平成4年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(木下秀男議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○副議長(大江康弘君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 6番木下秀男君。
  〔木下秀男君、登壇〕(拍手)
○木下秀男君 今議会の知事説明で、国の総合経済対策を受けて、県単独事業については交付税措置のある起債の積極的活用や平成五年度予定事業の繰り上げ実施を行うべく、過去、最大規模の八十億一千余万円の増額補正を行い、さらに公共事業推進を図るために用地取得事業特別会計として六十二億八千二百余万円の大幅増額をし、国との調整がつき次第さらに追加計上するとのご説明をいただきました。仮谷知事の自信のほどと県勢浮上にかける積極的な取り組みに満腔の敬意を表するものであります。知事の意を体し、各部局長を中心に県職員一体となって諸施策の推進と県勢発展にとご努力いただいたことに、これまた敬意を表し、感謝申し上げます。
 以下、数点について各部局長にお伺いいたします。
 まず、補正予算編成に当たっての基本を総務部長にお伺いいたします。
 政府は、現在の日本経済不況を打破するため、ことし八月二十八日、経済対策閣僚会議を開き、総合経済対策を実施するために十兆七千億円の財政措置を決定いたしました。これを受けて自治大臣から全自治体に書簡が届けられたそうでありますが、内容を要約いたしますと経済対策に積極的に取り組めという通達と伺っております。総合経済対策の中の柱の一つである地方単独事業のうち臨時地方道整備事業、臨時河川等整備事業、臨時高等学校整備事業については、全額地方債で賄えることになったとも伺ってございます。さらに、辺地及び過疎債についても三百億円が追加されたと伺っております。これら国の積極的な経済浮揚策を受けて、県として補正予算編成に当たってどのような事業を重点施策として取り組まれたかをお伺いいたします。
 次に、日高高等学校中津分校グラウンド整備についてであります。
 県下高等学校四分校の校舎を初めとして体育館、格技場、寄宿舎等々の施設整備がほとんど完成した中で、日高高等学校中津分校のグラウンド整備が残っており、昭和六十二年九月議会に学校関係者や近隣の町村長、父兄会、同窓会の皆さんから請願書が提出されたことはご承知のとおりであります。五十メートル四方足らずのグラウンドで男女一緒の運動は不可能で、運動種目も限定されたものとなり、近隣の町村のご好意で体育の授業やクラブ活動を続けております。昭和五十九年度、分校教育の活性化と母校愛の涵養を目的に中津分校に硬式野球部が発足いたしましたが、グラウンドの状況は今申し上げたとおりまことに狭隘なため、練習は全くできず、陸上競技は川辺町の競技場を、硬式野球部は中津村若者広場を借用して練習活動を続けているのが現状でございます。特に、校舎のある中津村の赤松壽男村長の全面的な支援と協力で、昭和五十九年十二月以来、今日まで無償で若者広場の提供を受け、子供たちは存分に練習をすることができ、今夏の県内大会で準優勝したことは記憶に新しいところであります。しかし、いつまでも村の好意に甘えているわけにはまいりません。九月十日、県議会の総務常任委員会一行の皆さんが県内調査で中津村を視察いただきましたが、そのときに赤松村長から、分校に対していかに支援、協力してきたかの説明とグラウンドの早期完成を陳情されたのであります。
 現在、用地は中津村の協力のもとに平成三年十二月に粗造成が完了し、今年五月、県に寄附を申し出て、既に登記完了済みと伺ってございます。国の緊急総合経済対策の中に、臨時高等学校整備事業として二百億円が予定され、地方単独事業は全額起債で賄えるようにする、追加に当たっては地域の実情に応じ積極的な予算計上と効果的実施に努めることとなっております。用地を造成の上、寄附を受けて県有地となり、こんな好条件のそろったチャンスはないと思います。四期十六年間村政を担当した赤松村長はこの九月に勇退されましたが、今日まで数多くのご協力をいただき、このグラウンド建設整備にかけた情熱にただただ感謝するのみであります。
