平成5年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(村岡キミ子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番村岡キミ子君。
 〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 初めに、九三年度予算案にかかわって何点か質問を申し上げてまいります。
 来年度予算についてですが、政府は対米公約と大企業中心の景気対策のために、地方に対しては地方単独の公共事業の大幅な伸びとその財源として地方債の大幅増発を促しているところです。和歌山県においても、厳しい財政状況の中、マリーナシティやリゾート博関連と地方単独の公共事業を大幅にふやし、またそのための県債を大幅にふやす計画となっているのが今度の予算案の大きな特徴となっています。そして、県税収入が九〇年度の見込みを下回るという厳しい財政状況にあり、中小業者や県民が円高不況を上回る深刻な景気後退に苦しみ、行政からの強力な援助を求めているときに、和歌山マリーナシティやリゾート博に合わせて百四十一億円の歳出を図るという、いびつな財政運営となっていることを指摘しなければなりません。加えて、コスモパーク加太への無利子の貸し付け、事実上の補助金となっている高野龍神スカイラインへの貸付金と、過去の県政運営のツケが回って一層財政を圧迫しております。そうした状況のもとでも、大幅な基金の取り崩しと使用料や手数料の値上げなど、県民の家計を苦しめながら大企業中心のリゾートや大規模プロジェクトに固執しているこれまで同様の県政の姿勢は、今、大きく転換させる必要があると考えます。
 新聞紙上でも指摘されている県債の増発の問題ですが、来年度の四百六十五億八千万円の県債発行は、過去五年間と比べてみても、歳入に占める比率は九・四九%と三番目の高さであるものの、額としては最高となっています。二年連続して減少してきたものを再び増加させたものです。そして、NTT債を除く地方債の残高見込みは二千九百四十五億円となり、五年前と比べてみても九百億円も増加することになっています。これを歳入の一般財源と対比させてみますと、八九年の県債残高見込み額が二千四十四億円、同年の一般財源が二千百九十九億円でしたから、その割合は九三%でありました。この割合は、九〇年が九〇・一%、九一年が八九・九%、九二年が九四・六%、そして九三年度は一〇七%と、大きくふえることになっています。
 一般会計全体に対する割合も、八九年が五二・六%でしたが、九三年は六〇%に高まることになっています。県債の大量発行が県財政を大きく圧迫することは明白です。このことを将来のことと見るのではなく、歳出の公債の面から見てみますと、公債費が一般会計の歳出に占める公債比率はこの五年間で上下しているものの、県税歳入に対する割合は、八九年が三四・六%、九〇年が三〇%、九一年が二九・四%、九二年が三二・五%でしたが、九三年は三七・八九%と、近年にない異常な大きさとなってきております。
 財政運営の今後の見通しについて、基本的な考え方をお示し願います。
 こうした結果、県民の暮らしにかかわる予算が低く抑えられていると指摘したいと思います。現在、中小業者の皆さんの不況が大変深刻でありますから、商工予算について詳しく見てみたいと思います。
 商工関係では、来年度予算において、私どもの要求していた特別融資制度の創設など一定の対策をとられたことをうれしく思うわけですが、全体として見るならば決して手放しでは喜べないと思います。
 例えば、この五年間で一般会計全体の伸びは一二六・四%であります。商工費では、この五年間で一二一・八%となっています。しかし、この中にはマリーナシティに建設される和歌山館の三十八億二千六百万円が含まれております。これを除外しますと、商工費はこの五年間でわずか四・七%の低い伸びにとどまっております。そして、一般会計全体に占める商工費の比率は、五年前の五・七%から、来年度はマリーナシティの和歌山館を含めても五・五六%、和歌山館の予算を除くと四・七八%に、約一ポイントも低下しているわけです。
 県当局は、県内の事業所の圧倒的多数を占め、今、未曾有の不況に苦しんでいる中小業者の皆さんの経営と暮らしを守るために、今後は抜本的な施策の強化、予算措置をとっていかれるよう求めたいと思います。
 次に、政府は来年度予算において公共事業の国庫補助負担率の改定を行い、直轄事業については多くが八四年度水準に復元されているものの、補助事業については、河川、治山、国道、港湾、空港、公園、農業関連の多くが引き下げられております。こうした国の負担、補助率の見直しが県財政にどれだけの負担増となっているか、お示し願いたいと思います。
 同時に、来年度予算では、義務教育費の国庫負担のうち共済費追加費用及び退職金に係る全額が一般財源化され、国保事務費負担金の国庫補助対象を縮減して百四億円を一般財源化、保険基盤安定制度の国庫負担を九三年度、九四年度に限って百億円を定額化し、地方負担増加分を交付税算入するという措置をとっています。これにかかわる本県の影響額の予測についてもお示し願います。
 このほか、保健所運営交付金や看護婦養成所運営費補助金、小規模事業指導費補助金などの一般財源化が行われることになっています。それぞれについての本県の影響額についても総務部長からの答弁をお願いいたします。
