平成5年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(森 正樹議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成五年十月六日(水曜日)

  午後一時四分再開
○副議長(町田 亘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(町田 亘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番森 正樹君。
  〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 ただいま議長から発言を許されましたので、一般質問をいたしたいと存じます。
 初めに、関西国際空港に関する諸問題について申し上げます。
 泉州沖五キロの海上に威容を横たえる空港島ではターミナルビルを初めとする各施設が続々とその姿をあらわし、完成が間近であることを示しているところであり、関西国際空港の実現を願い続けてまいった私たちにとって、まさに期待に胸膨らむ思いがいたすきょうこのごろでございます。一方、関連事業の方も着々と進んでいるところでございまして、去る九月二十五日には近畿自動車道紀勢線が全線開通をしたことは、既に皆さんご承知のとおりでございます。
 このように関西国際空港が開港までほぼ一年を切り、最後の仕上げ段階に入った今、幾つかの重要なテーマについて県当局にその見解をお尋ねいたしたいと存じます。いずれも極めて重要な問題でございますので、当局の皆様の率直にして簡潔なご答弁をお願い申し上げる次第でございます。
 まず初めに、国内便の確保についてであります。
 この問題にかかわる関係者の皆さんのこれまでのご努力により、当初目標の一日七十便就航に向けて粘り強い交渉が進められた結果、ほぼ目標に近い数字が達成できそうだとの報道も一部にはございますが、一方ではまだまだ厳しい見方も伝えられておりまして、このことについて企画部長、あなたの優秀な情報収集能力によって現在つかんでおられる感触とめどについてご報告をいただきたいと思います。
 二つ目に、国内便の確保に向けて鋭意進めてこられたポートセールスについてであります。
 ポートセールスが国内便の確保に果たす一定の役割についてはこれまでるる申し述べてきたところであり、くどくは申し上げませんが、関西国際空港は我が国初の二十四時間運用の国際空港であり、しかも、JR阪和線と南海の二本の鉄道、リムジンバス、タクシー、シャトルボートなどの海上輸送機関等々、大阪空港とは比べものにならない多重アクセスが確保され、例えば鉄道で申し上げるならば大阪都心から三十分でターミナルまで到着できるなど、極めて利便性の高い空港でございます。しかしながら、この利便性の高さが十分認識されておりません。この認識不足の解消を図ることがポートセールスの大事な目的の一つであると申せましょう。
 そこで、既にこれまでに実施されたポートセールスの成果と今後のポートセールスの計画についてご報告を賜りたいと存じます。
 第二に、関西国際空港の開港時期についてであります。
 前議会でも質問をさせていただきましたけれども、一部報道によりますと、関西国際空港株式会社が建設中のターミナルビルの内装工事を前倒しで発注、工期の短縮を図ると伝えられておりました。これにより、乗り入れ航空会社各社もチェックインカウンターのオンラインシステムの配線工事や電算システム工事の着手を早めることとなり、当然のこととして、これらシステムの慣熟期間も繰り上げられることになるため、開港時期も早まるのではないかというのが報道の内容でございます。
 そこで、企画部長にお尋ねをいたします。
 当初言われていた九月下旬の開港が早まる可能性について、その感触はいかがでありましょうか。もし開港が早まれば世界リゾート博への好影響も考えられるわけでございます。加えて、発表のタイミング、めどについても、一体いつごろになると考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
 三つ目として、開港時期を決定する重要な要件といたしまして、主な施設の慣熟の問題がございます。開港後、スムーズな運営、安全な運営を行うため、事前に施設の運用になれ、事故を未然に防ぐ等、慣熟が必要な施設には主にどんなものがあり、それぞれの建設の進捗状況並びに慣熟に要する期間等々、把握しておられる点について企画部長の答弁を賜りたいと思います。
 三点目の項目、関西国際空港全体構想についてであります。
 全体構想の成否いかんが本県勢の浮上に大きな影響を及ぼすことはここで改めて私が申すまでもございませんが、第一点、現状において全体構想実現に向けての状況はどうなっているのか、第二点、アジア地域における関西国際空港の位置づけが全体構想の成否によってどのように変わるのか、第三点、関西国際空港は国の基幹空港であって、本来国の直轄事業として行うべきであるというのが私の持論でございますが、全体構想二期工事をその方式で進めることについてお答えをいただきたいと思います。第一点、第二点は企画部長、第三点は知事のご答弁をいただきたいと思います。
 この項目の最後に、HSCT──高速民間航空機についてお尋ねをいたしたいと思います。
 現在、欧米を中心としてHSCT開発研究が進められているところでございます。マッハ三ないしマッハ五という超音速で飛行し、日本とアメリカ西海岸を、マッハ数によりますけれども、約二時間から四時間で結ぶというものでありまして、これが実現すれば世界じゅうが日帰り圏となることが可能になるわけでございます。実現までにはまだまだ解決しなければならない技術的な問題等々、たくさんございますけれども、二十一世紀の極めて早い段階での開発が可能との報道もございます。