 教育委員会としては、今日までの赤松村長と村のご協力に対していっときも早く着工し、完成に向けて努力するべきであると思考いたしますが、教育長の積極的なご答弁を求めます。
 次に、県道御坊美山線皆瀬地内崩土の早期復旧についてであります。
 日高郡の中心部を結ぶ主要県道御坊美山線の美山村地内で、今年五月十四日の集中豪雨により災害が発生いたしました。崩壊土砂約五千立方で約八十メートルにわたって埋没し、第二次災害の危険から手がつけられず、地盤が締まってからということでようやく九月から復旧事業に着手したところであります。この間、六月議会の建設委員会において早期復旧をお願いし、九月九日には議会の建設常任委員会の皆さんと土木部長以下、幹部の皆さん方に現場を視察していただきましたが、御坊土木事務所の見通しでは、事業費が約一億四千万円、開通は平成五年の夏ごろという見込みでございます。
 住民の足として一日に二十往復のバス運行をしている御坊南海バスはこの災害により減収が大変大きく、また地域住民や特に通学生や老人が困り果て、悲鳴を上げている現状であります。美山村、龍神村が企業誘致した大喜工業、紀南パンジー、地元木材業者等が、原材料と製品の搬出入に二時間半余りの遠回りをして南部町経由で京阪神を往来しているのが現状でございます。この工事の短期開通に向けての見通しを土木部長にお伺いいたします。
 続いて、これらに関する迂回トンネルの建設でございます。
 ただいま申し上げた皆瀬地内の崩土の現場は、今ご説明のとおり、急峻で風化地盤の上に軟弱で、四六時中落石があり、危険と隣り合わせの状態であります。この現場を見て、一九八四年七月、越前加賀海岸でがけ崩れにより十五名の死亡事故があったことを思い出すのであります。その加賀海岸の事故の状況は、高さ七十メートル、幅二十メートル、崩土約千五百トンと報道されてございます。福井県は、事故再発を防ぐために一年八カ月の短期間で迂回トンネルを完成しました。私はこれにヒントを得て、村境である中津村岩ノ川から美山村皆瀬間に迂回トンネル建設を提言するものであります。たび重なる災害復旧工事費を計算すると、将来の安全と費用の軽減につながると思うのであります。これも、土木部長の積極的なご答弁をお願い申し上げます。
 次に、学校週五日制についてお伺いいたします。
 ただいまも下川議員から詳細にわたっての質問がございましたが、私も二、三の例を挙げて質問いたします。
 詰め込み教育の反省から、社会、生活体験などを通じて自主判断し、行動できる児童生徒を育てることを目的に、国公立の幼稚園から高等学校まで、第二土曜日を休業とする学校週五日制制度が九月十二日から実施されました。このことは、明治五年の学制発布、昭和二十一年の教育制度の改革、そして平成四年の学校週五日制と、我が国の三大改革とも言われてございます。五日制制度実施に当たって、この議場で多くの議員が教育庁と論議を交わし、二月議会において意見書を提出したところであります。
 第一回実施した九月十二日前後の全国各地の実情も報道されましたが、賛否両論ございました。私の身近にあった実例を申し上げます。
 郡内のある中学校で、進学指導担当の先生が九月十二日の休日をいかに過ごそうかと三年生全員に無記名アンケートをとりましたら、九八%が進学に必要な補習授業希望であったので実施したところ、九八%の生徒が登校して勉強したという結果が出てございます。残りの二%の生徒はいかにしたかというと、勉強嫌いと「起こし組」だということでございました。この「起こし」というのは、両親が朝早く仕事に出るので寝過ごして遅刻したり、遅くなったので登校しない子供たちを先生が起こしに朝早く家庭訪問することを言うのだそうです。土曜休日となると「起こし」をする必要がなくなるが、学力差のつくことが大変だと聞かされました。この子供たちに対しどう対処すべきであるか、この制度実施に当たって生徒の側に立つべきか、制度を守るべかと、この先生は悩んでおりました。
 もう一件申し上げますと、十二日の朝、私は日高川の川口に釣りに行っておりますと、私のそばに小学校二年生ぐらいの男の子を連れた人が来て同じように釣ったのでございますが、三人で釣り話をしながら尋ねますと、その子供は奈良から来たと申しておりました。その少年に、「休みが二日続くので、お父さんと釣りに来られてよかったね」と言うと、その少年は首を横に振って、「僕は、学校へ行って勉強して、友達と野球をしたいのに、学校は休みだから学校には行けない。喜んでいるのは、僕をだしにして釣りに来れたお父さんだ」と、このように話した少年を思い出しますが、この少年にはゆとりも何もないと感じたのであります。
