平成4年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(新田和弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 44番新田和弘君。
 〔新田和弘君、登壇〕(拍手)
○新田和弘君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 一般質問に先立ち、去る六月十一日にご逝去されました山崎幹雄議員のみたまに、謹んで哀悼の意を表します。
 山崎議員には、五期十七年余の間、議会人として県勢発展のためにご活躍いただき、その間、我が党県議団にもご指導、ご鞭撻を賜りました。ここに、謹んでご冥福をお祈りいたします。
 それでは、一般質問に入ります。
 まず初めに、景気対策についてお尋ねいたします。
 去る六月七日に経済企画庁より、国内景気が全体として大きく減速していることを明確に示す経済指標が発表されました。三月調査の法人企業動向によると、資本金一億円以上の企業が今年度に予定している設備投資計画は総額四十七兆九千九百億円で、前年度の実績見込みに比べて七・三%のマイナスになった。調査を始めた昭和五十五年以来、設備投資の当初計画が前年度割れになったのは、第二次オイルショック後の昭和五十八年におけるマイナス三・八%一回だけであり、政府経済見通しの五・一%増を大きく下回り、民間企業の設備投資意欲の後退が一層鮮明となりました。また消費動向においても、購買意欲がやや回復する兆しはあるが消費の伸びは鈍化してきており、消費者の動きは全体として依然慎重だと判断しております。さらに、十八日には中小企業金融公庫が中小企業の設備投資動向調査を発表しておりますが、これによると、平成四年度の設備投資計画は前年比で二一・七%マイナスと大幅に減少しており、特に鉄鋼は四一・〇%減となり、景気の減速で先行きの見通しが立たないことを如実に物語っております。
 こうした景気の減速に対して日銀では、昨年の十二月に公定歩合を〇・五%引き下げたのに続いて本年四月には第四次利下げ〇・七五%を行い、公定歩合を三・七五%まで引き下げ、景気のてこ入れを図ろうとしております。国においては緊急経済対策が決定され、公共事業費の前倒し執行で上半期七五%の発注と、金融面の対策を行う方針が出されました。
 これを受けて本県においても、四月二十一日に、緊急経済対策に対する対応として、県の公共事業について上半期までに八〇%の前倒し発注をすること、金融対策として中小企業振興資金の融資枠を二十億円拡大するなどの対策を講じているところであります。しかし、景気の低迷が依然として続いているため、大蔵省は、四年度の税収が企業収益の低迷で一兆円程度不足するおそれがあると、厳しい判断をしております。このために、新たな景気対策として、自民党では今週早々に六兆円から七兆円に近い大型補正予算を編成するよう政府に求める方針を固めています。公明党でも、六兆円の公共投資追加と一兆円所得税減税を含む七兆円の大型補正予算の編成を政府に求めているところでございます。
 そこで、仮谷知事にお尋ねをいたします。
 知事は、六月の本会議の説明で、国の緊急経済対策を受けて公共事業等の上半期における契約率が八〇%を上回るよう積極的に取り組む旨の説明をされましたが、今後どのような景気てこ入れ対策を行うのか、お尋ねをいたします。
 次に、関係部長にお尋ねをいたします。
 一、県の公共事業の上半期前倒しについて、五月末執行状況と上半期八〇%の達成はどうか。
 二、融資枠の拡大については、中小企業振興資金の一般貸付枠、当初二百億円に加えて二十億円の枠の拡大がなされましたが、貸付状況はどうか。また、夏季分の季節融資の前倒し状況、さらに新たな融資枠についてはどうか。
 三、景気の減速による税収への影響については、四年度当初予算で法人二税を合わせて前年度より五十億二千八百万円減額されていますが、平成三年度の県税収入と平成四年度の県税収入の見通しはどうか。
 四、新たな景気てこ入れ策として国では大型補正予算の計上が検討されておりますが、その見通しについてはどう考えているのか。また、県の公共事業の前倒しに対して、下半期の公共事業の確保のため補正予算の計上を図るべきと思いますが、県の考え方はどうか。
 以上四点、お尋ねをいたします。
 次に、関西国際空港の全体構想の推進についてお尋ねいたします。