 そこで、将来の問題ではございますけれども、高い関心を持って見守る必要のあるHSCTについて、入手しておられる情報をお示しいただきたい。
 加えて、関西国際空港も含めて、関西圏にそのHSCT用の空港、すなわちスーパーハブ空港が立地する可能性はあるのかないのか、企画部長の率直なご意見をいただきたいと思います。
 次に、世界リゾート博に係る諸問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 県庁正庁玄関前広場に設置されている世界リゾート博残日計が二百八十三日と表示されております。開催まで一年を切った今、県民が集まるところで世界リゾート博の話題が出ないことはなく、県民の皆様も少なからぬ関心を持って見守っているのであります。
 そこで、私どもは本年四月、「『世界リゾート博覧会』に関する県民意識調査」を実施いたしました。何ゆえ、実施主体でもない、事業主体でもない我々がこのような意識調査を行ったか。それは、このイベントを契機に和歌山県勢の活性化が図られ、情報化社会へと向かう流れの中で本県が積極的な情報発信基地となり、また国際化社会への急速な進展に合わせて世界の国々、世界の人々に開かれた和歌山県へと脱皮するまたとないチャンスであり、県益の追求という観点から是が非でも成功させなければならない一大イベントでありまして、その成功の一助となればと考えたからにほかなりません。また、我々部外者が調査に当たることで客観性も保たれるということも、一つ考えとしてございます。
 この調査結果の報告書は、あらかじめ議長のお許しをいただいて先輩・同僚議員諸兄のお手元に、さらに知事初め各部局長のところにお届けをしておりますので、ごらんいただきたいと思います。
 この調査結果によって幾つかの興味深い県民の意識が探れたと私は思っておりますが、今回は、そのうち三点に絞ってご質問を申し上げたいと存じます。
 まず第一点は、県民の世界リゾート博への関心度についてであります。
 世界リゾート博の開催を知っているかとの問いに対し、八一・二%の人が「知っている」と回答しており、「聞いたことがある」を含めると、ほぼ九四%の人々が知っているという結果が出ました。ただし、例えば地域別では、開催地となるマリーナシティを抱える和歌山市で「知っている」、「聞いたことがある」がほぼ九五%であるのに対して、会場から離れるに従って低くなっていく傾向がはっきり出ております。
 私どもは、この集計の都合上、地域を四つに分けました。和歌山市は「和歌山」、紀の川筋を「紀ノ川」地域としてまとめております。それから、「中紀」ということで海南市、海草郡、有田市、有田郡、御坊市、日高郡を一つの地域としてまとめ、田辺市、西牟婁郡以南を「南紀」というふうに四つに分類をいたしておりますので、その点、ご承知おきください。
 それによりますと、中紀が九三・五%、紀ノ川が九一・一%、南紀が九〇・四%と、少しずつ低くなっているわけでございます。例えば「知っている」という項目だけに限りますと、和歌山が九〇%、中紀が八五・七%、紀ノ川が七四・七%、南紀が六八・二%となっております。
 さらには、積極的な関心度を探る意味で、世界リゾート博の会場となるマリーナシティを知っているかどうかを聞いたところ、「知っている」が六二・八%、「聞いたことがある」が一九・四%で、計八二・二%となり、少し低下いたしております。
 さらに、もう一段、積極的な関心を見る設問といたしまして、世界リゾート博のマスコットである「ワックン」を知っているかと聞いたところ、「知っている」は三三・二%、「聞いたことがある」は一三・六%で、両者合わせて四六・八%と、半数を割っていることが判明いたしました。すなわち、知識として世界リゾート博は知っているが、具体的なことや内容に立ち入ってくるとまだまだ認識は十分でないということがはっきり示されていると申せると思います。
 この三つの問いに対する回答結果から明らかに言えますことは、世界リゾート博に行こうという行動を起こさせるキーポイントとなる積極的関心度という点で、まだまだPR宣伝が不足であるということが指摘できるのではないかと思います。
 そこで、この問い一から問い三の結果について当局はいかがお考えになりますか、お聞かせをいただきたい。
 それから、今後最も重要な問題として、この世界リゾート博のPR宣伝をいかに効果的に行っていくかが問われることになりますけれども、自後のPR宣伝計画について、あわせてお示しをいただきたいと思います。
 三つ目に、世界リゾート博には海外からの誘客も積極的に図るべきであると思いますけれども、その一助、誘導策として、本県と姉妹友好関係にあるフランスのピレネーオリアンタル県、中国の山東省に対する働きかけはどうなっているのか。
 加えて、県下五十市町村中、海外諸都市と姉妹友好関係にある市町に対し同様の働きかけを要請するとともに、これら市町に対し、県としても協力、援助を行うべきであると思うが、どうか。さらには、海外各地の在外県人会等の団体へもアプローチをすることが必要であると思いますけれども、これらの点について知事公室長のご答弁をいただきたいと思います。
 二つ目の問題といたしまして、交通アクセスの問題がございます。
 この調査の第七設問で利用する交通機関を聞いたところ、マイカーが圧倒的に多く、六一・九%という数字になりました。既に指摘されているところではございますけれども、日常の朝夕のラッシュに世界リゾート博のピーク時が重なると大変な混雑が予想されるわけでございます。これらの対策について、またそのネックになるのはどの地点であるのか、お示しをいただきたいと思います。