 例を挙げ、私見の一端を申し上げました。この制度実施一日だけで判断できるものではございませんが、学校教育週五日制実施に伴う評価と今後の課題について教育長の所見をお伺いいたします。
 次に、医療廃棄物の処理についてであります。
 私は、男の厄年と言われる四十一歳のときに大病を患って、六十日の入院治療で一命を取りとめたのであります。そのときに二千三百ccの輸血を受け、余病の併発もなく全治回復したのでありますが、その折、係の医師から、人体には約六千二百から六千五百ccの血液があるけれども、君のように三分の一以上の出血で助かるのは少ないと言われ、「医は仁術なり」なりということを身をもって体験したのであります。以来、医療には特別に関心を持つようになりました。今、世界の医学会で最大の問題はエイズだと言われております。午前中の阪部議員もエイズについて質問されました。また、以前には尾崎吉弘議員からも質問がありましたから、私は二次感染予防の意味を込めて質問いたします。
 医学の発達と医療器具の多種化によって廃棄物の量が多くなり、また感染予防の必要もあって処理法の全面改正がなされ、九一年十月二日、国会において新廃棄物処理法が成立いたしております。これは、一九七○年公布以来二十年ぶりに議論され、医療廃棄物等についても強く踏み込んだものと伺っております。九二年七月から施行されていますが、県の対応と県下の状況等について、以下質問いたします。
 まず自治体の対処の仕方でありますが、和歌山保健所管内はすべての医療廃棄物は収集しない、御坊保健所管内は病院、医院から排出される感染性医療廃棄物は行政サイドでは収集しないとされていると聞いております。
 私の調べでは、県下保健所管内で完全に実施されている市町村は十二市町村で、ゼロの市町村が三市町ございました。県下千カ所ほどある医療機関で、この処理法により処理されている医療機関は五○%強で、約半分が一般廃棄物として処理されているように見られるのであります。この点について、県当局の対応と指導方針をお伺いいたします。
 次に、感染性医療廃棄物の処理についてであります。
 これは、この新廃棄物処理法で最も大切な問題であると考えます。医療廃棄物適正処理手引によりますと、中間処理は能力を備えた地方自治体あるいは業者となっており、収集運搬に当たっては分別された感染性廃棄物を他の廃棄物と混載しないこと、及び車両に限定を設けていますが、これらの点に沿うためには自治体に新たな負担が生じると思うのであります。このために、実施されていない市町村が多くあるのかもしれません。県当局の対応をお伺いいたします。また、歯科医師からの医療廃棄物についてもお伺いいたします。
 さて、法を遵守する立場から質問いたしましたが、医療法改正に伴い、各病院の経営が非常に厳しくなっているとも伺ってございます。地域医療の充実という使命を考え合わせると、厚生省等に実情を上申するとか、あるいは地方自治体として廃棄物の処理に必要な経費を診療報酬の中に位置づけをさせるとか、何らかの財政援助を考えるべきではないかとも思います。私見を申し上げましたが、この点、保健環境部長のご答弁を求めます。
 次に、開発と守秘義務についてであります。
 土地開発ブームに沸く時代の出来事でありますが、乱開発により被害を受けている方から苦情を持ち込まれ、許可を与えた県に申し入れてほしいとの依頼があり、関係する課に当時の状況を知るために資料を要求いたしましたが、「個人の権利を守るため」との理由で拒否されました。再度、議会の調査課を通じ申し入れましたが、同じ理由で拒否されました。今、県下各地で自然を守ろうとの運動が広がりつつあります。私は、乱開発の防止と被害者と自然を守るために、あえてこの項目を質問に取り入れました。
 県立自然公園特別区域第三種地区内における工作物の管理小屋と進入路の許可についてであります。このことは、由良町にあって九月町議会においても一般質問で取り上げられました。
 具体的に申し上げますと、一番目、昭和五十三年三月、管理小屋建築申請については、地元の区長、漁業組合長の同意書を添付して申請を出したが、隣接地の同意がなく、開発面積約百平米に対して同意書三十平米と大きな開きがあるのはなぜか、隣接地の同意が要らないのかどうか、この点をまずお伺いします。
