平成3年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(野見山 海議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時四分再開
○副議長(平越孝哉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(平越孝哉君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 41番野見山 海君。
 〔野見山 海君、登壇〕(拍手)
○野見山 海君 本日の最後の一般質問をさせていただきます。ちょうど昼時間でおなかがいっぱいになった後、一眠りしたい時期だと思いますけれども、一時間ほどお許し願いたいと思います。
 きょうは、私の大先輩である田中元県会議員もお見えになっておりますし、先輩の前で質問するのは非常に照れくさい面もございますけれども、大先輩の顔をつぶさないように質問してまいりたいと思います。
 このたびの統一地方選挙において、田辺市選挙区から、私の大先輩である田中県会議員の後を受けて、厳しい情勢でございましたけれども、市民の皆さん方の温かいご支援を得て当選の栄を与えていただきました。
 振り返ってみますと、今は亡き辻原代議士を初めとして、大島弘代議士、亡き竹中節、今回勇退された田中実三郎両県議の政治活動のお手伝いをさせていただく中で、私も政治を志すことになりました。今はバッジの重みをひしひしと感じているところでございます。先輩議員を初め行政関係者の皆さん方のご指導とご鞭撻をいただいて、微力ではございますけれども県勢発展のために精いっぱい努力をしてまいりたいと思いますので、どうか今後ともお願いをいたします。
 当選後、議会先輩各位の議事録を拝見したとき、諸先輩議員が県政全般について調査研究をされていることに感銘をいたしました。私は、初質問ということでお聞き苦しい点もあろうかと思いますが、お許しを願いたいと思います。
 第一点の高齢化社会への県行政の対応については、各先輩議員の皆さんが何回か質問されております。重複する点もございましょうけれども、お許しを願いたいと思います。
 急速に進む高齢化の中で、老人に対する福祉施策も大きく転換することを求められております。政府は、高齢化社会に対応するための福祉事業を実施するために消費税を導入し、一九八八年に福祉ビジョンを策定し、さらには一九八九年十二月に高齢者保健福祉推進十か年戦略を策定、そして一九九○年四月に老人福祉法など関係八法案を改正して、在宅者福祉サービス、施設福祉サービスの推進を図ろうとしております。この中では、これら諸施策の市町村への一元化、老人保健福祉施策の義務化等で総事業費六兆円と言われる巨額の投資、また民間の創意工夫を生かしながら、きめ細かく在宅福祉を推進するために七百億円の基金を設けることになっております。こうして、政府がようやく高齢化社会の対応に一歩を踏み出したことは一定の評価をするところでございます。しかしながら、地方自治体にとってはこれら一連の事業実施には多くの課題が出てこようかと思います。
 老人福祉法が適用される六十五歳以上の人口の推移を県発行の長寿社会総合対策指針で見ますと、人生五十年時代と言われたころの昭和五年が三百六万人、戦後の昭和二十五年が四百十六万人、昭和四十五年には七百三十九万人となり、平成二年では一千四百八十二万人になると推定されております。それぞれ二十年間における高齢者人口の増加は、昭和五年から二十五年は百十万人、二十五年から四十五年は三百二十三万人、その後、平成二年までは七百四十三万人と、驚異的にふえ続けております。主要先進国の高齢化速度を見てみますと、高齢化率が七%から一四%に達するには、フランスは百三十年、スウェーデンは八十五年、アメリカは七十年、イギリス、ドイツが四十五年かかっているのに対して我が国の場合は二十五年であり、いかに急速であるかがわかると思います。
 一方、県内の高齢化の推移を市町村別に見ますと、北山村が最も高くて三○・五%、古座川町、美里町、熊野川町、美山村、本宮町の順で二五%を超えています。また高齢化率の低い方から見ますと、最も若い岩出町が九・五%、和歌山市が一一・八%、貴志川町、上富田町、橋本市が一二%であり、一五%未満では田辺市、有田市、打田町、御坊市の順であり、過疎地域では人口減少と高齢化が同時に進行していると言えます。これら高齢化の要因としては、一般的には出生率の低下、死亡率の低下による平均寿命の延びが挙げられているが、若年層の県外流出も大きな要因と言われております。また本県全体で見てみますと、平成二年四月の六十五歳以上の人口は十六万二千九百八十六人で総人口に占める割合は一五%となり、国全体の一二%をはるかに超えており、本県の高齢化は十年先行していると言われております。高齢者の皆さんが安心して潤いのある生活ができるよう、地域環境を整備し、長年の経験を生かし、文化、スポーツ、レクリエーション活動のあらゆる機会を通じて社会参加ができるような地域社会の特性を十分生かした町づくりが必要かと思います。
