平成4年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(北村 翼議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番北村 翼君。
 〔北村 翼君、登壇〕(拍手)
○北村 翼君 このたびは、発言の機会を与えていただきましてまことにありがとうございます。先輩各位に心から敬意を表する次第でございます。私は、和歌山県のさらなる発展を祈念いたしまして、数点にわたってご質問を申し上げたいと思います。
 まず初めに、福祉行政、特に障害者対策についてご質問を申し上げます。
 私ども、県民挙げて取り組んでまいりました国連・障害者の十年も、いよいよ本年をもって終了しようといたしております。振り返ってみますと、昭和五十年十二月九日、国連における障害者の権利宣言に始まるわけでございますが、その後、昭和五十六年には「完全参加と平等」の基本理念のもとに「国際障害者年」と定め、さらに昭和五十七年には障害者に関する世界行動計画が策定され、昭和五十八年から平成四年までを「国連・障害者の十年」として今日まで国際的な取り組みがなされてきたところであります。
 一方、本県におきましても、国際障害者年の基本理念のもとに昭和五十七年度に障害者にかかる和歌山県長期行動計画が策定され、市町村、関係団体を初め県民挙げて障害者対策を積極的に推進されてまいりましたが、本年三月末日をもって本長期行動計画が終了しようとしているところであります。
 こうした障害者対策にとって極めて重要な時期に当たり、さきの県議会において今後の障害者対策について知事は、この十年の点検評価を行い、課題を明らかにするとともに、国等の動向を見ながら新しい指針を検討する旨の、障害者の皆様方にとっては極めて心強いお考えを示されたところでございます。平成四年度における障害福祉予算においても、一、心身障害者援護施設の建設補助、二、身体障害者福祉工場建設補助、三、身体障害者福祉ホーム建設補助、四、身体障害者デイ・サービス事業、五、国連・障害者の十年記念事業、六、心身障害児地域療育拠点施設事業の新規事業を採択されるとともに、社会参加促進事業の充実や心身障害者小規模通所授産事業充実等、思い切った予算措置が講ぜられ、この十年の最終年度に当たり、知事の並み並みならぬ決意がひしひしと感じられるところであります。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 知事の格別の配慮により障害者福祉の向上が図られていることに深く敬意を表する次第でありますが、私は「障害を持つ人が、家庭やその地域で障害を持たない人とともに生活をしていることが当然の姿であって、したがって障害者を特別視したり閉め出したりする社会は弱くもろい社会であり、これらの人々が社会の一員として平等に生活できる社会を築き上げることが社会全体の責務である」というノーマライゼーションの理念の定着、すなわち県民の理解、認識の向上を図ることが障害者福祉の推進にとって極めて重要な課題であると考えます。
 国連・障害者の十年の終了後における障害者対策の一層の前進を図るため、私は「完全参加と平等」の実現を目指す日として、この十二月九日を国民の祝日とされるようご提言いたしますが、知事のご所見をお伺いします。
 また、国連・障害者の十年の終了後、障害者対策をどのように推進していくのか、民生部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、ホームヘルパー並びに社会福祉協議会の国庫補助職員についてご質問を申し上げます。
 周知のとおり、本県の高齢化率は一五・五%と、全国平均より十年先行していると言われています。橋本市の高齢化率は、平成三年度の県老人福祉課調査によると一二・八%で県平均より低い状態でございますが、その年齢階層の構造等を見ると、老人福祉サービスの整備充実は喫緊の課題であると考えます。国において示された高齢者保健福祉推進十か年戦略いわゆるゴールドプランによると、今後の老人福祉対策は施設中心から在宅福祉を組み合わせたものへとシフトされることになっているが、これは高齢者の希望に沿うもので、ぜひとも本県も積極的に推進されることを希望するものであります。ただ、在宅福祉を充実させるためには、その中心とも言えるホームヘルパー及び社会福祉協議会職員の存在が欠かせないのではないでしょうか。しかしながら、その確保並びに勤務の実態を考えると、私のところにも、給与が低い、社会的に認められない、後に続く後継者がない等、切実な声が聞こえてまいります。
