平成2年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(山本 一議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(岸本光造君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番山本 一君。
 〔山本 一君、登壇〕(拍手)
○山本 一君 今期定例議会の最終の登壇を許されまして、ふさわしくないかどうかということについては取り除いていただき、知事を支えられる部局長のお考えや御意見をこの壇上からお伺いしたいと思います。
 まず、頭脳立地にかかわる問題について質問を始めます。
 頭脳立地法とは、経済の高度化、ソフト化の急速な進展によって産業の頭脳部分のウエートが増大してまいりましたので、今後成長が期待できる産業の頭脳部分を、東京一極、大都市圏集中の傾向を破り、地域に集積させて、地域産業の高度化や地方の弱体、過疎の歯どめを果たして地域経済の発展を導きたいとしているのだと私は思います。経済成長の成否がすべてを左右する時代であると考えられているからでしょう。
 本県は、関西新国際空港開港の好機と地の利に恵まれ、交通運輸網の整備が進展のさなかにあります。二十一世紀への新たな発展を期して頭脳立地を決断し、時代のもらたす力の動きに鋭敏に対処されています。
 特定産業十六種の集積促進地域の構成市町村は四市十二町でありまして、地域面積は七・九九万ヘクタール、人口は六十七万と示されています。
 地域振興整備公団は、活力に富み、個性豊かな地域構築の拠点を海南市に定めまして、二十ヘクタールの買収を行い、分譲面積は十二ヘクタールとあります。公団の主な業務というのは、産業の高度化に寄与できる特定事業の受け皿になる分譲地の造成であります。
 なお、産業を高度化されるための研究開発を中心に、研修、情報提供等の機能を複合的に備え、地域の特定事業立地に役立つ中核的施設に出資をする出資事業であって、株式会社和歌山リサーチラボと呼ばれるものだと思います。
 ここで、お尋ねいたします。
 一、海南インテリジェントパークとは、難しい言葉ですが、リゾート地域の中の自然豊かな知的創造のための丘陵と申されるもので、公団が用地買収、開発造成、分譲を行うところであると思います。海南市が進めている用地買収交渉が九五%の進行を見ているようであります。高額の資金調達を要していると考えますが、公団なり県は何らかの財政的救済の手だてを講じておられますか、お聞きします。また、公団はいつ買収を終わり、造成事業に着手されるのか。
 なお、整備公団は、海南市や地域市町村に今後負担を求めるようなことはありませんか。これもお尋ねいたします。
 二、インテリジェントパークの一角に誕生する株式会社和歌山リサーチラボは、地域振興整備公団、和歌山県、海南市及び民間が十七億円を出資して第三セクター方式で建設・運営されるもので、来る十月十七日に発会式を行うと聞いています。建設総事業費は二十億円ということであります。民間出資には、私の聞き及ぶ程度では和歌山市から二つの企業と銀行が一行となっていますが、和歌山県頭脳立地構想の集積促進地域は、前述のごとく四市十二町になっています。海南市、和歌山市を除いた二市十二町の地域内の自治体や民間からの出資者が皆無のようですが、なぜなのか。六十七万の人口を占める地域の理解と認識が大切であると考えますので、お教えを願いたいと思います。
 また、民間出資者二企業一銀行に限られている理由──ちまたに県は将来を深慮してとの声も聞かされますので、お教えを願いたいと思います。
 また、一銀行が出資していますが、産業高度化施設に対する出資事業の説明によりますと、公団、地方公共団体、民間企業等が出資をするとあり、日本開発銀行等民間金融機関が融資を行うとあります。金融機関も多い中で、なぜ一行だけを加入していただいたのか。これもお教えを願いたいと思います。
 今日では、銀行は証券や株式を取り扱っていません。取り扱うということになったら非常に長所があり利便が大きいと思いますが、産業に対しての発言力が強くなるという弊害もございます。歴史において、銀行が産業に手を出すことはよろしくないとしたことがあると申されてもおります。それとこれとは筋が違うと申されるかもしれませんが、株式会社和歌山リサーチラボへの銀行出資について御見解のほどをお聞かせ願います。
 この間、石田議員とともに地元の婦人学級に招かれ、その際、私たちは議員の立場で認識している説明をしてまいりましたが、私なりに身に察知したことで、まことに気にかかることがございます。
