平成4年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第五号 平成四年十二月十一日(金曜日)
    午前十時開議
  第一 議案第百四十八号から議案第百六十五号まで(質疑・委員会付託)
  第二 一般質問
  第三 請願付託
会議に付した事件
 一 議案第百四十八号から議案第百六十五号まで(質疑・委員会付託)
 二 一般質問
 三 請願付託
 四 休会決定の件
出 席 議 員(四十五人)
 1  番  尾  崎  要  二
 2  番  中  村  裕  一
 3  番  下  川  俊  樹
 4  番  石  田  真  敏
 6  番  木  下  秀  男
 7  番  岡  本 保
 8  番  藁  科  義  清
 9  番  北  村 翼
 10  番  小  川 武
 11  番 上野山  親  主
 12  番  井  出  益  弘
 13  番  町  田 亘
 14  番  尾  崎  吉  弘
 15  番  門  三佐博  
 16  番  西  本  長  弘
 17  番  高  瀬  勝  助
 18  番  冨  安  民  浩
 19  番  和  田  正  一
 20  番  阪  部  菊  雄
 21  番  平  越  孝  哉
 22  番  大  江  康  弘
 23  番  岸  本  光  造
 24  番  山  本 一
 25  番  吉  井  和  視
 26  番  浜  田  真  輔
 27  番  堀  本  隆  男
 28  番 宇治田  栄  蔵
 29  番  富  田 豊
 30  番  中  村  利  男
 31  番  馬  頭  哲  弥
 32  番  宗 正  彦
 33  番  鶴  田  至  弘
 34  番  上  野  哲  弘
 35  番  村  岡 キミ子  
 36  番  松  本  貞  次
 37  番  木  下  義  夫
 38  番  和  田  正  人
 39  番  中  西  雄  幸
 40  番  橋  本 進
 41  番 野見山   海
 42  番  森 正  樹
 43  番  浜  本 収
 44  番  新  田  和  弘
 45  番  浜  口  矩  一
 46  番  森  本  明  雄
欠 席 議 員(なし)
 〔備 考〕
 5  番  欠  員
 47  番  欠  員
説明のため出席した者
 知 事 仮  谷  志  良
 副知事 西  口 勇
 出納長 梅  田  善  彦
 知事公室長 市  川  龍  雄
 総務部長  山  中  昭  栄
 企画部長  佐  武  廸  生
 民生部長  吉  井  清  純
 保健環境部長  江  口  弘  久
 商工労働部長  中  西  伸  雄
 農林水産部長  中  村 昇
 土木部長  山  田 功
 企業局長  高  瀬  芳  彦
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
   岩  崎  正  夫
 教育長 西  川 時千代  
  以下教育次長
 公安委員会委員長
   山  階  清  弘
 警察本部長 中  長  昌  一
  以下各部長
 人事委員会委員長
   水  谷  舜  介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員  天  谷  一  郎
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
   稲  住  義  之
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長  塩  崎  省  吉
 次  長  中  村 彰
 議事課長  中  西  俊  二
 議事課副課長  佐  竹  欣  司
 議事班長  松  谷  秋  男
 議事課主事 古  井  美  次
 議事課主事 松  本  浩  典
 総務課長  川  端  孝  治
 調査課長  大  畑 巌
 (速記担当者)
 議事課主査 吉  川  欽  二
 議事課主査 鎌  田 繁
 議事課速記技師 中  尾  祐  一
 議事課速記技師 保  田  良  春
  ──────────────────
  午前十時三分開議
○議長(馬頭哲弥君) これより本日の会議を開きます。
○議長(馬頭哲弥君) この際、報告いたします。
 昨日提出のあった議案第百五十八号から議案第百六十一号までについては職員に関する条例改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
  〔職員朗読〕
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     和人委第320号
     平成4年12月10日
 和歌山県議会議長  馬 頭 哲 弥 殿
 和歌山県人事委員会委員長 水 谷 舜 介
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成4年12月10日付け和議会第278号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
   記
