平成4年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第二号 平成四年六月二十九日(月曜日)
     午前十時開議
 第一 議案第八十六号から議案第百六号まで、及び報第一号から報第五号まで(質疑)
 第二 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第八十六号から議案第百六号まで、及び報第一号から報第五号まで(質疑)
 二 一般質問
出 席 議 員(四十五人)
 1 番 尾 崎 要 二
 2 番 中 村 裕 一
 3 番 下 川 俊 樹
 4 番 石 田 真 敏
 5 番 中 村 隆 行
 6 番 木 下 秀 男
 7 番 岡 本   保
 8 番 藁 科 義 清
 9 番 北 村   翼
 10 番 小 川   武
 11 番 上野山  親 主
 12 番 井 出 益 弘
 13 番 町 田   亘
 14 番 尾 崎 吉 弘
 15 番 門   三佐博 
 16 番 西 本 長 浩
 17 番 高 瀬 勝 助
 18 番 冨 安 民 浩
 19 番 和 田 正 一
 20 番 阪 部 菊 雄
 21 番 平 越 孝 哉
 22 番 大 江 康 弘
 23 番 岸 本 光 造
 24 番 山 本   一
 25 番 吉 井 和 視
 26 番 浜 田 真 輔
 27 番 堀 本 隆 男
 28 番 宇治田  栄 蔵
 29 番 富 田   豊
 30 番 中 村 利 男
 31 番 馬 頭 哲 弥
 32 番 宗   正 彦
 33 番 鶴 田 至 弘
 34 番 上 野 哲 弘
 35 番 村 岡 キミ子  
 36 番 松 本 貞 次
 37 番 木 下 義 夫
 38 番 和 田 正 人
 39 番 中 西 雄 幸
 40 番 橋 本   進
 41 番 野見山    海
 43 番 浜 本   収
 44 番 新 田 和 弘
 45 番 浜 口 矩 一
 46 番 森 本 明 雄
欠 席 議 員(一人)
 42 番 森   正 樹
 〔備 考〕
 47 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 西 口   勇
 出納長 梅 田 善 彦
 知事公室長 市 川 龍 雄
 総務部長 山 中 昭 栄
 企画部長 佐 武 廸 生
 民生部長 吉 井 清 純
 保健環境部長 遠 藤   明
 商工労働部長 中 西 伸 雄
 農林水産部長 中 村   昇
 土木部長 山 田   功
 企業局長 高 瀬 芳 彦
  以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
    岩 崎 正 夫
 教育長 西 川 時千代 
  以下教育次長
 公安委員会委員長
    玉 置 英 夫
 警察本部長 中 長 昌 一
  以下各部長
 人事委員会委員長
    水 谷 舜 介
  人事委員会事務局長
 代表監査委員 宮 本 政 昭
  監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
    稲 住 義 之
  選挙管理委員会書記長
  地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 塩 崎 省 吉
 次 長 中 村   彰
 議事課長 中 西 俊 二
 議事課副課長 佐 竹 欣 司
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主事 古 井 美 次
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 川 端 孝 治
 調査課長 大 畑   巌
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課主査 鎌 田   繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時三分開議
○議長(山本 一君) これより本日の会議を開きます。
○議長(山本 一君) この際、藍綬褒章受章の議員に対する記念品の贈呈を行うため、このまま暫時休憩いたします。
 午前十時四分休憩
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 記 念 品 贈 呈 式
○事務局長(塩崎省吉君) ただいまから、藍綬褒章受章の議員に対する記念品の贈呈式を行います。
 去る四月二十九日、地方自治の発展に貢献せられたゆえをもって藍綬褒章を受章されました尾崎吉弘議員に対し、議長から記念品が贈られます。
 尾崎吉弘殿。
 〔議長から尾崎吉弘君に記念品を贈呈〕(拍手)
○事務局長(塩崎省吉君) 記念品の贈呈が終わりました。
 それでは、知事のご祝辞をお願いいたします。
 〔仮谷志良君、登壇〕(拍手)
○知事(仮谷志良君) このたび藍綬褒章の栄に輝きました尾崎吉弘議員に、心からお祝いを申し上げます。
 尾崎議員には、長年にわたり、地方自治わけても和歌山県勢発展のために多大の貢献をされました。今回のご受章は、三期十二年の和歌山市議会、また現在まで四期十三年の県議会における議員活動において、選出地域はもとより和歌山県全体の均衡ある発展を願う熱き心を持って活躍を続けてこられたことが評価されてのご受章でございます。尾崎議員を支えてこられたご家族、さらには常にご支援を惜しまなかった支持者の皆さんのお喜びも、ひとしおのものがあろうかと存じます。県民を代表いたしまして、心からお祝いを申し上げます。
 時代の移り変わりの激しい現代社会でございます。人々の価値観も常に変化をしております。こうした中で住民の多様なニーズに十分にこたえながら議員活動を続けていただくことは、並み大抵のことではございません。しかも、政治家には四年に一度の厳しい試練があるわけでございます。そうした試練に打ちかって県政のためにご努力いただくということは非常にすばらしいことであり、またこのことは人格、識見、手腕、行動力がいかにすぐれていらっしゃるかということの証左でもあると存じます。
 今、国政においても、経済大国となった日本の進路、また国際社会における果たすべき役割、さらには政治改革の問題など、大きな問題を抱えております。本県においても関西国際空港の開港が二年後に迫るなど、あすの和歌山県の発展のために今非常に重要なときにあると考えます。
 どうか、尾崎議員におかれましては、すばらしい識見、実行力、行動力を生かして和歌山県発展のために格段のご尽力を賜りますようお願い申し上げまして、お祝いの言葉とさせていただきます。おめでとうございます。
○事務局長(塩崎省吉君) 引き続きまして、受章議員からごあいさつがございます。
 尾崎吉弘殿。
 〔尾崎吉弘君、登壇〕(拍手)
○尾崎吉弘君 ただいま、先輩・同僚議員のご指導によりまして、議会から、代表して議長様よりすばらしい肖像画をちょうだいいたしました。そしてまた、百万県民を代表いたしまして知事から身に余るお言葉をちょうだいし、現時点における和歌山県の大切さというものも力説されました。心から感謝しながら、浅学非才の身ではございますけれども、改めて和歌山県発展のために微力を尽くす決意でございます。
 ここに厚く御礼を申し上げまして、ごあいさつといたします。
○事務局長(塩崎省吉君) 以上をもちまして、記念品贈呈式を終わります。
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 午前十時九分再開
○議長(山本 一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(山本 一君) この際、報告いたします。
 過日提出のあった議案第八十六号から議案第八十九号まで、議案第九十六号、議案第九十七号及び議案第九十九号については職員に関する条例の改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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      和人委第115号
      平成4年6月24日
 和歌山県議会議長 山 本 一 殿
  和歌山県人事委員会委員長 水 谷 舜 介
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成4年6月22日付け和議会第98号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
     記
 議案第86号 和歌山県の休日を定める条例の一部を改正する条例
 議案第87号 職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第88号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第89号 和歌山県退職年金及び退職一時金に関する特別取扱条例等の一部を改正する条例
 議案第96号 教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第97号 市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第99号 警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
    意 見
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(山本 一君) 次に、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から現金出納検査の結果報告がありましたので、報告いたします。
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○議長(山本 一君) 日程第一、議案第八十六号から議案第百六号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第五号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 14番尾崎吉弘君。
 〔尾崎吉弘君、登壇〕(拍手)
○尾崎吉弘君 最初に登壇のお許しをいただいたことに感謝をしながら、通告順に質問を進めてまいりたいと思います。
 まず、今議会に上程されている完全週休二日制についてであります。
 この完全週休二日制が九月一日より導入されるわけであります。聞くところによりますと、四県を残して他の都道府県すべて六月及び五月議会に上程をされておるようでございますけれども、週休二日というのは官公業務が始まって以来のことでございますし、それが行われる直前の最後の本会議でありますので、それぞれの委員会で十分慎重に審議をされてきたとは存じますが、この際、質問をしておきたいと思うのであります。
 この制度の導入につきましては、よく言われている労働時間の短縮ということが一つの大きな目的であろうと思うわけでありますが、これと並行して、民間の労働時間の短縮ということも言われておるわけであります。それらは都道府県それぞれの事情によって一律ではないものと思いますけれども、民間においても二日制を週休としているところがかなりあらわれてきておるのは事実であります。
 地方公共団体という、公民へのサービスということに主眼を置いた行政を行っているところといたしましては、今までも試行ということでこの完全週休二日制の導入に際して準備段階として種々ご検討されてきたと思うのでありますが、その上にも県民に不便をかけることのないように、不安をもたらすことのないように万全の体制をとるべきであろうと思うのであります。
 そこで、労働時間の短縮とそれに伴う予算、職員数、そして仕事の能率、質、住民サービスの向上という行政の大きな目的と関係してどのように考えておられるのか、それらとどのようにかかわっておるのかということをお尋ねいたします。
 また、具体的に、例えば有功ケ丘学園のような入所型福祉施設、あるいは美術館や図書館というような県民の文化と大きく関係のある機関、そしてまた県民の医療のセンターであり教育機関でもある和歌山県立医科大学が持っている附属病院の外来部門の土曜日の休診等に対してどのような措置をとられようとしておるのか、お伺いを申し上げる次第であります。
 次に学校の週五日制の導入についてでございますけれども、これは、同じ九月一日から月に一回週休二日の週があるということであります。これに際して、常任委員会あるいはこの本会議でもこの問題は議論をされてまいりました。しかし、これもいまだ父兄の不安解消には至っておらないと思われます。
 そこで、いよいよこの制度を導入していくに際して六月定例議会において改めてご質問を申し上げるわけでありますが、この制度導入の目的とその目的遂行のための着実な諸施策についてお伺いをするわけであります。
 冒頭に申し上げましたように、いまだ父兄の不安というものが消えておらないわけでありますので、さらにご父兄の不安に対する対応をどのようにしていくか。
