平成5年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第五号 平成五年十二月十三日(月曜日)
  午前十時開議
  第一 議案第百三十六号から議案第百五十号まで(質疑・委員会付託)
  第二 一般質問
  第三 請願付託
会議に付した事件
 一 議案第百三十六号から議案第百五十号まで(質疑・委員会付託)
 二 一般質問
 三 請願付託
 四 休会決定の件
出 席 議 員(四十五人)
 1  番  小  川 武
 2  番  吉  井  和  視
 3  番  井  出  益  弘
 4  番  和  田  正  一
 5  番  町  田 亘
 6  番  尾  崎  吉  弘
 8  番  藁  科  義  清
 9  番  向  井 嘉久藏  
 10  番  佐  田  頴  一
 11  番  阪  部  菊  雄
 12  番  堀  本  隆  男
 13  番  平  越  孝  哉
 14  番  富  田 豊
 15  番  門  三佐博  
 16  番  西  本  長  弘
 17  番  高  瀬  勝  助
 18  番  上  野  哲  弘
 19  番 宇治田  栄  蔵
 20  番  尾  崎  要  二
 21  番  中  村  利  男
 22  番  木  下  義  夫
 23  番  山  本 一
 24  番  馬  頭  哲  弥
 25  番  鶴  田  至  弘
 26  番  飯  田  敬  文
 27  番  村  岡 キミ子  
 28  番  松  本  貞  次
 29  番  下  川  俊  樹
 30  番  石  田  真  敏
 31  番  宗 正  彦
 32  番  橋  本 進
 33  番  浜  田  真  輔
 34  番  冨  安  民  浩
 35  番 上野山  親  主
 36  番  中  村  裕  一
 37  番  和  田  正  人
 38  番  大  江  康  弘
 39  番  中  西  雄  幸
 40  番  木  下  秀  男
 42  番  森 正  樹
 43  番 野見山   海
 44  番  新  田  和  弘
 45  番  浜  本 収
 46  番  森  本  明  雄
 47  番  浜  口  矩  一
欠 席 議 員(一人)
 7  番  岡  本 保
 〔備 考〕
 41  番  欠  員
説明のため出席した者
 知 事 仮  谷  志  良
 副知事 西  口 勇
 出納長 梅  田  善  彦
 知事公室長 中  西  伸  雄
 総務部長  木  村  良  樹
 企画部長  佐  武  廸  生
 民生部長  南  出  紀  男
 保健環境部長  江  口  弘  久
 商工労働部長  吉  井  清  純
 農林水産部長  野  見  典  展
 土木部長  山  田 功
 企業局長  高  瀬  芳  彦
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
 岩  崎  正  夫
 教育長 西  川 時千代  
  以下教育次長
 公安委員会委員 山  階  清  弘
 警察本部長 西  川  徹  矢
  以下各部長
 人事委員会委員長
 水  谷  舜  介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員  天  谷  一  郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長職務代理者
 谷  口  庄  一
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長  梅  本  信  夫
 次  長  中  村 彰
 議事課長  中  西  俊  二
 議事課副課長  佐  竹  欣  司
 議事班長  松  谷  秋  男
 議事課主事 長  尾  照  雄
 議事課主事 松  本  浩  典
 総務課長  川  端  孝  治
 調査課長  岡  山  哲  夫
 (速記担当者)
 議事課主査 吉  川  欽  二
 議事課主査 鎌  田 繁
 議事課速記技師 中  尾  祐  一
 議事課速記技師 保  田  良  春
  ──────────────────
  午前十時四分開議
○副議長(町田 亘君) これより本日の会議を開きます。
○副議長(町田 亘君) この際、報告いたします。
 過日提出のあった議案第百四十七号から議案第百五十号までは職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
  〔職員朗読〕
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 和人委第305号
 平成5年12月10日
 和歌山県議会議長  宗 正 彦 殿
  和歌山県人事委員会委員長  水 谷 舜 介
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成5年12月10日付け和議会第265号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
 記
 議案第147号  職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第148号  教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第149号  警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第150号  市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
  意 見
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○副議長(町田 亘君) 日程第一、議案第百三十六号から議案第百五十号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 22番木下義夫君。
  〔木下義夫君、登壇〕(拍手)
○木下義夫君 通告した順番に従いまして、質問をいたします。
 一番は、植芝盛平翁・合気道創始者のNHK大河ドラマ化についてであります。
 九月県議会で、和歌山県が生んだ合気道開祖・植芝盛平翁の顕彰と合気道の普及について質問をいたしました。物の時代から心の時代へ変化した現在、精神文化が尊重され、精神武道が非常に重要な時期を迎えております。自然天然の森羅万象を演武し、勝敗をつけない精神武道である、全世界に普及している合気道を活用して、和歌山県を国内的に国際的にPRすべきであると質問をいたしました。
 そこで、合気道開祖・植芝盛平翁と和歌山県の関係、翁その人、合気道のことを全国に知ってもらい、そのことを通じて和歌山県の存在を認識してもらう方法はないものかと考えました。考えついたのが、植芝盛平翁の一生をNHKの大河ドラマにしてもらうことであります。
 先日、広報公聴課の担当者に同伴してもらってNHK和歌山支局を訪れ、誉田晴彦支局長さん初め役職者の方々に、和歌山県が生んだ文豪・津本陽先生の「黄金の天馬」、和巻耿介先生の「王道の門」を渡して植芝盛平翁の大河ドラマ化をお願いいたしました。NHKとしては、次期大河ドラマの編成については最重要課題であり、組織全体の命運をかけた決定事項であるため、数年間をかけて慎重な事前調査を行い、制作過程においても組織全体で協力態勢をとりながら推し進めているので、一放送局に制作を要請すればよいというものではないが、地域における熱意が一番大切な要素になると言っておりました。
 NHKの大河ドラマについて、少し述べさせていただきます。
 昭和三十八年四月から現在まで三十二本製作・放送されております。舟橋聖一先生の「花の生涯」、大佛次郎先生の「赤穂浪士」等、非常に懐かしいものばかりであります。現在は、直木賞作家・高橋克彦先生の、みちのくの熱き炎、黄金の王国を夢見た男たちの野望を描いた「炎立つ」が放映されております。