 議案第158号  職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第159号  教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第160号  警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第161号  市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
  (意  見)
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
  ──────────────────
○議長(馬頭哲弥君) 日程第一、議案第百四十八号から議案第百六十五号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 34番上野哲弘君。
  〔上野哲弘君、登壇〕(拍手)
○上野哲弘君 おはようございます。一般質問を行います。
 第一の、熊野三山としての新宮市の町づくりということであります。余り新宮ということを申し上げたくないのですが、具体論になってくるとどうしてもそうせざるを得ないので、その辺、お許しを願いまして、県から見た振興策ということでご答弁をお願いいたしたいと思います。
 現在、我が国においてさまざまな社会のゆがみが露呈され、問題化されております。その対策に、国はもとより地方においても頭の痛い状況になっておるところでございますが、とりわけ都市への一極集中による過疎過密問題、さらにこれまで経験したことのない高齢化社会等、我々を取り巻く環境は日に日に悪化を見ており、特に地方に住む人々にとって、国会議員あるいは県会議員の減員による政治的後退、若者の流出による地区活動の衰退等、社会生活をする上でもとても抗し切れない状況になろうとしておりますが、反面、発想の転換により地方に光が見えてくることも考えられるわけであります。我々政治に携わる者の使命は、地域の町づくりを目指す上で、その理想というものをいかに現実に近づけるかということであろうと考えております。
 今後、地方にとって町づくりと活性化はますます永遠の課題になるかと思いますが、活性化、活性化と言うばかりで具体策のない抽象論に終わってしまえば、その役目は果たせません。本来、町づくりというのはその地域の持つ特徴をいかに発掘するかであり、それは当該自治体の責務になるわけであります。地方自治の趣旨から県がその主体になり得ませんが、私の経験から、「灯台もと暗し」の言葉にありますように、地元の人間が地元のよさを認識しないことが多々あるように見受けられます。
 本来、質問の趣旨は熊野という総体的な範囲の中で考えておりますが、具体論に入るとどうしても焦点がぼけてまいりますので、あえて熊野三山における新宮という形で質問いたします。知事及び担当部長の所見をお伺いいたします。
 それでは、具体論に入らせていただきたいと思います。
 我が国における都市と地方をとらえるならば、一方は経済大国としての日本に代表されるように、ハイテク産業から波及したすべての経済活動と教育、文化が集約され、それに伴い人口も集中し、日本の発展に寄与しているところであります。他方たるや、第一次産業に多くを依存するとともに、第三次産業である観光資源にその経済基盤を求めているところが大半であろうかと考えております。
 県は観光立県を唱え、高野、白浜とともに熊野地方もその一翼を担っており、その面から熊野古道を取り上げてみたいと思います。
 その前に、現在、熊野古道の整備についてどのようになっているか、また今後どのように考えておられるか、教育長にお伺いしたいと思います。
 さて、本題に入ります。
 元来、新宮という町は木材集散地として近年まで成長してきたのでありますが、観光面で余りその受け入れ態勢が整っておらず、またその対応に消極的であったと言わざるを得ません。その顕著たるや、浮島の森であります。悪臭の放つ天然記念物として有名です。
 熊野三山は那智、本宮、新宮で成り立っておりますが、観光面において新宮は余りにお粗末で、「熊野二・五山」と言うべきか。何はともあれ、新宮の活性化を町づくりを通して行うことになれば、城下町として浮島の森を初め熊野川からの清水を導水するなどして市内を整備し、さらに古道の復活を考えてみたいと思います。
 半年前、知人から江戸時代の新宮古地図というものを見せてもらい、市内での古道整備の必要性を感じ、市に対して対策を講ずる旨申し上げているところでありますが、その主眼点を申し上げるならば次のようになろうかと思います。
 一、熊野三山は、歴史を踏まえ、現代のアリの熊野もうでを再現する。
 一、その第一の施策は、古道を完全整備する。
 一、古道は、単に一市町村の財産というとらえ方でなく和歌山県あるいは日本の財産としてとらえ、そのため県がその整備に対して積極的に指導すべきである。
 一、将来は京都を起点とし、新宮神倉山を終点とする。そのため、早い時期に神倉山から市内那智浜ノ宮までの古道整備が必要かと思います。整備後については、全国レベルのハイキングコースあるいは山岳コースとして活用するということになろうかと考えております。
 以上、観光資源としての新宮における古道整備の必要性とその全国的活用について、商工労働部長の所見を伺いたいと思います。
 次に、古道の整備に絡み、我が国における高齢化対策及び健康対策としての意義について保健環境部長にお伺いいたします。
