平成3年2月 和歌山県議会定例会会議録 第1号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第一号 平成三年二月十九日(火曜日)
  午前十時開会・開議
 第一 会議録署名議員の指名
 第二 会期決定の件
 第三 議案第一号から議案第七十五号まで及び報第一号(知事説明)
会議に付した事件
 一 会議録署名議員の指名
 二 会期決定の件
 三 議案第一号から議案第七十五号まで及び報第一号(知事説明)
 四 休会決定の件
出 席 議 員(四十六人)
 1 番 井 出 益 弘
 2 番 和 田 正 一
 3 番 町 田 亘
 4 番 中 村 利 男
 5 番 山 本 一
 6 番 宗 正 彦
 7 番 岡 本 保
 8 番 鈴 木 俊 男
 9 番 阪 部 菊 雄
 10 番 中 村 裕 一
 11 番 平 越 孝 哉
 12 番 大 江 康 弘
 13 番 中 西 雄 幸
 14 番 橋 本 進
 15 番 古 田 新 蔵
 16 番 浦 武 雄
 17 番 堀 本 隆 男
 18 番 宇治田  栄 蔵
 19 番 下 川 俊 樹
 20 番 石 田 真 敏
 21 番 木 下 秀 男
 22 番 中 村 隆 行
 23 番 藁 科 義 清
 24 番 門 三佐博 
 25 番 尾 崎 要 二
 26 番 那 須 秀 雄
 27 番 木 下 義 夫
 28 番 上野山 親 主
 29 番 北 村 翼
 30 番 尾 崎 吉 弘
 31 番 西 本 長 浩
 32 番 岸 本 光 造
 33 番 松 本 貞 次
 34 番 浜 本 収
 35 番 和 田 正 人
 36 番 浜 口 矩 一
 37 番 山 崎 幹 雄
 39 番 田 中 実三郎  
 40 番 森 利 一
 41 番 村 岡 キミ子  
 42 番 森 本 明 雄
 43 番 中 村 博
 44 番 中 村 千 晴
 45 番 小 林 史 郎
 46 番 渡 辺 勲
 47 番 藤 沢 弘太郎 
欠 席 議 員(なし)
〔備 考〕
 38 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 西 口 勇
 出納長 梅 田 善 彦
 知事公室長 市 川 龍 雄
 総務部長 山 中 昭 栄
 企画部長 川 端 秀 和
 民生部長 高 瀬 芳 彦
 保健環境部長 遠 藤 明
 商工労働部長 天 谷 一 郎
 農林水産部長 安 田 重 行
 土木部長 磯 村 幹 夫
 企業局長 吉 井 清 純
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
  上 野 寛
 教育長 高 垣 修 三
 以下教育次長
 公安委員会委員長
  西 本 貫 一
 警察本部長 西 村 浩 司
 以下各部長
 人事委員会委員長
  寒 川 定 男
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 宮 本 政 昭
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
  稲 住 義 之
 選挙管理委員会書記長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 山 本 恒 男
 次 長 倉 本 辰 美
 議事課長 中 西 俊 二
 議事課副課長 松 田 捷 穂
 議事班長 高 瀬 武 治
 議事課主任 松 谷 秋 男
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 田 上 貞 夫
 総務課主事 金 附 求
 総務課主事 平 田 裕 昭
 調査課長 阪 上 明 男
 調査課主幹 松 尾 健 介
 調査課調査員 梶 本 皓 造
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課速記技師 鎌 田 繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時三分開会・開議
○議長(岸本光造君) ただいまから、平成三年二月定例会を開会いたします。
○議長(岸本光造君) これより本日の会議を開きます。
○議長(岸本光造君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十時四分休憩
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 午前十一時六分再開
