平成5年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第四号 平成五年七月八日(木曜日)
  午前十時開議
  第一 議案第七十四号から議案第九十九号まで、及び報第一号から報第六号まで(質疑)
  第二 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第七十四号から議案第九十九号まで、及び報第一号から報第六号まで(質疑)
 二 一般質問
出 席 議 員(四十三人)
 1  番  尾  崎  要  二
 2  番  中  村  裕  一
 3  番  下  川  俊  樹
 4  番  石  田  真  敏
 6  番  木  下  秀  男
 7  番  岡  本 保
 8  番  藁  科  義  清
 9  番  向  井 嘉久藏  
 10  番  小  川 武
 11  番 上野山  親  主
 12  番  井  出  益  弘
 13  番  町  田 亘
 14  番  尾  崎  吉  弘
 15  番  門  三佐博  
 16  番  西  本  長  弘
 17  番  高  瀬  勝  助
 18  番  冨  安  民  浩
 19  番  和  田  正  一
 21  番  平  越  孝  哉
 22  番  大  江  康  弘
 24  番  山  本 一
 25  番  吉  井  和  視
 26  番  浜  田  真  輔
 27  番  堀  本  隆  男
 28  番 宇治田  栄  蔵
 29  番  富  田 豊
 30  番  中  村  利  男
 31  番  馬  頭  哲  弥
 32  番  宗 正  彦
 33  番  鶴  田  至  弘
 34  番  上  野  哲  弘
 35  番  村  岡 キミ子  
 36  番  松  本  貞  次
 37  番  木  下  義  夫
 38  番  和  田  正  人
 39  番  中  西  雄  幸
 40  番  橋  本 進
 41  番 野見山   海
 42  番  森 正  樹
 43  番  浜  本 収
 44  番  新  田  和  弘
 45  番  浜  口  矩  一
 46  番  森  本  明  雄
欠 席 議 員(一人)
 20  番  阪  部  菊  雄
 〔備 考〕
 5  番  欠  員
 23  番  欠  員
 47  番  欠  員
説明のため出席した者
 知 事 仮  谷  志  良
 副知事 西  口 勇
 出納長 梅  田  善  彦
 知事公室長 中  西  伸  雄
 総務部長  木  村  良  樹
 企画部長  佐  武  廸  生
 民生部長  南  出  紀  男
 保健環境部長  江  口  弘  久
 商工労働部長  吉  井  清  純
 農林水産部長  野  見  典  展
 土木部長  山  田 功
 企業局長  高  瀬  芳  彦
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
 岩  崎  正  夫
 教育長 西  川 時千代  
  以下教育次長
 公安委員会委員長
 山  階  清  弘
 警察本部長 西  川  徹  矢
  以下各部長
 人事委員会委員長
 水  谷  舜  介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員  天  谷  一  郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
 鈴  木  俊  男
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長  梅  本  信  夫
 次  長  中  村 彰
 議事課長  中  西  俊  二
 議事課副課長  佐  竹  欣  司
 議事班長  松  谷  秋  男
 議事課主事 長  尾  照  雄
 議事課主事 松  本  浩  典
 総務課長  川  端  孝  治
 調査課長  岡  山  哲  夫
 (速記担当者)
 議事課主査 吉  川  欽  二
 議事課主査 鎌  田 繁
 議事課速記技師 中  尾  祐  一
 議事課速記技師 保  田  良  春
  ──────────────────
  午前十時三分開議
○議長(馬頭哲弥君) これより本日の会議を開きます。
  ──────────────────
○議長(馬頭哲弥君) 日程第一、議案第七十四号から議案第九十九号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第六号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 43番浜本 収君。
  〔浜本 収君、登壇〕(拍手)
○浜本 収君 四点、質問をいたします。
 まず最初に、紀勢本線田辺─白浜間の複線化について伺います。
 平成元年七月、本県並びに紀南地域の長年の悲願とも言える紀勢本線の国土軸への直結が実現した。紀伊半島が線路を通じて全国につながった記念すべき瞬間であり、特に観光面からの効果は大きく、高く評価されるものであります。
 田辺・西牟婁地域は、本県最大の観光地白浜を中心に国際観光モデル地区の指定を受け、案内標識板の整備や善意通訳を初めとしたソフトの充実等々、国際的にも通用する観光地への道を進みつつあります。平成六年の夏には本県至近の地に世界に二十四時間開かれた空港が開港しようとしている現在、白浜を核とした南紀の国際的な観光資源の集積地に生活し、観光産業を地域の主要産業とする者にとって、そのインパクトを観光面で最大限取り入れたいと期待するのは私一人ではありますまい。
 過去に多くの議員の皆さんが当議場においても質問されたように、関西国際空港からの本県への鉄道アクセスの利便性の確保は言をまつまでもないことであるが、紀南にある国内の空のアクセスにいかにつながるかということも、あわせて求められなければならない。もしそれが実現すれば、新幹線という幹線鉄道軸への直結がもたらした効果のように、世界の空のアクセス・関西国際空港と日本の空のアクセス・白浜空港を有機的に結びつけることにより広域的な日本的視野での観光のルート化ができ、紀南地域もその資源を生かした波及効果が、と夢が広がってまいります。
 そこで問題となるのが、田辺駅から白浜駅の複線化であります。定時性、高速性、大量性という鉄道の特性を生かすためにも必要なことは申すべくもないが、白浜まであと一息というところで一部単線というアクセス状況は、国際観光地としての白浜・紀南地域にとってはイメージ的にも非常にマイナスであり、その質を問われるもので、ぜひとも複線化が必要と考えるのは当然であります。
 紀勢本線の田辺駅から白浜駅の複線化の見通しは、またその取り組み状況はいかがなものであろうか。過去多くの議員が質問してきたところであるが、関西国際空港の開港、白浜空港のジェット化を控えた今こそという視点から、今般あえて質問した次第であります。答弁を求めます。
 次に、吉野熊野国立公園特別地域内の別荘建設の許可について質問をいたします。
 吉野熊野国立公園特別地域の串本町潮岬西回り県道より海側にかけて道路沿いに五千平方メートル程度の土地を、平成二年十二月二十六日、県は別荘建設の許可を行ったことについてであります。
 本年三月一日から三月五日ごろにかけて、大型トラック三台が終日フル回転して土砂など工事用残土をこの土地に運び、道路より海側にかけてがけっ縁ぎりぎりまで三メートルから五メートル以上積み上げた。このことは去る三月の串本町議会においても取り上げられたが、土地のかさ上げを三メートルから五メートルまで道路より海側の第二種特別地域のがけっ縁まで行ったことは、県の許可条件の中に入っていたのかどうか。
 一般的に言って、特別地域内での個人の住宅や別荘の建設は一定の許可条件のもとで行われることには異議を挟むものではないが、今問題となっている別荘予定地より五十メートル程度灯台寄りに数年前建設された別荘がある。この当時の建築に当たっては、ほかから土砂を搬入することは当然制限され、また海側寄りは自然石を配置して公園化し、また土砂流出どめ、高さ制限、色の制限などの指導のもとに建設されている。また、道路より内側五十メートル以内の特別地域のほとんどの家は、そのままに地ならし程度で建築しているのが実態である。住民は特別地域の法律上の条件を正しく認識しているからであります。
 県は、この建築許可に関し、土砂の搬入を必要工事として許可しているが、実情は土砂搬入による新たなる宅地造成工事ではないか。そのために、かつて県道を車で走り、また歩いた人々には、今、夕方になっても夕日が見えなくなるという状態になっております。このような特別地域については、土砂搬入は原則的に禁止し、現状地ならし程度で対処すべきではないか。さらに串本町の宅地造成指導要綱では、このような造成工事については具体的に必要事項を協定し施行することになっているが、この点についての県の見解をただすものであります。