 現在、テレビ等で特別養護老人ホームの現況がしばしば放映されており、日本の高齢化社会の実態が浮き彫りにされております。最近などは寝たきり老人を終始寝かせることをやめて車いす等でリハビリをやっている光景が映し出されておりましたが、それぞれ発想を転換した介護がなされているようであります。
 寝たきり老人を寝かせない発想があるならば、寝たきりになるまでの対策があってもいいのではないか。六十歳定年として、八十歳まで約二十年間生きていかなければなりません。病気になって初めて健康のありがたさがわかるこの大命題に、熊野古道を利用した健康対策を今後大いに広める必要があるかと考えます。
 去る十月十八日、熊野川町小雲取でのテクコロジーに参加し、七十歳ほどのおばあさんと一緒に歩きましたが、歩くことが健康のバロメーターとしてとらえるならば県において積極的に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。所見をお伺いいたします。
 次に、徐福関連事業について質問いたします。
 徐福に関する事業化の問題でありますが、現在、新宮市において徐福公園等の整備と徐福茶の製造を試作しているところであります。事業化に当たり、当然、事業主体は新宮市であるので、県に対しどうすればよいというものではありませんが、高知県中村市の東洋医学の里づくりに関し、本来なら新宮が徐福を通じてこのような施設をつくるべきであると考えておりましたので、県の所見を伺いたいと思います。
 新聞では、次のようなことになっております。
 「清流の地 老後いきいき 東洋医学の里づくり 中村市中国と協力し建設する」との見出しで、「日本最後の清流四万十川の自然を活用した老人医療施設東洋医学の里を高知県中村市が中国安徽省の協力で建設することになった。東洋医学による老人の総合治療施設は全国初めてである。中村市の市民病院は六年前から同省立安徽医科大学と技術交流や医師の派遣を続けており、施設計画はこの交流から生まれた。構想によると、四万十川河口付近に、漢方、鍼灸、マッサージ、温水プールなど七、八部門から成る東洋医学の総合施設を約十億円で建設。薬草栽培施設なども設けることになっており、漢方などの治療で中国に渡る人は全国で年間四万人もあり、今後、老人医療の増大で需要はますますふえるものと見ている。自然の治癒能力を引き出し、病人を健康体にするのが東洋医学の特徴であるので、長期滞在型のヘルシーゾーンをつくりたい」となっております。また、厚生省健康政策局医事課の談話では、「全国でも初めての医療施設。東洋医学を通じて日本と中国の交流を図る上で意義深い」となっております。
 なお、新宮は厚生省から健康と長寿の町づくりの指定を受けておりますので、東洋医学の基地として整備することになるとすれば、その将来性と県としての取り組みについて伺いたいと存じます。
 またあわせて、平成五年度政府要望書の中での国立衛生試験所和歌山薬用植物栽培試験場の充実整備に関し、生薬資源開発推進事業についても伺いたいと存じます。
 次に、私見ですが、歴史公園的なものをということで、地域振興の意味から新宮市の町づくりの一環として県立公園の設置について質問いたします。
 聞くところによりますと、県立公園は和歌山市に集中しており、和歌公園、大新公園、紀三井寺公園、紀三井寺緑道公園、河西緩衝緑地公園と和歌山交通公園であります。それ以外では、かつらぎ町の青年の家附属の紀北公園となっております。
 今回の質問の趣旨は、紀南地域に県立公園を設置すべきであろうと思いますが、具体的に言及すると特定せざるを得ませんので、新宮市内としてとらえていただきたいと存じます。
 その公園の必要性と形態について申し上げます。第一に、熊野三山の独自性と新宮市の町づくりを目指す上で骨格になり得る公園を考える、第二に、地域の活性化に寄与するものであれば、市民の憩いの場としてではなく、当市を訪れる参加人口の増加を考えた有料の公園とすること、第三に、いわゆる銭のとれる公園にふさわしい場所が存在すること、以上が公園に関する視点であります。
 ちなみに、金沢兼六公園は入場者百三万人、収入六億円、うち管理費五億五千万円となっております。天下の名園とは比較になりませんが、その三分の一あるいは五分の一と考えても熊野三山の一翼を担えるものと考えます。
 なお、岡山後楽園の入場者は百万人、水戸偕楽園については、周辺を合わせて三百万人ほど訪れ、その中の好文亭には三十五万人が入場しております。ともに県立であります。土木部長の見解をお伺いいたします。
 以上で、終わります。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの上野哲弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 上野議員にお答え申し上げます。
 熊野三山としての新宮市の町づくりでございます。
 新宮市を含めた熊野地域は、心の豊かさや精神的な充実感といった今時代が求めつつあるものに適した自然、歴史、文化などの資源を豊富に有しており、ご指摘の熊野古道や徐福、あるいは熊野三山、丹鶴城址等、地元に残る歴史や文化を生かした地域づくりに対する考え方については、私も同感でございます。
 現在、熊野文化や自然といったすばらしい資源や地域固有の特性を生かした熊野活性化ビジョンの検討をさせているところであり、地域づくりの主役である地元の皆さんの参加、ご意見をいただきながら取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) お答えいたします。
