平成4年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(尾崎吉弘議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時四分開議
○議長(山本 一君) これより本日の会議を開きます。
○議長(山本 一君) この際、報告いたします。
 過日提出のあった議案第四十九号、議案第五十号、議案第六十号及び議案第六十三号については職員に関する条例の制定及び改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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 和人委第394号
 平成4年3月5日
 和歌山県議会議長 山 本 一 殿
 和歌山県人事委員会委員長 水 谷 舜 介
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成4年2月28日付け和議会第313号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
 記
 議案第49号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第50号 職員の育児休業等に関する条例
 議案第60号 教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第63号 警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 (意 見)
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(山本 一君) 次に、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から現金出納検査結果の報告がありましたので、報告いたします。
○議長(山本 一君) 次に、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
 職員に公文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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 財第304号 
 平成4年3月9日
 和歌山県議会議長 山 本 一 殿
 和歌山県知事 仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成4年2月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 記
 議案第78号 平成3年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第79号 平成3年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計補正予算
 議案第80号 平成3年度和歌山県営競輪事業特別会計補正予算
 議案第81号 平成3年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
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○議長(山本 一君) 日程第一、ただいま報告いたしました議案第七十八号から議案第八十一号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました議案につきまして、ご説明申し上げます。
 平成三年度予算のうち、用地取得の遅延その他の諸般の事由により本年度内に完了することが困難と見込まれる事業につきまして、一般会計で百二十二億六千百余万円、特別会計で二十八億三千二百余万円を平成四年度に繰り越し使用することについてお願いいたしております。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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○議長(山本 一君) 次に日程第二、議案第一号から議案第七十七号までをあわせ一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 14番尾崎吉弘君。
 〔尾崎吉弘君、登壇〕(拍手)
○尾崎吉弘君 平成四年冒頭の議会のトップを賜る光栄を感じつつ、早速、質問に入らせていただきたいと思います。
 今回提案された予算案を見ますと、税収、地方交付税等がいずれも伸びを期待できず、歳入面では厳しい状況にあるものの、国の財源措置のある起債や財政調整基金等の各基金を最大限に活用して、一般会計で対前年度伸び率五・六%と、国の予算や地方財政計画の伸びを大きく上回る積極的な予算となっております。また内容につきましても、国の台所事情が厳しく公共事業が伸び悩む中、単独事業を三七・九%と大幅に伸ばすとともに、下水道、公園等、県民の生活環境を整備するための事業について特別枠を設けるなど、県の独自性、自主性を発揮したものとなっているように見受けられます。
 予算編成を終えられまして、平成四年度予算について思いどおりの予算になっているのかどうか、どのような特色をこの予算で出そうとされたのか、知事のご所見をお伺い申し上げます。
 次に、今後の財政運営の方針についてであります。
 今年度の財政状況を見ましても、県債や基金の活用によりやりくりはされていますが、特に自主財源の柱である税収が対前年度マイナスとなるなど、歳入面では厳しい状況にあるものと考えられます。景気の動向を見ましても、イザナギ景気と並ぶ長期間にわたる好景気も先行き陰りを見せ、法人税関係でも落ち込みが懸念されております。いわゆるバブル経済の崩壊の後遺症で、個人消費や投資の低迷が予想される中、本県の税収の見通しはどうか、総務部長にお伺いいたします。
 一方、歳出面におきましては、四年度は積極的な予算を組まれたわけでありますが、今後の見通しはどうであるのか。義務的経費の抑制といっても、人件費の削減にも限度がありますし、県債残高の累増に伴い公債費も増加が見込まれる中、どのように政策的経費を確保して和歌山の時代を築こうとしていかれるのか。中期的な財政運営の方針について総務部長にお尋ねしたいと思います。
 次に、四年度予算に関連して、県営事業の市町村負担金の軽減についてお伺いいたします。
 今、本県に向かいつつある新しい時代の潮流を逃がさず、しっかりととらまえて和歌山の新しい時代を現実のものとしていくためには、県ばかりでなく市町村も、魅力ある地域づくり、ふるさとづくりに積極的に取り組んでいくことが肝要であります。
 そのためには、市町村の自主性、主体性を一層高めていく必要があり、その最も適切かつ効果的な方策として、いわゆる市町村負担金の軽減がぜひ必要であると考え、自民党県議団において昨年夏以来、研究会を設置し、何回も検討を重ねてまいりました。その結果、昨年十二月議会で堀本議員から政調会を代表して市町村負担金の軽減を図るべきではないかとの質問が行われ、また知事に対する自民党の予算要望の際にも、今こそ最も重要な項目として特に強くお願いをしたところであります。
 今回提案された四年度予算案を見ますと、県営事業の市町村負担金につきましては総額十三億三千万円の軽減を行うこととされており、金額で十億円の大台を上回り平均的な軽減率も二割近くに及ぶなど、かなり思い切ったものとなっております。他府県と比べても高過ぎる本県の市町村負担金を軽減するということは、我々自民党県議団だけではなく、党派を超えた議員各位、また県民からもご賛同いただける施策であると信じておりますが、どのような考え方で負担率の見直しを行われたのか。自民党県議団としては、全市町村一律に軽減するのではなく、その財政力に応じて、弱いところには軽減率を大きくするなどの段階を設けてはどうかという案もお示ししていたわけでありますが、そのような考えも取り入れられたのかどうか、見直しの基本方針について知事にお伺い申し上げます。
 また、我々が負担金軽減を提案させていただいた趣旨からいたしますと、今回の措置が市町村の活性化に生かされなければ意味がないわけであります。端的に申し上げますならば、負担金が減った分、市町村の義務的経費に回ったり、道路、河川等の事業量が減少するということになっては、せっかく身銭を割いてもその効果は半減することとなります。今回の措置を市町村の活力向上に結びつけるため、県としても市町村に対し指導なり誘導なりを行うべきであると考えますが、総務部長の所見をお伺い申し上げます。
 続いて、産業廃棄物問題に移ります。
 この問題につきましては、かねてから何回も質問を重ねてまいりましたが、重大な時期に差しかかってまいりましたので、改めて質問をいたします。
 平成八年八月以降の最終処分をどうするのかということについて調査を行い、処分場探しを続けてきたのでありますが、まずその経過と現状を改めてお伺いし、今後のあり方をただしたいと思います。
 処分場が間で途絶えるということ、なくなるということは許されないわけであります。和歌山県の産業は一日も休むことなく動いておりまして、当然、それに対応する処分場が用意されていなければならないということになります。そういう趣旨から考えまして、少なくともフェニックス計画の処分場をある時期利用せざるを得なくなると思うが、その場合、どれだけの量をどこから海上輸送するかということを本年の夏ごろまでにはフェニックスセンターに報告しなければならないと聞いておりますけれども、その搬出量と積み出し基地について明確にお答えを願いたいと思います。
