平成5年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第三号 平成五年十二月九日(木曜日)
  午前十時開議
  第一 議案第百三十六号から議案第百四十六号まで(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第百三十六号から議案第百四十六号まで(質疑)
 二 一般質問
出 席 議 員(四十五人)
 1  番  小  川 武
 2  番  吉  井  和  視
 3  番  井  出  益  弘
 4  番  和  田  正  一
 5  番  町  田 亘
 6  番  尾  崎  吉  弘
 8  番  藁  科  義  清
 9  番  向  井 嘉久藏  
 10  番  佐  田  頴  一
 11  番  阪  部  菊  雄
 12  番  堀  本  隆  男
 13  番  平  越  孝  哉
 14  番  富  田 豊
 15  番  門  三佐博  
 16  番  西  本  長  弘
 17  番  高  瀬  勝  助
 18  番  上  野  哲  弘
 19  番 宇治田  栄  蔵
 20  番  尾  崎  要  二
 21  番  中  村  利  男
 22  番  木  下  義  夫
 23  番  山  本 一
 24  番  馬  頭  哲  弥
 25  番  鶴  田  至  弘
 26  番  飯  田  敬  文
 27  番  村  岡 キミ子  
 28  番  松  本  貞  次
 29  番  下  川  俊  樹
 30  番  石  田  真  敏
 31  番  宗 正  彦
 32  番  橋  本 進
 33  番  浜  田  真  輔
 34  番  冨  安  民  浩
 35  番 上野山  親  主
 36  番  中  村  裕  一
 37  番  和  田  正  人
 38  番  大  江  康  弘
 39  番  中  西  雄  幸
 40  番  木  下  秀  男
 42  番  森 正  樹
 43  番 野見山   海
 44  番  新  田  和  弘
 45  番  浜  本 収
 46  番  森  本  明  雄
 47  番  浜  口  矩  一
欠 席 議 員(一人)
 7  番  岡  本 保
 〔備 考〕
 41  番  欠  員
説明のため出席した者
 知 事 仮  谷  志  良
 副知事 西  口 勇
 出納長 梅  田  善  彦
 知事公室長 中  西  伸  雄
 総務部長  木  村  良  樹
 企画部長  佐  武  廸  生
 民生部長  南  出  紀  男
 保健環境部長  江  口  弘  久
 商工労働部長  吉  井  清  純
 農林水産部長  野  見  典  展
 土木部長  山  田 功
 企業局長  高  瀬  芳  彦
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
 岩  崎  正  夫
 教育長 西  川 時千代  
  以下教育次長
 公安委員会委員 高  垣 宏
 警察本部長 西  川  徹  矢
  以下各部長
 人事委員会委員長
 水  谷  舜  介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員  天  谷  一  郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
 鈴  木  俊  男
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長  梅  本  信  夫
 次  長  中  村 彰
 議事課長  中  西  俊  二
 議事課副課長  佐  竹  欣  司
 議事班長  松  谷  秋  男
 議事課主事 長  尾  照  雄
 議事課主事 松  本  浩  典
 総務課長  川  端  孝  治
 調査課長  岡  山  哲  夫
 (速記担当者)
 議事課主査 吉  川  欽  二
 議事課主査 鎌  田 繁
 議事課速記技師 中  尾  祐  一
 議事課速記技師 保  田  良  春
  ──────────────────
  午前十時四分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 日程第一、議案第百三十六号から議案第百四十六号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 46番森本明雄君。
  〔森本明雄君、登壇〕(拍手)
○森本明雄君 おはようございます。順次、質問を進めてまいります。
 最初に、交通安全教育等のあり方についてであります。
 交通事故が多く発生したのは昭和四十五年ごろでした。まさに車が走る凶器で歩く人が被害者と、強者と弱者の関係というのが対比された、典型的な我が国の交通事故の状況でありました。しかし、その時代に比べると車は数倍にふえ、また免許人口も大幅にふえ、さらに自転車も大変ふえています。しかしながら、交通安全施設等のいろいろなハードな部分は相当よくなった関係か、事故の発生している形態がかなり変わってきています。すなわち、事故の中身が二十年ほどの間にさま変わりしていると思うのであります。
 そうした状況の中で、歩行者の教育あるいは交通のルールだけを教えるようなところに重点が行って、現在ふえ続けている事故の形態と交通安全教育を初めとするもろもろの対策が少しずれてきているのではないかと思うのであります。そうした意味もあるのか、第五次交通安全基本計画では車の安全性だとか実践型の安全教育などが含まれているようですが、交通安全運動などの日常やるべき運動等にまだ十分切りかえができていないようであり、その辺をスムーズに移行させる必要があると思います。
 例えば、人を集めて講義や講座を開くだけでなく、実際に車が衝突しているような場所を安全教育のときに見ていただくとか、あるいは試験場や教習所で二輪車、四輪車を含めて実際に車の安全体験を見てもらう、そして自身も体験するなどが大事なことであります。もちろん、指導者の養成、場所、ノウハウなど課題はたくさんありますが、しかし最近の事故は、高齢者の問題、若者の車の運転の問題、車の性能に応じた技術のレベルアップの問題などが多いだけに、これらの問題に一歩でも踏み込めば交通安全教育の目的の実を上げることになります。今後の交通安全教育等のあり方についてお伺いいたします。
 次に、福祉問題であります。
 老人福祉施設の質向上を図る事業が動き出しました。これは、寝たきり老人の介護やリハビリを行う特別養護老人ホームと老人保健施設のサービス状況を第三者が客観的に評価をし、サービス内容の改善の方向や方法について助言して、施設みずからの水準向上努力を支援するものであります。この事業は都道府県が実施主体となるものでありますが、自治体ごとに保健・医療・福祉関係者、有識者、住民等により構成するサービス評価委員会を設置し、施設を訪れ、百項目の評価基準ごとにAからDまで四段階に分けて細かく採点していくことになっています。
 急速に訪れている超高齢社会を乗り切るためには、保健、医療、介護の各サービスを供給できる体制の整備が必要であります。そのために、具体的な対策として、平成二年度からゴールドプランでさまざまな整備が図られているところであります。同プランは在宅サービスの推進と施設供給に大別されますが、特養ホームと老人保健施設は施設供給面の骨格部分になっています。和歌山県老人保健福祉計画によると、両施設とも国のゴールドプランを上回る水準となっています。
 このように量的整備が進んでまいりますと、どうしても施設間でサービスの格差が生まれてきます。計画どおり増床計画を進めてもらいたいのでありますが、今後は、量的整備だけでなく質の向上にも目を向けてもらいたいのであります。
 厚生省が十月下旬にまとめた調査によりますと、老人保健施設は寝たきり老人の家庭復帰を促すのが目的でありますが、退所者の三人に一人は病院に逆戻りしていますし、また入所期間も長期化しています。これでは施設の目的が十分に果たされているとは言えません。
 本年度から施行された改正老人福祉法などで、福祉に関する運営や事務の権限は国から地方自治体にかなり移譲されました。今後は、地域に沿った運営やサービスが求められてくると思います。
 本年度から始まった老人福祉施設のサービス評価事業に対して、北海道、大阪府、高知県など十二道府県が実施することに決まりましたが、「福祉和歌山」を標榜する和歌山県の名のないのが非常に残念であります。本年度の実施に踏み切らなかった理由と実施時期についてお伺いします。また、来年三月がタイムリミットとなっている老人保健福祉計画の策定については県下五十市町村が出そろう予定と伺っていますが、財源、人材等、計画に支障を来さないような支援策を強く望むものであります。
 次に、不況対策について質問を行います。
 この問題につきましては、昨日の本会議において種々質問がありましたので、できる限り重複を避けて質問を進めてまいります。
 景気は、底入れどころか、一気に底割れか二番底に落ち込む懸念が強まってきたようであります。十一月の政府の月例経済報告から「回復」という表現が消えてしまいました。経済企画庁は六月に打ち出した景気底入れ宣言を白紙撤回し、経企庁長官は、本年度下期の回復というシナリオに変わりはないが現実には難しいと、事実上のギブアップ宣言を出しました。また十二月の月例経済報告も、十一月と同じ景気判断を引き継いでいます。雇用情勢については、製造業を中心に厳しさが見られると指摘し、雇用の悪化に強い懸念を示しているところであります。
 政府は、昨年から三回にわたって景気刺激のための総合経済対策を打ち出しました。日銀も公定歩合を史上最低の年一・七五%に引き下げ、公共投資も、低金利を呼び水に、国内総生産の六割を占める個人消費や企業の設備投資が盛り上がることを期待したものであります。しかし、個人消費に回復の兆しはありませんし、百貨店売上高は二十カ月続けて前年実績を下回りました。乗用車の新車効果も息切れ状態であります。物が売れなければ設備投資意欲が盛り上がるわけはありません。
 民間シンクタンクは、相次いで本年度の経済見通しを下方修正しています。六月、七月の時点では実質成長率が一%台後半から二%台という予測が多かったのでありますが、その後は軒並み一%を下回り、今回は第一次石油危機以来十九年ぶりのマイナス成長になるとの予測であります。円高で投資意欲が冷え込んだことに加えて、冷夏で季節商品の売れ行きが低迷し、頼みの公共投資も、全国的にはゼネコン汚職で執行がおくれているためであります。
 このように、先行きに対する悲観ムードは強まる一方であります。その上、景気の先行指標と言われる東京証券市場の平均株価は再び一万六千円台の水準まで値下がりしました。
 さて、本来の中小企業対策でございますが、中小企業は、その企業数においても、またそこに職を求める方々においても、国、県の活力の源泉と呼んでも差し支えのない、大きな部分を占めていると思います。しかも、今日まで経済発展の縁の下の力持ちとして中小企業の果たした役割には、極めて大きなものがあります。一次、二次のオイルショック等、我が国を襲ういろいろな外からの経済的な問題についても、中小企業はとかくショックアブソーバー的な役割を果たさせられてきたということは否定できない事実だと思うのであります。その中小企業が現下の経済危機の中で最も苦しい立場に置かれているのであります。ある意味では、この日本経済の宝を大事に守って次の発展のチャンスにつなげていかなければならないというのが行政の基本的な立場でなくてはならないと思います。
 ちなみに、今年度の中小企業庁の中小企業に対する予算措置は約二千億円、一方、農水省の農業に対する予算措置は約二兆五千億円であります。
 両方の政策の性格を比べてみますと、中小企業対策は、一つの経済政策の一環として、マーケットメカニズムの中で中小企業者が自主的な努力をする、それを後押しする、支援するということで講ぜられています。どちらかと言うと、金融支援が中心であります。一方、農業の方は、農業をめぐる自然的制約というようなことを踏まえて農業従事者の所得の増大を図るといった社会政策的な要素もあり、対策全体のトーンはやはり補助金というような比重になっています。
 そういう点で、例えば予算措置と金融とを両方足し算して全体の規模で言うのは極端かもしれませんが、中小企業の場合には金融措置が二十八兆円、農業の場合には三兆七千億円、一事業所当たりの予算措置を見ますと、中小企業は三万円、農業は六十七万円、金融措置の方は、中小企業は四百三十万円、農業は九十七万円で、それぞれ特色を持っています。
 このように、中小企業対策というのは金融支援対策が中心であります。農業は、構造的変化から社会政策的な支出の対象になります。しかし、構造変化のもとにさらされるのは中小企業も同じであります。今こそ中小企業に対して抜本的に対策を強化すべきだと思いますが、その具体的対策と中小企業をめぐる最近の景気の状況をどう判断されているのか、お伺いいたします。
 十月の企業倒産総額一千万円以上の倒産件数が全国で一千三百十八件、うち売り上げ不振や赤字累積などが理由の不況型は六割を占め、十九カ月連続で五〇%を超えました。一方、十一月の県内企業の倒産状況は六件、負債総額は九億五千万円であります。
 景気低迷の出口が見えない中で厳しい経営を強いられる産業界の窮状を反映して、労働者にとって雇用情勢は深刻化の一途をたどっています。有効求人倍率は、九月が〇・六九倍と六年二カ月ぶりに〇・六倍台に落ち込み、十月はさらに〇・六七倍と落ち込みました。ちなみに、十月の和歌山県は〇・七六倍であります。また、十月の完全失業率も二・七%で、完全失業者数は百七十六万人となっています。このほか、企業内失業者が二百五十万人にも上るという推計もあります。これは、雇用調整助成金を支給することによって労働者の解雇を防いでいます。
 その雇用調整助成金でありますが、十一月一日現在で二百三業種、対象事業所数は十七万五千カ所で、雇用保険の適用事業所に占める割合が九・五%、対象労働者数は四百十二万人で、被保険者に占める割合は一二・二%となっています。いずれの数字、率も、過去の円高不況期あるいはオイルショックのときより多くなっている状況にあります。
 一方、県内における雇用調整助成金の支給状況は、前回の不況期の六十一、二、三年ごろと比べて件数、金額が少ない状況だと聞いています。前回の不況期に人員削減を徹底的に行ったことによるのか、またその後の好況期に雇用確保をしなかったのか、できなかったのか、それとも制度そのものをよく理解できないで利用しないのか等々、いろいろ理由があるとは思いますが、県内における雇用調整助成金の支給状況と今後の見通しについてお伺いします。
 長引く不況の中、中途求職者あるいは大学、短大、高校の新卒の採用が抑制されており、それが殊に女性にしわ寄せされている状況であります。結局は、労働者が最終的に一番しわ寄せを受けているようであります。
 こうした現状を踏まえてか、国では八月に雇用調整の実態を探る緊急調査を実施しましたが、再び現状把握に努める予定と聞いています。そして、雇用調整助成金を中心に支援対策等、またさらに広範囲な雇用対策の必要性から雇用対策プロジェクトチームを結成し、事務次官をキャップに作業を進めているようであります。
 一方、県においても雇用開拓に全力を傾注していると聞いています。求人が非常に少ないわけですから、さらに新規採用、中途採用も含め、さまざまな雇用を開拓して雇用不安が起きないように対策を講じていただきたいのでありますが、具体的対応策についてお伺いいたします。
 最近、小規模企業が減少の一途をたどっていると言われています。七〇年代の開業率は七%程度であったのが、現在は四%程度に落ち込んでいるようであります。アメリカ、ヨーロッパにおいては、今から二十年ぐらい前に企業数が非常に減り、社会の活力に問題が生ずるのではないかという懸念が出て、いろいろな対策を講じたということがありました。我が国の場合には、これまで非常に旺盛な開業が行われており、そういった活力という意味での心配はありませんでした。しかし、最近において開業率が恒常的に低下をしてきており、一方、景気動向等によって変わりますが、廃業率が開業率を上回る、すなわち企業数が減ってくるという事態となり、これは経済全体の活力という点からも極めて懸念されるところではなかろうかと思います。
 少し数字を見てまいりますと、我が国の中小企業は約六百五十万事業所で、全事業所の九九%を占めており、その八割は小規模企業となっています。最近の二年間で、大規模は五万から六万に、中規模は百四十八万から百五十八万にふえ、一方、小規模は五百九万から四百九十万に、約二十万も減少しているのであります。では、我が国の企業家精神とか新たなマーケットニーズというものが減ってしまったのかというと、私はそうではないと思います。今、極めて内外の情勢が急激に変化している中で、新しい産業の課題というものも非常にたくさん出ていると思います。
 例えば、これから進む高齢化社会、それに伴う人手不足、女性の社会進出といった社会構造の変化に伴う新たなマーケット需要、あるいはこれまでの物を買うというところからサービス、余暇、健康といったものに向かう消費者需要に対する対応、また九〇年代において相当華々しく展開されるであろうと見られる技術革新をシーズとした産業の発生、さらに国際化、資源エネルギーの制約などに関連して出てくる産業需要、こういった新たな産業の可能性、ニーズの発生というものはたくさんあると思うのであります。
