平成4年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時三分開議
○議長(馬頭哲弥君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(馬頭哲弥君) 日程第一、議案第百四十八号から議案第百五十五号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 12番井出益弘君。
 〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 おはようございます。三日目の一番バッターとしてお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 通告順に従って、第一番目に墓地、埋葬等に関する法律施行細則についてでありますが、多くの公共事業が墓地あるいは墓地のあるお寺にかかりストップしている現状について述べさせていただきます。
 都市計画道路等、多くの公共事業で事業半ばにしてとまっているものがかなりの件数に及んでいることは、県民初め皆が知るところであります。公共事業といえど、全員の同意ともなると、なかなか不可能に近い困難さであるようです。この原因は多くあると考えられますが、今回は、墓地や墓地を含むお寺の移転について、移転先の隣接周辺二百メートルの全員同意が必要なため、その同意がとれずにストップしている事業がかなりの件数あるのではと考えました。
 私が和歌山市について和歌山市とともに調査した結果、都市計画道路として決定された推進中の道路だけで、三十八路線あるうち同意のとれていない墓地、お寺等にかかっているものが二十六件もありました。工事着手しているものはすべてと言ってもいいくらい、当該地で工事がとまっています。県当局はこの辺の事実を県として掌握されているものと思いますが、県工事でも多くの工事が同様のことで困難に直面していることと考えます。
 また、土葬と火葬の推移と現状についてでありますが、ご参考までに、土葬と火葬の推移について県当局で掌握されている数値でお聞かせいただきたい。
 また周辺同意、すなわち墓地や墓地つき寺院の移転とか移動、地形変更をする地先について、その土地の境界より二百メートル先までの住民に賛成の印鑑をもらうことは不可能に近いものです。公共事業は公共の福祉の増進ということからも推進する使命は重要で、その性格等も考えていただき──ご参考に議員各位と当局の皆様のお手元に資料を配付させていただきましたが、ほとんどの都道府県と政令都市では火葬が多くなってきた現状のもと、既に規制緩和されたり、または規制緩和の検討中であるように思いますし、同意については市町村に委託しているところもあるようです──ぜひこの機会に本県の墓地、埋葬等に関する法律施行細則について見直していただく必要があると考えます。抜本的に、山形県のように市町村委託とか、滋賀県のように距離規制を解除して隣接同意のみとか、青森県や埼玉県、新潟県、岐阜県、香川県のように規制なしとまで解除できなくても、公共事業が原因の移転物件については一般の規制とは別扱いとするようなことも重要な案だと考えます。
 公共事業の推進、とりわけ道路交通網の整備が進まないというか、工事がストップしている原因として大きく影響している案件ですので、一日も早く改正する必要を感じています。条例細則の改正について、当局の見解をお尋ねいたします。
 二番目に、道路交通網整備の現況と将来の基幹交通体系についてお尋ねいたします。
 関西国際空港南ルート実現の必要性について、まず申し述べます。
 あと一年半で二十三キロという至近距離に関西国際空港の開港が、また、関西の復権をかけた関西文化学術研究都市や明石海峡大橋など、ビッグプロジェクトを活用して地域を活性化するため、それぞれの浮上策が実施されている。
 このような現況の中で、本県においても関西新空港の波及をもろに吸収しようと、コスモパーク加太、近畿のリサーチコンプレックス構想の一翼を担う南麓サイエンスパーク、また海洋リゾート面で東洋一を誇ると言われている和歌山マリーナシティ、先端技術や人材育成、情報提供等の多様な機能を備えた頭脳立地構想、ジェット化整備を進める南紀白浜空港の整備など、和歌山県の歴史上今までにないビッグプロジェクトが稼働しております。二十一世紀の和歌山県、また超長期の和歌山県を考えた場合、このような大きなプロジェクトを進めることこそがこの和歌山県の活性化にとって欠くことのできないものでありましょう。
 しかしながら、将来の和歌山県を考えるとき、これらのプロジェクトにおいて、建設資金面、将来性、アクセス、利用促進などの多くの課題が覆いかぶさってきます。私は、これらのプロジェクトを進めると同時に、私たちが住んでいる和歌山県をどのようにしたらさらなる発展につなげられるのかと考えています。
