平成4年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(浜本 収議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 43番浜本 収君。
  〔浜本 収君、登壇〕(拍手)
○浜本 収君 新南紀白浜空港の県道トンネル工事、東京佐川急便事件を通じての現実の政治についての知事の見解、暴対法推進と警察の行政、さらには教育問題、特に定数内講師の問題、以上四点について質問をいたします。
 新南紀白浜空港の県道トンネル工事の現場には、「工事名 県道白浜紀伊富田停車場線(仮称・新鴨居トンネル)工事 発注者 和歌山県 施工者 飛島・大末建設共同企業」と横文字で大きく書かれた看板が、つい九月ごろまでかけられてございました。
 既にご承知のように、十月二十六日の読売新聞の記事によれば、「ずさんトンネル工事 検査院指摘 貫通後修復 コンクリの厚さ不足 和歌山の県道」の見出しで、以下、次の指摘がなされたところであります。
 「白浜町鴨居で建設中の新南紀白浜空港の県道トンネル工事で、設計ミスから百二十七か所でコンクリートの厚さが不足している施工不良が会計検査院のチェックで見つかり、県が約三か月かけて修復させていたことが二十六日にわかった。 トンネル(長さ四百九十九メートル、幅十メートル、高さ七・三五メートル)は、滑走路の下を北東から南西に横切る県道白浜紀伊富田停車線の付け替え道路。国の補助をうけ総事業費十七億四千五百万円で平成二年一月から建設、来年一月に完成予定する。 不良施工が見つかったのはトンネル中央で、強度を保つため鉄筋(直径十六ミリ)を入れ、内側から厚さ十センチ以上のコンクリートで覆う設計だった。 ところが、会計検査院が貫通後の五月に五百四十か所を掘削調査したところ、鉄筋を覆うコンクリートの厚さが一・五センチしかないなど、十センチ以下のところが七十七メートル区間で百二十七か所も見つかった。 このため、検査院は『建設地は海に近く、鉄筋を覆うコンクリートが薄いと早期腐食の原因になる』と改善を指導した」、そこで県は「企業体に二千五百万円を負担させ、八月までに修復を終えた」とあります。
 以上の記事──この記事が正確であるかどうかということも含め、そういった概要に立って次の質問をいたします。
 一つ目、もし国の会計検査院の指摘がなかったらこの工事はそのまま素通りしていたと判断されるが、県自身の検査ないし監督はどうであったのか。また、県の検査体制はどうなっているのか。
 二つ目、共同企業体に二千五百万円を負担させ、八月末までに修復を終えたとするこの措置は当然のことではあるが、この工事そのものについての検査は県でその後行っているのかどうか。また、共同企業体へのペナルティーはどうなっているのか。そのまま見過ごしていくつもりなのか。
 三つ目、本件については、県議会、特に建設委員会にどのような報告が行われているのか。ただいまのところ、私の知っている範囲では、建設委員会には何ら報告がされていないと聞いてございます。また、県土木部はそのコメントの中で、「県の監督が不十分だったのと、業者の施工に原因があった。早く見つかったのが不幸中の幸いで、今後はこういうことがないよう十分、注意したい」と述べているが、「早く見つかったのが不幸中の幸い」とするこのくだりは、私には到底いただけない。早く見つかったのでせめてよかった、不幸中の幸いだなどということは外に向かって言う言葉ではないと私は思うのであります。土木部長の答弁をあわせて求めます。また、本件についての知事の所見を伺うものであります。
 東京佐川急便事件を通じて現実の政治についての知事の見解を伺います。
 九月県議会の最終日、私が提案した「佐川急便疑惑の徹底解明と政治倫理の確立に関する意見書」は、本会議において、趣旨説明五分、採決三秒と、あっけなく否決されたが、政治はまさに生き物であります。社会、共産の五名にしか満たなかったけれども、その後の本件についての全国的な動きは、我々五名が指摘したように、まさに燎原の火のごとく日本列島全土に政治不信となって拡大しつつあります。