 そこで、民生部長にお伺いをいたします。
 ホームペルパーの確保についてどのようなお考えで取り組んでおられるのか、またその待遇や社会的な地位の向上についてどのようにお考えなのか、また今般、ホームペルパー及び社会福祉協議会の国庫補助職員の手当などが改善されるように聞いておりますが、その内容についてもあわせてお伺いを申し上げたいと思います。
 次に、紀の川大堰に関連してご質問を申し上げます。
 紀の川大堰が河口から六・二キロの地点に可動ぜきとして本年三月着工されることが、近畿地方建設局より公表されております。新六箇井堰の抱えるさまざまな問題点を解消して、百五十年に一回の豪雨、船戸の上流の二日間雨量四百四十ミリにも耐えながら、毎秒一万二千トンの水を安全に流下させることができるという。さらに、水道用水、かんがい水の確保、魚道や水辺の生物の環境対策も含まれているという、まさに日本最新のすばらしい井ぜきであると同時に、関西新空港とともに連動し、和歌山県が世界へ飛躍する歴史的、画期的な大事業であると考え、高く評価をするものであります。
 紀の川大堰と言えば大阪分水、大阪分水と言えば紀伊丹生川ダムが連想されてまいります。密接不離の関係にある右岸の橋本市と左岸の九度山町。大堰が動き出すということになりますと、水没関係者及び水没関係市町、その他関係の皆様の心も動きます。不安と期待の昨今であります。
 そこで、これらのことに関連して、以下ご質問をしたいと存じます。
 まず第一番目に、丹生川の地質調査等の各種調査は平成三年と平成四年でほぼ終了し、平成五年度からは調査事務所を改め、ダム工事事務所として出発するとか風聞いたしますが、調査等の現況、今後の日程についてお伺い申し上げます。
 第二番目に、大谷川は橋本市南馬場地先で紀の川に流入する一級河川であります。この付近の紀の川堤防改修は平成二年に建設省直轄事業として概成いたしておりますが、あいにくその年の九月、台風十九号が来て上流域での豪雨により紀の川は増水し、堤防決壊には至らなかったものの、洪水の逆流を防ぐための樋門を閉めていたことから、大谷川の内水がはんらんし、紀陽団地に浸水をいたしました。床上浸水五戸、床下浸水十一戸、避難命令が出て七十戸の住民、二百五十人が近くの小学校に逃れたのであります。こんな立派な堤防ができ、もう水の心配はなくなったよ、こういうように喜んだのもつかの間の災害の発生でございました。そこで、二度とこういう浸水被害が起こらないよう、住民の不安除去のための内水対策をどのように考えておられるのか、お伺いします。
 第三番目に、橋本川及び落合川上流についてお伺いいたしますが、この橋本川上流の改修も住民から大きな要望がございます。そして、さらに芋谷川の改修もございますが、紀の川より二、三百メートルのところの改修がまだ済んでおりませんので、その進捗状況をお尋ね申し上げたいと思います。特に落合川は、上流が住宅開発の関連地になっているとともに奈良県とも接している河川であり、いろいろと交渉について困難性も多いと思いますが、その後の状況をお伺い申し上げます。
 第四番目に、紀の川の計画洪水関係書によりますと、船戸付近では毎秒一万二千トンの水を安全に流下させることになっており、橋本付近では毎秒六千五百トンを安全に流下するという計画のようでございますけれども、どの地点を指すのでございますか、お伺いを申し上げます。
 次に、指定文化財の保護と宿坊寺院の防火対策についてお伺い申し上げます。
 豊かな自然に恵まれた紀伊半島の西南に位置する我が郷土和歌山県は、霊峰高野山と熊野三山に象徴されるように、歴史と文化の宝庫として、古くから我が国の心のふるさととして、また南紀の黒潮洗う海岸線とマリンブルーの美しい海、そして緑なす山並みに恵まれた自然の宝庫として親しまれてきました。このように、和歌山県には貴重な文化財が数多く存在し、国及び県指定の文化財のうち有形文化財について見ると、建造物は室町時代から鎌倉時代のものが多く指定されています。
 その分布状況に目を移しますと、国、県指定文化財は四十九市町村に所在し、そのうちでも伊都地方が最も多く全体の三三・三%を占め、次いで熊野三山を擁する地域に指定文化財が集中している現状でございます。また文化財の種別で見ると、建造物では伊都地方が全体の二六・七%を占め、次いで海草地方の一七・二%の順で、紀北地方に集中している現状でございます。美術工芸品では、伊都地方が全体の五一・五%を占め、次いで東牟婁地方の一五・四%の順で、高野山、熊野の二大宗教文化の隆盛を物語っているところでございます。
