平成4年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(浜本 収議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 43番浜本 収君。
 〔浜本 収君、登壇〕(拍手)
○浜本 収君 議案第六十五号、拡声機による暴騒音の規制に関する条例案は、去る一月二十四日から二十七日まで和歌山市を中心に行われた全日本教職員組合の教育研究全国集会に対し、三カ月以前から右翼団体が街頭宣伝でスピーカーのボリュームを上げ、多くの県民がその騒音で大変迷惑したということが主たる理由であるとされているが、そうであるのかどうか、まずただしておきたいと思います。
 二つ目。本条例案第二条は、適用除外として一から八の事例を挙げ、八十五デシベル以上の場合にこれらの拡声機使用は例外的に救済されるとしているが、表現の自由の重要性から考えるならば、むしろ八十五デシベル以上であっても取り締まりの対象となる行為を列挙して規制すべきであると私は思う。本条例案は、八十五デシベルという限定を設けながらも、原則と例外を逆転させたものであると思うが、見解を求めるものであります。
 三つ目。本条例案は、労働組合活動のみならず一般市民の政治的意思表明、例えば消費税反対運動等も適用除外とされてはおらず、これも規制の対象になるおそれがある。しかし、条例第七条は、「この条例の適用に当たっては、表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」としてその指針が示されてはいるが、規定の仕方が抽象的であり、恣意的な運用がなされるおそれが多分にある。本条例第七条こそ原則であり、規制される行為は例外的に列挙さるべきで、本条例第二条のような形式で規制行為そのものを列挙すべきではないかと私は思います。お答え願いたいのであります。
 四つ目。条例第四条から六条は、停止命令、勧告、立入調査の権限が警察官に与えられ、相応の罰則が設けられているが、この条例の立入調査等は捜索、押収に類する行為であり、令状なしに現場の判断でなされることになり、その正当性を担保する手当てがなされていない点で問題がある。憲法第三十五条に関連して解明されたいのであります。
 五つ目に予定をいたしました八十五デシベルの問題につきましては、けさほど来の質疑、答弁をもって満足いたしましたので、省略をいたします。
 五つ目。刑法第二百三十四条の威力業務妨害罪等の規定があり、これらを厳正に適用すれば先日の暴騒音は取り締まれたのではないかと思うが、県警がさきの教研集会に際し二件検挙した例はどのような事由によるものか、その根拠法と検挙件数が少なかった理由をあわせて説明されたいのであります。
 六点目。表現の自由とのかかわりを持つ重要な条例案であるだけに、県民の声を広く聞く機会や仮称・検討委員会を設け、議会に提案する考えはなかったのか。
 以上、六点について答弁を求める次第であります。
 教育の総論に触れることなく、各論に移ってまいりたいと思います。
 本年度は明治五年の学制公布からちょうど百二十年、学校五日制は戦後の六・三制確立に次ぐ第三の教育改革であります。
 知事は、今期定例議会の冒頭説明の中で、県政の基本目標とその政策目標、さらには各分野の概要説明を行い、特に第四の柱「こころ豊かな人づくり」の中で教育、文化の施策に言及したところであります。しかしながら、今や全国的にも、また全県的にも大きな不安や期待が交錯しているこの第三の教育改革、すなわち学校五日制について一言も触れていないことに私は疑義を挟むものであります。本問題についての知事の所見をまず伺うものであります。
 二つ目。文部省の社会の変化に対応した新しい学校運営等に関する調査研究協力者会議は、過去十三回の討議を重ねた結果、昨年末、その中間報告を行い、本年二月二十日、月一回第二土曜日を休みとする学校週五日制のまとめを行ったところであり、この九月十二日から実施に入ることは既にご承知のとおりであります。
 中間報告の全文、またその解説記事、父母・国民の世論、日常見聞する本問題への関心度等を含め、以下、教育長に質問をいたします。
 一つ。中間報告は、現在の子供たちは家庭や地域社会での遊び、自然体験、社会体験が著しく減少しているとか、また、受験競争の過熱による過度の学習塾通いが子供たちの心身に種々の悪影響を及ぼしている等々、その実態を指摘しているが、それらは報告文にあるような学校や地域の教育力の低下、学校への過度の依存などが主たる要因ではなく、この国の文教政策、文教行政のあり方にその責任があるという指摘や反省がみじんも見られていないのはいかがなものかと私は思うのであります。詰め込み、落ちこぼれ、受験競争といった現実は勝手に生まれたのではなく、つまるところ国の文教政策そのものの所産として位置づけなければ、それらの根本的な改善も変更も生まれないと私は思うが、教育長の所見を伺うものであります。
 二つ目。教育長は、さきの十二月県議会で町田議員の質問に対し、「五日間の学校教育の指導を充実させ、しかも学習負担が過重にならないように教育水準を維持していかなければならない。そのために教育課程の編成や学校行事の見直しを図ったり、教育内容や指導方法の改善、充実に努めることが大切である」と答弁したが、文部省の中学校課長が「月一回程度なら指導要領を変える必要はないが、月四回となると教育課程を検討しなければならない」とし、新学習指導要領のもとでの五日制の実施は困難と述べているが、教育長は教育課程の編成と学習指導要領との関係についてどのような見解を持っているのか、伺うものであります。
 三つ目。過労死を生み出している日本の長時間・過密労働は国際的にも批判され続け、かつ国際摩擦の要因ともなっており、その早急な改善が求められております。
