平成3年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(村岡キミ子議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(山本 一君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 35番村岡キミ子君。
 〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 お許しをいただきましたので、通告に従い、質問をしてまいります。
 まず初めに、開発問題についてであります。
 私ども日本共産党は、ゴルフ場、リゾート開発に対してこれまで幾度かの質問の中で問題点を明らかにし、その問題点を指摘してまいりました。大企業主導によるもうけ本位の乱開発に反対する住民の闘いは、今、全国的にも激しく、しかも急速な広がりを見せているのであります。その結果、開発計画が一とんざし、見直しを迫られているところも少なくない今日、リゾート開発基本構想が国に承認された三十都道府県のうち主要施設が完成したのは、ゴルフ場二十三、達成率わずか一一%、スキー場三十九、達成率三四%、ホテルなど宿泊施設七十九でわずかに九%、マリーナに至っては八で七%という調査結果も出ているほどであります。ここで改めて、本県におけるゴルフ場開発等、根本的に見直しが求められているのではないでしょうか。
 国民の余暇活動の願いにこたえるリゾート促進をうたったこの法律は、中身としては徹頭徹尾、大企業による大企業のための利潤本位の開発であり、これを国家政策として推し進め、自治体や住民には多大な負担を負わせるものであります。と同時に、自然破壊、地価高騰、自治体の財政負担増大の危険性を繰り返し指摘してまいりましたが、私はこの場で、再度この点を強調しておきたいと思うのであります。
 ところで、本県は燦黒潮リゾートの目玉事業としてマリーナシティ建設が進められているところであります。総事業費八百億円、そのうち埋め立てを中心とする事業費が四百二十二億円の予算措置であります。しかし、今後、土取りや資材等の高騰による公共施設整備費用がかなり膨れ上がることが予想されます。
 そこで、総事業費は最終的にどのくらいになるのでしょうか、その中でも県負担金はどうなるのでありましょうか、伺いたいと思います。さらに、元請、下請を含め、マリーナシティ建設工事事業への地元企業の参加状況はどうなっておりますか。マリーナそのものの経営は県営になろうかと思うのですが、その場合、採算は十分とれるのでしょうか。土木部長にお答えいただきたいと思います。
 美しい海を埋め立て、山を根こそぎ切り開き、その地域が一変するほど大規模な開発であります。燦黒潮リゾート構想は、県民、ましてやその周辺地域住民に大きな利益をもたらすかどうか、私は大変危惧の念を持っているのであります。それは、何よりも民間大企業の事業が優先され、主導で、しかもそれがもうけ本位であるからです。ましてや、本県はいまだに開発に関する総量規制や環境アセスメントなどを盛り込まれた開発指導要綱すらつくられていない現状から見ましても、住民の暮らし、安全、自然環境を十分守れるとは到底思えないからです。
 ゴルフ場に関しましては、農薬使用に関する規制、農薬残留検査体制においては一定の前進を見る努力は認めるものでありますが、しかし住民の不安を解消し、安心できる条件づくりは、まだまだ十分ではありません。したがって、まずこうした問題を解決することに力を注ぐべきではないでしょうか。
 さて、県民あるいは多くの国民は、日ごろの仕事や緊張から解きほぐされ、大自然いっぱいのさわやかさの中で余暇を満喫したいと願っています。しかも、可能な限り安価な方法でこの願いをかなえるために、高級なホテルやマンションも結構でありますが、市町村営の公営宿泊施設や既存の国民宿舎、あるいは民宿等に対し、施設改善や修繕等に援助の方法を検討される意思がないかどうか、関係部長からお答えください。
 今、全国あちこちの自治体で、農村と都市の交流を図る、住民の自主性を発揮したリゾートづくりが生まれてきているのはご存じですが、これらは手づくりによるリゾート地の形成であります。どうでしょう。本県も企業に頼らない、住民の自主的な知恵と力を発揮していけるリゾート地を模索・探究する意思はお持ちでないでしょうか、企画部長にお伺いをいたします。
 次に、いつでも、どこでも安心して医療が受けられるようにということについて、幾つかの点で質問をしてまいりたいと思います。
 子供病院の設置の問題であります。
 医学の進歩は目ざましく、また社会環境の変化の影響で、今や病気も複雑さを増しており、原因不明の疾患も増大していると言われています。そのことは、大人と同様、子供たちへの影響も大であります。
 私は、近ごろよく若い母親たちから訴えられることがあります。転勤してこられる方々から、「和歌山はどうして子供の緊急時にすぐ診てもらえる病院がないの。転勤してきたときに非常に困った。何とか子供病院をつくってもらえないだろうか」。重度障害を抱えているお母さんからは、「いつ、何が起こるかわからないので、とても不安な毎日を過ごしています。ぜひこの子供たちが安心してかかれる病院をつくってほしい」などと訴えられてまいりました。
 私は、三年前、兵庫県立こども病院を見る機会を得ました。子ども病院は総合化されており、さまざまな疾患の子供たちが全国から治療のため来院しているとの説明を聞き、その様子も見てまいりました。発育盛りの幼い子供たちの精神的、肉体的発達を病魔で阻害する現状と母親たちの医療への期待を裏切らないためにも、ぜひとも本県に子供病院の設置をお願いしたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。