 去る四月二十八日に関西国際空港全体構想推進懇談会が大阪の中川知事に答申した内容によりますと、関西国際空港を日本初の二十四時間運用可能な国際・国内ハブ空港と位置づけ、その役割を果たすには、空港需要の伸びが一本目の滑走路の処理能力を超えると予測される二〇〇二年を目標として、第八次空港整備五箇年計画中に供用開始をめどに建設をするとしています。また二本目の滑走路としては、離着陸の処理能力が高い平行滑走路を先行整備するとしております。さらに、事業主体と想定される関空会社の負担を軽減するため、出資金の割合を現在の三割から四割に引き上げる検討も必要であると答申しています。
 そこで、本県では今回の推進懇の答申をどう受けとめておられるのか、さらに出資金の割合の引き上げについてどう考えているのか、お尋ねをいたします。
 次に、全体構想の調査費につきましては、平成四年度は音波探査による土質調査を行うため三億五千万円が計上されているところであります。大蔵省は六月十八日に、平成五年度の概算要求基準のうち一般歳出は一兆八千億円以上増額して四十兆五千五百億円程度とする方針を明らかにしました。この結果、概算要求段階で伸び率が四・八%と、前年度をやや上回る見通しであります。しかし新聞報道によりますと、運輸省は平成五年度の概算要求に当たって、全体構想の本格的現地調査の財源を地方自治体に負担させる方向で検討を始めたとありました。さらに、関空会社は本年度四百メーター級のボーリング調査を十カ所以上行うためのボーリング調査費四十億円以上が必要であるとする旨の報道がありました。
 そこで、お尋ねをいたします。
 一、全体構想の推進のための調査費を、出資金に加えて新たに地方自治体に負担させることが懸念されるが、どうか。
 二、平成五年度の概算要求にはどう対応されるのか。
 以上二点をお尋ねいたします。
 次に、国内便の大幅確保についてお尋ねをいたします。
 関西国際空港への航空機乗り入れをめぐる政府間交渉が平成六年夏の開港を控えて本格化し、六月二十日までに、我が国へ初めてネパールからの乗り入れが決まったのを初め、スイスやイタリアなど計十六カ国との間で合意に達しました。イスラエル、アイルランドなど九カ国とも、秋にかけ、新空港への就航を条件に航空協定締結の予備協議が予定されており、現大阪空港分と合わせると計三十四カ国からの乗り入れが事実上確定したと報道されていました。
 国際線に三十四カ国の乗り入れが決まり、新空港の顔が見えてきたと言われております。開港まであと二年と迫った今日、国内便の大幅確保に対して積極的に取り組む重要な時期を迎えております。
 仮谷知事は、三月の本会議において、国内便の大幅確保に対し、東京便を初めとする国内路線の確保に積極的に努力してまいりたいと答弁しております。さらに六月には政府予算要望を行い、国内便の大幅確保を要望したところであります。関西国際空港の航空需要においても国際線六〇%、国内線四〇%と予測しており、採算性の面からも国内線の確保がぜひ必要であります。
 大阪空港が存続する中で、国内便の機能分担など、早期に協議をして国内便の大幅確保に努めねばなりません。特にこの一年が正念場だと思うわけであります。そこで、仮谷知事の国内便の大幅確保についての考え方をお尋ねいたします。
 次に、世界リゾート博についてお尋ねをいたします。
 「JAPAN EXPO ウエルネスWAKAYAMA 世界リゾート博」は平成二年四月に基本計画が策定され、平成三年八月に第一次実施計画が発表されました。この計画は、和歌山マリーナシティを主会場として、平成六年七月十六日から九月二十五日までの七十二日間で目標入場者を百万人とするビッグイベントであります。本年三月に和歌山マリーナシティの土地利用計画の一部変更を行い、これに基づいて世界リゾート博主会場計画の概要が示されてきたところであります。県においても、本年四月より機構改革を行って世界リゾート博推進局を知事公室に新設し、本格的な推進に当たっています。さらに、リゾート博まで七百七十七日前に当たる五月三十日に、PRのための残日表示塔が県庁前に設置され、本日はリゾート博まで七百四十七日前と表示されています。
 仮谷知事は、三月の本会議でリゾート博について、「本年夏ごろに最終の実施計画として策定する予定で進めております。県としましても、博覧会協会への出資、職員派遣を初め会場へのアクセス問題、プレイベント、パビリオンの出展など、全力を挙げて取り組んでいるところでございます」と、答弁されています。
 そこで知事に、世界リゾート博の成功のために最終実施計画を含めてどう対応されるのか、お尋ねをいたします。
 次に、リゾート博主会場計画の概要についてお尋ねをいたします。