 新宮市を含む熊野地域の振興につきましては、地元の皆様とともに、日本文化デザイン会議や熊野フォーラム、古道ピアの開催など、地域の資源を活用し、広く内外にその魅力をアピールしてきたところでございます。これを受けての地元での活動の芽生えもあり、今後も積極的に取り組んでいかねばと考えているところでございます。
 新宮市の町づくりについてでございますが、道路や下水道など市民生活に直結した整備はもとより、熊野地域の一体的な発展、振興のためには圏域全体の中でのそれぞれの役割分担が必要でございます。そういった観点からしますと、新宮市は熊野地域の中心都市として、広域的な視点での周辺地域に対する都市機能の提供といった整備、魅力ある都市への整備充実も求められるのではないかと認識してございます。
 このような社会基盤の整備充実に加えまして、知事から答弁もございましたように、熊野活性化ビジョンの策定に当たっては地元のご意見をいただき、地域全体の盛り上がりの中で、お互いの知恵を出し合いながら新宮市並びに熊野地域の振興を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 商工労働部長中西伸雄君。
  〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 観光資源としての活用についてでございます。
 最近における観光客の動向を見てみますと、自然志向や余暇時間の増加に伴い、自然との触れ合いを求める旅行がふえてきてございます。こうした背景のもとに、県としても本県の代表的な観光資源である熊野古道を全国的にPRすべく、一昨年には熊野古道をテーマとしたキャンペーンの古道ピアを開催し、全国の主要都市において観光展を開催するとともに、県下各地でさまざまなイベントを実施し、誘客を図ってまいったところでございます。
 また、昨年度からは、本県の大自然をテーマとしたキャンペーンにおいて、熊野古道を舞台にしたイベントなど誘客・宣伝活動を展開し、県内外から多数の観光客に訪れていただいておるところでございます。
 今後とも、本県に残された貴重な資源である熊野古道につきましては、関係市町村と協力しながら整備を図るとともに、全国に向けて積極的にPRに努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 保健環境部長江口弘久君。
  〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 議員ご提案の、熊野古道を利用した健康対策についての質問でございます。
 近年、増加傾向にある循環器系疾患の原因の一つに、運動不足が挙げられています。この運動不足に対処するため、運動のうちでも最も基本的な歩くことにより心肺機能を高め、成人病予防を図る方法として、例えば自然や景勝地などで楽しみながら歩ける場所を利用した、歩行による健康づくり運動の推進について検討してまいりたいと考えております。
 次に徐福関連事業について、一つ目の東洋医学の将来性と県の取り組みについてでございます。
 西洋医学が原因追求、分析型医学であるのに対し、人体の治癒能力を引き出し、健康な体にするのが東洋医学と言われ、近年とみに見直されてきているところでございます。
 議員ご指摘の高知県中村市では、東洋医学の里づくりについて現在検討に入っているところであると聞いております。将来的には漢方薬活用の拡大も予想され、需要は続くものと思われますが、全国的にも類似施設はなく比較資料に乏しいところであり、東洋医学を主体とした施設の運営となると、関係法、採算性の問題等、未知な点も多く、今後十分研究する必要があると考えております。
 二つ目の、生薬資源開発推進事業でございます。
 医療における漢方製剤の需要が年々増加している状況を踏まえ、本県の自然的優位性や地域特性を生かし、薬業振興、農林業の活性化、高齢者の生きがい対策等に寄与することを目的として薬用植物栽培の普及推進を図ろうとするものであり、県内で栽培可能な優良薬用植物の選定、栽培指針の策定や栽培者の組織づくりなどに取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 県立歴史公園の設置についてお答えを申し上げます。
 議員お説のとおり、地域振興と町づくりの一環として歴史公園の建設は意義あることと存じますが、新宮地域で県営の歴史公園の建設についてその趣旨、位置、規模等を定めることは、現状ではなかなか難しいのではないかと思われます。しかし、例えば新宮市内に現存する速玉大社、丹鶴城跡公園、浮島の森、徐福の墓など、歴史的に価値ある地域について機能的な連携を図り、経営的な手法も取り入れることなどにより都市の活性化に結びつけることも可能ではないかと存じます。
 なお、歴史公園につきましては、長期展望に立ったご提言と受けとめ、新宮市ともども勉強してまいりたいと存じます。
○議長(馬頭哲弥君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 熊野古道の整備状況と今後の対応についてお答えいたします。
 古くから文物や人々の交流の舞台となってきた道、とりわけ京の都より熊野に魅せられてもうでた道は、我が国の歴史を知る上で極めて重要であると考えてございます。