○議長(岸本光造君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
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○議長(岸本光造君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。
 今期定例会の会議録署名議員は、1番井出益弘君、19番下川俊樹君、34番浜本収君の三君を指名いたします。
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○議長(岸本光造君) 次に日程第二、会期決定の件を議題といたします。
 お諮りいたします。今期定例会の会期は、本日から三月八日までの十八日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 御異議なしと認めます。よって、今期定例会の会期は本日から三月八日までの十八日間と決定いたしました。
○議長(岸本光造君) 次に、諸般の報告をいたします。
 お手元に配付のとおり、知事から地方自治法第百八十条の規定による専決処分の報告及び地方自治法第二百二十一条第三項に定める法人の経営状況を説明する書類の提出が、監査委員から監査結果の報告及び現金出納検査の結果報告がありました。また執行機関から、去る十二月定例会において採択した請願の処理の経過及び結果の報告がありました。
 以上、報告いたします。
○議長(岸本光造君) 次に、今期定例会に提出されました議案等について報告いたします。
 職員に公文を朗読させます。
 〔職員朗読〕
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   財第184号 
   平成3年2月19日
 和歌山県議会議長 岸 本 光 造 殿
  和歌山県知事 仮 谷 志 良
 和歌山県議会平成3年2月定例会議案の提出について
 地方自治法第96条の規定に基づく議決事件について、次のとおり議案を提出します。
 議案第 1号 平成3年度和歌山県一般会計予算
 議案第 2号 平成3年度和歌山県農業改良資金特別会計予算
 議案第 3号 平成3年度和歌山県林業改善資金特別会計予算
 議案第 4号 平成3年度和歌山県沿岸漁業改善資金特別会計予算
 議案第 5号 平成3年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計予算
 議案第 6号 平成3年度和歌山県母子福祉資金特別会計予算
 議案第 7号 平成3年度和歌山県寡婦福祉資金特別会計予算
 議案第 8号 平成3年度和歌山県東京事務所宿舎特別会計予算
 議案第 9号 平成3年度和歌山県職員住宅特別会計予算
 議案第10号 平成3年度和歌山県物品調達特別会計予算
 議案第11号 平成3年度和歌山県立医科大学特別会計予算
 議案第12号 平成3年度和歌山県印刷事業特別会計予算
 議案第13号 平成3年度和歌山県営競輪事業特別会計予算
 議案第14号 平成3年度和歌山県営港湾施設管理特別会計予算
 議案第15号 平成3年度和歌山県市町村振興資金特別会計予算
 議案第16号 平成3年度和歌山県自動車税等証紙特別会計予算
 議案第17号 平成3年度和歌山県用地取得事業特別会計予算
 議案第18号 平成3年度和歌山県立五稜病院事業会計予算
 議案第19号 平成3年度和歌山県電気事業会計予算
 議案第20号 平成3年度和歌山県工業用水道事業会計予算
 議案第21号 平成3年度和歌山県土地造成事業会計予算
 議案第22号 平成3年度和歌山県有料道路事業会計予算
 議案第23号 平成2年度和歌山県一般会計補正予算
 議案第24号 平成2年度和歌山県農業改良資金特別会計補正予算
 議案第25号 平成2年度和歌山県林業改善資金特別会計補正予算
 議案第26号 平成2年度和歌山県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算
 議案第27号 平成2年度和歌山県中小企業近代化資金特別会計補正予算
 議案第28号 平成2年度和歌山県東京事務所宿舎特別会計補正予算
 議案第29号 平成2年度和歌山県職員住宅特別会計補正予算
 議案第30号 平成2年度和歌山県物品調達特別会計補正予算
 議案第31号 平成2年度和歌山県立医科大学特別会計補正予算
 議案第32号 平成2年度和歌山県印刷事業特別会計補正予算
 議案第33号 平成2年度和歌山県営競輪その他事業特別会計補正予算
