平成4年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(尾崎要二議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時三分開議
○議長(山本 一君) これより本日の会議を開きます。
○議長(山本 一君) 日程第一、議案第一号から議案第八十一号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 1番尾崎要二君。
 〔尾崎要二君〕(拍手)
○尾崎要二君 お許しをいただきましたので、一般質問を始めさせていただきたいと思います。私も、県議会議員とならせていただいて、ちょうどことしの春で五年目でございます。五年目というのも一つの節目ではなかろうかなと思いまして、一生懸命させていただきたいと思っております。
 今回の私の質問は、「庁舎建設について」と「和歌浦湾周辺の道路整備について」の、以上二点であります。
 まず初めに、庁舎の建設についてであります。
 現庁舎については、昭和十三年三月に西汀丁より現在の小松原通一丁目に移転新築をされております。その後、昭和二十年にはB29の空爆により周りの施設は焼失しておりますが、本館は被爆を免れ、今日まで県政の中核として親しまれてまいりました。そのたたずまいは、昭和の歴史を見詰め、風雪に耐え、何とも言えない重厚さを漂わせている建物でもあります。
 戦後の庁舎については、昭和三十二年に本庁舎に接続した形で西裏側に庁舎が、昭和三十七年には同じく東裏側に議会棟がそれぞれ増築されてまいりました。それからも、昭和三十九年には東別館、昭和四十一年には北別館、昭和四十三年には警察本部の西別館が建設され、今日に至っております。
 昭和十三年に移転してから五十四年、時代の流れとともに老朽化も進み、増築に次ぐ増築においてその機能も大きく後退をし、問題点も数多く指摘をされるようになってまいりました。
 私も、皆さんのご支援、ご指導のおかげで二期目の議員活動をさせていただいているわけでありますが、この五年間、庁舎を利用して感じたことをそのまま申し上げさせていただくならば、狭い、暗い、利用しにくいというのが私の率直な実感であります。庁舎を訪れ、利用される県民も同じ考えを持たれている方が多いと思われます。
 例えば、健康福祉和歌山の推進が県政の大きな柱である本県の姿勢から見ても、目の不自由な人や車いすの人たちが県の障害福祉課へ簡単に訪ねにくいような建物の構造であることを大変残念に思っているのであります。この点については過去の本会議や委員会においても何度か指摘をされたことがあるようですが、エレベーター設置については構造上の関係で新しく設置をすることが困難であるということを聞いております。また、庁舎を利用する県民の声として、駐車場のスペースが少ない点もよく聞かされるところであります。そのほか、各課を訪ねようとしても廊下が迷路のようになっているのも問題であります。
 過去五回も増築を繰り返している結果、現在のような姿に至ったことは理解をできるわけでありますが、先般も、玄関にあるサービスステーションの窓口で道順を教えてもらった人がその地図を見ながら途中で立ちどまり、首をかしげている姿を見かけたところであります。窓口で話を伺いますと、平日庁舎を利用される方で、部屋へ行くのに道順がわからなくてサービスステーションにおいて問い合わせをされる方が、多い日で二百名、少ない日で百三十名ぐらいおられるとのことで、一番多いのは知事公室、二番目は土木部、三番目は総務部であるということでありました。
 また、通路にロッカーや書類を入れた段ボール箱が積み上げられているところもあり、各課の入り口が見えにくかったり、見つけてもドアが閉まっていて中が見えないので何となく入っていくのに気が引けるし、中へ入って話を聞かせていただくにも部屋が狭くて座るスペースも少なく、受付カウンターがないためにだれに声をかけたらいいのやらといった利用者の声も何度か聞いております。通路のロッカーや段ボール箱、書類等は消防法の上からも問題になるのではないかと思われます。その他、陳情や待ち合わせのための県民ロビーにおいても、利用者から見れば改善が求められております。