 頭脳立地がされても、マリーナシティができても、地場産業には人手不足がつきまとって生業が成り立たない、頭脳立地が全くわからない、地元地場産業に何を与えてくれるだろうかと期待が薄弱であり、和歌山県がやることでおんぶをされて見ている感じが強くいたしました。難しい名前だけが先走っているかのようであります。
 頭脳立地は、本県の進路を定める不可欠の事業でありましょう。本県のメンツにかかわる重大施策であると存じます。それがゆえに、地元に、地域に早期に大義を説いて理解、協力の浸透を図らなければならないときにあると強く訴える次第でありますが、いかがなものでありましょうか。お聞かせを願いたいと思います。
 次に、労働力並びに人口問題についてであります。
 労働省の技能労働者等需給労働調査によりますと、好景気で人手不足が深刻化し、鉄筋工や左官などの技能労働者が百九十一万人不足で、技術者不足にあえいでいるのは従業員三百人未満の中小事業所であり、不足数全体の約九割を占めているのだそうであります。この調査は昨年十一月調べで、建設、製造、サービス業など六十二業種の従業員五人以上の事業所、約一万五千カ所を対象に調べて、全体の動向を推計しているようであります。中でも、小規模な事業所ほど深刻のようであります。
 財団法人和歌山社会経済研究所、和歌山中小企業振興公社、中小企業情報センターが一千百九十八社を抽出して、変動する社会経済情勢が県下企業に与えている影響を二九・四%のアンケート回答によって分析していますが、経営上の問題点では、人材不足が全産業で四五・九%を占め、建設業では七八・六%、製造業では四一・七%、商業では四一・五%、サービス業では三七・八%をあらわしています。
 現在、中小事業所が高卒生の求人に事欠き、積極的姿勢で対処してもだめであります。景気好調の波に乗って大学生は大手企業に大量に採用され、中小企業は全く青息吐息、海南市の地場産業には大学生は見向きもしてくれない始末であります。これには耐えられないので、関西新国際空港の前島かその近くに本社を移したいという声も出ております。
 本県発行の冊子「和歌山県のすがた」によりますと、三百人から三十人雇用の事業所で、昭和六十三年、一カ月一人平均現金給与総額は三十一万九千六百六十一円であって、五十七年以降、全国の伸び率を下回り続け、全国との格差は拡大する傾向にあると申されています。また、本県の人口推計は平成元年で百七万九千二百六十四人で、六十年から元年まで年々伸び率はマイナスを続けています。
 せんだって、テレビに映じていました。田舎のお父さんが息子さんに呼びかけているんです。「帰ってこいよ。田舎にもええことはたくさんあるよ。帰ってこいよ」と。また町長さんが、「みんな帰ってきてくれよ。そしたら百万円」云々と。これは、都会に出ている若い人たちに一人でも帰ってもらおうと訴えておるんです。過疎化したその町の実感に触れたような感じがいたしました。その際、和歌山大学の教授が「大都会がいかに住みにくいか、わかったときに帰ってくるのを待つしかない」と言われた言葉を思い浮かべたのであります。
 総務委員会は、九月初旬に那賀郡、和歌山市を現地視察し、高度化産業の進出にも接しました。近畿大学の造成地も拝見いたしました。関西新空港土砂運搬も折り返しを祝す式典が過日、二十八日にありましたが、順調に進む土砂採取現地も視察いたしました。「和歌山県も変わってきたなあ」と、バスの中で声が出た。「馬力が入ったぞ」と、期せずして一致した期待と喜びの声であったかと私は思っています。
 本県はただいま、頭脳立地に、マリーナシティづくりに四つに組んでいます。喜ばしくありがたいと思う心の中で、本県の中の労働力が強弱の力によって分捕られ、人手不足の災いから抜け切ることができなくなるのではないかと、思いはせつなく深いものがあります。
 小さい事業所、地場産業など、生存のかかった人手不足にいかに対処していただくものやら、私もわかりませんので、お教えをいただきたいと思います。
 昨年、全国の一世帯当たりの出生率は前年度より低下して一・五七人であり、このような調子で行けば八百年後には人口がゼロになるとも聞かされまして、これはと感じました。深刻な労働力の不足、とまらない若者の流出、人口減など、つまるところ、社会経済の変動が左右するかもしれないけれども、本県の人口、労働力はいつの世代も繁栄する礎であると考えるとき、行政に敏感な対処、対応が求められてくるのは必然であります。関係当局の意のあるところをお聞かせ願いたいと思います。
 次に、港湾区域や管理施設に環境整備を行われたいということであります。