 九一年人事院勧告は、我が国の国際的地位にふさわしいゆとりある社会の実現に向けて、完全週休二日制の普及を基本とした労働時間の短縮は今や最も重要な政策的課題とし、完全週休二日制は平成四年度のできるだけ早い時期に実現すべきものとの勧告を行うとともに、学校五日制の検討状況等にも言及しているところであります。
 言うまでもなく、学校五日制の問題は、勤労国民の週休二日制の実施と深く結びついているところであります。学校五日制を進める条件として勤労者の週休二日制の拡大がアンケート等に数多く示されているところからも、容易に判断し得るところであります。
 国際・国内の労働時間短縮のこの流れは、学校五日制の教育論の賛否を超えて、今やせきとめることのできない状況にあります。この点についての教育長の見解をただすとともに、今後この面からも県民に対する啓発をぜひ展開すべきものと思うが、あわせて答弁を求めます。
 四つ目。教育委員会は、去る二月十九日、学校五日制についての全県アンケート調査の結果を発表したが、それによると、職員賛成八割、保護者反対七割、それぞれの項目で賛否のパーセントが示されているが、これらの調査と検討課題をもとに広く県民の意見を集約するとともに、教育改革にふさわしい検討を行うための仮称・協力者協議会を設置してはどうか、所見を伺うものであります。
 次に、学校図書館の現状と今後のあり方について質問をいたします。
 一九五三年(昭和二十八年)に制定された学校図書館法は、その第一条に「この法律は、学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であることにかんがみ、その健全な発達を図り、もつて学校教育を充実することを目的とする」とし、その第三条では学校に学校図書館を設置する義務を規定し、また第五条は、「学校には、学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない」と定めながら、附則では、「学校には、当分の間、第五条第一項の規定にかかわらず、司書教諭を置かないことができる」とし、実に三十九年間、今に至るもなお放置されているのであります。
 しかしながら、それでは日常の仕事の処理ができないということで、学校職場のやりくりの中で私会計職員や事務職員など、法律にはない多様な形の「学校司書」がその営みを続けてきたのであります。現在、全国で高校約七割、小中学校で約一割の学校に何らかの形で学校司書が存在し、専門職員としての活動が続けられているところであります。
 平成三年度発行の県教育教育委員会の「学校教育指導の重点目標並びに指導の着眼点」によれば、「児童生徒が日々学習を重ね成長をとげて行く過程の土台をなすものは、未知なるものへのあこがれであり、新たな発見や認識がもたらす驚きや喜びである」とし、「学校図書館教育は、児童生徒のこうした自ら学ぼうとする力に信頼を置きながら、学校における教育活動全体の展開に資料センター、情報センターとしての機能面で十分寄与するとともに、自由で主体的な学習と読書を通した人格形成を行う場としての役割を期待されている。 自ら学ぶ態度を培い、学び方の技術の基本を習得させることにより教科の授業を支える一方、特別活動、生徒指導、進路指導等の分野と緊密な連携を保った幅広い活動を行うことを通して、今日の学校図書館教育の一層の充実がはかられると考える」とし、具体的な留意事項として「学校図書館教育を、教育活動全体の中に正しく位置づけるとともに、全教職員の共通理解を深め、児童生徒の読書及び学習の充実に一層寄与するようつとめる」として、以下数点、指導上の事項を挙げているが、現実はこのような明快な目標、指導理念とは全く相反しております。これはどこの文章かなと思う、今の状況から見て。確かに立派な文章で、この文章に逆らうことができないなと思うほど私は感銘をいたしておるのであります。しかし、県下の学校の図書館の現状はそういうことと全く相反しておるということを私は痛感いたします。
 そこで、私は次の諸点について質問をいたします。
 一つ。県内の小中学校には学校図書館職員が何名配置されているのか。ほとんどされていないという現状、そしてまたその必要性について、まず所見を伺っておきたいのであります。
 二つ目。現在、全国の高校では何らかの形で学校司書が存在し、専門職員としての活動を続けているが、県内の県立高校では司書、司書補、計四十名が職務に専念しているところであります。しかし、その賃金体系は、その身分が実習助手であり、教育職一級が適用され、同年齢、同学歴の行政職や教育職、現業職との賃金とは大きな格差があります。生涯賃金で大体一千万から一千五百万の差があります。この職務が学校教育に深くかかわり、今後ますますその人材が要求されるという状況の中で、ぜひ教育職二級に位置づけるべきではないかと私は思うが、答弁を求めます。
 三つ目。私は冒頭、学校図書館法の第五条の附則について述べたが、三十九年間も放置しているこの「当分の間」という附則の削除についての見解と、今後国への働きかけをぜひ行うべしと思うが、所見を伺うものであります。
 四つ目。日本での学校図書館は全国的にもお粗末だが、それは画一的な詰め込み教育に走る欠陥がもたらしたものであります。五日制やゆとり、文化といった教育改革の視点からも、今後、学校図書館の位置はますます高まるであろうという趨勢の中で、また、学校図書館の機能の活用に努めるとうたい上げた新学習指導要領の理念からも、学校図書館と司書教諭、専任図書館職員の配置とあり方に真っ向から取り組むべしと私は提言するものであります。あわせて所見を伺うものであります。