 ご承知のように、県内各市町村議会においても本件に関する意見書や決議文が続出しているところであるが、ただいまのところ市議会の関係では、海南市、橋本市、田辺市、新宮市、有田市、和歌山市──余すところ一カ所、御坊市であります。また町村議会でのそれは、岩出町、湯浅町、由良町、美浜町、中津村、龍神村、南部川村、上富田町、串本町、大塔村、古座川町、本宮町、那智勝浦町で、この十二月の各市町村議会においても引き続き多くの決議や意見書が出されることが予想されるが、これらの意見書と決議文はいずれも「佐川急便疑惑」、「金丸前代議士」、「竹下元総理」、「暴力団」等々を明記した上での真相解明と政治倫理の確立を求めるものであります。
 このような県下各市町村議会の一連の動きと政治に対する信頼回復、政治改革を強く求める正当な国民の声は、まさに古い永田町政治への批判でもあり、対決でもあります。このことについて知事はどのような判断をし、認識をされているのか。この際、ぜひ県民に明らかにされたいのであります。
 次に、いわゆる暴対法と本問題について警察本部長にただします。
 前段でも述べたように、さきの意見書の提案に当たり、私は田辺市における官民百十団体、六百名参加の暴力団追放の決起集会のことを引用しましたが、平成四年三月から施行されたこの暴対法の解説や啓発活動に県警察は鋭意取り組んでいるところであります。
 また、去る十一月二十日、中長県警察本部長は県下警察署長会議において、「年末の多忙な時期を迎えるが、ことしの業務の総仕上げに向けて一層の努力をするよう」と訓示し、当面の業務推進上の重要課題として特に暴力団対策の強化徹底を指示したところであります。
 さらに、去る九月九日に和歌山市民会館ホールで開催された第一回暴力団追放県民・市民大会では、「『暴力団を恐れない 暴力団に金を出さない 暴力団を利用しない』の暴力追放三ない運動を展開し、暴力のない、平和で明るく住みよい和歌山県の実現に寄与する」として、大会宣言を採択したところであります。
 そこで、まず平成四年三月から開始した財団法人県暴力団追放県民センターの経過とその活動状況をこの機会に明らかにされたいのであります。
 二つ目には、先ほど述べた暴力団追放三ない運動とは逆に、「暴力団を恐れ、暴力団に金を出し、暴力団を利用する」という批判の中で政権が誕生したとして疑惑を招いているこの国の政治の現実は、暴対法に積極的に取り組んでいる警察行政とは全く相入れないものであると私は思うが、この際、警察本部長の見解を求めるものであります。
 最後に教育問題、特に定数内講師の問題について教育長に質問をいたします。
 条例定数による県内教職員一万一千四百九十四人中、いわゆる定数内講師は百八十一名であります。そのうち、小学校の定数内講師は七十七名、中学校は六十一名、高校二十五名、盲聾養護学校十八名、計百八十一名であります。これら百八十一名の教員は県下の各学校に配置され、一般教職員と何ら変わることなく児童生徒の教育に専念しているところであるが、このうち小中学校への配置状況を地方別に見れば、次のとおりであります。
 和歌山市十名、伊都三十三名、那賀二十名、海草六名、有田八名、日高八名、東牟婁十一名、西牟婁四十二名であります。この数字が示しているように、小中学校の定数内講師百三十八名中、田辺・西牟婁地方に配置されている講師は四十二名であり、定数内講師の全体の三〇%で第一位を占めております。続いて伊都地方三十三名の二四%、第二位であります。
 このような状況に立って、次の諸点をただすものであります。
 一つ目、この田辺・西牟婁地方の四十二名という高い配置の根拠とその理由、また県下郡市間の配置人員のアンバランスの理由、さらに、この中には校長、教頭以外の三名の教員が定数内講師といった僻地の小学校もあるが、教育上、また学校運営上、問題はないのか。私は問題ありと認識をするがゆえに、問題はないのか、まずお答え願いたいのであります。
 二つ目、定数内講師の中には、昭和五十六年から既に十一年五カ月もの間、田辺・西牟婁管内の小中学校十六校を不合格のまま転々と勤務されている方がいます。この方は立派な教員で、地域の父母、子供たちの信頼を集め、地方教育委員会も、またそれを認めているところであります。何年も勤務を重ね、テストの繰り返しを行っているうちに、この教員と同じように採用試験の年齢制限を受けた教員もいるが、県教育委員会は、県下学校全体の教育運営が成り立たないため、これらの教員が必要であるとしてそういう制度を設け、教育の一翼を担ってもらっているわけであります。