 今日、この庁舎の現状について知事も十分承知をされ、長らく心を痛められていることであろうと推察をいたします。限られた予算において県民の幸せを考えたとき、県職員の仕事をする場所でもある県庁舎建設を後回しにしてでも、二十一世紀に向かって県民の大きな願いでもある交通体系の整備や福祉の充実、医大の移転整備や図書館・美術館等の建設、和歌山マリーナシティなど、それらの推進に全力をもって取り組んでこられた知事の政治姿勢は大きく評価をいたしておりますが、庁舎についてもいつまでも待てないということをこの際訴えたいと思います。
 ますます増大していく事務量、県民の利便性を思うとき、各課の部屋の狭さ、庁内の複雑さから見て、このままにしていくことは、子供が大きくなっていくのにいつまでも同じ服を着せているようなものであります。県民あっての県庁舎であるとともに、広く県民に親しまれ、利用されてこそ行政との一体化が生まれてくることにもなります。行政は最大のサービス産業であるという考え方もある中で、全面的に庁舎を見直していく時期になってきていると思います。
 既に議会棟については平成元年度に建設についての基金の積み立てがなされているのに、行政棟については平成四年度予算案においてわずか百万円の調査費が計上されたところであります。常に議会と行政は車の両輪のごとくでなければならないことからも、思い切って行政棟建設に向けての基金を始めるべきであります。
 まず、庁舎建設に対する知事のお考えをお尋ねしたいと思います。
 例えば、仮に近く庁舎建設に取りかかるとすれば、いろいろ論議される点があろうかと思います。まず、現地で一部を手直しするのか、現地で全面的に建てかえをするのか、それとも全面移転をするのか、全面移転をするとすればどこがいいのかといったような問題点もありますし、また将来を考えての適正な敷地面積と庁舎の規模についても今後どのように考えていくのか、その他財政面や時期的な問題もあろうかと思います。それらについて、少し時間をいただいて自分なりに調べたことや思ったことについて述べさせていただきたいと思います。
 まず最初に、部分的な改築か、全面的な建てかえかという点については、今日までの庁舎の歩みについて先ほど述べさせていただいておりますが、昭和十三年にスタートを切ってから昭和三十二年、三十七年、三十九年、四十一年、四十三年と、それぞれ増築を重ねてきたことから継ぎはぎだらけになり、いろいろ弊害が発生してきて、結果的には後手後手対策しかできていなかったという形になっております。それらのことからも、今回においては小手先だけの部分増改築はすべきでないということを指摘させていただきたいと思います。
 二点目は、現地建てかえか、全面移転かについてであります。
 本県の庁舎の本館については、正面側が、先ほども述べたように昭和十三年の建築であり、建物の古さから言えば、古い順に全国で十二番目に当たります。庁舎全体の建物の広さについては延べ床面積が三万五千四百平米であり、全国的に見て狭い順位から五番目になっております。一番狭いのは山梨県の三万一千平米で、二番目が富山県の三万三千四百平米、それから高知県、長崎県、そして本県であり、我々も常に狭く感じておりましたが、この数字でそのことがよくわかります。
 参考までに、延べ床面積の一番大きいのが東京都の三十三万五千平米であり、本県の約十倍、二番目に大きいのが愛知県の十四万七千八百平米で、本県の四倍となっております。また、本県の庁舎の土地の広さ、いわゆる敷地面積は二万二千平米であり、全国的に見てみますと、狭い順で十一番目に当たります。敷地の一番狭い県は長崎県の一万五千七百平米で、一番広い県は新潟県の十二万五千四百平米になっております。過去十五年間に全面的に庁舎を建設したところが十一都県あり、そのうち現地建てかえが六県、移転が五都県となっております。現地建てかえをしたところと移転をしたところの新しい建物の延べ床面積は、東京都を除けば、どちらも平均八万平米台であります。現地建てかえも移転も、建物の大きさには大きな開きがありません。しかし、敷地の面積から見てみますと、現地建てかえをしたところの平均は五万平米に対して移転をしたところの敷地面積の平均は九万平米でありますので、現地建てかえのところよりも移転の方が四万平米も大きくなっております。
