平成4年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(中村隆行議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時四分再開
○副議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番中村隆行君。
 〔中村隆行君、登壇〕(拍手)
○中村隆行君 議員各位の温かいご厚情を賜り、質問の機会を与えていただきましたことに厚く感謝申し上げます。
 今回の質問が、私の県議会議場における最後の質問になります。
 昭和五十四年の初当選以来、長年にわたり浅学非才な私を励まし支え続けてきてくださいました、仮谷知事を初めとする行政の皆様方並びに県議会議員の皆様方、そして県議会壇上にお送りいただきました那賀郡の多くの皆様方に、この場をおかりいたしまして心から御礼を申し上げる次第でございます。
 「われ男の子 意気の子 名の子 つるぎの子 詩の子 恋の子 あゝもだえの子」、これは、ご承知のとおり与謝野鉄幹の歌であります。血気盛んでしかも悩み多き男子の心境をこれほどまでに端的に表現した短歌はほかに例がないと言われており、私の大変好きな歌の一つでございます。
 また、古代中国に「花に重ねて開く日あるも、人に再び少年なし」という言葉があります。花は春になれば再び美しく咲き誇るが、人間には若いとき、すなわち光り輝くときは二度とは訪れないということであります。
 生意気ではございますが、このような言葉から一つの決断をした現在の私の心境をお察しいただければ大変うれしく存じます。
 私が初当選させていただきました昭和五十四年は、一九七〇年代の終わりの年に当たり、大変な激動の年でありました。年明け早々にホメイニ師によりイラン革命が挙行されましたが、我が国への影響も大きく、国際石油資本が対日原油の供給削減を通告し、第二次石油危機に陥ったのであります。ガソリンスタンドの日曜祝日全面休業を実施するなど、「省エネ」という言葉が流行語になるほどでありました。アジア初の東京サミットがエネルギー問題に終始したのも、ご案内のとおりであります。
 国内でも、ダグラス・グラマン疑惑やKDD疑惑などが勃発し、十月の総選挙では自民党が過半数割れを起こすなど、大いに揺れ動いた年でありました。
 一方、県内では、新人の台頭が目立った県議選、本県の政界図を多党化時代に塗りかえたと言われる総選挙、さらには仮谷知事の圧勝に終わった知事選など、選挙に明け暮れました。
 春の統一地方選で初当選を果たしましたが、議員バッジを初めて胸につけたときの喜びと責任の重大さに強く胸に感じた思いは、一生涯忘れることができないのであります。
 もう一つ、私たち和歌山県民にとりまして忘れることのできない、うれしい出来事がありました。箕島高校が甲子園で春夏連覇し、さらに住友金属和歌山製鉄所が社会人選手権で優勝し、この年、本県の野球界は甲子園球場を舞台にして名声を国内にとどろかせたのであります。春、夏、秋の甲子園制覇は史上初めてのことで、春の紫紺、夏の真紅、秋のダイヤモンド旗と、三本の優勝旗が紀州路に勢ぞろいし、私たち県民は得意満面でありました。とりわけ、奇跡の同点ホームランで有名になりました夏の箕島─星稜戦は、私たちに何かを教えてくれるほどの試合でありました。また、全国議員野球全国制覇など、さまざまなことがついきのうのように思い出されます。
 初当選以来、私は常々、那賀地方の活性化はいかにすべきかを考えてまいりました。特に、関西国際空港の開港をその千載一遇のチャンスと受けとめ、開港のインパクトをどのようにすれば那賀地方に引き込むことができるか、さまざまな角度から検討を続け、本議場において質問をしてまいりました。泉佐野打田線の拡幅の問題、泉佐野岩出線の大阪府との連携強化の問題など、府県間道路の重要性を訴えるとともに、那賀地方と空港間のバス運行の必要性を主張してまいりました。
 その他の交通網整備の問題といたしましては、竹房橋のかけかえ、通称「紀の川右岸道路」の整備、国道二十四号線和歌山バイパスの岩出からの着工、川辺橋を中心とした道路整備、京奈和道路の早期完成などについてもお話をさせていただきました。
 さらに、JR阪和線の山中渓と紀伊駅の間にパーク・アンド・ライド方式の新しい駅を設置する構想は、本議場での初質問でありました。昭和五十五年二月議会で提案させていただいて以来、私の考え方を展開してまいったところでございます。