 議案第34号 平成2年度和歌山県営港湾施設管理特別会計補正予算
 議案第35号 平成2年度和歌山県市町村振興資金特別会計補正予算
 議案第36号 平成2年度和歌山県用地取得事業特別会計補正予算
 議案第37号 平成2年度和歌山県電気事業会計補正予算
 議案第38号 平成2年度和歌山県工業用水道事業会計補正予算
 議案第39号 平成2年度和歌山県土地造成事業会計補正予算
 議案第40号 平成2年度和歌山県有料道路事業会計補正予算
 議案第41号 和歌山県職員定数条例の一部を改正する条例
 議案第42号 職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第43号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第44号 和歌山県総合保養地域重点整備地区における県税の特別措置に関する条例
 議案第45号 和歌山県児童福祉施設設置条例の一部を改正する条例
 議案第46号 和歌山県精神薄弱者援護施設設置及び管理条例の一部を改正する条例
 議案第47号 和歌山県身体障害者療護施設設置及び管理条例の一部を改正する条例
 議案第48号 公害に係る紛争処理の手続に要する費用等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第49号 和歌山県特別会計条例の一部を改正する条例
 議案第50号 和歌山県都市公園条例の一部を改正する条例
 議案第51号 和歌山県立学校等職員定数条例の一部を改正する条例
 議案第52号 教育職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第53号 市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第54号 和歌山県立室内プール設置及び管理条例を廃止する条例
 議案第55号 和歌山県美術品取得基金条例の一部を改正する条例
 議案第56号 和歌山県地方警察職員定員条例の一部を改正する条例
 議案第57号 警察職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第58号 警察職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
 議案第59号 警察官に対する支給品及び貸与品に関する条例の一部を改正する条例
 議案第60号 和歌山県公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例
 議案第61号 企業局長の給与等に関する条例
 議案第62号 和歌山県使用料及び手数料条例の一部を改正する条例
 議案第63号 平成3年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
 議案第64号 平成2年度建設事業施行に伴う市町村負担金について
 議案第65号 和歌山県道路公社の基本財産の額について
 議案第66号 和歌山県立医科大学附属病院看護職員養成修学資金等の返還免除について
 議案第67号 当せん金付証票の発売について
 議案第68号 全国自治宝くじ事務協議会規約の一部の変更について
 議案第69号 和歌山県・和歌山市公営競馬対策協議会規約の廃止について
 議案第70号 工事請負契約の締結について
 議案第71号 工事請負契約の締結について
 議案第72号 工事請負契約の締結について
 議案第73号 工事請負変更契約の締結について
 議案第74号 工事請負変更契約の締結について
 議案第75号 工事委託変更契約の締結について
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   財第184号 
   平成3年2月19日
 和歌山県議会議長 岸 本 光 造 殿
  和歌山県知事 仮 谷 志 良
 知事専決処分について報告
 工事請負契約の締結について、早急に措置する必要が生じたが、臨時県議会を招集する暇がなかったので、やむを得ず地方自治法第179条第1項の規定により専決処分した。よって、同法同条第3項の規定により報第1号をもってこれを報告し、その承認を求めます。
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○議長(岸本光造君) 日程第三、ただいま報告いたしました議案第一号から議案第七十五号まで、並びに知事専決処分報告報第一号を一括して議題といたします。