 東牟婁郡のある町村のホームヘルパーさんのお話ですが、その町村には「常時寝たきりの老人は一人もおりません。老人ホームの入所者も少ないのです」ということです。これはなぜかと言うと、第一の理由は、過疎化が進んでいるため自分の体は自分で守らなければならないという意識が強いこと、第二は、自分のペースに合わせて生活を営む、時には農作業をし、時には酒を飲み、カラオケを歌うというように、自分の生活の中に喜びを感じ、生きることの本当の価値、楽しみを見つけている点を挙げてくれました。これからの老人福祉、老人医療の目指すべき方向はここにあると思い、楽しみのある生活を営むための手助けをすることが老人の健康と福祉を守る施策であると聞きました。これが、本当の地域の特性に合った福祉の対応策ではなかろうかと痛感をしたところでございます。
 このように、全国より十年早い高齢化が進む本県において、高齢者保健福祉推進十か年戦略の計画が長寿社会総合対策指針をもとに進められていますが、今、特に急がれている在宅福祉対策と施設の整備を中心とした老人福祉全般にわたる基本計画についてお伺いいたします。
 次に、ホームヘルパーの処遇についてお尋ねいたします。
 ホームヘルパーの管理主体は市町村や市町村社会福祉協議会となっております。平成二年度は、三百四十一名の方々が地域の在宅福祉サービス業務に一生懸命頑張っておられます。ホームヘルパーは、援助を求められればどんな人のところでも訪問をし、その人の生きてきた過程を大切にしなければなりません。したがって、生活に対する考え方も人それぞれですが、ホームヘルパーの好みによって訪問を断ることができないのは当然であります。高齢者や障害を持つ人たちに喜んでもらえるように努力をしておられます。しかし、その身分は嘱託職員がほとんどです。
 高齢者保健福祉推進十か年戦略によると、平成二年度の求人計画では四百二十六名でありますが、実績人数は三百四十一名、そのうち新規に採用されたのは七十五名でございます。各市町村においても人材を求めていますが、計画どおりに採用ができておりません。これは、ホームヘルパーの身分の保障と処遇に問題があると思います。県社会福祉協議会、県ホームヘルパー連絡協議会が実施した実態調査でもこの点を挙げております。これらの改善についてどういったお考えであるか、お伺いしたいと思います。
 次に、老人福祉施設の整備についてお尋ねいたします。
 高齢者や身体障害者の増加が予想される中で、大多数の方々は住みなれた地域や家庭で暮らしていきたいという考えを持っておられます。各市町村では、こうした住民の要望にこたえることができず、管轄区域外の特別養護老人ホームに措置しているのが現状であります。ある市では、入所の待機者が七十名を超えております。住民のニーズにこたえるためにも施設の整備を急ぐ必要があると思います。施設の整備計画についてどういった構想をお持ちか、以上二点について民生部長にお伺いしたいと思います。
 次に、質問の第二点目は観光行政についてでございます。
 私も国鉄職員として二十三年間お世話になりまして、特に駅頭の営業業務を担当してまいりました。その間、県外への旅行のあっせん等をしてまいりましたけれども、何とか県外から県内に旅行のあっせんができないものだろうかという気持ちから今回の観光について質問をいたします。
 県観光課がまとめた平成二年度の観光客動態調査によると、平成二年度は過去最高の二千六百九十四万人となっております。前年度比四・七%の伸びであり、これは大阪で行われた国際花と緑の博覧会にあわせて本県の観光PRをしてきた経過と思われ、努力を認めるところでございます。
 平成元年の観光客動態調査報告書の中に、県内各地の主要観光地の昭和四十七年からの観光客の推移が記載されています。白浜や勝浦のような大観光地に比べて観光客の絶対数ではまだまだ少ないが、飛躍的な伸びを示している観光地があります。それは、龍神温泉と熊野本宮の温泉郷であります。
 龍神温泉は、昭和五十五年から著しい伸びを示し、昭和四十七年を一○○とすると平成二年は一二五○と、飛躍的な伸びを示しています。また本宮温泉にしても、昭和五十六年ごろから伸びが著しく、昭和四十七年を一○○とすると平成二年は二三七と、大きく伸びています。ご存じのように、龍神も本宮も大自然の中に立地しています。紀伊山地の山々に囲まれた、いわば秘境にこれらの温泉郷は位置しています。この統計の結果は、今、都会の人々は緑や静けさ、美しい水や空気を求める心が強まっていることを教えてくれているように思います。将来に向かっても、都会ではますます空気が汚れ、緑が減少していきます。競争原理の社会の中では、人間のストレスが高まっていくばかりです。私は、都会の人々の静けさや緑や本当の意味での安らぎを求める心は今後とも強まってくるものと予想いたします。
