平成4年2月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第二号 平成四年三月九日(月曜日)
 午前十時開議
 第一 議案第七十八号から議案第八十一号まで(知事説明・質疑)
 第二 議案第一号から議案第七十七号まで(質疑)
 第三 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第七十八号から議案第八十一号まで(知事説明・質疑)
 二 議案第一号から議案第七十七号まで(質疑)
 三 一般質問
出 席 議 員(四十六名)
 1 番 尾 崎 要 二
 2 番 中 村 裕 一
 3 番 下 川 俊 樹
 4 番 石 田 真 敏
 5 番 中 村 隆 行
 6 番 木 下 秀 男
 7 番 岡 本 保
 8 番 藁 科 義 清
 9 番 北 村 翼
 10 番 小 川 武
 11 番 上野山 親 主
 12 番 井 出 益 弘
 13 番 町 田 亘
 14 番 尾 崎 吉 弘
 15 番 門 三佐博 
 16 番 西 本 長 浩
 17 番 高 瀬 勝 助
 18 番 冨 安 民 浩
 19 番 和 田 正 一
 20 番 阪 部 菊 雄
 21 番 平 越 孝 哉
 22 番 大 江 康 弘
 23 番 岸 本 光 造
 24 番 山 本 一
 25 番 吉 井 和 視
 26 番 浜 田 真 輔
 27 番 堀 本 隆 男
 28 番 宇治田  栄 蔵
 29 番 富 田 豊
 30 番 中 村 利 男
 31 番 馬 頭 哲 弥
 32 番 宗 正 彦
 33 番 鶴 田 至 弘
 34 番 上 野 哲 弘
 35 番 村 岡 キミ子  
 36 番 松 本 貞 次
 37 番 木 下 義 夫
 38 番 和 田 正 人
 39 番 中 西 雄 幸
 40 番 橋 本 進
 41 番 野見山  海
 42 番 森 正 樹
 43 番 浜 本 収
 44 番 新 田 和 弘
 45 番 浜 口 矩 一
 46 番 森 本 明 雄
欠 席 議 員(一人)
 47 番 山 崎 幹 雄
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 西 口 勇
 出納長 梅 田 善 彦
 知事公室長 市 川 龍 雄
 総務部長 山 中 昭 栄
 企画部長 川 端 秀 和
 民生部長 吉 井 清 純
 保健環境部長 遠 藤 明
 商工労働部長 中 西 伸 雄
 農林水産部長 若 林 弘 澄
 土木部長 山 田 功
 企業局長 高 瀬 芳 彦
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
 岩 崎 正 夫
 教育長 西 川 時千代 
 以下教育次長
 公安委員会委員長
 玉 置 英 夫
 警察本部長 中 長 昌 一
 以下各部長
 人事委員会委員長
 水 谷 舜 介
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 宮 本 政 昭
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
 稲 住 義 之
 選挙管理委員会書記長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 倉 本 辰 美
 次 長 中 村 彰
 議事課長 中 西 俊 二
 議事課副課長 松 田 捷 穂
 議事班長 松 谷 秋 男
 議事課主事 古 井 美 次
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 田 上 貞 夫
 調査課長 大 畑 巌
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課速記技師 鎌 田 繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時四分開議
○議長(山本 一君) これより本日の会議を開きます。
○議長(山本 一君) この際、報告いたします。
 過日提出のあった議案第四十九号、議案第五十号、議案第六十号及び議案第六十三号については職員に関する条例の制定及び改正案でありますので、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、次のとおり回答がありました。
 職員に回答文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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 和人委第394号
 平成4年3月5日
 和歌山県議会議長 山 本 一 殿
 和歌山県人事委員会委員長 水 谷 舜 介
 職員に関する条例の制定に係る意見について
 平成4年2月28日付け和議会第313号で意見を求められた標記のことについて、地方公務員法第8条第1項第3号の規定により下記のとおり回答します。
 記
 議案第49号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第50号 職員の育児休業等に関する条例
 議案第60号 教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第63号 警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 (意 見)
 上記条例案については、いずれも適当であると認めます。
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○議長(山本 一君) 次に、報告いたします。
 お手元に配付のとおり、監査委員から現金出納検査結果の報告がありましたので、報告いたします。
○議長(山本 一君) 次に、報告いたします。
 知事から、議案の追加提出がありました。
 職員に公文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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 財第304号 
 平成4年3月9日
 和歌山県議会議長 山 本 一 殿
 和歌山県知事 仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成4年2月定例会追加議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 記
 議案第78号 平成3年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第79号 平成3年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計補正予算
 議案第80号 平成3年度和歌山県営競輪事業特別会計補正予算
 議案第81号 平成3年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
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○議長(山本 一君) 日程第一、ただいま報告いたしました議案第七十八号から議案第八十一号までを一括して議題といたします。
 議案はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) ただいま上程されました議案につきまして、ご説明申し上げます。
 平成三年度予算のうち、用地取得の遅延その他の諸般の事由により本年度内に完了することが困難と見込まれる事業につきまして、一般会計で百二十二億六千百余万円、特別会計で二十八億三千二百余万円を平成四年度に繰り越し使用することについてお願いいたしております。
 何とぞ、ご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 以上で、知事の説明が終わりました。
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○議長(山本 一君) 次に日程第二、議案第一号から議案第七十七号までをあわせ一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第三、一般質問を行います。
 14番尾崎吉弘君。
 〔尾崎吉弘君、登壇〕(拍手)
○尾崎吉弘君 平成四年冒頭の議会のトップを賜る光栄を感じつつ、早速、質問に入らせていただきたいと思います。
 今回提案された予算案を見ますと、税収、地方交付税等がいずれも伸びを期待できず、歳入面では厳しい状況にあるものの、国の財源措置のある起債や財政調整基金等の各基金を最大限に活用して、一般会計で対前年度伸び率五・六%と、国の予算や地方財政計画の伸びを大きく上回る積極的な予算となっております。また内容につきましても、国の台所事情が厳しく公共事業が伸び悩む中、単独事業を三七・九%と大幅に伸ばすとともに、下水道、公園等、県民の生活環境を整備するための事業について特別枠を設けるなど、県の独自性、自主性を発揮したものとなっているように見受けられます。
 予算編成を終えられまして、平成四年度予算について思いどおりの予算になっているのかどうか、どのような特色をこの予算で出そうとされたのか、知事のご所見をお伺い申し上げます。
 次に、今後の財政運営の方針についてであります。
 今年度の財政状況を見ましても、県債や基金の活用によりやりくりはされていますが、特に自主財源の柱である税収が対前年度マイナスとなるなど、歳入面では厳しい状況にあるものと考えられます。景気の動向を見ましても、イザナギ景気と並ぶ長期間にわたる好景気も先行き陰りを見せ、法人税関係でも落ち込みが懸念されております。いわゆるバブル経済の崩壊の後遺症で、個人消費や投資の低迷が予想される中、本県の税収の見通しはどうか、総務部長にお伺いいたします。
 一方、歳出面におきましては、四年度は積極的な予算を組まれたわけでありますが、今後の見通しはどうであるのか。義務的経費の抑制といっても、人件費の削減にも限度がありますし、県債残高の累増に伴い公債費も増加が見込まれる中、どのように政策的経費を確保して和歌山の時代を築こうとしていかれるのか。中期的な財政運営の方針について総務部長にお尋ねしたいと思います。
 次に、四年度予算に関連して、県営事業の市町村負担金の軽減についてお伺いいたします。
 今、本県に向かいつつある新しい時代の潮流を逃がさず、しっかりととらまえて和歌山の新しい時代を現実のものとしていくためには、県ばかりでなく市町村も、魅力ある地域づくり、ふるさとづくりに積極的に取り組んでいくことが肝要であります。
 そのためには、市町村の自主性、主体性を一層高めていく必要があり、その最も適切かつ効果的な方策として、いわゆる市町村負担金の軽減がぜひ必要であると考え、自民党県議団において昨年夏以来、研究会を設置し、何回も検討を重ねてまいりました。その結果、昨年十二月議会で堀本議員から政調会を代表して市町村負担金の軽減を図るべきではないかとの質問が行われ、また知事に対する自民党の予算要望の際にも、今こそ最も重要な項目として特に強くお願いをしたところであります。
 今回提案された四年度予算案を見ますと、県営事業の市町村負担金につきましては総額十三億三千万円の軽減を行うこととされており、金額で十億円の大台を上回り平均的な軽減率も二割近くに及ぶなど、かなり思い切ったものとなっております。他府県と比べても高過ぎる本県の市町村負担金を軽減するということは、我々自民党県議団だけではなく、党派を超えた議員各位、また県民からもご賛同いただける施策であると信じておりますが、どのような考え方で負担率の見直しを行われたのか。自民党県議団としては、全市町村一律に軽減するのではなく、その財政力に応じて、弱いところには軽減率を大きくするなどの段階を設けてはどうかという案もお示ししていたわけでありますが、そのような考えも取り入れられたのかどうか、見直しの基本方針について知事にお伺い申し上げます。
 また、我々が負担金軽減を提案させていただいた趣旨からいたしますと、今回の措置が市町村の活性化に生かされなければ意味がないわけであります。端的に申し上げますならば、負担金が減った分、市町村の義務的経費に回ったり、道路、河川等の事業量が減少するということになっては、せっかく身銭を割いてもその効果は半減することとなります。今回の措置を市町村の活力向上に結びつけるため、県としても市町村に対し指導なり誘導なりを行うべきであると考えますが、総務部長の所見をお伺い申し上げます。
 続いて、産業廃棄物問題に移ります。
 この問題につきましては、かねてから何回も質問を重ねてまいりましたが、重大な時期に差しかかってまいりましたので、改めて質問をいたします。
 平成八年八月以降の最終処分をどうするのかということについて調査を行い、処分場探しを続けてきたのでありますが、まずその経過と現状を改めてお伺いし、今後のあり方をただしたいと思います。
 処分場が間で途絶えるということ、なくなるということは許されないわけであります。和歌山県の産業は一日も休むことなく動いておりまして、当然、それに対応する処分場が用意されていなければならないということになります。そういう趣旨から考えまして、少なくともフェニックス計画の処分場をある時期利用せざるを得なくなると思うが、その場合、どれだけの量をどこから海上輸送するかということを本年の夏ごろまでにはフェニックスセンターに報告しなければならないと聞いておりますけれども、その搬出量と積み出し基地について明確にお答えを願いたいと思います。
 次に、フェニックス計画処分場利用について、大阪湾広域臨海環境整備センターと今日までどのような折衝をしてきたのか、そのためにどんな手続が必要であるのかをお伺い申し上げます。そして、現在、和歌山環境保全公社が行っている廃棄物投棄の際に出さねばならない料金と、フェニックス計画に乗った場合との料金の比較をお教えいただきたいと思うのであります。また、和歌山県全体を考えていかなければならない問題でありますが、紀中・紀南地方における最終処分地の現状とその対策についてお伺いを申し上げます。
 次に、法が施行されましてからの医療廃棄物の現況、ガイドラインの概要、そして施行以来の不法投棄や人体事故は今までになかったのかどうか、お尋ねをいたします。
 将来の処分場確保は、内陸部についても努力を永続すべきではありますが、結局、港湾整備との関連の中で解決せざるを得ないと思うのであります。当局の具体的な対応方針をお示しいただきたい。
 産業廃棄物に係る法律で、企業は企業みずからの責任においてこれを処分しなければならないとされておることは、今も変わらない一貫した基本的な考え方であります。ことしの夏ごろまでに和歌山県がどんなものをつくるか、どれだけの廃棄物が出てくるかを報告しなければならないという見地から考えましても、和歌山環境保全公社が今投棄している分の約三分の一強を排出する住友金属というものの存在は非常に大きいわけであります。住友金属は企業みずからの責任においてこれに対してどのような計画を立てておるのか、前の議会でもお伺いいたしましたけれども、緊急の際でありますので、改めて明確なお答えをいただきたいと思うのであります。
 次に、廃棄物を考えてまいります場合に、できるだけ廃棄物を少なくしていくということが一つの流れであります。そういたしますと、物を生産する材料から始まり、生産工程、でき上がった商品、商品の使い方、そして使い終わってもう一遍再利用できないか──いわゆるリサイクルであります。リサイクルのできるものは全部リサイクルをして、どうしてもリサイクルのできないものが最終処分場に持っていかれるというように、産業廃棄物の最終処分とリサイクルというものは二つの大きな柱でありますが、リサイクル法に対する県の姿勢をお伺いし、今回、新規事業として循環型社会システム推進事業の予算を計上されておりますが、この内容、そして将来、事業と呼ぶにふさわしいどんなことをするのか、お伺いを申し上げます。
 次に、今までもご質問申し上げ、その制度化を促してまいりました環境影響評価、いわゆる環境アセスメントについてであります。いよいよ本年、平成四年で制度化を行うと聞いておりますが、その概要、手続の流れ、本県制度の特色と指導要綱公布の時期をお尋ねいたします。
 次に、情報先進県として和歌山を進めていかなければならないということからご質問を申し上げます。
 和歌山県は、紀伊半島に閉じ込められてきた長い期間を経験してまいりました。これを国土軸に近づけ、世界の主要な都市とも直接交わることのできる和歌山県をつくるということが県政の課題でありますが、その中で、陸・海・空それぞれ一生懸命になりまして、その交通機関の充実を相図ってまいったところであります。
 しかし、交通機関の充実で国土軸と和歌山県を近づけたり、空港の建設によって世界と近くなるということが大切でありますけれども、これからの世界はそれだけではいかない。そういう交通手段の発達と同じぐらい、いやそれ以上の重要性を持つかもしれないというものに情報がございます。すなわち、情報化時代であります。
 和歌山県の地理から考えましても、交通機関でおくれてまいりましたけれども、情報についてはどこよりも進んだ、先取りのできる和歌山県でなくてはならないと思うのであります。そこで、情報についての現状と意欲ある将来への具体策を知事にお伺い申し上げます。
 また、これからはディジタルの時代であると言われておりますが、ディジタル化は我が県においてどのように進んでいるのか。また、企業立地については、ただ空港が近くにあってよい道があるというだけでは、付加価値の高い物をつくる工場はもう来ないという時代になっております。すなわち、その工場のある場所の文化的な要因が大きくなければならないという時代でありますが、その中でもこの情報というものが極めて大切であります。
 「燦黒潮」ということで力を入れているリゾートにおきましても、リゾートというのは長期滞在であります。半月、一カ月とその場所に生活をしていただく。そこは、一つの心身のリフレッシュを図る町であります。ですから、そこで簡単な仕事はできなきゃならない。会社にいてできることの七割、八割をその場所でもこなすことができるようなリゾート地にするということは、すなわち、どれだけ情報機能を備えているかということでありまして、今、リゾートの通信サテライト化ということが叫ばれておるゆえんであります。
 また、企業が和歌山のような土地に来る、あるいは和歌山で立派な成績を上げてくれている企業、例えば島精機さんとかノーリツ鋼機さん、これが本社をいつまでも和歌山に置いておくためは、東京に置いているのと変わらないぐらいの情報網を持っていなければならないわけであります。そういう基盤を築くということは、産業を育て、県の厚みを重ねていく上で極めて大切なことであろうと思うのであります。そういうものとの関係についてのお答えをいただきたい。
 また、情報の積み重ねを行っていく場合に、どうしても電気通信事業者との密接な結びつき──例えばNTTでありますが、NTTは民営化されてから独立採算ということを言われているようであります。すなわち、できるだけ投資効果の大きいところにお金を投資していく。そういうことになりますと、和歌山県のようなところは、他のところと比べて、同じ金を投資しても返ってくる率が少ないということになれば、ますます投資する金額が減ってくる。こういうような大きな時代の流れを前にしながら、和歌山県としてはよく頑張っていただいて、本年、NTTが約百億の投資を和歌山県にしようとしていると聞いております。しかしながら、こういうことがいつまでも続いていくとは限らない。
 そこで、和歌山が他府県に先駆けて情報の先進県となるためには、ぜひこのNTTを活用していかなければならない。活用するためには、どこよりも密接に結びつけ、県ができる範囲内におきまして、公共団体としての節度を守りながらも投資をしていく。こういう電気通信事業者とよく話し合いながら投資をする。その投資がどの県よりも早くなければ意味がない。金額も大事ですけれども、金額よりも時を見ていつどんなところに投資をするかということが大切であります。これが早ければ早いほどその見返りは大きいと私は信ずるのでありますが、当局のご見解をお伺い申し上げます。
 民間と県庁、官が一体になった推進が必要でありますが、和歌山県の地域情報化推進計画の内容とこれからの手続についてお伺いを申し上げます。また県庁では、会計や人事給与だけのコンピューター化にとどまらず、今こそ各部とも未来の情報化を先取りする意識の高揚とその準備を積み重ねるべきだと思うが、現在よりもさらに進めていくためにはどうしたらいいか、お答えを願いたいと思うのであります。
 次に、最近はテレビでも、あるいは人が数人集まると何番目かに出てくる話題にエイズがございます。エイズに対する正しい知識というものを持っておらない人が多いために、いろいろなことが起こっております。
 例えば、先日、新聞で見ますと、白浜町のある業者が外国に行って帰ってきたということだけで、何かのはずみでエイズにかかっているのではないかと間違われて、そのお店にばったり人が来ない。人権の侵害であるばかりでなく営業権の侵害であると憤慨をするというだけにとどまらず、そんなうわさが立っては観光の町・白浜が大変だ、何とかしなければならないという意見も一時、強く出たと聞いているわけであります。
 そこで、まずこのエイズに対する正しい知識を県民が身につけるということが非常に大切であります。今までも啓発、あるいは教育委員会においては社会教育や学校教育の中で啓発教育を行ってきたと思いますけれども、まだこういう現状であるということは、それだけ十分な効果が上がっていないということの証拠でありますから、今度はどんな方法で正しい知識を県民の皆様方に知っていただくかということを改めて考えてみなければならない。
 そこで、まずエイズという病気はどんな病気か、感染経路はどうであるのか、それを予防するためにはどうしたらよいか、その知識を県民に伝えるにはどうしたらよいかということについてお答えをいただきたい。
 幸いにいたしまして、全国どこで検診を受けましても、エイズ患者あるいは感染者だということがわかりますと、その患者や感染者の居住している府県に国の方から知らせてまいります。そういう正式の情報において、今のところ和歌山県では患者はゼロ、感染者もゼロということでありますから安心していいわけですけれども──この数字も間違いないかどうか、さらに確認をしたいと思いますが──なかなか自分がエイズかどうかを診てもらいに行く人が少ないのではないかという観点から、わからない感染者があるのではないかという不安はいつまでもつきまとうのであります。
 そこで、検査体制の充実をどうするかということについてお伺いいたします。そして、もしエイズ患者であるとわかった場合に、受け入れ病院の整備は十分であるのか、二次感染の防止体制は十分であるのか、エイズ予防法という法律との関係はどうであるのか、医療従事者の研修はどうなっているのかということについてお伺いを申し上げます。
 冒頭に申し上げましたように、理由もないのにエイズであると疑われて人権や商業権を侵害されるというようなことは断じて排除していかなければならないわけであります。環境衛生という仕事に携わっておられる方々にとりましては、いたずらに無知なるがゆえに抱かれる偏見というものは、大変迷惑なものであります。「和歌山県の環境衛生の業者は、法律を守り万全の対策をしておるから大丈夫である」と安全宣言のできるような具体的な方策はないのか、業者の人とよく話し合って、ぜひとも具体的方策をお考えいただきたいと思うのでありますが、当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、農業問題、特に関西国際空港、白浜空港のジェット化というものを目の前に控えたフライト農業についてお伺いを申し上げます。
 まず、飛行機の中で食べられるもの、機内食でありますが、これに和歌山県でつくられたものが入っていけるかどうか。一部、ジュースが入る予定だということも聞いているわけでありますが、どのような交渉を今までされてきておるのか。今はもう、こうしたいああしたいと思うときではなしに、今何をしているか、今どんな交渉をしているか、どこにネックがあるのか、それをどうしてクリアするかということに真剣に取り組んでおるかどうかが勝負であります。
 農協や和歌山中央卸売市場と一体となった取り組みはもちろんでありますが、農林水産部が先頭に立った、みずから切り込み隊長という認識を持った農林水産部長の活躍のときは今しかないと思うのであります。
 次に、空港と周辺需要への対応についてお尋ねいたします。
 生産者や農協、中央卸売市場等の生産から流通の経路を、それぞれについてお答えいただきたいのであります。そして今度は、できた空港、空の便というものをどのように使って和歌山の農水産物が必要なところに行くかという問題であります。すなわち、何を、どこへ、どれだけの量を、どんなコストで、安定して送り続けることができるかということがポイントであります。こういう具体的なことについてどんな交渉をしておるのか、どんな成果が上がっているのか、これから何をするのか、お答えをいただきたいのであります。