 議案等はお手元に配付しておりますので、まず知事の説明を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 平成三年度予算案を初め諸議案について御審議をお願いするため二月定例会を招集いたしましたところ、議員各位には何かとお忙しい中を御参集いただき、厚く御礼を申し上げます。
 ただいま上程されました諸議案について提案理由を御説明するに先立ち、県政の運営について私の所信を申し述べたいと存じます。
 本年は、二十一世紀を臨む最後の十年の始まりの年、まさしく節目の年であります。国際化、情報化、技術革新、そして長寿化と、大きな時代のうねりの中で、本県を取り巻く社会経済情勢の変遷の激しさには目をみはるものがあります。
 中でも、昨年のイラクによるクウェート侵攻に端を発した中東情勢の緊迫がついに湾岸戦争へと突入したことによる原油価格の不安定化、米国景気の後退の様相など、内需主導型の景気拡大を続ける我が国にとりましても、先行き不透明な状況が生じております。
 こうした国際社会、政治、経済情勢の中で、去る一月十七日、県民の暮らしの安定を確保するために県民生活安定対策本部を設置したところであります。的確な情報の収集に努めるとともに、便乗値上げなど物価の動向を厳しく監視してまいりますので、まず冒頭、県民各位の御理解、御協力をお願い申し上げる次第であります。
 さて、昨年末以来、本県を取り巻く情勢変化の中で最大のものは、関西国際空港の開港の延期決定であります。このことは、世界で例を見ない海上での難工事とはいえ、県民の熱い期待を考えると非常に残念なことであります。また、このような状況の中で、平成五年夏に開催を予定しておりました世界リゾート博は、一年延期に決定いたしました。
 しかし、この災いを転じて福となすためにも、次の目標である全体構想の早期実現、関連の交通基盤の整備、また産業基盤の充実にさらに努めなければならないと心を新たにしているものであります。
 また、昨年末には、本県の燦黒潮リゾート構想が国の承認を得たところであります。これを機に、「空青し山青し海青し」と歌われた本県の豊かな自然を生かし、地域環境と調和のとれたリゾート整備を一層推進していきたいと考えております。さらに、県土の均衡ある発展を期するために、海岸部だけでなく内陸部への展開を図るとともに、農林水産業や観光関連産業などの地域産業と一体となったリゾート産業の振興に取り組んでまいります。
 振り返れば、私は知事就任以来、オイルショック後の厳しい財政状況や打ち続く経済不況の中で、明るい展望に満ちた、だれもがひとしく幸せを実感できる「豊かなふるさと和歌山」を県民の皆様方とともに手を携えて創造していくこと、また次代を担う子供たちにこれを継承していくこと、それが私に与えられた責務であると考え、これまで積極的な施策の展開を進めてまいりました。
 近年、これまでまき続けてきた種がようやく芽を出しつつあります。関西国際空港の立地や近畿自動車道の南伸を初め、交通基盤の整備の進展に伴い、今、和歌山は全国でも有数の魅力ある県に変貌しつつあります。企業誘致の着実な進展はそのことを如実にあらわしております。これは、議員各位を初め県民の皆様方の御理解と御協力のたまものと、厚く感謝申し上げる次第でございます。
 しかしながら、一方で、産業経済構造の高度化・多角化の推進、輸入自由化、ハイテク化に対応した農業経営の確立、さらには全国的な出生率減少の中で、人口の減少や高齢化への対応等、引き続き取り組んでいかなければならない課題も残されています。
 平成三年度においては、こうした当面の課題に対処していくことはもちろんのこと、第二次中期実施計画の初年度として、「新しい時代にいどむ力強い地域産業の発展」「健康で快適な暮らしと生きがいのある福祉社会の建設」「明日を担う人づくりと魅力ある文化の創造」を柱に、今日まで進めてまいりました各種のプロジェクト施策を着実に前進させるとともに、次の時代をにらんだ新たな施策の展開の年と位置づけるものであります。
 まず第一に、活力ある地域産業の発展に欠かせない交通基盤の整備として、公共道路事業の確保に努めるとともに、半島振興道路等、県単独道路事業の充実、地域農業振興のための広域農道の整備促進など、総合的な道路交通ネットワークの形成を図ってまいります。また、第二国土軸構想につきましても、関係府県や経済団体との連携を密にしながら、その推進に積極的に取り組んでまいります。