 こうして見たとき、これからは新しい観光を求める人々がふえてくるものと存じます。強まるストレスの中で人々は、今、単なる受け身の観光から、時間をかけてスポーツを楽しんだり、歴史や文化を体験学習したり、ミカン、ブドウ狩りのように農業体験を求める参加型の観光ニーズになってきています。こうした国民の新しい観光ニーズに行政がどのようにこたえていくのか、また和歌山県長期総合計画の第二次中期実施計画の中に、健康と人間性回復を求めた長期滞在型の森林、文化リゾート拠点の形成と名づけたプロジェクトが掲げられておりますが、体験型の観光ができないものか、お伺いいたします。
 次に、修学旅行の誘致と広域観光についてお尋ねいたします。
 約二千七百万人の観光客の内訳を見ると、高野山、那智大社、熊野大社を中心とした参詣客、紀南を中心とした若者の海水浴、釣り客、海上レジャー、家族連れの温泉客などに大別されますが、私はこれら観光客の中に小中高生の他府県からの修学旅行客がないのが残念でなりません。
 新しい観光客の開発として、小中高生の修学旅行や農林漁業の体験学習を兼ねたサマースクールの誘致を新しい観光開発の目玉に掲げてみてもいいのではないか。もちろん、本県だけでは修学旅行誘致の吸引力はまだまだございません。しかし、京都や奈良には全国から修学旅行団が集まってきています。その団体に一歩和歌山まで足を伸ばしていただき、京都、奈良、和歌山、三重を結ぶモデルプランを作成してPRすれば、決して実現不可能ではないと思います。
 最近の修学旅行の傾向は、観光バスで大量に次から次へと観光地を回るというような型ではなしに、例えば、長崎なら長崎で一日じっくり腰をおろして、グループでその町の文化、歴史を学習したり、あるいは冬季に信州へ行きスキーをしてくるという、参加体験型のものに変化しつつあります。京都、奈良で歴史の学習をした後、今度は和歌山に来てゆっくり自然に親しむ、あるいは農林漁業体験に取り組んでみるという企画をPRしてみてはどうか。
 昨今の受験体制の中で、子供たちは疲れ切っています。特に都会の子供たちは、自然に触れる機会や場所を喪失しております。和歌山の雄大な自然に恵まれていることを誇りにし、新しい観光地をつくり上げてみてはいかがでしょうか。しかし、その場合、県下観光地相互間の連携、協力なしには大規模な旅行団の誘致はできません。観光行政も広域的な連携が求められています。将来に向けて、紀伊半島全体をにらんだ観光構想についてお伺いいたします。
 次に、交通体系と道路整備についてお伺いいたします。
 和歌山県長期総合計画の中で、観光振興のために観光資源の開発、保護等五つの重点施策が体系的にまとめられています。その中で「観光基盤の整備」と題して交通体系の充実と整備を掲げ、交通網の整備の大切さを標榜されていますが、他府県に比べるとまだまだ交通網がおくれているのが現状でございます。
 さきに本宮、龍神での観光客の大幅な伸びを申し上げましたが、その背景には地元の皆さんの努力を高く評価するものであります。また、龍神温泉でも高野龍神スカイラインの存在を見逃すわけにはまいりません。本宮では、五条から十津川経由で新宮を結ぶ国道百六十八号線の存在も、また見逃すわけにはまいりません。地元の話では、本宮への観光客の大半はこの国道を利用して入ってきていると言われております。逆に言えば、県内の道路網の整備がいかに立ちおくれているかということだと思います。中辺路町では、古道ピアなどのイベントの影響もあり、随分と観光客を伸ばしました。国道三百十一号線の逢坂峠も整備され、住民の喜びも大きいものがございます。
 一方、本宮へ抜ける部分では、大型バスが通行できない場所もあります。また白浜では、京阪神からのお客が多く、交通渋滞が各所で発生し、大きな悩みとなっております。高速道路の紀南延伸は、観光行政にとっても重要な課題であります。よって、観光立県としての道路網整備と高速道路の紀南延長をどのように位置づけられているのか、また今後の見通しはどのようになっているか、お伺いします。
 県下の観光客の五六%は京阪神からですが、近年、関東、東海方面からの観光客も増大しております。こうした入り込み動態を考えたとき、平成元年七月二十二日からくろしお号が新大阪に乗り入れされ、これによる効果は非常に大きく、観光客が増加し、県民の利用が増大してきています。現行八本の乗り入れとなっていますが、全便乗り入れ、あるいは増便についていかなる方策をお持ちかお伺いして、一回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの野見山海君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 野見山議員にお答え申し上げます。
