平成4年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(阪部菊雄議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(馬頭哲弥君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 20番阪部菊雄君。
  〔阪部菊雄君、登壇〕(拍手)
○阪部菊雄君 九月定例議会に一般質問をさせていただくこと、今回で六回目でございます。お許しを得まして、質問をさせていただきます。
 今、まさに世界の激動と変革は何人も予測できない状況にあり、二十一世紀に向かう地球に生存する人類は、最大の苦悩と苦難の連続でもあり、一つ間違えば世界じゅうがいまだかつてなかった騒乱になる可能性の極めて高い、不安定な様相を呈していると考えられます。
 かつて私は、平成元年と三年の九月定例議会の一般質問で、マルクス・レーニンの共産主義は、武力でもっての残忍な弾圧なくして国家の機能を維持することができないと申し上げました。すなわち、一党独裁、ソ連型社会主義の崩壊はソ連東欧諸国に及び、いずれ北朝鮮やキューバ、中国に波及することは歴史的必然ではなかろうかと予測するものであります。
 思えば、我が国もバブル経済が崩壊し、そのツケが一般の国民や地方自治体や良心的に経営している企業にまで及びつつあります。我が国一番のしにせであった繊維商社のイトマンも百年の歴史を閉じました。また、四十有余年の庶民金融機関であった東洋信金も、悪女尾上縫とそれに寄生した者たちによってとうとう消滅してしまいました。さらにまた今日、マスコミや全国民を騒がしている佐川疑惑にかかわる金丸国会議員への献金五億円と上申書による略式起訴、二十万円の罰金刑で済んだということに割り切れない怒りの思いを抱いているのは、あに私一人のみにあらず、心ある国民の偽らざる心情であります。
 揺れ動くこのような世相の中で、共産党支持の真田候補に圧倒的勝利であった仮谷県政の第五期目の一年が瞬く間に過ぎ去りました。あたかも本日は、知事選挙告示のその日でもあります。
 県政を左右する大事業のマリーナシティ建設、世界リゾート博──リゾート博の第一期キャラバン隊は既に出発いたしております──コスモパーク加太、南麓サイエンスパーク計画、福祉・保健の大規模拠点である健康ふれ愛パークの開発計画等々、県勢浮揚のビッグプロジェクトが平成六年の関西国際空港の開港を目指して着々と進捗しつつあることは、県議会に籍を置く一人としてまことに喜びにたえないところであります。
 さて今回、仮谷知事から直接お答えいただく重要な問題が三点ございます。いずれも、伊都地方住民の地域開発と活性化と将来の発展のための重かつ大なるお願いでございます。
 一番目は、知事は第四期目の知事選挙の得票率は県全体で八三・九三%、三十九万三千七百八票、昨年の十月二十七日投票の第五期目の得票率は八三・七一%、三十七万六百三票という圧倒的な勝利になりました。大変うらやましいことでございます。私があえてこれに触れさせていただいたのは、本日、正面の傍聴席に──知事さん、よく見てください。たくさんお越しいただいておりますので──知事選挙に全力を挙げて支援する花園村の部矢村長さん、上西議長さん、各議員、村の重要な役職を務めておられる大多数の仮谷知事後援会のメンバーが、知事の積極的な明快なご答弁をいただきたいと、かたずをのんで見守っているからであります。どうか、村民の熱い願いを成就させていただきたいと思います。
 ちなみに、六十二年執行の知事選挙における花園村の知事得票率は九八・○五%、平成三年は九七・八%、まさに驚異的な圧勝であります。私は、厳粛なこの壇上から、傍聴席にお越しいただいております大多数の花園村の皆さんに、知事に成りかわりまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 花園村では、アイデアマンの部矢村長を先頭に、議員、村民挙げて、年々、過疎化、高齢化する山村の活性化振興を図るために、それはそれは涙ぐましい活動をされていることは、つとに知事も十二分にご認識いただいているところであります。平成三年度の観光客は約九万人、宿泊利用客は延べ二万七千九百十人でありました。また、本年七月オープンした恐竜ランドの入場者は、九月十三日現在、五万三千五百五十五人となりました。ようやく、霊峰高野山の奥深きこの山村の部矢村長初め村民の皆様の顔に自信と明るさが芽生えてまいったのであります。
