平成4年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(小川 武議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時三分開議
○議長(馬頭哲弥君) これより本日の会議を開きます。
 ──────────────────
○議長(馬頭哲弥君) 日程第一、議案第百四十八号から議案第百五十五号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 10番小川 武君。
 〔小川 武君、登壇〕(拍手)
○小川 武君 おはようございます。議長のお許しをいただきまして、通告順に従い、順次質問をさせていただきます。
 まず、紀淡海峡問題についてであります。
 去る十月二十二日、四国徳島市において、第二国土軸構想推進協議会を構成する、本県を初め愛知県以西の十七府県と八経済団体の共催による第四回第二国土軸シンポジウムが開催され、関係者が活発な意見交換を行ったと報じられております。このシンポジウムでは、第二国土軸構想推進協議会が昨年実施した基礎調査の報告と、紀淡海峡、豊予海峡、伊勢湾口の三ルートで形成される海峡交流圏をめぐって意見を交換、東京一極集中を是正する従来の論議に加え、三海峡に循環交通体系と経済交流圏を構成する必要性が強く打ち出されたとあります。
 また、十一月二十六日、東京において第三回新国土形成シンポジウムが開催され、全国四十一道府県の知事を代表して仮谷知事が、循環型高速道路網の早期形成による新たな活力ある地域経済圏づくりを熱っぽく訴えられたのであります。日本の国土づくりは、二十一世紀を目前に控えて今新たな対応を始めていると言っても、決して過言でないと言えます。そして、そのリーダー役として東奔西走されている仮谷知事の活躍に、心から敬意を表したいと思うのであります。
 昭和三十九年、国連技術援助計画調査団のワイズマン博士が打ち出した東海南海連絡道構想、そしてそれを二十一世紀のビッグプロジェクトして昭和五十四年に仮谷知事が紀淡海峡トンネル構想として具体的な提案をされた第二国土軸構想は、今や夢物語としてではなく、西日本の政財界を揺り動かし、実現へ向けての熱い思いとなってみなぎっているのであります。
 紀淡海峡は、申すまでもなく大阪湾ベイエリア開発の明石海峡大橋、大阪湾岸道路を結ぶ大阪湾環状交通体系を形成するかなめであり、また関西文化学術研究都市から奈良、五条、橋本、和歌山に至る京奈和自動車道を中心とする関西大環状軸の結節点、さらには九州、四国、近畿、中部圏域を結ぶ海峡交流圏の中心拠点としての位置にあり、第二国土軸構想を推進する上において欠かせざる要衝と言えるものであります。
 現在、国においては、四全総の点検作業と次の第五次全国総合開発計画の策定のための準備作業に入っていると言われております。四全総に大阪湾環状交通体系という位置づけをさせたことが具体化への第一歩であったと評価するものでありますが、第二国土軸、紀淡海峡連絡ルートをさらに国家プロジェクトとして国の計画に明確な位置づけをすることこそが実現への必要不可欠な具体的展開であろうかと思うのであります。我が県議会においても、ことしの三月、第二国土軸建設促進議員連盟を結成したところであり、県政挙げてこの実現に向けて取り組む体制が着々と整いつつあります。関西国際空港と第二国土軸は、和歌山の将来を切り開いていくために必要にして最大のプロジェクトであります。
 第二国土軸構想推進協議会のリーダーでもある仮谷知事の、第二国土軸構想の促進、紀淡海峡ルートの実現に向けてのこれからの決意のほどをお聞かせいただきたいのであります。
 また、この紀淡海峡連絡ルートについては、紀淡海峡トンネル調査が始まって十年、紀淡海峡道路の調査も着手されている中、鉄道か道路か、あるいはまた両方なのか、本格的な検討の時期に来ているのではないかと考えるわけであります。いずれにいたしましても、この紀淡海峡連絡ルートを和歌山県としていかに利用し、どのような形で活用していくかを具体的に考えていく必要があるのではないでしょうか。
 例えば、コスモパーク加太計画にしても、紀淡海峡大橋とすれば観光リゾート基地としての評価は一層変わってくるでしょう。二十一世紀をにらんだ県土の開発計画のすべてにわたって、この紀淡海峡連絡ルートは大きな変化を来すことになると思います。紀淡海峡連絡ルートが実現すれば、我が和歌山県としてこういうことをやりたいという具体的な計画を打ち上げ、関係者を説得していくことこそ実現へ向けての確実なステップではないでしょうか。第二国土軸構想、紀淡海峡連絡ルートへの取り組みの現状と今後の進め方、あわせて紀淡海峡連絡ルートについては鉄道か道路か、あるいはトンネルか橋か、どちらが本県にとって有利と考えるのか、関係部長の熱意ある答弁をお願いしたいと思います。