 熊野参詣道の整備については、さきに県教育委員会が歴史の道調査事業を実施し、この調査結果に基づき、関係市町が昭和五十三年から国及び県の補助事業として整備してきております。事業の目的は、歴史的遺産の保存はもとより、熊野を目指して歩んだその往時をしのぶとともに、歴史や自然環境を実体験することにより文化財の愛護思想の普及と健康の増進を目指したものであります。このため、田辺市から熊野三山に至るいわゆる中辺路ルート延べ五十八キロメートルについて約五億二千万円で整備してきたところでございます。
 今後とも、熊野参詣道のうち未整備区間、とりわけ新宮市三輪崎の高野坂等のように今も旧状がよく残されている区間もありますので、今後とも関係市町村と協議しながら進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 34番上野哲弘君。
○上野哲弘君 熊野古道についてであります。新宮における熊野を見ますと、市街地がほとんどであり、一部には、高野坂等、今も旧状が残っているところもありますが、全体的には古道は少ししかないということで、一体的に考えるのはちょっと難しいように思います。
 実は、古道を質問するに当たり、歴史的にどういうものがあるか調べてみましたので、ちょっとお伝えしたいと思います。
 新宮市内における古道の描写について、平安後期の一一〇九年、中御門宗忠という人が「中右記」の中で、白河上皇の熊野もうでに同行して次のように言っております。「とらの刻、宿所を出て──この宿所というのは速玉ではないかと思います──阿須賀王子に参り、奉幣す。二十町ばかり行きて海浜に出。西行き二十町ばかりの地に翠松の列あり。南に白浪重畳たるを見る」と、こういう文章が残されております。こういう歴史的な背景の中でこの古道をとらえてもらって、これを生かして古道の整備をお願いしたいと思います。
 それと、梅原先生が、「中世、熊野もうでに際して、後白河上皇はその意図するところから次のように嘆かれている。この熊野への旅は遠い苦しい旅であった。馬で行けば楽であるが、それでは苦行にならない。私は熊野にひかれて既に十数回訪れた。いつも勝浦や新宮まで汽車で行った。馬で行っても苦行にならないのに、汽車で行ってはとてもだめである。それでは熊野もうでにならない。熊野もうでをするには辺路を通らねばならない。辺路のうちで中辺路が最も有名である。せめて田辺まで汽車で行って、中辺路を通って三山参りをしなければならないと思う。熊野古道は今は寂れている。もうここを旅する人はほとんどいない。しかし私は、今もう一度日本人は熊野を想起すべきであると思う。古代と中世の接点のとき、人はルネッサンスのごとく太古への回帰、自然への回帰の情熱に駆られてこの熊野へアリのごとく参った。今、文明は再び太古と自然へ帰ることを要求しているではないか。また、第二のアリの熊野もうでが始まる時期に来ているものと思う」と、このように述べています。
 今、商工労働部長が言われたように、現在、熊野が非常に見直されてきていますので、そういう面も踏まえてひとつ整備をお願いしたいと思っております。
 次に、歴史公園の話です。これも場所の特定についてはあれですが、この沿線におながめ堂というのが市内にあって、一二〇一年に藤原定家が「後鳥羽院熊野御幸記」の中で、その場所から「山海の眺望、興なきにあらず」と言っているわけです。そういう非常に見晴らしのいい場所でありますので、ぜひ何らかの形でここを整備していただきたい。現在は草ぼうぼうで、当時とほとんど変わらないような状態なので、ぜひそういうことも踏まえてひとつ要望しておきます。
 終わります。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で上野哲弘君の質問が終了いたしました。
○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 30番中村利男君。
  〔中村利男君、登壇〕(拍手)
○中村利男君 十二月県議会一般質問の最終となりましたが、いましばらくおつき合いのほど、お願いいたします。
 まず第一点でありますが、「国立鯨類・鮪類研究所」(仮称)の創設誘致についてお尋ねをいたします。
 西日本最大のマグロ漁業基地であり、特に近海マグロでは全国一の水揚げ高を誇る勝浦漁港を有する和歌山県にとって、対応を誤れば鯨の二の舞にもなりかねない憂慮すべき問題が、今、国際的な問題として急浮上してきております。
 ワシントン条約──正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」であります──の第八回加盟国会議が、ことしの三月、京都市で開催されました。そのときに、大西洋クロマグロの国際取引の禁止が提案されました。しかし、これは日本の努力と根回しによって、最終的にはこの提案が撤回されております。さらに、去る十一月九日から十三日までスペインで開催された大西洋マグロ類保存条約会議において、クロマグロの乱獲を防止するためにどの海域でとれたかを証明するため、来年の九月から原産地証明制度を条約加盟国の日本、アメリカ、カナダ等二十二カ国の間で実施することを決定いたしております。これは、便宜上よその国に船籍を置く、いわゆる便宜置籍漁船のダミー操業による乱獲を防ぐことがねらいでありますが、いずれにしても、クロマグロ漁業に対する規制強化の動きが今後ますます高くなってくることは避けられない状態であります。
 クロマグロと言えば、ご承知のとおりマグロ類の王様でございまして、特にトロの部分はすしネタとして最高級品でもあり、世界の漁獲量の約六割が日本で消費されております。
