平成4年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(和田正人議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時四分開議
○議長(山本 一君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(山本 一君) 日程第一、議案第一号から議案第八十三号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 38番和田正人君。
 〔和田正人君、登壇〕(拍手)
○和田正人君 平成四年当初議会も、議会運営委員長大江先生の真摯なご精励によりまして円満に今日まで運んでまいりました。一般質問も本日一日となりました。いましばらくご清聴を賜りたいと思います。
 通告に従いまして、スポーツの振興と施設整備について、質問と提言をさせていただきたいと思います。
 過日、同僚の高瀬議員が、これらの関係で自分の経験を踏まえ、さらに現在の和歌山県のスポーツのあり方等について、まじめなご提言をなされておりました。一部重複する部分もあろうかと思いますが、ご容赦いただきたいと思います。
 今、四月の開幕を前にしてオープン戦たけなわのプロ野球でございます。昨今ではサッカーや相撲にファンの層が移動しつつあるとはいえ、ドラフトの新戦力や新外人の活躍をそれぞれのチームを応援するファン心理としてにぎやかにいろいろと話がされてきています。また、高校球児たちの選抜大会が県代表として南部、日高高校の二校の出場という喜びと期待を受けて開会されようとしています。
 今、私の手元にグリーンピア南紀への要望事項がございます。これは、昨年夏、ドーム球場での都市対抗野球で活躍をした住金野球団高多監督からのものであります。下川議員を初め東牟婁選出の県会議員の皆様からの強い要請もあって、住金野球団にグリーンピア南紀でのスプリングキャンプをお願いして、三年間の現地体験からのものであります。過日、その利用した体験からの感想と要望をただしたことに答えてくれたものであり、以下、紹介をいたします。
 「グリーンピア南紀でのスプリングキャンプは今回で三年目ですが、いずれも天候に恵まれ大いに成果を上げています」。「全体的な印象」としては、「長期滞在してもストレスが溜まらない」、「従業員の接客態度が特によい。これが第一の理由」。「客室の快適性、温泉(浴場)、食事の内容とも申し分ない」。
 二点目に、「施設についての要望事項」として、「投手用ブルペン」については、「簡単な囲いがあれば、もっと良くなる。例えば工事用のシート等で囲う」、「サブグラウンド(ブルペン横)」については、「内野の守備練習ができる程度に土質が改良されれば、キャンプ地としての格上げ可」、「外野防球ネット」については、「ライト側のネットは絶大な効果有り。(ボールがグラウンドへ自動的に返る構造は大ヒット)、ライト側の伸延とレフト側への新設で更に効果アップが期待できる」。
 三点目に、「更にに欲をいえば(プロ球団のキャンプ等を誘致するには)」として「 1雨天練習場 2メインスタジアム 3ウエイトトレーニング場が必要と考える」。
 特に、プロ球団のキャンプ誘致等の項目については、「住友金属野球団として必ずしも必要というものではありません。グリーンピア南紀として、グレードアップを望まれる場合の御参考にして頂ければと思って掲げてみました。但し、大きさ(広さ)についての一応のプランは各々持っています。今後とも宜しくお願い申し上げます」。
 これが、住金野球団高多監督からの私に対する答えであります。
 以上、主としてハード面の指摘であるわけですが、県下の実業団野球団として、しかもグリーンピア南紀で三年間キャンプを張っていることをご承知おきの方は以外と少なかったのではないか。住金野球団のPRも下手だと思います。県の関係の皆さん方においても、せっかくの南紀のこの施設を関連させて、ドーム球場で活躍している実業団のキャンプ等をできれば機会あるごとに県民の皆さんにご紹介をしていただくことなども一つの方策ではなかったかと思うわけですが、私はこれに加えて、数多く訪れる報道陣やギャルを中心としたファンへの対応というソフト面も考慮する必要があると考えるわけであります。
