平成5年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(和田正人議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

平成五年七月九日(金曜日)

  午前十時三分開議
○議長(馬頭哲弥君) これより本日の会議を開きます。
○議長(馬頭哲弥君) この際、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から現金出納検査結果の報告がありましたので、報告いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 次に、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
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  財第83号  
 平成5年7月9日
 和歌山県議会議長  馬 頭 哲 弥 殿
  和歌山県知事  仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成5年6月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 議案第100号  和歌山県公安委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第101号  和歌山県人事委員会の委員の選任につき同意を求めるについて
 議案第102号  和歌山県収用委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第103号  和歌山県収用委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第104号  和歌山県収用委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第105号  和歌山県収用委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第106号  和歌山県収用委員会の委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第107号  和歌山県収用委員会の予備委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第108号  和歌山県収用委員会の予備委員の任命につき同意を求めるについて
 議案第109号  平成5年度和歌山県一般会計補正予算
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○議長(馬頭哲弥君) 日程第一、ただいま報告の議案第百号から議案第百九号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました議案について、ご説明申し上げます。
 まず議案第百号は、県公安委員会の委員山階清弘君が本年七月十三日をもって任期満了となりますので、引き続き同君をこれが委員に任命いたしたく同意をお願いするものであり、議案第百一号は、県人事委員会の委員宮崎静治君が本年七月十四日をもって任期満了となりますので、引き続き同君をこれが委員に選任いたしたいと存じ、同意をお願いするものであります。
 議案第百二号から議案第百六号までは、県収用委員会の委員谷口昇二君が本年七月十三日をもって、藤原儀一君、宮本義男君、東野信義君、橋本敏君がいずれも本年七月十八日をもって任期満了となりますので、引き続きこれが委員に任命いたしたいと存じ、同意をお願いするものであります。
 議案第百七号及び議案第百八号は、県収用委員会の前予備委員松本光昌君が本年七月八日をもって任期満了となったので、また予備委員森薫満君が本年七月十日をもって任期満了となりますので、引き続きこれが予備委員に任命いたしたく、同意をお願いするものであります。
 次に議案第百九号は、議員の辞職により欠員となった那賀郡選挙区における県議会議員の補欠選挙執行に伴う平成五年度の一般会計の補正予算案であります。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(馬頭哲弥君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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○議長(馬頭哲弥君) 次に日程第二、議案第七十四号から議案第九十九号まで、並びに地方自治法第百七十九条の規定による知事専決処分報告報第一号から報第六号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 38番和田正人君。