 例えば、県がマリーナシティの建設をし世界リゾート博を開催するのは、和歌山県の存在をPRして国内的に認識してもらい、和歌山県に来てもらうためであると思います。私は、和歌山県の宝物である合気道開祖・植芝盛平翁をもっともっと生かしていただいて、和歌山県の存在そのものを国内外に認識してもらうべきであると思います。そのためには、ぜひ植芝盛平翁の一生をNHKの大河ドラマに取り上げてもらうべきで、そのために仮谷知事が先頭に立って県民運動を起こすべきであると思います。
 大変ありがたいことに、県が生んだ文豪・津本陽先生が書いた植芝盛平翁の「黄金の天馬」というすばらしい本もあります。俳優としては小林稔侍さんもおり、和歌山県の総力を挙げて取り組むべきであると思います。
 NHK大河ドラマの当該県の影響について調査いたしましたので、その一例を述べてみます。平成三年に放映された足利尊氏氏の一生を描いた「太平記」についてであります。「太平記」は、栃木県、山口県、奈良県、京都府とロケをされましたが、その中心は栃木県でありました。栃木県での「太平記」の影響については、次のとおりであります。
 平成三年一月から十二月までの県全体の観光客入り込み数は、前年を約四百三十六万人上回る約五千百三十四万人、対前年比一〇九・三%と大幅な増加を示しておりますが、この要因としては、平成三年に放映された同番組のブームにより足利市を中心に栃木県が全国的に注目を集めたことが大きく影響していると考えられます。事実、足利市の平成三年の観光客入り込み数は四百八十二万人となり、前年比二〇四%と大幅な増加を示し、市町村別で五位だった同市は平成三年度に三位に上昇しているのであります。「太平記」のオープンセットの入場者が累計百二万人であることを考えると、直接の観光客プラス知名度アップなどによる観光客増加が相当数あったと思われます。
 なお、産業面への効果については特に調査結果がないため不明ですが、県や足利市などが観光PRで「太平記」を最大限活用したことで、イメージアップへの貢献は相当なものとなったと思われます。新たな土産品の開発による地場産業の活性化など、有形無形の大きな効果がもたらされていると言えます。
 関西国際空港、南紀白浜空港の開港を控えて今が一番国内外に和歌山県の存在をPRすべきときであると思いますが、仮谷知事が先頭に立って県民運動としてNHK大河ドラマに合気道開祖・植芝盛平翁を取り上げていただく運動を展開していただきたいと思いますので、知事のご所見をお尋ねいたします。
 第二番目は、変革期の教育のあり方についてであります。
 戦後の教育改革から約半世紀が経過した今、時代と社会の進展に伴って教育をめぐる状況は大きく変化しておりますが、教育委員会においては、こうした変化に適切に対応し、本県教育の活性化に向けてさまざまな取り組みがなされていると思います。
 さて、私は昭和六十三年十二月議会において、一人一人の能力や進路に応じた教育を積極的に推進するよう質問をいたしました。生徒一人一人にはそれぞれの個性があるにもかかわらず、全員が同じ教育を受けることが平等であるという考え方が社会の一部に根強く残っております。私は、こういう教育はどこを切っても同じ結果が出てくるということから金太郎あめ的教育に例え、一人一人の生徒に合った教育を行い、その力を精いっぱい伸ばすことの大切さを訴えたところであります。
 これからの教育は一人一人の生徒を大切にしていかなければならないと考えますが、そのためには生徒の適性、能力や進路希望等を重視する教育とともに、地域に根差した特色とゆとりある教育や自然を大切にする教育、及びぬくもりのある心の教育を推進することも極めて大切であると考えます。我が国の経済が飛躍的に発展し、物質的に豊かな社会が実現した今、これまでの教育を見直し、心の教育の重視や特色ある教育の取り組みに向けて積極的に対応していくことがこれからの教育の課題であると考えます。
 私の友人である名古屋外国語大学の松本道弘教授は「国貧論」というものを発行いたしましたが、この著書の中で物の大国から心の大国へと発想の転換を説いております。私も全く同感であります。全国では、こうした教育や触れ合い教育の取り組みとして、地域の人々や産業との触れ合いや勤労・奉仕等、さまざまな体験的な学習が行われていると伺っております。
 十二月六日付朝日新聞によると、京都府峰山町不断の町立峰山小学校で──生徒数は三百十四人でありますが──父親が教壇に立ち、先生になって子供たちに語りかける「お父さんの授業」が十二月五日に開かれました。お父さん先生は十二人で、初めての体験に冷や汗をかきながら、それぞれの仕事や趣味を生かして四十五分間の授業を乗り切ったのであります。子供たちは、「いつものお父さんより、ちょっと格好がよかった」と目を輝かせて授業に聞き入り、新たな親子のきずなができるとともに、父親の仕事に新たな尊敬の念を抱く等、大変好評であったと報道されておりました。「お父さんの授業」は、ともすれば仕事にかこつけて子供の教育に無関心になりがちな父親を教室に誘い出すユニークな試みであります。聞くだけの授業観から、教える側の苦労、子供たちの授業態度を知ってもらうのがねらいでありました。
 鰺坂京都大学名誉教授(教育方法学専門)の先生は、「先生以外の人から新しい話や珍しい体験を聞くことは子供たちの貴重な経験になり、非常におもしろい試みだ。今度は、お父さんだけでなくお母さんにも先生になっていただいたらどうか。また別の話がたくさん出てくると思う」と語っているのであります。
 また、県内の学校ではボランティア活動が盛んになりつつありますが、老人ホームでの介護サービスに取り組んだ生徒は、初めて老人の方と直接触れ合う体験をし、新たな感動を覚えたという話を伺い、教科書以外から学ぶものの大きさと大切さを私自身も実感したところであります。このような感動は、教室の中だけの授業ではなく、さまざまな体験的な活動や地域に根差した活動、自然との共生の中での学習等、直接体験から生まれるものであります。
 そこで教育長にお尋ねいたしますが、まず第一点目は、生徒の特性や進路希望に応じた教育の推進について、その後の進捗状況はどうなっているのかであります。第二点目は、心の教育や触れ合い教育等、地域や自然とのかかわりを大切にする特色ある体験的な学習が本県においても実践されているのか、その状況について説明を賜りたいと思います。
 第三点目は、学校図書館の充実についてであります。
 私たちの生活は、多種多様な情報に振り回されんばかりの状況になっています。このことは大人だけではなく、子供たちの環境も同様であり、特に自我を確立していない未発達の子供たちは、テレビゲームやテレビなどの映像による情報にさらされているのであります。このことの結果、子供たちは、ともすれば直観的な反応や短絡的な思考に陥り、落ちつきのない生活が強いられているのであります。お金を出せば何でも買える社会で、大切な心の豊かさが失われていくのであります。
 子供の活字離れが叫ばれて久しいが、文章を通じて子供たちが心を揺さぶられ、感動し、涙を流して悲しみ、怒りを覚えるという経験の中で物事への思考力を深め、判断力を豊かにするのでありますが、小さいころ感動した忘れることのないあの一冊、その一冊はだれもが持っているのであります。それほど、読書というものは我々人間にとって非常に大切なものであり、特に子供のときの読書は心の糧であり、その子供の一生を左右すると言っても過言ではありません。
 私は、今の子供たちに本の楽しさ、読書のおもしろさを、またそれを通じて人生の豊かさをわからせたいのであります。そのためには、学校図書館の役割は極めて大きなものであります。「三つ子の魂百まで」と言われますが、小学校、中学校における図書館の役割は我々が考えている以上のものがあり、その充実は焦眉の急であると思います。
 学校図書館法の第一条に、「学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であることにかんがみ、その健全な発達を図り、もつて学校教育を充実する」と定められております。学校図書館は現在、残念ながら、本の倉庫になっている嫌いがあります。図書館は倉庫でなく、そこにある書物を有効に活用しなければ何の意味もありません。そのためには、資格を持った司書の配置が必要であります。資格のない人を配置している図書館は、無免許で車を運転しているのと同じだと考えます。現在の図書館への司書の配置については、全国図書館協議会の調査によりますと、小学校で二一・三%、中学校では二六・七%、高等学校では九〇・一%となっており、近畿の小・中学校では、ほとんどその配置がないということであります。