 また、フライト農業や地場産業の育成、農業地域への企業誘致等の重要性も訴えてまいりました。教育振興の観点からも、那賀高校実習地の有効利用の問題などについても主張してまいりました。
 岩出町を中心とした那賀地方の活性化につきましては、今後とも全力を傾けて努力していきたいと決心しているところであります。
 我が国を代表する仏教哲学者であり禅などの東洋思想を西洋に広めたことで知られております鈴木大拙先生は、あるとき弟子に偉い人と凡人の違いについて問われ、こう答えたそうであります。「真っ黒になって黙々と朝から晩まで働き、時節が来れば『さよなら』で消えていく。このような人を『偉い人』と自分は言いたい」と。一個の正直な人間となって信用のできる者となれというのが先生の信念であったとのことでございます。私も、残された人生を目標に向かって、真っ黒になって黙々と精いっぱい力を尽くす所存であります。皆様方のお支えを切にお願いする次第でございます。
 さて、質問に移りたいと思います。
 間近に控えた関西国際空港の開港とともに歩む那賀地方の基盤整備等の進捗状況について、お伺いいたします。
 多極分散型国土の形成を基本方向とした第四次全国総合開発計画が昭和六十二年にスタートし、また機を同じくして、東京一極集中是正のキーを握るとも考えられる関西国際空港の第一期計画の建設が、平成六年夏の完成を目指して着手されたわけであります。
 この国家的プロジェクトである関西国際空港の建設を核として、今、関西圏では四十兆円もの規模でさまざまなプロジェクトが大阪湾ベイエリアを中心に展開されております。こうした状況のもと、関西国際空港の至近距離に位置する本県におきましても、空港のインパクトを最大限に生かした諸施策を県市町村挙げて積極的に展開されているところであります。
 私も、県議会議員の一人といたしまして、機会あるごとに県内を歩き、肌で感じていますことは、我が郷土・和歌山県は、これまで半島であるがゆえに国土軸から離れた外的要因から、高度成長期でありました昭和四十年代から五十年代にかけては、北部臨海地域を除き、全国レベルから見れば一部の地域産業が小さく成長したにすぎません。
 こうしたことから、「道の仮谷」とも言われるほど、知事におかれましては、道路網の整備を中心に県勢発展のために懸命のご努力をなされたわけであります。その結果、私が初めて県議会議員に当選させていただいた昭和五十四年当時と比較いたしまして、比べ物にならないほどよくなりました。心より敬意を表するものであります。
 さて、間もなく世界に二十四時間開かれたスーパーハブ空港・関西国際空港が開港されます。この関西国際空港の開港をターゲットにした本県の主要プロジェクトが今、県内各地でつち音を立て、急ピッチでその工事が進められております。
 その中におきまして、ここで我がふるさと那賀郡に目を向けますと、近年、松下電池工業が操業開始されたのを初め、数多くの先端技術産業の県外企業が進出しているほか、和泉かつらぎ研究学園構想の核とも言える近畿大学生物理工学部の建設が、平成五年四月の開設を目指して順調に工事が進められております。また、先端技術産業のさらなる誘致を図るための産業用地の受け皿として、北勢田工業団地の造成が完了したのを初め、当地域におきましては紀の川臨空都市の拠点としての条件が着々と整いつつあります。
 一方、当地域は、超付加価値産業、科学技術、研究施設の立地とともに、県都和歌山市に隣接しているという立地条件もありまして、ベッドタウン化が進み、人口減少が続いている県内においては唯一、人口が急増している地域であります。それに加えまして、近年における社会的傾向である持ち家志向の高まりから、関西国際空港、大阪都心部の一時間以内の通勤圏に位置するという好条件もあり、増加人口の五〇%が大阪からの転入者というほど、その増加は目をみはるものがございます。
 以上、申し上げましたように、和歌山県勢のさらなる発展を握っていると言っても過言でない那賀地方の基盤整備の進捗状況並びに今後の見通しについて、お尋ねいたします。
 まず土木部長には、関西国際空港とのアクセス等の交通機関の整備、国際化、高度情報化に対応した都市基盤、都市環境の観点から、また高等教育・研究機関の充実、新たな先端技術産業の導入、既存の地域産業の高度化を進める観点からの条件整備とも言える基盤整備関連のうち、主要な事業についてお伺いいたします。