 本県は、第四次長期総合計画や関西新国際空港関連地域整備計画において和歌浦湾一体を海洋レクリエーション基地と位置づけ、基盤整備事業として概算四百二十億円でマリーナシティの建設を進めておられます。上物整備その他を含めると数千億円の投資に及ぶものとお聞きし、期待には大きなものがあります。これを契機として、世界に広がりを持つ、創造されたリゾート博を開催いたしたいとの姿勢を示しておられます。
 私は、マリーナシティの進展、特に世界リゾート博が海との深いかかわりを持つ県民に、さらに海洋に目を向け、スポーツレジャーを介して海とともに生きるといった県民の意識の向上、ひいては町づくりの促進、地域の活性化に弾みをつけることを念じています。
 海南市とマリーナシティとの距離は、わずか百五十メートル足らずであります。そして、海南の前面にその理想郷が展開されるのであります。
 かつて海南市は、チリ津波により大きな被害を受けました。この対策として国は、防潮防波堤、俗称「一文字堤」を構築したのであります。時を同じくして、本県は黒江湾の埋立土地造成事業を興されました。一文字堤の延長は八百五十メーターあります。幅員も約十五メーター強あります。時の経過と潮流の関係で北端部には砂が堆積して、現在、小さい浜ができております。マリーナシティの前方には、新たな防波護岸と運輸省施行の北防波堤、南防波堤、その延長千八十四メートルが築造されようとしています。
 一文字堤はマリーナシティの対岸に位置することになり、本来の津波等の防護機能とともに、親水空間として利用されるものと考えられます。快適空間が創造されるとマリーナシティから見た海南市の顔にもなり得るのであり、この北端には毛見二号橋が海南市道に接続いたします。
 海南港整備に伴う埋立造成事業により、市民は海水に接する海を失いました。単にブロックを積み重ねただけの冷やかな感じを受ける従来の港湾工事も、近年は、港湾に親しみ、水に親しむ環境づくりに力点を置いた港湾行政が進められております。
 そこで、ぶこつな波返しの壁にも創意工夫を凝らし、活用できる方法など検討されたいと思いますが、いかがなものでありましょうか。
 マリーナシティにほど近い温山荘園では、その由来、意義からして、県内外の多くの人々にもっと知られて、天下の名庭園の価値と名声を高めたいとの願いがあるものと考えられます。
 物から心へと価値観が移行する中で、せっかくのマリーナシティ周辺の水際線や施設に対して、豊かさ、幸せを求める内外の人々に安らぎと憩いの場を提供するウォーターフロントが創造されることを祈ってやまないのであります。
 高津子山を望み、マリーナシティの展開に心弾み、温山荘や藤白の山並みに接し、また淡路島を淡く望みながら、さすらう心の人生に喜びを呼び、海南市の活性に資されたいと思いをいたしますが、関係部局の理解あるお答えをお聞かせください。
 次に、県道海南金屋線並びに船戸海南線の問題についてお尋ねしたいと思います。
 一、県道海南金屋線は、昭和四十九年前後でありますが、海南市民球場の前を通る農免道路約一キロが完成したときに県は、農免道路を県道金屋線として市より受け入れたい、これに続く市道を旧国道まで、約一・二キロほどありますが、その入り口のアーケードを撤去すれば県道として改修するということで、日方のど真ん中を通る県道海南金屋線を市が受け入れると公約したことがあります。私が助役として在職中のことであります。問題のアーケードも撤去され、十年以上にもなると思いますが、このような過去は忘れ去られているのかどうかも承りたいと思います。
 また、こういうことは、人事の異動の好ましくないあらわれなのでしょうか。この御感想もお聞かせ願いたいと思います。
 二つ目には、船戸海南線の交通ネックの問題で一部計画変更の協議も過去にありましたが、市では、本省が認めてくれないと申し、バイパス論も通らず、長年月を経、もろもろの事情も積み重ねて今日に及んでいます。土木部には一歩でも前進する意欲がないようにしか私には感じられませんが、こういうことも人事の異動の弊害があるのではないでしょうか。それとともに、対処の姿勢もお聞かせ願いたいと思います。
 この問題は、もう長い間の問題でありまして、私も一期四年の間に一回だけは継続質問をして、気持ちだけは忘れないようにしてほしいなと登壇して申し上げている問題であります。ひとつ積極的な姿勢をお聞かせ願いたいと思います。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(岸本光造君) ただいまの山本一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、頭脳立地に係る幾つかの御質問についてお答えを申し上げます。
 その第一点は、用地問題についてでございます。