 ここで、ある指標を挙げてみます。岡山市の桃丘小学校の九二年度の児童一人当たりの平均貸し出し冊数は六十八・三冊となっておりますが、我が和歌山県のある高等学校の生徒一人当たりの平均貸し出し冊数は、四冊であります。その差の原因ははっきりわかりませんが、小学校のときに司書のある図書館で読書の楽しさやそのおもしろさを味わっていないことが原因ではないかと思われます。このことは、学校図書館が資格のある司書によって運用されなければならないということを如実に語っていると思います。文部省は、今年度から六年間で千三百余人の小・中学校事務職員を増員するという計画を打ち出していると聞いております。
 以上のことから、資格のある司書をすべての高等学校、中学校、小学校に配置をしていただいて、創造力のある、思考力のある落ちついた児童生徒を育成すべきであると思います。そこで教育長に、学校図書館の果たすべき役割と充実の方途、並びに本県の現状についてお伺いをいたしたいと思います。
 最後に、南紀福祉センターについてであります。
 昭和五十八年に始まりました国連・障害者の十年も昨年で終了したところでありますが、この十年間における障害者対策は、県民の障害者問題に対する正しい理解と認識を得ることとともに、さまざまな施設の充実により着実にその成果を上げつつあるものと考えております。しかし、最近の精神薄弱児者の現状は、出生率の低下等により障害児が減少する一方、加齢することにより障害者が増加し、加えて平均寿命の伸びに伴い高齢障害者が増加しているのが現状であります。
 障害者福祉のあり方は、健常者ともどもそれぞれの地域で生活をするノーマライゼーションの理念が基本でありますが、今日の障害の重度化・重複化の状況、在宅障害者の保護者の高齢化あるいは親亡き後のことを思うとき、施設整備もまだまだ充実させていく必要があると思います。
 本県の施設整備については、仮谷知事の努力により着実に整備が進められているのでありますが、現在ある施設はほとんど定員いっぱいでありまして、毎年、養護学校高等部を卒業する約六割の者が施設へ入居を希望するという状況にありますし、また現在、二百人の方々が施設へ入所を希望して待機していると聞き及んでおります。
 先日、南紀福祉センターに入所している障害児の保護者の方と話をする機会がありました。その方は、「子供が養護学校を卒業したとき次の施設へ入れるかどうか、非常に不安である。また、できれば同じ施設内にある更生部の施設に入れてもらって同じ環境のもとで生活をさせたいが」という不安を切々と訴えられました。これらの保護者の心情を考えるとき、保護者も障害者も安心してゆとりを持って生活できる社会づくりのために、施設整備を含む社会施設の整備充実が急務であると考えます。
 県においては、現在、平成六年度を初年度とする二十一世紀を展望した第二次障害者にかかる長期行動計画を策定していると聞いておりますが、その策定に当たり、今後、精神薄弱児者施設整備についてどのように考えているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 以上、四点についてお尋ねいたしました。よろしくご回答をお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(町田 亘君) ただいまの木下義夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 木下義夫議員にお答え申し上げます。
 植芝盛平翁のNHK大河ドラマ化についてでございますが、お話しの点については私も原則的には賛成でございます。本県では、合気道の開祖である植芝翁を初め、博物学者である南方熊楠翁、医聖・華岡青洲翁など、数々の偉大な先人を輩出しており、これら和歌山県が生んだ先人の足跡が広く知られるということは、県民が改めてふるさとに誇りを持つとともに、また和歌山県の知名度も全国的に高め、観光を初め、地域活性化のための波及効果は大きいものがあると考えるわけでございます。
 また、話ございましたように、情報化時代の中でマスメディアを通じての本県のイメージアップ方策は大変重要なことでございまして、県としても、かねてからテレビスポット、新聞広告等を通じて行ってきておるところでございます。
 ご提言の大河ドラマ化については、関係団体や地域の機運の醸成と呼応しながら、機会あるごとにアピールし、和歌山のイメージを高める努力を進めてまいりたいと思います。
 他の問題は部長から答弁いたします。
○副議長(町田 亘君) 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 木下義夫議員にお答えいたします。
 南紀福祉センターを含む精神薄弱児者施設整備でございますが、議員お話しのとおり、出生率の低下や医療の進歩充実に伴い障害児が減少する一方で高齢障害者が増加しており、重度化、重複化の傾向となってございます。今後もこの状態で推移するものと考えられ、在宅障害児者の保護者の方々の高齢化も問題になってきていることは認識しているところでございます。
 県としては、計画的に施設整備を進める中で、現在、平成六年四月開園を目途に精神薄弱者更生施設一カ所、授産施設二カ所、また精神薄弱児通園施設のほか肢体不自由児通園施設等の整備を進めているところであり、来年度においても精神薄弱者通所授産施設等の整備を計画してございます。現在進めている第二次障害者にかかる長期行動計画の策定に当たっては、引き続き在宅福祉の充実に努めるとともに、更生施設、授産施設等の施設整備についても充実してまいる所存でございます。
 今後とも、障害児者及び保護者の方々のニーズを十分把握するとともに、地域性も考慮しながら関係市町村等のご協力を得、施設整備の促進及び処遇の充実を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 変革期における教育などについてお答えいたします。
 一点目の生徒の特性や進路希望に応じた教育の推進についてでございますが、生徒の個性を生かす観点から、高等学校における学科の新設、改編を実施してまいりました。このことについては、国際化時代に対応できる人材の育成を目指す学科、国際化を初め環境教育を重視する観点から森林科学科や環境科学科などを設置いたしました。さらに、特色ある学校づくりを推進するため、平成六年度には国際経済科や自然科学科などを新設するとともに、特にこれからの高校教育に向け、パイオニア的役割を果たすことが期待されている総合学科を全国に先駆けて和歌山高校に設けることとしております。平成元年度以降、学科の新設、改編は十五校、十九学科を数えることになっております。また中学校においても、教育の弾力化を図り、生徒自身が興味、関心等により学習できる選択科目の幅をより一層広げるよう指導しております。
 二点目の心の教育にかかわってでございますが、物を大切にする心を忘れがちになったり、自然に対する優しさや感動する心が薄れたり、また地域の人々との触れ合いが少なくなっていることなどが指摘されております。
 こうしたことから、教育委員会としては、ふるさと教育、自然教室、大自然の中でたくましく生きることを体験させる事業、いわゆるフロンティア・アドベンチャーなどの事業を実施しているところであります。各学校においても、植物の栽培や動物の飼育、また地域の清掃や福祉施設の訪問などを行っております。
 こうした学習や活動を行う中で、自然に対する優しい心、他人への思いやりや協力し合う心、さらに自分の周りの人々や物に対する感謝の心がはぐくまれるなど、大きな成果を上げているところであります。今後とも、学校、家庭、地域社会の連携を一層深め、心の教育をより積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に学校図書館教育についてでありますが、議員ご指摘のとおり、映像文化のはんらんの中で、児童生徒の活字離れが進み、読書によってはぐくまれる豊かな感性が失われつつあることが憂慮されています。