 これらのことから、本県において現地建てかえか移転かを考える場合、まず本県の敷地面積は二万二千平米であり、敷地不足を移転の理由として既に移転した山形県のもとの敷地面積二万三千平米、同じく新潟県の二万三千平米、福岡県の二万四千平米よりもまだ本県の方が狭いということになり、これ以上広げることも困難が予想されますので、現地で建てかえることについては難しいと言わなければならないと思います。
 ただ一つ、現地で建てかえをする可能性を探るとすれば、庁舎の南側にある県民文化会館と県印刷所の敷地が一万一千六百平米程度ありますので、これをも含めて検討すれば三万三千六百平米となり、現地建てかえをした徳島県や宮城県ともよく似た敷地面積になってまいります。
 現地は商業地域でありますので、建ぺい率が八〇%になっております。また、北側には公園もあることから高層の建築物は規制の対象となり、どうしても南側に高層の建物を考えなければ必要とされる七万平米程度の延べ床面積を確保しにくくなり、駐車場のスペースや緑化等にも配慮していくとなれば県民文化会館の全面的な建てかえも必要になってくると思います。
 このように、現庁舎と県民文化会館等の敷地を合わせて三万三千六百平米になれば、現時点で現地建てかえの最低限の広さは確保できるものと思います。しかし、二十年先、三十年先においては果たしてこれだけのスペースで大丈夫なのかどうか、少々心もとないところもあると思います。
 平成四年度予算案において調査費が上程されておりますので、調査の段階から全面移転の可能性についても真剣に検討すべきであるということを申し上げたいと思います。
 仮に全面移転の方向が出るとして、距離的に大きな変化を求めないとすれば、和歌山、海南、貴志川町が接する付近も好条件であろうと思います。また、思い切って動くとすれば、御坊か田辺地方へということも考えてみる必要があろうかと思います。
 常に感じていることでありますが、県の人口の四割が和歌山市へ集中してしまい、地図上から見ても県の北側へ、海側へ偏っており、紀中、紀南東部において人口十五万人を超える中核都市がないことが県土のバランスある発展の障害となっております。
 国においても、東京一極集中を解消しようという首都機能移転構想が具体化に向けて動き始めております。昨年の夏には衆参両院に国会等の移転に関する特別委員会が設置をされ、国土庁長官の私的懇談会である首都機能移転問題に関する懇談会が中間報告をまとめております。そして、政府が今国会へ提案する地方拠点都市地域整備・産業業務機能再配置促進法案についても東京一極集中の是正がその目的であることから見てもわかるように、本県においても県庁の移転について大いに検討する必要があると思います。
 三点目については、庁舎の建設を計画してからの期間と財政における基金の積み立てについてであります。
 人口がよく似た県の例を見てみますと、計画を始めてから完成するまでに十年以上の期間がかかっております。例えば、沖縄県で十二年、福井県で八年、徳島県では二十二年といったようにであります。また、基金積立期間についても、沖縄県で七年、福井県で八年、徳島県で十五年かかり、その間に積立金額も建設費の半額近くに達しております。工事費については、沖縄県において今回三百九十八億円が予定されていることから見ても、本県において今すぐ着工したとしても四百億円以上の大きな予算が必要となってまいります。そのためには今から基金の積み立てをし、平成十一年には医大の整備移転が完了する予定でありますので、その後の時期を目指して準備を進めていく必要があるように思われます。
 自主財源の厳しい本県にとって、基金の積み立ての必要性は当然であります。昨年の秋の知事選において一千二百億円の基金が争点となっておりましたが、庁舎建設についても関連性がありますので、少し時間をいただいて私なりの考えを述べさせていただきたいと思います。
 議会棟等建設に対して平成元年度に基金が積み立てられているのに、行政棟については全く基金が積み立てられていないということで、少々寂しい気がしております。なぜならば、現在の敷地のスペースがもっと広くあり、現地建てかえという方向づけが既にあるのならば、議会棟と行政棟の建設時期がそれぞれ違っていても大きな支障を来すことはありませんが、今の状況であるならば全面的な建てかえや移転の可能性もあることから、一体性を持たすためにも同時に積み立てを進めていただきたいと思っております。