 産業政策といたしましては、技術の高度化、情報化等に対応できる創意と活力ある地場産業の育成が緊要であり、産官共同で技術の高度化を目指す和歌山テクノ振興財団に対する助成や人材確保のための就職者のUターン促進等の施策を講じます。さらに、オレンジの自由化に臨み、果樹産地の体質強化を図るため、施設の整備を初め諸施策を進めてまいります。
 第二は、健康と生きがいのある福祉社会の形成であります。
 このため、健康、福祉の中核的施設を整備することとするほか、看護職員の充足、医大整備等の健康対策事業、老人や障害者のための福祉施策に積極的に取り組むとともに、地対財特法の最終年度に当たり、同和問題の解決にも努力してまいります。
 第三は、将来の和歌山を担う人づくりと文化の創造であります。
 人材育成は県政の重要な課題であり、国際化時代に対応した教育を推進するとともに、ゆとりと特色ある学校づくりを図ってまいります。また、生涯学習、生涯スポーツの振興を初め、青少年の育成、文化施設の充実にも努めてまいります。
 二十一世紀を控え、県政の基本目標である「躍動の時代、豊かな和歌山の創造」を具体化し、ゆとりと活力ある社会の創出を目指して全力を傾注してまいる所存であり、県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。
 以下、予算の具体的な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず歳入の概況といたしましては、税収が復調傾向にあるものの、その水準はいまだ十分なものとは言えず、今後の見通しについても楽観を許さない等、依然として厳しい状況が続いております。
 しかしながら、さきに述べた重点施策を実現するためにも、引き続き徹底した歳出の節減、合理化に努め、行政改革を推進する一方、半島振興や地域づくり等、国の財源措置のある起債を活用するなど、できる限りの工夫を凝らしたところであります。
 以下、各分野における歳出予算の概要について御説明申し上げます。
 第一の柱は、「活力ある地域産業の発展」であります。
 交通基盤の整備は、産業発展の基礎であります。このため、まず陸については、近畿自動車道の湯浅御坊道路の建設を促進し、さらに南の御坊市─南部町間の整備計画路線への採択に努めるとともに、京奈和自動車道の橋本道路において用地買収に着手するほか、国直轄事業といたしまして、国道二十四号和歌山バイパス、四十二号田辺バイパス等の事業を促進することとしております。
 また、県事業といたしましては、国道四百二十四号桃山工区を平成三年六月に供用開始するとともに、三百七十一号の国道二十四号以北の四車線化を初め、三百十一号等の改良を促進するなど、国道、県道の整備を図ってまいります。さらに、半島振興道路やふるさとづくり・地域づくり特別対策事業等の県単独道路事業の充実を図るなど、道路予算としては公共事業、単独事業、国直轄事業負担金合わせて五百四十二億九千二百余万円を計上し、なお一層の道路整備を推進することといたしております。一方、新たに紀の川左岸広域農道の測量に着手するなど、広域農道についても整備促進を図ってまいります。
 なお、県土の保全、治水関係につきましては、県下主要河川や海岸等の整備促進を図るとともに、切目川における多目的ダムの調査を行ってまいります。また、紀の川、新宮川の直轄河川改修、大滝ダム及び紀の川大堰の建設、紀伊丹生川ダム建設の実施計画調査に対する負担金を計上しております。
 次に、空の対策といたしましては、関西国際空港の全体構想の推進につきましては、国において調査費が認められ、早期事業着手に向けて前進が見られたものと考えております。また、南紀新空港建設事業につきましては、八十二億八千四百余万円を計上し、用地買収をほぼ完了させ、本体工事に着手することといたしております。
 このほか、高速交通機関としてのヘリコミューターの可能性を検討するため、実験運行を実施することといたしております。
 また、海の対策につきましては、海洋に面しているという本県の特色を生かし、本年二月二十二日にジェットフォイルによる実験運行を実施することとし、紀南地域を初めとする高速艇による海上交通体系の整備について検討してまいります。また、和歌山マリーナシティの建設は順調に進捗しており、毛見一号橋の架設、二号橋の建設及び埋立土砂の本格的投入を行ってまいります。
 さらに、地域産業、工業の活性化対策といたしまして、大規模小売店舗法の運用緩和に伴い影響を受ける中小小売商業者の活性化を図るため、商店街振興組合等が実施するソフト事業に助成するほか、新しく九億円の枠で融資制度を設けております。
