平成5年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(木下義夫議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成五年十二月十三日(月曜日)

  午前十時四分開議
○副議長(町田 亘君) これより本日の会議を開きます。
○副議長(町田 亘君) この際、報告いたします。
 過日提出のあった議案第百四十七号から議案第百五十号までは職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
  〔職員朗読〕
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 和人委第305号
 平成5年12月10日
 和歌山県議会議長  宗 正 彦 殿
  和歌山県人事委員会委員長  水 谷 舜 介
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成5年12月10日付け和議会第265号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
 記
 議案第147号  職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第148号  教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第149号  警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第150号  市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
  意 見
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○副議長(町田 亘君) 日程第一、議案第百三十六号から議案第百五十号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 22番木下義夫君。
  〔木下義夫君、登壇〕(拍手)
○木下義夫君 通告した順番に従いまして、質問をいたします。
 一番は、植芝盛平翁・合気道創始者のNHK大河ドラマ化についてであります。
 九月県議会で、和歌山県が生んだ合気道開祖・植芝盛平翁の顕彰と合気道の普及について質問をいたしました。物の時代から心の時代へ変化した現在、精神文化が尊重され、精神武道が非常に重要な時期を迎えております。自然天然の森羅万象を演武し、勝敗をつけない精神武道である、全世界に普及している合気道を活用して、和歌山県を国内的に国際的にPRすべきであると質問をいたしました。
 そこで、合気道開祖・植芝盛平翁と和歌山県の関係、翁その人、合気道のことを全国に知ってもらい、そのことを通じて和歌山県の存在を認識してもらう方法はないものかと考えました。考えついたのが、植芝盛平翁の一生をNHKの大河ドラマにしてもらうことであります。
 先日、広報公聴課の担当者に同伴してもらってNHK和歌山支局を訪れ、誉田晴彦支局長さん初め役職者の方々に、和歌山県が生んだ文豪・津本陽先生の「黄金の天馬」、和巻耿介先生の「王道の門」を渡して植芝盛平翁の大河ドラマ化をお願いいたしました。NHKとしては、次期大河ドラマの編成については最重要課題であり、組織全体の命運をかけた決定事項であるため、数年間をかけて慎重な事前調査を行い、制作過程においても組織全体で協力態勢をとりながら推し進めているので、一放送局に制作を要請すればよいというものではないが、地域における熱意が一番大切な要素になると言っておりました。
 NHKの大河ドラマについて、少し述べさせていただきます。
 昭和三十八年四月から現在まで三十二本製作・放送されております。舟橋聖一先生の「花の生涯」、大佛次郎先生の「赤穂浪士」等、非常に懐かしいものばかりであります。現在は、直木賞作家・高橋克彦先生の、みちのくの熱き炎、黄金の王国を夢見た男たちの野望を描いた「炎立つ」が放映されております。
 例えば、県がマリーナシティの建設をし世界リゾート博を開催するのは、和歌山県の存在をPRして国内的に認識してもらい、和歌山県に来てもらうためであると思います。私は、和歌山県の宝物である合気道開祖・植芝盛平翁をもっともっと生かしていただいて、和歌山県の存在そのものを国内外に認識してもらうべきであると思います。そのためには、ぜひ植芝盛平翁の一生をNHKの大河ドラマに取り上げてもらうべきで、そのために仮谷知事が先頭に立って県民運動を起こすべきであると思います。