 ところで、知事さんもご承知のとおり、交通アクセスとしての道路の整備が遅々として進行いたしておりません。知事、村民多年の念願である町村道花園長谷線のトンネル構想についてであります。すなわち、梁瀬から美里町長谷宮に至るトンネル千八百八十メートルの実現をしていただきたいと思うのであります。これが実現できますと、冬の積雪時も通行が可能となり、距離も一挙に六・五キロメートル短縮されることになります。
 ちなみに、県下の平成元年度から平成四年現在までの農林水産部のトンネルの実績と工事中は四工事、進行中は水上栃谷トンネル──龍神、中辺路を通じるトンネルでございます──この長さは二千三百四メートルでございます。これは、ふるさとづくり特別対策事業であります。また土木部では、六十一年度より着工完了と進行中のトンネル数は十四カ所で、いずれも山村の活性化、距離の短縮、町村間の有機的な交通アクセスのトンネルとしてなくてはならない重要なものであります。
 今、私が知事にお願い申し上げているトンネルは、花園村が将来に向かって飛躍と発展と活力を果たす重要なトンネルであります。ご厚情とご理解あるご答弁をお願いする次第であります。
 二番目は、昨年たまたま知事が橋本、伊都地方にお越しになったときのことであります。知事と一緒に九度山町奥野町長、中西議長、議員の皆さんや多数の町役職の方々が同行し、慈尊院の地域をご視察いただいたのであります。そのとき地元の皆さんから、慈尊院から高野口町大野の国道二十四号に直結する紀の川の架橋と新しい道路について陳情を受けられたはずでございます。この架橋と新しい道路は、高野口地内八号線バイパスとして知事よりご認可いただきました。目下、用地買収と工事にかかりつつあり、特にこの八号線が、京奈和大野インターより国道二十四号線まで県代行で施行していただく路線と直線で結ぶ、極めて有効な道路新設と架橋であります。九度山町では、来年より国道昇格となる和歌山橋本線と結び、さらに現在、用地買収、測量中の河南農道に結びたいということであります。そうなると高野口地内で国道二十四号線に直結し、さらに高野口町道八号線とも結ばれ、京奈和大野インターさらにまた北上して広域農道に連結される、大切な大動脈となります。ぜひ、よろしくご高配を願うものであります。
 なお、この質問に関連いたしまして、土木部長に、八号線の用地買収費と工事費を増額していただき、一日も早く完成できるようお願いいたします。
 また農林水産部長に、河南農道の現況についてご説明をお願いいたします。
 さて、三番目は、私ども地域住民や企業、自治体にとって極めて重要なものでございます。それは、高野口町松本町長が呼びかけ人代表として、南海とJRに対して働きかけている南海高野線橋本駅、JR和歌山線橋本駅を起点としての相互乗り入れのことであります。
 目下、南海高野線の複線化については多少のおくれはありますが、既に御幸辻─橋本間一・七キロメートルが工事されており、去る十月二日に現線路から新線路へ切りかえられました。現在の建設は上下線兼用の単線でありますが、平成五年十二月までにもう一本線路を敷設し、複線化の実現となります。複線化に並行して、現在の四両編成を六両にするために橋本駅のホームを拡張し、将来、八両編成まで乗り入れることができるよう計画されております。
 思い見まするに、きのくに線のスーパーくろしお号が新大阪・京都駅まで運行され、南紀新宮と直結いたしました。これにより、一般乗客の利便、地域の活性化、観光客の増加等、はかり知れないインパクトとなりました。今こそ、相互乗り入れの絶好のチャンスであります。幸い、軌道幅、電圧も同じであります。ただ、車両幅がJRの方が二十センチ広いようでありますが、ホームの改善等を行うことにより決して不可能ではありません。起点JR粉河駅から橋本駅経由難波へ、またその逆に難波から粉河駅まで、せめて朝夕の通勤時間帯に上下何本かの運行実現をするために、ぜひ知事のご協力をお願いする次第であります。特にJRは極めて消極的とのことでありますが、知事からJR西日本社長に強く要望していただきたいと思います。
 さて、昨年九月の定例議会でコスモパーク加太計画の見直しについて前企画部長に質問いたしました。提案内容は、前回より大幅で進歩的であります。すなわち、開発用地二百七十ヘクタールの計画面積の中に高・中級住宅用地約一一%、リゾート及び誘致施設四六%、合計五七%が見込まれております。私は、バブル経済崩壊後の諸情勢、円高指向やミクロ、マクロから分析した世界の経済はいかなることがあっても好転することはないと思考しております。こうした古い時代の計画を根本的に見直す絶好のチャンスでもあります。