 こうした中で学校図書館は、児童生徒に読書の楽しさを教える場として、また各種の資料や情報を提供し、自主的、主体的学習を進める場として極めて大切な役割を果たしております。各学校においては、学級活動や学校行事などにおける幅広い読書活動や図書館の資料を活用する授業の工夫など、さまざまな取り組みを行っております。
 次に司書の配置についてでございますが、本県においては、各高等学校の図書館に学校司書を配置してございます。学校司書は、その専門性を生かして、学校図書館の機能的な運営に当たっております。また小・中学校においては、学校図書館の重要性と事務量を考慮して、図書館事務を分担できるよう、現在、大規模校を中心に事務職員を複数配置しているところでございます。
 教育委員会としては、今後とも図書館司書の研修や優秀な人材の確保など資質の向上に努めるとともに、生涯を通じて読書に親しみ心豊かな人間を育成するよう、学校図書館教育の充実を図ってまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 22番木下義夫君。
○木下義夫君 親切な答弁をいただいたわけなんですが、要望いたしたいと思います。
 十一日に植芝吉祥丸先生に東京でお会いさせていただきました。九月の県議会で質問さしていただいたこと、それから今度質問させていただくこと、当局仮谷知事の答弁もお話しさしていただきましたら、非常に喜んでいただいております。植芝吉祥丸先生の言葉ですが、「どうか、仮谷知事が先頭に立っていただいて運動を展開していただきたい。財団法人合気会も、NHKとの関係もございますので、我々団体としても頑張ってまいります」ということでございますので、官民一体となって運動を進めていただきますようお願いをいたします。
 以上で終わります。
○副議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下義夫君の質問が終了いたしました。
○副議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 16番西本長弘君。
  〔西本長弘君、登壇〕(拍手)
○西本長弘君 坂本龍馬は、「世の人は われをなにともゆはばいへ わがなすことは われのみぞしる」、そう申しておりますが、私もその気概で、和歌山を変える県政を目指し、大きく変わる環瀬戸内交通網と本県交通網等について、質問と提言をいたします。
 この八日深夜、JR東日本の次世代新幹線STAR21は、試運転で時速四百三キロを達成しましたが、これより先、十月十九日、JR西日本は、フランスのTGVと並ぶ世界最速で、のぞみより三十キロ速い時速三百五十キロの新型車WIN350を、平成八年春山陽新幹線に導入する計画を発表したのに続き、二十九日には、ソウル、香港、シンガポール、そして来春以降からバンコク便、ハワイ、オーストラリアへの直行便、将来はアジア・太平洋地域と直結する中・四国最大の新広島空港が開港されました。
 また、先月の三十日の産経新聞には、四ページにわたって「三千九百十メートルに日本の技術力結集 世界最長 夢の架け橋」と大々的に明石海峡大橋特集を載せ、「島が変わる」、「街が変わる」と、淡路島そして明石、徳島のさまざまなビッグプロジェクトを紹介、加えて、明石海峡大橋の完成とほぼ同時に開通する四国縦断自動車道、既に供用されている中国縦貫自動車道に続き開通する山陽自動車道など、「環瀬戸内経済の起爆剤」と大きな見出しで、大きく変わる瀬戸内環交通ネットワークを報じています。
 それには、「四国が、島でなくなる日が近づいている。 現在、本州と四国は、瀬戸大橋による『児島・坂出ルート』一本で結ばれている。それが、平成十年春には、明石海峡大橋と大鳴門橋による『神戸・鳴門ルート』が開通し二本のルートに、さらに平成十一年には多々羅大橋などによる『尾道・今治ルート』が開通し三本のルートになる。 経済界ではここまできた四国を、もはや島とは呼ばない。『半島』と見なして経済活動の場に位置付ける」とあり、さらに「『半島』になった四国は紀淡海峡、豊予海峡に道路が渡されることによって、本州、九州と一体となった『本州の一部』に様変わりする。 四国が『本州の一部』になったとき、車は瀬戸内海を中心に縦横無尽に行き来する」とあり、そこに直接生活しない私でも、わくわくするような書き出しであります。続いて、「瀬戸内海をめぐる交通の循環は、人、物の移動方法のバリエーションを増やすだけでなく、人、物と地域の接触を作り出す。そこに経済が発展する可能性が生まれる」とあります。
 このように大きく変わる環瀬戸内圏の人口は約三千七百万人に上り、我が国全体の約三〇%を占めることになると言われています。一極集中構造の首都圏経済圏にさまざまな弊害が指摘されている今日、全く違った発想で出発する瀬戸内経済圏は、はかり知れない可能性を秘めていると考えられるのであります。
 このような瀬戸内交通ネットワークや第二国土軸構想をじっくり思考してみると、今世紀末までに大飛躍が約束されている山陽地方や四国に比べて本県は、世界リゾート博、和歌山マリーナシティ、関西国際空港、南紀白浜空港など、ビッグプロジェクトが完成、開港しながらも、本県の二十一世紀への飛躍の基礎となる交通ネットワークは今のままでいいのであろうかと、私は疑問を抱くものであります。ふるさと和歌山県の未来を思えば思うほど、疑問と不安を抱くのは、私一人だけでしょうか。
 そこで、私は、さきに述べた環瀬戸内交通ネットワークと本県のそれを比較しながら、まず初めにJR紀勢本線特急くろしお号について、近畿自動車道紀勢線の延長と和歌山市街地へのアクセスについて、国道四十二号海南─和歌山間のバイパスについて、知事、企画部長、土木部長に質問と提言をいたします。
 まず、JR紀勢本線特急くろしお号についてであります。
 紀伊半島輸送の大動脈である紀勢本線の和歌山─紀伊田辺間の複線化に続き、和歌山─新宮間の電化が実現したのは、昭和五十三年十月でありました。その間、特急くろしお号のスピードアップや快適性の向上について、昭和六十年以降の定例会本会議に登壇された先輩・同僚議員は、下川議員、貴志前議員、浜本議員、中村利男議員、中村裕一議員、そして堀本議員と、論客ばかりの実に六議員に上り、計八回も質疑と提言がなされております。しかし、この議員各位の紀南の人々の心を心とした熱意あふれる貴重な提言や多くの県民の強い願いに対して、現段階においてJR西日本は、言い過ぎかもしれませんが、紀勢本線の線形改良、車両の新型化やスピードアップ、また快適性の向上については一向に改善への努力がなされていないと、声を大にして申し上げたいのであります。
 また、JR西日本は、全国のJRに比べて頼みの電車は古いものが多く、それを紀勢本線に回してくると聞いておりますが、会社はなぜもっとサービス精神を持たないのか。これが本当なら、私たち和歌山県民を軽視しているのかと言いたくもなるのであります。このことは、これまでの県当局のJR西日本に対する交渉が弱腰で、燃えるような真剣さがなかったのではないかと思いますが、いかがですか。
 そこで、私は県当局のこれまでの交渉経過について、まず率直な知事のご答弁をお願いいたしたい。
 次に、「紀伊半島における高速交通体系整備構想に関する調査報告書」には、「本県の望ましい高速交通の基本的な考え方はいかに速く目的地に到達できるかということであり、この視点から交通ネットワークを構築し、その整備を図らなければならない」として、在来線の表定速度の向上、ミニ新幹線の導入、空港アクセスの整備等、高速交通機関の有機的な結合の強化、県内高速道路の整備となっており、さらに「『遠い和歌山』のイメージを払拭するためには高速性の確保は言うまでもなく、紀伊半島のイメージアップを図る高速交通体系の整備が必要であり、そのためには快適性が高い交通機関、そしてこれまでの和歌山にないインパクトの強い交通機関を導入し、需要を喚起するような交通機関の整備が必要」とあり、快適性にすぐれた高性能の新型車両の導入を強く指摘しているのであります。