 昭和六十二年二月十九日、進入路設置、二百三十四平米の申請に同意書が要らないのか、要るのか。その当時の申請には、区長さんは同意はしていないと言ってございます。この進入路工事については、隣接のお寺の所有地でございますが──寺地と隣接するので苦情を申し入れたところ、立ち会った職員のとりなしで、今後このような乱開発をしないという約束を取りつけ、やむなく同意したそうでございます。その工事完了後、管理小屋を建て、その管理小屋から出る生活雑排水は隣接の寺地に垂れ流しのため、苦情を申し入れたが聞き入れられず、昭和六十三年二月五日申請の二つ目の管理小屋、木造二階建て百九十五平米と聞いているものの、これにも同意書がつけていないが、必要がないのかどうか。そして、管理小屋から約百五十メートル、幅員約二メートルが上に向かって施設されております。これには一切許可申請がないと聞くのでありますが、許可の必要があるのか、ないのか、この点をお伺いするものであります。
 また、乱開発道路を五十メートルほど上ったところのなだらかな斜面、約三百平方メートルを伐採し、キジを飼ってございます。乱開発道路奥の二百メートルほどの場所をさらにキジの放し飼い場にする計画で、約千平米の立ち木を伐採し、放置しているようでございます。これらの件について正規な諸手続に不備はありませんか、あるとすれば和歌山県自然公園条例第十三条及び第十五条に違反すると思いますが、県当局の見解はいかがでございましょうか。
 平成元年九月十日の日高地方北部の集中豪雨で、これらの乱開発で道路が川の役をして管理小屋の排水管を通じ鉄砲水となり、県道を越して下のお寺の庫裏に流れ込み、大騒動したそうでございます。事後、県観光課及び県事務所の係と町役場職員が災害状況を確認し、開発に関してはその都度、町と日高県事務所に善処方を申し入れたところ、県は施行者である地主に注意したとのことですが、一向に聞き入れられず現状のままで、依然として寺地に生活雑排水を垂れ流しでございます。
 私は、現地を二度にわたって見てまいりました。畑を持っている被害者の皆さんにも今日までの状況を伺いました。私がこの件で調査を始めた直後、県の職員が急遽現地に来られたとも聞きます。県は土地所有者の権利を守るためと申しますが、拒否する理由は何であるか、同じ公園地内にあって乱開発によって被害を受けている人の権利をどのように考えておるのかをお伺いするものでございます。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○副議長(大江康弘君) ただいまの木下秀男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 総務部長山中昭栄君。
  〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 緊急総合経済対策に関連をして、補正予算編成に当たっての基本的な考え方でございます。
 今回の九月補正においては、依然として先行き不透明感をぬぐえない県内の経済情勢を踏まえながら、景気の低迷からの脱却が喫緊の課題であるという認識のもとに、景気への対応を中心に据えて思い切った予算措置を講じたところでございます。
 具体的には、先般、八月二十八日の国の総合経済対策を受けて、県単独の施策として道路、河川等の県単独事業の大幅な追加等によって当面の景気の浮揚を図るとともに、今後の公共事業等の着実な実施のために用地の先行取得を積極的に推進することにいたしております。さらに、年度間の切れ目のない事業執行を図るため新たに導入する、いわゆるゼロ県債を含む債務負担行為を大幅に追加するほか、金融面でも中小企業に対する貸付枠の拡大や貸付金利の引き下げなど、各般にわたり総合的な対策を講じております。
 これに加えて、国の総合経済対策による公共事業についても、事業箇所、事業費の獲得に鋭意努力をしてきたところでございまして、今回の補正による総合経済対策予算はこれまでで最大の規模となることから、相当の効果が期待できるものと考えております。
○副議長(大江康弘君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 県道御坊美山線の災害に関してお答えを申し上げます。
