平成2年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第三号 平成二年十二月十二日(水曜日)
  午前十時開議
 第一 議案第百十号から議案第百二十号まで(質疑)
 第二 一般質問
会議に付した事件
 一 議案第百十号から議案第百二十号まで(質疑)
 二 一般質問
出 席 議 員(四十四人)
 1 番 井 出 益 弘
 2 番 和 田 正 一
 3 番 町 田 亘
 4 番 中 村 利 男
 5 番 山 本 一
 6 番 宗 正 彦
 7 番 岡 本 保
 8 番 鈴 木 俊 男
 9 番 阪 部 菊 雄
 11 番 平 越 孝 哉
 12 番 大 江 康 弘
 13 番 中 西 雄 幸
 14 番 橋 本 進
 16 番 浦 武 雄
 17 番 堀 本 隆 男
 18 番 宇治田  栄 蔵
 19 番 下 川 俊 樹
 20 番 石 田 真 敏
 21 番 木 下 秀 男
 22 番 中 村 隆 行
 23 番 藁 科 義 清
 24 番 門 三佐博 
 25 番 尾 崎 要 二
 26 番 那 須 秀 雄
 27 番 木 下 義 夫
 28 番 上野山 親 主
 29 番 北 村 翼
 30 番 尾 崎 吉 弘
 31 番 西 本 長 浩
 32 番 岸 本 光 造
 33 番 松 本 貞 次
 34 番 浜 本 収
 35 番 和 田 正 人
 36 番 浜 口 矩 一
 37 番 山 崎 幹 雄
 39 番 田 中 実三郎  
 40 番 森 利 一
 41 番 村 岡 キミ子  
 42 番 森 本 明 雄
 43 番 中 村 博
 44 番 中 村 千 晴
 45 番 小 林 史 郎
 46 番 渡 辺 勲
 47 番 藤 沢 弘太郎 
欠 席 議 員(二人)
 10 番 中 村 裕 一
 15 番 古 田 新 蔵
〔備 考〕
 38 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 西 口 勇
 出納長 梅 田 善 彦
 総務部長 山 中 昭 栄
 企画部長 川 端 秀 和
 民生部長 高 瀬 芳 彦
 保健環境部長 遠 藤 明
 商工労働部長 天 谷 一 郎
 農林水産部長 安 田 重 行
 土木部長 磯 村 幹 夫
 企業局長 吉 井 清 純
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
  上 野 寛
 教育長 高 垣 修 三
 以下教育次長
 公安委員会委員長
  西 本 貫 一
 警察本部長 西 村 浩 司
 以下各部長
 人事委員会委員長
  寒 川 定 男
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 宮 本 政 昭
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
  稲 住 義 之
 選挙管理委員会書記長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 山 本 恒 男
 次 長 倉 本 辰 美
 議事課長 中 西 俊 二
 議事課副課長 松 田 捷 穂
 議事班長 高 瀬 武 治
 議事課主任 松 谷 秋 男
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 田 上 貞 夫
 調査課長 阪 上 明 男
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課速記技師 鎌 田 繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
 ─────────────────
 午前十時四分開議
○議長(岸本光造君) これより本日の会議を開きます。
 ─────────────────
○議長(岸本光造君) 日程第一、議案第百十号から議案第百二十号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 47番藤沢弘太郎君。
 〔藤沢弘太郎君、登壇〕(拍手)
○藤沢弘太郎君 まず最初に、イラク問題に関連し、数点にわたってお伺いをいたします。
 イラク当局は、十二月七日、八月二日のクウェート侵攻以来、全く不法に出国を禁止してきたイラク、クウェート在住外国人を全員解放することを決定いたしました。イラク・フセイン政権は、これら外国人人質を小出しに解放するなどの行動で世論の攪乱を図り、人質とその家族を初め世界の人々の心をもてあそぶ策動を重ねてまいりました。その人質を全員解放せざるを得なくなったのは、蛮行を糾弾し続けてきた世界の世論の大きな勝利でありました。しかし、フセイン政権はクウェートに対する侵略を継続しており、クウェートからの無条件撤退を直ちに実行することこそが中東湾岸地域に高まっている大戦争の危険を防止する最も確かな道であり、そのためには問題の平和的解決を求める世論と経済制裁を強化してフセイン政権を追い詰めることがますます重要になっています。
 これまで日本政府がイラク問題に対してとってきた態度は、アメリカを中心とする多国籍軍に対してアメリカの圧力によって二十億ドルを支出、次いで自衛隊を海外派兵して多国籍軍に協力するため、十月十二日からの臨時国会で国連平和協力法案の制定を進めようとするものでありました。国連平和協力法案とは、国連の名をかりて自衛隊をその身分のまま公然と中東地域に派兵しようとするものでありました。しかし、この法案が提出されて三週間余りの間に、急速に盛り上がった国民の世論と運動によって廃案に追い込まれました。このことは、あの侵略戦争の痛苦の経験の上に立った日本国民の平和を求める力がいかに大きなものであるかを示したものでありました。この結果として示されたのが沖縄県知事選挙での大田氏の勝利でありました。
 しかし、引き続いて自民党政府が一部野党を巻き込んで新しい国連協力法案を準備し、十二月十日から開会された第百二十通常国会に提案しようとしております。この新協力法は、国連の平和維持活動(PKO)への協力を行うためのものと言われておりますが、PKOについては国連憲章に明文の規定がありません。これまでの慣習の積み重ねにすぎないもので、武力行使を含む活動であります。もし、これに参加するような部隊がつくられるならば、それは実質的に自衛隊に準ずるものとなり、自衛隊の海外派兵に道を開くことになります。軍事力の威嚇や行使に、日本が資金、資材を提供することはもちろん、人を派遣することは絶対やってはならないことであります。日本の国際協力の道はただ一つ、憲法前文と第九条に明記されている平和原則を堅持した非軍事の協力であります。
 アメリカのジョンソン政権下で司法長官を務めたラムゼイ・クラーク氏は、十一月三十日「『日本は自衛隊やヒトを海外に派遣すべきでない』と強調。(中略)日本国民が米国の圧力にもとづく海外派兵を拒否したことを米国民は、『称賛している』」と語っております。同時に「国連安保理の採択した武力使用容認決議について、米国の圧力によって『国連が戦争の道具』となったもので、多くの点で国連憲章に違反するものであると指摘。もともと国連は広島、長崎の悲劇をはじめ第二次大戦の経験などから、戦争防止のために創設されたものであり、国連憲章にそのことがもりこまれている」、このように語っております。
 そこで、知事にお尋ねいたします。
 通常国会冒頭に海部首相は新協力法の準備を発言いたしましたが、我が党の見解は今述べたとおりであります。新協力法に対する知事の御所見をお伺いいたします。
 また、イラク問題は私たちの暮らしにも大きな影響をもたらしました。公約違反の消費税が実施されて一年半、庶民には一世帯で年十万円を超える負担がのしかかり、来年四月には評価がえによる固定資産税の大増税が目の前に迫っており、また国保税も大幅な値上げが出されてきております。このやさき、ガソリン、灯油を初め関連物資の値上げが相次ぎ、便乗値上げがこれに拍車をかけております。
 本県、統計課発行の「平成二年十月 和歌山県消費者物価指数の動き」によると、総合指数一○八・一、対前月比二・二%、対前年同月比三・四%といずれも上昇しており、費目別では他の光熱が灯油の値上がりにより三一・六%の上昇、自動車等関係費はガソリンの値上がりで三・四%、野菜、海草類は一九・二%と、それぞれ上昇いたしております。
 県民生活室の石油製品価格調査結果によると、イラクがクウェートに侵攻した八月二日から約一カ月後の九月五日現在、灯油十八リットルの店頭価格の平均八百六十三円が、二十日後の九月二十一日には千六十円と一挙に百九十七円値上げされ、その二週間後の十月五日には千八十六円で二十六円値上げされ、十一月二十日には千百七十二円で、九月五日に比べ三百九円も値上げされました。ガソリンは、レギュラーで、九月五日に一リットル現金売りで平均百二十七円が十一月二十日には百四十四円へと、十七円も値上げをされております。LPGでは、九月五日で五立方平均二千五百二十四円が同じく十一月二十日には二千八百六十九円へと、三百四十五円もの値上げであります。
 石油製品の高騰は、県民生活にも深刻な影響を与えております。暖冬という条件があったにせよ、病院や老人ホーム、保育所を初めビニールハウス栽培、農業機械や漁業関係の重油高騰などによって経営への圧迫もひどくなってきております。
 この値上げに関連して、新聞やテレビ報道によりますと、近畿二府四県の中で和歌山県が最も高く、例えば十月十九日から二十一日の調査によりますと、ガソリンのレギュラー一リットルが奈良県の百三十九円に対し本県は百四十一円で二円高、灯油は店頭売り十八リットルで奈良千六十八円に対し本県は千百四十六円で七十八円高となっております。
 そこで企画部長にお尋ねいたしますが、この価格差の理由はどこにあるのかについてお答えをいただきたいと思います。
 私は、値上げの根本原因は石油メジャー(国際石油資本)と大手元売会社にあると考えております。例えば、「石油不足は発生していない」とアメリカのホワイトハウスのフィッツウォーター報道官が述べているにもかかわらず、ことしの七月ごろには原油価格が一バレル十七ドル程度だったのが九月から十月初めには三十八ドルまでに上昇、十月下旬には二十八ドルに低下しましたが、依然として高い水準を維持しております。この背後にメジャーを中心とする投機活動があり、原油価格に決定的な役割を果たしていることは明らかであります。