 次に、医療と福祉問題について申し上げたいと思います。
 私たち国民は、医療保障制度として、何らかの公的医療保険に加入し、患者が自由に病院を選び、いつでも、どこでも、だれもが公平に医者にかかりやすいという状況をつくってまいりました。これは、諸外国に比べてみても日本の医療のよさでもあり、すぐれた特徴点でもあろうかと思います。
 また、一九七〇年代には、革新自治体の誕生の広がりの中で、老人医療費の無料化制度が国の制度として実現をいたしました。それまで経済的理由などで控えがちであったお年寄りたちには大変喜ばれ、金の心配なく医者にかかれることが生きる喜びとしてお年寄りを励ましてまいりました。
 ところが、八〇年代に入り、年々増大する総医療費を抑制するために、政府は第二臨調の第一次答申の中の第一の目玉として医療切り捨ての改革を打ち出してまいりました。それには三つの柱を掲げており、その一つは医療費適正化です。つまり、医者に受診することを抑制することで医療費に対する国からの支出を削る、いわば我慢せよというのであります。早期発見、早期治療、予防対策を強めて病人を出さないという医療保障の理念や国民の命と健康を守るという常識まで放棄させる方針であります。この標的にされたのが弱い立場のお年寄りであり、ここに集中しました。
 その特徴的なものを申し上げますと、一九八三年、老人保健法の創設と老人医療費の有料化による一部患者負担の導入と同時に、老人病院の制度化と保険点数による差別の始まりです。続いて、一九八四年の健康保険本人の二割負担の実施、国保への国庫負担の大幅な削減、そして国民健康保険料の滞納者からの保険証取り上げ、退職者医療制度、さらに医療機関に対する保険点数による締めつけなど、さまざまな方法で医療制度の改悪が強行されてまいりました。さらに、老後の経済基盤である年金まで大改悪されるという事態に至りました。まさに「金の切れ目が命の切れ目」ということになります。国の国民に対する医療保障、命の問題についての責任放棄と言わざるを得ません。
 その後、老人医療費の有料化によって、一時的ではありますけれども、お年寄りの受診が大幅に減り、老人医療費の伸び率は過去最低となったものの、早期発見、早期治療が難しくなったために一層の重症化が進み、かえって入院費用などの大幅増加につながってきたのです。
 常に、お年寄りは健康に対する不安が高いのであります。九〇年自殺白書を見てみますと、お年寄りの自殺者は一万人を超え、その四分の三が病苦や生活苦を中心にしたものであります。
 今、国の示したゴールドプランに沿った老人保健福祉の社会的支援サービスの具体的計画づくりが市町村で進められています。その努力には大変感謝するものであります。しかし一方では、先ほど述べましたように、健康と命を守る社会保障の医療分野において切り捨て政策が続けられていることに、多くの国民は悲鳴を上げているのであります。
 こういうことを考え合わせますと、どうも私は、今の医療と福祉の問題について、政府の行っていることに納得をしかねるものであります。医療、保健、福祉が同様に社会保障制度として確立されなければ、真に高齢者や国民が一人の人間として安心して豊かに暮らせる確かな保障にはならないのではないでしょうか。
 私たち国民は最善の治療と看護をしてほしいと願いつつ、また質の高い医療をこれまた願うのは無理なのでしょうか。お金があるなしに関係なく、基本的な人権を尊重するということから、当然の要求ではないでしょうか。国民の反対を無視して、高齢化対策に必要な福祉税だと言って導入したあの消費税は、一体どうなったのでしょうか。消費税収入は、九二年三月時点で約十三兆円の収入がありました。高齢者対策に使われたのはわずかに四千億円余りです。皆さん、どういうふうにお考えになるでしょうか。
 前置きが大変長くなりましたが、本論に入りたいと思います。
 この四月一日から、医療法改正で特定機能病院及び療養型病床群が制度化されました。これに基づいて診療報酬改定が行われます。診療報酬とは、病院、診療所が行った医療行為に支払われる金額を保険点数として規定したものです。以下、「保険点数」と呼ばしていただきます。
 改正の内容は、現在の一般病院と老人病院、さらに特定機能病院、療養型病床群という新たなタイプの病院が加えられました。今ある病院区分の上に、一般病院の中から、特定機能病院と呼ばれる高度な医療を行うごく少数の病院と三カ月以上の長期の入院患者を扱う療養型病床群という二つの医療施設が法律で決められたわけです。
 この療養型病床群は現在の老人病院と同じレベルの病院ですが、一年間の入院患者全体のうち六十五歳以上の老人の占める割合が六〇%以上の場合を老人病院と申します。療養型病床群は年齢区分がありませんので、三カ月以上の入院の場合はだれでも療養型病院に入ることになります。それぞれの機能に応じて、医師や看護婦を初め人員配置基準や保険点数による差をつけるものであります。
 また特定機能病院は、国立大学病院の本院や国立がんセンターなど、高度な医療を行う、しかも基本的には紹介状を必要とする病院であります。さらに、十科目以上の診療科を持ち、ベッド数は五百床以上ということになります。もし紹介状なしで診察を受ける場合は五百円から千円の別料金が必要です。また、診察を予約しますと、これまた予約料を別料金で取られます。高度な医療についても、自由料金や室料差額の拡大など、このことを認めている今回の改正について私たちは危惧を感じるものです。