 高齢者対策について、特に在宅福祉対策と施設の整備を中心とした老人福祉全般についての質問でございます。
 お話のように、和歌山県の高齢化が急ピッチで進んでおりまして、全国より十年早い水準となっておるわけでございます。そうした点に注目して県として長寿社会総合対策指針を策定しており、特にその中において在宅福祉を重点的に取り上げて緊急整備を進めておるところでございます。特に、本年の予算においても積極的に在宅福祉を取り上げております。施設福祉についても、和歌山県は全国レベルより進んでいると思っておるわけでございます。しかしながら福祉施設についても、今後なお一層進めてまいりたいと思っております。
 今後は、施設福祉対策を含めて老人福祉行政の主体が市町村に移るわけでございます。そうしたもろもろの事業が円滑に実施できるように、県はもとより市町村の計画等についても十分関心を持って進めてまいりたい、そして全国に先駆けて指針を策定していきたいと思っております。
 次に、観光の問題でございます。
 数々のご意見、提言を承りました。県も、テクノ&リゾートに基づいて観光行政を産業行政の中においても重点的に取り上げているところでございます。そうした意味において、今後ともなお一層積極的に取り上げていきたいと思っております。
 ことしの六月五日から七日までの三日間、紀伊半島観光立県推進地方会議を開催し、三重、奈良、和歌山の三県のシンポジウムが行われたわけでございます。こうした面において、広域的な観光行政もなお一層進めていきたいし、今後とも各般の皆さんからのご提言、ご意見を承って努力していきたいと思っております。
○副議長(平越孝哉君) 民生部長吉井清純君。
 〔吉井清純君、登壇〕
○民生部長(吉井清純君) 野見山議員にお答えをいたします。
 まず、ホームヘルパーの確保と処遇改善でございます。
 ホームヘルパーの確保については、在宅福祉対策を積極的に推進していく上で最も重要な課題でございます。このため平成元年度よりホームヘルパー確保のための緊急整備計画を策定し、実施主体である市町村とも協議をしながら人員の確保に努めているところでございます。
 また処遇関係については、年々改善されていますが、なお今後も優秀な人材を確保するためには、議員ご指摘のとおり、処遇の改善や身分保障等が大切な課題でございます。
 このため県といたしましては、全国的な制度全般にわたる問題でありますので、去る六月の政府要望においても県の重点項目として抜本的な改善について厚生省に要望を行ったところでございます。今後とも、市町村ともども知恵を出し合いながらマンパワーの確保に努力してまいりたいと考えてございます。
 次に、特別養護老人ホーム計画についてお答えをいたします。
 特別養護老人ホームの整備でございますが、県といたしましては、各市町村における待機者の状況、高齢化の将来の見通しなどを踏まえて積極的に整備を図ってきたところでございますが、ただいま知事もお答えいたしましたとおり、現在は全国的にも高い整備状況にございます。
 今後の老人福祉行政を進めるに当たっては、在宅福祉サービスに対する積極的な取り組みも重要であると考えており、それぞれの地域における在宅福祉の拠点としての役割をも考慮し、特別養護老人ホームはもとより高齢者生活福祉センターなどの老人福祉施設の整備に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 商工労働部長中西伸雄君。
 〔中西伸雄君、登壇〕
○商工労働部長(中西伸雄君) 野見山議員にお答えをいたします。 国民の観光ニーズの対応についてでございます。
 議員ご指摘のように、最近の観光ニーズは、単に観光地をめぐるという観光から、一カ所に滞在し大自然を満喫するといった滞在型へと変化してきてございます。
 こうした中で県としても、昭和六十三年度から平成二年度まで、本県の歴史、文化にスポットを当てたふれ愛紀州路・歴史の道キャンペーンを実施し、最終年の昨年度は熊野古道を舞台に古道ピアを開催し、歴史と文化を訪れて熊野の大自然の中で心身のリフレッシュを図っていただくことを提案してまいった次第でございます。
 本年度からは、平成六年夏、和歌山マリーナシティの開催される世界リゾート博に向け、海を中心に、大自然をテーマにしたふれ愛紀州路ネイチャーランドキャンペーンを展開することといたしてございます。このキャンペーンは、観光客の皆様方にマリンスポーツなどを実際に体験していただくイベントを種々計画してございまして、これらを通じて海や山の新しい活用方法を提案し、本県の大自然を強くアピールすることにより誘客を図ってまいりたいと存じます。
 次に、修学旅行誘致についてでございます。
 議員ご指摘のように、修学旅行については、近年、歴史や文化について学習したりスポーツを楽しむなど、体験型に変化してきています。また、旅行そのものについても広域的に展開していかなければならないと考えてございます。
