健環境部長江口弘久君。
 〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 尾崎議員ご質問の住友金属西防埋め立て問題について、環境の現状と今後の見通しについてでございます。
 住友金属に係る環境の現状につきましては、環境保全対策の実施と操業の状況により、例えば硫黄酸化物排出量が時間当たり五百五十立方メートルの目標に対して三百三十七立方メートルであり、窒素酸化物排出量が時間当たり六百三十立方メートルの目標に対し四百三十二立方メートルの状況にあるなど、最近の観測データで判断すると環境改善目標値は達成されているところであります。
 今後は、住友金属に対し、気象条件などによって影響を受ける項目があることも踏まえ、環境保全対策の積極的な実施、公害防止設備の徹底した維持管理を指導し、環境改善目標を確保させるよう厳しく対処してまいります。
 なお、埋立地の新たな土地利用の検討に際しましては、現状を踏まえ、環境保全に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 住友金属西防埋め立て問題のうち、まず問題解決に向けての運び方についてでございます。
 西防埋め立て問題を解決に導くためには、広く県民の利益につながるよう、総合的な行政の立場から県が取り組むことが有効な方策の一つになると認識をいたしております。
 また、その取り組みに当たっては埋立地全体を対象とし、本埋め立ての経緯や埋立法の趣旨から見て環境保全もしくは公共、公益的利用を条件として検討を行っていく必要があり、検討の結果新たな利用計画案ができれば、埋め立ての上位計画である港湾計画の変更手続を行った上で埋立法に基づく手続を進める必要がございます。
 いずれにせよ、中長期的な見通しに立って取り運ぶ必要があると考えているところであります。
 次に、公共利用の問題解決の可能性についてでございますが、議員ご指摘のとおり、工事中の第三工区については埋め立てを継続させる必要性がございます。
 なお、埋め立てを継続する一方で新たな利用計画を検討するということは、埋め立てを継続せざるを得ない理由があるということ、埋立法に埋め立て中の用途変更の規定があるということから許容されていると考えております。
 さらに、議員提案の埋立地の一部を広く県民の用に供するという考え方は、この問題の現実的な解決策の一つになり得るものではないかと考えるところであります。
 次に、河西緩衝緑地についてでございます。
 住友金属工業から発生する公害を緩和し、住宅地の環境を保全するということを目的として、昭和五十七年九月、既存の河西公園、その他企業緑地も含めて延長約七・六キロ、面積で約七十六・五ヘクタールを河西緩衝緑地として都市計画を決定いたしました。
 このうち、完成後に公園緑地として供用することが適当と考えられる湊、中松江、西松江地区の約十四ヘクタールの区域につきまして、昭和五十七年度から公害防止事業団に委託をして建設し、平成四年度に完成をしたところであります。
 現在、都市計画決定どおり完成をしていない区域は東松江地区等で、面積は約十ヘクタールであります。この区域の大半には住友金属工業の倉庫等の施設や関連会社の施設が立地をしておりまして、これら施設の移転をする必要があるわけでございます。
 さらに、現在の土地利用状況、また緑地が完成をした場合の利用状況を勘案いたしますと、環境事業団事業等による公共事業としてこれを実施するということはまことになじみにくいものがございます。今後、企業においてこの緑地を整備するというような方向でこれを進めてまいりたいと考えておるところであります。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) まず、住友金属西防埋め立て問題についてのご質問にお答えをいたします。
 西防埋立地の土地利用の検討についてでございますが、議員ご指摘のとおり、港湾機能の充実、産業振興、都市再開発の促進等、多面的、総合的な視点からの検討が必要であると考えてございます。
 新たな土地利用の問題につきましては、先ほど知事の答弁にもございましたように、住友金属から何らかの意思表示がなされた段階にあっては、産業政策や地域の活性化等の視点から、企画部を初め全庁的な体制で取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、コスモパーク加太計画についての五点のご質問にお答えをいたします。
 コスモパーク加太計画につきましては、現在、県土地開発公社の土砂採取関連事業を進めておりますが、平成六年三月末に終了の予定でございます。
 まず、土砂採取の収支の見通しについてでございますが、土取り事業及び用地費を含む加太開発事業の平成五年度末までの収支見込みは、収入が八百三十三億円、支出は一千三百億円でございます。平成五年度末までの借入利息の合計は百二十五億円、このうち平成五年度の利息は十五億円と公社から報告を受けてございます。
 次に、周辺環境及び域内の整備について、さらには公共用地の先行取得についてでございますが、関西国際空港の開港のインパクトにつきまして、これを最大限に利用しなければならないと考えてございます。京奈和自動車道、紀淡ルートにつきましても、計画を推進する上で大いに展望が期待できるものと考えてございます。
 また、加太・岬スカイラインはこの計画を促進する上からも重要な路線であり、現在、大阪府と合同で基本的なルート等について調査検討を行ってございます。今後も、両府県において早期事業化に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、コスモパーク加太計画の総事業費の抑制の観点から国の制度の活用等についてでございますが、和歌山市の協力を得ながら、新たに公共事業の採択や用地の先行取得を検討してまいりたいと存じます。
 次に運動公園の施設立地の早期検討についてでございますが、総合運動公園等を含む公共的利用につきまして、総合的な見地から積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 最後に、今後の事業方針についてでございます。この計画は、議員ご指摘のように、民間活力の活用を基本として事業を進めるべく取り組んでまいったところでございますが、現在の厳しい経済情勢のもとで民間企業が事業主体となって事業を進めることはまことに難しい状況にございます。このため、県、和歌山市、県土地開発公社の三者の協議のもと、県土地開発公社が事業主体となって事業を推進することといたしたいと存じます。
 関西国際空港に至近の位置を占める貴重な土地を有効に活用するためには、今後の経済社会情勢の推移、さらには県議会を初め各界各層からの具体的なご提案等もいただきながら、二十一世紀に向けた新しい町づくりの推進に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 6番尾崎吉弘君。
○尾崎吉弘君 ただいまご答弁をいただいたわけでありますが、住友金属の西防の問題、それからコスモパーク加太の問題、いずれもただ民間に任すということではなしに県が主体性を持って臨んでいただくという点で共通しておるわけでありますけれども、こういう経済情勢のもと、一方の住友金属の問題につきましては、民間で埋立申請をして民間で埋め立ての変更をするという、全国初のケースであります。その土地が会社にとっても和歌山県にとっても大変貴重なものであるという観点から、行政の長としての知事、政治家としての知事、今こそ知事の主体性を発揮していただく大切な時期だと思うわけであります。敬愛する仮谷志良知事の手腕に期待を申し上げる次第であります。
 コスモパーク加太につきましては、これまたご存じのように、答弁でも、民間にその土地利用をゆだねるということは今の経済情勢のもとでは無理であるということをおっしゃいましたが、一日も早い転換が大事であります。そうでないと利子がかさむばかりで、大変なことになってくるわけであります。これも迅速な対応──国の協力も得まして、もちろん和歌山市との相談も十分になさっていただかなければならんと思いますけれども、基盤整備、そして公共用地の先行取得ということに一日も早く踏み切ってもらいたい。そうして、今まで提案として受けてきただけでありましたけれども、きょうの答弁では、総合運動公園等、積極的に取り組んでいくということでございますので、今までの方式から一転をして県が主体性を持つ行政に切りかえるご答弁であったと私は考えております。この二つのものにつきましては、重ねて知事の主体性に期待するものであります。
 もう一つ、河西の緩衝緑地の問題につきましては、都市計画決定がなされたものでありますから、残された部分の実現をぜひともやっていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で尾崎吉弘君の質問が終了いたしました。
○議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 38番大江康弘君。
 〔大江康弘君、登壇〕(拍手)
○大江康弘君大変久しぶりの登壇でありまして、どういう質問をしようかなといろいろ私なりに考えたわけでありますけれども。
 この壇上に登ってくるまでには大変長い道のりがあります。いろんなところからいろんな皆さんが、もうそういう質問はやめてくれとか、これは堪忍してほしいとか。そういうことをかき分けて、この壇上に参りました。三年ぶりの登壇でありますから、いささか耳の痛いこと、また昨今の時代の流れの中でいろんな激変がありましたから、そういうことも含めまして、本日申し上げました質問に入らせていただきたいと思います。
 きょうは、大変多くの県民の皆さんが傍聴に来られております。県政バスで来られた皆さんも、たまたまきょうの二番目の私の質問と時間が合ったわけですが、傍聴の皆さんが「県会というのはあんな議員しかおらんのか」という思いにならないように、ひとつ頑張って質問をしたいと思います。
 実は、きょうは四番目に、十一年間この同じ議場で友情を分かち合いながらあすの県政を互いに夢を見、希望を持ってともに切磋琢磨してきた我が友人・石田真敏議員が、志新たにして県議会を去る最後の質問をされるということを聞きました。私がいろんなことを申し上げて、もし──今までは野党席から議事進行が出て五回ほど議会がとまったことがあるわけですが、今回、議事進行が出るとすれば自民党の皆さんから出される可能性もあるんじゃなかろうかなと。しかし、お互い道は違えども、仮谷県政を支えて和歌山県の将来のために血肉を削ってやっていくんだという気持ちにはいささかの違いもなかろうと思いますし、私も岡本県連会長のもとで、至らぬ身でありましたけれども、自由民主党のためにという思いと日本国家のためにという思いで十四年間自民党員としてやってきたことの事実は、どうかひとつ自民党県議団の皆さんもご理解をいただきたい。
 たまたま、昨年の六月の政変以来、私どもは自由民主党を離党して五名で新生党県議団・開政クラブをつくらせていただきました。近親憎悪という言葉がありますが、裏を返せば、それほどお互いが今まで仲よくやってきたことでもありますし、我々地方にあって国のことを云々するということはこれまた非常に距離の遠いところもありますけれども、もはや今、地球の裏側のことがもう一分以内にリアルタイムで届くという時代の中で、我々がこれから真の地方の時代を求めていくに当たって、どうしてもこの国の流れというものは的確に把握をし、それをいろんな決断の中心に置いて考えていかなければならないということは、ご理解もいただけると思うのであります。
 私は、前段申し上げましたように、そういう中で石田議員と十一年、相交わってまいりました。やはり、若くして政治を志すということ、そして若くして政治家になるということは大変なことであります。そして、一年、二年、三年、四年と、まさに大木が年輪を刻んでいくがごとく、一年一年の経験がその人の人間の幅を大きくし、成長していくという過程は、お互い人生の中で当然のことであろうと思います。
 石田さんが今求められてみずからの政治の生き方を変えるということについて、私は大変な決断であっただろうなとも思いますし、やはり男が、政治家が一たん決断をしたのであればおのれを捨ててその道に邁進していくという、私はこの心意気に打たれる一人であります。
 私ども新生党といたしましては、今回の海南市長選挙に当たっては今立候補を予定されておる両名の方の推薦はできないという決定をさせていただきましたが、十一年間の友情、そして石田議員の真摯な今日までの活動を見せていただいた一人として、私は心から友情の声援を送りたいと思う次第であります。石田議員の最後の質問のご迷惑にならないような形で質問をやらしていただきますので、よろしくご理解をいただきたいと思います。
 知事、「疾風に勁草を知る」という言葉をご存じですか。──私がときどき難しい言葉を言えば、知事は不思議な顔をする。「あいつ、何であんな難しいことを知ってるんかな」と。そういう顔はどうかひとつやめていただきたい。私も、本も読めば、時間があればテレビも見るわけですし、十五年もこの県議会でやらしていただきましたら、それなりに知識も頭に入ってくるわけであります。
 この言葉は、荒れ狂うあらしの中で、何が信念なのか、何が真実なのか、そうした信念のもとに、吹き荒れるあらしにも負けないで一本だけ高原に残っておる草のことを言うそうであります。前段申し上げましたように、昨年六月の国の変革以来、私はこの「疾風に勁草を知る」という言葉を絶えず自分の心のそばに置きながら政治を進めてきた一人であります。
 今、日本に求められておるのは何か。私は、いろんなことがありましても、自由民主党が五五年体制の中で今までやってきたいろんな施策というのは大筋において決して間違いがなかったと認める一人であります。しかし、なぜ私ども五名は昨年六月にあえて自民党を離党いたしたのか。大きな傘の中でおるのは楽であります。雨にも当たらない。風にも吹かれない。しかし、政治家というのはまず行動を起こすということ。暖房が効いた部屋で温かいコーヒーを飲みながら、テレビに写ってくる画面を見て、ああでもない、こうでもない、そういうことを言って世の中が変わっていくのであれば政治家は要りません。評論家がやればいい。政治家に求められるのは、なぜ今行動をしなければいけないかという、私はこの一点であろうと思います。批判は後で聞けばいい。何もせずに、ああでもない、こうでもないと言うことだけでは政治は前へ進んでいかないのではないかなと私は思うのであります。
