平成5年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第五号 平成五年十月八日(金曜日)
  午前十時開議
  第一 議案第百十二号から議案第百三十四号まで、及び報第七号(質疑・委員会付託)
  第二 一般質問
  第三 請願付託
会議に付した事件
 一 議案第百十二号から議案第百三十四号まで、及び報第七号(質疑・委員会付託)
 二 一般質問
 三 請願付託
 四 休会決定の件
出 席 議 員(四十五人)
 1  番  小  川 武
 2  番  吉  井  和  視
 3  番  井  出  益  弘
 4  番  和  田  正  一
 5  番  町  田 亘
 6  番  尾  崎  吉  弘
 7  番  岡  本 保
 8  番  藁  科  義  清
 9  番  向  井 嘉久藏  
 10  番  佐  田  頴  一
 11  番  阪  部  菊  雄
 12  番  堀  本  隆  男
 13  番  平  越  孝  哉
 14  番  富  田 豊
 15  番  門  三佐博  
 16  番  西  本  長  弘
 17  番  高  瀬  勝  助
 18  番  上  野  哲  弘
 19  番 宇治田  栄  蔵
 20  番  尾  崎  要  二
 21  番  中  村  利  男
 22  番  木  下  義  夫
 23  番  山  本 一
 24  番  馬  頭  哲  弥
 25  番  鶴  田  至  弘
 26  番  飯  田  敬  文
 27  番  村  岡 キミ子  
 28  番  松  本  貞  次
 29  番  下  川  俊  樹
 30  番  石  田  真  敏
 31  番  宗 正  彦
 32  番  橋  本 進
 33  番  浜  田  真  輔
 34  番  冨  安  民  浩
 35  番 上野山  親  主
 36  番  中  村  裕  一
 37  番  和  田  正  人
 38  番  大  江  康  弘
 39  番  中  西  雄  幸
 40  番  木  下  秀  男
 42  番  森 正  樹
 43  番 野見山   海
 44  番  新  田  和  弘
 46  番  森  本  明  雄
 47  番  浜  口  矩  一
欠 席 議 員(一人)
 45  番  浜  本 収
 〔備 考〕
 41  番  欠  員
説明のため出席した者
 知 事 仮  谷  志  良
 副知事 西  口 勇
 出納長 梅  田  善  彦
 知事公室長 中  西  伸  雄
 総務部長  木  村  良  樹
 企画部長  佐  武  廸  生
 民生部長  南  出  紀  男
 保健環境部長  江  口  弘  久
 商工労働部長  吉  井  清  純
 農林水産部長  野  見  典  展
 土木部長  山  田 功
 企業局長  高  瀬  芳  彦
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
 岩  崎  正  夫
 教育長 西  川 時千代  
  以下教育次長
 公安委員会委員 山  階  清  弘
 警察本部長 西  川  徹  矢
  以下各部長
 人事委員会委員長
 水  谷  舜  介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員  天  谷  一  郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長職務代理者
 谷  口  庄  一
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長  梅  本  信  夫
 次  長  中  村 彰
 議事課長  中  西  俊  二
 議事課副課長  佐  竹  欣  司
 議事班長  松  谷  秋  男
 議事課主事 長  尾  照  雄
 議事課主事 松  本  浩  典
 総務課長  川  端  孝  治
 調査課長  岡  山  哲  夫
 (速記担当者)
 議事課主査 吉  川  欽  二
 議事課主査 鎌  田 繁
 議事課速記技師 中  尾  祐  一
 議事課速記技師 保  田  良  春
  ──────────────────
  午前十時三分開議
○議長(宗 正彦君) これより本日の会議を開きます。
○議長(宗 正彦君) この際、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から現金出納検査結果の報告がありましたので、報告いたします。
  ──────────────────
○議長(宗 正彦君) 日程第一、議案第百十二号から議案第百三十四号まで、並びに知事専決処分報告報第七号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 33番浜田真輔君。
  〔浜田真輔君、登壇〕(拍手)
○浜田真輔君 それでは通告に従って、順次、質問をさせていただきます。
 東西冷戦下における緊張から、世界がだれしも予想し得なかった東西ドイツの統合、そしてソビエト連邦の崩壊、その後、世界は今、新しい世界秩序をつくり出さなければならないときを迎えています。
 日本においては、PKO、PKF、ODA等の問題における、議論に見られるように、新世界秩序の中で経済超大国日本は世界平和、経済発展への貢献が期待されているところであります。私たち国民にとっても、文化、習慣を乗り越え、新しい世界すなわち国際社会を理解し学ぼうとすることが必要とされている今であります。
 そして我が県にとっては、大きく世界を見渡せば、県民が幅広く選択し利用できるものがまだまだあるはずだと私自身考えますし、また、私たちを含め、もちろん次の世代には、グローバルに物事を考え実行することが当たり前でなければいけない時代が必ずやってくるものだと思います。
 前段はこの程度とし、先日、八月三十日から九月十二日までの十四日間、私たち開政クラブ、大江康弘議員、上野山親主議員、中村裕一議員と私、そして議会事務局から川端総務課長に同行いただき、アメリカ合衆国フロリダ州を中心に視察をしてきたところであります。
 今回の視察の主たる目的は、二年前、二階俊博代議士が運輸政務次官当時、温暖な気候や半島に位置していること、かんきつの産地であること、そして観光に力を入れていることなど本県と共通点が多いということで、フロリダ州と友好姉妹都市提携をしてはという提案を受け、ちょうど昨年の秋になりますけれども、フロリダ州政府の国際貿易開発局というところのスーザン・アイダンソンさんという女性の局長さんが和歌山県を訪れていただいており、それを受けて、今回参加した議員が賛同をし、仮谷知事に協力を求め、知事の親書を携えてフロリダ州政府と相互理解のため話し合いをしてきたところであります。
 まず最初に、フロリダ州について若干ご説明をいたします。
 フロリダ州は、世界有数のリゾート地として知られていますが、特に温暖な気候とすばらしいビーチを持つことから、アメリカ北部から多くの避寒客を迎え、また比較的裕福な層が退職後住むところとして知られております。また、かんきつ類を中心として農業や漁業など第一次産業も盛んで、これらと観光産業がフロリダ州の経済を支えているところであります。一九七〇年代よりその気候や天然資源、労働力等が見直され、NASAの宇宙開発に伴う航空産業、エレクトロニクス、ハイテク産業、プラスチック、印刷、出版、運送機械、食品加工、化学、金融、通信、医療などの分野で急速な伸びを示しています。
 位置的にはアメリカ東南部のフロリダ半島に位置し、フロリダ・キーズ群島に位置するキー・ウエストは、アメリカ本土の最南端となっております。面積は九万四千二百七十キロ平方メートル、和歌山県の二十倍であります。州内には約一万個の湖と百六十六の河川があり、そして海岸線の延長は二千百六十キロメートル──これは和歌山県の約三・五倍であります。気候は、州のニックネーム「サンシャイン・ステート」の名のとおり、夏の平均気温は二十八度、冬は南部で二十度、北部で十二度であります。もちろん、積雪はありません。人口は約一千三百万人、全米第四位でありまして、人口の増加率は年三%。これは他州からの流入が大変多いためだと考えられるわけであります。
 産業は、その温暖な気候と恵まれた自然環境により観光産業が大変盛んで、観光収入は年間三百億ドルに上ると言われております。マイアミビーチやキー・ウエストなどは世界的に観光地として知られていますし、特に最近はこのフロリダ州内にあるオーランドという町にできたディズニーワールド、ユニバーサルスタジオが人気を集め、日本人観光客も急増しているところであります。
 また農業では、かんきつ類が中心でありまして、日本に輸入をしているグレープフルーツの九〇%はフロリダ産でありますし、また漁業は、長い海岸線を利用して大変盛んであり、豊富なシーフードは観光客を引きつける大きな魅力の一つとなっております。
