平成5年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(上野山親主議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時三分再開
○副議長(大江康弘君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(大江康弘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 11番上野山親主君。
 〔上野山親主君、登壇〕(拍手)
○上野山親主君 通告順に従いまして一般質問を進めてまいりたいと存じます。
 今、国際社会は、米ソの冷戦構造が崩壊し、新しい秩序を確立すべく目まぐるしく変化しようとしています。世界各地で、民族紛争や内乱、飢餓に苦しむ子供たち、難民問題、地球環境問題等、多くの課題が生じてきております。その中で、世界のリーダーであるアメリカでは新しくクリントン体制がスタートしました。また、国連の国際社会の中の役割が重要視されてまいりました。このような状況下の中で、日本の国際貢献のあり方が問われているのであります。
 一方、国内的には、バブル経済がはじけ、ロッキード、リクルート、佐川疑惑等々による国民の政治に対する不信は頂点をきわめようとしています。また、我々地方にとっても、東京一極集中によるひずみが生じ、地方分権を求める声が高まってまいりました。
 今国会冒頭において宮沢首相は、「変革」という言葉を繰り返し使われています。今まさに、我が国が現時点において追い求めなければならないのは、この変革であります。政治、行政の仕組みそのものの変革であり、私たち地方が国に頼らざるを得なかった仕組みそのものの変革であります。
 戦後、我が国の経済は、世界の中で他に類を見ないほどの急成長をし、世界第二位の経済大国の地位を得るまでになりました。しかし、国民一人一人がこれに見合った生活の豊かさを実感し、単に物質的満足にとどまらず、精神的な充実感を得るにはほど遠い状況にあります。大都会では、一生働いても自分の家が持てない、将来に希望が持てない、過密による交通渋滞やごみ、廃棄物問題、水やエネルギー供給の制約等の問題に苦しんでいます。これに反し私たち地方は、生活住環境はなかなか整備されず、陸・海・空に及ぶ交通網の確立に躍起になり、若者たちは都会へ流出し、急激な高齢化社会の進展の中で過疎にあえいでいます。二十一世紀を迎えるにふさわしい国土の実現に向けて、生活大国と世界から称賛されるビジョンづくりが急務であろうと考えます。
 平成二年十一月、衆参両院において国会等の移転に関する決議が行われました。政府においては、国土庁長官の求めにより首都機能移転問題に関する懇談会が開催され、平成二年一月より現在まで十三回にわたり会合が開かれております。この懇談会は、四全総の提起する国民的規模での議論に資するため開催され、首都機能の移転を前提とした上で、最も効果的かつ望ましい方策について検討することとしています。また、内閣総理大臣が首都機能移転問題を考える有識者会議を開催するなど、活発な論議が行われています。衆参両院では、ともに平成三年八月五日に国会等の移転に関する特別委員会が設置され、衆議院では平成三年第百二十一回臨時国会から平成四年第百二十四回臨時国会に至るまでの間に十九回、参議院では十二回開催され、審議が継続されております。
 政府が、東京問題や東京の将来像に関する考え方、国会等の移転に対する賛否等について社団法人日本リサーチ総合研究所に委託することによって二度の調査を行っております。一部、調査結果について紹介を申し上げたいと思います。
 この調査は、平成三年十月と平成四年三月の二回にわたって実施されたものであります。調査対象者は、中央官庁課長級五百名、大手企業部課長級四百名、芸能、文化人四百名、中小企業経営者五百五十名、主婦二百名、合計二千五十名で実施され、回答者は八百三十九名、回答率四○・九%でありました。
 調査結果のうち目立った部分を紹介申し上げますと、現在、東京について特に不満や不安に思うことについては、高地価等による暮らしにくさを不満とする回答が最も多くて七五・四%、次に大震災等による不安を挙げた人が五八・八%となっています。次に、東京圏への居住志向に関して、全体的には東京圏からの脱出を志向する人が定住を志向する人を上回っているのであります。特に、中央官庁の課長級の七割近くが脱出志向であります。次に、国会等の移転に対する賛否については、賛成と答えた人は七三・七%、特に中央官庁課長級が八三・七%、大手企業部課長級八一%と、いわゆるエリート層と言われる人々の賛成率の高いことが目立っております。賛成する理由として、国土のバランスある発展が期待できるが七六・一%、政治や行政の仕組みが大きく変わるが六三%、全国各地域の自主性が高まるが五六・五%となっています。