  〔和田正人君、登壇〕(拍手)
○和田正人君 「鉄の女」と評されたイギリスのサッチャー元首相は、「日本で政権交代が可能な健全な二大勢力が誕生しない限り、真の民主主義国家とは言えない」と言われたと聞いています。
 質問に先立ち、本定例会初日、上野山議員が披瀝された自民党県議団を離れられた皆さんの現在の政治に対する気持ちを拝聴し、今行われている衆議院議員選挙の全国的な流れの中で、自民党一党支配の歴史とその功罪を率直に認め、国民の選択がどのような答えを出そうとも一党支配が終えんする時代の転換点であることは否定のできない方向であり、与野党ともに新しい時代に向けた信頼のされる政治システムを確立せねばならない責任と国民に対する義務を果たさねばならないときであります。
 国政から我が県議会に思いをいたすならば、自由民主党県議団が絶対多数を続ける中で仮谷県政を支える立場と役割を果たしてきたと自負されると同時に、各選挙区で有権者に選ばれてきたことも事実であります。
 私は、絶対多数の自民党県議団が非民主的な議会運営を進めてきたとは思いませんし、むしろ少数会派に対しても県民から選ばれた議員として対応されてきたと、約十年の経験から認識していますけれども、時には多数であるがゆえをもって、甘えやおごりはなかったか。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━これを受けた県当局にも、議会に対する姿勢において緊張や健全な相対する関係を構築する努力をさし得たのかどうか。
 知事与党として自民党県議団の果たしてきた責任と役割を評価するならば、私の意見は異論があるかもしれません。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 このたびの開政クラブの誕生は、他会派の私が云々すべきことではないかもしれません。主義主張ではなく、時代の変化と大きな改革意識の中で、今、県民のための議会人としてその責務を続けられるよう、また自民党県議団も責任与党として、私どもを含め切磋琢磨して県勢発展のため努力されるよう願うものであります。
 通告に従い、質問に入らせていただきます。
 「リゾート博開催に向けて」というテーマでございますが、七月三日、県民文化会館でリゾート博覧会オープニングセレモニーが華やかに開催されました。県下各地から多数の参加を得て、五十市町村の旗のもと、仮谷知事の言う通商産業省認定のジャパンエキスポにふさわしい、創造的で楽しい魅力ある博覧会にするため、本日から県内のリゾート地の特性を生かしたイベントをリレー方式で展開することにより、和歌山を国内外にアピールするとともに、地域の活性化、県民総参加の町づくりの機運を高めてまいります。この趣旨に沿ったオープニングセレモニーは、小林稔侍、坂本冬美お二人の協力もあって、盛り上がった内容であったと、参加した私も感じたところであります。
 特に、この日披露された世界リゾート博のテーマソング、坂本冬美の歌う「青い星」は、従前の県が委託してつくられ歌われた和歌山をPRする歌に比べ、すばらしい詩であると思いました。いよいよ開催まで一年を残すのみの今日、改めて幾つかの意見を申し上げ、ご所見を伺うものであります。
 まず、県民参加への対応についてでございますが、本年二月議会で提言をいたしました缶ビールを活用した県民へのPRと参加意識の高揚について、その後の取り組み経過についてお伺いしたいと思います。
 次に、テーマソング「青い星」について、著作権等の問題や制限がなければ、リゾート博というスポットのテーマソングにしないで、県下の中学、高校で歌うようにしてはどうか。詩の内容からも二十一世紀を担う現在の中学生、高校生の心にマッチするであろうし、リゾート博覧会を通して二十一世紀の人間生活のあり方を体験し勉強することができるのではないか。教育長のご所見を伺いたいと思います。
 次に、和歌山県を国の内外にアピールする目的と地域の活性化を促進するリレーイベントであるならば、リゾート博覧会とそれを支援する各地のイベントは後続効果をもたらすものでなければならないと考えますが、その時期のみの単発行事ではなく、地域活性化につながる後続効果の期待できる企画となっているのか、お伺いするものであります。
 次に、県内外からの来場者への対応についてであります。最大のネックと見られる交通対策に関連して質問いたします。
 インフラ整備の進んでいる地域や都市におけるイベントや博覧会は企画や魅力といった中身がポイントでありますが、和歌山の場合は、会場への交通対策が多くの皆さんから懸念されているのであります。私は、インフラ整備のおくれている和歌山であるだけに、またふんだんに予算を使えない県であるだけに、県民の協力と知恵を出し合って成功への努力をすることだと思います。