 一、会場デザイン計画として、アーバンリゾートゾーンに松下興産がMCAのノーハウを活用した国際交流文化施設の建設を予定されていますが、その概要と建設着工の見通しはどうか。
 二、世界リゾート博協会の調査では会期中の入場者見込み数の目標百万人を大幅に上回ることが予測されるため、最終実施計画では観客誘導計画などの諸計画を再検討していると聞き及んでいますが、最終実施計画で目標入場者を大幅に変更されるのか。
 三、資金計画については総額五十億円として、和歌山県を初めとする主催者が二十五億円を負担金として分担し、残り二十五億円は入場料収入等で賄うとの計画でありますが、総額については当初のとおり五十億に変更がないのか。また、入場料金はどの程度になるのか。
 四、資金計画の一環として、一昨年花博で行われたイベント宝くじを世界リゾート博にも発売できるよう、六月に国へ予算要望しましたが、可能なのか。
 五、本県の県外向け広報誌「CaN」が六月に四千部発行され、各方面に配布されております。これにも世界リゾート博がPRされております。オープニングセレモニー開始まであと一年、マスコミ等の協力をいただき、積極的なリゾート博のPR活動が必要でありますが、今後PR活動をどう進められるのか。
 以上五点、お尋ねをいたします。
 次に、和歌山マリーナシティの市街化区域編入と用途地区の指定についてお尋ねします。
 和歌山マリーナシティの第一工区二十七・二ヘクタールは四月三十日に埋立工事が完了し、県から竣功認可が行われ、現在、和歌山市議会に公有水面埋立地の確認及び公有水面埋立地に係る字の区域の変更の議案が提案されております。地方自治法第九条五項で、議会の議決を経て知事が届け出を受理し告示すれば、第一工区二十七・二ヘクタールが和歌山市毛見字馬瀬に編入することが確定すると伺っております。
 ところで、和歌山市では平成二年三月二十七日に県告示第百九十号で都市計画区域の線引きの見直しを行い、市街化区域七千三十一ヘクタール、市街化調整区域一万三千七百八ヘクタールとなっています。この見直しのとき、将来市街化区域に編入が可能な地域として、人口二千人の枠で、場所を特定せず確保してきています。第一工区の和歌山市編入が確定すればミニテーマパークの建設が急がれるところであります。建築確認の作業を考えると、和歌山マリーナシティの市街化区域編入と用途地区の指定を速やかに行うべきであると思われます。
 県は、和歌山マリーナシティの恒久施設の建設に当たり、市街化区域の編入と用途地区指定にどう対応されるのか、お尋ねをいたします。
 質問の最後の項目でございますが、次に学校の週五日制についてお尋ねいたします。
 学校の週五日制につきましては、平成四年三月二十三日の文部省通達により、平成四年九月から月一回、第二土曜日を休業日とする学校週五日制が実施されることになりました。本県においても、四月十五日に県教育委員会は「学校週五日制の導入について」という通達を出し、県内の幼・小・中・高の各学校及び特殊教育諸学校において九月より月一回、第二土曜日を休業日とする旨の通達をしてきております。
 通達に示された導入に当たっての留意事項に関連してお尋ねをいたします。
 一、学校教育に関しては、授業時数の確保に配慮して短縮授業の取り扱いの見直しを行うとしています。現在、和歌山市内の中学校では、水曜日は五限目が学活などで、六限目は授業がありません。週五日制の導入ということになれば、授業時数の確保から考えると、水曜日の午後五限、六限を強化学習の時間として活用することが望ましいと考えるものであります。神戸市の中学校校長会では土曜日にゆとりの時間を三時間まとめてとる方式を提唱し、月曜日から金曜日の五日間で三十時間を確保する神戸方式が注目をされております。県教委は、水曜日の五限、六限に強化学習を実施することに対してどう考えているのか。また、短縮授業の取り扱いの見直しはどう行うのか。
 二、学校外活動については、施設設備や指導者等に関して学校の持つ機能の活用が期待されるとして、施設の開放など開かれた学校づくりを推進するとしています。現在、各学校では、部活動による施設の利用から、現実に学校施設の開放が可能なのかと心配しているところであります。大阪府教委では、休みとなった土曜日の部活動を制限することに踏み切ったとの報道もされております。そこで、県教委は学校の施設開放と部活動についてどう対応されるのか。
 三、私立学校との連携として、私立学校に協力を求め、連携して学校週五日制の導入を図っていく必要があるとしています。現在においても、公私立間に授業日数及び授業時数で差が生じています。今回の学校週五日制の導入いかんでは、一段と授業日数及び授業時数で差が拡大するようになれば保護者の不安が高まり、私学志向がますます加速されるのではないかと心配するものであります。県は、私学との連携、対応をどうされるのか。