 次に、教育問題に移りたいと思います。
 けさも読売新聞に載ってございましたが、一人の少年が、十四歳の誕生日を迎えることもなく、この世を去った。山形県新庄市の市立明倫中学で起きたマット事件であります。
 中学一年生のK君が体育館のマット倉庫の中で頭から逆さまにマットに入れられた状態で発見されたのは、この一月十三日の夜のことであった。マスコミはいじめ事件として大きく取り上げ、日常的ないじめがエスカレートして死に至らしめたのだと一斉に報じた。事件後五日目、同中学の二年生三人が逮捕され、四人が補導されたが、七人のうち六人の少年が犯行を否認しており、この事件をいじめ事件と早計に断定するには余りにも不可解な点が多い。「今後事実が明らかになるまではいじめによるものとは言い切れない」と言いながらも、同校の教師や保護者もショックを隠し切れないまま、「本当にいじめがエスカレートして起きた事件かわからないので事件については答えられない。ただ、生徒たちには、警察の調べによると部外者が侵入した形跡がないので校内のだれかがやったのだろう」と説明したところであります。
 また、東京都町田市に住むAさん夫妻は、二年前の一九九一年九月一日、次女のS子さんを失った。それは、夏休み最後の日、S子さんは、「お母さん、どうしてもつくし野中学に行かなくてはならないの」という電話を最後に、自宅最寄りのJRの駅構内の線路に横たわり、みずから命を絶ったという事件であります。S子さんはバドミントン部に所属し、頑張り屋で、忍耐力のある明るい少女だったと言う。そんなS子さんがなぜ自殺をしたのか。Aさん夫妻は学校や友達に死の真相を聞いて回ったところ、数日後、友人であった三人の女生徒が、事件の数日前、S子さんを取り囲んで「土下座じゃ済まねえ。この顔がむかつく」などと言っていじめたと話した。Aさん夫妻は、当然この話を学校に伝えて学校に調査を依頼したが、学校側は「自殺の原因は親にある」としてこの要望を突っぱね、事件報告書には事実と異なる内容が記載され、問題が未解決のまま、今、この事件は東京地裁で公判に付せられているとのことであります。
 いま一つの事件は、兵庫県西宮市の甲東小学校の男子児童九歳が、長期間、同級生から殴る、けるなどのいじめを受けて登校できなくなった事件で、両親から人権救済の申し立てを受けていた神戸市弁護士会の人権擁護委員会が学校校長に、「学校は生徒の安全を守る義務を果たしていないばかりか、被害児童の救済について著しく不誠実であり、重大な人権侵害行為である」として、再発防止の警告書を提出した。いじめ事件で警告書が出されたのは全国的に最初のことであります。この男児は、「A君にたたかれる。助けてください」と書いた手紙を担任に渡したが、事態は何ら改善されなかった。同委員会メンバーの弁護士は、「どうすればいじめがなくなるかを考えることより、いじめがなかったように証明しようとする学校側の取り組みに問題がある」と指摘しているところであります。
 さて、本県教育委員会は、いじめとは「自分より弱い者に対して一方的に身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実を確認しているものである。なお、起こった場所は学校の内外を問わないものとする」とし、その件数を把握し、またいじめの態様としては、「言葉のおどかし、冷やかし、からかい、持ち物隠し、仲間外れ、集団による無視、暴力、たかり、おせっかい、親切の押しつけなどがある」としているが、本県小・中・高の平成三年度の教育委員会が把握しているいじめの発生件数は、小学校五十九、中学校百十、高等学校九──これについてはちょっと信頼しかねるのでありますが──とにかく計百七十八件、全国のパーセント〇・六に対し本県はその半分の〇・三ということであります。
 教育委員会は、本年度、生徒指導推進と指導力向上のための事業費として百四十四万二千円を計上し、生徒指導の原理、方法等について研究・協議・演習を行い、教員の指導力向上に努めているところであります。
 私は、こういった生徒指導推進と指導力向上のための事業や教育相談推進事業等が今日の複雑な学校教育にとって直ちに特効薬的効果を生むとは思わないが、それぞれの事業がそれぞれ連携を保ちながら教育は前進していくものと思うのであります。
 ただ、前段で述べた事例にあるように、いじめがなかったことを証明しようとしたり、「助けてください」と書いた少年の手紙が教師の手によってほごにされた実態などは、許せないと思うのであります。問題が起こった後で、「このようなことは二度とないように今後努めたいと思います」という反省の前に、いじめ対策をどうするのかという点について、指導面の強化はもとより、予算面からもぼつぼつ検討すべきではないかと私は思うのでありますが、教育長のしかとした答弁を求めます。
 最後に、新南紀白浜空港に関連して二点質問をいたします。
 去る五月十一日、知事は関西経済連合会会長の宇野収氏──浜本収の「収」は同じ字であります──との対談で、関西新空港、世界リゾート博、ベイエリア構想、さらには新南紀白浜空港の開港等に触れ、今後の県政への並み並みならぬ決意を述べられておったが、この中で、新南紀白浜空港の開港は平成六年と言明。また過日、串本町の総合運動公園竣工式典会場においても、白浜空港開港を平成六年と言明されていたが、去る六月十八日、田辺市で開催された新南紀白浜空港建設促進協議会総会の席上、土木部長代理の船戸土木部次長はそのあいさつの中で、「新南紀白浜空港は平成七年度中の一日も早い時期に開港すべく全力を尽くします」と述べていた。以前、私はある新聞で、平成八年に開港がずれ込むという記事を見たことがあり、その当時私は、そうだろうな、多分今の状況ではそういうことになるんではないかなと思ったのでありますが、一体どれが正確なのか。知事の言うていることが正確なのか。ほうっておいたら、いつのどの会へ行っても、平成六年に開港すると言うだろうなと。私は別に内部のけんかをせよと言うんではないんですが、船戸次長は、「平成七年度中の一日も早い時期に開港すべく全力を尽くします」──これが合っているんじゃないかなと。現場でも話をお聞きいたしました。こんなことを言わなくて、ただ聞きますと、平成七年度中というお話を白浜の事務所等では申しておりました。そんなことを質問されると思わずに一生懸命に言うておりましたけれども。どれが正確なのか、この際、ぜひ正確に言明されたいのであります。
 世界リゾート博まであと何日と表示した残日塔は、きょうも県庁正門前や大阪駅に建っている。大変いいことだと思います。しかし今日の状況のもとでは、例えば白浜駅前に、新南紀白浜空港開港あと何日と表示する残日塔は到底建てられないと私は思う。建てる自信があるならば、「建てられます。あと三百何十何日」と。もちろん、工事の関係があるのでそういうことはできないという逃げを打つとは思うが、そうは言わさない。マリーナシティは工事があるんです。到底建てられない。そういうことはできないと私は思うのであります。現状と今後の進捗予定を明示されたいのであります。
 二つ目、私は去る十二月の総務委員会で白浜空港の跡地利用について質問を行ったところ、ほぼ次のような答弁がなされたのであります。「県営南紀白浜空港の跡地利用については、コンベンション機能、スポーツ・レクリエーション機能、業務機能の三点から検討を開始している」とし、「南紀白浜空港の敷地は約五十五ヘクタール。また、ワーキンググループの設置検討に入っている」、たたき台の段階としながらも、「空港に近く、人が集まりやすい利便性を生かした国際会議場建設などのコンベンション機能、観光地の発展に結びつく複合的な体育館施設を中心にしたスポーツ・レクリエーション機能、東京に近い地理条件を生かし、ソフト開発などのオフィスを集合させた業務機能を中心にした三構想が浮上。場合によっては、二つの機能をミックスさせたニュータウンになることも考えられる」とした答弁をしたところであります。しかしながら今、私の知る範囲では──私は白浜の人間ですから白浜の役場にもしょっちゅう参ります。そして、町の意見もかなりそれなりに入ってまいります──このことは余り進んでいないように思われるが、この跡地利用についての進捗状況はどうなっているのか、ぜひお聞かせ願いたいのであります。
 また、この場合、跡地全体五十五ヘクタールのうちに県有地三十九ヘクタール、白浜町有地十六ヘクタールが含まれてございますが、そのことを忘れて「跡地利用、跡地利用」と盛んに言うことはちょっとおかしいのではないか。この際、この町有地の取り扱いをどうするのかということもあわせてお答え願いたいと思います。