 それから、基金についての考え方でありますが、現在、県が保有している主な基金を平成二年度の決算書で見てみますと、県債管理基金五百五十二億円、医大整備基金百五十三億円、文化施設等整備基金六十八億円、土地開発基金百三十六億円等となっており、これらの基金は、いずれも将来有効に活用されるべく積み立てられてきたものであります。総事業費五百億円とも言われる医科大学の移転しかり。既に着工を見ている図書館、美術館の建設しかり。あるいは、公共事業の完成が遅延する最大の原因が用地の取得難であるということを考えるとき、公共用地の先行取得の重要性が求められております。そして、これらの基金が県勢活性化のために今後ともより有効に活用されていくものと期待をしているところであります。あわせて、行政棟建設のための基金の積み立てを一刻も早くすべきであると訴えたいと思います。
 四点目は、庁舎の機能とイメージについてであります。
 昨年、東京都の新庁舎を見学させていただく機会がありまして、一番感心したことは、大きな都民広場や都民が気軽にくつろげるための明るく大きいロビーがあり、都民の利便性についていろいろ配慮されたこと、また最新のOA機器が配備をされ、机などに書類等が余り目につかなかったことであります。
 古い考え方、すなわち昔ながらのお役所といったイメージで建設された建物を見るだけで県民と役所の間に垣根があるように感じられることは県政を進めていく上で大きなマイナス点になるということも注意していかなければならないと思います。近く庁舎を建設するとすれば、五十年を経てもその時代の要請にこたえられるような建設の場所、建物の規模、機能等を考えていかなければならないことから、大切なことは、目先で物を見る感覚ではなく長い目で物を見ることのできる感覚が望まれると同時に、あらゆる可能性を迅速・的確に分析判断していけるよう心がけて調査を進めていただきたく、強調しておきたいと思います。
 新庁舎が完成していくまでにある程度の年月がかかってくると思われますので、現庁舎において、廊下の案内表示など改められるところから早急に改善していただくようお願いを申し上げ、以上四点の事柄について当局の答弁を求めたいと思います。
 二番目の質問は、和歌浦湾周辺の道路整備についてであります。
 昨年秋の知事選挙において道路網の整備が県政の課題として最も注目され、選挙期間中における電話世論調査の新聞記事においても、三二・五%の人が道路であると答えられておりました。そして、県民の大多数の人たちがその願いを託したのは仮谷志良候補、知事、あなたであります。「確かな実感、和歌山の時代─こころ豊かに、誇れるふるさとに─」の公約を一日たりとも休むことなく邁進していただきたいというのが県民の願いであります。
 幸い、本県の道路の幹とも言うべき高速道路については、昨年の十二月三日、国土開発幹線自動車道建設審議会において御坊─海南間二十九キロメートル、そして田辺─すさみ間二十七キロメートルが基本計画区間に決定され、御坊─南部間の二十一キロメートルが整備計画区間に決定をされております。このことは、今日まで知事を先頭に県当局、県議会の高速自動車国道紀南延長促進議員連盟等、県民挙げて強力な陳情を重ね、一丸となって努力をしてきた成果であります。今後も、近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道や国道、主要県道等、国土軸への接近と県内広域幹線道路網の整備をすることが急務であり、その整備については集中的に全力をもって対応することが最も重要であると考えます。
 平成六年には待望の関西新空港が開港され、そのインパクトを県勢浮揚の起爆剤とするために本県においても数々のビッグプロジェクトが積極的に推進されておりますが、それらを大成功に導いていくためにも、また県産品の輸送や企業誘致などにおいても道路の整備が急がれているのであります。