 なぜ開業ができないのかということでありますが、いろいろな調査を分析いたしますと、先発企業に比べて優秀な人材の確保が難しい、資金力が乏しい、あるいは設備や機械器具の調達が難しい、技術力、販売力等々、先発企業との間でいろいろ格差があって新たな開業がしにくいといった状況にあるかと思います。
 国、県経済の活力をまた取り戻し、特に地域においては中小企業が地域経済の主役を担っているわけでありますので、そういった中で新たな創開業をお手伝いする施策をさまざまな形でとっていく必要があると思いますが、対策についてお伺いをいたします。
 次に地方自治と財政制度のあり方でございますが、国の補助金等の整理及び合理化に関する法律と地方自治の推進、地方分権の推進を関連づけて質問を進めてまいります。
 国の補助金等でありますが、普通、国庫支出金制度と言っていますけれども、これは国と地方の財政調整制度の一つとみなすことができます。そうだとすると、国の補助金等の見直しに当たっては、国の立場からでなく地方の立場から考えてもらわなくてはなりません。また、他の地方交付税制度あるいは国と地方との財源配分に関連して、国と地方の税制のあり方等についても一緒に考えていかなければならないと思うのであります。
 この見直しは昭和六十年以降行われていますが、当初は、財政運営の基本方針であった増税なき財政再建を推進するための一方策として国は歳出の削減合理化を行いました。その後、国の財政は増税なき財政再建が進み、平成二年度で特例国債の発行ゼロということで目標が達成されたと思います。しかし、その後も歳出の削減合理化の考え方は変わっていません。すなわち、平成元年十二月二十九日閣議決定の国と地方の関係等に関する改革推進要綱等において示された具体的な改革方針に基づいて徹底的な見直しを行い、整理合理化を積極的に推進することによって総額を抑制するといった方針のもとで国の補助金等の整理合理化もなされました。そこには、地方財政、地方の機能分担、費用分担のあり方などに対する十分な配慮が足りなかったのではないかと思うのであります。
 国は、公債残高が平成五年度末で百八十兆円台と予測されることから、補助金等の整理合理化には今後も精力的に進めていくと思います。こうした考えは、国の立場が前面に出ているものと思います。その背景には、国が特例公債依存体質からの脱却を一応図ってきたとはいえ、借り入れ依存度が高い状況のもとで地方財政は割合に改善されてきている、ここで国と地方の間の財源配分を少し見直し、少し国の方へ移して国の財政を改善していくという考えが国にあると思うのであります。
 国は、国の財政と地方財政は車の両輪だと言います。国の財政に対して、地方財政を全体として見ていると思います。しかし、数多くの地方公共団体に分かれており、財政状況、財政力指数に大変な格差があります。車の両輪と言っても、地方財政の方により大きな問題を抱えていると思うのであります。全体で言いますと、補助率の合理化、恒久化により、地方公共団体によってはかなりの財政負担になるということだってあり得ると思います。
 こうした問題を地方の立場に立って考えてみると、国庫支出金制度というのは、この財源の性質から言って依存財源であり、特定財源であります。地方債と同じように拘束力の強い財源であると思います。地方自治体が独自の財政あるいは行政を展開していくためには、一般財源、自主財源などで財源を確保していきたいのは当然であります。だとすると、国の補助金の整理合理化というのは、それなりの特定財源が小さくなっていくわけであり、独自の行財政を展開することができます。そのためには、財源が減らされた分、一般財源というような形で手当てを求めていかなくてはならないと思います。その場合に、現在の国と地方の財政調整制度、国庫支出金制度、地方交付税制度、それから国と地方の税源配分等について、あるべき姿というものが考えられるのではないかと思います。
 地方の立場、今のこの制度、国と地方の財政調整制度はこれでよいのだとお考えでしょうか、それともある方向に変えていってもらわなくてはならないとお考えでしょうか、ご所見をお伺いいたします。
 国と地方の財政調整制度というのは、その前提に国と地方の役割分担というものがあります。しかし、今の事務事業の配分を見ても、必ずしも今の状態があるべき姿にあるようには思いません。補助金等の整理合理化、特に公共事業等に係る補助率の統一、恒久化を進めてきていますが、この合理化を進めていくに当たって大事なのは、同時に補助対象事業の範囲を見直してもらわなくてはならないのではないかということであり、そのことが国と地方の役割のあるべき姿というものに近づいていくのではないかと思うのであります。
 補助対象事業の範囲については地方財政法の第十条に列挙されていますが、国の補助金等が担っている役割は大体四つに分けることができます。一つは、十条に、できる限りサービス水準を統一するために財政力の弱い団体への義務教育、生活保護等の援助、二つには、十条の二、個々の自治体が行う事務事業の中で行政区域を超えていく部分がありますが、こうした点を考慮して、最適なサービス水準を維持するために国が補助金等を通じてある程度支えていくという役割、例えば道路、河川、重要な都市計画、その他公共事業的なもの、三つには、十条の三、災害等の場合に自治体に対して国が財政援助を行うという役割、四つには、十六条に奨励補助金があります。
 私は、国が補助対象事業の範囲を検討するときには、この奨励補助金の部分についてまず見直しを求めていくべきだと思います。すなわち、負担金的な性格のものと奨励補助金的なものとは区別をして考えてもらうべきであります。
 私は、この補助対象事業の範囲を見直して狭めていって、むしろ一般財源化を求めていくべきだと思うのであります。これは、地方自治の確立、地方分権の推進を考えた場合、国から地方への補助金等による財源の移譲というのは阻害的な要因になっていると思います。と申しますのは、地方自治の確立の条件というのは、これまで自主財源の確保が言われてまいりましたが、今後は、加えて行政能力の向上が地方自治体側に求められてきます。
 国から地方へ権限を移譲するといっても、それを十分受け入れるだけの受け皿が地方自治体側に用意されているかどうか、与えられた財源を使って地域住民のニーズにこたえていくわけですが、そのためには地域住民がどのようなニーズを持っているか、正確に把握しなければなりません。そのニーズに対してどのようなサービス水準で個々の行政サービスを供給していけばいいのかといった議論をしていくに当たり、相当な行政能力が要求されてくると思います。
 その行政能力ですが、財政力と同じように自治体間で格差が見られます。財政力の方は、地方交付税制度などで国から財源を移譲するとき、ある程度調整ができますが、行政能力の方は自助努力で高めていかなくてはなりません。どういうことで行政能力を高め得るのかと見た場合、個々の行政サービスを執行していくに当たり、二つの段階に分かれて事務が行われていると思います。
 先ほども述べましたが、一つは、その行政サービスの水準の決定であります。どういう水準で、どういう方法で行政サービスを地域住民に供給しているのかといったサービス水準の決定に当たっては、地域住民のニーズを十分に正確に把握をしなくてはなりません。この事務を行うときに自治体の行政能力が向上していくと思います。行政サービスの執行に当たって次の段階は、計画事務で決定された行政サービスをそのまま実行していく実施事務と言われるものですが、これは比較的に技術的な部分で、分析力、計画力、企画力あるいは総合力といった行政能力より、むしろテクニカルな技術が要求される部分だと思います。
 補助金等で行われる補助事業というのは、重要なこの計画事務のところを国がかなり決定してしまいます。自治体がそこに入っていく余地が非常に狭いと思うのであります。こういった補助対象事務の多いところを整理してもらわなくては地方自治体の行政能力が高まっていかないと思います。
 今、国が目指している生活大国づくりの推進を考えてみても、生活者としての地域住民と密着している自治体の役割というのは非常に大きいと思います。その自治体が補助事業を通して国の決められたサービス水準に基づいてただ実践していくだけということになると、真の生活大国は実現しないと思います。むしろ、地域住民のいろんなニーズを一番容易にキャッチできる自治体がその地域の実情を加味しながら計画、企画を行い、それに基づいて事務事業を実施していく、こうならなくてはならないと思います。そうして、今の国の補助金等が担っている役割を果たしながら、同時に地方自治体も計画事務に参画できるような工夫が本当の合理化、見直しになると思うのであります。
 例えば、補助金のメニュー化というのもその一つだと思います。そうすると、ある程度地方自治体に自主的な判断がゆだねられるわけであります。工夫すれば地方自治体の計画事務への参画の余地はつくられますが、ご所見をお伺いいたします。
 地方分権というのは、国が持っている許認可権限、地方が持っている許認可権限の再配分という調整を図っていくものでありますが、そうした中で国と地方が財政的にいろんな形で絡み合っていることも事実であります。現実の問題として、現在、財政収入は国が非常に大きなウエートを占めています。それを実際に使うのはどこかと言えば全国で使うわけでありますから、地方が使うような格好のものをどうしてやっていくかというのが地方分権の一つの大きな問題だと思います。
 この法律は地方分権の確立を目指しての一つのあらわれと言われていますが、地方自治体への大きな権限移譲とそれに必要な財政基盤の強化というところに向かっていくものとお考えかどうか、ご所見をお伺いいたします。
 以上で、一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの森本明雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 森本議員にお答えをいたします。
 交通安全教育についてでございますが、議員ご指摘のとおり、その対象者、教育方法は時代とともに工夫していく必要があると考えてございます。また、運転者、高齢者などが実際に二輪車や四輪車等に乗車体験する参加実践型交通安全教育につきましても、議員ご指摘のとおり、極めて重要であると考えてございます。
 そのため、本年度から関係機関、団体の指導者を対象にシートベルト着用効果実験を実施したほか、総務庁の委託を受け、高齢者の参加実践型交通安全教育推進事業として、和歌山市では自動車を実際に運転してテストコースを走行する技能講習を、田辺市では夜間の事故防止を図るため反射材等を使用しての実験を実施しているところでございます。
 今後とも、関係機関、団体の協力を得て参加実践型を手法とした交通安全教育の推進に努めるとともに、国に対してその充実を働きかけてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(宗 正彦君) 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 森本議員の福祉問題についてのご質問にお答え申し上げます。
 まず一点目の、老人福祉施設のサービス評価事業の実施についてでございます。
 特別養護老人ホーム、老人保健施設サービスの評価事業につきましては、平成五年度から三カ年のうちに実施することとなっており、県の指導監査等とは異なった観点からサービス評価やアドバイスが行われることになり、本県としてもぜひ実施したいと考えている事業でございます。
 しかし、実施するとなりますと、医師、看護婦、作業療法士、理学療法士、施設代表者、有識者等から成る評価委員会や現地視察の構成メンバーが必要となります。こうしたことから、委員の人選等、事前に事務的な準備期間も必要でございます。実施に当たっては成果のあるものをと考え、平成六年度を準備期間として、平成七年度に実施したいと考えてございます。
 二点目の、老人保健福祉計画についての支援策でございます。
 市町村老人保健福祉計画の達成のためには、議員ご指摘のとおり、財源あるいは人材の確保は不可欠のものでございます。人材の確保や資質向上については、県の老人保健福祉計画に基づいて推進をしてまいります。また、計画達成に向けての財源確保については、強く国に対して要望してまいります。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 商工労働部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 森本議員にお答えをいたします。
 まず、中小企業対策と景気の状況でございます。
 中小企業全般への対策といたしまして、経営改善普及事業、組織化対策事業、技術開発支援及び金融円滑化のための制度融資等の充実を図っているところでございます。
 小売商業への対策といたしまして、ライフスタイルの変化に伴う消費者ニーズの多様化等に対応し、魅力ある商店街づくりのため、商業基盤等施設整備事業、中小商業活性化事業等を実施してございます。また製造業への対策として、人材の育成、人材の確保対策、技術研究や市場開拓の支援にも力を入れているところでございます。
 国におきましても、本年十一月二十五日に、製造業を中心に中小企業の新分野進出等による経済の構造的変化への適応を円滑に進めるため、特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法いわゆるリストラ支援法が公布施行されたところであり、金融、税制、予算上の支援措置が講じられることとなってございます。
 今後、法の趣旨を踏まえ、県としても新製品の開発など技術支援についても十分検討し、中小企業者の経営安定に努めてまいりたいと考えてございます。
 また、最近の景気の状況につきましては、議員ご指摘のように、一昨日の十二月月例報告では、日本経済は調整過程にあり、円高などの影響もあって総じて低迷が続いていると、そのように厳しさを強調されているところでございます。
 このような状況の中で、地場産業につきましても、現状維持業種は梅干し、和雑貨、家具の一部程度であり、ニット、縫製、特殊織物等の繊維関係産業を初め、機械、漆器、皮革、ボタン等、県内地場産業のほとんどが大変厳しい状況に置かれてございます。
 県内の商店街の売り上げ状況につきましては、十一月の時点では、一部の商店街で現状維持、全体としては五%ないし一〇%減少しているところでございます。
 このように、県内経済につきましても、生産、消費ともに停滞している状況にあり、県内中小企業者にとって非常に厳しい局面と認識をいたしております。
 次に、雇用調整助成金の支給状況と今後の見通しでございます。
 本県における雇用失業情勢を見ますと、景気低迷の影響を受け、平成四年十一月に有効求人倍率が一倍台を下回り、以降、低下傾向で推移をいたしております。このような状況を踏まえ、雇用調整助成金を活用することによって企業の雇用維持努力を支援し、失業の予防に努めているところでございます。
 雇用調整助成金の支給状況につきましては、平成四年度で申請が延べ三十六件、十一事業所で一億七百万円の支給でありましたが、平成五年度に入って申請が増加しており、四月から十月までの七カ月間で延べ百十三件、二十九事業所、二億六千二百万円の支給となっております。
 ご指摘のとおり、昭和六十一年から六十三年にかけての円高不況時に比べ利用が少ないものの、指定業種の増加に加え、本年六月以降、助成率の引き上げなどが行われたところから、今後、景況によっては利用が増大するものと予測しております。
 次に、雇用対策でございます。
 雇用対策につきましては、求人確保に重点を置き、ハローワークによる求人開拓を強化しているところでありますが、本年九月から十月にかけて七十二の企業、団体に対し、新規学卒者を対象とする求人を含め、求人確保の協力要請を行ったところでございます。しかしながら、景気の先行きには依然不透明な部分も多く、今後の雇用情勢についても厳しい状況の続くことが懸念されることから、さらに本年十二月に入り、従業員規模三十人以上の企業千二百社に対して求人確保のための再度の要請を行っているところでございます。
 次に、中小企業の開廃業の実態と新規創開業の支援策でございます。
 中小企業の創開業対策といたしましては、まず技術情報等経営資源の充実という環境整備を図る必要があると認識してございます。創業間もない企業にあっては独自で研究開発に取り組むことが困難な状況の企業が多く、工業技術センターや財団法人和歌山テクノ振興財団を中心として、研究員による技術相談指導のほか、インキュベーター施設や開放試験室などの研究機能を積極的に利用していただいて起業化支援を図るとともに、異業種交流事業等を通じて新製品の開発、新分野進出、販路開拓等の支援策を講じているところでございます。
 また、地域雇用開発促進法に基づいて設備投資を行い、新たに労働者を雇い入れた創開業事業者を含めた事業者に対して助成金が支給される雇用機会増大促進地域の指定の拡大について、国に対して要望を行っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 地方自治と財政制度のあり方についての示唆に富むご質問にお答えいたしたいと思います。
 国と地方は公経済の主体として、国民生活の向上、福祉の充実など、共通の目的達成のため相協力してその財政運営に当たるべきものであり、全体としてバランスのとれた公経済の運営を確保することが必要と考えられるところでございます。その中で国と地方の間の税源の配分、地方交付税、国庫補助金等による財源調整等が極めて重要な問題であるということは、議員ご指摘のとおりでございます。
