平成4年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(吉井和視議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時五分再開
○副議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 25番吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 初日の質問の機会を与えていただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 それでは、まず初めに外国人労働者についての質問をさせていただきます。
 六月五日、自民党の森政調会長が都内で講演された中での発言が、韓国側からのいわゆる反発ということで新聞紙上で非常に問題になったわけであります。まず、その問題発言とされた発言要旨について、ここで紹介させていただきます。
 日本に行けば何とかなるだろうと思って来た人たちだから、だんだん仕事にあぶれてきて、食べ物にもあぶれてくる。日本では単純労働者が認められていない。結果的に、暴力団や一部の心ない人によってあちこち働き場所を求めているのが現状だ。今、その人口が一番多いのが群馬県の太田市だ。そこの労働者人口の約一割が外国人だと言われるぐらい集まっている。そこで仕事がなくなれば、たむろして千葉県へ行ったり静岡県へ行ったりする。世界じゅうからいろんな人が来ているが、マンションの中でたき火をして大火事になったとか、レイプ事件が起きて女性が自殺した事件とか、新聞に出ないけど、こうした外国人の日本におけるいろんな問題が実は起きている。新宿の西大久保からあの辺のホテル街には世界じゅうの女性がいる。特に中南米の女性だ。みんな、麻薬とけん銃と一緒にいろんな動きをしている。この間、新宿の警察署長に会ったら、新宿でお巡りさんをやるときには三十五カ国語がわからないと取り調べができないと言う。横浜の寿署管内には、千五百人くらいの韓国から来た労働者がいる。この人たちはベトナム戦争に参加しているから、銃を撃つなんてことはそんなにふなれではない。一つのリーダーがいてぱっとまとまれば、千人ぐらいまとまれば大変な軍事行動ができるようなくらいになるという、そういうおそれがあると言われている。この間、ロサンゼルスの様子をテレビで見ていたら、米国に住む韓国系の人たちはいとも簡単にパンパンと撃っているが、大概ベトナム戦争の体験があるだろうと、専門家はそのように見ている。
 以上が、森喜朗自民党政調会長の都内での講演の中での発言でございます。この発言に対して韓国の新聞社各社は、日本の外国人に対するいわゆる差別の雰囲気の延長線上にあるとして、日本人の平均的な対韓国観のあらわれであると反発しているところであります。
 私は、この新聞記事を読みまして、今現在、テレビ・雑誌等で問題となっている外国人労働者、特に単純外国人労働者のさまざまな問題が含まれているように思うわけであります。そして今、日本が真剣に考えなければならない大変な問題であろうと思うわけであります。
 まず、森政調会長の発言でありますが、現在、単純労働者の行動及び生活実態が市民生活を脅かし、また将来、欧米諸国の歴史にあったような社会混乱や暴動のおそれがあると少しでも想像できるのであれば、その対策を議論するのが政治家の務めであり、そのことを憂慮するのが政治家の大切な姿勢であろうと、私は断じて考えるわけであります。
 ここで、外国人労働者というものについて考えてみたいと思います。
 「外国人労働者」と言うときに、全く性格の違う二つのタイプのものがございます。一つは、日本経済の国際化が叫ばれる中で要請されるようになった専門職、技術職の外国人労働者であるのに対し、最近の入管法絡みの不法就労事件の増発によってクローズアップされてきた単純労働者、いわゆる出稼ぎの外国人労働者であります。この単純労働者は法的に就労できる在留資格がないわけで、いわゆる不法就労という形で、一説には東京都内にだけでも二十二万人、全国では百万人を超えると言われる外国人が現在日本で働いておるわけであります。不法就労の単純労働者のほとんどは、男性は「三K労働」と言われて日本の若者が敬遠する建設作業員とか機械製造等の人手不足の深刻な重労働に従事し、女性はホステス等の風俗産業に従事しているのであります。
 外国人労働者が激増する背景には、日本と比べ圧倒的な経済格差、賃金格差のある国々、特にアジア諸国からの日本への出稼ぎということがあります。一方、中小企業の人手不足、重労働につく従事者がなく労働力確保という経済界からの要請があります。また、暴力団等の不法組織からの要請で、外国人の意思に反してではありますが、賃金を得るために外国人女性が大挙して日本に来ているという実態があります。