 保険外負担が非常にふえることになります。さらに紹介患者率によって、入院診察料、そして紹介をされたことによる紹介初診料加算に差をつけた保険点数が新設されます。看護婦や医師の配置を見てみますと、入院患者百人に対して医師十二・五人、看護婦四十人、補助者の基準は設けられておりません。
 次に療養型病床群を見てみますと、病気安定型期にある三カ月以上の患者を入院させることにしています。医師の配置は入院患者百人に対して二人半、看護婦十七人──これは患者六人に対して看護婦一人となります。そのためか、補助者十七人と、大幅な無資格者の導入になってきております。この無資格者導入については、職場では看護婦不足で十分な看護ができないという深刻な問題になっていることにほおかぶりするものであり、看護婦の配置基準は、一般病院の患者四人に対して看護婦一人より大きく後退をしております。これにつれて看護料も四つの群に分けて新設し、それぞれ保険点数で格差をつけているのです。また、看護婦、准看護婦の比率によっても格差がつけられています。いずれにしても、看護婦の看護技術料や労働に見合った看護料としての保険点数による評価になっていないのが今度の改正であります。
 このことについて、昨年の四月一日、一定の改善はされましたけれども、看護婦確保法附帯決議の中で改善を求めているのであります。その改善内容では、診療報酬については看護婦等の医療従事者の処遇改善に実効ある形で結びつくようにと財政施策をうたっていますが、このことを今回も怠ったものであることを厳しく指摘しなければなりません。
 老人病院との関係を見てみますと、年齢制限以外、何ら変わりがないことから、将来、老人病棟も吸収し、年齢を七十歳から六十五歳に引き下げました。一般病床から老人病床に転換しやすいように箱づくりを進めてきたとも言えます。
 さらに、療養型病床群では特室に係る特定療養費制度を設け、床面積を今の基準から若干広げて、カーテンで仕切るなどして全ベッドの二割まで室料差額を取れる部屋として拡大をしました。ここでも新たな保険外負担を認めることになります。
 以上、今回の改正は、医療法改悪で拡大された差別的医療制度を保険点数で促進し、保険のきかない自己負担、保険外負担を拡大して、その範囲を療養型病床群まで広げたこと、老人の入院比率で保険点数に格差をつけていること、老人への不十分な治療や病院から老人を追い出しかねないような仕組みを多く導入しているなど、国民皆保険制度の根幹を揺るがす大改悪となっていることは大変重大な問題であります。
 病院や診療所は、この診療報酬で職員の人件費を払い、必要な医療器具や治療のための材料などを購入します。また、古くなった病院の建てかえ費用もこの保険点数に頼らなければなりません。看護学校を抱えているところは、看護学校の運営費も捻出しなければなりません。ですから、最低でも社会一般の賃金の上昇や消費者物価指数ぐらいの上昇などを反映して保険点数が大きくアップされないと経営を続けることが困難になってまいります。
 今回のような改正では、経営はもちろんのこと、最も切実な看護婦確保や労働者の条件改善をやりたくてもできないといった状況になって、ますます経営困難や廃業への道を急ぐことになります。さらに、地域における病院間格差が拡大し、そして地域の中小病院が減少したりなくなることは、私たち国民にとって、重症・救急患者を身近なところで受け入れられる病院がなくなることにつながる重大問題です。
 本県でも百五十床以下の中小病院の比重が高く、地域医療が崩壊しかねない状況も来るやに思います。保険点数でぜひとも考えてもらわなくてはならないことがあります。それは、外来看護婦の問題であります。
 看護配置基準では四対一と認めていながら保険でその評価をやっていないのでありますから、人件費を初めとした諸費のすべてが病院負担となることからしても、今回の改正は看護婦不足を追認する何物でもありません。
 お尋ねをいたします。
 いつでも、どこでも、だれでも公平に病院を選んで医療を受けられるという医療の公平の原則を崩すものであると思うのですが、いかがでしょうか。
 中小病院経営への影響が大きく、地域医療体制と救急医療への影響も大きくなりますが、どのようにお感じになるでしょうか。
 新たな医療差別を増大し、多くの保険外負担を生み出すことになります。どのようにお感じになるでしょうか。
 看護婦の評価が正当に保険に反映されていない。このことについてもお答えください。
 次に、看護学生の実習には臨床指導者の確保が大変重要な存在であります。しかし、看護婦配置基準を見ますと、日常の看護婦要員として、一人の看護婦として月八日の夜勤をしながら、その上、学生指導に責任を課せられますので、十分な学生指導が行えないのが実態であります。
 そこで、看護婦配置基準の枠外として学生指導に専念できるようにしていただき、その相当分の人件費を助成していただくよう、県として国に上申方をお願いするものです。