 社会資本の整備、高齢化社会への対応等、地方公共団体へのニーズがますます高まっている今日、まず地方税、地方交付税等の地方一般財源の充実を図られることが必要であると考えているところでございます。
 また、国庫補助金の問題につきましては、このところ、地方制度調査会、臨時行政調査会の答申を踏まえ、整理合理化、一般財源化、統合化、メニュー化等が積極的に進められているところであり、地方分権の視点から、今後ともこのような傾向は続いていくものと考えております。
 このような流れの中で、本県としても従来から、補助金を受け身の形で取り入れていくということではなく、みずから考え、みずから行う、いわゆるふるさと事業の制度を積極的に活用し、本県の実情に応じた道路等の社会資本の充実に努めてきたところでございまして、今後ともこのような制度を十分に活用ししつ、自主的、主体的に県勢活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、先般、国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律により、国及び地方の財政関係の安定化を図るため補助率の恒久化等の措置が講じられたことは、お説のとおりでございます。
 いずれにいたしましても、一極集中の是正、地方分権の推進という大きな流れの中で、地方公共団体へのニーズの増大という経済社会情勢を踏まえて、今後とも国と地方の間の適切な役割分担に応じた財政関係の構築が図られていくと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 警察本部長西川徹矢君。
  〔西川徹矢君、登壇〕
○警察本部長(西川徹矢君) 森本議員の質問にお答えいたします。
 交通安全教育等の実施に当たりましては、交通事故の発生状況や特徴点等を踏まえ、さらには最新の科学技術等の成果を取り入れるなどして、常に新しい視点に立って、より効果的なものとすべく努力をいたしております。
 最近の交通事故の実態を見ますと、高齢者あるいは四輪乗車中の死亡事故というものがふえております。今後、高齢化社会あるいは二十四時間型社会への移行がどんどん進むと思われます。こういうことから交通事故の増加が懸念されるところでございまして、議員ご指摘のとおり、従来の教育手法では必ずしも十分な成果が上がらないのではないかという懸念も抱いております。
 そのため、これまでも運転者を対象として、シミュレーションを使った安全教育、シルバー教室、それからシートベルトコンビンサーというものを使ったシートベルトの体験実験、あるいは安全運転適性診断車といった車を活用した運転適性診断等、いわゆる参加実践型の安全教育というものを実施してまいりました。
 また、本年四月に発足した交通安全教育班による子供と高齢者を対象とした交通安全教育、さらには本年秋に警察航空隊と一地域の全幼稚園あるいは小中学校の子供たちに参加いただいて実施した、全国で初の交通安全人文字コンテスト等を実施することによって交通安全教育を身近なものとして考えていただくなど、より効果の上がるよう創意と工夫を凝らしてきたところでございます。
 なお、平成三年五月に開所した、本格的な参加実践型の安全教育を行っている自動車安全運転センター中央研修所が茨城県にございますが、ここへも、これらの指導員を初め、できるだけ積極的に多くの方にご参加、あるいはそういう方をいろんな事業所から派遣していただくよう努めておるところでございます。
 いずれにいたしましても、今後、議員のご意見も参考とさせていただきながら、より効果の上がる交通安全教育等の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 46番森本明雄君。
○森本明雄君 中小企業対策について一言申し上げておきたいと思います。
 ただいまの部長の答弁の中で、緊急経済対策による中小企業対策の一環として、いわゆる中小企業の新分野への進出等を円滑化する法律、すなわち中小企業リストラ法について説明がございました。これは、単に新分野に進出するだけではなくして、海外進出あるいは合併政策、協同組合の設立など、そういった工夫を大事に育ててこの難局を新しい発展につなげるような、中小企業の努力を支えていくための法律でございますが、その角度で見れば非常に有効な法律だと思います。ただ、少し突っ込んで考えますと、新分野進出や海外展開のできる、まだ体力のある企業に対しての支援という性格が非常に強いと思うのでございます。要するに、今困っているのは、そこまでいかない、現実に仕事がない、あるいは資金繰りが厳しい、そういう中小零細企業であります。これらの企業に対しては実効性のある支援が大事だと思いますので、そういった支援について強く要望しておきます。
 以上で、質問を終わります。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森本明雄君の質問が終了いたしました。
○議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 10番佐田頴一君。
  〔佐田頴一君、登壇〕(拍手)
○佐田頴一君 ただいま議長より質疑及び一般質問の許可をいただいたので質問をさせていただきますが、それに先立ち、本年八月八日執行された那賀地区県議会議員補欠選挙に際し、知事初め県当局、県議会の先生方、那賀郡民の皆様方のご支援を賜り、見事当選をさせていただいたことに対し、深くお礼を申し上げたいと存じます。県議一年生ですので、初心に返り、今までの行政経験を生かして頑張りたいと思います。一層のご指導のほど、よろしくお願いをいたします。
 さて、県知事は県民一人一人の幸せを実現するため、県民の信頼にこたえて県政の運営に当たっていることは、常に敬服しているところであります。現在の厳しい不況下の中にあっても将来につながる幾多の施策に取り組み、種をまき、育ててきた成果が今実り、二十一世紀に向けての和歌山の時代の到来を実現できるまでになってきました。まことに喜びにたえません。
 しかし今、和歌山県は大変な時期を迎えて、多くの課題を抱えています。どれをとっても重要なものばかりで、現在の豊かさが享受されている中にあっても、さまざまな課題や希望があるものであります。
 関西国際空港も九カ月以内に開港し、二十一世紀に向けての大事業も差し迫っています。すなわち、第二国土軸構想の実現と紀淡海峡ルートの早期実現、近畿自動車道の阪和間開通による紀勢線への南下、京奈和自動車道の高野口─和歌山間の早期着手、南紀白浜空港のジェット化整備、紀淡連絡道路と大阪湾道路の南伸部の整備促進、関西国際空港へのアクセス交通体系の整備、南麓サイエンスパーク計画の促進など、こうした諸情勢を踏まえ、県では懸案を一つずつ解決し、豊かな明るい社会の創造を目指して積極的に取り組まれていることは大変喜ばしいことと思います。しかし、こうした大事業の質問は次に回し、今回は、より我々の生活に密着した、私たちの身の回りの身近な問題を中心に、一日も早く解決し、一日も早く実現を願う諸問題に絞って質問をしてまいりたいと存じます。
 まず、大阪経済圏と結ぶ府県間の道路整備についてお尋ねをいたします。
 昭和六十二年十二月二十二日、長年の懸案であった紀の川分水協定に合意、「地域発展の呼び水に」とのタイトルで各新聞に公表されました。知事は、県民の幸せと地域の発展を願い、勇気を持って決断したと述べ、分水に伴う見返りについても希望が最大限に受け入れられ、紀の川地域に住む私たちは分水合意に対する知事の決意に深く感謝をしたものであります。
 分水の見返りの中身として府県間道路の整備がありましたが、合意となった五項目についてお尋ねしたいと思います。
 一、国道三百七十一号バイパス化四車線計画を進め、七十五年(平成十二年)までに二車線をつくること、二、国道四百八十号線の泉大津粉河線は、七十五年を目標に、府県境では三キロのトンネル化を進めること、三、泉佐野打田線は六十五年までに全線二車線に改良すること、四、泉佐野岩出線は六十五年までに現道の狭い部分を拡幅し、七十五年を目標に二車線のバイパス化を図ること、五、岬加太港線を六十七年までに全線二車線に改良することとなっています。この道路の実現により大阪との利便性は改善され、近くて遠い大阪との地理的条件が緩和されるため、紀の川筋のさらなる発展が約束されるものとなりますが、現在までの整備状況や促進状況を教えていただきたいと思います。
 特に、泉佐野打田線は完了したものの、泉大津粉河線は七十五年(平成十二年)完成目標となっていますが、四郷地区のトンネル工事にいつ着手できるのか、詳しくお教え願いたいと思います。
 次に、JR和歌山線の整備促進についてお尋ねをいたします。
 紀勢線については、ミニ新幹線導入の計画や、知事のお力添えで特急くろしおの新大阪駅への直通乗り入れなど、着々と整備され、大変便利になりましたが、しかし和歌山線については一向に改善されず、改善しようという声すら上がっていません。
 紀の川地域は和歌山県にとって京阪神圏へ約一、二時間で結べる地域にもかかわらず、道路とともに鉄道の整備がおくれ、それが人的、物的交流を妨げ、産業経済、文化のおくれた原因ともなっています。来るべき二十一世紀に向けて紀北の発展を図るためには、ぜひJR和歌山線の整備が必要であります。
 奈良県は近鉄により奈良盆地を征服して大発展を遂げたように、地域に密着した、地域開発を含めた輸送力の増強に力を入れてもらわなければなりません。和歌山線も、関西国際空港や京阪神へ乗りかえなしで利用できる交通手段を具体化してほしいものです。今後は、京阪神への通勤・通学を容易とし、時間の短縮や増便、そのための複線化を実現させて、南海本線とJR和歌山線、南海高野線の相互乗り入れを図り、南海の難波発や難波行きなど、電車による大阪と紀北地域を結ぶ外環状線の実現をぜひ実行してほしいと考えています。
 そこで、お尋ねします。
 一、和歌山線から乗りかえなしで直接行ける関西国際空港への乗り入れについて、二、和歌山線より相互乗り入れによる南海難波への乗り入れの実現について、三、そのための和歌山線の複線化と乗降者増加を図るための紀北地域の開発促進について、三点についてご意見をお聞かせいただきたいと思います。
 次に三番として、特別養護老人ホームの建設についてお尋ねいたしたいと思います。
 お年寄りが住みなれた町や村で安心して暮らせる社会づくりを進めなければなりません。急速な高齢化の進行に伴い、寝たきり老人や痴呆症老人が今後ますます増加することが予想されています。また、核家族化の進行による子供世帯と両親との同居の低下、女子の雇用機会拡大による介護者の不在、子供の両親に対する扶養意識の変化など、家庭内での介護能力が一段と低下をしてきています。これらの変化に対応するため、国は高齢者保健福祉推進十か年戦略・ゴールドプランを推進し、ヘルパーの増員、デイサービス、ショートステイなど、市町村による在宅福祉サービスの充実に努力されているが、ひとり暮らしの老人宅や寝たきり老人などに対するホームヘルパーの週二、三回、一、二時間程度の用足しではどうにもならず、大変困っている老人の多いのが現実であります。そこで、二十四時間見守ってくれる福祉施設がどうしても必要であり、在宅福祉ではなく福祉施設の充実が重要となってきています。
 福祉サービスの施設の中には特別養護老人ホーム、ケアハウス、老人保健の施設がありますが、県ではいずれも、これらの施設は高齢者人口一・四%、すなわち百人に対し一・四人を基本に、整備目標を平成十一年の西暦二〇〇〇年まで策定されており、このままでは、私の那賀郡では今後幾ら希望しても特別養護施設が建築できないことになっています。
 厚生省は、今後の施設福祉サービスは極力抑え、在宅サービスへの切りかえをしようと指導していますが、お年寄りが安心して暮らせる環境というのは特別養護老人ホームであることは、福祉の第一線で働いてきた我々が一番よく知っています。西暦二〇〇〇年ごろには、お年寄りのいる世帯の半分ぐらいの方がひとり暮らしあるいは老夫婦のみの世帯になると推定されています。このことを考えると、現在でも特別養護老人ホームへの入居待機組を常に五、六名抱えている市町村では、今後入居希望者の希望をどのようにしてかなえられるか、大きな問題となっています。
 そこで、お尋ねします。
 一、特別養護老人ホームの充実を図るため、平成十一年までの整備目標三千床の枠を外し、さらに大きな目標を新たに設定できないかどうか。
 二、特別養護老人ホームは、いまだ町村にない地域を優先し、施設の希望がある場合、速やかに許可するよう国に働きかけができないかどうか。
 三、財政的問題として、国の特別養護老人ホームの補助金は四分の三となっているが、実際は二分の一程度であり、五十床で始めると建築費が約六億円、その半分が施設希望者の負担となっています。お金持ちやお医者さんではなくても福祉に熱心な人ができるような補助制度をつくってほしいものです。このことについてもお答えをいただきたいと思います。
 次に四点目の、同和問題の早期解決上の諸問題について質問をさせていただきます。
 同和問題は国や行政の責務において早急に解決すべき問題であると指摘され、県においても昭和四十四年に同対法が制定されてから県政の最重要課題として位置づけ、同和問題の解決に向けて取り組まれ、法期限内に解決すべく最善の努力をなさっていることに対し、深く敬意をあらわしたいと思います。しかしながら、同和対策を進めてきた上でいまだ解決できない幾つもの問題もあります。一、二の問題を取り上げて、その解決のための県のご指導を賜りたいと思います。
 まず、斎場問題について質問します。
 私の町の同和対策事業にかかわる残事業は、斎場の移転であります。同和地区の斎場を一般地区に移して、これが完成すると同対事業が完成することになっています。しかし、斎場の移転はいまだ解決しておりません。移転できない理由はただ一つ、付近住民の同意が得られないためであります。県は斎場建設の許可要件に、設置場所より二百メートル以内に住居を有する住民全員の同意を得るように指導しているが、十人いれば十人の意見があります。せめて、全員賛成とはいかないまでも、民主主義の原則にのっとって過半数か三分の二の賛成があればそれで了解として許可を出せないかどうかであります。
 そこで、お尋ねします。
 斎場を建設する場合、周辺地区二百メートル以内の住民同意の必要性について、法的規制の根拠を教えてほしいと思います。さらに、周辺住民の一、二名の反対があっても、ほぼ全員の同意を取りつけてあれば建築を強行できないかどうかもお聞きしたいと思います。
 次に、住宅新築資金等貸付事業に関する問題点についてお尋ねします。
 市町村では、地域の住環境整備を図る目的で個人に対して貸し付けを実施し、大きな成果を上げてきましたが、この制度に大きな欠陥があり、同和地区を有する市町村に多額の財政負担をかけています。このため、制度の欠陥を国に指摘し、国に改善を要望した結果、その一部の負担軽減が図られているが、依然として、償還事務費も含めて市町村に財政負担を強いています。
 そこで、質問します。
 貸付補助基準の起債金利は六・五%となっているが、高いところでは実質八%のものもある。貸付年度の実勢金利により算定して助成をできないかどうか。
 二つ目に、町村の財政負担を軽くするために起債の借換債の許可ができないかどうか。
 三つ目に、貸付金未回収の救済処置として貸付金基金制度をつくり、県及び関係市町村より基金を拠出し、その運営益で回収不能となった場合の債権を補てんしていく、いわゆる保険制度的なものをつくる考えはないかどうか。
 四つ目に、貸付金の未収金の回収を積極的に図るため、県・町で回収専門機関、例えば一部事務組合を設立し、回収専門家による専門の回収機関をつくる考えはないかどうか。このままにしておくと不公平が生じて大変な事態になると考えられるが、これ以外にもよい方法があればお教え願いたいと思います。
 以上、私の経験から一、二の例を取り上げましたが、同和問題を解決するための多くの責任は国にあると考えます。同和事業による財政負担を強いることは、同和地区を持つ町村と持たない町村間に財政的な格差を生じさせます。したがって、国や県の責任において善処をお願いしたいものです。
 次に進めさせていただきたいと思いますが、五番目に青少年補導センターの派遣職員の増員についてお伺いをいたします。
 二十一世紀の日本を担う青少年が心身ともに健やかに成長していくことはすべての国民の切実な願いであり、今や青少年問題は国を挙げての重大な問題であります。しかしながら、青少年を取り巻く環境は大きく変化しており、核家族化あるいは情報化の進展と経済的豊かさ、便利さの増大等々が相まって家庭の役割が変化し、地域における連帯感も低下していることは、ご存じのとおりであります。
 こうした状況の中で、那賀郡にあっては、関西国際空港の開港を間近に控え、県下でも他郡市に例を見ないほど年々人口が増加し、これに伴い、少年非行は全国的あるいは県下的に見ても減少傾向にある中で、那賀郡は横ばいか、むしろ増加の傾向ともなっております。このような状況にあって、現在、那賀郡の青少年補導センターの職員は、兼務も含めて三名派遣いただいておりますが、センター業務の状況は、今は非行事件の処理に追われ、青少年の非行を未然に防止するというセンター本来の街頭補導や環境浄化活動等はほとんどできない状況であります。この派遣職員の増員については昭和五十八年以来何回となく県当局に陳情し、要望もしてまいりましたが、いまだ実現されておりません。