 一つは、府県間道路である泉佐野岩出線及び泉佐野打田線、また泉大津粉河線については、国道昇格されたことによりその進捗が促進されるのかという点もあわせてご答弁願います。
 二つ目は、和歌山市へのバイパス道路である国道二十四号和歌山バイパスと平成二年十一月に基本計画が決定された関西大環状軸、さらには第二国土軸の軸上に位置する京奈和自動車道紀北道路の現状と工事着工時期、完成予定時期をお伺いいたします。
 三つ目は、人口急増地域にとって緊急を要する事業である紀の川流域下水道の那賀処理区についてはまだその進展が目に見えてきておりませんので、その建設の着手の時期、規模、課題点などをあわせてご答弁願います。
 四点目は、和歌山地方生活圏の活性化を図るため、岩出・打田両町にまたがって策定した南麓サイエンスパーク整備計画の中の基盤施設の一つである関連河川の整備状況と今後の取り組み方針についてご答弁願います。
 次に、関西国際空港の立地により、今、泉南地域は人口が急増し、阪南町が市に昇格するなど、まさに日本の空の離発着基地として人、物の集積が急速に進んでおります。こうしたインパクトを含んだ、すなわち臨空型の農業の育成等による産業基盤関連、特に広域農道について知事にお伺いいたします。
 一つは、広域営農団地農道、紀の川右岸地区であります。地元住民の待望久しかったこの農道は、平成四年度末には橋本市から岩出町までの全線が開通するとのことでございますが、特に根来地区では現在でもその工事が進められておりますが、果たして平成四年度末には全線開通できるのか、お伺いいたします。
 二つ目は、現在、橋本市からかつらぎ町まで採択されている紀の川左岸道路について、平成四年度は用地買収、測量設計に取り組まれていると聞いております。今後、この左岸道路が那賀地方まで延伸される見通しはどうなのか、あわせてお伺いいたします。
 以上、関西国際空港の最もインパクトを受ける那賀地方が昭和六十二年三月にSTEPP計画として建設大臣からも認定を受け、公共事業の重点地域として大きな期待をかけられており、今や総仕上げの時期を迎えているという現在の情勢を踏まえて、ご答弁をお願いいたします。
 次に、紀の川リバーサイドグリーンベルト構想についてお尋ねいたします。
 和歌山の母なる川である紀の川は、紀伊半島と京阪神大都市圏を結ぶ地域を流れ、紀北県民の飲料水の供給を一手に担っており、まさに「水のないところには町は栄えず」と言われるほど、多大の貢献を果たし、その存在は今後ますます増していくものと思われます。
 また、河川は、私の幼い時代には単なる子供の川遊び、魚釣りの場としての存在でありましたが、近年においては、国民の余暇時間の増大に伴い、子供から老人まで、国民すべての憩いの場として大きく脚光を浴びているところでございます。
 こうした国民のライフスタイルの移り変わりから、自然を求める志向が高まり、「ウオーターフロント」「リバーサイドフロント」という言葉で呼ばれておりますが、自然に満ちた水に親しめる河川の環境整備が大都市またはその周辺において重点的に進められております。
 このような折、本県において昨年十月に公表されました紀の川リバーサイドグリーンベルト構想は、実にタイムリーなニュースでございました。この構想が実現されれば、本県の県民、市民のみならず京阪神都市住民のオアシスとして注目を浴びることと思われます。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 一つは、この構想に対する今後の取り組みであります。
 二つ目は、岩出町においても町民の憩いの場として既に岩出橋の下流域に大宮緑地の整備を進めておりますが、この構想の整備と一体的に進めていく必要性から、今後、ぜひ、岩出町もその一員として参加させていただきたいと存じます。
 以上、二点のご答弁をお願いいたします。
 次に、那賀郡を含む紀北地域の観光振興についてお尋ねいたします。
 紀北地域はのどかな田園地帯でありますが、最近は近代的な地域として発展しつつあります。名刹根来寺や粉河寺、また有吉佐和子さんの小説で有名な華岡青洲や旧名手本陣など、古くから歴史、文化にあふれており、最近では、若者に人気があるパラグライダーやハングライダーの最高のポイントとして人気を博しております。また、豊かな自然を背景として、春には桜、桃が満開となり、夏にはイチゴ狩り、ホタル、屋形船、そして葛城高原や植物公園緑花センターなどには、四季折々、大勢のハイキング客が訪れております。このように、那賀郡内の各町は観光資源に恵まれ、観光振興に努力しているわけでございます。