 一方、政府は、メジャーや大手石油業界の不当な値上げを規制するどころか、逆に輸入コストの上昇分の転嫁は便乗値上げではないとして、値上げ容認の通達を出してお墨つきを与えております。イラクのクウェート侵攻のわずか四日後の段階で、石油連盟の建内会長は「政府から値上げのお墨つきをもらった方が消費者の理解が得られ、値上げも浸透しやすいと思った」とまで述べております。
 石油元売会社は八月以後、一、系列外への安売り出荷をやめる、二、事後調整と言われる特約店への販売奨励金を廃止する、三、毎月価格を改定する、という方針をとっております。元売主導の価格体系を一層強め、ぼろもうけが上がる体質にしようというのが石油元売会社のねらいであります。このため、安売りスタンドは町から消えて、小売店は大幅値上げを余儀なくされたのであります。加えて重大なのは、大企業向けの石油製品よりも国民の暮らしと営業に必要な石油製品が大幅に引き上げられる一方、電力など大企業向けのC重油は四ないし六月期以降の値上げがまだ決まっていない現状であります。
 少し状況説明が長くなりましたが、知事にお伺いをいたします。
 県民の暮らしを守る上からも、石油元売会社などの横暴を規制することが何よりも重要と考えます。政府に対して、石油元売会社の横暴を規制するよう要請されたいと思います。知事の御答弁をお願い申し上げます。
 イラク問題とかかわって、平和を望む声が県内でも大きく広がっております。本年に入って、米軍機による超低空飛行が有田、日高、西牟婁、東牟婁各地で頻繁に行われている問題について、現地の住民や行政機関からも飛行中止の要請や問い合わせなどが相次ぎました。去る九月議会において総務委員会や議会運営委員会でもこの対策について検討されてまいっており、この問題は非常に重要だと思います。
 私は、これと関連いたしまして、三たび被爆者援護法の制定に対する知事の政治姿勢についてお伺いをいたしたいと思います。
 ことしは、太平洋戦争開始四十九周年、そして広島、長崎の被爆から四十五周年になります。日本被団協が十月二十三日に発表した被爆者援護法の制定を求める地方議会の促進決議、意見書の採択は、昨年三月時点で四百七十七議会にとどまっていたものが、被爆四十五周年を迎えた中でことしは千五百議会、全地方議会の四五・二%に達しております。御承知のように被爆者援護法は、現在、参議院で継続審議となっております。さきに申しましたアメリカの元司法長官ラムゼイ・クラーク氏が、「もともと国連は広島、長崎の悲劇をはじめ第二次大戦の経験などから、戦争防止のために創設された」と述べていますが、被爆者援護法制定のために知事の果たす役割は非常に大きいと考えます。知事の積極的な答弁をお願いいたします。
 次に、町づくりと関連して、道路問題、交通安全対策についてお伺いいたします。
 去る十一月三十日、平成三年度道路予算拡大要求和歌山県道路整備促進大会が東京で開催されました。その際に配付された「道路が拓く、明日の『紀の国』」という冊子から若干紹介をいたしたいと思います。
 「こんなに遅れている和歌山の道路」という欄では、道路の改良率が、一般国道で全国八七%に対し本県は六五%、都道府県道は全国五五%に対して本県はわずか二九%、市町村道は全国四二%に対し本県三○%、次に四車線以上の道路は、一般国道では全国一○%に対し本県四%、都道府県道では全国二・七%に対し本県○・六%、歩道の設置は、一般国道では全国五二%に対し本県二七%、都道府県道では全国二三%に対し本県は九%となっております。さらに、自動車が通行できない道路は、全国平均十・五キロメートルに対し本県は六十キロメートル、異常気象時には県内八十一カ所で通行規制が行われているのであります。冊子では、「二十一世紀に向けて 車がスムーズに流れ、県土の活性化を図る道づくりが必要」、また「半島性を克服し、産業と暮らしの活性化を図る道づくりを」などのスローガンが掲げられております。
 このような方向づけをする上からも、今掘り下げなければならないことは、本県の道路行政の著しいおくれの原因がどこにあったのかにメスを入れ、これを明らかにすることであり、それを除いて今後の方向の実現は不可能に近いと言っても過言ではないと考えます。
 郷土の作家・神坂次郎氏は、著書「紀州史散策」で次のように述べております。「紀伊の国は、日本の古代国家の文明が華やかに開花した畿内と隣りあわせに位置しながら、つねに中央の文化から孤立した国であった。蒼古たる神代からそうであったし、いまもそうである。地図をひろげて図上に定規をあてれば、直線で南北わずか百キロの、その紀伊半島を縦断する道らしい道も、鉄道さえもない。道も鉄道も、ただ、うねりにうねる海岸線に沿って半島をめぐり、三重県につながっているが、その鉄道でさえも、戦後の昭和三十四年、ようやく全線の開通をみたばかりである。大阪のすぐ南隣であるが、いま、もしその大阪に住む人が和歌山県新宮市を訪ねようとするなら、特急でも四時間余は覚悟しなければならないのだ。わずか直線で百キロの地が、である。大阪から東京へは新幹線で三時間十分。大阪人にとっても隣県和歌山は、東京よりも遙かに遠い国である。 大阪人ばかりではない。おなじ県内の和歌山市からでさえ、南の涯、新宮市は遙かな道程の彼方にある」、まさに実感だと思います。
 そこでまず土木部長から、さきに挙げた道路の改良率や歩道の設置などの五点について、全国平均より著しくおくれている原因と今までの取り組み、及び来年度での計画についてお答えをいただきたいのであります。
 また知事から、二十一世紀へ向けての和歌山の道づくりについての構想をお示しいただきたいと思います。
 次に、交通事故対策についてお尋ねをいたします。
 交通事故による死者が十一月二十八日、昨年より二日早く、ついに全国で一万人を突破しました。この十五年間で最悪、第二次交通戦争と言われる事態であります。年間の交通事故死は、第一次交通戦争と言われた一九七○年の一万六千七百六十五人をピークに減り続け、一九七六年から八七年の十二年間では八千人から九千人台になりました。しかし、八八年には一万三百四十四人となり、ことしで三年連続一万人を超え、第二次交通戦争と言われる事態になりました。
 警察庁は、最近の死亡事故の特徴について、高齢者、自動車・オートバイ運転の若者、夜間と休日、高速道路上などでの増加を挙げております。同時に軽視できないのは、交差点や交差点付近の死亡事故が昨年の一九八九年で全体の四三%を占めていることであります。
 県警本部長にお尋ねをいたしますが、本年一月からの県内における交通事故の発生件数、発生箇所と、そのうち交差点及び交差点付近での件数、死亡事故の特徴とこれらに対する対策についてお答えください。
 引き続き、交通安全施設に関してお伺いをいたします。
 一九七○年の第一次交通戦争以降、政府は、一九八○年まで二次にわたって交通安全基本計画を実施し、信号機、道路標識や照明、歩道、横断歩道などの交通安全施設の充実に力を入れました。その結果、この十年間に交通事故死者は減少してまいりました。ところが、その後、政府の臨調行革のもとで、福祉、教育を初め国民の暮らし、健康にかかわる予算が大幅に減額をされ、交通安全施設整備への投資が抑えられ、国が補助していた信号機の設置費用も自治体負担となり、そのため信号機の整備基数の伸びは一九八六年には対前年比二・五%にまで減少いたしました。
 そこで、関係部長及び県警本部長にお尋ねをいたします。
 本年度における信号機、道路標識や照明、歩道、ガードレール、横断歩道などの交通安全施設の設置計画と進捗状況について、また来年度の設置計画についてお答えいただきたいのであります。さらに、巻き込み事故防止を初め事故防止に大きな役割を果たしてきた二段停止線の拡大、及び国道、主要県道や高速道路におけるいねむりゾーンの設置計画についても県警本部長からあわせてお答えを願います。
 最後に、和歌山市を中心とする道路網の整備についてお伺いをいたします。
 一九八八年──昭和六十三年、土木部道路維持課が行った交通量調査総括表によりますと、午前七時から午後七時までの十二時間に、国道二十四号、二十六号、四十二号の自動車類の交通量は、一カ所を除いて一万台から最高は国道二十六号線の市内中洲で三万七千百四十台にもなっております。また、ピーク時の一時間の自動車台数は十二時間交通量の一○%前後を占めており、最高一九%にまでなっております。自動車類に次ぐのが動力つき二輪車類で市街地に集中しており、国道二十四号線では中之島、本町、十三番丁、雑賀屋町で平均三千台、国道二十六号線の延時、中洲、小人町では最高四千台を超え、国道四十二号線でも小松原で四千台を超えております。台風十九号により通行不能となった南海橋は和歌山市が年内完成を目指して取り組まれておりますが、この通行量は十二時間で自動車類四千六百十七台、二輪車類四千八百九十三台で、実に一時間に約八百台が通行していることになります。
 そこで、土木部長にお尋ねをいたします。
 紀の川を挟んで右岸から市街地に入る道路計画について、その進捗状況と完成年度、現状の問題点についてお聞かせください。
 同時に、和歌山市を中心とする道路のネックは東西幹線にあると考えられますが、この路線整備についても同様、具体的にお答えいただきたいと思います。
 以上で、私の第一回目の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(岸本光造君) ただいまの藤沢弘太郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 藤沢議員にお答えいたします。
 第一点は、イラクの問題についてでございます。
 お話ございましたように、イラクの人質が全員解放されるに至ったわけですけれども、まだ軍事的・政治的緊張が解けたわけではございませんし、なお一層紛争解決のためにしなければならない問題も多々ある現状でございます。そうした中で国連平和協力法案が廃案になりましたけれども、日本の貢献策はいかにあるべきか、そしてまた国連の平和維持活動に対する協力のあり方、日本の進むべき方向について、私は国会の場において十分論議すべきじゃないかと存じておるところでございます。
 それから石油問題について、悪質な元売各社への規制でございます。
 国においても、今回の中東情勢を反映した原油価格等の上昇に伴う石油製品価格の改定に当たって、その影響の大きさから慎重に行う必要があるとの判断から、石油元売各社に対して毎月コスト変動報告を求めるとともに、コストアップ分を企業努力で極力吸収するよう努めること、また便乗値上げのそしりを受けるような価格改定は厳に慎むこと等の行政指導がなされているところでございます。