 我々五名は、経験も浅いし、また政治的な思慮も浅い者ばかりでありますけれども、県政を思う気持ち、国を憂うる気持ちはだれにも負けないと自負をしておるものであります。その中で、時の流れというものはだれにもとめられるものではない、時の流れというのはだれも避けて通れるものではないということを、この八カ月間、感じてまいりました。
 細川内閣が、「ガラス細工」だとか、やれ「八頭立て」だとか、いろんな批判を受けながらも、今まで五五年体制の自由民主党の一党支配の中でなし遂げることができなかったことを、今一つ一つそれぞれが知恵を出しながら解決いたしております。
 知事は、この八カ月間の細川内閣の軌跡をどう評価し、判断されるのか、まずお聞かせをいただきたいと思うのであります。
 その中で、今回の予算編成作業について、今までは自由民主党が中心に作業をやってまいったのでありますが、この平成六年度の予算編成作業は、連立政権になってから初めてのことであります。そこで我々も、地方で連立政権を支えていかなければいけないと思う同志が相集い、この議会で四派連絡協議会というものをつくりました。座長は公明党県議団の森本明雄先生であります。この不況の中にあって、仮谷県政がひたむきに県民の福祉の向上やふるさとの発展を求めようとして頑張っておるその行為に我々も何とか力になれないものか、政治家としての使命を果たすことができないものかという思いの中で、たまたま今申し上げた連立政権の初めての予算編成作業で、「この機会に我々のこの新たな思いをぶつけることが我々に与えられた使命である」という認識で一致をしたのであります。
 諸般の事情でおくれましたけれども、ことしは二月十日に大蔵省の内示がありました。この政府予算の内示に基づいて、毎年県は東京事務所に予算獲得のための事務所を開設されます。我々も、二月十日一時の開所式に、森本座長、松本議員、私、そして野見山議員と、四名が出席をさせていただきました。このときに大変申しわけなく思ったのは、たまたま連立政権を支えておる中西、二階、西の三代議士が非常に忙しくて開所式に出席できなかったということ。自民党のお二人は来ていただいておりましたけれども、私どもの議員は非常に忙しかったので出席をさせていただけなかったのは大変申しわけなく思うわけでありますが、翌日の新聞を見ましたときに、各会派のコメントが載っておりました。これは二月十一日付の朝日新聞でありますが、そこのくだりで──もしこの記事が間違っておったら問題があるなと思うわけですが、やはり新聞というのは公器でありますから、そんなにうそは書かないだろうと思って、この記事を読ましていただきます。
 「一方、自民党県議団は今のところ上京の予定はない。『今さら陳情しても効果が上がるものではないだろう』(宗正彦・同党県連幹事長)と覚めた目で見ている」──「同党」というのは自民党であろうと思います。
 私は、もしこの記事が本当であれば悲しいことだなと。私も十四年間自民党でお世話になった一人として、毎年毎年、予算陳情時に東京へ参りました。そういうことが効果がなかった──議長、済みません。議長の悪口を言うているんじゃないですよ。しかし、自民党という今まで日本の国を支えてきた大きな党の県連幹事長のコメントというのは、大変大事なものであります。公党の幹事長としてのコメントは当然──百歩譲って、今の中央でのお互いの力関係ですから、自民党としてはまあおかしくはないかなというふうには思うわけでありますけれども、しかし、四十七名の議長という立場を考えていただくならば、我々議員が願ってやまない本県の発展のために、お互いが力を合わせて東京に行って、一万円でも二万円でもよその県より予算を獲得してこよう、仮谷県政の発展になるのなら一つでも二つでも多く事業をもらってこようと思って東京へ行ったことについて、一刀両断に「効果が上がるものではない」と言われた。これは、私は大変寂しい思いをした一人であります。
 この場でこのコメント云々というのは適切でないと思いますけれども、県民の皆さん、我々は決して、あの二月十日から十二日まで東京へ遊びに行ったわけではないのであります。細川政権が初めて試みた平成六年度の予算編成作業に当たって、「何とか和歌山県のために」という思いで、我々四派連絡協議会の十四名が陳情をし、国会の先生方にお願いに行ったわけでありますから、どうかひとつこの点はご理解をいただきたいと思うのであります。
 こういう我々の行為を仮谷知事はどう思っていただくのか、そのことをお聞かせいただきたいと思います。そして、五五年体制からずっと自民党が中心になって続けてきた予算編成作業と今回の連立政権が行ったこの予算編成作業において、和歌山県が予算編成をする上でどのような違いがあったのかもお聞かせをいただきたいと思います。
 また、我々が陳情に上がったときの朝食会に西口副知事が出席をしていただきました。これも二月十三日の朝日新聞の記事でありますが、「苦しい立場」として「両方に気遣わねばならず、行政マンとしては苦しい立場です」との副知事のコメントが載っております。最近、大変おやせになったのはそのせいかな。あちらを立てればこちらが立たず、まあ行政の立場というのは私もわかるわけであります。
 しかし、何度も言いますが、お互いだれのためでもない。今こうして平成六年度の予算を審議しておるのも、日ごろいろんな批判の中で政治活動をしておるのも、お互い個人のためではない。自分たちの地域のために、自分をこの議政壇上に送ってくれたふるさとの人のために、そしてあとの体の半分は、お互い力を合わせて仮谷県政を支えて和歌山県の発展のためにという思いでやってきておるのではないでしょうか。私はそういうことに思いをいたしますときに、今回の予算編成作業にはいろんな投げかけられた問題が多くあったと思います。
 しかし、どうか早くこの予算編成作業になれていただきたい。ことしもこの形で行きます。連立政権が予算編成をさせていただく予定であります。私も、自民党の皆さんがいま一度政権をとってまた予算編成をやっていただくことを期待申し上げる一人でありますが、なかなか難しいのではなかろうかなと。さすれば、県の皆さんももうこんなお気遣いは要りませんから、この編成作業にきょうからなれていただいて、来年連立政権がつくり上げる平成七年度予算を和歌山県の発展のためにいい意味で生かしていただく努力をひとつ今からしていただきたいなと思います。
 最後に、この予算編成に当たりまして、私は知事に所信、感想を聞かせていただきたいと思います。
 それは、基本的なことであります。先ほど言いましたように、八カ月間、連立政権がやってまいりました。もうこの時の流れはだれもとめられない。国民の声なき声が今の連立政権を支えておるのであります。それだけに、知事も政治家としてもう五期目、いよいよ円熟してきて、これからさらにいろいろと、今手がけていること、また二十一世紀に向けて和歌山県の発展の基になる施策を進めていってもらわなくてはいけない。
 知事は最近、石原裕次郎の「わが人生に悔いなし」という歌をよくカラオケで歌われるそうであります。まだそこまで回顧をしていただくのはちょっと早いような気もいたしますが、あの歌は大変いい歌詞であります。私は、人生は何が大事かといって、やっぱりいかに青年期にすばらしい先生、すばらしい師匠にめぐり会えるかということであろうと思います。明治維新のときの坂本龍馬は、勝海舟というすばらしい師にめぐり会いました。高杉晋作は吉田松陰というすばらしい師にめぐり会えた。すばらしい師というのは、自分が教える人間のいい面を引き上げる力を持つものであります。そういう意味においては私大江康弘の師匠はさしずめ仮谷志良と、こういうことに相なるのではなかろうかなという気がするわけであります。
 知事、やはり歴史の転換点において、その状況を揺り動かし、そして新しい時代を切り開く役割を担ったのが、必ずその当時の若者であったと思います。振り返れば、源頼朝が古代社会にピリオドを打って中世へ導く役割をしたのが三十四歳。足利尊氏が後醍醐天皇を追い落として武家社会の基礎を築き上げたのが三十二歳。そして、織田信長があの下克上の戦国時代に安定した武家社会をつくろうと行った桶狭間の戦い、当時二十七歳であります。私は、こういう過去の傑物がそれぞれの時代にターニングポイントを与えた年代を見ましたときに、いかに若い人が情熱を持って、理想を持って燃え尽きていったか、今さらながら心深く思うのであります。
 こういう歴史を振り返ってみたときに、知事はこれから和歌山県のあるべき姿を一体どういうふうに持っていこうとするのか、またこういう若い世代に対してどういうアピール、指導をされていくのか、そしてそれをどのような形で政治に生かしていくのか、こういうことをひとつ知事さんの言葉として、もし感想があればお聞かせをいただきたいなと思います。
 いろいろと申し上げましたので、後はそれぞれの項目について質問をしていきたいと思います。
 まず、フロリダについてであります。
 実は、けさ新聞を見ましたら一枚の写真が載っておりまして、思わず目が覚めました。この顔、ご存じですか。(新聞を示す)中西公室長であります。目が覚めました。一体どういうことを述べられておるのかなと思いましたら、ちょうどきょう私がご質問をさしていただくことに似たような内容をコメントされておりました。
 昨年、我々開政クラブは、今本県は山東省、南フランスのピレネーオリアンタル県の二つと友好協定を結んでいるが、これからの国際化の時代の中で三つ目としてフロリダ州との交流を進めてはどうかということを、当地に行かしていただき、そして九月議会で浜田議員から質問させていただきました。
 その後、いろいろ県も対応していただいたそうで、今回、二月七日から十一日間、公室長がわざわざフロリダに出向いて交流を深めてきていただいたということをお聞かせいただきました。公室長が行かれたときの感想、全般的な報告をここでお聞かせいただきたいと思いますし、後で聞いた話ではその帰途にメキシコのシナロア州にも寄られたそうでありますが、ここへはどういう目的で寄られたのかもひとつお聞かせをいただきたいと思います。
 三つ目に、私は串本町の同和対策事業についてご質問をさせていただきたいと思います。
 実は、この串本町の同和対策事業について、私は地元の串本町から二年前にお話を聞かせていただきました。昭和四十四年に同対法が制定をされて以来、今の地対財特法の延長まで過去五回その法の延長を見、今日まで法的な根拠を裏づけとしてこの同和対策事業を進めてきたのは周知の事実であろうと思います。その間、本県は、この国民的課題である同和対策事業に物的事業、非物的事業合わせて九千八百五十五億七千三百万円の予算をつぎ込んで、この解決に努めてきたわけであります。
 今回の串本町の事業は、何とかもう終了宣言をしたい、一日も早く同和問題の解決をしたいという思いの中で二年前に計画したものであります。今まで串本町は、昭和六十一年三月に水産加工の大型共同作業場、そして平成二年八月に発泡スチロールの大型共同作業場をつくっております。水産加工の場合は当初五十人の就労者の予定が今は六十五人、そして発泡スチロールは当初二十五人の予定が三十五人と、いずれも地区の皆さんや地域の皆さんの就労対策の場として大きな成果を上げているのはご存じのことであろうと思います。
 そうした串本町の長い経験と歩みの中で上げてきた今回の同和対策事業に関しまして、私は農林水産部の対応はまことに遺憾なことだなと思わざるを得ないのであります。なぜ今日になっても、これが予算化されて前を向いて進んでいかないのか。もう、足かけ三年であります。一番最初にこの計画書が出たのが平成四年十一月三十日。そしていろいろ県との協議の中で、私は平成五年六月十一日に計画変更の計画書を、町からいただきました。二年前に県にお願いをしておるにもかかわらず、今日まで県から一言の経過の報告もない。そして聞けば、金額が大きいから難しいんだとか、水産同和の予算が足らないからなかなか難しいんだという、どうも否定的な声ばかりが聞こえてくる。
 同和事業というのはそういうものではない。金額が大きいからとか、予算が大きいからできない──予算が小さければいいのか、規模が小さければいいのか。私はそれは、同和問題、同和対策事業を進めていく上での正しい判断とは言えないと思うのであります。
 こういうことについて、所管の農林水産部長を初め、今日まで和歌山県が先進県だと言われて同和対策事業を進めてきた民生部はどういう考えをお持ちであるのか、聞かせていただきたいと思います。
 同時に、昨年の十一月十六日に、馬頭同和対策委員長にお願いして、私も含めて現地の視察もさせていただきました。町長や議会の皆さん、関係の皆さんのご説明、ご陳情を受けたことも、あなた方はご存じであろうと思います。それなのに、国の予算が減るとか、国の予算が足らないからできないとか。そうしたら、なぜ国の予算が減らないような努力をしないんですか。あなた方は政治的な動きというものをすべて否定するわけですか。同和対策事業特別措置法、そして今日までの五回の延長の中での地対財特法、これすべて中央の政治にお願いをしてやってきたことではないですか。
 同和問題というのは、皆さん、町内会の会長が、あの地域が嫌だからあそこを差別しよう、この地域が嫌だからあの人たちを排除しよう、そんなことで出てきたのではないんです。時の権力者が、時の行政の責任者が自分の都合でつくり上げた身分制度が事の起こりであります。
 ならば、同和問題の解決というのは、やはり時の政府が、時の政治に携わる者すべてが解決のために努力をするというのは、当然なことじゃないですか。私の考えは間違っていますか。私はどうも、今回のこの同和対策事業についての県の対応や考え方は、本当に和歌山県は同和の先進県なのかなと疑わざるを得ないような、そういう県の内情であろうと思いますが、いかがですか。
 最後に、この事業について今後どうされていくのか、金額が大きいからもうやめるのか、予算が足らないからやめるのか、そこのところをひとつお聞かせいただきたいと思います。
 もうあと与えられた時間が五分でありますので、最後の人事につきまして申し上げます。
 私は、十五年間、県議会議員としてこの議場でお世話になり、また県でお世話になるにつれて、我々議員ですから、当然いろんな仕事も地元から頼まれます。そのときにいろいろお願いをし、力になってくれるのは、県の皆さんであります。
 県民の皆さんもそんなに不理解はないと思いますが、県の職員の皆さんも大変なんです。夜中、二時、三時まで仕事をしたり、あるいは寝ずの仕事をしたり。この間、私の近くで道路工事がありました。海と海との間の橋をつけかえる工事でありましたが、聞けば夜中の一時からガンガンうるさい。しかし、なぜ夜中に工事をするのかと言えば、干潮にならなければ工事ができないという理由です。朝六時まで土木の技術の皆さんが立ち会って工事をしたそうであります。