 ここで私は、昨年の九月県議会における馬頭議員と西川教育長の質疑応答を、お許しを得て紹介し、以下質問を続けます。
 質疑応答は、次のとおりであります。馬頭議員、「長い人は、何年も一筋に精励してくださっている。その熱意も技能も人柄も、まことに敬服のほかなしというような講師先生が多くおられます。しかし、そういう人が、一枚のペーパーテストで先生になれない、合格しないということで、ずっと講師に甘んじていなければならない。五回、六回と試験に挑戦をする粘り強い人もおります。しかし皮肉なことに、朝から夕方暗くなるまで一生懸命頑張って勤める先生ほど試験に受かりにくい。当たり前であります。今は試験のテクニックが大変要求される時代でありますけれども、勉強に打ち込むことができないから試験が受かる道理がないのであります。それだけ教育現場で一生懸命打ち込んでいるということです。こういう人たちは、正規の教員としての資格は持たないけれども、生徒に慕われ、父兄に敬愛される立派な先生であります。教育委員会は、これらの人たちの貢献度をどう評価してくれているのであろうか。一定の勤務評価に基づいてこうした人材に道を開く考えはないか」。教育長、「こうした補充講師の中には、教育愛に燃え、熱心に指導いただいている方々が多くございます。このため、教員採用選考検査については、ペーパーテストのみによることなく、面接検査を従前の一回から集団面接、個別面接の二回に増加いたしました。また、実技検査をも拡充することによって、人間性豊かで使命感にあふれ、実践力のある人材が確保できるよう年々改善を加えているところでございます。近年、児童生徒数の減少に伴い採用者数が減少いたしておりますが、教員採用検査の合格者の大半は講師経験者でございまして、その体験が生かされているものと考えてございます。今後はさらに検査方法を工夫し、優秀な人材が確保できるよう努力いたしてまいる所存でございます」。
 この質疑応答の内容を踏まえた上で、昨年と本年の教員の採用状況、特にこの面に焦点を当てて答えられたいのであります。
 三つ目、商工労働部長に質問をいたしますが、県は商工労働部を中心に、この夏、八月十三日にきのくに人材Uターンフェアを行い、県内の参加企業五十九社とともに人材を求めたところ、千五百二十四人が面接に応じ、うち内定者八十五名、また東京、大阪のそれぞれの事務所においてもきのくに人材Uターン事業を行っているところであります。
 西牟婁郡内のある学校で三年間講師をされていた教員は、三年目の採用試験も前年同様B合格だったが、同じ年、北海道の教員採用試験を受けたところ、これもB合格であった。ところが、北海道ではB合格は正式教員になれるため、今、その人は北海道で教鞭をとっている事例があります。もう少し詳しく言うならば、彼は西牟婁郡で生まれたものの、この地で教育者としての道を歩むことを和歌山県は許さなかったのであります。そして今、北海道にいて、すぐれた教員として生活をしてございます。知事のおひざ元の串本町の人であります。
 私は、こういった教員にUターンの呼びかけをせよと言っているのではない。この四月、西牟婁郡内の小学校に講師として赴任された若い教員は、一カ月後の五月にさっさと教員をやめて紀北に帰った例もあると言う。できるものなら県内の出身地域を中心に教員ができたらと思うのは、私一人だけではないと思う。
 ふるさとの学校、その学校を包む村や町には年一度のお祭りが必ずある。そのお祭りのみこしを担いで、「ワッショイ、ワッショイ」と、子供たちが祭りを盛り上げる。そんなお祭りに鉢巻きをした多くの先生も一緒に参加する。どこにでもある、こんなありふれたように思える風景の中に、私は教育のすばらしさを発見することがある。過疎対策、若者定着といった視点からも、またゆとり、豊かさを求めるという時代の流れからも人事行政を見直し、その中で定数内講師のあり方、特に経験年数と教育実践力の評価等を踏まえ、いま一度検討を求めて質問といたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの浜本収君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜本議員にお答え申し上げます。