 まずは、関西の復権をかけて動き出した三大プロジェクトと和歌山県のプロジェクトのリンケージが必要なのではないだろうか。これらのプロジェクトをどのようにしてリンクし、これらのインパクトをどのように受けとめてボーダーレスな経済圏域をつくるかが、私たちがなすべきことではないかと考えます。
 そこでまずお聞きしたいのは、二十三キロと至近距離にある関西国際空港の建設についてでございます。現在の計画では、鉄道、道路とも一本のラインであります。以前にも本会議で南ルートの実現を目指して県として運動をと申し上げ、仮谷知事も関係者とともに積極的に取り組むとのご答弁をいただきましたし、今議会においても先日、森正樹議員も南ルート実現の必要性について発言をされていましたが、この空港の持つインパクトを最大限に引き出すにも、ぜひもう一つ南ルートが必要なのではないでしょうか。
 地元の泉南市や関係市町村では調査を行い、実現に向けて動き出しております。大阪湾ベイエリア構想では自動車専用橋として描かれていますが、和歌山としては鉄道併用橋として実現してほしいものであります。電車が空港島にピストン運転するのではなく、ぜひ鉄道併用橋として北ルートより南ルートに通過運転が可能な、つまり和歌山─大阪間を空港島経由で通過運転ができるようにすることで、時間の短縮と運行のスムーズ化に大きなメリットが期待できましょう。この南ルートこそが和歌山県の二十一世紀にとって重要な発展源になるのではないでしょうか。考え方と今後の方針についてお伺いしたい。
 私は常々思っているのですが、このようなプロジェクトを生かすも殺すもすべて交通基盤だと考えています。また、これらのプロジェクトを効果よく活用するためにも、十二分な効果を生むためにも、循環させる必要があり、循環系の交通体系の確立こそが必要ではないかと考える次第でございます。
 二十一世紀の和歌山県を考えるとき、今進めているプロジェクトのほかに新たなものにも取り組まねばなりません。そして、本当の意味で和歌山県を考えるならば、それらのプロジェクトへのアクセスや既存都市との連携、交通基盤整備の見直しなど、多くの問題が山積しています。その中でもまず考えなければならないのは、交通基盤ではないかと考えます。和歌山も阪南の発展とともに密集都市化が進み、鉄道が主たる交通機関となり、多量輸送が見直される時期が参ります。
 次に、南ルートにも関連しますが、南海本線、南海高野線、JR和歌山線について。
 将来的には我が和歌山県においても紀伊半島を一周する循環鉄道が必要になるであろうし、南海高野線、JR和歌山線、南海本線、阪和線の相互乗り入れにより、先ほどの南ルートができれば関西国際空港を核として関西の鉄道環状が形成されるのではないでしょうか。聞くところによりますと、橋本と御幸辻間の複線化工事が進められています。これが完成しますと、大阪都市圏と橋本市間の輸送力増強と時間短縮が図られます。
 そこで、まず第一歩として南海本線とJR和歌山線、南海高野線を相互乗り入れし、和歌山の二大都市である和歌山市、橋本市と大阪圏を結べないものかとお聞きするとともに、今後の取り組み方針についてお伺いしたい。
 次に、第二阪和国道と新南海橋についてお伺いします。
 県都和歌山市民が和歌山県民の玄関口として、また大阪や関空への主要アクセスとして待ち望んでいる第二阪和国道と新南海橋について、平成二年十二月議会で県ご当局は和歌山市の平成八年度供用開始を目標に県としても協力していくとのことでありました。新南海橋取りつけ道路の用地買収の進捗状況は、全体で約六万三千平方メートルに対し、平成四年度末で一万二千七百平方メートル、二四・二%との目標で努力中でありますが、市では橋を平成五年度設計、六年度着工を目標に頑張っているようです。現状と今後の取り組みについてお聞きいたします。
 また、高速道の北インター設置についてでありますが、人口が急増した紀の川北岸地域より紀の川南岸側へ交通停滞の中を阪和高速インターに乗り入れをするわけでありますが、人口分布から見ても紀の川北岸地域に必ず高速道へのアクセスが必要であり、その計画を早期より準備しなければ、人口が密集してからでは、かなりのスペースが必要となるインターチェンジであるため最適の位置に設置が困難となるのは必至です。和歌山市北岸側での高速道へのアクセスの取り組みをお聞かせいただきたい。
 三番目にリゾート県を目指す和歌山についてでありますが、まず、港湾、河川の管理、整備について申し上げます。
 紀州紀の国として歴史に残る多くの海岸美にも恵まれた本県和歌山は、瀬戸内海国立公園や都市公園の指定地域も多いため、その保存と調和をとりながら開発や地域整備をする必要があり、これらの当該地域の整備にはいつも賛否両論があったりして、規制地域でなくても総論賛成・各論反対が多い傾向の最近、公共事業に対する地元協力を全員賛成として取りつけるのが困難なことは、関係者の悩みとするところであります。和歌山ばかりではありませんが、公共事業の進捗のおくれは行政当局の立案に問題があるとか、地元協力体制に問題があるとかで、公共事業のストップしている理由を双方から聞かされることがしばしばあります。