 さらに、看護婦確保対策について、今、当県においても学校建設や専任教員養成などさまざまな努力をしていただいているわけですけれども、どうしてもその対策の一つとして加えていただきたいことがあります。院内保育所を利用できない、あるいは中小病院などで勤務する看護婦は、夜間保育を含めた保育所を強く望んでいます。地域的な問題もあろうかと思いますが、二十四時間保育機能を持った県立看護婦宿舎の建設の検討をお願いするものです。
 つい最近聞いた話ですが、千葉県において、この四月一日開院の松戸市民病院では二十四時間保育所を病院専用として建設し、看護婦募集をしたところ、定員八十名の募集に対して九十七名の応募者があったと聞いています。保育所の問題は、看護婦確保にとっては不可欠な問題であると思います。思い切った対策を期待したいと思います。
 次に、今、県下の市町村で作業が進められている老人保健福祉計画に関連して質問いたします。
 保健福祉計画につきましては、昨年の九月議会で、保健や医療、福祉の分野の行政関係者だけでなく、計画への住民参加が重要であることを強調いたしました。それは、高齢者が人間としての尊厳を保ち、基本的人権を守って安心して老後を過ごせるような計画づくりを進める上から、住民が参加し、住民のニーズに応じた計画の策定が必要だからです。住民が参画してできた計画は、たとえほかに委託したものと同じようなものであっても、計画に対する住民の積極性が異なってくるのは当然だと思います。
 九月議会では、当局から、地域の特殊性や状況を総合的に勘案し、手づくりの計画を策定していくことが大切との答弁をいただきました。ところが、私どもが調査をいたしましたところ、県内では多くの市町村が民間のコンサルタント会社に現況分析から計画立案まで委託し、いまだに実態調査の結果さえ議会や住民に知らされていないというところもございます。あるところでは、一社だけで十以上の自治体から委託を受けているコンピューター会社もございます。民間への委託そのものを否定するものではありませんが、多くの市町村が外部委託に任せている背景には、厚生省でさえ九三年度中の計画策定を指導しているもとで、県当局が今年度中の策定を指導したところにも大きな問題があると思われます。
 市町村の職員の方は、日ごろの職務と兼務して一生懸命計画の策定作業を進めているわけでございます。現状では、計画そのものが住民自身のものとして歓迎されるのかどうか、甚だ不安と言わざるを得ません。
 関係部長から、計画の外部委託の状況の報告を求めると同時に、今後の指導に当たっては、地域の主人公である住民が参画した計画に練り上げるよう、県としても強力に指導されることを求めるものでありますが、見解をお尋ねいたします。
 次に、老人保健福祉計画の具体的な内容について、幾つか質問を申し上げます。
 和歌山市では、いまだに三百人以上の方が特別養護老人ホームへの入所待機をしております。私どもの身近にも、寝たきりや病弱のお年寄りの介護に頑張っておられるご家庭、またどこかに預かってくれる施設はないものかと探し続けている方々がたくさんおられます。私どもが見聞きしているところでは、和歌山市の特別養護老人ホーム定員七百人という二〇〇〇年目標が来年度中にも満たされるということでございます。しかし現実は、医療法の改悪などで病院から締め出されるお年寄りが今後ますますふえ、特別養護老人ホームへの入所は大変厳しくなると予想されます。
 また、田辺市でも約百人の待機者がいると聞いております。有田地方では、特別養護老人ホームに入るには二年待ちと言われているとも聞きました。特養ホームの定員を二〇〇〇年に三千床とする県の計画では、絶対数が不足しているのではないでしょうか。目標の再検討が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 また、特別養護老人ホームや老人保健施設などの計画は、本県においては民間が中心となって進められているのが現状です。経営状況に左右される民間施設が頼りでは、福祉に責任を持つ行政の責務が果たされているとは言えません。
 来年度から、特別養護老人ホームなどの措置費の四分の一が町村負担となります。これは措置権が委譲されるのに伴う改定ですが、ある養護老人ホームの一九九一年の決算では、一年間の経費が一億六千万円必要でした。これに対し、国と県からおりてきた措置費は九千万円で、残りの七千万円が、加入している一部事務組合の自治体の負担となっています。こうした状況により、開設から年月を経るほど人件費や施設改修費が高くなり、施設の運営が難しくなってまいります。また、今後は措置事務の委譲による経費の増加も見込まれます。
 市町村は、老人保健福祉計画を進め、看護婦や保健婦などの人材確保を進める上でも財源と人材育成が重要となってまいりますが、そのための財源対策は何ら示されていません。財源の保障なしでは市町村とても施設や在宅施策を進める上で障害となることは明らかです。国に対して、この計画実現を保障するために、市町村への財政保障を求める必要があると考えます。また、施設の実情に応じた県独自の対策も必要と考えますが、民生部長の見解を求めるものです。