 次に、和歌山県の花の生産高の伸び率はすばらしい。ここ三、四年は毎年一二〇から一三〇%という伸び率を示しております。この伸び率は全国一であろうと思うんです。ここ数年たちますと、和歌山県でつくられている米の全生産高に花の生産高が匹敵する。梅やミカンや柿という果樹について定評を得ている和歌山県、その中に花が大きな柱として加わるということは、大変うれしいことであります。
 ところが、近畿では生産も一でありますし伸び率日本一といいながら、「花の和歌山」というイメージがもうひとつ乏しい。県民自体も知らない。カスミソウが日本一らしいなと、このぐらい知っておればよいといたしまして、「花の和歌山」というイメージを県民も日本国民も持っていない。そこで、花の振興とあわせて「花の和歌山」を売り出していくことが大切だと思うのであります。
 一つは、花卉流通センターを拠点とした日本一の情報基地の建設についてであります。
 この間、東急インで行われましたメガインフラのシンポジウムにおきまして、外人の方が「オランダはチューリップで有名だけれども、実は花の情報が世界一なんだ。そのために、そこの国では生産されていない花でも一遍はそこへ寄るんだ。それだけ情報というものは大切なんだ」ということを力説されたのであります。
 花に期待をかける和歌山県といたしましては、ぜひともこの花卉流通センターを拠点とした花の情報を日本一にしてもらいたい。そうして、和歌山県で生産される花だけでなく、ほかの花も和歌山県に一遍寄るというほどの基地にもしすることができるとすれば、こんなすばらしいことはないと思うのでありますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思うのであります。
 今、花のイベントといたしまして、小さく地場産業センターや緑花センターでやっております。予算の割には職員の皆さん方が大変ご苦労、勉強いただきまして、その予算以上の成果を上げているところは感心をしているわけでありますけれども、こういった今までやってきたことを土台といたしまして、大きく日本全土に和歌山の花をアピールすることのできる、また女性や子供が見ても楽しい、そういう一大イベントを毎年開いていくことがぜひとも必要であると思いますが、お考えをお聞かせいただきたいのであります。
 次に、毎回質問を繰り返してまいりました内川浄化についてお伺いいたします。
 下水道終末処理場への受け入れ基準に問題はないか、受け入れ基準見直しへの企業の対応と県市の指導はうまくいっているのか、処理場機能の高度化を図っていくべきであるが、今後どのように進めていくのか、また工場排水の直接放流のあり方をお伺いいたします。
 企業としては、本年中ごろには既に建設の発注をしなければ平成六年に間に合わないということでありますけれども、いまだその方法やコストについて決まらず、困惑の極にあるとの話も聞いておりますが、実態はどうであるのか。日本で初めての試みに挑戦せざるを得ない企業の立場に立って県は何をしていくのか、その痛みを分かち合う覚悟を持って、技術の上であるいは財政の上での援助をどうしていくのか、その時期を含めてお答えいただきたいと思います。
 また、内川流域の浄化という点で、合併浄化槽、農業集落排水の現状、進展についてお尋ねしておきます。
 内川浄化対策事業計画についてでございますが、まず組織の進展の上に立ち、沿線住民と県市連絡会の協議の場を持つべきものと思っておりますが、今日までの経過と今後の進め方をお伺いいたします。
 続いて、環境と流況の改善、住民啓発、モニタリングシステムなど、今後の課題とその消化推進策をお示しいただきたい。県では内川をよみがえらせるということで和歌川アクア・ルネサンスを提唱されているが、この内容を具体的にご説明いただきたい。
 次に、土地・用地問題対策であります。
 この問題の重要性は申すまでもありませんが、土木部監理課を中心に、組織の強化、職員の増強について今年度こそ改革を断行すべきであります。境界明示等、場所によっては停滞を来しているところもあります。当局の決意をお伺い申し上げます。
 また、宅建協会は建設省、地建と契約を交わしておりますけれども、民間への委託、活用、民間人の採用について積極的な対応の意思ありやなしや、ご返答願いたいと思います。
 次に、何遍もこの場で言ってまいりました地籍調査でございますが、これを行う土地対策課に土木の技術職員がどうしても必要であると思うが、その配置についてどのように考えておられるか。
 次に、けやき大通りや城北公園の下に地下駐車場をつくるということで、駐車場に対して積極的に県も考えていることについては賛意を表明したいわけでありますが、和歌山というところは、土地が少ない。土地が高い。そうすると、上へ伸びるか下へもぐるかしかない。将来、二十一世紀は地下の町、地下街ということも考えに入れていかなければならないと思いますが、都市計画の上でもその他の点でもどうであるのか、ご見解をお聞かせいただきたい。
 次に、和歌山にとって一番さしあたり必要な道は、新南海橋をかけかえるということであります。京奈和道路には用地国債というものがついているわけであります。正規の予算を組んでくれるのが一番よいわけでありますが、それが難しいとすれば、ぜひとも用地国債の設定をしてでも、今、土地が買えるのに買えないという状態を打破しなければならないと思うのであります。また、楠見インター以北の事業化についても、その意欲をお伺い申し上げます。
 最後に、本会議の議案として上程されております拡声機による暴騒音の規制に関する条例についてお尋ねいたします。
 去る一月二十四日から二十七日まで和歌山市を中心に開催されました全日本教職員組合の教育研究全国集会に際しては、四カ月にわたり右翼団体が多数の街頭宣伝車で押しかけまして、スピーカーのボリュームをいっぱいに上げて街頭宣伝を行い、一般県民がその騒音に大変迷惑して、規制や取り締まりを強く求める声が世論としてございます。事実、私のもとにも、電話の声が聞こえない、テレビの声が聞こえない、子供がおびえているなど、いろいろ苦情が参っておりますし、あんな暴力的な騒音を放置することは和歌山県民の潤いのある生活を実現する上で大きな阻害になるのではないかという強い意見も参っております。知事、警察本部長は、これら県民の要望にこたえるということで本条例を提案され、制定したいということだと思うのであります。
 しかし、本条例は、拡声機の使用についての規制や取り締まりがありますので、表現の自由等の国民の基本的人権との関係において、右翼団体による暴力的騒音を規制し取り締まる一方で、私たちが通常行っている政治活動や労働運動等の活動にも規制や取り締まりが行われるのではないかと、そう言う人たちもございます。また、街頭宣伝活動が事実上不可能になるのではないかと心配する人もあります。しかも、このような心配の声は法律の専門家である一部弁護士の中からも聞かれまして、私どもの方に、その人たちから慎重な対応を行ってほしいとの要望も参っております。
 そこで、まず知事に本条例に対する所見をお伺いいたします。
 次に警察本部長に、本条例の論点について九つの点をお伺いいたします。
 その第一は、本条例を提案するに至ったいきさつと理由についてであります。本条例がどのようないきさつと理由に基づき提案されたか、本県の実情を踏まえ説明を求めるものであります。
 二点目は、街頭宣伝活動を規制する条例の制定は憲法第二十一条の表現の自由に抵触しないかということであります。
 第三点は、本条例は一部の適用除外を除き拡声機の音量を八十五デシベルと規定していますが、交通頻繁な繁華街や駅頭では事実上拡声機を使用した宣伝活動ができなくなるのではないかということであります。この点については、この条例の制定に反対する人たちの最も関心事でありますので、明快な答弁をお願いします。
 第四点は、本条例は通常行われている政治活動、労働運動及び市民運動に伴う拡声機の使用を規制の対象としているのかということであります。
 第五点は、現行法令でも取り締まりが可能ではないかということでございます。既存の法律をもっと多角的、積極的に活用すれば十分取り締まりが可能であるとの意見も聞かれますので、警察としてこの意見をどのように考えておられるのか。現に、さきの教育研究集会ではこの法によって二件検挙しておるのに、どこに問題があってこの条例が必要なのか、具体的な答弁をお願いします。
 六番目は、音量規制基準についてであります。音量規制基準を八十五デシベルとした根拠は何であるのか、日常の生活環境の中での八十五デシベルとはどの程度の音量であるのか、お尋ねします。
 七番目、立入調査等の権限と憲法との関係であります。この条例では警察官に幅広い権限が与えられておりますが、警察官に立入調査、質問の権限を認めることは令状主義を定めた憲法三十五条との関係で問題はないのか、お尋ねします。
 八番目、複合騒音の問題であります。さきの教育研究集会の際にも見られたのでありますが、街頭宣伝車を数台あるいは十数台並べて走る右翼団体の暴騒音に対しては音源の特定が不可能であり、勧告しかできないのではないでしょうか。このような場合にも、条例が制定されれば実効のある規制や取り締まりが本当にできるのかということであります。
 九番目、罰則は重過ぎるのではないかという意見も聞かれます。どのような考えでこの罰則を考えられたのか、お尋ねいたします。
 県民の日常生活を脅かすような暴力的な騒音を規制する本条例は、いろいろの観点から検討されていると思いますけれども、この際、十分に議論を尽くすということが大切であります。詳しい明確な答弁をお願い申し上げまして、質問を終わります。
○議長(山本 一君) ただいまの尾崎吉弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 尾崎吉弘議員にお答え申し上げます。
 まず第一点は、平成四年度の予算案の特質についてでございます。
 関西国際空港の開港、リゾート博開催等を控え、今、和歌山は飛躍発展する絶好の機会だと思っております。そうした中での予算編成に当たりましては、今日まで築いてきた成果を土台にして、さらに飛躍発展を図りたい。また、伸びゆく県土づくり等、私は公約で五つの柱を立てたわけですけれども、それらの具体的な進行を図ってまいりたい。そして、厳しい財政事情の中でございますけれども、歳出の節減を図って合理化に努めていきたい。それとともに、既存の事業を積極的に進めるとともに、また新たな事業に取り組むために努力したところでございます。特に、本年度から初めての試みとして県民の生活環境整備のための特別枠を設定いたしまして、下水道や公園など、生活関連社会資本の計画的な整備を図っておるところでございます。
 この結果、義務的な経費を圧縮いたしまして、政策的とりわけ投資的な経費に重点を置いた積極的な予算を計上させていただいたところでございます。
 次に、県営事業の市町村負担金の軽減についてでございます。
 議員からご指摘ございましたように、和歌山を飛躍発展させるためには、和歌山県だけではなしに市町村も一体となって頑張らなければならない、そして各地域の実情に応じた独自の地域づくり、ふるさとづくりということが極めて肝要なことであり、その場合に、事業量の増大に伴う市町村の財政負担が問題となるわけでございまして、これを軽減することが市町村の活性化に大いにつながるものだと考えているわけでございます。
 そこで、県営の道路建設等に係る市町村の負担金について、道路等を中心に公共事業については原則として市町村の負担のないようにし、また単独事業については市町村の財政力に応じて大幅な軽減を行うなど、抜本的な負担率の見直しを行い、総額で十三億三千万円の負担軽減を図ったところでございます。
 申し上げるまでもございませんが、県勢のさらなる飛躍発展のためには、今後とも県と市町村が一丸となって取り組んでいく必要がございまして、今回の措置によって市町村が従来にも増して積極的に豊かなふるさとづくりのために事業を展開されることを大いに期待しているところでございます。
 それから、情報についてでございます。
 地域の振興、県民福祉向上のために情報化の推進は非常に重要なものと考え、現在も取り組んでいるところでございます。昭和六十一年十二月に策定した長期総合計画において、大都市圏との時間格差、情報格差を解消して地域経済の活性化、生活文化の向上を図るための重要な柱として位置づけてきておりますし、また、中期実施計画により、情報通信基盤整備として黒潮ネットワークの整備等、また情報拠点整備として地場産業の情報化促進等に努めているところでございます。今後とも、なお一層、情報分野の充実を図ってまいりたいと思います。詳細は部長から答弁いたします。
 次に、拡声機による暴騒音の規制に関する条例案に対する知事の所見でございます。
 話ございましたように、最近の拡声機を使用した異常に高い音量を発する街頭宣伝活動が大きな社会問題となっていることは事実でございます。特に本県においては、お話ございましたように、教育研究全国集会に対して、昨年の九月中旬ごろから同集会の開催に反対する団体が多数の街頭宣伝車で来県し、これらの街頭宣伝活動に伴い多数の県民がその騒音に悩まされ、この種の暴力的な騒音の規制や取り締まりを求める県民の要望が一段と強まっている経緯がございます。
 もちろん、拡声機は言論、表現の有効な手段として使用されるものでございまして、表現の自由は私も最大限に尊重されるべきことはもちろんであると思っておりますけれども、また県民の日常生活の平穏を守っていくということも行政の極めて重要な課題だ、責務だと思っております。
 とりわけ本県では、関西国際空港の建設を基軸に、近畿自動車道等、高速交通網の整備、マリーナシティの建設、世界リゾート博覧会の開催等のビッグプロジェクトを着実に進めており、活力のある文化あふれるふるさとづくりを目指しているところでございます。このような本県を取り巻く生活環境の変化が進む中で、日常生活の平穏を脅かすような暴力的な騒音から平穏な生活環境を守りたいという県民の要望は、快適で潤いのある生活環境、生活を重視した社会基盤の整備を求める県民の素朴な要望であり、これらの要望にこたえるものとして本条例案を提出いたした次第でございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 平成四年度予算案に関連して、三点についてお答えを申し上げます。
 まず税収の見通しについてでございますが、昭和六十一年の暮れから続いていた大型景気も減速局面から調整局面に入りまして、景況感が一段と冷え込むなど、経済環境に大きな変化が生じております。景気の先行きは、極めて不透明な状況であると考えております。
 こうした中で、平成四年度の県税収入につきましては、経済情勢、本県の産業構造の特殊性等を踏まえ、慎重に見積もり作業を行ったところでございます。
 法人二税については、経済情勢の影響を受けやすいということから、特に関係企業に業績照会などをして見積もりを行ったものでございますが、厳しい経済情勢を反映して、化学工業、電気ガス供給業等、一部の業種で若干の増収が見込まれるものの、基幹産業である鉄鋼、石油の不振が続いているほか、全般的に減少が見込まれ、法人二税全体で約五十億円、率にして一二%の減となっております。
 また、県民税利子割についても、昨年から続いている公定歩合の引き下げに伴う預金金利の引き下げ等の影響によりまして、前年度当初に比べ約十六億円、率にして一一・二%の減ということでございます。
 一方、前年の所得により課税される個人県民税あるいは個人事業税について増収を見込むほか、他の税についても相応の伸びを見込んだところでございますが、ただいま申し上げた法人二税等の減収が大きく影響して、県税全体で前年度当初比九七・五%、二十六億円減の一千五億円の計上となったものでございます。
 ご指摘のような景気の状況からいたしまして、その影響を受けやすい税収には先々大変厳しいものがございますが、今後の経済動向を注意深く見守りながら県税収入の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、中長期的な政策的経費の確保についてでございます。
 平成四年度の予算については、引き続き徹底した歳出の節減、合理化に努める一方で、県債等を活用しながら投資重点型の予算編成に努めたところでございますが、今後の財政事情を展望しますと、議員ご指摘のとおり、特に義務的経費については、例えば職員定数の削減を図りながら人件費の抑制等に努めてきてはいますが、これにはおのずと限度がございますし、また県債の活用に伴って公債費の増加も見込まれるところでございます。さらに、今後、健康福祉センター、多目的ホール、県立医科大学の移転整備等の本格化を含む主要事業の推進のために毎年度多くの財源を要しますことから、中長期的な観点に立った財政運営が必要であると考えております。
 このために、第二次中期実施計画における主要事業の事業費、公債費の動向等、全体の財政フレームに留意して、財源措置のある起債の活用、さらに基金による年度間の財源調整を図るなど、できる限り計画的な財政運営を行って財政の対応力を確保し、政策的経費の確保に努めてまいりたいと考えております。
 それから、県営事業の市町村負担金の軽減に伴う市町村に対する指導の問題でございますが、社会資本の整備において、近年、地方公共団体の役割が非常に重要なものとなってきております。生活関連施設の整備、快適な環境づくりのための諸施策の積極的な展開が求められているところでございます。
 もとより、市町村における行財政運営はその自主性にゆだねられるべきものでございますが、県としては市町村に対して所要の単独事業量の確保をお願いしているところでございまして、今回の県営事業の負担金軽減措置についても、このこととの関連においてその趣旨を十分ご理解いただけるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 保健環境部長遠藤 明君。
 〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) まず、産業廃棄物問題の基本的処理計画についてお答えを申し上げます。
 和歌山環境保全公社の後継処分場確保対策に係る候補地選定調査については、平成元年度から調査を行い、候補地として四カ所を選定し、廃棄物最終処分場の受け入れについて内々に当該市町長に意向打診をしたところ、必要性は認めるが現状では困難な状況であるとの回答でございました。しかしながら、処分場の確保は重要な問題でありますので、今後とも処分場確保対策について関係者と協力しながら努力をしてまいりたいと考えております。
 また、紀中・紀南地方における最終処分場確保対策についてでございますが、紀中・紀南地方においても産業廃棄物の最終処分場は必要と考えており、市町村の協力と排出事業者処理の原則に立って、その事業主体、組織、支援の方法等について検討してまいりたいと考えております。
 次に、将来の処分場確保対策と産業廃棄物処理対策についてでございますが、環境保全公社の今後のあり方や紀中・紀南地域における産業廃棄物の公共関与処理に係る事業主体等につきましては、改正廃棄物処理法に係る政令、省令の改正及び他府県の状況等を見ながら、その位置づけ、内容等について今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、医療廃棄物についてでございます。
 医療廃棄物につきましては、ガイドラインにより、能力を備えた地方自治体あるいは処理業者が処理できることとなっておりますが、県内五十市町村中これを受託しているのは六市町でございます。受託市町においては、担当者の健康診断や予防接種を実施しております。また、ガイドライン施行以降、県内においては不法投棄、人身事故等は聞いておりません。
 次に、平成八年八月のとらえ方についてでございますが、フェニックス計画における最終処分場へ和歌山から廃棄物を搬入する場合には海上輸送が条件となっておりますので、和歌山下津港内に積み出し基地が必要と考えております。その時期等につきましては、議員ご指摘のとおり、県内からの搬出量と他の積み出し基地の状況等を参考にするなど、地元調整等を含め、積み出し基地の位置について早期に決定すべく関係部局と研究しているところであります。
 フェニックス計画処分場利用についての折衝状況及び手続等についてでございますが、フェニックス処分場への搬入に関しては、大阪湾広域臨海環境整備センターの担当者と研究を重ねているところであります。その中で、海上輸送が条件となることから、積み出し基地の位置、廃棄物量を早急に決定する必要があります。また、手続としてはアセスメント等の手続が必要となります。
 フェニックス計画処分場を利用した場合の処分料金については、現在の環境保全公社の料金が他府県の公共関与処理に比べて非常に安価なものとなっており、フェニックス処分場等の処分料金は環境保全公社の料金の三ないし四倍程度となっております。仮に県内で処分場を確保したとしても、その処分料金はフェニックス処分場等と同程度のものになると予想されます。
 港湾整備との関連についてでございます。
 廃棄物の最終処分場については、内陸部を含め確保が困難な中、海面埋め立てについては、当該水域は瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき、できるだけ埋め立てを慎むべきものでありますが、今後とも港湾計画、開発計画等の中で、関係部局の協力を得て複数の廃棄物最終処分場確保の可能性について検討してまいりたいと考えております。
 住友金属工業株式会社の処理計画につきましては、住友金属に対して和歌山北港埋立地の廃棄物最終処分場の閉鎖後における自社廃棄物の処理計画を検討するよう指導しているところでありますが、排出される廃棄物については減量化及び再生利用を促進するとともに、県・市の処理計画の推進に協力し、廃棄物対策に努力していきたいということでございます。
 次に、リサイクルについてでございます。
 再生資源の利用の促進に関する法律につきましては、環境庁を初め七省庁の共管法として平成三年十月二十五日に施行され、再生資源の利用の促進に関する基本方針が告示されております。
 保健環境部といたしましては、一つには、環境保全の観点から再生資源を利用するに当たり留意すべき事項について情報を提供すること、二つには、廃棄物の減量化や資源エネルギーの節減などの再生資源の促進の意義に関して普及啓発を図ることが役割であると考えております。
 なお、平成四年度においては、新規事業として県下のリサイクルの実態把握を内容とする循環型社会システム推進事業を実施してまいる予定でございます。この事業により、実態の把握、課題の抽出を行い、基本計画を策定することによって再生資源の利用を促進し、廃棄物の減量化、省エネルギーの推進、森林資源の保護、汚染物質の減少を図るようリサイクルを推進してまいりたいと考えております。
 次に、環境アセスメントについてでございます。
 県の環境影響評価の制度化につきましては、これまで庁内で検討を進めてまいりましたが、新年度に制度化を行う予定で、現在、作業を進めてございます。制度の概要でございますが、対象事業としては大規模な工場の建設、土石の採取及び住宅団地、ゴルフ場等の面開発を予定してございます。
 手続の流れは国の制度とほぼ同様で、開発許認可等の前に事業者が環境影響評価準備書を作成し、関係地域への縦覧、説明会を行い、その後、関係地域住民、知事、関係市町村長の意見を踏まえた上、評価書として取りまとめ、再度縦覧を行うこととなります。
 特色としては、国の対象事業とは別に、本県の状況を踏まえ必要なものを対象事業として整理した点でございます。今後、庁内での調整が整い次第、市町村へ説明を行い、新年度の早い時期に和歌山県環境影響評価指導要綱として公布いたしたいと考えております。
 次に、エイズ対策についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、我が国のエイズ患者数及び感染者数は急増しておりまして、このエイズ問題は公衆衛生上、非常に重要な問題であると認識をしております。
 エイズは、ヒト免疫不全ウイルスに感染して起こる疾患で、感染すると免疫不全状態となり、悪性腫瘍やさまざまな感染症にかかって、最悪の場合には死に至る疾患で、現在のところ予防ワクチンも根治療法もなく、対症療法に頼っているのが現状です。
 しかしながら、このウイルスの感染力は非常に弱く、実際上、血液、精液、膣分泌液でしか感染しません。したがって、感染経路が限られていますので、日常の社会生活では性交渉以外ほとんど感染することはありません。例えば、食物、食器、握手、空気、便座、せきやくしゃみ、プール、入浴、つり革などの日常の接触によって感染することはなく、また、蚊やその他の昆虫類によっても感染いたしません。感染の危険な行為としては、不特定多数の人を相手に性行為を常習的に行っている者との性交渉や麻薬、覚せい剤等の薬物乱用者の注射器や注射針の共用、それに男性同性愛者との性交渉等が考えられます。
 これらの点を踏まえ、県では昭和六十二年一月にエイズ対策本部を設置し、各保健所内に相談窓口を設けるとともに、検査を希望する人にはプライバシー保護の観点から匿名で検査が受けられるよう、検査体制の確立を図ってまいりました。また、エイズに対する正しい知識の普及のため、各保健所で実施している健康まつりにおいて地域住民に対して啓発するとともに、エイズ予防のための指導者を養成するため、講演会等を開催してまいりました。
