平成5年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(浜田真輔議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時三分再開
○副議長(大江康弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(大江康弘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番浜田真輔君。
 〔浜田真輔君、登壇〕(拍手)
○浜田真輔君 議長にお許しをいただき、通告に従って三項目にわたり質問をさせていただきます。
 今議会にて知事は、アメリカ大統領クリントン氏の就任演説の中の「変化・変革」という言葉を引用されております。また一方で、「現在、国民の政治に対する不信感はかつてない深刻なものである」とも述べておられます。まさに今、私たちは、政治、行政に変化・変革を求め、政治の信頼を取り戻さなければならないときに来ていると思います。
 経済界においては、不況下の中、リストラ(再構築)が盛んに叫ばれております。例に漏れず、現況の政治、行政も制度疲労を来していると言わざるを得ません。その中で変化・変革を求めるならば、現況の政治システム、中央集権体制を見直し、地方主体への地方分権へ移行することが必要だと痛感したところであります。
 ここで、第一項目めとして、論議花盛りの地方分権論について知事にお伺いをします。上野山議員、森議員もこの地方分権について触れられておりますが、私も補足の意味でこのことについてお伺いをしたいと思います。
 県当局は、歳入不足の中で、平成五年度予算四千九百七億七千二百万円を苦労を重ねて編成されたことと思います。まず財政面から申し上げますと、かつて、地方税の収入比率から、地方は「三割自治」と言われておりました。現在ではむしろ、四割、五割自治と呼ぶ方が適切かもしれません。このことは、地方自治体、私たちの和歌山県も例外に漏れず、財政の半分を交付金、補助金で賄っているのが現状であります。全国各地から集められた税金を中央において再分配してもらうわけで、例年、中央からいかに多く分配金を取ってくるかが首長また議会、行政関係者の最大の課題であります。毎年度末には東京の霞ケ関周辺が環状線以上のラッシュであるというのは、もう皆さんご承知のとおりであります。
 次に事務作業面から申し上げますと、国から委託されている機関委任事務は地方の仕事の七割を占める分量と言われ続け、中曽根内閣当時の行革審の答申にも「急激に変化しつつある内外環境下で、行政の目標のあるべき姿を改めて検討」として、この機関委任事務の整理、補助金の見直し、地方債許可制度の簡素化、地方税の自主性拡大などの指摘が行われました。この答申を受け、若干権限譲渡が実施されましたが、まだ現在、抜本的解決には至っておりません。そして、何より中央集権が生んだ最大の弊害は東京一極集中と言わざるを得ません。
 現在、東京圏と呼ばれる東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県には日本の総人口の四分の一に当たる三千二百万人が集中し、このままでは二〇一〇年ごろに東京圏の人口は約四千五百万人にも達するという国土庁の予測も出ております。この和歌山県も、人口流出先である東京圏のお得意先と言っても言い過ぎではないと思います。
 また、企業は、申告所得上位の五百社中三百二十六社、六二・二%、上位百社中においては七十二社が東京に本社を持っており、いわゆる大会社ほど東京圏に集中しているというのが事実であります。また文化面では、演劇、ミュージカル等といった各種公演延べ座席数の総数に対する割合、簡単に言いますと、全国各地で行われている各種公演の半分以上は東京で行われているというのが事実であります。人、物の集中は歴然であり、地方の不満が集中するのも当然であります。
 確かに、今までは中央集権の果たした役割は大きかったと考えますが、今に至っては、余りにも弊害が増大したものだと思います。中央の下位から脱却をし、地方のことは地方で決める、そして地方の独自な豊かさを創出していくという意思を示すときに来ていると思います。
 そこで、知事は地方分権については新聞のアンケートにて理解を示されておりましたが、まず仮谷知事にとって地方分権のすばらしい可能性といったものは何なのかをお答え願いたいと思います。そして、現在の国庫の交付金、補助金等、予算獲得努力と莫大な機関委任事務についてどう考えられているのか、本音でお答えを願いたいと思います。