 今、プロ野球のキャンプ誘致は、南国を中心に、実績を持つ海外の国を含め激しい競争であるだけに、ハード、ソフト両面の整備充実が必要ですけれども、せっかくのグリーンピア南紀と自然と温泉を中心とした恵まれた南紀、熊野との連動等も考え、それぞれの環境を生かす意味でもプロ野球キャンプの誘致を実現したいものであります。地域活性化への波及効果も極めて大きいと考えます。年金事業団とのかかわりもございますけれども、和歌山県単独事業、公共事業として、グリーンピア南紀の後背地でまだ余っている土地などの活用を含め、ひとつ思い切ってプロ野球の誘致に向けてご努力をいただきたい。そういう環境整備ができれば、恐らくオリックスの土井監督と下川議員との関係を含め誘致合戦にご協力いただけるんではないか。こういう期待を含めて、今後、地元関係者の協力をいただき、ぜひ実現する方向での知事のご所見をいただきたいのであります。
 次に、スポーツ施設の整備充実について、こんな話を聞いたのであります。
 本年二月二十三日、県教育委員会、社団法人和歌山県体育協会が主催した和歌山県スポーツ講演会に講師として見えられた文部省スポーツ功労特別指導委員で世界卓球連盟会長である荻村伊智朗さんが、講演の後、県立体育館を訪れ、関係者との雑談の中で新しくつくられた東京体育館の話をされ、多額の予算を使って建設された割には利用しづらい体育館であること、またスポーツ施設は、言葉をかえるなら、多数の人が集まる場所でありますから、文化の発信基地でもあるというふうに話されたそうであります。古くなっている現在の県立体育館から、今回、操車場跡地に建設を進めるため予算提案されている多目的ホールに関連して、東京体育館の経験から各方面の意見をより多く聞くこと、とりわけ利用する関係者の声を反映した施設にすることがハード、ソフト両面から利用しやすいものになると話されたと聞きました。これは、当然あるべき姿勢だと思います。
 この多目的ホールに関連して、実は昨年十二月議会の総務委員会で石田議員の方から、操車場跡地の利用についていろんな考え方が先走りするかのように報道されているが、議会や県民の要望を反映した上で施設整備を進めるべきだと考えるけれども、意見を反映する場もないではないかとただしたのであります。手順の問題を指摘されたわけであります。今予算に多目的ホール建設のため基本設計の策定として二億二百万円が提案されているだけに、議会の意見をどのように反映さし得るのか、お伺いするものであります。
 私は、政治家の先見性や行政の責任という点について、常々残念に思っていることがあります。それは、県民文化会館建設時になぜ地下駐車場をつくらなかったのか、利用する側に立った計画にできなかったのか、また県庁との間を地下道で結び、そこに庁内の附属施設や現在でも県職員の皆様が利用されている周辺食堂の方々にもご協力いただき、地下街的なものにしながら地上周辺の整備を図るといった発想を持てなかったかということであります。今日の県庁の状態を見るとき、このような発想が当時生かされていれば、また趣の異なる庁舎論議になっているのではないでしょうか。
 県内のスポーツ施設の中心は紀三井寺総合グラウンドと野球場だと思いますが、将来的にもこの状態でよいのか。ナイター設備のある球技場を要望する声も多いのであります。
 県議会野球部として、毎年、国体開催県での大会、近畿大会での各施設を実感するとき、和歌山県下の市町村を含め、それぞれのスポーツ施設が有効に機能する配置と利用しやすい設備になっているのか疑問視せざるを得ないのであります。また、過日の決算審査特別委員会でも指摘されていましたけれども、国体参加の本県選手団の昨今の成績の推移が問われています。成績にこだわるわけではありませんけれども、和歌山国体以降十分な成果を上げてきたのかどうか。こういう実情の上に立って、選手を指導する指導者の育成、施設を含めた環境整備、スポーツに参加するすそ野の拡大、健康和歌山を推進する意味では老若男女、県民総参加が理想であります。
 今、それぞれの競技にみずからの仕事、みずからの生活環境を捨ててボランティア精神で参加をしていただいている審判の皆さんの一日の手当がどの程度なのか、ご存じでしょうか。今、審判の皆さんが後継者の育成に苦労されております。若い人が集まってこないんです。そういう中でも、おのおのが一生懸命好きなスポーツに参加をし、審判を通してそのスポーツの振興にご協力をいただいているような実情がございます。
 私は、これから市町村との連携による各地域の特性を生かした、例えば、一村一品という運動が全国を駆けめぐりましたが、一村一スポーツ、このような施設づくりを考えられないかどうか、特に二十一世紀への青写真を持ってはどうかと考えるものであります。市町村おのおのが競合するかのような施設整備ではなく、拠点となるメーンの施設は県が責任を持ち、多岐にわたるスポーツ施設を各市単位でも郡単位でも特色を出して分担整備をし、全国に誇れる競技施設としてその競技の全国大会を誘致したいものであります。今までは中途半端なものを多くつくってきたわけであります。