 次に、前回に引き続き、和歌浦の振興について質問いたしたいと思います。
 マリーナシティ、片男波公園の建設、和歌浦廻線の延伸と和歌浦一帯の活性化、燦黒潮リゾート構想の拠点地域としての発展に日ごろご尽力いただいておりますこと、地元の議員として感謝にたえない次第であります。
 さて、先ごろ和歌山社会経済研究所等が中心となって、「リフレッシュ和歌浦計画 和歌浦委員会提案書」が発表されました。既に目を通されている方もおありと思いますが、私としても、和歌浦に生まれ、和歌浦で育ち、今日までの和歌浦の盛衰を実感してきた者として、この提案書については大いに深い関心を持って読ませていただいたところであります。
 どうすれば観光地としての和歌浦が再びにぎわいを取り戻せるか、観光和歌浦に欠けているものは何なのか、和歌浦のここが問題ということで、国立公園地域内にあって地形的制約条件が多いこと、観光にかける積極的な事業意欲が足りないことの二点を挙げ、そのため現在のレジャースタイルに対応できていない、すなわちモータリゼーションに対応できていない、例えば、高速道路や幹線道路と直結していない、駐車場が少ない、大型観光バスが通れない道が多い、また観光施設面では、老朽化した宿泊施設が多い、大型ホテルがない、新しい遊び場、物販、観光施設がほとんどないなどの点が挙げられております。
 平成三年の和歌浦地域への日帰り観光客約百三十八万人のうち、紀三井寺で約七十七万人、片男波海水浴場で約四十六万人を占めており、残りの東照宮、番所庭園、養翠園、新和歌遊園の四カ所を合わせても約十五万人にすぎない状況で、さらに宿泊客数の比率は年々低下傾向にあります。四十万都市の市街地に隣接し、しかも我が国第二の大都市圏である大阪都市圏から七十キロ以内という立地、美しい海岸線、多彩な文化財、歴史の厚さ、こうした得がたい立地条件、貴重な観光資源を和歌浦の町づくりに生かしていけるはずであると、この提案書は言っております。
 そして、この具体的な活性化のための提案として、一、現在の県職員研修所一帯を計画敷地とした和歌浦歴史文華館計画、二、フィッシャーマンズワーフの建設を柱とした和歌浦漁港再開発計画、三、現在のロープウエーにかわって東洋一のエスカレーターを備えた高津子山回転展望台再開発計画、四、現在、和歌山市駅から水軒口までつながっている鉄道の和歌浦までの延伸、以上の四つがリーディングプロジェクトとして挙げられております。
 これらは夢物語と言えばそれまでですが、中には必要度合いの高い提案もされているのであります。その一つに和歌浦漁港の活性化があると思います。
 和歌浦漁港は、万葉の地で知られた和歌の浦、片男波に接し、さらに新和歌浦、奥新和歌浦へと連なる和歌浦観光の中心部であります。当漁港は、昭和四十九年に魚市場が中央卸売市場に移転して以来、漁港本来の機能が失われつつあり、一方ではヨット、プレジャーボート等の施設が整備され、環境の変化に伴い、この漁港の様相も変化しつつあります。しかしながら、当漁港の大部分の土地が有効に生かされず、散然とした風景が和歌浦のイメージを低下させていることは非常に残念なことであります。
 そこで、和歌浦湾一帯はマリーナシティ、和歌公園、片男波海水浴場の整備が進行されており、これらの推進にあわせて当漁港の有効活用、すなわち必要スペースを漁港機能として残し、残余スペースを市民の憩いの場、観光の新名所として整備してはどうかと思うのであります。
 私は、フィッシャーマンズワーフのような漁業協同組合等、地元住民が参加した形態の施設を中心とした整備を期待するわけでありますが、県当局の和歌浦漁港のリニューアル方策について展望をお示しいただきたいと思うのであります。
 経済大国日本、国民すべてが中流意識を持つこの時代、それだけに明治の先覚者森田庄兵衛翁のごとき私財を投じて地域の活性化、発展のために和歌浦開発を手がけてくれるような冒険家が出現しないことも現実であります。そういう意味においては、和歌浦活性化の現在の先達は行政をおいてほかにはないのではなかろうかと思うのであります。
 和歌浦観光の振興策について、これまでいろいろ語られ、検討されておりますが、今回このリフレッシュ和歌浦計画のような斬新かつ具体的な提案は貴重なものであろうかと思うのであります。関係部長として、どのような受けとめ方をされておられるのか、観光和歌浦の今後の振興策とあわせ、商工労働部長の見解をお聞きしたいと思います。
 次に、去る九月に発表された和歌山市手平・中島地区の旧国鉄和歌山操車場駅跡地に建設される健康ふれ愛和歌山計画について質問を行いたいと思います。