 水産庁によりますと、一九八九年の太平洋での漁獲量は約九千四百トンで、この数量は二十年前の約三分の一に落ち込んでおります。このままでは規制強化の国際的な圧力というものは強まる一方であり、これを回避するために平成五年度予算要求の最重点項目として地球環境問題への積極的な取り組みを掲げ、国際的な資源管理への貢献策の一環としてクロマグロ栽培漁業プロジェクトをことしの八月十九日に発表いたしております。このことについては八月二十日付の「和歌山新報」にも詳しく掲載されておりましたが、この構想は、漁船で捕獲した一歳から二歳のクロマグロの幼魚を──これは「ヨコワ」と呼んでおります──まず生けすでえづけを行った後、一つの湾を特殊の網で仕切った約四百メーター四方の飼育場に放牧をして天然に近い環境で飼育し、成長した親魚に対して産卵促進剤などを与えて大量の、しかも良質の卵を産卵・ふ化させ、それを稚魚にまで育てて太平洋に放流してクロマグロ資源の増大を図ろうというものであります。そして、このプロジェクトのねらいは、だんだんと少なくなっていくクロマグロを人為的にふやすということだけではなく、マグロ漁業に対する国際的な規制の動きを牽制し、日本がマグロ資源の増大に寄与、貢献しているということを世界の国々に認めてもらいたいという目的も含まれております。
 私は、冒頭、「鯨の二の舞にならないように」と申し上げましたが、一たん規制されますと、これを復元させるためには大変な努力と時間がかかるわけでございます。
 現在、水産に関する国の研究機関は、真珠養殖等、四つの専門機関を含めて全国に十カ所ございます。その設置地域は、北海道は釧路と札幌、東北地区は塩釜、関東地区が横浜と茨城、東海地区が清水と三重県の度会郡、近畿を飛ばして瀬戸内海が広島、四国は高知、九州地区は長崎、そして日本海側が新潟となっておりまして、なぜか近畿地区には国立の研究機関が一カ所もございません。地域的なバランスから言っても、今までの国の水産行政が近畿地区を軽視しているように思えてなりません。
 捕鯨発祥の地であり、鯨に関しては七百年の歴史と伝統、そして鯨文化を今に受け継ぎ、くじらの博物館までつくって鯨との共生を図っている太地町と近海マグロの水揚げ高が全国一を誇る勝浦漁港とは森浦湾を挟んで隣り合わせであり、研究機関の誘致には地理的条件等、極めて恵まれております。
 鯨を養殖して放牧するということについては、さきに先輩西本議員も提言されておりましたが、これは私の夢でもあり、バイテクを駆使して人工授精に成功した鯨の子供とクロマグロの幼魚を太平洋に放牧し、資源保護と国際貢献への一翼を担える国立鯨類・鮪類研究所を近畿地区で唯一の研究機関として、そしてまた半島振興という願いも込めて、この際、ぜひとも和歌山県に誘致していただきたいと思うのでありますが、知事の積極的なご所見をお伺いいたします。
 次に、紀勢線の問題でございます。これは、紀南選出の議員諸兄が本議場を通じて、また機会あるごとにご提言をいただいておるわけでございますが、私もまたひとしく具体的な事例を交えながらお尋ねをいたしてみたいと思います。
 東京駅を発車した東海道新幹線が名古屋駅に近づいてまいりますと、乗りかえのアナウンスが始まります。そのときに、列車の一番前の電光掲示板のところに、紀伊勝浦─名古屋間にワイドビュー南紀号が登場して四十分時間短縮し、紀南への旅が非常に便利になった旨の字幕が映し出されております。
 JR東海としては、紀南に対して大変力を入れているように思えますし、事実、ことしの三月、ワイドビュー南紀号が導入されてから乗車率にして約七〇%アップしておりますし、熊野地方を訪れる観光客も大きく増加をいたしております。新型車両による大幅な時間短縮、そして和歌山県が行っているテレビコマーシャル等、一連の宣伝活動等がこのような好結果を生み出しているものと思われます。
 このような状況の中で、JR東海としては、今後二年をめどに名古屋─勝浦間をさらに二十分短縮する計画があるやに伺っておりますが、これが実現いたしますと、名古屋─新宮間が約二時間四十五分、名古屋─勝浦間が三時間ちょうどで結ばれることになります。これに比べてJR西日本の方は、私のひがみかもしれませんが、紀勢本線よりも北陸本線の方がすべてに優遇されているように思われます。
 仮谷知事は、十月二十九日付の「和歌山新報」に連載していた「ミニ新幹線を紀伊半島に」の中で、次のように述べられております。「全国的にも『鉄道復権』がいわれ、鉄道の持つ機能、役割が改めて見直されつつある中、高速化や利便性の向上など、鉄道に対する、より高いニーズに今後とも対応していくことが極めて大切であると考えている。県内の幹線鉄道(紀勢線)の更なる高速化、利便性の向上が課題になっている。本年度に運輸省、JRなど関係機関の方々のご協力をいただき、ミニ新幹線、在来線の高速化、高速バスなど高速交通機関の整備の在り方、その導入(ミニ新幹線の)可能性などについて調査、検討を進めているところだ」と述べられており、在来線の高速化に対しても仮谷知事の極めて積極的な姿勢がうかがわれるわけであります。
 そこで私は、紀勢線のスピードアップについて具体的にお尋ねいたしたいと思います。
 現在の紀勢線の速度は、天王寺─和歌山間が平均時速九十二キロ、和歌山─田辺間が八十八キロ、田辺─新宮間が五十五キロとなっているようであります。