 和歌山県との類似点としては、先ほども申し述べましたが、ともに半島に位置し、本州またアメリカの本土ともに最南端でありますし、気候は温暖で長い日照時間を誇り、農業も盛んで、特にかんきつ類がともに有名であることだろうと思います。漁業も盛んでありますし、また観光リゾート事業に力を入れており、それを経済発展の一つの柱と考えているということであります。そして、フロリダ州オーランドのMCAのユニバーサルスタジオ──今度和歌山マリーナシティの中に松下興産が建設するミニテーマパークは、このMCAの技術及びソフトのノウハウを活用して建てられるものでもあります。
 ただ最近は、よく報道で出ておりますけれども、外国人観光客をねらった殺人、強盗が大変多いということであります。この一年間で九人、ちょうど私たちがフロリダ州内に滞在をしているときも一件、マイアミでドイツ人観光客が殺害をされております。その結果、観光に与える影響が大きいということで、フロリダ州政府はその対策に躍起になっているところであります。ちなみに、「意外な出来事が待っている」──これはフロリダで中止された観光キャンペーンの宣伝文句であります。
 話は変わりますが、さて今回のフロリダ訪問の目的、州政府との会見でありますが、ロートン・チャイルズ州知事ご不在のため、州都タラハシーにて州政府の商務長官グレック・ファーマー氏、そして先ほどの、和歌山県にも来ていただいたことがあります国際貿易開発局長のスーザン・アイダンソン女史、国際交流委員会副委員長ジェイリー・ウィルソン──この国際交流委員会委員長というのは州知事が兼務をされているところであります──国際貿易開発局の貿易課長トム・ドラン氏とお会いをし、相互理解を前提に積極的に話し合ってきたところであります。
 フロリダ州政府としては大変日本に興味を持っており、私たちが思っていたより大変親日家であり、日本に対しての知識が豊富でありました。もちろん、経済的、産業的に相互に利益が上がればという考え方もあることは間違いありません。
 そしてその会見の中で、フロリダ州と本県との友好を前提とした姉妹都市の提携には「賛成する」という返事と、この国際交流委員会副委員長のウィルソン氏は面談の場にて姉妹提携するための文案を既に用意していたこともご報告します。仮谷知事にも、帰国後、その文案を手渡したところであります。
 その他、私たちは、フロリダ州オーランド内にあるユニバーサルスタジオ、ディズニーワールドの世界有数のテーマパーク、またケネディ宇宙センター、そして自然の雄大さを満喫できるワクラスプリングス──これはもう、見てきた人でしかこの雄大さはわからないので、私の言葉では言葉足らずでご説明できませんが──またセブンマイルブリッジで有名なキー・ウエスト、そして世界的に有名な避寒地であるマイアミと、時間の許す限り精力的に見て回ったわけでありますが、フロリダの観光というものは、温暖な気候を最大限に利用して、半島性という地域的なハンディを「アメリカ本土最南端」という点から中南米の玄関口として利用をしてきたところであります。そして、雄大な自然を守りながら、またその一方でより人工的なテーマパーク等を誘致し、観光産業に力を注いでおります。このユニバーサルスタジオの保有面積は約八百エーカー、ディズニーランドに至っては東京の山手線エリアの広さという広大な面積を持っております。しかし、これらの保有面積のすべてが開発されているのではなく、約三分の一から三分の二近くが自然を残すという条件のもとでこれらが誘致されているということであります。またその一方で、フロリダ州政府はテーマパークの誘致に際して土地や道路に税の優遇をし、また従業員に対しても優遇税制をとっているということも私たちも聞いてきました。
 また、先ほどご紹介をしたスーザン・アイダンソン女史が局長を務める国際貿易開発局は、企業誘致や企業活動を活性化するための投資の促進、輸出入等、広範囲な職務内容となっており、日本を含めて海外に八つの事務所を持っていることからも、企業誘致等の視野を全世界に向けていることが理解していただけると思います。
 これらのことから私は──ご承知のとおり、アメリカと日本では行政体系が大きく違い、もちろん州政府の主体によって税制を適用しておりますが、世界に向けて活動しなければならないというアメリカ・フロリダ州政府の積極性を強く感じたところであります。
 本県においても、フロリダが中南米の玄関口であるのと同様に、東南アジアの玄関口になれる可能性をぜひ追求していただき、海外に事務所を持てばということは申しませんけれども、世界に目を向ける積極性を持っていただければなと思います。そういった意味で、行財政において本県は主体性、独自性を持つことが早急に必要だと、私はこの訪問の中で強く感じたところであります。
 ここで、質問をさせていただきます。
 まず、本県の国際交流の基本的な考えについてお伺いをさせていただきます。本県にとって国際交流の位置づけ、そして国際交流が県益にどう結びつくものと考えているのか、またその必要性をお聞かせください。
 次に、関連いたしますが、姉妹都市友好提携を進めることで本県のメリット、またその影響はいかなるものかということをぜひ教えていただきたいと思います。
 私たちがフロリダを訪問中に、副知事がフランスのピレネーオリアンタル県に行かれて姉妹都市提携の正式調印をされたわけでありますけれども、このことがこれからの和歌山にどう役立っていくのか、また今後ピレネーオリアンタル県との友好を具体的にどう進めていくのか、お伺いしたいと思います。
 次に、今回のフロリダの場合、本県との姉妹都市を考えれば、アジアの山東省、またヨーロッパのピレネーオリアンタル県という位置づけを考えていけば大変興味のあるものだと私たちは思いますが、さきにお伺いした国際交流の意義を踏まえ、フロリダとの姉妹都市提携についてどう考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
 最後に、これは提案でありますけれども、フロリダ州内にあるマイアミは鹿児島市と姉妹都市を結んでいるのでありますが、このマイアミの市内に「カゴシマストリート」と名づけられた通りがあります。このことは姉妹都市の友好のあかしとして大変効果的なことだと私は感じましたが、この際、本県も道路、公共の建物等に姉妹都市の名前を使用したらどうかという点をひとつお聞きしておきたいと思います。
 次に、第二項目の質問に移らせていただきます。
 本日は一般質問の最終日でありますが、大勢の皆さんの議論の中心は、何といっても県勢浮揚についてであります。既に言い尽くされたことではありますけれども、浮揚策の第一は、やはり陸・海・空の交通網の整備にあると思います。
 多くのアンケートでは、我が県は他所に比べて道路整備がおくれているとよく指摘をされるわけでありますが、一口に道路と言っても、高速道路のような高規格のものから生活道路の市町村道まであり、使用目的によっては街路、農道、林道など、いろいろな種類の道路があります。そして、それぞれの道路が行政区画等により事業者と管理者が異なり、本来の目的が達成できにくい場合も多々あるわけです。さらに、山がちの我が県では用地買収が大変困難な上、工事費が高くつくといったことがより事情を複雑にしているわけであります。
 このような困難な状況にもかかわらず、道路建設は大勢の関係者の努力で着実に進んでおります。例えば、平成三年の県下の道路延長は、農林道を除くすべてで一万二千二百十二キロであり、本年度の道路建設は全体で一千百億円を軽く超えているところであります。一方、近年のモータリゼーションの進展により県下の自動車等の車両も飛躍的にふえているのであります。昭和五十八年の六十九万台が、今では倍増以上の百四十三万台になっております。
 しかし、残念ながら、それに伴って交通事故にも変化が見られています。昭和五十八年の県下の交通事故件数七千二百四十二件を一〇〇とすると、平成四年は六千六百六十一件と、一〇〇に対して九二と減少しているにもかかわらず、逆に死亡者は増加をしております。昭和五十八年の百七件、百十二人を一〇〇とすれば、昨年の平成四年は百十八件、百二十四人の一一〇・七といった数字になります。何もこれは本県特有のものではなくて全国的な傾向ではありますが、その理由は、道路事情がよくなってきたところに自動車の性能や自動二輪の増加等が考えられます。
 以上の死亡事故の中で特に注目されるのが、交差点事故であります。昭和五十八年の事故件数四千三百八十七件を一〇〇とすれば、昨年の平成四年は三千八百五十七件、八七・九と減少しているにもかかわらず、死亡者数は昭和五十八年の三十六人を一〇〇とすれば平成四年は五十七人、一五八・三という増加傾向にあります。これも道路事情がよくなってきたことも原因と考えられますが、新設道路の交差点などが死亡事故件数を押し上げてきたものだというふうにも考えられます。
 交差点事故を防ぐ有効な方法は、もちろんドライバー等の交通安全の意識を高めることに尽きるわけでありますが、私はやはり交通信号機の設置も有効な手段と考えるわけであります。ところが、交通信号機の設置状況はどうかというと、昭和五十九年の二十一基、七千三百万円から平成五年度は二十五基、一億五百万円余にしかなっていません。
 先ほど述べましたように、本年度の県下の道路の総事業費は一千百億円余であります。一方、信号機は一億円余ということになります。道路建設者と信号機設置者はもちろん違うわけでありますし、法律によって区分をされているわけでありますが、しかし、事業費がすべてとは申しませんけれども、これでは余りにも違い過ぎると痛感するところであります。
 ここで、お伺いをいたします。