 一方、記念物では、西牟婁地方の一九・二%を筆頭に東牟婁地方の一八・八%が続いており、紀南地方に貴重な自然が残されていることをうかがい知ることができます。また民俗文化財については、日高地方以南が全体の五二・一%を占め、古式豊かな民俗芸能等が数多く伝承されております。
 その文化財の数といい、質といい、実に国指定のものが四百二十件、県指定のものが四百九十二件、合わせて九百十二件の多きを数え、それに市町村指定のものは八百七件もございます。これは、国指定に限って申しますと、東京、京都、奈良、滋賀、大阪、兵庫に次ぎ全国で第七位の文化財保有県であり、このことについては大いなる誇りと喜びにたえないところであります。と同時に、この貴重な文化遺産を後世に継承する責任と重要性を特に痛感する次第でございます。
 しかし、この願いとは裏腹に、文化財所在地周辺での火災等が頻発している現状にあります。とりわけ高野山では、四年前に地蔵院、赤松院の火災、近くは本年二月十二日夜、総持院の火災等、指定文化財集中地域での火災発生に強い関心を抱いているところであります。
 そこで、これらのことに関連して、以下ご質問をしたいと存じます。
 まず第一番目に、文化財保護意識の高揚について当局ではどのように対応されておられるのか。
 第二番目に、県下の指定文化財施設における防火設備の現状と課題についてどのように考えておられるのか。
 第三番目に、昭和二十四年一月二十五日の法隆寺金堂炎上による壁画焼失の貴重な教訓を生かし、文化財防火デーが設定され、今日に至っておりますが、本県ではどのようなことが行われているのか、本県での対応をお伺いいたしたい。
 第四番目に、先日の高野山宿坊総持院の火災に関連し、新聞報道によれば屋内消火栓の未設置、年二回義務づけられている消防訓練の不徹底、防火意識の低調さなどが指摘されておりましたが、県当局として事後どのような指導をなされたのか、またこの種の火災再発防止のためどのような対応をなされるのか。
 以上、四点についてお考えをお伺いいたします。
 最後に、テレビ難視聴対策について申し上げます。
 今日の情報化社会の中にあって、テレビは県民の最も身近な情報伝達手段であることは言うまでもございません。しかし、本県のような山間地の比率が非常に高い地域では、電波の持つその特性から県土の一〇〇%すべての地域をカバーするのは大変困難であるということは、十分認識いたしているつもりでございます。
 また、県では難視聴対策について、昭和四十三年から長期間にわたり中継局や共同受信施設を設置するなど積極的に取り組んでこられ、その結果、県土の九六%以上の地域でテレビがよく見える状態となっていることについては敬意を表しているところでございます。残る四%については、山間地に数軒の家が点在しているような、対策が大変困難な地域がほとんどであろうと推測いたしております。
 ただいま、「ほとんどであろう」と表現いたしましたのは、すべてが山間に点在しているところではないという意味でございます。私の地元、橋本市恋野地区及び隅田地区東部では、五百軒に及ぶ世帯でテレビ和歌山の放送を見ることができないのであります。本日の私のこの一般質問も見ていただくことができませんし、知事さん、あなたの答弁をされているお姿もごらんいただけないわけであります。
 聞くところによりますと、本年度から郵政省がテレビ難視聴解消のための新規事業を制度化されるようですが、この事業は民間テレビ放送が一波も見えない地域に対してだけしか適用されないと伺っております。恋野地区及び隅田地区東部のように、テレビ和歌山以外の民間放送が見える地域は対象にならないそうでございます。
 私は、県土の一〇〇%でテレビが見えるようにしてくださいと申しているのではありません。なぜなら、その困難さは十分理解しているからであります。しかし、恋野地区のように数百軒もの世帯が固まって──恋野というのは、昔の一つの村でございます──県域テレビが見えないというような地域に対しては現状の制度で対応できないのであれば、それにかわる方法を市町村や放送事業者とともに協力して検討していただきたい。この質問の冒頭に申し上げたとおり、テレビは今や重要な情報伝達手段であり、また地域文化の向上といった面からも前向きに検討していただくことをもう一度お願い申し上げまして、これは要望とさせていただきます。
 以上で私の一般質問を終わらせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) ただいまの北村翼君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 北村議員にお答え申し上げます。