 最近、教育現場では「保健室登校」という言葉が定着しております。それは、読んで字のごとし、保健室に登校する生徒たちを意味します。保健室登校生は、学校には行くが教室で学ぶことができずに保健室で過ごす生徒のことであります。
 その生徒たちは、登校拒否回復期の生徒、登校拒否の初期症状の生徒、登校拒否レベルの生徒たちであります。また、自律神経失調症、胃炎、胃潰瘍等、精神的ストレスや喫煙、夜更かし、夜食等がやめられない、いわば慢性的不調になった生徒たちは毎日不調を訴え、一定時間を保健室で過ごす。また、教室で一日勉強することには耐えられず、いろいろな口実で不調を訴えたり騒いだりして長時間保健室で過ごす生徒。時には、保健室が心を安らげる逃避の場となっている。この保健室登校の現状は、繁栄、豊かさが云々されている現代社会が生み出した教育の一断面であります。
 ご承知のように、学校教育法では「養護教諭は、児童の養護をつかさどる」とし、児童生徒の健康を守るとともに児童生徒が自己の健康保持増進を図るために必要な職務内容として八項目の事項を明示しているところだが、児童生徒の健康状態すなわち体力、栄養、疾病、不安や悩み等の精神状態の把握や指導等、児童生徒の健康の保持増進を職務としているところであります。
 しかし、この学校教育法が制定・施行されたころと現在の保健室で扱う児童生徒たちは、質、量ともに大きくさま変わりし、前段述べたように心因性の症状を出す生徒たちがふえ、登校拒否の生徒たちがふえ、養護教員の知識や技術についてのより高度な資質の向上、さらには教育の本質に迫る児童生徒たちの心の問題が大きな課題となっています。
 そこで私は、ここで具体的な事例を挙げることは不適当と思うので、省略をいたします。こんな場所で言えるようなことではない、驚くようなお話がありますが、そういうことを述べることは不適当と思いますので省略をいたしまして、以下、質問をいたします。
 一つ。概略述べた保健室登校の現状に立って、県教育委員会は心理的治療を要する生徒に対し、いわゆるスーパーバイザー方式で指導を図り、またカウンセリングワークショップ等で教員の資質の向上に努めているところだが、その規模、時期、回数、資料提供等々を含め、大幅な研修費の増額を図るべきだと思うが、所見を伺うものであります。
 二つ目。文部省の第五次定数改善計画は、昭和五十五年から六十六年(平成三年)の十二カ年の間に養護教員を四学級以上の学校に一名、三学級の学校には四分の三人措置するように示されているところであるが、例えば西牟婁郡下では、串本町の大島小学校、赤瀬小学校は四学級、また六学級の串本町の出雲小、上富田町の岡小学校等、未配置であります。どうなさるおつもりでしょうか。第五次定数改善計画との関係で、未配置になっている県下小・中・高の校数と今後の具体的な方針を明らかにされたいのであります。
 三つ目。特に県立高校や小・中の大規模校、また指導困難校には複数の養護教員の配置をぜひ実現してほしいと私は思うが、所見を伺うものであります。
 急ぎます。
 平成四年度より県下三校に設置される単位制高校について質問をいたします。
 一つ。四月開校までにさほど日はないが、まずその経過についてただしたいと思います。
 該当の三校、青陵、紀の川、南紀が県教育委員会の指導のもとに具体的な検討に入ったのは昨年の秋以降であります。およそ、以下申し上げるこうした制度的転換を図る場合には、一定の猶予期間を設け、まず対象校を明らかにし、その対象校の教職員による開設準備室を設置し、教育委員会の指導のもとに種々の角度から検討を重ね、十分な準備をするのが当たり前のことであると思うが、本県の場合、昨年の四月に教育長が記者会見で単位制設置の意向を表明し、五月下旬にその対象校を明示し、本格的な検討は九月に入ってからであったが、外から見ていて、どうも拙速に過ぎることはなかったか、なぜもっと入念な議論と準備の期間を現場に与えなかったかと思うからであります。ただしておくものであります。
 二つ目。単位制というのは多様な生徒のニーズにこたえるための大幅な選択制の導入が一つの目玉かと思うが、そのためにはそれに見合う教員配置と施設、設備が必要であります。今、単位制高校のモデル高校として脚光を浴びている東京の新宿の山吹高校は──行ったことありますか。ありませんね──七十億の巨費が投ぜられて運営されているが、本県の単位制設置に伴う財政的措置を明らかにされたいのであります。
 また、該当三校からは既に単位制移行に見合う教員配置と施設、設備等についての具体的な要望がなされているが、その取り扱いの現状をあわせて明らかにされたいのであります。
 三つ目。私は先般、南紀高校の先生方と懇談する機会を得たが、ご承知のように、南紀高校は、昭和二十三年の学制改革以来、その前身の田辺高校定時制の時代より今日まで、働きつつ学ぶ勤労学徒の学び舎として幾多の有為な人材を輩出、そしてその伝統は今日もなお絶えることなく、かつてのような苦学生的勤労学徒は少なくはなっているが、それでも、いわば今日的に恵まれない生徒たちの希望の学び舎としてそのともしびを燃やし続けているところであります。
 しかしながら、この生徒たちは、この南紀高校においては明るく屈託のない楽しい学校生活を続けております。休み時間や放課後には、職員室は思い思いの服装をした生徒たちでいっぱいになり、教師たちを囲んだ幾つかの輪があちらこちらにでき、文字どおり明るい談笑が満ちあふれております。教師と生徒の冷たい関係や対立が取りざたされている今日の学校教育にあって、この南紀高校の職員室風景は如実にそのことを物語っております。私は、そこに教育の原点を見たのであります。