 それから、学力低下が起こるのではないかという問題があります。それでなくても近畿や全国の平均より極めて少ない授業時間となっている我が県では、特に学力の向上を目指していこうとしておるときにこの制度の導入でありますから、この制度が導入されても学力は下がらないという消極的なことだけではなしに、この際にどのようにして子供たちの学力をつけていくか、この点についてのご見解をお聞かせいただきたいのであります。
 また、そのためには、当然、授業の質、内容の向上が問題になろうかと思うわけでありますが、授業の質の向上についてはどのような形で取り組まれようとしておるのか、お尋ねをいたします。
 次に、子供たちが学校で勉強する、すなわち学校におる時間と学校におらない時間がございます。土曜日が休日になるということは、その日は学校におらないというわけでありますが、この学校外での子供たちのあり方について教育委員会と民生部とにお尋ねを申し上げます。
 休業となる土曜日に親のいない子供、特に心身障害のある子供たちへの対応策として、どのように取り組もうとしておられるのか。また、社会や青少年団体、青少年施設のあり方、その適切な指導のできるマンパワーの確保ということも大切だと思いますが、その点についてもお伺いいたします。子供たちの学校内対策と学校外対策について、それぞれお答えをいただきたいのであります。
 第三番目、私の足元にと申し上げてもよいわけでありますが、同時にこの県庁の足元に、県庁から車で五分とかからないようなところに、戦後いまだ終わらざるところが二カ所ございます。最近は、ODA、PKO、生活大国、世界における日本の貢献のあり方ということがしきりにテレビや新聞をにぎわしておる昨今でありますが、私の地元にはいまだ終戦後の処理が終わらない、そのままほったらかしというところが二カ所あるわけでございます。
 まず一つは、和歌山下津港本港の後背地の、昔の防風林の跡であります。番地で申し上げますと、和歌山市湊薬種畑ノ坪一三三四番地地先──「地先」ということで呼ばしていただかなければならないと思いますが、昔は白砂青松の地でありました。我々子供のころは松の生えた防風林の山を乗り越えて泳ぎに行ったり釣りに行ったりしたものでございますけれども、昭和二十年七月九日の和歌山の空襲の後に、当時の事情にもよりましょうが、トタンぶきの家があちこちと建ち始めました。それが今日まで続いているということであります。
 戦後、小野知事、大橋知事、仮谷知事と、和歌山県行政はかわってまいりましたが、いずれもの知事さんも、国から管理を移管されたこの地帯についての指導ということがなされていなかったように思うのであります。そうして現在、約七十戸の家があるわけであります。「住めば都」という言葉もございます。そこに住んでおられる方々の立場ということも考えなければなりません。しかし、戦後半世紀を経て、いまだ住民として、固定資産税やその他、他の和歌山市民と全く異なる形で戦後状態のまま存在をするということは許されないことでなかろうかと思うのであります。
 この問題につきましては、建設省の和歌山工事事務所も同じ地区内にあるわけでありまして、この状態を知っておるはずであります。県庁の中では、たまたま防風林、保安林を解除されてからは河川課が海岸法という立場から管理をすることになっておるようでありますけれども、一つの課のみで解決していける問題ではない。県庁内全体あるいは和歌山市等ともよく相談をしてこの問題の解決に乗り出していただかねばならないと思うのでありますが、知事及び関係部長の決意ある答弁を求めるものであります。
 次に、同じく二十四部隊兵舎跡──昔、兵隊さんがおった兵舎の建物をそのまま利用して、その中を区切って仮の住まいをつくった。そこに引揚者の方々が来られた。それがそのままの状態で今日まで続いておるのであります。六十二世帯が住んでおられるわけでありますが、木造住宅の耐用年数などからいたしますと、戦前の兵舎の建物のままということでありますから、おのずからその年限のほどもわかろうかと思うのであります。いただいている家賃は一カ月八十円、そのかわり雨が降っても県は修理をしないということで、そのままの状態になっております。我々は、その方角にサイレンが鳴りますと、何か事故があったのではないか、火事が起こったのではないかということを常に心配をするところであります。
 こういうものを今もなお終戦の当時のままに置いておくということは許されないわけでありまして、この土地の所有は国のものでありますけれども、県がお借りをしてここに引揚者住宅を建てたということであります。以前にこの問題を質問して住民へのアンケートをとっておりましたけれども、そのアンケートが解決に向かって生かされたということは聞いておらない。今また、一軒一軒、住んでおられる方のご事情を聴取しておるようでありますが、この現在の努力が解決に直結するということが大切でありまして、解決のための方針を確立して住んでおられる住民の方との話し合いに入ってもらいたい。どのようにして解決していこうとしておるのか、その時期についてはどんなに考えておられるのかということをお伺い申し上げます。
 次に、港湾についてであります。
 これは、毎回この壇上からご質問を申し上げてきたわけでありますが、一つは、昭和六十年から昭和七十年──昭和七十年は平成七年に当たります──という十年間の和歌山下津港の改定計画が昭和六十年にできて今日その計画を遂行中でありますけれども、約三分の二の時を経過した時点に当たって今まで来った成果を振り返り、いまだ手つかずのものにはどういうものがあるのか、問題点は何かということを整理しておく必要があろうかと思うのであります。
 そこで、現在行っている和歌山下津港の港湾計画についての進捗状況というものをまずお話しいただき、そして、その後どうしていくかということについてご質問を申し上げるわけであります。
 その中の主なものには、マリーナシティもございます。これは第一工区、第二工区とありまして、これらについての進捗状況、また毛見一号線、二号線、それからアクセス道路として四十二号線の拡幅ということが問題になっておるわけでありますが、用地買収やトンネル工事の話、そしてまた和歌山市がやっているシーサイドロード、これらの現状と問題点、さらにどのように解決し、いつごろに目標を持っているかということをこの際お聞きしておきたいと思うのであります。
 また、本港の中では、西浜埠頭の水深十二メートル岸壁と埠頭についてはどのようになっておるのか。続いて、十三メートル岸壁と埠頭用地の整備についてはどのような形で進めていこうとしておるのか。それから、木材港の水面貯木場の着手はいつやるのか。これも第一工区、第二工区というふうに分けてやるだろうと思いますが、進捗状況と申しましょうか、どのような計画で進んでいくのか。くし形の木材港の埋め立てに並行して、内川の係留せる材木を撤去する最後の機会はこのときをおいてほかにない、最後のチャンスをしっかりと生かしてもらいたいということをこの議場から何遍も申し上げてきたわけであります。そういうこともありまして、木材港の取り組み方の所信を改めてお伺いするものであります。
 次に、この和歌山下津港改定計画という十年計画の目玉は何か。もちろん、マリーナシティもございます。今申し上げてきたようなこともございます。しかし、当初の第一のポイントは、いかなる大学の先生にお聞きをしても、いかなるコンサルに相談をしても、二十一世紀の港湾というものは高速道路がその港に入っておるか、もしくは入っておるのに近い状態でなければその港湾は絶対に栄えることはないということを言われておるわけであります。この当然のことである港湾へのアクセス、高速道路へのアクセスということに主眼を置いた、現在やっとかかった紀の川河口大橋のたもとから紀の川右岸線を通って国道二十六号線に接続するという計画でありますが、これは、港を高速に乗っているのと近い状態にする、信号なしで国の幹線軸に出られるようにするという画期的な計画でありまして、これにかける期待は極めて大きいのであります。
 この計画の発表のときから、国道二十六号線ではだめだ、第二阪和まで絶対につながらなければならないということを私も言い、他の議員も主張されました。そういう努力もあわせしていくとの答弁も得ておるわけでありますが、まず計画の中で二十六号までという──この問題は難しいということを職員の皆さんがおっしゃいますけれども、この計画は、和歌山県が自主的につくって港湾審議会にかけ、国の認可を得てつくった計画であります。みずからその困難を予想しながらも、港湾の発展のためにはどんなに苦しくともこれはやり抜くということを決意した計画でありますので、いまだ手つかずのままほうってありますけれども、何としてもやり抜くという決意とその進め方、タイムスケジュール等についてお聞かせをいただきたいのであります。
 次に、和歌山下津港改定計画は十年でありますけれども、たまたま国の第八次港湾計画というものが平成二年度から五年間──ちょうど平成七年ということになるわけでありまして、すなわち国の第八次港湾計画と和歌山下津港計画の後半の五年間が一致しておるのであります。国の第九次港湾計画が平成七年度から、そして今行っている和歌山下津港計画の次の十年間の計画も平成七年度からということになるわけでありまして、それに備えて今準備中であるということを承っております。
 今までも、和歌山下津港という港の日本の中での位置づけ、近畿の中における役割や位置づけ、どういう港にしていくのか、何をねらいとした、どんな荷物を主体とした物流の拠点にするのか、はっきりとした港づくりをしてもらいたいということを何遍も要望してきたわけでありますが、なかなかそれがはっきりとなっておらない。スピードの速いこの時代であります。次の計画のときが最後だと思うので、次の第九次、そしてまた次の和歌山下津港の改定十年計画、これこそ和歌山県の海の将来の決め手になろうかと私は思うのであります。
 例えば、そのあり方によってコンテナ化する社会にどんなに対応をしていくとか、さらにアクセス道路をどうするか、本港の周辺をどんなに整備していくか、あるいは背後地である都市の中で起こってくるいろいろな問題、例えば産業廃棄物や一般廃棄物等と港湾のかかわりはどうかとか。現にフェニックスへ産業廃棄物を積み出す基地としても和歌山下津港が言われておりまして、将来にわたってもこの都市問題を解決していく場所として港湾が言われておるわけでありますから、次の計画の大切なことは論をまたないところであります。こういう次の計画に際しての準備、決意といった点をお聞かせいただきたい。また、次の計画の中でマリーナをつくりますが、マリーナだけではなしに和歌浦湾全体をどのような魅力のあるものにしていくかというような問題を次の計画の中で展開してもらいたいと思いますが、そういうことについての考えもお聞かせいただきたいのであります。
 この平成七年度から始まる計画については、平成五年度より国から調査費がつくはずであります。国からつく調査費でありますから、必ず調査をして平成七年から始めるということになるわけでありますが、調査というものは主体性を持ってこそ調査であります。どのようなことをねらいとして調査をするかということになるわけでありますから、自分自身の考え方をしっかりと持っておらなければならない。その港湾管理者である和歌山県知事に、次の港湾計画策定に際して決意を持ってお臨みいただきたいということを特に要望するものであります。
 また、和歌山下津港以外に、和歌山県の均衡ある発展ということが先ほどの言葉の中にもございましたように、港では、田辺湾もございますが、日高港、新宮港というのがそれぞれの地区において将来は大きな働きをしていくに違いないと思います。日高港も、昭和五十八年の港湾計画策定以後、一部の変更がございましたが、これらの進捗状況と漁業団体との調整はどうなっておるのか。これに取り組む当局の手だてをお聞かせいただきたいのであります。また新宮港につきましては、十メートル岸壁から船舶がだんだんと大型化していく時代に即応した、対応のできる港をつくることが大切でありますが、これの実施計画の策定の時期、工事の着手の時期を、この際お伺いしておきたいと思います。
 最後に、和歌山県地域情報化推進計画についてお伺いを申し上げます。
 道路やその他で他府県と比べて残念ながらおくれをとってまいった和歌山県、少なくとも情報については先進県と呼ばれるような県でありたいという願いを込めまして、今までもこの議場で何人かの同僚議員の皆さん方が質問をされてまいりました。前回には私も質問をさせていただきました。
 和歌山県では、「情報文化立県和歌山」というふうに書かれた冊子をつくったわけであります。情報文化立県──情報立県ではなしに「文化」を添えた。知恵を備えた情報という意味だということでありますが、なかなか命名は悪くないと私は思っておるわけであります。要は、その中身であります。そしてそれよりも大切なことは、どう進めていって実現をするかということであります。
 これは西暦二〇〇〇年をその目標としておるようでございますが、これを読んでみて、書いておることはもっともなんですが、印象としては具体的なイメージに乏しい。二〇〇〇年が目標でありますが、二〇〇〇年になったら和歌山県の情報はどうなっておるのか、県民が利用しようと思えばこんなこともできる、あんなこともできる、和歌山県へ来ようとする企業や現在ある企業がどんな情報を取り寄せることができ、どんな発信をすることができ、他府県に比べてどんなに便利になっておるのか、また庁内のそれぞれの部課が情報を行政に取り入れてどんな活躍ができるようになっておるのかというイメージが浮かんでこないのであります。こう申し上げますと、それはこれからやるんだということであります。まず、できれば年内に和歌山県情報化推進協議会というのをつくりたいと言っております。この情報化推進協議会というものを推進の中心に置いて、ここでいろいろな方向やあり方を検討しながら二〇〇〇年を目指して進めていくというのが今回の計画のようでございますので、この協議会の内容、いつつくるか、そして具体的にどんな手段で進めていくのかということを明快に、わかりやすく、イメージが浮かんでくるような答弁をお願い申し上げまして、第一回目の質問を終わらせていただきます。