 次に、フェニックス計画処分場利用について、大阪湾広域臨海環境整備センターと今日までどのような折衝をしてきたのか、そのためにどんな手続が必要であるのかをお伺い申し上げます。そして、現在、和歌山環境保全公社が行っている廃棄物投棄の際に出さねばならない料金と、フェニックス計画に乗った場合との料金の比較をお教えいただきたいと思うのであります。また、和歌山県全体を考えていかなければならない問題でありますが、紀中・紀南地方における最終処分地の現状とその対策についてお伺いを申し上げます。
 次に、法が施行されましてからの医療廃棄物の現況、ガイドラインの概要、そして施行以来の不法投棄や人体事故は今までになかったのかどうか、お尋ねをいたします。
 将来の処分場確保は、内陸部についても努力を永続すべきではありますが、結局、港湾整備との関連の中で解決せざるを得ないと思うのであります。当局の具体的な対応方針をお示しいただきたい。
 産業廃棄物に係る法律で、企業は企業みずからの責任においてこれを処分しなければならないとされておることは、今も変わらない一貫した基本的な考え方であります。ことしの夏ごろまでに和歌山県がどんなものをつくるか、どれだけの廃棄物が出てくるかを報告しなければならないという見地から考えましても、和歌山環境保全公社が今投棄している分の約三分の一強を排出する住友金属というものの存在は非常に大きいわけであります。住友金属は企業みずからの責任においてこれに対してどのような計画を立てておるのか、前の議会でもお伺いいたしましたけれども、緊急の際でありますので、改めて明確なお答えをいただきたいと思うのであります。
 次に、廃棄物を考えてまいります場合に、できるだけ廃棄物を少なくしていくということが一つの流れであります。そういたしますと、物を生産する材料から始まり、生産工程、でき上がった商品、商品の使い方、そして使い終わってもう一遍再利用できないか──いわゆるリサイクルであります。リサイクルのできるものは全部リサイクルをして、どうしてもリサイクルのできないものが最終処分場に持っていかれるというように、産業廃棄物の最終処分とリサイクルというものは二つの大きな柱でありますが、リサイクル法に対する県の姿勢をお伺いし、今回、新規事業として循環型社会システム推進事業の予算を計上されておりますが、この内容、そして将来、事業と呼ぶにふさわしいどんなことをするのか、お伺いを申し上げます。
 次に、今までもご質問申し上げ、その制度化を促してまいりました環境影響評価、いわゆる環境アセスメントについてであります。いよいよ本年、平成四年で制度化を行うと聞いておりますが、その概要、手続の流れ、本県制度の特色と指導要綱公布の時期をお尋ねいたします。
 次に、情報先進県として和歌山を進めていかなければならないということからご質問を申し上げます。
 和歌山県は、紀伊半島に閉じ込められてきた長い期間を経験してまいりました。これを国土軸に近づけ、世界の主要な都市とも直接交わることのできる和歌山県をつくるということが県政の課題でありますが、その中で、陸・海・空それぞれ一生懸命になりまして、その交通機関の充実を相図ってまいったところであります。
 しかし、交通機関の充実で国土軸と和歌山県を近づけたり、空港の建設によって世界と近くなるということが大切でありますけれども、これからの世界はそれだけではいかない。そういう交通手段の発達と同じぐらい、いやそれ以上の重要性を持つかもしれないというものに情報がございます。すなわち、情報化時代であります。
 和歌山県の地理から考えましても、交通機関でおくれてまいりましたけれども、情報についてはどこよりも進んだ、先取りのできる和歌山県でなくてはならないと思うのであります。そこで、情報についての現状と意欲ある将来への具体策を知事にお伺い申し上げます。
 また、これからはディジタルの時代であると言われておりますが、ディジタル化は我が県においてどのように進んでいるのか。また、企業立地については、ただ空港が近くにあってよい道があるというだけでは、付加価値の高い物をつくる工場はもう来ないという時代になっております。すなわち、その工場のある場所の文化的な要因が大きくなければならないという時代でありますが、その中でもこの情報というものが極めて大切であります。
 「燦黒潮」ということで力を入れているリゾートにおきましても、リゾートというのは長期滞在であります。半月、一カ月とその場所に生活をしていただく。そこは、一つの心身のリフレッシュを図る町であります。ですから、そこで簡単な仕事はできなきゃならない。会社にいてできることの七割、八割をその場所でもこなすことができるようなリゾート地にするということは、すなわち、どれだけ情報機能を備えているかということでありまして、今、リゾートの通信サテライト化ということが叫ばれておるゆえんであります。
 また、企業が和歌山のような土地に来る、あるいは和歌山で立派な成績を上げてくれている企業、例えば島精機さんとかノーリツ鋼機さん、これが本社をいつまでも和歌山に置いておくためは、東京に置いているのと変わらないぐらいの情報網を持っていなければならないわけであります。そういう基盤を築くということは、産業を育て、県の厚みを重ねていく上で極めて大切なことであろうと思うのであります。そういうものとの関係についてのお答えをいただきたい。
 また、情報の積み重ねを行っていく場合に、どうしても電気通信事業者との密接な結びつき──例えばNTTでありますが、NTTは民営化されてから独立採算ということを言われているようであります。すなわち、できるだけ投資効果の大きいところにお金を投資していく。そういうことになりますと、和歌山県のようなところは、他のところと比べて、同じ金を投資しても返ってくる率が少ないということになれば、ますます投資する金額が減ってくる。こういうような大きな時代の流れを前にしながら、和歌山県としてはよく頑張っていただいて、本年、NTTが約百億の投資を和歌山県にしようとしていると聞いております。しかしながら、こういうことがいつまでも続いていくとは限らない。
 そこで、和歌山が他府県に先駆けて情報の先進県となるためには、ぜひこのNTTを活用していかなければならない。活用するためには、どこよりも密接に結びつけ、県ができる範囲内におきまして、公共団体としての節度を守りながらも投資をしていく。こういう電気通信事業者とよく話し合いながら投資をする。その投資がどの県よりも早くなければ意味がない。金額も大事ですけれども、金額よりも時を見ていつどんなところに投資をするかということが大切であります。これが早ければ早いほどその見返りは大きいと私は信ずるのでありますが、当局のご見解をお伺い申し上げます。
 民間と県庁、官が一体になった推進が必要でありますが、和歌山県の地域情報化推進計画の内容とこれからの手続についてお伺いを申し上げます。また県庁では、会計や人事給与だけのコンピューター化にとどまらず、今こそ各部とも未来の情報化を先取りする意識の高揚とその準備を積み重ねるべきだと思うが、現在よりもさらに進めていくためにはどうしたらいいか、お答えを願いたいと思うのであります。
 次に、最近はテレビでも、あるいは人が数人集まると何番目かに出てくる話題にエイズがございます。エイズに対する正しい知識というものを持っておらない人が多いために、いろいろなことが起こっております。
 例えば、先日、新聞で見ますと、白浜町のある業者が外国に行って帰ってきたということだけで、何かのはずみでエイズにかかっているのではないかと間違われて、そのお店にばったり人が来ない。人権の侵害であるばかりでなく営業権の侵害であると憤慨をするというだけにとどまらず、そんなうわさが立っては観光の町・白浜が大変だ、何とかしなければならないという意見も一時、強く出たと聞いているわけであります。
 そこで、まずこのエイズに対する正しい知識を県民が身につけるということが非常に大切であります。今までも啓発、あるいは教育委員会においては社会教育や学校教育の中で啓発教育を行ってきたと思いますけれども、まだこういう現状であるということは、それだけ十分な効果が上がっていないということの証拠でありますから、今度はどんな方法で正しい知識を県民の皆様方に知っていただくかということを改めて考えてみなければならない。
 そこで、まずエイズという病気はどんな病気か、感染経路はどうであるのか、それを予防するためにはどうしたらよいか、その知識を県民に伝えるにはどうしたらよいかということについてお答えをいただきたい。
 幸いにいたしまして、全国どこで検診を受けましても、エイズ患者あるいは感染者だということがわかりますと、その患者や感染者の居住している府県に国の方から知らせてまいります。そういう正式の情報において、今のところ和歌山県では患者はゼロ、感染者もゼロということでありますから安心していいわけですけれども──この数字も間違いないかどうか、さらに確認をしたいと思いますが──なかなか自分がエイズかどうかを診てもらいに行く人が少ないのではないかという観点から、わからない感染者があるのではないかという不安はいつまでもつきまとうのであります。
 そこで、検査体制の充実をどうするかということについてお伺いいたします。そして、もしエイズ患者であるとわかった場合に、受け入れ病院の整備は十分であるのか、二次感染の防止体制は十分であるのか、エイズ予防法という法律との関係はどうであるのか、医療従事者の研修はどうなっているのかということについてお伺いを申し上げます。