 現在のところ、県内ではエイズ患者や感染者の報告はございません。今後とも、患者、感染者を出さないためにも、エイズに対する正しい知識の普及啓発のため、「県民の友」四月号への掲載や世界エイズデーである十二月一日にテレビ、ラジオ等を通しての啓発、さらには各保健所単位での講演会の開催を予定してございます。
 また、万が一にも患者が発生した場合に備え、適切に医療が行えるよう、平成四年度において日本で最初のエイズ専門外来を設置した都立駒込病院への医療従事者の実地研修の予算をお願いしております。
 なお、議員ご指摘の、業界が使用している器具等に対する利用客の不安解消策につきましては、おのおのの業種に関する法律で器具等の消毒が義務づけられているところでございますが、県民の不安を払拭する観点から今後どのような方法が適切で可能なのか、関係業界と十分話し合ってまいりたいと考えております。
 次に、内川浄化の問題でございます。
 昨年九月議会で答弁いたしましたように、色の規制条例の制定について、水質汚濁防止法及び県公害防止条例との整合性や実施可能性について指導を行ったところでございます。和歌山市条例への対応については、公共用水域へ直接排出する企業では木炭と特殊ろ過方式などによる方法が検討され、また下水処理場については、和歌山市で内部調整を図った上で条例を制定したものと聞いてございます。
 また、条例の適用される排出事業場の対応状況についてでございますが、工場、事業場で個別の事情はあるものの、ほぼ対応可能であると和歌山市の担当部局から聞いております。また、今後、市や事業場からの相談等があれば積極的に技術協力をしてまいる考えでございます。
 合併処理浄化槽についてでございます。
 合併処理浄化槽は、生活排水による公共用水域の汚濁を防止することから、内川浄化に有効な手段であります。和歌山市では、平成四年度から新たに合併処理浄化槽の設置整備事業をスタートさせる計画となっております。本県では、平成元年度から県費補助制度を設けて普及促進を図ってまいりましたが、和歌山市の行うこの事業が円滑に進展するよう積極的に支援してまいります。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、情報問題についてお答えを申し上げます。
 第一点は、本県の情報化の現状でございます。
 全県的なネットワークの整備については、黒潮ネットワーク構想に基づき、現在、紀南地域の拠点としての田辺と和歌山を専用回線で結んでございます。これにより、パソコンによるデータ通信においては料金格差の是正が図られまして、全県すべて三分二十円以内のネットワークを実現させるとともに、財務会計、土木積算等の行政利用に活用しているところでございます。
 地域からの情報発信としては、パソコン通信Wave-Netを昭和六十三年三月に全国に先駆けて開局いたしました。行政情報、観光情報等を全国へ発信するとともに、情報化の啓発、実践、体験のネットワークとして活躍いたしまして、全国的に注目されているところでございます。さらに、情報関連プロジェクトとして、テレトピア、ニューメディア・コミュニティー、インテリジェント・シティ、和歌山リサーチラボ等の整備が進められているところでございます。
 第二点は、県下の通信回線のディジタル化の進捗状況についてでございます。
 ディジタル等最新式の交換機の普及率は、平成三年度末で七〇・一%、また平成四年度の計画では七二%の達成見込みと聞いてございます。
 今後、企業立地や燦黒潮リゾート構想の推進のためには情報通信基盤の整備が不可欠でありまして、特にディジタル化が重要なポイントとなりますので、電気通信事業者にその促進を強くお願いしているところでございます。
 第三点は、電気通信事業者との関連についてでございます。
 情報基盤の充実に当たりましては、光ファイバーケーブルやディジタル化等、電気通信事業者の協力が不可欠でございます。そのため、特にNTTとはINS連絡会議を定期的に開催して協議を重ねているところでございます。また、頭脳立地構想等のプロジェクトの推進に当たって情報基盤の整備に努めているところでございますが、今後、ご提案の趣旨を踏まえて検討してまいる所存でございます。
 第四点は、民官一体の情報化の推進についてでございます。
 現在、情報通信システムの開発、情報通信基盤の整備、情報化を担う人づくり等を内容とする和歌山県地域情報化推進計画を産・学・官の連携のもとに策定しているところでございます。今後、これに基づいて民間も含めた総合的な推進体制の整備を行い、情報化の推進に努めてまいる所存でございます。
 第五点の行政の情報化については、昭和六十一年四月に庁内組織である県情報システム推進委員会を設置し、OA化の推進や地域情報化の推進に努めてきたところでございます。現在、OA化については、財務会計、人事給与等、合計九十業務のコンピューター処理を行っており、また地域情報化については、黒潮ネットワークの整備、パソコン通信Wave-Netの開局等を行っているところでございます。また、人材育成という面からも、職員研修所や情報システム課においてパソコン研修等を実施するとともに、情報化の意識高揚に努めているところでございます。
 今後、一層進展する情報化に対応するため、行政の情報化を促進するとともに、情報感度の高い人材育成に努め、また、市町村に対しても情報化への指導を進めてまいる考えでございます。
 次に、土地・用地対策のうち、地籍調査強化への対応についてでございます。
 地籍調査事業については、現在、十五の市町で実施しており、平成四年度からは新たに三市町村が着手の運びとなってございます。地籍調査は、法務局備えつけの公図の明確化をすることにより、財産の保全が図られるとともに、公共事業の用地取得についても効果的に対応ができるため、積極的に取り組む必要があると認識をいたしてございます。
 今後とも、未実施市町村に対して積極的に啓発活動を行うとともに、体制の充実強化に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 農林水産部長若林弘澄君。
 〔若林弘澄君、登壇〕
○農林水産部長(若林弘澄君) お答えいたします。
 関西国際空港開港に向けてのフライト農業への対応策のうち、第一点目の機内食についてでございます。
 関西国際空港をインパクトとした機内食への対応については、これまでも生産者団体ともども関係業者と話し合いを行ってきているところでございます。
 機内食業者の意見を要約しますと、産地からの仕入れの場合は、一定の規格、量の確保、定時納品などと、産地にとっては大変厳しい内容となってございます。しかしながら、安定供給可能な加工品である県産ミカンジュースなどは既に機内食等に採用されているところでございます。
 このようなことから、機内食等への対応は大変厳しいものとなってございますが、今後とも関係業者と情報交換を重ねる一方、県農協連に組織する臨空農業対策プロジェクトチームと連携を強化しながら積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次に、二点目の空港と周辺人口に対する生産対策についてでありますが、これについては、高品質生産を基本に施設園芸の推進などに取り組んでまいったところでございます。中でも紀の川流域を対象にした施設園芸タウンづくりについては、地域整備計画に位置づけ、百二十ヘクタールの目標に対し、現在ではイチゴ、柿、バラなど七十八ヘクタールの施設化が図られてございます。
 一方、流通対策については、全県的な農産物の集出荷体制の確立を基本にしながら、空港などへの特殊な需要をねらいとした県農協連の特需センターの活用強化にも取り組んでいるところでございます。さらに、和歌山市中央卸売市場の対応力を強化するため、平成四年度には品ぞろえ、鮮度保持などを目的に大型冷蔵庫の設置が図られることになったと聞いてございます。今後とも、多様化する消費動向に対応した生産流通体制の確立に積極的に取り組んでまいります。
 三点目の、関西国際空港開港とあわせ、南紀白浜空港ジェット化に向けての空輸出荷の対応についてであります。
 航空機の機能を生かした空輸出荷については、県産農水産物の販路拡大などにとって大変重要であると考えてございます。このため、部内にプロジェクトチームを設置し、空輸出荷の可能性を検討してきたところでありますが、その結果、陸路輸送と比較して時間的にメリットのある北海道や東北地方などが空輸対象地域に適する一方、輸送コストを考慮した場合、一般的には一キログラム当たり千円程度の高価でかつ軽量な品目が適しているものと考えてございます。
 このようなことから、県としては北海道向け脱渋柿やヨーロッパ向けの完熟桃の空輸実験に取り組んできたところでございます。その結果を踏まえ、生産者団体では柿やエンドウなどを北海道に、平成三年産で年間七百五十トンの空輸出荷を実施いたしてございます。
 また、南紀白浜空港のジェット化に向け、紀南地域の特性を生かしたハウスミカン、キヌサヤエンドウ、宿根カスミソウ、イセエビなどについて、空輸出荷の可能性を求めながら生産流通体制の整備に取り組んでいるところであります。
 今後とも、本県の特性を生かした高品質農産物や高級魚介類など、空輸に適した産品の生産拡大や供給体制の強化に努めてまいります。
 次に、花の振興とイベントについてであります。
 花の振興については、全国的な需要動向を的確に把握しつつ、本県の地域特性を生かした産地づくりを目指し、これまで黒潮フラワーエリア産地化推進事業などによって産地の強化に努めてきているところでございます。
 今後さらに高品質、周年供給産地の確立を基本にしながら、「花の和歌山」のイメージアップをさらに高めるため、全国的なイベントへの参加はもとより、既に実施している花と緑のフェスティバルを土台にして、新しいイベントの開催についても積極的に検討してまいりたいと考えてございます。また、議員お示しの花卉流通センターの規模の拡大や情報機能の強化についても、生産者団体ともども、なお一層懸命の努力をしてまいります。
 最後に、内川浄化に係る農業集落排水問題についてでありますが、農業集落排水事業については、農村の生活環境の整備と農業用水及び河川の水質保全に処するため積極的に推進しているところでございます。
 内川の浄化については、宮井水路流域等の上流部の水質保全も必要であると認識しております。こうしたことから、現在、内川の浄化に係る農業集落排水の整備計画について、関係機関との協議調整を進めているところであります。
 今後、和歌山市との連携を密にしながら、事業化に向けて積極的に取り組んでまいたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答え申し上げます。
 まず内川浄化の問題でございますが、そのうち下水道整備に関しまして、終末処理場への受け入れ基準でございます。
 これは、終末処理場において処理することが困難であり、放流水の水質基準に適合させるため、必要な限度において下水道条例の中で定めたものでございます。終末処理施設は生物処理を主体とした施設であることから、下水道施設を損傷するおそれのある下水、また処理困難な下水を排出する企業は、除外施設を設置してこれをどうしても取り除く必要がございます。
 次に、関連する企業に対する市の指導状況でございますが、市の下水道部では、染色施設に係る事業所に対しては個別に指導を行っているところであり、また化学製品製造業等に関しては、企業担当者会議を設置して集中処理施設設計に関する諸元等について協議調整を行っております。平成四年度当初よりこの施設設置に関する実施設計に着手する予定で、平成六年四月からの施行をめどに取り組んでおるところであります。県としても、各界で組織する浄化対策協議会に参画をし、目的達成が図られるよう努めているところでございます。
 次に、終末処理場機能の高度化でございますが、全国的な組織として結成している下水道高度処理促進全国協議会に参加をしております。高度処理の実施に当たっての法制度上、財政上及び技術上の課題の解決、さらに住民に対する啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。また、工場排水の直接放流については、下水道の放流水質が前提となりますが、放流先の状況を踏まえつつ、関係機関と十分調整を図り対応する必要があると考えております。
 次に、内川浄化対策事業計画全体についてでございます。
 内川の浄化対策として、これまで浄化用水の導入等、種々実施してまいりました。こうした結果、格段に水質は改善をされてまいりましたが、なお水の色の問題等が残されているわけであります。
 内川は、国際化を目指す県都和歌山市の都市基盤として貴重な都市空間であると認識をしており、かねてより、議員ご提言のとおり、内川を水清く緑豊かな河川としてよみがえらせることは重要な課題と考えております。
 このため、河川内及び流域内の総合的な浄化対策を検討すべく、県においては、全庁的な組織である内川浄化対策推進協議会において本年六月をめどに浄化対策事業計画を策定すべく検討を進めております。また、各事業について、県、市の役割を明確にし、連携した取り組みを進めるため、本年一月には内川浄化対策連絡会を設置いたしたところでございます。今後、流域の関係者等との協議の機会を持つことについて検討をしてまいります。
 河川内の対策としては、人々の目が川に向けられるような景観、環境に配慮した親しみと潤いのある河川整備を図るため、和歌川アクア・ルネサンス事業を創設し、市内の中心域において重点的に美化護岸、植栽整備等を進めてまいりたいと考えております。平成四年度は、市堀川において事業費八千万をもって護岸美化二百メートル、植栽護岸五百メートルを実施する計画でございます。
 また、国においても有本ポンプ場を建設中であります。県、市においても大門川、有本川への浄化用水導入路の整備を進め、さらに浄水導入効果の一層の発現を図るための調整、モニタリングシステムの検討についても取り組んでまいります。
 また、昭和六十年に策定した和歌山下津港港湾計画において、西浜地区に市内木材関連企業の移転を想定した土地再開発用地が、陸上貯木場用地等とあわせて計画をされております。この計画は、内川浄化の観点からも重要な施策と認識をしております。
 内川浄化対策推進協議会での議論も踏まえ、事業化に関して、木材関連業界の考えも徴しつつ、商工労働部、農林水産部等、関係部局とも話し合い、それぞれ担当において課題の検討を行ってきておるところであります。
 この事業は、住工混在の解消等、市街地の環境改善、地場産業の育成にも資するものであり、今後、和歌山市とも連絡、協議を図りつつ、企業の移転、立地の誘導、その見通し、用地造成の工法等の課題とともに、陸上貯木場の造成、運営方策についてもさらに検討を進め、計画の実現に向け、和歌山市と連携をして積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 なお、河川浄化を進めるためには流域住民の河川愛護の意識の高揚を図ることが重要な要因であるということで、マスコミによるPR、あるいは河川愛護団体への助成、活動の支援等を強力に進めてまいります。
 いずれにいたしましても、内川浄化は長年にわたる課題であります。その着実な推進を図るため、より一層の努力を払ってまいりたいと思っております。
 次に、土地・用地対策の問題でございますが、議員ご指摘のとおり、県内の大型プロジェクトも推進しておりますし、また国の公共投資十箇年計画による国民の生活関連事業等についても積極的に取り組んでおりますけれども、何と申しましても用地問題が大きな現実の壁となっておりますので、平成四年度において効率的な人員配置あるいは組織機構の強化などが必要ではないかと考え、積極的に検討をしているところでございます。
 次に、官民境界明示促進の問題については、近年、道路、河川、里道、水路など、境界明示申請の件数が相当増加をしてきており、実は厳しい状況にありますが、関係部と連携を密にし、行政サービスの低下を来さないよう今後とも努力をいたしたいと思っております。
 また、用地取得の民間委託等については、現在、丈量測量あるいは物件調査、単価の鑑定等の業務を委託しております。さらにどの程度民間の活用を図れるのかということを、引き続いて検討してまいりたいと考えております。
 さらに、用地業務を専門とする人員の採用についても、議員のお話のとおり、有効な手段の一つと考えますので、関係部とも十分相談をさせていただきたいと存じております。
 地下街の問題でございます。
 地下街につきましては、一般的に、防災、衛生その他の観点からいろいろ問題が多いとされております。しかしながら、地下街は、議員ご指摘のとおり、公共地下歩道の確保あるいは商業活性化といったことに大きく寄与するものでございます。今後、他都市の状況を参考にしながら研究を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、第二阪和国道の問題でございます。
 この第二阪和国道は、我が県としても重要な幹線道路でございまして、重要課題として取り組んでおるところでございます。
 現在事業中の新南海橋を含む和歌山北バイパスについては、和歌山市の第二阪和国道関連建設事務所において用地買収に取り組んでおられますが、県としては、市と一体となって、議員ご発言の趣旨も踏まえ、用地国債の大幅な設定を含む予算の増額、早期完成を引き続いて国に強く要望してまいります。
 また、未着手区間の早期事業化についても、和歌山北バイパスの事業進捗を見きわめながら、引き続いて工事に着手できるよう国へ要望をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 内川浄化における企業の現況と企業努力への支援についてでございます。
 和歌山市が施行した着色排水等規制条例を遵守するため、関係企業においてはその方策等について検討を始めておりますが、施設を設置する用地、また建設費やランニングコスト等の排水処理対策を進める上で幾つかの問題点が出てきておりますので、今後も関係機関と密接な連携を図りながら、これらの問題解決のために内川浄化対策推進協議会や内川浄化対策連絡会の場で協議しながら、時宜を得た適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。
 一方、工業技術センターにおいては、工場からの着色排水を脱色処理する技術的な方法について、今年度より活性炭吸着処理と活性汚泥処理の二つの方法で研究を進めているところでございますが、いずれも染色排水の脱色は十分可能であるという研究の結果が出てございます。これら二つの成果を工場における実施段階まで進めるには幾つかの問題点がありますので、引き続き研究を行うため排水処理研究事業について本議会にお願いをしているところでございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) エイズ対策、教育の徹底についてお答え申し上げます。
 まず、学校教育においては、本県のすべての中学校でエイズについて記載のある保健体育の教科書を使用しており、また高等学校でもほとんどの学校でエイズについて記載のある教科書を使用するとともに、ビデオやスライド、新聞の切り抜き等を使用して各学校で保健学習を行っているところでございます。また、昭和六十二年にエイズについてのパンフレット、昭和六十三年に「エイズに関する指導の手引」を各小中高等学校に配布し、学級活動、ホームルーム活動等で活用するよう指導の充実に努めているところでございます。
 今後、文部省では問題の重要性から「指導の手引」の改訂及び高校生用の教材の作成が進められるとのことであり、本県としても、保健などの教科学習やホームルーム活動等の中の性に関する指導等との関連を踏まえ、新しい「指導の手引」も有効に活用し、さらに充実した指導ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 また、社会教育においては、社会人を対象としたエイズ問題の学習を進めるという観点から、昭和六十三年度に学習教材ビデオを購入し、PTA研修会を初め、婦人学級並びに講座等の中で活用し、その啓発に努めているところでございます。
 今後、この問題を重視し、学習教材の充実を図るとともに、県及び市町村が実施する研究会や各種の学級並びに講座等の中で、エイズに対する正しい知識と理解を深めるよう関係機関と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) 拡声機による暴騒音の規制に関する条例に関する尾崎議員のご質問にお答え申し上げます。九点ございますので、順次、お答え申し上げます。
 まず第一点目の、本条例案を提案するに至った経緯と理由についてであります。
 一部右翼団体等による街頭宣伝車の拡声機を使用した、常識の範囲を超える異常な高音での街頭宣伝活動は、拡声機そのものの高性能化と相まって年々増加する傾向にあります。この音の暴力とも言える暴騒音に対する規制や取り締まりを求める住民の要望は、全国的な高まりを見せており、既に岡山、石川、岐阜、長崎、熊本、福島、群馬及び宮城の各県におきまして、同種の条例が制定をされております。
 右翼団体の保有する街頭宣伝車は、本県においても三十台を超え、県外から来県するものも含め、過去五年間に延べ二千台もの街頭宣伝車による街頭宣伝活動が行われ、全国的にも高い水準にあります。しかもその形態は、大音量で軍歌を流し、また通常の住民感覚では耐えがたい罵声、雑言をもってする執拗かつ激しいものとなっており、こうした拡声機による暴騒音に対して規制や取り締まりを求める県民の苦情や要望は次第に高まりを見せておりました。
 とりわけ、本年一月二十四日から同二十七日までの間、和歌山市を中心に開催された全日本教職員組合による教育研究全国集会に際しては、昨年九月中旬ごろから同集会に反対する団体が多数の街頭宣伝車で来県し、これらの行う街頭宣伝活動に伴い多数の県民がその騒音に悩まされ、この種の暴力的な騒音の規制や取り締まりを求める要望が一段と強まった経緯がございます。
 警察といたしましては、この種拡声機による暴騒音に対して軽犯罪法等の各種現行法令を駆使してまいりましたが、県民のご期待に沿うような規制や取り締まりを有効に行うことが困難な現状にあります。そこで、日常生活を脅かすような暴力的な騒音から平穏な生活環境を守りたいという県民の要望に的確にこたえるものとして本条例案を提案し、県民の代表者である県議会においてご審議いただき、制定していただくようお願いをした次第であります。
 第二点目の、街頭宣伝活動を規制する条例の制定は憲法二十一条の表現の自由に抵触しないかとのご質問についてであります。
 街頭宣伝活動は、言論、表現の重要な手段として十分尊重されるべきことは申し上げるまでもないところであります。しかしながら、表現の自由といえども絶対無制限のものではなく、公共の福祉の観点から一定の制限がなされることは当然であります。最高裁も、これまで屋外広告物条例や軽犯罪法のビラ張り規制の合憲性が問題となった事件等の判決において、表現の方法形態の規制については必要かつ合理的な制限として合憲としております。
 本条例は、街頭宣伝活動そのものやその内容を規制するものではなく、県民の日常生活を脅かすような拡声機の使用について必要な規制(音量規制)を行うものでありまして、一定の基準以下の音量による街頭宣伝活動であれば規制の対象とはならず、言論、表現の自由を侵害するものではないと考えております。
 第三点目の、本条例は一部の適用除外を除き拡声機の音量を八十五デシベルで規制しているが、交通頻繁な繁華街や駅頭では事実上拡声機を使用した街頭宣伝活動ができなくなるおそれはないかとのご質問についてであります。
 本条例は、あくまでも県民の日常生活を脅かすような拡声機を使用した暴騒音を規制することを目的とするものでありまして、県民が容認している常識的な拡声機の使用についてまで規制することは毛頭考えておりません。
 八十五デシベルという規制値については、国の騒音規制法に基づく環境基準や日本産業衛生学会の騒音許容基準、さらにはILO(国際労働機構)の騒音の限界値等を総合的に勘案いたしまして、また他県の同種条例をも考慮して決定したものでありまして、妥当な数値であると考えております。なお、本県の公害防止条例では、工業地域及び工業専用地域における規制の基準を七十五ホンと定めるなど、より厳しい基準となっております。
 ちなみに、本県で最も交通量の多い場所の一つと言われておる汀丁交差点及び県庁前の昼間の日常騒音は約七十デシベル程度でありまして、このような状況から、現在の和歌山県下において八十五デシベル以上の音量を出さなければ街頭宣伝活動ができないといったことはないと考えております。
 第四点目の、本条例は通常行われている政治活動、労働運動及び市民運動に伴う拡声機の使用を規制の対象としているのかとのご質問についてであります。