 ちなみに、近畿二府四県での「国際」、「全国」と言われる定着した競技は、有名なものとして、大阪国際女子マラソンを筆頭に、大阪では全日本大学女子駅伝大会、大阪国際室内陸上大会、全国高等学校ラグビー・フットボール大会、全国大学相撲選手権大会、京都では都道府県対抗女子駅伝大会、全国高校駅伝競争大会──これは男女であります──滋賀県では昨日のびわ湖毎日マラソンがあり、奈良県では明日香ひなまつり古代マラソン、兵庫県では篠山ABCマラソンと、継続して行われています。和歌山県では、五月に全国大学実業団選抜相撲大会、四月に全国投てきカーニバルが開催されています。大学実業団選抜相撲大会は全国的にも知られている内容ですが、投てき大会などは全国的にインパクトの弱いスポーツイベントだと思います。県庁相撲部を中心に全国に紹介されているこの五月の大会も、現在の土俵や観客席で満足できるものでしょうか。岡本議員が一生懸命努力されているようであります。また、県立武道館も今日の状態でいいのかどうか、見詰め直して見る必要があると思います。
 スポーツの振興は言いやすいけれども、環境整備は時間と金がかかるだけに、県下全域で有効に機能する施設の配置とスポーツへの情熱を高める指導者の育成、選手層の拡大等々計画的に進め、近畿各県にない和歌山の海、山、自然を生かしたスポーツイベントを誘致し、毎年開催される大会にしてほしい、この努力を要望し、知事のご所見をお伺いしたいのであります。
 二点目に、国連・障害者の十年に関連して質問いたします。
 今議会でも国連・障害者の十年に関連して、北村・村岡両議員がそれぞれの視点から質問と提言をなされました。また、昨日は第十五回障害児者家族のつながりを広める文化祭が、多くの団体の後援のもと、県立体育館で開催されました。障害児者の社会生活への「完全参加と平等」を目指し、十年間の総括と新たな取り組みを求める目的を持つものであります。
 本年度予算にも、障害者福祉の充実を目指し、施設や福祉工場整備に補助する予算が積極的に組まれています。しかし、県下の作業場、授産施設等の現状を見ると、自立への努力を懸命に続けられていますが、関係者の指導とご努力もあって自主製品や下請作業によってつくられた製品の紹介や展示会も催されているわけですが、量販される環境にないことも事実であります。販路とされているのは主としてバザーや各種の催し時に出品される程度であり、農作物の栽培に取り組んでいる施設の場合でもほとんどが園内での消費であり、保護者の協力や関係職員、周辺住民の協力による売り上げが実情であります。それだけに、各施設の経営面の自立や保護者の苦労は大変だと思うのであります。そこに、県政の福祉行政の一つの課題もあると言えます。そのため、財政援助や補助のあり方が常に要望されるのであります。
 私は、過日の決算審査特別委員会で一つの提言をいたしました。それは、休耕田の活用も含めて大型の花の共同栽培と販路開拓についてであります。今議会でも紹介されていますが、県下の花卉産地の生産、出荷量は、皆さんの努力で年々増加し、作付面積、品種、販売実績も伸びている今日、花卉農家の皆さんと競合するかの視点ではなく、年間を通して難しい花づくりの中で、比較的育てやすく、つくりやすい品種を選び、作業の指導を受けながら、土になじむ生活のリズムをつくる花づくりの大型の共同作業施設を民間企業と協力してつくってはどうかということであります。そこでつくられた花などを県内の病院や医院の皆さんに購入していただくという販路の拡大が可能になれば自立への一助となるのではないか、民生部長の答弁を求めます。
 次に、コスモパーク加太計画に関してであります。
 三月九日、一般質問初日、先輩の富田議員からご質問がございました。新聞その他にも報道されているところであります。県勢発展に向けて加太土取り跡地の活用としてコスモパーク加太計画は、関西新空港と連動さし得る複合機能を持つ未来都市として期待をされ、推進機構を構成する皆さんや県市当局の関係者を中心に英知を集めて検討を続けられてきたわけですが、今後、十年を予測し、二十一世紀初頭に案画されてきた魅力ある都市が実現しているであろうか。期待されている推進機構の検討が大変苦しい状況にあると推察するのであります。大阪府が進めている前島計画も大きく後退している厳しい経済環境であり、当初予想された激しい競争率の中でも進出を希望していた企業も、バブル経済の破綻から大半が後退もしくは進出計画を見直しているのであります。優遇制度を出している大阪の前島でもこの実態であります。