 和歌山操車場駅跡地は和歌山市街地に唯一残された広大な都市空間であり、その跡地利用については県民の注目と熱い期待が寄せられております。当計画概要書を見てみますと、跡地約六・九ヘクタールに福祉施設、保健施設、スポーツを初め各種イベント等が開催できる多目的ホール、そして地域社会の担い手の活動拠点として女性センター、青少年センター等の施設が計画されております。この計画を見て、県民各界各層の皆様が待ち望んでいた施設の大部分が当計画に包含されることになり、画期的なものだと感じたところであります。国体道路沿いの広大な土地が、県民の交流の場として、また緑豊かな憩いの場として生まれ変わろうとしております。私は、この計画に大きな期待を寄せるとともに、計画の具体化を図り、早期実現を切望するものであります。
 そこで、当計画を積極的に推進していただきたいという願いを込めて、数点の質問をいたします。
 まず、交通アクセスの問題についてであります。
 当施設の利用についてでありますが、特に多目的ホールの利用については、全県下を対象にした県民集会や国際イベント等といった催し物が行われると思います。県内はもちろん、県外各地からの利用が見込まれることでしょう。そうした場合、最も利用される交通機関は、言うまでもなくJRであると考えます。私は、JR宮前駅が利用の拠点になると思いますが、いかがなものでしょうか。
 大阪城ホールができて、JR大阪環状線に大阪城公園駅が新設されました。また、名古屋のレインボーホールはJR笠寺駅近くに建設されております。こうした状況から見れば、当施設の利用はJR和歌山駅からの乗りかえでJR宮前駅利用がメーンルートにならざるを得ないと考えられます。一方、道路アクセスについても、当施設に面している通称国体道路は、現在でも交通量の多いことで知られております。イベント等が開催された場合、交通ラッシュは目に見えている状況であります。
 そこで、当施設を利用する場合の交通アクセス対策について、いかにお考えになっているかをお伺いしたいと思います。また、本事業のスムーズな進展を望みながら、実現に向けての今後のスケジュールについてもお伺いしたいと思います。
 次に県財政の対応でありますが、計画を実現化するためには何といっても財政的な裏づけがなくてはなりません。県においては、当計画のみならず、マリーナシティ、美術館、博物館、図書館や県立医大の統合移転といったビッグプロジェクトを抱えており、今後、財政面での対応が大変だろうと思われるところであり、また、さきの九月補正予算で県税の減額というかつてない厳しい局面に来ていることを察するわけですが、本計画を推進するに当たり、財源措置の見通しについて県財政を預かる立場の総務部長にお伺いしたいと思います。
 最後に、世界リゾート博についてお伺いいたします。
 和歌山マリーナシティを主会場として、二十一世紀のリゾート体験をメーンテーマに、世界に開かれたリゾート、自然との対話に満ちたリゾート、心の触れ合うリゾートの三つをサブテーマとして、世界リゾート博は再来年夏の開催を目指して今その準備が着々と進められております。
 世界リゾート博のPR用パンフレットを見ますと、開催の意義、目的の一つとして、県民総参加の町づくりの機運を高める、そのために県内のリゾート地をネットワーク化し、世界リゾート博の県域全体での広域的展開を図り、県民総参加を実現、県勢の活性化を図るとうたわれております。
 しかし、県民の間に入って聞いてみますと、現在のところでは、マリーナシティで行われるイベントであり、始まったら見に行くといった受け身型の反応であり、自分たちがお客さんを迎えるのだ、自分たちも参加するのだといった積極的な対応が見られないのであります。県民総参加と言うが、どのような形で参加すればよいのかという形が見えてこないのであります。
 思えば二十二年前、昭和四十六年の黒潮国体、夏秋合わせてわずか二週間、十万人足らずのお客さんを温かい真心で迎えようと、県民は燃えに燃えたのであります。沿道には真っ赤なサルビア、黄色のマリーゴールドの花が咲き誇り、親切にしよう、美しくしよう、むだをなくそう、たくましく鍛えようのスローガンの新県民運動が県内隅々まで浸透したのであります。何があのように県民を興奮させたのか。県選手団の活躍を心から応援する、それもありましょう。しかし、もっと大きなことは、黒潮国体を契機に県土の大改造を図ろうという大目標があったからではないでしょうか。
 和歌山市を例にとっても、市内の目抜き通りを走っていた軌道電車を廃止し、広い自動車道路となりました。国体道路の愛称で呼ばれている県道和歌山海南線の開通、紀三井寺運動公園の整備、そしてポスト国体施設として体力開発センターがオープンするなど、県民生活の利便性の向上、生活文化の向上に大きな成果をもたらしたものでありました。