 冒頭に申し上げましたように、理由もないのにエイズであると疑われて人権や商業権を侵害されるというようなことは断じて排除していかなければならないわけであります。環境衛生という仕事に携わっておられる方々にとりましては、いたずらに無知なるがゆえに抱かれる偏見というものは、大変迷惑なものであります。「和歌山県の環境衛生の業者は、法律を守り万全の対策をしておるから大丈夫である」と安全宣言のできるような具体的な方策はないのか、業者の人とよく話し合って、ぜひとも具体的方策をお考えいただきたいと思うのでありますが、当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、農業問題、特に関西国際空港、白浜空港のジェット化というものを目の前に控えたフライト農業についてお伺いを申し上げます。
 まず、飛行機の中で食べられるもの、機内食でありますが、これに和歌山県でつくられたものが入っていけるかどうか。一部、ジュースが入る予定だということも聞いているわけでありますが、どのような交渉を今までされてきておるのか。今はもう、こうしたいああしたいと思うときではなしに、今何をしているか、今どんな交渉をしているか、どこにネックがあるのか、それをどうしてクリアするかということに真剣に取り組んでおるかどうかが勝負であります。
 農協や和歌山中央卸売市場と一体となった取り組みはもちろんでありますが、農林水産部が先頭に立った、みずから切り込み隊長という認識を持った農林水産部長の活躍のときは今しかないと思うのであります。
 次に、空港と周辺需要への対応についてお尋ねいたします。
 生産者や農協、中央卸売市場等の生産から流通の経路を、それぞれについてお答えいただきたいのであります。そして今度は、できた空港、空の便というものをどのように使って和歌山の農水産物が必要なところに行くかという問題であります。すなわち、何を、どこへ、どれだけの量を、どんなコストで、安定して送り続けることができるかということがポイントであります。こういう具体的なことについてどんな交渉をしておるのか、どんな成果が上がっているのか、これから何をするのか、お答えをいただきたいのであります。
 次に、和歌山県の花の生産高の伸び率はすばらしい。ここ三、四年は毎年一二〇から一三〇%という伸び率を示しております。この伸び率は全国一であろうと思うんです。ここ数年たちますと、和歌山県でつくられている米の全生産高に花の生産高が匹敵する。梅やミカンや柿という果樹について定評を得ている和歌山県、その中に花が大きな柱として加わるということは、大変うれしいことであります。
 ところが、近畿では生産も一でありますし伸び率日本一といいながら、「花の和歌山」というイメージがもうひとつ乏しい。県民自体も知らない。カスミソウが日本一らしいなと、このぐらい知っておればよいといたしまして、「花の和歌山」というイメージを県民も日本国民も持っていない。そこで、花の振興とあわせて「花の和歌山」を売り出していくことが大切だと思うのであります。
 一つは、花卉流通センターを拠点とした日本一の情報基地の建設についてであります。
 この間、東急インで行われましたメガインフラのシンポジウムにおきまして、外人の方が「オランダはチューリップで有名だけれども、実は花の情報が世界一なんだ。そのために、そこの国では生産されていない花でも一遍はそこへ寄るんだ。それだけ情報というものは大切なんだ」ということを力説されたのであります。
 花に期待をかける和歌山県といたしましては、ぜひともこの花卉流通センターを拠点とした花の情報を日本一にしてもらいたい。そうして、和歌山県で生産される花だけでなく、ほかの花も和歌山県に一遍寄るというほどの基地にもしすることができるとすれば、こんなすばらしいことはないと思うのでありますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思うのであります。
 今、花のイベントといたしまして、小さく地場産業センターや緑花センターでやっております。予算の割には職員の皆さん方が大変ご苦労、勉強いただきまして、その予算以上の成果を上げているところは感心をしているわけでありますけれども、こういった今までやってきたことを土台といたしまして、大きく日本全土に和歌山の花をアピールすることのできる、また女性や子供が見ても楽しい、そういう一大イベントを毎年開いていくことがぜひとも必要であると思いますが、お考えをお聞かせいただきたいのであります。
 次に、毎回質問を繰り返してまいりました内川浄化についてお伺いいたします。
 下水道終末処理場への受け入れ基準に問題はないか、受け入れ基準見直しへの企業の対応と県市の指導はうまくいっているのか、処理場機能の高度化を図っていくべきであるが、今後どのように進めていくのか、また工場排水の直接放流のあり方をお伺いいたします。
 企業としては、本年中ごろには既に建設の発注をしなければ平成六年に間に合わないということでありますけれども、いまだその方法やコストについて決まらず、困惑の極にあるとの話も聞いておりますが、実態はどうであるのか。日本で初めての試みに挑戦せざるを得ない企業の立場に立って県は何をしていくのか、その痛みを分かち合う覚悟を持って、技術の上であるいは財政の上での援助をどうしていくのか、その時期を含めてお答えいただきたいと思います。
 また、内川流域の浄化という点で、合併浄化槽、農業集落排水の現状、進展についてお尋ねしておきます。
 内川浄化対策事業計画についてでございますが、まず組織の進展の上に立ち、沿線住民と県市連絡会の協議の場を持つべきものと思っておりますが、今日までの経過と今後の進め方をお伺いいたします。
 続いて、環境と流況の改善、住民啓発、モニタリングシステムなど、今後の課題とその消化推進策をお示しいただきたい。県では内川をよみがえらせるということで和歌川アクア・ルネサンスを提唱されているが、この内容を具体的にご説明いただきたい。
 次に、土地・用地問題対策であります。
 この問題の重要性は申すまでもありませんが、土木部監理課を中心に、組織の強化、職員の増強について今年度こそ改革を断行すべきであります。境界明示等、場所によっては停滞を来しているところもあります。当局の決意をお伺い申し上げます。
 また、宅建協会は建設省、地建と契約を交わしておりますけれども、民間への委託、活用、民間人の採用について積極的な対応の意思ありやなしや、ご返答願いたいと思います。
 次に、何遍もこの場で言ってまいりました地籍調査でございますが、これを行う土地対策課に土木の技術職員がどうしても必要であると思うが、その配置についてどのように考えておられるか。
 次に、けやき大通りや城北公園の下に地下駐車場をつくるということで、駐車場に対して積極的に県も考えていることについては賛意を表明したいわけでありますが、和歌山というところは、土地が少ない。土地が高い。そうすると、上へ伸びるか下へもぐるかしかない。将来、二十一世紀は地下の町、地下街ということも考えに入れていかなければならないと思いますが、都市計画の上でもその他の点でもどうであるのか、ご見解をお聞かせいただきたい。
 次に、和歌山にとって一番さしあたり必要な道は、新南海橋をかけかえるということであります。京奈和道路には用地国債というものがついているわけであります。正規の予算を組んでくれるのが一番よいわけでありますが、それが難しいとすれば、ぜひとも用地国債の設定をしてでも、今、土地が買えるのに買えないという状態を打破しなければならないと思うのであります。また、楠見インター以北の事業化についても、その意欲をお伺い申し上げます。
 最後に、本会議の議案として上程されております拡声機による暴騒音の規制に関する条例についてお尋ねいたします。
 去る一月二十四日から二十七日まで和歌山市を中心に開催されました全日本教職員組合の教育研究全国集会に際しては、四カ月にわたり右翼団体が多数の街頭宣伝車で押しかけまして、スピーカーのボリュームをいっぱいに上げて街頭宣伝を行い、一般県民がその騒音に大変迷惑して、規制や取り締まりを強く求める声が世論としてございます。事実、私のもとにも、電話の声が聞こえない、テレビの声が聞こえない、子供がおびえているなど、いろいろ苦情が参っておりますし、あんな暴力的な騒音を放置することは和歌山県民の潤いのある生活を実現する上で大きな阻害になるのではないかという強い意見も参っております。知事、警察本部長は、これら県民の要望にこたえるということで本条例を提案され、制定したいということだと思うのであります。
 しかし、本条例は、拡声機の使用についての規制や取り締まりがありますので、表現の自由等の国民の基本的人権との関係において、右翼団体による暴力的騒音を規制し取り締まる一方で、私たちが通常行っている政治活動や労働運動等の活動にも規制や取り締まりが行われるのではないかと、そう言う人たちもございます。また、街頭宣伝活動が事実上不可能になるのではないかと心配する人もあります。しかも、このような心配の声は法律の専門家である一部弁護士の中からも聞かれまして、私どもの方に、その人たちから慎重な対応を行ってほしいとの要望も参っております。
 そこで、まず知事に本条例に対する所見をお伺いいたします。
 次に警察本部長に、本条例の論点について九つの点をお伺いいたします。
 その第一は、本条例を提案するに至ったいきさつと理由についてであります。本条例がどのようないきさつと理由に基づき提案されたか、本県の実情を踏まえ説明を求めるものであります。
 二点目は、街頭宣伝活動を規制する条例の制定は憲法第二十一条の表現の自由に抵触しないかということであります。
 第三点は、本条例は一部の適用除外を除き拡声機の音量を八十五デシベルと規定していますが、交通頻繁な繁華街や駅頭では事実上拡声機を使用した宣伝活動ができなくなるのではないかということであります。この点については、この条例の制定に反対する人たちの最も関心事でありますので、明快な答弁をお願いします。
 第四点は、本条例は通常行われている政治活動、労働運動及び市民運動に伴う拡声機の使用を規制の対象としているのかということであります。