○議長(山本 一君) ただいまの尾崎吉弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 尾崎議員にお答え申し上げます。
 まず第一点の、国有海浜地の整備と新生寮対策についてでございます。
 議員からご指摘のとおりでございまして、私は残された大きな課題だと痛感しておるわけでございます。これらの問題についてはいろいろ難しい点もあるわけでございますけれども、積極的にこれに取り組んでまいる所存でございます。その対応につきましては、各部長から答弁させていただきます。
 また、和歌山下津港の計画についてでございます。
 話ございましたように、昭和六十年におおむね平成七年を目標として策定したものでございまして、その後、一部変更はいたしておりますが、現在の進捗状況はどうかという点でございます。
 西浜地区の水深十二メートルの大型岸壁、雑賀崎地区の埋立工事、マリーナシティ等の工事を含めますと、全体の約七〇%が達成いたしております。しかしながら、話ございましたように、残された問題として紀の川右岸線がございます。この道につきましては、用地取得の問題、また関係機関等の調整に難航が予想されますけれども、今後とも関係者のご協力を得ながら努力してまいりたいと思います。
 また、改定計画の基本方針等の要望等については十分配慮してまいりたいと思っております。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 完全週休二日制の導入の問題でございます。
 我が国の労働時間が欧米諸国に比べて長いということから、これを短縮してゆとりある国民生活の実現を促進いたしますために、本年五月から国において完全週休二日制が実施をされました。都道府県段階では、四県を除き、残りすべての都道府県がこの五月、六月議会に完全週休二日制の条例案を提案しております。
 本県におきましても、国、地方が一体となって労働時間の短縮を促進する必要があること、また公務能力の向上等を図るために完全週休二日制を導入することといたしまして、関係条例の改正をお願いしているところでございます。
 民間企業における週休二日制が事務の合理化や労働生産性の向上を図ることを前提して実施されているということから見ましても、完全週休二日制の導入に際しては、予算、定員の増加を来さないことはもとより、行政事務の簡素合理化等を通じて公務能率の向上に努め、行政サービスを低下させないことに留意をいたしております。
 具体的には、ご質問にございました有功ケ丘学園などの入所型福祉施設や近代美術館などの週末に利用率の高い施設等につきましては、職員の交代制勤務により、従来と同様、土曜日にも業務を行うこととしておりまして、利用者に影響のないようにと考えております。
 また、医科大学附属病院につきましては、土曜日の外来部門を休診させていただきたいと考えておりますが、その対応策として、救急室の新増設、救急担当医師の新設、担当看護婦の増員等によって救急体制を強化し、また各診療科受付での趣旨の説明と次回の診療日の設定を工夫するなどによって患者の皆様のご迷惑にならないようにいたしたいと考えております。
○議長(山本 一君) 民生部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) 尾崎議員にお答えをいたしたいと思います。
 まず、学校週五日制導入に伴う子供の受け入れ態勢についてお答えをいたします。
 学校週五日制導入に伴う青少年の学校外活動につきましては、これまで民生部内に青少年の学校外活動に関する特別委員会を設置し、必要な施策について協議するとともに、県教育委員会とも連絡会議を設け、青少年の学校外活動の基盤強化に向けた具体的な各種施策の実施について鋭意検討しているところでございますが、当面、県としては青少年団体等への加入の促進や地域活動への支援を行うとともに、青年の家、少年自然の家等の施設を第二土曜日に一般開放したり、施設ごとに主催事業を実施するなど検討しているところでございます。
 また、児童館、隣保館における青少年を対象とする各種活動につきましても、効果的な活動を進められるよう、県下の関係市町村に協力を要請してまいりたいと考えてございます。
 特に心身に障害のある児童については、健常児とともに地域活動に参加できるよう、そのための指導員の派遣やボランティアの協力など、一層の配慮を行う必要があると考えております。さらに、地域活動の機能を高めるため、既存の精神薄弱児施設等の活用についても検討していく所存でございます。
 いずれにいたしましても、こうした行政の取り組みはもとより、学校の協力、県内青少年団体、PTA等の社会教育関係団体を初め地域の方々の支援など、社会全般で受け入れるという体制の強化が必要であると考えており、今後ともなお一層教育委員会と連携を図ってまいる所存でございます。
 次に、新生寮対策についてお答えをいたします。
 新生寮につきましては、終戦後、海外からの引揚者及び戦争で罹災された多くの方々の中で特に住宅に困窮されている方に対し、元来木造兵舎だったものを修繕して応急的に設置されたものでございます。議員ご指摘のとおり、老朽化が進み、生活環境の面からも必要な対策を講ずべきであると認識してございます。
 戦後四十数年を経過し、今まで入居者と再三にわたり転居について話し合いを続けてきたところ、世帯数は年々減少し、現在、六十二世帯百十四人が入居してございます。県といたしましては、現在、入居者一人一人に面接し、それぞれの意見を聞いているところでありますが、その結果を踏まえ、今後、関係部局と協議しながら、でき得る限り早い解決に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 まず、国有海浜地の問題でございます。
 議員お話しの和歌山市湊字薬種畑ノ坪一三三四番地地先は海岸砂丘として形成をされ、砂丘上には防風林が造林されていた地域であります。現在、不法に占拠をされている地域は国有の海浜地となっており、約九千五百平方メートルのところに約七十戸の住宅等が建てられている状況であります。これは、昭和二十年七月の大空襲により住宅を焼失した人々が住宅を建てたのが発端となり、戦後、順次集落が形成をされたものであります。
 こうした状況に対しまして、行政としては、当時、戦後の復興が第一であり、計画的な住宅政策も立てられぬまま十分な指導や法的規制がとれない状況でありました。その後、港湾計画による海浜部の埋め立てが行われ、昭和四十一年には、背後地となった一部の海浜地において、臨港鉄道建設計画に伴い、不法占拠者に対する勧告、土地収用の手続等により対処してきたところでございます。
 この不法占拠の是正に当たりましては、議員ご指摘のとおり、現に生活を営んでいる実態を踏まえた対応も必要であると考えられます。関係機関等と協議をしながら総合的な対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、港湾についてでございます。
 まず主要地区ごとの進捗状況でございますが、平成七年を目標年次とする和歌山下津港の現港湾計画の主な地区ごとについてお答えをいたします。
 和歌山マリーナシティの埋め立てでございますが、第一工区は本年三月末に完了をしております。第二工区につきましては、平成六年三月末完了の予定であります。毛見一号線、毛見二号線につきましては、連絡橋を含め、平成六年のリゾート博までに完了をする予定であります。
 また、マリーナシティのアクセス道路のうちシーサイドロードにつきましては、平成四年度に和歌山市により、公共事業として事業化をされたところであります。県といたしましては、和歌山市を適切に指導し、事業の促進を図っていきたいと思っております。
 国道四十二号の毛見拡幅につきましては、本年度も用地買収を進め、年度内にはトンネル工事に着手ができると聞いております。
 本港地区の西浜埠頭でございますが、水深十二メーターの岸壁及び埠頭整備を進めております。現在、平成六年度供用を予定しております。それに続く水深十三メートルの岸壁並びに埠頭用地の整備については今年度より調査を開始する予定でございまして、早期に事業着手を図りたいと考えております。
 また、木材港の水面貯木場の埋め立てでございますが、木材関係者と調整を重ねており、基本的な合意は得られておると考えております。これも早期に事業着手を図りたいと考えております。
 本港雑賀崎地区の三十八・八ヘクタールの埋め立てでございますが、平成二年度より着手をし、一工区の埋め立てが平成六年三月末、二工区の埋め立てが平成八年三月末を完成予定としております。現在、外周施設を建設中であります。
 次に臨港道路紀の川右岸線でありますが、和歌山下津港の物流機能を強化する上で極めて重要な施設であると認識をしております。平成三年度を初年度とする第八次港湾整備五カ年計画内での事業着手を図るべく、現在そのルート等について検討を進めております。
 事業実施に当たりましては、和歌山市あるいは地元自治会等の積極的な協力が必要であろうと思われます。また用地取得についても相当期間が必要と思われますが、早期完成に向けて今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
 さらに、ご指摘のとおり、全体の道路網計画としては第二阪和国道等への接続が必要であると考えております。
 次に、港湾計画の改定のお話でございます。
 和歌山下津港の港湾計画につきましては、次期の改定に向け、平成三年度より基礎調査に入っているところでございます。今後は、現状における和歌山下津港の課題、背後圏の課題等を踏まえて、大阪湾における和歌山下津港の位置づけ、あるいは港内における諸機能の基本ゾーニング等を検討する予定であります。
 改定計画の基本方針を設定するに当たりましては、長期的な視点から方向を見定めることが必要であると考えております。特に大阪湾ベイエリアの構成員の一翼として、過密化しつつある大阪湾諸港の物流機能を補完していくことが肝要であると考えております。
 個別の課題といたしましては、コンテナ化への対応、港へのアクセス機能の強化、マリーナシティを核としたレクリエーション港湾機能の展開、廃棄物処理などの都市活動を支える港湾としての展開、また埋立地の再開発等がございますが、今後十分に検討してまいりたいと考えております。
 作業スケジュールでございますが、平成五年度からは、ご指摘のとおり国の補助も受けて環境調査等を行い、平成七年度改定を目標に進めていく予定であります。
 次に、日高港及び新宮港についてでございます。
 日高港につきましては、昭和五十八年に港湾計画が策定されているところでございますが、現在日高港に求められている諸要請に早期にこたえるため港湾計画の一部変更に取り組み、この六月、国の港湾審議会で承認をされたところであります。
 一方、漁業者の方々を中心とした地元調整につきましては、県と御坊市、美浜町が一体となって取り組んでおります。港湾整備への理解が得られつつあるのではないかと思います。
 今後は、市、町、地元の協力を得て具体的な漁業交渉に入り、平成五年度には本格的に工事着手ができるよう努力をしてまいります。
 次に新宮港でございますが、紀南地方の物流拠点港として重要な役割を果たしております。現在、水深十メートル岸壁がありますが、船舶の大型化に対応できる大型岸壁を整備し地域産業の活性化に対処するため、二期計画の調査を平成二年度より実施しておるところであります。平成四年度は実施計画策定の調査を行い、早期の事業着手に向けて努力をしてまいります。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 地域情報化推進計画についてのご質問にお答えいたします。
 議員お話しのとおり、情報は地域振興の重要な資源であると考えておりまして、このたび、西暦二〇〇〇年を目標とした県地域情報化推進計画を策定いたしたところでございます。策定に当たりましては、学識経験者、民間団体の代表者の方々はもとより、庁内各部局の次長を委員として、民官一体となって検討していただいたところでございます。
 今後、この計画の実現を期するため、県、市町村、民間団体の代表者で構成する、仮称ではございますが和歌山県情報化推進協議会を本年度中に設立し、基本計画の具体化と早急に取り組むべき課題を整理するための中期計画を策定するとともに、基盤整備部会や情報教育部会、観光・リゾート・文化情報部会等、具体的施策を立案する部会を設けてモデルプランの検討を行うなど、計画の実現に向けて努力をいたしたいと存じます。
 また、情報化に対する認識や感度を高めていくために、積極的な啓発活動を展開しながら新しいシステムの導入等の情報化施策を喚起するなど、牽引車としての役割を果たしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 学校週五日制の導入についてお答えいたします。