 世界リゾート博は、開催期間七十二日、予定入場者も今のところ少なく見積もって百万人であります。黒潮国体よりもはるかに大がかりな催しであります。世界リゾート博を通じて、本県を訪れる国内外の多くのお客さんに和歌山の自然、歴史、文化、産業を知ってもらう、リゾート立県として整備された県内各地のリゾート施設とそれを経営する県民の心豊かな対応を知ってもらい、和歌山の住みやすさ、暮らしやすさを国内外にアピールする絶好の機会であると、広報パンフレットには紹介されております。
 しかし、そうした理想論だけで県民は納得するでしょうか。世界リゾート博の経済波及効果二百三十九億円、雇用創出効果三千四百人と言われておりますが、そうしたこととあわせ、世界リゾート博がなぜ現在の和歌山県民にとって必要なのか、県民生活の上にどのようなプラス変化をもたらすものであるのか、言いかえれば、ポストリゾート博で何を残せるのか、県民の日常生活に直結したリゾート博効果として何が期待できるのか明確にし、県民に知ってもらう必要があるのではないかと思うものでありますが、関係部長の答弁をお願いいたします。
 そして、私は、あの黒潮国体のときのような、世界リゾート博を成功させるための県民運動を強く推し進めることを提案したいのであります。
 お客様に対して町をきれいにしてお迎えすることは、とても大切なことと思います。それといま一つ、「真心で迎えよう」を県民運動として取り組まれてはどうかと思うのであります。タクシーの運転手さんばかりにマナーの向上を訴える前に、県民すべてが国内外からのお客さんと接するマナーをさわやかに高めたいものであります。
 世界リゾート博はジャパン・エキスポに指定され、来年七月から県内各地で地域の特性を生かしたリレーイベントが開催されると聞いております。まさに、温かい人間性に満ちあふれた和歌山県を国内外に浸透させる絶好の機会であります。ぜひ、世界リゾート博県民運動を提唱するものであります。知事のご所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの小川武君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 小川議員にお答え申し上げます。
 第一点の問題、第二国土軸構想、紀淡海峡ルートの実現への決意についてでございます。
 本県は紀伊半島に属しており、それがゆえに国土軸に通じることが多年の悲願でございました。そうした観点に立って、県は第二国土軸構想を推進しているところでございます。一昨年、本県で開催したシンポジウムを契機に設立した第二国土軸構想推進協議会で、調査研究や要望など活発な活動を展開してきたところでございます。また、去る六月、国において発表された生活大国五か年計画には、今後、新たな国土軸のあり方も含め、二十一世紀の国土構造の姿について総合的な検討を進めることが明記されたところでございます。
 先ほど話ございましたように、議会でも議員連盟をつくっていただきましたので、なお一層連携を深めて、この構想が国の計画に早期に位置づけられるよう、関係団体と連携を密にして今後とも積極的に進めてまいりたいと思っております。
 また、そのかなめとなる紀淡海峡ルートについても、お話ございましたように、国において道路、鉄道の両面での調査を実施しているところでございます。こうした中で、去る九月には近畿と四国の交流を深めるため紀淡海峡交流会議を設立し、海峡交流圏の形成を進めることとしているところでございます。
 今後とも、この会議の代表者の一人として、紀淡海峡ルートの早期実現に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
 次に、世界リゾート博についてご提言なりご意見を賜ったわけでございます。
 これを成功させるためには県民運動の推進が一番大事だ、行政と民間とが一体となって、お互いがこのリゾート博をやるんだ、支えるんだという気概を持ってやることが一番大事だということ、同感でございます。そうしたムードをいかに盛り上げていくかということが肝要だと思っておるところでございます。
 そうした県民運動を具体的に推進していくために、リゾート博推進本部に専門部会としての県民運動部会を設置して、緑と花づくり運動、環境美化運動、まごころの輪づくり運動の三目標を柱に検討させているところでございます。また、お話ございました、我が国内外から来られる方を温かく迎え、本県のすばらしさを十分認識していただけるように今後積極的に進めていかなければならないと思っております。