 新南紀白浜空港の県道トンネル工事に関しまして、お話のように会計検査院から指摘を受けたのでございまして、このことについてはまことに遺憾に存じておるわけでございます。今後、かかる事態が生じないように、職員に対する研修並びに建設業者に対しても指導してまいりたいと存じておるところでございます。
 お話ございました検査体制、また共同企業体へのペナルティーの問題等につきましては、土木部長から答弁させていただきます。
 次に、佐川問題に対する見解でございます。
 県議会初め県下各市町村議会において多くの意見書が提出されておりますように、東京佐川問題をきっかけとして国民の政治に対する不信感が一段と増幅したことは事実であり、非常に残念なことでございます。私も政治に携わる者の一人として、政治に対する倫理観の確立、抜本的な政治改革を求める国民の声の重大さを強く認識するとともに、県民の信頼にこたえられる、公正で清潔な政治を継続してまいりたいと考えております。
 また、現在、国会において緊急政治改革案が審議中でございますけれども、国民の納得が得られる、実効のある抜本的な政治改革が早急になし遂げられることを期待している次第でございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 新南紀白浜空港の県道トンネル工事についてお答え申し上げます。
 まず、最初の新聞記事についてでございますが、この南紀白浜空港整備事業につきまして、本年五月、会計検査院による実地検査が行われました。新聞報道された県道つけかえトンネル工事は平成元年度から平成四年度にわたる四カ年の継続工事で、今回の検査は平成元年度から平成三年度の三カ年分が対象となっております。
 検査内容は、トンネル工事の覆工コンクリートの一部で鉄筋のかぶりが設計と相違しているとの指摘を受けたものであります。この原因は、鉄筋の組み立て時に固定アンカーの結合が十分でなかったこと、さらにコンクリート打設の際、組み立てた鉄筋がその重量により変形したものと思料をされます。このような事態を生じたことについてはまことに遺憾であり、深く反省をしているところでございます。
 県の検査体制につきましては、県工事検査規程に基づき、技術管理室に所属する検査員が主体となって実施をしております。本件に関する検査は、目視できるところは長さ、幅等の寸法を測定し、目視できない鉄筋等は工事写真等で確認をしたわけでございます。また監督については、鉄筋を組み立てた後に設計図書と適合しているかということを確認し、写真撮影後、コンクリートの打設を指示いたしておるところでございます。
 共同企業体へのペナルティーでございますが、まず去る十一月二十六日に警告書による厳重注意を行っております。また、今後、会計検査院の審議結果を見て、県建設工事等契約に係る指名停止等の措置要綱に基づいて適切な措置を行ってまいる所存でございます。
 なお、請負業者の責任において既に手直し工事を完了しておりますが、その確認検査についても県の検査員が実施をいたしております。
 建設委員会に対する報告につきましては、会計検査院で現在審議中でございますが、今回の委員会で途中経過を説明させていただきたいものと考えております。
 また、新聞でのコメントにつきましては、既にトンネルを供用していた場合のことも考え合わせた発言でございます。その点、あわせてご理解をいただきたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) 暴力団対策についての浜本議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、財団法人和歌山県暴力団追放県民センターの経過とその活動状況についてでありますが、この暴追センターは暴力団追放運動の中核として本年四月に公益法人として設立をされ、五月から業務を開始いたしました。
 暴追センターの主な業務内容でありますが、暴力団に関する相談の受理、暴力団の被害防止のための広報啓発活動、少年を暴力団から守るための活動等であります。
 まず相談受理活動につきましては、弁護士、少年指導委員、保護司など二十四名の方々を暴力追放相談委員に委嘱して業務の充実を図っているほか、相談窓口も、暴追センターだけでなく、和歌山市内の百貨店を初め、田辺市、新宮市などにおいても定期的に相談所を開設し、県民の皆様のニーズに対応しているところであります。
 なお、これまで暴追センターに寄せられた暴力団に関する相談は、およそ六十件であります。