 会場外の駐車場が五カ所、そして会場内に約四千台収容の駐車場、これらの交通誘導ルートも決定されているわけでありますが、駐車場の管理体制と料金についてどうされるのか。また、県外からの来場者が利用するであろうシャトルバスでのサービスを考えているのか。単に送迎のみのバス運航であれば知恵がなく、来県者のイメージアップのためにも、走行中に和歌山県の名所旧跡やすぐれた観光資源のビデオによる紹介などするべきではないか。さらにこの機会に、リゾート博のみの来場ではなく、和歌山県の持つ高野文化、熊野文化、そして恵まれた自然と温泉を体験していただく周遊パックを観光協会や旅館組合、JRなどの協力を得て発行することを検討してみてはどうか。ご所見をお伺いしたいと思います。
 また、渋滞緩和策の一例として、Jリーグ鹿島アントラーズの地元での試合の際、四人乗車で来場する車の駐車料金は無料にしていることなど参考にすべきではないか。鹿島アントラーズは前期優勝いたしました。初日の上野山議員のご提言にもありました内容に関連をして後ほど申し上げたいと思いますが、人口四万五千人足らずの鹿島町が、「鹿島アントラーズ」という雑誌までつくりながら、町おこし──今、全国で最も熱い視線を浴びているJリーグの鹿島アントラーズであります。そで口に住友金属のマークが小さく入っているのをご存じかどうか。ジーコという世界的な名選手が住友金属と契約をし、そして一部リーグにも入れなかったサッカーチームが今、Jリーグの前期優勝を果たす。町民挙げて、サッカーなど興味のなかった奥さん方を初め、大変な熱狂ぶりであります。
 こういうアントラーズの試合に対して随分多くの皆さんが県外からも車で来られるようでありますが、二時間前、三時間前に来ていただいた方には二割引き、三割引きというふうな駐車料金を検討してみたり、あるいは先ほど申し上げたように四人乗車で来る車は無料にする、こういう渋滞緩和の方策などを考え、多くの皆さんに試合を楽しんでいただいているようであります。
 幾つか申し上げてきましたけれども、和歌山県が初めて大規模に行うイベントであるだけに、今日までリゾート博協会や新たにスタートした推進局の職員の皆さんは大変ご苦労されてきたわけであります。開会直前の会場運営の訓練に至るまで、さらに努力されるよう要望するものであります。今日ある消極的意見や批判を糧として、足らざるを県民の明るさとサービスをもって補う、知事を先頭にした熱意を示す姿勢で準備を進めていただきたいと申し上げ、リゾート博関係のご所見を伺うものであります。
 次に、コスモパーク加太についてお伺いをいたします。
 昨年末、臨時国会で大阪湾ベイエリア法が議員立法として成立したことから建設、運輸、郵政など関連官庁が本格的な開発プランを練り始め、兵庫、大阪、和歌山三府県にまたがる大阪湾岸地域を再開発し、調和のとれた産業、住宅、レジャー空間を創造していくこの計画は、法律の弾力的運用を図りながら、国の税制、財政支援と域内プロジェクトの広域調整を柱とするものであるが、基本整備方針は府県レベルの計画を待ってこの夏ごろまとめられると言われています。平成五年度企画部予算に計上されている和歌山県の参画はどうなっているのか、現段階の状況をお伺いするものであります。
 私の意見でありますが、コスモパーク加太は、この計画に参加する和歌山の柱とすべき地域だと認識しています。それだけに、本年度予算に土地開発公社への利子補給のための無利子貸し付けを計上されたことについて、著しく厳しく変化した経済環境を考慮するならば、むしろ補助から前に進んで、推進機構の検討もあわせ全体構想をどうするか時間をかけて検討する中で、将来の有効活用のため県有地としてその一部を買い取っておくことも検討されてはどうか、ご所見をいただきたいと思います。
 加太土取り跡地の活用として、コスモパーク加太計画は関西新空港と連動さし得る複合機能を持つ未来都市として期待され、推進機構を構成する関係者を中心に検討が続けられてきたわけでありますが、大阪府のりんくうタウン、東京都における東京臨海部副都心計画等の現状からも、二十一世紀初頭に案画されてきた魅力ある町づくりを実現することは事実上困難であるだけに、平成四年、昨年の二月議会で知事に対し、大きく厳しく変化する環境に対して柔軟に幅広く計画を見直す時期ではないかと求めたところであります。
 民間活力の導入、そして二十一世紀の魅力ある和歌山の町づくり計画も、過去正しいとされた計画も今日において正しいかどうか。価値判断の問題であり、いかに英知を集めた計画であっても、経済行為を伴う事業には、その背景や経済環境の変化という避けては通れない事態があるのであります。
