平成4年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(浜本 収議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 43番浜本 収君。
  〔浜本 収君、登壇〕(拍手)
○浜本 収君 四点、質問をいたします。
 その一つは、田辺湾総合リゾート開発の中止についてであります。
 燦黒潮リゾート構想の中核に位置づけられた田辺湾総合リゾート開発は、去る九月二十一日、田辺市長から田辺市議会の同開発調査特別委員会に対し、「総合商社丸紅との共同事業を見直す」と報告したところであります。昭和六十三年八月以来、四カ年にわたって進めてきたこの大規模構想は、率直に言って、ここに終止符を打ったのであります。
 さきの六月県議会において私は、「二千億の事業費を七百億に縮小して今後もその事業を進めるというこの縮小案は、急に取りやめると言えないから一時的に縮小すると言った偽装発表ではないか」と半信半疑の中で取り上げたが、この縮小案も発表後わずか五カ月を待たずに中止となったのであります。二千億、七百億、そして中止となったのであります。
 県は、この計画を燦黒潮リゾート構想の中核事業として位置づけ、その推進を行ってきただけに、この現状についてどのように認識をしているのか。また、本議会を通じて四回質問をさせていただき、繰り返し述べたように、リゾート形成に対する行政や企業の最大の課題は、住民とともに生きる、住民との共生に立った住民合意の形成でなければならないことを、中止せざるを得なかった重要な視点として把握すべきだと思うが、改めて見解を問うものであります。
 また、県は燦黒潮リゾートの基本構想の中で、豊かな黒潮ラインに沿って七つのリゾートを重点的に整備するとして、一、加太・紀泉地区、国際交流リゾート、二、和歌浦湾地区、海洋都市リゾート、三、西有田・白崎地区、味覚体験リゾート、四、田辺・白浜地区、学ぶ・働く・鍛える・憩うの総合リゾート、五、枯木灘地区、農林水産業体験リゾート、六、潮岬地区、太陽とたわむれるリゾート、七、勝浦・太地地区、人間回復のリゾート等々をうたい上げております。それぞれの地区のリゾートの性格なり方向を今ある姿に基づいて名前をつける、そういう性格を示しているものとして私はそれなりに理解はするけれども、ただ、皆さんもお気づきのように、今七つ読み上げた中で、田辺・白浜地区の学ぶ・働く・鍛える・憩うという性格づけは何か学生を対象にしたようで、他の六地区のそれとは異質に思えるが、説明を求めます。
 また、この燦黒潮リゾート構想の内容として、南部・田辺・白浜地区に特定民間施設としてテニスコート、乗馬場、サイクルセンター、ゴルフ場、集会所、宿泊施設など、その運営は公開型、会員制等の六十九の諸施設を計画予定に挙げているが、この六十九施設のうち中止になった田辺湾総合リゾート関連のそれは三十一施設、また特定民間施設以外の特定施設七カ所のうち二カ所は中止となっている。全体として、この地域の再検討を要請し、質問にかえるものであります。答弁を求めます。
 次に、関西電力会長の発言に対する県の見解について質問をいたします。
 関西電力の小林庄一郎会長は、去る七月二十四日の定例記者会見で、和歌山県の日置川町に立地を計画している日置川原発について──よく聞いてください──「ねらいをつけたら必ず立地するのが関西電力の伝統である」と述べ、引き続き立地を推進する方針を明らかにしたのであります。しぶとい発言であります。したがって、しぶとくこれに対決してまいりたいと思います。
 さきの六月県議会において私は、六月二十八日の日置川町長選挙後の関西電力立地部長のコメント、すなわち「当社としては、引き続き原子力発電に対する地元の皆様のご理解が得られるよう、粘り強く努力を重ねたい」としたコメントについて県の見解をただしたが、「県としては、地元の意向を尊重しつつ、三原則を堅持し対応する」という四年前の答弁に終始したところであります。
 そこで私は、「ねらいをつけたら必ず立地するのが我が社の伝統である」とするこの発言について、県の見解をただすものであります。
 一、この発言は、選挙という民主主義の手続による原発の賛否の決定がどうあれ、私的な「我が社の伝統」の方が公的なそれよりも優先するのだという会社のエゴ以外の何物でもない。それは民主主義に敵対する言動ではないか。にもかかわらず県は「電気事業者の立場からの発言である」として、現実に事実として示された民主主義と政治の評価を避けた答弁を繰り返しているが、そんなことでいいのかどうか、再考を促し、答弁を求めるものであります。