 加えて、これらの対策として五億一千余万円の関連交通安全施設整備予算が当初で計上されてございますけれども、その内容等について企画部長にまとめて詳しくご説明をいただきたいと思います。
 三点目の問題といたしまして、今回の意識調査でボランティア活動への参加の意識を聞きました。それによりますと、実に一四・六%の人が、参加してもよい、参加したいという結果が出ております。世界リゾート博が百八万県民総参加のもとに行われるものであるという認識に私は立っておりますけれども、この数字を見る限り、まことに心強いものがございます。しかし、実際には仕事やさまざまな制約があって、そんなに簡単にボランティアに参加できるとは思いません。そのような点も勘案いたしまして、ボランティア人員の確保ができるかどうか、大変大事な問題でございます。県民の多数が参加の意欲を持っているわけですから、今後、当局はいかに県民に対し働きかけていくかがかぎになると思われます。ボランティアにどの程度依存するのか、またその募集計画はどうなっているのか、お示しをいただきたいと思います。これは民生部長になると思いますが、よろしくお願いします。
 もう一点、この意識調査とは直接関係ありませんけれども、世界リゾート博の計画の中で和歌山プラザというものがございます。紀伊国屋文左衛門の船を模した建物で、県産品等をここで販売するというものだそうでございますが、今、全国の主な観光地へ参りますと、観光コースの中に必ずと言っていいほど、その地域、その県等の物産を一堂に集めた物産館といったものが立地いたしております。本県は観光立県と言いながら、和歌山市を中心とした地域で考えますと、そのような施設はこれまでほとんどないと言っても過言ではないでしょう。世界リゾート博を契機に、この和歌山プラザの機能、施設を博覧会以降も適当な場所を選んで恒久的な施設として残していってはどうか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
 最後に、議会答弁用語についてお尋ねをいたします。
 ここに、「お役所の掟」と題する一冊の本がございます。昨年五月、月刊「Asahi」に「ぶっとびお役所生活考現学」という論文を掲載して大変な反響を巻き起こした、宮本政於さんという厚生省の現職幹部が書かれたものでございます。エール大学、ミネソタ州立大学、コーネル大学に籍を置き、その後、コーネル医科大学、ニューヨーク医科大学等で教鞭をとった人でございます。約十四年間に及ぶ外国生活をされ、徹底した欧米流の個人主義の筆者が厚生省の役人となり、その中で考えたこと、感じたこと、巻き起こしたさまざまトラブルや体験等々を交え、発表したものでございます。既に読まれた方も多いと思います。
 きょうはこの本の中身について議論することが目的ではございませんので、この程度にとどめておきますが、私がこの本に触れたのは、国会のことを語っているくだりを紹介したかったからでございます。
 すなわち、「国会答弁の『適切な言葉』」の項目に、このようにございます。例えば、「前向きに」は「遠い将来にはなんとかなるかもしれないという、やや明るい希望を相手に持たせる言い方」、「鋭意」は「明るい見通しはないが、自分の努力だけは印象づけたいときに使う」、「十分」は「時間をたっぷりかせぎたいということ」、「努める」は「結果的には責任を取らないこと」、「配慮する」は「机の上に積んでおく」、「検討する」は「検討するだけで実際にはなにもしないこと」──先ほどの午前中の答弁の中にもこの言葉がございました──「見守る」は「人にやらせて自分はなにもしないこと」、「お聞きする」は「聞くだけでなにもしないこと」、「慎重に」は「ほぼどうしようもないが、断りきれないとき使う。だが実際にはなにも行われないということ」というふうに解説がされております。もちろん、私はこの宮本さんという筆者と全く同じ考えではございませんが、議会答弁用語としてよく使われる言葉であります。いつごろからこのような言葉が使われるようになったか、私は寡聞にして存じ上げませんけれども、ある意味で都合のよい言葉であり、また一方で内容の伴わない空虚な言葉として使われる場合もあると言えます。
 ところで、本議会におけるこれらの言葉──議会答弁用語と申しますか、この使用状況について一年間の調査をいたしました。平成四年六月議会から本年二月議会までの一般質問に対する知事初め当局の皆さんの使用頻度は、次のとおりでございます。
 皆さんがご答弁の中で使われた言葉のうち、「検討します」、「取り組みます」、「対処します(善処します)」、「研究します」、「勉強します(考えています・思っています)」、「努めています」、「進めています」、「指導しています」、「所存であります」、「要請していきます」という項目についてピックアップをしてみました。そして、その結果、一番多かったのは「考えています・思っています」という項目です。これが全体の四四%、三百二十六回、二番目に多いのが、極端に下がって「取り組みます」で八十一回、一〇・九%、三番目に多いのが七十二回で九・七%の「努めている」、四番目が「検討します」で七十一回、九・六%、五番目が「進めている」で七十回、九・四%という結果になっております。