 入院中なのでいつもより元気がないことをお許しいただきたいと思います。どうもありがとうございます。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの浜本収君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜本議員にお答え申し上げます。
 新南紀白浜空港の開港についてでございます。
 南紀白浜空港のジェット化整備につきましては、用地取得が大変難航したわけでございます。しかし、おかげをもって本年の六月に民有地の用地買収すべてが完了いたしまして、県議会の皆さん初め多数の皆さんに大変ご協力いただきましたことを心から厚く御礼を申し上げます。
 本体造成工事は順調に進んでおりまして、今議会でお願いしている補正予算により、平成五年度末には全体の約七割の進捗が見込まれるわけでございます。
 開港につきましても、私は平成六年度に何とかしてやりたいと思ってまいったわけでございます。しかしながら、用地交渉等において相当なおくれがございました。それを取り戻すために、現在、相当積極的に工事を進めておりまして、平成七年度の中での少しでも早い時期に完成せよということを土木部に厳命しておるところでございます。
 他の問題は、部長から答弁いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) まず、JR田辺─白浜間の複線化についてのご質問にお答えいたします。
 紀勢本線につきましては、昭和五十三年に和歌山─紀伊田辺間の複線化が完成し、紀伊田辺─白浜間についても、当時の国鉄が事業認可を受けていたところであり、県としては早期着工を強く国鉄に働きかけたところでございますが、国鉄の財源難等のため着工できなかった経緯がございます。その後も、県といたしましては、紀伊田辺─新宮間の複線化について国に対し文書で要望を重ねるとともに、機会あるごとにJRに働きかけを行ってまいったところでございますが、紀伊田辺─白浜間の複線化については技術的な面から多額の投資が必要とされるなど、いろいろ困難な問題があると聞いてございます。
 議員お話ございましたように、関西国際空港の開港や南紀白浜空港のジェット化整備を控え、空港へのアクセスとしても高速で定時性の高い鉄道の果たす役割の重要性については十分認識しておりまして、本年度、JR西日本の協力もいただき、紀勢本線の高速化等について、田辺以南の高速化に重点を置き、その具体的な調査を進めることといたしてございます。
 次に、南紀白浜空港の跡地利用についてでございます。
 昨年六月に庁内関係十三課室によるワーキンググループを設置いたし、さらに白浜町の企画担当職員の参加もいただいて研究を行っているところでございます。
 現空港全体面積は約五十五ヘクタールあり、うち白浜町有地が約十六ヘクタールございますが、跡地の利用については、コンベンション施設、研究開発施設、スポーツ・レクリエーション施設等の立地について研究を進めてございます。
 現在、社会経済の情勢が急速に変化をしており、大変厳しい経済情勢でございますが、経済の動向を見きわめつつ民間活力の活用方策や先進事例の調査等を行いながら、空港のジェット化による効果を最大限に生かし、紀南地域の活性化や新しい空港の利用促進につながる魅力ある国際文化リゾート基地を形成すべく、本年度も引き続き白浜町の参加を得ながらワーキンググループにおいて研究を進めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 商工労働部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 浜本議員にお答えをいたします。
 吉野熊野国立公園特別地域の別荘の建築につきましては、平成二年十二月二十六日に工作物の新築の許可を行っております。
 議員ご指摘の行為につきましては、工作物の新築に伴う一連の行為であり、許可の範囲内であると考えてございます。また、行為地では修景のための緑化を行うこととなっておりますが、これをより確実にするために法律に基づき条件づけをしており、この実行について引き続き監視してまいることとしております。
 県といたしましては国立公園の重要性は十分認識しており、国立公園など自然公園内の行為については当該行為が自然景観に及ぼす影響を総合的に判断し、その影響をできるだけ少なくするよう、申請者に指導などを行っております。
 また、許可の判断に当たっては、町より意見を付した進達を得ており、慎重に対応してきておりますが、議員お話しのとおり、町議会などでも議論があったということについても聞いておりますので、今後とも公園地域内の許可等に際しては町の意見も十分踏まえて対処してまいります。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) いじめの問題についてお答えいたします。
 いじめという行為は人間として許すことのできないものであり、個人の尊厳にかかわる重要な問題であると受けとめてございます。
 本県におけるいじめの発生件数はここ数年間減少の傾向にあり、一校当たりの件数も全国の約半分となってございますが、決して予断を許さない状況にあります。
 また、議員ご指摘のように、いじめが原因となって傷害事件や自殺など、極めて憂慮すべき事態が生じております。こうしたいじめの発生の背景には、集団的な遊びの不足、温かい人間関係の欠如、知育偏重の傾向、家庭や地域社会の教育力の低下など、さまざまな要因が絡み合っており、子供たち自身が人間として大切にされているという実感を持ちにくい状況にあるのではないかと考えてございます。
 このため、教育委員会といたしましては、学校教育指導の基本方針において一人一人を生かし大切にすることを柱に据え、各学校に対しては、子供の個性を重視し、幅広い生活体験を積ませて豊かな情操や社会性を培うとともに、いじめの問題に対しても、人間尊重の立場に立って早期発見や未然防止のために子供の生活実態をよりきめ細かく把握し、教職員と子供たちが一体となって生き生きと活動できる学校づくりに取り組むよう指導いたしております。
 また、保護者、地域社会及び関係機関との連携を図るとともに、生徒指導推進会議や教育相談合宿研修会、PTA研修会等において実践事例をもとに研究を深め、教員の資質向上や教育相談体制の確立、家庭、地域社会の教育力の向上に努めているところであります。
 いじめは、現代社会が抱える教育の病理現象の一つであり、これを単に子供だけの問題としてとらえるのではなく、社会全体の問題としてとらえる必要があると考えます。こうしたことから教育委員会は、これまで機会あるごとに教育における三つの忍耐ということを強調してきております。
 すなわち、その一つは、学校のあり方、体制は万古不変ではないと考えます。変化の激しい今日の社会の中にあって、旧来の陋習にとらわれることなく、常によりよきあり方を目指して脱皮し、自己を変革していくという意味の「変化に耐える」こと、二つ目は、子供たちが時には教師の期待や信頼を裏切ることがあっても、「子供を信じ切ることに耐える」ことであります。そして三つ目は、学校は地域社会や保護者に対して殻を閉ざし、学校を囲いで守るという姿勢をとっている限り、自助努力の芽は育たないと考えます。学校は閉鎖的にならず、その長所も短所も白日のもとにさらす勇気を持つという「開放に耐える」ことが大切であります。
 いじめの問題は社会の病理現象であるだけに、とりわけ学校は「開放に耐える」ことが重要であり、学校がみずから窓を開き、家庭や地域社会と一体となって問題への適切な対応や未然に防止することが大切であると考えます。
 今後とも、生徒指導関連事業の内容や予算についても検討を加えるとともに、学校と家庭、地域社会との信頼関係を強めて、あすへの展望が開ける学校教育の創造に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 43番浜本 収君。
○浜本 収君 串本町潮岬の吉野熊野国立公園特別地域の別荘の許可について再質問をいたします。
 先ほど述べましたように、今から四、五年前に同種の別荘の許可がございました。そのときには、ほかから土砂を搬入して高くしたりすることを制限したり、海側のがけ寄りは自然石を配置してそれを公園化せよとか、また土砂流出どめ、高さ制限などの指導のもとに建設をされております。正しい、法律を守った行為であります。この点から考えてみるならば今回のこの措置は後退しているのではないか。住民がこのことを盛んに指摘してございます。