 そこで第一点、天王寺─和歌山間及び和歌山─田辺間については現状路線のままでもスピードアップは可能と思われますが、県としてJR西日本に対してどのような働きかけを行ってきたのか、そして今後どのように要請していかれるおつもりなのか、お尋ねをいたします。
 また、天王寺─和歌山間には快速、区間快速、各停がそれぞれ錯綜しており、特急くろしお号はその間隙を縫って走っているような状態でありまして、スピードアップをするということ、ただそれだけならば線形も割合良好でもあり、可能なようでありますが、他の一般電車との関係上、現状では技術的に困難を伴うようであります。だとすれば、今、和歌山県がその導入の可能性について調査検討を進めているミニ新幹線構想も念頭に置きながら、この際、立体交差も含めて天王寺─和歌山間の複々線化を国及びJR西日本に対して働きかけてはいかがかと存じますが、企画部長の答弁をお願いいたします。
 次に、紀伊田辺─新宮間についてであります。我々新宮・東牟婁の議員が和歌山から新宮方面へ帰るときに、見老津駅から新宮まではこの紀勢線と国道四十二号が並行したりクロスしたりしながら、ほぼ並行しながら走っているわけでありますが、いつも情けなく思うことは、我々の乗っている特急くろしお号が道路を走っている車にどんどん追い越されてしまいます。我々は辛抱するとしても、せっかく紀南を訪れた観光客やビジネス等でお急ぎの方々に大変迷惑をおかけしているのが現状であります。県としても、紀勢本線、特に紀伊田辺─新宮間の複線化及び線形改良については和歌山線の複線化とともに国に対して強く予算要望を行っているところでありますが、正直なところ、なかなか急には見えてこないのが現状ではないかと思います。
 そこで、私は一つの方法を提案いたしたいと思います。それは、紀伊田辺─新宮間の各駅構内にある軌道分岐点、いわゆるポイントを改良することであります。
 紀伊田辺─新宮間には、駅が二十九あります。そのうち、紀伊田辺、白浜、串本、紀伊勝浦、新宮の五つの駅は特急くろしお号が常時停車いたしますから、これはポイントの改良の必要がまずございません。それと、田子、紀伊姫、太地、紀伊天満の四つの駅は片側ホームで線路が一本ですから、これもポイントはないので改良する必要がありません。この九つの駅を引きますと、残り二十駅のポイントを改良すればよいということになるわけでございます。
 私の知るところでは、このポイントを改良するのに一つの駅で約一億円かければ一分間の時間短縮が可能となり、したがって、二十駅ですから総額にして約二十億円をかければ紀伊田辺─新宮間で約二十分間以上の時間短縮が可能となってまいります。時間短縮が現代人にとっていかに魅力的なものであるかということは、ワイドビュー南紀号によってはっきりと証明されております。
 観光立県和歌山にとってのライバルは、北陸であります。大阪駅から加賀温泉駅までは二時間二十分。天王寺から紀伊勝浦駅までが、一番速い電車で三時間二十分。これを二十一分短縮することによって二時間台で走れるというわけでございます。
 京阪神地域の観光客を一人でも多く和歌山県に誘致するため、すぐにでも実行可能なことはポイントの改良ではないかと思いますが、この提案に対して、恐らくJR西日本の方は資金的に難色を示してくると思います。しかし、そこはいろいろと知恵を出し合って何とかできる方向へ強く働きかけていただきたいと思うのでありますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 また、二年後には既に関西国際空港も開港いたしておりますし、そうなれば和歌山県を訪れる外国人観光客も当然ふえるでありましょう。快適な紀州路を旅していただくためにも、現在のグリーン車は横四列のツー・アンド・ツーシートでありますが、北陸線のような、またワイドビュー南紀号のような横三列のいわゆるツー・アンド・ワンシート方式の車両の導入も強く要請していただきたいと思います。企画部長の答弁をお願いいたします。
 最後に、紀勢本線には車内電話の備えつけがありません。新宮駅で乗った乗客は和歌山あるいは天王寺までの三時間半ないし四時間というものは完全に情報が遮断され、どんな重要な連絡事項があっても外部と対話することができない状態に置かれます。田辺─新宮間は地形的に無理があるとしても、せめて天王寺─田辺間で通話のできる車内電話を設置してほしいという声が非常に強いわけであります。JR西日本等関係機関に対して、これまた強く働きかけていただきたいと思いますが、あわせて企画部長の答弁をお願いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの中村利男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 中村議員にお答え申し上げます。
 国立鯨類・鮪類研究所の誘致の問題でございます。
 お話のように、日本はかつて世界の海へ向けて遠洋漁業が進んでおりましたが、最近、二百海里問題が定着してまいりました。それに伴ってマグロに対する国際的な規制の動きが非常にゆゆしき問題となり、厳しい環境にあることは事実でございます。こうした動向に対しまして、新たな試みとしてクロマグロの資源対策や養殖技術についての開発が進められているところでございます。しかしながら、いずれにしても、こうした国際的な世論を打開して公海上の漁業の安定を維持し、また資源の培養を図っていくためには国の一層の外交的努力も必要かと思いますが、また研究機関の充実ということが非常に大事な問題ではないかと思っております。