 その内容はさまざまでしょうけれども、田辺市における丸紅の撤退やゴルフ場開発の中断等々、県内にもこうしたバブル崩壊による現実の姿を冷静に受けとめていただきたいのであります。大幅見直しの中に、昨年私が提案した和歌山県総合運動公園の三十ヘクタールを中核としていただき、仮谷知事の名が後世まで称賛される施設を、知事さん、つくろうではありませんか。今後の二十年、否百年後を展望し、大いなる遺産を子孫に残そうではありませんか。部長、頑固に拒否されるお考えかどうかは知りませんけれども、忌憚なきお答えをちょうだいいたしたいと思います。
 さて、長く続いた平成景気もバブル経済の崩壊と期を一にして昨年から急激に下降し、日本の経済は極度の不況と自信喪失に陥っている感があります。九月二十九日、経済企画庁が発表した七月の景気動向指数では、物によってはやや好転の兆しが見えたというものの、依然、最悪の下降線をたどっております。県内の経済界、特に中小企業、地場産業にあっては、個人消費の低迷、販売不振等で景気が冷え込んでいるとの声が日増しに高まっております。
 例えば、私の地元のパイル織物業界においても、生産額の五○%以上を占めてきた車両シート用モケットが三○%以上落ち込んでいるのを初め、綿両面毛布、寝装、玩具用ボア等、産地全体が未曾有の厳しい状況にあります。
 このように全業種にわたる厳しい経済情勢を踏まえて、国においては十兆七千億円に上る総合経済対策を打ち出したところでありますが、中でも中小企業対策が大きな柱となっております。これを受けて、今議会冒頭の知事説明の中で、中小企業向け融資枠を三十億円拡大するとともに、融資利率を引き下げるとのことであります。
 そこで、商工労働部長にお尋ねいたします。
 去る四月に実施された二十億円の融資枠拡大を中心とした第一次緊急対策の利用状況はどうか、また今回の第二次対策の具体的内容はどうなっているのか、詳細なる説明をお聞かせいただきたいのであります。
 また、県下の中小企業の待望久しかった県工業技術センター新館研究交流棟が過日完成いたしました。深いご理解をいただきました仮谷知事初め関係各位に衷心より厚く御礼申し上げる次第であります。私もパイル織物業者として、技術センターが、今後、地域の産業、中小企業の技術面での中核的指導支援のセンターとして機能していくことを願うものであります。センターの技術者の献身的なご協力により、再織も、コンピューター等による自動化が完成いたしました。大変ありがとうございました。
 九月十四日、紀州繊維工業協同組合と商工労働部の合同懇談会が、中西部長一行の幹部の皆さんと実施されました。その席上、野上理事長より五項目のお願いをいたしました。その中で、特に再織とパイル織物高度化開発のため、町立パイル織物開発センターに県工業技術センターの高野口分室を設置していただき、人的、経済面にわたる濃厚な援助を是が非でも実現させていただきたく、要望する次第でございます。
 次に、四全総と第二国土軸構想に組み込まれた京奈和高規格道路についてであります。
 橋本─高野口間の十一・三キロメートルについては、着々と進行しているようであります。ところが、九月二十五日の新聞によりますと、全買収予定面積の三%という国の補正予算額は去年並みの六億円にすぎないのであります。総買収面積六六・五ヘクタール、地権者約五百人に上る大きな事業でございます。この程度の少額な予算では、平成十年完成という目標はかなりおくれるように思えてなりません。また、橋本インターから山田地区、高野口町応其に至る側道は国で認可されておりますが、この側道は応其平野、山田、吉原等の周辺整備、地域活性化と発展に係る重要道路であり、国道三百七十一号線のバイパスとともに大阪経済圏に直結する紀北地方の大動脈でもあります。進捗状況、予算増額等の見通しについて、土木部長の所見をお伺いするものであります。
 さて、日々にその魔手が暗夜に拡大し、まさに「日本はエイズ感染の爆発前夜にある」と、公衆衛生審議会の塩川委員長が提言しました。エイズについては、二、三年前までは厚生省も、紳士淑女の皆さんも、まして地方自治体も大したことはないものと考えておりました。しかし今日、あっという間に蔓延増加するエイズ予防について、拱手傍観ができない事態になりました。