 また、これらの土地と並んで、二、三軒の個人の所有する土地がその該当地──今問題になっている土地──の左側にあるが、もしその人たちが、前に許可した件と同じように高くするんだと言うてそこへ土砂を入れて高くしていくと、海が見えなくなる。大体、道路の向こう側に土を積んだら海が見えなくなる。先ほども申し上げましたが、夕日がもう見えなくなったというのは本当かと思った。私がこの間行ったときは昼だったので夕日まで見なかったんですが、しかしこの質問でややこしいことがたくさんあったので電話でいろいろ聞いたら、夕日が見えなくなると言う。夕日が見えなくなるということは、景観が壊されているということであります。
 日本で、「夕日が見えなくなるぞ。夕日を返せ」などという裁判や訴えはいまだございませんけれども、しかし、そういうことへの配慮が欠けておったんではないか。これから、二軒、三軒とある人々が、あのようにわしもするんだ、私もそうするんだと言い出したら、それを食いとめることができるのかどうか。そのことを私は危惧いたします。
 串本町議会においては、三人の議員さんたちがこのことを町当局に指摘いたしました。先ほど答弁で串本町の進達を得ていると言いましたが、この進達の内容は──人の町のことを申し上げるのは大変失礼でございますし、またその内容に立ち至ってここで発言することはどうかと思いますが、大変粗雑なものである。そのときに、こういう進達を書いてきているけれども、これは自然公園との関係でいいのか、この点はどうなのかという話し合いもあってしかるべきではないかと私は思います。
 きのう、鶴田議員と知事との間で「遺憾である」ということについての大変すぐれた、しかもユーモアのある答弁と質疑がございましたけれども、串本町議会においても、このことを指摘され、町長は「甚だ遺憾であります」と答えております。知事がやたらに「遺憾」という言葉を使うから、串本まで波及している。えらいもんやなあと私は思います。「甚だ遺憾であります」ということの後で──この「遺憾」は大変正しい「遺憾」で、「おわびをいたします」という「遺憾」であります──「おわびをいたします」ということが議会の議事録に載ってございます。そして、進達したことを認めながら、「その進達はうかっとしておった」と、こういう答弁をなさっている。これも内政干渉になりますけれども、そういうことをなさっておる。だから、「遺憾である」、「おわびをいたします」と。そして、「今後は県と話をしながら改善命令を出してもらえるように」ということで議会を乗り切っておる。議員の諸君もそれで一応おさまっておりますけれども、やがてこれはまた再燃をいたします。
 なぜならば、三年前に私が指摘した、潮岬付近の国立公園内の浪ノ浦というところでもそういう問題があり、そうして、いいことなのか悪いことなのか知らないが、最近、土地売買の業者が大変多くなったと言われている。そういう中でこういう行為が行われてくると大変だ。そういう上での議会の発言であり、そして町長は、「遺憾である」、「謝ります」、そして「県に改善命令をという形でお話をいたします」という答弁をなされております。そういう大変ややこしい状況の中で、こんな許可行為は土砂搬入による新たなる宅地造成工事ではないかという非常に鋭い質問もございましたが、私もそう思います。しかし、県はそういう見解をとってないようでございますが、そういった一連のことについて再質問をしておきたいと思います。
 教育長の大演説、大変ありがとうございました。しかし、私のそばの松本貞次さんが、「いつでも同じことを言いやる」と。私もそう思うんです。同じ答弁をしておる。森本さんも、それを言うてやれと言わんばかりに私に陰の声援を送ってくれました。
 それはそれとして、教育長の指導理念は卓見だと思います。しかし、そういったことを裏づける指導面並びに予算面から、この際特に希望し、そのことを質問いたしたのであります。
 きょう鈴木先生がご出席でございますが、鈴木先生の手前──先生には質問いたしません──そんなことを言ってどうかなと思うんですけども、いじめ問題は、人権問題として事件が起こったら必ず弁護士さんにお願いをして、方々で公判に付せられたり再発防止のそういうものを学校長に出したりということがなされております。この際、県の教育委員会としては、未然にこういったことを防ぐ、子供の命を防ぐということからも、これはいじめに該当するということで親が先生方にご相談あったときに、学校長が、いわば基本的な人権を守るという立場から和歌山県の弁護士会等にもご相談をして、そしてお願いをする、そういった面での予算措置も必要でないか。これは一例ですので答弁は要りませんけれども、そういったことについても考えるべきではないか。
 ただ、再質問するんかせんのかと、けさも、この間からも病院に来ていただいていろいろ話をします。いろいろ責められて熱が上がってくるばかりでございましたけれども。しかし、学問の独立というんですか、教育というのはほかから介入されてはならないんだという──早稲田の校歌ではございませんが「学の独立」、これが学校においては当然だと思います。しかしながら、事件が起こったら必ず弁護士さんが必要になってくる。そして、こういう問題が仮に和歌山県下で不幸にして起こった場合に、そのことを言われると、さっき言ったような前ぶれの話をして教育長は、「おわびをいたします」、「反省をいたします」と言うだろう。「反省は猿でもする」というのがテレビのコマーシャルにございますけれども、そういうことであってはならないと思います。そういった意味でも、予算面での措置をいま一度十分検討すべきではないか。私は教育長に質問をしてございますが、応援をしてございます。総務部長、十分聞いておいてください。指導面での、あるいは具体的な予算面での措置を十分検討すべきではないかと考えるものであります。
 ほかにございましたけれども忘れましたので、これで終わります。
○議長(馬頭哲弥君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 商工労働部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 再質問にお答えをいたしたいと思います。
 まず、今回の許可と以前の許可では県の指導が後退したのではないか、また今後の隣接地等における許可などの考え方についてのご質問でございますが、先ほどもお答えいたしましたとおり、許可の判断に当たっては、市町村の意見を得て、その場所の状況等を十分踏まえて審査し、必要な指導を行ってきております。
 今後につきましても、その位置、形状などの状況を見て、慎重に判断した上で対処してまいる所存でございます。
 次に、町議会における議論についてでございます。
 当該地は、緑化する計画などの内容を総合的に判断し、町の意見進達を踏まえて建築物の新築許可を行ったものであり、新たな宅地造成行為とは考えておりませんが、先ほどもお答えいたしましたように、今後とも町の意見進達を得て慎重に判断してまいりたいと考えております。
 なお、町長の意見あるいは町から提出された公文書等については県として信頼をして判断いたしておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問はありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 浜本議員の再々質問がありませんので、以上で浜本収君の質問が終了いたしました。
○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番村岡キミ子君。
  〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 早速、質問に入ってまいりたいと思います。
 まず初めに、本当にきれいな政治をしてほしい、そのためにどういう国会をつくるのか、どういう人を選べばいいのかという国民の高い関心の中で、今、選挙戦が戦われております。私は、その点においても、今の国民の願い、県民の願いを実現させるためにも、腐敗政治をなくす立場から、まず質問をさせていただきます。
 総選挙の最大の問題となっている腐敗政治をなくす立場から、大手ゼネコンによる不正事件に関連して、関係部長より報告を求めるものです。
 都議選挙が終わってすぐ、仙台市の石井市長が大手建設会社のハザマや西松建設など四社から合わせて一億円のわいろを受け取ったという容疑で逮捕される事件が起こりました。総選挙公示を目前にした時期に検察庁が政令指定都市の市長を逮捕するという前代未聞のこのような事態の背景には、不正を許さぬ検察庁の決意とともに、政治家の金にまつわる事件に対する国民の厳しい目があることは確かであります。
 和歌山県もこの事件に関連した四社に対し指名停止の処分をとられたことは当然でありますが、贈賄企業である清水建設、ハザマ、西松建設、三井建設の四社がこの十年の間に和歌山県にかかわる公共事業のうちどれだけの事業を請け負っているのか、年度ごと、企業ごとに報告を願います。
 今後も、不正や談合にかかわった企業に対しては厳しい態度で臨むことを要望するものです。
 さらに、企業の政治献金の問題について知事の見解を伺うものです。