 第五点は、現行法令でも取り締まりが可能ではないかということでございます。既存の法律をもっと多角的、積極的に活用すれば十分取り締まりが可能であるとの意見も聞かれますので、警察としてこの意見をどのように考えておられるのか。現に、さきの教育研究集会ではこの法によって二件検挙しておるのに、どこに問題があってこの条例が必要なのか、具体的な答弁をお願いします。
 六番目は、音量規制基準についてであります。音量規制基準を八十五デシベルとした根拠は何であるのか、日常の生活環境の中での八十五デシベルとはどの程度の音量であるのか、お尋ねします。
 七番目、立入調査等の権限と憲法との関係であります。この条例では警察官に幅広い権限が与えられておりますが、警察官に立入調査、質問の権限を認めることは令状主義を定めた憲法三十五条との関係で問題はないのか、お尋ねします。
 八番目、複合騒音の問題であります。さきの教育研究集会の際にも見られたのでありますが、街頭宣伝車を数台あるいは十数台並べて走る右翼団体の暴騒音に対しては音源の特定が不可能であり、勧告しかできないのではないでしょうか。このような場合にも、条例が制定されれば実効のある規制や取り締まりが本当にできるのかということであります。
 九番目、罰則は重過ぎるのではないかという意見も聞かれます。どのような考えでこの罰則を考えられたのか、お尋ねいたします。
 県民の日常生活を脅かすような暴力的な騒音を規制する本条例は、いろいろの観点から検討されていると思いますけれども、この際、十分に議論を尽くすということが大切であります。詳しい明確な答弁をお願い申し上げまして、質問を終わります。
○議長(山本 一君) ただいまの尾崎吉弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 尾崎吉弘議員にお答え申し上げます。
 まず第一点は、平成四年度の予算案の特質についてでございます。
 関西国際空港の開港、リゾート博開催等を控え、今、和歌山は飛躍発展する絶好の機会だと思っております。そうした中での予算編成に当たりましては、今日まで築いてきた成果を土台にして、さらに飛躍発展を図りたい。また、伸びゆく県土づくり等、私は公約で五つの柱を立てたわけですけれども、それらの具体的な進行を図ってまいりたい。そして、厳しい財政事情の中でございますけれども、歳出の節減を図って合理化に努めていきたい。それとともに、既存の事業を積極的に進めるとともに、また新たな事業に取り組むために努力したところでございます。特に、本年度から初めての試みとして県民の生活環境整備のための特別枠を設定いたしまして、下水道や公園など、生活関連社会資本の計画的な整備を図っておるところでございます。
 この結果、義務的な経費を圧縮いたしまして、政策的とりわけ投資的な経費に重点を置いた積極的な予算を計上させていただいたところでございます。
 次に、県営事業の市町村負担金の軽減についてでございます。
 議員からご指摘ございましたように、和歌山を飛躍発展させるためには、和歌山県だけではなしに市町村も一体となって頑張らなければならない、そして各地域の実情に応じた独自の地域づくり、ふるさとづくりということが極めて肝要なことであり、その場合に、事業量の増大に伴う市町村の財政負担が問題となるわけでございまして、これを軽減することが市町村の活性化に大いにつながるものだと考えているわけでございます。
 そこで、県営の道路建設等に係る市町村の負担金について、道路等を中心に公共事業については原則として市町村の負担のないようにし、また単独事業については市町村の財政力に応じて大幅な軽減を行うなど、抜本的な負担率の見直しを行い、総額で十三億三千万円の負担軽減を図ったところでございます。
 申し上げるまでもございませんが、県勢のさらなる飛躍発展のためには、今後とも県と市町村が一丸となって取り組んでいく必要がございまして、今回の措置によって市町村が従来にも増して積極的に豊かなふるさとづくりのために事業を展開されることを大いに期待しているところでございます。
 それから、情報についてでございます。
 地域の振興、県民福祉向上のために情報化の推進は非常に重要なものと考え、現在も取り組んでいるところでございます。昭和六十一年十二月に策定した長期総合計画において、大都市圏との時間格差、情報格差を解消して地域経済の活性化、生活文化の向上を図るための重要な柱として位置づけてきておりますし、また、中期実施計画により、情報通信基盤整備として黒潮ネットワークの整備等、また情報拠点整備として地場産業の情報化促進等に努めているところでございます。今後とも、なお一層、情報分野の充実を図ってまいりたいと思います。詳細は部長から答弁いたします。
 次に、拡声機による暴騒音の規制に関する条例案に対する知事の所見でございます。
 話ございましたように、最近の拡声機を使用した異常に高い音量を発する街頭宣伝活動が大きな社会問題となっていることは事実でございます。特に本県においては、お話ございましたように、教育研究全国集会に対して、昨年の九月中旬ごろから同集会の開催に反対する団体が多数の街頭宣伝車で来県し、これらの街頭宣伝活動に伴い多数の県民がその騒音に悩まされ、この種の暴力的な騒音の規制や取り締まりを求める県民の要望が一段と強まっている経緯がございます。
 もちろん、拡声機は言論、表現の有効な手段として使用されるものでございまして、表現の自由は私も最大限に尊重されるべきことはもちろんであると思っておりますけれども、また県民の日常生活の平穏を守っていくということも行政の極めて重要な課題だ、責務だと思っております。
 とりわけ本県では、関西国際空港の建設を基軸に、近畿自動車道等、高速交通網の整備、マリーナシティの建設、世界リゾート博覧会の開催等のビッグプロジェクトを着実に進めており、活力のある文化あふれるふるさとづくりを目指しているところでございます。このような本県を取り巻く生活環境の変化が進む中で、日常生活の平穏を脅かすような暴力的な騒音から平穏な生活環境を守りたいという県民の要望は、快適で潤いのある生活環境、生活を重視した社会基盤の整備を求める県民の素朴な要望であり、これらの要望にこたえるものとして本条例案を提出いたした次第でございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 平成四年度予算案に関連して、三点についてお答えを申し上げます。
 まず税収の見通しについてでございますが、昭和六十一年の暮れから続いていた大型景気も減速局面から調整局面に入りまして、景況感が一段と冷え込むなど、経済環境に大きな変化が生じております。景気の先行きは、極めて不透明な状況であると考えております。
 こうした中で、平成四年度の県税収入につきましては、経済情勢、本県の産業構造の特殊性等を踏まえ、慎重に見積もり作業を行ったところでございます。
 法人二税については、経済情勢の影響を受けやすいということから、特に関係企業に業績照会などをして見積もりを行ったものでございますが、厳しい経済情勢を反映して、化学工業、電気ガス供給業等、一部の業種で若干の増収が見込まれるものの、基幹産業である鉄鋼、石油の不振が続いているほか、全般的に減少が見込まれ、法人二税全体で約五十億円、率にして一二%の減となっております。
 また、県民税利子割についても、昨年から続いている公定歩合の引き下げに伴う預金金利の引き下げ等の影響によりまして、前年度当初に比べ約十六億円、率にして一一・二%の減ということでございます。
 一方、前年の所得により課税される個人県民税あるいは個人事業税について増収を見込むほか、他の税についても相応の伸びを見込んだところでございますが、ただいま申し上げた法人二税等の減収が大きく影響して、県税全体で前年度当初比九七・五%、二十六億円減の一千五億円の計上となったものでございます。
 ご指摘のような景気の状況からいたしまして、その影響を受けやすい税収には先々大変厳しいものがございますが、今後の経済動向を注意深く見守りながら県税収入の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、中長期的な政策的経費の確保についてでございます。
 平成四年度の予算については、引き続き徹底した歳出の節減、合理化に努める一方で、県債等を活用しながら投資重点型の予算編成に努めたところでございますが、今後の財政事情を展望しますと、議員ご指摘のとおり、特に義務的経費については、例えば職員定数の削減を図りながら人件費の抑制等に努めてきてはいますが、これにはおのずと限度がございますし、また県債の活用に伴って公債費の増加も見込まれるところでございます。さらに、今後、健康福祉センター、多目的ホール、県立医科大学の移転整備等の本格化を含む主要事業の推進のために毎年度多くの財源を要しますことから、中長期的な観点に立った財政運営が必要であると考えております。
 このために、第二次中期実施計画における主要事業の事業費、公債費の動向等、全体の財政フレームに留意して、財源措置のある起債の活用、さらに基金による年度間の財源調整を図るなど、できる限り計画的な財政運営を行って財政の対応力を確保し、政策的経費の確保に努めてまいりたいと考えております。
 それから、県営事業の市町村負担金の軽減に伴う市町村に対する指導の問題でございますが、社会資本の整備において、近年、地方公共団体の役割が非常に重要なものとなってきております。生活関連施設の整備、快適な環境づくりのための諸施策の積極的な展開が求められているところでございます。