 また、技術の高度化、情報化に対応し、産官一体となって人材育成、情報提供等を行うため設立される予定の和歌山テクノ振興財団に対し、事業資金として三億円を助成することといたしております。
 このほか、ソフトウエア産業等の集積立地を目的とした海南インテリジェントパークの用地造成事業、昨年設立した和歌山リサーチラボの研究開発事業等の推進に努めてまいります。
 また、若いバイタリティーあふれる人材を確保するため、東京や大阪に在住している本県出身の大学卒業予定者等を対象に人材のUターンを促進するとともに、新たな工業団地の造成を進めるほか、県下各地域にバランスのとれた工業団地の継続的造成を図るため、大規模工業団地の候補地選定を行うなど、積極的な企業誘致のみならず、地場産業の再立地の対策を展開してまいります。さらに、リゾート関連の企業の誘致を図るため、新たにリゾート関連企業立地促進資金貸付事業を創設いたします。
 次に、観光産業の振興といたしましては、観光立県推進地方会議を本年六月に開催するほか、海をメーンテーマに観光キャンペーンを展開することにより、誘客の増加を図ってまいります。また、本県のより一層のイメージアップを図るため、主として首都圏、関西のテレビ局においてCMスポットを放映することといたしております。
 さらに、農林水産業の振興であります。
 本年四月からのオレンジの自由化に対応し、果樹産地の体質強化を一層図るため、特産果樹の育成、樹園地の改良や集出荷施設の整備を進めるとともに、試験研究施設の充実を図り、バイテク等の技術開発の促進に努めてまいります。また、本県の地域特性を生かした高生産、高品質農業の確立を目指し、施設園芸の推進や中山間地域活性化のための生産技術の向上等の諸施策を実施いたすこととしております。さらに、花卉栽培の黒潮フラワーエリアの産地化促進、紀州鶏のブランド化等に積極的に取り組んでまいります。
 林業の振興につきましては、全国的にも高水準な蓄積を誇る本県の森林資源を活用するとともに、低コスト林業の確立を図るために林道網の体系的整備や担い手の育成、確保に努めてまいります。
 また、水産業につきましても、海域総合開発を初め、魚礁の設置や増養殖場の造成、漁港の整備を図り、つくり育てる漁業の推進に努めてまいります。
 第二の柱は、「健康で快適な暮らしと生きがいのある福祉社会の形成」であります。
 まず、県民の健康、福祉の増進を図るための中核的施設として、和歌山操車場駅跡地に総合福祉会館、総合保健センター等を建設することとし、その基本計画を策定いたします。
 次に、健康和歌山の実現を目指し、疾病の予防と早期発見、早期治療の大切さを認識していただくため、県民意識の啓発運動等を推進することといたしております。
 また、看護職員の充実を図るため、新たに設立される病院協会立看護専門学校に対し助成を行うとともに、看護職員の県内就業を促進するための諸施策を一層充実いたします。さらに、救急の入院を要する患者を休日等に受け入れる病院群輪番制を新たに新宮地方で実施し、田辺地方においても日曜、休日の歯科医在宅当番制を導入する等、救急医療体制の整備を促進するとともに、医薬分業を推進するための基盤整備として薬事情報センターを設置することといたしております。
 このほか、昨年の県立医科大学本院に引き続き、腫瘍等疾病の早期発見、治療に大きく貢献する最新鋭画像診断装置MRIを紀北分院に導入するなど、診療機器の一層の充実を図ったところであります。
 次に、福祉の充実であります。
 まず、触れ合いのある町づくりを推進するため、新たに福祉のネットワーク形成を図ることといたしております。老人福祉関係につきましては、国の高齢者保健福祉推進十か年戦略に沿ってホームヘルパー、デイ・サービス、ショートステイの在宅三事業を大幅に拡充するとともに、ケアハウスや特別養護老人ホームの施設の整備を進めていくことといたしております。また、地域の実情に合った在宅福祉事業等をより一層推進するため、福祉対策等基金に新たに高齢者対策に資するための積み立てを行うことといたしております。
 さらに、障害者対策といたしましては、聴覚障害者用通信装置の整備を図り、新たに歩行訓練士の養成や点字図書の助成を行うことといたしております。また、小規模授産施設や障害者グループホームに対する補助の充実を図るとともに、在宅重度身体障害者ミニ・デイ・サービスや障害者福祉施設の整備を進めるなど、障害者の介護や社会参加の推進に努めてまいります。
 母子福祉の推進につきましても、社会的、経済的に不安定な立場に置かれている母子家庭及び寡婦に対し、各種資金の貸し付け、児童扶養手当の支給等を行い、自立促進を図ることといたしております。