 関西国際空港が二十四時間世界に開かれた空港として開港したその暁には、県内で一番近い那賀郡に、世界の国から、そして日本じゅうからたくさんの観光客が訪れることを思いめぐらすとき、和歌山県の飛躍発展もいよいよこれからだなと、胸躍る気がいたします。また、当地域は、東に霊峰高野山、西には紀州徳川家のおひざ元の和歌山市が控え、そして平成六年には世界リゾート博が開催されます。これらを初めとして、かつての大和街道にはさまざまな歴史、文化が数多く残っております。
 一方、今日の観光客のニーズは変化に富んできており、受け入れ側としては個人の多種多様な要求にこたえる観光基地づくりが必要となっております。また、世界のさまざまな国の人々は、その人々が最も興味を持つテーマのもとに、日本の歴史、文化、生活を求めて観光に来るわけで、現在のように市町村が個別に観光振興を図っていてはとても対応できないのではないでしょうか。
 ここでお尋ねしたいのは、紀の川沿線のそれぞれの個性ある観光資源や施設を積極的に活用し、京阪神はもとより、全国からたくさんの観光客を受け入れるため、那賀郡を初め和歌山市や伊都郡が手を取り合って広域的な観光に取り組む必要があるのではないでしょうか。商工労働部長にご所見をお伺いしたいと思います。
 次に、福祉対策について民生部長にお尋ねします。
 私は、障害者福祉行政推進の四十年余の歴史の中で、障害者福祉の理念を社会全体に定着させるとともに飛躍的な施策の充実をもたらしたのは、昭和五十六年の国際障害者年を契機とし、昭和五十七年にスタートした国連・障害者の十年での取り組みによるものであると確信いたします。
 本県におきましても、昭和五十七年に障害者にかかる和歌山県長期行動計画を策定するとともに、障害者対策推進本部を設置し、総合的かつ体系的な推進体制のもとに全県民的な取り組みが実施されてきたところであります。
 こうした全国民とも言うべき規模で取り組んでまいりました国連・障害者の十年も、いよいよ最終年に入りましたが、県を初め市町村並びに関係機関等のご努力によって積み重ねてこられた障害者福祉がこの十年の終了とともに後退するのではないかという心配が、障害者団体等を初め多くの県民の間に起こっております。しかも、障害者の現状は、身体障害者数、精神薄弱者数ともに十年前に比べると増加しており、厳しいものがあると聞いております。
 幸い、仮谷知事はこの十年の終了後における対応について、さきの県議会において「国連・障害者の十年の最終年を迎えるに当たり、十年間の実績を点検し、評価を行い、課題を明らかにし、さらにきめの細かい施策の充実を図る」と述べられるとともに、新しい指針については国の動向を見ながら検討するという、障害者福祉の充実に向けた決意の旨の答弁がなされたところであります。
 国際障害者年に関する特別委員会においても、昨年十二月に第二の障害者の十年の決議を行っているところであります。私もまた、施策の充実を図る上においても第二の障害者の十年の設定を強く求めるものでありますが、国の動向が今最も気がかりなところであります。
 そこで質問でございますが、国に対して第二の障害者の十年の設定の取り組みを強く働きかけていただくようお願いするとともに、現在の状況をどのように把握されているのか、お答え願います。
 次に、高齢者対策について申し上げます。
 私の住む岩出町は、高齢化の進む和歌山県の市町村の中では唯一、全国平均より高齢化率が低い町であります。若い活力がみなぎろうとしています。
 しかし、今、岩出町に住んでいる若い方々も、いずれは老後を迎えます。したがって、健やかで生きがいに満ちた老後生活が保障されていることが、さらに若い人たちの定着を促し、町の活性化を促すものと考えております。
 県の本年度の高齢者対策予算は実質で対前年度比二三%増の八十四億六千五百二十一万六千円であり、これを担当課では「末広がり、よき老後に人群がる」とごろ合わせしているように伺っております。まさに、安心のできる、心配のない老後生活が保障されていることが結局は人の集積を招き、町や県全体の活性化につながるということであろうと考えます。