 加太土取り事業に関連した意見や行動は本議場において多くの議員が取り上げたところであり、関空対策特別委員会でも関空会社に対して県民の声を厳しく反映してきた経過があります。とりわけ土砂単価については、県益のために一円でも高く引き取ってもらうべく努力と行動を続けたのであります。土取り事業は、開始がおくれたにもかかわらず、昨年の年末に無事故で予定量を空港島に搬出完了したところであり、関係者のご努力に感謝するものであります。しかし一方では、振動や騒音に対し理解と協力をされた地元住民の皆さんを忘れてはならないのであります。暫定単価立米当たり千三十円から最終立米当たり千二百二十五円と決定された土砂単価による土取り事業の概算収支は約二百億円強の収支アンバラスの結果になっている今日、現在進めようとしている粗造成事業にもさらに七十億円から八十億円の事業費が必要だと言われています。このような状況の中で土砂単価の交渉の際、関空会社から強調された跡地評価益や受益者負担を前提に、収支のアンバランスを解消する分譲単価を決定するのか。ならば高い分譲地となることは避けられないのであります。このような事態になりますと、今予測以上に進んでいる経済環境の悪化と民間企業を取り巻く状況を考慮するとき、複合都市を形成する条件は崩れつつあると私は見ています。また、計画の中に含まれている住宅ゾーンなども、和歌山市が現在進めている第四団地のような住宅やマンションだけでは関空関連の魅力ある町づくりにならないということを指摘したいのであります。苦しい決断かもしれませんが、大きく激しく変化する環境に対し柔軟に幅広く計画を見直す時期ではないか、知事に訴えたいのであります。
 和歌山市の積極的な取り組みと協力を促しながら、公共事業を盛り込み、二十一世紀への県民の財産として評価される魅力ある計画を練り直してはいかがでしょうか。知事のご所見をお伺いし、一回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(山本 一君) ただいまの和田正人君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 和田正人議員にお答え申し上げます。
 スポーツ振興と施設整備について、第一点としてグリーンピア南紀のグレードアップの問題でございます。
 住友金属野球団の皆さんがスプリングキャンプをグリーンピア南紀でやっていただいた、その経過を見てのよき点、これから直すべき点等を指摘していただいたわけでございますけれども、あそこでやっていただいたことに、心から感謝申し上げる次第でございます。
 お話ございましたように、宿舎等については六十一年に開設以来、県内県外の多数の皆さんが訪れていただいて好評を得ておるわけでございます。ただ、スポーツ施設の活用についてでございます。先ほど指摘された点を聞きながら、前にも下川議員からいろいろ指摘されたことも思い出しておるわけでございます。
 特に未利用地が二百七十ヘクタールあるわけでございまして、これについては事業団に対して第三セクターでやらしてくれ、こちらが第三セクターでやるから土地を貸してくれということを申し入れておるわけでございますけれども、まだその結論に立ち至っていないわけでございます。現在、使っているところの施設充実については幾らか努力していただいておるわけでございます。
 提言のございましたグラウンドの整備については、お話ございましたように紀南の活性化であるし、それを有効に使う意味からも、今後とも整備を十分検討してまいりたいと思っております。
 しかしまた、そうしたハード面だけではなしにソフト面にももっと力を入れよということでございます。紹介等いろいろソフト面の問題があるわけでございますけれども、そうした点についても十分対処してまいりたいと思っております。
 それから、市町村のスポーツ施設と県との関係、また市町村との連携において、競合するものでなくて特色ある施設と全国大会の誘致を図れということでございます。
 お話ございましたように、スポーツ施設の整備充実や全国大会の誘致は、県民の体力をつくり、競技力の向上を図る上で極めて重要なことでございます。このために現在、屋外スポーツの拠点である紀三井寺公園を中心にして、県有体育施設の整備充実はもとより、さらに屋内における国際的、全国的な規模の競技大会、ニュースポーツ大会の開催ができる多目的ホールなどの検討を重ねているところでございます。
 今後は、これらの県施設を拠点として市町村の体育施設を有機的に結びつけながら、それぞれの地域において生涯スポーツ、競技スポーツを育成して振興させるように市町村と十分協力してまいりたいと思っております。市町村の施設でございますから、こちらから一方的なことは言えませんけれども、お互いに協力し合っていく。特にスポーツ施設をつくる際は、文部省の許可をもらってつくる場合、都市計画の許可をもらって都市計画のもとにおいてつくる場合、市町村が単独でつくる場合の三つあるわけでございます。そうした点から起債が必要になってまいりますので、それらを絡み合わせつつ、できるだけ話し合いをやっていくという形で進めてまいりたいと思っております。