 第一点は、道路建設等に伴い、交通安全対策上及び渋滞緩和を考え、信号設置について十分協議しているのか、土木部にお伺いをいたします。
 第二点は、道路延伸、自動車保有台数、交通安全対策等を考慮して交通信号機の予算に十分全体的な配慮をしているのかということを総務部にお伺いいたします。
 以上をもって、第一回目の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの浜田真輔君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜田議員にお答え申し上げます。
 アメリカのフロリダ州訪問についてのお話を承ったわけでございますが、その中で国際交流の基本的な考え方はどうかということでございます。
 最近、国際化というものが急速に進んでおりまして、特に本県の場合は、関西国際空港の開港により、いわば二十四時間世界に開かれた地域となるわけでございまして、ご指摘のとおり、グローバルに物事を考え実行することが当たり前という時代を目前にしているわけでございます。
 こうしたために、行政の立場からも積極的に国際交流を推進しなければならないと考えておりまして、世界リゾート博の開催などを契機として、より世界に開かれた和歌山県づくりをさらに推進することにより、本県のイメージを国際的レベルまで高め、また県民が異文化と触れ合って相互に理解を深めることによって新たなる地域文化を創出するなど、本県の全体的レベルアップが図れるものと考えておるところでございます。特に、本県人は昔から海外に雄飛した国際性、県民性を持っておるわけでございます。それだけに、国際化をなお一層進めてまいりたいと思っております。
 次に、フロリダ州との姉妹都市友好提携についてでございます。
 先ほど議員から紹介ありましたように、本県と多くの分野で共通のあるすばらしい州であると私も伺っておりまして、今後、本県がフロリダ州との交流を進めていくことは、中国山東省、またフランスのピレネーオリアンタル県との交流とともに、世界に開かれた和歌山県実現のための大きな役割を果たすものと考えております。
 話もございましたように、昨年の九月、フロリダ州政府のスーザン・アイダンソン国際貿易開発局長及び大澤雄一駐日代表が来日された際にも、私もお会いして親しく意見の交換を行ったところでございます。さらに先月、皆さんがフロリダ州を訪問されて州政府の幹部と親しく懇談されたことは、これからの両方の県・州の交流を推進する上で意義深いものがあったと思っております。また、去る十月五日には、日米経済懇談会のためロートン・チャイルズ・フロリダ州知事が来日された際、本県への友好の意を表していただいたとお聞きし、私もうれしく感じておるところでございます。今後、国際交流の意義を踏まえながらフロリダ州との交流に努めてまいりたいと考えております。
 それから、友好都市の名称使用の問題でございます。
 これは提案でございますので、アイデアとして十分研究させていただきたいと思っております。
○議長(宗 正彦君) 知事公室長中西伸雄君。
  〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 浜田議員にお答えいたします。
 アメリカ・フロリダ州訪問についてのうち、姉妹都市友好提携のメリットでございます。
 姉妹友好交流の促進は、和歌山県国際交流推進指針の中で、人づくり、環境づくりとともに国際交流事業の三本柱の一つとして推進しているものでございまして、海外の地域と友好関係を結ぶことにより、県民のいろんな立場にある方々に幅広く、また身近に交流活動にご参加いただける大きな機会をつくるものと考えております。
 また、全く異なった慣習、文化の人々と交流を深めることにより、自分たちの住む地域の文化や社会などの魅力を再認識し、郷土和歌山県への誇りを高めるとともに、外国との技術交流、貿易促進などにより本県の経済の活性化を図ることができると考えてございます。
 次に、ピレネーオリアンタル県との友好の今後についてでございますが、ピレネーオリアンタル県との交流については、来年開催する世界リゾート博にご協力をいただくほか、人的交流を初め、経済、観光、農業などとともに、特に同県が美術を中心とした芸術でも大変有名な地域であることから、文化面も含め、今後、県内各方面の意見を聞きながら幅広い分野で積極的な交流を行ってまいりたいと思ってございます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 交通信号機予算の伸びについてのご質問でございます。
 ご指摘のとおり、本県における道路関係予算については、ここ数年大幅な伸びを確保してきたところでありますが、信号機の整備関係予算についても、道路予算の伸びと軌を一にして毎年着実に予算を伸ばし、その整備を図ってきたところでございます。
 本県の道路整備が進展する中、ご質問の中にもあったように、道路の新設、改良等に伴う信号機等交通安全施設の整備は極めて重要であると考えており、設置に関係する警察本部と土木部との間で十分協議調整を図っていただく中で、毎年度の予算編成を通して適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 交通信号機設置についての協議に関してお答えをいたします。
 道路管理者は、道路新設、改良などにより新しく供用開始をする場合には、新設交差点においての将来予測される交通量、流動性及び形状等、総合的に勘案をして、信号機の設置が必要と予想される交差点につき、事前に公安委員会と協議をし、公安委員会にその設置をお願いいたしております。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 33番浜田真輔。
○浜田真輔君 それでは、第一点目は要望といたしますけれども、ピレネーオリアンタル県との友好姉妹都市提携についてでございます。
 これはまだ調印がなされたばかりで日が浅いわけでありますが、私の周りの人に「ピレネーオリアンタル県というのを知っているか」と聞けば、ほとんど知っている方はいらっしゃいません。フランスにあることもわからない、果たしてどこにあるかわからないというのも現実であります。
 そういった意味で、国際交流というのは、先ほどその意義の中で申し述べられておりましたけれども、とにかくすそ野を広くして、県民一人一人がそこと姉妹都市提携をしている兄弟関係というか、本当に友好なおつき合いをしているところなんだと、まず意識できる方策を考えてあげていただきたい。例えば、ホームステイといったことがよく言われますけれども、そういったホームステイや企業交流を行政が先頭に立って進めていくことが何よりも大切なことではないだろうかと重ねて思いました。ぜひそのことを実行していっていただいて、県民一人一人がそう意識できるようにしていただきたいなと思います。そしてその上で、重ねてお願いでありますけれども、また一方でフロリダ州との姉妹都市提携を進めていただきたいなというふうに感じます。
 私も英語ができる方ではありませんので、フロリダに行っている間、言葉で大変困りました。前に知事さんにも一度お聞きしたとき、私も余り英語ができないというようなご返事をいただいたように思いますが、相互理解をするには、やはり語学が大変大切だと思います。できれば、県の中の皆さんにも語学をもっともっと学んでいただく方策も考えていただきたい。
 サンフランシスコで日本人の少年が殺された話がありました。あれは単に「どうぞ」の意味の「プリーズ」と「そのまま動くな」の意味の「フリーズ」とを聞き間違えたゆえに射殺された事件で、皆さん知っていただいていると思いますが、ほんの少しの言葉の過ちで誤解が大きくなってしまうということがあろうかと思います。私たちが行っている間にも、「ハウ・アー・ユー」という「こんにちは」の意味のあいさつがありますが、それを日本語と勘違いして、「ハワイに行くのか」というふうに聞いた人もおりました。そういった意味で、本当に語学というのは一言一句ばかにできない部分があるかと思いますので、ぜひ語学ということも国際交流の一環として進めていっていただきたいなと、これは要望としておきます。
 第二点目の信号機の予算についてでありますけれども、道路を建設する方の土木部の皆さんは、一生懸命道路をつけようと──私たちも、道路をつけてくれということでたくさん要望を出します。一生懸命道路をつけることは結構でありますけれども、片方で、交通安全であるとか渋滞の緩和であるとか、そういったことをよく考えていただいて、警察当局の方と綿密に打ち合わせをしていただきたい。片方は信号をつけるだけ、片方は道路をつけるだけという、そんな意識はないかと思いますけれども、そういうふうに見られないような状況にしていただきたいなと思います。
 私は、その調整をいただくのが総務部の役目だと思っております。その予算の配分についても、それを十分考慮して、行司役といいますか、総務部がそれを果たしていただきたいなというふうに、重ねてお願いをしておきます。
 以上二点、もう要望といたします。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で浜田真輔君の質問が終了いたしました。