 この御坊美山線の災害箇所については、通行どめが非常に長期にわたっているため、利用者の皆様方に大変ご迷惑をおかけいたしております。一刻も早く安全通行が図られるよう、災害復旧事業として鋭意取り組んでいるところでございます。
 災害の状況は、平成四年五月十四日の豪雨によって崩土が発生し、通行不能となったものであります。被災以後のたびたびの降雨により二次災害の危険性もあり、測量調査も困難な状況でございましたが、去る九月三十日に災害現地査定を受け、採択されましたので、近々本格的な復旧工事に着手することといたしております。
 なお、通行どめ解除の時期については、本年中には片側通行が可能となり、平成五年梅雨期までには全面通行となるよう最善の努力をしてまいります。
 今後、当区間全体の防災についての調査を行い、代替路の確保や、ご提言のトンネル案も含め、その対策を検討してまいりたいと存じます。
○副議長(大江康弘君) 保健環境部長遠藤 明君。
  〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) 医療廃棄物についてでございます。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正に伴い、廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアルが国においてまとめられ、感染性廃棄物の定義や処理方法等が具体的に示されたところでございます。
 議員ご指摘のとおり、従来、医療廃棄物の処理を市町村に依存しているケースが多く見られたところでございますが、法改正に伴い、感染性の判断や取り扱いに専門的知識を必要とし、また収集、運搬及び処理に伴う設備の充実が求められることから、対応が困難な市町村もあると考えられます。専門の処理業者に委託するなど、医療廃棄物の適正な処理が図られるよう、医師会、歯科医師会の協力を得て排出関係者を指導してまいる所存でございます。
 なお、財政援助等については全国的な問題でありますが、地域医療の充実という観点から、今後、関係機関、団体等の意向を踏まえて対処してまいりたいと考えております。
○副議長(大江康弘君) 商工労働部長中西伸雄君。
  〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 開発のための許認可の同意等についてでございます。
 議員ご質問の、由良町内における工作物の許可についてでございます。
 昭和五十三年の管理小屋、昭和六十二年の進入路及び昭和六十三年の管理小屋については、県立自然公園条例第十三条第三項の規定に基づき、許可を行ってございます。昭和五十三年の許可以外については、地元の同意書が添付されておりません。しかし、その当時、地元の方々と種々協議をされたと聞いてございます。
 なお、一般的には自然公園法並びに県立自然公園条例では同意書の添付は義務づけてはおりませんが、行為の内容によっては地域へ与える影響を考慮し、申請者に対し地元の理解を十分得るよう指導を行っているところでございます。
 次に、管理小屋からの道路の造成並びに伐採についてでございます。
 このことについては、遺憾ながら県立自然公園条例の規定に基づく許可を得ずになされている行為でございまして、現在、行為者からの事情聴取等、事実関係を調査中で、その結果を踏まえて厳しく対処してまいりたいと考えております。
 なお、県としても、巡視の励行、地域への普及啓発等により違反行為の防止に努めているところでございますが、今後とも和歌山県の豊かな自然環境の保護と利用を図るため、関係機関、市町村の協力のもとに一層努力していく所存でございます。
 次に、守秘義務についてでございます。
 議員ご指摘の許可申請に係る文書の資料の開示については、一般的には申請者のプライバシー等にかかわる問題があると考えられます。したがって、県立自然公園条例の許認可の文書についても、開示することが適当でないと判断したものでございますので、ご理解を賜りたいと思います。
 また、ご指摘の開発によって生じてきている排水等の問題については、関係機関等と協議し、これが対応について申請者を強く指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(大江康弘君) 教育長西川時千代君。
  〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 日高高校中津分校グウランド整備と学校週五日制についてお答えいたします。
 日高高校中津分校の件についてでございますが、校舎整備については、年次計画に基づき、昭和五十八年の整備をもっておおむね完了しているところでございます。
 議員ご質問の運動場については、現状での用地拡張は地形的に困難であり、従前から地元のご厚意により、若者広場等をクラブ活動などに利用させていただいておりましたが、このたび中津村を初めとする地元の関係者並びに村民の方々の並々ならぬ熱意とご協力によって運動場用地を確保できることとなったため、平成五年度着工の予定で平成四年度当初予算に調査設計費を計上し、現在、鋭意事務を進めているところでございます。教育委員会といたしましては、運動場としてできる限り早期に使用できるよう努力してまいりたいと存じます。
 次に、学校週五日制の評価と今後の課題についてでございます。
 学校週五日制は、学校、家庭及び地域社会の教育全体のあり方を見直し、子供たちがみずから考え、主体的に判断し行動できる資質や能力を身につけることをねらいとするものであります。
 初めて経験する休業土曜日であった九月十二日は、ほとんどの学校、園で運動場や体育館などの施設を開放しました。また、公共施設の開放についても、県立の自然博物館や紀伊風土記の丘等を無料開放するとともに、市町村においても社会教育施設等を広く開放いたしました。そのような状況のもとで、子供たちはスポーツや文化活動等を行ったり、さまざまな催しに参加するなどして有意義な休日を過ごしたと受けとめております。
 しかしながら、議員ご指摘の事例にも見られますように、学校週五日制の趣旨がまだ十分徹底し切れていない一面があるほか、留守家庭の問題や、地域において子供たちが自主的に活動したり異年齢の友達と活動できる基盤にまだ弱さがあることも事実でございます。学力にかかわる問題については、授業時数の確保に努めるとともに、月曜日から金曜日までの授業を充実させることによって対処するよう指導してきております。親子の触れ合う機会を多く持つことは、子供たちの豊かな人間形成を図る上で大切なことであると考えます。
 教育委員会としましては、これまで二十万部余りのパンフレットを作成してすべての保護者に配布するとともに、テレビやラジオを通じて啓発活動を行ってきたところでございますが、今後なお学校週五日制の円滑な実施に向けて広く県民の理解と協力を求めるとともに、学校教育の充実、家庭や地域社会における教育力の向上、学校外活動の充実等の課題の解決を図るため努力してまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(大江康弘君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 6番木下秀男君。
○木下秀男君 ただいま答弁をいただいた中で、公園法の条例に同意書の必要はないという答弁がございましたが、このままでまいりますと小規模の開発は何ぼでもできるようになってきます。各地で乱開発が続発しており、県の自然公園条例はまさにざる法であると思います。
 今、土地を商いする皆さん方は、海の見えるところ、海に近いところ、海で遊べるところという、海に関係するところをもくろんで商売をしに来る。その一例が今申し上げた場所でございますが、このように、県の観光課で隣接の人の意も得ないままに小規模開発を許可することによって、小規模が二つ、三つ、四つと重なれば大規模につながってくると思います。
 そういう意味で、この和歌山県の自然公園条例の見直しが必要と思いますので、今、質問いたしたことを十分踏まえた中で検討賜りますように要望いたしまして、私の質問を終わります。
○副議長(大江康弘君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で木下秀男君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(大江康弘君) 本日は、これをもって散会いたします。
  午後二時四十一分散会

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