 二、県の答弁は「今後とも、地元の意向を尊重しつつ、三原則を堅持し対応する」と、私だけではなく、だれもがもう暗唱できるほど何回もこの言葉を繰り返しているが、この答弁は新たに立地しようとする地点──現実には存在しないけれども──に対する方針であって、日高町や日置川町には通用しないものであります。なぜならば、住民の意向は「原発ノー」を選択しているからであります。これ以上なお「地元の意向を尊重していく」とは、何をせよというのか。理解に苦しむのであります。わかりやすい答弁を求めるものであります。
 次に、医大小児科病棟の改善について質問をいたします。
 この夏、といっても七夕の前日、私は知人の子供さんを見舞うために医大病院の小児科に行ったが、冷房の冷気が流れる廊下を汗をふきながら歩いた私は、暑い病院やな、狭い病室やなということを感じたのであります。しかしながら、千羽鶴に飾られた何本もの竹ざおに結ばれた、子供たちの平癒を祈る父や母の願いのこもった短冊の一つ一つの言葉に、優しさと安らぎすら覚えたのであります。
 多忙なお医者さんや看護婦さんたちの仕事ぶりに接しながら、この病棟のせせこましさが少々気になった私は、後日、この病棟を訪ね、小児科の先生や患児の親たちからいろいろ話を聞かせてもらう機会を得ましたが、以下、幾つかの点について、私なりに感じたこの病棟の改善について要望し、質問をいたします。
 今、私は「私なりに感じた」と申し上げましたが、こういった問題については全くずぶの素人であり、間違った発言をするかもわかりませんことをあらかじめご容赦願いと思います。
 一、この小児科病棟内には入院患者(子供さん)たちのプレールームや食堂がないため、患児には不自由な入院生活が強いられ、また患児が気楽に遊んで過ごす場所がないため廊下で遊び回るので、職員カンファレンスルームをプレールーム用に開放しているが、患児用のプレールームと食堂を病棟内に設置できないものかどうか、お伺いをいたします。
 二、この病院の患者処置室は狭苦しいが、その狭い処置室に沐浴槽を一つ設置しているために、お医者さんと看護婦さんが処置の最中に別の患者の入浴を看護婦さんと患者の付き添いが行うことが起こり、その結果、処置の清潔操作が厳守できないこともある。したがって、この処置室を広くし、処置室とは別のところに沐浴槽を二個ぐらい設置できないものかどうか。
 三、現在、小児病棟は六人部屋四、四人部屋一、二人部屋一、個室二、計三十二床だが、個室以外は部屋が狭く、付き添いベッドをつけると身動きができない。したがって、六人部屋を四人部屋に、四人部屋を二人部屋に、二人部屋を個室にして、不足病床十一を新たに個室につくり変えられないかどうか。お話を聞きながら、あるいは私の意見として、そんなことを思ったのであります。
 ふと気づいてみますと、この病棟の北側に屋上──約七十平米と聞きました──がございます。そこに、今述べている病床や処置室、プレールーム、食堂などの増設ができないものかな、建築法上これは難しいのかなと、素朴に思ったりもいたしましたが、その可能性を問うものであります。
 四、現在の病院には無菌室を初めとする骨髄移植用の設備がないため、患者は東海大学や兵庫医大で骨髄移植を行ってもらっており、今まで当院小児科の八名がそういった病院で骨髄移植を受けているが、医大病院内に骨髄移植用の設備と人員の確保ができないものかどうか。
 以上、お答えを願いたいと思います。
 重複いたしますが、学校週五日制の問題について質問をいたします。
 学校週五日制の実施は、きのうもお話がございましたが、明治五年の学制発布以来の三大改革の一つだけに、先月九月十二日の土曜休日の実施は、テレビ、新聞等を通じ、全国的にも大きく報道されたところであります。県内においても、幼・小・中・高六百十七校、十六万四千八百五十三名の児童生徒も、初の土曜休日を過ごしたところであります。
 県教育委員会は、近代美術館や博物館、紀伊風土記の丘、自然博物館、体力開発センターの無料開放を実施し、また和歌山市では、市立博物館、こども科学館、市民温水プールなど市立の教育施設について、この日から毎月第二土曜日の午前中を無料開放と定めたところであります。こども科学館には正午までに千人以上の子供たちが訪れ、また和歌山城公園には約六百名の子供たちが集まり、身近な材料を使ったさまざまな遊びに挑戦し、園内に歓声があふれたとのことであります。
 また、田辺市みどりの少年団は、みずからを「森の休日探検隊」と名づけ、田辺営林署と田辺木材協同組合の協力のもとに、遠くはすさみ町佐本の宮城川の国有林を訪ね、木に関するクイズや鳥の巣箱づくり、樹齢三百年のトチの木の大きさに歓声を上げ、十人の子供たちが手をつないでやっとその幹の周りに届いたという、そんな休日を過ごしたとのことであります。