 もとより、市町村における行財政運営はその自主性にゆだねられるべきものでございますが、県としては市町村に対して所要の単独事業量の確保をお願いしているところでございまして、今回の県営事業の負担金軽減措置についても、このこととの関連においてその趣旨を十分ご理解いただけるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 保健環境部長遠藤 明君。
 〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) まず、産業廃棄物問題の基本的処理計画についてお答えを申し上げます。
 和歌山環境保全公社の後継処分場確保対策に係る候補地選定調査については、平成元年度から調査を行い、候補地として四カ所を選定し、廃棄物最終処分場の受け入れについて内々に当該市町長に意向打診をしたところ、必要性は認めるが現状では困難な状況であるとの回答でございました。しかしながら、処分場の確保は重要な問題でありますので、今後とも処分場確保対策について関係者と協力しながら努力をしてまいりたいと考えております。
 また、紀中・紀南地方における最終処分場確保対策についてでございますが、紀中・紀南地方においても産業廃棄物の最終処分場は必要と考えており、市町村の協力と排出事業者処理の原則に立って、その事業主体、組織、支援の方法等について検討してまいりたいと考えております。
 次に、将来の処分場確保対策と産業廃棄物処理対策についてでございますが、環境保全公社の今後のあり方や紀中・紀南地域における産業廃棄物の公共関与処理に係る事業主体等につきましては、改正廃棄物処理法に係る政令、省令の改正及び他府県の状況等を見ながら、その位置づけ、内容等について今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、医療廃棄物についてでございます。
 医療廃棄物につきましては、ガイドラインにより、能力を備えた地方自治体あるいは処理業者が処理できることとなっておりますが、県内五十市町村中これを受託しているのは六市町でございます。受託市町においては、担当者の健康診断や予防接種を実施しております。また、ガイドライン施行以降、県内においては不法投棄、人身事故等は聞いておりません。
 次に、平成八年八月のとらえ方についてでございますが、フェニックス計画における最終処分場へ和歌山から廃棄物を搬入する場合には海上輸送が条件となっておりますので、和歌山下津港内に積み出し基地が必要と考えております。その時期等につきましては、議員ご指摘のとおり、県内からの搬出量と他の積み出し基地の状況等を参考にするなど、地元調整等を含め、積み出し基地の位置について早期に決定すべく関係部局と研究しているところであります。
 フェニックス計画処分場利用についての折衝状況及び手続等についてでございますが、フェニックス処分場への搬入に関しては、大阪湾広域臨海環境整備センターの担当者と研究を重ねているところであります。その中で、海上輸送が条件となることから、積み出し基地の位置、廃棄物量を早急に決定する必要があります。また、手続としてはアセスメント等の手続が必要となります。
 フェニックス計画処分場を利用した場合の処分料金については、現在の環境保全公社の料金が他府県の公共関与処理に比べて非常に安価なものとなっており、フェニックス処分場等の処分料金は環境保全公社の料金の三ないし四倍程度となっております。仮に県内で処分場を確保したとしても、その処分料金はフェニックス処分場等と同程度のものになると予想されます。
 港湾整備との関連についてでございます。
 廃棄物の最終処分場については、内陸部を含め確保が困難な中、海面埋め立てについては、当該水域は瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき、できるだけ埋め立てを慎むべきものでありますが、今後とも港湾計画、開発計画等の中で、関係部局の協力を得て複数の廃棄物最終処分場確保の可能性について検討してまいりたいと考えております。
 住友金属工業株式会社の処理計画につきましては、住友金属に対して和歌山北港埋立地の廃棄物最終処分場の閉鎖後における自社廃棄物の処理計画を検討するよう指導しているところでありますが、排出される廃棄物については減量化及び再生利用を促進するとともに、県・市の処理計画の推進に協力し、廃棄物対策に努力していきたいということでございます。
 次に、リサイクルについてでございます。
 再生資源の利用の促進に関する法律につきましては、環境庁を初め七省庁の共管法として平成三年十月二十五日に施行され、再生資源の利用の促進に関する基本方針が告示されております。
 保健環境部といたしましては、一つには、環境保全の観点から再生資源を利用するに当たり留意すべき事項について情報を提供すること、二つには、廃棄物の減量化や資源エネルギーの節減などの再生資源の促進の意義に関して普及啓発を図ることが役割であると考えております。
 なお、平成四年度においては、新規事業として県下のリサイクルの実態把握を内容とする循環型社会システム推進事業を実施してまいる予定でございます。この事業により、実態の把握、課題の抽出を行い、基本計画を策定することによって再生資源の利用を促進し、廃棄物の減量化、省エネルギーの推進、森林資源の保護、汚染物質の減少を図るようリサイクルを推進してまいりたいと考えております。
 次に、環境アセスメントについてでございます。
 県の環境影響評価の制度化につきましては、これまで庁内で検討を進めてまいりましたが、新年度に制度化を行う予定で、現在、作業を進めてございます。制度の概要でございますが、対象事業としては大規模な工場の建設、土石の採取及び住宅団地、ゴルフ場等の面開発を予定してございます。
 手続の流れは国の制度とほぼ同様で、開発許認可等の前に事業者が環境影響評価準備書を作成し、関係地域への縦覧、説明会を行い、その後、関係地域住民、知事、関係市町村長の意見を踏まえた上、評価書として取りまとめ、再度縦覧を行うこととなります。
 特色としては、国の対象事業とは別に、本県の状況を踏まえ必要なものを対象事業として整理した点でございます。今後、庁内での調整が整い次第、市町村へ説明を行い、新年度の早い時期に和歌山県環境影響評価指導要綱として公布いたしたいと考えております。
 次に、エイズ対策についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、我が国のエイズ患者数及び感染者数は急増しておりまして、このエイズ問題は公衆衛生上、非常に重要な問題であると認識をしております。
 エイズは、ヒト免疫不全ウイルスに感染して起こる疾患で、感染すると免疫不全状態となり、悪性腫瘍やさまざまな感染症にかかって、最悪の場合には死に至る疾患で、現在のところ予防ワクチンも根治療法もなく、対症療法に頼っているのが現状です。
 しかしながら、このウイルスの感染力は非常に弱く、実際上、血液、精液、膣分泌液でしか感染しません。したがって、感染経路が限られていますので、日常の社会生活では性交渉以外ほとんど感染することはありません。例えば、食物、食器、握手、空気、便座、せきやくしゃみ、プール、入浴、つり革などの日常の接触によって感染することはなく、また、蚊やその他の昆虫類によっても感染いたしません。感染の危険な行為としては、不特定多数の人を相手に性行為を常習的に行っている者との性交渉や麻薬、覚せい剤等の薬物乱用者の注射器や注射針の共用、それに男性同性愛者との性交渉等が考えられます。
 これらの点を踏まえ、県では昭和六十二年一月にエイズ対策本部を設置し、各保健所内に相談窓口を設けるとともに、検査を希望する人にはプライバシー保護の観点から匿名で検査が受けられるよう、検査体制の確立を図ってまいりました。また、エイズに対する正しい知識の普及のため、各保健所で実施している健康まつりにおいて地域住民に対して啓発するとともに、エイズ予防のための指導者を養成するため、講演会等を開催してまいりました。
 現在のところ、県内ではエイズ患者や感染者の報告はございません。今後とも、患者、感染者を出さないためにも、エイズに対する正しい知識の普及啓発のため、「県民の友」四月号への掲載や世界エイズデーである十二月一日にテレビ、ラジオ等を通しての啓発、さらには各保健所単位での講演会の開催を予定してございます。
 また、万が一にも患者が発生した場合に備え、適切に医療が行えるよう、平成四年度において日本で最初のエイズ専門外来を設置した都立駒込病院への医療従事者の実地研修の予算をお願いしております。
 なお、議員ご指摘の、業界が使用している器具等に対する利用客の不安解消策につきましては、おのおのの業種に関する法律で器具等の消毒が義務づけられているところでございますが、県民の不安を払拭する観点から今後どのような方法が適切で可能なのか、関係業界と十分話し合ってまいりたいと考えております。
 次に、内川浄化の問題でございます。
 昨年九月議会で答弁いたしましたように、色の規制条例の制定について、水質汚濁防止法及び県公害防止条例との整合性や実施可能性について指導を行ったところでございます。和歌山市条例への対応については、公共用水域へ直接排出する企業では木炭と特殊ろ過方式などによる方法が検討され、また下水処理場については、和歌山市で内部調整を図った上で条例を制定したものと聞いてございます。
 また、条例の適用される排出事業場の対応状況についてでございますが、工場、事業場で個別の事情はあるものの、ほぼ対応可能であると和歌山市の担当部局から聞いております。また、今後、市や事業場からの相談等があれば積極的に技術協力をしてまいる考えでございます。
 合併処理浄化槽についてでございます。