 本条例は、あくまでも県民の日常生活を脅かすような暴力的な拡声機の使用を規制するものであります。したがって、通常行われている市民運動、労働運動、政治活動に伴う拡声機による街頭宣伝は、それが一般県民から理解を得ている常識的なものと考えられる限り、この条例の規制の対象とは考えておりません。
 このような考え方を明らかにするために、第七条において「この条例の適用に当たっては、表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」と明示しているところであり、この条文を尊重し、慎重な運用に努めてまいりたいと考えております。
 第五点目、現行法令での取り締まりが可能ではないかとのご質問についてであります。
 拡声機による暴騒音の取り締まりについては、その内容的側面からとらえると、刑法の脅迫罪、威力業務妨害罪、名誉棄損罪、侮辱罪等の適用が考えられます。また、拡声機騒音という側面からは、軽犯罪法、和歌山県公害防止条例の適用が考えられます。
 警察としては、この種暴力的な騒音に対し、これまで威力業務妨害罪で一件一名、軽犯罪法違反で二件二名を検挙しております。しかしながら、これまでの例を見てまいりますと、まず第一に、刑法の脅迫罪、威力業務妨害罪、名誉棄損罪、侮辱罪等については、これらの構成要件に該当しない、あるいは犯罪構成要件に該当する可能性はあるが被害者の供述、具体的な供述が得られないことが多く立証することが困難であること、二つ目には、軽犯罪法については、その名のとおり罰則が拘留または科料と非常に軽く、また住居、氏名が明らかであり逃走のおそれがない場合には現行犯逮捕することができないという刑事訴訟法上の制約があり、一般的な抑止効果に極めて乏しいということに加え、犯罪構成要件の一つである迷惑性の立証についての具体的な供述が得られにくいこと、三つ目に、公害防止条例は、事業活動に伴って発生する騒音を規制するもので、条例制定の趣旨、目的が異なることから同条例を適用してこの種の拡声機による暴騒音を取り締まることはできないといったことなどから、県民の日常生活を脅かすような拡声機による暴騒音を抑止し取り締まる方法として極めて不十分でありまして、県民のご期待に沿うような規制や取り締まりを有効に行うことが困難な現状にあります。
 なお、さきの教育研究全国集会では、県民の苦情や要望にこたえるため、連日多数の警察官を動員して総合取り締まりに取り組んだのでありますが、改めて現行法令における騒音取り締まりの困難性を痛感した次第であります。
 第六点目の、音量規制基準を八十五デシベルとした根拠は何か、日常生活の中での八十五デシベルとはどの程度の音量であるのかとのご質問であります。
 八十五デシベルという規制値については、さきにご説明をしたとおりでございます。
 八十五デシベルがどのような音量の音かということについてでありますが、音の程度を言葉で表現することは極めて困難でありますので、例を挙げて申しますと、JR阪和線の快速電車が踏切通過時に電車の位置から十メートル離れた地点で測定をした音がおおむね八十五デシベルでございます。
 第七点目の、立入調査等と憲法との関係についてであります。
 最近の右翼の街宣車は、運転席以外の窓のない装甲車のような大型車や窓にブロンズフィルム、ポスター等を張り、あるいはペンキを塗りつけて中が見えないようになっている車両がほとんどであり、警察官が停止命令を出そうと思ってもその停止命令が本人に伝わらない場合が多く、それゆえ、本条例の実効を期すため警察官の立ち入り権を定めたものであります。
 本条例における警察官の立ち入り権は、あくまでも条例の目的を達成するために、拡声機による暴騒音を発している者に対し停止命令または勧告という行政上の警告や指導を適切に行うためのものであります。
 しかし、立ち入りは、これを受ける者にとっては権利または自由の制限ないし侵害となるおそれがあることから、この権限の行使を第四条の停止命令、第五条の勧告の権限を行使するのに必要な限度に制限をしております。また、第六条第三項においては「第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」ということを確認的に規定をし、その運用の適正に努めるべきことを明示しております。
 したがって、本条例の適用に当たっては、国民の権利を侵害しないように十分留意し、適正な運用に配意してまいりますので、懸念されるようなことはないと考えております。
 八点目の、いわゆる複合騒音と本条例の実効性についてであります。
 現在の音量測定器の性能では、拡声機の同時使用によって生じるいわゆる複合騒音に対し、どの車から発せられた音量が規制の基準を超えるものであるのかを特定することに困難を伴うことは、ご指摘のとおりであります。
 しかし、本条例が拡声機の同時使用に伴うあらゆる複合騒音に対し有効に機能し得ないということはございません。そのような複合騒音に対しては、第五条の勧告、さらには第六条の立入調査を有機的に活用し、暴騒音となっている音源を明確にした上、地域住民の皆様の平穏を速やかに回復するような措置に努めてまいりたいと考えております。
 なお、本条例と同様の条例を制定している石川県等八県においては、条例の効果的な運用を図り、暴騒音の抑止に大きな成果を上げていると聞いております。
 第九点目の、罰則に関するご質問についてであります。
 罰則については、既に制定されている同種の条例、いわゆる静穏保持法、和歌山県公害防止条例等の罰則を参考とし、停止命令違反には六カ月以下の懲役または二十万円以下の罰金、立入調査を拒否、妨げ、忌避したものについては十万円以下の罰金としたものでありまして、適切な罰則であると考えておるところでございます。
 以上でございますが、ひとつよろしくご審議の上、本条例の制定にご理解、ご尽力賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──発言時間が終了いたしましたので、以上で尾崎吉弘君の質問が終了いたしました。
○議長(山本 一君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時五十三分休憩
 ──────────────────
 午後一時五分再開
○議長(山本 一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番森 正樹君。
 〔森 正樹君、登壇〕(拍手)
○森 正樹君 発言のお許しをいただきました議長初め関係の皆様に厚く御礼を申し上げます。
 私たち待望してやまなかった関西国際空港が、いよいよあと二年余り後に開港の運びとなりました。今、泉州地方を通りますとき、沖合に目をやりますと空港島がその雄姿を見せ、日に日に完成に近づいているのがわかるのであります。数々の困難を克服してここまでよくこぎつけたものだと、感慨ひとしおのものがございます。今はただ、その無事完成を祈り、百八万和歌山県民のみならず、二千五百万人の近畿の人々の夢と希望を乗せて一番機が飛び立つ日が一日も早からんことを祈るのみでございます。
 ところで、このところ、関西国際空港問題に関して幾つかの懸念材料が表面化してまいりました。そのいずれもが杞憂に終われば幸いでありますが、関西国際空港が真に完全なアジアのスーパーハブ空港として機能するためにも、今ここでこれらの幾つかの不安要素に触れ、問題点をチェックし、どのように対応していくのかを議論しておく必要があろうかと存じます。
 そこで、本日は関西国際空港の今日に至るまでの経緯を振り返ることから質問を始めたいと思います。
 関西国際空港の今日に至るまでの経緯を見てまいりますと、そもそも関西国際空港が新しく建設されることになった理由は二つありました。一つは、現大阪空港の騒音等による環境問題であります。同空港を取り巻く豊中、吹田、池田、箕面、大阪の大阪府下五市と伊丹、川西、宝塚、西宮、芦屋、尼崎の兵庫県下六市で構成する大阪国際空港騒音対策協議会(略称・十一市協)は、長年、大阪空港の騒音公害を問題とし、その移転を叫び続けてきたのであります。
 昭和四十九年四月には、これら地元の要求を受け入れ、大阪空港周辺対策を進めるための大阪国際空港周辺整備機構が国、大阪府、兵庫県の三者の出資によって設立されました。後にこの組織は福岡空港周辺整備機構と一本化され、名称も空港周辺整備機構となっております。
 十一市協は一貫して大阪空港の移転を主張する一方、騒音防止対策補償や移転住民への補償を要求しておりまして、さらには夜間の航空機の離着陸の禁止とジェット機離発着便数の制限を要求、これが実行されるに至りました。この結果、世界の趨勢に逆行して、大阪空港は国際空港としては欠陥空港であるとの烙印を押されることとなってしまったのであります。
 一方、増大し続ける航空需要に対応するために、世界の主要空港はハブ空港としての機能の強化充実を目指し、二十四時間運用の本格的国際空港の建設整備に取り組み、次々とハブ空港が誕生してまいりました。フランス・パリのシャルル・ド・ゴール空港しかり、カナダのモントリオール・ミラベル空港しかり、台湾・台北中正空港しかり、シンガポールのチャンギ空港しかりであります。しかるに、我が国の国際空港はというと、大阪のみならず成田、羽田の三国際空港とも夜間の航空機の離着陸が禁止されたままであり、まさに世界の潮流に逆行していると申し上げざるを得ないのであります。
 地球は丸く、日本が夜間で活動を停止しておりましても、世界の大半は活動中でございます。常に世界の半分以上が活動している中で夜間十時間も長々と眠り続ける大阪空港は、真の意味での国際空港とは言いがたいと申し上げなければなりません。
 これらの諸問題を解決するため、昭和四十九年、航空審議会の答申の中で「関西国際空港の機能が十分発揮されるようになった時点で大阪国際空港は廃止することを前提とする」とうたわれることとなったのであります。それまで関西国際空港を泉州沖に建設する案について警戒的白紙という態度を崩さなかった本県が、加太周辺の反対住民を説得して建設同意を決断したのも、水不足に悩む大阪府に対して紀の川分水を容認したのも、さらには関西国際空港株式会社への出資を同意したのも、この航空審答申の趣旨を理解し尊重したためであり、和歌山県勢の浮揚を含めて、関西全体の活性化を目指すためにも真のスーパーハブ空港としての関西国際空港の建設が必要であるとの認識に立ったからにほかならないと私は思いますが、いかがでありましょうか。
 ともあれ、さまざまな紆余曲折がありながらも、関西国際空港の開港も目睫の間に迫ってまいったのであります。このときに当たり、冒頭申し上げた幾つかの懸念が持ち上がってまいりました。
 第一に、十一市協の態度豹変に端を発しまして、大阪空港の存続が決められてしまったことであります。あれほど大阪空港の移転を声高に叫んでいた十一市協が手のひらを返したように存続を口にし出したのは、平成元年夏ごろのことでありました。あんなに空港移転を叫んでいた口がどうして存続を言うのか、なぜ存続と言えるのか、これこそ地域エゴの最たる姿であり、何をか言わんやであります。私は、この十一市協の態度豹変については、実は余り触れたくはございません。しかし、あえてこの際、十一市協の方々に少しばかり苦言を呈しておきたいと思います。
 私は、新聞記者として昭和五十二年春に仙台から大阪へ転勤してまいりました。すぐに豊中、吹田、摂津、池田、箕面等々の北摂地域の担当になりまして、当然、約三年間の担当時代に十一市協や周辺整備機構の取材もすることになりました。そうした中で、運輸省や空港関係者に対する要求行動の取材のときの印象が強く残っております。
 この席上での地元関係者の運輸省の代表者に対する発言は、同席したある第三者の方が「まるで被告人を断罪するみたいだ」とぽつりと言われたのが今も耳に残っております。「大阪空港は早く出ていってくれ」「移転せよ」と言い、いろいろと要求を突きつけて詰め寄る雰囲気は、まさに耐えがたいものがあったことをありありと記憶しております。
 その口が今、大阪空港存続を言い、さらには十一市協の運動方針から夜九時の門限とジェット機発着便数枠の厳守の二つを削除いたしたわけであります。まさに十一市協は、その根本的な存在意義そのものを失う行動に出たと言わざるを得ません。
 繰り返しますが、大阪空港の周辺へ与える環境問題が限度に達した結果、移転の必要性が生まれ、泉州沖に新空港を建設する案が浮上、さまざまな難しい環境問題をクリアしつつ、関西全体の発展のために和歌山県や大阪南部がやむなく同意をし、建設が進み、完成間近になると、大阪空港が廃止されれば経済的マイナス効果が多額に達するから移転廃止はやめて存続してくれと言い出す。それは、例えますと、甘いケーキを食べていた子供が、歯が痛くなったからもうケーキは見たくない、あっちへ持っていけと言ってだだをこね、ところがいざケーキを持っていかれそうになると、持っていっちゃ嫌だと言ってだだをこねるようなものではないでしょうか。
 ともあれ、彼らの行動姿勢などは我々の関知するところではありませんが、その影響は当然のことながら、運輸省に対する門限とジェット枠の緩和提言となり、関西国際空港における国内便確保を危うくしてくることは間違いありません。ということは、関西国際空港をスーパーハブ空港の地位から引きずりおろし、下手をするとまたまた四つ目の欠陥国際空港をつくろうとすることになりかねないのではないかという心配をいたします。このおそれにつきましては、我々は看過するわけにはいかないのであります。
 あまつさえ、大阪空港に国際便も残して国際空港として存続させるべきという最近の十一市協の態度に至りましては、どのように理解すればいいのでありましょうか。関西全体の発展のために関西国際空港を国際、国内の両便が多数乗り入れる真の意味でのスーパーハブ空港にしようという全体観に立った考えは、毫も見られないのであります。
 そこで、知事、あなたにお尋ねをいたしたいと思います。
 昭和五十年以来知事の職にあり、これらの経緯をつぶさに見てこられた一人として、十一市協の態度豹変についてどのように思われるのか、率直なご意見を聞かせていただきたいと思います。
 第二に、深刻な水不足に悩む大阪府に対して本県としてはやむなく分水を認めたわけでございますが、最近のさまざまな情勢の変化の中で、県民の皆さんの間には、この際、大阪分水を白紙に戻して改めて交渉のテーブルに着くべきではないか、もともと和歌山は弱い立場にあるのだから今こそ大阪分水という切り札を使え、本県にとっては大阪分水が最後の切り札であるという根強い声が一部にあるのであります。この分水同意を白紙に返し再交渉のテーブルに着いて県益を追求せよとの県民の声にどう説明を加えるか、明快な答弁をお願いしたいと思います。
 三点目に、最近、関西国際空港の飛行ルートの変更を運輸省が考えているという記事が掲載されておりました。「火のないところに煙は立たない」ということわざがございますが、本県に対してそのような打診なり相談はあったのか、お答えをいただきたい。
 第四に、前段で種々申し上げましたが、関西国際空港は本県勢の発展のために不可欠であるとして、我々は一致協力して取り組んでまいりました。ただ、それはあくまでも全体計画の実現と国内便の大幅確保が大前提であります。今、諸般の情勢を分析、吟味、検討するに、大いなる不安を抱かざるを得ません。
 時あたかも、去る二月二十七日、和歌山市内におきまして関西国際空港株式会社・服部経治社長が講演をなさいました。席上、服部社長は全体計画の実現に疑問符をつけた発言をされたと聞いております。当日参加された各界各層の方々の声やマスコミ報道は、少しずつニュアンスは違いますが、全体計画の実現は非常に厳しいという受けとめ方をされた方があったようでございます。事は、直接の担当者の発言であり、最高責任者の言葉でございます。加えて、今、大阪空港の存続など予想外の要素もあり、全体計画の実現と国内便の大幅確保に黄信号がともったという声も聞かれます。
 一方、アジアの航空界の情勢は、関西国際空港にとりまして決して安閑としておられない要素が生まれてきてございます。最近、韓国の仁川沖に新国際空港を建設することが公表されました。また、香港も新空港を、中国・深せんとシンガポール・チャンギの両空港はそれぞれ現空港の大幅拡張を計画していると聞いております。いずれも、アジアのハブ空港を目指していることはもちろんでございます。
 これらの空港は、我が国と違って用地買収が極めて容易であり、後発でも完成が早くなることは十分に考えられます。関西国際空港の全体計画の実現がもたついている間に、アジアのハブ空港の地位を奪われるおそれはないでしょうか。なぜかと言えば、ソウルの金浦空港は現在、我が国の成田、大阪両国際空港以外に福岡、名古屋、札幌の主要空港はもちろん、仙台、新潟、小松、岡山、広島、熊本、鹿児島の地方空港との間で定期路線を開設いたしておりまして、我が国の旅客を諸外国へ運んでいるのであります。我が国に三つの国際空港がありながら相当数の旅客が金浦空港を経由して世界各地へ飛んでいるという事実、我々は目を背けてはならないと思います。まして、仁川沖の新ソウル国際空港が関西国際空港の全体計画実現よりも早く立ち上がることになれば、この傾向にさらに拍車がかかるのではないかと懸念されます。
 したがって、関西国際空港の全体計画は何としても一日も早く実現させなければならないのであります。もちろん、国内便も大幅に確保されなければなりません。服部社長の発言の真意も含め、この問題に取り組む知事の毅然たる態度、所見をお伺いいたしたいのであります。
 二番目に、財政問題に若干触れたいと思います。
 平成四年度一般会計当初予算案は、四千七百六十五億三千六百四十六万七千円で、対前年度伸び率は五・六%となっており、地方財政計画の伸び四・九%を上回っております。また、一般会計における性質別予算調べによりますと、平成三年度に比べまして本年度は、義務的経費は四四・三%で〇・三%減少したのに対して、政策的経費は五五・七%で逆に〇・三%増、中でも投資的経費が三六・五%で対前年度比一・九%伸びているのであります。
 これらの数値を見る限りでは好ましい状況でございますが、一方、歳入に目を転じて見ますと、県税収入は千五億円で対前年度比二十六億円の減であり、率にしまして二・五二%の減と昭和六十一年度以来六年ぶりの減少となっているのであります。また、平成四年度地方財政計画によりますと、歳入歳出の数字でございますが、地方税は増減率が対前年度比四・一%、このうち県は一・六%の伸びとなっております。本県はマイナス二・五%でありまして、その差四・一%となっているのであります。
 これは、いわゆるバブル経済の崩壊によって景気の後退、消費の落ち込みが見られるなど、その影響がいよいよあらわれたと言えるのではないでしょうか。このことは、県税収入のうち県民税、事業税別に見ても明らかでありまして、いずれも個人が緩やかながら増加しているのに対して法人県民税、法人事業税とも前年度に比べて一六・九八%、一一・一二%と大幅にダウンしていることからも明らかでございます。
 そこで、お尋ねをいたします。これら県税収入の減に対応するためにどのような手を打たれるのか、先ほど尾崎議員からご質問もございましたが、減収をどうカバーしようと考えておられるのか。金利下げによる一時的効果はあるとしても、当分の間、景気の回復は見込めないという一般の観測が言われております中、対応のあり方について率直なご意見を聞かしていただければ幸いでございます。
 二点目といたしまして、当初予算案を見ますと、財政調整基金から五十億円、県債管理基金から百二十八億八千百万円の取り崩しをいたすこととなってございます。財政調整基金は地方自治法第二百四十一条に定める基金の形で行われるため、一般に財政調整基金と申しておりますが、正しくは財政調整積立金と言われるものでありまして、安易な取り崩しは決して好ましいものではないと思います。地財法の規定によりますと、当該年度のみならず翌年度以降における財政の状況をも考慮して、その健全な運営を損なうことがないようにしなければならないとされております。すなわち、長期的な視野に立った財政運営を求められているのであります。
 今回の取り崩しが長期的視野を欠いた行為とは申しませんが、安易な取り崩しは厳に慎まなければならないと考えます。このことについて総務部長の見解を承りたいと存じます。
 三つ目に、税収の落ち込み等、今後、財政運営はまことに厳しい取り組みを要求されることになろうと存じますが、そこで新たな税収を得るために新財源を考えてはどうかと私は思います。仮の話でございますが、ヨット税とか別荘税とか、いろいろ考えられますが、そうした新しい税収を考える余地はないかどうか、部長にお聞きしたいと思います。
 次に、「JAPAN EXPO ウエルネスWAKAYAMA 世界リゾート博」についてお尋ねをいたします。
 平成六年七月十六日まで、あと八百五十八日と迫りました。八百五十八日という数字は、遠いようで実は決して遠くはないと私は思います。リゾート博本番に向けてクリアしていかなければならないさまざまな課題、問題があると思います。そうした意味におきまして、本年は極めて重要な年に当たっていると思います。
 関西国際空港の開港に合わせまして、我が和歌山県を日本じゅうに、いや世界じゅうに売り出す絶好のチャンスでございまして、このビッグイベントは何としても成功させなければなりません。失敗は許されないのであります。
 この世界リゾート博の成功のかぎは、まず第一に、他の競合するイベントとの調整の問題、すなわち競合するマイナスをいかに最小限に抑え込むかという点にあると思われます。
 第二に、どれだけPR宣伝に力を入れるか、広く国民に知ってもらい、行ってみようという気を起こさせるかであります。したがって、事前のPR宣伝をいかに徹底させるかにかかっていると言っても過言ではないと思います。
 第三に、一度足を運んでくれた人たちが二度、三度とやってきて、また周囲の人たちに「和歌山のリゾート博はおもしろい」とPR、口コミをしてもらえるかどうか。いわゆるリピーターの効果でありますが、そうするには、一度目の時点でどれだけ満足感を与え、好印象を持ってもらえるかにかかっているのであります。
 そのためには、博覧会自体の中身の問題、快適性とか解放感、自然との触れ合いとか、非日常性とか、そういった面でどれだけ中身を濃くできるか、二つ目に、マリーナシティへのアクセスを初めとして、和歌山市など周辺市町の市街地の景観等、いかにリゾート博の非日常的空間と違和感のない風格と品位のあるものにできるかどうか、三つ目に、すべての関係者の接客態度などの問題がそれぞれ重要なポイントになってくると思います。
 以上、思いつくままに何点か課題を掲げましたが、この考え方に基づきまして、以下、当局の見解をお尋ねいたします。
 第一に、競合する他府県のイベントの問題であります。
 本県が世界リゾート博を開催するのと時を同じくいたしまして、京都府・市が平安建都千二百年祭を考えております。また、三重県が世界祝祭博を計画いたしております。今、我が国はイベントばやりでありまして、一日に一つずつ生まれているというある評論家の言葉がございましたが、本県が世界リゾート博を行う平成六年から七年にかけて開催時期が重複するイベントには何があるのか、また同時に開催されるイベントとの競合を避ける工夫はどんなものがあるのか、お答えをいただきたいと思います。
 第二に、PR宣伝の問題であります。
 この世界リゾート博協会が平成三年八月に出された第一次実施計画書によりますと、広報宣伝計画という項目がございます。広報宣伝計画の基本方針として、基本展開ステージというのを第一ステージから第五ステージまで設定されておられます。全部を挙げるのは時間の関係もございますので、そのうちの一点だけ申し上げますと、本年七月からの第二ステージでは「関心期」と命名されておりまして、平成四年七月から平成四年十二月まで、一点目に公募活動として、キャラクターに関した公募、博覧会のポスターの公募、二点目に広報宣伝活動として、マークやキャラクターサインの展開、協会機関誌による広報活動、広報誌等による広報活動、新聞、雑誌、テレビ、ラジオへのパブリシティー活動、パンフレット、チラシ、ポスター等による広報宣伝活動、前売り入場券販売による広報宣伝活動、広告塔等の設置、三点目に、イベントによるキャンペーン展開として、キャラバンによるキャンペーン活動、協賛イベントの実施促進となっております。
 そして、そのPR宣伝の対象地域はどのように設定されているかといいますと、一点目に国内対象拠点といたしまして、第一対象拠点が和歌山県内、第二対象拠点が近畿、首都圏、全国主要都市、そして第三対象拠点が中国、四国、東海地域その他となっております。また、海外対象拠点といたしまして、和歌山県・県内市町村の国際姉妹都市、友好都市、和歌山県出身海外移住者居住地及び提携リゾート地ほか近隣アジア諸国を中心に世界各国と、そのようになっているわけであります。
 基本的な流れといたしましては、第一ステージから第五ステージまでの考え方に問題はないと思います。ただ、PR宣伝を徹底するという意味では全国ネットのマスコミの力に及ぶものはないのでありまして、これらマスコミの皆さんの力をどれだけかりられるか、協力が得られるかにかかっているのではないかと思います。電波メディアとしてのテレビ、ラジオと、活字メディアとしての新聞、雑誌がございますが、中でも日常大多数の国民が接しているテレビと日刊新聞の強大な宣伝力をいかに利用するかがかぎであると思います。これらの成否が他のPR宣伝を生かし、リゾート博そのものの成否をも握っていると極論しても差し支えないのではないかと、そのように私は思います。