 最後に、田辺市や貴志川町の実態調査で、寝たきりのお年寄りの介護者への手当を求める声が多数出されております。県が八八年に実施した高齢者の生活と意識に関する調査では、介護手当を求める声が全く出ていないことになっていますが、今後明らかになる市町村の実態調査では介護手当の要求が出てくると思います。私は、これは前回もご質問をいたしました。私どもの調査によると、県下の市町村のうち、本宮町や熊野川町では月額七千円、那智勝浦町では月額五千円、白浜町では月額四千円、吉備町で月額二千円と、十以上の町村で独自に寝たきり老人介護手当を実施されています。また老人医療についても、県の所得制限をオーバーする人への独自の負担制度を行っている市町村もございます。県としても、高齢者福祉の充実を進める立場から、独自の介護手当や老人医療の所得制限を再検討することを求めるものであります。ご答弁を求めます。
 次に、労働行政についてであります。
 私は、二年余り前にこの県会において、地労委員の選任問題を取り上げて質問を申し上げました。その趣旨は、県地評、連合という二つの労働団体が並び立つことになった中で、片方の労働団体が地労委員を独占するようなことになれば公正な労働行政とは言えないということ、同時に、地労委に提訴されているような問題は県地評傘下で多く起こっているということ、そのことを勘案して公正、民主的な労働行政を推進されることが望ましいということでありました。
 第一にお聞きしたいことは、地方労働委員会委員の任期は昨年六月で終わっていると思いますが、いまだに新しい委員が任命されたとは聞いておりません。その理由をお聞きしたいと存じます。
 第二に、私が県会に質問した問題とかかわって、この二年間に、どういう組合からどんな問題が提訴され、地労委で審問されたのか。問題を持ち込んだのは県地評傘下の組合なのか連合傘下の組合なのかを具体的にお答えいただければ幸いです。
 第三に、私が長年かかわってきた日赤病院労働組合が地労委に不当労働行為の訴えをしている問題です。看護婦を主体にしたこの組合は、看護婦の労働条件改善とよい医療を進めるために奮闘しています。看護婦不足が大きな社会問題になっていますが、日赤病院でも、せっかく看護婦学校を出て一人前の看護婦になりながら、一カ月に八日を超える夜勤などの激しい労働条件と家庭生活の両立が難しく、中途退職する看護婦が後を絶ちません。そこで、労働組合の役割がますます重要なのであります。日赤病院当局は看護婦が係長や婦長になるに当たって組合脱退工作を行うなど、不当労働行為をしているという問題が地労委で争われています。日赤血液センターで新しくできた労働組合でも、地労委にあっせんをお願いした案件もございます。こうした多くの問題を抱える医療・福祉分野の労働組合関係者が地労委員に選任されていないのはいかがなものかと考えるわけです。この点について、関係部長の見解を求めるものです。
 第四は、そうした状況の中で起こった重大な問題についてであります。連合選出の委員の中でもこの人なら労働者の立場もわかってくれるだろうと労働者側委員を委託したことから問題が起こりました。昨年九月に海南市のドライビング・スクールかいなんで、運輸一般の組合が結成されました。ところが、経営者が団体交渉に応じないなど法律を守らないので、組合は地労委へあっせんを申請いたしました。
 地労委というのは、ご存じのように、知事から任命された使用者側委員、労働者側委員、公益委員の三者で構成されていて、労働組合から提訴された案件について公正、民主的に判断を下す機関でありますが、その地労委の場で労使が合意し、協定書が策定をされました。そのときの協定書の立会人は、労働者側委員である一般同盟書記長の委員でした。その後も経営者は地労委での協定書を守らず、労働組合つぶしを続けたわけです。労働者が生活をかけて闘っているその時期に、この会社に第二組合がつくられました。しかもその組合は、ユニオンショップ協定を会社と結んだのです。ユニオンショップ協定とは、その組合から除名されると即会社も解雇されるというものです。何と、その第二組合は一般同盟に加盟する組合であり、その書記長は地労委の労働者側委員で、しかも協定書の立会人であります。この問題では、地労委関係者も道義上の責任があることを認めています。こうした事態に相なったことは、不公正な労働行政の必然的結果と言わなくてはなりません。本来公正であるべき地方自治体がいつまでも差別行政を続けることは、地方自治の否定につながります。県地評、連合という二つの労働団体が並立しているにもかかわらず、連合に委員を独占させるという差別行政に対する批判の高まりの中で、今、大阪、京都、沖縄、高知など、次々に正常化の方向に進んでいます。この事件について、県行政が公正、民主的な労働行政の立場にお戻りになるかどうか、関係部長のお答えを願います。
 以上で、終わります。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 村岡議員にお答えを申し上げます。
 平成五年度予算に関連をいたしまして、まず財政運営の今後の見通しについてでございます。
 県債の発行に当たりましては、従来から公債費の増高に十分な注意を払いながら、県政の諸課題への適切な対応と長期的視点に立った財政の健全性の確保に努めてきたところでございます。
 平成五年度一般会計予算におきましては、前年度当初対比で約七十七億円増、総額で約四百六十六億円の県債発行を予定しておりますが、これは、県税収入の落ち込む中で、最近の経済情勢を踏まえ、県単独投資について地方財政計画を上回る一三・八%の伸びを確保するなど、景気にも十分配慮した投資重点型の予算を編成したことによるものでございます。