 大変ありがたいことに、県が生んだ文豪・津本陽先生が書いた植芝盛平翁の「黄金の天馬」というすばらしい本もあります。俳優としては小林稔侍さんもおり、和歌山県の総力を挙げて取り組むべきであると思います。
 NHK大河ドラマの当該県の影響について調査いたしましたので、その一例を述べてみます。平成三年に放映された足利尊氏氏の一生を描いた「太平記」についてであります。「太平記」は、栃木県、山口県、奈良県、京都府とロケをされましたが、その中心は栃木県でありました。栃木県での「太平記」の影響については、次のとおりであります。
 平成三年一月から十二月までの県全体の観光客入り込み数は、前年を約四百三十六万人上回る約五千百三十四万人、対前年比一〇九・三%と大幅な増加を示しておりますが、この要因としては、平成三年に放映された同番組のブームにより足利市を中心に栃木県が全国的に注目を集めたことが大きく影響していると考えられます。事実、足利市の平成三年の観光客入り込み数は四百八十二万人となり、前年比二〇四%と大幅な増加を示し、市町村別で五位だった同市は平成三年度に三位に上昇しているのであります。「太平記」のオープンセットの入場者が累計百二万人であることを考えると、直接の観光客プラス知名度アップなどによる観光客増加が相当数あったと思われます。
 なお、産業面への効果については特に調査結果がないため不明ですが、県や足利市などが観光PRで「太平記」を最大限活用したことで、イメージアップへの貢献は相当なものとなったと思われます。新たな土産品の開発による地場産業の活性化など、有形無形の大きな効果がもたらされていると言えます。
 関西国際空港、南紀白浜空港の開港を控えて今が一番国内外に和歌山県の存在をPRすべきときであると思いますが、仮谷知事が先頭に立って県民運動としてNHK大河ドラマに合気道開祖・植芝盛平翁を取り上げていただく運動を展開していただきたいと思いますので、知事のご所見をお尋ねいたします。
 第二番目は、変革期の教育のあり方についてであります。
 戦後の教育改革から約半世紀が経過した今、時代と社会の進展に伴って教育をめぐる状況は大きく変化しておりますが、教育委員会においては、こうした変化に適切に対応し、本県教育の活性化に向けてさまざまな取り組みがなされていると思います。
 さて、私は昭和六十三年十二月議会において、一人一人の能力や進路に応じた教育を積極的に推進するよう質問をいたしました。生徒一人一人にはそれぞれの個性があるにもかかわらず、全員が同じ教育を受けることが平等であるという考え方が社会の一部に根強く残っております。私は、こういう教育はどこを切っても同じ結果が出てくるということから金太郎あめ的教育に例え、一人一人の生徒に合った教育を行い、その力を精いっぱい伸ばすことの大切さを訴えたところであります。
 これからの教育は一人一人の生徒を大切にしていかなければならないと考えますが、そのためには生徒の適性、能力や進路希望等を重視する教育とともに、地域に根差した特色とゆとりある教育や自然を大切にする教育、及びぬくもりのある心の教育を推進することも極めて大切であると考えます。我が国の経済が飛躍的に発展し、物質的に豊かな社会が実現した今、これまでの教育を見直し、心の教育の重視や特色ある教育の取り組みに向けて積極的に対応していくことがこれからの教育の課題であると考えます。
 私の友人である名古屋外国語大学の松本道弘教授は「国貧論」というものを発行いたしましたが、この著書の中で物の大国から心の大国へと発想の転換を説いております。私も全く同感であります。全国では、こうした教育や触れ合い教育の取り組みとして、地域の人々や産業との触れ合いや勤労・奉仕等、さまざまな体験的な学習が行われていると伺っております。
 十二月六日付朝日新聞によると、京都府峰山町不断の町立峰山小学校で──生徒数は三百十四人でありますが──父親が教壇に立ち、先生になって子供たちに語りかける「お父さんの授業」が十二月五日に開かれました。お父さん先生は十二人で、初めての体験に冷や汗をかきながら、それぞれの仕事や趣味を生かして四十五分間の授業を乗り切ったのであります。子供たちは、「いつものお父さんより、ちょっと格好がよかった」と目を輝かせて授業に聞き入り、新たな親子のきずなができるとともに、父親の仕事に新たな尊敬の念を抱く等、大変好評であったと報道されておりました。「お父さんの授業」は、ともすれば仕事にかこつけて子供の教育に無関心になりがちな父親を教室に誘い出すユニークな試みであります。聞くだけの授業観から、教える側の苦労、子供たちの授業態度を知ってもらうのがねらいでありました。