 しかしながら、この南紀高校に希望を託す中学校の教師や親たちが今日非常な不安感を持っているのは、今回、南紀高校夜間定時制が単位制になり、その募集定員が従来の八十名から一挙に三十名に減ったことであります。この余りの急減が、田辺・西牟婁地方の中学の教師たちや親たちに不安を与えていることについて教育委員会は知っているのだろうか。ありていに言うならば、これまで唯一南紀高校定時制に希望を託してきた生徒たちは、今現在は学力が十分でなくても、少しずつ学力をつけ、生活者として自立する実力と人間的な力を身につけたいという子供たちであり、彼らはこの募集定員の急減で自分たちの入学できる余地がないのではないかと不安がっているが、南紀高校単位制の募集定員をなぜもっと余裕のあるものにしてくれないのかという願いを教育委員会は知っているのだろうか。
 なぜならば、南紀高校定時制は、ここ数年、毎年四十五名以上の新入生が入学してきたが、今回、単位制に移行するインパクトを考慮しても三十名の定員は余りにも絞り過ぎと言わざるを得ないからであります。また、県教育委員会の学校教育課の主事が単位制設置に伴う準備指導のために当校を訪れた際、二度にわたって南紀高校の単位制は募集定員五十名で二クラス編制すると言明していたのに、十月二十一日、県教育委員会は募集定員三十名を発表し、校長以下全職員を唖然とさせた事実にどう答えるのか、ぜひ解明されたいのであります。また、あわせてこの募集定員三十名の弾力的な運用を図る意思ありやなしやと問うものであります。
 四つ目。南紀高校単位制の募集定員がこのまま三十名ということになれば、それは一学級すなわち単学級の定時制となり、教職員数を減じる目的のためといった疑問を持たざるを得ないが、一方、生徒たちのニーズに合う教育のために習熟度別授業や大幅な選択科目の導入を本来必要とする単位制高校の運営からいって、当然教員数を増加させなければならないという点との矛盾から考えて、教員数をどう考えているのか、あわせてお答え願いたいのであります。
 五つ目。最後に、私は南紀高校のあり方について教育委員会の所見を問いたいと思います。
 南紀高校は、独立した定時制高校として、現在、夜間定時制普通科百五十名、全日制衛生看護科百二十名、看護専攻科六十名が同居し、教育委員会の努力もさることながら、限られた施設、設備のもとで運営されているが、例えば専用の音楽室、書道室、美術室、視聴覚室、専用グラウンドがない、図書館が貧弱である等々、全日制高校としても、また独立定時制高校としても不十分であります。
 今、南紀高校は、時代が要請する看護婦養成の教育機関として、また先ほど来述べたさまざまな事情を持つ生徒たちに後期中等教育の機会を保障する任務が課せられております。私は、この際、南紀高校の衛生看護科と看護専攻科を夜間定時制から分離独立させ、和歌山県における看護婦養成教育の中心的な教育機関として、また看護短大の設置に向かって運営すべしと思うのであります。また、現在地の夜間定時制としての南紀高校は紀南地方一帯をエリアとする教育機関としてより充実さすべしと思うが、所見を伺うものであります。
 かたい話ばかりをいたしました。以下もかたい話ではありますが、やわらかい話に切りかえます。
 以前、私が坂本冬美さんの「能登はいらんかいね」の歌を引用した質問は、既に数多くの皆さん方はご承知であります。
 年の瀬も迫る十二月二十五日、大阪は難波の新歌舞伎座の満席の中にまじって私は、坂本冬美の公演を見た。その日、最後に彼女は「火の国の女」を絶唱した。「ハヒフヘホ」の「ヒ」であります。「カキクケコ」の「キ」ではございません。
 「肥後は火の国よ 恋の国 燃える中岳よ 胸こがす 一つしかないこの命 くれというならくれてやる」、また「肥後は湯の里よ 滾る国 菊地 地獄谷 血がさわぐ たとえ地の底 針の山 来いというならついてゆく」とも歌う。能登から肥後。能登から肥後、そして紀州の歌はいつになるのだろうかと私は思ったのであります。
 一カ月ほど前、夜遅くテレビのチャンネルを回していたら、作曲家の猪俣公章さんと坂本冬美さんが元プロ野球の方たちと対談をしながら歌を歌っていた。浜本に見られたのが大変だなあ。これがこの質問になるのであります。対談の中で猪俣公章さんは、「能登から肥後、今度は大阪だ。道頓堀だな」と軽いしゃれを飛ばしていたことが強烈に私の印象に残ったのであります。
 新歌舞伎座で座長を務めた坂本冬美は、芝居の中で「このミカンは紀州のミカンよ。とってもおいしいのよ」と言いながら数人の子役にミカンを配り、また「このおむすびの中には紀州の梅干しが入っているのよ」と言うと、万雷の拍手しばし鳴りやまずというシーンが繰り広げられました。坂本冬美、和歌山県西牟婁郡上富田町出身、県民なればこそと私は感動を覚えるとともに、宣伝の大切さを思ったのであります。
 「火の国の女」の歌はまた、「惚れた女を抱きたけりゃ 火傷かくごで抱かんとね」ともある。以前私が提唱した紀州の歌をつくってもらうために「火傷かくご」で頼めとは言わないが、「来いというならついてゆく」「くれというならくれてやる」と彼女は絶唱しているのであります。十二月県議会の経済警察委員会の委員長報告にもあったが、いま一度検討を促し、この質問に似合った形での答弁を求めたいと思います。
 以上で終わります。
○議長(山本 一君) ただいまの浜本収君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜本議員にお答え申し上げます。
 学校五日制の問題についての見解でございまして、社会変化に対応した新しい学校運営のあり方として県民の関心は非常に高く、私もまた、こころ豊かな人づくりにかかわるものとして受けとめております。
 しかしながら、学校五日制の問題につきましては、少なからず課題が指摘されているわけでございます。だから、子供の望ましい人間形成のためには、関係者がなお一層力を合わせて対処していただかなければならないと思っております。