 今、三千七百二十三名の事務職、技術職の皆さんがおります。それぞれが与えられた仕事を頑張っていただいておりますが、技術職の皆さんのポストを何とかもう少しふやしてやってもらえないか、そして技術職の皆さんのいわゆる待遇改善をもう少しやっていただくことができないか、こういうことを思うのでありますが、いかがですか。
 そして、毎年陳情のときに思うわけですが、もう少し東京事務所に技術屋の皆さんを派遣されたら建設省や農林省との折衝がスムーズにいくのではないかなと思いますが、いかがですか。これをひとつお願いをし、ご答弁いただきたいと思います。
 最後に、県の皆さんを褒めさせていただいてこういうことを言うのも申しわけないですが、どうも電話の対応がもうひとつ不親切ではないかなという思いがします。
 ただ、ここで申し上げておかなければいけませんが、県庁の電話受付の女性の方は皆さん大変親切であります。朝早く電話をしても、「おはようございます。和歌山県庁です」と、さわやかな声で対応をされ、朝のすがすがしさを醸し出してくれるわけであります。ところが、一たんその電話がどこかの課に通じると、「はい。何すか。──いや、今おりません。おたくだれ」「私、県会議員の大江です」「あっ、ちょっとお待ちください」と。私はこれはいかがなものかなと思います。県民の皆さんにもこういう電話の対応をしておるのであれば県政のイメージにとって大変マイナスでありますから、どうかひとつこのことについて善処方をお願い申し上げたいと思います。
 あと一分であります。いろいろと申し上げましたけれども、仮谷県政の発展のため、和歌山県の発展のために我々開政クラブも──最大与党と自負をしておりますから、数が少ないといってどうかお見捨てにならないように、ひとつご指導をお願い申し上げたいと思います。
 適切なご答弁をお願いして、質問にさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの大江康弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 大江議員にお答え申し上げます。
 まず、予算編成についてでございます。
 数々のご意見があったわけですけれども、質問のございました平成六年度の政府予算案については、現下の非常に厳しい経済状況のもと、大幅な税収の落ち込みが見込まれている中で、所得税などの減税を実施する一方、歳出面では景気に配慮するため、一般歳出が低い伸びにもかかわらず公共事業関係費が高い伸びを示しており、生活重視の観点から国民生活の質の向上に資する分野に重点配分された予算であると認識し、評価しておるわけでございます。
 また、連立政権にとって初めての予算編成でございましたので、大江議員から話ございましたように、その対処について県としてもやや戸惑った面もございましたが、連立与党側で各省別の予算チームが編成され、本県の要望についても十分受けとめていただくなど、時宜を得た対応をいただいておるところでございますし、予算獲得につきましては、本県選出の国会議員初め県議会の皆さんのご尽力をいただいて一定の成果が得られたと思っておるところでございます。特に、本県が重点的に要望してきた関西国際空港の全体構想調査費、和歌山大学の理工系学部創設準備経費が復活折衝の中で認められましたことは、県政の長年の念願であっただけに大変喜んでいるところでございます。
 また、お話ございましたように、現下の厳しい政治情勢の流れの中で、知事はどう予測し、どう対応していくかという問題があるわけでございます。
 私は、今は国内的にも国際的にも、かつてない大きな変革の時代を迎えておると思うんです。そうした中で、政治に対する信頼回復の問題、国内経済対策の問題もございます。さらには国際社会において日本がいかになすべきか、経済政策、防衛問題など多々ございまして、そうした問題がかつてない大きな課題として降りかかっているわけでございます。
 そうした中で、話ございましたように、連立政権が昨年八月に発足し、前政権からの基本的政策を受け継ぎながら、それぞれの立場の違いを乗り越えて今日に立ち至っておる、そしてまた与野党一致して国民が期待しておる政治改革への一歩を踏み出したということは、私は大いに意義あることではないかと思います。
 今は、価値観の変貌により経済大国から生活大国へと移りつつある現状でございます。こうした国民的な志向を求めてこれからの政治を進めていかなければならないと考えるわけでございまして、和歌山県においても、こうした大きな変革の時代の中で、大所高所に立って、真に県民の皆さんの幸せとは何か、生きがいとは何かを求めてふるさとを立派なものにしていきたい、いろいろのご提言をいただきながら今後とも努力してまいりたいと思っておるところでございます。
○議長(宗 正彦君) 知事公室長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 大江議員にお答えをいたします。
 先月、二月七日から十一日間、私たちはアメリカ合衆国フロリダ州及びメキシコ合衆国シナロア州を訪問いたしました。両州との友好を深めるとともに、世界リゾート博覧会に参加していただくため具体的な話し合いをしたわけでございます。
 フロリダ州は、本県と同じく本土最南端の地キー・ウエストを持つフロリダ半島に位置し、アメリカ第四位の大州でございます。現在、人口は千三百万人を超え、面積は九万四千平方キロメートル──本県の約二十倍でございます──北部は温帯、南部は亜熱帯に属し、「サンシャインステート」のニックネームが示すとおり、暖かい太陽の光あふれる州であり、二千百六十キロメートルに及ぶ海岸線はマイアミなどの世界有数の海洋リゾート地を生むとともに、豊富な魚介類がリゾート客にとっても大きな魅力の一つとなってございます。暖かい気候は農業にも適しており、また最近、ハイテクや医療、宇宙産業などの先端産業が盛んな、今アメリカでも最も注目されているすばらしい州だと思ったわけでございます。
 フロリダ州政府は本県との交流に大変好意的で、世界リゾート博についても、より充実した実りあるものにするために州政府としても積極的に協力したい旨の申し出がありました。サザンベルと呼ばれるアメリカ南部の衣装をまとった女性の出演など具体的な提案がありましたので、今後さらに細部について協議を重ねてまいりたいと思います。
 友好提携については、以上述べましたように、ともに半島に位置し、温暖で農業、漁業、海洋リゾートに恵まれるなど、類似性に富んだ両県州でありますので、今後さらに幅広い交流を重ねてまいりたいと考えてございます。
 このフロリダ州との交流については、一昨年九月、スーザン・アイダンソン国際貿易投資局長が来県されるなど、さまざまな形で交流を重ねてまいりましたが、特に、大江議員初め開政クラブの皆さん方が昨年九月、フロリダ州を訪問されて友好を深められたことについては、両県州の交流に非常に意義深いものがあったと思ってございます。
 次に、メキシコ合衆国シナロア州についてでございますが、本県は多くの県民の皆さんの移住を通してメキシコ合衆国とつながりが深く、中でもシナロア州とは五年前、当時のオチョア知事が来県されてからいろいろな形で交流を続けてまいりました。
 シナロア州は、メキシコ北部、アメリカに近く太平洋に接する人口約二百三十万人、面積約五万八千平方キロメートル──和歌山県の約十二倍でございます──の漁業や農業の盛んな州で、最近は特にリゾートに力を入れ、マサトランはメキシコでも屈指の海洋リゾート地となってございます。
 今回、世界リゾート博への参加のお願いに対しても、シナロア州政府からはぜひ参加したい旨の返事があり、特に、ラテンのリズムとカラフルで華やかな衣装で有名な民族舞踏団を派遣したいとの回答を得ることができました。今後、細部の協議を行ってまいります。
 また、シナロア州政府は本県との友好提携についても大変熱心であり、在メキシコ県人会や駐メキシコ日本大使の強いご推薦もございまして、今後積極的に交流を進めていきたいと考えてございます。
 なお、フロリダ、シナロア両州政府の熱意については、仮谷知事にも報告を行ったところでございます。
 私どもは、今議会の知事の提案理由の説明にもありましたとおり、ことしは国際交流が一気に花開く年でもございますし、また花開く年にしなければならないと考えてございます。既に友好提携済みの中国山東省やフランス・ピレネーオリアンタル県に加え、フロリダ州やシナロア州との友好提携も積極的に進め、文化や経済など多くの分野での交流から生まれる新たな創造をつくっていきたいと思っておる次第でございます。
○議長(宗 正彦君) 農林水産部長野見典展君。
 〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 大江議員にお答えをいたします。
 串本町の同和対策事業についてのご質問のうち、まず農林水産部の基本的な同和問題に対する考え方でございます。
 同和問題は、憲法に保障された基本的人権の問題であるとの基本認識に基づき、その早期解決こそ県政の責務として、県民の一層のご理解を得ながら、国、市町村と協力の上、推進していかなければならない問題でございます。
 農林水産部としては、各部局との連携を図りながら地区農林水産業の振興と農林漁家の経営の安定を図ることを基本目標として、生産基盤や近代化施設の整備、生産団地の造成等、産業職業対策に積極的に取り組むとともに、同和問題の啓発についても力を入れてきたところでございます。今後とも、法期限内の完全解決に向けて最善の努力をしてまいる所存でございます。
 次に、農林水産業の同和対策事業の取り組みについての考え方でございます。
 農林漁家の経営安定、所得の向上を目的として産業職業対策を中心に事業を実施してきたところであり、今後ともこうした考え方に基づき、残事業の完全実施に向けて懸命に取り組んでまいる所存でございます。
 串本町のヒラメ陸上養殖施設については、これまで事業の実施に向けて取り組んできた結果、養殖施設の建設については国の理解を得てございます。しかしながら、事業効果、事業内容、事業費等について国との調整も必要でありますので、今後、町と十分協議しながら努力してまいりたいと考えてございます。
 次に、県議会同和対策特別委員会の現地調査並びに地元議員の強い要望活動を踏まえ、どう取り組んでいくかというお尋ねでございます。
 これまでも、各般の事業推進については議員各位のお力添えをいただいたところでございます。当事業についても、今後とも議員各位のご指導、ご支援をいただくとともに、関係各位との連携を密にしながら実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、当事業の実施に向けての決意でありますが、地区漁業者の生活基盤の確立や所得の向上を図ることが重要であると認識してございます。当事業の実施については、用地の取得や造成の問題、採択上の問題等、解決しなければならない問題がございますので、今後とも県議会のご支援をいただき、国、事業主体である町当局とも連携を密にしながら率先垂範し、早期に事業が実施できるよう最善の努力をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 民生部長南出紀男君。
 〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 大江議員の串本町の同和対策事業にかかわるご質問のうち、民生部関係についてご答弁させていただきます。
 まず、二点目の民生部としてこの同和対策事業についてどう思うか、またどう対処するかという点でございます。
 同和対策事業については、政府各省庁の広範囲な分野にわたって事業実施が図られており、県においても総合行政という立場から、直接的にはそれぞれ関係する所管の部課において計画的に実施されるものでありますが、民生部としては総合調整の役割を果たしながら、本事業の早期着手ができるよう努力してまいりたいと考えてございます。
 三点目の同和対策事業実施に当たっての基本的な判断基準についてでございますが、同和対策を進めていく上で、その事業が真に同和問題の解決に向けて必要な事業であるのか、また関係者の経済的自立を促進する事業であるのか、そうした点を見きわめ、さらには事業効果や事業内容等が適切であるかを勘案しながら実施してきているところでございまして、今後も引き続き、国の予算確保に努めながら事業推進を図ってまいりたいと考えてございます。
 六番目の串本町の同和対策事業を民生部としてどう進めていく意思があるのかとのご質問でございますが、民生部がかかわる串本町の大型共同作業場は、農林水産省所管の陸上養殖施設に関連する加工施設として計画されたものでございまして、養殖施設を前提とするものでございます。しかし、厚生省事業として雇用人員、事業採算性を勘案しながら共同作業場の事業実施が図られるよう、国に対して積極的に対応してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 人事に関するご質問にお答え申し上げます。
 技術職員の職についてのご質問でございますが、県庁組織として見ると、数多くの職の集まりという形になっております。これらの職に、事務職、技術職のいずれの職員を配置するのが適当であるかということについては、その職の職務内容等を勘案しながら決定しているところでございますけれども、ご指摘の点も踏まえ、今後とも変化する行政内容を見きわめながら、どのような職の体系が適当であるかということについて検討してまいりたいと考えております。
 それから、同じく東京事務所に技術職員を常駐させた方がいろいろな事務が円滑にいくのではないかというご指摘でございます。
 現在、東京事務所行政課の職員については、職務の内容により事務職員を配置しているところでございますが、ご指摘のように、担当省庁によっては技術職員の方がより適当であるというようなことも考えられようかと思いますので、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
 最後に、電話の応対についてのご指摘でございます。
 職員の電話対応については、常に親切かつ丁寧に接するよう職員に対して指導を行ってきているところではございますけれども、ただいまご指摘のような点もございますので、そういう趣旨に沿い、改めて主管課長会議や職場研修の場を通じて、不適切な電話の対応を行うことのないよう職員に対して周知徹底を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) 再質問がございませんので、以上で大江康弘君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(宗 正彦君) この際、暫時休憩いたします。