 次に、赤ちゃんの三人に一人と言われているアトピー性皮膚炎対策についてお伺いをしたいと思います。
 原因は明らかではありませんが、大気汚染、住環境、食生活の変化、ストレスといったものが複合してアレルギーを起こしているのでないかなどと言われております。現在、このアトピー性問題について、厚生省では研究班をつくり、原因究明とその治療方針の確立のため努力が払われているところです。症状は、赤ちゃんから保育園児、小・中学生、そして母親まで達しているのであります。顔、首、手、ひじ、ひざ、胸と、広い範囲にかゆみと真っ赤な発疹が伴い、ひどい症状であります。
 アトピーと診断された子を持つお母さんたちが和歌山市、海南市などの地域を中心として「アトピッ子の会」をつくっていらっしゃいます。この会は四十数名のお母さんたちでつくっているのですが、子供を初めとして母親自身もアトピーで悩んでいる実態の中から、除去食やみずからの経験交流を通して少しでも症状を軽くし治癒していくことを願い、一生懸命努力を続けていらっしゃいます。子供の中には、ひどい湿疹やかゆみで夜も眠られず睡眠不足、そして学習意欲さえなくなり、学校を休む日も多くなって、とうとう行かなくなった子供もたくさんいます。
 また、このアトピー性皮膚炎については、医療費も大変高く、日常生活の中でも原因と思われる食品を排除した除去食を食べなければなりません。幼稚園や小・中学校、高校へも母親がつくった除去食を持っていって小さくなって食べている現実があります。この除去食は非常に高額なものであります。一般のスーパーや店では販売していない野菜、調味料などを買い求めて大阪や静岡、京都までも行かなければなりません。最近、和歌山にも一軒ほどそうした店ができておりますが、なかなか思うような材料がそろいません。
 そこで、こうした原因と治療の確立されていないアトピー対策として、本県も特別の予算と体制をとって研究調査をするとか、高くつく医療費に助成や除去食を行っている保育園に特別な補助金を支給することも必要ではないかと思うのでありますが、お考えをお聞かせください。
 次に、二次・三次救急体制の拡充についてであります。
 本県は、医師会等の協力を得て、積極的な救急体制整備に努力をされていることは評価するものであります。しかし、紀北地域に集中しておりまして、紀南地域の体制をどう充実させ、確保していくかということが非常に大切になってきています。この点についてお伺いしたいと思います。
 次に、医学は目ざましく進歩してきておりますが、それを支える医師を初めとした看護婦、医療技術者、とりわけ理学療法士、作業療法士確保についてどのような計画をお持ちになっていらっしゃるのか、具体的にお示し願いたいと思います。
 医師の問題でありますが、数としては全国平均を上回っているものの、依然として紀南地域では医師確保に苦労されています。とりわけ古座病院、串本病院においては、関西医大、近畿大学といった県外からの医師の招請を得なければなりません。その着任期間も、医長クラスで長くて二年、一般医師に至っては二週間交代、しかも卒後間もない研修医といった状況もあるそうです。患者にとっては継続して診てもらえないなど、安心して診察を受けるどころか、逆に不安さえ感じていると訴えられています。交通の不便さなどの悪条件はありますが、経営者でもあるそれぞれの町長さんたちは、施設設備の改善など、最新式の医療機器を導入したりして懸命な努力が払われているのです。にもかかわらず、なかなか実現はいたしません。こうした努力が実るために県当局はどのようにされようと考えておられるのか、お答え願いたいと思います。
 医師以上に深刻なのは、二十四時間体制で患者の看護に携わる看護婦の不足問題であります。
 昨年秋のナース・ウエーブ、「看護婦をふやせ、夜勤を減らせ」の白衣スト・デモは広範な国民的共感を呼びました。高齢化と国民の健康破壊が進む中で看護婦不足は、単に看護婦の問題というだけではなくて、日本の医療の危機、国民の命と健康を守る上での重大な危機だという認識が広がっているためでもあります。その解決は一刻の猶予も許されない課題だということを私は強調したいと思います。
 厚生省は三月三十日、各都道府県に対し、現行の看護婦需給見通しを見直し、今後十年間の需給見通しを六月末までに提出するよう通知をいたしております。この通知では、看護婦需要を見込むに当たって、一つ目には九十三年度末までに週四十時間労働制を実現すること、二つ目には、夜勤は複数で、月平均八日以内とするなどを踏まえたものにするよう指示しております。この指示に沿って本県も見通し作業が終了しているのではないかと思うわけです。この指示された期日は六月ということですから、もしこの場で公表可能ならばお聞かせ願いたいのであります。
 看護婦不足対策については、議会でも採択をされている経過もございます。また、六月議会においても紀南地区への看護婦学校設置の請願も出され、本議会にも新たに請願書が出されているやに聞いております。県民の健康と命を守る立場からも、ぜひとも全員一致でこの請願が採択されることを心から望んでいます。
 何と申しましても、この対策では、国や自治体の責任における看護学校の新設と離職防止のための条件づくりが一番大事だと思うのです。そして、退職した看護婦に再就職を勧めるため、労働条件の抜本的改善、ナースバンクの拡充も必要です。さらに看護婦配置基準、現在の患者四人に対し看護婦一人という診療報酬体系の抜本的見直しを急ぐべきだと思います。こうした点について国や地方自治体が真剣に取り組むならば、すぐにでも不足を緩和する積極的措置がとれるのではないかと確信をするものです。