 本県の重要産業であるマグロ漁業の振興を図っていくためには、また捕鯨の再開を図っていくためには、お話ございました鯨類・鮪類研究所も必要であると考えております。今後、趣旨を踏まえて積極的に国に対して提言してまいりたいと思っておるところでございます。
 それから、紀勢本線のスピードアップについてご提言なり質問をいただきました。
 特に田辺─新宮間のスピードアップの問題等々があるわけでございますが、話ございましたように、紀勢本線の高速化については、私も議会の皆さんのご協力を得ながら現在積極的に取り組んでおるわけでございます。特に今年度は、学識経験者を初め運輸省、JR西日本、JR東海等の関係者から成る委員会を設けて調査していただいており、今後の高速交通体系の整備構想等について取りまとめていただく予定としております。
 また、田辺─新宮間のスピードアップについてのご提言をいただいたポイント改良については、私も非常に大事なことであると思っております。これもこの調査の中で高速化の方策の一つとして検討していただいておりまして、こうした調査結果を踏まえ、紀勢本線の時間短縮に向けて今後とも積極的に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 紀勢本線のスピードアップと車両のグレードアップについてのご質問にお答えいたします。
 まず、阪和線、紀勢本線につきましては、かねてから県民の利便性の向上や観光、産業の振興を図るため、JR西日本と随時意見交換の場を設け、その輸送力増強について働きかけを行ってまいったところでございます。
 阪和線、紀勢本線和歌山─田辺間については表定速度が時速八十五キロを超えており、さらなるスピードアップについては、車両の加速・減速等の性能の向上や軌道構造、信号、踏切などの施設改良が必要とされてございます。今年度実施している高速交通体系調査におきましても、これらの区間の高速化も検討課題として進めてございます。今後、この調査結果を踏まえ、JR西日本を初め関係機関と協議をしてまいりたいと存じます。
 次に阪和線につきましては、ピーク時には特急二本を含め一時間当たり最大二十二本が運転されているなど、JR西日本でも有数の列車密度の高い線区であり、スピードアップについてはダイヤ編成上の問題などの制約があるように伺ってございます。
 議員ご質問の複々線化につきましては、新たな用地取得等の課題もあると伺ってございますが、本年度実施している調査において、複々線化、連続立体交差事業等についても長期的な問題として検討してまいりたいと存じます。
 次に新型車両の導入についてでございますが、議員ご指摘のツー・アンド・ワンシートにつきましても、今年度実施している調査において、快適性の向上を図るための方策の一つとして車両関係の専門家の方にもご参加いただき、検討を進めているところでございます。今後、この調査結果を踏まえ、その現実化方策についてJR西日本を初め関係機関とも協議し、対応してまいりたいと存じます。
 最後に車内電話についてでございますが、車内電話は自動車電話と同じ仕組みになっており、現在、自動車電話のサービスは湯浅以北と御坊、田辺、白浜並びに串本─新宮間の各市街地に限り利用できることとなってございます。このため、国道四十二号線上の自動車電話エリアの拡大について鋭意努力しているところであり、特急くろしお号への車内電話の設置についても、JR西日本、電気通信事業者等、この設置に向けて協議をしてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 以上で、中村利男君の質問が終了いたしました。
○議長(馬頭哲弥君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 次に、議題となった全案件のうち、議案第百五十五号平成三年度和歌山県歳入歳出決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○議長(馬頭哲弥君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 次に、お諮りいたします。十二月十四日及び十五日は、各常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) ご異議なしと認めます。よって、十二月十四日及び十五日は休会とすることに決定いたしました。
○議長(馬頭哲弥君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
  〔職員朗読〕
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 総務委員会 第 一 委 員 会 室
 厚生委員会 第 二 委 員 会 室
 経済警察委員会  第 三 委 員 会 室
 農林水産委員会  第 四 委 員 会 室
 建設委員会 第 五 委 員 会 室
 文教委員会 第 六 委 員 会 室
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○議長(馬頭哲弥君) 次会は、十二月十六日再開いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午前十一時二分散会

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