 午後零時二分休憩
 ──────────────────
 午後一時九分再開
○議長(宗 正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(宗 正彦君) この際、申し上げます。
 ただいま大江康弘君から、午前中の同君の質問において一部不適当な発言があったので議長においてその部分の字句修正を願いたい旨の申し出がありました。よって、議長において、後刻速記録を精査の上、善処いたしたいと思いますので、ご了承願います。
○議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番森 正樹君。
 〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 ただいま発言を許されました。先ほど大江康弘議員からもご紹介がありましたごとく、在籍十一年、県政に大きな足跡を残されて去られる石田真敏議員が私の後に演説をなさいます。私も友人の端に加えていただきまして、いろいろとご指導を賜りました。新たな難関に向かって挑戦をされる石田先生の心意気に打たれる一人でもございます。その前途や壮なれと申し上げたいと思います。石田先生の門出を邪魔してはなりませんので、許された時間の中で質問を進めてまいります。どうか、ご清聴、ご協力のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 まず初めに、関西国際空港に関する諸問題についてであります。
 私たち百八万和歌山県民のみならず、関西の多くの人々が一日千秋の思いで鶴首して待ち望んでまいりました関西国際空港が、いよいよ本年九月四日開港と決まりました。
 思えば、昭和四十三年、一九六八年四月、運輸省が淡路島など五カ所を対象として関西国際空港候補地の調査を開始して以来、実に二十六年、まことに長い道のりでございました。そして、その歩みは決して平たんなものではなく、紆余曲折を経てまいったのであります。ともあれ、さまざまな難関を突破して迎える開港でありますだけに、和歌山県勢の浮揚をかけ、関西復権の望みを託してまいった私どもにとって感慨ひとしおのものがあるのでございます。
 そこで、関西国際空港の開港を目前に控える今、関西国際空港に関する幾つかの問題点についてお尋ねし、知事を初め当局の皆様のご見解をお聞きしたいと思います。
 第一に、関西国際空港全体構想実現に関してであります。
 去る二月十、十一の両日、先ほど大江議員からもお話のありましたごとく、細川連立政権の最終予算折衝の日程に合わせ、私たち四派連合の同僚議員の皆さんとともに、県選出国会議員のご出席、同道を賜り、予算獲得の陳情をしてまいったところであります。同十三日、運輸、大蔵の次官級折衝によりまして、平成六年度政府予算案に全体構想調査費として九億九千八百万円が盛り込まれることが正式に決定したことは、皆さんもう既にご承知のとおりでございます。全体構想調査費はこれまで二年連続して見送られてまいっただけに、全体構想実現へ向けて大きく一歩踏み出したものとして大いに評価されるべきであると言えます。
 そこで、仮谷知事にお尋ねをいたします。
 念願の全体構想実現に向けて調査費が計上されることとなった今、知事のただいまの率直な感懐をお聞かせ願いたい。あわせて、企画部長にお尋ねいたしますが、この調査費の地元負担分について、従来、地方自治体と財界の負担が五対五であったものが景気後退に伴って八対二に変わることが報じられておりますけれども、これによる本県負担分はどれほどになるのか、お示しをいただきたいと思います。
 なお、国の第一種空港であり、基幹空港の第二期工事のための調査費は、どのような財政状態であろうと、本来すべて国の責任において捻出するのが当然の責務であると私は思っております。財政不如意と申しますけれども、私に言わせれば決してそんなことはなく、各所でむだな出費を指摘されることから申しても、決して財政の責任に嫁すことはできないと思います。このことについて議論するのは趣旨から離れますので申し上げませんが、いずれにいたしましても、国の将来にわたる基幹施設、インフラ整備の調査費の大半を地元負担という形で地方に押しつける愚に対し、この場をかりて警鐘を鳴らしておきたいと思います。
 全体構想実現に関してもう一点、横風用も含め滑走路三本の完全なハブ空港たらしめるための全体構想が成るか成らないかは、平成七年で終了する第六次空港整備五箇年計画、いわゆる六空整を受け継いで策定される第七次空港整備五箇年計画の中にどう盛り込まれるかにかかっているのであります。かねてから問題点として指摘されている六空整に記されている三条件を取り払い、滑走路三本の完全なハブ空港として早期に実現されるよう七空整の中でどう位置づけられるのか、そのめど、対応等について企画部長のご答弁を賜りたい。
 あわせてもう一点、懸念材料として残るものがありますので、ご指摘申し上げます。それは、いわゆる三点セットの問題であります。
 昭和五十六年、一九八一年五月、運輸省が和歌山、大阪、兵庫の関係三府県に空港計画案、環境影響評価案、地域整備の考え方から成るいわゆる三点セットを提示いたしました。これを受けて、翌五十七年七月に大阪府が、また翌八月に和歌山県が事実上の合意回答をいたしました。おくれて昭和五十九年、一九八四年二月、兵庫県が事実上の合意回答をして関西国際空港建設計画が前に進んだのであります。ところが、地元三府県のうち兵庫県のみは一期事業にしか同意していないとされております。まして、最近、急浮上してきた神戸沖空港の問題、飛行ルートの問題等との絡みの中で、今後兵庫県や神戸市がどのような動きを見せるのか、極めて不明瞭な部分が残されていると言わざるを得ないのであります。
 そこで企画部長、今後、兵庫県等がどのような動きを見せるのか、その動向について把握しておられる情報をお示しいただきたい。あるいは、本県を含む関係団体に対して何らかの打診、意向表明等が行われておるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
 第二に、国内便の大幅確保についてであります。
 巷間伝えられるところによりますと、この三月末にも国内便確保の最終発表が行われると言われております。マスコミ等で流れておりますけれども、これらの観測報道は間違いないのかどうか、企画部長からお答えをいただきたいと思います。また、現時点で確保されている国内便の便数や路線等についても答弁をしていただければ幸いでございます。
 第三に、関西国際空港関連地域整備について申し上げます。
 関西国際空港施設もほぼ順調な立ち上がりを見せ、滑走路、誘導路、エプロン、管制塔等、一○○%工事を終了いたしました。既に、運輸省関西空港事務所も入居いたしました。このほか、旅客ターミナルビルもほぼ九五%以上進捗していると聞いております。
 ところで、私はかねがね、関西国際空港の開港に伴い、そのインパクトを最大限に和歌山県に取り込み、生かしていくためにどうすればいいのかを考えてまいりました。また、いろんなご提言も申し上げました。関西国際空港が開港しさえすれば、和歌山県が手をこまねいていても活性化するとは言えないと思います。やはり、明確なビションを持って受け皿づくりを進めてこそ関西国際空港開港のメリットを最大限に引き出せると申せましょう。以下、釈迦に説法のようなことになるかもしれませんけれども、私の考えを申し上げ、それぞれ関係部長の答弁を求めるものであります。
 関西国際空港の開港をにらみ本県としてどう対応するのか、受け皿づくりをするのかという視点に立ち、関連施設の一つ一つについて見てまいりますと、おおむね三つに分類できると考えます。
 まず初めに第一次施設、これは空港と一体不可分のものでありまして、この施設がなければ空港が全く機能しないもの、すなわちCAT(シティー・エア・ターミナル)あるいはACCT(エア・カーゴ・シティー・ターミナル)、鉄道、高速道路等のハード面の交通アクセス、駐車場などの交通関連施設、情報通信システム、機内食工場等々でございます。これらの施設はすべて地元大阪を中心に兵庫、京都に立地し、本県に関係あると言えば阪和自動車道・紀勢線以外ありません。
 次に第二次施設として、これがなければ空港の機能が完全に麻痺するというものではございませんけれども、なければ不便であり、空港が良好な機能を果たすためにはなければならないものとして、例えばバス、タクシー等のソフト面の交通アクセス、あるいはホテル、従業員宿舎等の航空会社関連施設、病院等々でございます。この部分では、日本航空の社員社宅・寮、あるいは日本航空関連会社の独身寮が和歌山県に進出することになりました。本県にとって歓迎すべきことと言えます。しかしながら、全体から見ればごく一部でございます。
 第三に、その他の部分が第三次施設ということになりますけれども、主な施設、機能を挙げてみますと、関西国際空港が二十四時間運用の空港でございますので、深夜、早朝にもオープンしているようなショッピングセンターや飲食街、同空港を利用する旅客や勤務明けの航空会社の乗務員等のためのシティーホテル、リゾート施設、スポーツ施設、アミューズメント施設等々であります。
 本県が空港の至近距離にありながら、圧倒的に豊かな自然に恵まれている立地条件のよさを生かさない手はありません。第一次施設では大阪、兵庫、京都に負けておりますけれども、第三次施設の部分では決して和歌山は負けない、勝負できると思います。県土づくりの視座をこの点に据え、既存の長期計画、リゾート構想について推進すべきは推進し、改廃すべきは再検討を加えていくときに来ていると思います。
 以下、幾つかの提案も含め、当局の見解を承りたいと思います。
 関西国際空港におり立った人々が関西の中でどこに足を向けるのか。ビジネス客は別として、大きく三つに分かれると思います。一つは、京都、奈良といった古都であり、日本独特の歴史と文化に触れようとする人々の流れであります。二つ目に、大阪、神戸に向かうショッピングを中心とした客だと思います。そして、第三のグループが和歌山を初めとするリゾート志向、海洋レジャー志向の人々の流れであろうと思います。関西国際空港を中心に関西全体を眺めてみますと、和歌山県は他の府県とは際立って違いがあることがわかります。すなわち、圧倒的にすぐれた山、川、海、空の豊かな自然がございます。関西国際空港におり立った人々に本県の自然条件は極めて魅力的に映ると思います。この利点を大いにPRしない手はないし、今後これらの人々を受け入れるための施設整備、サービス向上に全力で取り組んでいくべきであると思います。
 そこで、お尋ねをいたします。
 まず第一にリゾート整備について、燦黒潮リゾート構想のうちマリーナシティ及び田辺、白浜地区の現時点での進捗状況及び今後の展開についてご報告をいただきたい。
 このことについては、かつて和歌山社会経済研究所が調査した資料がございます。外国の航空会社のクルーの従業員の行動実態に関する調査報告でございます。全体で百六十三人ですが、例えば日本での平均宿泊数は、一泊が五十一人で三一・三%、二泊が五十四人で三三・一%、三泊が二十七人で一六・六%、あと四泊以上八泊までが二十五人で一五・三%となっております。また、どのようなホテルを選ぶかという設問に対しては、シティーホテルと答えた人が百九人で六六・九%、リゾートホテルと答えた人が五十四人で三三・一%となっております。さらに、どんな休暇を過ごすかという質問に対しては、スポーツを楽しむが五十八人で一一・五%、ショッピング、食べ歩きをして過ごすが百四十二人で二八・一%、寺社の見学、歴史的町並みの散策が百十八人で二三・三%、日本の伝統文化、美術工芸の鑑賞が四十七人で九・三%、ホテルでの休息が百十四人で二二・五%でございます。
 このように、航空会社のクルーというのは思ったよりも結構長く滞在をするわけでございまして、約五十社ほどの外国航空会社が関西国際空港に乗り入れると予測されておりますけれども、そうした意味で非常に需要が大きく広がる可能性があります。ぜひこの点、ご答弁をいただきたいと思います。
 第二点、シティーホテルの立地についてであります。
 県立医大が平成十年に移転した跡地に大型シティーホテルを誘致すべきであると考えますけれどもどうでしょうか、お答えをいただきたい。
 実は、こんな調査結果がございます。一九九一年、国際観光振興会が行ったコンベンション統計でございますけれども、一九九一年に我が国では数多くの国際会議が開催されました。京都の二百十回、四七・七%を筆頭にして、東京百八十三、兵庫百六十四、愛知百四十七、大阪百三、福岡百一と続いております。この表の中には和歌山の名前はございませんでした。そして欄外に、三重、和歌山、鳥取、香川、宮崎の五県は国際会議の開催がなかったと記載されているのでございます。まことに残念なことでございます。この理由はいろいろあると思いますけれども、一つは誘致に熱心でなかったとか、誘致できない事情があったとかということだろうと思います。また、人々が集まり出会える大規模な場所、シティーホテルとかコンベンションホールとかがなかったということが理由として挙げられると思います。ぜひともこの点について、一つの提案として申し上げますので、ご答弁を賜りたい。
 第三に、先ほど尾崎議員もおっしゃっておられたので簡単に済ませますけれども、コスモパーク加太の活用についてであります。
 平成三年夏に計画を策定すると発表して以来、何度か計画変更を余儀なくされました。そこで私は、従来のありきたりの利用計画ではなく、この際、思い切った利用を考えよと申し上げたいと思います。例えば、我が国には高校野球であれば甲子園、ラグビーであれば高校、大学、社会人を問わず、花園というメッカがございます。野球を目指す少年は、「甲子園」と聞いただけで胸の熱くなる思いを抱くわけでありまして、それぞれのスポーツにはそのようなメッカがございます。ぜひとも、この際、このコスモパーク加太の広い用地を利用してサッカーの施設を誘致してはどうか。屋内球技場を中心として十面ぐらいのサッカー場を設ければ世界大会の開催も十分可能なわけです。もちろん、そのためのシティーホテルなども併設しなければならないでしょうけれども、ぜひともこの点、先ほどの尾崎議員の質問とも重なりますが、再度お答えを賜れば幸いでございます。
 次に第二点、フィランソロピーとメセナについてお尋ねをいたします。
 このことについて、昨年二月定例会の一般質問でも言及したところでございますけれども、もう一度おさらいの意味を込めつつ、この問題が二十一世紀の我が国にあっては極めて重要な問題としてクローズアップされることにかんがみ、取り上げた次第でございます。