 坂本冬美については部長から答弁いたします。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 観光問題について、イメージアップの宣伝の一視点ということでございます。
 本県のイメージアップについては、昨年夏から秋にかけてテレビスポットを首都圏と近畿圏で放映したところでございますが、このスポットは各界から大きな反響をいただき、さまざまなマスメディアを通じて本県の存在感や新しいインパクトを全国へ印象づけることができたものと思ってございます。
 一方、最近、映画、テレビ、カラオケビデオの現地ロケや本県を舞台にした小説も発刊されるなど、イメージアップがなされていると認識してございます。また、ふれ愛紀州路ネイチャーランドキャンペーン等においても、本県の大自然を活用したさまざまなイベントや県外キャラバン等で観光和歌山をアピールし、またポスター、新聞、雑誌等により全国展開で宣伝を行っているところでございます。
 郷土出身の坂本冬美さんがいろいろな分野で大活躍をされ、本県のPRをしていただいていることは大変うれしく感じているところでございます。議員ご提案の、今や日本を代表する演歌歌手・坂本冬美さんに郷土の曲を歌っていただくことは、本県をPRする上からも効果は絶大であると思いますので、こうした要請を以前から関係の皆さん方にお願いをしているところでございますが、この実現に向け、今後、要請を続けてまいりたいと思います。
 なお、和歌山県出身の歌手がまだまだたくさんいらっしゃるわけでございまして、最近では「紀ノ川」という歌を西方という歌手が歌っている等、坂本冬美さんだけではなしに、和歌山県の歌手の方々、また芸能人の方々等、頑張っていただいておりますので、大いに期待をしておるところでございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) 拡声機による暴騒音の規制に関する条例に関する浜本議員のご質問にお答え申し上げます。六点でございます。
 まず第一点目の、本条例を提案するに至った理由についてであります。
 一部右翼団体等による街頭宣伝車の拡声機を使用した県民の日常生活を脅かすような暴力的な騒音は、拡声機そのものの高性能化と相まって、年々増加する傾向にあり、その規制や取り締まりを求める住民の要望も高まりを見せております。
 とりわけ、本年一月二十四日から二十七日までの間、和歌山市を中心に開催された全日本教職員組合による教育研究全国集会に際しては、昨年九月中旬ごろから同集会に反対する団体が多数の街頭宣伝車で来県し、これらによる街頭宣伝活動に伴い多数の県民がその騒音に悩まされ、この種の暴力的な騒音の規制や取り締まりを求める県民の要望が一段と強まってまいりました。
 このような暴力的な騒音に対し、警察としては現行法令を最大限に活用して鋭意取り締まってまいりましたが、県民の期待に沿うような有効、適切な対応ができないことから、県民の日常生活の平穏を維持するために本条例が必要であると考えたところであります。これが提案に至った理由であります。
 第二点目の、条例案第二条の適用除外について申し上げます。
 本条例は、拡声機による県民の日常生活を脅かすような暴力的な騒音から県民の日常生活の平穏を守るために制定をお願いしているものでございます。
 一方、拡声機は、言論、表現のための身近で重要な手段として広く活用されているものでございます。そこで、その重要性にかんがみ、本条例では、規制の対象となる行為を列挙するのではなく、まず第一条の目的で県民の日常生活を脅かすような拡声機の使用について必要な規制を行うことを明らかにした上で、第二条において規制の適用除外対象を、第三条で具体的に規制される基準の音量を規定するという条文構成となっております。本条例案の趣旨を明確にするためにこうした条文構成としたものであり、ご理解をいただきたいと思います。
 なお、第二条の適用除外については、選挙運動のように法律で規定されているもの、国または地方公共団体が業務として行うような公共性の極めて高いもの、人命にかかわる緊急性等公益性の高いもの、盆踊りや運動会のように地域社会の慣習として住民が納得をし地域に定着しているもの等を定めております。
 三点目の、本条例の規制の対象等について申し上げます。
 本条例は、あくまでも県民の日常生活を脅かすような拡声機の使用を規制するものであり、また、条例提案の契機となった理由などから、条例施行後の主たる対象も当然限られたものとなると考えられます。
 そこで、議員ご指摘の通常行われている市民運動、労働運動、政治活動に伴う拡声機による該当宣伝に対する本条例の適用についてでありますが、それが一般県民から理解を得ている常識的行為と考えられる限り、この条例の規制の対象とは考えておりません。このような考え方を明らかにするため、第七条において「この条例の適用に当たっては、表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」と明示しているところであり、この条文を尊重し、慎重な運用に配意してまいりたいと考えております。
 なお、従来から行われている労働運動、市民運動等に伴う拡声機の使用について、これまでに県民等からの苦情や取り締まりの要望等は受理いたしておりません。
 第四点目の、立入調査権について申し上げます。
 警察官の立ち入りは、あくまでも条例の目的を達成するために、拡声機による暴騒音を発している者に対して停止命令または勧告という行政上の警告や指導を適切に行うためのものであり、犯罪捜査のためではなく、行政権行使のためであります。一般に、憲法三十五条の住居の不可侵に関する規定は刑事手続に関するもので、行政上の目的を達成するための警告や指導のために行われる法令に基づく立ち入りまでも含むものではないと解されております。