 さて、金丸信・自民党前副総裁の七十億円に上る不正蓄財事件では、仙台市の事件にも登場した西松建設、清水建設など十八社が東京地検などの家宅捜索を受け、毎日新聞の三月二十六日付は、清水建設が主要な政治家五十七人に対してスペシャルAからA、B、C、Dまで五段階のランクをつけて献金していたことを報道しています。また朝日新聞の三月二十三日付では、ある業界関係者の話として掲載されているわけですが、「公共工事の受注高の何パーセントかを持っていく。三%が相場と聞いたことがある」と、ゼネコンが政治家に裏献金を渡していると伝えております。このことは、政治家と大手ゼネコンが癒着し、公共事業を食い物にしていることを物語っているのではないでしょうか。
 言うまでもなく、公共事業の財源は私たち国民が働いて納めた税金であり、国民の一人とて、このようなことは絶対に許されないと考えるわけであります。知事のご見解を伺います。
 さらに、金丸事件に象徴されるこうした政治家と企業の癒着を断ち、清潔な政治を実現すること、このことがさきの国会に求められた政治改革の柱の一つであったと私は考えます。
 我が党は、金権腐敗政治の温床である企業や団体からの政治献金の禁止を主張し、実行いたしてまいりました。国民の切実な願いが政治家と汚れたお金との関係を断ち切るところにあることは、最近の世論調査でもはっきりしているところです。ところが、自民党が政治改革として持ち出してきたのは、企業の政治献金を断つことではなく、企業の政治献金の枠を、これまでは最高でも一社で一億円であったものを二億円に広げるという法律でした。また、金権腐敗とは関係のない選挙制度の問題を持ち出し、自民党が四割の得票で九七%の議席を占めるという単純小選挙区制を導入しようとしました。また、社会党や公明党の皆さんも小選挙区制を基本とする選挙制度を持ち出して、自民党に妥協を迫りました。さらに、自民党案、社会・公明党案のいずれも、総額三百八億円もの国民の税金を政党に補助するという政党助成法案を提案していました。国会議員一人当たり四千万円ものお金をなぜ国民の税金から支払うような必要があるのでしょうか。選挙活動の公営化と政党の政治活動への補助は、全く別の次元の問題であります。
 本来、政党は有権者の支持のもとに活動し、その活動費は有権者に依拠するのが当然であります。党員や支持者の個人の浄財や事業活動によって活動費を捻出する、そういう活動によって支持を広げていくのが本来の政党のあり方ではないでしょうか。それを国民の税金である国庫や選挙権のない企業に依存することは、議会制民主主義をゆがめ、政治を腐敗に導くものと思います。
 企業による政治献金について、朝日新聞の六月二十三日の「社説」は次のように述べています。「企業の経営者たちに問いたいのだが、従業員が額に汗して得た利益を、株主の了解もなく、勝手に一部の政党に供与できる根拠は何なのか。 かつて、有力な財界人が『企業献金というものは説明がつきにくいものだ。献金が有益なら贈賄になりかねないし、見返りを求めないなら背任になりかねない』と語ったことがあるが、多くの国民の常識もその辺にある」と、このように企業献金の不当性を指摘しているのであります。
 ところが、今度の総選挙に当たっても、自民党の皆さんは財界に百八十億円もの政治献金を要請したと報道されています。また、新生党も五十億円の企業献金を要求しているようであります。日本新党も企業に対して献金の要請書を送っております。これでは政治を財界の金でゆがめる害悪は何も変わらないばかりか、財界の献金先をふやしているのにすぎません。
 既にアメリカでは、一九〇七年に制定されたティルマン法によって企業献金が禁止され、一九四三年からは労働組合の政治献金も禁止されております。また一九四七年からは、企業や労働組合がたとえ政治家に直接お金を渡すのではなくても選挙に関連して支出することを禁止するタフト・ハートレー法が制定され、ニクソン大統領が関与したウォーターゲート事件の反省から、個人の政治献金についても上限を設けているのであります。
 私は、企業による政治献金はその企業の特定の政党や政治家を支援することだと考えるものです。企業とは、営利を目的とします。選挙権を持たない企業が政治献金をして主権者である国民の選挙権の行使に影響を与えることは、有権者の選挙権を侵害するものではないでしょうか。ましてそれが政治の腐敗の温床となっていることから、企業による政治献金は、政治家にであれ、政党や政治団体へのものであれ、すべて禁止することが議会制民主主義と国民の選挙権の公正を守る上からも必要だと考えます。知事の見解を伺うものです。
 次に、湯浅町において同対事業として進められた地区道路工事についてお伺いをいたします。
 既に各新聞が五月三十一日、あるいは六月一日、二日にかけて報道しているのでご承知のことと存じますが、各社の報道によりますと、湯浅町は一九九一年度の地域改善対策事業である北栄栖原線など六路線の新設、改良工事を進めてきた、工事期限である本年三月三十一日までに四路線が完成しなかったのに、湯浅町は「完成した」として県に偽りの事業実績報告書を提出し、国の補助金満額を不正に受け取っていた、県も工事が完成していないことを知りながら厚生省に「四月に完成した」と報告、そして四月二十六日には補助金支払いを行ったとする記事、また「三月末で完了した」と電話で偽りの報告をしたとも新聞は報道しているのであります。
 工事のおくれた理由については、地元同意や用地買収が難航したためとして、事業は九二年度にわたって繰り越しをしています。県の対応については、次のように報じているところです。「町の財政が弱いので、このままでは町民負担になりかねず、問題はあるけれども、やむを得ないと思った」、「工事の遅れが国に分かると今後の補助事業に影響があると考えた」とか、「期限内にどこまで完成したかを調査し、補助金の一部返還の措置をとることにした」という内容でもあります。このような事態に主務官庁である厚生省は、新聞報道によりますと、「地域改善対策事業は、法律だけで解釈できない部分もあるが、法律的にはおかしい。三月三十一日までに完成した分については補助金を支払うが、それ以降については返還要求をせざるをえない」、「ペナルティーとして新年度の補助申請についても検討することになるだろう」と語っているのです。その後、湯浅町長は六月二十三日の町議会本会議場で、道路工事の完成日をごまかし実績報告書をつくり、国からの補助金約十六億円を受け取ったという事実を認め、その責任を明らかにしております。
 以上、各新聞報道を私なりに申し上げてみました。
 私も、六月二十四日、雨雲の垂れた日でしたが、未完成の四路線現場を現地の方々の案内で見てまいりました。山田神田線は、私が二月にお邪魔したときは、まだまだ盛んに舗装工事が行われておりましたが、この日はびっくりするほど整備が進んでおりました。しかし神田地区は、高さ約三十メートルでしょうか、幅も同じぐらいでしょう、崩落・崩土によって道路は完全に遮断され、大変危険な状況となっていました。道路建設のためでしょう、周囲の木々を切り倒し、山を削り、土手工事のブロック壁は無残で、何の効果も果たさない状態でした。また横田方津戸線においても、工事はしたのでしょうが、同じように崩落・崩土のため修復工事は不可能な状態です。まだまだ山の動きが静まっていないということもあります。しかし、この道路工事は現在に至っても続いているそうです。このことからも、工事が完成したとは全く言えるものではありません。うそそのものの実態であります。ある町民の方は、今までの工事の進行状況をビデオに収録し、その事実を町に持っていって話をするのだと言っておられました。
 今日まで本県の同和行政は先進県として自他ともに高く評価をされ、全国をリードしてきたとされています。今回発生した事象は湯浅町の問題とはいえ、指導監督する立場にある県行政の責任も問われなければなりません。みずからも法を守り、法を侵す者には正しく指導助言することこそ行政に課せられた任務ではなかろうかと思います。
 とりわけ、事象の原因者である湯浅町は、同対事業に対する根本的なあり方や考え方がこの際改めて厳しく問われるべきであると思うのです。特にここ数年、湯浅町は山田山開発などに見られるようにたびたび不祥事が起こっていることからも、当然チェックされなければならなかったものであります。きょうの毎日新聞にも、また不祥事が報道されています。もし、こうしたことがあいまいに、これぐらいならと認められたならば、これまでの同和問題に対する県民の意識からしたら、県が進めてきた啓発と大きく隔たることを私は大変心配するものです。到底納得できるものではありません。そして、本県の同和行政の歴史に大きな汚点を残すことになったことを、これまた残念にさえ思うものです。