 合併処理浄化槽は、生活排水による公共用水域の汚濁を防止することから、内川浄化に有効な手段であります。和歌山市では、平成四年度から新たに合併処理浄化槽の設置整備事業をスタートさせる計画となっております。本県では、平成元年度から県費補助制度を設けて普及促進を図ってまいりましたが、和歌山市の行うこの事業が円滑に進展するよう積極的に支援してまいります。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、情報問題についてお答えを申し上げます。
 第一点は、本県の情報化の現状でございます。
 全県的なネットワークの整備については、黒潮ネットワーク構想に基づき、現在、紀南地域の拠点としての田辺と和歌山を専用回線で結んでございます。これにより、パソコンによるデータ通信においては料金格差の是正が図られまして、全県すべて三分二十円以内のネットワークを実現させるとともに、財務会計、土木積算等の行政利用に活用しているところでございます。
 地域からの情報発信としては、パソコン通信Wave-Netを昭和六十三年三月に全国に先駆けて開局いたしました。行政情報、観光情報等を全国へ発信するとともに、情報化の啓発、実践、体験のネットワークとして活躍いたしまして、全国的に注目されているところでございます。さらに、情報関連プロジェクトとして、テレトピア、ニューメディア・コミュニティー、インテリジェント・シティ、和歌山リサーチラボ等の整備が進められているところでございます。
 第二点は、県下の通信回線のディジタル化の進捗状況についてでございます。
 ディジタル等最新式の交換機の普及率は、平成三年度末で七〇・一%、また平成四年度の計画では七二%の達成見込みと聞いてございます。
 今後、企業立地や燦黒潮リゾート構想の推進のためには情報通信基盤の整備が不可欠でありまして、特にディジタル化が重要なポイントとなりますので、電気通信事業者にその促進を強くお願いしているところでございます。
 第三点は、電気通信事業者との関連についてでございます。
 情報基盤の充実に当たりましては、光ファイバーケーブルやディジタル化等、電気通信事業者の協力が不可欠でございます。そのため、特にNTTとはINS連絡会議を定期的に開催して協議を重ねているところでございます。また、頭脳立地構想等のプロジェクトの推進に当たって情報基盤の整備に努めているところでございますが、今後、ご提案の趣旨を踏まえて検討してまいる所存でございます。
 第四点は、民官一体の情報化の推進についてでございます。
 現在、情報通信システムの開発、情報通信基盤の整備、情報化を担う人づくり等を内容とする和歌山県地域情報化推進計画を産・学・官の連携のもとに策定しているところでございます。今後、これに基づいて民間も含めた総合的な推進体制の整備を行い、情報化の推進に努めてまいる所存でございます。
 第五点の行政の情報化については、昭和六十一年四月に庁内組織である県情報システム推進委員会を設置し、OA化の推進や地域情報化の推進に努めてきたところでございます。現在、OA化については、財務会計、人事給与等、合計九十業務のコンピューター処理を行っており、また地域情報化については、黒潮ネットワークの整備、パソコン通信Wave-Netの開局等を行っているところでございます。また、人材育成という面からも、職員研修所や情報システム課においてパソコン研修等を実施するとともに、情報化の意識高揚に努めているところでございます。
 今後、一層進展する情報化に対応するため、行政の情報化を促進するとともに、情報感度の高い人材育成に努め、また、市町村に対しても情報化への指導を進めてまいる考えでございます。
 次に、土地・用地対策のうち、地籍調査強化への対応についてでございます。
 地籍調査事業については、現在、十五の市町で実施しており、平成四年度からは新たに三市町村が着手の運びとなってございます。地籍調査は、法務局備えつけの公図の明確化をすることにより、財産の保全が図られるとともに、公共事業の用地取得についても効果的に対応ができるため、積極的に取り組む必要があると認識をいたしてございます。
 今後とも、未実施市町村に対して積極的に啓発活動を行うとともに、体制の充実強化に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 農林水産部長若林弘澄君。
 〔若林弘澄君、登壇〕
○農林水産部長(若林弘澄君) お答えいたします。
 関西国際空港開港に向けてのフライト農業への対応策のうち、第一点目の機内食についてでございます。
 関西国際空港をインパクトとした機内食への対応については、これまでも生産者団体ともども関係業者と話し合いを行ってきているところでございます。
 機内食業者の意見を要約しますと、産地からの仕入れの場合は、一定の規格、量の確保、定時納品などと、産地にとっては大変厳しい内容となってございます。しかしながら、安定供給可能な加工品である県産ミカンジュースなどは既に機内食等に採用されているところでございます。
 このようなことから、機内食等への対応は大変厳しいものとなってございますが、今後とも関係業者と情報交換を重ねる一方、県農協連に組織する臨空農業対策プロジェクトチームと連携を強化しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、二点目の空港と周辺人口に対する生産対策についてでありますが、これについては、高品質生産を基本に施設園芸の推進などに取り組んでまいったところでございます。中でも紀の川流域を対象にした施設園芸タウンづくりについては、地域整備計画に位置づけ、百二十ヘクタールの目標に対し、現在ではイチゴ、柿、バラなど七十八ヘクタールの施設化が図られてございます。
 一方、流通対策については、全県的な農産物の集出荷体制の確立を基本にしながら、空港などへの特殊な需要をねらいとした県農協連の特需センターの活用強化にも取り組んでいるところでございます。さらに、和歌山市中央卸売市場の対応力を強化するため、平成四年度には品ぞろえ、鮮度保持などを目的に大型冷蔵庫の設置が図られることになったと聞いてございます。今後とも、多様化する消費動向に対応した生産流通体制の確立に積極的に取り組んでまいります。
 三点目の、関西国際空港開港とあわせ、南紀白浜空港ジェット化に向けての空輸出荷の対応についてであります。
 航空機の機能を生かした空輸出荷については、県産農水産物の販路拡大などにとって大変重要であると考えてございます。このため、部内にプロジェクトチームを設置し、空輸出荷の可能性を検討してきたところでありますが、その結果、陸路輸送と比較して時間的にメリットのある北海道や東北地方などが空輸対象地域に適する一方、輸送コストを考慮した場合、一般的には一キログラム当たり千円程度の高価でかつ軽量な品目が適しているものと考えてございます。
 このようなことから、県としては北海道向け脱渋柿やヨーロッパ向けの完熟桃の空輸実験に取り組んできたところでございます。その結果を踏まえ、生産者団体では柿やエンドウなどを北海道に、平成三年産で年間七百五十トンの空輸出荷を実施いたしてございます。
 また、南紀白浜空港のジェット化に向け、紀南地域の特性を生かしたハウスミカン、キヌサヤエンドウ、宿根カスミソウ、イセエビなどについて、空輸出荷の可能性を求めながら生産流通体制の整備に取り組んでいるところであります。
 今後とも、本県の特性を生かした高品質農産物や高級魚介類など、空輸に適した産品の生産拡大や供給体制の強化に努めてまいります。
 次に、花の振興とイベントについてであります。
 花の振興については、全国的な需要動向を的確に把握しつつ、本県の地域特性を生かした産地づくりを目指し、これまで黒潮フラワーエリア産地化推進事業などによって産地の強化に努めてきているところでございます。
 今後さらに高品質、周年供給産地の確立を基本にしながら、「花の和歌山」のイメージアップをさらに高めるため、全国的なイベントへの参加はもとより、既に実施している花と緑のフェスティバルを土台にして、新しいイベントの開催についても積極的に検討してまいりたいと考えてございます。また、議員お示しの花卉流通センターの規模の拡大や情報機能の強化についても、生産者団体ともども、なお一層懸命の努力をしてまいります。
 最後に、内川浄化に係る農業集落排水問題についてでありますが、農業集落排水事業については、農村の生活環境の整備と農業用水及び河川の水質保全に処するため積極的に推進しているところでございます。
 内川の浄化については、宮井水路流域等の上流部の水質保全も必要であると認識しております。こうしたことから、現在、内川の浄化に係る農業集落排水の整備計画について、関係機関との協議調整を進めているところであります。
 今後、和歌山市との連携を密にしながら、事業化に向けて積極的に取り組んでまいたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答え申し上げます。
 まず内川浄化の問題でございますが、そのうち下水道整備に関しまして、終末処理場への受け入れ基準でございます。
 これは、終末処理場において処理することが困難であり、放流水の水質基準に適合させるため、必要な限度において下水道条例の中で定めたものでございます。終末処理施設は生物処理を主体とした施設であることから、下水道施設を損傷するおそれのある下水、また処理困難な下水を排出する企業は、除外施設を設置してこれをどうしても取り除く必要がございます。
 次に、関連する企業に対する市の指導状況でございますが、市の下水道部では、染色施設に係る事業所に対しては個別に指導を行っているところであり、また化学製品製造業等に関しては、企業担当者会議を設置して集中処理施設設計に関する諸元等について協議調整を行っております。平成四年度当初よりこの施設設置に関する実施設計に着手する予定で、平成六年四月からの施行をめどに取り組んでおるところであります。県としても、各界で組織する浄化対策協議会に参画をし、目的達成が図られるよう努めているところでございます。