 また、最近では地方分権論議の中で、これは市町村単位でありますけれども、ふるさと創生資金の一億円の用途に各自治体が頭を悩ませている事実を踏まえ、引き合いに出されるのは、権限の大幅譲渡に各自治体が対応できるかということが言われております。
 ここで、現段階で我が和歌山県に国からの権限譲渡をされた場合、行政組織的、また人材的に受け皿があるのかどうかもお伺いしておきたいと思います。そして、地方分権の方法論として道州制が取り上げられておりますが、知事ご自身が考える適正な行政規模とは一体どのくらいの規模を示すのか、お答えをいただきたいと思います。
 最後に、私は地方分権論に賛成の立場から、古くはシャウプ勧告以来、再三の行革審においても中央集権の見直しや改善を指摘されているにもかかわらず一向に改善されない現状を考えれば、地方分権論については各地方自治体が具体的な論議をし、明確な意思表示をしなければいけない時期に来ていると思います。知事においては、全国的にも経験豊富な方であります。ここで、知事自身、地方のために、ひいては郷土のために地方分権に積極的に取り組む決意があるならば、お聞かせいただければ幸いであります。
 第二項目めは、マリーナシティ内テーマパーク及びリゾート博後のノーハウの活用について質問をいたします。
 今回の当初予算にも世界リゾート博関連事業は各部局にわたり大幅な予算が組まれており、知事、県当局の熱意が感じられるところであります。
 さて、来年の開催まで五百日足らずに迫り、議会においてはハードからソフトにわたり再三の質問がされているところであります。また、新聞においてもさまざまな懸念もされておりますが、私は、その中でも前評判の高いミニテーマパークのポルト・ヨーロッパについてお伺いをします。
 一昨年、私はテーマパーク・ユニバーサルスタジオの誘致について質問をさせていただきました。そのとき、テーマパークとは地域経済の発展、雇用の創出、県民に与える影響等について大きな役割を担えるものだと説明をさせていただきました。その考えから、今回のマリーナシティ内のミニテーマパークも期待をかけられるものだと信じております。
 リゾート博期間中は多くの入場者を楽しませてくれるものだと思いますし、また国内においても、小規模と言いながら、非日常的空間を体験できる数少ない施設だと思います。この施設は恒久施設でありますから、リゾート博後も和歌山の観光の目玉となり得ると思います。
 ここで、知事にお伺いをします。
 知事もこのテーマパークに期待をかけておられますが、テーマパークの生命維持には必ずリピーターの確保が命題になります。そのためには、計画的に新しい施設、アトラクションを取り入れ、常に入場者を飽きさせない工夫をし続けなければなりません。継続投資が不可欠だということであります。これらのことを前提に、県として、まず我が県の目玉として取り入れる可能性があるのか。具体的には県広報にて協力など考えられるのか。また、予想以上の成功がおさめられた場合──これは仮定でありますが──また県民に大きな影響を与えられた場合、今後のテーマパークの展開に協力する準備があるのかどうかをお聞かせ願いたいと思います。あわせて、テーマパークを含め、マリーナシティが与える地域経済、雇用等への影響がおわかりなら教えていただきたいと思います。
 そしてもう一点、本年一月十五日の朝日新聞に、大阪市がポルト・ヨーロッパと同じノーハウを持ったユニバーサルスタジオの誘致に成功したかの記事がありました。このことは、マリーナシティ内におけるミニテーマパークに大きなダメージを与えるものだと思います。県は、事実を含め、このことをどうとらえられているのか、ご報告を願いたいと思います。
 次に、世界リゾート博後のノーハウの活用についてお伺いします。
 世界リゾート博は、目標入場者数百万人から上方修正することを含め、最終準備段階であります。世界リゾート博協会においてもご苦労のことと思う次第でありますが、私は、この苦労は今まで県行政には数少なかったものだと考える一人であります。一例を挙げれば、企業等に出展、協賛を求める場合にも従来の方法は通用しなかったこと、入場者数、採算性など行政のノーハウより企業論理が優先されることを身をもって知ったことであったと思います。
 新聞で拝見しましたが、副知事は新年のあいさつで、苦悩のない人生には感激はない、リゾート博で幾多の苦悩を乗り越えれば大きな感激が待っているということを述べられたそうであります。ならば、この大きな感激をただの感激に終わらせるのではなく、次のステップに生かす方法、施策を今から準備、計画することが必要だと思いますが、いかがなものでありましょうか。