○議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 お許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 私の本日の一般質問は、四項目でございます。先輩の各議員の皆さん方は本当に本県の大きな立場に立ってのご質問でありまして、いい勉強をさせていただいたというふうに思っております。私は、まだ議員に当選させていただいて間のないものでありますから、身近な問題について質問をさせていただきます。
 まず初めに、名称の変更でございます。
 せんだって、新聞に目を通しておりますと「さきがけ補助制度」という活字が目に入りました。この制度は、先進的な事業や時代を先取りした考え方に対して補助を出すんだと、こういうふうに決められているようでございます。私は、この先進的な計画に補助を出すということについては非常に結構なことだと考えておりますが、中央政界の再編によりまして新党が結成されました。新党「さきがけ」でございます。
 以前にも、国の選挙の大きなスローガンにされておりました標語が、新党結成のために「明るい選挙」というふうなスローガンに変えられたことを記憶しております。この「さきがけ」という名称を使うことがいいか悪いかは皆さん方のご判断に任せるといたしましても、この名称を使うことによりまして、新聞を見ていてあれっと思う人は私一人ではないと思うのでございます。誤解を受けやすい名称であります。新党「さきがけ」からの特別な補助であるのかなと、こう思われる方も県民百八万人の皆さん方の中には大勢おられると私は思うのでございます。こういう名称は誤解を受けやすいということで、改称をされてはいかがでしょうか。
 また、ほかにもこれに類したことが県の条例の中にたくさんあると思われますので、全部のものを調べてこの際と申し上げるつもりはございませんが、その都度その都度、改称されていってはいかがでしょうか。まず第一点、名称の変更についてお伺いしたいと思うのでございます。
 続きまして、税の免除、軽減についてご質問申し上げます。
 景気の低迷によりまして、産業界の雇用人数が激減しております。厳しい就職戦線でございます。ましてや身体に障害を持つ方々の就職となりますと大変難しゅうございますし、また賃金等は、国の補助があると言いながらも、健常者の方々に比べて安く抑えられているのが実情でございます。このようなときこそ、自治体が本腰を入れて取り組まなければならない事業であると思うのでございます。税の優遇措置をとっていただきたいと考えるわけでございます。
 第一点は、所得税、特に一般障害者また特別障害者の控除枠の拡大であります。これは国の決める事柄でありますので、あえて県の皆さん方に実施していただきたいと申し上げるわけにはまいりませんが、国に対して強い働きかけをお願いしたいと思うのでございます。
 ちなみに、一般の障害者の場合、控除額は一人につき二十七万円、特別障害者の場合、一人につき三十五万円でございます。この額を拡大するよう、ひとつ和歌山県から声を上げて、お願いしていただきたいと思うのでございます。
 続いて、自動車税に係る障害者のための措置でございます。
 現在、自動車税の額は自治体によってある程度の自主性を持たれております。身体障害者に対する自動車税及び自動車取得税の免税の範囲について国から通達が参っておりますが、この通達はあくまでも自主目標でありまして、各自治体によってそれぞれ違うわけでございます。
 私が住んでいる橋本市は、ご存じのように大きな開発がされておりまして、もとの橋本市民といいますか、古くから住んでいる方の人口に、新しく他府県から転入された方々の人口が追いつこうとしております。その方々の中にはやはり身障の方もおられるわけでございまして、こういう話をされました。
 「私は、大阪に住んでいて、和泉ナンバーの車を持っていました。仕事のために指を二本ほど切断して、障害者手帳をいただいておりましたので、大阪では自動車取得税を免除されていました。橋本へ変わってきて、和歌山県人になったんやからということで、この際、車のナンバーも和歌山ナンバーに変えました。ところが、次の更新のときから課税された」、こういうことでございます。
 調べさせていただきますと、大阪府がこの自動車税に対して随意にとっておる施策というのは全国的にもトップでございまして、すべての身障者の方、身障手帳を持っている方には自動車の取得税を免除しますとなっておるわけでございます。和歌山県はおくれている、とは申し上げておりません。他県並みに課税をしておるわけでございますが、和歌山県というのはどうしても大阪府との接触が非常に強うございまして、和歌山県に転入してこられる方のほとんどは大阪からのものでございます。どうしても大阪との比較になるわけでございます。しかし、全国的に見ていきますと、特別な措置をとっているところというのは大阪だけではございません。北海道、青森、それから首都圏では千葉、東京、神奈川、北陸では富山、石川、中京では岐阜、愛知、近畿では京都、大阪、兵庫、四国で高知、九州で佐賀、こういった都道府県が特別な措置をとっておるのでございます。
 私は、和歌山県にこういう特別な措置をとってくださいと言うだけの勇気がございません。懐ぐあいをよくわかっておるからでございます。しかし、国に対してこういう特別な措置──というよりも、本来、税の公平負担というのが原則であろうと思うのでございます。そういう意味で、国に対して要望を繰り返し繰り返しお願い申し上げたいと思うのでございます。
 次に、文化・スポーツ施設について質問させていただきます。
 知事は文化・スポーツの振興に非常に熱心でありますし、学生時代には相撲をとっておったんや、現に日本のアマチュア相撲協会の会長やというふうにおっしゃっていただいておりまして、私たちスポーツを愛する者にとって非常に心強い知事さんをトップに迎えておるわけでございます。
 しかし、本県のスポーツレベルといったものを考えてみますときに、最近は非常に低くなっているのが実情でございます。私も長くスポーツに関係させていただいておりますが、最近レベルが非常に低くなって、またスポーツ人口が減ってきております。何が原因かなと考えたわけでございますが、あちこちの府県へ研修に見に行かせていただきますと、これやなというのがあります。和歌山県のスポーツ施設と他府県のスポーツ施設を見比べたときに、明らかに差があります。また、既存の施設の手入れ、整備についても非常におくれたところがあります。
 そこで、お伺いしたいのであります。
 第一点は、県立の文化・スポーツ施設の建設長期計画についてお伺いしたいのであります。まず、長期的なビジョンを示されたいと思うのでございます。次に、現在計画されているものもあれば紹介していただきたい。
 第二点でございますが、既存の施設の整備についてでございます。
 冒頭に申し上げましたとおり、非常に整備がおくれております。私、せんだって県民総体の開会式に出席させていただきましたが、芝なんかは非常によく刈り込まれておりますけれども、芝がない部分もたくさんございます。また、一番肝心な、目に見えないスタンドの下の方の清掃ももうひとつ行き届いてないんやないかなと。県民総体のメーンの会場でそうでありますから、ましてやそうでないところは考えただけでもわかります。また、帰りがけに紀三井寺の球場にも寄りましたが、県民総体の一つの競技として野球の試合が行われておりました。私は球場整備の方に伺ってまいりましたが、「予算がないんよ。わしら一生懸命やってるんやけどな。人手がないんよ」というのが、その方の偽らざる本音でありました。
 ここで、ひとつ整備に係る予算の増額措置を考えていただきたいと思うのでございます。また、老朽化した施設の若返り工事を早急にお願いしたいと思うわけでございます。
 私が住まわしていただいております橋本は、よく「東の玄関口」と言われます。本当に名実ともに東の玄関口にしていただくためにも、ひとつ橋本・伊都地方に文化・スポーツ施設の核として多目的ホール等の建設をお願いしたいと思うのでございます。紀の川筋には、県立の施設がございません。和歌山市内に参りますとたくさんあるのでございますが、残念ながら伊都・橋本地方にはございません。そこで、ひとつ建設をお願いしたいと思うのでございます。
 また、今、県立の大きな多目的ホールが和歌山市手平に建設されようとしております。座席数八千五百、建設費百億というふうに概略承っております。敷地の方の金額は聞いておりませんが、相当な額に上ると思うのでございます。私が橋本・伊都地方につくっていただきたいとお願い申し上げておりますホールの敷地は、橋本市の総合運動場の中に用意して待っております。一万坪の土地を用意して待たせていただいております。どうぞ、ひとつよろしくお願いしたいと思うのでございます。
 次に、交通施策体系についてでございます。
 「道路は文化を運ぶ」という言葉がございますが、現在も道路網の整備こそがその地域の発展をもたらすものでございます。特に道路網整備のおくれている紀の川筋、とりわけ橋本・伊都につきましてお伺いしたいと思うのでございます。
 第一点は、JR和歌山線のビジネス快速の運行についてでございます。
 相手がJRでございます。うんと言っていただくまでには、これから地道な長い運動を守り立てなければならんと思うのでございます。私がこの本会議に出席させていただくのにもJRを利用させていただいておりまして、四十五キロの距離を約一時間十分の時間をかけて和歌山に参るわけでございます。これを時速にならすと約四十キロでございまして、マラソンの選手が時速二十キロで走りますから、その倍のスピードということでございます。ひとつ、地道な長い運動を私たちも盛り上げてまいりたいと思うのでございますが、県当局におかれましてもJRに強い要望を出していただきたいと思うのでございます。