 エイズの感染経路は、性的接触によることが大半であると判明いたしております。全国一斉にエイズ予防に対するキャンペーンが始まり、県も「ストップエイズ」のタイトルで、「エイズはどんな病気なのでしょう。エイズは予防可能な病気です。エイズは着実にふえています。異性間性的接触による感染がふえています。感染者は全国に広がっています」等々、特に性的接触が主要な感染経路という認識がなされております。
 さて、前議会でエイズ患者の発生があったのか、ないのかということで、先輩尾崎吉弘議員と議会に対して、発病者が二名あったと訂正報告がございました。その後、県下の患者、感染者の発生はないのか、改めて状況を詳しく保健環境部長よりお聞かせいただきたいと思います。
 平成二年九月定例会で質問を申し上げ、その前の六月定例会で全員賛成で議決された議請第八十三号「伊都地方に心身障害者更生施設の設置について」、お忘れなくご努力をいただいておると信じますが、県当局はもとより、関係市町村により積極的に働きかけていただき、一日も早く障害児を持つ多くの肉親のせつない心情にこたえてやってほしいと存じ、改めて要望する次第であります。
 さて、大阪、兵庫県では、この二十五日、九月定例議会で「福祉のまちづくり条例」が提出されました。以下、その中身を披露させていただきます。
 これは兵庫県の条例ですが、「すべての人々が、一人の人間として尊重され、等しく社会参加の機会を持つことにより自己実現を果たせる社会の構築こそ、人類の願いであり、我々に課せられた重大な責務である。 いま、二十一世紀の超高齢社会を迎えるに当たり、こころ豊かな兵庫の実現に向け、高齢者や障害者を含むすべての県民がいきいきと生活できる福祉のまちづくりを強力に推進していかなければならない」とうたっております。
 我が県も、こうした状況のもとにどういう取り組みをされているのか、民生部長よりご答弁いただきたいのであります。
 次に、さても厳しい経済状況、景気の下降により、各都道府県の九二年度税収は七千五百六十六億円落ち込む見込みが、自治省の緊急調査の結果明らかになりました。
 我が県の状況と九三年度税収の予測等について、簡単に総務部長よりご答弁をいただきたいと存じます。
 いろいろと質問いたしましたが、各担当部長の誠意誠実なご答弁をお願いし、着実に諸施策が進行しつつある仮谷知事のさらなるご活躍と健康を心より祈念申し上げ、私の第一回の質問を終わります。答弁によっては第二質問もさせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの阪部菊雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
  〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 阪部議員にお答え申し上げます。
 お話ございましたように、私は花園村の皆さんには大変お世話になっております。
 お話ございました町村道花園村梁瀬から美里町長谷宮までのトンネル構想でございますけれども、これについても陳情を絶えず承って、私も頭を痛めているところでございます。この道路は花園村と美里を結ぶ、両町村にまたがる市町村道でございます。そしてまた、経費が莫大になるわけでございまして、そうした点から非常に難しいわけでございます。
 後ほど土木部長から答弁いたしますけれども、まず両町村間で、ある程度話し合ってもらうことが大事じゃないかと思っております。また、いろいろな制度があります。だから、市町村道だけではなしに、ふるさと事業としての町村道でやれないかどうか等々あるわけでございますので、そうした問題を私たちも研究させていただきたいと思っております。
 それから、九度山町慈尊院から高野口町大野、国道二十四号直結の道路架橋についてでございます。
 これも両町にまたがる問題でございまして、現在、両町の道路計画がないわけでございます。そうした点、土木部長から答弁いたしますけれども、やはり両町の話し合いによってどういう構想でいくかということが先決ではないかと思っております。
 それから、南海高野線とJR和歌山線の相互乗り入れの実現でございます。
 ご提言の乗り入れについては、橋本駅構内における接続線の新設、車両幅の違い、信号等の電気設備の整備、ダイヤ編成の問題など、今後検討を要する多くの課題があると聞いておるわけでございまして、関係部局に研究させるとともに、事業者に対しても働きかけていきたいと思います。
 話ございました、社長との会談については、機会がございましたならば私から話し合ってみたいと思っております。ただしかし、相互乗り入れについては、信楽の事件がございまして相当慎重なようでございます。