 次に、終末処理場機能の高度化でございますが、全国的な組織として結成している下水道高度処理促進全国協議会に参加をしております。高度処理の実施に当たっての法制度上、財政上及び技術上の課題の解決、さらに住民に対する啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。また、工場排水の直接放流については、下水道の放流水質が前提となりますが、放流先の状況を踏まえつつ、関係機関と十分調整を図り対応する必要があると考えております。
 次に、内川浄化対策事業計画全体についてでございます。
 内川の浄化対策として、これまで浄化用水の導入等、種々実施してまいりました。こうした結果、格段に水質は改善をされてまいりましたが、なお水の色の問題等が残されているわけであります。
 内川は、国際化を目指す県都和歌山市の都市基盤として貴重な都市空間であると認識をしており、かねてより、議員ご提言のとおり、内川を水清く緑豊かな河川としてよみがえらせることは重要な課題と考えております。
 このため、河川内及び流域内の総合的な浄化対策を検討すべく、県においては、全庁的な組織である内川浄化対策推進協議会において本年六月をめどに浄化対策事業計画を策定すべく検討を進めております。また、各事業について、県、市の役割を明確にし、連携した取り組みを進めるため、本年一月には内川浄化対策連絡会を設置いたしたところでございます。今後、流域の関係者等との協議の機会を持つことについて検討をしてまいります。
 河川内の対策としては、人々の目が川に向けられるような景観、環境に配慮した親しみと潤いのある河川整備を図るため、和歌川アクア・ルネサンス事業を創設し、市内の中心域において重点的に美化護岸、植栽整備等を進めてまいりたいと考えております。平成四年度は、市堀川において事業費八千万をもって護岸美化二百メートル、植栽護岸五百メートルを実施する計画でございます。
 また、国においても有本ポンプ場を建設中であります。県、市においても大門川、有本川への浄化用水導入路の整備を進め、さらに浄水導入効果の一層の発現を図るための調整、モニタリングシステムの検討についても取り組んでまいります。
 また、昭和六十年に策定した和歌山下津港港湾計画において、西浜地区に市内木材関連企業の移転を想定した土地再開発用地が、陸上貯木場用地等とあわせて計画をされております。この計画は、内川浄化の観点からも重要な施策と認識をしております。
 内川浄化対策推進協議会での議論も踏まえ、事業化に関して、木材関連業界の考えも徴しつつ、商工労働部、農林水産部等、関係部局とも話し合い、それぞれ担当において課題の検討を行ってきておるところであります。
 この事業は、住工混在の解消等、市街地の環境改善、地場産業の育成にも資するものであり、今後、和歌山市とも連絡、協議を図りつつ、企業の移転、立地の誘導、その見通し、用地造成の工法等の課題とともに、陸上貯木場の造成、運営方策についてもさらに検討を進め、計画の実現に向け、和歌山市と連携をして積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 なお、河川浄化を進めるためには流域住民の河川愛護の意識の高揚を図ることが重要な要因であるということで、マスコミによるPR、あるいは河川愛護団体への助成、活動の支援等を強力に進めてまいります。
 いずれにいたしましても、内川浄化は長年にわたる課題であります。その着実な推進を図るため、より一層の努力を払ってまいりたいと思っております。
 次に、土地・用地対策の問題でございますが、議員ご指摘のとおり、県内の大型プロジェクトも推進しておりますし、また国の公共投資十箇年計画による国民の生活関連事業等についても積極的に取り組んでおりますけれども、何と申しましても用地問題が大きな現実の壁となっておりますので、平成四年度において効率的な人員配置あるいは組織機構の強化などが必要ではないかと考え、積極的に検討をしているところでございます。
 次に、官民境界明示促進の問題については、近年、道路、河川、里道、水路など、境界明示申請の件数が相当増加をしてきており、実は厳しい状況にありますが、関係部と連携を密にし、行政サービスの低下を来さないよう今後とも努力をいたしたいと思っております。
 また、用地取得の民間委託等については、現在、丈量測量あるいは物件調査、単価の鑑定等の業務を委託しております。さらにどの程度民間の活用を図れるのかということを、引き続いて検討してまいりたいと考えております。
 さらに、用地業務を専門とする人員の採用についても、議員のお話のとおり、有効な手段の一つと考えますので、関係部とも十分相談をさせていただきたいと存じております。
 地下街の問題でございます。
 地下街につきましては、一般的に、防災、衛生その他の観点からいろいろ問題が多いとされております。しかしながら、地下街は、議員ご指摘のとおり、公共地下歩道の確保あるいは商業活性化といったことに大きく寄与するものでございます。今後、他都市の状況を参考にしながら研究を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、第二阪和国道の問題でございます。
 この第二阪和国道は、我が県としても重要な幹線道路でございまして、重要課題として取り組んでおるところでございます。
 現在事業中の新南海橋を含む和歌山北バイパスについては、和歌山市の第二阪和国道関連建設事務所において用地買収に取り組んでおられますが、県としては、市と一体となって、議員ご発言の趣旨も踏まえ、用地国債の大幅な設定を含む予算の増額、早期完成を引き続いて国に強く要望してまいります。
 また、未着手区間の早期事業化についても、和歌山北バイパスの事業進捗を見きわめながら、引き続いて工事に着手できるよう国へ要望をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 内川浄化における企業の現況と企業努力への支援についてでございます。
 和歌山市が施行した着色排水等規制条例を遵守するため、関係企業においてはその方策等について検討を始めておりますが、施設を設置する用地、また建設費やランニングコスト等の排水処理対策を進める上で幾つかの問題点が出てきておりますので、今後も関係機関と密接な連携を図りながら、これらの問題解決のために内川浄化対策推進協議会や内川浄化対策連絡会の場で協議しながら、時宜を得た適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。
 一方、工業技術センターにおいては、工場からの着色排水を脱色処理する技術的な方法について、今年度より活性炭吸着処理と活性汚泥処理の二つの方法で研究を進めているところでございますが、いずれも染色排水の脱色は十分可能であるという研究の結果が出てございます。これら二つの成果を工場における実施段階まで進めるには幾つかの問題点がありますので、引き続き研究を行うため排水処理研究事業について本議会にお願いをしているところでございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) エイズ対策、教育の徹底についてお答え申し上げます。
 まず、学校教育においては、本県のすべての中学校でエイズについて記載のある保健体育の教科書を使用しており、また高等学校でもほとんどの学校でエイズについて記載のある教科書を使用するとともに、ビデオやスライド、新聞の切り抜き等を使用して各学校で保健学習を行っているところでございます。また、昭和六十二年にエイズについてのパンフレット、昭和六十三年に「エイズに関する指導の手引」を各小中高等学校に配布し、学級活動、ホームルーム活動等で活用するよう指導の充実に努めているところでございます。
 今後、文部省では問題の重要性から「指導の手引」の改訂及び高校生用の教材の作成が進められるとのことであり、本県としても、保健などの教科学習やホームルーム活動等の中の性に関する指導等との関連を踏まえ、新しい「指導の手引」も有効に活用し、さらに充実した指導ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 また、社会教育においては、社会人を対象としたエイズ問題の学習を進めるという観点から、昭和六十三年度に学習教材ビデオを購入し、PTA研修会を初め、婦人学級並びに講座等の中で活用し、その啓発に努めているところでございます。
 今後、この問題を重視し、学習教材の充実を図るとともに、県及び市町村が実施する研究会や各種の学級並びに講座等の中で、エイズに対する正しい知識と理解を深めるよう関係機関と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) 拡声機による暴騒音の規制に関する条例に関する尾崎議員のご質問にお答え申し上げます。九点ございますので、順次、お答え申し上げます。
 まず第一点目の、本条例案を提案するに至った経緯と理由についてであります。
 一部右翼団体等による街頭宣伝車の拡声機を使用した、常識の範囲を超える異常な高音での街頭宣伝活動は、拡声機そのものの高性能化と相まって年々増加する傾向にあります。この音の暴力とも言える暴騒音に対する規制や取り締まりを求める住民の要望は、全国的な高まりを見せており、既に岡山、石川、岐阜、長崎、熊本、福島、群馬及び宮城の各県におきまして、同種の条例が制定をされております。