 今までに、このビジネス快速の運行、スピードアップについてJRと接触を持たれたことがあるのか、また、持っておらないということであればひとつ持っていただきまして、強い要望をお願いしたいと思うのであります。
 次に、京奈和自動車道、三百七十一号バイパスの早期開通に向けての取り組みについてお伺いしたいと思うのでございます。
 前にも橋本市選挙区選出の先輩議員から再三質問があったと聞いております。何回も同じこと聞くなと言われれば言いようもないことでございますが、しかし、この橋本・伊都地区にとりましては京奈和自動車道、特に橋本にとりましては三百七十一号バイパスが命綱でございます。
 そこで、質問したいのでございます。
 橋本市内で一部、まだ現場の説明がされていないところがございます。また、一部では用地の取得が始まっております。地区によって非常に差があるわけでございまして、基本的な考えがまとまっておるならば、早急に地域、現場への説明をお願いしたいと思うのでございます。
 第二点といたしまして、公図の確認、公図と現場との照合が要るということでございますが、現在の人数でやっていただいておりますと何十年かかるかわからんという仕事でございます。外部委託をしていただいているという話でもございますが、人数をふやすなりもっと外部委託をしていただくなりしまして、公図との照合を急いでいただきたいと思うのでございます。
 それからもう一点、一番大事なことでございますが、予算の獲得をお願いしたい。予算なくして何もできないのでございまして、どうぞひとつ予算の獲得に全力を傾注していただきたいと、お願い申し上げます。
 最後になりますが、橋本市内の清水─市脇架橋の早期実現についてお伺いいたしたいと思うのでございます。
 清水─市脇架橋の建設につきましては、地元で促進協議会が十年前に結成され、運動を展開しておるわけでございます。そのときの県サイドからのご説明では、河南県道の開通に合わせて一度考えてみたいというようなお話があったように私は記憶しておりますが、今、ご説明を受けておりますと、丹生川ダムの建設に、道路に向けてひとつ考えてみたいということで先送りになっておるようにも私には感じられるわけでございます。
 橋本市内では、橋本橋を五十三年にかけかえていただいております。これは台風のためにつぶれた橋をかけかえていただいたと私どもは理解を申し上げておるんですが、そうじゃないんや、新しい橋を最近かけたやないかというご理解のようであります。私どもは、台風で壊れた橋をかけかえていただいた、通れるようにしていただいたと、こういうふうな理解でございます。
 その橋は、もと伊都県事務所がございましたところからかかってございまして、昔は橋本の中心でございました。ところが最近、橋本の中心が西へ移動いたしました。現在の県事務所、警察署があるところへ移動しているわけでございまして、ここにひとつ清水─市脇架橋を建設していただきたいとお願い申し上げておるわけでございます。この橋をかけることにより河南地区と結ばれまして、橋本市が本当に東の玄関口としていよいよ発展できると確信するところでございます。
 橋本の清水─市脇架橋の建設の具体的な見通しはいつになるのか、また、おくれている理由は何なのかということをお伺いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
○議長(宗 正彦君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 向井議員にお答え申し上げます。
 文化とスポーツの問題について、県立文化・スポーツ施設の建設でございます。
 文化とスポーツを振興してその普及発展を図ることはこれからの県政にとって重要な課題であると考えておりまして、お尋ねの文化・スポーツ活動の拠点となる施設については、これまでも整備充実に努めてきたところでございます。ご承知のように、本年七月にきのくに志学館を開館したところであるし、また県立美術館、博物館も来年の三月完成を目指して現在建設中でございますし、また和歌山操駅跡地には文化・スポーツなど多目的利用のできる複合施設の建設を計画しているところでございます。
 一方、各地方においては、文化・スポーツ施設の整備については地元の市町村で主体的に取り組んでいただいておりまして、特に、現在、自治省でつくっておりますふるさとづくり事業、町づくり特別対策事業等を活用いたしまして、順次、施設が整備されてきているところでございます。
 文化・スポーツ施設に関する長期計画についてでございますけれども、文化関係においては文化振興ビジョン策定調査を実施しており、今後の振興方策を策定することにしてございます。またスポーツについては、二十一世紀を展望した本県のスポーツ振興方策について、現在、県スポーツ振興審議会に諮問して検討をいただいておるところでございます。
 なお、橋本・伊都地方の核となる文化・スポーツ施設については、ただいま向井議員から提案された場所において、十分地元においても調整を図っていただいて、これらの建設について私たちも十分検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○議長(宗 正彦君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 誤解を受けやすい紛らわしい補助金等の名称の変更に関するご質問でございます。
 さきがけ補助金制度については、質の高い地域づくりへの取り組みを支援するため、地域の活性化の先駆けとなる事業を実施しようとする市町村に対し予算の範囲内において補助金を交付するもので、平成二年度から実施している支援制度でございます。開始から四年を経過しており、既に市町村の間に定着した制度であるとの認識を持っておりますが、補助金の制度については常に時代に即応した見直しが必要と思っておりますので、名称等のあり方の問題も含め、適宜見直していきたいと思っております。
 また、今回調査した限りでは他に紛らわしい名称を有するものはございませんでしたが、名称等を考える場合は慎重に対応してまいりたいと考えております。
 次に、身体障害者の方に対する所得税控除の拡大についてのご質問でございます。
 ご指摘のように、身体障害者の方については税の所得控除制度の中に障害者控除制度がございまして、障害の程度が一級または二級である重度の障害者の方とそれ以外の障害者の方との間に控除額に差がございます。これは国の法令の規定に基づくものでございまして、国税に関することでもございますので、県としては国の動向を注意深く見守っていきたいと考えております。
 それから、同じく身体障害者の方に対する自動車税等の減免に関するご質問でございます。
 自動車税、自動車取得税の身体障害者等に対する減免については、日常生活を営む上で自動車が必要であるとの認識から現在実施されているところでございますが、減免に該当する身体障害者等の範囲については、ご指摘のとおり、国の通達に基づいて取り扱っているところでございます。
 例えば、上肢に障害を持つ方については、大阪府を含む幾つかの府県において国の通達を拡大して取り扱っていることは承知しているところでございますが、税負担の公平の観点から統一的な取り扱いが望ましいものと考えております。
 昨年度も国の通達がこの件に関しては改正され、減免の範囲が拡大されたところでもございます。本県としても、このような国の動きを見守りながら、さらにこのような範囲が拡大されるよう働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 文化・スポーツ施設の既存施設についてでございます。
 スポーツ振興のために、既設の紀三井寺公園の野球場あるいは陸上競技場、また秋葉山公園県民水泳場、県営相撲競技場等、各施設の維持補修や若返り工事というものも、従来から必要に応じて予算化に努めてきたところではございますが、今後もさらにその利用状況を見ながら、その整備に必要な予算確保と施設改善に努力をしてまいりたいと存じます。
 次に、京奈和自動車道、三百七十一号バイパスでございます。
 地元説明については、両路線とも字区ごとに区の三役あるいは地元対策委員、地権者の方々と順次説明会等を終えた後、境界立ち会い、幅ぐい設置、用地交渉という手順になるわけでございますが、京奈和自動車道については十六区のうち十四区、三百七十一号については八区のうち五区において三役への説明会を終え、一部既に用地交渉に入っているところもございます。
 一部、東家、小原田、市脇区は、この両路線の交差点に当たり、都市計画決定時に数多くの意見書が出されておりまして、これらの調整に時間を要し、説明会がおくれておるわけでございますが、整理でき次第、説明会を開催したいと聞いております。
 次に、公図の確認に関係して職員の増員ということでございます。
 職員の増員については、限られた人員の中で対応しているため、かねてから業務委託を行うなど事務量の軽減に努力をしているところでございますが、今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