 この調査からも明らかなように、大部分の人々は東京から脱出をしたい、少なくとも老後は地方で生活したいと望んでいます。また、国会等の移転は国土のバランスある発展に寄与できると考えている人々も多いわけであります。特に、中央省庁のエリート層がそれを強く望んでいるということであります。首都機能移転構想についての議論は尽くさなければなりませんが、中央のみで議論されるのではなくて、私たち地方はもちろんでありますが、国民の各層からの世論を巻き起こす必要があろうと考えます。第二の東京を生み出すための移転構想であってはならないと思うのであります。私の一番懸念いたしますのは、この首都機能移転構想の底流には、現時点の東京の過密状況打破、解消のための政策としての位置づけをされはしないかということであります。まず国ありき、中央権力ありきのための政策に終始しないかということであります。
 今、明治以来の中央集権体制を見直そうと、地方分権論が盛んに議論されております。大前研一氏が結成された平成維新の会が提唱しております道州制の導入により地方に権限を委譲し、政治腐敗を生む政治と金の関係を断ち切って利権構造の中央集権体制を改めようとする案が国民に投げかけられております。
 昨年九月に大分県議会、福岡市議会で、政府に対し地方分権推進法の制定を求める意見書が採択されております。私たち地方の議会も行政も、この問題について地方の立場でどう取り組み、どうかかわっていくのか、避けて通ることはできないのではないでしょうか。今、全国民的規模で、日本の政治や行政の仕組みを新しい方向に変革していかねばならないという機運が高まりつつあります。地方分権論について、知事のご所見をお伺いするものであります。
 続きまして、有田市の西部地域における観光と産業振興に資するための基盤整備についてお伺いいたします。
 有田市の西部地域は、県立自然公園を中心とした観光地域でもあり、県下でも有数な漁業地域でもあります。そして今、有田市では男浦地先の埋め立てにより住宅地の開発や野球場などの観光拠点づくりを、有田市の将来の夢と希望を託し、最重点課題として取り組んでいます。この事業については県当局の皆さん初め国の関係各位に大変なご尽力をいただいておりますことを、心からお礼を申し上げる次第であります。
 しかしながら、道路網がいまだ確立されておらず、行政と市民が一丸となって取り組んでおりますこの事業も、交通アクセスの面で多くの課題が残されております。男浦地先へ通ずる幹線道路を建設する必要があろうかと考えます。
 まず、県道宮崎古江見線の整備であります。
 現在の宮崎古江見線は有田川沿いから宮崎町辰ケ浜に入る路線でありますが、観光バスの対面通行が極めて難しい状況であります。その解決策として、海岸線に沿っての県道バイパスを検討いただきたいのであります。
 いま一点は、有田市都市計画街路西浜新田線を延長し、有田川によって遮られている道路網を有田川河口大橋を建設することによって結んでいただきたいと思います。国道四十二号線より初島地区、港地区を通じ男浦地区へのルートが可能になり、吉備インターから国道四十二号線を通じ男浦地区へのルートが確立され、大きな効果が期待できると思うのであります。
 以上二点について、土木部長のご所見をお伺いするものであります。
 また、有田市の西部地域には、箕島漁港、矢櫃漁港、逢井漁港、さらには千田漁港が存在し、その周辺には古くから漁村が形成されております。しかし、これらの漁村間を結ぶ交通網は皆無に等しく、漁民の生活や産業の振興に支障を来しているのであります。この地域は、多くの観光旅館を有し、通称宮崎の鼻と呼ばれるすばらしい景観を有する県立自然公園地域でもあり、観光ルートとしての価値も忘れてはならないと思うのであります。また、湯浅町から有田市へ通ずる湾岸道路として、地域住民の生活道路としての機能も十分発揮できるものと確信いたします。
 また逢井地区は、現在、一本のトンネルが唯一の交通手段であります。その損傷もひどく、現在の車社会ではその対応が困難なほど狭く、交通安全上も問題が多く、災害等の有事の際には陸の孤島と化す危険性が非常に高く、地域の漁民、住民にとって大変不便な生活を強いられています。ぜひもう一本、トンネルの建設をご検討いただければと存じます。
 以上二点について、漁港関連道事業での取り組みを強く要望するものであります。農林水産部長のご所見をお伺いいたします。
 最後に、環境問題について質問を進めてまいりたいと思います。
 昨年、六月三日から十四日間、ブラジルのリオデジャネイロを舞台にして、国連環境開発会議いわゆる地球サミットが開催されました。この会議には、百八十カ国を超える各国政府代表や各種の国際機関代表、そして百カ国余りの国家元首ないし国家首脳が出席をしました。その最終日に、「環境と開発に関するリオ宣言」「森林に関する原則声明」「アジェンダ21」などを採択して閉幕しております。いよいよ地球的規模での環境問題への取り組みがスタートしたわけであります。