 しかし、現在の特急くろしお号のそれはスピードも遅く、その上、車両の横揺れがひどく、極めて快適性に欠けるものであります。この原因は、軌道すなわち線形はカーブが多いこと、またそのカーブを走るための車両は三八一系振り子電車であること、その上、複線化以降、線形改良、軌道構造改良つまり軌道の整備強化をせずに現在に至っていることであります。
 先日、私は、特急くろしお号の阪和間走行中の激しい車両横揺れの苦情を車掌さんに強く訴えている県外の団体旅行客の姿に接しました。その間、車掌さん、車内販売の若い娘さんにご意見をお聞きいたしましたら、ひどい車両揺れのため、背、腰、足を悪くして困っているということでありました。直線区間の阪和線ですらこんな調子でありますから、線形未改良でカーブの多い和歌山─新宮間は車両の横揺れが一層激しいのは当然であります。
 会社は、乗客特に幼児、お年寄り、体の不自由な方々はもちろん、乗務員のことなど余り考えないのでしょうか。今は、質を求め、快適さを求める時代。ただ走ればいいという時代ではありません。日経新聞では、先般開業したマレー半島、シンガポールからバンコクまでの二千キロを横断する新オリエンタル急行はまさに快適で旅を楽しむ豪華なものであると伝えております。
 先日、私たち半島振興過疎対策特別委員会一行は、中村利男委員長、和田正一副委員長を中心に、県外調査でJR東海の非電化区間、名古屋─新宮間を走っている新型高出力ディーゼルカーワイドビュー南紀号に乗りましたが、紀勢本線の特急くろしお号よりもはるかに快適で、しかも紀伊田辺─新宮間よりスピードも速いのであります。
 ここで、紀勢本線の最重要課題となっている線形改良と高性能車両の新型化、つまりスピードの向上、快適性の向上、サービスの向上について、私は思い切った提言をし、当局の考え方をただしたいと思います。
 その第一は、申すまでもなく線形改良であります。
 平成四年六月の運輸政策審議会答申の二十一世紀に向けての中長期の鉄道整備に関する基本的な考え方では、「高速化、快適性向上を主な内容とする既存幹線鉄道ネットワークの質の高度化を図ること」とされており、表定速度の平均を現在の百キロ弱から百二十キロ台に向上させるとしております。本県においても、紀勢本線等の在来線の高速化、活性化を図ることが基本的な課題であります。特に紀勢本線の和歌山─新宮間の高速化が重要であり、この区間の表定速度を現行の七十キロ弱から大幅に向上させることがどうしても必要であります。
 そこで、当局は、何としても紀勢本線のカーブをなくし、線形改良により積極的に取り組まれるよう、会社に対し強く働きかけるべきであります。
 鉄道研究家の川島令三氏の著書によりますと、「紀勢本線は迂回し過ぎで、ぜひとも和歌山─湯浅間、御坊駅すぐ北─印南間に一直線の高規格路線、高速新線をつくるべきだ。そして、紀伊田辺駅以南を複線化と線形改良し、早く軌道の強化をすべきだ」と強く訴えております。続けて、「高速新線をつくれば、ほぼ全区間に至って狭軌新型特急による時速二百キロ運転ができる。狭軌二百キロ運転は鉄道総合技術研究所で研究しており、数年後には実用のめどが立つ」としており、ノンストップの特急で和歌山駅─藤並駅間が、現在二十四分かかっているのが六分程度になると言う。また、「高速新線は、フル規格の新幹線が走るようにしておけば、将来新幹線を走らせることができ、第二国土軸の和歌山通過を考えて今からその準備をすべし」と記されております。
 紀勢本線の理想を考えれば、私は高速新線の実現に向けて官民一体となって取り組むべきと強く訴えるものでありますが、そこで知事、企画部長の紀勢本線の線形改良並びに高速新線についてのお考えとJR西日本に対する強い交渉のご決意をお聞かせ願いたい。
 次に、新車両の投入についてであります。
 現在走っている特急くろしお号の三八一系振り子電車は、昭和五十三年の複線電化に伴い、中央本線しなの号に続いて紀勢本線に導入されて現在に至っております。鉄道の水準を示す資料である主要停車駅間の表定速度では、新大阪─天王寺間は時速約五十四キロ、天王寺─和歌山間は約九十六キロ、和歌山─紀伊田辺間は約九十五キロ、紀伊田辺─新宮間は約五十五キロとなっており、速達型特急と言われながら、全区間平均すると極めてスローであります。
 そういう中で、平成九年、JR西日本が北陸本線に、在来線我が国初、百六十キロの新型高速特急ニュー雷鳥を走らす予定とのニュースを読みながら、昨日、私は岡山経由で四国に渡り、JR四国が予讃線に今春導入した八〇〇〇系新型電車特急いしづち号に乗ってきました。乗った途端、新幹線ひかり号と思うぐらいの速さであります。最高速度百二十キロで走っても、くろしお号のような横揺れはなく、乗り心地は非常によく、快適そのものでありました。車両設備もよく、車内電話もあり、文句のつけようがありません。日帰りの忙しい旅でありましたが、行ってきてよかったと思っております。
 ただ、残念に思うのは、元病人の私ごとき者が思い立ったらすぐ乗ってくるのに、ちょっと失礼でありますが、当局の交通担当者がまだこの新型電車に乗っていないのであります。これを熱意のなさ、意欲のなさと片づけていいのでありましょうか。そんなことだから、当局のJR西日本に対する説得力が弱いのだと、私は思うのであります。
 いずれにせよ、何としてもこのスピードと快適性がすぐれている高性能の八〇〇〇系新型振り子電車、あるいはニュー雷鳥のような高性能電車を「ニューくろしお号」として紀勢本線に導入すべきであると強く訴えるのであります。
 さきの川島氏によると、現在走っているくろしお号の最高速度百十キロで走った場合の和歌山─紀伊田辺間、最速での所要時間は現在六十二分だが、この八〇〇〇系新型振り子電車であると十分は短縮でき、五十二分になるという。また、紀伊田辺─新宮間での最速での所要時間は現在の一時間四十四分が三十分以上短縮して一時間十分にすることが可能であり、天王寺─白浜間の現在所要時間一時間五十三分が十五分短縮して一時間四十分に、新宮までの現在三時間四十五分がちょうど一時間短縮して二時間四十五分となる。その上、制御つき振り子方式電車のため乗り心地が良好と記述しております。
 そこで、企画部長はJR西日本に対し、この新型電車の投入を強く要請すべきと思いますが、ご決意をお聞かせいただきたい。
 第三点のサービスについてであります。
 くろしお号の車内設備は、北陸線の雷鳥、先ほどのワイドビュー南紀、予讃線のいしづち号よりも劣り、その上、車内電話もありません。私はかつて、五年前の議長当時、北海道の根室市に出張いたしましたが、単線の根室本線の普通電車ですら車内電話が設置されていました。こんなことはもう先進諸国の常識であります。線形改良、新線建設と新型車両の投入とともに、時代に即したサービス、車内電話ぐらいは早急に設置すべきであると強く希望するものであります。企画部長の乗客の立場に立ったご答弁をお願いいたしたい。
 なお、本日は時間の関係で省略いたしますが、お世話になりました広川ビーチ駅のような駅舎の新築、改築についても、その地方、その地域で創意工夫された個性豊かな建造物を考えていくことも大切なことであると強く申し添えておきます。
 次に、近畿自動車道紀勢線延長と和歌山市街地を結ぶアクセスについてであります。
 去る十一月に近畿自動車道紀勢線の御坊─南部間二十一キロメートルに対して建設大臣から日本道路公団に対し施行命令が出され、来年度から本格着工に向けて始動することになり、知事初め関係各位の長きにわたる大変なご尽力に対し、心から感謝を申し上げる次第であります。
 しかし、近畿自動車道紀勢線は、和歌山県すなわち府県境─海南間はわずか二十四キロメートルしかなく、全国でも四十五番目の短い高速道路であることは申すまでもありません。それに接続する一般有料道路・海南湯浅道路もわずか九・八キロで、ご承知のとおり、片道一車線の対面道路、しかもその短い距離を走るのに消費税込みの九百二十円と、通行料金は日本でも最も高いと言われております。同税が七%に引き上げられることになると、税込みで千円近くになります。しかも近いうちに全国の高速道路通行料金の値上げがあるとのことでありますが、せめて全国でも最も高いと言われるこの海南湯浅道路だけは値上げをされないよう、この機会に強くお願いいたしておきます。