 一歩踏み込んで提言を申し上げるならば、このノーハウをこれからの県のリゾート施策、観光施策の糧としていただきたいと考えます。今までの観光施策は、あくまでも応援団であって、選手になり得なかった感があります。しかし、世界リゾート博をリゾート元年として位置づけ、一過性のものではなく大きな飛躍を望むならば、集客や採算性等を理解できるセクション、そして観光行政は社会資本のハード部門から人材的育成などのソフト部門まで、本来は総合施策でなければなりません。
 以上の点から、企画から事業主体となり得る局、公社等としてこのノーハウを活用されたらいかがなものでありましょう。
 最後に、堀本議員も「リゾート」を漢字にもじっておられましたけれども、私の場合は、リゾートとは「理想都」と書いた方がイメージがわくんじゃないかなというふうに思います。もとより観光行政をより強力に推進し、和歌山を「理想都」に導けるよう、知事のお考えをお伺いしたいと思います。
 続いて第三項目めは、和歌山市河北地区の将来、現状について質問いたします。
 京奈和自動車道、紀淡海峡ルート、そして既存の近畿自動車道と計画が順調に進めば、この河北地区は高速交通網の拠点となり得る地区であります。まず、この点からお伺いをします。
 京奈和自動車道の現在の状況と近畿自動車道に至るまでの見通し、そして京奈和自動車道と近畿自動車道の接続部分のインターチェンジの新設について、また紀淡海峡ルートが国の第十一次道路整備五箇年計画において大阪湾環状道路に位置づけをされれば、京奈和・近畿自動車道関連、また関西新空港関連を含め、和歌山市とのアクセスは心配ないのかをお伺いしたいと思います。
 次に、河北地区の渋滞の解消についてお伺いをします。
 この地区は、岩出町を初めとして、那賀郡、伊都郡内、また阪南方面からの和歌山市の玄関口に当たる地域であります。そのために、朝夕の渋滞は激しいものがあります。ただ、平成五年度中に和歌山バイパスが供用開始されれば渋滞緩和に一役を買っていただけるものだと信じますが、先ほど触れましたように、高速交通網の延伸に合わせて、受け皿として県道粉河加太線、西脇山口線の整備も急務だと感じるところであります。
 そこで、現在、渋滞の起点となっている県道粉河加太線の六十谷交差点の改修について、都市計画決定がされている西脇山口線との整合性について、そしてこの春、直川地区に開校を予定している開智学園周辺の通学路の整備について、また紀の川大堰に伴い阪和線の橋のかけかえが行われることになっておりますけれども、この時期に合わせて阪和線下の県道粉河加太線の拡幅の可能性について、お伺いをしたいと思います。
 次に、軌道敷についてであります。
 先般、自民党県議団のミニ新幹線調査会にて、私も、山形、秋田の視察に参りました。そのとき単純に、もう子供のような話でありますが、この列車がこの黒潮路を走れば本当にいいなと感じたところであります。近い将来、大阪を起点として紀勢線ルート、四国ルートと新幹線等が走る時代が来るのではないかと思いますが、ここでお伺いをします。
 まず、二十一世紀をにらみ、河北地区にどのような可能性があるのか、そして、現在の阪和線上に河北地区内では紀伊、六十谷の二駅がありますが、その現状をどう把握しているのか、県にお伺いをしたいと思います。
 次に、河北地区内の河川についてお伺いをします。
 河北地区は、紀の川の恩恵を享受する一方で、治水面では大変困っているのが現状であります。そもそも紀の川北岸地域内の河川は紀の川を河口としているのが原因の一つであろうかと思いますが、県においても積極的に河川改修に取り組んでくれているところであります。ただ、正直申し上げますと、まだまだ不十分であろうかと思います。
 特に、七瀬川についてお伺いをします。紀の川大堰に伴い、水位等での治水面では期待できますが、現在の七瀬川は河川とは言えない状況であろうかと思います。増水時に容量がない点など、現状は認識していただいているはずであります。ぜひ七瀬川の改修について積極的答弁を期待し、また町づくりの観点から河川が果たす役割はいかなるものなのかをお伺いしたいと思います。
 次に、農業についてお伺いをします。
 この地区内は農振地域に指定をいただいておりますが、現在の実情は、厳しい言い方をすれば、辛うじて農業を続けているという状況であります。こうした状況下、この地区内の農業の将来性についてお答えをいただきたいと思います。あわせて、これからの農業の指針となるべき方向性をも示していただければ幸いであります。