 中東情勢がなお先行き不透明でございます。県としても、今後とも石油製品価格等の動向には十分注意しながら、国、関係機関とも連携を密にしてまいりたいと考えております。
 次は、被爆者援護法制定の問題でございますけれども、国では、他の戦争被災者、遺族等との不均衡を生ずることから非常に難しいということでございます。
 私も、かねてから申し上げておりますように、全国知事会を通じて国家補償の精神に基づいて被爆者に対する制度の改善を図り、被爆者及び遺家族の実態に即した援護対策を確立するよう働きかけを行っているところであり、今後ともその線に沿ってなお一層努力してまいりたいと思います。
 次に、町づくりの道路についての構想でございます。
 絶えず申し上げておりますように、本県の産業基盤の整備、交通基盤の整備の上において道路が非常に重要であり、それは教育、文化、福祉の面からも極めて重要であるとの観点から道路政策を進めておるところでございます。
 本県が、なぜ道路がおくれておるのか。半島なるがために、また地勢上の問題があるためにおくれておるわけでございます。そうしたために、半島振興法の制定をしていただき、半島道路の推進、またふるさと道路の推進等を図っているわけでございます。
 大きい国幹としては、近畿自動車道紀勢線、京奈和自動車道の高規格道路を初め県内各地域を連絡する広域幹線道路としての南北への三軸、東西五軸の整備を進めておりますが、中でも従来弱かったのは縦軸であり、現在、南北軸の強化に努めており、三百七十一号の龍神─中辺路間、四百二十四号の金屋─美山間の整備を促進しておるところでございます。また東西軸としては、紀南地域の活性化のかぎを握る三百十一号の整備を重点的に進めてまいっており、さらに府県間道路、プロジェクト関連道路、地域の生活道路等の整備を促進しております。また、都市間における整備についても交通網の需要の増大に伴う対策を積極的に進めております。
 このように、国道、県道、市町村道だけではなしに林道、ふるさと林道も相当やっておりますし、農道との連係も深めて交通網の整備を図り、二十一世紀を目指す道路網の整備、交通網の整備を図るべく進めておるところでございます。
○議長(岸本光造君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 本県の石油類の価格問題についてお答えを申し上げます。
 県下のガソリンや灯油の販売価格は、経済企画庁の物価モニターによる十月十九日から十月二十一日の調査では、消費税込み平均でガソリン──レギュラー一リットル現金売りでございますが──百四十一円、灯油十八リットル店頭売りは千百四十六円となってございます。これを近畿府県平均と比較いたしますと、一リットル当たり、ガソリンで一円、灯油で三円程度高くなってございます。
 こうした価格差については、本県における一給油所当たりのガソリン販売量が近畿平均の半分程度と少ないことなど、給油所の経営規模が比較的小さいこと等が要因であろうと考えられるところでございます。また販売価格の設定については、市場メカニズムの中で各業者が自主的に設定するのが基本でございます。
 しかしながら、県といたしましては、今回の中東情勢の変化に伴う原油価格の上昇による石油製品の便乗値上げ防止の観点から、調査、監視を強化するとともに、九月十四日付で関係業界に対して便乗値上げ防止等につき要請を行ったところでございます。今後とも、便乗値上げ等が行われないよう調査、監視を強力に行うとともに、必要に応じ、関係業界に対して要請を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 まず、和歌山県の道路問題のおくれの原因と取り組み及び来年度計画についてでございます。
 本県の道路整備の現況は、全国的に見ると低位にあります。その要因は、自然、歴史的、社会的条件が複雑に作用しているものと考えられます。
 県といたしましては、均衡のとれた県土の発展を図る観点から、近畿自動車道や京奈和自動車道の整備促進による時間距離の短縮、国道三百七十一号、四百二十四号の交通不能区間の解消、交通安全事業による歩道設置等、国の事業の促進や国庫補助事業の拡大、県単独事業の拡充等、多面的な取り組みを行いながら、御指摘のような課題に対処しつつ整備促進に努めてきたところであります。来年度においても、県議会の御理解と御支援をいただきながら、財源の確保にも努力しつつ、知事が答弁した方針に沿って一層の整備促進に努めてまいりたいと考えております。
 次に、交通安全施設の本年度設置計画と進捗状況、来年度計画についてでございます。
 我が国の経済成長と産業構造の高度化、所得水準の向上等に伴ってモータリゼーションの増加は著しく、道路資産と自動車交通のアンバランスはますます顕著となり、これが交通混雑の激化と交通事故の増大を招いております。
 事故多発道路やその他緊急に交通の安全を確保する必要がある道路について、その安全を高めるため昭和六十一年度を初年度とする第四次交通安全施設整備五カ年計画により約百億円を投資し、自転車・歩行者道の整備四十三キロメートル、事故多発箇所の交差点改良十八カ所、その他道路情報板、道路区画線、ガードレール、カーブミラー等の設置を進めてまいりました。また、最近の交通死亡事故分析の結果によると夜間事故が六割を占めておりますので、これら緊急に設置する必要箇所の照明施設を平成二年度に百基、三年度に三十基を予定しております。
 なお、平成三年度は第五次交通安全施設整備五カ年計画の初年度となり、交通事故防止施設対策を検討中でもあり、今後なお一層の努力をしてまいる所存であります。
 次に、和歌山市を中心とする道路網の整備についてでございます。
 紀の川右岸地域においては、急速に宅地化が進み、それに伴い交通量が増大しており、左右岸を結ぶ各橋梁や関連する交差点で渋滞が生じているのが実情であります。
 国、県では、かねてより紀の川の左右岸を結ぶ道路の整備を進めてきており、昭和六十一年の川辺橋の完成を初め、平成四年春供用を目途に建設している河口大橋、関空開港時供用を目途に整備が進められている和歌山バイパス、また昭和六十三年度から着手した和歌山北バイパス等が進められております。現在事業中の三つの道路が完成すれば、現状の交通渋滞は大幅に改善されるものと考えております。
 事業の進捗については、和歌山バイパスは一部で用地交渉が難航しており、また和歌山北バイパスは楠見地区の排水問題等で地元同意が得られていない状況でありますが、県としても、国に対しできるだけの協力を行ってまいりたいと考えております。
 また、和歌山市を中心とする東西幹線の道路整備についてでございます。
 和歌山市の市街地はJR紀勢本線等により東西に分断されており、この対策として鉄道と立体交差する道路の整備を推進する必要があります。このため、吉田地区において市駅小倉線、宮前駅周辺において湊神前線、中島地区において南港山東線の三路線を都市計画道路事業として進めているところでございます。
 湊神前線、南港山東線は、県事業により用地買収を進めているところであります。湊神前線は、住宅、店舗等の連檐する市街地であり、用地買収の推進が課題となっており、南港山東線は、大規模物件の移転等の課題がありますが、今後、関係者の皆様の御協力を得て早期に完成できるよう努力してまいります。また市駅小倉線については、和歌山市事業として本年度より一部用地買収が完了した区間より立体交差工事に着工しているところであります。今後とも、事業を推進するよう市を指導してまいります。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 警察本部長西村浩司君。
 〔西村浩司君、登壇〕
○警察本部長(西村浩司君) まず、交通事故の発生状況であります。
 本年十二月十日現在で、発生件数六千四十三件、死者数百十人、傷者数七千七百四人で、昨年同期と比較して発生件数でマイナス八十件、死者数でマイナス七人、傷者数でマイナス五十七人と、いずれも減少しております。
 これの道路別の発生状況でありますが、それぞれ全体に占める比率は一般国道が発生件数の約三三%、死者数の約四六%、傷者数の約三六%を占めています。県道は、発生件数の約三一%、死者数の約二八%、傷者数の約三一%を占めています。市町村道は、発生件数の約三四%、死者数の約二一%、傷者数の約三一%であります。農免道路等、その他の道路の発生は微々たるものであります。
 また、交差点及びその周辺における発生状況は、発生件数で全事故の五八・一%、死者数が四二・三%、傷者数が五六・四%で、この比率は全国より発生件数で三・八ポイント、死者数で○・三ポイント低くなっています。
 次に、死亡事故の特徴と対策であります。
 その特徴としては、国道等幹線道路における夜間事故の比率が高く、若者の四輪車の高速運転等無謀運転による単独事故が多く、またその死者のほとんどがシートベルト非着用であるということであります。さらにもう一つの特徴は、高齢者の死者が増加し、二輪車、四輪車乗車中の事故が多くなっていることであります。
 警察といたしましては、関係機関、団体の御協力をいただきながら、こうした特徴点を踏まえた交通安全教育、啓発活動、交通安全施設の整備等とともに、夜間の幹線道路における取り締まりの強化、シートベルト着用キャンペーンの実施、若者を中心とした交通安全フェスティバルの開催等を行ってきたところであります。また、高齢者の死亡事故増加に対しては、交通弱者対策とともにシルバー交通教室等、高齢ドライバー対策にも力を注いでいるところであります。今後とも、事故の実態に即応した諸対策を積極的に促進してまいる所存であります。
 次に、交通安全施設の関係でございます。
 本年は、第四次交通安全施設等整備事業五カ年計画の最終年度であります。その進捗状況は、補助事業、単独事業とも順調に推移いたしております。県下の交通安全施設のうち、交通信号機と横断歩道、二段停止線の整備状況について申し上げますと、平成二年三月末現在、交通信号機は千八十一基、横断歩道四千二百三十五カ所、七千七十五本、二段停止線三十七交差点、五十七方向であります。
 本年度の設置計画と進捗状況についてでありますが、交通信号機については二十六基、道路標識については新設、更新分を含めて約五千五百本、横断歩道については約百カ所を設置する予定であり、補助事業で一○○%、単独事業でおおむね八○%の進捗を見ております。
 来年度の計画でありますが、引き続き、住民の要望を踏まえつつ、関係当局の御理解を得ながら交通信号機の新設、高性能化等、交通安全施設の整備充実に向けて努力してまいる所存であります。