 ますます需要が求められる状況の中で、在宅福祉や訪問看護、そして中間施設、老人病院、特養施設の増加など、本県の熱意ある姿勢を伺いたいと思います。そして、需要度が高くなっているにもかかわらず依然としてふえ続けない理学療法士や作業療法士の確保についても、具体的にお答え願いたいのであります。
 高齢化社会を迎えた今、払いたくても高くて払えない国保料は、生命にかかわる社会問題となっています。低所得者を中心とした皆保険の国民健康保険は、社会保障制度として払える国保料に引き下げるべきと私は思うのであります。このため自殺するまでに追い込んだ国や自治体の責任は重大であります。県はこうした悲しい事態を生まないためにも各市町村を指導すべきと思うのでありますが、いかがでしょうか。
 本県は近畿各県に比べても国保加入者への支出金が最下位にあることからも、思い切った増額を求めるものです。意あるところの答弁を伺いたいと思います。
 戦前戦後の厳しい中、日本の、そして和歌山の復興のため頑張ってきたお年寄りの医者代ぐらいはせめて無料にしてほしいという願いは、多くのお年寄りを初めとした国民の声であろうかとも思います。
 折しも、九月十五日の老人の日を目前にした九月十四日、衆議院で老人医療の患者負担の値上げとともに物価スライド制を盛り込んだ修正案が可決をされ、参議院に移されて現在審議に入っているところです。多くの国民から、この修正案を可決した方々にも大きな批判が広がることは当然でしょう。修正されても今後永久に値上げが続くことには何ら変わりはないのですから、老人いじめのこの修正案を廃案にするために私ども日本共産党は国会内外で無料化を願う多くの国民とともに頑張る決意であります。
 無料化復活を直ちに国に要請すること、そしてあわせて、今お年寄りたちの大きな願いでもある、老化現象の一つである白内障治療法に大変大きな効果を発揮している眼内レンズについて、健康保険が適用されるよう国に要請を願うものですが、ご所見を伺いたいと思います。
 眼内レンズは、ご存じのように大変高額で、片目十万円から二十万円にもなります。今、保険適用されるまで地方自治体が助成を実施したり、あるいは計画を表明している自治体は二県四十七市区町村で、さらに全国的に広がりを示そうとしています。本県においても助成金を検討される考えがないかどうか、お聞かせください。
 次に、三大成人病死亡率ワースト一、二位をこの数年間続けている本県の改善対策については一定の努力がなされているところでありますが、かねてからの懸案であった県総合保健センターの建設見通しはどうなっているのでしょうか。その経過を含めてお聞かせください。
 続いて、老後を安心して豊かに暮らすための諸施策の幾つかの点についてお尋ねをいたします。
 「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする」──一九六四年に制定をされた老人福祉法の基本的理念は、このように定めているのであります。ところが、果たしてこの間、高齢者を温かく、しかも安心して暮らせる条件を国や自治体は進めてきたでしょうか。ノーです。当然、見解の相違はあるものと思われますが、臨調行革の中で一九八三年に老人保健法が施行されて以来、医療費の有料化と、同時に差別医療がまかり通り、老いを憎とし、長寿を悪とする政治風潮が政府・自民党主導によってはびこらされてまいったと私は思います。それは、今、自民党総裁に立候補しようかと息巻いておられる自民党幹部のかつての暴言が立証しています。「老人福祉にお金を使うのは枯れ木に水をやるようなものだ。働けなくなったら死んでもらう方が大蔵省は大変助かるのだが」と。何という暴言でしょうか。
 先ほども申しましたが、今のお年寄りたちは、敗戦の荒れ地から田畑を起こし、村や町を整え、あらゆる産業、企業を立て直し、働き抜き、より豊かで平和な世の中を願って生きてきた方々です。こうしたお年寄りたちの働きがあってこそ、現在になりました。政府・自民党が率先してお年寄りいじめの政治を推し進め、そして高齢者社会がやってくると、さも恐ろしげな社会が迫ってくるかのような宣伝を盛んとしていらっしゃいます。その結果、病院への入院拒否や強制退院、働きたい高齢者には公的な就労が保障されず、働かないと食べていけない高齢労働者を失業対策事業から追い出し、月額三万円前後の年金ではとても生活はできないのに、さらに消費税が寿命を削り取っているのではないでしょうか。さらには、老健法改悪による永久的な医者代の値上げです。一年三百六十五日、敬老の日であってほしいという思いに背を向ける政府に激しい怒りと憤りを感じずにはおれないのは私一人ではないと思うのです。
 人生八十年時代、年はとりたくないなと、つくづく思うのです。子供や孫への遺産として安心できる老後保障と核兵器のない平和を今を生きる私たちが責任を持ってつくり上げるため、大いに努力しようではありませんか。
 さて、政府は九○年度予算案の目玉として、平成十一年度までに在宅福祉三本柱のホームヘルパー事業、デイケア、ショートステイの拡充、そして寝たきり老人ゼロ作戦の展開として、施設の緊急整備などを目標とする高齢者保健福祉推進十か年戦略を打ち立てました。国の方針に基づき、本県においても平成五年度までには市町村の具体的目標が示されるような指導が進められていると聞いています。この事業はいずれも在宅を基準としているわけですから、子供たちの保育園のように毎日通える介護施設、すなわちデイ・サービスを併設した託老所や憩いの家があれば、お年寄りにとっても社会や地域とのつながりができ、生きがいも生まれてきます。そして家族も、仕事と介護を両立させることが可能となります。また、自立を支える補助器具にしても数量をふやし、補助器具のリース料負担に助成制度を設けたり、調整や修理を行う補助器具センターを設置することも必要ではないかと思います。