 環境問題は、最初は比較的単純でごく小さな地域内での問題にすぎなかったものが、次第に多様化、複雑化し、さらには国際化した環境破壊へと徐々に拡大してきたのであります。その背景には、これまでの我々の経済社会のあり方と密接にかかわっていることが数多くあります。現在の環境危機は、我々の経済社会全体、地域社会レベルから地球社会のレベルまでのあり方そのものの根本的な新しい国際社会問題となっているのではないでしょうか。
 今日、一般に環境問題と呼ばれるものを一つ一つ拾い上げれば、大気、水、土壌などの汚染に伴うそれぞれの被害としての公害問題に始まり、原生林や野生動植物の保護、緑地や湿地の保全といった自然保護をめぐる問題、さらには地域景観や歴史的、文化的価値のある町並みの保存、地球的スケールで見ればオゾン層破壊や温暖化現象といったように、枚挙にいとまがありません。
 今回は、私たちの生活に一番身近な問題でありながら、その影響は極めて広範囲に及ぶごみ、廃棄物問題について質問を進めてまいりたいと存じます。
 本県のごみ処理状況は、一般廃棄物、一日総排出量千百二十七トンのうち九七%に当たる千八十八トンが収集されており、その処理は焼却処理一日八百八十九トンで全体の七八・九%、埋立処理一日百二十八トンで一一・四%、自家処理三十九トンで三・五%となっております。また、焼却施設は五市十六町六組合で、合計三十三の施設が設置されております。全国的に見ても、全国平均の六九・三九%に比べ、全国八位と処理能力は上位の位置を占めております。
 ごみ問題は、現在の多様化し複雑化した経済社会の中では、排出されたものを焼却し、焼却不可能なものは埋めるという単純な方法ではもはや解決できないのは言うまでもありません。ごみの減量と無害化、そしてその資源化をどうするかという問題であります。
 通産省の再生資源の利用の促進に関する法律の制定や厚生省の廃棄物処理法も改正され、できるだけ資源として再利用する方向へと国の姿勢も変化してきています。また、一九八九年度には全国三千三百自治体の二一%に当たる七百三自治体が資源ごみの回収を行っているそうであります。少しでもごみの量を減らし、リサイクルできるものはリサイクルしようという取り組みは企業でも始まっています。スーパーでは、実際に牛乳パックやトレー、缶や瓶などの回収を手がけているところがふえています。これらの取り組みの背景には、地球環境の危機についてのさまざまな報道や外国からの働きかけもありますが、何といっても大きいのは市民、市民団体からの呼びかけであります。
 まず第一に検討しなければならないのは、ごみ発生源における減量とリサイクル活動を活発に行うということであります。例えば、家庭系ごみに対しては、住民から排出される再生資源を、製品製造者や資源回収業者などが住民あるいは住民組織から直接的に資源リサイクルする事業、または住民相互のリサイクル活動をまず尊重することが第一と考えます。自治体は、必要に応じ、その活動に対して経済的援助、器材の貸し出し、活動拠点の提供などを与えなければなりません。また、住民みずからが環境保全に留意しながら、例えば家庭における堆肥づくりを行う場合、経済的補助を行うことが考えられます。
 次に、行政がごみを集めて資源を回収するには、ガラス、鉄、アルミ、古紙などをほぼ有姿のままで手選別や機械選別により回収する方法と、ごみから原材料を分別収集して堆肥やごみ燃料などの価値のあるものを生産する方法があります。さらに、集めたごみをエネルギーに変換することも考えられます。
 ここで、全国の数々のリサイクル運動に取り組んでいる市民運動、市民団体がありますが、その一例を紹介申し上げたいと思います。
 大量生産、大量流通、大量販売を支えるものの一つに、トレーを初めとする便利なプラスチック類があります。型崩れせず、品質や鮮度を保持するということで、人手を必要とする相対販売から最小限の人員で物を販売する方式へと転換を遂げたスーパーマーケットなどでは、プラスチック包装が多用されております。第一次オイルショックの直後、一九七二年のころ、高知市内の消費者グループがトレー包装を考え、商品の包装紙とごみ減量運動が活発化しました。この消費者グループは、五百人の主婦を対象にアンケート調査を実施し、高知市の行政当局にも参加、協力を得、スーパー経営者側と何度も話し合いを重ねた結果、一九八一年、六十八品目の青果物のトレーの包装廃止の合意が交わされたのであります。こうして、当時、ミニスーパーを除いた十一社五十九店舗の高知市内の全量販店とデパートの青果物から六十八品目のトレーが外されたのであります。これは、市民と行政の認識が同じレベルで運動が起こり、企業を動かした一例であります。トレー包装の廃止は、ごみの減量ばかりではなく、プラスチックの持つ有毒性による環境汚染を防止し、市行政のごみ処理経費の削減にまで効果を引き起こしたそうであります。