 また予算の獲得については、議会並びに関係機関の皆様方のご協力を得ながら、国に働きかけをしてまいります。
 次に清水─市脇架橋でございますが、三百七十一号の道路改良としては、周辺の開発等により交通量も増加をし、府県境から市脇交差点までの改良が当面急務であろうということで、その推進に努力中でございます。
 また架橋については、議員お話しのとおり、橋本橋は昭和五十三年に二車線、両側歩道つきでかけかえをされたところでございます。今後、現在事業中の学文路バイパス等の進捗による交通状況も勘案の上、この橋についての調査を進めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) JR和歌山線についてのご質問にお答えいたします。
 JR和歌山線の快速の運行、スピードアップについては、かねてからJRに要望してまいってございます。JRにおいては、列車のダイヤ調整等により朝夕の通勤時間帯を中心に所要時間の短縮を図るなど、努力をしていただいているところでございますが、単線であるため、駅での列車の追い越しや行き違い施設の問題、さらには需要の見通しなど、多くの課題があると聞いてございます。
 今後とも、快速の運行などの輸送改善が図られるようJRに働きかけを続けてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 9番向井嘉久藏君。
○向井嘉久藏君 要望を申し上げたいと思います。
 知事から見通しの明るいお話をいただきまして、私たち地元の者にとりましては非常に今後の励みになるわけでございます。
 知事の言葉の中に「地元の調整を」とのお話がございましたが、橋本市につきましてはもろ手を挙げてお待ち申し上げておりまして、あと伊都郡の町村長さんにお願いに上がるだけでございますので、ご理解いただきました暁にはどうぞひとつよろしくお願いいたしたいと思うのでございます。
 それから、さきがけ補助制度について総務部長のご回答をいただきましたが、その中で、私は名称について申し上げておりまして、制度の中身についてまで言及はしておりませんので、ここではっきりさせていただきたいと思うのでございます。この制度については非常に結構な制度であると申し上げておりますので、はっきりさせていただきたいと思います。
 終わります。
○議長(宗 正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(宗 正彦君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時二十分休憩
  ──────────────────
  午後一時三分再開
○副議長(町田 亘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番木下秀男君。
  〔木下秀男君、登壇〕(拍手)
○木下秀男君 去る五日から始まりました一般質問も私が最後でございまして、トリということになります。ほとんど皆さん方が言い尽くされたと思いますが、私は、この議会に初当選して以来取り組んでまいりました件で是が非でも具体化したいという項目がございますので、その点をも申し上げまして結びにしたいと思います。
 冷夏と言われましたことしの異常な夏は、全国各地に大変な災害をもたらし、天明の飢饉以来の出来事だという人もあるほどであります。発生する台風はすべてと言ってよいほど日本の各地に上陸し、風水害を与えました。ご多分に漏れず、我が和歌山県も県下各地で被害を受けました。そんな中で、以下数点にわたって海と川について質問し、その対策をお伺いするものであります。
 まず煙樹海岸の浸食についてでありますが、これは自然破壊から環境を守るという意味から申し上げたいと思います。
 この件につきましては、昭和六十年九月定例議会へ美浜町住民千二十名の署名をもって請願したものでありまして、昭和六十一年二月議会で採択され、自来、何度となく陳情を繰り返し、国への働きかけをお願いした件でございます。
 ご承知のとおり、この海岸は、東洋一とも言われるほど海岸線が長く、防潮林も幅広く長く、風光明媚な地であり、県の自然公園に指定された地域でもあります。この防潮林も、松くい虫の被害を受け年間三百本も伐採することもありましたが、県農林水産部初め、地元美浜町の献身的な防除対策が実り、一応は食いとめて現在は育林補植事業等を進めているおかげで、昔の姿に戻りつつあります。
 反面、海岸線の浸食がひどく、特に日高川右岸に位置する美浜町浜ノ瀬地区の防潮護岸堤を洗い、和田、本ノ脇地区では県道を越波し、人家の庭先まで来ることたびたびであります。毎年の台風期には住民の不安が高く、対策をお願いし続けておりますが、自然との闘いと申しますか、決め手がないのか、そのままであります。
 昨年十月、建設省が調査結果を明らかにしたところによりますと、全国各地の浸食された海岸線は総延長約七百五十キロメートルにも及び、原因は、ほとんどは砂浜を形成する漂砂が港によって遮られたり、ダムや護岸工事で河川からの土砂が減ったりしたことによる人為的なものであるとしています。この調査は全国八十八カ所で調査されたそうでありますが、煙樹海岸はこの中に入っていたのかどうか、あったとすればその結果を、なかったとすればその入らなかった理由をお伺いいたします。
 次に、海岸事業所管の環境庁、農水省水産庁、運輸省、建設省の四省庁で、新たな面的方式による海岸整備推進調査を平成三年、四年と二カ年で行われました。この調査報告によりますと、「紀州灘に面する比較的安定したポケットビーチであるが、高波浪のときには堤防の被災や浸食が生じており、年平均〇・一メートルずつみぎわ線が後退している」、「高波による越波や堤防・護岸を防ぐため、波浪の静穏化を図る必要がある」、「海岸浸食を防止するために早急に海浜を安定する必要がある」、「沿岸漂砂よりも岸沖漂砂が卓越すると考えられることから、地形変化の移動限界水深以浅の漂砂を制御する必要がある」としています。そして総合評価では、「新たな面的防護方式に基づき、いずれの形式でも所要の消波効果を確保できる、貴重な煙樹ケ浜などの自然環境を保全することを目的とするため、景観に与える影響の少ない潜堤式──下に潜った堤防でございます──が有利である」とまとめてございます。
 以前、煙樹ケ浜沖へ大規模な海水プールを建設すると発表されたこともございました。私はその新聞記事を今も大切に保存し、今か今かと待ち望んでいるのでありますが、この調査結果で実現可能と思います。この点についての知事の所見と、細部については土木部長の答弁を求めます。
 次に、小規模河川対策についてであります。
 ことしの台風及び局地豪雨による県下の被害状況はつまびらかではありませんが、御坊土木事務所管内の災害を踏まえて、次の点についてお伺いいたします。
 まず日高の穀倉地帯の中心部にある西川でありますが、日高町、美浜町、御坊市湯川町の農業地帯であります。米作、施設園芸によるキュウリ、ナス、トマト、花卉等が主産物でありますが、この地帯は土地が低いために少量の降雨量でも冠水し、作物に被害を及ぼします。ことしも三回ほどありましたが、ちょうど満潮時と重なったときなど一日じゅう水はけが悪く、家屋浸水になりますし、支流の斉川、東裏川、和田川の両辺が冠水常襲地帯でございます。
 次に、切目川でございます。この水系も印南町の水田農業地帯でありますが、最近ではほとんど施設園芸に転作し、ビニールハウス内は豆類、花、野菜中心の周年供給体制に取り組んでおる地域であります。浸水、冠水による根腐れや病害虫の発生で、減産から全滅になることもたびたびであります。
 次に、南部川であります。支流の古川は南部町、南部川村の平地の穀倉地帯でありますが、この地域も水稲から梅園へと施設園芸に転作しつつあります。特にウスイエンドウの生産が急速にふえてまいりましたが、豆類は二度も浸水すると根粒が腐って全滅してしまうのであります。
 以上の三河川をとりあえず申し上げましたが、本問題は、いずれも下流の対策がおくれているからと思われます。これらの対策として、それぞれ改修事業が急務であります。これを推進するに当たっては、用地、農地の問題も起こってまいりますが、農林水産部も大いに関連しておりますので、土木部長と農林水産部長のご答弁をお願い申し上げます。
 次に、日高川口、煙樹海岸のごみ問題であります。
 この問題は今に始まったことではなく、上流から下流に水とともにごみの流れてくるのは自然の摂理であると理解はするものの、ことしの初夏からの異常気象で、台風、局地集中豪雨によるたび重なるごみ漂着は、漁業を生業とする御坊市塩屋町、美浜町の関係者に多大の被害を与えているのであります。
 ことしも既に三回、御坊土木事務所で撤去したのでありますが、その量は二千二百万立米、十一トンダンプ車で約二百台分の量であったとしております。流れてくるごみは山野の草木の古木や産業活動によってできるもの、生活用品廃棄物、電気製品、樹皮、草等々でありますが、昭和五十八年ごろから腐敗した樹葉が多くなり、これが特産であるシラスに混入すると、分離が不可能で商品価値が低下し、処分しなければならないことになるのであります。これらがすべての原因とは申しませんが、年々漁獲量が減少し、昭和六十二年と平成三年の水揚げ高を比較してみますと、美浜漁協では四百六十四トンから三百十六トンに、御坊市漁協では百十八トンから六十五トンにと、大変な減りようであります。このことについても再三対策を申し込んでいるが、一向にらちが明かないのが現状であります。今日までの取り組みと今後の対策についてお伺いいたします。