 岩出町では、特別養護老人ホーム偕楽園が拠点施設となって、入所者のお世話はもとよりでありますが、町の事業としてデイ・サービス事業、ショートステイ事業、あらゆる介護相談窓口となる在宅介護支援センター事業を進めており、広く岩出町全体の皆様方に開かれた施設として、住民に頼りにされ、喜ばれております。今後は、このような高齢者サービスのネットワークを県下全体に広げていくことが課題であると思います。
 そこで質問でございますが、全国より高齢化の進む本県において、今後の高齢者サービスをどのようなビジョンのもとに進められるのか、また長寿社会に向けて県民全般の啓発のための県民憲章の制定なども必要かと思いますが、いかがでしょうか。民生部長の答弁をお願いいたします。
 以上で私の質問のすべてを終わらせていただきますが、四期十三年を超える議員生活を本当に充実して送らせていただきましたことを思い返しますと、万感胸に迫る思いがいたします。これも、ひとえに仮谷県知事初め県議会議員諸先輩の方々、県民の方々の温かいご支援があったればこそでございます。この機会をおかりいたしまして、重ねて厚く御礼申し上げます。
 それでは、私にはまだ議員としての責務も残っていますが、人には宿命、使命というものがございます。和歌山県をさらに住みよく、また豊かにしていくという政治姿勢はこれからもさらに強く持ち続けたいと思っておりますし、地域の発展のために身を賭して頑張る所存でございます。
 どうか、これからもお力添えをいただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの中村隆行君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま、中村隆行議員から、県会議員としての最後だと、決意の表明をされたわけでございます。
 また、初当選以来、往時を振り返っての数々の思い出を語られました。私も話を承りながら、いろいろお世話になりました点、県政のためにご努力いただいた点、走馬灯のごとく浮かんでくるわけでございまして、本当に心から感謝申し上げます。
 今後とも、ますます体に留意されて、県勢発展のためにも、分野は違っても活躍されますよう、ご指導いただきますよう、心からお願い申し上げる次第でございます。
 答弁に移らせていただきます。
 広域農道の問題でございますけれども、中村議員を初め県会議員の皆さんのご協力により右岸道路は順調に進んでおりまして、話ございましたように、本年度中に全線が開通する見通しとなっておるわけでございます。
 また、左岸の道路につきましては、伊都地域では十八キロのうち十一キロは事業が平成三年から採択され、現在、用地買収を進めておるわけでございまして、残りの七キロにつきましては、ことしの六月に国に対して強く事業採択を要望したところでございます。
 話ございました那賀地方への延伸につきましては、紀の川の両岸の農業振興、生活向上を図る上からも必要でございまして、現在、県単独の調査費をつけさせていただいて調査を進めておるわけでございますけれども、関係の皆さんのご協力を得、また関係機関等の協力も得て進めてまいりたいと思っております。
 それから、紀の川リバーサイドグリーンベルト構想でございますけれども、紀の川大堰の建設等によりまして、高水敷が整備されることを契機に河口部から岩出橋までの約十六キロメートルの区間に公園整備を図ってまいります。
 紀の川下流部における不法占用対策を建設省、市ともどもより一層強力に進めるとともに、本年度から堤外民地の買収、公園整備の基本計画調査に着手することとなっておるわけでございまして、計画策定に当たりましては県民の皆さんのご意見を反映させながら進めてまいりたいと思っております。
 ご要望のございました岩出橋の下流流域につきましては、既存の施設、また岩出町の公園整備計画との整合性ということが緊要なことでございますので、そうした点につきまして十分な配慮を重ねてまいりたいと思っております。
○副議長(平越孝哉君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 那賀地方の基盤整備の進捗状況についてお答えを申し上げます。
 一点目の府県間道路につきましては、紀の川利水に関する協定書などに基づき、両府県において整備を進めているところでございます。