 全部を申し上げると時間がございませんので、うち、特徴的な部分を二、三申し上げますと、知事は平均的な使い方をされているように思います。非常に特徴的なのは総務部長でございまして──今ひな壇にお座りの総務部長ではございませんが──全体の実に七〇・七%を「考えています・思っています」と使われております。それから、企画部長と土木部長は平均的にいろんな言葉を使っておられまして、例えば企画部長は、一番多いのが「考えています・思っています」で三四・二%、次に「取り組みます」の一九%、三番目に「検討します」──「前向きに」とつく場合もございます──一三・九%、四番目に「努めています」の一一・四%、土木部長は、一番多いのがやはり「考えています・思っています」で三〇・二%、次に「進めています」が一八・一%、三番目に「検討します」が一四・七%、四番目に「取り組みます」が一三・八%というふうになっております。まだまだ申し上げたいのですけれども、例えばそういう傾向が出たわけでございます。
 これらの議会答弁用語につきまして、私は、すべてが意味のない無味乾燥な言葉だとは申しません。決してそういうふうに決めつけるつもりはございませんが、問題となった事柄のその後の経過などを見ていると、残念ながらその場限りの言葉だったというケースもあるわけでございます。
 そこで、お尋ねをいたしたいと思います。
 第一に、これら議会答弁用語についてどのように思っておられるのか、代表して総務部長にお答えをいただきたいと思います。
 第二に、これら無味乾燥な言葉の使用をやめて、できることは「できる」、できないことは「できない」と、イエス・ノーを明瞭に言う習慣をこの議会においても将来つくっていくべきであると思いますが、その点もあわせてお答えを賜りたい。
 以上申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(町田 亘君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 森議員にお答え申し上げます。
 関西空港の全体構想の実現のうち、関空は国の基幹事業ではないか、国の直轄事業としてやるべきではないかということでございます。
 現在、関空の第一期工事は、ご存じのように株式会社方式で行っておりまして、第二期以降の全体構想の事業主体については、ボーリング調査等の所要の調査の実施に合わせて、関西国際空港全体構想推進協議会において全体構想実現化方策の調査を進めることとしているわけでございます。この調査結果を踏まえまして、事業主体を含め、あらゆる角度から検討する必要があると存じております。
 いずれにいたしましても、まずボーリング調査を含む所要の調査費の確保ということが最初の最も必要な条件ではないかということで、来年度の調査費の予算獲得に向けて全力を傾注してまいりたいと思っておる次第でございます。
 他の問題は、部長から答弁いたします。
○副議長(町田 亘君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) まず、関西国際空港に関連するご質問にお答えいたします。
 関西国際空港の国内便確保の感触とめどについてでございます。
 国内便の路線配分につきましては、運輸省と各航空会社との間で、大阪国際空港との機能分担も含め、現在なお調整が行われているところであり、来年の早い時期には決定されるやに聞いてございます。
 なお、具体的な便数につきましては、関西国際空港株式会社が目標にしている一日七十便の完全確保は、昨今の航空不況から見て、開港当初には極めて厳しい状況でございます。国内便の路線決定に向けた調整が最終段階を迎えた時期でもございますので、県議会、経済界等、県内各界の皆様方のご協力をいただき、運輸省、航空会社へさらに強力に要望活動を行ってまいりたいと存じます。
 次に、ポートセールスの成果と今後の計画についてでございます。
 オール関西で本年二月に仮谷知事を団長に沖縄を訪問したのを初め、札幌、福岡、新潟、熊本を訪問しております。また先月には、一連の活動の締めくくりとして、運輸大臣を初め、各航空会社社長等に国内便確保を要請してまいりました。さらに、本県独自でも東北、九州へのポートセールス活動を実施したところであり、これら一連のポートセールス活動を通じて関西国際空港の利便性に対する理解が得られるなど、十分な手ごたえを感じているところでございます。
 次に、関西国際空港の開港の時期についてでございます。
 現在、旅客ターミナルビルを初め空港諸施設の建設が予定どおり着々と進められており、施設の完成後、施設の慣熟運転、関係職員の業務の習熟訓練等、種々の条件を勘案して、運輸省から来年九月開港と発表されたところでございます。県といたしましては、一日も早い開港をさらに強く働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、開港日の発表についてでございます。
 国際民間航空機関の規定に基づく各国政府への航空情報の提供や航空法の手続などによりまして、遅くとも開港の六カ月程度前までには公表されるものと聞いてございます。
 次に、関西国際空港の主要施設の建設状況と慣熟についてでございます。
 主な空港主要施設の建設状況につきましては、昨年十一月には管制塔、航空局庁舎が完成し、空港の基本施設である滑走路、誘導路については昨年八月に着工され、本年九月下旬には舗装工事がほぼ完成したところでありまして、本年十二月中には完成の予定でございます。このほか、平成六年六月に完成予定のターミナルビル等の空港主要施設などの建設工事が順調に進められております。
 慣熟に必要な期間についてでございます。
 関西国際空港には、他の空港に比べ、特に十分な慣熟の必要な施設がありまして、その中でも主な施設としては、手荷物をターミナルビルの荷さばき場へ搬送する手荷物処理システムに約三カ月、ターミナルビルとウイングの出発・到着ゲートとの移動手段である三両固定編成の無人自動運転システム・ウイングシャトルに二カ月間の慣熟期間が必要と聞いてございます。