 次に、日高川の濁り対策であります。
 「何とかならないのか、日高川の濁り」、こんな言葉をことしほど聞いたことはありませんでした。異常の続いたことしの夏、清流と言える状態は三日程度で、長雨とダム放流で濁りっ放しでありました。六月十三日から九月十五日までの降雨状況を見ますと、降雨日は三十日、降雨量百ミリ以上の日が八日間を記録し、ダム放流は十回を数えております。これでは、濁るのは当然でありましょう。
 椿山ダム下流域には小・中学校合わせて十六校ございますが、プールのある学校は七校と少なく、夏休みの楽しみであります水泳や川遊びもできる状態ではありませんでした。夏の風物である日高川のアユ釣りも全く不漁で、入川者は少なく、漁協、おとり販売店、民宿等にもかなりの打撃を与えております。降雨はいかようにもできませんが、この濁りを少しでも少なくする対策を立てなければならないと思うのであります。
 私見でありますけれども、川岸や河川敷に土木工事、林道工事の排土が各所に投棄されているが、これは泥濁りの元凶であって、この指導と取り締まりをすべきであろうと思います。自然環境を守るという精神面からの運動を広めることも必要でありましょう。今、世界的に取り組み始めた環境保護と自然を取り戻すための土木部長のご所見をお伺いいたします。
 次に、福祉関係であります。
 私は機会あるごとに福祉問題の一件を取り上げてまいりましたが、このたびは、あかつき園の現状を申し上げて、ご配慮をいただきたいと思います。
 この施設は、法の規定に基づいて十八歳以上の知的障害者を入園させて保護するとともに、更生に必要な指導と訓練を行うために設置されたものであることは、ご承知のとおりであります。開園は一九七〇年、昭和四十五年十二月でありまして、建築から既に二十三年余を経ましたが、雨漏り、窓枠等の腐食、シロアリ被害等で傷みがひどく、開園当時の基準のために大変狭隘で、園生はもちろん、指導員の方々も大変困難いたしております。
 私は、この施設に近いことと、各催し事に都合の許す限り参加いたしますので、保護者の方々とも顔見知りとなり、いろいろと要望を受けたり相談を受けることも多々ございます。先日、園内の施設を見てまいりましたが、特に気づいた点を次に申し上げます。
 まず、会議室がございません。指導員お互いの打ち合わせや保護者との懇談室としてぜひ必要であるとのことであります。
 宿直室の改善でありますが、指導員の皆さん方は二十四時間勤務体制でありますので、寝るときだけでも独立したゲストハウス的なものが必要だと強く要望しておりました。
 厨房施設でございますが、現在の厨房施設は開園当時の定員百名のままで、定員百六十名分をつくる調理場としては非常に狭く、また仕上がり品を運ぶ運搬車が厨房内には入れず、調理量が多いため房内が異常高温となり、調理上問題があり、職員の健康上も非常によくないとのことであります。
 食堂は、一般棟が百名、重度棟が六十名の二カ所に分かれておりまして、さきに述べました調理室で百六十名分をつくり、約二百メートル離れた重度棟食堂へ六十名分の食事を一日三回運んでいるのが現状でございます。この改善をしなければならないと思います。
 次に、浴室であります。私も実際に入ってまいりましたが、浴槽は四、五人用でございます。介助を要する重度判定者が百二十四名おりまして、罹患者と分かれて入浴しているが、指導員の方は風呂へ入れるのが一番の重労働であると言われております。
 また、保護者用宿泊施設でありますが、園生の送迎、保護者会等に往来する日に、たとえ一夜でありましょうとも親子ともに一泊し肉親の情を交わすことのできる施設としてぜひ必要であると、このような意見も聞いてまいりました。
 ほかにまだまだ気づいた点もありますが、以上申し上げましたことを十分ご認識いただき、心の通った情のある福祉行政を進めていただきたいと思います。
 以上、申し上げましたことを踏まえ、調査検討の上、現敷地内での改築を急ぐべきであると思います。民生部長の答弁を求めます。
 次に、農業用廃ビニールの処理対策についてであります。
 この件につきましては、昭和六十二年九月定例会の一般質問で取り上げましてから、これで二回目でございます。その当時の論旨を要約いたしますと、最近の農業、特に施設園芸ではビニール製品を多く使い、本県の主産物にはほとんど使われている、不要となった廃棄物は排出者による自主的な処理が基本であるが、量が多くなると焼却処理や埋没処理も困難で大変厄介な代物であるから、県が中心になって県農協、県下単位農協、生産者組織等をまとめて処理施設を建設すべきではないかと申し上げましたところ、当時の農林部長は、回収方法やランニングコスト等、運営体制面における問題もあるので、今後、市町村、農業団体と連携を深めながら適正処理に向け検討を進めますとのご答弁をされております。あれから数年の歳月が経過いたしておりますが、この件いかが方向づけられたか、お伺いするものであります。
 また、ウルグアイ・ラウンド交渉も今年じゅうに結論を求められている中で、今夏の冷害による米の凶作問題とともに、国内の農業形態も大きくさま変わりするでありましょう。また、変わらなければこれからの農業は成り立っていかないと私考いたします。
 和歌山県は、関西国際空港と南紀白浜空港開港を県勢発展の起爆剤として、臨空農業の振興策を取り入れております。ちなみに、平成三年度の施設状況を見ますと、野菜四百三十八ヘクタール、花卉二百三十六ヘクタール、果樹百五十ヘクタール、合計八百二十四ヘクタールで、近畿管内では第一位、全国で第二十位となってございます。県農業振興策の中核を占める施設園芸は極めて重要と思いますが、今後の振興策と目標をお伺いするものであります。
 紀の川筋の桃、柿、ブドウ、有田川・日高川筋のミカン等、園芸振興による施設面積がふえればふえるほど、農業関連資材、中でも廃ビニール等、廃プラスチックフィルムの量もふえ、その処理が大きな難問であります。
 五、六年前までは、これらの廃棄物処理方法は化学的には立証できても、科学的にはその処理機械が開発されておりませんでしたが、現在は通産省の指導と助力を得て開発され、既に和歌山県に企業進出してきてございます。これら企業のノウハウを取り入れ、処理解決に取り組むべきと考えるものでありますが、農林水産部長の積極的なご答弁を求めるものであります。
 最後に、この農業用ビニールということについてごく簡単に申し上げ、皆さんにご認識いただき、今申し上げました廃ビ処理対策というものにお取り組みいただきたいと思いまして、申し上げます。
 このビニールはドイツで戦前に開発され、「イゲリット」という商標で販売されたのが始まりだそうであります。塩化ビニールと可塑剤と添加剤をブレンドしたものが今使っておりますビニールでありますが、この塩化ビニールの原料は苛性ソーダをつくる過程で発生する塩素ガスであります。この塩素ガスは非常に有害で、常温では猛毒なため、通常は金属ボンベに圧縮し液体保管されなくてはならないものであります。ドイツが第一次世界大戦で使用した毒ガスが塩素ガスであります。
 そして、塩化ビニールが使用済みとなって廃棄するとして、仮に焼却した場合、再び有毒ガスが発生いたします。フローで示しますと、この農業用に使った塩化ビニール、そして焼却、そして塩化水素ガスが発生いたします。この塩化水素ガスを取るために中和剤の苛性ソーダを添加いたします。そうしますと、わずかでございますが、残留塩化水素ガスが残ります。これらを集めるために電気集じん機というところを通過さすわけでございますが、この過程でダイオキシンというものが発生いたします。このダイオキシンが空気中に排出され、環境汚染のもとになるわけでございますが、この処理過程で発生するダイオキシンは、アメリカがベトナム戦争で使用した枯れ葉剤であります。このダイオキシンは、現時点では塩化ビニールを開発した会社でも完全な焼却処理技術が開発されていないのが現状でございます。
 以上で私の質問を終わりますが、最後に申し上げましたこのビニール処理は、ただ単に農家の廃棄物として処理するということだけではなしに、我々人間が住む社会において一番危険な品物であるということから申し上げました。県当局においてもこのことを十分ご認識いただいて、県挙げての処理対策にお取り組みいただくよう重ねてお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。
○副議長(町田 亘君) ただいまの木下秀男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 木下議員にお答えいたします。
 煙樹海岸の浸食についてでございますけれども、お話しのように、煙樹海岸は紀州灘に面しておりまして、約六キロに及ぶ弓状の美しい海岸でございます。外海に面している関係上、台風や季節風による高波災害の被害をこうむりやすいわけでございまして、海岸保全を進めなければならないところでございます。
 平成三年度から四年度に、国において新たな面的防護方式による海岸整備推進調査が行われておりまして、新型構造物による新しい海岸保全について画期的な検討が進められているところでございます。