 相談内容について若干の事例をご紹介いたしますと、二年くらい前から暴力団に加入をしていた少年二人が、やくざが嫌になった、足を洗いたいと相談に来ましたので、暴力団から脱退するための指導助言を行って二人を組から離脱させたところ、現在では両名とも工員としてまじめに働いていると聞いております。
 このほか、ある会社員から女性問題で暴力団員に因縁をつけられて困っているとの相談がありましたが、この件については警察で引き継ぎを受けて、その暴力団組員を恐喝未遂で逮捕いたしております。
 また、広報啓発活動につきましては、ポスター、パンフレット、暴力団追放ステッカー等を作成・配布しているほか、各地域、職域の皆さん方のご協力を得て暴力団追放県民・市民大会を開催するなど、県民の暴力団排除意識高揚のため広報啓発活動を推進しております。
 警察といたしましては、今後とも事業内容に創意工夫を凝らし、最大の効果が上げられるよう暴追センターを指導し、また協力・援助してまいる所存であります。
 次に、暴力団対策に取り組む基本姿勢についてであります。
 暴力団の追放は県民総ぐるみで取り組まなければならない重要な課題でありますが、さきに議員からご指摘ありました三原則、「暴力団を恐れない 暴力団に金を出さない 暴力団を利用しない」という暴力追放の三大原則は暴力団排除活動を進める上で非常に重要な基本原則であると認識をしておりまして、このことについては機会あるごとに県民の皆さん方にも強く訴えているところであります。
 したがいまして、一般論ではありますが、政治家であれ、いかなる人であれ、仮にも暴力団を利用したりすることは、ただいま申し上げた暴力団対策の基本原則に反するものであり、あってはならないことと認識をしております。
 警察といたしましては、県民の暴力団排除機運が高まりつつある今こそ、暴力団に対してあらゆる面からの取り締まり活動を徹底し、暴力団の壊滅を目指していく所存であります。
○議長(馬頭哲弥君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 定数内講師と教育問題についてお答えいたします。
 議員ご質問の、いわゆる定数内講師の配置に地域的不均衡が生じていることにつきましては、児童生徒数減に伴う教員の定数減や郡市間交流及び校種間の人事交流、さらには教科の専門性とのかかわり等により生じてきているものでございます。特に西牟婁地方では、この地域から紀北地方の小中学校や県立学校への異動が当初の計画より多くなったこと、また学校の統合等が見込まれたためでもございます。こうした状況につきましては、今後の人事異動において、でき得る限り是正に努めてまいりたいと考えてございます。
 また、講師の多くは、それぞれの学校において情熱を持って教育に携わっていただいておりますが、配置に当たっては、今後、小規模校等に偏ることのないよう十分配慮いたしてまいります。
 次に教員採用についてでございますが、現在は児童生徒の減少に伴い採用数が少なくなってきていますので、志願者の中の講師を経験した人だけでも募集人数の数倍に達するのが実情でございます。
 採用検査に当たっては、人間性豊かで、教育への情熱と使命感、実践力を兼ね備え、さらには地域に溶け込み、地域とのかかわりを大切にできる人材がより多く得られるよう面接検査を二度にわたって行うとともに実技検査を実施するなど、検査内容に工夫改善を加えてきているところでございます。
 こうした中で、合格者に占める講師経験者の割合は非常に高くなってきており、昨年は約七〇%、本年度はさらに七五%程度に拡大する見込みであり、講師の体験が生かされているものと考えてございます。
 今後とも、採用検査に当たっては、真に本県教育の将来を担うに足る人材が確保できるよう一層の工夫改善を加えてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 43番浜本 収君。
○浜本 収君 土木部長の答弁でございますが、先ほども申し上げましたように、よく一般的に、例えば他人が交通事故に遭った場合など、病院で「せめて命あってよかったのう」とか、そういうことを言うたりすることがあるけれども、県の行政に携わる人々が、聞かれたからと言って「早く見つかったのが不幸中の幸いや」ということを平然と言う心臓が私にはわからない。「早く見つかったのでよかった」というのは、「死ななんでよかったよ」というような言い方とあんまり変わらない。