 国際化、情報化、高齢化などの急激な進展の中で、予測の困難なこれからの社会の変化に主体的に対応していくためには、過度に学校教育に依存することを改め、家庭や地域社会が持つ教育力に期待するとともに、豊かな自然体験、社会体験、生活体験を積ませることが求められてございます。
 学校週五日制は、子供が自由な時間を使って遊びや自然との触れ合い、スポーツ、文化活動、奉仕等の体験を幅広く行うことにより豊かな道徳性と社会性を養い、心豊かにたくましく生きていくことを目指す、これからの教育の新しいあり方につながるものであります。
 これまで教育委員会といたしましては、PTAやその他の団体など数多くの関係者から意見をいただくとともに、庁内の検討委員会であらゆる角度から検討を続け、導入に当たっての準備を進めてまいりました。しかし、議員ご指摘のとおり、多くの課題があることは事実であります。保護者等を対象に実施したアンケート調査においてもさまざまな不安や心配が出されてございます。
 まず、学力の低下にかかわる不安についてでありますが、学校週五日制を導入するに当たって教育水準の維持向上を図ることは極めて大切であると考えます。月一回の学校週五日制の場合、学校の諸行事や学期末試験後の半日授業等を見直すことにより授業の日数及び時間数を確保することは可能であり、さらに教材の精選を図り、指導の方法に創意工夫を凝らし、一時間一時間の授業のより一層の充実に努めるよう、市町村教育委員会並びに各学校に対して強く指導しているところでございます。
 次に学校外活動につきましては、関係部局と学校週五日制に係る青少年の学校外活動推進連絡会議を組織し、相互に連携を図りながらその充実、推進に取り組んでいるところであります。
 特に、休業日となる土曜日に保護者が家庭にいない子供や心身に障害のある子供等への対応についてでありますが、各学校において家庭や地域社会における児童生徒の生活実態をより的確に把握するとともに、学校週五日制が社会に定着するまでの当分の間、必要に応じて設置権者が幼稚園や小学校及び特殊教育諸学校に指導員を配置することを検討いたしております。
 また、教職員がボランティアとして子供たちの遊びやスポーツ、文化活動などに適切に対応していくことが期待されますし、これが地域社会におけるボランティア精神の涵養や活動のよい機会につながることを願うものであります。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) 再質問がないようでございますので、以上で尾崎吉弘君の質問が終了いたしました。
○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 44番新田和弘君。
 〔新田和弘君、登壇〕(拍手)
○新田和弘君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 一般質問に先立ち、去る六月十一日にご逝去されました山崎幹雄議員のみたまに、謹んで哀悼の意を表します。
 山崎議員には、五期十七年余の間、議会人として県勢発展のためにご活躍いただき、その間、我が党県議団にもご指導、ご鞭撻を賜りました。ここに、謹んでご冥福をお祈りいたします。
 それでは、一般質問に入ります。
 まず初めに、景気対策についてお尋ねいたします。
 去る六月七日に経済企画庁より、国内景気が全体として大きく減速していることを明確に示す経済指標が発表されました。三月調査の法人企業動向によると、資本金一億円以上の企業が今年度に予定している設備投資計画は総額四十七兆九千九百億円で、前年度の実績見込みに比べて七・三%のマイナスになった。調査を始めた昭和五十五年以来、設備投資の当初計画が前年度割れになったのは、第二次オイルショック後の昭和五十八年におけるマイナス三・八%一回だけであり、政府経済見通しの五・一%増を大きく下回り、民間企業の設備投資意欲の後退が一層鮮明となりました。また消費動向においても、購買意欲がやや回復する兆しはあるが消費の伸びは鈍化してきており、消費者の動きは全体として依然慎重だと判断しております。さらに、十八日には中小企業金融公庫が中小企業の設備投資動向調査を発表しておりますが、これによると、平成四年度の設備投資計画は前年比で二一・七%マイナスと大幅に減少しており、特に鉄鋼は四一・〇%減となり、景気の減速で先行きの見通しが立たないことを如実に物語っております。
 こうした景気の減速に対して日銀では、昨年の十二月に公定歩合を〇・五%引き下げたのに続いて本年四月には第四次利下げ〇・七五%を行い、公定歩合を三・七五%まで引き下げ、景気のてこ入れを図ろうとしております。国においては緊急経済対策が決定され、公共事業費の前倒し執行で上半期七五%の発注と、金融面の対策を行う方針が出されました。
 これを受けて本県においても、四月二十一日に、緊急経済対策に対する対応として、県の公共事業について上半期までに八〇%の前倒し発注をすること、金融対策として中小企業振興資金の融資枠を二十億円拡大するなどの対策を講じているところであります。しかし、景気の低迷が依然として続いているため、大蔵省は、四年度の税収が企業収益の低迷で一兆円程度不足するおそれがあると、厳しい判断をしております。このために、新たな景気対策として、自民党では今週早々に六兆円から七兆円に近い大型補正予算を編成するよう政府に求める方針を固めています。公明党でも、六兆円の公共投資追加と一兆円所得税減税を含む七兆円の大型補正予算の編成を政府に求めているところでございます。
 そこで、仮谷知事にお尋ねをいたします。
 知事は、六月の本会議の説明で、国の緊急経済対策を受けて公共事業等の上半期における契約率が八〇%を上回るよう積極的に取り組む旨の説明をされましたが、今後どのような景気てこ入れ対策を行うのか、お尋ねをいたします。
 次に、関係部長にお尋ねをいたします。
 一、県の公共事業の上半期前倒しについて、五月末執行状況と上半期八〇%の達成はどうか。
 二、融資枠の拡大については、中小企業振興資金の一般貸付枠、当初二百億円に加えて二十億円の枠の拡大がなされましたが、貸付状況はどうか。また、夏季分の季節融資の前倒し状況、さらに新たな融資枠についてはどうか。
 三、景気の減速による税収への影響については、四年度当初予算で法人二税を合わせて前年度より五十億二千八百万円減額されていますが、平成三年度の県税収入と平成四年度の県税収入の見通しはどうか。
 四、新たな景気てこ入れ策として国では大型補正予算の計上が検討されておりますが、その見通しについてはどう考えているのか。また、県の公共事業の前倒しに対して、下半期の公共事業の確保のため補正予算の計上を図るべきと思いますが、県の考え方はどうか。
 以上四点、お尋ねをいたします。
 次に、関西国際空港の全体構想の推進についてお尋ねいたします。
 去る四月二十八日に関西国際空港全体構想推進懇談会が大阪の中川知事に答申した内容によりますと、関西国際空港を日本初の二十四時間運用可能な国際・国内ハブ空港と位置づけ、その役割を果たすには、空港需要の伸びが一本目の滑走路の処理能力を超えると予測される二〇〇二年を目標として、第八次空港整備五箇年計画中に供用開始をめどに建設をするとしています。また二本目の滑走路としては、離着陸の処理能力が高い平行滑走路を先行整備するとしております。さらに、事業主体と想定される関空会社の負担を軽減するため、出資金の割合を現在の三割から四割に引き上げる検討も必要であると答申しています。
 そこで、本県では今回の推進懇の答申をどう受けとめておられるのか、さらに出資金の割合の引き上げについてどう考えているのか、お尋ねをいたします。
 次に、全体構想の調査費につきましては、平成四年度は音波探査による土質調査を行うため三億五千万円が計上されているところであります。大蔵省は六月十八日に、平成五年度の概算要求基準のうち一般歳出は一兆八千億円以上増額して四十兆五千五百億円程度とする方針を明らかにしました。この結果、概算要求段階で伸び率が四・八%と、前年度をやや上回る見通しであります。しかし新聞報道によりますと、運輸省は平成五年度の概算要求に当たって、全体構想の本格的現地調査の財源を地方自治体に負担させる方向で検討を始めたとありました。さらに、関空会社は本年度四百メーター級のボーリング調査を十カ所以上行うためのボーリング調査費四十億円以上が必要であるとする旨の報道がありました。
 そこで、お尋ねをいたします。
 一、全体構想の推進のための調査費を、出資金に加えて新たに地方自治体に負担させることが懸念されるが、どうか。
 二、平成五年度の概算要求にはどう対応されるのか。
 以上二点をお尋ねいたします。
 次に、国内便の大幅確保についてお尋ねをいたします。
 関西国際空港への航空機乗り入れをめぐる政府間交渉が平成六年夏の開港を控えて本格化し、六月二十日までに、我が国へ初めてネパールからの乗り入れが決まったのを初め、スイスやイタリアなど計十六カ国との間で合意に達しました。イスラエル、アイルランドなど九カ国とも、秋にかけ、新空港への就航を条件に航空協定締結の予備協議が予定されており、現大阪空港分と合わせると計三十四カ国からの乗り入れが事実上確定したと報道されていました。
 国際線に三十四カ国の乗り入れが決まり、新空港の顔が見えてきたと言われております。開港まであと二年と迫った今日、国内便の大幅確保に対して積極的に取り組む重要な時期を迎えております。
 仮谷知事は、三月の本会議において、国内便の大幅確保に対し、東京便を初めとする国内路線の確保に積極的に努力してまいりたいと答弁しております。さらに六月には政府予算要望を行い、国内便の大幅確保を要望したところであります。関西国際空港の航空需要においても国際線六〇%、国内線四〇%と予測しており、採算性の面からも国内線の確保がぜひ必要であります。
 大阪空港が存続する中で、国内便の機能分担など、早期に協議をして国内便の大幅確保に努めねばなりません。特にこの一年が正念場だと思うわけであります。そこで、仮谷知事の国内便の大幅確保についての考え方をお尋ねいたします。
 次に、世界リゾート博についてお尋ねをいたします。
 「JAPAN EXPO ウエルネスWAKAYAMA 世界リゾート博」は平成二年四月に基本計画が策定され、平成三年八月に第一次実施計画が発表されました。この計画は、和歌山マリーナシティを主会場として、平成六年七月十六日から九月二十五日までの七十二日間で目標入場者を百万人とするビッグイベントであります。本年三月に和歌山マリーナシティの土地利用計画の一部変更を行い、これに基づいて世界リゾート博主会場計画の概要が示されてきたところであります。県においても、本年四月より機構改革を行って世界リゾート博推進局を知事公室に新設し、本格的な推進に当たっています。さらに、リゾート博まで七百七十七日前に当たる五月三十日に、PRのための残日表示塔が県庁前に設置され、本日はリゾート博まで七百四十七日前と表示されています。
 仮谷知事は、三月の本会議でリゾート博について、「本年夏ごろに最終の実施計画として策定する予定で進めております。県としましても、博覧会協会への出資、職員派遣を初め会場へのアクセス問題、プレイベント、パビリオンの出展など、全力を挙げて取り組んでいるところでございます」と、答弁されています。
 そこで知事に、世界リゾート博の成功のために最終実施計画を含めてどう対応されるのか、お尋ねをいたします。
 次に、リゾート博主会場計画の概要についてお尋ねをいたします。
 一、会場デザイン計画として、アーバンリゾートゾーンに松下興産がMCAのノーハウを活用した国際交流文化施設の建設を予定されていますが、その概要と建設着工の見通しはどうか。
 二、世界リゾート博協会の調査では会期中の入場者見込み数の目標百万人を大幅に上回ることが予測されるため、最終実施計画では観客誘導計画などの諸計画を再検討していると聞き及んでいますが、最終実施計画で目標入場者を大幅に変更されるのか。
 三、資金計画については総額五十億円として、和歌山県を初めとする主催者が二十五億円を負担金として分担し、残り二十五億円は入場料収入等で賄うとの計画でありますが、総額については当初のとおり五十億に変更がないのか。また、入場料金はどの程度になるのか。
 四、資金計画の一環として、一昨年花博で行われたイベント宝くじを世界リゾート博にも発売できるよう、六月に国へ予算要望しましたが、可能なのか。
 五、本県の県外向け広報誌「CaN」が六月に四千部発行され、各方面に配布されております。これにも世界リゾート博がPRされております。オープニングセレモニー開始まであと一年、マスコミ等の協力をいただき、積極的なリゾート博のPR活動が必要でありますが、今後PR活動をどう進められるのか。
 以上五点、お尋ねをいたします。
 次に、和歌山マリーナシティの市街化区域編入と用途地区の指定についてお尋ねします。
 和歌山マリーナシティの第一工区二十七・二ヘクタールは四月三十日に埋立工事が完了し、県から竣功認可が行われ、現在、和歌山市議会に公有水面埋立地の確認及び公有水面埋立地に係る字の区域の変更の議案が提案されております。地方自治法第九条五項で、議会の議決を経て知事が届け出を受理し告示すれば、第一工区二十七・二ヘクタールが和歌山市毛見字馬瀬に編入することが確定すると伺っております。