 また一方、私の専門ではございませんが、全国のカラオケボックス約二千店が加盟する日本カラオケスタジオ協会は、この日、入場無料サービスを初め、カラオケ家族カーニバルのキャンペーンを実施するなど、親と子供が参加する多彩なイベントが実施されたところであります。
 そこで、私は学校週五日制の現状と今後のあり方について、以下数点、質問をいたします。
 一つ目。文部省は、「9・12サタデープラン」の呼称のもと、官公庁、教育機関、民間団体などに対し、土曜休日の受け皿づくりの協力を求め、これを受けた都道府県市町村教育委員会もそれぞれのイベントを行ったが、教育委員会は今後とも土曜休日ごとにこのような多彩な催しを奨励していくつもりなのかどうか、まずお答え願いのであります。
 私の答えを申し上げます。奨励すべきでないという立場であります。このようなイベントが第二土曜日に行われ、子供たちに参加を求めていく傾向が助長されていくとするならば、それは学校五日制の本来の趣旨と矛盾しないのかどうか、検討を促し、答弁を求めるものであります。
 二つ目。第二土曜日が休日、だから、なくなった授業の埋め合わせが月曜から金曜までのどこかで行われ、特に中学校では、高校受験を控えているだけに、平常日の授業時間の上乗せが行われ、子供たちの中には疲れを訴えるケースもあるという。あるというというよりも、現に私が聞いたのであります。
 土曜休日は、ゆとりのある教育を志向するためにと言いながら、他の日に子供たちに重苦しくのしかかっていく。やがて月二回の土曜休日となり、月四回の土曜休日となれば、現在の学習指導要領の改訂は必至であります。およそ一つの制度を実施する場合、執行者は──この場合、文部大臣を指すのでありましょう──あらかじめ生じるであろう問題をまず解決する立場で処理するのが通常の姿でなければならない。教える量や質をそのまま放置し、今の学習指導要領のまま土曜休日を行っている状況は、無責任な行政態度であります。
 したがって、学習指導要領の抜本的改訂はすべてに先立って行われなければならない課題であります。この自明のことについて、教育長の答弁を求めるものであります。
 三つ目。全国の私立学校のほとんどは、第二土曜日を平常どおり行った。近畿六府県の私立高二百七十校のうち五日制に踏み切ったのは、わずか十二校にすぎなかった。また、県内では智弁和歌山中・高を除いて平常どおりの授業が行われたが、今後の対策について答えられたいのであります。世耕先生の私立の学校も授業をしたと聞いてございます。
 四つ目。各市町村教育委員会は、小・中学校に第二土曜日の午前中のクラブ活動の自粛を要請、とりあえずこの日の午前中のクラブ活動は見送られたが、高校のほとんどの運動部は土曜日の午前中から練習に励んだ。今後、授業がなくなるこの午前中は絶好の練習時間になりそうだという声が現にも聞こえてございますが、こういったことについて今後の方策を伺うものであります。
 五つ目。学校五日制の一環としての土曜休日は、本来的には今の日曜日の状態と何ら変わらない扱い方に位置すべきものと私は考える。そうでなかったら学校五日制の意味はないと、私は思います。今の日曜日の過ごし方がどうだこうだというようなことはだれも言わない。そういう状態に位置づけることが学校五日制の意味であります。
 したがって、過渡的な段階の中で先ほど述べたような多彩なイベントが行われたにしろ、文部省や教育委員会が奨励すべきものであってはならないと私は思う。前段二項でも述べましたが、授業時間数や学習指導要領の改訂等、五日制に則した制度と内容の全面的な変更を国に求め、その確立を定めない限り、真のゆとりや豊かさは保障されないし、今のような状態で行ったら永遠に混乱が起こるであろうということを予言すらもして、私の質問を終わりたいと思います。見解を求めたいと思います。
 以上で終わります。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの浜本収君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜本議員にお答え申し上げます。
 田辺湾の総合リゾート開発計画につきましては、企業に対し、早期事業化のために一層の努力を求めてきたところでございますけれども現状に立ち至ったこと、まことに遺憾に思っておるところでございます。
 しかしながら、当計画については、田辺市が市の主体的な地域開発事業として位置づけ、長期整備計画に基づいて開発を進めることになったという報告を受けておりまして、県としても、実現に向けて努力してまいりたい、支援してまいりたいと考えておるところでございます。