 次に、同和対策であります。
 本年は地対財特法の最終年度となっておりますが、同和問題の早期完全解決を図るため、教育啓発活動や産業就労対策を積極的に推進してまいります。また、住環境整備につきましても、残事業の完全実施に向け積極的に取り組んでまいる所存であります。
 また、健康運動公園として整備を進めている和歌公園について、噴水広場や植栽等の造園工事を進めるとともに、太地町内の自然公園において遊歩道の整備を行うこととしております。さらに、救急現場及び搬送途上において高度な応急処置のできる救急隊員を養成するため新たに設置される教育訓練施設に対し、助成を行うことといたしております。
 このほか、生活環境整備対策としての下水道事業につきましては、流域下水道事業を促進し、農業の集落排水や合併処理浄化槽の整備を図るとともに、新たに過疎地域の下水道事業の代行制度について、実施方法等を検討してまいります。
 また、公営住宅の建設につきましては、第六期五カ年計画の初年度に当たり、新築のほか建てかえ事業にも力を入れてまいります。
 なお、警察関係では、住民の生活環境等に影響のある路上駐車問題を解決するため車庫法が改正されましたが、これに伴い、本年七月一日から自動車保有者に対する保管場所確保義務の履行の徹底を図り、駐車管理対策を推進してまいります。
 第三の柱は、「明日を担う人づくりと魅力ある文化の創造」であります。
 まず学校教育の充実でありますが、教育水準のより一層の向上を図るため、小学校及び中学校の全学年において四十人学級を実施するとともに、初任者研修の本格実施を小学校、中学校に加え高等学校においても行うことといたしております。
 県立学校の施設の整備につきましては、総額三十九億六千二百余万円を計上し、計画的に整備を推進しているところであります。また、県下養護学校の適正配置を図るために昨年四月開校いたしました「みくまの養護学校」、及び本年四月広川町に開校いたします「たちばな養護学校」について、校舎の増築や体育館の建設を進める一方、和歌山ろう学校の寄宿舎を新築する等、積極的にその整備充実に取り組んでまいります。
 私立学校の振興につきましては、教育内容の充実と保護者負担の軽減を図るため、高等学校、中学校、幼稚園に対する経常費補助単価を引き上げる等、所要の措置を講ずることといたしております。
 社会教育の充実につきましては、県民の生涯学習への参加促進を図るため、生涯学習フェスティバルを開催するとともに、生涯学習の情報提供を行い、ネットワークの充実を図ってまいります。
 さらに、国際化、技術革新への対応についてでありますが、国際化時代に対応できる人材育成や国際理解を深めるため、那賀高等学校に国際科を新たに開設するとともに、引き続き高校生海外生活体験事業を実施することといたしております。また、海外技術研修生の受け入れ及び外国人の招致により語学教育等の一層の充実を図ってまいります。
 さらに、情報化、技術革新に対応するため、高等学校に情報機器を計画的に整備し、職業科等に数値制御工作機等の先端機器を導入するほか、高等技能学校において技術革新に対応する技能を有する生徒を養成するため、機器の整備や訓練環境の整備に努めることとしております。
 また、青少年の育成につきましては、将来を担う青少年を健全に育てる社会環境をつくるため、高校生等を対象に地域での社会参加を促進するための組織づくりを図るほか、青年たちが柔軟な発想で自由に議論をする場として紀の国青年委員会を設けることといたしております。
 また、有害なコミック漫画追放などの県民運動を展開するほか、新たに子育て相談に応じる「子供と家庭の一一〇番」やラジオによる「子育て知恵袋」の放送を実施することといたしております。
 なお、女性を取り巻くさまざまな問題に対処するため、婦人問題アドバイザーを増員するほか、女性問題を考えるフォーラムを実施することといたしております。
 なお、スポーツの振興でありますが、昨年本県で開催されました第三回全国スポーツ・レクリエーション祭を記念し、スポーツの推進とニュースポーツの普及を図るため、県スポーツ・レクリエーション大会を開催することといたしております。
 さらに、文化の振興でありますが、本県の新たな文化拠点として和歌山大学教育学部跡地に建設する新美術館及び新博物館並びに和歌山大学経済学部跡地に建設する新図書館等につきまして、それぞれ建設工事に着手することとし、あわせて館蔵品及び蔵書の一層の充実を図ることといたしております。