 鰺坂京都大学名誉教授(教育方法学専門)の先生は、「先生以外の人から新しい話や珍しい体験を聞くことは子供たちの貴重な経験になり、非常におもしろい試みだ。今度は、お父さんだけでなくお母さんにも先生になっていただいたらどうか。また別の話がたくさん出てくると思う」と語っているのであります。
 また、県内の学校ではボランティア活動が盛んになりつつありますが、老人ホームでの介護サービスに取り組んだ生徒は、初めて老人の方と直接触れ合う体験をし、新たな感動を覚えたという話を伺い、教科書以外から学ぶものの大きさと大切さを私自身も実感したところであります。このような感動は、教室の中だけの授業ではなく、さまざまな体験的な活動や地域に根差した活動、自然との共生の中での学習等、直接体験から生まれるものであります。
 そこで教育長にお尋ねいたしますが、まず第一点目は、生徒の特性や進路希望に応じた教育の推進について、その後の進捗状況はどうなっているのかであります。第二点目は、心の教育や触れ合い教育等、地域や自然とのかかわりを大切にする特色ある体験的な学習が本県においても実践されているのか、その状況について説明を賜りたいと思います。
 第三点目は、学校図書館の充実についてであります。
 私たちの生活は、多種多様な情報に振り回されんばかりの状況になっています。このことは大人だけではなく、子供たちの環境も同様であり、特に自我を確立していない未発達の子供たちは、テレビゲームやテレビなどの映像による情報にさらされているのであります。このことの結果、子供たちは、ともすれば直観的な反応や短絡的な思考に陥り、落ちつきのない生活が強いられているのであります。お金を出せば何でも買える社会で、大切な心の豊かさが失われていくのであります。
 子供の活字離れが叫ばれて久しいが、文章を通じて子供たちが心を揺さぶられ、感動し、涙を流して悲しみ、怒りを覚えるという経験の中で物事への思考力を深め、判断力を豊かにするのでありますが、小さいころ感動した忘れることのないあの一冊、その一冊はだれもが持っているのであります。それほど、読書というものは我々人間にとって非常に大切なものであり、特に子供のときの読書は心の糧であり、その子供の一生を左右すると言っても過言ではありません。
 私は、今の子供たちに本の楽しさ、読書のおもしろさを、またそれを通じて人生の豊かさをわからせたいのであります。そのためには、学校図書館の役割は極めて大きなものであります。「三つ子の魂百まで」と言われますが、小学校、中学校における図書館の役割は我々が考えている以上のものがあり、その充実は焦眉の急であると思います。
 学校図書館法の第一条に、「学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であることにかんがみ、その健全な発達を図り、もつて学校教育を充実する」と定められております。学校図書館は現在、残念ながら、本の倉庫になっている嫌いがあります。図書館は倉庫でなく、そこにある書物を有効に活用しなければ何の意味もありません。そのためには、資格を持った司書の配置が必要であります。資格のない人を配置している図書館は、無免許で車を運転しているのと同じだと考えます。現在の図書館への司書の配置については、全国図書館協議会の調査によりますと、小学校で二一・三%、中学校では二六・七%、高等学校では九〇・一%となっており、近畿の小・中学校では、ほとんどその配置がないということであります。
 ここで、ある指標を挙げてみます。岡山市の桃丘小学校の九二年度の児童一人当たりの平均貸し出し冊数は六十八・三冊となっておりますが、我が和歌山県のある高等学校の生徒一人当たりの平均貸し出し冊数は、四冊であります。その差の原因ははっきりわかりませんが、小学校のときに司書のある図書館で読書の楽しさやそのおもしろさを味わっていないことが原因ではないかと思われます。このことは、学校図書館が資格のある司書によって運用されなければならないということを如実に語っていると思います。文部省は、今年度から六年間で千三百余人の小・中学校事務職員を増員するという計画を打ち出していると聞いております。
 以上のことから、資格のある司書をすべての高等学校、中学校、小学校に配置をしていただいて、創造力のある、思考力のある落ちついた児童生徒を育成すべきであると思います。そこで教育長に、学校図書館の果たすべき役割と充実の方途、並びに本県の現状についてお伺いをいたしたいと思います。