 そこで、外国人労働者、特に単純労働者をどうするかという議論でありますが、大きく分けて二つの考え方がございます。一つは、外国人労働者なしではやっていけないという中小企業者、単純労働者受け入れ制度の必要性を提言する経済連等の、単純労働者を合法化し、労働力不足をカバーするため受け入れるべきであるとする意見と、もう一つは、将来起こる社会的な問題からして受け入れるべきでないとする考え方であります。共通して意見一致しているのは、実態として現在日本で働いている外国人労働者の人権をどうするかという問題であり、人権を守らなければならないという考え方であります。
 私は、安易に外国人労働者を受け入れるべきでないと考えるものであります。それは、外国人を低コストで使い、使い捨てしようとする意識に対して絶対に承服できないという考え方からであります。また、外国人労働者の問題は、西ドイツやフランス、スイス等の欧米諸国の歴史からしても、単なる労働問題でもなく、経済問題でもなく、国民の安全保障とかかわる大変重大な問題であるという認識からであります。
 以下、質問であります。
 平成二年六月、出入国管理法が改正されて雇用者処罰制度が新たにつくられ、不法残留している者、資格がない外国人であることを知りながら雇用した場合、雇用者も処罰されることになったが、それにもかかわらず不法就労がふえ続けている実態であります。
 昨年一年間に不法就労で摘発され強制退去処分を受けた外国人は三万二千九百人で、過去最高を記録したことが法務省から発表されました。同時に、不法残留者数推計でも、昨年十一月現在で不法残留者は二十万人を超えているということであります。和歌山県での入管法違反の検挙数は、平成二年が二十五件、平成三年六十三件、平成四年五月現在で七十七件と聞いております。
 そこで、県警本部長にお尋ねいたします。
 県下の外国人不法就労者の実態はどうであるか。また、暴力団等による外国人労働者にかかわる犯罪の実態についてお聞かせ願いたい。さらに、本年五月十日、中国人三十五名が和歌山県に不法入国して検挙され、現在捜査中と聞いておりますが、その入国ルート及び事件の概要についてお聞かせ願いたいと思います。
 次に外国人研修生の問題でありますが、一九八一年の入管法改正の際に外国人研修制度が認められました。今回の平成二年の入管法の改正で、企業者から申請できるというふうに手続が簡単になり、その研修制度が盛んに問題となってきたところであります。この研修制度の本来の目的は国際貢献ということで、開発途上国に対する技術援助であるわけでありますが、経済界からの構造的な人手不足の解消という要請から実現されたと聞いております。また実態としても、本来の制度のあり方と無縁の、研修に名をかりた外国人労働者がたくさんいると言われております。法務省入国管理局の研修実施企業の実態調査からも、事実上は就労であり、更新を認めず出国をさせたという例が多数あります。研修の実施体制の不備を指摘しているようであります。
 例えば、八九年の入管局の調査資料によりますと、名古屋の中小企業である鉄筋加工業者十一社に対して、研修の必要性が認められず、人手不足による労働者の導入の疑義があると指摘されております。また、名古屋にある資本金三百数十億円の自動車製造工業では、二百数十名の外国人研修生を導入し、二交代による徹夜など、研修とは無縁の内容で雇用した疑いがあるということを入管局から指摘されてございます。
 そこで、関係部長にお聞きいたします。
 県内の企業においても研修生を受け入れている企業があるように聞いておりますが、その実態についてできるだけ詳しくお聞かせ願いたい。また、研修生の受け入れについては今後どのように指導されるのかも、お尋ねいたします。
 そして、この問題の最後として知事にお伺いいたします。
 関西国際空港が開港されれば、都市部でカバーできない相当数の外国人労働者が和歌山に流入してくる可能性があります。そこで、外国人労働者について広域的な問題として近畿府県の知事会議等で検討し、国と協議していかなければならないと考えるわけでありますが、知事はこの外国人労働者の問題についてどのように考えているのか。最初に紹介した自民党の森政調会長の発言及びこの問題の今後のあり方を含め、総合的な所見を政治家としてお聞かせ願いたいと思うわけであります。
 続きまして、ミカンの流通対策についてご質問申し上げます。