 手元にお配りをしておると思いますが、和歌山県下の少年補導センターの派遣職員配置状況を見ていただきますと、例えば橋本市と伊都郡四町の人口を合わせると十万一千九百二人で、那賀郡の方が少し多くなってございます。それにもかかわらず、九名の派遣を受けております。また和歌山市は、人口では那賀郡の三・八倍もありますが、犯罪等の少年数は一・五倍しかない状況の中で、ごらんのように派遣職員は合計七名であります。さらに、海南市と海草郡三町を合わせた人口は七万九千人余りで那賀郡の七五%しかなく、犯罪等の少年数も六十六人で那賀郡の半分以下ですが、それにもかかわらず兼務を含めて七名の派遣となっております。
 以上、那賀郡と隣接した市町村と比べただけでも、このように那賀郡の派遣職員は極端に少ないのがおわかりのことと思います。再三の要望に対し答えがありませんので、お聞かせください。
 最後になりますが、那賀郡東部山間地の道路についてお尋ねをいたしたいと思います。
 かねてより粉河町において課題となっている粉河中心部と鞆淵地区とを直線で結ぶ道路建設についてでありますが、昭和三十一年、鞆淵村が粉河町に合併するに際し、直結道路を建設するとの合意があったと聞いています。しかし、既に三十七年余りの歳月が経過したが、いまだ実現されておりません。県においても過去に、鞆淵地区に関西国際空港向けの高原野菜などを栽培する農業団地を開発し、それに関連させて大型農道実現を図ろうと昭和五十九年、六十年に予算を計上し、検討されたと聞いていますが、この話も立ち消えとなっています。この問題は小さな町の粉河町一町で実現する問題ではなく、どうしても県当局に取り上げていただかなければなりません。どうしたら早く実現できるか、現時点における県から見たこの道路実現の可能性についてお尋ねいたしたいと思います。
 一つ目、鞆淵地区を都市近郊型高原野菜の生産地として育成し、現在計画している紀の川左岸広域農道の関連事業としての大型農道を、トンネル化も含めて計画の中に組み入れられないかどうか。
 二つ目に林道としての採択についてでありますが、現在、伊都郡花園村から海草郡美里町へのトンネル構想があるが、この連絡道路として建設できないかどうか。建設できれば、林業の振興は言うまでもなく、紀伊半島中部山間地から関西国際空港方面へのアクセス道路となり、僻地の開発と振興に大いに役立つと思いますが、どうか。
 三番目に都道府県代行事業の可能性についてでありますが、都道府県代行事業とは、過疎地域、特別豪雪地域、振興山村及び半島振興対策実施地域における基幹的な市町村道のうち建設大臣が指定する道路及び改築事業で、これらに関する法律の規定に基づき、都道府県が道路管理者である市町村にかわって行う事業であります。鞆淵地区は山村法の適用が受けられるので、この事業の可能性についてもお聞かせいただきたいと思います。
 以上、県当局のお考えをお尋ねします。よろしくお願いを申し上げて、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの佐田頴一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 佐田議員にお答え申し上げます。
 大阪経済圏と結ぶ府県間道路の整備についてでございます。
 本県の産業、文化発展の上からもこの府県間道路というものは極めて重要でございまして、お話ございましたように、昭和六十二年十二月に締結された紀の川利水に関する協定書等に基づき、阪和開発連絡協議会等で両府県がお互いに協力しながら鋭意誠実に整備を図ってまいっておるところでございまして、本年の九月に阪和自動車道が全線開通したことにより、阪和間は一層連携が強化されたわけでございます。今後も、引き続き積極的にこれを推進してまいる所存でございます。
 なお、各路線については土木部長から答弁させていただきます。
 それから、JR和歌山線の整備促進についてでございます。
 話ございましたように、鉄道の整備促進は地域の活性化を図る上からも重要でございまして、かねてから国に対し、またJR西日本に対して働きかけを続けてまいっておりまして、昭和五十九年十月の和歌山─橋本間の電化、さらには平成元年三月の阪和線直通列車の運行開始など、輸送改善が図られてきたところでございますけれども、特に話ございました和歌山線の整備促進については、今後とも沿線の市町村とも連携を図りながら対応してまいりたいと思っておるところでございます。
 その他の問題については、担当部長から答弁いたします。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 一点目、府県間道路の整備でございます。
 まず国道三百七十一号につきましては、県では平成元年度に事業化を行って用地買収を進めておるところでございます。大阪府につきましても、石仏から国道百七十号まで三・五キロメートルを平成元年度に供用し、石仏から府県境までの約六・一キロメートルについては、現在、地元説明、路線測量を行っているところでございます。
 国道四百八十号につきましては、両府県ともトンネル等の基礎調査、ルート協議等を行っており、平成六年度事業化に向けて努力をしてまいります。
 泉佐野打田線については全線概成をしておりますが、現在、府県界部の線形不良区間の工事を行っております。
 泉佐野岩出線につきましては、粉河加太線以北のバイパス約一・二キロメートルを昭和六十三年度に事業化をし、早期整備に向けて努力をしているところでございまして、粉河加太線以南のバイパス区間についても平成六年度事業化に向けて努力をしてまいります。
 大阪府につきましては、府県界から和泉市金熊寺間四キロメートルについてバイパスを含め調査を行っており、早期事業化に向けて努力中であり、また金熊寺から泉南インターを経由して樽井に至る五・二キロメートルについては、関西国際空港開港までに暫定二車線で概成を図ると聞いております。
 岬加太港線については平成五年度に約一・八キロメートルを供用開始する予定でございますが、大阪府において、小島工区で約〇・五キロの未整備箇所がございます。これについて、現在、漁港への張り出し部分もおおむね了解が得られました。また、物件の移転も調整中であり、早期完成に向けて努力中であると聞いております。
 今後、大阪府と連携を図りながら、積極的に整備促進をしてまいりたいと存じます。
 二番目の、国道四百八十号線、泉大津粉河線でございます。
 この大阪側の計画は、国道百七十号から府県界まで約七・二キロメートルございます。このうち、大野、父鬼地内の人家連檐地区はトンネルを含むバイパス計画となっており、府県間のトンネルに着工する前に、工事用道路を兼ねるこれらのバイパス工事を行う必要がございます。
 県におきましても、北川橋付近から府県界まで約六キロメートルのうち、名手上から広口地区にかけての人家連檐地を事前に整備しておくことが必要でございます。したがって、府県間トンネル工事の着工時期というのは、不確定要素が多い現時点で明らかにはなっておりませんが、この道路の重要性にかんがみ、早期着工に向けて大阪府ともどもに努力をしてまいります。
 次に、同和問題の早期解決上の諸問題のうち、住宅新築資金等貸付事業にかかわる問題についてお答えを申し上げます。
 最初に起債金利の算定と助成でございますが、この事業の実施に伴って制度上から生じる事業主体の財政負担については、昭和六十二年度に制度の見直しが行われまして、六十二年度以降に貸し付ける分については、起債金利確定後、一括助成事業を実施しており、市・町の財政負担が生じないように改善をされてきております。
 しかしながら、六十一年度以前に貸し付けた資金については、いまだに制度的に財政負担が解消されていないということで、全国同和対策協議会、全国住環境整備事業推進協議会などを通じて国にその改善を要望しているところでございます。
 現状では厳しい状況にございますので、今後も引き続き国に強く要望してまいりたいと存じます。
 次に、貸付金回収基金制度、貸付金回収の専門機関の設置についてでございます。
 国におきましては、事業執行により財政上の負担が生じないよう、実施に当たっての取り扱いの改善あるいは助成制度の拡充をされてきてはいるものの、事業主体によっては、償還率の悪さから来る財政負担が大きな問題となっていることも事実でございます。しかしながら、貸付基金制度の創設あるいは回収専門機関の設立につきましては、当事業に対する各市・町のそれぞれの考え方もあるかと思われますので、現状ではなかなか難しいと考えられます。
 なお、償還率向上のため、市・町が行う償還事務に要する経費等に対して、非常に要望の強かった償還推進助成事業が平成四年度に創設をされたところでありますが、さらに今後とも市・町の財政負担の軽減に対する助成措置としての改善策を国に強く要望してまいりたいと考えます。
 次に、鞆淵地区の道路に関しまして、都道府県代行事業の可能性はどうかというご質問でございます。
 鞆淵から粉河に至る道路といたしまして、現在、県では国道四百八十号、県道かつらぎ桃山線及び和歌山橋本線などの各路線で整備促進を図っております。
 ご指摘の路線につきましては、全体計画も非常に大規模となりまして、市町村道の県代行事業というのは現時点では当面困難であろうと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) JR和歌山線の整備促進についてのご質問にお答えをいたします。
 関西国際空港への鉄道アクセスにつきましては、スイッチバック方式による直通列車の運行について、輸送力強化促進委員会の協力もいただき、JR西日本の鉄道本部長などに直接お会いをして要望してまいってございますが、現在のところ、旅客需要が最大の課題となってございます。
 一方、和歌山線から阪和線への直通列車は、現在、朝夕合わせても三便しか運行されていない状況でもあり、また道路の整備も着々と進められている状況でございます。
 議員ご質問の、和歌山線から関西国際空港への直接乗り入れにつきましては、このように極めて難しい状況にございますが、引き続きJR西日本に対し働きかけを続けてまいりたいと存じます。
 次に、南海高野線、JR和歌山線、南海本線の相互乗り入れについてでございます。
 南海高野線とJR和歌山線の相互乗り入れにつきましては、橋本駅構内における接続線の新設、信号等の電気設備の整備、ダイヤ編成の問題等、特に車両の幅の違いもあって極めて困難であると聞いてございますが、引き続き両社間で調整を行っていただけるよう要請を行っているところでございます。
 また、南海本線とJR和歌山線との相互乗り入れにつきましても、先ほど申し上げた問題点に加え、南海本線とJR阪和線とが競合していることから、今後解決していかなければならない多くの課題もございますが、両事業者と話し合いを続けてまいりたいと考えてございます。
 次に、JR和歌山線の複線化と乗降者増加を図るための地域開発についてでございます。
 和歌山線沿線の紀の川流域は、関西国際空港の臨空圏域として、ますます近畿圏において重要な役割を担う地域となってきてございます。県といたしましても、この地域に研究開発機能、居住機能、先端産業の立地を図るため南麓サイエンスパーク計画などを策定し、近畿大学、松下電池の誘致等を行うとともに、和歌山バイパス、府県間道路の整備などを推進してきたところでございます。
 こうしたプロジェクトの進行に伴い、人口も増加傾向でございます。将来的には和歌山線の鉄道利用者数も増加するものと考えられます。
 なお、議員お話しの、和歌山線の複線化など輸送力の増強につきましては、線路用地の買収や莫大な設備投資など、課題もあると聞いてございますが、沿線の市町村ともども、引き続き国、JR西日本へ働きかけを続けてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) まず、佐田議員の特別養護老人ホームにかかわる三点の質問にお答えをいたします。
 一点目は、整備目標の設定についてでございます。
 高齢化の進行に伴って要介護老人がますます増加するものと予想されます。こうしたお年寄りにどう対応していくかということは、県としても重要な課題であると考えております。
 議員ご質問のとおり、特別養護老人ホームの整備目標については三千床としているところでありますが、これは、国のいわゆるゴールドプランが特別養護老人ホームについては全国で二十四万床としており、この二十四万床は高齢者人口のおおむね一%となってございます。その比率で行けば、和歌山県では二千四百から二千五百床ぐらいとなるところでございます。
 また、老人保健福祉計画策定に当たっての厚生省からの作成上の基本方針でも高齢者人口の一%強と示されておりますが、県といたしましては、過疎化や高齢化、寝たきり老人、ひとり暮らし老人の状況などを勘案して、老齢人口の一・四%、三千床を目標数値としたところでございます。
 今後は、在宅福祉サービスや保健サービスの充実等によって特別養護老人ホームへの入所対象者が減少するように取り組んでまいりたいと考えてございます。
 二つ目の、未設置町村への施設希望がある場合の処置についてでございます。
 特別養護老人ホームにつきましては、広域的利用を図るべき施設であり、こういった意味から相互に利用できる範囲として福祉圏域を設定しております。今後の整備に当たっては、整備率の低い圏域を優先して進めていくことが必要であると考えております。
 三点目の、施設を設置する場合の国、県等の補助基準の問題でございます。
 老人ホームの施設整備につきましては、国庫補助の基準がございまして、基準の面積、単価によって算定した金額の四分の三が補助額、その内訳として、国が二分の一、県が四分の一となってございます。実際の建設費と比較して面積差あるいは単価差があるため、補助額は半分程度となっているのが実情でございます。
 補助基準については年々改善が図られているところでありますが、今後とも国に要望をしてまいりたいと考えます。
 次に、青少年補導センターの派遣職員増員の件についてお答えをいたします。
 青少年補導センターは、非行少年等の早期発見、早期補導、少年相談活動等のほか、地域における非行防止対策を総合的かつ計画的に推進する活動の拠点として設置されたものでございます。現在、県下各地に十九センターを数え、市町村もしくは市町村の一部事務組合等が運営管理に当たっております。
 議員ご指摘の那賀郡青少年補導センターは、郡内六町で設けた那賀郡青少年補導センター協議会組織により運営され、職員五名のうち、兼職を含め三名が派遣職員であると承知しています。
 青少年補導センターの設置方法や運営形態は、それぞれの地域の実情に応じて異なっているので一概に比較はできませんが、那賀郡内の青少年人口、非行少年の状況等から判断する限りにおいては、若干職員数が少ないのではないかと認識をしております。
 県としては総合的な青少年対策を推進しているところでありますが、今後とも青少年補導センターが適切かつ効果的な運営が図れるよう、補助支援を初め、センター間の連携を図るための連絡協議会の組織強化と青少年の非行防止に関する情報の提供等を積極的に行ってまいります。
 また、議員ご質問の、那賀郡内の環境変化に対処するための要員の確保については、その趣旨を十分考慮して関係機関、団体等に働きかけてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 保健環境部長江口弘久君。
  〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 佐田議員ご質問の、火葬場建設に伴う許可基準、距離規制についてでございます。
 墓地、埋葬等に関する法律第十条を受けて、和歌山県細則第八条で、火葬場は「人家、学校、病院及び公園から三百メートル以上離れた場所であること」としております。また、これを運用通達で、「最新の装置設備が備えられた施設については、二百メートル以上に緩和する」ことといたしております。これにつきましては、全国的に見ても距離制限は二百五十メートル前後となっております。
 なお、やむを得ず距離制限区域内に火葬場を設置しようとする場合には、許可の判断材料の一つとして区域内住民等の同意を求めているところでございます。
 次に、住民同意の考え方についてでございます。
 距離規制範囲内の同意のあり方につきましては、全員同意が理想でありますが、地域地域においての慣習等がございますので、これらを尊重し、さらに市町村の意見を踏まえて判断しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 同和問題の早期解決上の諸問題のうち、借換債の許可問題についてお答え申し上げます。
 借換債の問題につきましては、現行の地方債制度において、政府資金は借り受け時点において有利な金利になっていることから、借りかえが制度上認められないという形になっております。しかしながら、議員ご指摘のような状況もございますので、今後、国へも地方の実情を伝えるとともに、何らかの対応がとられるよう、機会をとらえて働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(宗 正彦君) 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 佐田議員にお答えいたします。
 那賀郡東部山間地の道路問題についてのご質問のうち、鞆淵地区を都市近郊型高原野菜の生産地として育成し、現在計画している紀の川左岸広域農道の関連事業としての大型農道を、トンネル化も含め計画の中に組み入れができないかというお尋ねでございます。