 ご存じのとおり、政府は二十一世紀に部落差別を持ち込まないことを決意し、可及的速やかに一般行政への円滑な移行を図り、真に必要な事業に限って財政上の特別措置を行うことを目的に、一九八七年四月一日から地対財特法が五年間の時限立法として施行されてまいりました。さらに五年間の延長を行い、同和対策の完全解決への方策が今積極的に進められているようであります。
 地対協の意見具申の中でも、あるいは政府が出した今後の地域改善対策に関する大綱においても、特に物的事業の実施について、事業の進捗状況の把握と事業運営の厳格化、そして執行体制の強化を強調しているところに行政は注視しなければなりません。さらに、補助金を受ける事業でありますから、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、いわゆる適正化法の目的や条件を果たしているかどうか、ここにも問題はないか、このことが求められるのではないでしょうか。
 以上、長々と述べてまいりましたが、六点についてお伺いをするものです。
 第一点、ごく初歩的なことでございますけれども、確認する意味から。県は適正化法第二十六条にいう国──厚生省であります──の事務の機関委任者でしょうか。
 第二点、この事象における工事の進捗状況把握はどのような方法で行われてきたのか。特に工事期限であった三月三十一日現在の各路線の状況はどうだったのでしょうか。
 第三点に、湯浅町から提出された事業実績報告に基づく工事の完工確認検査は行われたのでしょうか。また、県から厚生省への報告はどのような方法で行われたのでしょうか。
 第四点、適正化法第七条第一項第五号に、事業が予定の期限内に完了しない場合の手続が義務づけられております。県と町との深い信頼関係があったにせよ、先ほどから述べていますように、事業運営により一層の厳格さが求められているとき、これくらいならとする県行政の対応の甘さがなかったのでしょうか。
 第五点、湯浅町長はごまかしの書類による不正な補助金受け取りの事実を認めました。この上に立って、県のこれまでの責任と今後の対応についてお聞かせいただきたいと思います。
 第六点、私は法律の専門家ではございませんので、条文をいろいろと読み進む中で素人なりに理解し、法に抵触するのではないかと思った四つの条文について見解を求めるものです。例えば法第七条「補助金等の交付の条件」の第一項第五号、法第十二条「状況報告」、法第十四条「実績報告」、法第十五条「補助金等の額の確定等」などが該当するのではないでしょうか。
 以上、関係部長の明快な答弁をお願いいたします。
 続いて、地方労働委員会委員の任命についてお尋ねを申し上げます。
 私は、二月の定例議会において、地労委委員の任命がおくれている問題や、連合、県地評という二つの労働団体が並び立っている中で片方の労働団体だけで地労委委員が独占されているもとにおいて、地労委委員がかかわった職場にその委員自身が関係する労働組合が第二組合を結成するという事態が起こったことを指摘し、公正、民主的な労働行政を求めてまいりました。今回の委員任命の結果を見ますと、問題を起こした委員を含めて、連合組合によって委員が独占されているのであります。極めて遺憾であり、一日も早くこうした偏った労働行政を改める必要があることを再び指摘しなければなりません。今回の任命に至った理由について関係部長の答弁を求めるものです。
 最後に、水軒川浄化のための改修計画についてお尋ねを申し上げます。
 ご存じのように、水軒川は県知事管理の一級河川であり、感潮河川でもあります。かつてはイナやウナギなどの魚類、貝、カニなども数多く生息して、多くの市民に親しまれてきた美しい川だったと聞いております。しかし現在、ヘドロなどによって、異臭など、周辺住民の暮らしに悪い影響が増大するのではと心を痛めているのです。私も水軒川を市民が親しめる川によみがえらせたいと思い、地元の皆さんたちと一緒に希望を語り合ってみました。
 土木部長にお尋ねいたします。水軒川浄化に対する基本調査や整備計画が進められているやに聞いていますが、その調査結果と計画についてお答え願えれば幸いと思います。
 以上で、第一回の質問を終わります。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 村岡キミ子議員にお答えいたします。
 第一点の、公共事業と政治資金の関係でございます。
 公共事業の受発注と政治献金との間には、私は一片の因果関係もあってはならないと考えております。
 次の、企業、団体の政治献金についてでございます。
 現在、政治資金規正法によって、量並びに態様等について制限規制がされておるわけでございます。私は、自由で公正な民主主義制度のもとで活動する政治家がその政治活動のために必要とする資金につきましては、社会を構成する個人、団体、法人を問わず、みずからの意思によって自由に提供されるべきであると考えておるところでございます。
 しかしながら、この政治資金に関する事件が後を絶たず、政治に対する不信感が増幅している現況でございます。今、国民の政治不信を払拭するためには、政治家がみずからを厳しく律する姿勢を示す上でも、さらに厳しく法規制することも必要であると思います。
 政治資金のあり方につきまして、現在、政治改革の一つの柱として腐敗防止法の制定を初め、国民注視の中で国会において議論が行われているところでございます。その推移を見守ってまいりたいと思っております。
○議長(馬頭哲弥君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 仙台市長の贈収賄事件に絡むゼネコン四社への県発注の実績について、ご説明をいたします。
 最近十年間の年度ごとの実績でございますが、三億円以上の契約金額について申し上げます。そのほとんどが共同企業体に対して発注をしておりますので、その場合は共同企業体が請け負った全体金額で申し上げます。
 まず、清水建設関係では、昭和五十八年度から昭和六十年度はゼロ、昭和六十一年度は一件で八億九千万円でございます。昭和六十二年度、六十三年度はゼロ、平成元年度は一件で四億八千百万円でございます。これは二社による共同企業体でございます。それから、平成二年度は一件で二十三億二百万円でございます。これは三社による共同企業体でございます。平成三年度は一件で、七十九億七千七百万円でございます。これは三社による共同企業体でございます。平成四年度はゼロとなっております。
 次に西松建設関係では、昭和五十八年度はゼロ、五十九年度は一件で六億一千万円でございます。昭和六十年度から平成元年度はゼロ、平成二年度は一件で三億七千五百万円でございます。これは二社による共同企業体でございます。平成三年度は一件で、二十一億五千八百万円でございます。これは三社による共同企業体でございます。平成四年度は二件で、五十九億一千百万円でございます。これは、このうち一件は五社による共同企業体で、残る一件は二社による共同企業体でございます。
 次にハザマ関係では、昭和五十八年度から昭和六十年度はゼロ、昭和六十一年度は一件で八億一千二百万円でございます。昭和六十二年度、六十三年度はゼロ、平成元年度は一件で十五億九千六百万円でございます。これは二社による共同企業体でございます。平成二年度から平成四年度はゼロとなっております。
 三井建設関係では、昭和五十八年度から平成元年度までゼロ、平成二年度は一件で九億四千七百万円でございます。これは二社による共同企業体でございます。平成三年度、四年度はゼロとなってございます。
 以上でございます。
 次に、水軒川浄化と改修計画についてお答えを申し上げます。
 水軒川は、流速のない感潮河川でございます。ヘドロの堆積が進んでいることから、浄化対策として本年度からヘドロの除去を行うことにいたしております。
 今後の河川整備につきましては、これまでに行った護岸施設や堆積状況及び地域特性等の調査に基づき、親水性や景観等に配慮した整備計画の検討を進めてきたところでございます。この計画につきましては、周辺の町づくりと一体となった整備を図ることが望ましいことから、今後、市や地元関係者の方々との協議を行い、これが調えば事業化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 質問にお答えする前に、平成三年度の地方改善施設整備事業の繰り越しに係る湯浅町における一部事業について、いわゆる未竣工工事問題が発生したことにつきまして、県としての指導が十分に行き届かなかったことに対して深く反省をし、再びこのようなことのないよう、事業主体である市町村に対し指導を強めてまいる所存でございます。
 まず、ご質問の一点目の事務委任のことでございます。