 しかし、立ち入りは、これを受ける者にとっては権利または自由の制限ないし侵害となるおそれがあることから、本条例ではこの権限の行使を第四条の停止命令、第五条の勧告の権限を行使するのに必要な限度に制限をしております。また第六条第三項においては、第一項の規定による権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないことを確認的に規定をし、この運用の適正に努めることを明示しております。
 したがって、本条例の適用に当たっては国民の権利を侵害しないように十分留意し、適正な運用に配意してまいりますので、懸念されるようなことはないと考えております。
 第五点目の、現行法令での取り締まりの困難性について申し上げます。
 拡声機による暴騒音の取り締まりについては、刑法、軽犯罪法等の適用が考えられますが、刑法の脅迫罪、威力業務妨害罪、名誉棄損罪、侮辱罪等の構成要件に該当しない、あるいは犯罪構成要件に該当する可能性はあるが被害者の具体的な供述が得られないことが多く立証することが困難であるということ、あるいは軽犯罪法は、罰則が拘留または科料と非常に軽く、また住居氏名が明らかであり逃走のおそれがない場合には現行犯逮捕することができないという刑事訴訟法上の制約があり、一般的な抑止効果に極めて乏しいことに加え、犯罪構成要件の一つである迷惑性の立証についての具体的な供述が得られがたいということ、さらに公害防止条例は、事業活動に伴って発生する騒音を規制するものであり、条例制定の趣旨、目的が異なることから同条例を適用してのこの種の拡声機による暴騒音を取り締まることができないといったことなどから、県民の日常生活を脅かすような拡声機による暴騒音を抑止し取り締まる方法としては極めて不十分であり、県民のご期待に沿うような規制や取り締まりを有効に行うことが困難な現状にあります。
 なお、さきの教育研究全国集会では、県民の苦情や要望にこたえるため、連日多数の警察官を動員して騒音取り締まりに取り組み、軽犯罪法で二件を検挙いたしましたが、四カ月間もの期間をかけての結果でございますので、現行法令での有効な取り締まりがいかに困難か、ご理解いただけるものと考えております。
 最後に、第六点目の今回条例提案をした考え方について申し上げます。
 本条例は、日常生活を脅かすような暴力的な騒音から平穏な生活を守りたいという県民の声に真摯にこたえるということで、かねてから部内における研究、検討を重ね、また昨年十二月、県議会経済警察常任委員会において、同種条例を制定している県を見習って早急に研究、検討を進めるようにとのご提言をいただき、関係部局との協議、法律関係者等からの貴重なご意見も承って策定をし、今回、県議会のご審議と制定をお願いしたものでございます。
 以上でございます。よろしくご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 教育問題についてお答えいたします。
 ご承知のように、我が国では教育の機会均等の保障、教育水準の維持向上という観点から学校教育が推進されてきたところであり、それが我が国の経済、文化、社会の発展のもとになり、世界各国から関心を集めてございます。
 教育委員会としては、これまで我が国の文教行政の果たしてきた役割と成果を踏まえるとともに、議員ご指摘の受験競争の過熱化による過度の学習塾通いなど、現在の教育が抱えているさまざまな課題を直視し、県民から信頼される学校教育を目指し、教育行政を進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、学校週五日制にかかわって教育課程の編成と学習指導要領との関係でございますが、段階的に月一回導入するにしても、学力の向上等にかかわって授業時数の確保など諸課題があり、それらを解決しながらできるだけ慎重に行っていく必要があると考えてございます。
 今後、本県においても平成四年度から実施を予定している調査研究協力校の結果や国の動向を踏まえ、教育課程の編成と学習指導要領との関係に係る問題点を検討するとともに、全国教育長協議会等において提起してまいりたいと考えてございます。
 また、学校週五日制と勤労者の週休二日制とがかかわりがあることは承知してございます。この点については、保護者の学校週五日制実施に係る不安を踏まえ、関係部局と協議しながら諸課題について検討を進めているところでありますが、今後、家庭、地域社会とともに適切な対応を進めることが大切であると考えてございます。
 次に、広く県民の意見を聞くことについてでありますが、現在、各界の代表者で構成している二十一世紀を創る人づくり推進協議会において、週五日制に係るアンケート調査の結果を中心にご協議をいただいてございまして、今後その協議内容を踏まえながら適切な対策に役立ててまいりたいと考えてございます。また、関係各団体等からも精力的にご意見を伺ってございまして、今後もこうした意見をいただきながら、新しい学校運営について幅広く理解が得られるよう努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、学校図書館教育については、学校における教育活動全体の中に位置づけ、教職員が協力して児童生徒に対する読書指導及び学習の充実に一層寄与するよう指導しているところであります。
 小中学校の学校図書館にかかわる定数については、国が定める定数標準法の中で、一定規模以上の大規模校において、学校図書館の重要性とその事務量を考慮して学校図書館担当の事務職員を配置できるよう措置されております。本県においても、この趣旨にのっとり配置を進めているところでありますが、平成三年度は小学校では四校、中学校では五校の配置であり、今後とも定数の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