 公債費の増高を含めて、こうしたことによる将来のご心配をいただいたわけでございますが、今回発行を予定している県債のほとんどが後年度における償還財源の全部または一部が交付税措置をされるものであり、税等の自主財源による負担がそれほど大きいものではないということなどから、今後の財政の健全性が損なわれることにはならないと考えております。
 次に、国庫補助負担率の見直しによる県財政への影響についてでございます。
 国庫補助負担率の見直しによる県財政への影響については、一昨日の新田議員のご質問にもお答えを申し上げたわけでございますが、公共事業等に係るいわゆる国庫補助負担率の恒久化に伴って、平成四年度と比較すると、直轄・補助事業を差し引いて約二億円、昭和五十九年度の水準と比較すると約七十億円の負担増となる見込みでございます。これについては、後年度において元利償還金の全額が地方交付税によって賄われる公共事業等臨時特例債を充当して財源措置をすることにいたしております。
 次に、一般財源化による本県への影響額でございます。
 平成五年度の国庫補助金等の一般財源化につきましては、県分において、お尋ねの義務教育費国庫負担金で約十三億五千万円、保健所運営費交付金で約一億七千万円、看護婦等養成所運営費補助金で約二千万円、小規模事業指導費補助金で約一億円と、それぞれ見込んでおります。また、市町村分では、国保事務費負担金で約一億円、保険基盤安定制度分で約七億円となる見込みでございます。
 ただ、このような一般財源化につきましては、地方団体の事務事業として同化・定着をしているものであるという基本認識から、地方財政計画において所要の財源措置が講じられているところでもございます。こうした一般財源化によって財政運営上支障が生じるということにはならないものでございます。
○議長(馬頭哲弥君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 平成五年度の予算案、特に商工費の低い伸び率についてでございます。
 景気の低迷する中、厳しい状況が続いており、予算面での制約下でございますが、商工労働部といたしましては、和歌山の時代を築くべく「たくましい産業づくり」を積極的に推進するために、商工費についても、ここ数年にない対前年比一一六・六%という高い伸び率の予算をお願いしてございます。
 昨年と比較して、工業技術センターの研究交流棟の完成による事業費の減はありますけれども、本年度の主な事業を申し上げますと、リゾート博期間中、また終了後、本県の産業振興、和歌山のPRのためのマリーナシティ和歌山館の建設、並びに融資制度全体の融資枠の大幅拡大、また売り上げが減少している中小企業者への資金需要にこたえるため緊急経営資金特別融資制度の創設、特別小口融資資金の融資限度額の引き上げ等の措置を講じ、中小企業金融の円滑化に取り組むとともに、中小企業者が事業の協業化、集団化事業を実施する場合に低利の資金を貸し付けるための財源として繰り出し金の増額を図ることとしているほか、さらにまた中小企業の振興発展を図るべく、商業施策、産業施策、観光施策、企業誘致等、従来から進めてきた諸施策を着実に推進したり新規事業を掘り起こすなど、きめ細やかな予算をお願いしているところでございます。
 次に、地方労働委員会委員の任期切れに伴う次期委員の任命のおくれた理由でございます。
 第三十期の地方労働委員会の委員の選任につきましては、労働行政にかかわる重要な事項ですので慎重に検討を加えているところでありますが、早期に任命できるよう対処してまいりたいと考えてございます。
 次に、平成三年、四年の二年間で地方労働委員会が取り扱った審査事件は六件、調整事件で六件となっております。
 事件の主な内容でございますが、審査事件は、労働組合活動への使用者の支配介入や団体交渉の拒否など不当労働行為の審査申し立て、調整事件は団交促進や年末一時金の調整などの申請となっております。
 取扱事件につきましては、申立人が組合の場合と個人からの場合とがありますので、特に組織別に分類されておりません。
 次に、労働者委員の選任について一括してお答えをいたします。
 団体別の枠的な考え方ではなく、産業別、労働組合員数など種々の要素を総合的に勘案し、労働者全般の正当な利益を代表して活動していただける方を任命してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 民生部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) まず、診療報酬改定についてお答えをいたします。
 今回の改正の趣旨は、平成四年七月一日に医療法の一部改正が行われたことにより、特定機能病院及び療養型病床群の施設の機能や特質に応じた評価を行うとともに、あわせて患者のニーズに対応するため特定療養費制度の活用を図るものであり、改正医療法の施行に合わせて実施されたものであると聞き及んでおります。
 なお、看護婦の処遇改善につきましては、昨年十二月十五日に厚生、文部両省に対し、医療関係者審議会の保健婦助産婦看護婦部会から答申のあった看護婦確保対策指針の趣旨を踏まえ、各病院に対して指導してまいる所存でございます。
 また、今後とも県民医療向上のため、適正な診療報酬点数の設定が行われるよう国に対して要望してまいりたいと考えております。
 次に、保険外の自己負担の拡大でございます。