 二段停止線については、交差点の構造、二輪車の事故発生状況を勘案しながら、必要な場所に設置を検討していく考えであります。
 いねむりパーキングについては、現在、国道四十二号には十一カ所、国道二十四号には一カ所設置しておりますが、道路外に空き地が必要でありますので、今後とも道路管理者の御理解を得て適切に措置してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 47番藤沢弘太郎君。
 〔藤沢弘太郎君、登壇〕
○藤沢弘太郎君 答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。
 まず知事にでありますけれども、新国連協力法案の問題について、知事は国会での状況を見ていくということでありました。
 御承知と思いますが、十日の衆議院の本会議でも海部首相は、今度の多国籍軍への十億ドルの補正予算での追加提供について、武力行使があっても支援を継続していくんだと言っております。私は、先ほど述べたように、多国籍軍への財政支出は憲法の許さない戦争協力行為であるということから、憲法あるいは国連憲章の立場において改めて自覚をしなければならない問題だと思うわけであります。これらの内容については繰り返して述べませんけれども、特に国連憲章の問題については、あくまでも平和的な手段でこれを解決していくことを中心にうたっております。先ほど知事は国会における状況ということを言っておりましたけれども、このような状況の中で、憲法、国連憲章の立場に立った行動が最も重要な問題であるということについて私の見解を述べておきたいと思います。
 続いて、石油の問題であります。
 企画部長から、便乗値上げの防止あるいは調査、監視、時によっては要請をしていくということが出されておりました。
 企画部長からいただいた答弁は、特に消費者の立場が中心でありました。関連して商工労働部にも要請をしておきたいと思いますけれども、消費者の立場と同時に、大手石油企業あるいは県内における石油企業に対するいろんな指導は、やはり商工労働部としても必要な内容を持っていると思います。先ほど企画部長から、消費者の立場で適正価格について不公正のないようにしていきたいという答弁をいただきました。この問題に関連して、商工労働部も企画部と連携し、消費者の立場に立ち、便乗値上げ、石油の適正な価格の問題について協力をしながら進めていただきたいと思います。
 もう一つ、石油の価格です。
 大阪の方へ行くと、「本日は幾ら」ということをよく掲示しています。ところが和歌山の状況をお聞きをしますと、二つの給油所しか価格の明示をやっていないということであります。こうした「本日幾ら」というような価格の明示も、価格の公正といいますか、適正な価格を維持する上では大事な問題であろうと思いますので、この点についても行政の指導内容として今後検討をいただきたいと思います。
 次に、道路問題について再質問申し上げます。
 一つは、部長答弁の中で関空開港時云々という言葉がありました。きのうも論議になっていたように関空の開港延期の問題があり、関空開港が延びた、道路計画も延びたということでは困ります。関空開港時と言われましたが、これはいつの開港時なのか、その点を改めて明確にしていただきたいと思います。
 二つ目、お年寄りや障害者あるいは子供などに優しい町というのは住民にも優しい町だと思います。そのために、交差点の歩道あるいは車道の段差をなくすなど、車いすでも歩ける町づくりが大事だと思います。特に、国際障害者年はあと一年でありますし、県が行っている行動計画とも関連をしながら、ぜひこうした町づくりを進めていただきたいのであります。
 そこで、和歌山市の北から南への道路計画でありますけれども、全体として見てみますと、住民からの要望に、この道路に歩道をつけてほしいということがあるわけであります。今日の変化する中においてそういった問題も大事だと思うのでありますが、こうした道路計画の当初から歩道や横断歩道の計画、信号灯、照明なども盛り込んでおくことが大事だと思います。財政的にもいろんな問題があると思いますし、歩行者優先の立場や公安委員会関係との連携もあると思いますが、こういった点について土木部長の方から答弁をいただきたいと思います。
 それから、県警本部長にいねむりパーキングの問題をお尋ねいたしました。国道での答弁をいただいたわけでありますが、県の管理道路についてもいねむりパーキングについてどのようなお考えを持っておるのか、あわせてお答えをいただきと思います。
 最後に、県警に対する要望であります。
 先ほど本部長から答弁のありましたように、交差点事故については件数で五八・一%、死者で四二・三%、傷者で五六・四%を占めている。全国から見て和歌山は少ないんですけれども、これは重大な事故の多発地だと思います。交差点の事故発生を防ぐ上からも、交差点における照明、また横断歩道の明示等、今、方々に明かりのついた横断歩道の標識がありますけれども、ひとつこういった点においても土木管理者との関連でぜひ積極的に今後の設置計画の中で進めてもらいたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。
○議長(岸本光造君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 まず、関空開港がおくれれば和歌山バイパスの供用もおくれるのではないかということでございます。
 和歌山バイパスについては、当初に設定された関空の開港時までに供用を開始できるよう建設省に強く働きかけをしてまいります。
 それから、優しい町づくりや信号機の設置は当初から計画すべきではないかということでございます。
 道路は、本来、あらゆる社会経済活動を支える根幹でありますが、必要な箇所においては親しみと潤いのある空間として整備することも重要な課題であると考えております。道路を新設する場合は、老人、障害者等への配慮について十分検討を加えております。また信号機についても、必要な箇所に設置されるよう道路整備に際して公安委員会と協議を行っております。今後なお一層、行き届いた道路行政に努力してまいります。
 それから、いねむりパーキングの設置の件でございます。
 県の管理する一般国道並びに主要県道の改良済み区間において、道路幅員の外に適地があれば利用できるよう努力してまいります。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 以上で、藤沢弘太郎君の質問が終了いたしました。
○議長(岸本光造君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番和田正一君。
 〔和田正一君、登壇〕(拍手)
○和田正一君 先輩・同僚議員の御寛容と御理解を賜りまして、来期へつなげる一般質問を行わせていただきます。
 これに先立ちまして、十一月三十日、二十八号台風に後押しされるように東京における予算拡大道路整備促進大会に参加させていただきました。大会、陳情を終えて翌朝の帰路は全くの快晴で、車窓の富士はすばらしく、晴れ晴れとした眺めではありましたが、列車が紀伊長島駅を過ぎ、尾鷲林業地帯に入るころから十九号台風等による風倒木が至るところに見られ、そのつめ跡、惨状に暗たんたる気持ちに誘われました。二十八号台風では幸い大災害は免れたものの、クリスマス、お正月を控えて、農林水産業を初め、少なからざる被害が発生していると聞き及んでおります。当局においては、知事が当初申されたとおり的確に対応しておられるものと信じますが、四たびの台風被害に十分なる措置を講じられますよう強く要望いたします。
 知事も御視察くださいました、五月初旬の私の自宅対岸の崩壊地については、防災工事が着々進捗し、国道百六十八号線の一方通行も近く解除されるものと思われます。上部の治山工事も田長地内治山工事とともに既に発注済みと伺い、朝な夕な、また一雨ごとに現地で、自宅で見張りを続けておりました私、自称監視役も、みずからその役を解任する日の近いことをこの上なく喜んでおります。ありがとうございました。
 では、逐次、質問に移らせていただきます。
 一つ、知事は「燦黒潮リゾート」なる印刷物に「既に第四次全国総合開発計画、新しい近畿の創生計画、紀伊地域半島振興計画において、その夢は大きくふくらみ始めました。一方、高速交通網につきましても、関西国際空港の開港をはじめ南紀白浜空港のジェット化、高速道路・府県間道路などの整備が進み、内外に開かれた県土づくりは、新しい局面を迎えております。 これらを背景に、この度県では『海』をテーマとして『燦黒潮リゾート構想』を策定しました」と語っておられます。
 これらは、もちろん、より積極的に推し進めていただかなければなりませんが、知事もそのあいさつの中で触れておられました、本県の資源である山岳、河川、温泉、歴史、文化と結ぶことにより、リゾートの質を高め、県土の均衡ある発展を忘れてはならないと思います。緑豊かな山々、すばらしい自然、高野山、熊野三山に象徴される日本の人々の心のふるさとに山をテーマとした、県の言う山岳リゾート、私流に言うならば山並みリゾート構想をより明確に、より大きく打ち出していただき、過疎に悩み、林業を初めとする第一次産業の不振の悩みを抱える山村に、そしてまた漁村にまで新しい息吹と活力を呼び戻して、老いも若きも安心して定住でき得るふるさと創生の実現に大きく踏み出していただきたい、心からの願いでございます。とともに、山を守り、田畑を守った県土保全の防人たちの住まう山村に希望のあすを開いてやっていただきますことを希求してやみません。山並みリゾート構想について、知事の力強いお考えをお伺いいたします。
 二つ目、「道路が拓く、明日の『紀の国』」、道路整備促進大会会場の垂れ幕が今なお胸に焼きついて離れません。
 大会当日、自民党本部に小沢幹事長を訪ね、陳情申し上げた折、幹事長が、私が東京に出るには八時間も要すると知って、まだそんなところがあるのかと驚いておられましたが、東京はおろか、県庁まで四時間、五時間以上も隔てた東牟婁、新宮地方は、近畿自動車道紀勢線の新宮起工と、本年四月及び八月に開通した福定─近露工区、皆地バイパスに引き続き三百十一号の小広トンネルの早期起工、また百六十九号奥瀞道路の進行にあわせて宮井大橋より東野トンネルに至る改良の促進を希望いたします。
 なお、百六十八号宮井大橋より高津橋に至る間は崩壊または落石のおそれのある箇所が多々あると思われますので、十分点検の上、早期の改良をお願いいたします。三百七十一号線についても、同様に格別の御配慮をお願い申し上げておきます。