○議長(馬頭哲弥君) 土木部長山田 功君。
  〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えをいたします。
 まず、町村道花園長谷線については、現在、花園村及び美里町において、公共事業によりそれぞれ一カ所の事業中でございます。ご要望のトンネルについては、両町村境界部のトンネルであることや膨大な事業費を要すること等から、まずトンネルを含む未改良区間の全体改良計画を策定する必要があろうと思います。今後、両町村間において計画を調整していただくとともに、事業化については、現在、事業中箇所の進捗状況あるいは未改良区間全体の整備計画の策定状況等を見きわめながら検討してまいりたいと思います。
 次に、九度山町慈尊院から高野口町大野、国道二十四号直結の道路架橋についてでございます。
 これは、高野口町の都市計画道路浦島伏原線及び町道八号線に連結する道路と考えられます。しかしながら、先ほど知事が申しましたように、本区間には現在道路計画がなく、また架橋については、両町の町道認定を初め莫大な事業費を必要とするなど、まだ多くの課題もあり、今後、両町間において検討する必要があろうかと思われます。
 それから、高野口町の町道八号線の事業促進でございます。
 現在、国道二十四号から京奈和自動車道高野口インターまでの間を平成二年度より県代行事業として実施しております。これより北側については、町において公共事業として実施しております。今後の事業促進については、建設省にもその予算の増額を強く働きかけてまいります。
 京奈和高規格道路についてでございます。
 京奈和自動車道橋本道路については、京阪神都市圏の環状道路の一部を構成し、地域活性化に寄与する自動車専用道路として平成元年度に事業化され、平成三年度には国道橋本事務所を設置し、用地買収等を進めております。現在、橋本市真土、市脇両地区で地元説明、用地幅くい設置、丈量測量が終わっております。用地交渉が初期段階であり、必ずしも事業費が大きいとは言えませんが、地元のご協力を得ながら、側道も含め早期完成を目指して国に強く要望してまいります。
 さらに、高野口町から打田町間についても、紀北東道路として今年八月に建設省から大蔵省へ平成五年度新規事業化の要望がなされ、県といたしましても、京奈和自動車道の一層の促進を図るため、その実現に努力をしてまいりたいと思います。
○議長(馬頭哲弥君) 農林水産部長中村 昇君。
  〔中村 昇君、登壇〕
○農林水産部長(中村 昇君) 河南農道の現況についてでございます。
 当地方の農業の振興、地域開発など活性化対策に、紀の川左岸地区広域農道の整備が重要で、なおかつ急務と考えてございます。
 議員ご承知のとおり、橋本市からかつらぎ町に至る全長十八キロメートルのうち十一キロメートルについては、平成三年度に国の事業採択を受けて実施のための測量設計を行い、本年度から九度山町を中心に鋭意用地買収などを進めているところでございます。今回、国の総合経済対策を受けて本格的に工事に着手すべく事業促進を図るために、今議会に補正予算をお願いすることとしているところでございます。
 なお、かつらぎ町の残り七キロメートルについては、平成五年度採択に向けて去る六月に政府要望を行ってきたところでございますが、さらに十二月の予算編成に向けて強く国に働きかけてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 企画部長佐武廸生君。
  〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) コスモパーク加太計画の再検討についてのご質問にお答えいたします。
 コスモパーク加太計画については、二十一世紀へ向けて情報化、国際化に対応できる、しかも自然環境と調和のとれた魅力ある新しい町づくりを目指して、民間のノーハウを活用し、土地利用計画を策定すべく努力を重ねているところでございます。コスモパーク加太計画が長期的な展望を必要とする重要なプロジェクトであることにかんがみ、現在、経済動向等、諸情勢の推移を見ながら、推進機構内に設置したワーキンググループにおいてさまざまな観点から慎重に土地利用計画の策定作業を進めているところでございます。
 議員ご提案の和歌山県総合運動公園については、紀三井寺公園の再開発の整備方針との関連もございますが、貴重なご意見と受けとめさせていただきたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 商工労働部長中西伸雄君。
  〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 第一次と第二次の緊急経済対策についてお答えいたします。
 まず、第一次緊急経済対策により融資枠の拡大を行いました中小企業振興資金の貸付状況でございますが、この四月から八月末までの新規貸付状況は、昨年同期に比べ、件数で一・八倍の六百件でございます。貸付金額で見ると、約一・五倍の六十二億五千二百五万円という実績になってございます。貸付累計額は二百十八億八千六百六十四万円となってございます。
 このような利用状況を踏まえるとともに、今回の第二次対策として、ただいま説明申し上げました中小企業振興資金の融資枠を四月の拡大に加えましてさらに二十五億円拡大し、本年度の融資枠を当初の二百億円から二百四十五億円に拡大するとともに、主に運転資金である中小企業経営安定資金についても、現在の景気状況を踏まえ融資枠を五億円拡大し、本年度当初の融資枠十四億円を十九億円にすることといたしてございます。また、県単独で実施しておりますそれぞれの融資制度については、この十月一日から融資利率を○・四%もしくは○・三%引き下げを実施したところでございます。今後も、経済動向等を十分注視してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 保健環境部長遠藤 明君。
  〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) 最近のエイズ患者、感染者の状況を申し上げますと、平成四年一月から八月までの八カ月間で全国では三百二十六人に達し、過去最高だった昨年一年間の二百三十八人を大きく超える急激な増加を示しています。県内における平成四年一月から八月までの患者、感染者の報告はありませんでしたが、このほど九月に県内の医師から感染者一名発生との報告を受けました。この感染者は二十歳代の外国人女性であり、感染経路は異性間性的接触となっております。
 本県のエイズ対策といたしましては、昭和六十二年一月から県下保健所での相談窓口の開設と検査体制の確立を図ってまいったところでありますが、さらに本年十月、医療従事者を実地研修に派遣するところであります。
 また予防対策としては、正しい知識の普及のため、各保健所において教育用ビデオ、リーフレット等を利用した啓発や講演を実施するとともに、現在、エイズ予防に関するポスター、キャッチフレーズの募集を十一月の締め切りで実施するなど、今後とも各種事業等を通じて正しい知識の普及啓発を積極的に進めてまいる所存であります。
○議長(馬頭哲弥君) 民生部長吉井清純君。
  〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) 福祉和歌山県づくりについてお答えいたします。
 まず、伊都地方に心身障害者更生施設の設置についてのご要望でございます。
 県といたしましても、施設整備の必要性は十分認識しているところでございます。今後も引き続き、地元の心身障害児者父母の会や市町村に対して設置場所、運営主体等について指導してまいりたいと考えております。
 次に、大阪府並びに兵庫県において、議員お話しのとおり、高齢者や障害者を含むすべての県民が生き生きと生活できる町づくりを推進するため、「福祉のまちづくり条例」が九月定例議会においてそれぞれ上程されたところでございます。
 もとより本県においても、障害者や高齢者の社会参加を促進するためには、住環境の整備改善を図ることが最も重要な課題であると認識し、障害者にかかる和歌山県長期行動計画の推進目標の主要な柱に掲げているところであり、昭和六十一年には障害者等の住みよい生活環境整備指針を策定し、関係機関の協力を得ながらその促進を図ってきたところでございます。そうした努力の結果、着実にその整備が進んできたと考えておりますが、障害者や高齢者を含むすべての人々が社会参加できる福祉の町づくりを促進するため、整備指針をさらに強力に推進してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(馬頭哲弥君) 総務部長山中昭栄君。
  〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) まず、今年度の県税収入の状況でございます。