 ところで、和歌山市では平成二年三月二十七日に県告示第百九十号で都市計画区域の線引きの見直しを行い、市街化区域七千三十一ヘクタール、市街化調整区域一万三千七百八ヘクタールとなっています。この見直しのとき、将来市街化区域に編入が可能な地域として、人口二千人の枠で、場所を特定せず確保してきています。第一工区の和歌山市編入が確定すればミニテーマパークの建設が急がれるところであります。建築確認の作業を考えると、和歌山マリーナシティの市街化区域編入と用途地区の指定を速やかに行うべきであると思われます。
 県は、和歌山マリーナシティの恒久施設の建設に当たり、市街化区域の編入と用途地区指定にどう対応されるのか、お尋ねをいたします。
 質問の最後の項目でございますが、次に学校の週五日制についてお尋ねいたします。
 学校の週五日制につきましては、平成四年三月二十三日の文部省通達により、平成四年九月から月一回、第二土曜日を休業日とする学校週五日制が実施されることになりました。本県においても、四月十五日に県教育委員会は「学校週五日制の導入について」という通達を出し、県内の幼・小・中・高の各学校及び特殊教育諸学校において九月より月一回、第二土曜日を休業日とする旨の通達をしてきております。
 通達に示された導入に当たっての留意事項に関連してお尋ねをいたします。
 一、学校教育に関しては、授業時数の確保に配慮して短縮授業の取り扱いの見直しを行うとしています。現在、和歌山市内の中学校では、水曜日は五限目が学活などで、六限目は授業がありません。週五日制の導入ということになれば、授業時数の確保から考えると、水曜日の午後五限、六限を強化学習の時間として活用することが望ましいと考えるものであります。神戸市の中学校校長会では土曜日にゆとりの時間を三時間まとめてとる方式を提唱し、月曜日から金曜日の五日間で三十時間を確保する神戸方式が注目をされております。県教委は、水曜日の五限、六限に強化学習を実施することに対してどう考えているのか。また、短縮授業の取り扱いの見直しはどう行うのか。
 二、学校外活動については、施設設備や指導者等に関して学校の持つ機能の活用が期待されるとして、施設の開放など開かれた学校づくりを推進するとしています。現在、各学校では、部活動による施設の利用から、現実に学校施設の開放が可能なのかと心配しているところであります。大阪府教委では、休みとなった土曜日の部活動を制限することに踏み切ったとの報道もされております。そこで、県教委は学校の施設開放と部活動についてどう対応されるのか。
 三、私立学校との連携として、私立学校に協力を求め、連携して学校週五日制の導入を図っていく必要があるとしています。現在においても、公私立間に授業日数及び授業時数で差が生じています。今回の学校週五日制の導入いかんでは、一段と授業日数及び授業時数で差が拡大するようになれば保護者の不安が高まり、私学志向がますます加速されるのではないかと心配するものであります。県は、私学との連携、対応をどうされるのか。
 四、学校週五日制月二回の協力校が全国で六百四十二校、本県でも十四校指定され、実施のための準備に入っております。研究期間は平成四年及び五年の二年間であります。この二年間で調査研究が行われ、学校週五日制の拡大が検討されるわけであります。県教委は、学校週五日制月二回実施への拡大に対してどう展望しているのか。
 以上四点、お尋ねいたします。
 次に、英語の指導要領の改訂についてお尋ねをいたします。
 平成元年三月に行われた今回の英語科の改訂方針は、国際化の進展に対応して、コミュニケーション能力の育成や国際理解の基礎を養うことを重視しています。
 阪大の大谷泰照教授は、リーディング(読み)中心からオーラル(音声)重視へ向かっていくのは確実だと述べ、高校にオーラル・コミュニケーションA(日常会話)、B(ヒアリング)、C(討論)の三つに柱分けされ充実化が盛り込まれたのは、「話す」、「聞く」ができないまま終わってしまう今の英語教育に対して文部省が打ち出した一種のショック療法であると述べております。
 本県においても、会話重視の英語教育を進めるため、AETの導入を昭和六十二年に三人で開始、平成四年度は県、市町村分を合わせて三十三人に増員されてきています。また、高校入試においてもヒアリングテストが平成二年度から導入され、比較的高い正答率を上げております。しかし、今日の英語教育では、中・高の六年間学習しながらも、大半の生徒は日常の会話すら困難であるのが現状であります。もちろん、これは、読むことや文法を中心とした受験型の英語教育に起因していることは論をまちません。今、大阪のある高校では教科書を離れて話せる英語の学習が行われ、注目を浴びております。
 そこで、新指導要領による英語教育が平成五年に中学校で、平成六年に高校で実施されるわけでありますが、コミュニケーション重視の英語教育を今後どう進めるのか、また高校入試のヒアリングテストを今後どう改善されるつもりか。二点、教育長にお尋ねいたします。
 次に、小学校に英語教育を導入することについてお尋ねをいたします。
 NHKは、平成二年十月から教育テレビで、幼児から小学校低学年向けに、月曜日から金曜日まで十五分番組として「英語であそぼ」をスタート、好評のうちに丸二年目を迎えようとしています。番組制作者の中村哲志プロデューサーは、「子供が言葉のアクセントやイントネーションなどを最もよく吸収するのは四歳から六歳くらいまでの時期だと言われています。英語を学ぼうとするなら、この時期にできるだけ多くの英語に接することが大切なわけです」と述べております。
 小学校に英語教育を導入することにつきましては、平成三年十二月に臨時行政改革推進審議会が、外国語のコミュニケーション能力の育成をねらいとする教科新設を検討すべきだという答申を出されました。平成四年に入って文部省は、国際理解教育を進めるため、小学校で英語教育を実践する研究開発校として小学校二校、中学校一校を指定し、小学校に英語教育を導入するための本格的検討作業に入ったとのことであります。指定を受けた小学校では、今年度から四年生で年間十五時間、五年、六年では年間七十時間、英語の授業を実施する、授業内容も、文字や文法ではなく外国人との接触や英会話が中心とのことであります。
 指導要領の枠を離れて、ゆとりの時間を活用するとのことであります。アメリカ、カナダに縁の深い本県において、早期にコミュニケーションを主体とした英語教育を小学校に導入するよう取り組まれてはと思いますが、教育長の見解をお尋ねいたします。
 以上で、第一問を終わらせていただきます。
○議長(山本 一君) ただいまの新田和弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 新田議員にお答え申し上げます。
 景気対策についてでございます。
 お話ございましたように、厳しい経済状況の中で国においては公共事業の施行推進、中小企業対策等を内容する緊急経済対策を決定しまして、県といたしましても、上半期における公共事業の前倒しについて八〇%を上回ることを目標とするとともに、また金融面で融資枠の拡大を図ったわけでございます。
 しかし、今後なお厳しい経済環境の中にあるのが現実の姿でございまして、現在、国においても補正予算等について検討を加えているところでございます。この施策を実施していただくことを期待するとともに、また国の景気対策の動きに十分注意を払いながら、県としても公共事業、県単独事業等について今後十分配慮してまいりたいと思っております。
 次に、関西国際空港の全体構想の推進の中における国内便の大幅な拡大でございます。
 この問題等については議会で絶えず叱咤激励されておりまして、関西国際空港の性格上、国際、国内の基幹空港でございます。ご指摘のとおり、確保について全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 また、先日も、運輸大臣また運輸省の航空局長に国内便確保について強く要望いたしました。その際、国としても関西国際空港の国内線充実のために航空三社に対して要請したということを承っておるわけでございます。
 今後とも、運輸省初め関係先に対し、東京便を初めとする国内路線の確保に向けて、県議会の皆さんのご支援をいただきながら努力してまいりたいと思っております。
 次に、世界リゾート博についての対応でございます。
 お話ございましたように、本年の四月一日に機構改革によって知事公室内に推進局を設置するとともに、リゾート博協会においても二部制を四部八課制に改めて推進体制の強化を図ったところでございまして、現在、協会では、ことしの八月をめどに第二次実施計画を策定すべく、会場計画、出展、イベントなどの各部門の具体化を進めつつございます。
 また、リゾート博を成功に導くために庁内組織である推進本部を設置しておりますけれども、ここにおいて交通アクセスを初めとする諸問題の解決や各部門の計画の推進に一丸となって取り組んでいるところでございまして、世界リゾート博の開催まで残り二年となった今、是が非でもこの博覧会を成功させるべく諸体制を進めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) まず、景気対策に関連をして数点お答え申し上げます。
 県の公共事業等の施行状況でございますが、本年五月末の契約率は三二・七%でございまして、前年同月に比べて九・六%上回っております。今後、対象事業費千五百五十七億円に対する上半期目標契約率である八〇%の達成に向けて、円滑な事業施行に努めてまいりたいと考えております。
 次に、平成三年度及び平成四年度の県税収入についてでございますが、まず平成三年度の県税決算見込み額は一千四十二億円余で、前年度決算額に対して八億六千余万円、〇・八%の増となる見込みでございます。
 税目別の状況を申し上げますと、まず個人県民税で前年実績を一一%上回る大幅な増収となっております。自動車税、軽油引取税、個人事業税等でも増収となっております。県民税利子割は、昨年からの金利低下等の影響により、前年実績対比で三・五%という低い伸びにとどまっております。
 一方、法人二税につきましては、建設業、化学工業等、一部好調な業種もございましたが、石油等製品製造業、鉄鋼業、証券業、不動産業、サービス業等を中心に前年度実績を割り込み、全体では前年度実績を四・七%下回る厳しい結果となっております。不動産取得税についても、土地取引の減少を反映して前年度実績を一一%程度下回っております。
 平成四年度の県税収入の見通しでございますが、当初予算におきましては、景気の先行きが極めて不透明で、特に法人二税で大幅な落ち込みが予測されることなどから、前年度当初比九七・五%、二十六億円減の一千五億円を計上したところでございます。
 特に、ご指摘の法人二税について三月決算法人の申告状況を見ますと、建設業、小売卸売業は伸びてはおりますが、基幹産業である鉄鋼関連法人では昨年に引き続いて不振であります。電力関連法人でも、分割基準の低下によって大幅な減収となっております。さらに、証券業、不動産業等でも同様の状況にございます。全体として非常に厳しい状況にございます。
 県民税利子割につきましても、公定歩合の引き下げに伴う預貯金金利の低下により、五月末実績で前年同期を下回っております。一方、個人県民税においてはある程度の増収が見込まれ、またその他の税目でもまずまずの推移となっております。
 いずれにいたしましても、年度当初のことであり、確かな見通しを申し上げることはできませんが、総じて現段階では非常に厳しい状況にございますので、今後の動向に留意をしながら賦課徴収両面にわたって一層の努力を傾注し、税収の確保に努めてまいりたいと考えております。
 それから、国の大型補正の見通しと下半期の公共事業の確保についてでございます。
 現在、公共事業等の前倒しを含む緊急経済対策を実施しているところでございまして、まずはその効果が上がるよう引き続きこれを着実に実施していく必要があるものと考えておりますが、最近、景気が依然として低迷傾向にあることから、追加的な景気対策として大型補正予算の編成や住宅建設、投資減税、民間設備投資の促進などを内容とする緊急経済政策が論議をされております。ただ、景気動向の見きわめや税収の低迷による財源の確保といった問題もありまして、その規模、時期等について明確な方向が打ち出されていない状況でございます。
 県の今後の対応につきましては、今般の景気対策の効果の浸透度合いや県内の経済情勢の推移等を見守りながら、他方、公共事業を中心とした国の補正予算の編成を柱とする新たな景気対策の動向も見ながら、適切に対応をしてまいりたいと考えております。
 次に世界リゾート博に関連をして、イベント宝くじの発行についてでございます。
 地方博覧会のために発売をするいわゆるイベント宝くじにつきましては、現在、自治省令で、昭和六十三年度から平成五年度までの間に行われる博覧会であることと定められております。また、その発売は博覧会の会場において行うこととされております。このため、本県でのイベント宝くじの発売につきましては、ただいま申し上げた省令の改正等、国における所要の手続が必要とされます。概算要求に向けて行ったさきの政府要望でもお願いをしているところでございますが、今後も、本県の世界リゾート博と同年度に博覧会の開催を予定している他府県とも連携をとりながら国に対して要望してまいりたいと考えております。