 なお、お話ございました住民合意の問題でございますけれども、こうした事業の円滑な実施を行うためには、地元の人々の理解と協力ということが最初の前提ではないかと思っておるところでございます。
 それから、小林会長の発言でございますけれども、これは私は、電力安定供給を使命とする電気事業者の立場からの発言であろうと考えますけれども、おのずから節度ある言動が求められるものだと考えておるところでございます。
 詳細につきましては、企画部長から答弁いたします。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 燦黒潮リゾート関連及び関西電力会長発言についてのご質問にお答えをいたします。
 まず、燦黒潮リゾート構想における田辺・白浜重点整備地区の整備の性格づけについてでございますが、本地区は本県海岸線のほぼ中央にあり、白浜温泉等、既存の観光リゾート地としての集積が高く、加えて南紀白浜空港を初め道路、鉄道といった交通の面での整備状況等から、燦黒潮リゾート構想においては本地域をリゾート整備の中核地域として位置づけ、北部に都市型リゾート、南部に自然型リゾートをそれぞれ配し、一体的な海洋性リゾートの形成を目指したものでございます。
 本地区の整備方針については、本地域が有するすぐれた資源を積極的に活用し、千里海岸のアカウミガメ、神島原生林等の自然資源、南方熊楠に代表される文化的資源、弁慶市等経済活動を通じた交流の場、温暖な環境のもとでのリゾートオフィスの立地、ヨット、スキューバダイビング等の海洋スポーツ及び温泉資源等、これからのリゾートライフに求められると考えられる多様な機能を総合的に備えたリゾート地としての性格を特色づけるために、学ぶ、働く、鍛える、憩うとのコンセプトに基づき整備していくこととしたものでございます。
 次に関西電力・小林会長発言についての対応でございますが、私の立場で、去る八月五日、担当支配人に対し遺憾の旨を申し伝えたところでございます。
 次に原子力発電所立地問題でございますが、従来から、地元の意向を尊重しつつ、三原則を堅持し、対応してまいったところでございます。日置川町においては、三原則の一つである地元の同意が満たされた状況にはないと認識してございます。したがって、三原則を堅持する立場からいたしまして、地元の同意なしに進むものではないと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 総務部長山中昭栄君。
  〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 医大附属病院の小児科病棟の改善についてでございますが、ご指摘のとおり、現病院は非常に老朽化、狭隘化しておりますために、患者の皆さんに大変ご迷惑をおかけしてきております。
 これに対応するため、病院の本館については昭和六十一年度から五カ年計画で、順次、改修をしてきております。病院の別館も非常に狭隘化をしている中で、ご指摘の小児患者のプレールームとしてカンファレンスルームを開放していることや、処置室の中に沐浴槽があり、大変手狭になっていることなどの解消のために、他の場所でのプレールーム、食堂、沐浴槽の設置について検討をいたしましたが、余剰スペースがなく、現施設の中では極めて困難でございます。
 また、大部屋病床の解消についても、現施設の中で実施をするとなると病床数を減らす以外にその方法がございません。常時三十二床が満床で、しかも大勢の入院待機者がおられる中で病床数を減らすことは困難な状態でございます。
 なお、小児科病棟の北側の屋上に増設をできないかということでございますが、北側の持ち出し部分はリハビリテーション室の屋上になっており、地下へのスロープの壁を利用した建築となっているために、構造的にはこれ以上の荷重に耐えるようにはできておりません。また屋上には採光取り入れ口を設けており、これをふさぐということになると建築基準法違反となるといった問題もございまして、遺憾ながら増設は困難でございます。
 今後、移転整備計画の中で十分検討をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 また、骨髄移植については、本格的には移転整備計画の中で検討をしてまいる所存でございますが、附属病院としては、当面、輸血部を中心に、現在設置している高度集中治療センターの無菌室を利用していきたいということでございます。私どもとしても、病院側とよく協議をしてまいりたいと考えております。