 居宅での事故死や転倒などの事故もふえてまいりました。段差をなくすための住宅改造への助成等も必要です。そして、在宅で受けられる医療・看護はヘルパーによる介護とともに在宅福祉の車の両輪であるということは非常に重要であり、看護婦、保健婦だけでなく、理学療法士も加え、医師と一体となってチームを組んでの在宅医療、すなわち福祉と医療をつなぐケースワーカーの配置も必要であります。同時に、医療機関とのバックアップ体制も緊急な課題ではないでしょうか。
 「在宅介護は家族で」ということで介護のために退職を余儀なくされるケースも多く、看護・介護休暇も新設したり、介護者の介護を社会的に労働評価して介護手当も新設するなど、また住みなれた町に住み続けたいというお年寄りの当然の願いとして老人向け公営住宅の建設とその確保、低所得高齢者には住宅手当制度もぜひとも検討をしていただきたいと思うのであります。
 ゴールドプラン三事業は、いつでも必要なときにできる限り近くで、車いすや歩いてでも通える施設設置をと願うものです。献身的に介護していただくホームペルパーの増員は家族やお年寄りにとっては女神にも見えるほど感謝され、在宅福祉のかなめでもあります。また、ヘルパーはお年寄りの尊厳を守る、専門性を持っている仕事でもあります。笑顔で安心して仕事に打ち込めるよう身分保障や労働条件を改善し、研修によって専門性を研磨するなど、内容を充実させなければなりません。自民党の十か年戦略には、訪問看護や地域医療充実の計画が全く抜け落ちていることは指摘しておかなければなりません。
 最後に、女性問題についてお尋ねをいたします。
 今や、国内外を問わず、あらゆる職業、あらゆる分野への女性の進出には実に目ざましいものがあります。とりわけ、平和、環境、消費生活等にかかわる問題では、生活実感を通して草の根運動を展開しております。しかも、この運動の範囲は想像をはるかに超えた広がりを持ち、女性パワーを発揮しているのであります。また日本の労働力においても、労働形態はどうあれ、大きな比重を占めるに至っており、女性の社会参加も著しいものがあります。しかし一方、労働に対する評価や条件整備は、賃金を初めとして劣悪なままであります。中でも、年々増加を続けるパート労働者は、正規職員と労働時間で変わらない、フルタイマーとして働くことも多くあります。
 パートで働く女性の四人に一人がパート歴十年以上、そしてフルタイマーで働く三人に一人が十年から二十年以上の経験を持っているという調査結果があります。これは、せんだっての総理府の実態調査に報告されています。この調査対象の中では従業員五人以上となっていますが、五人以下を細かに調査するならば、実質的にはもっとふえていることになりましょう。
 男女雇用機会均等法施行後、子供を生むための産前産後休暇の延長が改善されたものの、深夜労働、時間外労働などの制限が緩和されるなど、まだまだ女性が生き生きと安心して働き続けるには困難な問題が山積していると言わなければなりません。かけ声だけの女性の地位向上、社会参加にしないで、実効ある具体的政策を急がなければなりません。本県においてもさまざまな取り組みに努力されているところでございますが、以下の三点についてお尋ねを申し上げます。
 私は、以前も申し上げましたが、男女雇用機会均等法施行によって女性が働き続ける上での環境、条件整備づくりを初めとした諸問題を専門的に考え、政策、立案、計画等をも対応可能な女性問題対策室を県庁内に設置をされたらいかがかと提案するものです。あわせて、女性センターの建設の必要性を強く求めたいと思います。その経過についてもお答えください。
 二年前から保育所における延長保育の実施のための補助金を新設していただき、働く女性にとっては大変ありがたいのでありますが、勤務条件の性格上、やむを得ずして無認可保育所に預けざるを得ない現状があります。こうした保育所に対して、この補助金の対象に入れていただき、同時に補助金額をふやしてこそ女性の働き続ける一助になるものです。そのおつもりはないか、民生部長に答弁をお願いいたします。
 以上で、第一回の質問を終わります。
 〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) 13番町田 亘君。
○町田 亘君 ただいまの村岡議員の発言の中で不正確な箇所がありますから、議長において精査をした上で適切な処置をしていただきたい、このことをお願いいたします。
○議長(山本 一君) 議事進行でありましたから、ただいまの件につきましては、答弁を終わった後に私の方で精査したいと思います。
 〔「関連」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) 38番。
○和田正人君 不穏当な発言を前提にして答弁をされると余計混乱するんではないかと思います。したがって、直ちに議事録を精査してもらった方がいいのではないか。