 高等学校で任用している図書館職員については、教員免許状や定数とのかかわりから職名を実習助手(学校司書)としているところでございます。また、実習助手の給与については教育職一級を適用することと定めております。
 司書教諭の配置については、議員ご指摘のとおり、学校図書館法に特例の定めがあり、法の改定とかかわる点もございますが、県教育委員会としては、学校図書館専門職員の配置ができるよう国に対し要望を続けているところでございます。
 心の問題を持つ児童生徒の対応については、教職員のカウンセリング技術の向上を図り、学校が主体的にかかわっていくことが大切であると考えてございます。このため、県教育委員会ではスーパーバイズ方式により教育相談推進事業を行うとともに、すべての教職員を対象にしたカウンセリング技術の向上を図るため、各種の研修を行っているところでございます。さらに、各学校における現職教育を充実させるため、具体的な事例をもとに現在手引書を作成中でございます。
 とりわけ、児童生徒の心身の健康に直接関与する養護教員に対しては、ワークショップを中心とした四泊五日の宿泊研修を平成二年度から新たに実施するとともに、新規採用養護教員研修の中にも同様の講座を設け、その資質向上に努めているところでございます。
 なお、ご指摘の時期、回数等についてはできるだけ参加しやすいよう検討してまいりたいと存じますが、講師の確保や研修効果の関係上、現状で実施せざるを得ない面もございます。また、議員ご指摘の養護教員の配置については、第五次の改善計画に基づき、定数の確保について努力しているところでございますが、複数配置を行うことは定数法にもその定めがなく、困難な状況でございます。
 本県における単位制高等学校の設置の経緯についてでありますが、県高等学校定時制・通信制教育振興計画検討委員会からの建議や全国の状況等を踏まえ、昭和六十三年度から他県の単位制高校の状況を調査研究するとともに、関係の学校に対しても単位制高校について研究を行うよう指導してまいりました。
 その結果、定時制・通信制教育を活性化すること、自由で柔軟な教育課程によって生徒の特性に応じた教育を推進すること、また生涯学習を推進することなどを目的として、さらに本県の地理的条件や定時制高校の全県的適正配置を考慮し、設置を決定してきたところでございます。
 施設、設備についてでございますが、定時制教育の充実という観点から、毎年充実を図るべく努力をいたしているところでございます。今後も、その充実が図られるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
 教員の配置については、設置の趣旨を踏まえ、配慮してまいりたいと考えてございます。南紀高校は学級減となってございますが、教員配置については学校長とも十分協議して措置してまいります。
 募集定員については、過去の入学生徒や地域の状況、中学校卒業者数の減少状況、全日制の募集定員状況等を総合的に検討し、決定してきたところでございます。
 定時制の志願者は、例えば県全体で平成元年度は六百二十二名であったのが、平成三年度では三百四名と大幅に減少している状況でございます。南紀高等学校については、高等学校入学者選抜検査の第一次の応募者数が平成元年度で十九名、平成二年度で二十八名、平成三年度で十七名であったことや、先ほど答弁申し上げたことを総合的に検討した結果、平成四年度の募集定員を決定したところでございます。
 最後に、衛生看護科、専攻科の分離独立については、県下の看護婦不足の状況や南紀高等学校の実態を勘案するとともに、看護及び福祉に係る教育の充実という観点を踏まえ、全県的な視野から、関係部局とともに将来の検討課題として総合的に研究してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 43番浜本 収君。
○浜本 収君 私が事前にファックスでページ数を打って差し上げました十九ページをお開き願いますと言うわけにはいかんけれども、南紀高校の募集定員にかかわる問題で、二回主事が来て、五十名だという話をした。しかし、そうではなかった。三十名になってしまった。そのことについて、一言もお答えがないようであります。
 教員たちが二十人ほど寄った中でその話が一斉に出され、そんなことを言ったというお話ばっかり聞きましたが、そうすると、教員たちがうそを言っているんやなと、こう私が解釈してもいいのか、それとも、その二度来られた方々がうそを言うたのか、百歩譲ったとしても、少なくともそう受け取られる発言をしておったのではないか、こういうことを思いますが、いま一度、その触れなかったことについて答弁を求めます。
 私は、先ほど山吹高校の例を申し上げましたが、定員に対して三倍の志願者が出る単位制高校であります。バイキングというのをご承知だと思います。白浜なんかでは、バイキングのセルフサービスで、はやる旅館というのはほとんど、というよりございませんね。それはなぜかというと、必ず毎日大量に人が来る大きなところでなかったら、バイキングははやらないんです。この単位制高校のやり方はバイキングです。田舎でははやらん。絶対に、はやらん。
 無学年──八年かかってもいい、三年で卒業してもいい、単位さえとったらいいんだという形の教育でありますが、田舎でははやらん。東京のど真ん中でははやる。ホテルでもそうであります。ホテル浦島ですか、あそこははやっています。バイキングをやっているのはあそこだけです。しかし、バイキングをやろうと思ったら、お客さんがたくさん来なければならないし、省力化、適正な人事、調理師さんやメードさんをたくさん置かなければならないなど、そうした設備が前提としてなされないとバイキングははやらない。これは少しよくない例ではありますけれども、私はどうもそんな感じがしてならない。