 初めに、フィランソロピーとメセナの意味と、その違いについて申し上げます。
 「フィランソロピー」とは、語源的にはギリシャ語の「人類を愛する」という意味でございまして、英語の「チャリティー」とほぼ同義語であります。フィランソロピーの最も発達しているアメリカにおいては、民間公益活動に協力する市民の自発的な社会活動という意味で使われております。一方、「メセナ」とは、古代ローマの富豪であり文化擁護者であったマエケナスに由来するフランス語でありまして、「芸術、文化のパトロネージュ」という意味だそうでございます。したがって、フィランソロピーもメセナも目的、活動には大差がなく、最近ではほぼ同じような意味で使われております。
 欧米のフィランソロピー、メセナの先進国を見てまいりますと、国によってかなり差があることがわかります。アメリカは、国や自治体の上からの干渉を嫌う風潮がございまして、教育、医療、福祉はみずからが資金を拠出して共同で公益活動を行う団体をつくって運用したり、教会の慈善事業の形で行われてまいりました。ちなみにアメリカでは、メセナ、フィランソロピー活動への寄附の八四%、年間十三兆円が個人の寄附で賄われております。我が国の個人の寄附額三百四十二億円と比較していただければ、いかに違うかというのがわかると思います。イギリスは、企業によるメセナ活動が盛んであります。また、政府が指定したチャリティー団体が十七万団体に上るとされております。フランスは、企業、個人のメセナ活動が盛んで、特に造形芸術への支援が盛んに行われております。なお、一九八七年にはメセナ促進法が制定をされました。ドイツは、ナチズムの反省から、国が直接文化活動に立ち入ることは法律で禁止されておりまして、地方自治体が芸術、文化に関して責任を持って推進することになっております。したがって、企業等の寄附は非常に少ないとされております。イタリアは、メディチ家という富豪や教会等々が芸術家のパトロンとして貢献してきており、歴史的には非常に古いものがあります。企業のメセナ活動も盛んであり、芸術遺産が地方に散らばる特徴から文化活動も地方的で、地方企業のメセナ活動が活発だと言われております。
 それでは、翻って我が国のフィランソロピー、メセナ活動はどうか。近年、企業メセナ協議会の設立、経団連の一%クラブの発足、大阪商工会議所コミュニティー財団設立など、企業メセナの高まりが見られます。また、市民によるさまざまなフィランソロピー活動の広がりも見られるなど、近年、急速に関心が高まりつつあると申せます。これには明確な理由が幾つかありますけれども、特にそのうちの一つに、我が国企業が最近海外に盛んに進出をしておりますが、特にアメリカ等欧米に進出した企業が現地社会の中に溶け込んでいくためには、現地社会で市民権を得なければならないという点が指摘されます。特にアメリカ等では企業も個人と同じくよき市民でなければならないという思想が根強くございまして、企業メセナ活動はよき市民であるための重要な活動であるという認識がございます。当然、進出している日本企業もよき市民たるべく努力をしており、この蓄積が日本本社の経営陣にもフィランソロピー活動の意味、意義、哲学を認識させたということになると思います。この意識変化が国内でも企業のフィランソロピー活動を活発化させる主な原因の一つとなっていると申せます。当然のことながら、フィランソロピー活動はボトムアップ型、つまり下からの盛り上がりで行われる運動でございますけれども、我が国では縦割り行政の弊害により、主務官庁の許認可を受け、社会的に認知されなければ資金も集まらないし活動もできないという問題がございます。いわゆるトップダウン型、上からの圧力による決定という社会シムテム上の問題と限界、そこに難しさがあると言わざるを得ません。
 この点を踏まえ、助成財団資料センター・プログラム・コンサルタントの山岡義典氏は、「人類は、長い歴史の試行錯誤を通じて、共同体の統治システムとしての行政機構と利潤創出システムとしての企業という仕組みを確立してきた。行政、企業の二次元の尺度で社会を考えること自体に限界が見え始めてきたのだ。そこで着目されるのが、この尺度とは次元を異にするもう一つの活動、民間の個人や団体による営利を目的としない活動、すなわち民間非営利活動、民間公益活動である。人間は、何も利潤を求めてだけ行動するわけではない。利益を得るだけが幸せでもない。公的な価値の創造者としても大いなる働きができるはずだ」、と述べられております。
 確かに欧米先進諸国に比べれば、日本の場合はその立ちおくれが目立ちますけれども、決してその素地がないわけではないと思います。例えば、一九九一年二月に電通総研がビジネスマン四百人を対象に実施したアンケート調査がございます。二つの設問を設けておりまして、Aとして、公害の防止、公正な取引、従業員の福利厚生など、いわゆる企業の社会的責任に配慮しながら、消費者のニーズに合った商品やサービスの供給を効率よく果たすこと、Bとして、今の内容に加えて、さらに事業と直接に関係ない分野でも公共の目的、環境保全とか教育とか福祉、文化の振興などのために資金や人材、施設などの経営資源を活用すること、このどちらを選ぶかという調査で、Aだけやると答えた人は三四%であったのに対して、Bと答えた人が実に六六%に達しているという数字がございます。また、総理府の調査によりますと、日本の公益法人は二万五千団体を超えて、その年間総事業費は十兆円に達していると言われております。
 例えば、皆さんの記憶に新しいところでは、あの北海道南西沖地震の際の義援金でございますけれども、日本赤十字社を通じて一カ月の間に集まった義援金が実に七十五億円に達しました。この事実を見ても、我が国に個人、企業、団体を問わず、公益寄附の文化が決してないわけではありません。確実に浸透しているし、広がっていることを示す数値だと思います。
 少し前置きが長くなりましたけれども、以上の現状認識に立って質問に入りたいと思います。
 まず第一、本県におけるフィランソロピー、メセナの現状についてどう把握しておられるのか、またどう支援、対応しておられるのか、お答えをいただきたい。
 第二に、本県においてこの数年、県立美術館等、文化的施設が相次ぎ立地し、開設されていきますけれども、これを機に文化振興、芸術振興の機運を大いに盛り上げるべきであろうと思います。決して、俗に言われる箱物行政に終わらせてはなりません。建物がいかに立派であっても、その施設を拠点として、文化活動、芸術活動が生き生きと根づかなければ意味がないのであります。このことについて、知事公室長のご所見を賜りたい。
 第三に、本県の文化活動、芸術活動の拠点と言えば県民文化会館でございますが、この県民文化会館に関する幾つかの問題点を指摘し、公室長のお考えをお聞きしたいと思います。
 第一点、何のための県民文化会館かということでございます。いわゆる政策理念の問題、言いかえれば自主事業の問題であります。主催事業が自主事業という考え方は正しくないと思います。自主事業が、それに触れた県民の文化意識の発揚を促し、活動にいざない、また民間の文化活動、芸術活動の拠点として大いに活用され、その運動を支援するものでなければなりません。年間に何回かの主催事業を行い、あとは貸しホールになっているというだけでは、本当の意味での文化の拠点とは言えないのであります。
 日本全国のいろんな先進例がございますけれども、そのうちの三つだけ紹介をしたいと思います。
 藤沢市、ここは市内に在住する音楽家や文化団体、会館職員等がスクラムを組みまして、藤沢市文化会館を拠点にして市民オペラを成功させました。今、市民オペラのある湘南の文化都市の雰囲気が町の中に広がっていると聞きます。
 また長野県飯田市、リンゴの町並木で有名な町でありますけれども、ここに市民、演劇人、行政が一体となって毎年町ぐるみの人形劇カーニバルを開催いたしておりまして、人形劇専用ホールをつくり、最近では国際人形劇祭りも成功させ、人形劇の町というイメージをつくり出しております。
 さらに東京墨田区、新日本交響楽団と文化会館の間でフランチャイズ契約を結んで音楽の町づくりを目指しております。この前例のないフランチャイズ契約が、これからの公立文化会館の一つのあり方として注目されていると言われております。ひとつ、ご答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 第二点、運営が管理主義、規則主義になっていないかということ。例えば、休館日の問題。民間のこうした文化ホールというのは、年間ほとんど休館日というのはありません。公立の文化会館だから毎週一回火曜日が休みという発想はもう古いのであります。文化会館では年じゅう何か文化活動が行われておって、そこに行けば文化活動に触れられる、芸術に触れられるというのが当たり前だと思います。例えば、高崎市のコンサートホールや吹田市の文化会館は年中無休に改めたと聞いております。
 第三点、開閉館時間の問題。例えばリハーサルに熱中している人たちが時間のたつのも忘れてリハーサルに取り組むということは多々あると思います。しかしながら、九時半の閉館時間だからといって中途で追い出されるということが過去に何度もあったように聞いておりますけれども、この閉館時間も考えてはどうかと思います。高崎のコンサートホールは、閉館時間を十一時に延長したところ、利用者に大変好評だと聞きました。
 第四点、舞台、楽屋、けいこ場、道具製作場、道具置き場等の附帯設備の問題であります。真に利用者の立場に立ってつくられているかどうか、スペースは十分に確保されているかどうかという点、この点についてもお答えをいただきたいと思います。
 第五点、館長等のスタッフの問題。県庁組織の中の一部として、二、三年間、腰かけのように館長が他の部署から来て座るというのでは、本当の意味での文化活動、芸術活動への造詣の深さ、愛情の強さは期待できないと思います。加えて、プロパー職員のやる気をそぐ原因にもなりかねないと危惧するものであります。水戸市の水戸芸術館では館長職を芸術専門家に委嘱し、また熊本芸術館では有名な鈴木さんに館長を依頼したというようなことも報道されております。この点についても、ぜひともお答えを賜りたいと思います。金は出すけれども口は出さないというのが本当の意味での文化に対する行政の支援のあり方だと私は思います。
 第六点、周辺整備の問題。文化ホールが文化的な雰囲気を町の中に醸し出すためには、周辺の雰囲気づくりも大変重要だと思います。催し物に触れて観客の人たちが華やいだ気持ちになり、また文化の薫りの余韻を楽しもうと思っても、県民文化会館を一歩出るともう既に道は真っ暗で店も閉まっていると、それではせっかくの熱も冷めてしまうのではないか。例えば、今触れた文化活動の余韻を楽しみたい、語り合いたいと思えば、そこにレストランや喫茶店があいている、ゆっくりと話し合える、あるいは通りが明るくライトアップされておって、そこを散策することでそういう余韻に浸れると、そういう文化の薫りある町づくりをすることが大事だと思います。
 本年はあたかもリゾート博開催の年でございますので、例えば和歌山駅からの通り、あるいは和歌山市駅前の通り、さらにはこの県庁前の通りをライトアップすることによりましてそうした雰囲気づくりもできると思いますので、この点についてお答えを賜りたいと思います。
 第三に、紀淡海峡大橋について申し上げます。
 ここ数年、大阪湾ベイエリア構想、第二国土軸構想が単なる夢物語、構想から明確な将来的プロジェクトとして急浮上してまいりました。すなわち平成三年度、建設省において大阪湾環状道路関連調査として大規模道路事業調査が開始されたのを皮切りに、平成五年、本県並びに建設省、兵庫県の三者共同による紀淡連絡道路の現地調査に着手いたしました。また、第十一次道路整備五箇年計画の中で大阪湾環状道路の一環として事業の具体化を図るとの位置づけが行われ、先ごろの政府予算の大蔵内示において新交通軸調査費が認められました。
 そこで、お尋ねをいたします。
 新交通軸調査の箇所づけはまだ決定していないと聞き及んでおりますけれども、今後、紀淡海峡大橋への箇所づけについてその見通しはどうか、また平成五年度に続いて建設省、兵庫県との三者で行う紀淡連絡道路調査の新年度での対応について、加えてこの紀淡海峡大橋が第十二次道路整備五箇年計画の中でどのような位置づけが行われ、事業化に向けてどのような手順、めどで進められるのか、土木部長のご答弁をお願いするものであります。
 紀淡海峡ルートは大橋方式に限ると、私は昭和六十年九月の和歌山市議会本会議の一般質問の中で初めて提案をして以来、たびたび申し上げてまいりました。それは、瀬戸内海国立公園の風景とマッチして新たな一大観光名所になること、トンネル内で起きる空気汚染等の対策の面倒がないこと、友ケ島等、中間の部分を有効に生かせること、取りつけ部分が海峡近くで他の道路等との連絡が容易であること、建設コストがトンネルより安くなると考えたからでございます。紀淡海峡トンネルを初めて提唱された知事としては、トンネル方式への思い入れもございましょうけれども、諸般の情勢等により紀淡海峡大橋の実現に取り組む今のご決意をぜひとも聞かせていただきたい。よろしくお願いをしたいと思います。
 第四点、物流基地について触れたいと思います。
 平成五年三月十四日、大阪府関西国際空港地域、大阪港、神戸港、松山港、北九州港、長崎空港地域の六カ所が地域輸入促進計画の承認を受けました。これは日米経済協議の中でもうたわれておったことでございまして、港湾、空港及びその周辺の地域において輸入貨物を取り扱う製造・卸・小売運輸業者の集積を図り、これら輸入ビジネスの振興を図るため、その基盤整備を進めるためのものでございます。これらの地域を輸入促進地域、FAZ(フォーリン・アクセス・ゾーン)と呼んでいるものでございます。近く新たに数カ所が認可される見通しでございます。
 一方、今世界において、自動車の排ガスが主原因とされる地球温暖化や酸性雨の深刻な被害に対する反省と、トラック運転手不足とか道路混雑等の要因から、トラック輸送から鉄道や船舶を見直そうという、いわゆるモーダルシフトが進んでおります。