 事の真意はともかくとして、「働けなくなったら死んでもらった方が大蔵省は助かる」というふうに発言をした総理大臣候補がおると。当時、大蔵大臣であったように思いますが、そういう意味合いのことが言われました。そういうことが、事の事実を含め、この議場で発言をされ、あたかも事実であるかのような印象を与えた上で答弁がされるということになっては余計混乱すると思いますので、直ちに精査をしてもらいたいと思います。
○議長(山本 一君) ただいま、お二人からの動議がありましたが、動議に対してご賛成の方。
 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) 動議に対する賛成者が多数ありますので、一度休憩いたしまして精査いたしたいと思います。よろしゅうございますか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) それでは、暫時休憩いたします。
 午前十一時四十分休憩
 ──────────────────
 午後四時三十二分再開
○議長(山本 一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(山本 一君) この際、申し上げます。
 午前中の村岡キミ子君の一般質問の中の発言の取り扱いについては、本人からの申し出がありましたので、これを議長において善処することといたしたいと存じます。これにご異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本 一君) ご異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
○議長(山本 一君) それでは、休憩前の議事を続行いたします。
 村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) 開発問題についてお答えいたします。
 まず、マリーナシティ建設事業費の県負担についてでございますが、マリーナシティの基盤整備における事業費は約四百二十二億円の計画となっており、このうち港湾関連事業に係る県費は約七十八億円であります。
 なお、土木事業では、一般に実施段階で事業費の変動があり、各施設の実施設計等がなされた時点で最終的な事業費の増加も見込まれます。
 二番目のマリーナシティ建設工事に参加する地元企業の状況でありますが、現在、国、県合わせて発注件数は百五十三件であり、このうち県内企業の受注は九十件で、約五九%となっております。なお、下請につきましては、その多くは県内企業となっております。
 三番目のマリーナ施設の運営と採算についてでございますが、マリーナそのものの具体的な内容、管理運営方法等については、現在検討いたしているところであります。
 なお、採算性につきましては、一般にはボート等の保管のみでは採算がとれないと言われており、他の事業分野もあわせ考慮する必要があるものと考えております。
 次に、老後を安心して豊かに暮らすために老人向け公営住宅の確保をということでございますが、高齢化社会に対応した公営住宅の必要性については十分認識しているところであります。県といたしましては、老人が安心して住める公営住宅の積極的な確保に向けて、長寿社会建築物設計指針を策定して市町村等関係者に示したところでございます。
 なお、県営住宅につきましては、利便性の高い市街地にある老朽住宅を建てかえることにより老人向け住宅の確保に努めてまいりたいと考えています。
 現在、和歌山市内の雄湊団地と川永団地の一部建てかえ計画を策定中であり、入居者への説明を行い、早期に着手したいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 既存の公営国民宿舎の施設改善に関する援助についてでございます。
 公営の国民宿舎は、自然の景勝地等の休養適地において、国民に低廉で快適な保健の休養の場を提供する目的をもって整備され、本県では八施設が運営されているところでございます。平成二年度においては、家族客を中心に約二十六万人の宿泊等に利用されております。
 公営国民宿舎の増改築等の整備につきましては、国民年金の積立金還元融資の制度があり、その融資率は基準事業費の一〇〇%、融資限度額は、市町村の人口に応じて異なりますけれども、十五万人未満にあっては二十七億円となっております。また、貸し付けの利率は年六・七%、償還期限は三年据え置きの二十年償還となってございます。
 なお、公営国民宿舎の施設改善につきましては、今後とも融資制度の積極的な活用が図られるように関係市町村を指導するとともに、国に融資申請がなされたときには採択されるように積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) リゾート問題についてお答えを申し上げます。
 燦黒潮リゾート構想につきましては、それぞれの地域の特性を生かしたコンセプトを設定し、地元市町村と連携しながら地場産品の活用や地域文化との交流などを図ることにより、個性あるリゾート地の創出に努めているところでございます。
 また、従来より県内各市町村でもスポーツ・レクリエーション施設などを積極的に整備し、国民の余暇活動の場の提供と地域振興を図っているところでございます。
 県では、こうした取り組みと連携をして、昨年度は内陸部のかつらぎ町及び中辺路町、大塔村において地元市町村と共同で、地元の意向を十分取り入れた、個性的で、地域にふさわしいリゾート計画を策定し、その実現化を目指しているところでございます。
 今後とも、このような地域に根差したリゾート整備を進めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 保健環境部長遠藤 明君。
 〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) 子供病院の設置についてでございます。
 小児期に発生する白血病、小児がん等の疾病や救急疾患の取り扱い、また適切な診断・治療を行うことは非常に重要であると認識しております。本県では、現在、県立医大その他、小児科を標榜している病院で対応していただいているところであり、また県としても、本年度においてNICUなどの施設整備に補助を行うことといたしてございます。
 今後とも、これらの医療機関と十分連携を図りながら、小児の医療体制の整備に努めてまいりたいと考えてございます。
 次にアトピー対策についてでございますが、アトピー性皮膚炎は、議員お話しのように、現在国においてその診断基準や疾患の予防・治療方法等について研究検討がなされているところでございます。県といたしましても、この研究成果を積極的に活用して啓発普及に努めてまいります。
 また、医療費等の助成につきましては、診断基準が未確定である現状では困難であると考えております。
 紀南地域の二次・三次救急医療体制の整備についてでございます。
 現在、二次救急医療体制である病院群輪番制の未整備地区の解消を図るべく努力をしているところであり、今年度中にも新宮地方で整備できるよう関係機関と協議を進めております。
 また、高次救急医療体制の確保が課題となっており、現在、ヘリコプターの活用により高次医療機関への搬送を行って対応しているところでございますが、来年度、田辺市に開院予定の国立新病院において高次救急医療施設としての機能が整備されることになっており、期待をしているところでございます。
 今後とも、関係機関等の協力体制のもと、高次救急医療体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、医師及び看護婦等の医療従事者の確保についてでございます。
 まず、医師の確保についてでございますが、議員ご指摘のとおり、本県の医師数は全体では全国平均を上回っておりますが、地域偏在の解消が大きな課題となってございます。こうした状況下において、自治医科大学卒業生の派遣を行うなど、その確保に努めているところでございますが、地域偏在等の問題については県立医科大学とも協議してまいりたいと考えております。
 次に看護職員でございますが、県立高等看護学院や県内養成施設の定数増を初め、本年四月には和歌山看護専門学校の設置を図るなど養成力の強化に努めるとともに、就業対策として、就学資金制度やナースバンクの充実等、各種の事業にも積極的に取り組んでいるところで、この十年間において就業幹部職員数は二千四百六十六名の増加となっており、平成二年末で七千百七名の看護職員が就業いたしております。
 今後、ゴールドプランの推進や労働条件の改善等による新たな需要もあり、現在、看護職員需給見通しについて見直しており、厚生省との調整作業を行っておりますので、それが終わり次第、お示しをしたいと考えております。
 続きまして、医療技術者、とりわけ理学療法士、作業療法士の確保についてでございますが、近年、理学療法士、作業療法士を取り巻く諸状況が大きく変化し、本年八月に国の需給計画の見直しが行われたところでございます。
 本県における就業者数は、平成二年十月現在、理学療法士百四十五名、作業療法士十八名となっておりますが、今後、さらに需要が増加することが予測され、その確保に努めているところで、本年度から就学資金制度の充実を図り、民間医療施設に勤務しようとする者に対してもその対象としたところでございます。
 今後とも、この制度の充実を図るとともに、理学療法士等の確保に一層努めてまいりたいと考えております。
 老人医療の無料化についてでございます。
 老人医療費の一部負担につきましては、医療費を国民が公平に負担するという考え方の中で、老人の方にも無理のない範囲で一部の負担をお願いする等の趣旨で導入されているものでございます。本県といたしましても、「自分の健康は自分で守る」という考え方のもとで、必要な受診を抑制しない範囲内で老人に負担をお願いすることが必要であると認識しているところでございます。
 仮称「和歌山県総合保健センター」の設置についてでございます。
 疾病の早期発見、早期治療は県民の健康対策として重要であると認識しております。市町村が行う老人保健事業などを支援する組織として仮称「和歌山県民総合保健センター」を設置するため、平成二年九月、和歌山県検診中核施設検討委員会を発足させ、基本構想について検討いただいており、近く成案が得られる予定であります。
 建設の時期につきましては、現在、日本国有鉄道清算事業団との調整が残されていますので、これらの整理がつき次第、明らかにいたしたいと存じます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) 民生部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) 村岡議員の質問は十項目にわたりますので、少々お時間をいただきたいと思います。
 眼内レンズに対する保険適用と助成金についてお答えいたします。
 白内障の患者に対する人工水晶体手術の保険適用についてでございますが、この手術は近年行われるようになってきたものであり、これと同様の機能を有するものとして眼鏡やコンタクトレンズの装着があるということで、現在のところ保険給付の対象となっていないものであります。
 保険適用の取り扱いについては国において現在検討されているところでありますが、その適用について、国に対して要望してまいりたいと存じております。