 四、学校週五日制月二回の協力校が全国で六百四十二校、本県でも十四校指定され、実施のための準備に入っております。研究期間は平成四年及び五年の二年間であります。この二年間で調査研究が行われ、学校週五日制の拡大が検討されるわけであります。県教委は、学校週五日制月二回実施への拡大に対してどう展望しているのか。
 以上四点、お尋ねいたします。
 次に、英語の指導要領の改訂についてお尋ねをいたします。
 平成元年三月に行われた今回の英語科の改訂方針は、国際化の進展に対応して、コミュニケーション能力の育成や国際理解の基礎を養うことを重視しています。
 阪大の大谷泰照教授は、リーディング(読み)中心からオーラル(音声)重視へ向かっていくのは確実だと述べ、高校にオーラル・コミュニケーションA(日常会話)、B(ヒアリング)、C(討論)の三つに柱分けされ充実化が盛り込まれたのは、「話す」、「聞く」ができないまま終わってしまう今の英語教育に対して文部省が打ち出した一種のショック療法であると述べております。
 本県においても、会話重視の英語教育を進めるため、AETの導入を昭和六十二年に三人で開始、平成四年度は県、市町村分を合わせて三十三人に増員されてきています。また、高校入試においてもヒアリングテストが平成二年度から導入され、比較的高い正答率を上げております。しかし、今日の英語教育では、中・高の六年間学習しながらも、大半の生徒は日常の会話すら困難であるのが現状であります。もちろん、これは、読むことや文法を中心とした受験型の英語教育に起因していることは論をまちません。今、大阪のある高校では教科書を離れて話せる英語の学習が行われ、注目を浴びております。
 そこで、新指導要領による英語教育が平成五年に中学校で、平成六年に高校で実施されるわけでありますが、コミュニケーション重視の英語教育を今後どう進めるのか、また高校入試のヒアリングテストを今後どう改善されるつもりか。二点、教育長にお尋ねいたします。
 次に、小学校に英語教育を導入することについてお尋ねをいたします。
 NHKは、平成二年十月から教育テレビで、幼児から小学校低学年向けに、月曜日から金曜日まで十五分番組として「英語であそぼ」をスタート、好評のうちに丸二年目を迎えようとしています。番組制作者の中村哲志プロデューサーは、「子供が言葉のアクセントやイントネーションなどを最もよく吸収するのは四歳から六歳くらいまでの時期だと言われています。英語を学ぼうとするなら、この時期にできるだけ多くの英語に接することが大切なわけです」と述べております。
 小学校に英語教育を導入することにつきましては、平成三年十二月に臨時行政改革推進審議会が、外国語のコミュニケーション能力の育成をねらいとする教科新設を検討すべきだという答申を出されました。平成四年に入って文部省は、国際理解教育を進めるため、小学校で英語教育を実践する研究開発校として小学校二校、中学校一校を指定し、小学校に英語教育を導入するための本格的検討作業に入ったとのことであります。指定を受けた小学校では、今年度から四年生で年間十五時間、五年、六年では年間七十時間、英語の授業を実施する、授業内容も、文字や文法ではなく外国人との接触や英会話が中心とのことであります。
 指導要領の枠を離れて、ゆとりの時間を活用するとのことであります。アメリカ、カナダに縁の深い本県において、早期にコミュニケーションを主体とした英語教育を小学校に導入するよう取り組まれてはと思いますが、教育長の見解をお尋ねいたします。
 以上で、第一問を終わらせていただきます。
○議長(山本 一君) ただいまの新田和弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 新田議員にお答え申し上げます。
 景気対策についてでございます。
 お話ございましたように、厳しい経済状況の中で国においては公共事業の施行推進、中小企業対策等を内容する緊急経済対策を決定しまして、県といたしましても、上半期における公共事業の前倒しについて八〇%を上回ることを目標とするとともに、また金融面で融資枠の拡大を図ったわけでございます。
 しかし、今後なお厳しい経済環境の中にあるのが現実の姿でございまして、現在、国においても補正予算等について検討を加えているところでございます。この施策を実施していただくことを期待するとともに、また国の景気対策の動きに十分注意を払いながら、県としても公共事業、県単独事業等について今後十分配慮してまいりたいと思っております。