 次に、コスモパーク加太計画についてでございます。
 二十一世紀へ向けて、情報化、国際化に対応できる魅力ある新しい町づくりを目指して、民間企業のノーハウを活用しながら推進しているところでございます。ご指摘のとおり、急激な経済情勢の変化は大阪のりんくうタウン、また東京都において計画されている東京臨海部副都心計画等にも影響を及ぼしているところでございます。こうした経済動向の不確定な時期でございますけれども、コスモパーク加太計画は長期的な展望を必要とするプロジェクトと存じておるわけでございます。
 今後とも、ご提言の趣旨を踏まえながら、経済状況を慎重に見きわめつつ、和歌山市とも十分連携をとって柔軟に対応し、未来に向けた複合都市の建設を目指してまいる所存でございます。
○議長(山本 一君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 多目的ホールの進め方についてお答えを申し上げます。
 和歌山操車場駅跡地は、既成市街地に残された貴重な土地であり、公共利用を目的とした構想を策定して日本国有鉄道清算事業団と交渉を重ねてきたところでございます。健康福祉センター、総合庁舎、多目的ホールを整備するべく庁内で検討を重ねてきたところでございます。現段階では、いまだ各施設の大まかなイメージを検討している段階でございまして、基本構想案がまとまった段階で議会のご意向も承りながら計画をまとめてまいりたいと考えてございます。
 多目的ホールの計画の策定に際しましては、広く県民の利用が可能であり、利便性も考慮した施設とするために、専門家の意見や他府県の例等を十分参考にするとともに、議員ご提言の趣旨を十分踏まえて検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 民生部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) 和田議員にお答えをいたします。
 国連・障害者の十年の最終年に当たり、障害者の自立促進を図るための貴重なご提言をいただきましたが、県内授産施設等においては生産性や販路等に問題もあり、障害者が安定した収入を得て自立を図るためには、議員ご指摘のとおり、民間企業の一層の協力を得ていく必要があります。今後は、新しい視点に立った施策の展開を民生部だけではなく、なお一層全庁的な取り組みをしていかなければならないと考えております。
 具体的なご提言の花の栽培については、私も障害者が園芸など土に親しむことは豊かな人間性を育てる上からも非常に大切なことだと存じますが、技術や販路等の問題もございますので、農林水産部とともに研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 38番和田正人君。
○和田正人君 三点に絞った質問に、それぞれお答えをいただきました。以下、要望意見ということでそれぞれ申し上げます。
 一点目の、スポーツ振興と施設整備に関連してであります。
 スポーツイベントと県民の協力についてという立場で、私は昭和五十八年に県議会に初めて当選させていただいた当時、一般質問で、和歌山の道路事情を後ろ向きに考えるのではなく、この地形を利点としてツール・ド・フランスのようにはできなくても、自転車のロードレース全国大会を誘致できないかと発言をいたしました。その当時の答弁の骨子は、交通規制が難しいからということでございました。それ以来、私は、問題があるからやれないのではなく、実行するために問題点をどうクリアしていくのか、こういう物事に対する姿勢を持ってほしいということを機会あるごとに各委員会等で発言してまいりました。積極性、それが活性化への原点であると考えるからであります。
 今、時間短縮や余暇を過ごす環境整備が求められ、全国でリゾート法に基づき整備されようとしているようなそれぞれの施設も、けさのNHKニュースでも報道されていましたように、いろいろ見直さなければならない環境が厳しく起こっているわけであります。将来にわたって働く人たちが、安い手ごろな値段で長期滞在をし、いろんな意味で生活をエンジョイし、リフレッシュして、新しい意欲を持って社会と自分の家族、そして仕事に取り組んでいけるような環境をつくる。その中でスポーツと親しむ、その環境整備がどうなされているか、このことが当然問われる時代になっていると思うわけであります。県民生活にもかかわるスポーツ施設の整備を市町村とも十分連携をとって進めてまいりたいと、知事から、現状認識の上でいろいろと考えながらご答弁をいただきました。