 さて、川や海の水が、以前は魚が泳いでいるのが見えたのに今は濁って汚れてしまい、こんな汚いところで魚を釣っても有害物を含んでいて食べられないのではと感じる川や港がふえてきているのも事実であります。
 リゾート県を目指す和歌山としては、当然、海や川の美化は他の県より見事に整備すべく取り組まねばならないのは必至でありますが、とりわけ和歌浦湾や雑賀崎等の海岸等については、そのほとんどの土地は個人の所有している土地であるから、観光名所とするならその計画を早期に策定し、地主や関係官庁とも協議し、場合によっては公的に土地の部分買い上げ等も行って公共で保存すべきものと、民間人の土地であるが協力をしていただくものと、調和のある開発整備をしていかなければならないと考えます。
 これは、県当局が立案するなり市町村に立案させる等、リーダーシップをとっていただかねば、民間でできることではありません。これらの実現のためには、官民の信頼関係はもとより、関係漁業協同組合等との信頼関係も重要な要素であります。港湾整備の同意を関係者にとる際など、地元要望に対し、県としては「そのように『努力します』と約束したが、そのように『する』とは約束していない」等の話は、地元関係者では「やってくれると言った」と受けとめております。私は、県として「努力する」と言ったらできることがほとんどだと、県の力を高く評価して信頼しておりますが、国の事業を県が順次施行していく場合等に、国や県の行政の担当幹部が退職や異動でかわったとき、この種の問題が発生しやすいようです。担当幹部がかわっても、公共事業は完了まで継続すべき性格のものであります。
 和歌山工区において防波堤の消波工事が運輸省で半分だけ施行したままストップになっているとのことで地元より工事完成を強く要望されている消波ブロック工事は今後いかに解決するのか、お聞きかせいただきたい。
 河川の管理についても、その上流である農業用水路も含め、農業基盤計画と未来の都市構想に対応し得る整備がなされるべきでありますが、現在その計画が広域的にでき上がっていないため、河川や農業用水路も整備未着手や応急工事状というのが実態かと考えます。また、河川敷や紀の川堤防にもずっと以前より放置自動車が多く確認されています。このことは県議会でも取り上げられ、所有者の権利があるので一定の期間がたたないと今すぐには一概に不法投棄として処分できないとのことでしたが、約一年たった現在、いまだに放置されたままのものも多くあります。
 一昔前にはスクラップ自動車は一万円で売れたものですが、現在ではスクラップ自動車の引き取りをしてもらうのに一万円ぐらい払わねばならないと聞いております。放置車両の現状を県当局は把握されていると思いますが、再来年のリゾート博までに開催地である県都和歌山市の放置車両の現状にどのように対処するつもりか、お聞かせいただきたい。
 次に、プレジャーボートの現状と掌握について。
 海洋レジャーはここ数年、若者を中心に急速に普及してきており、将来的には新しいライフスタイルの一部として国民一般に定着していくものと考えられます。平成四年の「海上保安白書」によりますと、平成三年の海洋レジャー事故の発生状況は、プレジャーボートの海難が六百六十隻であり、これに係る死亡・行方不明者は四十一人となっている。海洋レジャーに係る海難事故等については、八百四十四人が事故に遭い、三百六十四人が死亡・行方不明となっている。このうち、スキューバダイビングで三十一人、ボードセーリングで六人、サーフィンで二人、磯釣りで百十七人、遊泳で百六十三人が死亡・行方不明となっている。
 また、密漁についても悪質化してきており、地元漁業者が長期にわたり努力して育てた魚介類を高速船とアクアラング等を駆使して組織的かつ広域的に根こそぎ採捕する等のものは、取締船より高性能の密漁船を仕立てるなどにより逃走されることが多くあり、漁業関係者は、プレジャーボートも何らかの船籍表示をしてもらい、船籍表示をすることによるマナーの向上や犯罪発生時の検挙可能の容易化等について、行政に対して何とか対応してほしいと立案、指導を懇願してきております。
 最近、紀の川大堰の工事が進むにつれ、紀の川大堰下流のプレジャーボートが不法係留として移動、退去させられましたが、それとてほとんどの船は正規の置き場もなく、県管理の河川や港湾、漁港等に一時係留しております。
 さて、以前、本会議においてプレジャーボートの係留について県としても設置促進をしていただくべく提言してきました。県ご当局も既に和歌浦漁港を初め、各部局におかれても取り組んでいただいているようですが、その進捗状況やプレジャーボート係留の現状認識について、及び今後の取り組みについてお聞かせいただきたい。
 また、このプレジャーボートの係留基地設置とあわせ、何らかの形で船の所有者の確認を可能にし、どこのだれの船かわからないが廃船として川に沈んでいたり、海岸に捨てていたりしている今までの実態を今こそ改善するチャンスだと考えます。例えば、係留基地使用者については船籍──自動車の登録ナンバーのようなもの──を明示するとか、ナンバーが表示できないなら、どこの基地に係留している船とわかる印とか記号とかであります。