 次に、関西国際空港の全体構想の推進の中における国内便の大幅な拡大でございます。
 この問題等については議会で絶えず叱咤激励されておりまして、関西国際空港の性格上、国際、国内の基幹空港でございます。ご指摘のとおり、確保について全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 また、先日も、運輸大臣また運輸省の航空局長に国内便確保について強く要望いたしました。その際、国としても関西国際空港の国内線充実のために航空三社に対して要請したということを承っておるわけでございます。
 今後とも、運輸省初め関係先に対し、東京便を初めとする国内路線の確保に向けて、県議会の皆さんのご支援をいただきながら努力してまいりたいと思っております。
 次に、世界リゾート博についての対応でございます。
 お話ございましたように、本年の四月一日に機構改革によって知事公室内に推進局を設置するとともに、リゾート博協会においても二部制を四部八課制に改めて推進体制の強化を図ったところでございまして、現在、協会では、ことしの八月をめどに第二次実施計画を策定すべく、会場計画、出展、イベントなどの各部門の具体化を進めつつございます。
 また、リゾート博を成功に導くために庁内組織である推進本部を設置しておりますけれども、ここにおいて交通アクセスを初めとする諸問題の解決や各部門の計画の推進に一丸となって取り組んでいるところでございまして、世界リゾート博の開催まで残り二年となった今、是が非でもこの博覧会を成功させるべく諸体制を進めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) まず、景気対策に関連をして数点お答え申し上げます。
 県の公共事業等の施行状況でございますが、本年五月末の契約率は三二・七%でございまして、前年同月に比べて九・六%上回っております。今後、対象事業費千五百五十七億円に対する上半期目標契約率である八〇%の達成に向けて、円滑な事業施行に努めてまいりたいと考えております。
 次に、平成三年度及び平成四年度の県税収入についてでございますが、まず平成三年度の県税決算見込み額は一千四十二億円余で、前年度決算額に対して八億六千余万円、〇・八%の増となる見込みでございます。
 税目別の状況を申し上げますと、まず個人県民税で前年実績を一一%上回る大幅な増収となっております。自動車税、軽油引取税、個人事業税等でも増収となっております。県民税利子割は、昨年からの金利低下等の影響により、前年実績対比で三・五%という低い伸びにとどまっております。
 一方、法人二税につきましては、建設業、化学工業等、一部好調な業種もございましたが、石油等製品製造業、鉄鋼業、証券業、不動産業、サービス業等を中心に前年度実績を割り込み、全体では前年度実績を四・七%下回る厳しい結果となっております。不動産取得税についても、土地取引の減少を反映して前年度実績を一一%程度下回っております。
 平成四年度の県税収入の見通しでございますが、当初予算におきましては、景気の先行きが極めて不透明で、特に法人二税で大幅な落ち込みが予測されることなどから、前年度当初比九七・五%、二十六億円減の一千五億円を計上したところでございます。
 特に、ご指摘の法人二税について三月決算法人の申告状況を見ますと、建設業、小売卸売業は伸びてはおりますが、基幹産業である鉄鋼関連法人では昨年に引き続いて不振であります。電力関連法人でも、分割基準の低下によって大幅な減収となっております。さらに、証券業、不動産業等でも同様の状況にございます。全体として非常に厳しい状況にございます。
 県民税利子割につきましても、公定歩合の引き下げに伴う預貯金金利の低下により、五月末実績で前年同期を下回っております。一方、個人県民税においてはある程度の増収が見込まれ、またその他の税目でもまずまずの推移となっております。
 いずれにいたしましても、年度当初のことであり、確かな見通しを申し上げることはできませんが、総じて現段階では非常に厳しい状況にございますので、今後の動向に留意をしながら賦課徴収両面にわたって一層の努力を傾注し、税収の確保に努めてまいりたいと考えております。
 それから、国の大型補正の見通しと下半期の公共事業の確保についてでございます。