 もちろん地元のテレビ局や新聞を大事にすることは当然でありますが、ここでは議論の趣旨とは離れますので触れません。そこで、全国ネットのテレビ、新聞の協力を得るためにどのような方策を考えておられるのか、お示しを賜りたいと思います。
 第三に、世界リゾート博の本番での中身の問題は先に譲りまして、ここではプレイベントを問題にしたいと思います。
 当局におかれましては、さまざまなプレイベントを企画しておられると思いますが、その計画と宣伝方法等についてお答えをいただければ幸いでございます。
 といいますのは、プレイベントの成功、不成功は本番の成否の大きなかぎを握っているのでありまして、プレイベントの成功が本番の成功を引き出し、プレイベントの失敗は本番をも台なしにしてしまうのではないかと心配されるわけでございます。もし万が一にもプレイベントで悪評を立ててしまいますと、その後のすべてのイベントに対して国民の関心を引きつけることが非常に難しくなることは必定でございまして、過去にも札幌の博覧会等の例がございます。いかにプレイベントを成功させるか、プレイベントを波状的に打ちながら絶えずPR宣伝を行っていく、この繰り返しが国民の注視を集めることにつながっていくと私は信じます。
 第四に、世界リゾート博覧会の協賛イベントとして、国際マラソン大会や自転車ロードレース、ヨット選手権あるいは相撲大会など、スポーツ大会の開催を提案したいと思います。既に一部計画されているものもございますが、この点について触れたいと思います。
 現在、我が国で行われておりますスポーツ大会は、競技の種類などまさに多種多様でございまして、まことに盛んであり、競技スポーツ花盛りと言っても過言ではないのであります。例えば、高校野球などを見ましても、スリルに満ちた展開でしばしば見る者をして感動をさせ、映画や芝居を超える場合が少なくありません。すなわち「筋書きのないドラマ」と呼ばれるゆえんであります。先ごろ行われましたアルベールビル冬季オリンピックの例を持ち出すまでもなく、スポーツのおもしろさは尽きるところがなく、テレビのスポーツ番組が下手な芝居やドラマよりも高視聴率をとり、人気を博しているのもうなずけるのであります。
 そこで、国際マラソン大会、国際ロードレース大会、国際トライアスロン大会、国際ヨットレース、国際ボードセーリング大会、国際パワーボートレース等々、マリーナシティと周辺の海陸を利用してのスポーツ大会の開催を検討してみてはいかがでありましょうか。もちろん、テレビ、新聞の協賛を得、計時やスポーツドリンク、衣類、車両等の提供を企業にお願いし、警備に当たる警察当局の協力も得なければなりません。さらには、裏方として運営に当たっていただくボランティアの皆さんの参加など、多方面の援助と協力があってできることでございます。
 ところで、多くのスポーツにはメッカというものがございまして、例えば、高校野球といえば甲子園、都市対抗野球といえば後楽園──現在は東京ドームでありますが──サッカーといえば国立競技場、ラグビーといえば花園と、それぞれにメッカと言われるものがありまして、そのスポーツをする者たちのあこがれの的でございます。
 和歌山に何か将来そのような一つのメッカがあってもいいのではないか。もともと和歌山県はスポーツの盛んな県でありました。世界リゾート博を契機としてさまざまな大会を開き、今後、永続的に開催していく、そしてやがては全国や世界からその大会を目指して人々が集まりメッカとなっていく、先の長い話でございますが、このことについて取り組む決意をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、人事に関する問題に移ります。
 本年も近く相当規模の人事異動が行われることでございましょう。私は、人事異動の季節に当たりまして一つの問題提起をしたいと思います。それは、一般行政職と技術職の職員の皆さんの間の昇格や昇給における格差の問題であります。
 本来、能力の違いと本人の希望等々を別にいたしまして、職員間に格差や差別があってはならないのであります。しかるに、現実には一般行政職と技術職の職員の間に格差が存在しているのではないか。確かに、技術職の場合、その専門職的要素のために一カ所に長くとどまらなければならない等々の特殊な事情があることは理解いたしておりますが、そのような特殊事情を抜きにいたしましても、例えば昭和四十年採用の百十三名について見てまいりますと、一般行政職七十一名、技術職四十二名となっておりますが、一般行政職七十一名中、管理職になっている者は二十五名で三五%であるのに対しまして、技術職四十二名中、管理職に登用されているのはわずかに一〇%の四名にとどまっているのであります。これは一つだけの例を取り上げましたので、決してこれがすべての状況を示しているとは申し上げませんが、そうしたお断りをした上で、このような限られたポストの中で登用できる人たちを選ぶということにさまざまな難しい問題はありますけれども、しかしながら、一般行政職と技術職の間の格差というのは厳然と存在しているように思います。
 したがって、ラインの長は限られているでありましょうけれども、そのラインの長とさまざまな面で同等の扱いをできるようなスタッフ職を設けるなど、何らかの配慮なり対策が今後必要ではないかと思います。全職員がやりがいと意欲を持って仕事に臨めるよう、人事が行政の成否のかぎを握っているということを肝に銘じ、格差の是正に取り組んでいただきたいと思います。
 まあ難しい問題でございまして、答弁しにくいと思いますので、この点については要望にとどめておきます。
 最後に、教育委員会に対しまして、二点、お尋ねと提案を申し上げたいと思います。
 まず一つは、三館構想のうち新県立図書館についてであります。
 将来、蔵書数四十五万冊、敷地面積一万平方メートル、延べ床面積一万二千三百平方メートル、地上三階、地下一階、鉄骨鉄筋コンクリートづくりの立派な図書館が平成五年三月末には完成の予定と聞いております。私は、ハード面につきましては決して中身も見劣りのしない立派な図書館ができると期待をいたしております。
 そこで、ソフト面で二点、お尋ねをしたいと思います。
 まず第一に、他の図書館とは一味違うものとするためにどのような工夫をなさっておられるのか、ほかにないユニークな特色を打ち出すかということでございます。
 卑近な例を挙げますと、和歌山市民図書館は移民資料の収集で大変有名でございます。国立国会図書館と並びまして全国で双璧と言われておりまして、遠く全国から移民資料の勉強、閲覧のために人が集まってこられると聞いております。新しい図書館の出発に当たりましてどのような特色を打ち出そうとされておられるのか、教育長のお考えを承りたいと思います。
 二つ目に、コンピューターによるオンライン化で全国の国公立図書館を結ぶネットワーク化を導入するということについてであります。
 一つの図書館の蔵書数には限りがございまして、今、年間に実に数多くの新刊書や雑誌等が発行されております。また、全国にたくさんの図書館がございますが、それぞれに特色や長所があるわけでございまして、これら全国の公立図書館をオンラインでネットワーク化することによりまして、和歌山にいながらにして、北は北海道から南は沖縄まで、すべての公立図書館の持つ情報を入手することができるのであります。この点について、ぜひとも導入をしていただきたい。教育長の答弁を賜りたいと思います。
 また、ファクシミリ網と結ぶことによりまして資料の入手も可能になるのではないか。著作権法との絡みがございますので大変難しいと思いますが、この点もあわせてご答弁をいただきたいと思います。
 最後に、公立高等学校における学科新設の問題について一つ提案を申し上げて、質問を締めくくりたいと思います。
 現在、本県内の公立高校の学科の中には、星林高校の国際交流科や那賀高校の国際科、熊野高校の森林科学科でしょうか、それから新宮商業、御坊商工、笠田高校の情報処理科等々、ユニークな科が幾つかございます。
 一方、本県高校卒業者の他府県大学・短大への進学率は、ご承知のとおり、八九・一%でワーストワンでございまして、同じく高卒者の県外就職割合も三八・七%で悪い方から数えて十三位にランクされるという実態でございます。その一方で、本県は今、燦黒潮リゾート構想に基づき、美しい海岸線と豊かな自然を生かしてリゾート群の展開が図られようといたしております。
 そこで、この有能で優秀な若い人材を確保するために、県内高校に仮称・観光リゾート科を設置いたしまして、こうした職種につくプロフェッショナルの養成、確保を図るお考えはないか、お伺いをしたいと思います。
 我が国のリゾート先進県といいますと沖縄県でございまして、この沖縄本島の西海岸、すなわち東シナ海に面した部分でありますが、恩納村という村がございます。この小さい村の中には全部で約十カ所のリゾートがございます。例えば、ラマダ・ルネッサンス・リゾートとかサンマリーナ、あるいは万座ビーチ、ムーンビーチ、かりゆしビーチとか、いろいろございます。
 その中のサンマリーナの例を挙げて申し上げたいと思いますが、ここは全従業員が二百十名でありまして、そのうち向こうの人が言う本土、すなわちこっちから行っている人はたった二人でございます。したがって、あとの二百八名はすべて沖縄出身者、地元恩納村とか周辺の沖縄市、浦添市、那覇市等々の出身者でございます。恩納村の村長さんもおっしゃっておられましたけれども、県の強い指導で地元雇用の創出を図っているということでございます。
 この沖縄には、やはりリゾート科がございまして、昭和六十三年に浦添商業高校に設置されております。これは当然の需要に対しての設置であったと思いますけれども、これらの例を見るまでもなく、進出するリゾート企業等は地元でどれだけ若い人材を確保できるかというのが大変な関心事でございまして、そうした点を考慮いたしまして、ぜひとも将来の問題として実現をしていただきたい。教育長のやる気のある答弁を期待いたしまして、一般質問を終了いたします。
 ありがとうございました。
○議長(山本 一君) ただいまの森正樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 森議員にお答え申し上げます。
 関西国際空港でございます。
 関西空港の経緯について森議員から説明がございまして、その中で大阪空港に対する十一市協の態度が当時大きな課題であり問題であったということ、私も今また痛切に思い出しておるわけでございます。
 現在の十一市協の態度についてでございます。
 私は、本問題の原点は環境問題だと思うわけでございますけれども、時間の経過により経済論理が優位に立ったような感じがいたす次第でございます。ご指摘のように、社会経済情勢の変化があったとはいえ、首尾一貫していないという感じがするわけでございまして、これに対して私も、議員と同じように、本県にとってはまことに遺憾だと存じておるところでございます。
 それから、大阪空港の存続など最近の状況変化の中で、本県勢の活性化のために全体計画の実現と国内便の大幅確保についてでございますが、さきの第六次空港整備五箇年計画において、成田、羽田と並んで三大空港プロジェクトの一つとして、また我が国の国際、国内における基幹空港として決定されたところでございます。
 ご指摘のように、東アジア諸国の空港整備に対する熱意、意気込みというものは非常に大きいということを私も聞いてございます。だから、これらの各国におくれることなく、増大する一方の航空需要に十分こたえ得る本格的な国際空港の整備を図ることは日本にとっても当然のことであるということ、私も同感でございます。
 なお、先日の服部社長の発言につきましては、今後、全体構想の早期実現に向けて解決しなければならない多くの課題が存在するけれども、何としてもこれらを乗り越えなければならないという決意を表明されたものと私は理解しているわけでございます。
 ご承知のように、服部社長は東京におられました。東京から関西空港を見た目に比べ、関西人が関西空港を見る目は甘く感ずるわけでございます。そうした点から、漫然としていては関西はだめだという意味において叱咤激励していただいたと、かように思っておるわけでございまして、今後、全体構想の早期実現のために関西の政・財・官が一丸となって、なお一層積極的に推進してまいりたいと思っております。
 また国内便については、県民の利便性の確保を図るために、運輸省等に対し、東京便を初めとする国内路線の確保に向けて、県議会の皆さんのご支援をいただきながら積極的に努力してまいりたいと思っております。
 次に財政問題でございまして、税収の減少が見られるが、税収の落ち込みをどうカバーするかという問題でございます。
 お話ございましたように、健全な財政運営を行うには財源の確保、特に安定的な県税収入が望まれるところでございます。しかしながら、和歌山県の税収構造は素材型産業の比率が全国ベースに比べて非常に高いわけでございまして、経済動向に左右されやすい体質を持っておるわけでございます。
 四年度の予算の税収については、このような事情を反映して、経済の減速に伴って法人関係税を中心に伸び悩み、県税全体で二・五%の減という厳しい状態となっております。一方、歳出面においては、より活性化するために、和歌山を飛躍発展させるためになさなければならない多くの諸施策があるわけでございます。このため、将来の財政負担にも十分配慮しながら、県債や基金の活用を図る中で積極的な予算編成に努めたわけでございます。
 なお、中長期的な観点から見ますと、企業誘致の積極的な推進や産業構造、交通基盤の整備など、本年度予算に盛り込まれた諸施策が均衡のとれた県経済の基盤づくりに寄与し、結果として将来の安定的な税収の基本になるもの、根源になるものと期待しているところでございます。
 次に、世界リゾート博でございます。
 お話ございましたように、本県をこのリゾート博において国内外に広くアピールするとともに、イメージアップも図り、また本県の活性化の起爆剤とする、また燦黒潮リゾート構想の推進のために、特に関西国際空港の開港を記念しての行事として計画したものでございます。
 昨年の四月には、和歌山市、海南市、市長会、町村会、経済界、民間企業等の協力を得て世界リゾート博協会を設立し、同八月に「二十一世紀のリゾート体験」をテーマとした第一次実施計画を策定いたしました。会場施設、イベント等について準備を進めているところであり、本年夏ごろに最終の実施計画として策定する予定で進めております。
 県としましても、博覧会協会への出資、職員派遣を初め会場へのアクセス問題、プレイベント、パビリオンの出展など、全力を挙げて取り組んでいるところでございます。また県庁組織といたしましても、県庁内に国体をやったときのような局のような組織も考えていかなければならないと思っております。
 私はこの博覧会は絶対に成功させなければならないというふうに決意を固めているところでございまして、お話ございました他の博覧会、近畿でも博覧会がいろいろとあるわけでございますけれども、京都等の博覧会との連携作戦という問題もありましょうし、また各地域で開催された博覧会の状況等も参考にしながら準備を進めているところでございます。
 何と申しましても、本県において初めての博覧会でございますので、先ほど森議員からいろいろなご意見を承った点について、各界の皆さんからいろいろなご意見、ご指導を賜って立派なものをつくってまいりたいと思っております。
 なお、詳細につきましては関係部長から答弁いたします。
○議長(山本 一君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 関西国際空港に関連してのご質問のうち、まず分水協定についてでございますが、水資源開発の促進、水源地域となる和歌山県の地域整備に対する大阪府の協力、府県間道路の早期完成、並びに南大阪と紀北地域の調和のある健全な発展等を図っていくことといたしてございます。
 県益を図る立場から、この協定の趣旨と経過を踏まえ、今後とも毅然と対応してまいります。
 次に関西国際空港の飛行経路についてでございますが、沖合五キロメートルの海上に建設されることとなった経緯からも、騒音による影響を陸域に及ぼさないという方針でございまして、飛行経路の変更に関しての打診や協議は受けてございません。
 次に、世界リゾート博についてのご質問にお答えを申し上げます。
 まず第一点は、競合するイベントについてでございます。
 平成六年において開催が予定されている博覧会のうち近畿で開催されますのは、本県のほか京都府において平安建都千二百年記念事業、三重県で世界祝祭博覧会、奈良県橿原市で藤原京創都千三百年事業等がございます。また、これらの博覧会のうち開催時期が重複するものもございますので、世界リゾート博を成功に導くためには独自の特徴を打ち出すことが大切と考えてございます。
 世界リゾート博は、個性豊かな地域の実現、国際交流の推進等の目的で通産省のジャパンエキスポ制度に認定されるとともに、全国で初めて、人工島を会場にし、海洋も活用できる特性を生かし、また二十一世紀のリゾート体験というコンセプトを生かしながら、会場づくりやイベントの展開をしてまいりたいと考えてございます。
 一方、近畿各府県において開催される博覧会との連携を深めて相乗効果を生み出すことも必要だと考えてございまして、関係府県や旅行業界等と協議してきたところでございます。例えば、共同のPR、イベントの相互出展、あるいは博覧会めぐりのツアーなど、種々検討してまいりたいと考えてございます。
 第二点のPR宣伝ついてご指摘の点は、まことにごもっともでございまして、県としても、いろいろな機会をとらえて和歌山県のPRを行っているところでございます。
 世界リゾート博については、会場計画やイベント計画が具体化していく中で、それぞれの時期に合わせて広報宣伝活動を段階的に展開することとしてございまして、現在までにも、ポスター、パンフレットを初め、マスコットキャラクター、シンボルマークの活用等を図ってきたところでございます。また、今後、大都市におけるマスコミに対する説明会やイメージソング、キャラバン隊による全国主要地への宣伝活動を行っていくほか、節目イベント等の事業においても全国ネットに取り上げられるような工夫が必要であると考えてございます。
 一方、外国に対しては、ASEAN諸国や県人会を設置している諸国との連携を深めていく方向でも検討しているところでございまして、今後とも、知恵を絞り、効果が発揮できるような方策を検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、県としても、昨年から全国的なPRとしてテレビにおいてイメージコマーシャルを放映してございまして、本年も引き続き実施することといたしてございます。今後とも、議員初め各界各層のご意見をいただきながらPR活動を進めてまいりたいと存じます。
 第三点は、PR宣伝とも関連いたしますが、プレイベントを重ねることも大切なことは、ご指摘のとおりでございます。
 県としては、昨年来、県下市町村を初め、各種団体に対してプレイベントの開催を要請してきたところでございまして、現在までのところ、和歌山市においては吉宗祭等を計画いただいておりますし、和歌山青年会議所においてもふるさと地球運動を展開される予定であり、協会自身もまた、例えば七百日前(本年の八月十五日)、五百日前(来年の三月三日)といった期日において節目イベントを検討しているところでございます。
 さらに、平成五年七月からは、オープニングセレモニーを皮切りに、イベントリレー方式で県内各地の自然、歴史、文化を織り込んだ魅力のある各種イベントを積み重ね、主会場での開催に向けて全県的な盛り上げを図ってまいりたいと考えてございます。
 また、県としても、昨年から観光における「ふれ愛紀州路ネイチャーランドキャンペーン」を世界リゾート博のプレイベントとして位置づけて実施してございますが、本年度も引き続き行うことといたしてございます。
 今後、さらにプレイベントとして多くのイベントの開催を働きかけてまいりたいと存じますので、各方面でのご支援、ご協力方、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 財政調整基金の取り崩しについてでございます。
 財政運営に当たり、当該年度だけではなく翌年度以降の財政状況等を考慮しながら、その健全な運営を損なうことのないように中長期的に行っていくということの必要性については、ご指摘のとおりだと私どもも考えております。
 このため、本県においても、毎年度の予算編成に当たり、中期実施計画の推進に努める中で、主要事業の事業費や公債費の動向といったことを考えながら、全体の財政フレームに留意しつつ計画的な財政運営に努めているところでございます。
 しかしながら、歳入面については、税収は景気動向により増減するものでございますし、地方交付税や国庫補助金についてもそのときどきの国の財政事情、国税の収入状況により増減をいたします。毎年度の予算編成においては、特に一般財源が絶対額、構成比ともに変動をするということはやむを得ないものと考えております。
 こうしたことから、財源の年度間調整を行うために財政調整基金を設けているわけでございまして、本県においては今年度末で約百四十五億円の残高となっております。明年度の当初予算においては、このうち前年度の二十億円に対して五十億円を取り崩すこととしておりますが、これは景気の後退による税収の落ち込みを補う一方で必要な事業の財源を確保するための措置でございまして、ただいま申し上げたような基金設置の趣旨に沿ったものであると考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、新たな税収を考えるべきではないかというご提案でございますが、地方税法上、当該府県にその税収入を確保できる税源があること、当該府県にその税収入を必要とする財政需要があることが明らかであること等の一定の要件を具備すれば、自治大臣の許可を得て法定外普通税として実施をすることができることになっております。
 現在、都道府県の法定外普通税としては、核燃料税が十一団体で実施をされております。核燃料物質等取扱税が一団体、石油価格調整税が同じく一団体、また市町村の法定外普通税としては、商品切手発行税、別荘等所有税等、四税目が二十九団体で実施をされております。また、ご指摘もございましたが、過去に神奈川県の葉山市でヨットモーターボート税が実施されたことがございますが、現在は廃止をされております。
 新税を創設する場合には、法定外の普通税ということではございますが、許可に当たっての実際の運用は県の財政需要との関連に重きが置かれているようでございまして、また、実施する場合に県の施策との整合性が図られるかどうか、さらに実施した場合の産業活動あるいは県民生活への影響といったことを総合的に見きわめる必要もあるかと存じます。
 ご提案の新税はこれまで市町村税として実施をされてきたという経緯もございますが、その他の税目も含め、それが県財政にとって財源的にどれだけ寄与するものかどうかということも勘案しながら、今後、経済情勢等の推移をよく見守りながら研究を重ねてまいりたいと考えております。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 三点についてお答えいたします。
 議員ご提言の世界リゾート博開催を契機としたスポーツのビッグイベントの誘致開催についてでございますが、全国的、国際的な競技大会の開催については、早くから開催地が決定され、計画等が進められております。このような困難な状況の中で、本県としては、リゾート博開催年の平成六年にヨットの第十五回レーザー級世界選手権大会の誘致が決定されております。また、教育委員会としては、このプレイベントとして全国的規模の全国大学・実業団相撲大会や全国陸上カーニバルなどをこの時期に合わせて開催し、これらを盛り上げ、さらには特色ある和歌山のスポーツとして定着させてまいりたいと考えてございます。
 次に、新しい図書館についてでございます。
 二十一世紀に対応できる図書情報の拠点として、県民に開かれ親しまれる図書館とすべく、本県の中核図書館として、また郷土文献資料センターとして位置づけ、蔵書の充実を最重点事項として取り組んでいるところであります。蔵書数は、平成三年度末で約四十万冊になる見込みで、開館時には約四十五万冊を目指して収集してまいりたいと考えています。また、利用者が手にとって見られる閲覧室に約十万冊の図書を配置する計画であります。
 次に、特色ある図書の収集についてでございますが、従来から青少年文庫基金を設置し、児童図書の充実に努めるとともに、和歌山県に関する資料を郷土資料として収集してきたところであります。新館建設を契機に、新たな分野として木の国・和歌山の理解をより深くするためにも、木の文化に関するあらゆる資料を積極的に収集しているところであります。
 次に、コンピューターの導入についてでありますが、利用者への迅速で的確なサービスと図書館業務の円滑化を図るために導入するものであります。館内での利用者が図書情報を検索できるばかりでなく、図書館に併設する文化情報センターの学習情報提供システムとの接続により、県内市町村に設置の端末機からも図書情報が検索できるよう計画しております。さらに、この文化情報センターには視聴覚ライブラリーも取り入れ、県民の生涯学習の場として活用できるよう、全国的にもユニークな施設にしてございます。