 なお、保険適用されない間の助成金の支給につきましては、国における検討の推移を見守ってまいりたいと考えており、現時点では助成金の支給は困難でございます。
 次に、国保料の値下げ指導と県支出金の増額でございます。
 国民健康保険制度の維持運営のために、国においては老人保健制度の創設を初め、一連の制度上の整備を行ってまいりましたが、年々医療費は増加する傾向を示しております。その結果、保険料も必然的に上昇しているのでありますが、保険者の保険料水準は、各保険者がみずからの保険財政を見定めて決定するものであります。したがいまして、安易に保険料を引き下げるということは適当でないので慎重にする必要があると考えますが、今後とも積極的な指導をしてまいりたいと考えてございます。
 また、県といたしましては、国保財政に係る国庫負担金の増額を繰り返し要望しつつ、被保険者の負担軽減のための助成を行ってきたところであります。地方単独福祉医療事業の実施に伴う波及分、保険料軽減に対する補てん、あるいは国保連合会が行う高額医療費共同事業に対する補てんなど、これらを含めた県支出金は国保財政の援助に大きく寄与し、全国平均を上回っているところでございます。
 次に、寝たきり老人をつくらないための具体策についてお答えいたします。
 元気なお年寄りが住みなれた地域社会の中で憩え、交流する場として、従来から県下の市町村に老人憩いの家を八十一カ所整備してきたほか、デイ・サービスセンターや在宅介護支援センターなどを順次整備してきており、これらの施設が福祉の拠点となり、開かれた施設として地域のお年寄りの交流や触れ合いの場となるよう、今後とも計画的に施設の整備を図ってまいりたいと考えております。
 寝たきり老人等に対する住宅手当の支給についてお答えをいたします。
 県といたしましては、ひとり暮らしや身体の不自由なお年寄りが安心して毎日生活できる場を提供することが急務であると考えており、ケアハウス、高齢者生活福祉センターなどの整備を積極的に進めているところでございます。したがいまして、現時点では住宅手当の支給については困難であると考えてございます。
 次に、マンパワーの確保についてお答えいたします。
 在宅福祉サービスの一層の充実を図るためには、ホームヘルパーなどのマンパワーの確保が重要な課題でございます。そのためには給与、身分保障等の処遇改善が特に重要と認識しており、先般、知事みずから国に対し、在宅福祉サービスのマンパワー処遇改善について強く要望を行ってきたところでございます。
 厚生省は、これらの事情を十分理解され、特にホームヘルパーの手当額の大幅引き上げとともに、退職手当共済制度の適用等の身分保障などを盛り込んだ来年度予算要求をしていただいたところでございます。この要求が実現されるよう、引き続き最大限の努力をしてまいる所存でございます。
 今後とも、これらの処遇改善とあわせ、ホームヘルパーの働きがいのある職場環境づくりを積極的に進め、マンパワーの確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、ゴールドプランの三事業の具体化についてお答えをいたします。
 ゴールドプランの三事業につきましては、本県の独自性をも勘案した和歌山版「わかやま二〇〇一喜の国長寿保健福祉プラン」を策定したところであります。その中で、在宅三事業についての平成十一年度までの具体的な目標値を掲げてございます。
 今後、各市町村においては老人保健福祉計画を策定していく中で要援護老人などの実態調査やニーズの把握を行い、具体的な福祉サービスの進め方を検討していくことになりますが、県としてもその目標が達成されるよう、十分な支援体制をしいてまいりたいと考えております。
 在宅介護手当についてお答えいたします。
 在宅で寝たきりのお年寄りなどを介護している家族の精神的、肉体的負担が非常に大きく、その負担を軽減するためホームヘルパーの派遣、ショートステイ事業、デイ・サービス事業、紙おむつその他の日用介護用具の支給など、種々の福祉サービスの推進に努めているところでございます。
 今後とも、金銭給付ではなく、むしろ身近で適切に受けられる在宅福祉サービスの拡充に努めてまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、老人の方々には、人生の先輩として敬愛し尊敬し、そして安心して幸せな老後の生活を過ごしていただくことこそ、今、行政はもちろん、すべての国民に課せられた使命であると認識いたしてございます。
 本県におきましても、高齢者対策を今日の最重要課題として積極的に取り組んでまいりました。例えば、特別養護老人ホームは全国のトップ水準で整備が進んでおりますし、生きがい対策を推進するため、いきいき長寿社会センターも全国の第一号として設置いたしました。また、福祉サービスを気軽に受けられるように総合利用券方式を全国に先駆けて導入し、全国の自治体のモデルとなってございます。
 このように、高齢者対策を初め、福祉施策の積極的な展開に努めてきた結果、平成三年度予算に占める民生費の割合は全国十一位、県民一人当たりの民生費は全国十位、近畿ではトップの水準となってございます。
 今後とも、福祉和歌山の実現に向けて、なお一層の福祉施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
 女性問題対策室の設置と女性センターの建設についてお答えをいたします。