 以上、河北地区関連全般にわたり質問をさせていただきました。担当部長に積極的答弁を期待し、あわせて、この機会に河北地区の将来性をご理解いただき、長期的施策として取り組んでいただくことを要望いたします。
 最後になりますが、私、この通告の中には含めておりませんでしたけれども、最近思うことを一言、知事にご要望したいと思います。
 「期待」という言葉がなければ「失望」という言葉は生まれてきません。私は、最近、私と同じ世代の人間と話す機会を積極的に多く持っております。その中で、もちろん県政も含め、政治全般にもわたり、同じ世代の人間の間から不平不満が出ていることは間違いありません。ただ、その不平不満をどう解決していくかといいますか、これを実行をもって解決していこうという熱意がこの世代にあるのかどうかという問いかけをされれば、まずもって「ない」と言った方がいいかもしれません。まさに、私たちの世代は甘えの構造そのものであろうかと思います。
 知事初め各部長は、できるだけ若い世代の声を県政に生かすとか、積極的に理解を示していただいておりますが、最近、このことを思うにつけて、ぜひ視点を変えていただいて、二十一世紀の和歌山を担う世代を育てるという責務を考えるならば、ぜひこの世代と対立をしていただきたいと思うわけであります。余りにも抽象的な言い方かもしれませんけれども、私たちの先輩は次の若い世代の頭をなでるようなことばかりして、そういう甘やかされて育った世代であろうかと思います。しかし、真剣に対立を意識して、反発するエネルギーを若い世代に育てていただきたいなと思います。そのことが二十一世紀の和歌山を担う世代の原動力になるんじゃないかなと考えております。このことは要望でございますので、ぜひ次の世代を育てるという意味で、一つの提案としてお聞きとめいただければ幸いであります。
 以上をもって、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(大江康弘君) ただいまの浜田真輔君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜田議員にお答え申し上げます。
 地方分権論につきまして、地方分権の利点、また交付金、補助金、機関委任事務についての見解、行政組織の整備と人的資源の確保、適正な行政規模、地方分権についての知事の所見等でございます。 
 地方自治にとって最も大切なことは、いかに地方が主体性と責任を持って地方の活性化を図っていくかということであると思うわけでございます。先日も上野山議員に述べましたけれども、これまでも、地方の自主性が図られるよう地方財源の充実をまず第一に考え、国に働きかけてまいりました。
 私は、分権を進めることによって、地方みずからの創意と責任のもとに豊かな地域づくりができる行政制度の確立が図られる、これが第一の利点ではないかと思います。また、現在の補助金、機関委任事務につきましては、国の関与や規制が大変多過ぎるという点から、もっと地方に権限を与えるべきではないかということ、これが地方分権について我々が絶えず訴えてきておる二点でございます。
 それから、地方への権限委譲に伴う行政組織、また人材についてでございますけれども、まず前提として財源が必要でございます。けれども、業務の処理能力、すなわち人的な面では十分に対処できると確信しておりますし、また移管される業務に応じて効率的な体制も整備ができると思っております。
 適正な行政規模の問題でございますけれども、現在、都道府県制は十分に定着しており、単に経済効率や行政の広域化だけでは論ずべきものではないと思っております。ただ、今後の問題として、住民の意向、伝統、または中央省庁の再編成から見ての機能や規模、形態を考えていかなければなりませんので、今後、時間と議論が相当必要ではないかと考えておるところでございます。そうした意味においても積極的に対処してまいりたいと思います。
 しかし、いずれにいたしましても、地方分権はあらゆる角度から論議されているところでございまして、このことは非常にいいことであり、これを国民運動的なものに進めて、国民すべてがこの地方分権について検討していくということが肝要ではないかと思っております。
 それから、テーマパークと世界リゾート博後の件でございます。