 そのコメントを読んでみると、そのときは、「県の監督が不十分だったのと、業者の施工に原因があった。この点についてはどう言われてもいたし方ございません」ということでコメントに応じるべきである。それをまだつけ加えて、「早く見つかったのが不幸中の幸いで、今後はこういうことがないように十分、注意したい」と、こういう言葉は不要である。しかし、それでも答弁は、トンネルを供用していた場合のことを考えたもので、私に理解せよと。理解せよと言われても、私は理解することができません。それは、あるいは人生観の相違かもわからん。わかりませんけれども、理解することができません。それが一つ。
 それから建設委員会への報告ですけれども、私は、行政を行う者は当局と議会との関係を大変大切に──最もとは言わないけど、非常に重要な問題として考えるべきだと思います。それをわかっていても、東京では既に新聞に出ている。そして、私は白浜におる関係もあるのかどうか知りませんけれども、十人ほどの方から、中にはご丁寧にこんなの出てあると、その新聞を私のところへ持ってきてくれた人が二人もおるわけです。この言い方は場合によって取り消さなければならないけれども、「あれら──県の人らということです──皆こうなんかの。トンネルをそこらでつくっているけど、皆こんな手抜き工事を──新聞を読むと手抜き工事みたいな受け取り方をするわけです──してあるんかの。こんなん、何なよ」と雑談的に、あるいはまた直接言いに来た人がございます。
 建設委員会というのは、会期から会期までの間に開いても、付託しているからいいのであります。二千五百万円ですか、やり直させたということが新聞に出ている。しかも、事の内容はどうあれ、国の会計検査院にチェックされたということが載っている。それを建設委員のどなたにも──この間、私が聞いたら、委員長にはしたみたいな話はしておりましたけれども。しかし、少なくとも建設委員会の委員に対して、「こういうことがあったんだけど、ただいまは中間報告しかできないので、こうなっておるんだが」ということの中間報告のような形ででも──どういう形であれ、視察に行った夕方のおぜんの前で、「ちょっとおぜんの前で失礼ですが、こういうことがありました」ということの報告も兼ねてすべきであると私は思う。私は、そう思う。そういう議会との関係をもっと重要な問題としてとらえるべきである。
 ただいま、十二月の建設委員会でするんやとの答弁がありました。十二月の建設委員会で当然するだろう。するだろうけど、本会議で既に質問をされておる。それ以前に、やっぱりこういう問題はきちっとすべきだ。そうすると浜本の質問もなかったであろうということで、あわせて答弁を求めます。
○議長(馬頭哲弥君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 最初の「不幸中の幸い」というコメントについてでございますが、その前後にどういうやりとりがあったかということは定かでございません。いずれにいたしましても、誤解を受けるような発言であるというご指摘でございます。
 ただ、恐らく、先ほど申しましたように、供用を開始する前に手が打てたという、工事担当者としての気持ちというのがついすっと出てしまったのではないかと考えられますけれども、いずれにしても、そういうご指摘でございます。今後、慎重な対応をしてまいりたいと思っております。
 それから、二点目の委員会への報告でございます。
 今回のことを教訓といたしまして、より行政対応について心がけをしてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問はありませんか。
 〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(馬頭哲弥君) 以上で、浜本収君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(馬頭哲弥君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時四十五分休憩
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