 現在、公共事業等の前倒しを含む緊急経済対策を実施しているところでございまして、まずはその効果が上がるよう引き続きこれを着実に実施していく必要があるものと考えておりますが、最近、景気が依然として低迷傾向にあることから、追加的な景気対策として大型補正予算の編成や住宅建設、投資減税、民間設備投資の促進などを内容とする緊急経済政策が論議をされております。ただ、景気動向の見きわめや税収の低迷による財源の確保といった問題もありまして、その規模、時期等について明確な方向が打ち出されていない状況でございます。
 県の今後の対応につきましては、今般の景気対策の効果の浸透度合いや県内の経済情勢の推移等を見守りながら、他方、公共事業を中心とした国の補正予算の編成を柱とする新たな景気対策の動向も見ながら、適切に対応をしてまいりたいと考えております。
 次に世界リゾート博に関連をして、イベント宝くじの発行についてでございます。
 地方博覧会のために発売をするいわゆるイベント宝くじにつきましては、現在、自治省令で、昭和六十三年度から平成五年度までの間に行われる博覧会であることと定められております。また、その発売は博覧会の会場において行うこととされております。このため、本県でのイベント宝くじの発売につきましては、ただいま申し上げた省令の改正等、国における所要の手続が必要とされます。概算要求に向けて行ったさきの政府要望でもお願いをしているところでございますが、今後も、本県の世界リゾート博と同年度に博覧会の開催を予定している他府県とも連携をとりながら国に対して要望してまいりたいと考えております。
 最後に、学校週五日制に関連をして、私立学校との連携の問題でございます。
 学校週五日制実施に伴う私立学校の対応につきましては、現在、週五日制を実施している学校も多少はございますが、ほとんどの私立学校は実施をしておりません。県といたしましては、私立学校に対してさきの文部省通知を伝え、また過日も公私立高等学校協議会においてこの問題についての意見交換を行ったところでございます。その際、一部に週五日制の導入に向けて検討するという私立学校側の意見もございましたが、総じて趣旨そのものは是認をするものの、なお解決すべき課題があることから時期尚早との考え方の披瀝がございました。
 私立学校における週五日制の実施につきましては、基本的にはその建学の精神と独自性から各学校や各園の自主的な判断によるべきものと考えておりますが、県といたしましても、私立学校とさまざまの問題について話し合いをする場がございますので、そうした機会をとらえて公立学校における週五日制の実施状況等の情報を提供するなどして、さらにこの問題についての議論が深められることを期待いたしております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 新田議員にお答えをいたします。
 ご質問の、中小企業の振興資金の融資枠についてでございます。
 平成四年度の当初予算で二百億円と、昨年より四十五億円拡大をして実施したところでありますが、四月の緊急経済対策を受けてその融資枠をさらに二十億円増額し、二百二十億円で実施しているところでございます。
 その貸付状況でございますが、四月、五月の貸付実績で、昨年度より件数で百三十六件の増──昨年の同月では六十七件であったわけでございます──金額で十二億六百九十万円増となっており、貸付累計額としては二百一億二千四百十三万円となってございます。
 また、例年六月から受付を開始している夏季融資につきましても、受付を一カ月早め、五月から受付を始めたのでございますが、五月の実績として二十件、金額では一億四千九百三十三万円の利用がありました。
 このような状況を見ますと、県の融資制度の活用が図られ、中小企業金融の円滑化に効果が出ているものと思ってございます。
 なお、ご質問の新たな融資枠につきましては、今後の利用状況等を見守りながら対応してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 関西国際空港の全体構想に関する三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、推進懇の答申に対する本県の所見についてでございます。
 関西国際空港が真に国際ハブ空港としての機能を十分に発揮していくためには全体構想の早期実現が不可欠であり、本県としてもその推進に努力しているところでございます。
 大阪府が設置した関西国際空港全体構想推進懇談会の報告書につきましては、全体構想推進のための一つの提言と考えてございます。
 また、二期計画における出資等の問題についてのご質問でございますが、現在、運輸省及び関西国際空港株式会社において全体構想に関する調査が進められているところであり、この調査に基づいて事業計画、事業費等が明らかにされていくこととなります。