 平成三年産の果実は、台風のもたらした影響もございましたが、和歌山県にとっては好調な成果を上げることができました。特にミカンの価格は、京阪神、京浜等四大市場において前年度対比二九%増の二百六十七円、系統取扱額も実に一・五倍の三百六億円であり、県の長期計画の平成七年度目標三百五億円を上回る結果であります。昭和六十三年からオレンジの自由化決定に伴い涙をのんで実施した温州ミカン園地再編対策、歯を食いしばって取り組んだ果樹産地活性化対策等、関係者並びに行政当局の皆様の熱意に対し、まず敬意を表したいと思います。
 しかしながら、農村内部では、依然として高齢化や担い手の減少、遊休農地の増大等が続いていることも事実であります。また一方、バブルの崩壊等による景気の減退で高級果実の売れ行きがいまひとつと報じられております。こうした中で、果樹王国和歌山が二十一世紀にも揺るぎない産地であることを願いまして、流通面から見たミカン対策について農林水産部長にお尋ねいたします。
 最近の食品流通は、消費者に最も身近な食料品の小売店店舗数の動向を見ても、従業員一人から二人の小規模店の数が大きく減少し、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の大口量販店のシェアが高まってきており、店舗数で一割にすぎないものが販売額では五割を占めるに至っておるわけであります。また卸売業においても、こうした量販店の増加や競争が激化していることなどから、販売力等、経営基盤を強化するため、卸小売の系列化やグループ化の動きが活発になってきております。こうした流通の変化に対応するためには、どうしても大型化が必要であります。ロットの拡大を図るためには、面積が期待できないところもありますので、どうしても共同販売率の向上が重要であると考えます。
 現在、本県のミカンの共同販売率は六二%と、以前に比べて随分高くなってきているようでありますが、今後さらに共同販売を推進するためには、価格の形成等、共同販売の有利性を発揮しなければならないと考えます。そのためには、特定の市場に重点を置き、かつねらいとする客層を絞るなど、市場の一部の分野の占有率を高めるとともに、卸売市場への販売促進、PR等、マーケティング活動が大変重要であります。
 こうした意味におきまして、県としてどのように販売促進の支援に取り組むかについてお伺いいたします。
 第二点目は、和歌山のミカンは一つ一つを取り上げると非常によい味でありますが、共同販売を拡大していくとなると、立地条件や生産者が微妙に異なり、ましてミカンの木一本一本の中でも味、熟期が異なることが知られていますように、全体的に規格、品質をそろえることは困難であろうと思います。しかし、最近の消費者は味、熟度等に敏感であり、おいしくないものには二度と手をつけないところがあります。この手だてを講じなければ有利な価格を期待できないものと考えます。
 現在、八千六百二十ヘクタールのミカン園のうち、不良系統園や老木園がまだ二割あると聞いております。これまで取り組んできた園地改植の成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 第三点目は、主な卸売会社の果実部門では、品目別ではなく主産県別に専門の担当者が配置されていると聞いております。本県の担当者は、本県のミカンを取り扱っている時期はよいとしても、本県産の荷が切れると他県産の荷を扱うことが余儀なくされてしまい、本県担当者の流通ルートが他県産に割り込まれる結果となるわけであります。
 こうした意味からも、ミカンのハウス栽培や夏果実の振興はミカン対策上、大変重要であり、また農家の所得の向上につながると考えます。そこで、果実の周年供給の取り組みについてどのようにされているのか、お伺いいたします。
 第四点目は、近年の労働力不足や交通渋滞に加えて、小売店においては、消費者の鮮度志向への対応など、物流コストの上昇が懸念されております。県では、こうした物流問題に対応するため、省力化方策としてシートパレットの導入に取り組んでいただき、大変感謝申し上げる次第でありますが、産地、輸送、市場の三者の連携のもとに迅速な対応が重要と考えますので、今後の全国的な普及の見通しについてお伺いいたします。
 最後に、道路関係についてご質問申し上げます。
 本年三月の道路審議会におきまして、県道有田高野線を初め県道海南高野線、県道田辺十津川線が、それぞれ国道四百八十号、三百七十号、四百二十四号に昇格されました。この路線で延長百七十九キロメートルにも及び、全国的にもまれな成果であり、地域住民はもとより県民一同が大いに歓迎しているところであります。これは、知事初め県当局の皆さん、国会議員の皆さん、県議会の先輩議員並びに関係市町村の皆様方が一丸となって国に働きかけた成果のたまものであると、深く敬意を表するものであります。特に、私の地元有田郡を通過する県道有田高野線の国道昇格につきましては、国道昇格促進協議会を結成以来十年間にわたる長い有田郡市民の悲願であったため、地元の喜びは大変なものでございます。そして、市町村におきましては、この路線をいかに整備促進して国道にふさわしい道路としていくかが今後の課題であります。