 テーマパークの位置づけにつきましては、去る一月八日に松下興産から報道されたとおり、相当な投資を行いますし、また、ほかには見られないハイテク技術を駆使した体験的な施設でございまして、リゾート博期間中はもちろんでございますけれども、リゾート博後においても、集客力等の観点から本県の観光の拠点として大きく寄与できるものと確信しておりますし、また期待しておるところでございます。
 これらのPRにつきましては、お話ございましたように、県としても県全体の観光PR活動の中で取り組んでまいりたいと思っておりますし、またこれの及ぼす経済効果等については最新のデータをもとに現在調査を実施中でございまして、近くそれが発表される予定になっております。
 最後に、新聞紙上等で報道されている大阪市内へのユニバーサルスタジオの誘致につきましては、松下電器としては、幾つかの話はあるようですけれども、検討には入っていないということでございます。
 次に、リゾート博後のノーハウの活用についてでございますけれども、ご指摘のとおり、この博覧会を一過性のものとすべきじゃないということは、私も同感でございます。
 ご承知のとおり、この博覧会は、本県の持つ恵まれた自然や歴史、文化、産業を国内外にアピールし、それはリゾート立県を目指す和歌山県の決意表明でもあると思いますし、またこの博覧会場から二十一世紀を踏まえたリゾートライフのあり方、生活大国としての国民の新しいあり方を情報発信することによって和歌山を国際リゾートエリアとして定着させることを目的としてございまして、和歌山県の活性化とともに地域産業にも大きなインパクトを与えるものと期待しているところでございます。
 また、終了後におきましても、恒久施設であるマリーナシティ和歌山館を通して本県のすばらしさを全国にアピールするとともに、この博覧会で培われたノーハウを埋もれさすことなしに今後の県行政、とりわけリゾート推進や観光行政の展開にどのように活用していくかということについて、人材の活用も含め、十分検討してまいりたいと思います。
 また、最後にお話ございました提言につきまして、いろいろまたお教えいただいて、私たちもまた厳しく対処してまいりたいと思っております。
○副議長(大江康弘君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 河北地区の将来について、幾つかお答えを申し上げます。
 まず、京奈和自動車道と北インターチェンジについてでございます。
 道路整備につきましては、国の道路整備五箇年計画あるいは県の同計画に基づき、高規格幹線道路から市町村道に至るまで、計画的な整備を進めておるところでございますが、京奈和自動車道については、県内延長約四十キロメートルのうち橋本市から高野口町間の十一・三キロメートルが橋本道路として平成元年度に事業化をされ、平成三年度より一部用地買収に着手をされております。また、高野口町から打田町間の十七キロメートルが平成五年度に事業化をされる予定でございます。
 残る打田町から和歌山市間につきましても、平成五年度からスタートをする第十一次道路整備五箇年計画期間中に事業着手をされる予定となっております。今後も引き続き、事業促進あるいは早期供用を国等関係機関へ要望してまいりたいと存じます。
 次にインターチェンジの新設につきましては、京奈和自動車道のインターチェンジとして和歌山市域でその必要性は十分認識をしており、建設省へ検討を働きかけてまいります。
 次に紀淡海峡ルートにつきまして、大阪湾環状道路の一環としての紀淡連絡道路と和歌山市とのアクセスでございますが、大阪湾環状道路は近畿自動車道及び京奈和自動車道と接続をされるものと考えられます。したがって、和歌山市からのアクセスは確保されると考えております。
 それから、県道粉河加太線及び西脇山口線に関してでございます。
 主要地方道粉河加太線六十谷交差点につきましては、昭和六十三年度に策定した渋滞対策緊急実行計画いわゆるアクションプログラムにおいて、緊急に交差点改良が必要ということでその位置づけを行い、現地調査に着手をいたしましたが、現在まで測量立ち入りの了承が得られるに至っておりません。今後、地元関係者のご協力が得られれば緊急的な交差点改良を行いたいと考えてございます。
 また、直川地区開智学園開校に伴う通学路の整備でございますが、平成四年度、千手川に自転車、歩行者用の橋梁架設を行っているところであります。引き続き、学校までの歩道整備を図ってまいりたいと思います。