 泉佐野岩出線につきましては、両府県において四車線の都市計画決定を行い、県内では根来工区を中心に用地買収を進めております。また、大阪府においてはバイパスとなる都市計画道路泉南岩出線及び樽井男里線の整備が進められ、空港開港までに暫定的に二車線の概成が図られると聞いております。
 次に泉佐野打田線につきましては、両府県とも改良工事は概成をしており、現在、府県境部においてお互いに計画の調整を図りながらさらに線形改良事業等に取り組んでいるところであります。
 泉大津粉河線につきましては、現在、府県境部のトンネルの基礎調査を進めておりますが、今後とも、県管理一般国道の整備を促進するための補助金等の枠の拡大について努力をしてまいります。
 二点目の国道二十四号和歌山バイパスにつきましては、現在までに全長十・三キロのうち和歌山市川永から田屋間の約三・七キロが供用されております。残りの区間につきましては、一部用地の未買収はございますが、平成四年度末供用を目途に鋭意工事が進められております。
 京奈和自動車道紀北道路につきましては、現在、整備計画の策定に必要な諸調査が国により進められております。平成三年四月には関係二市十町一村により京奈和自動車道建設促進協議会が設立され、事業化に向けて支援体制も整ったところでございます。県としましても、促進協議会等のご協力を得ながら、整備計画決定を早期に実現するよう、国等、関係機関へ強く要望をしてまいります。
 次に紀の川流域下水道那賀処理区でございますが、紀の川流域全体の三市十二町の下水道整備計画につきまして、昭和五十九年に定められた紀の川流域別下水道整備総合計画の見直しを現在行っております。この上位計画に基づきまして、本年度から那賀郡内の下水道整備基本計画の策定に着手をすることにしております。今後、関係町と連携を図りながら、平成五年度には地元説明を行い、那賀処理区として都市計画決定等の法手続を進める予定にしております。引き続き、早期に事業着手すべく取り組んでまいりたいと考えております。
 次に南麓サイエンスパーク整備計画の関連河川でございますが、関連河川といたしましては、春日川、根来川、住吉川を初め、支川を含めて七河川がございます。春日川につきましては、昭和五十九年度から補助事業として県道打田岩出線の岡田橋からJR和歌山線までを概成しており、現在、その上流区間の用地取得の促進を図っているところであります。今後は、JR橋梁の改築等、事業の促進を図ってまいります。
 根来川につきましては、平成二年度から調査設計を行っております。引き続いて、今年度より県単独事業で用地買収に着手することとしており、地元関係者の協力を得ながら事業の促進を図ってまいります。なお、支川の山田川につきましては河川事業で、根来寺周辺の菩提川、大谷川につきましては、砂防事業で完了をしております。
 住吉川につきましては、改修計画を立案したところであり、地元関係者の理解と協力を得、事業化に向けて努力をしてまいります。
 その他の関連河川につきましても、早期改修に向け、事業の促進を図ってまいりたいと思います。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 中村議員にお答えいたします。
 今日の観光客の動向や志向を考えますと、観光の振興は一市町村だけではなく広域的に進めることが効果的であり、重要なことと認識をしてございます。
 議員ご指摘のとおりに、紀北地域は和歌浦を初め根来寺、粉河寺、高野山など、歴史的文化遺産が数多く残されてございます。こうした地域には、京阪神を初め、県外から四季を通じて多くの観光客の皆さん方が訪れてございます。
 とりわけ、平成六年夏に開港されます関西国際空港、それに合わせて開催されます世界リゾート博によりまして、今後ますます県外からの観光客の増加が見込まれます。
 このような状況の中で、紀北地域の和歌山市、橋本市、那賀郡、伊都郡の二市十町一村が一体となりまして今後観光振興に取り組んでいこうと、昨年十一月に紀の川みち広域観光連絡協議会が設立されたわけでございます。この協議会の設立によりまして、今後、紀北地域の効果的な観光客の誘致が図られるものと期待をいたしてございます。
 それだけに、県といたしましても、当協議会の今後の取り組みに対して積極的に支援してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 民生部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) 中村議員にお答えをいたします。