 コスモパーク加太の活用について、私は従前から、国際都市・和歌山を機能させていくために、また和歌山から発信するものが必要であるという観点から、公共事業を盛り込み、二十一世紀への県民の財産として評価される魅力ある計画をと申し上げてきました。そして、具体的には政府開発援助(ODA)の窓口とその施設を誘致するとともに、国内各メーカーに協力をいただき、農機具や機械等、発展途上国が、またその国民の求めている機材など、常時展示をしている常設展示館を建設してはと再々提言してまいりました。海外援助の具体的な人、物、金、情報がこの窓口を通して進められるようにすることが、関空から和歌山に来る人たちを当然多くすることにつながるからであります。
 多数の省庁にまたがる政府海外援助について誘致することは、過去の答弁のように困難かもしれません。しかし、今施行されている衆議院議員選挙の結果はどのような国民の選択であろうとも、政治改革や地方分権が進められる政治体制になることは何人といえども否定のできない世論であり、国民の意識であります。また、政府においても、窓口整理の検討や援助額が世界一となった現状から援助のあり方についても論議が始まっているこのとき、他府県に先駆けてその一部の組織でも誘致するよう和歌山県として名のりを上げてほしいことを強く求め、知事のご所見を伺いたいのであります。
 昭和六十年の本会議で、関空開港を記念に近畿圏にオリンピック誘致を提唱してはと提言いたしましたが、ベイエリアのグランドデザインに盛り込まれ、大阪市を中心に具体的な取り組みに入っています。有から有を生み出すのは易しいかもしれない。無から有を生み出すのは困難であることは当然であります。それだけに価値あるものと主張するところであり、この誘致運動が地方分権の具体的な取り組みとなり、コスモパーク加太の活用と関空のメリットを最大限和歌山に生み出す方策だと信じるからであります。和歌山と関空を最大限生かすコスモパーク加太にしてほしいのであります。仮谷知事、ODAの窓口誘致で和歌山を主張しようではありませんか。
 コスモパーク加太の土地利用について、次の諸点についても関係部長の答弁をいただきたいと思います。
 今、平成六年開催のアジア大会に向けて、広島ではスポーツ施設、関連施設の建設、交通対策が急ピッチで進められていますが、これらを参考にし、さらに二巡目国体を運営した京都府や近畿他県にあるスポーツ施設に比べた場合、紀三井寺競技場について、駐車場不足、求められているナイター設備等、メーンの施設として位置づけするならば、将来、面整備を含め拡充が期待できるのかどうか。既に検討が始まっているようであります。
 これらスポーツ施設の問題について、過去何人かの先輩・同僚議員のご提言もございました。私もグリーンピア南紀に関連をして、県下各市町村に全国大会等が誘致できる、それぞれの村おこしに関連をした施設を持っていただきたいという提言をした過去の議会もございました。この機会に、スポーツ施設の集合、面整備を進め、運動公園としての機能を加太に集約してはどうか。初日の上野山議員のJリーグ専用球技場の設置の提言なども、その一つの案であろうと思います。
 先ほど申し上げました、Jリーグ鹿島アントラーズの前期優勝に伴い、今、鹿島町の専用球場のすばらしさについて、十チームのそれぞれの皆さんが高く評価をし、マスコミを通して宣伝あるいは紹介がされているわけであります。そして、この専用球場をさらに生かしていくために今、ヨーロッパ各地、あるいはブラジル、メキシコなどでは時には暴動めいた大騒ぎが起こるサッカー競技のワールドカップという大きな大会を日本に誘致した場合、この専用球場を使おうという動きを町挙げてしているわけであります。
 私は、関西新空港の開港を来年に控え、コスモパーク加太が有効な土地利用として発展をし、二十一世紀の県民の財産として大きく評価され後世に残していくための県政のあり方を考えるとき、今日、関空に土を売却し、開発公社が行ってきた事業と推進機構が考えてきたそれぞれの新しい複合都市づくりというものが大きく厳しく変化した経済環境の中で一歩も二歩も後退せざるを得ない今日の環境を考えるとき、その財政的負担をどうするかという大きな課題があることは事実であります。
 しかし、先ほど来申し上げました、ODAの窓口誘致、常設展示館による国内各メーカーの協力、そして運動公園として整備をする施設、これらをまとめてコスモパーク加太の土地利用ということを考えていただくならば、まことに勝手な私見でありますけれども、紀三井寺競技場の跡地を再開発してマリーナ基地と連係し、明和中学校の移転等を和歌山市と協議し、中学校移転跡地を医大整備の有効な土地利用とすることができるのであります。ご所見を求め、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの和田正人君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 和田議員にお答え申し上げます。