 その他、県道、市町村道についても、道路が狭隘、危険箇所が多く、枚挙にいとまがありませんが、関係市町村と連携を密に保ちながら、市町村の求めに応じてでき得る限りの措置を講じていただきたいと思います。
 以上について、当局の所見を開陳願います。
 三つ目、熊野川水系ダム放流についてお尋ねいたします。
 十九号台風来襲のさなか、午後九時ごろ、私は北山川の出水状態を見ようと自宅から約三百メートルの宮井大橋まで出かけ、約三十分後、帰宅しようとしたところ、既に腰のあたりまで水かさが増しており、やむなく立ち木に取りすがりながら自宅にたどり着きました。
 私は、昭和二十一年、役場に勤めて以来、またダムが建設されてからも数知れない台風と出会ってまいりましたが、今回のような急速な水位の上昇とは初めての出会いであり、驚きよりも強い怒りを覚えました。
 その被害状況は当局も既に御承知のことと思われますのでくどくは申し上げませんが、いかに発電ダムとは申せ、下流住民の生命、財産の保全、保護のためには、操作規則に固執することなく、予備放水等、災害防止に万全の措置を講ずるよう関係機関へ強く申し入れ、実行に移されるよう取り計らい願いたいと思いますが、当局のお考えをお聞かせ願います。
 四つ目、ふるさとづくり特別対策、半島振興道路についてお尋ねいたします。
 黒潮リゾートネットワーク構想のもとに、さきに林道龍神本宮線の整備が決まり、近くには林道水上栃谷線の起工が行われました。まことに喜ばしく、頼もしい限りでございます。龍神、中辺路、本宮、日高、西・東牟婁郡を結ぶこの道路は、山間に住まう人々に多大の期待と希望をもたらし、新しい生きがいを求めて頑張ってくださるものと確信いたしますが、この際さらに、古座川町平井から大塔村木守に至る林道の改良開設を取り上げてくださるようお願いいたします。三百七十一号線の整備促進についてもお願いしておるところでございますが、特にこの林道についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
 五つ目、十一月初旬、農林水産委員会は愛媛県を視察、調査いたしました。愛媛県当局並びに関係機関より説明を聞き、勉強させていただきましたが、人づくりの大切さをこもごも語っておられたのが強く印象に残っております。
 本県も、平成二年度予算の編成に当たり「明日を担う人づくり」を一つの柱としておられることは意を強くするところであります。農林水産委員の先生方は、農林水産業にそれぞれ御造詣の深い方々であり、委員会においても視察の成果について、また農林水産業の振興施策等についても真剣に御討議くださるものと思われますが、山に生まれ、育ち、林業の盛衰を肌で感じてまいった私として愛媛県久万林業のあり方を注視してまいりました。
 久万林業を興した人は和歌山県出身の方であったことを知り、誇りと思い、ここに人ありきと感じました。森林組合の製材加工工場には男女数十名が立ち働いており、活気に満ちておりましたが、久万林業のさらなる振興を図り、活力を求めるため、町、森林組合などの出資による第三セクターを設け、現在八名の若者がUターンして技術習得、研修を行っており、「久万には明るい未来がある」と語ってくれた森林組合専務理事の言葉は自信と希望に満ちておりました。作業道にかわるモノレール等を使用しておられるかと尋ねましたところ、言下に「ありません。トラックの通行可能な林道の密度は二十七メートル余で、作業道、間伐林道も整備されており、その必要はありません」とのことでした。
 かつて、私も林業の先進地と言われる地方を何カ所か視察したことがございますが、これらのすべては林業の基盤である林道網の整備がなされていたことなどを思い浮かべ、将来、再び日の目を見るであろう紀州木の国林業振興のために基盤整備に十分意を用い、将来に備えていただきますよう、ここにこいねがう次第でございますが、当局のお考えをお示し願います。
 また、林業振興に不可欠なことは自分の持ち山を知ることであります。若者が都市に流出したり、また現在の林業に魅力を感じない方々は、自分の持ち山の境界すら知らず、そのまま放置しておるものが多くなってまいりました。このまま推移すれば境界紛争の種となり、大変な事態を引き起こしかねないことを憂慮するところであります。幸い県では、ふるさと森林活性化対策、山番制度等によりその対策を考えておられることに敬意を表しますが、絵にかいたもちとならないよう森林組合、関係機関と密接に連携し、さらに一歩推し進めてくださることをお願い申し上げます。当局の見解をお示し願います。
 なお、林業の振興に関連して、最近、防火思想の普及と林業の現状からして林地火災の発生は非常に少なくなっておりますが、農山村の高齢化に伴い、消防力も低下の一途をたどっております。機動力の充実強化などが必要と考えておりますけれども、森林火災予防、消火の現状の取り組みと今後のお考えをお伺いいたします。
 本日はここまでといたしとうございますけれども、来年四月、春のあらしをかいくぐり、桜吹雪に迎えられて再び登壇し、文化、文芸の薫りに満ちた格調高い演説をさせていただきたいと思います。本日は、ちょうど時間とはまいりませんが、お粗末ながら、まずはこれまでということにさせていただきます。御清聴、多く謝して終わります。
○議長(岸本光造君) ただいまの和田正一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 和田正一議員にお答え申し上げます。
 陳情でございましたが、四たびの災害の御報告がございました。私も実際に風倒木の被害を見て、台風の右側の被害の大きさというものをまざまざと見せつけられた感じがしたわけでございます。これらに対しても積極的に対応してまいりたいと思っております。
 それから、山並みリゾート構想の問題でございます。
 お話ございましたように、山村地帯は豊かな自然と歴史、文化を持っております。県で昭和六十三年にリゾート開発基本構想を策定したのでございますけれども、この中においても山村地帯のリゾートの問題を積極的に加えさせていただいておるわけでございます。
 また昨日来、過疎地域の高齢化が問題にされておるわけでございますけれども、そうした中でいかに生きるかということについて、関係の市町村が必死になって研究しておるわけでございます。市町村の皆さん方がリゾート計画を策定しておりますけれども、県としてもそうしたものを総合的に取り上げて対処してまいりたく、現在、作業を進めているところでございます。
 また話ございましたように、燦黒潮リゾート構想との関連についても十分なる配慮を重ねていかなければならないと思います。特に、こうした山村地帯のリゾートについて、道路網の問題、林道の問題、そうしたものと密接なる連携をなおさら強め、リゾート構想を進めてまいりたいと思っております。
○議長(岸本光造君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 紀南地方の道路整備についてでございます。
 まず、高速道路の新宮側からの整備については、議会の御支援もいただきながら新宮─那智勝浦間の早期着工を国に要望してきたところでありますが、去る十二月七日に国道四十二号バイパスとして那智勝浦新宮道路十五・七キロメートルが都市計画決定されたところであります。このバイパスは自動車専用道路として計画された道路であり、今後とも本路線の早期事業化について国に強く働きかけてまいります。
 次に、国道三百十一号の小広トンネルを含む中辺路五工区は本年度に事業化を行ったところであります。今後、測量等の調査、用地取得を行い、整備の促進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、百六十九号、三百七十一号については、現在、事業中の宮井工区、古座川三工区、端郷工区の整備を促進するとともに、他の区間についても交通の隘路区間の解消を順次図ってまいります。また、県道、市町村道の交通の隘路区間等については、今後とも関係市町村と密接な連携を図りながら、その解消に努力してまいりたいと考えております。
 次に、道路の危険箇所については、従来から道路の安全性を高めるため、防災対策として落石防護ネット、ロックシェッド等の整備を進めているところであります。さらに安全の徹底を図るため、県下の危険箇所の総点検を行っております。今後、その結果をもとに緊急度の高い箇所から順次整備を行ってまいりたいと考えております。
 次に、熊野川水系のダム放流についてでございます。
 このたびの台風十九号は紀伊半島を直撃し、十津川の風屋ダムにおいては昭和三十六年の第二室戸台風に次ぐ流入量を、また北山川の池原ダムでは竣工以来、最大の流入量を記録するという大出水でございました。
 本水系の発電ダムの操作規則については、河川管理者である国の承認を受けてダム設置者の電源開発株式会社が定めたものであります。ダム操作は、承認を受けた操作規則に従って行わなければならないことになっております。このたびのダム放流については、事前に予備放流を行い、洪水流入時においても流入量を下回る放流を行っており、ゲート操作に関しては現行の操作規則に従ったものでありました。今後、県としては、今回の出水状況にかんがみ、議員御指摘の趣旨を十分踏まえ、洪水時の対応方法等について関係機関へ働きかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) 四点についての御質問でございます。お答え申し上げます。
 古座川町の平井と大塔村の木守を結ぶ林道木守平井線の改良の問題でございます。
 延長十七キロメートルのこの林道は、十一年九カ月の年月をかけて昭和五十八年度に完成をいたしました。林業面はもちろんのこと、議員お話しのとおり、地域の方々の生活や産業用道路として幅広く利用されてございます。
 この路線は、県内でも特に急峻な山岳地帯の中を開設してきたものでございまして、相当期間を経過した現在、のり面の保全、ガードレール等の安全施設、また路面補修などを必要とする箇所が多く見られる状況にございます。古座川町と大塔村を結ぶ唯一の幹線地域道路でもございますので、今後さらに交通量が増加するものと見込まれるところから、改良、舗装を含めた本路線の機能強化について早期着工を図るべく、国と協議を積極的に進めてまいる所存でございます。
 次に、将来に備えた林道整備についてでございます。