 小型船舶の協会では個人のプライバシー保護の観点からだれの船か教えないそうですが、このことは、公海である海をだれもが安心して使用できる公共の福祉等の観点と比較して考えますと、道路を走る自動車にナンバープレート着用の義務があるのと何ら変わらなくなってきている今日であると考えます。
 県としても、海難事故防止やプレジャーボートの秩序ある利用の指導と管理を今から考えておかなければ、多くのトラブルが予想されます。船籍表示の必要性については運輸省管轄のことと放置せず、今後公的な係留基地を建設していく際にプレジャーボートの管理方法について何らかの取り組みができないものかと、ご質問する次第でございます。
 先日の新聞によりますと、平成四年十一月十七日付の「ニュース和歌山」では「海川に放置艇激増」と、また平成四年十一月十八日付の読売新聞では、県管理漁港の有料化で合意したが、ボート置き場の有料化については対象の三分の一は抵抗の構えであるなどということで、せっかく県が努力して係留基地を整備してくださったのに、そこへ係留する船が、海の上だから金を払わなくてもいいのではないかなどと、後になってトラブルが発生しております。
 しかし、権利を主張する、それを実行していく等、いろんな立場の整合性をとるためにも、ある一定の義務というか、ご協力をしていただくことも県民にお願いしていかなければ和歌山の海の整備はできないと思います。どうかひとつ、この際に何らかのプレジャーボートへの管理体制を県にとっていただきたいと思います。
 それから、一番最初に申し上げた墓地の問題に関して資料を配付させていただきましたが、これは県のご当局と県議会の調査課のご協力をいただいて調べたものでございます。
 以上で、質問を終わらせていただきます。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 保健環境部長江口弘久君。
 〔江口弘久君、登壇〕
○保健環境部長(江口弘久君) 墓地、埋葬等に関する法律施行細則に関して、土葬と火葬の推移と現状、周辺二百メートル同意の緩和の必要性についてお答えいたします。
 土葬、火葬の推移については、近年、火葬化が進んでまいり、昭和五十年度の火葬率は七六・七%でしたが、平成二年度では九一・四%となっております。なお、全国では九七・一%が火葬となっております。
 次に墓地の設置場所についてでございますが、本県では従来、人家、学校、病院等から二百メートル以上離れた場所とし、これによりがたい相当の理由がある場合には、二百メートル圏内の方の承諾書や自治会長の承諾書を求めてきたところです。
 環境改善、墓地需要等を考慮して墓地の確保や統合化を図るためにも、現在、全国の状況等を参考にして検討を進めているところであり、速やかにまとめてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 道路交通網整備に関するご質問にお答えいたします。
 まず、関西国際空港の南ルートについてでございますが、森議員にお答えいたしましたように、大阪湾ベイエリア開発整備のグランドデザインにおいても長期的な展望に立った必要性が述べられているものの、その実現には事業主体等、非常に大きな課題がございます。
 議員のお話のように、地元泉南市において南ルートの調査が行われていると聞いてございます。今後、県内の関係市町で構成されている紀泉問題連絡協議会とともに、その方策等について研究を進めてまいりたいと存じてございます。
 次に、南海高野線、JR和歌山線、そして南海本線の相互乗り入れについてでございますが、南海高野線とJR和歌山線の相互乗り入れについては、橋本駅構内における接続線の新設、車両の幅の違い、信号等の電気設備の整備、ダイヤ編成の問題など、両社間の調整を要する多くの課題もございますが、既に両社に検討いただくよう要請を行ったところでございます。
 また、南海本線とJR和歌山線との相互乗り入れについては、今後解決していかなければならない課題がございますが、両事業者と話し合っていきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 まず第二阪和国道と新南海橋でございますが、第二阪和国道の和歌山北バイパスについて、現在、近畿地建と和歌山市が地元と協議を重ねながら用地買収を促進しておるところでございます。用地買収を促進するため、国に対して補正予算を含めた予算の増額を要望しているところでございます。
 仮称「新南海橋」の着手については、前後取りつけ区間の用地買収の状況を見きわめながら、和歌山市とともにその早期実現を国に働きかけてまいりたいと存じます。
 次に、高速道和歌山北インターについてでございます。