 ごみ問題は、収集活動、収集方法に始まり、その処理施設、能力の問題、運搬方法、そしてごみそのものの再資源活用と技術革新、リサイクル運動と地域社会そのもののシステムづくり等々、課題は広範で多種多様であります。もちろん、いずれもそれぞれの自治体の責任において解決しなければならない問題であることは言うまでもありませんが、現在の自治体の能力には財政的にも、ハード面、ソフト面、全般に及んでその限界があります。近い将来、焼却炉の廃止や埋め立ての廃止といった国際的に環境法の改正によるリサイクル化、コンポスト化、再利用化の方向に転換されることが十分予想されます。県は、将来に向けての政策を打ち出し、十分な情報を収集し、県下それぞれの市町村を指導できるだけの能力と機能を構築していかねばならないと考えます。ごみ問題に関する将来的ビジョンと、今後、市町村に対しどのような指導方針をお持ちなのか、保健環境部長にご所見をお伺いするものであります。
 また近年、児童や生徒向けに環境教育のための教材や県民への啓発活動のためのビデオ等を作成し、各方面へ働きかけておられますが、今後、環境教育について県下の自治体や学校教育、県民の啓発活動等、どのような方針で臨まれるのか、あわせてお伺いするものであります。
 以上で、第一回目の質問を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(大江康弘君) ただいまの上野山親主君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 上野山議員にお答え申し上げます。
 地方分権についての知事の所見ということでございます。
 東京一極集中が進む中で、地方は過疎化、高齢化が進んでおるわけでございます。また、東京では過密による都市機能の停滞といった現況にございます。お話のように、政治、行政、縦割り行政等の仕組みそのものに大きな変革が必要になっておると思うわけでございます。
 話ございましたように、国会移転の問題が取りざたされており、論議されておるわけでございます。また、政党においても地方分権が叫ばれておるし、大前さん、細川さん等、地方分権についていろいろ論議が交わされておるわけでございます。私は、これは非常にありがたいことだと思っております。
 しかし、地方分権と申しましてもいろいろなことが言われておるわけでございます。大前さんの言う地方分権、これは憲法を改正しなければならないような問題ではないかと思います。また、道州制の問題、連邦の問題、さらにまた現在の組織形態において中央と地方とがあって、その権限を大幅に委譲するという問題もございますし、市等においても人口が違うため三十万都市を主体にした市町村のあり方を考えるという問題等々、いろいろあるわけでございます。
 このようにいろいろ論議されておるということは、明治以降においてこれから成熟社会に入ってくるということで非常にいいことでございます。今までは、産業第一主義、系列主義、中央集権主義で行くことが日本の発展に一番よかったという考えに基づいておったと思うわけでございますけれども、これから一人一人の国民が豊かな生活ができる生活大国という形になるためには、地域の文化、地域の個性、土地の住みやすさというものが重点として取り上げられなければいけないのではないかと思うわけでございます。
 地方分権については言われてから久しいわけでございまして、土光臨調のときにもこの問題が取り上げられ、我々としても権限委任について、例えば地方事務官の制度等についてもこれを県に移管せよと言った。しかし、それができていないということも考えていかなければならない。中央の領域を守るという精神が非常に強いのではないかと思うんです。地方自治体はそれだけの能力がないと彼らは言うけれども、私は人材とか技術面において地方自治体も相当進んできておると思うわけでございますけれども、その壁を打ち破っていかなければならないわけでございます。国の行政機構改革についても、知事会から異議を出して知事会としての意見を申しておるわけでございます。
 このように、地方分権についてあらゆる角度から論議されておるときでございます。だから、広範な立場において考えていこうということで、現在、知事会において専門部会を設けて検討しておるわけでございます。しかし、我々はどちらかというと実務家肌でございます。だから、道州制にすぐ持っていったらいいのかというよりも、現在の都道府県をもう少し評価すべきではないか、権限を強化してそれから道州制の問題とかに段階的に行くべきじゃないかという考えが強いわけでございますけれども、こうした問題は今後の研究課題になるわけでございます。