 障害者対策は、私も福祉の原点であるという観点に立って現在まで諸施策を推進してきたわけでございます。特に話ございましたように、平成四年度は国連・障害者の十年を締めくくる重要な年でございます。そのために、思い切った予算を計上させていただいておるわけでございます。
 十二月九日を国民の祝日とされるような提言を承ったわけでございますけれども、この提言は、国連・障害者の十年終了後においても県民意識の向上、施策の充実を図らなければならないという願いを込めた意見と受けとめさせていただいているわけでございます。国連・障害者の十年終了後における方策についても、新たな指針策定について十分検討を加え、いささかも停滞を来さないように努力してまいりたいと存じておる次第でございます。
 それから、難視聴対策についての恋野の問題でございます。
 要望でございますけれども、十分配慮させていただきます。
○議長(山本 一君) 民生部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) 国連・障害者の十年後の障害者対策についてお答えをいたします。
 国連障害者の十年終了後の障害者対策については、ただいま知事から答弁いたしましたとおり、国連障害者の十年の意義を継承し、さらに積極的な施策の推進を図ってまいる所存でございます。
 今後、重点的に取り組むべき課題については、この十年間の成果を評価点検する中で明らかにしてまいりますが、とりわけ、障害者が地域社会や家庭で安心して自立した生活ができ、社会活動に活発に参加できる条件づくりが必要であると考えております。そのためには、生活環境の整備を初め、雇用の促進、在宅福祉対策の充実、重度障害者のための施設整備などが当面の重要な課題であると認識いたしております。これらの課題解決のため、広く県民や関係機関の理解と協力をいただきながら、一層の努力を払ってまいる所存でございます。
 続きまして、ホームヘルパーの手当についてお答えをいたします。
 議員ご指摘のとおり、在宅福祉対策の推進には特にホームヘルパーの確保が肝要であり、昨年策定した喜の国長寿保健福祉プランにおいても、平成十一年度までに千二百人のホームヘルパーを確保する目標を掲げているところでございます。そのためには、ホームヘルパーの処遇の改善が急務であり、国に対し強く要望してきたところでございます。
 今般、国の平成四年度予算案において、常勤ヘルパーの手当額について年額百万円が増額され、給与の改善はもとより、新たに適用されることになった全国の退職共済制度の掛金や各種手当、社会保険料の事業主負担分が賄われることとなってございまして、その所要の経費を県においても平成四年度予算案に計上いたしているところでございます。また県単独事業として、県の社会福祉協議会で行っている共済制度への助成措置をも講じることといたしてございます。さらに、将来のマンパワーの確保のために、福祉人材情報センターの設置を平成四年度事業として国に要望しているほか、ホームヘルパーの社会的地位の向上のためのイメージアップ事業として、県民からホームヘルパーの愛称の募集などを行う事業も予定してございます。
 これらの事業を総合的に実施することにより、ホームヘルパーの確保を積極的に推進してまいる所存でございます。
 最後に、社会福祉協議会の国庫補助職員の手当についてでございます。
 社会福祉協議会の職員の給与等の改善については、当該地方公共団体の職員に準じるように指導してまいっているところでございますが、地域福祉の積極的な推進を図るためにも、今後とも引き続きその処遇の向上について市町村社協を指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) 紀の川大堰に関連してお答えを申し上げます。
 まず、紀伊丹生川ダムの実施計画調査については、建設省において平成元年度より地元関係者の協力を得ながら水理水文等の諸調査を進めており、平成三年度末で延べ二十本のボーリングを実施いたしました。平成四年度は、地質調査ボーリング及び各種の調査を継続して行う予定と聞いております。
 なお、ダム工事事務所の設置の時期については、今後さらにその調査の進捗状況等を踏まえる必要がありますが、できるだけ早く設置できるよう努力してまいりたいということを聞いてございます。