 また、大阪国際空港から関西国際空港に移ることに伴う従業員等の習熟期間、その他各施設、各機器についての操作や運転等に携わる職員の慣熟訓練に三カ月程度の期間が必要であると聞いております。
 次に、関西国際空港の全体構想につきましては、関西の政・財・官界が一体となって組織した関西国際空港全体構想推進協議会を中心に取り組んでいるところでございます。
 全体構想を早期に実現するためには来年度予算にボーリング調査を含む所要の調査費を確保する必要があることから、本年の八月に来年度全体構想に関する調査費について地元負担することを合意し、国に対し強く要望を行ってきたところでございます。この結果、運輸省は、来年度予算概算要求に全体構想調査費といたしまして、地元負担を含む関西国際空港株式会社分としてボーリング調査等十億五百万円の調査費が、また国の直轄調査分として八千万円が要求されたところでございます。
 今後は、予算の確保に向けて、関西国際空港全体構想推進協議会を中心に積極的に要望活動等を行ってまいりたいと存じます。
 次に、アジアにおける位置づけについてでございます。
 現在、アジア諸国においては、ソウル、香港、バンコク等で壮大な新空港計画が進行中であり、シンガポール、台湾等では既存空港の拡張計画が図られる等、アジアのハブ空港を目指した空港整備が着々と進められているところでございます。
 ハブ空港になり得るためには、世界の主要都市とのネットワークの確立、空港を取り巻く背後地の経済力の強さ、文化施設等の国際交流機能の集積等が大変大事であろうと考えておりまして、関西国際空港はこれらの条件を満たす空港であると考えてございます。
 関西国際空港が真の国際ハブ空港となるためには、三本の滑走路を有する全体構想の早期実現が必要でございます。今後とも、全体構想の推進については関西の地元関係団体と協力し、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、HSCT(高速民間航空機)についてでございます。
 現在の航空旅客機はジャンボ、エアバスに代表されるジェット機が主流でございますが、将来の航空機開発の方向として、一つは航空機の旅客収容能力を高める方向、もう一つは航空機の速度を高める方向が検討されておりまして、前者としては、現在、スーパージャンボと呼ばれる五百人から八百人の搭乗が可能な航空機の開発計画がございます。
 議員お話しの高速民間航空機は後者に属し、現在、イギリスとフランスの共同開発によるコンコルドが実用化されておりますが、座席数が少ない、航続距離が短い、騒音が非常に大きい等の欠点があり、世界的に普及するまでには至ってございません。
 現在、速度マッハ二ないし五、座席数三百前後、航続距離約一万キロメートル程度の高速民間航空機が想定されております。仮にマッハ二程度の高速民間航空機が就航いたしますと、現在、所要時間約十二時間ないし十三時間のニューヨーク直行便が約二分の一に短縮されることになり、国際化がさらに進展することが期待されますが、開発に向けては、資金的な問題、環境の問題、技術的な問題等、解決しなければならない多くの課題があると聞いてございます。
 次に、高速民間航空機に対応する空港が、関西国際空港も含め、関西に立地する可能性の問題でございます。
 就航のためには五千メートル級の滑走路が必要であるとの話もございまして、航空機の開発と施設との関連については今後の研究成果を待たなければならないものと考えております。
 次に、世界リゾート博期間中の交通対策についてでございます。
 リゾート博協会の第二次交通実施計画においても自家用車の利用による入場者が主となると予測されておりまして、こうした入場予測や交通量調査の結果を踏まえ、市内中心部の交通総量を削減するため、パーク・アンド・ライド方式の導入や海上輸送の活用等について、国や鉄道、バス事業者を初めとする関係機関で構成する世界リゾート博交通対策連絡協議会において、現在、具体的な交通輸送計画を策定しているところでございます。
 次に、混雑のネックとなる地点、その対策についてでございます。
 世界リゾート博開催に伴って特に交通混雑が予想される地点は、市内の田中町交差点、紀三井寺交差点、和歌山インター等が挙げられます。これらの交通混雑を解消するため、田中町交差点については、宮街道に右折レーンを設けることにより、市駅小倉線を活用してJR和歌山駅等への日常交通の分散を図ることとしております。
 また、紀三井寺交差点につきましては、国体道路から紀三井寺医大用地に整備する場外駐車場へスムーズに運行するための右折レーンの延長、和歌山インターについては料金所を海南東インターに移設することによりスムーズな運行を図ることとしております。
 そのほか、毛見一号へのアクセスである立体車道橋の建設、主要交差点におけるレーンの新設等、ハード面の整備を図るとともに、ソフト面においても、総合交通管理システムの運用等、混雑を解消するための最善の方策を進めているところでございます。
 次に、総合交通管理システムにつきましては、世界リゾート博に向け、平成四年度から整備に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、交通の安全と円滑化を図り、良好な交通環境を整備するため、警察本部においては、旅行時間計測装置五基、交通情報板七基、監視用テレビ五基、駐車誘導装置一式及び高度化された交通信号機を整備し、道路管理者が設置する道路情報板十五基を含め、交通管制センターにおいてこれらを集中運用し、リゾート博関連道路の交通管理を総合的に行うこととしてございます。