 私も所見を言わせていただくならば、かつて和歌山県においても阪奈和合併が論議されたことがございます。こういった合併問題の論議もあろうと思うんです。しかし、都道府県をもう少し充実していく。全国の都道府県はある程度基礎が確立してきている、そしてまた各都道府県の県民は郷土に愛着を持っていると思うんです。人口規模が東京都のように一千百万人のところもありますし、百万人以下の県もあるわけであります。けれども、定着しつつある。それを充実することによって、合併問題なり、道州制なり、連邦制なりというものに段階的に行くべきではないかと、今のところそう考えておるわけでございますけれども、今後、知事会等において十分検討してまいりたいと思っております。
○副議長(大江康弘君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 有田市西部地域の幹線道路についてお答えを申し上げます。
 県道宮崎古江見線の現況は、箕島漁港付近の市街地で特に幅員が狭小であるところがございます。ほかは、ほぼ一次改良済みとなっております。当面、箕島漁港付近の人家連檐部における現道拡幅等の調査を行って、地元のご協力を得ながら、その改良整備を進めたいと考えております。
 また、議員ご提案の県道バイパス計画及び都市計画街路西浜新田線を延長して有田川左岸の辰ケ浜と結ぶ有田川河口大橋の計画については、いずれも非常に大規模な橋梁となり種々問題もあると思われますので、今後、交通量、交通形態、投資効果等を考えながら、有田市ともども勉強をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○副議長(大江康弘君) 農林水産部長中村 昇君。
 〔中村 昇君、登壇〕
○農林水産部長(中村 昇君) 漁港関連道の取り組みについてお答えを申し上げます。
 漁港関連道事業についてでございますが、議員ご承知のとおり、農林漁業用揮発油税財源身がわり措置の一環として、道路の新設並びに改良ができる事業でございます。この事業は、漁獲物の流通及び漁業用資材の搬入搬出、漁業生産の近代化、漁村環境の改善を図るためとなってございます。漁港と国道、県道等の主要道路に接続をしたり、漁港と漁港、また主要漁場とを結ぶ道路事業となっておりますので、漁港道路を中心とした整備については、議員ご提言の趣旨を踏まえて、事業主体となる漁港管理者の有田市と検討してまいりたいと考えてございます。
○副議長(大江康弘君) 保健環境部長江口弘久君。
 〔江口弘久君、登壇〕 
○保健環境部長(江口弘久君) 上野山議員ご質問の環境問題の、ごみ問題に関する将来的ビションについてでございます。
 近年の産業経済の急速な発展拡大により、豊かで多様な消費生活や生活スタイルを享受するようになりました。このことは一方で、ごみをますます増大させており、地球規模の環境保全の側面からも、ごみ問題については重要な課題であると認識しております。ごみの量の増大により、今後、処理施設の確保が次第に難しくなっていくことが予想されます。県といたしましては、和歌山県に適したごみの排出抑制と再利用を進めるための計画的な施策の展開を図るべく、ごみ減量・再資源化促進事業をスタートさせ、この中で基本的ビションを策定し、リサイクル社会の積極的推進に努めてまいる所存でございます。
 また、市町村への指導方針については、二十一世紀を目指した長期的な対策を講ずるため、市町村ごとに一般廃棄物処理基本計画の策定を行い、この計画の中でごみの排出を抑制し、その再生利用を位置づけるよう指導しているところでございます。平成五年度には、半数を超える市町村でごみの減量化、再資源化の事業を予定しておりますが、今後、県下全市町村での取り組みができるよう指導してまいりたいと考えてございます。
 続きまして、環境教育の取り組みについてでございます。
 環境問題に対する理解と認識を深め、責任ある行動を促していく環境教育は大変重要なことであると認識しております。このため、昭和六十二年度において環境教育の推進に当たっては、一、自然を愛する心や豊かな人間性を養っていくべきであること、二、情報の収集や提供が重要であること、三、学校、家庭、地域、企業等の対象に応じて展開していくこと、などを方針とした環境教育カリキュラム策定調査報告書を取りまとめております。これを受けて、小中学生向け副読本、社会人を対象としたガイドブック、ビデオ等を作成するとともに、わかやま環境フェアの開催など、環境保全意識の高揚に継続的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、平成元年度に設置した地域環境保全基金の運用益等を活用しながら、対象者、テーマなどを考慮し、市町村、関係機関等と連携して、先ほど申しました方針に従って環境教育を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(大江康弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 11番上野山親主君。