 本県では、急峻な山岳地帯を広域的に結ぶ基幹林道の整備を重点に、現在、広域基幹林道を十一路線、これに接続する支線林道三十三路線について開設、整備を実施中でございます。平成十五年における林道密度一ヘクタール当たり七・三メートルの目標達成を目指して林道網の早期整備に取り組んでいるところでございます。
 今後、二十一世紀の初頭に向かって、量的、質的にも全般的に優位にある本県の森林資源が着実に充実していく中で、県産材の安定供給体制づくり、とりわけ林道を中心とした生産体制の早期整備がますます重要となってくるものと考えてございます。このために、議員御提言の趣旨を十分踏まえながら、重点地域へは高密度路網の形成を図り、林業の機械化が進む中で、林内路網のネットワーク化を目指した林道の体系的な整備により一層取り組んでまいる所存でございます。
 次に、森林の管理の問題でございます。
 森林の管理については、地域外へ転出した方々の所有森林の中には手入れが行われていない箇所も見受けられるのが昨今の現状でございます。このため、ふるさと森林活性化対策事業によりまして、森林組合が中心となり、大阪、東京などの都市部で説明会を行うなどして、適正な施業管理を呼びかけておるところでございます。
 なお、森林所有者の不在村化が進んでございます。所有森林の境界を含む森林の管理については、県森林組合連合会がことしから独自に山番制度を発足させ、境界の管理等を森林組合へ委託することを進めているところでございます。今後とも、こうした森林組合の活動を通じ、森林管理のより適正な推進に努めてまいる所存でございます。
 最後に、森林火災消防対策の問題でございます。
 山村地域の高齢化が進む中で森林火災の消防力の低下が起こっていることは、議員御指摘のとおりでございます。全国火災予防運動期間中に、特に広報車によって防火思想の徹底を図っているところでございますが、さらに平成元年度からは新たに過疎町村等の消防力強化のために、森林への入り込み客の多い市町村から順次、無線機、消防ポンプ、防火管理道の設置などを取り入れ、予消防活動の効率化、機動化を図っているところでございます。今後とも、防火思想の徹底を図るとともに、予消防体制の強化に努めてまいる所存でございます。
○議長(岸本光造君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「再質問ございません」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 以上で、和田正一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(岸本光造君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時三十三分休憩
 ─────────────────
 午後一時四分再開
○副議長(橋本 進君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○副議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 1番井出益弘君。
 〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 それでは、私も二期目の県会議員の締めくくりとして質問を行いたいと思います。
 以前は、県当局として一生懸命やってくれたと思うんですけれども、なかなか具体的に煮詰まらない答弁があったかと思います。今回は、ぜひ納得のいく、また県民にもよくわかる答弁をいただきたいと思います。そこで、まず質問する側としてもよくわかるように質問をさせていただきます。知事さんは、質問が不十分なところは質問者の意向をよくわかってくれて補足答弁をしていただけるときもありましたので、今回もひとつよろしくお願いします。
 では、通告順に従って質問させていただきます。
 一番目に、道路、交通網整備についてであります。新南海橋の早期完成と紀の川の右岸、左岸を結ぶ交通アクセスの整備について。
 最初に、交通問題についての質問をいたします。
 和歌山県の広域幹線道路については、関西国際空港立地のインパクトを受け、高速自動車道路は御坊市までの建設計画が進められており、さらに南部までの整備計画に必要な調査が進められております。また京奈和自動車道についても、橋本道路の事業化に続いて高野口より和歌山市間も基本計画区間に組み入れられる等、広域幹線道路については飛躍的な進展が見られているところであります。これは、ひとえに仮谷知事を初め関係各位の方々の大変な御努力によるものであると、深く感謝しているところであります。
 一方、私がこれから質問申し上げることは、地域交通問題として和歌山市内の交通問題であります。その中でも、特に市内北部の紀の川右岸と左岸を結ぶ交通対策の問題であります。
 紀の川右岸については、御承知のとおり紀伊、直川、六十谷、楠見、平井等々の既存市街地とその周辺部では急速に宅地化が進んでいるばかりでなく、鳴滝団地、有功団地等の新しい開発により、人口増加が急速に進んでいるところであります。このような状況の中にあって、紀の川右岸の道路は堤防道路と県道粉河加太線のみであります。さらに、これらの道路は昔からほとんど改善されていない狭い道路であります。これらの道路は、東から西へ流れる通過交通に北部開発団地から出てくる交通が合流し、交差点では各所で交通停滞を起こしております。その混雑の度合いは、ますます増加の一途をたどっておるところであります。また紀の川左岸に渡りましても、宇治交差点、地蔵ノ辻交差点、田井ノ瀬橋交差点、田中町交差点、どの橋を渡っても市内の中心部に入るためには大変な交通停滞区間を通らなければなりません。
 十月には、我が県を襲った台風十九号により南海橋が陥没し、通行どめとなりました。このことは、日常化している交通停滞に一層の拍車をかけ、紀の川右岸に住む住民は大変な危機感を覚えたものであります。しかし南海橋の修復については、当初五カ月と発表されていましたが、その後、関係者の御努力によりこの年末の二十四日には開通できるとのことで、県市当局の大変な御努力に深く感謝しているところであります。
 だが、南海橋が修復されても交通停滞が解消されるわけではありません。紀の川右岸の各地と市内中心部はほんの数キロメートルの近い距離にありますが、この間を通勤する人たちは交通停滞のために一時間近くもの時間を要しております。私もその一人であります。そのため、早朝出勤をしたり帰宅時間をおくらせるなど、通勤時間の調整を余儀なくされている人が多くいます。このように通勤時間にロスが多くなることは勤労者の日常生活に虚脱感を与えるものであり、仮谷知事が進めようとされている「潤いと活力のある県土づくり」の政策スローガンにはほど遠いのが現状であります。
 そこで土木部長にお伺いしたいのでありますが、土木部長は交通問題の専門家として全国の交通状況にも造詣が深いと存じますけれども、このような和歌山市北部の交通混雑をどのように感じておられるのか、その感想をお伺いしたいのであります。
 紀の川の左右岸を結ぶ交通対策として新南海橋と紀州大橋が計画され事業化されておりますが、この二本の橋のみで市内北部、東部の交通停滞が解決できるものではありません。これらの橋に連結する西脇山口線、市駅小倉線の整備を急速に進めることが大変重要であります。また、極度に混雑を起こしている道路に対しては、交差点の改良、道路の部分拡幅等、局部的改良を早急に行うなどの緊急対策も重要な課題であります。建設省で行われた紀三井寺交差の部分的改良は交通緩和に相当な効果を上げております。土木部においてもこれから平成三年度の予算編成に取り組まれることと存じますが、このような都市部の交通混雑に対する緊急対策にどう取り組まれるのか、土木部長の御所見をお尋ねいたします。
 次に、第二阪和国道の新南海橋建設についてであります。
 私は、今まで新南海橋からの着工について何度か質問を重ねてまいりましたが、あえてもう一度重ねて御質問をしたいと存じます。
 今、紀の川では国道二十四号線のバイパスとして紀州大橋の建設が進められていますが、厳密に申し上げますと既に橋の建設は完成しております。しかし、取りつけ道路の用地買収が難航し、道路の開通ができない状態のままであることは県民の注目の的となっていますが、第二阪和国道において新南海橋から着工することは紀州大橋の二の舞にならないかとの行政当局の心配はよくわかります。しかし、紀州大橋の工事についても、工事に着手してから既に五、六年経過していると思います。新南海橋が、取りつけ道路の用地買収を先行してから橋の建設に着手するとなれば、完成はどれほど先になるか予想もつかないことになるのではないかと心配をしているものであります。第二阪和国道のように市内の交通対策上極めて重要な事業をするについては、橋から先に着工し、その建設期間中に取りつけ道路の用地買収を完了させるというように、事業推進には明確な目標設定を課して事業に取り組むことが非常に重要なことではないかと思うのであります。
 そこで土木部長にお伺いしますが、新南海橋の工事はどのような時期に着手すべきとお考えなのか、また楠見─元寺町間の第二阪和国道部分は通常ではどのくらい期間があれば完成できるとお考えなのか。
 公共事業の完成時期を明確にしないことは、用地買収で協力してくださったとうとい方々に不安を与え、協力しなくても収用法の強制執行等の法律は和歌山にはないに等しく、ごね得の例をつくることになります。新南海橋の完成時期はいつか、市民、県民みんなが知りたがっています。この機会に明確にしていただきたい。新南海橋は、県民そして県都和歌山市民が最も切望している重点項目の一つです。県民に、県当局の努力、誠意の伝わる御所見、御答弁をお願いいたします。
 二番目に、港湾機能の拡大についてであります。
 リゾート県として、レジャー施設への対応について。
 和歌山市周辺には、何百隻という船外機、モーターボート、ヨットなどがあります。レジャー用の船であり、今までは紀の川や県管理の河川、漁港内やその周辺に適当に停泊、放置されてきたものが多くあります。しかし、レジャー用の船でも、リゾート県を目指している和歌山県としては河川や港湾、海岸の環境整備とともにレジャーボートに対しても対応施設、エリアを考え、取り組んでいかなければならないと提言するものであります。当局の見解と対応について答弁をお願いします。
 三番目に、環境整備対策と現状について。
 農業用水路の公共性と維持管理、改善についてであります。