 このような情勢変化の中で、近年、脚光を浴びてまいりましたのがテクノスーパーライナーでございます。テクノスーパーライナーとは、速力五十ノットで従来の船舶の二倍、積載量一千トン、航続距離五百海里、九百三十キロメートル、しかも波浪階級六程度の荒れた海でも安全に航行できる超高速貨物船でございます。このテクノスーパーライナーが実現すれば、北海道から九州まで一日圏、また東南アジアも一日から二日で結ばれると聞いております。そう遠くない将来に実用化が見込まれるテクノスーパーライナーの母港を関西圏で考えた場合、東南アジアに最も近く、しかも外洋に面している和歌山県が非常に有利ではなかろうかと思います。大阪湾内は狭い上に航路がふくそうしており、適地とは言えないと思います。すなわち、関西経済圏の表玄関として和歌山下津港あるいは日高港がテクノスーパーライナーの基地として好適地ではないかと思いますので、FAZとの絡み等々の中で、ぜひともこの点について関係部長からご答弁をお願いしたいと思います。
 最後に、政治改革の問題について一点申し上げたいと思います。
 足かけ六年に及ぶ政治改革論議がようやく結実いたしまして、三月四日、参院本会議において政治改革関連四法案が可決されました。リクルート疑惑、共和事件、佐川急便問題等々、相次ぐ不祥事件が国民の政治不信をますます募らせ、国民の怒りはその頂点に達していると言っても過言ではありません。細川政権が誕生して約半年、紆余曲折の末にやっと政治改革関連四法案が成立を見たところでございまして、この点についてはご同慶の至りと申し上げたいと思います。私たち政治家は、長及び議会議員たるを問わず、さまざまな形で権力に携わるだけに、公私の別なく、みずからに厳しく有権者、国民の前に模範を示さなければならないと思います。したがって、個人的部分においても、場合によっては有権者の監視の目にさらされることも少なくなく、この議場におられる先輩・同僚議員の皆さんも同じ経験をされたことと存じます。ましてや、長及び議員という肩書をもってする行為は、私人ではなくすべて公人としての行いであります。私たち政治家は、公人として行動することを要求される以上、関係法の規定を守り、その行動には一定の制約を受けることになると思います。
 そこで、本題に入ります。
 去る一月七日、和歌山市の皮革産業会館で行われた和歌山県製革事業協同組合新年互礼会において、国会議員から金一封をいただいたとの司会者からの紹介がありました。また同じく一月二十六日、和歌山県電気工事工業組合新春懇親会でも同様に、○○先生から金一封をいただいたという紹介がございました。後日、この件に関して出席した人から和歌山西署に対して抗議や問い合わせがあり、これを受けて二月十日、秘書を呼んで事実関係の調査が行われ、てんまつ書がとられ、警告が発せられたと聞き及んでおります。
 ここまでの経過であれば、私、ここで取り上げることもございませんでした。しかしながら、警察当局によって警告を受けてから二週間もたたない二月二十二日、またもや同じ行為を繰り返したのであります。このことはマスコミによっても報道されておりますので、ご披露申し上げます。すなわち、二月二十三日付の毎日新聞でございますが、「会費名目で寄付?」ということで、粉河町の老人クラブで開かれた行事に同じ秘書が出席して寄附をした、それが披露されたということでございます。中国のことわざにいわく、「政は正なり」──政治の「政」は「正しい」の「正」、「政」という字は「正」に通じる、政治の根本は為政者がその身を正すことによってすべてを正しい方向に導くことができるということでございます。
 私たち政治に携わる者は、法の精神を守り、みずからの襟を正し、範を垂れてこそ国民の皆さんの政治への信頼回復も図れると私は存じます。この事例について、警察本部長、選挙管理委員長のご答弁を賜りたい。また選管委員長には、この罰則についても、どのようになっているのか、あわせてご答弁を賜りたいと思います。
 以上をもちまして、質問を終わらせていいただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 森議員にお答え申し上げます。
 関西国際空港の全体構想のボーリング調査費がついたが、全体構想実現に向けての取り組みへの決意ということでございます。
 お話ございましたように、関西国際空港は本年の九月四日に開港いたすわけでございます。振り返ってみると、埋立土砂の問題、三点セットの回答の問題、長い年月の経過とさまざまの難問があったわけでございますけれども、県議会の皆さんのご協力をいただきながら本年開港を迎えるということ、非常に感慨深いものがございます。
 全体構想については、ボーリング調査費が過去二年間、見送られた経過もあるわけでございます。調査費の一部地元負担を合意するなど、地元としての最大限の熱意を国に訴えてきたところであるし、また県議会の皆さんにも大変ご支援をいただいたわけでございます。ボーリング調査費が認められたということは、全体構想の早期実現に向かって大きな前進を遂げたものだと思っておるわけでございます。
 私も、政府の予算案編成時に運輸大臣や二階政務次官等に、調査と並行して全体構想の計画案を早期に策定するよう強く要請してきたところでございまして、ぜひとも平成八年度から始まる第七次空港整備五箇年計画で着工が認められるように、地元としての地元案の早期策定にも取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、紀淡海峡大橋についてでございます。
 紀淡海峡ルートは、大阪湾の環状交通体系のかなめをなすものでございまして、本県を国土軸上に位置づける非常に重要なものだと思っておるわけでございます。平成四年には近畿と四国の関係団体で紀淡海峡交流会議を設立いたしまして、紀淡海峡ルートの実現に向かっておるところでございます。
 お話ございました紀淡連絡道路については、建設省が第十一次道路整備五箇年計画に位置づけており、私も非常に喜んでおるところでございます。また、これに対して調査費の一部を県でも持つという形で積極的な協力を進めているわけでございます。今後は、平成九年度までの第十一次道路整備五箇年計画内での早期の具体化に向けて積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
 他の問題については、関係部長から答弁いたします。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 関西国際空港に関連するご質問にお答えをいたします。
 まず、全体構想の調査費の中で本県の負担分についてでございます。
 平成六年度関西国際空港の全体構想に関する調査費九億九千八百万円のうち地元負担額は四億八千四百万円で、自治体と経済界は一期工事と同じ五対五で配分することといたしてございまして、本県負担分は一千七百万円余となる予定でございます。なお、経済界の負担分については、大阪府、大阪市、関西経済連合会、大阪商工会議所の四者で調整が行われると聞いてございます。
 次に、全体構想の成否は第七次空港整備五箇年計画の中でどう位置づけられるかにかかっているというご質問についてでございます。
 先ほど知事から答弁がありましたように、平成八年度から始まる第七次空港整備五箇年計画に工事着手を明確に位置づけていただくためには、来年度中には地元の基本的な考え方を示すことが必要であると考えてございます。
 現在、全体構想推進協議会において学識経験者等による専門委員会を設置し検討を進めているところでございますが、事業費の抑制や地元負担のあり方、開発利益の還元といった非常に大きな課題もございますので、県議会のご意見をいただきながら、関係団体とも連携をとり、早急に地元の具体案を策定するよう努力してまいりたいと存じます。
 次に、兵庫県の対応についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、兵庫県は三点セットについて一期計画に対してのみ回答しているとのことでございますが、ボーリング調査が二年連続で見送られ、地元の団結を一層強化するため、昨年四月、兵庫県、神戸市、神戸商工会議所を含むオール関西で関西国際空港全体構想推進協議会を設立し、現在、地元の具体案、地元負担のあり方等についてともに検討しているところでございまして、地元一丸となって早期実現のために取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、関西国際空港の国内便についてでございます。
 議員お話しのように、運輸省と航空会社の間で三月末ごろを目途に調整が進められてきたところでございますが、路線、便数の確定までには今なお時間を要すると聞いてございます。
 路線については、札幌、東京、那覇等の主要都市を初め、仙台、福岡、鹿児島等々、多数の都市とのネットワークに向け調整中であると聞いてございます。また便数については、目標の七十便の確保は昨今の航空不況から見て極めて厳しい状況であると考えてございますが、私としては五十五ないし六十便程度は確保していただけるものと期待をいたしてございます。
 次に、和歌山マリーナシティの進捗状況と今後の展望についてでございます。
 燦黒潮リゾート構想では、和歌山マリーナシティの上に多様なリゾート施設を整備することとしてございます。このうち、MCA社の企画、設計によるポルト・ヨーロッパや地元漁協との協力によるフィッシャーマンズワーフなど、世界リゾート博の開幕に合わせるべく現在建設中でございまして、博覧会終了後はさらに千百隻のマリーナやホテルなども逐次整備していくこととなってございまして、年間約三百万人の入り込み客が見込まれるリゾート地が形成されることとなってございます。
 次に、田辺、白浜地区の状況についてでございます。
 昨今の厳しい状況の中ではございますが、民間事業者によるリゾートホテルが建設される一方、田辺市の新庄総合公園の整備など、一定の進捗を見ているところでございます。県といたしましても、地元の市や町のこうした地道な取り組みを支援するとともに、民間事業者の誘致を図るなど、今後ともリゾート整備の推進に努力してまいる所存でございます。
 次に、都市型ホテルの立地についてのご提言でございます。
 本県にとって、高度な都市機能、商業機能等の整備充実は極めて重要な課題であると考えてございます。
 現医大は、平成十年度に紀三井寺地区への移転整備が完了する予定でございますが、跡地となる土地の全体面積は約一・七ヘクタールと和歌山市の中心部における数少ない大規模な土地でございますので、関西国際空港のインパクトを最大限に活用できるような都市機能の整備について、議員のご提言も踏まえ、研究してまいりたいと存じます。
 次に、議員からご提言のありました、関西国際空港のインパクトを活用し、コスモパーク加太にサッカーのメッカとなるような球技場、複合施設の誘致、立地をしてはどうかというお話でございます。
 先ほど尾崎議員にもお答えいたしましたように、今後、総合運動公園等の施設立地について総合的な見地から積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 最後に、物流基地とテクノスーパーライナーについてのご質問でございます。
 議員お話しのとおり、その高速性や輸送力等からモーダルシフトの中心的役割が期待されているところでございます。本県においては、九月に開港する関西国際空港の至近距離に位置するという利点、大阪湾ベイエリア地域の入り口に位置し、外洋に面する港湾を有するという利点など特性を生かし、テクノスーパーライナーの導入を核とした近畿圏における新たな物流拠点、陸・海・空の物流機能をあわせ持った複合輸送拠点の形成を図るべく、現在、京都大学の吉川先生を委員長として調査を進めているところでございます。この調査の一環といたしまして、一昨年、運輸省の戸田海上技術安全局長に、また去る三月七日には坂井港湾局長、さらにはテクノスーパーライナー技術研究組合の中曽理事長にそれぞれご講演をいただいたところでございます。今後とも、和歌山県にテクノスーパーライナーの母港を設置していただくため、地元の経済界と一体となって地域としての取り組みを強化するとともに、国、関係機関に対し強く働きかけてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 知事公室長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 森議員にお答えいたします。
 フィランソロピーとメセナ活動は、いずれも企業や個人がみずからの発想によって公益活動に対して資金的な援助を行い、地域社会の発展のために貢献していこうとするものでございます。行政といたしましては、そうした熱意を大切にしていかなければならないと考え、また積極的な活動に期待しているところでもございます。本県においても、これまで企業や県民の皆さんからさまざまな形で、教育、福祉、文化等の多方面にわたり、社会貢献としての支援をいただいております。
 また企業メセナの実態といたしましては、企業メセナ協議会が毎年メセナ活動の啓発と普及を目的に実態調査を実施しており、和歌山県下では五十八社が対象となってございますが、平成五年度調査結果では企業メセナの機運が着実に浸透している状況となってございます。
 いずれにいたしましても、企業や県民の皆さんが地域社会に貢献しようとする意識をはぐくんでいただくことが重要であると考えておりまして、ご提言のあった趣旨を踏まえ、幅広く企業や県民の皆さんの意見の把握に努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、県立美術館等の開設を機に、文化振興、芸術振興の機運を盛り上げてはということでございます。
 近年、社会状況の変化とともに国民の文化に対する関心が大きな高まりを見せ、文化振興に対する期待もまた大きくなってきてございます。県では、県民の皆さんがすぐれた芸術、文化を鑑賞し、創造していただくため、各種文化施設の整備充実に努めてきたところでございます。昨年、きのくに志学館を開館したのに続いて、本年は新美術館、博物館、県民ギャラリー、万葉館、わかやま館が開館する運びとなってございます。これらの文化施設を、今後、文化活動の拠点として、さらには和歌山文化の発信基地としていかなければならないと思ってございます。
 また、いわゆるソフト事業の振興についても、例えばことしで第二十七回を迎える県民文化祭の開催や全国大会への支援、あるいは県民文化会館の自主企画事業の開催など、できるだけ多くの皆さんに参加と鑑賞の機会を提供すべく努力しているところでございます。今後とも、さらに展示内容やソフト事業の展開など、施設の運営に当たって創意工夫を図ってまいります。
 次に、県民文化会館の諸問題について、まず自主事業の問題についてでございます。