 当該地域の農道と農地造成事業の可能性につきましては、県及び農林水産省で昭和五十九年度から六十二年度に調査を実施した結果、基岩が浅く硬質で、農地造成には適地ではなく、農道事業としての効果は期待できないことが判明いたしました。この状況から、広域農道の関連事業として組み入れることは非常に難しいと判断してございます。
 次に林道事業としての採択でございますが、粉河の中心部と鞆淵地区を結ぶ道路につきましては、粉河町と美里町、さらに花園村を結ぶ林道計画として、本年三月から那賀・伊都両県事務所を通じ、関係町と検討を進めてきたところでございます。大型林道として整備していくことは大変無理な状況でございます。
 なお、幅員四メートルの一般林道で開設する場合、三五%の地元負担金、用地の無償提供など、条件が整えば林道としての計画は可能でございます。地元の意向を十分見きわめ、検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 10番佐田頴一君。
○佐田頴一君 ただいまは、私の質問に対し、丁重に、親切にご答弁をいただき、大変ありがとうございました。
 しかし、ご回答の内容をそのまま県民にお返事として申し上げるには、大変寂しいような気がしてなりません。私は、冒頭申しましたとおり、身の回りのことを早く解決してほしいという切なる願いが私の方に来まして一般質問をさせていただいたわけですが、今、ご返事をいただきますと、ほとんど、できるという答えはなかったような気がします。
 そういうことで、今、この質問の内容について一から六まで、時間がありませんので再質問いたしませんが、政治とはいろんな夢を持っておりまして、そしてその夢の実現のために私たちは苦しい選挙を戦ってきておるわけでございます。だから、できるだけ私たちの希望も聞いていただきたいと思います。
 何事も消極的で、国へ頼むとか、市町村と相談するとかというお話でございますけれども、私も、ついこの間まで町長でございました。だから、その当時、先ほど言いましたように、相談も受けていないということで質問させていただいたわけでございます。そういうことを考えますと、消極的に考えないで、もっと無から有を生じるような姿勢の中で前向きに国や関係機関に働きかけていただいて、一から六まで言いましたけれども、一日も早く解決に努力をしていただきたい。これは要望であり、お願いでございます。
 そういうことで、このことについてはまだまだ解決できておりませんので、これからも一層この問題について追っていきたいと思います。再質問に対する答弁は結構でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げて、これで終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で佐田頴一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(宗 正彦君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時五十四分休憩
  ──────────────────
  午後一時四分再開
○副議長(町田 亘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 25番鶴田至弘君。
  〔鶴田至弘君、登壇〕(拍手)
○鶴田至弘君 お許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。
 まず最初に、米の問題でございます。実質的自由化が方向づけられて、その上に凶作に見舞われるという、二重苦にあえぐ米の問題でございます。
 米の輸入自由化問題については、この議場でも幾度か論議されてまいりました。米は自給すべし、自由化すべからずと、知事の意思も、議会の意思も幾度か表明されてまいりました。最も責任ある国会においても、自由化反対は三度も決議されてまいりました。しかし細川首相は、我々の願いに反して実質的自由化の方向を打ち出しました。まことに残念、というより激しい怒りを覚えるものであります。
 世界の食糧政策は、その主たる食糧については自国で生産するというのがごく当たり前のこととなっております。国民の食糧を保障するという国としての当然の義務から見て、当たり前のことであります。そのために農業への手厚い保護政策は国策の柱の一本となっているところでありますが、我が国においては、この凶作にあっても逆コースを走り始めようとしています。国際的圧力を口実に、主食は自国で自給するという根本的方針が、今、崩されようとしています。米の輸入は自由化すべきではないと私は今もかたく信ずるものでありますが、現時点において、この問題についての知事の所信をお聞かせいただきたいと思います。
 一方、米の作付面積は減反政策として猛烈な勢いで今も進められ、「田園まさに荒れなんとす」という言を地でいくありさまであります。今、日本の米の備蓄は一カ月分もなく、もうぎりぎりのところまで落ち込んでいます。本来なら減反どころではないというところでありますが、本年のように一たん凶作ともなれば、米不足、米の値上がりという状況であります。
 今、町のお米屋さんでも値上がりが進んでいます。今後、それより上がるとも下がることはなかろうとささやかれています。外国からの輸入があるなどと主食自給策を放棄するのではなく、今こそ日本の米を守らなければならないときになっていると思います。
 我が和歌山県は全国に比して米の作付面積が少なく、自給にも満たないものでありますが、それだけにまた大事にしなければならないと思います。しかし、県下のわずかな米作面積も、全国の減反に並行して減少しています。一九六〇年には二万七千九百ヘクタールあった水稲作付面積が一九六三年では九千五百四十ヘクタールとなり、実に三分の二が消滅し、三分の一を残すのみとなりました。収量も、九万七千六百トンから四万一千三百トンと半減をいたしました。まさに日本は、みずからの主食をみずからつくり出せない危機的状況をみずからつくり出しています。その上に、自由化です。にもかかわらず政府は、来年にはまたまた米作面積の二五%に匹敵する六十万ヘクタールを減反しようとしています。我が和歌山県にもその目標が押しつけられるでしょう。凶作の中にあって耕地面積の人為的、絶対的減少をあえてつくり出し、米輸入の環境づくりに励む政府の姿は、口でいかなる言辞を弄しても許されないものであると私は考えます。
 ついては、関係当局に次の点をお尋ねいたします。
 政府が来年度も強行しようとしている減反政策は中止すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。たとえそれが和歌山県に押しつけられたとしても毅然として返上すべきだと思うが、いかがでしょうか。また、米づくり農家にさらなる生産意欲を向上させるような県としての取り組みはいかにあるべきとお考えですか。お答えをいただきたいと思います。
 シーサイドロード問題について三たび質問をいたします。
 私は今まで、シーサイドロードの強制的収用問題を自治体行政の民主主義の問題として取り上げてまいりました。シーサイドロードが必要かどうか、考え方はさまざまあるとしても、余りにも強引な土地収用政策は、和歌山県、和歌山市の住民軽視の恥をリゾート博に来県する方々にもさらすものであると批判をしてまいったところであります。しかし県市ともども、何が何でもリゾート博のためにと、地権者の声をブルドーザーで踏みつぶすように既定方針を完遂しようとしています。今回は、この道路計画が従来県市のとってきた農業政策と大きく矛盾するものとして、私の見解を述べたいと思います。
 シーサイドロードが予定されている地は、ご承知のように農業振興地域であります。農振地域の中でも特に農用地として指定されるところであります。農用地とは、農振地の中でも特に慎重に検討され、地権者の同意を得て定められたところでもあります。これらの地域を指定したり農業振興を促進する上で、県も市も、長計や基本方針でその重要性を述べているところであります。
 例えば、一九七〇年四月の和歌山県長期総合計画によりますと、当該地が京阪神に近いこと、特産物は長い伝統があることなどから京阪神の農産物供給の拠点であると位置づけ、将来の方向としては、旺盛な営農意欲と高度の技術開発等により狭小な土地で最大の効果を発揮させ、農家所得の向上を図ることが大切であると述べ、さらにまた、今後、都市計画と農業との調整を図り、都市化が農業に及ぼす影響を極力排除し、農耕地の保全を図ることに努力するとうたっています。同様の趣旨は和歌山市においてもうたわれております。
 布引地区の地権者たちはこの方針に沿い、日々営々として激しい農業労働にいそしみ、十二時間を超す農作業も決して珍しくないという日々を過ごしてきたのでありますが、この土地こそ自分たちの生活の糧であり、子々孫々に残し得る財産として今日の日までしがみつくようにして守り育ててきたものであります。それをある日、突然の土地収用法であります。これは明らかに、県や市が方針としてきた農業振興政策との整合性を持ち合わせないものであります。その面積の多少にかかわらず、その地における農業振興政策の後退であります。道をつければ農業振興に役立つという当局の論理もありますが、それは農業従事者の判断することであって、リゾート博をにらんで机上で線引きをする人々の言うことではないと思います。耕作者の便を言うなら、耕作者の要望から出発すべきではないでしょうか。
 また、シーサイドロードに供される面積は一・三ヘクタールであって、この農用地六十五・一ヘクタールのわずか二%ではないかという論もあります。農業地域が減少したとしても微々たるものではないかと言う方もおられるようであります。しかし、全体の耕地面積に及ぼす影響だけで論じるとすれば、まさにそれは机上の空論でしょう。農地を奪われる農民たちの農業経営の実態はどうなのか、現状はどうか、農業におけるどのような将来計画を持っていたのか、シーサイドロードの建設によってその計画はどのような影響を受けるのか、それは農振地域の中核である農用地のさらなる振興にとってどのような意味を持つのか、個々の農家の影響と同時にまた、農家のトータルな影響も当然考慮されなければなりません。そうでなくては農振地の意味も農用地指定の意味も全くなくなってしまうものです。
 和歌山市も、またこの事業を認定した和歌山県も、その面での調査研究をしたという話は全く聞いておりません。行政関係者から聞こえてくる声は、そのくらいの土地が減ったから農業ができなくなるというのはオーバーではないかとか、大層なことを言うなとか、冷ややかな声であります。地権者の中には、失う土地が五%の方もあれば、二五%の方もおられます。そのパーセントがその家庭にどんな意味を持っているのか考えてくださったことがあるでしょうか。二五%の土地がなくなれば農業経営の方針が根底から覆されてしまうということを考えてくださったことがあるでしょうか。サラリーマンに対して、リゾート博を催すから五%から二五%の賃金を一生にわたってカットする、末代にわたってカットすると言われたら、サラリーマンはどんな気分になるでしょうか。土地収用とはそういうものなのです。あとは、求めもしなかった道路にマリーナシティへ遊びに行く車が走り回る環境が出現する。極力都市化の影響を排除するという県の方針と完全に矛盾する方針であります。
 道は農業のためにも役立つという説がありますが、机の上で引かれた一本の線によって農地を削り取っていくものでもあるわけであります。そういうことはあってはならないはずではありませんか。そして、それによって実際に営農危機に陥ろうとしている農家もあれば、専業農家としての将来の夢を破られようとしている方々もおられるのです。
 関係当局に質問をいたします。
 このような農地削減策は従来の農業振興策と矛盾していると思われるが、農業振興の立場からどう考えておられるか。
 農業振興の立場から、個々の農家の現状とシーサイドロードの影響や将来について、和歌山市あるいは県として調査をしたことがあるかどうか。
 また、当該地の農家は和歌山市近郊農業として最優良の地と目されておるところでありますが、今後いかなる方針で臨むつもりなのか。
 以上の点についてお答えをいただきたいと思います。
 続いて、不況の問題についてお伺いいたします。
 不況対策については昨日からもお尋ねがありまして、やや重複する点があるかもわかりませんが、私も別の角度から言及したいと思いますので、ある部分の重複についてはお許しをいただきたいと思います。
 不況克服への一つの重要なプロセスとして、国民の購買力をどう向上させるかという課題があります。そして、それと直接連動する課題として税制の問題があります。政府税調の答申が出されましたが、これが果たして国民の購買力を高め得るものなのかどうか。政府案としてまだ固まったものではありませんが、答申の方向で改正されることがほぼ予測されますので、私なりに意見を申し上げて知事の所見を伺うものであります。
 政府税調の答申を踏まえますと、今回の政府の所得減税策は庶民にとって決して手放しで喜べるものではないと推察されるところであります。たとえ五兆円規模の減税でも、自営業者や農家はほとんど完全に減税ゼロ、労働者、サラリーマンの圧倒的多数もほとんど減税の恩恵がないと試算されるところであります。
 どこで減税されるかと言えば、答申によれば、収入の多い人にしか適用されない最高税率を所得税、住民税合わせて一五%も引き下げるとしておりますが、この部分は実に大幅な減税になる。全世帯のわずか〇・三%の年間所得五千万円以上の高額所得者だけで五兆円のうちの二兆円が減税されることになり、和歌山県民にとっても、ごくごくわずかな方だけが大幅減税、そして一般にはほとんどゼロまたはスズメの涙以下ということが予想されるところであります。
 そしてまた、答申が減税と消費税アップを一体的に成案化すべしとしている点についても、国会質問に対して政府はそれを否定せず、消費税アップが示唆されました。消費税アップが何%になるかは明らかではありませんが、例えば今の三%から六%にすれば七兆円の増税、七%にすれば九兆円の増税となり、たとえ五兆円の所得減税を差し引いても二兆円あるいは四兆円の増税となる計算になります。しかも、消費税は収入が低いほど負担は重くなるという逆進性があり、庶民は逆に増税に悩まなければならないという可能性があり、国民の購買力を高めるという方向とはまるで逆の方向、つまり不況克服とは逆の方向に進んでいくことになります。
 このような一部高額所得者優遇の所得減税策ではなく、圧倒的多数を占める庶民の懐を潤す減税策に改めるとともに、消費税のアップについては断固やめるべきであると思うわけでありますが、県民生活の向上を願う立場から知事の所見をお伺いするものであります。
 私は、過去二回にわたって二つの面から県政としての不況対策、あるいは県下の地元業者の育成優遇措置を求めて質問をいたしました。金融対策等では一定の前進をされたことについては評価し、関係部局の労に謝したいと思うのでありますが、まだまだ県民の要望にこたえ得るところまでは残念ながら届いていないというのが実情であります。
 まず、金融対策について要望し、質問をいたします。
 最近、業者間でよく話が出てまいりますが、借りた金を返せない悩みであります。仕事が回ってこない、事業を営む者は、働けさえすれば必死に働いて返すべきものは返すという程度の倫理はみんな持ち合わせておるが、それでも返せない、こういう事態があちこちで起こっております。私にも相談を持ちかけられることがあります。制度融資については、何とか返済期間の延長あるいは一定期間の猶予を認められないか、そういう願いが切であります。いかがなものでございましょうか。
 あるいはまた、こういう悩みを持っておられる方々は新たな運転資金を借り入れる道がなくなっているわけですが、この際、低利・長期の県独自の新たな融資制度を創設できないものでしょうか。既存の制度から見放されながらも、あと一息つけば再生できると頑張っている中小零細企業への温かい援助の手が今こそ県当局によって差し伸べられるときではないでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
 また、昨日も質問がありましたが、銀行その他の公的金融機関に対し、貸し渋りをやめさせるよう、実効のある行政指導あるいは手だてを一層求めるものであります。一片の通知で貸し渋り病は治りません。金融業界がバブルのツケの回収に大わらわになり、それなりに必死になっているときでしょうが、金融業界に課せられた社会的責任を明確に自覚させるべく一層手だてを強めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 昨日の答弁で、県当局の働きかけもあり、二行が低利融資を開始したとのことであります。それ自体結構なことですが、窓口は開いても中で締めるということのないように、一方では貸し渋りが経営方針となっている面もありますので、よろしく今後の対応を重ねて求めるものであります。
 次は、仕事を地元企業にという要望であります。