 また、議員ご提言のオンライン化については、国立国会図書館と業務用資料検索として昭和六十一年から二年間試行実施いたしました。オープン後は県内公共図書館とのネットワーク化に取り組むとともに、将来、国立国会図書館を初め、全国の主要な公共図書館とのネットワーク化を目指してまいりたいと考えてございます。
 次に、議員ご提案のリゾート関連学科の設置については、本県の観光やリゾート関連企業の動向と今後の就業構造等の変化に注目するとともに、生徒の進路希望や他府県の状況を参考にしながら、長期的な展望に立って、職業学科の改編をも含め研究してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 42番森 正樹君。
○森 正樹君 二点だけ、ご要望を申し上げて再質問にかえたいと思います。
 一つは、リゾート博についてであります。
 数年前に、和歌山市が市制百周年の行事を大々的に行いました。そのときに、いろんなアイデアを市が公募いたしました。県庁の若い職員のグループの皆さんが二階建てバスを市内の観光バスとして運行したらどうだという提案をいたしまして、非常にユニークだということで一日だけ実施されたそうでありますが、これが「官庁速報」とかいろんなところにも掲載されたり取り上げられたそうでございます。
 マスコミ界には、「おやっと思うこと、それがニュースである」ということわざがあるそうでありますが、例えば今、観光課が行っておられる「ワッワァー、わかやま」という宣伝、これもそのおやっと思わせる手だと思います。
 したがって、プレイベントの重要性は、もう先ほどるる申し上げました。小さなことを積み重ねていって──人間の耳というのは一回や二回聞いただけでは素通りしてしまうものでございますけれども、繰り返しそうしたユニークなことを聞かされるうちに興味を示し、耳に残るものです。そうした意味で、ぜひ、細かいイベントでも結構でございます。繰り返しプレイベントを打つことでぜひとも成功に導いていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それから、関西国際空港の問題に関して、中国の「離婁」の「下」に、孟子の言葉で「大人はその赤子の心を失わざる者なり」という言葉がございます。これには二つの意味がございまして、一つは、大徳のある人というのは子供のころの純粋な気持ちをいつまでも失わないものだという意味だそうですが、きょう知事にこの言葉をお贈りしたいのは、そのもう一つの意味でございます。
 それは、為政者、君主というものは、常にいつまでも赤子──これは民だそうでございますが、民の心を失わない、要するに失念しない、忘れないということだそうでございます。まさに今、この立場で言うならば大人は知事で私は赤子でございますが、新米議員の発言だと思わずに、どうかるる申し上げたことを、関西国際空港の全体構想の実現と国内便の大幅確保に関しまして、和歌山県勢の発展のために全身全霊で取り組んでいただきたいことをお願い申し上げまして、再質問にいたします。
 ありがとうございました。
○議長(山本 一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で森正樹君の質問が終了いたしました。
○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 29番富田 豊君。
 〔富田 豊君、登壇〕(拍手)
○富田 豊君 久々の登壇で、感慨ひとしお深きものを覚えます。各位には今後ともよろしくお願い申し上げます。
 さて、いよいよ仮谷県政五期目がスタートする当初予算の定例本会議であります。今日まで、低迷し落ち込んできた県勢を立て直すために、四期十六年の長きにわたり県勢の活性化はどうあるべきか、県勢の浮揚はどうすべきかと真剣に取り組んでこられた仮谷県政、文字どおりその基盤づくりに懸命の努力を尽くしてこられたその成果が実る五期仮谷県政に、県民こぞって期待をいたしているところであります。すべからく、政治家たるもの、特に県政に携わる者の使命は、県民の幸せをこいねがい、県勢の発展に寄与するものでなければならないのは当然のことであります。
 「福祉」とは、辞書によれば「幸せ」と書いてあります。福祉が幸せであり、幸せが福祉であるならば、県民の幸せを考えての施策はすべて福祉に立脚したものでなければならないのは当然であります。すなわち、橋をかけるのも、道をつくるのも、経済の浮揚対策も、県民の生活を豊かにするのも、もちろん恵まれない人々に温かい手を差し伸べるのも皆、県民の幸せを基盤とした政治であり施策であって、これが一部のもののみであってはならないのは当然であり、県民全体のものでなければならない、これが政治理念であり、私の持論でもあります。
 そこで、今一番県政に期待されているものは何か、県民の望んでいるものは一体何かということであります。それは、低迷せる県勢の浮揚策であり、県勢の活性化ではなかろうかと思うのであります。
 人口増加率の低さ、県民所得や県民総生産の落ち込みは全国平均をはるかに下回っている現況から何とか脱却せねばならない、何とかせねばならないと思うのは、私ひとりのみではないと思うのであります。
 かつて、和歌山県の人口が九十万、奈良県が七十万であったのが、現在では和歌山県が百八万、奈良県が和歌山県をはるかに追い抜いて百三十五万ということを見ても、こんなにも落ち込んできたのかということと、その理由は一体どこにあるのだろうか、その原因から究明していかなければならないと思うのであります。
 人口の減少するその理由の一つとしては、前年度の高校卒の県内就職率が五六・九%、高専卒が三・一%、大学卒が二七・八%と極端に低いということであり、若者がどんどん県外へ流出しているということでもあります。そのことは、県内に就職するためのよき企業が少ないということではないでしょうか。
 しからば、県内既存企業の育成と相まって、県は企業誘致に懸命の努力を尽くしてきたことも事実として認められるものではありますが、企業誘致にはそれなりの条件が備わっていなければなりません。
 企業側からするならば、まず企業の採算性から望まれるところの低廉な土地の確保が必要であります。かつて、企業誘致先進県と言われた大分と熊本に調査、視察に参ったことがありますが、企業誘致された企業の土地買収価格が平米単価一万五千円から二万円ということでありました。今、和歌山市周辺ではとても考えられない低廉なものであります。
 また、大阪の大手企業はこうも言っておりました。「和歌山よりも大分や熊本の方が近い」ということであります。これは何を物語るかというと、和歌山市周辺に飛行場がないことと高速道路が貫通していないこと、幹線道路の整備がなされていないことにも原因があったと思うのであります。なお、企業立地のためには人材確保も要請されるでありましょう。そのためには工業大学、理工学部の設置も必須の要件であります。
 そこで、次の質問をいたしてまいります。
 和歌山県勢の活性化の起爆剤は、何といっても関西国際空港だと思います。高速道路、幹線道路等の交通網を初め、土砂採取跡地のコスモパーク加太、世界リゾート博覧会のイベント、工業大学・理工学部の設置、企業誘致事業等々のメジロ押しの大事業も、すべては関西国際空港の関連事業として県民の期待は大なるものがあり、ぜひこれを成功させなければならないことは言をまたないのであります。
 そこで、第一点、関西国際空港はもちろん国際線の航路が主体であるとは思いますが、国内線がただ乗り継ぎのみの航路であるとするならば、関西国際空港にかける期待も持てる機能効果も半減するのではないかと心配するものであります。
 ご参考のために申し上げますが、現在の成田新東京国際空港の離着陸回数は、国際線が年間五万三千九百六十四回、国内線がその十分の一の五千四百八十回であり、羽田空港は国際線が千四百五十五回で、国内線がその六十倍の八万八千四十一回であります。近くにある大阪国際空港の国際線が一万二百十九回で、国内線がその五倍の五万四千四百五十六回ということであります。
 関西国際空港は、全体構想では二十六万回、第一期計画では十六万回の予定だと聞いておりますが、国内線の回数はいまだ計画発表されておりません。空港会社との交渉の段階で国際線、国内線の離着陸回数をどの程度お見込みなのか、また希望する回数はそれぞれ何万回とお考えになっているのか、お尋ねをいたします。国内線確保について政治生命をかけ、情熱と決意を固めておられると思いますが、国内線確保が果たせるのか、現時点での自信のほどをお示し願いたいと存じます。
 次に、第二点目としてお尋ねをいたします。実は、本年一月二十七日、関西国際空港対策特別委員会が開催され、そのときに問題となった件についてであります。
 開催日の前々日の一月二十五日の毎日新聞に掲載された記事によりますと、離着陸のルートを海上ルートから陸上ルートにコース変更することについて運輸省が検討に入ったということであります。和歌山県としては寝耳に水、何の下相談もなしに一方的にルート変更するとは、和歌山を無視した暴挙にも等しいものではないかと憤りを感じたのは、私一人ではないと思うのであります。
 昭和五十年の本会議で私の質問に対し大橋知事は、「和歌山県を関係府県と考えていない運輸省はけしからん。警戒的白紙で臨む」と答弁をしているのであります。このようにして、関西国際空港の出発点から今日に至るまで、今回の問題点を考えても心を許すわけにはまいらないのであります。
 関西国際空港の特色は、大阪空港のような騒音公害を除去した海上空港として、しかも日本で初めての二十四時間空港としての発想から生まれたものであり、関係府県の三点セットが大前提であって、その上で合意を得たものであります。
 空港建設計画は、海上ルートであります。それを今さら陸上ルートに変更するよう検討しているとは、何たることかと言わざるを得ないのであります。環境アセスメントを含めた三点セットの合意は一体どうなるのか。ルート変更をする場合には環境アセスのやり直しをするのか。住民の理解と納得をさせることができると思っているのか。振り出しに戻すことになるのではなかろうかと危惧するものであります。
 その後、運輸省は陸上ルートを考えていないと言っておりますが、毎日新聞の記事は間違いであったのか、県のお考えをお示し願いたいと思うのであります。
 第三点目は、関西経済界を初め関西国際空港に期待を寄せる各界各層の方々が今懸念をしている中で、現在の大阪国際空港の存置が本決まりとなり、さらに神戸空港、中部国際空港が設置されていくということでありますが、それぞれ接近した航空圏の航路をどのように割り振りをしていくのか心配の種であり、それぞれの役割をどのように果たしていくのか、またハブ空港的存在の関西国際空港の果たす役割が半減していくのではないだろうか、その点、研究調査をされているならばお聞かせを願いたいと思います。
 第四点目は、関西国際空港の関連事業としての交通アクセスを開港までに完備しなくてはならないと思いますが、近畿自動車道を初め高速幹線道路が着々と進められているようではありますけれども、現時点における進捗状況並びに完成見込み時期について、路線ごとにお示しを願いたいと存じます。
 さらに、この際、提言申し上げたいと存じます。
 関西国際空港に関連して一月二十二日に岬加太港線の大川トンネルが貫通してその式典が行われたところでありますが、引き続いて紀の川河口大橋が一月三十一日に完成し、竣工式が行われました。かねてから私の念願でもありましたが、岬加太港線の貫通と相まって、紀の川河口大橋を結ぶ、加太、西脇、松江を経由しての湾岸道路の建設を計画してはどうか。なお、紀淡海峡計画とあわせ、さらには四十二号線を結ぶ湾岸道路ができれば一大観光コースとして魅力あるものになるのではなかろうかと思いますが、ぜひご検討願いたいと存じます。ご所見をお伺いいたします。
 第五点目として、関連事業の一つとしてのコスモパーク加太構想でありますが、この構想は一体どんなものができるのか、県民ひとしく待望いたしておるところであります。その具体的実施計画の内容は一体どうなっているのか。昨年九月の議会では十一月ごろに発表の予定だと言い、さらには平成三年度中に発表できるということでありましたが、今日に至りいまだ発表の段階ではないのか、でき得るならばこの際、計画設計の発表をお願いいたしたいと存じます。関西国際空港は、平成六年開港であります。あと余すところ二年しかありません。来年、再来年に迫っている今日、一日も早く具体化した計画設計を急がなければならないと思います。
 世界じゅうの乗客が関西国際空港におりてきて、一体何割の人が右旋回をして和歌山へ来るのだろうか。恐らく大半の乗客は左旋回をして大阪、京都、奈良、東京方面に行ってしまうのではなかろうかと心配するものであります。右旋回をして和歌山へその乗客を誘致するには、それなりの魅力のあるものでなければなりません。例えば、「日本に行った者は必ず一度はぜひ和歌山へ寄ってこいよ。和歌山へ行ってこなければ日本に行ったことにはならないぞ」と世界じゅうの人々が口にするような魅力のあるものがこのコスモパーク加太構想ではないかと思っておりました。世界に開かれた和歌山を命題とするためにも、世界じゅうのお客さんを誘致するに足る施設とは一体どんなものか、また、どんな企業が入り、どんな公園づくりを考えているのか、お聞かせをいただきたいと存じます。
 次に、先刻申し上げた企業誘致についてでありますが、本県のいろいろな厳しい悪条件の中で、地価の問題、交通網整備の問題、理工学部の設置の問題等々を含め、これをどう克服してどう対処されているのか、また対応されようとしているのか、現在の企業誘致状況をあわせお示し願いたいと存じます。
 次に、紀淡海峡構想についてお尋ねをいたします。
 昭和五十六年でありましたか、私がこの本会議で提言をし質問をいたしてから久しくなるのであります。当時、紀淡海峡構想は海底トンネルで結ぶということで、毎年一億円の調査費が計上されてきたのでありますが、和歌山へ進入すると同時に地下へ潜って、海底トンネルを抜けて出てきたら淡路島であったというようなことでは流通機構の意味も半減し、和歌山のメリットも余り期待できないと思うので、加太から友ケ島を経由した架橋大橋にしたらどうか、観光面からいってもワイズマン構想の趣旨からいっても、県勢浮揚の面からも意義があるのではないかと提言をしてまいりました。その後、架橋構想についてはどう進捗しているのか、また調査費一億円はどんな構想を基盤とした調査を進めているのか、さらに調査結果状況はどうなっているのか、報告があればお知らせを願いたいと存じます。
 次に、観光行政についてお尋ねをいたします。
 当局は観光立県として鋭意努力をされているようでありますが、いよいよ世界に開く和歌山として、数多くのイベントやプロジェクトが計画されているその中で、国内はもちろんのこと、世界じゅうの観光客を誘致する魅力あるものを考えていかなければならないのは言をまちません。
 本県は、幸いにして名所旧跡には事欠かないほどたくさんあります。高野山あり、粉河寺、根来寺あり、和歌山城あり、観光百選の和歌浦、友ケ島の景勝地があり、その上、数多くの温泉地、すばらしい海岸美と、観光資源は事尽きないほど豊富なものがありますが、これをどう宣伝し誘致するかが求められていかなければなりません。
 そこで提言申し上げたいと存じますが、和歌山市内には定期観光バスがありません。和歌山の玄関口であるJR和歌山駅や和歌山市駅におりてきた他府県の観光客に和歌山を知ってもらうためには、その案内役を果たす定期観光バスが必要ではないでしょうか。例えば、市内を観光する二時間コースとか紀北一帯を観光する半日コース、日本一を誇る海岸美を走る一日コース等々を計画してみてはどうだろうかと思うわけであります。
 新婚旅行の行き先によく聞かされるところに宮崎県の日南海岸がありますが、宮崎の駅前や港駅には百台ぐらいの定期観光バスが待機し、数分ごとに運行をいたしております。和歌山の海岸美は、日南海岸にまさるとも劣らないすばらしいものがあります。世界へ羽ばたく和歌山として、ぜひ定期観光バスを運行できるような施策を考えてみてはどうだろうか、その意思があるかどうか、お尋ねをいたします。
 最後に、健康と福祉について質問をいたします。
 健康・福祉和歌山を標榜している本県でありますが、大切なことは、人間いついかなるときに思いもかけない災害や災難に見舞われることがあるかもわからないのが人生であり、そのようなときや恵まれない立場にある人々には、いつ何どきでも対応できる準備や施策、温かい手を差し伸べる行政が必要であることは言をまたないのであります。
 特に本県は、高齢者先進県としての老人福祉対策、また不時の事故による障害者、交通遺児等、災害に病める人々の対策は今のままで万全であるのか、真剣に考えていかなければなりません。福祉予算は、全国的に見ても、近畿府県の中でも最上位に位置づけられていることは福祉重点施策のあらわれでもあります。
 そこで、健康と福祉対策の一環として重要なことはそれに対処する人材の確保であり、本年度、毎回の議会で質問がありましたが、看護婦の絶対数不足への対応策についてであります。
 今月の三日の読売新聞によると、厚生省、労働省、文部省の三省の三月三日の発表によれば、深刻化する看護婦不足への対応施策として、看護婦の人材確保の促進に関する法律案の要綱をまとめて各都道府県にナースセンターを設置するということであり、看護婦確保は国民の責務であると要綱に義務づけられているのが特徴であります。
 厚生省の需給見通しでは、前年度が七万四千人の不足であり、平成五年度では九万八千人不足になるということであります。本県では平成三年度で八百六十六人不足ということでありますが、今の看護婦養成校だけの状況では、将来ともに絶対数を満たすことはできないと心配するものであります。将来をも見通して、今どんな対応策を考えておられるのか、年次を追って長期計画があればお示しを願いたいと存じます。
 また、これも前回の議会で質問がありましたが、理学療法士の数も絶対数不足であります。理学療法士の養成所は、全国でも近畿においても数少ない数値でありますが、本県にこれを設置すれば他府県からも数多くの人が集まってくるのではないかと思うのであります。絶対数不足の解消のためにぜひ本県に設置されたいと存じますが、その意向をお伺いいたします。
 以上をもって私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(山本 一君) ただいまの富田豊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 富田議員にお答え申し上げます。
 関西国際空港に関連して、国内線の確保についてでございます。
 先ほど森議員にもお答えいたしましたように、関西国際空港が我が国の国際・国内における基幹空港として位置づけられておるということは事実でございまして、その機能を十分に発揮し得るように、また県民の利便性の確保を図るために、東京を初めとする国内路線の確保に向けてなお一層運輸省に対し積極的に働きかけなければならない時期に来ていると思っておりますし、また相当腹をくくっていかなければならないと思っておりますので、格段のご支援をお願い申し上げたいと思います。
 それから、紀淡海峡構想についてでございますけれども、海底トンネルではなくて架橋構想は実現できるかというご質問であったかと思います。
 紀淡海峡ルートの問題については、大阪湾環状交通体系や第二国土軸の一環として、本県さらには西日本の発展に重要なプロジェクトであると考えておりまして、関係方面に働きかけ、その推進に努めてきたところでございます。また、いわゆる大阪湾ベイエリア構想については、現在、国において今国会に議員立法で提案したいということで進めつつあるわけでございます。それだけに、また大阪湾環状ルートの問題も大きな課題として取り上げられると確信しております。
 昭和五十八年度から日本鉄道建設公団による調査が進められ、また今年度からは建設省において大阪湾環状道路の一環としての紀淡海峡連絡道路の調査が開始されたわけでございます。海峡横断道路プロジェクト技術調査委員会というのを設置し、豊予海峡、伊勢湾口とともに技術的な面からも検討が開始されたところでございます。
 このような国における調査の動向や近年において架橋技術が相当進歩したことを背景として、紀淡海峡の架橋構想に関する議論が活発化していることは事実でございます。この機会に乗って、紀淡海峡に関する鉄道、道路、両面での調査が進められるようになったことは大きな前進であると考えてございまして、県としても、これらの国における調査の促進と紀淡海峡ルートの実現に努力してまいりたいと考えております。
 また、その一環として、新年度において徳島県初め大阪府などの関係諸団体と協調して、仮称でございますけれども、紀淡海峡交流会議を設置し、その推進に強力に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、関西国際空港国内線の確保についてお答え申し上げます。
 関西国際空港における国内便については、開港までに各航空会社の申請を運輸省が認可して決定されることとなってございます。なお、いわゆる三点セットにおける環境影響評価案においては、年間離着陸回数十六万回のときの一日当たりの国際線の便数を二百六十便、国内線の便数を百七十便としてございまして、今後とも、運輸省、各航空会社等に対し、札幌、東京、福岡等への幹線を初めとする国内路線の確保について引き続き積極的に働きかけてまいる所存でございます。
 次に、関西国際空港の飛行経路についてでございますが、沖合五キロメートルの海上に建設されることとなった経緯からも、騒音による影響を陸域に及ぼさないという方針でございます。なお、議員お話しの件については、運輸省は関知していないというふうに聞いてございます。
 次に、中部国際空港、神戸空港が設置された場合の関西国際空港との関連についてのご質問でございますが、中部及び神戸の空港は第六次空港整備五箇年計画においてその附属資料に登載されているものでございまして、今後、空域の確保、採算性、費用負担等、総合的な調査を実施することとされ、これらの課題解決の見通しが立った段階で進めることとされているところでございます。
 いずれにしても、関西国際空港は、第六次空港整備五箇年計画において成田、羽田と並ぶ三大空港プロジェクトの一つとして、また我が国の国際・国内における基幹空港として決定されており、平成六年夏ごろの開港に向け、建設工事が進められているところでございます。
 次に、コスモパーク加太計画についてでございます。
 この計画は長期的な展望を持った町づくりでもあり、幅広いノーハウを結集するため、民間企業も参画したコスモパーク加太開発推進機構を設立し、本年度末を目途に土地利用計画を策定すべく検討を重ねてまいったところでございます。
 しかしながら、急激な経済情勢の変化により土地利用計画の見直し作業を余儀なくされているところでございます。経済動向の不透明な極めて困難な中ではございますが、年度内の策定を目指し、現在、全力を傾注して取り組んでいるところでございます。
 議員ご提言の魅力施設等についても、当計画の中で検討し、次代に先駆けた国際的複合都市の建設を目指してまいりたいと存じます。
 なお、当計画区域で実施してきた土砂搬出事業は終了しましたが、引き続き防災工事及び粗造成工事を県土地開発公社において施工する予定でございまして、ハード面においてはスケジュールどおり進捗しているところでございます。
 最後に、日本鉄道建設公団による紀淡海峡に関する調査状況についてでございます。
 昭和五十八年度から四国新幹線のうち本州─淡路島間の海底トンネル部に係る区間の調査として、地形、地質の調査を実施していただいてございます。具体的には、加太周辺、友ケ島、由良周辺などの陸上部や加太瀬戸、由良瀬戸などの海上部において、地中の地質を把握するためのボーリング調査や弾性波探査、海底表面の地質を調べる底質調査、水深、地形を調べる音波探査などが実施されてございます。
 本年度は、沖ノ島において陸上から海底部への八百五十メートルに及ぶ斜めボーリング、また対岸の成ケ島において二百五十メートルの陸上ボーリングを実施していただいてございます。本年度で九年目を迎えたわけでございますが、県としては調査を早期に完了していただくよう強く働きかけているところでございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 土木部長山田 功君。
 〔山田 功君、登壇〕
○土木部長(山田 功君) お答えを申し上げます。
 関西国際空港に関連した高速道路、幹線交通アクセス道の整備については、昭和六十年十二月に国において策定された関西国際空港関連施設整備大綱及びこの大綱を踏まえて県が策定した地域整備計画に基づき、計画的に事業促進を図っているところであります。
 高速道路については、近畿自動車道松原すさみ線が、現在までに松原インターチェンジから堺インターチェンジ間と岸和田和泉インターチェンジから海南インターチェンジ間が供用済みとなっており、残る堺インターチェンジから岸和田和泉インターチェンジの間についても、平成四年度末完成を目途に現在事業が進められております。