 ただいま、世界リゾート博の成功へ向けての数々の具体的な提言をいただいたわけでございまして、まことにありがたく拝聴させていただいた次第でございます。
 先ほど話もございましたように、去る七月三日に県民文化会館においてオープニングセレモニーを開催したところでございますが、その際にも申し上げたように、世界リゾート博の主会場となる和歌山マリーナシティは、既に埋立工事も完了し、現在、恒久施設であるマリーナシティ和歌山館、そしてMCAのノウハウを活用したテーマパークやフィッシャーマンズワーフ、さらには日本で初めての親水性防波堤などの工事が進められており、博覧会がいよいよ目の当たりに迫ってきた感を深くするものでございます。
 開幕まであと残すところ一年となったわけでございまして、私もあのセレモニーの舞台に立って県下の五十市町村の旗に囲まれながら、この博覧会を何としても県民総参加の中で成功に導かなければならないと決意を新たにしたところでございます。
 この博覧会を通して二十一世紀のリゾートのあり方を国の内外に提言するのはもちろん、本県の持つ恵まれた自然、文化、歴史資源を活用して和歌山を国際リゾートエリアとして定着させなければならないと思っております。今後とも、議員の皆さん初め、ご協力を得ながら努力してまいりたいと思っております。
 それからコスモパーク加太につきまして、地方分権の具体的取り組みとしてODAに係る組織の誘致と常設展示館の建設でございます。
 お話ございましたように、ODAに関する機関は多省庁にまたがっておりまして、窓口は一本化されていないこともあり、その具体的な誘致について非常に厳しいものがございます。しかしまた、お話のように、関西国際空港を機にそのインパクトを最大限に生かして一層の国際化を目指すべき本県としては、大変難しい問題でございますけれども、外務省を初め関係省庁に働きかけてまいりたいと考えております。
 他の問題については部長から答弁申し上げます。
○議長(馬頭哲弥君) 知事公室長中西伸雄君。
  〔中西伸雄君、登壇〕
○知事公室長(中西伸雄君) 和田正人議員にお答え申し上げます。
 リゾート博覧会開催に向けて、県民参加への対応についてでございますが、まず缶ビールを活用した県民へのPRについてでございます。
 企業の商品等によるリゾート博のPRについては、既に企業のご協力をいただき、テレビコマーシャルの中でのリゾート博のPRや世界リゾート博のPRテレホンカードの発行、また缶ジュースや缶コーヒーなどによるPRが具体化されているところでございます。
 二月議会で議員からご提言をいただきました缶ビールによるPRについても、複数のメーカーから協力の申し入れがございますが、博覧会会場での営業参加との関連もございまして、現在、世界リゾート博協会において検討を行っているところでございます。
 次に、リレーイベントの後続効果についてでございます。
 このリレーイベントは、先ほど知事からも答弁申し上げましたように、七月三日に県民文化会館において開催した世界リゾート博のオープニングセレモニーをスタートに、今後、来年の七月十六日の主会場での開幕に向けて、県内の七つのブロックにおいて、それぞれの地域のリゾート資源とその特性を生かしたイベントを地元の人々と一緒に展開してまいります。それにより、それぞれの地域の持つすばらしい自然、歴史、文化が再認識され、ふるさとを愛する心の高揚が図られるとともに、このリレーイベントで培われたノウハウと盛り上がりが今後の地域活性化につながっていくものと考えてございます。
 次に、県内外からの来場者への対応についてでございますが、まず駐車場の管理体制と料金についてでございます。
 まず、会場内、会場外の駐車場の管理体制については、警備会社等の業務委託を含め、現在、リゾート博協会において検討中でございます。また駐車場の料金についても、他の博覧会の状況も参考に現在検討を進めているところでございまして、できるだけ早い時期に決定したいと考えてございます。
 次に、送迎用シャトルバスでのサービスについてでございますが、この博覧会を機会に県内の観光地のよさを来場者の方々に知っていただくとともに、本県のイメージアップを図ることが非常に重要であると考えてございます。したがって、博覧会会場の中の和歌山館において、県内観光資源や観光地のPRコーナーを設け、積極的にPRをすることとしてございますが、議員お話しの会場へ向かうシャトルバスの中での県内観光地の紹介ビデオ等についても、非常によい機会でございますので具体的な方向で検討をしているところでございます。
 最後に、世界リゾート博覧会における交通渋滞緩和策についてでございますが、博覧会場へ集中する車両の混雑緩和と交通の円滑化を図るために、現在、関係行政機関を初め、鉄道、バス、タクシー等の関係機関で構成する世界リゾート博交通対策連絡協議会を設置し、詳細な交通計画の策定を進めているところでございます。