 県の発注する公共事業が県外大手に元請され、その大きな利益が和歌山県域に回収されない現状があることを二月の議会で取り上げました。実際、コスモパーク加太やマリーナシティ事業、教育三館の建設が圧倒的に県外大手ゼネコンの仕事となり、県内中小企業への下請受注も少なかった事実は、県の公共事業が必ずしも県域にその益が回っていないことを示していました。従来から当局は、可能な限り県下の企業に仕事をという意向を語ってはおりましたが、実際はなかなかそのようになっておりません。笑い話に出てくることでありますけれども、和歌山県下のある公共事業の竣工式に配られたお祝いのまんじゅうに駿河屋さんの印がついていたが、よく見ると大阪店からの買い入れだったという話が語られます。このこと自体、別に大層な話ではありませんが、こんな小さなことが積み重なって一つの事業が成り立っているのであります。民間企業の活動に微に入り細にわたって行政が口を挟むことは、ある面では望ましいことではありませんが、現今の不況下にあってその存立さえ危ぶまれている零細企業が必死に訴えていることに耳を傾け、相当きめの細かい指導が必要とされているのではないかと思います。
 以下、項目別に質問をいたします。
 一番目、県の発注する事業や物品の購入に県内業者を最優先していただきたいと思います。この点については企業の能力等で限界のある点もありますが、分離発注等を含め、可能性をきめ細かく追求してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
 二番目は、元請が下請に出す場合です。この点については、元請業者に対し、下請さすには県内業者を最優先させるということを単に指導するというだけでなく、半ば義務づけるという必要があろうかと思います。県外大手、特にゼネコンと称せられるようなところはそれぞれ子飼いの下請企業を持っており、県外から下請を従業員ごと連れてくるというケースも間々あります。そういうことではなく、あくまでも和歌山の公共事業は和歌山の業者でという立場で、元請と下請との関係においても貫いていただきたいと思うものであります。したがって、その際、一次下請にとどまることなく末端下請業者まで追跡調査をされることが必要となりますが、そこまでやっていただけるかどうか。お願いをしたいと思います。
 また、その過程で単価がどんどんと削られて、不当に低く抑えられてしまう例も少なくありません。実際に事業する企業に正当な営利が保証されなくてはなりませんし、公共事業の質を確保していく上でも重要なことでもありますから、その点もしっかり掌握する必要があろうかと思いますが、その点についても手だてを講じていただきたいと思うのであります。
 第三番目の問題ですが、公共工事以外の事業、大手の民間の事業についても、和歌山県下における事業を下請するに当たっては、可能な限り県下の下請企業や業者に優先発注させるよう行政指導されたいと思うのであります。民間企業の民間の事業でありますから、行政指導もおのずから限界のあることは十分承知の上でありますが、あらゆる部門を通して県下の中小零細企業の発展を望む立場から要望いたします。
 以上の点について答弁をお願いいたします。
 次に、同和問題について幾つかお尋ねをいたします。
 特別法制定以来この二十四年間に国では約三兆六千億円の予算措置がなされ、本県でも九千億円にも及ぶ同和対策事業が実施される中で同和地区の生活環境は大きく改善され、地区内外の格差が基本的に解消したと言える状況に近づいたと考えます。その結果、職業、居住、結婚などで差別を取り除き、社会的交流を拡大する方向が進み、部落解放への客観的条件が成熟してまいったと私は思います。
 例えば、最も難しいと言われる結婚問題でも、一九八八年実施の県同和委員会の意識調査報告を見れば、二人とも同和地区生まれの夫婦の全体に占める割合は、五十歳代で七〇%、六十歳代では八〇%と高率であるのに対し、三十歳代では三四%、二十歳代では一七・九%と激減いたしております。つまり、現在では新婚家庭のうち八〇%近くが部落差別の障壁を乗り越えて結ばれていると言えます。
 もちろん、こうした変化も部落差別が全くなくなったことを意味するのではなく、高校進学や産業、職業面で依然として格差の残っていることも事実であり、差別事象も根絶したわけではありません。しかし重要なことは、これら今なお残された格差も、今日ではすべての同和地区に共通で固有な現象というのではなく、一部の地域や階層だけに見られる現象に変わってきていることだと言えるでしょう。したがって、これらの課題の解決は同和行政としてではなく、例えば進学率の向上については行き届いた教育をどう進めるかという教育行政の中で、産業、職業問題については一連の経済対策の中で、生活、健康問題については福祉施策の充実の中でといったぐあいに、経過的措置は当然とることを前提に、一般行政の水準を引き上げる中で解決すべき性格のものになってきていると思います。
 また、今なお差別事件が発生することをもって根強い差別の存在を主張する方々もおられますが、極めて限られたものとなってきつつあるのも事実であります。また、差別発言の根絶はなかなか難しい課題ではありましょうが、たとえ差別事件が根絶できていなくても、その差別者を地域社会で自発的に厳しく批判したり、そういう考え方を不心得な考え方として孤立させてしまうような人権意識の高い地域社会をつくることができるならば、その段階で差別発言をも根絶することができるのですから、それはそれで部落問題を解決した社会と言えると私は考えます。
 私たちは、二十一世紀へ差別を持ち越さないというスローガンを掲げていますが、このような視点に立つならば、近い将来において部落差別の問題を完全に解決できる明るい展望が開けていると信ずるものであります。
 ところで、仮谷知事も参加してこられた昭和六十一年十二月の地対協意見具申では、部落差別の現状認識について、「同和地区の実態が大幅に改善され、実態の劣悪性が差別的な偏見を生むという一般的な状況がなくなってきている」とした上で、「今日、差別意識の解消を阻害し、また、新たな差別意識を生む様々な新しい要因が存在していることが挙げられる。近代民主主義社会においては、因習的な差別意識は、本来、時の経過とともに薄れゆく性質のものである(中略)しかし、新しい要因による新たな意識は、その新しい要因が克服されなければ解消されることは困難である」として、早急に克服すべき今日的課題として次の諸点を挙げています。第一に行政の主体性の欠如、第二に同和関係者の自立・向上精神の涵養の軽視、第三にえせ同和行為の横行、第四に自由な意見交換の潜在化──「潜在化」とは潜んでしまうという意味であります──の四点を挙げております。
 また、今後の地域改善対策のあり方として、「地域改善対策は、永続的に講じられるべき性格のものではなく、迅速な事業の実施によって、できる限り早期に目的の達成が図られ、可及的速やかに一般対策へ全面的に移行されるべき性格のものである」ことを強調しています。
 現在、県政に対しても部落差別撤廃条例の制定の要望もありますが、以上のような歴史的経過から見れば、あえてそのような条例は必要ではないと私は考えるものであります。永久的条例をつくることは、逆に部落差別が着実に解決に向かっている現状にある中で部落差別の根深さのみを一面的に強調することになり、部落問題を半ば恒久的に固定化することになってしまうのではないかと危惧するものであります。そして、ひいては同和問題や施策に対して県民の自由な意見交換や批判をもしにくくさせるのではないかとおそれを抱くものであります。
 求められている条例の内容は定かではありませんが、条例制定を求められる方々の発行したビラによりますと、その第二項に、部落差別撤廃に関する諸施策に協力するとともに差別や差別を助長する行為の禁止ということが挙げられています。しかし、本来、同和行政のあり方をめぐってさまざまな意見を交換できる環境づくりにこそ行政は努力すべきであって、施策に対して条例で協力を義務づけたりすることなど、許されることではないと考えるものであります。また、差別や差別を助長する行為の禁止なるものも、自由な意見交換のできる環境づくりと啓発によって初めて可能になるものであって、条例による法的規制は残存する差別意識さえ潜在化させる事態を生み出し、部落差別の解決をおくらせてしまうのではないかと危惧いたします。
 ところで、最近、大分県の三重高校、福岡県の小郡中学校の校長が生徒の発言についての確認会に関連して自殺するという痛ましい事件が報道されておりました。民間団体等による確認会等の行為については、六十一年八月の地対協基本問題検討部会報告では、「差別行為のうち、侮辱する意図が明らかな場合は別としても、本来的には、何が差別かというのは、一義的かつ明確に判断することは難しいことである。民間運動団体が特定の主観的立場から、恣意的にその判断を行うことは、異なった意見を封ずる手段として利用され、結果として、異なった理論や思想を持つ人々の存在さえも許さないという独善的で閉鎖的な状況を招来しかねないことは、同和問題の解決にとって著しい阻害要因となる」と指摘しています。条例による同和施策への協力の義務づけや、差別的行為とそれを助長するものの禁止を条例として明文化することは、地対協部会報告が言う独善的、閉鎖的な、はたまた行き過ぎた確認会なども法的に正当化してしまう危険を内包するのではないかと私は危惧するのであります。
 また、条例によって同対事業の推進が義務づけられれば一般行政への移行ということも困難になり、また議会での審議権をも制約するおそれがあり、現行法の失効後においては県財政に過重な負担を課することにもなりかねません。
 全解連の機関誌「解放の道」というのがここにございます。十一月五日号でありますが、これに総務庁の地域改善室長が全解連との交渉の中で語った言葉が報道されています。
 「条例がどんどんできると大変なことになると私も同様の気持ちを持っている」、「徳島県では制定しないのが三市町村だけ残っている。徳島県で条例制定しなければいけない特別の事情があるのか。そうしたことが充分審議されているのか疑問」、「二十四年間の同和対策でかなりの成果があがってきている。かなり改善されてきている今の時期に、まるでこれからスタート台にたつような条例、これから同和対策をやるというような条例が必要なのか疑問」、「恒久条例であることから、差別をしてはいけないことが条例で示され恒久化してしまうことは、本当に同和問題の解決につながるのか、疑問」、「同和対策はこれまで国と地方公共団体が車の両輪となって進めてきたが、今回の条例は地方一車輪で行うことになる。同和問題は国の責任と厳しくいわれてきて、国と地方公共団体が一緒にやらなければならない仕事と考えているが、これまでの方針がどのように整理されるのか疑問」、「以上のような疑問から、私としては『部落差別撤廃条例』と称するものについて反対である」、このように紹介をされております。
 以上、るる述べてまいりました観点に立って、まず知事に質問をいたします。
 本県としては、現行法の五年の期限を待たずに三年以内に主な同和事業を完了させ、あとの二年は一般行政へ移行のための調整期間とするよう聞き及んでいますが、このことの真偽とともに、知事としての本県同和行政の到達点をどのように評価し、今後の同和問題の解決についてどのような展望と対策を持たれているのか、お尋ねをいたします。
 また、先ほど総務庁地域改善室長の条例問題に対する姿勢について紹介いたしましたが、知事として、また同和委員会会長としてどのような所感をお持ちになるか、お尋ねをいたします。
 続いて、教育長にお尋ねをいたします。
 かつては八鹿高校事件、矢田事件というような教育に関する重大な事件がありました。今回、三重高校、小郡中学校の事件について紹介をいたしましたが、県教委はこの問題についてどの程度状況を把握しておられるのか、教育現場でいろいろな不安も生まれてきていますので、この際、運動団体などの教育介入を許さない確固たる姿勢をお持ちなのかどうか、お示しいただきたいと思います。
 相当早口で質問をいたしましたのでお聞き苦しい点があったかと思いますが、これで私の第一問を終わらせていただきます。
○副議長(町田 亘君) ただいまの鶴田至弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 鶴田議員にお答え申し上げます。
 米の輸入自由化の問題でございます。
 この議場でも申し上げましたように、これまでも全国知事会を通じて輸入自由化阻止を強く要望してまいっておりまして、県議会から意見書が提出されてきたところでもございます。
 ガット新ラウンド農業分野のドゥニ議長から示された最終調整案の骨子によりますと、最低輸入量いわゆるミニマムアクセスを引き上げることによって六年間関税化を実施しないという内容となっているようでございます。したがいまして、これを受け入れるとすれば、日本農業はもちろんでございますけれども、本県の稲作農家にとっても大変厳しいものと受けとめておりまして、今後とも国の動向を注視しながら、引き続き国内自給の堅持を国に強く要望してまいりたいと思っておる次第でございます。
 それから、不況対策の中での政府の減税策と消費税についてでございます。
 十一月の政府税調において答申がなされましたが、所得・消費・資産の間でバランスのとれた税体系の確立、また広く負担を分かち合って公正で活力のある高齢化社会の実現ということが言われておるわけでございます。
 私としましても、景気が低迷している中でございますので、県民生活、国民生活について十分配慮して、税の根源である公平な税制ということについて十分検討していただくことを期待しております。
 いずれにいたしましても、国政の最重要事の一つであると思いますので、税制改正については今後国会で十分に審議をしていただきたい、そしてこれを見守っていきたいと思っております。
 次に、同和問題についてでございます。
 本県の同和行政の到達点と今後の同和問題の解決につきまして、県においては同和行政の重要性にかんがみ、昭和四十年に出された同対審答申の理念に基づいて本県の地域性に即した総合計画を策定し、同和対策事業を推進してまいっているところでございます。その結果、住環境整備を初めとして教育面や就労面においても改善向上が見られ、また県民の同和問題に対する理解、認識の点においても大きな進展が見られたと存じております。
 なお、残された物的事業については早期に着手できるように市町村とも十分協議し、また産業就労対策、教育啓発等の非物的事業についても法期限内の完遂を目指して全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 しかしながら、解決困難な課題も残されております。今後の同和対策の推進について、総務庁の生活実態調査や本県独自で実施予定の調査結果を踏まえて研究・検討してまいりたいと思っております。
 それから、総務庁地域改善対策室長からの条例問題についての見解でございますけれども、私、聞いておりませんので、答弁は差し控えさせていただきます。
 なお、総務庁の附属機関である地域改善対策協議会においては総括部会が設置され、今後の同和問題に関する基本的な課題について協議がなされますし、また各関係府県の実態調査にも参っておるようでございます。
 他の問題は、部長から答弁いたします。
○副議長(町田 亘君) 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 鶴田議員にお答えいたします。
 米問題についてのご質問のうち減反政策についてでございますが、計画的な米の需給安定と食管制度の維持から、やむを得ない措置と考えてございます。
 次に、和歌山における減反についてでございます。
 平成六年度より転作目標面積が緩和されることから、地域の農業者の水稲作付に対する意欲や意向を重視した転作配分を行う中で、地域の実態に即した良質米の作付を指導してまいります。
 次に、米づくりの意欲向上策についてのお尋ねでございます。
 近年、良質米志向が高まる中で、特色ある米づくり運動を展開するとともに、コスト低減に向けた効率的な米生産を指導しているところでございます。
 次に、シーサイドロードによる農地の減少と農業振興についてのご質問でございます。
 農地の利用につきましては、都市計画と農業との調整を図り、農用地の保全に努めることを基本に、地域の発展と農業への影響を考慮し、市町村や農業委員会等の意見を聞きながら対応しているところでございます。
 今回のシーサイドロードにつきましては、公共性が高く、農地の集団性に配慮した計画であり、農地の減少など、農業への影響を最小限にとどめたものと考えてございます。
 次に、地権者農家の現況と将来についての調査についてどうかというお尋ねでございます。
 農林水産部といたしましては、シーサイドロードの建設に関し、調査は行ってございません。しかしながら、地域の生産動向や経営状況等については、農業改良普及所、和歌山市、農業協同組合を通じて把握してございます。
 次に、当該地域の将来展望についてのお尋ねでございます。
 当布引地域においては、施設園芸を中心に、都市近郊農業として、より一層収益性の高い農業経営がなされると期待してございます。県といたしましては、各般の施策を活用しながら農業経営の安定が図られるよう努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 商工労働部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 金融対策についてお答えをいたします。
 金融制度における返済期間の延長につきましては、現在の制度上ではございませんが、国に対し機会あるごとに強く要望を行っているところでございます。
 中小企業者を取り巻く経営環境は依然厳しいものがあり、今後、県としても関係機関と検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、金融機関に対する指導につきましては、本来大蔵省の業務でありますが、中小企業者の厳しい経営状況を踏まえ、政府系を含む県内に店舗を持つ金融機関の代表者の皆様方に一堂に会していただき、中小企業者の皆さん方の生の声をお伝えしながら今後の金融のより一層の円滑化に取り組まれるようお願いし、知事からの要請も行ったところでございます。