 また、県民運動とあわせて、県民の皆さんに総参加していただくために、博覧会の運営に広くボランティアの皆さんの参加をいただくことも肝要なことだと思っておるわけでございます。これを積極的に推進し、協力していただくという形で進めてまいりたいと考えております。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 紀淡海峡問題に関連するご質問にお答えいたします。
 まず、第二国土軸構想についての取り組みの現状と進め方でございます。
 十七府県及び八経済団体で構成する第二国土軸構想推進協議会において、国土計画への明確な位置づけなど関係省庁等に要望を行うとともに、国土軸のあり方の研究調査を行い、新たな海峡交流圏や多軸型国土の形成を提言し、取りまとめたところでございます。この提言に基づき、本年夏には国会議員連盟との懇談会など活発に活動してきたところでございます。おかげをもちまして、来年度の国土庁の概算要求にも交通基盤の整備と国土の軸のあり方に関する調査費が計上され、国においても第二国土軸を含む新たな国土軸のあり方の調査に初めて取り組みがなされるなど、本協議会の成果が大きくあらわれてきてございます。
 今後は、新たな国土軸構想を提唱している東北、日本海沿岸等、他の地域との交流を深め、国土計画への明確な位置づけができるよう、さらに積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、紀淡海峡ルートについてでございます。
 トンネル調査については、四国新幹線のうち本州─淡路島間の海底トンネル部分に係る区間の調査が順調に進んでございまして、本年度で十年目を迎えてございます。一方、紀淡連絡道路については、昨年から建設省において調査をしていただいており、来年度より始まる第十一次道路整備五箇年計画案に、大阪湾環状道路として地域の活性化施策の推進とあわせて事業の具体化を図ると位置づけられたところでございます。
 このように、国において鉄道、道路の両面から調査をしていただいてございます。今後は、これらの調査の早期完了と早期実現に向け、関係府県や経済団体と連携を密にしながら、県議会の皆様のご協力をいただき、一日も早い実現のため懸命に努力してまいりたいと考えてございます。
 次に、架橋方式かトンネル方式かとのご質問でございます。
 まず、現在進められている紀淡海峡トンネルの調査や紀淡連絡道路の調査を完了していただくことが重要でございます。今後は、鉄道については整備計画への位置づけ、道路については第十一次道路整備五箇年計画の正式決定に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、健康ふれ愛和歌山計画に関連する質問でございます。
 広く県民に利用される大規模施設を建設する場合、交通アクセスの整備はとりわけ重要な課題であると考えてございます。
 まず鉄道については、ご指摘のとおり、大量輸送を図る意味からもJR紀勢本線宮前駅の利用が不可欠であると考えてございます。当駅から施設までのアクセス道路については、アメニティーの高い遊歩道等を検討いたすこととしてございます。
 また道路交通については、一定規模の駐車場を確保いたしたいと考えておりますが、数千人規模の大規模イベント開催の場合には、最寄りのターミナル駅からのシャトルバスの活用等によるスムーズな運行計画を検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、今後のスケジュールについてでございます。
 多目的ホール棟、健康・福祉棟の建設については、平成五年度より実施設計作業を進めて平成七年春には着工し、工事期間は約二年間を予定しておりますが、財政事情等も勘案しながら建設を進めてまいらなければならないものと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 農林水産部長中村 昇君。
 〔中村 昇君、登壇〕
○農林水産部長(中村 昇君) 和歌浦漁港のリニューアルについてお答えを申し上げます。
 和歌浦漁港は、観光や周辺の景観との調和のとれた施設整備を図ることが極めて重要であると考えてございます。この漁港は、紀伊水道の生鮮魚介類の荷揚げ場として昭和二十六年に第三種漁港に指定され、その間、昭和四十二年に和歌浦魚市場が開設され、漁港と魚市場がそれぞれの機能を発揮してまいったところでございます。
 議員のお話のとおり、昭和四十九年に魚市場が西浜の中央卸売市場に全面移転いたしましたが、なお周辺漁船の荷揚げ場としての機能を持ってございます。また、最近の海洋レジャーブームに乗って遊漁船等が多数係留されるようになったため、本年四月にこれらを係留するための利用施設を完成したところでございます。