 通行料金もさることながら、さきに申し上げました、山陽、四国、京阪神などの高速道路を考えれば、本県は半島だから今のままでやむを得ないというわけにはまいらないのであります。そこで、海南─御坊間二十九キロメートルについては、現在、基本計画区間であり、国が整備計画の策定に必要な調査を進めておりますが、この調査が完了すると国幹審に諮り、整備計画決定すなわち四車線の施行命令がなされる運びと聞いておりますが、一体いつになったらその施行命令が出るのか。一日も早い施行命令、そして早期着工、早期完成に向けて、私たちも頑張りますから、当局の懸命のご努力を心からお願いいたしたいのであります。以上について、知事の積極的なご答弁をお願いいたしたい。
 次に、この近畿自動車道紀勢線の和歌山インターチェンジから和歌山市内へ入る場合、時間帯にもよりますが、ほとんど渋滞にぶつかるわけであります。例えば、和歌山インターから県庁に行くのに、県道鳴神木広線、和歌山野上線、和歌山港線などはいつも渋滞で、スムーズに走れることはめったにありません。私はどこに建設せよとも言いませんが、用地取得をせずとも、現在の道路の上に信号のない高架の道路すなわち直上高架道路を市の中心部へ、つまり和歌山城へ、県庁へ、そして和歌山の海の玄関・和歌山港、新和歌浦方面へ、さらに関西空港やコスモパーク加太絡みで紀の川右岸方面へと、和歌山インターからY字型にどんと伸ばせばいいのではないか。関西国際空港や二十一世紀への本県の飛躍を考えた場合、このくらいの高架道路をつくるのはむしろ当然ではないか、私は強く提言し、訴えるものであります。土木部長の新しい感覚の積極的なご答弁をぜひいただきたい。
 次に、国道四十二号海南─和歌山間バイパスについてであります。
 私はいつも海南湯浅道路を利用し、海南インターでおり、国道四十二号を走り県議会に向かうわけでありますが、毛見トンネル、紀三井寺はいつもラッシュに遭い、気持ちよく走れた日はほとんどありません。それはなぜかと考えてみると、県庁までの幹線道路はこの国道一本しかないのであります。
 私は、昭和六十三年二月定例会で国際マラソン大会のできる道づくりをせよと強く訴えましたが、その訴えの趣旨は、マラソンが目的ではなく、一本の幹線道路だけでなく海南市から和歌山県庁へ別ルート、すなわちもう一本並行した幹線道路をつくるべきだということであります。大きく考えれば日高地方、有田地方、海草郡、海南市から和歌山県庁を結ぶ幹線道が、並みの四車線の国道四十二号一本だけでは何をか言わんやであります。住宅密集地でそんなものがつくれるかと言うのなら、知恵を絞って国道の上に高架道路をつくるべきであります。土木部長の思い切った発想のご答弁をお願いいたしたい。
 次に、ふるさとの自然環境について提言をいたします。
 まず、「山の日」の制定について質問をいたします。
 近年、地球の温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、熱帯林など世界の森林の減少と劣化、また砂漠化など、地球環境問題が深刻なものとなっています。世界の森林は一九九〇年に四十億三千万ヘクタールとなっており、うち四七%が先進地域に、五三%が発展途上地域にありますが、これを十年前と比べてみますと、先進地域ではわずかに二%増加しているものの、途上地域では熱帯林を初めとして五%減少し、全体としては二%減少するとともに森林が劣化していると言われます。
 平成四年度の「林業白書」によると、我が国の森林が持つ多面的な機能のうち、水資源の涵養、国土保全、観光レクリエーションなど、保健休養、野生鳥獣保護、酸素供給、大気浄化の機能について、代替材による調達コストをもって評価されているのを見ますと、平成三年時点、我が国では年間約三十九兆円、本県では六千三百億円と推定され、森林にははかり知れない大きな効用があります。こうした森林は、昔から山村に住む人々が農林業の営みを積み重ねることを通じて守り育ててきたものであり、私たちは、日ごろからその山村の方々に深く感謝しなければならないと思います。
 この機会に我がふるさとについて考えてみますと、本県は昔から「木の国」と言われ、豊かな森林、すぐれた文化、歴史的な資源や渓谷、温泉等、美しい自然に恵まれています。県土の三分の二を占める山村地域は、木材など農林産物を生産するだけでなく、洪水や山崩れなどの災害を防除し国土を保全する役割や水資源を涵養する役割、大気や自然環境を保全する役割など、極めて多様な役割を果たしてきております。山は県民の生活及び産業を支える重要な資源であり、人類全体にとってかけがえのない貴重な財産であります。
 しかしながら、近年、全国的に我が国経済の高度成長の過程で、山村の重要な産業である林業が停滞し、山村をめぐる状況は一段と厳しい現状にあります。高齢化の進行、若者を中心とした人口流出に起因する過疎化、山村の担い手つまり森林の手入れをする人々の山村離れの傾向が強まり、森林、農地等の地域資源管理の粗放化といった問題は、健全な山村地域社会の維持存続をも危うくしております。
 「天下泰平なれども、過疎の田畑荒れ」、「空き缶の数では負けぬ過疎の村」──これは読売新聞の時事川柳でありますが、笑うに笑えない、高齢化と若者の少ない過疎山村の悲哀を私は強く覚えるのであります。私たちは何としても、みんなの力で山を守り、森林を育て、山村過疎地域の振興を図らなければなりません。
 そこで私たちは、山の恩恵に感謝するとともに、山を愛し、これまで以上に林業や山村の振興を進める上で、当局におかれましては全国に先駆けて紀州「山の日」を制定されるよう提言するものであります。農林水産部長のご所見をお伺いいたしたい。
 次いで、「川の日」の制定であります。
 世界の中でも最も悠久の歴史を持つエジプトのナイル、インドのガンジス、中国の揚子江を初め、我が国の数多くの河川はもちろん、いずこの国のいずこの河川もその地域の人々と深いかかわりを持ち、住民生活や社会経済活動にとって重要な役割を果たしてきました。
 世界的な環境に対する意識の高まりの中で、県民の大切な環境資源としてその河川の環境保全が再認識されなければならない今、安全への積極的な河川整備や内水面漁業の振興、流域のより一層の発展を図り、先人、先輩たちの英知とたゆまない努力によって美しい豊かな自然、歴史と伝統にはぐくまれた我が和歌山県を、より豊かで住みよいものにしていかなければなりません。
 また、今日、県民生活の中にゆとりや潤いを求める声が高まってきておりますが、特に最近では町づくりと一体的に水辺空間の整備を図ることが社会的な要請となっており、安らぎと憩いを与えてくれるかけがえのない河川をより美しく保ち、その自然環境を暮らしの中に生かしつつ次の世代へと引き継いでいくためには、河川整備を積極的に推進することは極めて重要であります。
 しかしながら一方では、ごく一部の心ない者が河川への不法投棄等を行うなど、河川愛護の気持ちが薄れているのも事実であり、私たち県民一人一人が河川の恩恵に感謝し、河川の美化とその愛護の精神の高揚を図らなければなりません。
 このように、母なるふるさとの河川に対する県民の理解を得る上で、「山の日」と同様に、全国に先駆けて紀の国「川の日」の制定を提言するものでありますが、土木部長のご所見をお伺いいたしたい。
 なお、この「山の日」、「川の日」がご理解を得て幸い制定された後、本県の実績が重ねられた暁には、さきに本県議会から国に対し意見書を出している「海の日」と同じように、将来は国の祝日制定まで当局のご尽力をお願いいたします。
 終わりに臨み、申し上げます。
 「若い力を県政に」をキャッチフレーズに私が初当選させていただいたのは昭和五十年の春でありましたが、早いものであれから十九年、その間、本日の質問で十五回目となります。
 思い起こせば、いつまでも尊敬してやまない町田副議長のご尊父・町田義友先生から、「西本君、初当選後の質問は急いでしない方がいい。じっくり構えて一年後にやればいい。そして、原稿は一カ月前に仕上げ、質問日まで毎日リハーサルをやりなさい」。町田義友先生のようにはいかないまでも、ありがたいご指導をいただいて、ミカン、山村過疎、教育、高速道、地域道路、関西空港、県新空港、企業誘致、県勢浮上策、二巡目国体、リニアカー、そして半島振興、若者定住策など、ふるさと和歌山県の飛躍を切望し、若さと情熱の限りをぶっつけて今日まで頑張ってきました。