 他の博覧会の状況等から乗用車の一車当たりの乗車人数は平均三人と言われてございますが、議員ご提言の趣旨についても、駐車場の運営管理主体である世界リゾート博協会とも十分相談してまいりたいと思ってございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 商工労働部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) お答えをいたします。
 世界リゾート博会場と県下の観光地を結ぶ周遊パックについてでございます。
 議員ご提言のとおり、県の観光振興面からも、世界リゾート博に来場された方々に県内各観光地にお越しいただくことが最大の課題であると認識してございます。こうした認識のもとに、去る六月十五日から十七日にかけて、全国から旅行エージェントやJR六社の旅行商品企画の担当者約三百名のご参集を得て、全国宣伝販売促進会議を開催し、博覧会の概要や県内観光地の説明を行い、また実際に博覧会会場や県下の観光地をご案内し、博覧会会場を中心として県下の観光地を結ぶ旅行商品の企画を依頼したところでございます。
 なお、今後も引き続き各旅行エージェントを訪問し、本県への旅行商品企画の設定を働きかけてまいる考えでございます。
 また、市町村、市町村観光協会及び観光関連事業者等の方々と連携を密にし、歴史、文化に彩られた本県のすばらしい自然を全国に紹介し、誘客に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) コスモパーク加太に関連するご質問にお答えをいたします。
 まず、大阪湾臨海地域開発整備法、いわゆる大阪湾ベイエリア法でございますが、この法律とコスモパーク加太計画の位置づけでございます。
 大阪湾ベイエリア法に係る状況については、現在、地域の指定について国等と協議を行っているところであり、国による正式な指定は八月ごろと予定されてございます。
 コスモパーク加太地域については、この法律の目的にうたわれている、世界都市にふさわしい機能と良好な居住環境等を備えた地域であると考えており、整備計画の策定においては特に重点的に整備すべき開発地区と位置づけ、議員のお話にもありましたように、二十一世紀に向けた魅力ある町づくりを進めてまいりたいと存じます。
 次に、将来の有効活用のために県有地として一部取得してはとのことでございますが、コスモパーク加太については、民間活力の導入を基本に計画を進めているところでございます。かねてより、コスモパーク加太の土地利用計画については種々のご提言をいただいているところでございます。一部に明るさが見えたとはいえ、厳しい経済情勢を踏まえ、県としても事業費を抑制するために県土地開発公社に対して貸し付けを行ったところでございます。
 関西国際空港に至近の位置を占め、国際都市を目指すコスモパーク加太を有効に活用するためには、公共的利用も含め、和歌山市とも十分連携をとりながら、あらゆる角度から検討をしてまいる所存でございます。
 次に、コスモパーク加太へのスポーツ施設の集合、面としての整備についてでございますが、紀三井寺運動公園の再開発の整備方針との関連もあり、コスモパーク加太の土地利用を含め、またお話ございました同運動公園の跡地利用についても、貴重なご提言として受けとめさせていただきたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) リゾート博テーマソングの教育的活用についてお答えいたします。
 世界リゾート博は、二十一世紀に向けて児童生徒が心豊かに充実した人生を送るための貴重な体験学習の場であるととらえております。また、広く国内外の人々との交流を通して郷土のよさを発見したり国際的な感覚を身につけるなど、教育的意義は大きいものがあると考え、世界リゾート博の趣旨についての理解と参加への協力を求めているところでございます。
 議員ご指摘のテーマソング「青い星」については、美しい自然、あすへの希望と夢、人々の心の温かさを歌い上げたものととらえてございます。こうしたことから、テーマソングの取り扱いについては、学習指導要領のかかわりをも踏まえ、地域の実態や児童生徒の発達段階に応じた活用のあり方について研究してまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 38番和田正人君。
○和田正人君 リゾート博関連、それからコスモパーク加太、質問に対してご答弁をいただきました。