 海南インテリジェントパークの予定地につきましては、議員御指摘のとおり、海南市土地開発公社が先行して用地買収をほぼ完了したところでございます。この用地につきましては、地元市が買収した土地代、関連事務経費、金利等の必要経費で地域振興整備公団が買い取ることになっているところでございます。
 第二点は、公団の買収並びに土地造成の時期についてでございます。
 現在、地域振興整備公団が通産省及び大蔵省等と最終の詰めを行っているところであり、予定どおり行きますと、年度内に用地の所有権の移転を行い、現地事務所設置の運びになるものと聞いてございます。
 第三点は、海南市に対する今後の負担についての問題でございます。
 地域振興整備公団が実施する業務用地の造成につきましては、公団みずからの事業として、予算に基づいて実施されることとなってございます。
 なお、本事業に関連して必要なる関連事業、例えば高速道路海南東インターチェンジからのアクセス道路の整備等につきましては、計画推進の上からもぜひとも必要な事業であり、さらに公団事業着手後も、一般的に申して、地元調整等、地元自治体としての協力が必要であると考えてございます。
 第四点は、和歌山リサーチラボへの出資の問題についてでございます。
 株式会社和歌山リサーチラボへの出資につきましては、国の指導に基づき、地域振興整備公団、県及び和歌山リサーチラボの立地する海南市が中核となり、構想の趣旨及び当該会社の目的等に御理解、御賛同をいただいた民間企業十三社からも出資をいただきまして、資本金は合計十六億五千万円となってございます。その中で、金融機関からの出資は現在一行でございますが、今後、この事業に賛同する民間企業等からの出資については、必要に応じて受け入れてまいりたいと考えているところでございます。
 第五点は、集積促進構成地域の理解と共存姿勢についてでございます。
 頭脳立地構想は、情報サービス業や研究所などのいわゆる産業の頭脳部分を地方に立地させることにより、地域産業にとって課題と言われている新製品の開発、生産の自動化、デザイン開発等の高度化を図ること等を目的といたしているところでございます。
 主要事業として、本県においてはソフトウエア業や自然科学研究所等が立地する業務用地の造成が地域振興整備公団により行われるとともに、センター機能を担う株式会社和歌山リサーチラボを第三セクターとして設立し、地域の産業を対象とした研究開発事業、人材育成事業あるいは情報提供事業を行うとともに、テナント型の企業誘致を行うこととしてございます。
 したがいまして、本構想の推進には地元市町や経済界との連携、協力が不可欠でございますので、今後ともシンポジウムや講演会等の開催によって啓発に努め、皆様方の一層の御理解、御協力を求めてまいりたいと考えているところでございます。
 最後に、労働力並びに人口問題についてでございます。
 昭和六十一年度に策定をした第四次長期総合計画におきましては、各種のプロジェクトの推進により、目標年次である西暦二〇〇〇年の人口を百十五万二千人としているところでございます。
 一方、最近の状況を見てみますと、昭和五十八年以降減少を続けてまいった人口も社会経済情勢の好転などの要因によって増加傾向に転じるものと予測しており、明るい方向で進むものと考えてございますが、なお、議員御指摘のとおり、本県の人口の構造上の問題として、特に若年層の人口流出に伴う社会減の問題があることも、また事実でございます。
 こうした問題につきましては、労働力の確保という点、また県勢全般の活性化という点から、特に若者が定住できる環境条件の整備について、企業立地や地場産業の育成を含め、関係部局ともども総合的な見地から推進しているところでございますが、今後ともより積極的な対応を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 商工労働部長天谷一郎君。
 〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) 中小企業、特に地場産業の労働力確保の対策といたしましては、労働条件の改善や合理化、省力化を初めとする企業経営の改善等、総合的な取り組みが必要であると考えてございます。
 また、個々の企業努力もさることながら、事業協同組合、中小企業団体等、それぞれが一体となっての取り組みが求められているところでございます。
 県といたしましては、省力化のための技術改善費補助金制度の一層の促進や、省力化投資等への設備近代化資金、高度化資金融資等、融資制度の効果的な運用に努めるなど、総合的な施策を実施してまいりたいと考えております。