 特に今後注意を払って整備を考えていかなければならない点についてでありますが、それは、ビッグプロジェクトの完成やイベント等によって予想された以上に車の量が急にふえることがあるということであります。そのことによって交通渋滞が発生し、県民生活に大きな影響が出てくることも考えられるということであります。
 今回は、和歌山マリーナシティ、そしてそこで開催される世界リゾート博、海南インテリジェントパーク、医大の紀三井寺移転整備、それから紀三井寺、和歌公園などについて述べさせていただき、それらを結ぶ和歌浦湾周辺の道路について知事並びに当局のご見解を承りたいと思います。
 まず、平成六年七月十六日から九月二十五日までの七十二日間、マリーナシティを主会場として世界リゾート博が開催される予定になっております。開催中における入場者総数が百万人、一日当たりの利用者数は平日で一万人、車の台数が千三百台、休日で三万人、車の台数が三千五百台になると予測をされております。利用者の大部分が国道四十二号を利用されることから、現在でも朝の通勤時間には毎日渋滞が発生しておるのに、その上に急にこれらの車がふえるとなれば大混雑をすることは容易に判断できるところであります。
 既に世界リゾート博推進会議の専門部会において総合的に検討を進めていると十二月定例会で答弁されておりますので、どのように検討されているのか、そして具体的にどこをどのように改善されようとしているのか、土木部長の答弁を求めます。
 リゾート博は限られた期間でありますけれども、その後のマリーナシティが完成いたしますと、最終的には定住者四千八百人、住宅千五百戸、一日の入り込み客が八千二百人、それに従業員が二千二百人の計画となっております。定住者四千八百人と言えば、ちょうど龍神村の人口と同じで、私の地元美里町が四千九百人であることから見ても、一つの町がマリーナシティに生まれてくることになります。マリーナシティの東側、海南東インターの近くには海南インテリジェントパークが決定され、先般、起工式があったところであります。既にその中核となる株式会社和歌山リサーチラボも発足しており、平成五年の後半には分譲も開始する予定であると承っております。高度産業の拠点を整備し、計画就業人口が約三千人と予想されております。県が目指すテクノ&リゾートに対して地元も大きな期待を持っているところであります。
 マリーナシティから少し北に目をやれば、紀三井寺競馬場跡地に県立医科大学の移転整備が進められ、昨年の春には基本構想が策定されております。基本構想によると、ベッド数が現在の六百六十三床から八百床に、外来患者も、現在の千人から千三百人ないし千四百人と多くなり、職員等でも千人を超えるとのことであります。県民医療の中核となる医大移転の一日も早い建設が県民の願いであることからも、平成十一年の完成予定を一日も早められるよう期待をしているところであります。
 新医大の近くでは和歌公園の整備も進み、平成五年度末には完成する予定でありまして、毎年利用者がふえており、もうすぐ年間五十万人を超えるものと思われます。それから、紀三井寺のお寺さんを訪ねる人も平成二年で年間七十万人に達しております。
 今まで申し上げた数字を再度要約いたしますと、マリーナシティで定住者四千八百人、一日の入り込み客数八千二百人、そして従業員数二千二百人、海南インテリジェントパークの計画就業人口三千人、新しい医大の外来患者数一日千三百人から千四百人、それ以外に職員、学生で千名、和歌公園の利用者数も年々ふえる状況であります。しかし、これらを結ぶ道路は国道四十二号であり、二十年前の和歌山国体のときに二車線から四車線化され、以後、そのままになっております。平成二年の紀三井寺の毛見方面における二十四時間の交通量が三万六千百台であり、現状の形ですら混雑度も年々高くなってきております。
 和歌山市においても、毛見一号線から北進する方向でシーサイドロードの建設に取り組んでおられますが、旭橋付近の改良も同時に進めてこそ、初めてその価値が出てくるように思います。県もシーサイドロードの建設に対して和歌山市へ全面協力をすべきであるし、旭橋付近の拡張、立体交差改良についても早急に国へ要望を進めていくことをお願いしたいと思います。そして和歌浦湾周辺、特に四十二号のバイパス化、湾岸道路についても、今真剣に取り組まなければ、先ほど申し上げたように、車の台数は急に、また年を追うごとに確実にふえていくということを申し上げて、知事及び担当部長の答弁を求めたいと思います。