 私たちの和歌山県は公共下水、都市下水については、残念ながら全く対応がおくれており、ほとんどの地域では、下水、排水は農業用水路に放流しているのが現状であります。その用水路に放流許可をもらえなければ宅地でも家が建てられない現状で、そのため放流許可の際、和歌山市ではほとんど水利組合単位にこの関係の許可基準が策定されているようでありますが、基準取り決めが策定できていない地域では、多額の納付金を水利関係に支払うことを強いられることがあったりして、許可をする、しないの判断が水利組合ではできない、あるいは関係者ではできないこともあって、トラブルが多く発生しております。しかし、農業用水路の整備が農業者以外の市街化されてきた住宅街に住む一般宅地の県民にも、災害面や環境整備面で一日も早く改善、整備が求められているところであります。
 さて今回は、一級河川大門川上流の宮井川用水路の改善についてお伺いいたします。
 私は以前から、和歌山市東部の開発が進むとともに、日々改善工事が難しくなるから、家が建ち並び、建物が密集し切らないうちに排水整備対策をしてほしいと、何回も議場で申し上げてきました。けれども農林部長は、土木部長や和歌山市水利関係団体と相談しないと難しいと答え、また土木部長は農林部長や関係者と相談しないとと答え、いずれも行き着くところは、圃場整備事業を実施してその終末の排水を紀の川に捨てれば冠水災害もなくなり地域も整備できると、全くの理想の目標を掲げ、総論賛成、各論反対で地域が混乱しているのをここ数年多く体験してきました。私は、大雨のたびに農作物が冠水し大変な被害を受けている気の毒な姿を幾度も見てきて、その間にも無秩序に建物は建っているし、和歌山の行政の現状はこんなものかなあと考え込む今日であります。この宮井川の浸水対策、改修計画についてお聞きするとともに、今後このようなものについての対策は、連絡協議会等を設置して関係者が一堂に会し、早期に具体的に取り組む必要があると考えます。当局の答弁を求めます。
 四番目に、学校教育についてであります。
 高校教育の実態と改善について。これは、私学も含めてであります。
 私には三人の娘がいます。長女が大学二年生、次女が高校二年生、三女が小学四年生であります。長女は、公立の中学校から私学の高校に進学しました。次女は、公立の高校に進学しました。今、全国的に危険な感じがするほどの私学ブームが起こっております。なぜブームが起こるのか。私自身、二人の子供を公立と私立に通わせてみてその理由が実感としてわかります。
 中学進学のときから、私立に入学させたいとの相談もよく聞きます。ある月刊誌にも、私立中学に入れると入学時に百万、その後、年に五十万、つまり三年間に最低でも二百万はかかる、その分、公立ではただになるのだから、これは大変な出費だ、それでも私立に入学させようと必死になる、そのわけは、まず第一に内申書の問題がある、今の公立中学校では教師が内申書を武器にして生徒を監視している、生徒は教師ににらまれないように要領よく生きることを覚える、目立つことを恐れ、個性を自分から殺すようになると記載されていました。これは、子供の成長にとって決してよいことではないと思います。
 次に、学力の問題があります。私立では、一貫教育というものを進めています。簡単に言うと、中・高六年分の学習内容を五年で学習して、あとの一年は大学受験に備えるというものです。六年のものを五年で学習するというと、いわゆる詰め込み教育ではないかという批判をする人もいますが、実情を知らない人の的外れの論議であると思います。公立中学校では、高校受験を控えているから、かえって断片的な知識を詰め込むことになりがちであります。私立では、例えば理科なら実験に力を入れ、少し深く教える。すると、高校に入ってから同じ実験をもう一度する必要がない。その他の科目でも、ビデオやパソコン等を多く用いたりして、聞くばかりでなく見せて、実り多いものにしています。六年が五年に短縮されるのは、そういう積み重ねなのであります。公立ではそういうことができない。中卒で社会に出る生徒に過剰な負担を強いないように、これは教えてはいけないという範囲が指定されているからであります。では、どうすればいいのか。これは難しい問題ですが、私はこう考えます。
 まず、公立中学校の教員を五○%ぐらい増員する。私立中学の場合は、入試によって粒のそろった生徒が入ってくるから、一学級五十人でも支障は起こらない。公立の場合には、生徒の能力にも差があるし、学習意欲にもかなりの開きがあるのが実情であります。そのような多様な生徒に対応するためには、きめの細かい指導が必要です。内申書についても、私学と公立とでは先生の書く内容、表現がかなり違っていると思います。内申書の意義、必要性、あり方を、今、根本的に考えてみる時期に来ているのではないでしょうか。学校が楽しくなるような工夫をしていただきたい。何よりも重要なことは、学校では子供が主役であり、子供には各種のサービスを受ける権利があるということを教育の現場にいる人は深く認識してほしいのであります。教育に熱心なすばらしい先生もおられますが、お上が民衆に教育を施すという発想では学校はよくならないのであります。学校というのは一種のサービス業であり、生徒はお客様なのだ、公立校はただだが、親は税金を払っているのだということが、これも先ほどの月刊誌に記載されておりました。
 ところで、東京都立芸術高校について一例を挙げてみますと、ここは音楽と美術のクラスがあり、子供たちは伸び伸びと楽しい高校生活を送っている。これは公立ですが、制服はない。実技を中心とした学習だから、子供たちは一般の受験勉強からは解放されている。子供の個性と自主性を尊重すれば、公立でも大変楽しい学校ができているのだ。子供の目が輝いているか、生徒が楽しそうにしているかということを教育の原点と考えて、今の教育のあり方をもう一度考え直す必要があるのではないだろうかと思います。
 ここで、和歌山県の現実についての論議に入り、大変なことになってきていることを謙虚に認識していただくとともに、対策、取り組みの必要性をいかに感じているか質問いたします。
 現実問題として、公立高校生徒の大学受験の対策については、私は責任逃れ論議で終わらせないように具体的に取り組んでほしいと、昭和六十三年七月七日に高校の大学受験合格状況について、和歌山市の公立高校の合格率低下について指摘する一般質問をし、改善、対処を要望いたしました。恵まれて私学高校に進めた生徒は幸せだが、公立高校の生徒にも大学進学のことを真剣に考えて具体的に対処する必要があることを再度提言いたします。公立高校の生徒は大学受験塾に行かなければ受験は失敗するとの大変な事実がありますが、県の認識はどの程度か、お尋ねします。
 十月から十二月に大学推薦入学試験を受験しますが、公立高校ではまだ習っていないようなことが出題されています。けれども私学では、高校二年で中、高校教育六年分を五年で終わっており、三年では受験対策授業をしているので、大変な学力差があります。また就職コースの生徒も、入社試験、公務員初級試験受験対策等も含め、勉強しているのが実態であります。
 和歌山県の公立高校についても、いま一度中学教育も含めて見直しを考え、高校生については進路により大学進学者にも就職者にも今の日本の試験制度を無視できない事実があり、公立高校生も現実対応を考え取り組む必要があると思います。高校三年になれば、進学希望者には受験対策を、就職希望者にはワープロ、簿記、英会話、職業コース的な対策等をやらなければ、和歌山の公立高校だけが、大学受験の合格率が年々低下の一途をたどっている現実であります。また、学級数減少をさせないでほしいと、教育各界団体よりの陳情が私のところにも来ていますが、この機会に和歌山県の教育現場を大きく現実対応型に改善してはと提言するものであります。
 それから、小学校、中学校の教員について、女性の先生が大変多く、またその割合から見ても管理職や管理職補佐のポストは男性がほとんどを占めており、PTAや教育関係者の間ではどうしてだろうとの疑問とともに、このように女性教員が多い中、管理職にも適任の優秀な人材がかなりあるようですので、もっと積極的に登用してはと御提言し、今後の対応をお聞きします。
 また、和歌山市の高校学区制を実施以来どのような取り組みをしてきたのか、県立高校の大学進学、とりわけ大学受験対応など他府県におくれないように今後どうするのか、当局関係者の答弁を求めます。
 五番目に、公共用地の空き地の実態と有効活用について。
 和歌山県は公共事業が進まない県として有名と、全く情けない話をよく聞かされます。もちろん県民性にも問題があると、よく話に出ます。しかし、公共事業時の関係者の話の中で、代替地を求めている人に未解決者が多いことも聞きます。行政はこれに対する対応策を考え、実行していかなければ事業は進みません。
 公共用地またはこれに準じた公共法人的な団体、会社が所有している土地で遊休地がかなり多くあります。このことで、私もいろいろなデータを勉強する機会がありました。NTTの所有土地、空き地の実態、県所有地、市所有地、国所有地の空き地の実態等について、今後、土地の所有状況を調査、情報交換していただき、関係先にも協力していただけそうな感触を持ちました。これは、私が勉強する際にNTTとか市とか国のところへも行かせてもらったんですけれども、公共事業で代替地の問題が出ておって行き詰まっておると、それで、あなたの土地については和歌山県が協力要請に来たら乗っていただけますかと、あそこだったら立ち退きの方は協力して代替地としてOKするというような例があって行ったわけです。そうすると、関係先では随分と協力していただけそうな感触を持ったわけです。
 そこで、ぜひ代替用地確保対策の有力な施策に、公共用地所有者間での交換、売買、あっせんについても関係先と接触していただく努力を県に一役買っていただきたい。これは、知事さんから御答弁をお願いします。
 これで、一回目の質問を終わります。
○副議長(橋本 進君) ただいまの井出益弘君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 井出議員にお答え申し上げます。
 私から、公共用地の空き地の実態と有効活用について説明させていただきます。
 井出議員から話ございましたけれども、和歌山県も大型プロジェクトを柱にし、用地について積極的に公共事業を推進しているところでございます。しかし御指摘のとおり、道路、河川、港湾等の公共事業を推進する立場において、関連する事業用地の確保ということが最大の問題点でもございます。