 その間、知事初め関係各位の日夜を分かたぬご尽力のおかげをもって、本県では、JR紀勢本線と和歌山線の電化、阪和高速道の開通や紀南延伸、企業誘致、国道四十二号の和歌山バイパス、関西空港や南紀白浜空港、和歌山マリーナシティ、さらに過日の堀本議員のお話にありましたように、教育文化施設など、着々完成し、和歌山県のあしたに新しい息吹が感じられるのであります。
 しかし、すべてではありませんが、これらは和歌山市が主で、県土東部地域や中紀、紀南は文化施設や交通網などは余りにも変化のないのが現状であり、私はどうしても物足りなく思うのであります。新幹線STAR21、WIN350、そしてニュー雷鳥、環瀬戸内ネットワークと裏腹に、空青し、山青し、海青しの紀伊半島、日本一美しいと言われる海岸線を、何で和歌山県民は横揺れのひどい特急で我慢しなければならないのか。何で短い高速道路で辛抱しなければならないのか。国土軸から離れ、半島だからという地理的条件の中で交通など立ちおくれた地域の人々の心を思うとき、国は国土の均衡ある発展と言いながら、府県間格差が歴然としており、県内格差もまた同じで、私たちは黙って見ているわけにはまいらないのであります。
 かつて、本県より人口の少なかった滋賀、奈良は、今百二十二万人、百三十八万人と大きく変わり発展をなし、京阪神はもとより、山陽、四国すなわち環瀬戸内経済圏も驚くほど大きく変わっています。
 最近とみに、「世界が変わる」、「日本を変える」、「地方を変える」、「平成維新」という言葉をよく耳にいたしますが、私は強い使命感で国体の一新、国の夜明けに生涯をかけた明治維新の志士に深く敬意を表しつつ、私たちはその気概に学び、奮い立ち、大きく和歌山を変える県政に邁進すべきであると思います。
 同時に、忘れてはならないのは、今日の和歌山県を血と汗と涙で営々と築いてこられた先人、先輩への深い感謝であり、どの県にも負けぬ和歌山をつくり、かわいい子や孫たちに引き継いでいかねばならないのは、私たちの使命であります。
 過日の山本一議員の「政治は理想への挑戦」の言葉を深く刻み込み、幼児から高齢者まで快適に暮らせる県づくり、女性に優しいふるさとづくり、若者を引きつける県づくり、県民みんなが誇れるふるさとへ、もっともっと和歌山が変わらなければならない。いや、真剣な政治に取り組み、みんなの力でもっともっと和歌山を大きく、そして新しく変えていかねばならないと強く思うのであります。
 私は、地方を変えることを「地方維新」、ふるさとを変えることを「ふるさと維新」、和歌山を変えることを「和歌山維新」と唱えておりますが、この機会に仮谷知事から、もっと和歌山を大きく変える県政を目指しての思い切った、スケールの大きいお考えをお示しいただきたい。
 ご清聴に感謝をして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(町田 亘君) ただいまの西本長弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 西本議員にお答え申し上げます。
 鉄道の重大性にかんがみまして、JRとの交渉の経過並びに取り組みについてでございます。
 鉄道網の整備については、国鉄時代から輸送力強化促進委員会ともども働きかけをやってまいったわけでございまして、これまでに紀勢本線の複線電化、また和歌山線の電化、さらには特急くろしお号の新大阪乗り入れ等、着実にやってきておるところでございます。
 本県の鉄道網の高速化、また整備促進については、重要な課題でございますので、JR西日本の会長、社長とも直接お会いして、意見の交換並びに強く要請を行っております。現在、JR西日本並びに運輸省の全面的な協力をいただきながら調査に着手しており、高速化の問題については県の予算も計上させていただいて、現在行っているところでございます。
 いずれにしても、鉄道復権ということが叫ばれており、県民の皆さんもこれに大きな期待をかけてございます。お話しの鉄道整備の問題については、私も県政の最重点課題として今後なお一層積極的に、また具体的に取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、近畿自動車道紀勢線の延長と和歌山市街地へのアクセスについてでございます。
 近畿自動車道紀勢線については、去る九月の堺インター─岸和田和泉インターの開通に引き続き、この十一月十九日には、御坊市─南部町間二十一キロが建設大臣から日本道路公団総裁に対して施行命令が出されたわけでございます。このことは、県議会が一体となって議員連盟を結成していただき、また市町村の皆さんもともに取り組んでいただいた活動のたまものであると、深く感謝しているところでございます。
 高速道路の紀南延伸は、私も県政の最重要事項として積極的に取り組んでおり、今後、事業を促進するに当たっては国に対して強く要望するとともに、地元の協力が一番大事なことではないか、地元の受け入れ態勢、用地確保ということが肝要であると思ってございまして、そうした意味において各地域の積極的支援を常に要望してまいっておるところでございます。
 また、話ございました海南─御坊間は、平成三年十二月の第二十九回国幹審において基本計画が決定されたわけでございます。この区間が整備区間に組み入れられて早期に施行命令が出され、県民の期待にこたえられるよう国に対して強く要望してまいりたいと思っております。
 特に、海南から湯浅までの道路を一般有料でする場合、二車線でするか四車線でするか等、用地の問題で相当苦慮したことがございます。それにかんがみ、この路線はできるだけ早くやらなければならないし、交通量もふえてきている現状でございますので、相ともに努力してまいりたいと思っております。
 それから、高速道路から和歌山市中心部等へのアクセス整備でございますけれども、高速道路の時間短縮の効果を生かすためにも重要なことであると考えております。市街部からの道路整備に一層努めてまいりたいし、またご提言の高架道路についても、その実現性について検討してみたいと考えておる次第でございます。
 それから、和歌山を変える県政を目指すということについてでございます。
 私は、知事就任以来、本県を発展させるためには何を第一にしなければならないか、まず克服しなければならない課題は国土軸への直接的な乗り入れであると考え、そのための総合交通体系の整備を図ることを重点に進んできたわけでございます。
 さきに、くろしお特急が新大阪へ乗り入れました。近畿自動車道紀勢線の大阪側が全面開通をし、南部─御坊間について施行命令が出されたわけでございます。また、来年の九月には関空が開港し、南紀白浜のジェット化も平成七年の開港をめどに進めつつございます。こうした関空開港を契機に大きく飛躍するためのさまざまなプロジェクト、企業誘致についても、私は努力してまいりました。その成果のあらわれか、人口も平成元年からはふえる段階になり至っておりますが、これらもそうした原因の一つではないかと思ってございます。
 また、紀淡海峡を結ぶ構想についても、橋とトンネルの問題等、実現性が極めて高くなってきたわけでございます。また、議会も協力していただいております第二国土軸構想も着々と進み、私は、環瀬戸内構想よりも大阪湾ベイエリア構想の方が大きく飛躍発展する段階を迎えており、今、和歌山がまさに大きく飛躍発展する段階にあると思います。この新しい国土軸により本県は国土の表舞台に登場し、国内はもとより国際的にも、関空を契機として、特にアジア地方との交流においてなお一層表舞台になると感ずるわけでございます。
 この機を逃さずに、熱意と努力をもって特色のある社会生活基盤の整備に取り組んでまいりたいし、そのことによって、西日本はもとよりのこと、先ほども申したように、アジアに、そして世界に開かれた土地になると存じてございます。
 特に、人、物、情報、文化等、さまざまな出会いが我々のふるさとにおいて行われ、新しい技術、研究開発型のハード面や、またデザイン等のソフト面においても大きな花を開かせなければならないし、また国際交流の場として、アジアとの交流の場としてやっていかなければなりません。また、我々のふるさとが未開発であったために、残された文化、自然等がたくさんございます。これがこれからの新しい飛躍発展とともに大いに花開くし、また県内の交通網の整備についても、そうした資源を開くために努力してまいりたいと考えておるところです。