 こうした中で、二期計画の事業整備手法につきまして、今後、国初め関係者間で議論、調整が図られる手順になるものと考えてございます。
 次に、全体構想に関する調査費の地方自治体への新たな負担についてでございます。
 全体構想の早期実現のためには、まず、その前提となる建設計画、資金計画、収支採算等に関する所要の調査を実施する必要がございます。現在、運輸省と関西国際空港株式会社においてこうした諸調査が進められておりまして、今後ともこの両者によって現行の形で調査を続けていただけるものと認識をいたしてございます。
 次に、平成五年度の調査費に係る概算要求についてでございます。
 平成五年度の概算要求基準が去る六月二十三日に閣議決定されまして、一般会計では四・八%の伸び率と、前年度をやや上回ったところでございますが、経常的経費はマイナス一〇%、投資的経費が横ばいといった大変厳しい状況でございます。
 このような状況ではございますが、全体構想の早期実現を図るため、ボーリング調査等を含む調査費の確保に向けて、本県のみならず、オール関西で組織している関西国際空港全体構想早期実現期成会ともども要望活動を強化してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 知事公室長市川龍雄君。
 〔市川龍雄君、登壇〕
○知事公室長(市川龍雄君) 世界リゾート博につきましてお答えいたします。
 まず、松下興産株式会社が建設を予定している国際文化交流をテーマとした施設の概要と建設着工の見通しについてでございますが、松下興産によりますと、施設は、海外リゾート地をイメージした外観にシミュレーション技術を駆使した海洋体験型の各種施設を内容とした国際テーマパークでございます。着工は平成四年十二月の予定でございます。
 なお、その詳細につきましては、近く松下興産から発表される予定でございます。
 次に目標入場者の数についてでございますが、世界リゾート博協会での調査では目標入場者数の百万人を上回ることが予測されていますので、それに対応すべく、運営、交通輸送、宿泊並びに観客誘致などの各計画を検討しているところでございます。
 目標入場者数の見直しにつきましては、この夏に予定している交通量調査の結果等も踏まえて慎重に検討してまいりたいと考えてございます。
 また、資金計画につきましては、協会事業費五十億円の計画で進めているところでございますが、第二次実施計画の策定を進める中で検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、入場料金につきましては、前売り券の発売開始時期を来年春ごろに予定しておりまして、他博の状況も参考にしながら早急に決定してまいりたいと考えてございます。
 また、PRについてでございますが、ご指摘のように、世界リゾート博の成功に向け、積極的なPRが大変重要であると考えてございます。このため、広報宣伝活動を積極的に行うべく広報計画を立てております。県外向けの広報誌「CaN」につきましても、その一環としてリゾート博のPRを実施したものでございます。
 本年度は、県内及び京阪神地区を対象としてキャラバン隊による広報キャンペーンを実施するとともに、九月には大阪においてマスコミ関係約百社を対象に記者説明会を実施するなど、博覧会に対する関心と注目を高めてまいることとしてございます。
 また、来年度以降につきましても、前売り券の発売時期等に合わせ、テレビスポットなど効果的なPRを行うとともに、首都圏についてもマスコミに対する積極的な情報提供などを行うこととしてございます。
 今後とも、県と協会はもとより、関係機関それぞれがさまざまな広報媒体の活用を図るなど、広報宣伝活動に力を入れてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答え申し上げます。
 和歌山マリーナシティの市街化区域の編入と用途地域指定でございますが、マリーナシティで開催する世界リゾート博に供される建築物につきましては、恒久施設も含めて本年度中に建築確認申請が提出されると伺っております。
 恒久施設の建築確認を行うためには、建設される場所が市街化区域であり、適切な用途地域が指定されていることが必要と考えております。このため、現在、マリーナシティを市街化区域に編入し、用途地域を指定すべく国及び和歌山市と協議中で、今後の建築のスケジュールに支障のないよう進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 学校週五日制と外国語教育についてお答えいたします。