 なお、これらの施設の主な設置場所は、旅行時間計測装置は和歌山インター、海南インター、田中町交差点ほか二カ所に、交通情報板については田中町地下道東側、西汀丁、紀三井寺交差点ほか四カ所に、監視用テレビについては紀三井寺交差点、布引交差点、マリーナシティ内ほか二カ所に設置するとともに、駐車場誘導装置についてはリゾート博会場と交通管制センター間を接続することとしております。
 これらの装置を活用して、交通渋滞状況や迂回路、会場までの旅行時間、駐車場の満空状況をドライバーに提供することとしてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 知事公室長中西伸雄君。
  〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 世界リゾート博につきまして、森議員にお答えをいたします。
 世界リゾート博県民意識調査をしていただいたその結果から、博覧会への関心度に対する考え方と今後のPR宣伝計画についてでございます。
 博覧会の開幕を約一年後に控えた時点で県民の方々がこの博覧会に対してどれほど関心を持ち、またどのように考えておられるかを知ることは私どもにとって大変意義のあることでございまして、この調査を実施していただいたことに対して感謝を申し上げる次第でございます。
 お話がございましたように、四月の時点では博覧会に対する周知度が、「聞いたことがある」を含め約九四%に上っていることは、これまで実施してまいった既存のイベントへの世界リゾート博の冠づけや節目イベントの実施、さらには県内約二百カ所へのキャンペーンやポスター、パンフレット、リーフレットの配布など、博覧会の周知や関心に重点を置いたPRの効果があらわれてございます。しかしながら、ご指摘の内容あるいは積極的関心度という面では、当時、本年四月ごろにはまだ十分とは言えなかったのも事実でございます。
 私どもといたしましては、博覧会への注目や誘導を図るため、本年五月以降の前売り入場券の発売に合わせたPRや、また七月から県下全域でのリレーイベントの実施による県民総参加の機運の盛り上げを図ってきたところでございます。
 今後は、会場計画の中身が固まりつつある中で、企業、団体等のパビリオンや各施設の具体的な内容についても随時明らかにしてまいるとともに、京阪神を中心に県外にも重点を移し、テレビ、ラジオ、新聞等、マスメディアを活用することはもちろん、大阪等におけるPRイベント、ポスターの車内づり、駅張りあるいは看板等、関係部局とも連携を図りながら幅広く広報宣伝を行ってまいります。
 次に、世界リゾート博への海外からの参加についてでございます。
 和歌山県の海外友好提携先や県内各市町の海外友好姉妹提携先及び海外の和歌山県人会に対して、それぞれ働きかけを行っているところでございます。
 まず、県の海外友好提携先である中国山東省及びフランスのピレネーオリアンタル県につきましては、現在、この両省県に対してリゾート博への参加を要請しておりまして、ともに一応の了解を得ているところでございます。
 また、県内各市町の海外友好姉妹提携先についてでございますが、平成五年十月現在、県内の五市四町が海外の十七団体と友好姉妹提携を行っております。県といたしましては、この五市四町に対して海外の提携先団体に世界リゾート博への参加依頼を行っていただけるよう要請しているところであり、これを受けて各市町では個別に折衝を行っていただいております。これまでのところ、かなりの数の団体から前向きの回答を得ているところでございます。
 さらに、海外に所在する和歌山県人会に対しましても、世界リゾート博に関する積極的な広報を行っております。幾つかの県人会からは、この機会を利用して、博覧会を見学するとともに里帰りを果たしたいとの計画があるという連絡も受けてございます。
 各団体からの参加の形態や規模については、現在のところ、まだ確定しておりませんけれども、今後、経費や日程の調整などの問題点を解決すべく、関係機関と協議しながら引き続き努力してまいります。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 世界リゾート博関係のご質問のうち、ボランティア関係についてお答えをさせていただきます。
 リゾート博におけるボランティア参加の基本的な考え方につきましては、ボランティアは、その性格上、活動していただける業務がおのずから補完的な分野に限定されるところでありますが、真心と心の触れ合いをよりどころとするボランティアの特色を生かし、博覧会を側面からご協力していただきたいと考えております。
 また、ボランティアに参加される皆さん方には、リゾート博が終わった後においても引き続き地域でボランティア活動を続けられ、地域福祉の担い手として活躍されるようご期待をするところでございます。
 次にボランティアの計画についてでございますが、本年十二月から一般公募を行うとともに、団体や企業など各方面にわたり、「県民の友」や市町村広報紙などを通じてご参加を呼びかけることといたしております。
 活動内容につきましては、ベビーカーや車いすなどの貸出業務、環境美化、障害者等の介助、さらに手話通訳や外国語通訳などをお願いし、活動していただく日数は、会期中五日以上、五百人程度の方々の参加を計画しております。
 いずれにいたしましても、県民の皆さん方の積極的なご参加、ご協力を要請してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(町田 亘君) 商工労働部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 和歌山プラザに関連いたしまして、物産館についてお答えをいたしたいと思います。
 議員ご提言の物産館についてでございますが、県においては、観光振興や地場産業振興の観点から、各地域のそれぞれ特色ある産品を提供する施設の整備充実を促進してきたところでございます。