 さらに、漁港用地の有効活用についてでありますが、ご提言いただいた和歌浦漁港のリニューアルについては、県としても漁港の地理的環境及び社会的環境を十分認識し、現在、漁業協同組合、地元自治会を中心に幅広く関係者に呼びかけ、有効活用について市民並びに観光客を対象にした地場産品コーナー、イベント広場、緑地、駐車場等、和歌浦活性化のための方策の検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 和歌浦の観光振興についてお答えいたします。
 和歌浦地域は、万葉の時代から多くの人々に親しまれた景勝地であるとともに、多くの歴史的、文化的資源が残っており、紀北地域における重要な観光拠点でございます。
 議員ご指摘のリフレッシュ和歌浦計画は、今後の和歌浦の観光振興を図る上で貴重な提言であろうと考えてございます。現在、世界リゾート博の開催を控え、和歌山マリーナシティや片男波海水浴場、和歌公園などの整備が進む中で、和歌浦地域に多くの新たな観光的魅力が付加されようとしてございます。またソフト面においても、和歌浦地域への誘客を図るため、本年度もビーチバレーボール大会やヨットレース観戦クルージングなど、体験・参加型のイベントを実施しているところでございます。
 なお今後、和歌浦の観光振興を図る上においては、東照宮、天満宮、玉津島神社など地域の歴史、文化資源の積極的な活用やPRを展開するとともに、周辺の観光地との連携による観光ルートの設定などが必要であろうかと考えてございます。さらに、より魅力的な観光地にするためには、観光関係者が自主的に行動することが肝要であろうかと考えてございます。今後とも、地元関係市町との連携のもとに、和歌浦の観光振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 健康ふれ愛和歌山計画の財源措置の見通しについてでございます。
 幾つか例を挙げてご指摘がございましたように、本県においてはこれまで計画段階であった数々の大規模事業が既に進捗をし、また今後も新たに着手を予定しているところでございます。これらの事業の円滑な推進を図るためには、必要な財源を確保し、財政の対応力を維持していくことが不可欠でございますが、一方、昨今の景気の後退は、国税、地方税、双方の低下を招くことになり、特に歳入面での制約から本県の財政も大変厳しい状況が続くものと考えられます。
 こうした中で、ご質問の健康ふれ愛和歌山計画については、国の支援措置の中でもできるだけ有利な制度を活用すべく、自治省のリーディングプロジェクトとして実施することといたしました。これは、元利償還金の五五%が地方交付税で措置される地域総合整備事業債を活用するものであり、実質的に相当程度の一般財源負担の軽減が図られることになりますが、それでもなお事業自体が多額の財源を必要とするものであるため、今後具体的な事業実施に当たっては、各年度の財政状況等を十分勘案しながら適切な対応に努め、円滑な事業進捗が図られるよう配意していかなければいけないと考えております。
○議長(馬頭哲弥君) 知事公室長市川龍雄君。
 〔市川龍雄君、登壇〕
○知事公室長(市川龍雄君) リゾート博についてお答え申し上げます。
 博覧会の終了後に何が残り、どういう効果が期待できるかについてでございます。
 この博覧会は、議員お話しのように、開幕の一年前から県下各地域の特性や豊かな自然、文化、歴史資源を生かしたイベントを展開することによって本県のイメージアップを図り、地域の活性化につながることはもちろんのこと、博覧会場から二十一世紀のリゾートの情報発信を行い、和歌山を国際リゾートエリアとして定着させるという大きな意義と目的を持ってございます。また、博覧会の開催によりハード面のインフラが整備されるとともに、博覧会開催のための投資経費や会場内外での消費支出などによって誘発される経済的な波及効果や雇用機会の増大等が期待できるものと考えてございます。
 さらに、県民総参加でこの博覧会を展開することにより、県民の連帯感や郷土愛の醸成が図られるものと思ってございますし、博覧会終了後も、恒久施設である仮称マリーナシティ和歌山館を通して本県のすばらしさをさらにアピールするとともに、本県で初めて開催される博覧会の内容やこれまで培われてきたノーハウを何らかの形で残していきたいと考えてございます。このように、世界リゾート博の開催により、大きな有形無形の財産を後世に残していけるものと確信をいたしているところでございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 以上で、小川武君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