 次に、西脇山口線は、現在、西脇工区及び平井工区で延長約三千二百メートルの区間にわたって、昭和六十一年度から総事業費約百六十三億円で実施をしております。平成四年度末での進捗率は約三〇%となってございます。
 議員ご提案の六十谷地区の阪和線下の拡幅でございますが、この前後区間の拡幅を含めて、その必要性を認識しております。西脇工区の進捗等を見きわめながら、その事業化に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、七瀬川の改修でございます。
 河川事業は、洪水を安全に流下させ、都市下水路や農業排水等の内水対策の受け皿となる根幹的事業でありまして、積極的に推進を図っているところでございます。
 七瀬川流域は、近年宅地化が進んでおり、今後さらに発展が見込まれる地域と考えられますから、その治水対策の重要性は一層増大するものと認識をいたしております。
 七瀬川の改修につきましては、浸水被害の軽減、将来の土地の高度利用のために不可欠な事業であり、大幅な河道拡幅を伴うことから、都市計画に位置づけて事業を進めなければならないと考えております。
 今後、改修計画について、地元、関係者の方々のご理解、ご協力を得られるよう十分説明をし、事業化に向けて取り組んでまいります。また、景観や環境に配慮した川づくりにつきましても、地元の意向を踏まえ、市とともに検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(大江康弘君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 河北地域の可能性と紀伊、六十谷駅の現状についてお答えいたします。
 議員お話しの河北地域につきましては、関西国際空港の至近距離に位置し、京奈和自動車道により京都、奈良と結ばれ、また将来、第二国土軸や紀淡海峡ルートなど交通の結節点となり、臨空都市圏として重要な地域であると考えてございます。
 ご質問の紀伊駅につきましては、近年の乗降客の増加に伴い、昭和六十三年三月のダイヤ改正において快速電車の停車が実現し、現在では朝夕の通勤時間帯を中心に、一日二十九本の快速電車が停車してございます。また六十谷駅についても、今週の三月十八日のダイヤ改正から新たに一日十二本の快速電車が停車することとなってございまして、両駅を核として活性化が図られ、地域の発展に大きく寄与するものと考えてございます。
 以上です。
○副議長(大江康弘君) 農林水産部長中村 昇君。
 〔中村 昇君、登壇〕
○農林水産部長(中村 昇君) 農業振興についてお答えを申し上げます。
 河北地域の農業は、これまで、平たん部の多い立地条件を生かして、稲作のほか、キャベツ、ブロッコリーなど水田裏作野菜を中心とした農業が展開されてきたところでございます。このため、県といたしましても、野菜の予冷庫や集出荷施設等の整備を進めてまいりました。
 この地域では、都市化の進展に伴って農業生産力が低下しているのが現状でございまして、現在の農家数は約千三百戸で、うち専業農家率は一二%となってございます。しかしながら、この地域は京阪神を中心とした大都市圏や和歌山市街地に隣接をし、さらには高速道路と直結するなど、非常に有利な立地条件にあることから、県としては、今後とも和歌山市や農協等との連携を図りながら施設栽培を組み合わせた複合経営を推進し、都市近郊型農業の振興を図ってまいりたいと考えてございます。
○副議長(大江康弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 26番浜田真輔君。
○浜田真輔君 これはもう要望でございますが、機関委任事務について一度県の中で整理をしていただいて、財政的裏づけ等、いろいろ心配点があろうかと思いますが、今すぐにでも権限を譲渡されてもやっていけるというものを明らかにして一回精査をされたらいかがなものかというふうに、まず一点、要望いたします。
 そして、これは私が感じたところですけれども、これはあくまでも国から県への権限譲渡でありますが、「人のふり見て我がふり直せ」ということもありまして、県から市町村への権限譲渡というものもあわせて考えていただきたいなというふうに思います。
 以上二点、要望として、質問を終わらせていただきます。
○副議長(大江康弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で浜田真輔君の質問が終了いたしました。

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