 有田高野線につきましては、従来より国庫補助事業並びに県単独事業でもって鋭意整備を進めていただいてきたところでありますが、国道に昇格された来年度以降の事業の進め方がどのように変わっていくのか、地元として大変不安を抱いているところであります。例えば、金屋町の長谷川地区等で工事進行中の半島振興法による道路整備については、平成五年度以降、二億七千万円の事業を計画されていたと聞いておりますが、これがどのようになるのかが心配であります。
 知事には、たびたびこの道を通って清水町に来ていただいておりますので、この路線に未整備区間が多いことを認識していただいておると思います。私たち地元の者が国道昇格について知事に陳情させていただいたときに、知事は、国道昇格することが必ずしもその整備促進につながらないという意味のことをおっしゃいました。実は、地元としてはこのことが一番心配であります。地域住民の長い悲願としてこの路線を国道として昇格していただいたのであります。国道昇格になったばかりに道路整備がおくれたということのないよう、切にお願いを申し上げたい次第であります。
 そこで、知事には、国道昇格をされた路線に対しての知事としての今後の意気込みと、土木部長には、旧有田高野線の整備計画及び整備方針をお聞きしたいと思います。
 以上で、第一回目の質問を終わらせていただきます。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの吉井和視君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 吉井議員にお答え申し上げます。
 外国人の労働者問題でございます。
 国際化が進む現在、経済、文化を初め各種の分野で国際交流を推進していくことが本県の国際化また地域の活性化を図るために必要なことでございます。本県におきましても、労働力の確保が難しい事業主団体や業種によって、外国人を受け入れたいとの要望もあります。法的にはいわゆる単純労働者の受け入れが困難でございますけれども、農業分野等、専門的・技術的分野において、一定の要件のもとに企業が研修生として外国人を受け入れている現状でもございます。
 今後の問題についてでございますけれども、政府の基本方針として、専門的・技術的な能力や外国人ならではの能力に着目した人材は可能な限り受け入れ、いわゆる単純労働者に対して慎重に対処するとされておるわけでございます。この方針を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
 なお、お話ございましたように、不法就労を初めとする外国人労働者に対する諸問題に対処するため、労働省と法務省及び警察庁との間で不法就労等外国人労働者問題地方協議会が近畿ブロックにおいて設置されると聞いておりまして、今後、この協議会の対応を見ながら知事会等において対処してまいりたいと存じておるところでございます。
 次に、国道昇格でございます。
 お話ございましたように、関係市町村からの強い要望が出されていた懸案事項の国道昇格の三線につきましては、過日、決定されたわけでございます。その成果に私も非常に喜んでおるわけでございまして、これひとえに県会議員の皆さん、関係市町村の皆さん並びに関係団体の皆さんのご努力、また県選出の国会議員の力強いご支援のたまものでございまして、心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 ただいま吉井議員から話ございましたように、このたびの国道昇格で、本県においては相当量の国道の昇格があるわけでございます。そのためには国道としての整備の予算が絶対必要でございまして、これらの予算の獲得について皆さん方の努力を得てやっていかなければならないと思います。そしてまた、この国道に昇格する道路について、県道である本年度中においてもなお一層整備を進めていかなければならないと存じておるわけでございます。
 また一方、国において平成五年度からスタートする第十一次道路整備五箇年計画を策定中でございますけれども、まず国全体の道路事業費の拡大を図られるよう強い要望が必要であり、六月に政府要望をさせていただいたところでございます。
 県内の道路整備予算の大幅な確保のために、皆さん方のなお一層のご支援をお願い申し上げます。
○副議長(平越孝哉君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 吉井議員にお答えをいたします。