 県民文化会館の役割は、県民の皆さんにすばらしい芸術を鑑賞していただくとともに、文化活動の場と機会を提供することにより地域文化の創出を図っていくことだと思います。その意味から、自主事業については、鑑賞型事業と会館独自の企画による参加創造型事業を順次実施してきたところでございます。特に参加型事業については、議員ご指摘の役割も十分認識しながら実施しておりまして、例えば、県内の演劇活動を支援する県文プロデュース公演、また音楽を志す新人を発掘する新人演奏会、さらに各文化団体が力を合わせて舞台をつくり上げていくクリスマスフェスティバル、そして音楽、演劇等、各分野の底辺を広げる研修講座を開催するなど、県民の皆さんの活動意欲を支援する形で実施してきたところでございます。今後とも創意工夫を重ねながら、多くの文化団体の皆さんの参加を得て、特色のある自主事業をさらに検討してまいります。
 次に、休館日の問題についてでございます。
 職員の労働時間や電気設備、また舞台設備等、ホールの安全確保のために保守点検等の実施が必要でございまして、現状においては厳しい状況でございます。また、閉館時間は午後九時三十分となってございますけれども、やむを得ない場合は延長を認めてございます。今後とも、利用状況に応じて適宜対応してまいりたいと考えております。
 次に、舞台、楽屋、附帯設備についてでございます。
 道具製作場、道具置き場等の新設については現在の施設構造上困難でございますが、ますます多様化する舞台、照明、音響装置等に対応すべく、現機能を生かしながら利用者の便宜を一層図ってまいります。
 次に、スタッフ職員の問題でございます。
 県職員、法人職員ともども、地域文化の発展のためにプロ意識を持って取り組んでいるところでございますが、今後とも館長を中心として職員が一丸となって県民文化会館の運営に取り組み、県民文化の振興に寄与してまいりたいと思います。
 最後に、周辺整備の問題でございます。
 県民文化会館も、開館二十三年の間、何度か改修を加えて、常に来館者の皆さんに気軽に気持ちよく使っていただける雰囲気づくりを心がけてきたところでございます。また、今年中に会館広場に花壇を設置するともに、近代美術館跡を活用して県民ギャラリー、県民ロビーを新設し、来館者の皆さんの語りの場、憩いの場をつくることとしてございます。今後とも、県民文化会館のイメージアップに一層努めてまいります。
 なお、周辺環境整備のライトアップについては、議員ご指摘の点も十分踏まえて関係部局と相談してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 紀淡海峡大橋についてお答えを申し上げます。
 まず、新交通軸調査の箇所づけでございますが、この調査は、経済社会調査や技術開発の共通調査と各プロジェクトの計画調査に分かれておりまして、予算成立後、その割り振りを行い、各地で提唱されている地域開発構想と交通軸の条件、熟度等に応じて箇所づけをされる予定と聞いております。
 次に、本県と建設省、兵庫県の三者で行っている調査の新年度の対応でございますが、平成五年度に引き続き、建設省においては主に経済社会調査等を行い、両県においてはボーリング、風及び地震の観測、環境調査、船舶航行調査等を実施する予定であります。
 次に、第十二次道路整備五箇年計画の中での位置づけでございますが、この十二次五計の検討はまだ行われておりません。いずれにいたしましても、十一次五計でどれだけ調査が進むかによって次の五計にどう盛り込まれるのか大きな要素となりますので、早期に調査を進め、事業化できるよう、国にも強く働きかけてまいりたいと存じます。
○議長(宗 正彦君) 商工労働部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 森議員にお答えをいたします。
 テクノスーパーライナーの基地化に伴うフォーリン・アクセス・ゾーンの指定についてでございます。
 海上高速輸送機関の開発によって物流に大きな変革が生じることと存じますので、現在実施されている国際複合輸送拠点調査の結果等を踏まえながら今後検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 警察本部長西川徹矢君。
 〔西川徹矢君、登壇〕
○警察本部長(西川徹矢君) 森議員にお答えいたします。
 ご指摘の各事案のうち、公選法第百九十九条の二に抵触するとして既に警告しておるものもございますが、その余の事案については現在調査中でもございます。詳細については答弁を差し控えさせていただきます。
 警察の選挙違反取り締まりに対する基本的な考え方でございますが、警察は選挙違反取り締まりを通じて選挙の公正確保に寄与するという責務を有しておりまして、不偏不党かつ厳正公平な立場を堅持して選挙違反取り締まりに当たるべきものと考えております。したがって、寄附の禁止違反についても、今後とも事案に応じて適切に警告あるいは検挙措置を講じ、取り締まりの実効を期するよう努め、県民の期待にこたえることといたしたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 選挙管理委員会委員長鈴木俊男君。
 〔鈴木俊男君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(鈴木俊男君) 森議員の選挙管理委員会に対する質問にお答えをいたします。
 実は、昨年の二月議会で選挙管理委員に選任をいただいてから約一年たちまして、当局側の席に座らせていただいておりますが、答弁をさせていただく機会はなかなかないものだなと思っていたやさきにご質問をいただきました。張り切って答弁をさせていただきます。
 ご質問の内容については、選挙管理委員会といたしましては新聞報道等で承知いたしているところでございますが、その事実関係について調査する立場にはございません。ただ、公職選挙法で禁止されている寄附については、ぜひこの機会にご説明をさせていただきたいと考えてございます。
 ご承知のとおり、国会議員、地方議会議員、また知事、市町村長といった公職についている人やその候補者は、公職選挙法第百九十九条の二第一項によりまして、選挙区内の住民に対して政治集会等において必要やむを得ない実費の補償として行う場合以外は一切の寄附が禁止されております。また、たとえ政治家本人以外からの寄附であっても、その政治家を名義人として行われる寄附は、同条第二項によりまして、やはり禁止されております。これは非常に厳格に解釈されておりまして、中元、歳暮はもちろん、親しい友人に対する祝儀、香典、お祭り等の寄附など、従来から慣行として行われているものであっても、およそ寄附と言われる限り、すべて禁止されるものでございます。
 次に、寄附禁止の罰則についてであります。
 公職選挙法第百九十九条の二の寄附禁止の規定に違反した場合には、公職選挙法第二百四十九条の二によりまして、その寄附が選挙に関係なく行われた場合や通常一般の社交の程度を超えない場合であれば二十万円以下の罰金、さらに政治家本人が選挙に関して行った場合や通常一般の社交の程度を超えて寄附を行った場合には最高一年以下の禁錮刑が科せられることになってございます。
 選挙管理委員会といたしましては、「贈らない、求めない、受け取らない」の三ない運動をスローガンに、寄附行為の禁止について政治家、有権者の方々のご理解を深めていただくために日ごろから懸命な啓発活動を行っているところでございますが、議員ご指摘のような慣行として行われているような寄附についても、決して行ってはならないことを今後とも強力に啓発をしてまいりたいと存じてございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──発言時間が終了いたしましたので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。
○議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 30番石田真敏君。
 〔石田真敏君、登壇〕(拍手)
○石田真敏君 このたび、新しい道を目指す決意をいたしました。昭和五十八年春の統一地方選挙で、海南市民の温かいご支援をいただきましてこの県政壇上に送っていただいて以来、あっという間に十一年が過ぎました。この間、先輩・同僚議員の皆さん、そして仮谷知事初め県職員の皆さんには大変お世話になってまいりました。この場をおかりいたしまして、心より厚く御礼を申し上げます。
 さて、この十一年間の県議生活を振り返ってみますと、さまざまなことが思い出されます。その最大のものは、やはり本会議場における議論であります。そしてその議論には、既に結論を見たものもあれば、今なお県政の重要課題として継続しているものもございます。
 昭和五十八年十二月議会での登壇が、私にとりましては思い出深い、初めての質問の機会でありました。この質問の中で私は、海南市から現在の国道三百七十号線及び国道四百二十四号線を通り、府県道泉佐野岩出線を経て近畿自動車道及び関西国際空港に通ずる仮称和歌山外環状道路の整備について提言申し上げました。その後、両府県にまたがる関係市町村が相集い、府県道泉佐野岩出線等整備推進協議会を設立し、今日までその整備促進について活動してまいっております。この道路の重要性は今さら申し上げるまでもありませんが、本年九月四日に関西国際空港がいよいよ開港されるということになれば、関西国際空港の直近に位置する那賀郡はもとより、本県にとって特に海南市以南の市町村にとって極めて重要なアクセスルートとなり、その整備は急を要することになります。今日まで県当局にあっては、土木部を中心に、大阪府との調整も含めて大変ご努力をいただいてまいりました。なお今後一層のご尽力をお願い申し上げるわけでありますが、ここで今後の見通しについて土木部長よりお聞かせいただきたいと思います。
 次に、県立医科大学の統合移転問題については、随分長期にわたって取り組ませていただきました。昭和五十九年九月議会での質問以来、丸四年にわたって本会議場、そして委員会の場においてかんかんがくがくの議論をさせていただきました。私にとりまして、非常に思い出深い議題でございます。それだけに、ぜひとも県民の期待にこたえられるような、時代のニーズに見合うような、すばらしい医科大学を建設していただきたいという思いでいっぱいであります。今後は、知事説明にもございましたように、平成十年度の完成を目指して医科大学の建設が進められるようでありますが、この際、用地選定委員会の場でも熱のこもった議論を闘わせていただいた駒井学長から、現在の計画を専門家の立場で見たときの見解、さらには新医科大学施設完成後の医科大学の姿、すなわち将来像について、地域医療との絡みの面なども含め、お聞かせいただきたいと思います。速やかな完成とすばらしい医科大学の誕生を心から願っております。
 関西国際空港問題も、関西国際空港対策特別委員会に所属させていただき、一貫して取り組ませていただいた思い出に残るテーマでございます。
 それは、この関西国際空港の建設が和歌山県に与える影響の大きさを思うからであります。一部に扇風機の裏側論を言う向きもありますが、私はそういう立場をとりません。裏側になるも、これを県勢活性化の大きな起爆剤にするのも、まさに我々自身の気の持ち方、努力に負うところが大きいからであります。簡単な話、空港なくして和歌山県の大飛躍は望み得ないのであります。しかし、今日までの関西国際空港を取り巻く諸問題についての議論は、国側の非常に身勝手な議論ばかりが目につくことも事実であります。伊丹空港存続の問題、神戸空港建設の問題、全体構想にかかわる議論等々、どれもこれも我々にとって素直に受け入れられる論理展開ではなかったと思います。そんな中で、今日懸念される課題が幾つかありますが、私が特に懸念する課題は全体構想の実現についてであります。
 来年度予算で調査費が認められたとはいえ、関西国際空港についての大蔵省の考え方、空港整備特別会計のあり方、伊丹空港や神戸空港問題に見られる運輸省の態度などを考え合わせると、全体構想の実現について非常におぼつかないものを感じざるを得ません。県の認識と今後の対応、そして見通しをお聞かせいただきたいと思いましたが、先ほどの森議員への答弁と重複いたしますので、何としてでも全体構想の実現を図っていただけるよう強く要望させていただきたいと思います。
 次に、平成四年九月議会で行った地方の問題についての質問も、私にとりましては非常に興味深いものでありました。
 私が小学生のころ、学校で学んだ海南市の人口は五万四千人、そして現在の人口は四万八千人台であります。もっと端的な例を申し上げれば、ことしの海南市の成人は八百人、そして去年一年間に生まれた赤ん坊の数は三百九十人であります。つまり二十年後の成人は、ことしの半分以下の人数ということであります。そして、これは海南市だけの問題ではありません。一部の自治体を除く和歌山県の大半の自治体が抱える問題であります。いや、都会を除く日本国じゅうの地方が抱える問題なのであります。そしてこの問題は、今すぐに手をつけなければ各地の自治体がコミュニティーとして蘇生する力を失ってしまう可能性の高い問題なのであります。この問題について、第一義的には中央政府がこの現状を厳しく認識し、これが対策のため今日までの方針の大転換を図る以外に、もはや方法はないと思います。地方を蘇生させるために国に何を訴えていかれるのか、知事のご所見をお伺いいたしたいと思います。
 また、当時の山中総務部長の答弁で、県下市町村の将来についての研究会の設置も検討していただいたようですが、その後の成果をお聞かせいただきたいと思います。
 何はともあれ、現行の地方自治制度、行政システムのもとでは、市町村にとって頼るべきは県であり、国であります。より一層の厳しい認識と積極的な対応をお願い申し上げたいと思います。
 野上電鉄問題についてお伺いいたします。
 今、海南・海草地方で最も高い関心を集めている話題は、野上電鉄の廃止問題であります。野上電鉄は、海南・海草地方にとっては先人の残していただいた貴重な、二度と得がたい財産であります。それだけに、慎重な対応がなされなければならないと思います。一昨年十二月の野上電気鉄道株式会社取締役会における鉄道、バス廃業の方針決定以来、沿線自治体はもとより、地域住民も一体となって鉄道存続の運動が展開されてまいりました。しかしながら、乗客の減少、鉄道施設の老朽化、約十三億円に上る累積赤字などにより経営が圧迫され、本年四月以降、鉄道廃止のやむなきに至ったことは、まことに痛恨のきわみでございます。四月以降、野上電鉄にかわってバスが運行されることになりました。地域住民にとっては、代替の交通機関が確保されるに至ったことは、とりあえず一安心といったところでございますが、昨年二月議会において私はこの問題を取り上げ、バス運行になった場合、国道三百七十号線が狭隘であり、現在でも慢性的に見られる交通渋滞が一層拡大されることについての懸念を指摘いたしました。四月からは、この道路をバスが一日二十八往復走ることになります。特に、朝夕の大渋滞が予想されるのであります。県はこの対策についてどう取り組もうとされているのか、短期的にはどうされるのか、長期的にはどうされるつもりなのか、お伺いをいたします。