 地方改善施設整備費補助金につきましては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十六条及び同法施行令第十六条第一項の規定に基づき、予算より支出される補助金等の交付に関する事務について、適正化法第五条の規定による補助金等の交付の申請の受理から、法第二十三条の規定による補助事業等を行う者からの必要な報告の徴収及び当該職員に立入検査等をさせる事務までの十五項目の事務委任を、昭和六十一年十二月二十七日、厚生省告示第二百二十九号により県知事に委任をされてございます。したがいまして、適正化法第七条、第十二条、第十四条、第十五条の事務については、委任事務の範囲内でございます。
 次に、工事の進捗状況の把握についてでございます。
 町より定期的に文書等により進捗状況の報告をさせてございます。三月三十一日時点の報告については、四月十日までに提出される事業実績報告書により把握をしてございますが、今回明らかになったいわゆる未竣工工事については、書類上は一〇〇%の完成となってございます。
 次に、三点目の完工確認検査と厚生省への報告の関係でございます。
 町から提出のあった事業実績報告書に基づき額の確定を行い、厚生省へ国庫補助金精算状況報告書を提出しております。適正化法によりますと、第十五条において、「補助事業等の成果の報告を受けた場合においては、報告書等の書類の審査及び必要に応じて行う現地調査等により(中略)交付すべき補助金等の額を確定し、当該補助事業者等に通知しなければならない」と規定をされておりますが、今回は町を信頼して、町の検査調書に基づき書類審査のみによって額の確定事務を行ったところでございます。
 四点目の、適正化法第七条第一項第五号の県の対応についてであります。
 その条文には、「補助事業等が予定の期間内に完了しない場合又は補助事業等の遂行が困難となつた場合においては、すみやかに各省各庁の長に報告してその指示を受けるべきこと」となっております。
 この事業は、平成三年度に採択され、平成四年度へ明許繰り越しを行った事業であります。町においては期間内の完了を目指し鋭意努力をしたようでありますけれども、結果的には完成できなかったことも事実でございます。
 町から適正化法に基づく報告もなされなかったことが今回の問題発生の原因となったものでございまして、今後、県としては指導徹底を図り、適正な報告を求めるよう市町村に指導したいと思います。
 次に、五点目の県の責任と今後の対応についてであります。
 今回の問題につきましては、平成三年度という地対財特法最終年度に申請採択された当時の事情がございます。当該補助事業として、県下全体で二十市町村八十件、八十七億六千五百万円の当時の事業費があり、このうち四年度への繰越事業は六十一件、五十四億二千八百万円という、例年の約二倍弱の事業状況でございました。
 議員もご承知をいただいておるとおり、さきの地対財特法は制定当時から同和対策における最後の特別法という位置づけがなされておりましたが、しかしながら本県の同和対策に係る現状は、住環境整備を初め産業就労対策や教育啓発活動等になお課題が残されている状況の中で、平成三年度は残された物的事業に早期に着手したいというのが各市町村の強い願いであったところでございます。
 当湯浅町におきましても、当然、平成三年度に地区道路六路線もそういう願いで申請をされたものであり、県としては、このような状況の中で町の執行体制、工期の適正化、予算の適正執行について十分留意しながら対応してきたところでありますが、結果的には指導監督が十分でなかったことを深く反省しているところでございます。
 議員ご指摘の適正化法第七条、第十二条、第十四条関係の事前指導が不十分であり、特に第十五条関係について、県は額の確定時において、今回の場合、現地調査をし、未完成部分があれば打ち切り精算をするべき措置を怠ったと考えてございます。
 県としての今後の対応につきましては、適正化法第十七条に基づき、厚生省とも協議をしながら補助金の交付決定の一部を取り消し、その返還を求める等の措置を講ずべく、現在事務作業を急いでいるところであります。今回の未竣工工事問題という事態が発生した事実を厳しく受けとめ、従来から当然事業の適正執行を指導していたところでございますけれども、なお、これを契機に改めて早速担当者会議の開催や民生部長名で事業の適正執行について関係市町村に通知徹底を図ったところでございます。
 今後は、このような事態を繰り返すことのないよう、市町村指導の強化と工事進捗状況を的確に把握してまいりたいと考えてございます。
 なお、やむなく諸般の事情により期限内完成ができなかった場合においては、補助金の一部について打ち切り精算という措置を行うよう指導を徹底してまいりたいと考えます。
 また、平成三年十二月の国の地対協の意見具申で指摘をされている残された物的事業については、より迅速かつ計画的な実施に努め、早期終結を目指すべきである、また物的事業の実施に当たっては、その進捗状況を的確に把握する必要があり、そのための進行管理の方法を検討すべきであるとの意見を受けまして、本県においては平成四年一月に今後の同和対策に関する基本方針を定め、関係各部課室や市町村に対し適切な進行管理によって事業申請を図るように指導もしているところでございます。
 今日、同和問題の真の解決を目指して取り組んでいる県民の皆さん方に、この問題についても啓発面において大変マイナス効果を与えた点については重ねておわびを申し上げますとともに、今後二度とこのようなことが起こらないよう、県としての執行体制の強化や法令に対する遵守、進行管理等、厳正な取り組みを図ってまいりたいと考えます。
 最後に、六点目の適正化法のそれぞれ四条にわたる見解についてであります。
 適正化法第七条第一項第五号及び第十二条については国の補助事業に係る適正執行の事前手続としてのチェック機能として、また適正化法第十四条及び第十五条は事業完成手続として定められているところでございまして、県、町においても、ややもすれば法令を軽視しがちな認識のあったことが今回の事件の背景と考え、今後は厳正に、適正かつ効率的な予算の執行に努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 商工労働部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○商工労働部長(吉井清純君) 地方労働委員会委員の任命についてお答えをいたします。
 第三十期地方労働委員会委員の任命につきましては、去る六月十四日に知事から任命させていただいたところでございます。
 特にご質問の労働者委員任命の件についてでございますが、定数五人に対し各単位労働組合から七人の推薦があり、二名の超過があったところでございます。委員任命関係は労働行政にかかわる極めて重大な事項であると認識し、十分に時間をかけ、慎重に検討を重ねて任命に至ったところでございます。
 選任に当たっての基本的な考え方は、本年二月の定例会で村岡議員にお答えいたしましたとおり、労働団体別の枠的な考え方ではなく、労働組合法などが適用される産業別組合員数を初め労働者全体の利益を守る立場で活躍していただける方等、もろもろの要素を総合的に勘案をして選任してまいったところでございます。
 今後、新しい労働者委員には、全労働者の立場を代表してその職責を果たしてくれるものと確信し、期待をいたしておるところでございますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 35番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 今、知事に始まってそれぞれの部長からるる答弁をいただいたわけです。知事がおっしゃられたように、国民の皆さん方の関心というのは、やっぱり清潔な政治であり、政治家が企業献金によってその見返りを政治で返していくというようなことはやってほしくない、もう飽き飽きだというのが今の国民の大方の願いなんです。ですから、そういう点から見ても、企業献金といったものは今やめなければならないということがはっきりしているわけですから、知事が「推移を見守ってまいりたい」と最後に締めくくられましたけれども、もっともっと啓発活動といったものを行政としてもしっかりとやっていただきたいと思っています。
 それから、今、ゼネコン大手が主体になって世間を騒がしているわけですけれども、県下においても建設業界そのものが体質的にこういう問題を持っているんではないかというふうに私は思うんです。というのは、私も幾つかのこういう問題について相談を受けたり、行政の皆さんたちと話し合う中で解決していった問題がありますけれども、やっぱりこれは体質的に改善を求めていかなければならないと思います。
 また、社会的貢献というのがあるとおっしゃいますけれども、企業には選挙権などないわけです。そういう点についてはきちっと法律で定めなければ公共事業を中心にした企業献金などが温存されていくということを私は非常に危惧していますから、その点についても知事に積極的に法成立を求めていっていただきたいと要望しておきます。