○上野山親主君 どうも、ご答弁ありがとうございました。
 土木部長と農林水産部長に改めてお願いをしたいんですが、今申し上げた事業は、有田市にとって必ずやらなければならない事業であります。どうか、これから市の方とも相談いただいて前向きの姿勢で取り組んでいただきますように、この場でご陳情申し上げます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 保健環境部長に要望したいんですが、昨年開催された地球サミットで採択されている「アジェンダ21」というのがあります。これは、二十一世紀に向けての環境問題に対する行動計画をあらわしているものであります。聞くところによりますと、四部四十章から構成されている、五百ページにも上る膨大なものであるそうであります。その中身は、大気保全のための生態系管理とか水管理、廃棄物管理等のメディア別の課題であるとか、地方自治体、産業界等の主体別の役割が合意されておって、二十一世紀へ行動計画として採択をしたという内容であるそうであります。その「アジェンダ21」の第二十八章に、地方自治体の役割が記載されております。一九九三年までに国際社会は地方自治体間の協力の増進を目指した取り組みを開始し、一九九六年までに地方自治体は地域住民との意見交換を行うことを目標としているということが載っております。いよいよ環境問題は、国際社会がもう一つになって動き出したという感があります。
 私の心配しますのは、国際社会の中で例えば国際環境法みたいな法律が制定されて、埋立処理とか焼却処理を国際的に制限していこうではないかという可能性が出てくるのでなかろうか。そうなりますと、今までやっておった焼却処理、埋立処理というのがなかなかしにくくなってきます。
 保健環境部長に特にお願いしたいのは、環境問題は国際社会の動きなしではこれからはもう考えられないと思いますので、どうか国際社会の動向を十分見きわめた上で、県下の市町村への指導のための処方せんといいますか、この町についてはどのやり方を教えていくと、そういう処方せんを構築していただいて、今から準備をしていただきたいと思います。その点、強く要望を申し上げておきます。
 最後に、知事にちょっとお教えをいただきたいんですが。
 今、知事みずから、全国知事会のお話をしていただきました。今、仮谷知事は、全国知事会のリーダーでもあります。その全国知事会のリーダーとして、これからこの地方分権についてどのように取り組んでいかれるのか。特に、今お話があった──正式な名前は存じ上げませんが、全国知事会の中で懇談会をつくられて議論をされており、近々答申を出されるというお話を聞きました。この答申が出た後は知事会としてどうされるのか、知事会としての行動計画といいますか、日程、方針等、もしこの場で発表できるものがありましたら、知事の方からひとつお教えを願いたいと思います。
 以上で、再質問を終わります。
○副議長(大江康弘君) ただいまの再質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 地方分権についての知事会のなには、先ほど申しましたように、専門部会をつくって現在検討中でございます。だから、まだはっきりした結論は出ていないし、専門部会の中でもまだはっきりしていないわけでございます。内容等については、私もまだ十分じゃないわけです。
 ただ、言えますことは、知事会で決めるだけじゃなしに、これを国民運動的に進めていかなければならない問題ではないかということです。そしてまた、市長会、町村長会、議長会等、地方六団体の皆さんと手を合わせつつ国民運動の形で進めるということが大事でございますので、そうしたコンセンサスもこれからの問題になってくるんじゃないかと思います。
 以上です。
○副議長(大江康弘君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(大江康弘君) 以上で、上野山親主君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(大江康弘君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時四十五分散会

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