 学校週五日制を月一回実施する場合には、各学校において休業日となる土曜日を見通した年間教育計画を作成するとともに、授業時数の確保、教材の精選及び指導の改善充実等により教育水準を維持できると考えてございます。
 ご指摘がありました授業時数の扱いにつきましては、月曜日から金曜日までの教育内容の充実及び学校裁量の時間の有効な活用という観点から、市町村教育委員会と連携して指導してまいります。
 また、短縮授業の見直しにつきましては、これまでも指導してきたところでありますが、さらに本年度は週五日制の導入とも関連させながら積極的に取り組んでおります。
 次に、学校施設の開放と部活動との関連についてでございますが、学校週五日制を実施する上で、子供たちの自発的な活動の場として学校の施設を積極的に地域へ開放することが必要と考えます。このため、各学校において部活動と調整を図りながら円滑に開放が行われるよう、市町村教育委員会とも連携して指導してまいりたいと考えます。
 私学との連携につきましては、総務部長の答弁にありましたように、このほど公私立高等学校協議会において話し合いが持たれ、過日実施したアンケート調査の結果などに基づいて率直な意見交換がなされました。その中で、学校週五日制の趣旨について理解を得られたところであります。
 今後とも、心豊かでたくましい人間を育成する教育の新しいあり方を目指して、連絡協議会などの組織化を図りながら、一層協力を求めていかなければならないと考えてございます。
 学校週五日制を月二回実施する件につきましては、現在、調査研究協力校に指定している県下の三地域十四校園において、その具体的な方法や課題について研究を進めているところであります。
 今後、指導内容や指導方法の工夫改善、授業時数の確保と児童生徒の学習負担等、調査研究協力校の研究成果等を踏まえるとともに、国の動向も見守りながら慎重な検討が必要であると考えております。
 次に外国語教育についてでございますが、国際化が著しく進展する中で外国の人々との相互理解を深めコミュニケーションを図るため、英語を聞き、話す能力の育成を重視することが求められてございます。
 教育委員会といたしましては、日々の英語の授業の中に聞くことと話すことの活動をより多く取り入れる一方、英語指導助手との共同授業を実施すること等に努めているところでございます。
 また、新しい学習指導要領では、平成六年度から高等学校において英会話を中心とする科目オーラル・コミュニケーションを開講し、すべての生徒に履修させることとしています。
 こうした新しい英語教育を推進するには、英語教員の指導力の向上が極めて大切であります。そのため、中学、高校の英語教員を対象とした英語実技研修会等を開催するとともに、アメリカ及びイギリスの大学における二カ月ないし六カ月の英語学研修に派遣するなど、英語教員の資質の向上に努めているところであります。
 また、音声重視の英語教育を推進する観点から、平成元年度から高校入試において英語のヒアリングテストを導入しているところでありますが、新しい英語教育の方向を踏まえながら、より一層の充実に向けて検討してまいりたいと考えております。今後とも、英語教育の充実改善と教員の資質の向上に努力してまいる所存であります。
 最後に、小学校における英語教育についてでございます。本年度から実施されている新しい学習指導要領においては英語教育を行うことが位置づけられておりませんが、国際理解を深めることについては小学校段階から積極的に進める必要があるとされております。
 本県においても、本年度、特に指導の重点の一つとして、小・中・高、一貫した国際理解教育の推進を掲げております。このことについて、例えば美浜町や太地町において、地方の特色を生かした教育の一環として英語指導助手を活用している例がございます。小学校における英語教育につきましては、今後、全国的な動向を十分研究しながら、さまざまな条件等を含め検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) 再質問がないようでございますので、以上で新田和弘君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(山本 一君) この際、暫時休憩いたします。
 午後零時六分休憩
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