 まず、障害者対策でございます。
 国連・障害者の十年終了後における第二の障害者の十年の設定についてでございますが、十二月定例県議会において知事からお答えいたしましたとおり、「完全参加と平等」の理念の実現を目指して取り組んでまいりましたこの十年は、議員ご意見のとおり、障害者福祉の増進に極めて大きな意義があったと認識いたしております。
 とりわけ、近年、障害者が増加傾向にあり、そのニーズも多様化する中で、国連・障害者の十年終了後においても、長期的展望に立ったきめ細かい障害者対策の充実が必要であると痛感しているところであり、去る六月十九日に行った平成五年度政府予算に対する要望において、障害者対策の長期的な取り組みの推進について厚生省に対して要望いたしましたが、その実現に向け、引き続き努力してまいりたいと考えております。
 また国においても、長期的な取り組みの必要性の認識に立って、厚生省に設置している中央心身障害者対策協議会の五つの部会において、今後の障害者対策等について年内を目途に意見具申を行えるよう精力的に審議が行われていると聞き及んでいるところであり、この意見具申を踏まえ、国連の動き等を勘案しながら決定されるものと考えてございます。
 なお、去る四月二十三日、北京において開催されました国連アジア太平洋経済社会委員会において「アジア・太平洋障害者の十年」が決議されたところであり、国連本部並びに我が国における第二の障害者の十年の設定に大きな弾みがかかるものと期待をいたしております。
 次に、高齢者対策についてお答えをいたします。
 高齢者対策に関してでございますが、高齢化の進む本県においては高齢者対策は県政の重要課題であり、鋭意その推進に努めているところでございます。
 議員ご指摘の高齢者サービスのネットワークづくりにつきましては、国のゴールドプランを上回る水準を目標とした喜の国長寿保健福祉プランに沿って、在宅福祉サービス、高齢者施設の整備の推進に努めてまいりたいと考えてございます。
 また、この目標を着実に実現するために、現在、全国に先駆けて県及び県下市町村において、老人保健福祉計画の策定を進めているところでございます。また、これからの人生八十年時代の長寿社会を県民のだれもが長寿を喜び合える明るく活力に満ちた社会にしていくため、県民一人一人の意識の高揚が重要であると考えております。
 このため、議員ご指摘の県民憲章の制定について、本年から実施することとなりました喜の国いきいきキャンペーン事業の一環として取り組むことといたしてございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(平越孝哉君) 以上で、中村隆行君の質問が終了いたしました。
○副議長(平越孝哉君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○副議長(平越孝哉君) 次に、ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○副議長(平越孝哉君) 次に、お諮りいたします。明二日及び三日は常任委員会審査のため、また四日は議事の都合により、休会といたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(平越孝哉君) ご異議なしと認めます。よって、七月二日から四日までは休会とすることに決定をいたしました。
○副議長(平越孝哉君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
 〔職員朗読〕
 ───────────────────
 総務委員会 第 一 委 員 会 室
 厚生委員会 第 二 委 員 会 室
 経済警察委員会 第 三 委 員 会 室
 農林水産委員会 第 四 委 員 会 室
 建設委員会 第 五 委 員 会 室
 文教委員会 第 六 委 員 会 室
 ───────────────────
○副議長(平越孝哉君) 次会は、七月六日再開いたします。
○副議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時五十三分散会

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