 次に関西国際空港線でございますが、平成四年一月末の進捗率としては、用地買収が九九%、文化財調査が七七%、工事が一五%となっており、空港開港に支障のないよう、平成五年度内完成を目途に事業促進が図られていると聞いております。
 このほかに、空港へのアクセス道路として県道岬加太港線の大川・深山工区がございます。これは、現在大川トンネルが工事中でございますけれども、空港の開港までに供用できるよう事業促進を図っているところでございます。そのほか、県道泉佐野岩出線、泉佐野打田線、粉河加太線、西脇山口線等がございまして、いずれも計画的な整備に努力をしているところでございます。
 次に、議員からご提案の県道岬加太港線の終点加太港より海岸沿いに紀の川河口大橋を経由するいわゆる湾岸道路の構想でございますが、これは非常に大きな構想でございます。実際、いろいろな問題もあると思いますが、今後の課題として勉強させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 企業誘致について。企業誘致に対する諸施策及び企業誘致の現況についてでございますが、景気後退への不安感が見られる中、企業の投資意欲の冷え込みが懸念されますけれども、本県では企業からの相談が依然として続いてございます。
 なお、本格的に企業誘致を始めた昭和五十七年以降現在まで誘致した企業数は松下電池を初め五十六社を数え、既に三十九社が操業しており、約二千人の雇用を見ております。
 しかし、本県の企業誘致のための周辺環境は、議員ご指摘のとおり、用地の規模、地価等の非常に厳しいものがございますけれども、近畿大学生物理工学部の設置、高速自動車道の整備等、本県の企業立地環境が一層好転してきておりますので、地域の特性に配慮しながらバランスのとれた企業誘致を進めてまいりたいと存じます。
 次に観光行政について、和歌山市内を案内する定期観光バスを走らす施策はないのかということでございます。
 和歌山県内における定期観光バスについては、現在、白浜町では「泉都めぐり」、那智勝浦町においては「那智山周遊」や「熊野三山めぐり」などが運行されてございます。議員ご提案の和歌山市内の定期観光バスについては、昭和三十年代に運行されておりましたが、その後、利用者の減少等により昭和四十年代に運休されたところでございます。
 近年、社会経済情勢の変化に伴い、観光の志向や形態が随分と多様化してまいりましたけれども、こうしたニーズに対して観光客の目的に合った効率のよいサービスが求められてございます。こうした状況の中で、観光施設の整備、交通の利便性、観光案内板の設置、真心のこもった受け入れ態勢など、総合的にまた柔軟な対応をしていかなければならないと認識してございます。
 定期観光バスの運行等については、議員ご提案のように、名所旧跡、またすばらしい海岸美等がございまして、今日までも関係企業に働きかけてきましたけれども、採算性等、非常に厳しいものがあると言われるわけでございます。しかし、今後、関係団体や関係機関にも一層働きかけてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 保健環境部長遠藤 明君。
 〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) 健康と福祉対策の人材確保についてお答えを申し上げます。
 まず看護婦についてでございますが、保健医療福祉サービスを提供するマンパワー、特に看護職員の確保は重要な課題と認識しているところでございます。
 県内における病院、診療所などに勤める看護婦、准看護婦等の数は平成三年末で七千三百七十九人であり、不足数は八百六十六人となってございます。したがって、養成力の強化として、県立高等看護学院の定数増を初め、病院協会立の看護専門学校の設立支援、南紀高校専攻科の定数増、各養成所に対して定員の一割増の生徒受け入れ要請を行ってきたところでございますが、今後、紀南地方の看護婦養成所を平成七年に、県立医科大学の整備に伴う看護短期大学を平成八年に、それぞれ設置することを目途に検討を行っているところでございます。また、既設の養成所についても定数増が図られるよう関係機関へ要請を行うとともに、その他の充足体制として修学資金の一層の充実やナースセンターを設置し、看護職員の確保を進めてまいりたいと考えております。
 次に、理学療法士養成所設置については、昨年九月に医療機関や社会福祉施設等に対して二十一世紀に向けての需要数を調査した結果、平成三年九月末現在で百十三名の従事者に対し、平成十一年には三百七名が必要と見込まれているところでございます。
 理学療法士の確保については、平成三年度に修学資金の貸付対象を、従来の制度に加え民間医療施設に勤務しようとする者に対してもその対象とし、平成四年度は貸付枠をふやすなど、その制度の充実に努めているところでございますが、議員ご質問の理学療法士養成所設置については、長期的需給バランスを見きわめながら今後研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) 再質問がないようでありますので、以上で富田豊君の質問が終了いたしました。
○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 43番浜本 収君。
 〔浜本 収君、登壇〕(拍手)
○浜本 収君 議案第六十五号、拡声機による暴騒音の規制に関する条例案は、去る一月二十四日から二十七日まで和歌山市を中心に行われた全日本教職員組合の教育研究全国集会に対し、三カ月以前から右翼団体が街頭宣伝でスピーカーのボリュームを上げ、多くの県民がその騒音で大変迷惑したということが主たる理由であるとされているが、そうであるのかどうか、まずただしておきたいと思います。
 二つ目。本条例案第二条は、適用除外として一から八の事例を挙げ、八十五デシベル以上の場合にこれらの拡声機使用は例外的に救済されるとしているが、表現の自由の重要性から考えるならば、むしろ八十五デシベル以上であっても取り締まりの対象となる行為を列挙して規制すべきであると私は思う。本条例案は、八十五デシベルという限定を設けながらも、原則と例外を逆転させたものであると思うが、見解を求めるものであります。
 三つ目。本条例案は、労働組合活動のみならず一般市民の政治的意思表明、例えば消費税反対運動等も適用除外とされてはおらず、これも規制の対象になるおそれがある。しかし、条例第七条は、「この条例の適用に当たっては、表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」としてその指針が示されてはいるが、規定の仕方が抽象的であり、恣意的な運用がなされるおそれが多分にある。本条例第七条こそ原則であり、規制される行為は例外的に列挙さるべきで、本条例第二条のような形式で規制行為そのものを列挙すべきではないかと私は思います。お答え願いたいのであります。
 四つ目。条例第四条から六条は、停止命令、勧告、立入調査の権限が警察官に与えられ、相応の罰則が設けられているが、この条例の立入調査等は捜索、押収に類する行為であり、令状なしに現場の判断でなされることになり、その正当性を担保する手当てがなされていない点で問題がある。憲法第三十五条に関連して解明されたいのであります。
 五つ目に予定をいたしました八十五デシベルの問題につきましては、けさほど来の質疑、答弁をもって満足いたしましたので、省略をいたします。
 五つ目。刑法第二百三十四条の威力業務妨害罪等の規定があり、これらを厳正に適用すれば先日の暴騒音は取り締まれたのではないかと思うが、県警がさきの教研集会に際し二件検挙した例はどのような事由によるものか、その根拠法と検挙件数が少なかった理由をあわせて説明されたいのであります。
 六点目。表現の自由とのかかわりを持つ重要な条例案であるだけに、県民の声を広く聞く機会や仮称・検討委員会を設け、議会に提案する考えはなかったのか。
 以上、六点について答弁を求める次第であります。
 教育の総論に触れることなく、各論に移ってまいりたいと思います。
 本年度は明治五年の学制公布からちょうど百二十年、学校五日制は戦後の六・三制確立に次ぐ第三の教育改革であります。
 知事は、今期定例議会の冒頭説明の中で、県政の基本目標とその政策目標、さらには各分野の概要説明を行い、特に第四の柱「こころ豊かな人づくり」の中で教育、文化の施策に言及したところであります。しかしながら、今や全国的にも、また全県的にも大きな不安や期待が交錯しているこの第三の教育改革、すなわち学校五日制について一言も触れていないことに私は疑義を挟むものであります。本問題についての知事の所見をまず伺うものであります。
 二つ目。文部省の社会の変化に対応した新しい学校運営等に関する調査研究協力者会議は、過去十三回の討議を重ねた結果、昨年末、その中間報告を行い、本年二月二十日、月一回第二土曜日を休みとする学校週五日制のまとめを行ったところであり、この九月十二日から実施に入ることは既にご承知のとおりであります。
 中間報告の全文、またその解説記事、父母・国民の世論、日常見聞する本問題への関心度等を含め、以下、教育長に質問をいたします。
 一つ。中間報告は、現在の子供たちは家庭や地域社会での遊び、自然体験、社会体験が著しく減少しているとか、また、受験競争の過熱による過度の学習塾通いが子供たちの心身に種々の悪影響を及ぼしている等々、その実態を指摘しているが、それらは報告文にあるような学校や地域の教育力の低下、学校への過度の依存などが主たる要因ではなく、この国の文教政策、文教行政のあり方にその責任があるという指摘や反省がみじんも見られていないのはいかがなものかと私は思うのであります。詰め込み、落ちこぼれ、受験競争といった現実は勝手に生まれたのではなく、つまるところ国の文教政策そのものの所産として位置づけなければ、それらの根本的な改善も変更も生まれないと私は思うが、教育長の所見を伺うものであります。
 二つ目。教育長は、さきの十二月県議会で町田議員の質問に対し、「五日間の学校教育の指導を充実させ、しかも学習負担が過重にならないように教育水準を維持していかなければならない。そのために教育課程の編成や学校行事の見直しを図ったり、教育内容や指導方法の改善、充実に努めることが大切である」と答弁したが、文部省の中学校課長が「月一回程度なら指導要領を変える必要はないが、月四回となると教育課程を検討しなければならない」とし、新学習指導要領のもとでの五日制の実施は困難と述べているが、教育長は教育課程の編成と学習指導要領との関係についてどのような見解を持っているのか、伺うものであります。
 三つ目。過労死を生み出している日本の長時間・過密労働は国際的にも批判され続け、かつ国際摩擦の要因ともなっており、その早急な改善が求められております。
 九一年人事院勧告は、我が国の国際的地位にふさわしいゆとりある社会の実現に向けて、完全週休二日制の普及を基本とした労働時間の短縮は今や最も重要な政策的課題とし、完全週休二日制は平成四年度のできるだけ早い時期に実現すべきものとの勧告を行うとともに、学校五日制の検討状況等にも言及しているところであります。
 言うまでもなく、学校五日制の問題は、勤労国民の週休二日制の実施と深く結びついているところであります。学校五日制を進める条件として勤労者の週休二日制の拡大がアンケート等に数多く示されているところからも、容易に判断し得るところであります。
 国際・国内の労働時間短縮のこの流れは、学校五日制の教育論の賛否を超えて、今やせきとめることのできない状況にあります。この点についての教育長の見解をただすとともに、今後この面からも県民に対する啓発をぜひ展開すべきものと思うが、あわせて答弁を求めます。
 四つ目。教育委員会は、去る二月十九日、学校五日制についての全県アンケート調査の結果を発表したが、それによると、職員賛成八割、保護者反対七割、それぞれの項目で賛否のパーセントが示されているが、これらの調査と検討課題をもとに広く県民の意見を集約するとともに、教育改革にふさわしい検討を行うための仮称・協力者協議会を設置してはどうか、所見を伺うものであります。
 次に、学校図書館の現状と今後のあり方について質問をいたします。
 一九五三年(昭和二十八年)に制定された学校図書館法は、その第一条に「この法律は、学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であることにかんがみ、その健全な発達を図り、もつて学校教育を充実することを目的とする」とし、その第三条では学校に学校図書館を設置する義務を規定し、また第五条は、「学校には、学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない」と定めながら、附則では、「学校には、当分の間、第五条第一項の規定にかかわらず、司書教諭を置かないことができる」とし、実に三十九年間、今に至るもなお放置されているのであります。
 しかしながら、それでは日常の仕事の処理ができないということで、学校職場のやりくりの中で私会計職員や事務職員など、法律にはない多様な形の「学校司書」がその営みを続けてきたのであります。現在、全国で高校約七割、小中学校で約一割の学校に何らかの形で学校司書が存在し、専門職員としての活動が続けられているところであります。
 平成三年度発行の県教育教育委員会の「学校教育指導の重点目標並びに指導の着眼点」によれば、「児童生徒が日々学習を重ね成長をとげて行く過程の土台をなすものは、未知なるものへのあこがれであり、新たな発見や認識がもたらす驚きや喜びである」とし、「学校図書館教育は、児童生徒のこうした自ら学ぼうとする力に信頼を置きながら、学校における教育活動全体の展開に資料センター、情報センターとしての機能面で十分寄与するとともに、自由で主体的な学習と読書を通した人格形成を行う場としての役割を期待されている。 自ら学ぶ態度を培い、学び方の技術の基本を習得させることにより教科の授業を支える一方、特別活動、生徒指導、進路指導等の分野と緊密な連携を保った幅広い活動を行うことを通して、今日の学校図書館教育の一層の充実がはかられると考える」とし、具体的な留意事項として「学校図書館教育を、教育活動全体の中に正しく位置づけるとともに、全教職員の共通理解を深め、児童生徒の読書及び学習の充実に一層寄与するようつとめる」として、以下数点、指導上の事項を挙げているが、現実はこのような明快な目標、指導理念とは全く相反しております。これはどこの文章かなと思う、今の状況から見て。確かに立派な文章で、この文章に逆らうことができないなと思うほど私は感銘をいたしておるのであります。しかし、県下の学校の図書館の現状はそういうことと全く相反しておるということを私は痛感いたします。
 そこで、私は次の諸点について質問をいたします。
 一つ。県内の小中学校には学校図書館職員が何名配置されているのか。ほとんどされていないという現状、そしてまたその必要性について、まず所見を伺っておきたいのであります。
 二つ目。現在、全国の高校では何らかの形で学校司書が存在し、専門職員としての活動を続けているが、県内の県立高校では司書、司書補、計四十名が職務に専念しているところであります。しかし、その賃金体系は、その身分が実習助手であり、教育職一級が適用され、同年齢、同学歴の行政職や教育職、現業職との賃金とは大きな格差があります。生涯賃金で大体一千万から一千五百万の差があります。この職務が学校教育に深くかかわり、今後ますますその人材が要求されるという状況の中で、ぜひ教育職二級に位置づけるべきではないかと私は思うが、答弁を求めます。
 三つ目。私は冒頭、学校図書館法の第五条の附則について述べたが、三十九年間も放置しているこの「当分の間」という附則の削除についての見解と、今後国への働きかけをぜひ行うべしと思うが、所見を伺うものであります。
 四つ目。日本での学校図書館は全国的にもお粗末だが、それは画一的な詰め込み教育に走る欠陥がもたらしたものであります。五日制やゆとり、文化といった教育改革の視点からも、今後、学校図書館の位置はますます高まるであろうという趨勢の中で、また、学校図書館の機能の活用に努めるとうたい上げた新学習指導要領の理念からも、学校図書館と司書教諭、専任図書館職員の配置とあり方に真っ向から取り組むべしと私は提言するものであります。あわせて所見を伺うものであります。
 最近、教育現場では「保健室登校」という言葉が定着しております。それは、読んで字のごとし、保健室に登校する生徒たちを意味します。保健室登校生は、学校には行くが教室で学ぶことができずに保健室で過ごす生徒のことであります。
 その生徒たちは、登校拒否回復期の生徒、登校拒否の初期症状の生徒、登校拒否レベルの生徒たちであります。また、自律神経失調症、胃炎、胃潰瘍等、精神的ストレスや喫煙、夜更かし、夜食等がやめられない、いわば慢性的不調になった生徒たちは毎日不調を訴え、一定時間を保健室で過ごす。また、教室で一日勉強することには耐えられず、いろいろな口実で不調を訴えたり騒いだりして長時間保健室で過ごす生徒。時には、保健室が心を安らげる逃避の場となっている。この保健室登校の現状は、繁栄、豊かさが云々されている現代社会が生み出した教育の一断面であります。
 ご承知のように、学校教育法では「養護教諭は、児童の養護をつかさどる」とし、児童生徒の健康を守るとともに児童生徒が自己の健康保持増進を図るために必要な職務内容として八項目の事項を明示しているところだが、児童生徒の健康状態すなわち体力、栄養、疾病、不安や悩み等の精神状態の把握や指導等、児童生徒の健康の保持増進を職務としているところであります。
 しかし、この学校教育法が制定・施行されたころと現在の保健室で扱う児童生徒たちは、質、量ともに大きくさま変わりし、前段述べたように心因性の症状を出す生徒たちがふえ、登校拒否の生徒たちがふえ、養護教員の知識や技術についてのより高度な資質の向上、さらには教育の本質に迫る児童生徒たちの心の問題が大きな課題となっています。
 そこで私は、ここで具体的な事例を挙げることは不適当と思うので、省略をいたします。こんな場所で言えるようなことではない、驚くようなお話がありますが、そういうことを述べることは不適当と思いますので省略をいたしまして、以下、質問をいたします。
 一つ。概略述べた保健室登校の現状に立って、県教育委員会は心理的治療を要する生徒に対し、いわゆるスーパーバイザー方式で指導を図り、またカウンセリングワークショップ等で教員の資質の向上に努めているところだが、その規模、時期、回数、資料提供等々を含め、大幅な研修費の増額を図るべきだと思うが、所見を伺うものであります。
 二つ目。文部省の第五次定数改善計画は、昭和五十五年から六十六年(平成三年)の十二カ年の間に養護教員を四学級以上の学校に一名、三学級の学校には四分の三人措置するように示されているところであるが、例えば西牟婁郡下では、串本町の大島小学校、赤瀬小学校は四学級、また六学級の串本町の出雲小、上富田町の岡小学校等、未配置であります。どうなさるおつもりでしょうか。第五次定数改善計画との関係で、未配置になっている県下小・中・高の校数と今後の具体的な方針を明らかにされたいのであります。
 三つ目。特に県立高校や小・中の大規模校、また指導困難校には複数の養護教員の配置をぜひ実現してほしいと私は思うが、所見を伺うものであります。
 急ぎます。
 平成四年度より県下三校に設置される単位制高校について質問をいたします。
 一つ。四月開校までにさほど日はないが、まずその経過についてただしたいと思います。
 該当の三校、青陵、紀の川、南紀が県教育委員会の指導のもとに具体的な検討に入ったのは昨年の秋以降であります。およそ、以下申し上げるこうした制度的転換を図る場合には、一定の猶予期間を設け、まず対象校を明らかにし、その対象校の教職員による開設準備室を設置し、教育委員会の指導のもとに種々の角度から検討を重ね、十分な準備をするのが当たり前のことであると思うが、本県の場合、昨年の四月に教育長が記者会見で単位制設置の意向を表明し、五月下旬にその対象校を明示し、本格的な検討は九月に入ってからであったが、外から見ていて、どうも拙速に過ぎることはなかったか、なぜもっと入念な議論と準備の期間を現場に与えなかったかと思うからであります。ただしておくものであります。
 二つ目。単位制というのは多様な生徒のニーズにこたえるための大幅な選択制の導入が一つの目玉かと思うが、そのためにはそれに見合う教員配置と施設、設備が必要であります。今、単位制高校のモデル高校として脚光を浴びている東京の新宿の山吹高校は──行ったことありますか。ありませんね──七十億の巨費が投ぜられて運営されているが、本県の単位制設置に伴う財政的措置を明らかにされたいのであります。
 また、該当三校からは既に単位制移行に見合う教員配置と施設、設備等についての具体的な要望がなされているが、その取り扱いの現状をあわせて明らかにされたいのであります。
 三つ目。私は先般、南紀高校の先生方と懇談する機会を得たが、ご承知のように、南紀高校は、昭和二十三年の学制改革以来、その前身の田辺高校定時制の時代より今日まで、働きつつ学ぶ勤労学徒の学び舎として幾多の有為な人材を輩出、そしてその伝統は今日もなお絶えることなく、かつてのような苦学生的勤労学徒は少なくはなっているが、それでも、いわば今日的に恵まれない生徒たちの希望の学び舎としてそのともしびを燃やし続けているところであります。
 しかしながら、この生徒たちは、この南紀高校においては明るく屈託のない楽しい学校生活を続けております。休み時間や放課後には、職員室は思い思いの服装をした生徒たちでいっぱいになり、教師たちを囲んだ幾つかの輪があちらこちらにでき、文字どおり明るい談笑が満ちあふれております。教師と生徒の冷たい関係や対立が取りざたされている今日の学校教育にあって、この南紀高校の職員室風景は如実にそのことを物語っております。私は、そこに教育の原点を見たのであります。
 しかしながら、この南紀高校に希望を託す中学校の教師や親たちが今日非常な不安感を持っているのは、今回、南紀高校夜間定時制が単位制になり、その募集定員が従来の八十名から一挙に三十名に減ったことであります。この余りの急減が、田辺・西牟婁地方の中学の教師たちや親たちに不安を与えていることについて教育委員会は知っているのだろうか。ありていに言うならば、これまで唯一南紀高校定時制に希望を託してきた生徒たちは、今現在は学力が十分でなくても、少しずつ学力をつけ、生活者として自立する実力と人間的な力を身につけたいという子供たちであり、彼らはこの募集定員の急減で自分たちの入学できる余地がないのではないかと不安がっているが、南紀高校単位制の募集定員をなぜもっと余裕のあるものにしてくれないのかという願いを教育委員会は知っているのだろうか。
 なぜならば、南紀高校定時制は、ここ数年、毎年四十五名以上の新入生が入学してきたが、今回、単位制に移行するインパクトを考慮しても三十名の定員は余りにも絞り過ぎと言わざるを得ないからであります。また、県教育委員会の学校教育課の主事が単位制設置に伴う準備指導のために当校を訪れた際、二度にわたって南紀高校の単位制は募集定員五十名で二クラス編制すると言明していたのに、十月二十一日、県教育委員会は募集定員三十名を発表し、校長以下全職員を唖然とさせた事実にどう答えるのか、ぜひ解明されたいのであります。また、あわせてこの募集定員三十名の弾力的な運用を図る意思ありやなしやと問うものであります。
 四つ目。南紀高校単位制の募集定員がこのまま三十名ということになれば、それは一学級すなわち単学級の定時制となり、教職員数を減じる目的のためといった疑問を持たざるを得ないが、一方、生徒たちのニーズに合う教育のために習熟度別授業や大幅な選択科目の導入を本来必要とする単位制高校の運営からいって、当然教員数を増加させなければならないという点との矛盾から考えて、教員数をどう考えているのか、あわせてお答え願いたいのであります。
 五つ目。最後に、私は南紀高校のあり方について教育委員会の所見を問いたいと思います。
 南紀高校は、独立した定時制高校として、現在、夜間定時制普通科百五十名、全日制衛生看護科百二十名、看護専攻科六十名が同居し、教育委員会の努力もさることながら、限られた施設、設備のもとで運営されているが、例えば専用の音楽室、書道室、美術室、視聴覚室、専用グラウンドがない、図書館が貧弱である等々、全日制高校としても、また独立定時制高校としても不十分であります。
 今、南紀高校は、時代が要請する看護婦養成の教育機関として、また先ほど来述べたさまざまな事情を持つ生徒たちに後期中等教育の機会を保障する任務が課せられております。私は、この際、南紀高校の衛生看護科と看護専攻科を夜間定時制から分離独立させ、和歌山県における看護婦養成教育の中心的な教育機関として、また看護短大の設置に向かって運営すべしと思うのであります。また、現在地の夜間定時制としての南紀高校は紀南地方一帯をエリアとする教育機関としてより充実さすべしと思うが、所見を伺うものであります。
 かたい話ばかりをいたしました。以下もかたい話ではありますが、やわらかい話に切りかえます。
 以前、私が坂本冬美さんの「能登はいらんかいね」の歌を引用した質問は、既に数多くの皆さん方はご承知であります。