 特に最近では、関係の地権者から代替地の要求が相当出ている現況でございます。しかしながら、国においても地価対策ということが一番重要な問題でございまして、最近では、税制面からも保有税、譲渡税の課税問題が論議されておる段階でございます。また、税金だけではなしに金融面からも土地対策が取り上げられておるわけでございますけれども、やはり代替地の要求が出ている現況でございます。そうした現状を踏まえて、県としても公共事業を推進するために、開発公社の活用によって土地を取得して代替地を用意する、また土地基金制度を活用させていただいて行う等について、今検討をいたしておるわけでございます。
 議員が御指摘された点を踏まえて、用地の確保に今後ともなお一層積極的に推進してまいりたいと考えております。
○副議長(橋本 進君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 新南海橋の早期完成と紀の川の右岸、左岸を結ぶ交通アクセスの整備についてでございます。
 近畿大都市圏を中心に、交通渋滞が大きな社会問題となってきております。和歌山市においても大きな課題であると認識しております。特に和歌山市北部においては、一点集中型の道路網構造と相まって、交通が集中する紀の川の各橋梁並びにそれに関連する交差点において渋滞が見られ、その現状を見るとき早急な対応が必要であると考えております。
 この抜本的な解消のためには、関空開港時を目途に進められております和歌山バイパス、平成四年春を目途に事業が進んでいる河口大橋を初め、和歌山北バイパスの事業を実施することが必要であると考えております。しかしながら、現に著しい渋滞が発生している箇所については、少しでも軽減緩和を図るため、平成元年一月に建設省、県等が協力して渋滞対策緊急実行計画を策定し、その中で六十谷交差点の改良等、可能な対策を講ずることといたしております。
 次に、新南海橋の着手時期についてであります。
 本橋梁は、前後の取りつけ道路と独立に供用できる構造ではないため、取りつけ道路の見通し等が明確でない現時点では国においてもその判断は困難であると聞いております。
 また、楠見─元寺町間二・二キロの事業期間でございますが、用地買収の進捗、今後の予算の伸び等、不確実な要素が多いため一概には申し上げられませんが、現在、第二阪和国道関連建設事務所を設け、主体的に用地買収に取り組んでいる和歌山市は、平成八年度の新南海橋供用を目途に用地買収に取り組んでいると聞いております。県といたしましてもこの道路の重要性を認識しておりますので、早期完成を国に強く働きかけるとともに、事業が進捗できるよう、国、市に協力してまいりたいと考えております。
 次に、リゾート県として港湾でのレジャー施設への対応についてでございます。
 国民の海洋性レクリエーション志向により、近年、急激にヨットやモーターボートなどのプレジャーボートが増加する傾向にあります。このため、海域や河川、水路などに係留されているいわゆる放置艇によって港湾施設等の適正な利用と管理に支障を来したり、漁船とのトラブルを引き起こすことも懸念されます。今後とも増加することが予測されるプレジャーボートに対し、国においてはマリーナなど保管施設の整備等の施策が展開されているところであります。本県においても、和歌山マリーナシティにおいて、ホテル等の各種施設を備えたリゾート型マリーナの整備を進めているところであります。また、並行して港湾における既存の水域を活用した簡易なプレジャーボートの係留施設について港湾計画に位置づけており、その整備に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○副議長(橋本 進君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
 漁港内のプレジャーボートの係留施設の整備については、漁港利用調整事業により漁船と遊漁船との係留上のトラブルを避けるため分離収容を進めており、現在、和歌浦漁港でこの事業実施をいたしております。今後とも、管理の徹底を図るとともに、必要に応じ、他の漁港においてもこの事業の活用について検討をしてまいる所存でございます。
 次に、農業用水路宮井川の関係でございます。
 農業用水路は、本来、農業生産基盤の基幹施設であり、この維持管理、改修に鋭意努めているところでございますが、近年の混住化の進展により家庭雑排水の問題が生じてございます。
 議員お話しの宮井川水路についても、下排水が問題となっているところでございますが、総合的な整備については関係者のコンセンサスを得るのが非常に難しい現状でございます。今後、宮井川水路を含め地域の排水対策について関係部局と十分連携を図り改修のための調査を進めるとともに、実施に向けて検討してまいる所存でございます。
 なお、こうした排水対策については、関係者が合同で協議する場についても考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
○副議長(橋本 進君) 総務部長山中昭栄君。
 〔山中昭栄君、登壇〕
○総務部長(山中昭栄君) 学校教育について、私学を含めてのお尋ねでございます。
 義務教育課程における私立学校の教員構成、女性の登用について、県下の私立中学校三校の状況を申し上げますと、専任、兼任合わせて男性が四十二名、うち管理職が二名、高校との兼任でございます。また女性は三十名、うち管理職が二名、これも高校との兼任となっております。
 お話の中に、中高一貫教育を初めとした私学の特色を生かした教育内容の紹介がございましたが、私立学校に対しては、建学の精神に基づく独自の校風のもとで、その自主性を尊重しながら、さらに健全な発展が図られるように常々期待をし、そうした観点に立って今後とも私学の振興に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(橋本 進君) 教育長高垣修三君。
 〔高垣修三君、登壇〕
○教育長(高垣修三君) 学校教育、特に公立学校についてお答えをいたします。
 公立高校においては、大学進学を初めとする進路指導については、高校在学中の学習により生徒の希望に沿った進路を保障することは極めて大切なことであります。
 県教育委員会としては、各学校に対し年間授業時数の確保や一時間、一時間の授業内容を大切にするよう指導しているところでございます。また、生徒一人一人の特性を生かして伸ばすという観点から、文系、理系などの類型の設置や教科、科目の選択幅の拡大等を行うよう指導するとともに、特色ある学科の設置を行っているところでございます。
 和歌山市内の高等学校においても同様の対策をして、電子機械科、情報科学科、国際交流科等の新しい学科を設置してきたところでございます。今後とも、全県的な視野から、魅力ある学科の設置を初め、特色のある学校づくりに努め、個に応じた教育を推進してまいる所存でございます。
 次に、女性管理職の登用でございますが、これは重要な課題でございます。現在、小学校、中学校、高等学校において、合計六十五名の校長、教頭が活躍をしてございます。今後とも、女性の地位向上並びにその特色を生かした学校運営などの観点から積極的に登用を進めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 1番井出益弘君。
○井出益弘君 五つの質問に対して、県の方としては大変前向きな取り組みの感じられる答弁をいただきましたが、一つだけ第二阪和国道の新南海橋ルートについて申し上げます。
 これについては、市会議員のころから通算十五年ぐらいこの話ばかり、「何回言ってもかからぬのが南海橋」と言われてきました。最近、県の方とのいろんな打ち合わせの中では、「難しい回答をせんなんから難解橋」であると言われました。「難解橋」と言われても困るんですが、きょうは初めて南海橋を平成八年の完成目標で頑張るという答弁をいただきました。平成八年と明確に出してもらえたというのは、和歌山市も建設省も県も、当然この目標に向かって頑張っていただけると思うんですけれども、平成八年に完成させるためには、南海橋の橋梁工事にはもうかかる必要があると思います。ちょうど橋が終わるころに取りつけ道路も終わって一気に完成というふうにしようと思ったら、橋だけでも五、六年ぐらいは絶対かかるんやから、橋梁工事にはもうすぐにかからないかんのやないかという気がします。そういう問題について、紀の川のいろんな関係者ともこれから取り組んでいただかないかんことにもなるし、もう一度土木部長に確たる決意のほどの答弁をいただきたいと思います。
○副議長(橋本 進君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 新南海橋を先行してできないかということでございます。
 橋梁には膨大な工事費が必要であり、限られた予算を効率的に投資するためには、橋梁の完成と同時に供用が図られるよう計画的な事業執行が必要でございます。完成した橋梁は維持費が必要でありますので、この面からも橋梁の完成と供用が同時期にされることが必要かと考えております。
 以上でございます。
○副議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 1番井出益弘君。
○井出益弘君 今、再質問したのは、橋梁工事にはもうすぐにでもかかるというか、近年中にかからないかんのであるから、平成三年とか五年とか、そういうふうに具体的に橋に取り組まなかったらいけない。橋の工事にかかってから完成するまで五、六年はかかるんやから、平成八年からさかのぼったら何年かというような答弁をもらえるんかなあと思ったんですけれども。
 まあ部長の方も、平成八年の努力目標というか、平成八年に南海橋を完成さすということをこの議会で出してもらうだけでも大変だったと思います。建設省や市にもかけ合ってもらったということを私も聞いていますので。
 公共事業、特に南海橋については、用地収用をいつまでに終わるとか、いつから工事にかかるとか、完成目途の八年が決まったんだから、それから逆算して年月を区切って精いっぱい努力をしていただきたいと要望して終わります。
○副議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で井出益弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(橋本 進君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時五十二分散会

このページの先頭へ