 それから、同和事業にかかわって湯浅の問題でお尋ねをしたわけですけれども、この根源というのは、初歩的なことを怠ったというのが最大の原因だと思うんです。国の補助金は国民の税金から出されているものですから、厳格で、しかも計画的に、そしてそれが法律を守って進められなければならないと思うわけです。
 なぜ、この初歩的なことを怠ったのかということが──「怠った」とおっしゃっていますけれども、しかし、ただ甘さだけだったのかどうかというのは非常に危惧をするところなんです。どんな事業であれ、法を守って、そしてその一つ一つがきちっと行政として進められるのが行政のあり方だと思うんです。
 今度の場合でも、湯浅町の「それをやった」という報告を信頼して厚生省に報告されたんでしょうけれども、私の調べによっては、この状況報告というのが本当に十分されていたのかどうかという点では、そうではないと言う者もあります。三人、四人でやっている地方の小さな業者の方たちもいらっしゃるわけですから、行政としてはそういう方たちに対しても、業者としてのあり方、契約といったものを一つ一つ踏んだ上で工事を発注させていかなければならない。それをきちっと監督する立場にある和歌山県は、これを怠りなく実施する。このことが今度行われなかったから、こういう問題が起こっているわけでしょう。ここのところを、県が怠った、甘さがあったということを言っていらっしゃるわけですけれども、実態として状況報告がいつの時点までされてきたのか。全くされてないのか。
 一〇〇%という報告ですけれども、これは一〇〇%であり得ないわけです。六月二十三日に、ごまかしたということを町長がはっきり述べているわけですから。一〇〇%ではなかったというのは今にしてはっきりしていますけれども、その時点でもしてなかったというのは明らかであるわけです。だから、お伺いしますけれども、いつの時点まで県へ事業報告が出されてきているのか。三月三十一日の時点で一〇〇%ということを言っているけれども、それに全く疑いはしなかったのか。というのは、新聞によると、二月の時点でおくれているということは状況報告の中でわかり、それに対して、期限は迫っていますよ、この時期までにやり遂げなさいよと言って指導をしているわけでしょう。その時点でもはや、これは三月末までに終わるかどうかというのはわかったはずです。専門家がいるわけですから。そこのところをもっと明快にしていただきたいと思います。
 それから、県の責任です。そういう事務的な責任ははっきりしてきました。厚生省に聞いてみますと、返還を求められるのは避けられないということです。そうしますと、せっかく町民のためになると思って町長もやってこられたことでしょうけれども、結果的には、期待されていたものが、今度は町民の大きな負担になっていくという事態を招いたことになっているわけです。返還については、大きなペナリティーとして、その返還額に対する一〇・何%の加算金が加えられるわけです。返還の時期がだんだん遅くなればなるほど、その加算額はふえていくわけです。
 だから、そういう点から見ても、きちっとした事務手続をとっていたならば、ここまで町民の皆さんに大きな負担をかけなかっただろうと私は思うんです。その責任は、町だけではなくて、県にも大いにあると思うんです。県は、もう一回、ここの部分について明らかにしてほしい。県としてはどういう責任をとるのかというところをはっきりしていただきたいと思うんです。その点だけ質問します。
○議長(馬頭哲弥君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) 再質問にお答えいたします。
 まず、湯浅町における工事の進捗状況の把握についての関係でございます。
 議員ご承知のとおり、町からは毎月その進捗状況の報告書を提出させておるところでございます。したがいまして、その進捗状況については、その都度わかるわけでございます。ただ、今回の繰り越した事業については、特に二月報告の進捗状況等から見てかなりおくれている箇所がございましたので、その都度、町からおくれている理由の説明を受け、あるいはその事業の進捗のための特例指導を行ってきたところでございます。
 いずれにいたしましても、四月十日現在の事業実績報告書に基づくと一〇〇%の出来高ということで、事業主体である町を信頼し、確定事務を行ったところでございます。
 なお、県としての責任という点でございますけれども、今後、この県費補助制度等に照らして毎月の確実な出来高報告を徹底し、的確な事業の進行管理を行うことによって今回のこの事件の反省とし、県の責任として、将来にわたって、今申し上げた点で対応していきたいと考えてございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問はありませんか。
  〔「あります」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 35番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 今、毎月町から報告を提出させているとおっしゃいましたね。それは、うそじゃありませんか。二月の時点でもおくれている、三月の時点でもおくれているということがあったならば、ちゃんと報告書が出て県が知っていたならば、完了できないという理由をつけて厚生省に「こんな状態ですが」ということで報告をし、その指示を仰ぐとなっているでしょう。そうでしょう。あなたのおっしゃっていること、うそなのよ。うそを言うたらいけません、こういう議場で。
 私の調査によりますと、例えば北栄栖原線は十一工区ございますが、三月三十一日の時点で見てみると、出来高進捗率というのは三六・八三%じゃありませんか。半分も行ってないんですよ。これをあなたはご存じだったのですか。そして、その中でも四つの工区が、これは報告されていないのかわかりませんけれども、ゼロですよ。それをあなたが「毎月報告書を提出させている」と言う。それこそうそじゃありませんか。そういうものがあるならば、もっと的確な指導をやってきたはずでしょう。このことが今、地対財特法や知事が委員でもあった地対協具申の中でも厳しく指摘をされているわけです。そして、この適正化法の中にも明記をされている。このことをどういうふうにお感じになっていらっしゃるのか。そこのところが不明確であるがためにこういう事態が起こったんじゃありませんか。
 もうくどくど申しませんけれども、今あなたのおっしゃったことは、うそです。私ははっきり申し上げます。だから、そういう点でも、今後の問題について、町民の皆さん方からも関係する人たちからも大きな非難を浴びることは確かであります。湯浅町という町を決して非難するわけではありませんけれども、よかれと思ってやったことを法律を守ってきちっとやらせるのがあなたの仕事だと思うんです。このことを今回はしっかりと受けとめていただいて、厳しい対処と、同和問題が本当に解決の道へ向かって正しく行けるようなことをやっていただきたい。
 これは大変大きな問題として新聞ざたにされました。しかし、全国的にも大変珍しい事件だと厚生省は言っています。今後厳しいペナルティーが県にも町にも行われると思いますが、それはいたし方のないことだと私は思うんです。だから、そういう点でも反省というのは大いにやっていただきたいと思います。これは要望としておきます。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で村岡キミ子君の質問が終了いたしました。
  〔「議長、22番、議事進行」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 22番。
○大江康弘君 お許しをいただきましたので、ちょっと意見を述べさせていただきます。
 本会議場で県がきちっとした形の中で答弁したことを議員が「うそだ」と言われた。うそという答弁をそのままに置いておくんですか。要望だと言ったけれども、これ、県当局はうそを認めるんですか。それ、はっきりしてください。
○議長(馬頭哲弥君) 民生部長、答弁しますか。──民生部長南出紀男君。
  〔南出紀男君、登壇〕
○民生部長(南出紀男君) お許しをいただきまして答弁をさせていただきます。
 先ほどの再質問に対するいわゆる進捗状況報告の毎月の報告徴収については、事実でございます。しかし、先ほども申し上げましたように、その出来高進捗状況報告書により、町を信頼して、書類審査に基づいて確定事務を行ったわけでございまして、そうした点については、今後、現場確認等、確実な出来高の把握に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午前十一時五十一分散会

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