 年の瀬も迫る十二月二十五日、大阪は難波の新歌舞伎座の満席の中にまじって私は、坂本冬美の公演を見た。その日、最後に彼女は「火の国の女」を絶唱した。「ハヒフヘホ」の「ヒ」であります。「カキクケコ」の「キ」ではございません。
 「肥後は火の国よ 恋の国 燃える中岳よ 胸こがす 一つしかないこの命 くれというならくれてやる」、また「肥後は湯の里よ 滾る国 菊地 地獄谷 血がさわぐ たとえ地の底 針の山 来いというならついてゆく」とも歌う。能登から肥後。能登から肥後、そして紀州の歌はいつになるのだろうかと私は思ったのであります。
 一カ月ほど前、夜遅くテレビのチャンネルを回していたら、作曲家の猪俣公章さんと坂本冬美さんが元プロ野球の方たちと対談をしながら歌を歌っていた。浜本に見られたのが大変だなあ。これがこの質問になるのであります。対談の中で猪俣公章さんは、「能登から肥後、今度は大阪だ。道頓堀だな」と軽いしゃれを飛ばしていたことが強烈に私の印象に残ったのであります。
 新歌舞伎座で座長を務めた坂本冬美は、芝居の中で「このミカンは紀州のミカンよ。とってもおいしいのよ」と言いながら数人の子役にミカンを配り、また「このおむすびの中には紀州の梅干しが入っているのよ」と言うと、万雷の拍手しばし鳴りやまずというシーンが繰り広げられました。坂本冬美、和歌山県西牟婁郡上富田町出身、県民なればこそと私は感動を覚えるとともに、宣伝の大切さを思ったのであります。
 「火の国の女」の歌はまた、「惚れた女を抱きたけりゃ 火傷かくごで抱かんとね」ともある。以前私が提唱した紀州の歌をつくってもらうために「火傷かくご」で頼めとは言わないが、「来いというならついてゆく」「くれというならくれてやる」と彼女は絶唱しているのであります。十二月県議会の経済警察委員会の委員長報告にもあったが、いま一度検討を促し、この質問に似合った形での答弁を求めたいと思います。
 以上で終わります。
○議長(山本 一君) ただいまの浜本収君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 浜本議員にお答え申し上げます。
 学校五日制の問題についての見解でございまして、社会変化に対応した新しい学校運営のあり方として県民の関心は非常に高く、私もまた、こころ豊かな人づくりにかかわるものとして受けとめております。
 しかしながら、学校五日制の問題につきましては、少なからず課題が指摘されているわけでございます。だから、子供の望ましい人間形成のためには、関係者がなお一層力を合わせて対処していただかなければならないと思っております。
 坂本冬美については部長から答弁いたします。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 観光問題について、イメージアップの宣伝の一視点ということでございます。
 本県のイメージアップについては、昨年夏から秋にかけてテレビスポットを首都圏と近畿圏で放映したところでございますが、このスポットは各界から大きな反響をいただき、さまざまなマスメディアを通じて本県の存在感や新しいインパクトを全国へ印象づけることができたものと思ってございます。
 一方、最近、映画、テレビ、カラオケビデオの現地ロケや本県を舞台にした小説も発刊されるなど、イメージアップがなされていると認識してございます。また、ふれ愛紀州路ネイチャーランドキャンペーン等においても、本県の大自然を活用したさまざまなイベントや県外キャラバン等で観光和歌山をアピールし、またポスター、新聞、雑誌等により全国展開で宣伝を行っているところでございます。
 郷土出身の坂本冬美さんがいろいろな分野で大活躍をされ、本県のPRをしていただいていることは大変うれしく感じているところでございます。議員ご提案の、今や日本を代表する演歌歌手・坂本冬美さんに郷土の曲を歌っていただくことは、本県をPRする上からも効果は絶大であると思いますので、こうした要請を以前から関係の皆さん方にお願いをしているところでございますが、この実現に向け、今後、要請を続けてまいりたいと思います。
 なお、和歌山県出身の歌手がまだまだたくさんいらっしゃるわけでございまして、最近では「紀ノ川」という歌を西方という歌手が歌っている等、坂本冬美さんだけではなしに、和歌山県の歌手の方々、また芸能人の方々等、頑張っていただいておりますので、大いに期待をしておるところでございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) 拡声機による暴騒音の規制に関する条例に関する浜本議員のご質問にお答え申し上げます。六点でございます。
 まず第一点目の、本条例を提案するに至った理由についてであります。
 一部右翼団体等による街頭宣伝車の拡声機を使用した県民の日常生活を脅かすような暴力的な騒音は、拡声機そのものの高性能化と相まって、年々増加する傾向にあり、その規制や取り締まりを求める住民の要望も高まりを見せております。
 とりわけ、本年一月二十四日から二十七日までの間、和歌山市を中心に開催された全日本教職員組合による教育研究全国集会に際しては、昨年九月中旬ごろから同集会に反対する団体が多数の街頭宣伝車で来県し、これらによる街頭宣伝活動に伴い多数の県民がその騒音に悩まされ、この種の暴力的な騒音の規制や取り締まりを求める県民の要望が一段と強まってまいりました。
 このような暴力的な騒音に対し、警察としては現行法令を最大限に活用して鋭意取り締まってまいりましたが、県民の期待に沿うような有効、適切な対応ができないことから、県民の日常生活の平穏を維持するために本条例が必要であると考えたところであります。これが提案に至った理由であります。
 第二点目の、条例案第二条の適用除外について申し上げます。
 本条例は、拡声機による県民の日常生活を脅かすような暴力的な騒音から県民の日常生活の平穏を守るために制定をお願いしているものでございます。
 一方、拡声機は、言論、表現のための身近で重要な手段として広く活用されているものでございます。そこで、その重要性にかんがみ、本条例では、規制の対象となる行為を列挙するのではなく、まず第一条の目的で県民の日常生活を脅かすような拡声機の使用について必要な規制を行うことを明らかにした上で、第二条において規制の適用除外対象を、第三条で具体的に規制される基準の音量を規定するという条文構成となっております。本条例案の趣旨を明確にするためにこうした条文構成としたものであり、ご理解をいただきたいと思います。
 なお、第二条の適用除外については、選挙運動のように法律で規定されているもの、国または地方公共団体が業務として行うような公共性の極めて高いもの、人命にかかわる緊急性等公益性の高いもの、盆踊りや運動会のように地域社会の慣習として住民が納得をし地域に定着しているもの等を定めております。
 三点目の、本条例の規制の対象等について申し上げます。
 本条例は、あくまでも県民の日常生活を脅かすような拡声機の使用を規制するものであり、また、条例提案の契機となった理由などから、条例施行後の主たる対象も当然限られたものとなると考えられます。
 そこで、議員ご指摘の通常行われている市民運動、労働運動、政治活動に伴う拡声機による該当宣伝に対する本条例の適用についてでありますが、それが一般県民から理解を得ている常識的行為と考えられる限り、この条例の規制の対象とは考えておりません。このような考え方を明らかにするため、第七条において「この条例の適用に当たっては、表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」と明示しているところであり、この条文を尊重し、慎重な運用に配意してまいりたいと考えております。
 なお、従来から行われている労働運動、市民運動等に伴う拡声機の使用について、これまでに県民等からの苦情や取り締まりの要望等は受理いたしておりません。
 第四点目の、立入調査権について申し上げます。
 警察官の立ち入りは、あくまでも条例の目的を達成するために、拡声機による暴騒音を発している者に対して停止命令または勧告という行政上の警告や指導を適切に行うためのものであり、犯罪捜査のためではなく、行政権行使のためであります。一般に、憲法三十五条の住居の不可侵に関する規定は刑事手続に関するもので、行政上の目的を達成するための警告や指導のために行われる法令に基づく立ち入りまでも含むものではないと解されております。
 しかし、立ち入りは、これを受ける者にとっては権利または自由の制限ないし侵害となるおそれがあることから、本条例ではこの権限の行使を第四条の停止命令、第五条の勧告の権限を行使するのに必要な限度に制限をしております。また第六条第三項においては、第一項の規定による権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないことを確認的に規定をし、この運用の適正に努めることを明示しております。
 したがって、本条例の適用に当たっては国民の権利を侵害しないように十分留意し、適正な運用に配意してまいりますので、懸念されるようなことはないと考えております。
 第五点目の、現行法令での取り締まりの困難性について申し上げます。
 拡声機による暴騒音の取り締まりについては、刑法、軽犯罪法等の適用が考えられますが、刑法の脅迫罪、威力業務妨害罪、名誉棄損罪、侮辱罪等の構成要件に該当しない、あるいは犯罪構成要件に該当する可能性はあるが被害者の具体的な供述が得られないことが多く立証することが困難であるということ、あるいは軽犯罪法は、罰則が拘留または科料と非常に軽く、また住居氏名が明らかであり逃走のおそれがない場合には現行犯逮捕することができないという刑事訴訟法上の制約があり、一般的な抑止効果に極めて乏しいことに加え、犯罪構成要件の一つである迷惑性の立証についての具体的な供述が得られがたいということ、さらに公害防止条例は、事業活動に伴って発生する騒音を規制するものであり、条例制定の趣旨、目的が異なることから同条例を適用してのこの種の拡声機による暴騒音を取り締まることができないといったことなどから、県民の日常生活を脅かすような拡声機による暴騒音を抑止し取り締まる方法としては極めて不十分であり、県民のご期待に沿うような規制や取り締まりを有効に行うことが困難な現状にあります。
 なお、さきの教育研究全国集会では、県民の苦情や要望にこたえるため、連日多数の警察官を動員して騒音取り締まりに取り組み、軽犯罪法で二件を検挙いたしましたが、四カ月間もの期間をかけての結果でございますので、現行法令での有効な取り締まりがいかに困難か、ご理解いただけるものと考えております。
 最後に、第六点目の今回条例提案をした考え方について申し上げます。
 本条例は、日常生活を脅かすような暴力的な騒音から平穏な生活を守りたいという県民の声に真摯にこたえるということで、かねてから部内における研究、検討を重ね、また昨年十二月、県議会経済警察常任委員会において、同種条例を制定している県を見習って早急に研究、検討を進めるようにとのご提言をいただき、関係部局との協議、法律関係者等からの貴重なご意見も承って策定をし、今回、県議会のご審議と制定をお願いしたものでございます。
 以上でございます。よろしくご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) 教育問題についてお答えいたします。
 ご承知のように、我が国では教育の機会均等の保障、教育水準の維持向上という観点から学校教育が推進されてきたところであり、それが我が国の経済、文化、社会の発展のもとになり、世界各国から関心を集めてございます。
 教育委員会としては、これまで我が国の文教行政の果たしてきた役割と成果を踏まえるとともに、議員ご指摘の受験競争の過熱化による過度の学習塾通いなど、現在の教育が抱えているさまざまな課題を直視し、県民から信頼される学校教育を目指し、教育行政を進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、学校週五日制にかかわって教育課程の編成と学習指導要領との関係でございますが、段階的に月一回導入するにしても、学力の向上等にかかわって授業時数の確保など諸課題があり、それらを解決しながらできるだけ慎重に行っていく必要があると考えてございます。
 今後、本県においても平成四年度から実施を予定している調査研究協力校の結果や国の動向を踏まえ、教育課程の編成と学習指導要領との関係に係る問題点を検討するとともに、全国教育長協議会等において提起してまいりたいと考えてございます。
 また、学校週五日制と勤労者の週休二日制とがかかわりがあることは承知してございます。この点については、保護者の学校週五日制実施に係る不安を踏まえ、関係部局と協議しながら諸課題について検討を進めているところでありますが、今後、家庭、地域社会とともに適切な対応を進めることが大切であると考えてございます。
 次に、広く県民の意見を聞くことについてでありますが、現在、各界の代表者で構成している二十一世紀を創る人づくり推進協議会において、週五日制に係るアンケート調査の結果を中心にご協議をいただいてございまして、今後その協議内容を踏まえながら適切な対策に役立ててまいりたいと考えてございます。また、関係各団体等からも精力的にご意見を伺ってございまして、今後もこうした意見をいただきながら、新しい学校運営について幅広く理解が得られるよう努めてまいりたいと考えてございます。
 次に、学校図書館教育については、学校における教育活動全体の中に位置づけ、教職員が協力して児童生徒に対する読書指導及び学習の充実に一層寄与するよう指導しているところであります。
 小中学校の学校図書館にかかわる定数については、国が定める定数標準法の中で、一定規模以上の大規模校において、学校図書館の重要性とその事務量を考慮して学校図書館担当の事務職員を配置できるよう措置されております。本県においても、この趣旨にのっとり配置を進めているところでありますが、平成三年度は小学校では四校、中学校では五校の配置であり、今後とも定数の確保に努めてまいりたいと考えてございます。
 高等学校で任用している図書館職員については、教員免許状や定数とのかかわりから職名を実習助手(学校司書)としているところでございます。また、実習助手の給与については教育職一級を適用することと定めております。
 司書教諭の配置については、議員ご指摘のとおり、学校図書館法に特例の定めがあり、法の改定とかかわる点もございますが、県教育委員会としては、学校図書館専門職員の配置ができるよう国に対し要望を続けているところでございます。
 心の問題を持つ児童生徒の対応については、教職員のカウンセリング技術の向上を図り、学校が主体的にかかわっていくことが大切であると考えてございます。このため、県教育委員会ではスーパーバイズ方式により教育相談推進事業を行うとともに、すべての教職員を対象にしたカウンセリング技術の向上を図るため、各種の研修を行っているところでございます。さらに、各学校における現職教育を充実させるため、具体的な事例をもとに現在手引書を作成中でございます。
 とりわけ、児童生徒の心身の健康に直接関与する養護教員に対しては、ワークショップを中心とした四泊五日の宿泊研修を平成二年度から新たに実施するとともに、新規採用養護教員研修の中にも同様の講座を設け、その資質向上に努めているところでございます。
 なお、ご指摘の時期、回数等についてはできるだけ参加しやすいよう検討してまいりたいと存じますが、講師の確保や研修効果の関係上、現状で実施せざるを得ない面もございます。また、議員ご指摘の養護教員の配置については、第五次の改善計画に基づき、定数の確保について努力しているところでございますが、複数配置を行うことは定数法にもその定めがなく、困難な状況でございます。
 本県における単位制高等学校の設置の経緯についてでありますが、県高等学校定時制・通信制教育振興計画検討委員会からの建議や全国の状況等を踏まえ、昭和六十三年度から他県の単位制高校の状況を調査研究するとともに、関係の学校に対しても単位制高校について研究を行うよう指導してまいりました。
 その結果、定時制・通信制教育を活性化すること、自由で柔軟な教育課程によって生徒の特性に応じた教育を推進すること、また生涯学習を推進することなどを目的として、さらに本県の地理的条件や定時制高校の全県的適正配置を考慮し、設置を決定してきたところでございます。
 施設、設備についてでございますが、定時制教育の充実という観点から、毎年充実を図るべく努力をいたしているところでございます。今後も、その充実が図られるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。
 教員の配置については、設置の趣旨を踏まえ、配慮してまいりたいと考えてございます。南紀高校は学級減となってございますが、教員配置については学校長とも十分協議して措置してまいります。
 募集定員については、過去の入学生徒や地域の状況、中学校卒業者数の減少状況、全日制の募集定員状況等を総合的に検討し、決定してきたところでございます。
 定時制の志願者は、例えば県全体で平成元年度は六百二十二名であったのが、平成三年度では三百四名と大幅に減少している状況でございます。南紀高等学校については、高等学校入学者選抜検査の第一次の応募者数が平成元年度で十九名、平成二年度で二十八名、平成三年度で十七名であったことや、先ほど答弁申し上げたことを総合的に検討した結果、平成四年度の募集定員を決定したところでございます。
 最後に、衛生看護科、専攻科の分離独立については、県下の看護婦不足の状況や南紀高等学校の実態を勘案するとともに、看護及び福祉に係る教育の充実という観点を踏まえ、全県的な視野から、関係部局とともに将来の検討課題として総合的に研究してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 43番浜本 収君。
○浜本 収君 私が事前にファックスでページ数を打って差し上げました十九ページをお開き願いますと言うわけにはいかんけれども、南紀高校の募集定員にかかわる問題で、二回主事が来て、五十名だという話をした。しかし、そうではなかった。三十名になってしまった。そのことについて、一言もお答えがないようであります。
 教員たちが二十人ほど寄った中でその話が一斉に出され、そんなことを言ったというお話ばっかり聞きましたが、そうすると、教員たちがうそを言っているんやなと、こう私が解釈してもいいのか、それとも、その二度来られた方々がうそを言うたのか、百歩譲ったとしても、少なくともそう受け取られる発言をしておったのではないか、こういうことを思いますが、いま一度、その触れなかったことについて答弁を求めます。
 私は、先ほど山吹高校の例を申し上げましたが、定員に対して三倍の志願者が出る単位制高校であります。バイキングというのをご承知だと思います。白浜なんかでは、バイキングのセルフサービスで、はやる旅館というのはほとんど、というよりございませんね。それはなぜかというと、必ず毎日大量に人が来る大きなところでなかったら、バイキングははやらないんです。この単位制高校のやり方はバイキングです。田舎でははやらん。絶対に、はやらん。
 無学年──八年かかってもいい、三年で卒業してもいい、単位さえとったらいいんだという形の教育でありますが、田舎でははやらん。東京のど真ん中でははやる。ホテルでもそうであります。ホテル浦島ですか、あそこははやっています。バイキングをやっているのはあそこだけです。しかし、バイキングをやろうと思ったら、お客さんがたくさん来なければならないし、省力化、適正な人事、調理師さんやメードさんをたくさん置かなければならないなど、そうした設備が前提としてなされないとバイキングははやらない。これは少しよくない例ではありますけれども、私はどうもそんな感じがしてならない。
 やっぱり一人一人と血の通った、あるいは仲間との励まし合い、同級会がいつでも持てる、三年前に卒業した同級生が集まる、そういう形での教育の方が、私たちのような古い人間にはいいんじゃないかなと思える。八年かかってもいいんや、三年でもいいんや──生涯教育という観点からは、私は理解できます。私もいつか、県会をやめて南紀高校へ一つのことを習いに行きたいなというようなことも時々思ったりいたします。生涯教育という点から考えたらそうでありますけれども、これははやらないのではないかということを意見として申し上げ、最初のことにお答え願いたいと思います。
 商工労働部長、再質問を予想したかのような答弁ありがとうございました。質問に直接触れなかった答弁を一生懸命してくれたからであります。しかし、この種の答弁は、広い意味でその背景について述べることは大切ではないかなと考え方を改めまして、適切と判断いたします。
 答弁の中では、「ワッワァー、わかやま」というあのテレビスポットの事例も考えられてのことと思いますが、結構なことと思います。しかし、一方、「新和歌山ブルース」「和歌山のOBACHAN(おばあちゃん)」を扱った宣伝、残念ながら不評であったことも決して忘れないでほしいと思います。
 坂本冬美。名声が高くなればなるほど──二年前に申し上げましたのは、私はその将来を予想したから、恥ずかしかったけれどもあの壇上で申し上げたのであります。私の予想どおり、今に日本一になります。そうして、名声が高くなればなるほど、交渉する丸の方も高くなるということも忘れないでいてほしい。だから、先ほど「火傷かくご」で頼めとは言わないけれどもと言いましたが、さっさと「火傷かくご」で頼んでほしいということを切望いたします。
 県警本部長に再質問をいたします。
 三月七日の新聞によれば、県弁護士会の岡本浩会長さんを初め五十七名は三月六日、この暴騒音規制条例案について「基本的人権を侵害する可能性があり、慎重で十分な検討を望む」とする声明文を知事、本部長に送ったとあります。心配される諸点について、法律家から広く意見を聞き、必要性、合理性を検討するよう求めたものであります。
 答弁では、関係部局との協議、法律関係者らの貴重なご意見も承って、ただいま県議会に審議と判定を願っているというが、この県弁護士会五十七名を代表する会長さんからこのような慎重な検討が要望されていることとかかわって、この時点でそういった扱い方についてどう判断されようとしているのか、いま一度答弁を求めます。
 終わります。
○議長(山本 一君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 警察本部長中長昌一君。
 〔中長昌一君、登壇〕
○警察本部長(中長昌一君) お答え申し上げます。
 議員ご指摘のご意見のあることも私どもは十分承知いたしておりますし、真摯に受けとめております。
 そのご意見の多くは、常識の範囲を超えた県民の日常生活を脅かすような暴力的な騒音に対する規制や取り締まりは必要であるとした上で、本条例の運用に当たって表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害するおそれはないのかといったものでございます。
 先ほどもご答弁したとおり、本条例の適用に当たっては、本条例の目的を踏まえ、また第七条の「この条例の運用に当たっては、表現の自由その他の国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない」との条文を十分に尊重し、慎重な運用に配意してまいりますことを改めて明言し、ご懸念されるようなご心配はないことを明らかにしておきたいと存じます。
○議長(山本 一君) 教育長西川時千代君。
 〔西川時千代君、登壇〕
○教育長(西川時千代君) ご承知のとおり、南紀高校の平成四年度の定員は、単位制の設置を決定した直後、十月二十一日に発表を行っているところであります。したがって、八月三十一日、九月十日に指導主事が学校を訪問したときの発言は平成三年度の現状の二学級を基礎としたものであると受けとめてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 43番浜本 収君。
○浜本 収君 今の答弁は極めて不満を持ちます。
 あなた方のなにが二回来て──来年度の、今施行されようとしている単位制高校のことで来たのであります。そして、定員のことを心配しているから質問をしているわけです。そのときに、五十名と言っているんです。
 もう手続ができませんが、私は、議長を煩わせてその出席者をこの本会議場に招致したいと最初考えたわけであります。まさかそういう答弁が出るとは思わなかった。だから私は、「百歩譲ったとしても、少なくともそう受け取られる発言をしていたのではないか」と、トーンを落として助け舟を出しているんです。にもかかわらず今のような紋切り型の答弁は、承知まかりならん。今後改めて、何かの機会にその点を明確にしてまいりたいと思います。
 終わります。
○議長(山本 一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で浜本収君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○議長(山本 一君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後三時五十三分散会

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