 また、低利・長期の県独自の新たな融資制度の創設につきましては、県としても、景気の低迷が長引き、中小企業にとっては売り上げの減少を来すという厳しい経営状況を踏まえ、平成五年度当初予算において低利の緊急経営資金特別融資を新たに創設し、実施してきているところでございます。この融資実績は、十月末現在、件数で三百二十件、融資金額で三十九億二千四百万円となってございます。今後も、景気動向、県融資制度の活用状況など十分注視し、中小企業金融の円滑化を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 不況対策の中の、中小企業に仕事をということでお答えを申し上げます。
 県内業者の育成については最重点に考えております。トンネル工事、ダム工事、大型港湾工事など、高度な技術力、豊富な経験、資金力が必要な工事等に限って県外大手業者に発注をしておるところでございます。
 県内業者への下請でございますが、去る九月二十九日付で県内に支店、営業所を有する県外大手業者に対しまして、土木部長、農林水産部長、企業局長の連名で、下請業者の選定に際しては県内業者を優先して受注できるよう依頼をしたところでございます。
 また、県内大手業者につきましても、県建設業協会を通じて、機会あるごとに同様の趣旨の徹底を図っておるところでございます。
 なお、正当な単価で下請をされているかということでございますが、下請代金の決定につきましては、元請業者と下請業者との契約により決められるべき性格のものでございます。県といたしましても、下請契約に当たっては標準約款を利用するよう、工事発注の際、元請業者の指導を行っておるところであります。
 また、県発注の追跡調査でございますが、県発注の建設工事だけでも平成四年度に五千四百二十四件ございまして、これが重層下請となってございます。その他、これに付随する測量設計等の委託業務もございます。
 このことも踏まえて、追跡調査についてはいろいろ研究をいたしましたが、難しい問題がございます。しかしながら、議員ご指摘の趣旨を踏まえ、例年実施している建設業許可業者を対象とした入札参加説明会において、元請業者に対し、下請負人の保護あるいは下請代金の支払い、雇用条件の明確化等、具体的なきめ細かな指導を行ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 同和教育にかかわって二点についてお答えいたします。
 大分県の三重高等学校、福岡県の小郡中学校の件については、新聞等を通じて承知してございます。
 次に、差別事象が発生した場合でございますが、和歌山県同和教育基本方針第八項に、「関係者はもとより、関係者の所属する機関や団体などが責任をもって処理にあたるとともに、すべての人々がみずからの問題として、その事実を正しくとらえ、同和教育をいっそう前進させる機会とするようつとめる」と明示してございます。
 教育委員会といたしましては、同和教育を進めるに当たって、差別の事実に即し、立場や考え方の違いを超えて一致点を見出し、実践に努めるよう指導しているところであり、特定の運動団体による教育への介入といった事実の報告は受けてございません。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 25番鶴田至弘君。
○鶴田至弘君 それでは、要望をもって再質問をさせていただきます。
 不況対策についてでございます。
 地方自治体が行う不況対策というのは、国と違っておのずから限界を持っているわけでございますが、さしあたり県民が頼りにしているところというのは地方自治体でございます。金融対策の問題についても、新たな制度融資など、今直ちには困難であろうかと私もわかるわけでございますが、どうかひとつ、そういう制度を創設されることによって今塗炭の苦しみにあえいでいる中小零細業者の方々に救いの手を伸べられるよう、ぜひとも格段の努力をお願い申し上げたいと思います。
 公共事業につきましては、土木部長の答弁にもございましたように、かつてから一定の努力はされておることを私も承知いたしておるところでございますが、しかし、必ずしもなかなかそううまくいっていないという問題がございます。やはり、きっちりとした追跡調査を何とかしてやっていただきたい。すべてではなくても、抽出してでもやっていただいて、県が発注した公共工事がどの程度県民の手によって進められているかというところも点検をしていただきたいと思うんです。そういうことによってこそ、初めて県の発注工事が県益に資するということが明確になってこようかと思います。
 今回も相当額の補正をもって不況対策のための公共工事を組んでおられます。それはそれとして是としながらも、それが一層効果を発揮するような後の努力を重ねていただきたいとお願いをする次第であります。
 シーサイドロードの問題について、一言だけ申し上げておきます。
 私は、同じことをもうこの議場で三回申し上げました。しかし、前提としての民主主義の問題が欠落いたしておりますので、一番最初にかけ違えたボタンからだんだんとそのそごが大きくなってきています。やはり、農民の声を聞く、地権者の声を聞くという一番最初の原点に今からでも戻ることが大切ではないかと思うわけです。
 農林水産部長からの答弁がございました。しかし、この事業認定に当たっては、農林水産部には何ら声がかけられていないという状況であります。これは、法体系としてそういうことをしなくてもいいということになっているらしいのでありますが、しかし地権者のことを思えば、事業認定に当たってはそのくらいのことは当然あってしかるべきだと、私はごくごく常識的な考えでそういうふうに思います。したがって、最初の原点に戻って、地権者との話を抜きにした強制収用などということは絶対やめるべきだと思います。これは起業者が和歌山市でありますが、事業認定は和歌山県がしているという前提でひとつ県の決断をお願いしたいものであります。
 同和行政につきましては、困難な事業もあろうかと思いますが、もうあと一歩というところに来ていると私は思います。当局の皆さん方は法期限内に完全解決ができるように今後一層の努力を強められ、一日も早く一般行政への移行が可能になるような状態をつくり出していただくことを心から切望いたしまして、私の第二問を終わります。
○副議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で鶴田至弘君の質問が終了いたしました。
○副議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 3番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 本日四番目ということで、大変お疲れのことと思いますけれども、どうかしばらくご清聴のほど、よろしくお願いします。
 また、既に先輩・同僚議員よりよく似た質問等があり、その点についてはできるだけ重複を避けたいと思いますけれども、重複してしまった部分はそれだけ重要なことであるとの認識をしていただいて、よろしく答弁をお願いします。
 まず、一番目に通告させていただいた許認可行政について、県の行政力と県経済への影響であります。開発許可等について、フォレストシティ問題と住民の賛否等が許認可に及ぼす効力、住友金属西防埋立地の問題と住民同意、建築確認申請等も含めてお尋ねいたします。
 人が人間社会で生きていくために必要とされるものに衣・食という基本的なものがあり、「衣食足りて礼節を知る」という言葉の根源には、経済力つまり生活ができるための収入の安定があってこそ礼節つまり礼儀と節度をわきまえるということがあって、きれいごとが好まれる今日の一般社会に対しては古臭い言葉かもしれませんが、もともと法律も人間が人間社会で生きていくために必要最小限やむなしのルールで、これがなくてもやっていける社会が一番理想でありましょう。しかし、法律でがんじがらめになりつつある人間社会、そして権利には当然義務のあることを忘れがちで、何でも自由と主張し行動はするが、義務は自分にとって必要を感じないから余り考えない人も多くいるようです。
 奇跡的な経済成長を遂げた今日、日本に今必要とされるものは、まず道徳教育というか、人類すべての幸福を考えられる、他人にも優しい人間社会をつくるべき人間教育と社会啓発であります。そして、民主主義国家のルールに基づいた法律の上に、しっかりとした地方自治の行政力であります。しかし、行政力はあくまで県民サイドに立ったものでなければならないと考えます。
 公務員として行政で職責を全うすべく活躍されている国、県、市町村の各位におかれては、公共の福祉を念頭に業務に当たられていることと思いますが、中でも、県は県民あっての県で、国は国民あっての国であることも公務員として忘れてはならないことであります。
 行政力の乏しい都道府県、市町村は意思決定に確たる基準等が確立されていないことが多く、決裁期間が長くかかり、最後には丁重に断るか、難題と見れば人事異動まで引き延ばしを図るがごとくの後送りをし、引き継ぎをしないで異動していくタイプの幹部職員もいるようです。つまり、このように難題を解決しないで逃げた方がけがをしないで幹部に出世できるとの話も聞きますが、公務員が自分の御身大切本位で、県民の立場になって行政努力がなされない行政のもとでは、「お役所仕事」との言葉がよく聞かされるのであります。
 さて、本題の許認可行政でありますが、フォレストシティ問題に関しての一連の新聞報道等を見て、自治会長の判、水利組合関係者の判、代表者の判を押してもらっておくこと、すなわち公務員でない人の判が許認可決定者以上の効力を持っている実態があり、またその判を求めていろいろ不透明な不可解な問題が生じたり、その判のことで人間関係が恨みごとにまで及び、真実かデマかとのうわさも飛び交っていることについては、以前、議会でも私が、民間人に決定的な同意印を求めるような行政のやり方はやめるべきだと申し上げたのを今思い出しながら、残念に思っています。
 ここで、お尋ねします。
 地域や地元関係の同意書が許可等の申請及び許可決定に及ぼす効力についての見解、すなわち、同意書等がそろっていなければ申請受付もできないものか、そうでもないものか、また、今回のフォレストシティ関係の開発申請における各関係自治会の同意と水利関係団体や個人を除く団体等の同意は幾つの団体に求めていたのか、さらに、その中で三十二条等の法的に不可欠なものと行政指導の形で提出を求めさせた同意の判、承諾の判等の数をお答えいただきたい。
 私は、今回フォレストシティ問題で話題に揺れた地元に最も近い県会議員でもあり、大手の新聞記者も毎晩入れかわり立ちかわり訪問してきます。関係団体を初め地元では、役所が決めることの責任逃れとさせないために、法律や行政で働く専門家でもない素人にこのような重大な決定権にかかわる判を今後はできるだけとらせず、都市計画決定、調整区域の決定などは同意をしなくても、というより反対の声があっても公聴会だけは開催し、重大な間違いでもなければ原案どおり決定するのだし、それでよいのと違うかと話す役員さんがいました。
 会長が判を押したので前の道路の通行量がふえたとか、マンションが建ったので見通しが悪くなったとか、判を押さないといけないように知人、友人を連れ添って頼みに来られる等、判を押しても押さなくても迷惑しているのが実態のようです。
 ここで私が申し上げたいのは、何でも関係者の同意印を先にもらってからでないと申請書を受け付けない、そして苦情が出たら、会長に了解をとっているのだから地区民の苦情は地区内のこととして地区の会長に言ってくれとの責任転嫁行政ではよくないのは明白で、今後フォレストシティ問題のような不可解な事件を和歌山で再発させないためにも、住民同意の確認のあり方については、今回のように関係代表者の判ということだけで今後も行くのではなしに、この際、環境整備等も含めて許認可申請等の中身がどうあるべきかということはもとより、住民同意をいかに確認するか等のマニュアル作成をやっていただきたく思うがいかがか、お尋ねいたします。
 また、なぜ開発申請にまつわるこのような事件が発生してしまったのか、県の燦黒潮リゾート構想として期待をして受けとめていただけに現状を残念に思います。フォレストシティ計画について、これらの同意書は法律上求めたものか、行政指導として求めたものか、開発審査におけるこれらの同意書の扱いについての見解もお尋ねいたします。
 それから、先ほど「私がこの土地に一番近い」と言いましたが、二番目に近いそうです。地元で一番近いのは村岡先生でございます。
 次に、建築許可、建築確認申請等についてお尋ねいたします。
 まず、住民が反対運動をしても建築確認を許可して敢行されてしまうモーテル等に対しては、住民の声を重視するとか、反対がないか同意をとれと言うのに、これだけ地元が反対しても行政が建てさせるのは納得がいかんと反対運動代表者に聞かれることが何回かありましたが、これについてこの際、当局に見解をお聞きいたします。
 それから、建築確認申請提出時も、浄化槽や合併処理槽を設置したいとき、同意書という意味のような「協議書」なるものを添付させますが、この判をもらうためにも何かとトラブルや問題があるようです。
 次に、市街化調整区域の非農地、雑種地で有効利用ができない土地が多くあります。その中でもトラック露天駐車場をあちこちで見かけるが、それら運送業の経営者から、バブル崩壊後のこの長期型不況で、市街化区域内にある本社や点検整備工場を売却して、現在トラック露天駐車場として使用している土地に事務所を建築させてもらえれば何とか倒産をしないでやれるのだけれども、市街化調整区域のトラックを置いている土地は売れないので困っているとの相談が最近多くあります。県に相談に行くと原則的に不許可とのことで、行政の許認可に対する対処に、自分の土地なのになぜ市街化区域になるまで屋根の工事をさせてもらえないのかとか、トラックを雨ざらしで置いておくとトラックの痛みもひどく、情けないとの話を聞きます。また、県民が死活にかかわる窮地にあっても相談に乗ってくれない、県民あっての県じゃないですかと、県の対応に不満を並べて話をしております。
 不景気の長期化に伴い、経営の深刻さを感じる昨今であります。市街化抑制についても計画どおりに抑制できず、難しい点のあることは私も十分理解できます。しかし、都市計画どおりに土地利用できなくても、県民の土地を有効利用させることが県民の生活を守る上で意義のあることだと考えます。事業倒産に至ってはすべてに最悪であると考えるので、今日の事態を県も考えていただき、このような雑種地、非農地について県として何らかの救済をしてやってはと思うのですが、いかがですか。
 それからもう一つ、建築や開発申請でもよくある県民の相談で、戦前の昭和十六年に決定した風致地区指定という厳しい規制についてであります。
 これも議場で以前申し上げましたとおり、戦火による焼失前は風光明媚な松林等があったらしいが、今は民家がぎっしりと建っているところも多く、規制だけは今も生きていて、その地区民が建築確認申請をすれば、風致地区らしくしてもらわないといけない、おかしな法律でも行政の立場があると、難しいことを言って県民ともめる。そんなにももとの松林に戻す必要があるなら、これらの地域は県が買収でもして松林にすればよいのではないでしょうか。いつまでも県民に法律、法律と言って、それだけが仕事だと思っていると大間違いです。
 念のために申し上げますが、風致地区の規制そのものすべてを否定しているのではありません。おかしな、問題ある地域だけでも早く見直し、規制緩和すべく進言するものであります。こんな法律を見直すことこそ重要な仕事ではないのかと考えます。いつかはやらなければならない問題事を後送りすればするほど、がんの転移のように家が建ち並び、問題要素が重複してきて直すことが複雑になります。県として誠意ある明確な答弁を求めます。
 次に住友金属和歌山製鉄所の西防埋立地につきまして、用途変更の許可申請願についてお伺いします。
 これらのことについては最近マスコミ報道を頻繁ににぎわしており、町でもよく話題に上っていますが、たしか西防埋立申請は、五基の溶鉱炉があったころ、コークス工場等がフル稼働時に大変な粉じん等をまき散らし、公害対策の一環として、松江地区を初め周辺から粉じん源を沖出しすべしということから始まったものであります。その当時からの公害や粉じんの推移はどうなっているのか、県当局の公害関係に対する見解をお聞きしたい。
 埋め立てが始まって以来、和歌山市のごみ廃却処理場としても重要な役を果たしてきた土地であるが、用途変更について法的に住民関係者等の同意が要るのか要らないのか、話はどこまで進捗しているのか、お聞きしたい。
 長期化が予想される今回の不況でありますが、以前、和歌山県の例としては、下津丸善石油が、大型タンカー接岸可能にとの埋立申請の決定が長引いている間にまさかと思うようなこと、つまり丸善石油が倒産してしまったのであります。(「倒産してない」と呼ぶ者あり)丸善石油が倒産に等しいような状況に追い込まれたのであります。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)そして住友金属も、埋立申請を決意し、協議を始めてから約十五年、まさかと思う鹿島への大移転とオイルショック等、大不況に向かい始めたころに埋立許可となったのでありますが、今回は、住民や関係者の同意等に県としてどう対処するのが県民のためにベストだとの確信をつかみ、すべて民間任せではなく県政のトップ機関として、県経済の進路も含めたリーダーシップをとるべきであると考えます。