 外国人研修制度のあり方及び県内の実態について、また研修受け入れについての指導方針についてでございます。
 研修制度は外国人を労働力として受け入れるものではなく、我が国で能力開発の機会を提供し、産業上の技術、技能または知識を修得してもらい、帰国後、その国の経済社会の発展のためにその能力を発揮できるようにするというものでございます。
 研修生を受け入れようとする企業は、直接入国管理局へ申請して審査を受けることとなってございます。このようなことから、県下における研修生の受け入れ状況の把握は困難ではございますけれども、現在承知しているところでは、機械製造業で二十名程度、農業関係で二十名程度、それぞれ研修制度に沿った受け入れがされてございますが、なお今後も受け入れの状況把握に努めてまいりたいと考えてございます。
 県といたしましては、公共職業安定所の窓口や事業主団体を通じて、企業に対し、外国人労働者の適正な雇い入れと不法就労の防止についてリーフレットを配布して啓発活動を行っておるところでございます。
 なお、企業の研修生受け入れについては、その趣旨に沿って、不法就労とならないよう指導してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 農林水産部長中村 昇君。
 〔中村 昇君、登壇〕
○農林水産部長(中村 昇君) ミカンの流通対策についてお答えを申し上げます。
 まず、販売促進の支援についてでございますが、議員お話しのとおり、農産物流通の変化に対応する戦略的なマーケティングは大変重要なことと認識してございます。このため、生産者団体みずからの活動を基本にしながら、知事を先頭に味一ミカンなど農産物の販売促進を実施するほか、卸売会社の計画出荷、販売の協議、また青果、果汁消費拡大のPR等、積極的に取り組んでいるところでございます。
 さらに、本年度は出荷容器のデザイン統一も進めてございまして、今後とも積極的な団体指導に努める一方、拠点市場を重点に置き、卸売会社等との連携を図りながら県産農産物の販売促進を一層強化してまいる所存でございます。
 次に、改植更新の成果と今後の取り組みについてでございますが、不良系統園や老木園の更新は大きな課題となってございます。このため、昭和六十三年度から実施したミカン園地再編対策や優良品種更新事業によって、不良系統園や老木園を中心に約二千ヘクタールの更新を行ってきたところでございます。特に、有田郡市では味一ミカンの推進や日本一有田みかんをめざす運動を展開しており、高糖系品種のニュー則村や紀州葵などへの更新を図っているところでございます。
 また、園地の若返りと相まって、急傾斜地に展開するかんきつ園地の省力化、低コスト化を推進するため、園地改造などを行う新たな事業の創設を全国みかん生産府県知事会議等を通じて国に強く要望をいたします。県といたしましても、平成四年度から県単独事業として果樹産地ブランド強化促進事業を創設し、銘柄産地の育成強化を図ってまいることとしてございます。
 続きまして、果実の周年供給の取り組みについてでございますが、年間を通じた果実の安定供給は県産果実の有利販売にとって極めて重要でございます。このため、時期的に市場出荷の少ない夏果実については、紀の川流域では桃、イチジク等、有田川流域ではハウスミカン、越冬かんきつ、イチジク、日高・紀南地域では梅、スモモ等の振興を図ってきたところでございます。
 今後さらに、施設栽培の振興により、五月からのミカン、桃、七月のブドウ等の生産拡大とあわせて、鮮度保持のための予冷庫の設置や貯蔵庫の整備による計画出荷の促進等に努めてまいります。また、拠点市場への出荷につきましても、生産者団体ともども強力に推進をし、市場のシェアを拡大するなど、周年供給体制の確立に努めてまいる所存でございます。
 最後に、シートパレット輸送の全国的な普及の見通しについてでございますが、青果物の流通に係る労働者の不足対策や市場荷さばきの円滑化を図るため、平成元年度、東京都中央卸売市場においてシートパレットが試験的に導入されて以来、京阪神等主要市場や他産地では徐々に整備が進められているところでございます。こうした中で、輸送、市場等の関係者によってシートパレットが省力化方策として期待されていることから、今後は全国的に取り組まれるものと考えてございます。
 県といたしましては、シートパレット輸送の推進を図るため、本年度、県単独でモデル事業を創設して、二地区で実施することといたしております。今後、国に対して事業化を働きかける一方、産地の指導に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 有田高野線の整備計画についてでございますが、この主要地方道有田高野線を初めとした昇格国道を含む県管理の一般国道の整備につきましては、県全体の国道整備計画の中で、地域振興計画等も見きわめながら計画的な整備を進めてまいりたいと思います。