 和歌山市及びその周辺には、和歌山県物産観光センターや地場産業振興センター、紀州漆器伝統産業会館等がございます。さらに、観光振興施設の一環として、幹線道路沿いに観光情報を提供できる物産販売施設である紀の国新王子の整備を進めるとともに、山村振興等の施策による物産販売施設など、その整備、活用を図っているところでございます。
 これらの物産販売施設は、観光情報の提供や地域経済の活性化を図る上で重要な施設であろうと認識をいたしてございます。
 議員ご提言の施設につきましては、和歌山プラザの移築はその構造上不可能であることから、今後、観光関連・地場産品業界など関係各方面の意向や地域の動向を踏まえ、恒久館として現在建設されている和歌山館の一部の活用をも含め、総合的に検討してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(町田 亘君) 総務部長木村良樹君。
  〔木村良樹君、登壇〕
○総務部長(木村良樹君) 議会答弁用語についてのご質問でございます。
 議会における答弁につきましては、県政の方針や具体的な諸施策について広く県民にご説明し、ご理解をいただくための何よりの機会であるとの考えから、これまでもその意図するところを正確にお伝えするために、表現についても細心の注意を払って誠実に答弁してまいってきたところでございます。
 そのような表現の中で、議員ご指摘のように、かえって意図するところが十分伝わらなかったものがあったとすれば、我々としても自戒していかなければならないというふうに考えておりますが、ただ、各議員からのさまざまなご質問の中には、正確な答弁を期そうとすれば、その前提として、これまでの経緯、背景等について十分調査検討が必要なものや、その問題を取り巻く諸情勢の今後の推移を十分見きわめることが必要なもの等があることはご理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、議会答弁に際しては、議員ご指摘の趣旨を踏まえ、できる限り明瞭な表現をするよう検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(町田 亘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 42番森 正樹君。
○森 正樹君 それでは、再質問に入りたいと思います。
 まず初めに、関西国際空港に係る諸問題でございます。
 私たち地元の熱意とは裏腹に、この数年の運輸省等国側の姿勢というのは非常に腰が重いと申しますか、決して前向きとは言えない部分があったと私は認識をいたしております。その腰が重い理由としてよく使われる言葉に「採算性」というのがございます。何度も聞かされた記憶がございます。しかし、これはおかしいんではないか。関西国際空港は国の基幹空港であります。第一種空港であって、東京と並ぶ二極構造の中で、世界へ向かった我が国の表玄関になる空港であります。国の根幹にかかわる事業であるのに、何ゆえ採算性であるのか。そうではなくて、この関西国際空港は国の基幹事業ですから、採算性は度外視してでも、何としてでもやらなければならないんだ、実現しなければならないんだということで、大阪空港の反省から生まれてきた事業でございます。そういう意味で、この関西国際空港の全体構想の実現については、採算性とかといった低い次元で検討される問題ではなくて、二十一世紀を見据えた我が国の国益というもの、関西経済圏の圏益というものを踏まえた上で何としても実現しなければならない事業であると、そのように私は強く申し上げたいと思います。
 そういう意味で、今後、全体構想の第二期工事は国の責任においてやるべきである。空港整備法の第三条の一項には、「第一種空港は、運輸大臣が設置し、及び管理する」とあります。これが当たり前であります。ところが第二項で、後々加えられた項目の中に、「前項の規定にかかわらず、新東京国際空港は新東京国際空港公団が、関西国際空港は関西国際空港株式会社がそれぞれ設置し、及び管理する」となっておりますが、この二項は削るべきである、そのように申し上げておきたいと思います。これは要望でございます。
 次に、国内便の大幅確保とポートセールスについてでありますけれども、これまで関西国際空港に国内便がなかなか確保しにくい理由としていろいろ挙げられました。一つは、ご承知のとおり大阪空港の存続という問題です。これは今さら何をか言わんやでございますけれども、それが第一点。二つ目に、着陸料等のコスト高が言われております。三つ目に、航空不況──需要が思うほど伸びていないという点がよく言われます。それから飛行ルート等の関係で、例えば東京便は現在の大阪空港に比べると飛行時間がややかかるということが言われております。もう一つは、都心から遠く離れて非常に利便性が悪い空港だという認識がございます。これらの五つが主なものだと私は思っておりますけれども、これはそれぞれ反論ができるわけであります。
 大阪空港の存続については今まで何遍も申し上げましたし、もう申し上げません。
 着陸料のコスト高と言いますけれども、あの大阪空港の場合は、第一次から第五次の空港訴訟で多額の補償費が払われております。例えば、現在でも一日一万一千五百円の補償費が払われたり、あの周辺整備機構──これは福岡空港と大阪国際空港の二つです──の中で過去に数千億円と言われる移転補償とか校舎の二重防音やクーラー等、いろんな余分なお金がいっぱい使われているわけです。それを考えるとあちらの方がよほどコスト高であって、我が国初の二十四時間運用の国際空港であるこの関西国際空港は、相対的に言って決してコスト高と言えないと思います。