○議長(馬頭哲弥君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 学校週五日制の五点についてお答えをいたします。
 学校週五日制は、激しい社会の変化に対応し、これからの時代に生きる子供たちの望ましい人間形成を図るため、学校、家庭及び地域社会での学習や生活を通して、みずから考え、主体的に判断し行動できる資質や能力を身につけさせることをねらいとしてございます。
 「9・12サタデープラン」については、学校週五日制の円滑な実施に当たって、文部省が幅広く国民にその内容と趣旨を周知徹底するために行ったキャンペーンでございます。本県においても、学校週五日制のスタートに当たり、子供たちの活動の場として学校、社会教育施設の開放により、さまざまな催しやイベントを実施したところでございます。このことは、学校週五日制が家庭や地域社会に定着するまでの過渡的な取り組みであると考えてございます。
 今後、県教育委員会としては、市町村教育委員会や関係機関、団体等との連携を図りながら、子供たちが自由に選択して行動できる多様な活動の場や機会の提供に努めてまいる所存でございます。
 次に授業時数の確保に係る問題でございますが、このことについては、休業日となる土曜日を見通して授業日数及び時数の確保に配慮して年間教育計画を作成するよう指導してきたところであります。小・中学校については、学校裁量の時間の活用や学校行事等の精選、短縮授業の見直しを行うことによって、特にいわゆる授業時間の上乗せをすることなく、当面対応できるものと考えております。
 新しい学習指導要領は、臨時教育審議会や教育課程審議会の答申を受け、二十一世紀を目指し、社会の変化に主体的に対応できる心豊かな人間の育成を基本的なねらいとするとともに、学習内容の精選や指導方法の工夫を図りながら、学校週五日制の段階的な導入をも視野に入れて改訂されたものであります。
 私学の学校週五日制の導入については、公私立高等学校教員会等において、学校週五日制の趣旨についてより一層理解と協力を求めていかなければならないと考えております。
 休業土曜日における運動部活動については、学校週五日制の趣旨を踏まえ、生徒の家庭や地域での自発的な活動を制約することのないよう、また、学校開放に関する地域の要望にもこたえていくよう十分配慮しなければならないと考えております。ただ、生徒が自主的、自発的な活動の場を学校の運動部活動に求め、教員も進んで協力する場合は、生涯スポーツの観点や種々の条件をも踏まえ、当分、配慮する必要があろうかと考えてございます。
 最後に、今後、学校週五日制を拡充していくことについては、調査研究協力校の研究結果を踏まえ、総合的に研究し、慎重に対処するとともに、学習指導要領との関連の問題も含め、都道府県教育長協議会等を通じ国に働きかけてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 43番浜本 収君。
○浜本 収君 ねらいをつけたら必ず実施する、選挙がどうなろうが何がどうなろうが、ねらいをつけたらわしはやるんや──これには二つの評価があります。偉い人だな、信念の人であるという評価が一つあります。もう一つは、悪代官のようだなと。私は、後者が正確な見方だと思います。ただいま答弁をいただきましたが、そういったことに対する政治評価、政治家・仮谷志良としてそういう発言についてどう思うか、こういう観点が不足しているようで、私は物足りなさを感じます。
 ただ、この発言について八月五日、ちょっとおそいけど、企画部長が遺憾の意を表明したという答弁がございました。
 しかし、ただいまのこれら議場における発言、特に小林発言に対する質疑応答の概要を、この九月県議会終了後、文書あるいはまた口頭で必ず企画部長から関西電力に申し伝えるよう、私は要請をいたします。そんなことを議会だけで話したというのではなしに、それを必ず実行していただくように申し上げておきます。してなかったら、十二月の議会でまた「したか」ということを聞かしていただきます。答弁は不要であります。要請をしておきます。
 質問を終わります。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で浜本収君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(馬頭哲弥君) この際、暫時休憩いたします。
  午前十一時四十三分休憩
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