 健康保険の医療において、特定療養費として、昭和六十三年四月から患者本人の希望により、特別の病室の提供、予約に基づく診察等について、その費用を徴収してもよいこととなっています。ただし、この実施については基準が設けられており、例えば病室については全病床数の二割以下、国立の場合は一割以下となっております。予約に基づく診療については厚生大臣の承認が必要となっております。
 今後とも、医療保険制度の趣旨にかんがみ、適正に運用してまいりたいと考えております。
 次に、老人保健福祉計画の外部委託状況でございます。
 老人保健福祉計画策定の前提となる老人の実態調査等の集計・分析等につきましては、コンピューター処理等、専門家のノーハウを活用する方がより効果的であるため、市町村においては業者委託をしているところもあると聞いております。
 しかし、県といたしましては、この計画の趣旨から、行政計画としての基本的な部分についてはそれぞれの市町村の地域特性や独自性を勘案した手づくりの老人保健福祉計画となるよう指導してきたところでございます。
 また、議員ご指摘の計画への住民参加ということでございますが、調査の時点から要援護者、介護者などの意見が反映される調査になってございます。さらに計画策定過程においては、住民団体の代表はもちろん、民生委員、保健婦、ヘルパー等の専門家を含め、幅広い検討体制をとるよう、重ねて市町村を指導してきているところでございます。
 次に、今後の指導方針でございます。
 計画の内容につきましては、西暦二〇〇〇年(平成十二年)という将来の高齢化社会に対応するための計画でございますので、この間、当然のことながら、社会情勢の変動や住民ニーズの変化といったものが見られると考えます。このため、適当な時点、例えば次の国勢調査時点等でのローリングといったことが必要になってくると思います。
 いずれにいたしましても、計画策定の現時点では、この計画に盛り込まれている保健福祉サービスの目標数値が達成できるよう、最善の努力をいたしたいと考えております。
 次に、特別養護老人ホームの目標の見直しでございます。
 特別養護老人ホームの整備につきまして、その整備率では近畿でトップの高水準を維持いたしております。さらに、わかやま二〇〇一喜の国長寿保健福祉プランにおいても、国のゴールドプランを約二割程度上回る、平成十一年度までに三千床の整備目標を立ててございます。
 今後とも、地域の高齢者人口の割合、地域バランス、入所待機者の状況等を勘案し、さらに在宅福祉サービスとの連携の中で総合的かつ計画的な整備に努めてまいりたいと考えており、現時点ではその目標量の見直しは考えてございません。
 次に、市町村の計画実現のための財政保障でございます。
 全国より約十年程度高齢化が先行している本県にとりましては、高齢施策先行県として、全国ベースよりも早い時期に老人保健福祉計画を策定するよう鋭意その作業を進めているところであり、当然、市町村保健福祉計画の目標が達成できるよう、今後とも国に対して事業経費の増額を要求してまいりたいと考えてございます。
 また、交付税措置されている市町村独自の福祉財源である福祉基金の一層の有効活用を図るなど、市町村の福祉サービスの円滑な推進が図られるよう、さらに努力してまいりたいと考えてございます。
 最後に、介護手当でございます。
 議員ご指摘のとおり、在宅において寝たきりや痴呆性等の要援護老人等を介護されているご家族のご苦労は大変なもので、その精神的、肉体的な負担は非常に大きいものであると考えております。ただしかし、平成四年九月の定例会でもお答えいたしましたとおり、金銭給付については考えておりません。そのため、県といたしましては、介護に当たる家族の負担を軽減するための施策として、ホームヘルプ事業、デイ・サービス事業、ショートステイ事業のいわゆる在宅三事業を推進するほか、高齢化問題を県民みんなの問題として理解と認識を深めていくための啓発等の事業展開の中で社会的な仕組みづくりを構築していくべく、各種施策を強力に推進しているところでございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 保健環境部長江口弘久君。
 〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 医療・福祉について、医療の公平原則でございます。
 今回の医療法改正のポイントは、二十一世紀を目指した医療供給体制の整備でございます。患者の病状に応じた適切な医療を効率的に提供するために、医療機能施設の体系化や患者サービスの向上を図る目的で、高度医療が必要な患者さんに対しては特定機能病院が、長期入院が必要な患者さんに対しては療養型病床群が制度化されました。
 県民が安心して医療が受けられる現状を逸脱することなく、基本的には現在の診療体制に、さらに高度医療や長期入院を要する患者に対し、よりきめ細かい診療を受けられる体制の整備が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
 続きまして、中小病院の経営への影響と地域医療、救急医療の関連についてでございます。
 県下における病院の開設許可は九十九件あり、そのうち百五十床未満の病院は六十三病院、六三・四%であります。こうした中で、医療費収入が伸び悩み、逆に週休二日制導入等による労務費増加等、病院経営は非常に厳しいと伺っております。