 それから航空不況は、最近の世界的な不況の中で確かに伸び悩んでいる部分もありますけれども、しかしながら、先ほど申し上げたように関西国際空港というのは我が国の二十一世紀を担う空の玄関としてぜひとも必要な空港であって、ここ数年の航空需要の伸びが悪いからといって二期工事がペンディングされるべきではないと思います。そういう意味で、この点も否定できるのではないか。
 それから飛行ルートの問題もおいておきまして、もう一つ、都心から遠く離れて利便性が低いという言われ方をよくされるわけですが、これは非常におかしい。例えば、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、関西国際空港と大阪空港を比較すると、関西国際空港は二十四時間運用であるのに対して大阪空港は、ご承知のとおり夜九時から翌朝七時までが閉鎖になります。騒音の関係で離着陸ができない。
 それから広さに関しては、五百十一ヘクタール対三百十七ヘクタール、甲子園で当てはめると百二十八倍対八十倍ということで、関西国際空港の方が非常に広いわけでございます。そういう意味で、当然ターミナル等も広々と取れるわけであります。ご承知のとおり、大阪空港というのは非常に狭くて不便な空港でありまして、ターミナルのあの混雑度というのは、発着便数の多いときなどはもう座る場所もないし、足の踏み場もないような、まさに立っているのもつらいような、そんな世界一貧弱な国際空港であります。
 それから滑走路も、大阪空港が三千メーターに対して関空は三千五百メーター確保されます。騒音問題も、大阪空港に比べるとはるかに問題がないわけであります。
 さらには、もう一つ交通アクセスに関して言うと、大阪空港は、現在、阪神高速という専用道路が一つありますが、ご了承のとおり建設してから大変時間がたっており、補修工事が日常茶飯事でございます。しかも、事故も非常に多い。一たん工事や事故があると、難波から一時間以上かかったということが再三あるわけです。決して利便性が高い空港ではないわけです。それに対して関西国際空港は、鉄道が二本、高速道路が二本入りますし、さらには神戸や大阪、淡路島、徳島から海上アクセスも確保されているわけであります。そうした意味で、非常に利便性の高い空港であると言えると思います。
 今までも努力いただきましたが、今後もポートセールスの中で、関西国際空港は非常に利便性の高い、将来のある空港なんだということを日本じゅうの自治体や地方空港、航空会社等へ訴え、熱意を持って働きかけていっていただきたい、そのように要望しておきます。
 それから、HSCT(ハイ・スピード・シビル・トランスポート)。これは将来の問題ではありますけれども、我が関西あるいは和歌山県にとって非常に重要な問題ですので触れました。
 ちょっと申し上げます。今、全国にHSCT用の空港候補地が九つあると言われておりますけれども、そのうちの一つが関西でございます。関西は、一応、関西国際空港を拡張するという基本に立って考えられているらしいと聞いておりますけれども、そうなってくると、いわゆるスーパーハブ空港である関西国際空港にHSCTが就航するに当たり、第二国土軸がそのアクセス道路として浮かび上がってくるわけでございます。そういう意味で、早くから知事は紀淡連絡道路、第二国土軸を提唱されておりますし、我々も百八万県民を挙げてこの運動を推進しているわけですから、これが非常に生きてくるわけでございます。
 そうした意味で二十一世紀の早い時期──ある研究所の研究によると二〇一〇年には開発可能ではないかと言っておりますが、このHSCT用の空港についても我々は重大な関心を持ってこれからも見守っていかなければならない、そのように申し上げておきたいと思います。これも要望でございます。
 それからリゾート博については、これからの二百八十三日間はPR宣伝が最重要課題だろうと思います。どれだけたくさんの人にこのリゾート博に来ていただけるかというのがかぎでございます。もちろん中身も問題ですけれども、一人でも多くの人に来ていただけるために、これから開催までの事前のPR宣伝に最も力を入れて取り組んでいただきたいということを要望としてお願いしておきます。
 最後に議会答弁用語でございますが、「検討する」ということで総務部長の答弁は締めくくられました。私がこれを申し上げた一つの目的としては、今、県議会のみならず政治の世界で政治改革とかいろんな問題が言われておって、その中でいつも言われることに議会の虚礼廃止というものがあります。私は、個人的な意見ではございますけれども、そうした言葉を使ってお茶を濁すのではなくて──すべてがそうだとは申し上げませんが、中にはそういうものも実際にあるわけです──本音で議論をすると。
 そういう意味で、例えば委員会等は円卓方式で各委員と当局が同じテーブルに着いて自由に意見を交わすように改めていくとか、あるいは議員バッジを廃止する、議員に対する「先生」呼ばわりをやめていくとか、そういった手のつけられるところからやっていくべきではないか、そして本当の意味での県民に期待され信頼される県政を確立していく必要があるという観点から申し上げたわけでございます。ひとつ今後よろしくお願いしたいと思います。
 すべて要望でございます。ご清聴ありがとうございます。
○副議長(町田 亘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(町田 亘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時七分散会

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