 紀の川右岸地域での高速道路インターの設置については、従前から和歌山市初め地元の皆様方から要望が出されており、県としても、紀の川右岸地域における近年の人口増、あるいは種々の開発計画が具体化しているということから、必要なインターであると考えております。
 近畿自動車道に設置するインターとすると、現行の制度においては基本的には開発インターとなり、その実現には非常に難しい問題があると思われます。しかし、現在、京奈和自動車道の事業化に必要な種々の調査が国において行われております。県としても、この京奈和自動車道へ紀の川右岸のインターが設置できるよう、国に働きかけてまいりたいと思っております。
 次に、港湾、河川の管理、整備についてでございます。
 和歌山工区の外防波堤の消波工事については、第三港湾建設局において、施設の安定性や静穏度の向上と反射波対策として昭和五十六年度から平成四年度まで施行しているものでございます。平成二年度から雑賀崎地区の土地造成事業を県が実施することとしたため、一部の区間が防波堤の改良工事としてできなくなったわけでございますが、この残った区間については、県が行う緑地の整備事業の一環として平成五年度から引き続いて施行ができるよう運輸省に強く要求しているところでございます。
 次に、堤防や河川敷地における放置車両についてでございますが、紀の川においては約百三十台、和歌川、土入川などにおいて九月末現在で約三十台が放置をされている状況にあります。
 これらを是正するため、河川管理者として、立て看板の設置やステッカーによる告知を行い撤去を促しているところでありますが、所有者の特定が難しく、放置されている実情にあります。
 建設省においては、先月より撤去対策を強化し、十一月末までに約三十台を撤去したと聞いております。県としても、その実態を調査したところであり、今後、監視体制を強化するとともに、警察等のご協力を得ながら、リゾート博開催に向けて積極的にその整理を行ってまいりたいと存じております。
 次に、プレジャーボートの件でございますが、議員ご指摘のとおり、水域利用の秩序を維持し、プレジャーボートの活動の適正化を図ることは重要な課題と認識をしております。このため、港湾におけるプレジャーボートの収容対策として、和歌山マリーナシティのマリーナを初め、簡易な係留施設であるプレジャーボートスポットの整備を和歌山下津港内の三地区で進めているところでございます。
 和歌山マリーナシティのマリーナについては平成六年夏に一部供用開始の予定であり、また、プレジャーボートスポットのうち大浦地区については平成四年度末に概成の見込みであります。残りの琴の浦地区及び市堀川についても、早期供用を目指して整備を推進してまいります。
 今後ともこれらの事業を継続して収容施設の確保に努めてまいりますが、他方、河川区域におけるプレジャーボートの係留については、台風や出水時に流出して堤防、護岸を破損する等、治水上の支障や他の河川利用に支障を及ぼすことなど、河川管理上の問題がございます。
 建設省では、現在、秩序ある河川空間の利用を推進するため、係留船対策のガイドラインの策定を進めているところでございます。県としても、今後この動向を踏まえ、秩序ある係留を推進するための対策について検討してまいりたいと考えております。
 次に、プレジャーボートに対する規制等については、ご指摘のとおり、五トン未満のいわゆる小型船舶については、現行の登録制度では所有者の確認等が困難な実情でありますので、今後、港湾管理者としても、施設の使用に際してプレジャーボートの所属基地が確認できるような方法について検討してまいりたいと考えております。
 また、いわゆる車の車庫法的な問題については、全国的な問題として国においても検討していると聞いておりますので、その動向も踏まえつつ適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 農林水産部長中村 昇君。
 〔中村 昇君、登壇〕
○農林水産部長(中村 昇君) プレジャーボートの現状と掌握についてお答えを申し上げます。
 漁港におけるプレジャーボートを含む遊漁船等の係留については、漁港内における漁船との利用調整を図り、漁港の有効な利用と機能の保持を図るため、本年四月より使用料を徴収して、漁業活動に支障のない場所を選定して順次施設を整備しているところでございます。なお、和歌浦漁港については、四月に遊漁船等の係留のための利用施設を完成し、適正な管理に努めているところでございます。
 また、所有者の把握については、利用者からの使用届を提出していただき、その際「使用届済証」のシールの交付をして、船首の見えやすい場所に表示する等の対策を実施しているところでございます。なお、十月末現在で二百二十隻にシールを交付してございます。
 今後とも、漁港の適正な管理を図りながら、遊漁船等の対策について関係機関と連携をして取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。

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