 さらに、グリーンピア南紀についても、結果は予測できませんけれども、どうかプロ野球のキャンプを誘致するんだという意気込みで県単独の施設整備を進める、そして地元関係者の協力を積極的に進められるよう強く要望しておきたいと思います。
 二点目の、国連・障害者の十年に関連しての要望であります。
 民生部長の答弁に関連して、民間企業の一層の協力と全庁的な取り組みに触れられましたので、今後の展開について一言申し添えておきます。それは、今「地球に優しく、人に優しく」という言葉が多く使われています。これは、二十一世紀への課題を提起している言葉であります。
 戦後の日本は、昭和三十年代に入ってから大量生産、大量販売という経済活動で内外での成長を続け、そこから集中豪雨方式、牛若丸方式という海外輸出戦略で販売網を拡大し、貿易摩擦問題から海外現地生産方式の採用など企業活動を変化させながらも、国全体では貿易収支の黒字基調を続けているのであります。しかし、昨今のジャパンパッシングにかかわらず、これからの企業のあり方は金融、証券業界にとどまらず見直されるべきときであります。従業員の福祉向上はもとより、地域社会にどのように貢献するか、利益の還元を社会にどうしていくのか、これを問われる時代だと私は考えています。
 本年四月、ご案内のとおり、創立五十年を迎える和歌山製鉄所の戦前の歴史はともかく、今日までの和歌山とのかかわりの中で果たした役割、批判される事態など数多くの経過を踏まえ、今後に対処し、地域社会との共存共栄を図っていく節目を迎えているとき、私が提言をいたしました障害を持つ人たちへの花づくりの協力など、積極的に対応されると期待をしているのであります。今後、官民一体となって社会参加と自立を目指す、障害を持つ皆さんへの他府県にない施策を早く実現されるよう要望しておきます。
 三点目の、コスモパーク加太に関する知事のご答弁は、現状ではそれ以上踏み込めない事態として私も理解はいたします。
 仮谷知事、あなたは県政を進める司令官であります。今、風化されつつある世相とはいえ、第二次大戦において戦死をされた多くの英霊の中には、勇気ある撤退を指令できなかった司令官の判断による戦死者も多数いた事実は、その後の戦記によっても明らかであります。コスモパーク加太計画を取り巻く情勢と、いたずらに戦死に至らしめた南方方面の戦争とを同じ次元で論じるのは英霊に対し失礼ではありますが、県政の司令官として勇気ある撤退や変化に対応する計画変更は恥ずかしいことではありません。過去正しかったことが今日も正しいかどうか、価値判断の問題であり、いかに英知を集めた計画であっても、経済行為を伴う事業には、その背景や経済環境の変化という避けては通れない事態があるのであります。
 私は、過去の本会議において、関空と和歌山県という関係から常設展示場の設置について、幕張メッセ以前に提言したつもりであります。さらに、ODA(政府開発援助)の窓口を和歌山に誘致してはと提言をいたしました。今、PKO法案を含め、日本の国際貢献が改めて問われているわけですが、最近の状況は、海外協力隊の皆さんが誘拐を初めとして危険な状態に置かれている債務国のニュースが多くなっているだけに、海外援助や開発援助のあり方が問われているのであります。それだけに、コスモパーク加太にODAの窓口を誘致し、そこを通らなければ人も金も出ない組織と設備を公共の立場から設置してほしいのであります。そして、常設展示場には、一例でありますが、メーカーの協力を得てあらゆる農機具を常時展示する、メーカーからの派遣職員による指導がされる環境を整備した展示場であれば、発展途上国とりわけ農業の生産性向上を望む国々への援助と指導の役割、そして関西新空港におりた関係者は必ず和歌山に来なければならないのであります。和歌山にどうして来さすか。開かれた和歌山を目指し、国際都市和歌山を機能させていくためには受け身であってはならないのであります。和歌山から発信するものが必要なのであります。コスモパーク加太は二十一世紀への県民の財産であるだけに、誤りのない選択と幅広い視野に立って事業の遂行を知事に要望し、私の質問を終わります。
○議長(山本 一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で和田正人君の質問が終了いたしました。

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