 地元の意見も尊重して聞き、検討し、いろいろな意見があると思うが、いずれ本問題に対しては県行政の決定的指針を示さなければならないと考えますし、その時期も余りおくれてはならないと心配をしています。県は、以上のようなことを踏まえていかにこの問題を受けとめ今後対処すべく取り組むのか、お聞きしたい。
 二番目に港湾整備のあり方につきまして、公共岸壁の改修の必要性と占用許可についてお尋ねします。
 和歌山県は海に隣接する部分がかなり多いのは、県民だれもが知るところであります。港湾も多くあります。道路事情がこれまたかなり悪いのも、県政にとって頭の痛いところであります。私は、和歌山県内に入るとガソリン、軽油の値段が急に高くなることについて石油組合の役員さんといろいろ議論を交わしたことにより、業者側にも問題はあるが、県行政にも問題点が幾つかあるのを感じました。今回はそのうちの輸送コストに関して、行政として何らかの対応ができると考えられるものについて県にお聞きします。
 和歌山市青岸地区の公共岸壁は主に石油、化学、セメント等のコンビナート用で、以前、県によって造成し、公共岸壁より内側に公共荷揚げ場を、その内側の土地を民間企業に譲渡して工場を建設させたものであります。公共岸壁、公共荷揚げ場と言っても、大半の企業が工場の前の部分は自社への荷揚げ場としてそれぞれ占用使用しているのが現状であります。
 しかし、最近タンカーの大型化が進み、それによって輸送コストの低減が図られてきたのが業界の常であったようであります。輸送コストは、タンクローリーでは少ししか運べないため、タンカーで運ぶのとでは大きく差がついてしまうのだそうであります。大阪方面やガソリンが安いと言われている地域の石油基地では、近年、タンカーの大型化とともに、石油基地関係の港湾が大型タンカー接岸可能なものにどんどん改修されてきているのが実情であります。公共岸壁も民間岸壁もこの傾向にあるようです。いずれも大型にどんどん改修されております。
 ところが、この青岸の岸壁は今や欠陥岸壁に近いもので、船底をするので、わざわざ小型タンカーを手配するか、普通の比較的小さいタンカーなら他のところへ先に荷物をおろしに回り、軽くなった最終にしか運んでもらえないのが現状のようです。公共岸壁を管理している県、すなわちこの土地にこれらの企業を誘致した県は、企業を誘致した経緯や地場産業対策の観点から、企業として採算のとれない工場になりつつあるものに対し、公共事業として何らかの改善を考えていただきたい。
 また、県が建設業者にこの工場前の荷揚げ場を建築廃材や土砂の置き場として貸しているため、ダンプカーが当該会社のパイプラインの上を行き通っており、当該企業が再三県へこれらに関して善処方を陳情しているにもかかわらず、そのたびに建設業者の占用許可を早期に打ち切ると何回も繰り返しながら、占用許可の一カ月更新を繰り返しているのが現状であります。県の行政に、不適切さを通り越して疑問を覚える私であります。
 以上のことについて、明確に、誠意ある答弁を求めます。
 三番目に、和歌山北バイパス、新南海橋の見通しと交通停滞緩和対策についてお尋ねいたします。
 まず、第二阪和国道、新南海橋の進捗状況と今後の予定について、来年度予算の見通し等も踏まえてお答えいただきたい。
 二番目に、新南海橋の建設はかなりおくれるような現状であり、これも踏まえて何らかの対策をしなければといつも言うのですが、全く停滞状況の緩和の改善はありません。当面の南海橋北詰め対策、つまり新南海橋が完成するまでの暫定措置として河川敷を道路として使用させてもらう努力でもしなければ、新南海橋完成まで現状のまま交通停滞や交通事故を繰り返している実態は余りにもひど過ぎます。
 当面の南海橋北詰め対策として、北詰めの水路部分にふたをして何とか対向が可能なようにできないか。また、上流側の第八緑地公園の道路が南海橋の近くまで舗装整備されているので、これを暫定措置として使用できれば交通停滞の緩和に大変役立ちます。それらの努力を我々とともにお願いしたいのですが、県としての見解をお聞きいたします。
 三番目に当面の六十谷橋北詰め対策についてでありますが、北島橋北詰めの橋の拡幅、堤防の拡幅をしていただいてからの停滞緩和の効力には大きいものがありました。同様に、当面の六十谷橋北詰め対策としてご検討をお願いいたしたいのでありますが、いかがでしょうか。
 次に、不況の長期化対策であります。
 これは、本当に大変な実態であることを県の皆様に強く、厳しく認識をしていただかなければ大変なことに至ると思います。不況の長期化と現状から見て、県内中小企業の苦境は近年にない厳しいものであることを認識され、県内中小企業を不況倒産から守るため、県の融資制度について思い切った施策を打ち出していただきたい。その際、制度融資の特別長期貸付物をつくるとか、返済方法を特別に臨時に据え置いて金利のみ支払うとか、事故に近いようなことを認めていくぐらいの画期的な県内中小企業の救済策を考えて実施しないと、年度内に倒産業者が続出すると思われます。県として、他府県に先駆けた不況に対する中小企業救済措置をお願い申し上げます。
 五番目に、世界リゾート博開催期間中の交通輸送対策についてお伺いいたします。
 二十一世紀という時代が間近に迫り、関西国際空港の開港を控え、本県は今まさに新しい時代に向けて大きく飛躍しようとしています。このようなときに本県の県土づくりの基本であるテクノ&リゾートに沿って、六百キロメートルにも及ぶ雄大な海岸線、緑豊かな山々等の自然環境と歴史に恵まれた数多くの文化資源等の貴重なリゾート資源を活用し、リゾートゾーンの整備推進を図りながら二十一世紀のリゾートの理想像を実現するため、リゾートのあり方を国内外へ提言しようとして開催されるウエルネスWAKAYAMA世界リゾート博は、本県を日本全国へ、そして世界へ大きく宣伝し、飛躍させる絶好の機会であると考えます。
 そこで、企画部長にお伺いします。
 リゾート博協会の発表によりますと、この博覧会で国内外から百五十万人の方々が本県へ訪れると伺っております。とすれば、開催期間中は、特に近畿自動車道、二十四号、四十二号から和歌山市、海南市へ大量の自動車が集中し、紀三井寺や海南市船尾東等の主要交差点では、平常でも交通量の多い地点であり、大変な停滞が予想され、通勤時等、日常生活の交通にも影響を及ぼすことが心配されております。現在、県リゾート博協会関係者等が一丸となって交通輸送対策に取り組んでおられると伺っていますが、その取り組みについてお聞かせをいただきたい。
 以上で、一回目の質問を終わります。
○副議長(町田 亘君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 保健環境部長江口弘久君。
  〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 井出議員ご質問の、住友金属工業和歌山製鉄所周辺の環境につきましては、平成五年版の「環境白書」によりますと、硫黄酸化物、窒素酸化物、降下ばいじん等は環境基準、行政目標値を満足しておりました。埋立計画策定時の昭和五十年当時と比べると、相当な改善を示しております。
 今後とも引き続き環境監視を行うとともに、事業者に対し、公害防止施設の整備、維持管理に努めるよう指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 まず、開発許可等についてでございます。
 ご質問の同意の取り扱いでございますが、水利組合の同意につきましては、都市計画法第三十二条の「公共施設の管理者の同意等」に該当する場合は、法的要件で同意書が義務づけられております。周辺自治会の同意については、トラブルを未然に防止する観点から行政指導を行っているところでございますが、どうしても同意の得られない場合には、交渉経過や開発事業者の対応方針等について資料の提出を求めるとともに、関係する市町からの意見を参考にして判断することといたしております。
 次に、フォレストシティ開発申請に当たって同意書の数等でございますが、法的要件である都市計画法第三十二条に係るものは、和歌山市の道路、水利組合など八件であります。また、行政指導で同意を得るよう指導した十三自治会については七自治会の同意書が添付され、同意の得られていない自治会についてはその調整経過等を記された書類が添付されております。なお、そのほかに二連合自治会長の同意書等が添付をされております。
 この同意書についての県の考え方でございますが、都市計画法第三十二条の同意が必要なことはもちろん、市街化調整区域内の大規模な開発については、これに伴うトラブルを未然に防止するため、周辺住民の方々の理解を得るよう指導する必要があると考えております。これらの同意の取りつけに当たって不正な行為があるとすれば、好ましいことではないと思います。
 また、マニュアル化をしてはどうかというようなご提言でございますが、開発事業は一つ一つの条件が非常に異なります。統一した一律のマニュアル化というのはかなり難しいように思いますが、要は担当者がその考え方を統一して当たるということだと存じております。
 次に、建築許可等についてでございます。建築物の工事を行う場合、和歌山市域は市、それ以外は県に対して建築基準法に基づく建築確認申請を行い、建築物の敷地、構造、設備等に関する最低限の基準が満たされているかどうかのチェックが必要となりますが、この確認においては地域住民の同意は審査対象とはされておりません。建築主事は確認申請書を受理したとき、地域住民の反対を理由に確認をしないことはできないわけでありますが、この建築確認とは別に、必要がある場合には、関係部局とも調整しつつ、地域住民の反対運動等の紛争解決に努めるよう指導をしてまいります。
 次に、運送事業法の改正によって発生した問題についてでございますが、市街化調整区域内での貨物輸送事業者の立地につきましては、運送事業免許の種別により、都市計画法では異なった取り扱いになります。いわゆる定期路線型の許可以外の貨物運送事業者については、インターチェンジ周辺に立地する場合、あるいは県が国または中小企業事業団と一体となって助成をする、中小企業の共同化として行う事業等がこの市街化調整区域内において許可ができる要件となっております。今後とも関係部局と相談の上、中小事業者の育成という面にも配慮しつつ、協業化などの実現について指導してまいりたいと思います。
 次に、風致地区の見直しでございます。和歌山市の風致地区は昭和十六年に指定をされ、ほぼ半世紀を経ているわけでございますが、これら風致地区においては、都市の風致維持、良好な自然環境の確保、また都市生活における快適性の増進に大きく寄与をしてきたところではございます。一方、時代の経過とともに、一部には風致地区としての効果が低下をしている区域、また逆に新たに指定が望ましいと思われるような区域も見受けられるところでございます。今後、地域の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
 次に、開発許可に絡んで西防埋め立ての問題でございますが、この西防埋め立て問題に関する現在の状況は、住友金属において、環境改善の方策、土地利用の内容など、その実現性について検討作業がなされている段階であると認識をいたしております。県としては、そうした作業の推移を見きわめつつ、適当な段階で行政としての立場から指導するなど、適切に対応する必要があると考えておりますが、埋立法上は、具体的な変更申請がなされた段階で審査、判断することになります。
 なお、埋立法上は、変更申請に際し、地元自治会の同意が必要とはされておりません。ただ、審査、判断に当たっては、できる限り地元の意向を反映させてまいりたいと考えております。
 次に青岸の公共岸壁でございますが、これは、昭和三十六年に土地造成とともに資材製品の海上輸送施設として整備をされたものでございます。以来、石油類の搬入、石材等の搬出搬入に利用されてきましたが、近年の船舶の大型化に伴い、現在はほとんどが背後地にある石油会社の石油類の搬入に利用されている状況であります。石油会社よりこの物揚げ場の水深増大要請を受け、石油会社とともに検討を重ねましたが、現在の施設を改良することは地形上困難であるということで、隣接する位置に石油会社専用のドルフィンを建設することで合意し、平成四年十月、地方港湾審議会に諮問して港湾計画に位置づけをしたところでございます。
 また、周辺の土地利用の問題については、過去からの石油会社との協議の結果、専用ドルフィンの建設と一体的な要望として受けとめておりますが、昨今の経済状況のもとでは専用ドルフィン建設のめどが立たないとのことで今日に至っておるわけでございます。
 現時点での企業の要望が土地利用の問題だけ先行したいということであれば、要望内容をよく確認した上で適切に対応してまいります。
 次に、第二阪和国道、和歌山北バイパスの新南海橋でございますが、現在、近畿地建と和歌山市が地元と協議を重ねながら用地買収を進めており、仮称「新南海橋」の予備設計は完了しております。ただ、前後取りつけ区間について、JRとの協議、右岸側の地元調整等の懸案事項が残されております。今後、和歌山市とともに懸案事項の解決に努力をするとともに、国に対して予算の増額、用地買収の促進、工事の早期着手を働きかけてまいります。
 当面の南海橋北詰め対策でございますが、南海橋北詰め付近の交通緩和対策として、和歌山市が建設省の占用許可を受けている園路を車道として一般開放することについては、以前、和歌山市が建設省に要望した中で、河川管理上制約があり非常に困難であると聞いております。しかし、緩和対策として現道を拡幅するため、和歌山市が建設省和歌山工事事務所及び地権者と調整を進めており、近く工事着手と聞いておりますので、今後とも関係機関に働きかけてまいります。
 当面の六十谷橋北詰め対策でございますが、ここは和歌山バイパスの開通によって交通量の減少は図られております。しかしながら、朝夕など交通停滞が発生をしておるところでございます。堤防上で地形的な制約が非常にあり、その対策が難しいところでありますが、建設省とも協議をして検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 商工労働部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 不況の長期化対策についてお答えをいたします。
 長期融資制度の新たな創設、返済期間の延長につきましては、先ほど鶴田議員のご質問でもお答えいたしましたように、県としても、長引く景気の低迷により、中小企業者にとっては売り上げの減少を来すという極めて厳しい状況を踏まえ、今年度新たに低利の緊急経営資金特別融資を創設し、実施しているところでございます。この制度が中小企業者の皆さんに活用され、この九月補正において融資枠の拡大も行い、資金需要にこたえているところでございます。
 また、融資制度の返済期間の延長につきましては、現行の制度にはございませんが、機会あるごとに国に対して要望し、今日に至っておりますけれども、引き続き根気強く要請してまいるとともに、今後とも県としても関係機関と十分検討してまいりたいと考えてございます。
○副議長(町田 亘君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 世界リゾート博における交通輸送対策についてのご質問にお答えいたします。
 リゾート博における交通輸送対策については、市内中心部の交通混雑緩和のため、世界リゾート博協会で策定した交通実施計画に基づいてその具体的な交通輸送計画を策定するため、国、鉄道、バス事業者等により世界リゾート博交通対策連絡協議会を設置し、現在検討を重ねているところでございます。
 概要を申し上げますと、主要駅である和歌山駅、和歌山市駅、海南駅から路線バスとシャトルバスによる輸送計画の策定を初め、市内中心部の交通総量を削減するため、会場内に四千台の駐車場を確保するとともに会場外にも駐車場を設置し、パーク・アンド・ライド方式によるシャトルバスを運行することとしております。
 また、警察本部において交通情報板や旅行時間計測装置を設置し、リゾート博関連道路の交通管理を行う総合交通管理システムの整備等、総合的な交通輸送対策を講ずることとしてございます。
 今後とも、鉄道、バス事業者、警察本部など関係機関のご協力をいただきながら交通輸送対策に万全を期してまいりたいと存じます。
 以上です。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 3番井出益弘君。
○井出益弘君 行政は法に従って働かねばならないのは、私も心得ているところであります。しかし、県民あっての県行政であることも基本であります。世界リゾート博を約半年後に控え、この長期不況のもとです。仮谷知事さんも大変でしょうが、不況は和歌山県だけではありません。こんなときにこそ、仮谷県政の他府県より一段とさえた頑張りと積極的な取り組みをお願いして、要望で終わります。
○副議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で井出益弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(町田 亘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十三分散会

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