○議長(山本 一君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 尾崎要二議員にお答え申し上げます。
 新庁舎建設について質問なり卓見をいただいたわけでございます。
 お話のように、県庁舎も老朽化、狭隘化していることは事実でございまして、県民の皆さんにも多大な不便をかけておることと思います。しかし、これを改築すべきときではないかという考えのもとに、このたび調査費を計上させていただいた次第でございまして、この調査をもとに十分検討を加えていただき、また議会における意見並びに関係の皆さんの意見をいただきながら、お話ございました基金の問題をも含めて十分検討させていただきたいと存じておるところでございますので、よろしくお願い申し上げます。
 詳細については、部長から答弁いたします。
 和歌浦湾周辺の道路整備についてでございます。
 高速道路につきましては、お話ございましたように、昨年の十二月の国幹審において本県にとって明るい方向が見出されたということで、非常にうれしく思っておるわけでございます。また、それとともになお一層努力して仕上げていかなければならないと思っております。
 次に和歌浦湾周辺の道路整備につきましては、当面は平成六年七月に行われる世界リゾート博に向けての道路整備が緊急課題であり、現在、関連道路施設部会で検討を進めておるところでございます。
 また、中長期的に見た場合、マリーナシティの整備、紀三井寺への医大移転、和歌公園の整備等のプロジェクトの整合を図りながら、広域的な観点から道路計画を今後検討してまいりたいと思っております。
 詳細については、部長から答弁いたします。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 新庁舎の建設の問題でございますが、基本的には今後の調査検討によるべきものと考えております。
 まず、議員ご質問の、部分改築か全面建てかえかということでございます。
 現庁舎の老朽化、狭隘化が進んでいることを考えますと、現庁舎を残しながら部分改築を行うということは効率的ではないと思われますので、全面建てかえが必要であろうと考えております。
 第二点の、現地建てかえか、あるいは全面移転かということでございます。
 現段階では全く白紙の状況でございます。ただ、現在地は面積的な制約、法規制の問題、周辺用地の活用の見込みなどを考える必要がございます。現在地以外についても、立地場所の選定、用地取得の難易等々の問題がございます。いずれにいたしましても、あらゆる角度から検討を重ねてまいりたいと考えております。
 第三点の建設時期と基金の積み立てについてでございます。
 建設時期につきましては、ご指摘にもございましたが、他府県の状況から見ても、計画を始めて完成をするまでに約十年前後要している状況にございます。したがいまして、今後の調査結果を踏まえて十分検討し、幅広く意見を求めていくということになりますと、相応の検討期間が必要になってまいります。
 次に基金の積み立てでございますが、庁舎建設となると起債の対象にはなりますが、それでもなお相当な一般財源が必要でございます。県勢発展のための基盤整備、あるいは観光リゾートの振興、文化、医療、福祉関係の諸施策の推進に支障のないように計画的な準備をしていかなければなりません。
 他府県においても基金の設置を行っておりまして、本県でも建設期間中だけで多額の一般財源を調達することは困難でありますので、あらかじめ基金として一定額を積み立てておくことが必要になってくると考えております。したがいまして、議会棟等建設基金の取り扱いも含め、今後十分検討をしていきたいと考えております。
 第四点といたしまして、庁舎の機能とイメージについてでございます。
 非常に大切な点でありまして、将来をよく見据えた検討が必要であります。特に議員ご指摘の視点を踏まえまして、県民のシンボル的な建物としての性格も持つものでありますから、来庁される方々の利便性、また執務上においても合理的な機能を備え、さらには広く県民の方々に開放された親しみのある庁舎とすべく検討研究をしていく必要があると考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 和歌浦湾周辺の道路整備についてでございます。