○副議長(町田 亘君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) JR紀勢本線と特急くろしお号についてのご質問にお答えをいたします。
 まず、紀勢本線の線形改良、高速新線の建設についてでございますが、線形改良など短期的に整備可能な方策について、本年度からJR西日本コンサルタントに委託して調査を実施しているところでございまして、これまでに半径三百メートル以下の急カーブが連続して特急の表定速度が時速五十キロメートルを下回るような、例えば古座─下里間など、速度の低くなっている箇所の調査を現在行っているところでございます。来年度は、紀勢本線のスピードアップに向けての整備手法や事業採算性等の検討を行い、早期の事業着手を目指し、JR西日本との協議を進めてまいりたいと存じます。
 また、議員ご質問の高速新線については、昨年度の県の調査に引き続き、本年度は運輸省の指導により財団法人運輸経済研究センターにおいて、ミニ新幹線導入について、現在、大阪からのアクセスルートの問題を中心に調査を実施していただいているところでございます。この調査の結果を踏まえ、高速新線については今後の課題として取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、特急くろしお号の新型車両の導入についてでございます。
 先般も、JR西日本の鉄道本部長に要請に伺った際、JR西日本では約八千両の車両を保有し、そのほとんどが老朽化しており、順次入れかえを行っているとお聞きしてございます。また、鉄道総合技術研究所でさまざまな新型車両の開発が進められているというお話もお聞きしてございます。紀勢本線の線路の特性に合った新しい車両の開発について、改めて強く要請をしてまいったところでございます。
 新型高速・高性能車両の導入の必要性については、昨年度、車両の専門家やJR西日本の方にも参加をいただいて実施した「紀伊半島における高速交通体系整備構想に関する調査」においても提言されているところでございまして、今後、県議会を初め、沿線市町村や観光協会など民間団体のご協力もいただき、引き続きその具体化に向けてJR西日本と話し合いを続けてまいりたいと存じます。
 次に、車内電話についてでございます。
 車内電話のサービスは、自動車電話と同じ方式と線路沿いに同軸ケーブルを敷設する方式がございますが、同軸方式は、設備投資が多額に上るため、利用の多い新幹線で使われているのみとなってございます。
 車内電話を自動車電話のサービスで利用する場合については、現在のところ、湯浅以北と御坊、田辺、白浜及び串本─新宮間の各市街地で利用できることとなってございます。また、本年度中には由良町、印南町、南部町でも利用できることとなってございます。これによりまして、国道四十二号の県内総延長約二百二十キロ中、約六五%がサービスエリアとなってきます。
 議員ご質問の特急くろしお号への車内電話の設置については、新型車両の導入や既存車両の改造、通話不能となるトンネルが多いことなど、克服すべき課題も少なくありませんが、今後ともJR西日本への要請を続けてまいるとともに、電気通信事業者との協議も行ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答え申し上げます。
 まず、近畿自動車道紀勢線と和歌山市街地のアクセスでございます。
 和歌山インターチェンジと市街地とのアクセス道路は、現在、都市計画街路和歌山港鳴神山口線と国道二十四号がございますが、混雑が著しく、アクセス道路の整備を図ることが必要でございます。このため、少しでもスムーズに走れるよう、交差点の改良等、対策を行ってまいる予定にしております。また、現在事業中の都市計画街路市駅小倉線、湊神前線及び南港山東線等の整備について、その事業促進を図ってまいりたいと存じます。
 議員ご提言の規格の高い都市内道路の建設については、それぞれ構造、環境、費用等の問題がありますが、その整備手法を含めて検討してまいりたいと存じます。
 次に、国道四十二号、それから海南─和歌山間のバイパス等についてでございます。
 海南市─和歌山市間については、現在、毛見拡幅を世界リゾート博までに供用できるよう建設省で工事を進めており、これが完成すればかなりの交通緩和が図られるものと期待をしております。さらに、国道四十二号以外の別ルートについては、今後の課題として都市計画道路等も含めて検討してまいります。
 次に、「川の日」の制定についてでございます。
 治水事業は、安全で潤いのある生活環境を支える根幹的な施設であり、親水性や生態系に配慮しつつ、計画的に事業の推進を図っているところでございます。
 地域社会の象徴的な存在でもある川に対する県民の理解と関心をさらに深め、河川事業の大切さを認識していただくとともに、河川の恩恵に感謝をし、さらに河川美化の精神を高めることは大切であると認識をしております。
 「川の日」については、現在、その制定の趣旨、日の設定、事業の内容等、その具体化に向けて事務的に取り組んでおるところでございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 西本議員にお答えいたします。
 ふるさとの自然環境についてのご質問のうち、「山の日」の制定についてでございます。
 議員お話しの山村、森林の重要性については、これまでも緑と水の森林基金活動や緑の感謝祭、また山村資源博などの機会を通じ、広く県民に対して啓発に努めてきたところでございます。また県内の市町村においても、巨木を語ろう全国フォーラム、熊野川サミットなどが開催されるなど、積極的な動きとなってございます。今後とも、市町村とともに、県民はもとよりでございますが、国民に対し広く理解を深めていくことが重要であると考えてございます。
 ご提言の「山の日」の制定については、農林水産委員会でも種々論議をいただいており、現在、平成六年度から実施できるよう、制定の趣旨、日の設定、関連の事業等、具体的に検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(町田 亘君) 再質問がございませんので、以上で西本長弘君の質問が終了いたしました。
○副議長(町田 亘君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○副議長(町田 亘君) 次に、議題となった全案件のうち、議案第百四十六号平成四年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○副議長(町田 亘君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○副議長(町田 亘君) 次に、お諮りいたします。十二月十四日及び十五日は、各常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、十二月十四日及び十五日は休会とすることに決定いたしました。
○副議長(町田 亘君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
  〔職員朗読〕
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  総務委員会 第 一 委 員 会 室
  厚生委員会 第 二 委 員 会 室
  経済警察委員会  第 三 委 員 会 室
  農林水産委員会  第 四 委 員 会 室
  建設委員会 第 五 委 員 会 室
  文教委員会 第 六 委 員 会 室
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○副議長(町田 亘君) 次会は、十二月十六日再開いたします。
○副議長(町田 亘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午前十一時四十三分散会

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