 また、県民文化会館の機器整備を行うほか、今後の文化施策の基礎資料とするため、文化に関する意識調査を実施するとともに、文化行政の現状や今後の方向を討議する全国文化行政シンポジウムを開催することといたしております。
 以上が、予算案の主な内容であります。
 この結果、一般会計の総額は四千五百十三億四千余万円、対前年度六・八%増となったところであります。なお、あわせて御提案申し上げている特別会計予算は総額六百九十六億七千九百余万円、企業会計予算は総額百六十六億二千余万円と相なります。
 次に、平成二年度補正予算の主なものについて御説明申し上げます。
 まず、一般会計の補正総額は九十二億三千七百余万円の増額となりますが、その主な内容としては新美術館及び新博物館を建設するための用地購入費として四十三億三千五百余万円等であります。
 また、特別会計では三億五千八百余万円の減額となり、企業会計においては四億六百余万円の増額となっております。
 続きまして、条例案件について御説明申し上げます。
 本議会に提出いたしました条例案件は二十二件でありますが、以下、その主なものについて御説明申し上げます。
 まず議案第四十一号、五十一号及び五十六号は、それぞれ知事部局の職員、県立学校等職員、警察本部事務職員の定数、定員を定めるものであります。
 次に議案第四十二号、五十二号、五十三号及び五十七号は、それぞれ職員、教育職員、市町村立学校職員及び警察職員の労働時間等に係る政令の一部改正により勤務時間等を改定し、議案第四十三号及び五十八号は消防訓練指導手当等、職員の特殊勤務手当の額の改定を行い、議案第四十四号は総合保養地域整備法に基づく県税の課税の特別措置を定めるものであります。
 また、議案第四十五号はろうあ児施設湊寮を有功ケ丘学園へ併設することに伴う名称の変更など、議案第四十六号は精神薄弱者更生施設南紀福祉センターの設置に伴う規定の整備、議案第四十七号は牟婁あゆみ園の名称変更など、議案第四十八号は公害紛争処理法に基づく鑑定人等の旅費の支給等についての規定の整備、議案第四十九号は県営競馬事業の廃止対策の完了に伴う規定の改定であります。
 議案第五十号は和歌公園の野外ステージの新設に伴う使用料の設定、議案第五十四号は県立室内プールを下津町に移管することに伴う条例の廃止であり、議案第五十五号は美術品取得基金の対象に博物館の美術品を含めるためのものであります。
 議案第五十九号は婦人警察官の支給品を定めるための規定整備、議案第六十号及び六十一号は地方公営企業法に基づく公営企業管理者を設置するための規定の整備、議案第六十二号は、車庫法の改正に伴い自動車の保管場所標章の交付手数料の新設等に伴う規定の整備であります。
 次に、その他の案件といたしましては十三件でありますが、議案第六十三号及び六十四号は建設事業施行に伴う市町村負担金について議決をお願いし、議案第六十五号は県道路公社の基本財産の額の変更であり、議案第六十九号は和歌山県・和歌山市公営競馬対策協議会の規約の廃止であります。
 議案第七十号から七十二号は工事請負契約の、議案第七十三号及び七十四号は同変更契約の締結であり、議案第七十五号は工事委託変更契約の締結であります。
 このほか知事専決処分報告一件をお願いしておりますが、時期等の関係からやむを得ず専決処分したものであります。
 なお、諸法第一号は地方自治法第百八十条第一項の規定による知事専決処分報告であります。
 最後に、法人の経営状況を説明する書類を別途提出いたしております。
 以上で、提出議案に対する私の説明を終わります。何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(岸本光造君) 以上で、知事の説明が終わりました。
 御参考までに、ただいまの知事説明要旨を配付いたします。
 〔「知事説明要旨」配付〕
○議長(岸本光造君) 配付漏れはありませんか。──配付漏れなしと認めます。
○議長(岸本光造君) 次に、お諮りいたします。明二十日から二十二日まで及び二十五日を議案調査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 御異議なしと認めます。よって、二月二十日から二月二十二日まで及び二月二十五日を休会とすることに決定いたしました。
○議長(岸本光造君) 次会は二月二十六日再開し、質疑及び一般質問を日程といたします。
○議長(岸本光造君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午前十一時五十分散会

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