 女性問題対策室の新設でありますが、昨年もご意見をいただき、検討をしているところでございます。今後も引き続き、より効果的な体制づくりについて十分検討してまいりたいと考えております。
 また女性センターにつきましては、きのう知事よりご答弁申し上げましたように、女性の活動の拠点として、交流、学習、相談、情報機能を備えた施設にしたいと考えてございます。
 最後に、長時間・延長保育の補助金の増額・拡充等、無認可保育所への補助金制度の導入でございます。
 女性就労の増大、就労形態の多様化などの社会経済状況の変化に伴って多様化する保育ニーズにこたえるため、平成元年度より長時間・延長保育を推進し、年々保育内容の充実に努めているところであり、現時点では認可保育所で対応できるのではということでございますので、ご理解をいただきたいと思います。
 また、公立保育所での長時間・延長保育については十時間以内で対応しているところでありますが、今後とも関係市町村に対し、長時間保育等について地域の実情に応じた指導をするとともに、補助金の増額も含め、長時間保育等の特別保育対策のより一層の充実を図り、保育環境の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(山本 一君) この際、本日の会議時間は、議事の都合により、あらかじめこれを延長いたします。
○議長(山本 一君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 35番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 きょうは大変欲張った質問をいたしましたので、答弁そのものも大変時間をいただきました。
 簡単に再質問をさしていただきたいと思います。
 アトピー対策の問題です。今、双方が一致を見ているのは、まだ診断あるいは治療の確立がされていないという点で、厚生省が現在その検討に入っているということでありますので、近くその結果が出るであろうと思うわけです。しかし、これを待っていて、その後、行政側が何をするということではだめであります。
 今もう、アトピー性皮膚炎になっている子供たち、小学生、中学生を含め、母親は大変な努力をしていらっしゃいます。ゆうべ、あるお母さんに会いに行きましたら、二人目の子供を生んだ後にひどい状態になってきたということで、顔が真っ赤にはれて、しゃべるのも大変苦労をしていらっしゃいました。また、そのお子さんも同様に大変な症状が出ていました。これらの症状からして、行政として、いわば特定疾患に認定するような状態にあるのではないかと思うわけです。けれども、まだまだ副腎皮質ホルモンといったものでずっと治療をしていらっしゃったり、除去食──食べたら湿疹が出るというようなものを食べないように努力をしながら食生活を過ごしていらっしゃる。そして、医療費そのものも大変高いと聞いております。それから、自然食品を食べられますので、私たちが食べてみたら何の味気もない、これが本当に食事かなというような食事をしなければならないという状態の中で、一家の皆さんたちも全員そのような食事をしていらっしゃる。こういった特定疾患に値するようなものに対して研究機関を設け、原因究明をみずからもするということが必要ではないかと思います。厚生省の問題もありましょうけれども、ぜひ自主的に大学等に依頼をしてその究明に努力をしていただきたいなと要望しておきます。
 もう一つは、実態調査。これは基準がわからないから調べようがないではないかということもあろうかと思いますけれども、医者にかかって治療している保育園や小学校へ通う子供たちの母親は先生や保母さんたちに、「済みませんが、うちの子はアトピーなのでこれとこれの食事はやめてください」という申し入れをしていると思うんです。高知県では、県の保健環境部が直接携わって実態調査をしています。こういった経験というものも、皆さんのご苦労にこたえるためにもぜひやっていただきたいと思います。
 それから、看護婦確保の問題ですけれども、私たち県民の健康と命を守るという立場から、どうしても実現をしていただきたいと思います。
 医務課の方で、いわゆる病院と言われているところの調査をしていただいたのですけれども、離職者と入職者の実態を見てみると、就職した人よりも退職者の方がはるかに多いという結果が出ています。この退職していく人たちの足をいかにとめるかということが大きな課題であろうかと思います。そして、看護婦学校の増設がどうしても必要だと思います。これをぜひ具体的に、もっと細かな形でどう進めていくのかということも検討を加える必要があるのではないかと思います。
 とにかく紀南地域と紀北地域というのは、医師の格差の問題もありますけれども、地域偏差が大きいですし、南の方は准看が非常に多いという実態になっています。そういった中で、看護体制を整えていく上ではぜひとも南の方と紀北筋の方に進学コースをつくる準備も必要ではないかと思います。
 介護手当の問題ですけれども、今、お年寄りの皆さんたちを高齢者の方々が自宅介護をしていらっしゃる。ここに一つだけ紹介をしておきますが、百十一歳という、全国で第四位の高齢者である和歌山県の大平ひでさんが肺炎を患い、八十歳のおじいちゃんが看病していらっしゃったという事態が起こっていますから、お年寄りの在宅介護についてももっと調査をするなりして真剣に取り組んでいただきたいとお願いをしておきます。
○議長(山本 一君) 発言時間が終了いたしました。
 以上で、村岡キミ子君の質問が終了いたしました。

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