 最後に、学校週五日制に関連をして、私立学校との連携の問題でございます。
 学校週五日制実施に伴う私立学校の対応につきましては、現在、週五日制を実施している学校も多少はございますが、ほとんどの私立学校は実施をしておりません。県といたしましては、私立学校に対してさきの文部省通知を伝え、また過日も公私立高等学校協議会においてこの問題についての意見交換を行ったところでございます。その際、一部に週五日制の導入に向けて検討するという私立学校側の意見もございましたが、総じて趣旨そのものは是認をするものの、なお解決すべき課題があることから時期尚早との考え方の披瀝がございました。
 私立学校における週五日制の実施につきましては、基本的にはその建学の精神と独自性から各学校や各園の自主的な判断によるべきものと考えておりますが、県といたしましても、私立学校とさまざまの問題について話し合いをする場がございますので、そうした機会をとらえて公立学校における週五日制の実施状況等の情報を提供するなどして、さらにこの問題についての議論が深められることを期待いたしております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 新田議員にお答えをいたします。
 ご質問の、中小企業の振興資金の融資枠についてでございます。
 平成四年度の当初予算で二百億円と、昨年より四十五億円拡大をして実施したところでありますが、四月の緊急経済対策を受けてその融資枠をさらに二十億円増額し、二百二十億円で実施しているところでございます。
 その貸付状況でございますが、四月、五月の貸付実績で、昨年度より件数で百三十六件の増──昨年の同月では六十七件であったわけでございます──金額で十二億六百九十万円増となっており、貸付累計額としては二百一億二千四百十三万円となってございます。
 また、例年六月から受付を開始している夏季融資につきましても、受付を一カ月早め、五月から受付を始めたのでございますが、五月の実績として二十件、金額では一億四千九百三十三万円の利用がありました。
 このような状況を見ますと、県の融資制度の活用が図られ、中小企業金融の円滑化に効果が出ているものと思ってございます。
 なお、ご質問の新たな融資枠につきましては、今後の利用状況等を見守りながら対応してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 企画部長佐武廸生君。
 〔佐武廸生君、登壇〕
○企画部長(佐武廸生君) 関西国際空港の全体構想に関する三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、推進懇の答申に対する本県の所見についてでございます。
 関西国際空港が真に国際ハブ空港としての機能を十分に発揮していくためには全体構想の早期実現が不可欠であり、本県としてもその推進に努力しているところでございます。
 大阪府が設置した関西国際空港全体構想推進懇談会の報告書につきましては、全体構想推進のための一つの提言と考えてございます。
 また、二期計画における出資等の問題についてのご質問でございますが、現在、運輸省及び関西国際空港株式会社において全体構想に関する調査が進められているところであり、この調査に基づいて事業計画、事業費等が明らかにされていくこととなります。
 こうした中で、二期計画の事業整備手法につきまして、今後、国初め関係者間で議論、調整が図られる手順になるものと考えてございます。
 次に、全体構想に関する調査費の地方自治体への新たな負担についてでございます。
 全体構想の早期実現のためには、まず、その前提となる建設計画、資金計画、収支採算等に関する所要の調査を実施する必要がございます。現在、運輸省と関西国際空港株式会社においてこうした諸調査が進められておりまして、今後ともこの両者によって現行の形で調査を続けていただけるものと認識をいたしてございます。
 次に、平成五年度の調査費に係る概算要求についてでございます。
 平成五年度の概算要求基準が去る六月二十三日に閣議決定されまして、一般会計では四・八%の伸び率と、前年度をやや上回ったところでございますが、経常的経費はマイナス一〇%、投資的経費が横ばいといった大変厳しい状況でございます。
 このような状況ではございますが、全体構想の早期実現を図るため、ボーリング調査等を含む調査費の確保に向けて、本県のみならず、オール関西で組織している関西国際空港全体構想早期実現期成会ともども要望活動を強化してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 知事公室長市川龍雄君。
 〔市川龍雄君、登壇〕
○知事公室長(市川龍雄君) 世界リゾート博につきましてお答えいたします。
 まず、松下興産株式会社が建設を予定している国際文化交流をテーマとした施設の概要と建設着工の見通しについてでございますが、松下興産によりますと、施設は、海外リゾート地をイメージした外観にシミュレーション技術を駆使した海洋体験型の各種施設を内容とした国際テーマパークでございます。着工は平成四年十二月の予定でございます。
 なお、その詳細につきましては、近く松下興産から発表される予定でございます。
 次に目標入場者の数についてでございますが、世界リゾート博協会での調査では目標入場者数の百万人を上回ることが予測されていますので、それに対応すべく、運営、交通輸送、宿泊並びに観客誘致などの各計画を検討しているところでございます。
 目標入場者数の見直しにつきましては、この夏に予定している交通量調査の結果等も踏まえて慎重に検討してまいりたいと考えてございます。
 また、資金計画につきましては、協会事業費五十億円の計画で進めているところでございますが、第二次実施計画の策定を進める中で検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、入場料金につきましては、前売り券の発売開始時期を来年春ごろに予定しておりまして、他博の状況も参考にしながら早急に決定してまいりたいと考えてございます。
 また、PRについてでございますが、ご指摘のように、世界リゾート博の成功に向け、積極的なPRが大変重要であると考えてございます。このため、広報宣伝活動を積極的に行うべく広報計画を立てております。県外向けの広報誌「CaN」につきましても、その一環としてリゾート博のPRを実施したものでございます。
 本年度は、県内及び京阪神地区を対象としてキャラバン隊による広報キャンペーンを実施するとともに、九月には大阪においてマスコミ関係約百社を対象に記者説明会を実施するなど、博覧会に対する関心と注目を高めてまいることとしてございます。
 また、来年度以降につきましても、前売り券の発売時期等に合わせ、テレビスポットなど効果的なPRを行うとともに、首都圏についてもマスコミに対する積極的な情報提供などを行うこととしてございます。
 今後とも、県と協会はもとより、関係機関それぞれがさまざまな広報媒体の活用を図るなど、広報宣伝活動に力を入れてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答え申し上げます。
 和歌山マリーナシティの市街化区域の編入と用途地域指定でございますが、マリーナシティで開催する世界リゾート博に供される建築物につきましては、恒久施設も含めて本年度中に建築確認申請が提出されると伺っております。
 恒久施設の建築確認を行うためには、建設される場所が市街化区域であり、適切な用途地域が指定されていることが必要と考えております。このため、現在、マリーナシティを市街化区域に編入し、用途地域を指定すべく国及び和歌山市と協議中で、今後の建築のスケジュールに支障のないよう進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 学校週五日制と外国語教育についてお答えいたします。
 学校週五日制を月一回実施する場合には、各学校において休業日となる土曜日を見通した年間教育計画を作成するとともに、授業時数の確保、教材の精選及び指導の改善充実等により教育水準を維持できると考えてございます。
 ご指摘がありました授業時数の扱いにつきましては、月曜日から金曜日までの教育内容の充実及び学校裁量の時間の有効な活用という観点から、市町村教育委員会と連携して指導してまいります。
 また、短縮授業の見直しにつきましては、これまでも指導してきたところでありますが、さらに本年度は週五日制の導入とも関連させながら積極的に取り組んでおります。
 次に、学校施設の開放と部活動との関連についてでございますが、学校週五日制を実施する上で、子供たちの自発的な活動の場として学校の施設を積極的に地域へ開放することが必要と考えます。このため、各学校において部活動と調整を図りながら円滑に開放が行われるよう、市町村教育委員会とも連携して指導してまいりたいと考えます。
 私学との連携につきましては、総務部長の答弁にありましたように、このほど公私立高等学校協議会において話し合いが持たれ、過日実施したアンケート調査の結果などに基づいて率直な意見交換がなされました。その中で、学校週五日制の趣旨について理解を得られたところであります。
 今後とも、心豊かでたくましい人間を育成する教育の新しいあり方を目指して、連絡協議会などの組織化を図りながら、一層協力を求めていかなければならないと考えてございます。
 学校週五日制を月二回実施する件につきましては、現在、調査研究協力校に指定している県下の三地域十四校園において、その具体的な方法や課題について研究を進めているところであります。
 今後、指導内容や指導方法の工夫改善、授業時数の確保と児童生徒の学習負担等、調査研究協力校の研究成果等を踏まえるとともに、国の動向も見守りながら慎重な検討が必要であると考えております。
 次に外国語教育についてでございますが、国際化が著しく進展する中で外国の人々との相互理解を深めコミュニケーションを図るため、英語を聞き、話す能力の育成を重視することが求められてございます。
 教育委員会といたしましては、日々の英語の授業の中に聞くことと話すことの活動をより多く取り入れる一方、英語指導助手との共同授業を実施すること等に努めているところでございます。
 また、新しい学習指導要領では、平成六年度から高等学校において英会話を中心とする科目オーラル・コミュニケーションを開講し、すべての生徒に履修させることとしています。
 こうした新しい英語教育を推進するには、英語教員の指導力の向上が極めて大切であります。そのため、中学、高校の英語教員を対象とした英語実技研修会等を開催するとともに、アメリカ及びイギリスの大学における二カ月ないし六カ月の英語学研修に派遣するなど、英語教員の資質の向上に努めているところであります。
 また、音声重視の英語教育を推進する観点から、平成元年度から高校入試において英語のヒアリングテストを導入しているところでありますが、新しい英語教育の方向を踏まえながら、より一層の充実に向けて検討してまいりたいと考えております。今後とも、英語教育の充実改善と教員の資質の向上に努力してまいる所存であります。
 最後に、小学校における英語教育についてでございます。本年度から実施されている新しい学習指導要領においては英語教育を行うことが位置づけられておりませんが、国際理解を深めることについては小学校段階から積極的に進める必要があるとされております。
 本県においても、本年度、特に指導の重点の一つとして、小・中・高、一貫した国際理解教育の推進を掲げております。このことについて、例えば美浜町や太地町において、地方の特色を生かした教育の一環として英語指導助手を活用している例がございます。小学校における英語教育につきましては、今後、全国的な動向を十分研究しながら、さまざまな条件等を含め検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) 再質問がないようでございますので、以上で新田和弘君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(山本 一君) この際、暫時休憩いたします。
 午後零時六分休憩
  ──────────────────
 午後一時五分再開
○副議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 25番吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 初日の質問の機会を与えていただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 それでは、まず初めに外国人労働者についての質問をさせていただきます。
 六月五日、自民党の森政調会長が都内で講演された中での発言が、韓国側からのいわゆる反発ということで新聞紙上で非常に問題になったわけであります。まず、その問題発言とされた発言要旨について、ここで紹介させていただきます。