 最後に、南紀福祉センターについてであります。
 昭和五十八年に始まりました国連・障害者の十年も昨年で終了したところでありますが、この十年間における障害者対策は、県民の障害者問題に対する正しい理解と認識を得ることとともに、さまざまな施設の充実により着実にその成果を上げつつあるものと考えております。しかし、最近の精神薄弱児者の現状は、出生率の低下等により障害児が減少する一方、加齢することにより障害者が増加し、加えて平均寿命の伸びに伴い高齢障害者が増加しているのが現状であります。
 障害者福祉のあり方は、健常者ともどもそれぞれの地域で生活をするノーマライゼーションの理念が基本でありますが、今日の障害の重度化・重複化の状況、在宅障害者の保護者の高齢化あるいは親亡き後のことを思うとき、施設整備もまだまだ充実させていく必要があると思います。
 本県の施設整備については、仮谷知事の努力により着実に整備が進められているのでありますが、現在ある施設はほとんど定員いっぱいでありまして、毎年、養護学校高等部を卒業する約六割の者が施設へ入居を希望するという状況にありますし、また現在、二百人の方々が施設へ入所を希望して待機していると聞き及んでおります。
 先日、南紀福祉センターに入所している障害児の保護者の方と話をする機会がありました。その方は、「子供が養護学校を卒業したとき次の施設へ入れるかどうか、非常に不安である。また、できれば同じ施設内にある更生部の施設に入れてもらって同じ環境のもとで生活をさせたいが」という不安を切々と訴えられました。これらの保護者の心情を考えるとき、保護者も障害者も安心してゆとりを持って生活できる社会づくりのために、施設整備を含む社会施設の整備充実が急務であると考えます。
 県においては、現在、平成六年度を初年度とする二十一世紀を展望した第二次障害者にかかる長期行動計画を策定していると聞いておりますが、その策定に当たり、今後、精神薄弱児者施設整備についてどのように考えているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 以上、四点についてお尋ねいたしました。よろしくご回答をお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(町田 亘君) ただいまの木下義夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 木下義夫議員にお答え申し上げます。
 植芝盛平翁のNHK大河ドラマ化についてでございますが、お話しの点については私も原則的には賛成でございます。本県では、合気道の開祖である植芝翁を初め、博物学者である南方熊楠翁、医聖・華岡青洲翁など、数々の偉大な先人を輩出しており、これら和歌山県が生んだ先人の足跡が広く知られるということは、県民が改めてふるさとに誇りを持つとともに、また和歌山県の知名度も全国的に高め、観光を初め、地域活性化のための波及効果は大きいものがあると考えるわけでございます。
 また、話ございましたように、情報化時代の中でマスメディアを通じての本県のイメージアップ方策は大変重要なことでございまして、県としても、かねてからテレビスポット、新聞広告等を通じて行ってきておるところでございます。
 ご提言の大河ドラマ化については、関係団体や地域の機運の醸成と呼応しながら、機会あるごとにアピールし、和歌山のイメージを高める努力を進めてまいりたいと思います。
 他の問題は部長から答弁いたします。
○副議長(町田 亘君) 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 木下義夫議員にお答えいたします。
 南紀福祉センターを含む精神薄弱児者施設整備でございますが、議員お話しのとおり、出生率の低下や医療の進歩充実に伴い障害児が減少する一方で高齢障害者が増加しており、重度化、重複化の傾向となってございます。今後もこの状態で推移するものと考えられ、在宅障害児者の保護者の方々の高齢化も問題になってきていることは認識しているところでございます。
 県としては、計画的に施設整備を進める中で、現在、平成六年四月開園を目途に精神薄弱者更生施設一カ所、授産施設二カ所、また精神薄弱児通園施設のほか肢体不自由児通園施設等の整備を進めているところであり、来年度においても精神薄弱者通所授産施設等の整備を計画してございます。現在進めている第二次障害者にかかる長期行動計画の策定に当たっては、引き続き在宅福祉の充実に努めるとともに、更生施設、授産施設等の施設整備についても充実してまいる所存でございます。