 既に、当初予算見積もりの段階で景気の先行きの不透明な状況を踏まえて、三年度の決算見込み対比三・六%減の千五億円を計上したわけでございますが、その後、個人県民税では平成三年中の所得の伸びを反映して増収が見込まれますけれども、県民税利子割や法人事業税等で申告額が落ち込んでおります。こうした状況から、今回五十一億円の減額補正をお願いしているところでございます。
 平成五年度の税収については、今後の経済動向によるところでございますが、法人二税については、今後景気の回復が期待されるとしても、三月決算法人が多いことから、税収としては来年度には反映されにくいという事情がございます。県民税利子割についても、しばらく低い金利水準で推移すると見込まれます。個人県民税についても、その大半を占めている給与所得が伸び悩んでいます。こういった事情から判断いたしまして、明年度においても引き続き厳しい状況に置かれるものと考えております。
○議長(馬頭哲弥君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 20番阪部菊雄君。
○阪部菊雄君 知事さんからの答弁は、花園村、美里町、九度山町、高野口町等について、大変難しい問題であるけれども何とかせないかんなあと、こういうふうに受け取っております。また、上におられる花園村の皆さんもそういうように十分ご認識いただいたと思うわけでございます。ふる特だとかいろいろの事業がありますので、どこに当てはまるか知りませんけれども、土木部を中心に各町村をご指導、ご鞭撻賜りたいと要望する次第でございます。
 それから、保健環境部長からのお話でございます。
 九月に入って、確かに一人の患者が発病したという報告があったということでございます。外国人というだけではわかりませんけれども、夜働く女性であるようにも承っております。東南アジア系ではないかなと、私自身は考えておるわけでございます。まあ、うつしたのかうつされたのかは知りませんけれども、ぜひこういう問題について今後とも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 けさのNHKのニュースを聞いておりますと、大阪府では環境保健部を中心にして、庁内でエイズ連絡協議会をつくってエイズ問題に鋭意取り組んでいくというようなことが言われておりましたので、我が県でもぜひそういう方向でつくっていただきたい。
 また、けさの新聞を見ますと、世界エイズデーというのを県民文化会館でやるそうでございます。これは、対象が高校生らしゅうございます。そこで、エイズクイズ大会をやるんだと。一位にはエイズ博士号を渡す。二万円だそうです。次の上位五位まで修士号一万円。十位までは学士号五千円というようなことで、ひんしゅくを買うたというようなことが書いてありましたけれども、一般の方々も同じでございますが、高校生に対するエイズ教育は少しおくれているように思いますので、教育委員会と連携されて積極的に取り組んでいただきたいと思います。これは、要望でございます。
 それから、企画部長でございます。
 前と内容が余り変わっておりませんので、非常に落胆はいたしております。紀三井寺の再開発と言うけれども、紀三井寺を再開発して駐車場を大きくとってできるというような可能性はあるんでしょうか。これは僕はよくわかりませんけれども、むしろ住居用の一一%とリゾート誘致施設の四六%を合わせて五七%もある中で、もう一遍見直してもらって、紀三井寺の再開発ばかりじゃなしに、そういうものを含めながら再開発も考えていくと。紀三井寺の野球場だって、夜間の照明をつくるに当たって地域の住民から反対されているはずでございます。
 そのような状況もございますので、将来を展望いたしますと、むしろコスモパーク加太の中に和歌山県の総合運動公園をオープンさせていただいて、その後にお金なかったら、あの辺また処分していただいてもいけると。お金があったら構いませんけれども、そういうふうにも考えておりますので、ぜひともそういうこともご検討いただきたいと思います。
 いずれも、要望でございます。以上で終わり。
○議長(馬頭哲弥君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で阪部菊雄君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(馬頭哲弥君) この際、暫時休憩いたします。
  午後零時五分休憩
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