 次に、橋本市南馬場団地付近の大谷川河川改修については、紀の川合流点より九百メーター間の改修計画を策定し、県事業により昭和六十年度に完了いたしました。合流点付近の内水対策については、紀の川本川の無堤部の解消等、直轄河川改修事業の進捗状況を勘案しつつ、内水対策について協議を進めていくと聞いております。
 次に計画洪水位については、紀の川の河川改修計画において橋本地点での計画高水流量を毎秒六千五百立方メートルと定めております。橋本橋地点でございますが、このときの水位は現在の橋本橋のけた下から約一・六メートル下がりに相当いたします。
 次に橋本川の河川改修については、橋本林間田園都市計画を契機として昭和四十八年度より着手し、紀の川合流点から市街地部の三百六十メーターを残して概成いたしております。この残された区間の用地買収を進めるに当たっての問題点を整理すべく、国、県、橋本市で協議を行った結果、平成七年度を目途に事業用地の取得を図ることとし、市とも十分連携して河川改修の早期完成に向け、努力をしてまいります。
 また落合川については、奈良県との県境に位置していることから、協調して河川改修を進めております。平成四年度には当初計画区間二百メートルを完成させることとしておりますが、さらに上流の延伸については、奈良県と協議を行い、基本的には合意を得たところでございますので、今後、早期事業着手に向け、協議を進めてまいります。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 宿坊寺院の防火対策についてでございます。
 本年の二月十二日に発生した総持院の火災においては、ご指摘にもございましたが、屋内消火栓の未設置、消火避難訓練の未実施などが判明をいたしましたため、二月十四日付、総務部長名で県下消防関係機関を通じてこの種火災の再発防止に万全を期するよう通知するとともに、高野町消防本部から火災の状況と今後の防火対策について説明を求め、火災予防査察の強化など必要な指導を行ったところでございます。
 さらに、近く宿坊寺院の関係者を対象に防火安全対策会議を開催して、防火意識の高揚を初め、消防用設備等の設置、維持管理、消火、避難訓練の実施など、防火対策の徹底を図ることといたしております。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 文化財の保護と防火対策についてお答えいたします。
 議員ご指摘のとおり、本県には高野山、熊野三山を初めとして県下各地に数多くの文化財がございます。この貴重な国民的財産である文化財を保存伝承し、活用していくことが大切なことでございます。
 教育委員会といたしましては、文化財保護とその意識の高揚を図るため、行政担当者の研修を行うとともに、各市町村に文化財保護指導委員を配置し、文化財パトロールや保護指導に当たるなど、県民に広く親しまれる文化財としてその保護と活用に取り組んでいるところであります。また、文化財の所有者に対しましては、文化財保護管理のための実務研修等を行い、その意識の高揚を図っているところでございます。
 次に、県下の防火設備の現況についてでございます。
 国指定文化財にあっては、警報設備は九三%、消火設備は八七%、避雷設備は八三%の設置状況となってございます。また、県指定文化財についても、それぞれの設備は全国平均を上回っている状況にございます。文化財の防火設備の設置については、教育委員会と市町村、さらには所有者がお互いに役割分担をしながらその充実に努めてまいりたいと考えてございます。
 今後の対策についてでございますが、未設置箇所の解消や老朽設備の改修については年次的に行うとともに、美術工芸品については収蔵庫による保存を図るよう指導してまいりたいと考えてございます。
 次に、文化財防火デーの取り組みについてでございますが、十一月の文化財保護月間に引き続き、防火訓練、防火設備の点検を初め、ポスターや街頭啓発等を実施いたしております。今後とも、消防署並びに関係機関の協力を得ながら、文化財防火運動の一層の展開を図っていくよう、所有者などを指導してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) 再質問がないようでございますので、以上で北村翼君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(山本 一君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時十七分休憩
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