 今後とも、障害児者及び保護者の方々のニーズを十分把握するとともに、地域性も考慮しながら関係市町村等のご協力を得、施設整備の促進及び処遇の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 変革期における教育などについてお答えいたします。
 一点目の生徒の特性や進路希望に応じた教育の推進についてでございますが、生徒の個性を生かす観点から、高等学校における学科の新設、改編を実施してまいりました。このことについては、国際化時代に対応できる人材の育成を目指す学科、国際化を初め環境教育を重視する観点から森林科学科や環境科学科などを設置いたしました。さらに、特色ある学校づくりを推進するため、平成六年度には国際経済科や自然科学科などを新設するとともに、特にこれからの高校教育に向け、パイオニア的役割を果たすことが期待されている総合学科を全国に先駆けて和歌山高校に設けることとしております。平成元年度以降、学科の新設、改編は十五校、十九学科を数えることになっております。また中学校においても、教育の弾力化を図り、生徒自身が興味、関心等により学習できる選択科目の幅をより一層広げるよう指導しております。
 二点目の心の教育にかかわってでございますが、物を大切にする心を忘れがちになったり、自然に対する優しさや感動する心が薄れたり、また地域の人々との触れ合いが少なくなっていることなどが指摘されております。
 こうしたことから、教育委員会としては、ふるさと教育、自然教室、大自然の中でたくましく生きることを体験させる事業、いわゆるフロンティア・アドベンチャーなどの事業を実施しているところであります。各学校においても、植物の栽培や動物の飼育、また地域の清掃や福祉施設の訪問などを行っております。
 こうした学習や活動を行う中で、自然に対する優しい心、他人への思いやりや協力し合う心、さらに自分の周りの人々や物に対する感謝の心がはぐくまれるなど、大きな成果を上げているところであります。今後とも、学校、家庭、地域社会の連携を一層深め、心の教育をより積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に学校図書館教育についてでありますが、議員ご指摘のとおり、映像文化のはんらんの中で、児童生徒の活字離れが進み、読書によってはぐくまれる豊かな感性が失われつつあることが憂慮されています。
 こうした中で学校図書館は、児童生徒に読書の楽しさを教える場として、また各種の資料や情報を提供し、自主的、主体的学習を進める場として極めて大切な役割を果たしております。各学校においては、学級活動や学校行事などにおける幅広い読書活動や図書館の資料を活用する授業の工夫など、さまざまな取り組みを行っております。
 次に司書の配置についてでございますが、本県においては、各高等学校の図書館に学校司書を配置してございます。学校司書は、その専門性を生かして、学校図書館の機能的な運営に当たっております。また小・中学校においては、学校図書館の重要性と事務量を考慮して、図書館事務を分担できるよう、現在、大規模校を中心に事務職員を複数配置しているところでございます。
 教育委員会としては、今後とも図書館司書の研修や優秀な人材の確保など資質の向上に努めるとともに、生涯を通じて読書に親しみ心豊かな人間を育成するよう、学校図書館教育の充実を図ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 22番木下義夫君。
○木下義夫君 親切な答弁をいただいたわけなんですが、要望いたしたいと思います。
 十一日に植芝吉祥丸先生に東京でお会いさせていただきました。九月の県議会で質問さしていただいたこと、それから今度質問させていただくこと、当局仮谷知事の答弁もお話しさしていただきましたら、非常に喜んでいただいております。植芝吉祥丸先生の言葉ですが、「どうか、仮谷知事が先頭に立っていただいて運動を展開していただきたい。財団法人合気会も、NHKとの関係もございますので、我々団体としても頑張ってまいります」ということでございますので、官民一体となって運動を進めていただきますようお願いをいたします。
 以上で終わります。
○副議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下義夫君の質問が終了いたしました。

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