 日本に行けば何とかなるだろうと思って来た人たちだから、だんだん仕事にあぶれてきて、食べ物にもあぶれてくる。日本では単純労働者が認められていない。結果的に、暴力団や一部の心ない人によってあちこち働き場所を求めているのが現状だ。今、その人口が一番多いのが群馬県の太田市だ。そこの労働者人口の約一割が外国人だと言われるぐらい集まっている。そこで仕事がなくなれば、たむろして千葉県へ行ったり静岡県へ行ったりする。世界じゅうからいろんな人が来ているが、マンションの中でたき火をして大火事になったとか、レイプ事件が起きて女性が自殺した事件とか、新聞に出ないけど、こうした外国人の日本におけるいろんな問題が実は起きている。新宿の西大久保からあの辺のホテル街には世界じゅうの女性がいる。特に中南米の女性だ。みんな、麻薬とけん銃と一緒にいろんな動きをしている。この間、新宿の警察署長に会ったら、新宿でお巡りさんをやるときには三十五カ国語がわからないと取り調べができないと言う。横浜の寿署管内には、千五百人くらいの韓国から来た労働者がいる。この人たちはベトナム戦争に参加しているから、銃を撃つなんてことはそんなにふなれではない。一つのリーダーがいてぱっとまとまれば、千人ぐらいまとまれば大変な軍事行動ができるようなくらいになるという、そういうおそれがあると言われている。この間、ロサンゼルスの様子をテレビで見ていたら、米国に住む韓国系の人たちはいとも簡単にパンパンと撃っているが、大概ベトナム戦争の体験があるだろうと、専門家はそのように見ている。
 以上が、森喜朗自民党政調会長の都内での講演の中での発言でございます。この発言に対して韓国の新聞社各社は、日本の外国人に対するいわゆる差別の雰囲気の延長線上にあるとして、日本人の平均的な対韓国観のあらわれであると反発しているところであります。
 私は、この新聞記事を読みまして、今現在、テレビ・雑誌等で問題となっている外国人労働者、特に単純外国人労働者のさまざまな問題が含まれているように思うわけであります。そして今、日本が真剣に考えなければならない大変な問題であろうと思うわけであります。
 まず、森政調会長の発言でありますが、現在、単純労働者の行動及び生活実態が市民生活を脅かし、また将来、欧米諸国の歴史にあったような社会混乱や暴動のおそれがあると少しでも想像できるのであれば、その対策を議論するのが政治家の務めであり、そのことを憂慮するのが政治家の大切な姿勢であろうと、私は断じて考えるわけであります。
 ここで、外国人労働者というものについて考えてみたいと思います。
 「外国人労働者」と言うときに、全く性格の違う二つのタイプのものがございます。一つは、日本経済の国際化が叫ばれる中で要請されるようになった専門職、技術職の外国人労働者であるのに対し、最近の入管法絡みの不法就労事件の増発によってクローズアップされてきた単純労働者、いわゆる出稼ぎの外国人労働者であります。この単純労働者は法的に就労できる在留資格がないわけで、いわゆる不法就労という形で、一説には東京都内にだけでも二十二万人、全国では百万人を超えると言われる外国人が現在日本で働いておるわけであります。不法就労の単純労働者のほとんどは、男性は「三K労働」と言われて日本の若者が敬遠する建設作業員とか機械製造等の人手不足の深刻な重労働に従事し、女性はホステス等の風俗産業に従事しているのであります。
 外国人労働者が激増する背景には、日本と比べ圧倒的な経済格差、賃金格差のある国々、特にアジア諸国からの日本への出稼ぎということがあります。一方、中小企業の人手不足、重労働につく従事者がなく労働力確保という経済界からの要請があります。また、暴力団等の不法組織からの要請で、外国人の意思に反してではありますが、賃金を得るために外国人女性が大挙して日本に来ているという実態があります。
 そこで、外国人労働者、特に単純労働者をどうするかという議論でありますが、大きく分けて二つの考え方がございます。一つは、外国人労働者なしではやっていけないという中小企業者、単純労働者受け入れ制度の必要性を提言する経済連等の、単純労働者を合法化し、労働力不足をカバーするため受け入れるべきであるとする意見と、もう一つは、将来起こる社会的な問題からして受け入れるべきでないとする考え方であります。共通して意見一致しているのは、実態として現在日本で働いている外国人労働者の人権をどうするかという問題であり、人権を守らなければならないという考え方であります。
 私は、安易に外国人労働者を受け入れるべきでないと考えるものであります。それは、外国人を低コストで使い、使い捨てしようとする意識に対して絶対に承服できないという考え方からであります。また、外国人労働者の問題は、西ドイツやフランス、スイス等の欧米諸国の歴史からしても、単なる労働問題でもなく、経済問題でもなく、国民の安全保障とかかわる大変重大な問題であるという認識からであります。
 以下、質問であります。
 平成二年六月、出入国管理法が改正されて雇用者処罰制度が新たにつくられ、不法残留している者、資格がない外国人であることを知りながら雇用した場合、雇用者も処罰されることになったが、それにもかかわらず不法就労がふえ続けている実態であります。
 昨年一年間に不法就労で摘発され強制退去処分を受けた外国人は三万二千九百人で、過去最高を記録したことが法務省から発表されました。同時に、不法残留者数推計でも、昨年十一月現在で不法残留者は二十万人を超えているということであります。和歌山県での入管法違反の検挙数は、平成二年が二十五件、平成三年六十三件、平成四年五月現在で七十七件と聞いております。
 そこで、県警本部長にお尋ねいたします。
 県下の外国人不法就労者の実態はどうであるか。また、暴力団等による外国人労働者にかかわる犯罪の実態についてお聞かせ願いたい。さらに、本年五月十日、中国人三十五名が和歌山県に不法入国して検挙され、現在捜査中と聞いておりますが、その入国ルート及び事件の概要についてお聞かせ願いたいと思います。
 次に外国人研修生の問題でありますが、一九八一年の入管法改正の際に外国人研修制度が認められました。今回の平成二年の入管法の改正で、企業者から申請できるというふうに手続が簡単になり、その研修制度が盛んに問題となってきたところであります。この研修制度の本来の目的は国際貢献ということで、開発途上国に対する技術援助であるわけでありますが、経済界からの構造的な人手不足の解消という要請から実現されたと聞いております。また実態としても、本来の制度のあり方と無縁の、研修に名をかりた外国人労働者がたくさんいると言われております。法務省入国管理局の研修実施企業の実態調査からも、事実上は就労であり、更新を認めず出国をさせたという例が多数あります。研修の実施体制の不備を指摘しているようであります。
 例えば、八九年の入管局の調査資料によりますと、名古屋の中小企業である鉄筋加工業者十一社に対して、研修の必要性が認められず、人手不足による労働者の導入の疑義があると指摘されております。また、名古屋にある資本金三百数十億円の自動車製造工業では、二百数十名の外国人研修生を導入し、二交代による徹夜など、研修とは無縁の内容で雇用した疑いがあるということを入管局から指摘されてございます。
 そこで、関係部長にお聞きいたします。
 県内の企業においても研修生を受け入れている企業があるように聞いておりますが、その実態についてできるだけ詳しくお聞かせ願いたい。また、研修生の受け入れについては今後どのように指導されるのかも、お尋ねいたします。
 そして、この問題の最後として知事にお伺いいたします。
 関西国際空港が開港されれば、都市部でカバーできない相当数の外国人労働者が和歌山に流入してくる可能性があります。そこで、外国人労働者について広域的な問題として近畿府県の知事会議等で検討し、国と協議していかなければならないと考えるわけでありますが、知事はこの外国人労働者の問題についてどのように考えているのか。最初に紹介した自民党の森政調会長の発言及びこの問題の今後のあり方を含め、総合的な所見を政治家としてお聞かせ願いたいと思うわけであります。
 続きまして、ミカンの流通対策についてご質問申し上げます。
 平成三年産の果実は、台風のもたらした影響もございましたが、和歌山県にとっては好調な成果を上げることができました。特にミカンの価格は、京阪神、京浜等四大市場において前年度対比二九%増の二百六十七円、系統取扱額も実に一・五倍の三百六億円であり、県の長期計画の平成七年度目標三百五億円を上回る結果であります。昭和六十三年からオレンジの自由化決定に伴い涙をのんで実施した温州ミカン園地再編対策、歯を食いしばって取り組んだ果樹産地活性化対策等、関係者並びに行政当局の皆様の熱意に対し、まず敬意を表したいと思います。
 しかしながら、農村内部では、依然として高齢化や担い手の減少、遊休農地の増大等が続いていることも事実であります。また一方、バブルの崩壊等による景気の減退で高級果実の売れ行きがいまひとつと報じられております。こうした中で、果樹王国和歌山が二十一世紀にも揺るぎない産地であることを願いまして、流通面から見たミカン対策について農林水産部長にお尋ねいたします。
 最近の食品流通は、消費者に最も身近な食料品の小売店店舗数の動向を見ても、従業員一人から二人の小規模店の数が大きく減少し、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の大口量販店のシェアが高まってきており、店舗数で一割にすぎないものが販売額では五割を占めるに至っておるわけであります。また卸売業においても、こうした量販店の増加や競争が激化していることなどから、販売力等、経営基盤を強化するため、卸小売の系列化やグループ化の動きが活発になってきております。こうした流通の変化に対応するためには、どうしても大型化が必要であります。ロットの拡大を図るためには、面積が期待できないところもありますので、どうしても共同販売率の向上が重要であると考えます。
 現在、本県のミカンの共同販売率は六二%と、以前に比べて随分高くなってきているようでありますが、今後さらに共同販売を推進するためには、価格の形成等、共同販売の有利性を発揮しなければならないと考えます。そのためには、特定の市場に重点を置き、かつねらいとする客層を絞るなど、市場の一部の分野の占有率を高めるとともに、卸売市場への販売促進、PR等、マーケティング活動が大変重要であります。
 こうした意味におきまして、県としてどのように販売促進の支援に取り組むかについてお伺いいたします。
 第二点目は、和歌山のミカンは一つ一つを取り上げると非常によい味でありますが、共同販売を拡大していくとなると、立地条件や生産者が微妙に異なり、ましてミカンの木一本一本の中でも味、熟期が異なることが知られていますように、全体的に規格、品質をそろえることは困難であろうと思います。しかし、最近の消費者は味、熟度等に敏感であり、おいしくないものには二度と手をつけないところがあります。この手だてを講じなければ有利な価格を期待できないものと考えます。
 現在、八千六百二十ヘクタールのミカン園のうち、不良系統園や老木園がまだ二割あると聞いております。これまで取り組んできた園地改植の成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 第三点目は、主な卸売会社の果実部門では、品目別ではなく主産県別に専門の担当者が配置されていると聞いております。本県の担当者は、本県のミカンを取り扱っている時期はよいとしても、本県産の荷が切れると他県産の荷を扱うことが余儀なくされてしまい、本県担当者の流通ルートが他県産に割り込まれる結果となるわけであります。
 こうした意味からも、ミカンのハウス栽培や夏果実の振興はミカン対策上、大変重要であり、また農家の所得の向上につながると考えます。そこで、果実の周年供給の取り組みについてどのようにされているのか、お伺いいたします。
 第四点目は、近年の労働力不足や交通渋滞に加えて、小売店においては、消費者の鮮度志向への対応など、物流コストの上昇が懸念されております。県では、こうした物流問題に対応するため、省力化方策としてシートパレットの導入に取り組んでいただき、大変感謝申し上げる次第でありますが、産地、輸送、市場の三者の連携のもとに迅速な対応が重要と考えますので、今後の全国的な普及の見通しについてお伺いいたします。
 最後に、道路関係についてご質問申し上げます。
 本年三月の道路審議会におきまして、県道有田高野線を初め県道海南高野線、県道田辺十津川線が、それぞれ国道四百八十号、三百七十号、四百二十四号に昇格されました。この路線で延長百七十九キロメートルにも及び、全国的にもまれな成果であり、地域住民はもとより県民一同が大いに歓迎しているところであります。これは、知事初め県当局の皆さん、国会議員の皆さん、県議会の先輩議員並びに関係市町村の皆様方が一丸となって国に働きかけた成果のたまものであると、深く敬意を表するものであります。特に、私の地元有田郡を通過する県道有田高野線の国道昇格につきましては、国道昇格促進協議会を結成以来十年間にわたる長い有田郡市民の悲願であったため、地元の喜びは大変なものでございます。そして、市町村におきましては、この路線をいかに整備促進して国道にふさわしい道路としていくかが今後の課題であります。
 有田高野線につきましては、従来より国庫補助事業並びに県単独事業でもって鋭意整備を進めていただいてきたところでありますが、国道に昇格された来年度以降の事業の進め方がどのように変わっていくのか、地元として大変不安を抱いているところであります。例えば、金屋町の長谷川地区等で工事進行中の半島振興法による道路整備については、平成五年度以降、二億七千万円の事業を計画されていたと聞いておりますが、これがどのようになるのかが心配であります。