 やっぱり一人一人と血の通った、あるいは仲間との励まし合い、同級会がいつでも持てる、三年前に卒業した同級生が集まる、そういう形での教育の方が、私たちのような古い人間にはいいんじゃないかなと思える。八年かかってもいいんや、三年でもいいんや──生涯教育という観点からは、私は理解できます。私もいつか、県会をやめて南紀高校へ一つのことを習いに行きたいなというようなことも時々思ったりいたします。生涯教育という点から考えたらそうでありますけれども、これははやらないのではないかということを意見として申し上げ、最初のことにお答え願いたいと思います。
 商工労働部長、再質問を予想したかのような答弁ありがとうございました。質問に直接触れなかった答弁を一生懸命してくれたからであります。しかし、この種の答弁は、広い意味でその背景について述べることは大切ではないかなと考え方を改めまして、適切と判断いたします。
 答弁の中では、「ワッワァー、わかやま」というあのテレビスポットの事例も考えられてのことと思いますが、結構なことと思います。しかし、一方、「新和歌山ブルース」「和歌山のOBACHAN(おばあちゃん)」を扱った宣伝、残念ながら不評であったことも決して忘れないでほしいと思います。
 坂本冬美。名声が高くなればなるほど──二年前に申し上げましたのは、私はその将来を予想したから、恥ずかしかったけれどもあの壇上で申し上げたのであります。私の予想どおり、今に日本一になります。そうして、名声が高くなればなるほど、交渉する丸の方も高くなるということも忘れないでいてほしい。だから、先ほど「火傷かくご」で頼めとは言わないけれどもと言いましたが、さっさと「火傷かくご」で頼んでほしいということを切望いたします。
 県警本部長に再質問をいたします。
 三月七日の新聞によれば、県弁護士会の岡本浩会長さんを初め五十七名は三月六日、この暴騒音規制条例案について「基本的人権を侵害する可能性があり、慎重で十分な検討を望む」とする声明文を知事、本部長に送ったとあります。心配される諸点について、法律家から広く意見を聞き、必要性、合理性を検討するよう求めたものであります。
 答弁では、関係部局との協議、法律関係者らの貴重なご意見も承って、ただいま県議会に審議と判定を願っているというが、この県弁護士会五十七名を代表する会長さんからこのような慎重な検討が要望されていることとかかわって、この時点でそういった扱い方についてどう判断されようとしているのか、いま一度答弁を求めます。
 終わります。
○議長(山本 一君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) お答え申し上げます。
 議員ご指摘のご意見のあることも私どもは十分承知いたしておりますし、真摯に受けとめております。
 そのご意見の多くは、常識の範囲を超えた県民の日常生活を脅かすような暴力的な騒音に対する規制や取り締まりは必要であるとした上で、本条例の運用に当たって表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害するおそれはないのかといったものでございます。
 先ほどもご答弁したとおり、本条例の適用に当たっては、本条例の目的を踏まえ、また第七条の「この条例の運用に当たっては、表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」との条文を十分に尊重し、慎重な運用に配意してまいりますことを改めて明言し、ご懸念されるようなご心配はないことを明らかにしておきたいと存じます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) ご承知のとおり、南紀高校の平成四年度の定員は、単位制の設置を決定した直後、十月二十一日に発表を行っているところであります。したがって、八月三十一日、九月十日に指導主事が学校を訪問したときの発言は平成三年度の現状の二学級を基礎としたものであると受けとめてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 43番浜本 収君。
○浜本 収君 今の答弁は極めて不満を持ちます。
 あなた方のなにが二回来て──来年度の、今施行されようとしている単位制高校のことで来たのであります。そして、定員のことを心配しているから質問をしているわけです。そのときに、五十名と言っているんです。
 もう手続ができませんが、私は、議長を煩わせてその出席者をこの本会議場に招致したいと最初考えたわけであります。まさかそういう答弁が出るとは思わなかった。だから私は、「百歩譲ったとしても、少なくともそう受け取られる発言をしていたのではないか」と、トーンを落として助け舟を出しているんです。にもかかわらず今のような紋切り型の答弁は、承知まかりならん。今後改めて、何かの機会にその点を明確にしてまいりたいと思います。
 終わります。
○議長(山本 一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で浜本収君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(山本 一君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後三時五十三分散会

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