 ご質問の有田高野線の整備についてでございますが、現在、公共道路改良工事の三田工区──清水町でございます──は国道事業として引き継がれることと思われます。しかし、県単独事業のうち新設または改築事業は、道路法の規定により、そのまま執行ができなくなります。具体的には、半島振興道路整備事業として実施中の長谷川工区及び金屋工区は平成五年度以降の事業の継続執行が難しくなりますので、用地買収等、地元の皆様方のご協力を得ながら平成四年度中に可能な限り整備の促進を図るとともに、今後とも補助金等の枠の拡大及び整備促進について努力をしてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) 県下の外国人不法就労者、残留者等の実態等についての議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、外国人不法残留者、就労者の数、就労先等についてその実態を把握することは極めて困難でございますが、本県警察として出入国管理及び難民認定法いわゆる入管法違反で検挙した者は、議員ご指摘のとおり、平成二年で二十五名、平成三年が六十三名、本年は六月二十五日現在八十三名となっておりまして、その数は近年急激に増加しているところでございます。
 また、最近、本県で検挙した不法残留者等の就労先といたしましては、風俗営業関係が最も多く、次いで工員、作業員等となっております。
 このような検挙事件の中で暴力団関係者がかかわっていた事件の事例といたしましては、一つには暴力団組長が自己の経営する飲食店で不法残留の外国人女性を働かせていた事件、あるいは暴力団関係者が経営する風俗営業関係で不法残留の外国人女性を働かせ売春をさせていた事件がありましたが、いずれも暴力団関係者を検挙いたしますとともに、外国人女性を検挙ないし保護いたしております。
 次に、本年五月十日、東牟婁郡古座町で発生した中華人民共和国からの集団密航事件についてでありますが、この事件は、古座町の通称・鬼宿の海岸に五十名の者が不法に入国するという事件でございましたが、地元住民の方々のご協力を得て、このうち三十五名を不法入国、出入国管理及び難民認定法違反で検挙したところであります。
 捜査の結果、不法入国の目的は日本での稼働ということであります。また密航ルートは、中国の福建省から密航船で出発し、古座町沖に到着して上陸をしたというものでございます。
 なお、逃走した者及び背後関係につきましては、現在、継続捜査中でございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 25番吉井和視君。
○吉井和視君 皆さんお疲れのことと存じますので、簡単に要望だけさせていただきます。
 この外国人労働者問題につきましては、全国的な問題であり、今後、自治体がいかに取り組むべきかということについて研究・検討する必要があると思うわけでございます。例えば、神奈川県の自治総合研究センター──これは神奈川県の部局の一つだと思います──そこで提言をしているわけであります。もちろん、研究討議した結果であろうと思いますけれども。
 その内容について、ちょっと簡単に申し上げます。四つの提言をしているわけです。一つは、外国人労働者受け入れに当たっては職種の制限を設けない入管法の改正が望ましい、提言二としては、外国人の受け入れも段階的に緩和していく方向が望ましい、三つ目の提言は、外国人労働者の人権擁護の見地からその対策が必要である、最後の提言は、外国人労働者問題の根底には同質社会を維持することの是非が問われていることを認識する必要があると、以上四つが提言されておるわけでありますが、和歌山県においても、先ほど申し上げましたように、大変な問題が将来起こる可能性がございます。そこで、和歌山県のある一つの部局で、こういうテーマについて研究討議していただく機関を設置していただきたい。知事、やっぱり和歌山県あっての天下国家であると私は思います。そういう観点から、このことを十分ご検討していただきたいと思います。
 以上で、要望を終わらせていただきます。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で吉井和視君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時五十一分散会

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