 世界リゾート博関連道路の整備につきましては、世界リゾート博推進会議の中の関連道路施設部会において現在検討を進めているところでございます。
 検討概要でございますが、リゾート博協会より示された観客の動員数、あるいはその中の方向別自動車流動等の資料を基本的なベースとして、現在の道路網の問題点、整備をしていくときの課題、整備方針等について検討を行っております。
 具体的には、国道四十二号の毛見拡幅、あるいは市道名草百三十六号いわゆるシーサイドロード、それから都市計画道路築地阪井線、大野中重根線及び大池線、さらに近畿自動車道の海南インター等の整備、国道四十二号の海南市にある船尾交差点等、現道の交差点改良等が今必要と考えられておりまして、それぞれの道路管理者とともに整備計画を進めておるところでございます。
 県といたしましては、今後も引き続いてそれぞれの道路管理者と協議をし、事業促進を強く要望してまいりたいと思っております。
 次に、議員ご指摘のとおり、中長期的には今後、マリーナシティ、海南インテリジェントパークあるいは医大移転等の大きなプロジェクトが進行してくるわけでございます。それに伴って交通流動も大幅に変化するということが想定をされますし、これは今後の道路網計画の検討課題でございますので、十分勉強し、いろいろなことについて早急に検討を進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 1番尾崎要二君。
○尾崎要二君 まず、一番目の庁舎建設についてでありますが、これからいろいろと調査をされていくということでありますので、今回の私の質問も今後のご参考にしていただければと思います。
 ただ一点申し上げたいことは、庁舎すなわちハード面も重要でありますけれども、同様に組織またシステム、それと同時に県民に対する対応、接遇などのソフト面も大変重要であるということを指摘し、この機会にソフト面においても再度総点検をしていただき、県民にとって訪れやすい、また職員の皆さんにとっても意欲的に心弾む思いで仕事ができる環境づくりに取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
 それから、和歌浦湾周辺の道路整備についてお答えをいただいたわけでありますが、正直なところ、心配でならんというのが私の気持ちであります。それは、急に車の数が大きく膨れ上がるのが当然予想されているのにもかかわらず、アクセスの対応が十分にできていないのではという点についてであります。
 リゾート博のイメージがすばらしい余韻となって県外に広まり、本県のイメージアップにつながっていくためにも、またマリーナシティの今後の運営に対するなお一層の県民の理解を得るためにも、県民生活に大きな支障を来すような交通渋滞はどうしても避けなければならないと考えます。リゾート博までわずかあと二年五カ月であり、今の時点で検討してまいりたいという対応だけで本当に大丈夫なのかと思うのは私一人でないと思います。
 マリーナシティに二本の橋がかかりますが、その橋を渡るためには必ず国道四十二号を通らなければならないのであります。この四十二号については、大手スーパーがオープンしたときですら、温山荘より北側が大渋滞をした道路であります。これらを乗り越えていくためには、シャトルバスの有効利用や自家用車の乗り入れ規制など、運営面で特段の配慮を望みたいと思います。そして、リゾート博後を目指して国道四十二号のバイパス化、また湾岸道路についても、ぜひ県の三次中計へ加えていただきたいと思います。
 船が沈んでから救命具を買いに行くようなことのないように、その実現に向けて全力をもって取り組んでいただくことを強く要望申し上げて、以上で私の質問を終わります。
○議長(山本 一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で尾崎要二君の質問が終了いたしました。

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