 その実現についてはいろいろな課題が残されておりますが、海岸域の総合的な利用、自然環境や景観の保全上、十分配慮を加えつつ、今後、国の動向等を眺めながら、新しい形の海岸保全について検討を進めてまいりたいと思っております。
○副議長(町田 亘君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 まず煙樹海岸の浸食についてでございますが、美浜海岸の保全対策については、昭和五十六年度から海岸保全施設整備事業に着手し、現在、緩傾斜護岸の施工を継続実施しております。
 昭和六十一年二月の請願を受け、昭和六十二年度よりみぎわ線及び深浅測量調査を毎年実施しており、これまでの調査結果によれば、本ノ脇地区付近においては、平成元年までは堆積傾向、それ以降は浸食傾向にありますが、海岸全体ではおおむね安定をしております。
 建設省における調査は、全国の海岸について昭和五十三年と平成三年の地形図により浸食状況の比較を行ったものであり、浸食速度の著しいものとして美浜海岸はこの中には含まれておりません。
 国において平成三年度から四年度に新たな面的防護方式による海岸整備推進調査を行い、従来の構造物に比べ、厳しい自然条件に対しても広い静穏域を確保でき景観的にもすぐれた、新しい沖合制御構造物の研究開発が進められております。
 この調査においてモデル海岸として検討された美浜海岸では、新型構造物の適用により高波災害を抜本的に防止するとともに、有効な海域利用の可能性が提言をされておりますが、実施に向けてはなお課題が残されております。
 しかしながら、ことし八月の台風七号で越波による被害をこうむっております。当面の対策として、当該区間については消波ブロックを施工する予定としております。今後とも、海岸保全対策の推進に向け努力をしてまいります。
 次に、小規模河川対策でございます。
 西川の河川改修についてでございますが、当流域は低平地であることから浸水被害をこうむりやすく、抜本的な対策としては調整池、河川バイパス等、総合的な対策が必要であります。この地域では、現在、圃場整備計画の調査が進められており、これと整合のとれた治水計画を策定中であります。総合的な治水対策の実施については圃場整備計画の事業化が不可欠であり、地元関係者の協力のもとに関係部局と調整を図りながら取り組んでまいります。
 切目川の改修については、これまでに河口付近の河川バイパスの整備を完了しております。さらに、平成四年度より河口から上流羽六橋までの間六千五百メートルについて改修計画を策定中であります。今後、地元の協力を得て河川改修の実施に取り組んでまいりたいと思います。
 南部川支川の古川の改修については、河口よりJR橋梁間の整備を完了してございます。さらにJR橋梁上流部の改修に取り組むべく、当地域で現在調査中の圃場整備計画と整合のとれた改修計画を策定中であります。改修の早期着手のためには圃場整備計画の事業化が必要であり、関係部局と連携を図りながら実施に向けて取り組んでまいります。
 次に日高川河口のごみ問題でございますが、議員ご指摘のとおり、苦慮をしているところでございます。
 日高川上流の椿山ダムでは、貯水池内に流入した浮遊ごみについて、流木防止ネットでとどめ、除去をしております。河口部に打ち上げられたごみについては、昭和五十九年から県及び美浜町において撤去をしているところであります。今後とも、河口部でのごみ問題に対処するため、関係部局と協議連携をして、必要に応じて集積したごみの処理、掃海等を実施してまいります。
 日高川の濁り対策でございますが、本年は梅雨期の降雨が例年になく長期にわたり、日高川の濁りについても地元の状況を認識しておるところでございます。椿山ダムでは、洪水による濁水の長期化に対処するため、洪水後速やかに排出を行い、濁水の軽減に努めているところでございます。
 議員ご指摘の建設工事等に起因する濁水発生については、関係機関と十分協議をして、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 農林水産部長野見典展君。
  〔野見典展君、登壇〕
○農林水産部長(野見典展君) 木下秀男議員にお答えいたします。
 小規模河川対策についてのご質問のうち、農業関係についてでございます。
 西川流域及び南部川支川古川流域の農地の圃場整備についてでございますが、いずれも現在、国において事業化に向け調査が行われているところでございます。
 当地域の圃場整備については、河川改修と一体的に実施し、河川改修に必要な用地を圃場整備により創出することが最善と考えてございます。圃場整備の実施については、土地所有者はもちろんのこと、地域の全面的な協力が不可欠でございます。今後とも、関係者及び市町村の意向を踏まえ、国等とも調整を図りながら取り組んでまいります。
 次に、施設園芸の振興と農業用廃ビニール等の処理についてでございます。
 まず施設園芸の振興については、極めて重要であると考えてございまして、長期総合計画の中で、野菜、花卉、果樹の施設栽培面積を平成十二年までに二千四十ヘクタールを目標に取り組んでございます。今後とも、各種補助事業や制度資金の活用を図るとともに、新品種の育成や省エネ技術などの研究開発を進めながら、臨空農業の推進を初め、燦黒潮園芸産地の形成など、施設園芸を柱とした高収益農業の推進を図ってまいります。
 こうしたことから、施設園芸を推進する上で、農業用廃プラスチック処理については、その適正処理は重要な課題と考えてございます。このため、これまでも、農家に対する啓発を初め、他府県の実態調査や実験プラントの導入など、本県に合った処理方法を検討してきたところでございます。しかし、処理施設の設置については、管理運営主体や回収体制、採算性など難しい問題があり、具体化に至ってございません。現在、一部ではございますが、農協等で組織する県施設園芸協会が主体となり、民間処理業者に有償で回収委託を行っているところでございます。
 議員お話しの新たな処理機械の開発や国の補助事業創設などという背景も踏まえ、恒久的、安定的な適正処理を図るため、市町村、農協、関係業界が一体となって積極的に協議を進めるよう指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 木下秀男議員にお答えいたします。
 精神薄弱者更生施設・由良あかつき園の改築についてでございます。
 この施設は、県立施設として昭和四十五年十二月に開園、昭和五十二年に定員六十名の重度棟を増築整備し、現在、百六十名定員の施設となってございます。この間、昭和五十六年に体育館の建設、昭和五十八年に農業及び園芸作業場の整備、平成四年度には重度棟スプリンクラーの設置及び浴室用ボイラーの改修等を行いました。また本年度には、厨房の増築及び花卉栽培を行う最新式ガラスハウスの整備を行うこととしており、入所者の更生に必要な訓練設備の充実並びに処遇の改善に努めてきたところでございます。
 ただ、議員ご指摘のとおり、一般棟については建築後二十三年が経過し、また入所者の重度化も進んでいる状況の中、浴室等設備の改善が必要な点も生じていると存じますので、県としては、入所者の処遇や施設管理等に支障を来すことのないよう、改めて現状を調査し、運営を委託している県福祉事業団の意見も聞きながら、改築等について計画的に対処してまいります。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(町田 亘君) 再質問がございませんので、以上で木下秀男君の質問が終了いたしました。
○副議長(町田 亘君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○副議長(町田 亘君) 次に、議題となった全案件のうち、議案第百三十四号平成四年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○副議長(町田 亘君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○副議長(町田 亘君) 次に、お諮りいたします。十月十二日及び十三日は、各常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(町田 亘君) ご異議なしと認めます。よって、十月十二日及び十三日は休会とすることに決定いたしました。
○副議長(町田 亘君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
  〔職員朗読〕
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  総務委員会 第 一 委 員 会 室
  厚生委員会 第 二 委 員 会 室
  経済警察委員会  第 三 委 員 会 室
  農林水産委員会  第 四 委 員 会 室
  建設委員会 第 五 委 員 会 室
  文教委員会 第 六 委 員 会 室
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○副議長(町田 亘君) 次会は、十月十四日再開いたします。
○副議長(町田 亘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後一時四十七分散会

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