 また、海南市野上中から野上町小畑間の鉄道廃線敷を活用して道路整備を行うとのことでありますが、その詳細計画をお聞かせいただきたいと思います。さらに、その他の鉄道廃線敷をどう活用されるのかについても、あわせお聞かせいただきたいと思います。
 次に、頭脳立地構想についてお尋ねいたします。
 国の産業立地政策のうち、本県では初めての本格的なプロジェクトとなった頭脳立地構想については、その導入段階から大いなる関心を抱き、県当局と一緒になって積極的に取り組んでまいりました。平成二年四月、近畿では初めてという地域指定があり、その後、同年十月には第三セクターとして株式会社和歌山リサーチラボがスタートし、平成三年四月には待望久しかった地域振興整備公団の現地開発所が開設されるなど、文字どおり国、和歌山県、海南市が三位一体となって取り組んでいただきました。そして今、まさに水と緑にあふれた海南インテリジェントパークとしてその全容をあらわしつつあることは、まことに感慨深いものがございます。
 時あたかも、本年九月には関西国際空港が開港され、相前後して和歌山マリーナシティが完成するなど、この地域を取り巻く環境は抜本的に改善されてまいります。時代状況としては厳しいものがございますが、私はこの施策については我が国産業のトレンドを先取りしたものであり、先見性に富んだ賢明な選択であったと、今もかたく信じております。それだけに、何としてでも所期の目標どおり事業の達成を図らなければなりません。宝の持ちぐされにするわけにはまいりません。県でもこれまで積極的に取り組んでいただいてまいりましたが、ぜひとも全国のモデルとなるよう、今後一層のご尽力をお願いいたしたいと思います。株式会社和歌山リサーチラボの社長でもある知事の、本プロジェクト推進に当たっての決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わりますが、最後に改めてごあいさつをさせていただきたいと思います。
 先輩・同僚の皆さん、知事初め県職員の皆さん、十一年間にわたり、本当に温かいご指導、ご交誼を賜り、まことにありがとうございました。おかげで、精いっぱい頑張ることができました。そして、自分にうそのない充実した県会議員生活を送らせていただきました。心から感謝申し上げます。
 私は、今後も地方自治行政のあるべき姿を目指して実践を積み重ねてまいる所存であります。どうか、今後ともの変わらぬご指導とご交誼のほどを衷心よりお願い申し上げます。皆様の本当に温かい気持ちに心から感謝を申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの石田真敏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 石田議員にお答え申し上げます。
 石田議員には、新しい目標を目指して邁進中でございますけれども、最後の質問をいただいたわけでございます。十一年にわたる県政への叱咤激励に対して心から感謝申し上げるとともに、ひとしお感慨深いものがございます。
 お話ございました和歌山外環状線の見通しの問題については、おかげをもちまして着々と進みつつあるわけでございます。また県立医大については、私にとりましても非常に重大な課題でございます。数々のご叱責をいただきましたが、平成六年度から着工することになり、お世話になりましたことを心から感謝申し上げる次第でございます。さらにまた、関空の全体構想の実現のために最大の努力をせよとの要望でございます。これに向かって邁進してまいりたいと思います。
 さて地方の問題について、石田議員から出生率の減少の問題をとらえてのお話がございましたけれども、これは一に海南市のみならず県下の問題であるし、全国的な問題でもあるわけでございます。
 私も、県政を行う上において、地域の活性化を図るためには交通網の整備はもちろん、地域産業の高度化や経済基盤の充実などを目指して、国に向かって各省庁の協力を得ながら、諸施策を活用しながら進めてまいったわけでございます。また、ふるさと創生事業を契機に、ふるさとづくり等にも取り組んでおるわけでございます。
 しかしながら、過疎化の進行の歯どめ、また老人にも若者にも住みよい町づくりを一層進めていくためには、今以上に地方行政能力の飛躍発展が必要であると思っておるわけでございます。このためには、国土計画をつくるとともに、国の地方への権限移譲、地方独自の財源の確保が不可欠であると考えておるわけでございます。
 国においても、平成五年六月に初めて国会で地方分権に関する決議がなされました。また、今国会においても地方自治法の改正が提出されるということを聞いておるわけでございます。今まさに、地方自治の充実強化の方向に世の中が動きつつあると考えられるわけでございます。地方分権にとって絶好の機会かと存ずるわけでございます。臨時行政改革推進審議会の答申に盛られた地方分権関連法の早期成立、また地方公共団体の財源確保のための地方財源の充実を含めた地方自治体の自治能力の強化をなお一層積極的に進めてまいらなければならないと存じておるところでございます。
 次に、頭脳立地構想でございます。
 お話にもございましたけれども、我が国の産業構造は重厚長大型から知識集約型へ転換しつつあるわけでございます。特に本県の産業構造は、鉄鋼、石油等の素材型産業の比率が非常に高いわけでございます。今後の産業構造といたしましては、ハイテク産業や情報関連産業などの知識集約型産業の集積を高め、産業構造の高度化を進めていかなければならない、これが本県のこれからの大きな目標だと考えておるわけでございます。このため、近畿では初めて頭脳立地構想の指定を受け、研究所や情報関連産業などの産業の頭脳部分の集積を図ることによって地域経済の活性化を目指しているところでございます。本年夏には約二十ヘクタールに及ぶ海南インテリジェントパークの竣工が予定されておりますし、またシンボル施設としての株式会社リサーチラボの社屋着工が予定されるなど、本プロジェクトにおける基盤づくりは着実に進展しているわけでございます。
 時あたかも関西国際空港が開港されるわけでございまして、交通網においても、情報においても、あの地域は絶好の場所であります。また、マリーナシティができるわけでございます。リゾートと、そうした研究事業とが相連関するわけでございまして、今後最大のプロジェクトとして進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 まず、仮称「和歌山外環状道路」でございます。
 国道三百七十号については、国道四十二号から幡川までの間一・二キロメートルが改良済みでございまして、幡川から重根間○・七キロメートルが街路事業として事業中でございます。また重根から木津間については、地域の開発状況、将来の交通需要、地元の協力体制等を勘案しながら、その整備計画の検討を進めているところであります。また四百二十四号、岩出野上線については、おおむね改良済みでございます。泉佐野岩出線については、粉河加太線以北のバイパス一・二キロメートルを昭和六十三年度に事業化し、さらに以南のバイパス一・四キロメートルについても平成五年度に事業化をし、現在その早期整備に向け、努力中でございます。また、国道二十四号以北○・九キロメートル間の現道拡幅部分及び根来から府県間までの三キロメートルについても、その早期事業化に向け、努力をしているところでございます。
 大阪府側については、府県界から泉南市金熊寺間四キロは、バイパスを含め種々調査を行っており、平成六年度から地元説明に入る予定であり、金熊寺から泉南インターを経由して樽井に至る五・二キロメートルについては、関空開港までに暫定二車線で概成を図るように努力中と聞いております。このルートについては、和歌山の外環状道路としての広域的な性格を有しております。
 議員を初め関係各位のご尽力により、順次整備の促進が図られてきたところでございますが、今後とも早期整備に向けてなお一層努力をしてまいりたいと存じます。
 野上電鉄問題でございます。
 現在のバス路線は、道路の幅員が四から五メートル前後でございます。バス等大型車の通行に適さない状況であるため特に幅員が狭く、交通の隘路となっている海南市野上中から野上町小畑間四・四キロメートルを野上電鉄の廃線敷を利用して幅十三メートルのバイパスの整備を行うことといたしております。来年度には現地測量を行うとともに、地元の協力をいただきながら用地買収を進めてまいりたいと存じます。また、野上中から日方間六・九キロメートルのうち駅東区画整理、並びに重根区画整理の地区については事業目的用地として確保し、また残る区間についても自転車・歩行者道、及び都市施設など有効利用を図るべく、今整備手法等について検討を進めておるところでございます。さらに短期的には、海南市重根から野上町下佐々までの間について、交通の安全確保のため路肩ののり起こし、既設排水溝への溝ぶたの設置、専用電柱の移転等を行いまして、路肩を確保することによって安全対策を図るべく現在協議中であり、地元同意を得つつ着実に実施をしてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 野上電鉄問題についてのご質問にお答えいたします。
 野上電鉄廃線に伴う交通渋滞の緩和対策についてでございますが、平成五年六月、野上電鉄が株主総会で会社解散の方針を決定して以来、野上電鉄対策協議会において会社解散後の交通手段については、沿線住民の交通手段を確保するという観点から、平成五年八月、専門家に調査を委託し、交通手段のあり方について具体的に検討が行われ、その結果、平成五年十一月十日に開催された対策協議会においてバス化の方針が決定されたところでございます。この方針決定に基づき、地元運送業者である大十運送株式会社が対策協議会の推薦を得て、路線バス事業を野上電鉄から譲り受ける旨の申請を行い、三月一日に運輸省から認可されてございます。その後、三月八日に運輸省から野上電鉄が三月三十一日をもって解散することについても認可されてございます。
 議員お話しのとおり、一日二十八往復のバスが運行されることとなる国道三百七十号については、交通渋滞の原因となる道路狭隘箇所の改良について海南市、野上町、美里町からの要望も受け、短期的、長期的な両面から、地元市町も含め、関係部局と検討を進めているところでございまして、バスの定時性の確保に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
 〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 地方の問題についての取り組みが今どうなっているかというご質問にお答え申し上げます。
 さきの石田議員のご提言を受けての調査研究会でございますが、総務部内に市町村振興調査研究会を設置して主査クラスの若手を中心に調査研究を行うとともに、企画部内の県勢活性化推進研究会とも連携して相互に知恵を出し合い、議論をして研究を深めているところでございます。
 研究会での議論の一端を紹介いたしますと、若者が定住するためには就業機会の確保が必要であり、ふるさと財団融資をもっと活用して企業誘致を行うべきこと、住宅等生活環境の改善のため公共投資による基盤整備をさらに積極的に行うべきこと、文化、スポーツ等の施設整備を進め、若者に魅力ある地域社会をつくり出していくこと等が議論されているところでございます。さらに、定住人口の増加方策だけでなく、交流人口の増加を地域の活性化に結びつけることも肝要であり、このために各種イベントの開催や知識人、文化人の招聘を積極的に行っていく必要があるのではないか、さらにはこのようなことを効果的に行うためには、もっと広域的な結びつきを強めていくよう誘導していく必要があるのではないかといったようなこともこの研究会では話し合われております。
 いずれにいたしましても、決め手になる特効薬が簡単に見出せる問題ではなく、平成六年度にも引き続き討論し、研究を行い、これらのことを具体化するための施策をより深く研究してまいりたいと考えております。
○議長(宗 正彦君) 医科大学学長駒井則彦君。
 〔駒井則彦君、登壇〕
○医科大学学長(駒井則彦君) 県立医科大学の将来像についてお答え申し上げます。
 医科大学の建設については、議員からお話がありましたように、県議会並びに各界の皆様方からこれまで多大のご協力をいただき、いよいよ着工の年を迎えるにことになり、感慨深いものがございます。もとより、大規模な事業でございますので、県当局と十分協議しながら鋭意取り組んでいるところであり、現在のところ、関係作業は順調に進行しております。
 医科大学の目的は、申すまでもなく有能な医師を育成することにあり、そのため研究施設や図書館の充実、学生や教職員の福利厚生施設の充実などを図っていきたいと考えております。また、医学医療を向上発展させ、高い医療水準を維持しながら県民の福祉に貢献するため、附属病院には悪性新生物に対する先進的治療を行う集学的治療病棟、今後ますます発展が予測される内視鏡手術やカテーテルによる血管内手術などの先進的医療部門、中央手術部の強化を図るなど、高度な医療にも対応可能な計画といたしております。また、患者のニーズに応じるため、病棟部門の充実を図るとともに、第一線で活躍している医師や医療従事者に対する教育の場としての生涯教育研修施設も設置することにいたしております。
 医科大学の移転整備により、県域全体の医療体系の中核として、新しい医療の開発と県民に対する高度な医療の提供が可能となります。医科大学で育成した高度の医療技術を持つ医師を県内の診療所や病院へ派遣することにより、地域の医療水準を向上させ、県民の健康福祉に多大の貢献ができるものと確信しております。今後とも、皆様方のご指導、ご協力をお願い申し上げる次第でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宗 正彦君) 再質問がございませんので、以上で石田真敏君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(宗 正彦君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時五十分散会

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