 知事には、たびたびこの道を通って清水町に来ていただいておりますので、この路線に未整備区間が多いことを認識していただいておると思います。私たち地元の者が国道昇格について知事に陳情させていただいたときに、知事は、国道昇格することが必ずしもその整備促進につながらないという意味のことをおっしゃいました。実は、地元としてはこのことが一番心配であります。地域住民の長い悲願としてこの路線を国道として昇格していただいたのであります。国道昇格になったばかりに道路整備がおくれたということのないよう、切にお願いを申し上げたい次第であります。
 そこで、知事には、国道昇格をされた路線に対しての知事としての今後の意気込みと、土木部長には、旧有田高野線の整備計画及び整備方針をお聞きしたいと思います。
 以上で、第一回目の質問を終わらせていただきます。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの吉井和視君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 吉井議員にお答え申し上げます。
 外国人の労働者問題でございます。
 国際化が進む現在、経済、文化を初め各種の分野で国際交流を推進していくことが本県の国際化また地域の活性化を図るために必要なことでございます。本県におきましても、労働力の確保が難しい事業主団体や業種によって、外国人を受け入れたいとの要望もあります。法的にはいわゆる単純労働者の受け入れが困難でございますけれども、農業分野等、専門的・技術的分野において、一定の要件のもとに企業が研修生として外国人を受け入れている現状でもございます。
 今後の問題についてでございますけれども、政府の基本方針として、専門的・技術的な能力や外国人ならではの能力に着目した人材は可能な限り受け入れ、いわゆる単純労働者に対して慎重に対処するとされておるわけでございます。この方針を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
 なお、お話ございましたように、不法就労を初めとする外国人労働者に対する諸問題に対処するため、労働省と法務省及び警察庁との間で不法就労等外国人労働者問題地方協議会が近畿ブロックにおいて設置されると聞いておりまして、今後、この協議会の対応を見ながら知事会等において対処してまいりたいと存じておるところでございます。
 次に、国道昇格でございます。
 お話ございましたように、関係市町村からの強い要望が出されていた懸案事項の国道昇格の三線につきましては、過日、決定されたわけでございます。その成果に私も非常に喜んでおるわけでございまして、これひとえに県会議員の皆さん、関係市町村の皆さん並びに関係団体の皆さんのご努力、また県選出の国会議員の力強いご支援のたまものでございまして、心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 ただいま吉井議員から話ございましたように、このたびの国道昇格で、本県においては相当量の国道の昇格があるわけでございます。そのためには国道としての整備の予算が絶対必要でございまして、これらの予算の獲得について皆さん方の努力を得てやっていかなければならないと思います。そしてまた、この国道に昇格する道路について、県道である本年度中においてもなお一層整備を進めていかなければならないと存じておるわけでございます。
 また一方、国において平成五年度からスタートする第十一次道路整備五箇年計画を策定中でございますけれども、まず国全体の道路事業費の拡大を図られるよう強い要望が必要であり、六月に政府要望をさせていただいたところでございます。
 県内の道路整備予算の大幅な確保のために、皆さん方のなお一層のご支援をお願い申し上げます。
○副議長(平越孝哉君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 吉井議員にお答えをいたします。
 外国人研修制度のあり方及び県内の実態について、また研修受け入れについての指導方針についてでございます。
 研修制度は外国人を労働力として受け入れるものではなく、我が国で能力開発の機会を提供し、産業上の技術、技能または知識を修得してもらい、帰国後、その国の経済社会の発展のためにその能力を発揮できるようにするというものでございます。
 研修生を受け入れようとする企業は、直接入国管理局へ申請して審査を受けることとなってございます。このようなことから、県下における研修生の受け入れ状況の把握は困難ではございますけれども、現在承知しているところでは、機械製造業で二十名程度、農業関係で二十名程度、それぞれ研修制度に沿った受け入れがされてございますが、なお今後も受け入れの状況把握に努めてまいりたいと考えてございます。
 県といたしましては、公共職業安定所の窓口や事業主団体を通じて、企業に対し、外国人労働者の適正な雇い入れと不法就労の防止についてリーフレットを配布して啓発活動を行っておるところでございます。
 なお、企業の研修生受け入れについては、その趣旨に沿って、不法就労とならないよう指導してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 農林水産部長中村 昇君。
 〔中村 昇君、登壇〕
○農林水産部長(中村 昇君) ミカンの流通対策についてお答えを申し上げます。
 まず、販売促進の支援についてでございますが、議員お話しのとおり、農産物流通の変化に対応する戦略的なマーケティングは大変重要なことと認識してございます。このため、生産者団体みずからの活動を基本にしながら、知事を先頭に味一ミカンなど農産物の販売促進を実施するほか、卸売会社の計画出荷、販売の協議、また青果、果汁消費拡大のPR等、積極的に取り組んでいるところでございます。
 さらに、本年度は出荷容器のデザイン統一も進めてございまして、今後とも積極的な団体指導に努める一方、拠点市場を重点に置き、卸売会社等との連携を図りながら県産農産物の販売促進を一層強化してまいる所存でございます。
 次に、改植更新の成果と今後の取り組みについてでございますが、不良系統園や老木園の更新は大きな課題となってございます。このため、昭和六十三年度から実施したミカン園地再編対策や優良品種更新事業によって、不良系統園や老木園を中心に約二千ヘクタールの更新を行ってきたところでございます。特に、有田郡市では味一ミカンの推進や日本一有田みかんをめざす運動を展開しており、高糖系品種のニュー則村や紀州葵などへの更新を図っているところでございます。
 また、園地の若返りと相まって、急傾斜地に展開するかんきつ園地の省力化、低コスト化を推進するため、園地改造などを行う新たな事業の創設を全国みかん生産府県知事会議等を通じて国に強く要望をいたします。県といたしましても、平成四年度から県単独事業として果樹産地ブランド強化促進事業を創設し、銘柄産地の育成強化を図ってまいることとしてございます。
 続きまして、果実の周年供給の取り組みについてでございますが、年間を通じた果実の安定供給は県産果実の有利販売にとって極めて重要でございます。このため、時期的に市場出荷の少ない夏果実については、紀の川流域では桃、イチジク等、有田川流域ではハウスミカン、越冬かんきつ、イチジク、日高・紀南地域では梅、スモモ等の振興を図ってきたところでございます。
 今後さらに、施設栽培の振興により、五月からのミカン、桃、七月のブドウ等の生産拡大とあわせて、鮮度保持のための予冷庫の設置や貯蔵庫の整備による計画出荷の促進等に努めてまいります。また、拠点市場への出荷につきましても、生産者団体ともども強力に推進をし、市場のシェアを拡大するなど、周年供給体制の確立に努めてまいる所存でございます。
 最後に、シートパレット輸送の全国的な普及の見通しについてでございますが、青果物の流通に係る労働者の不足対策や市場荷さばきの円滑化を図るため、平成元年度、東京都中央卸売市場においてシートパレットが試験的に導入されて以来、京阪神等主要市場や他産地では徐々に整備が進められているところでございます。こうした中で、輸送、市場等の関係者によってシートパレットが省力化方策として期待されていることから、今後は全国的に取り組まれるものと考えてございます。
 県といたしましては、シートパレット輸送の推進を図るため、本年度、県単独でモデル事業を創設して、二地区で実施することといたしております。今後、国に対して事業化を働きかける一方、産地の指導に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 有田高野線の整備計画についてでございますが、この主要地方道有田高野線を初めとした昇格国道を含む県管理の一般国道の整備につきましては、県全体の国道整備計画の中で、地域振興計画等も見きわめながら計画的な整備を進めてまいりたいと思います。
 ご質問の有田高野線の整備についてでございますが、現在、公共道路改良工事の三田工区──清水町でございます──は国道事業として引き継がれることと思われます。しかし、県単独事業のうち新設または改築事業は、道路法の規定により、そのまま執行ができなくなります。具体的には、半島振興道路整備事業として実施中の長谷川工区及び金屋工区は平成五年度以降の事業の継続執行が難しくなりますので、用地買収等、地元の皆様方のご協力を得ながら平成四年度中に可能な限り整備の促進を図るとともに、今後とも補助金等の枠の拡大及び整備促進について努力をしてまいりたいと存じます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) 県下の外国人不法就労者、残留者等の実態等についての議員のご質問にお答え申し上げます。
 まず、外国人不法残留者、就労者の数、就労先等についてその実態を把握することは極めて困難でございますが、本県警察として出入国管理及び難民認定法いわゆる入管法違反で検挙した者は、議員ご指摘のとおり、平成二年で二十五名、平成三年が六十三名、本年は六月二十五日現在八十三名となっておりまして、その数は近年急激に増加しているところでございます。
 また、最近、本県で検挙した不法残留者等の就労先といたしましては、風俗営業関係が最も多く、次いで工員、作業員等となっております。
 このような検挙事件の中で暴力団関係者がかかわっていた事件の事例といたしましては、一つには暴力団組長が自己の経営する飲食店で不法残留の外国人女性を働かせていた事件、あるいは暴力団関係者が経営する風俗営業関係で不法残留の外国人女性を働かせ売春をさせていた事件がありましたが、いずれも暴力団関係者を検挙いたしますとともに、外国人女性を検挙ないし保護いたしております。
 次に、本年五月十日、東牟婁郡古座町で発生した中華人民共和国からの集団密航事件についてでありますが、この事件は、古座町の通称・鬼宿の海岸に五十名の者が不法に入国するという事件でございましたが、地元住民の方々のご協力を得て、このうち三十五名を不法入国、出入国管理及び難民認定法違反で検挙したところであります。
 捜査の結果、不法入国の目的は日本での稼働ということであります。また密航ルートは、中国の福建省から密航船で出発し、古座町沖に到着して上陸をしたというものでございます。
 なお、逃走した者及び背後関係につきましては、現在、継続捜査中でございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 25番吉井和視君。
○吉井和視君 皆さんお疲れのことと存じますので、簡単に要望だけさせていただきます。
 この外国人労働者問題につきましては、全国的な問題であり、今後、自治体がいかに取り組むべきかということについて研究・検討する必要があると思うわけでございます。例えば、神奈川県の自治総合研究センター──これは神奈川県の部局の一つだと思います──そこで提言をしているわけであります。もちろん、研究討議した結果であろうと思いますけれども。
 その内容について、ちょっと簡単に申し上げます。四つの提言をしているわけです。一つは、外国人労働者受け入れに当たっては職種の制限を設けない入管法の改正が望ましい、提言二としては、外国人の受け入れも段階的に緩和していく方向が望ましい、三つ目の提言は、外国人労働者の人権擁護の見地からその対策が必要である、最後の提言は、外国人労働者問題の根底には同質社会を維持することの是非が問われていることを認識する必要があると、以上四つが提言されておるわけでありますが、和歌山県においても、先ほど申し上げましたように、大変な問題が将来起こる可能性がございます。そこで、和歌山県のある一つの部局で、こういうテーマについて研究討議していただく機関を設置していただきたい。知事、やっぱり和歌山県あっての天下国家であると私は思います。そういう観点から、このことを十分ご検討していただきたいと思います。
 以上で、要望を終わらせていただきます。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で吉井和視君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時五十一分散会

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