 改正医療法との関係ですが、特定機能病院及び療養型病床群に変更もしくは今のまま一般病床を続けるかの判断につきましては、経営を考慮した上での病院側の選択でございます。これにより、地域医療や救急医療について今すぐ支障を来すことは考えにくいことではございますが、病床転換の際には県下の医療体制等を勘案して十分指導してまいりたいと考えております。
 続きまして、四月一日実施の医療法改正に関して、看護婦確保に実効があるかどうかという質問でございます。
 看護婦確保につきましては、平成三年末に平成十二年に向けて看護職員需給見通しを作成し、進めているところでございますが、平成十一年度を計画期間とする高齢者保健福祉推進十か年戦略や老人訪問看護制度の進展により、看護婦等の需要も増加してくるものと考えられます。
 今後、医療法の改正による人員配置基準等の見直しにより状況が変化することも考えられますが、県としては、これらの動向に留意しながら看護婦等の確保を進めてまいりたく考えてございます。
 続きまして、現在の看護婦配置基準から臨床指導者の配置を枠外にという質問でございます。
 看護学生の臨床実習については各病院に協力を得て行っているところであり、現在、県下では約二百七十人の臨床実習指導者の資格取得者がございます。県といたしましては、昭和五十七年から毎年資格取得のための講習会を開催し、指導者の確保に努めているところでございます。
 臨床実習指導者を看護婦配置基準の枠外とすることにつきましては、ゆとりを持ちながら学生に十分な指導を行うためにも必要なことであり、今後の課題としてまいりたいと考えてございます。
 次に、二十四時間保育所併設の県立看護婦宿舎の建設をという質問でございます。
 本県の看護婦確保対策につきましては、県立看護婦養成所の設置や離職防止等、種々施策を進めているところでございますが、離職防止のための院内保育所の設置は重要な課題と認識してございます。
 現在、県といたしましては、各病院に対し院内保育所の設置を要望している段階であり、保育所併設の看護婦宿舎については、今後、関係機関と連携をとりながら今後の検討課題としてまいりたく考えてございます。
 最後に、老人保健福祉計画について、老人医療の所得制限の見直しをという質問でございます。
 老人医療費県単独支給制度につきましては、実施主体が市町村となり、制度創設当時から県と市町村が足並みをそろえ、老人の健康の保持と福祉の増進を図るため、市町村が老人に対して医療費の支給を行う場合、予算の範囲内において二分の一を補助する制度でございます。
 高齢社会が到来し、県民の高齢者に対する保健福祉へのニーズも多様化している中、また老人保健法の整合性から地方単独老人医療制度そのものの見直しが問われていることから、現時点では対象者の拡大については難しいと思われます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 35番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 残されたわずかな時間ですけれども、要望とすることを申し上げておきます。
 労働行政の問題について要望しておきたいと思います。
 今、地労委の委員の任期が切れているにもかかわらず、前回の人が引き続きやっているということが起こっています。でき得る限り労働組合の中でトラブルが起こらないような対策を緊急にとらなければならないと思います。そういった点からも、私は一日も早い後任の選出を求めておきます。
 自治体というのは、行政そのものが公正な形での運営が行われていくべきであるし、人選においてもそういうことが求められると思うんです。そういった点でも特にお願いしておきたいと思います。
 それから、医療法改正の中で一番心配をすることですが、そういう厳しい状況にありながらも、今すぐには地域医療や救急医療に差し支えはないだろうというふうに保健環境部長はおっしゃいました。法律というのは、一たん決まれば随分長いこと続いていくわけですから、「今すぐにならない」という言い方というのは問題があると思うんです。全国的には、もう既にこの大きなしわ寄せが来ています。保険医団体の調査を見てみても、一年間に七十九の病院がなくなっていったり、あるいは医院へ変わっていっているという実態があるわけです。
 もう一つは、この間、多くの病院が消えていっています。これは、経営困難な状況の中で診療報酬が長いこと引き上げられていないという結果です。それと、人件費の多くかかる看護婦の確保対策が位置づけられていないという大きな問題があって、病院経営が成り立たないという状況を生み出しています。これは国の政策として起こっていることですので、ぜひとも看護婦の確保によってまともな医療や看護を行われるよう、国への積極的な要請をしていただきたいと思います。
 以上です。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で村岡キミ子君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午前十一時五十七分散会

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