 今、私の手元に、発行されたのが少し古いんですが、堺屋太一さんの「楽しみの経済学」という本があります。今回の質問に当たりまして、読み直してみました。リゾート博覧会等に参考になることが随分記載をされておりますし、おもしろく読める本であります。世界の博覧会あるいは国内のイベント、特に一九七〇年に大阪で行われました万国博覧会以降の大阪府の二十一世紀計画等に関連をしたいろんな考え方等、また来年開港予定の関西新空港に関連をさした関西地域のあり方等についても示唆されている本だというふうに感じております。
 今回の質問のやりとりの中で、企画部の皆さんやリゾート博推進局の皆さんが本屋に行ってこの本を探したそうであります。しかし、既にもう売っていないということで、ある意味では貴重な本かもしれませんけれども、この議場を通してその一部を紹介させていただき、リゾート博覧会に関する今後一層の取り組みをお願いしたいわけであります。
 「博覧会、展示会、演劇など、いわゆる興行的行事は絶対に採算性を無視してはならない。赤字になれば他にどのような効果を残したとしても、それは失敗なのだということを肝に銘じておく必要がある。なぜなら、自ら費用を支払っても参加する企業や個人が少ないということは、魅力が乏しいことの証明であり、大衆審査に落第した失敗の行事と結論せざるを得ないからである」と、厳しく指摘をされています。
 来年のリゾート博覧会開催に向けて、先ほど知事の決意もいただきました。また、推進局、リゾート博協会の皆さん、県当局挙げて、あるいは県民総参加のもとに、この初めてと言える和歌山の大きなイベントを、国の内外にアピールしていく和歌山の姿勢を示す絶好の機会として今懸命に取り組んでおられるわけでありますが、今日までの経過の中で、ややもすれば前売り券の完売に向けた動きの方が目立ったというのが一般世論であります。これからソフト面を含めて中身をどうしていくのか。少し関連をさせて、他府県で行ってきたいろんな行事、事業についてご紹介をさしていただきます。
 長崎県のハウステンボスがオープンをして一年少したちます。県議会からも、一昨年、オープンの半年ぐらい前だったと思いますが、現地の調査にまいりました。オープンされてからも、私はハウステンボスに一泊二日で行き、場内を歩きました。
 帰りの日にタクシーに乗ったわけでありますが、「日曜、祭日を含めて、やはり九州各県、あるいは山口など中国地方からもたくさんの皆さんがお見えになります。また、車で来られる方は、国道を初めハウステンボスに随分大きな駐車場が確保されていますけれども、肝心の幹線道路が渋滞をします。その渋滞ののろのろ運転の中で、暑い盛りであるとクーラーを入れておりますけれども、車に乗っている皆さんが一番困るのは、公衆トイレの設置がないことであります。そういうことに対して、周辺の住民の皆さんが、『自分の家のトイレを使ってください』と、ハウステンボスに見えられる皆さん方に対して、だれに教えられるともなく、みんなが協力をしているんです。観光資源として長崎県が開発し誘致をしたこの施設を有効に使っていただこう、そこから税収もふえ、それが必ず地域住民の皆さんに還元されてくる、そういう基本的な考え方に立って、教えられるともなく協力しているんです。自分の家のトイレを見せたり使ってもらうということは、なかなか日本人の感覚としてはできにくいはずであります。しかし、周辺住民の皆さんはそういうふうに協力をしています」という話をタクシーの運転手に聞かされました。
 和歌山のリゾート博に対して、県民総参加という知事を初めとした姿勢に対し、そういうムードをつくり上げるまでになっているかどうか。せっかくの事業であります。いま一度原点を考え直していただき、この博覧会を──堺屋太一さんの言葉ではありませんが、イベント行事で赤字を出すことは批判の対象になる。しかし、和歌山県政として精いっぱいの努力をしたと。
 きょうの質問の中でも申し上げたように、インフラ整備が進んでいないんです、和歌山は。しかも、多くの皆さんが指摘をされるように、道路事情の悪いのも事実であります。その中で知恵を出し合って、お見えいただく皆さん方に少しでもイメージをよくし、改めて和歌山を訪れようという気持ちを持っていただくためには、観光協会や旅館組合の皆さん挙げて、真心でサービスをするという気持ちを持たなければならない。このリゾート博が、観光立県・和歌山の今の落ち込んでいる状態を将来に向かって伸ばしていける契機になるのかどうかということも含めて、お互いに考えてみたい問題だということで、ハウステンボスの一例をご紹介いたしました。
 また、恒久的な施設でありますから一概に論ずることはできませんけれども、九州の八幡地区に東田というところがございます。ここに日本の鉄鋼業の発祥第一号の高炉が建てられたのは、随分昔であります。八幡製鉄(今の新日鉄)は、鉄鋼の合理化で大分製鉄所や君津製鉄所に重点を移していく中で、この記念すべき一号高炉をどうしたか。地元の皆さん方は、残してほしいと熱望をされた。それを高炉公園という形で残し、そこにあの宇宙を飛んだスペースシャトルを誘致し、それをメーンにしたスペースワールドという施設をつくったわけであります。この施設に対してJRがどのような協力をしたのか。ご参考にしていただきたい。