 右翼団体の保有する街頭宣伝車は、本県においても三十台を超え、県外から来県するものも含め、過去五年間に延べ二千台もの街頭宣伝車による街頭宣伝活動が行われ、全国的にも高い水準にあります。しかもその形態は、大音量で軍歌を流し、また通常の住民感覚では耐えがたい罵声、雑言をもってする執拗かつ激しいものとなっており、こうした拡声機による暴騒音に対して規制や取り締まりを求める県民の苦情や要望は次第に高まりを見せておりました。
 とりわけ、本年一月二十四日から同二十七日までの間、和歌山市を中心に開催された全日本教職員組合による教育研究全国集会に際しては、昨年九月中旬ごろから同集会に反対する団体が多数の街頭宣伝車で来県し、これらの行う街頭宣伝活動に伴い多数の県民がその騒音に悩まされ、この種の暴力的な騒音の規制や取り締まりを求める要望が一段と強まった経緯がございます。
 警察といたしましては、この種拡声機による暴騒音に対して軽犯罪法等の各種現行法令を駆使してまいりましたが、県民のご期待に沿うような規制や取り締まりを有効に行うことが困難な現状にあります。そこで、日常生活を脅かすような暴力的な騒音から平穏な生活環境を守りたいという県民の要望に的確にこたえるものとして本条例案を提案し、県民の代表者である県議会においてご審議いただき、制定していただくようお願いをした次第であります。
 第二点目の、街頭宣伝活動を規制する条例の制定は憲法二十一条の表現の自由に抵触しないかとのご質問についてであります。
 街頭宣伝活動は、言論、表現の重要な手段として十分尊重されるべきことは申し上げるまでもないところであります。しかしながら、表現の自由といえども絶対無制限のものではなく、公共の福祉の観点から一定の制限がなされることは当然であります。最高裁も、これまで屋外広告物条例や軽犯罪法のビラ張り規制の合憲性が問題となった事件等の判決において、表現の方法形態の規制については必要かつ合理的な制限として合憲としております。
 本条例は、街頭宣伝活動そのものやその内容を規制するものではなく、県民の日常生活を脅かすような拡声機の使用について必要な規制(音量規制)を行うものでありまして、一定の基準以下の音量による街頭宣伝活動であれば規制の対象とはならず、言論、表現の自由を侵害するものではないと考えております。
 第三点目の、本条例は一部の適用除外を除き拡声機の音量を八十五デシベルで規制しているが、交通頻繁な繁華街や駅頭では事実上拡声機を使用した街頭宣伝活動ができなくなるおそれはないかとのご質問についてであります。
 本条例は、あくまでも県民の日常生活を脅かすような拡声機を使用した暴騒音を規制することを目的とするものでありまして、県民が容認している常識的な拡声機の使用についてまで規制することは毛頭考えておりません。
 八十五デシベルという規制値については、国の騒音規制法に基づく環境基準や日本産業衛生学会の騒音許容基準、さらにはILO(国際労働機構)の騒音の限界値等を総合的に勘案いたしまして、また他県の同種条例をも考慮して決定したものでありまして、妥当な数値であると考えております。なお、本県の公害防止条例では、工業地域及び工業専用地域における規制の基準を七十五ホンと定めるなど、より厳しい基準となっております。
 ちなみに、本県で最も交通量の多い場所の一つと言われておる汀丁交差点及び県庁前の昼間の日常騒音は約七十デシベル程度でありまして、このような状況から、現在の和歌山県下において八十五デシベル以上の音量を出さなければ街頭宣伝活動ができないといったことはないと考えております。
 第四点目の、本条例は通常行われている政治活動、労働運動及び市民運動に伴う拡声機の使用を規制の対象としているのかとのご質問についてであります。
 本条例は、あくまでも県民の日常生活を脅かすような暴力的な拡声機の使用を規制するものであります。したがって、通常行われている市民運動、労働運動、政治活動に伴う拡声機による街頭宣伝は、それが一般県民から理解を得ている常識的なものと考えられる限り、この条例の規制の対象とは考えておりません。
 このような考え方を明らかにするために、第七条において「この条例の適用に当たっては、表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」と明示しているところであり、この条文を尊重し、慎重な運用に努めてまいりたいと考えております。
 第五点目、現行法令での取り締まりが可能ではないかとのご質問についてであります。
 拡声機による暴騒音の取り締まりについては、その内容的側面からとらえると、刑法の脅迫罪、威力業務妨害罪、名誉棄損罪、侮辱罪等の適用が考えられます。また、拡声機騒音という側面からは、軽犯罪法、和歌山県公害防止条例の適用が考えられます。
 警察としては、この種暴力的な騒音に対し、これまで威力業務妨害罪で一件一名、軽犯罪法違反で二件二名を検挙しております。しかしながら、これまでの例を見てまいりますと、まず第一に、刑法の脅迫罪、威力業務妨害罪、名誉棄損罪、侮辱罪等については、これらの構成要件に該当しない、あるいは犯罪構成要件に該当する可能性はあるが被害者の供述、具体的な供述が得られないことが多く立証することが困難であること、二つ目には、軽犯罪法については、その名のとおり罰則が拘留または科料と非常に軽く、また住居、氏名が明らかであり逃走のおそれがない場合には現行犯逮捕することができないという刑事訴訟法上の制約があり、一般的な抑止効果に極めて乏しいということに加え、犯罪構成要件の一つである迷惑性の立証についての具体的な供述が得られにくいこと、三つ目に、公害防止条例は、事業活動に伴って発生する騒音を規制するもので、条例制定の趣旨、目的が異なることから同条例を適用してこの種の拡声機による暴騒音を取り締まることはできないといったことなどから、県民の日常生活を脅かすような拡声機による暴騒音を抑止し取り締まる方法として極めて不十分でありまして、県民のご期待に沿うような規制や取り締まりを有効に行うことが困難な現状にあります。
 なお、さきの教育研究全国集会では、県民の苦情や要望にこたえるため、連日多数の警察官を動員して総合取り締まりに取り組んだのでありますが、改めて現行法令における騒音取り締まりの困難性を痛感した次第であります。
 第六点目の、音量規制基準を八十五デシベルとした根拠は何か、日常生活の中での八十五デシベルとはどの程度の音量であるのかとのご質問であります。
 八十五デシベルという規制値については、さきにご説明をしたとおりでございます。
 八十五デシベルがどのような音量の音かということについてでありますが、音の程度を言葉で表現することは極めて困難でありますので、例を挙げて申しますと、JR阪和線の快速電車が踏切通過時に電車の位置から十メートル離れた地点で測定をした音がおおむね八十五デシベルでございます。
 第七点目の、立入調査等と憲法との関係についてであります。
 最近の右翼の街宣車は、運転席以外の窓のない装甲車のような大型車や窓にブロンズフィルム、ポスター等を張り、あるいはペンキを塗りつけて中が見えないようになっている車両がほとんどであり、警察官が停止命令を出そうと思ってもその停止命令が本人に伝わらない場合が多く、それゆえ、本条例の実効を期すため警察官の立ち入り権を定めたものであります。
 本条例における警察官の立ち入り権は、あくまでも条例の目的を達成するために、拡声機による暴騒音を発している者に対し停止命令または勧告という行政上の警告や指導を適切に行うためのものであります。
 しかし、立ち入りは、これを受ける者にとっては権利または自由の制限ないし侵害となるおそれがあることから、この権限の行使を第四条の停止命令、第五条の勧告の権限を行使するのに必要な限度に制限をしております。また、第六条第三項においては「第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」ということを確認的に規定をし、その運用の適正に努めるべきことを明示しております。
 したがって、本条例の適用に当たっては、国民の権利を侵害しないように十分留意し、適正な運用に配意してまいりますので、懸念されるようなことはないと考えております。
 八点目の、いわゆる複合騒音と本条例の実効性についてであります。
 現在の音量測定器の性能では、拡声機の同時使用によって生じるいわゆる複合騒音に対し、どの車から発せられた音量が規制の基準を超えるものであるのかを特定することに困難を伴うことは、ご指摘のとおりであります。
 しかし、本条例が拡声機の同時使用に伴うあらゆる複合騒音に対し有効に機能し得ないということはございません。そのような複合騒音に対しては、第五条の勧告、さらには第六条の立入調査を有機的に活用し、暴騒音となっている音源を明確にした上、地域住民の皆様の平穏を速やかに回復するような措置に努めてまいりたいと考えております。
 なお、本条例と同様の条例を制定している石川県等八県においては、条例の効果的な運用を図り、暴騒音の抑止に大きな成果を上げていると聞いております。
 第九点目の、罰則に関するご質問についてであります。
 罰則については、既に制定されている同種の条例、いわゆる静穏保持法、和歌山県公害防止条例等の罰則を参考とし、停止命令違反には六カ月以下の懲役または二十万円以下の罰金、立入調査を拒否、妨げ、忌避したものについては十万円以下の罰金としたものでありまして、適切な罰則であると考えておるところでございます。
 以上でございますが、ひとつよろしくご審議の上、本条例の制定にご理解、ご尽力賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──発言時間が終了いたしましたので、以上で尾崎吉弘君の質問が終了いたしました。
○議長(山本 一君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時五十三分休憩
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