 今後の修学旅行の誘致については、これらのニーズなどに対応した特色のある観光地や環境づくりを進めるとともに、県内の観光関係団体の協力をいただきながら関係機関へのPRに努めてまいりたいと考えてございます。
 紀伊半島三県観光振興懇談会において、こうした誘致について広域的な観点から関係機関と協議しながら検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) くろしお号の増便問題についてお答えを申し上げます。
 特急くろしおについては、平成元年七月の新大阪・京都駅乗り入れ以来、利用者も増加し、観光面も含めて、とりわけ紀南地域の活性化、地域住民の利便の向上に大きく寄与しているものと考えてございます。
 このような状況を受けて、県としてもこれまでJR西日本に対してくろしお号の増便等について働きかけてきたところでございます。その結果、本年春のダイヤ改正においては一便増便が実現し、現在、八便が新大阪に直接乗り入れをいたしてございます。また、この夏の臨時ダイヤにおいてさらに一便増便される予定となってございます。県といたしましては、今後とも、くろしお号の増便等、利便性の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 観光行政と道路整備についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、本県の観光行政を支える基本は道路交通網の整備であると考えております。
 本県の主要な観光軸としては、京阪神都市圏と海岸沿いの主要な観光拠点等を連絡する海岸観光軸と橋本市から高野山を経て高野龍神スカイライン、田辺十津川線を経由して田辺市に至り、さらに田辺市から本宮町を経て新宮市に至る内陸観光軸の二つの軸の早期整備が必要であると考え、その整備促進に努めております。
 まず、海岸軸のうち湯浅御坊道路については、平成六年度末供用を目途に鋭意事業が進められております。近畿自動車道紀勢線の御坊─田辺間については、平成元年二月に基本計画が決定されております。このうち、平成二年七月より環境影響評価の手続が進められている御坊─南部間については、本年に予定されている次期国幹審での整備計画決定を強く国に働きかけるとともに、南部─田辺間についても懸案となっている田辺バイパスとの接続方法等について早期に計画を固め、全体として御坊─田辺間の早期整備が図られるよう国に強く要望してまいります。また田辺以南についても、早期に基本計画に組み入れられるよう国に対し要望してまいります。
 内陸軸のうち国道三百十一号の田辺─本宮間の未改良区間については、早期整備を図るため、引き続き全区間にわたり重点的な整備促進を図ってまいります。
 田辺十津川線については、今後とも龍神村柳瀬工区、田辺市大沢工区等の事業促進に努め、龍神─田辺間の重点的な整備促進を図ってまいります。
 以上でございます。
○副議長(平越孝哉君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 41番野見山 海君。
○野見山 海君 ただいま知事を初め関係部長から答弁をいただき、理解はできました。
 何をおいても、和歌山県は高齢化が十年先行しているということでございますので、他府県に負けないような高齢者に対するすばらしい福祉施策を今後十年の間、いや、八年、七年の間にぜひとも取り組んでいただくよう努力していただきたいと感じております。
 それから、観光でございます。
 田中先輩が五十八年二月の定例会の中で、平面的な観光行政から立体的な観光行政へということで、観光の目的や客の変化に対応した観光行政を求めた質問をされました。その中で知事は、観光に対するニーズも変わってきた、そうした要請、ニーズにこたえていくことがこれからの県の観光行政の基本である、観光は、単なる観光産業だけではなしに総合産業的感覚に立たなければならない、文化、伝統、健康、勉強の場としての意味もあり、魅力ある観光地づくりに取り組んでいきたい、こういうような答弁をされておりますので、そういった意味から、どうか修学旅行の誘致についても前向きに取り組んでいただければ幸甚かと思います。
 要望にかえさせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(平越孝哉君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で野見山海君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(平越孝哉君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時四十六分散会

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