 枝光という駅がございます。八幡に通勤をする皆さん方の、いわば快速もとまらなかったような各駅停車の駅が、今すばらしい駅舎となって、スペースワールドの会場まできれいな歩道をつくり、快速もとまり、多くの皆さんがJRを利用して観光に来られている。
 また一方、このスペースワールドの運営に当たって、新日鉄から出向された皆さん方がオープンを前にしてどれだけの訓練期間を必要としたのか。先ほど申し上げたように、駐車場の管理運営体制を初め、ソフト面を含めて──本日、この時期こういう質問をすること自体、私自身恥ずかしい思いをいたしました──検討に検討を重ね、欠けている点はないのかと、万全の配慮をし、少なくともリゾート博覧会会場運営については、初めて取り組むわけでありますから、一カ月、二カ月の訓練期間を十分にとって、来場される皆さん方に何の不都合もなく会場内で十分楽しんでいただけるような雰囲気をつくっていく。そして、会場を案内する皆さん方──恐らく県職員の皆さんもたくさん動員されるでしょう。また、過去行われたスポレクでは、地域の皆さんや交通指導員の皆さんにご協力をいただいたことがございました。私は、ボランティアを含めて周辺の皆さんや県民の多くの皆さんがこぞって、このリゾート博覧会に訪れる皆さんに改めて和歌山県と和歌山の県民性を訴えられるような運営について、なお一層あらゆる角度から検討して、今後残された期間を有効に使い、そして準備万端整えた訓練をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 そして、教育長からお答えをいただきましたテーマソングに関連をしてであります。
 確かに、学習指導要領等のかかわりもございます。しかし、すばらしいものをすばらしいと率直に認める気持ち、それが教育であろうと思います。
 私は、過去の議会におきましても、物をつくることのすばらしさ、そしてその物がどういうふうな経過でつくられているのか──今、日本の社会は物質的に大変恵まれ、金さえ出せば何でも手に入る。そういう意味合いから、教育の原点の問題を含め、数多くの皆さんがこの本会議場で教育問題について触れられました。このテーマソングを単にリゾート博覧会だけの単発の歌にすることなく、将来を担う若者たちの心の中に残る歌として、また二十一世紀の夢につながる歌として、ぜひとも中高校生に歌っていただくよう積極的な協議を重ねていただきたいということを重ねて強く要望するものであります。
 コスモパーク加太の関係につきましては、ご答弁をいただきましたし、私は過去二回、同じような趣旨でご提言をいたしました。
 確かに、ODA問題につきましては、各省庁にまたがり難しいことは承知をいたしております。しかし、文民警察官が帰ってきた今日の状況、また犠牲者を痛ましくも出した日本の国際貢献のあり方、今日まで、経済援助を初め技術援助あるいは人を派遣する援助を含め、日本は随分と大きな役割を演じてきたはずであります。昨日のサミットにおいても、内需拡大を初めとして日本が経済的なリード役をするようにというふうな注文がついているようであります。当然かもしれません。しかし、経済大国と言われながら生活大国の意識や実感がないということは、私ども一般国民が常に言っていることであります。この議会の中でもその議論がされております。
 今日までの国際貢献のあり方を振り返ってみますと、果たして援助を受けた相手国の国民の皆さんが、日本の政府や国民に対して、みずから汗と努力によって稼ぎ出したその日本の国力で私どものために援助をしてくれているんだ、足を向けて寝られないなという率直な国民意識を持った債務国があるのかどうか。
 このように考えてまいりますと、今日までの国際貢献ODAのあり方について、質問の中でも申し上げたように、援助額が世界一になった今、窓口の整理など、まさに考え直すべきときであります。
 一例であります。日本では医師過剰時代と言われています。ネパールには医者のないところが随分あるようであります。ボランティア活動を初めいろいろ努力をされておる皆さん方が時々ご紹介をされます。私は、このようなときにこそ、和歌山県がコスモパーク加太の有効利用を前提にして、国との間にODAの窓口を誘致するという名のりを上げることが──「難しい」ということではなく、何とかそれに向けて努力することをさらに続けていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で和田正人君の質問が終了いたしました。

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