 次に新規学校卒業者対策でございますが、本年三月の高等学校卒業者については、県内就職率の県平均が五六・九%──ちなみに海南公共職業安定所管内では七七・六%となっておりますが、これをさらに高めるよう、関係者の連絡会議の開催、職業安定所職員による学校訪問等、各学校と密接な連携をとりながら県内への就職促進に努めてまいりたいと考えております。
 また、本年度から技術労働力確保対策事業を実施し、県外に在住している本県出身の技術系大学生の就職に関する意向を把握するとともに、県内企業の求人情報を積極的に提供してまいります。
 次に、既に卒業されている既卒者対策といたしましては、全国の公共職業安定所をオンラインで結ぶ総合的雇用情報システムを活用した職業紹介サービスを実施しております。
 また、定年退職者を含め、県外居住者で本県へのUターン就職希望者に、国が運営する人材Uターンセンターへ県内企業の情報を提供しているところでございます。
 高齢化対策につきましては、六十歳定年制を基盤として、六十五歳までの継続雇用の促進、求人年齢の引き上げ等、事業主に対する指導を強化するほか、継続雇用制度導入奨励金等助成制度を一層活用していただくよう努めてまいりたいと思います。
 また、独自に退職金制度を持つことが困難な中小企業に対する中小企業退職金制度への加入促進を、より図ってまいりたいと考えております。
 なお、国におきましては、現在、中小企業の労働力の確保、定着対策として、立法措置を含め、その対策を検討中と聞いてございます。金融、税制、助成措置等、抜本的な対策を講じられるよう、国へ強く働きかけてまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 保健環境部長遠藤 明君。
 〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) 出生率の低下についてでございます。
 人口動態統計から見た合計特殊出生率によりますと、一人の女性が生涯に産む子供の数は、昭和五十年以来、二人未満となっており、平成元年は、議員御指摘のとおり、最低の一・五七人となってございます。
 出生率の動向には、時代背景、社会経済的理由や個人の意思等が複雑に関連いたしますが、現在の出生率の低下の要因としては、晩婚化の傾向や核家族化の進行等、種々の理由が考えられます。
 総理府では、この問題について関係省庁連絡会議を設置して取り組んでおりまして、厚生省においても、子供が健やかに生まれ育つ環境づくりの推進会議を設置し、その対応を検討しているところでございます。
 保健環境部といたしましても、こうした国の動向を見守りながら、母子保健等、保健医療サービスの充実に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(岸本光造君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) 港湾区域や管理施設の環境整備についてでございます。
 議員御指摘のとおり、現在建設中の和歌山マリーナシティの周辺海域に連なる陸域からの眺めは、確かにすばらしいものがございます。このような自然の資源に恵まれたウォーターフロントの資質をさらに高めて市民に安らぎと快適さを提供することは、和歌山マリーナシティ建設の目的にもかなうものでございます。
 この意味からも、毛見二号橋に至る船尾三十二号線の整備につきましては、海岸沿いに遊歩道を設ける等、その手法などについて海南市と協議中であり、またその他水際線についても、関係機関及び地元の意見を聞きながら、マリーナシティとの整合性を十分考慮しつつ親水性のある環境の整備を検討してまいります。
 次に、海南市道八十号線の県道認定についてでございます。
 海南市道八十号線は、JR海南駅東側の市街地を経て高規格道路インターに至るアクセス道路として、交通量の多い地域の幹線ルートであります。当ルートのうち、市民球場前を通る区間約七百六十メーターにつきましては、昭和四十九年九月一日付で県道海南金屋線として認定済みでございます。残る旧国道までの区間千百二十七メーターにつきましては、二百五十メーターの未改良の区間を残して、平均八メーター幅員で二車線の暫定改修済みとなっております。
 そこで、当区間の県道認定についてでございますが、地元及び海南市より市街地を通過する現県道海南金屋線の側溝等の整備要望が強く、県としても生活道路の環境整備事業を行ってきたところでございます。
 今後、過去の背景を踏まえ、県道認定についての諸業務を地元海南市と十分協議してまいります。
 次に、県道船戸海南線の改良についてでございます。
 県道船戸海南線のうち、海南市黒江地内で幅員が狭小な部分があり、交通渋滞が生じていることは議員御指摘のとおりであります。この区間を拡幅すべく、過去に事業化を行いましたが、人家が密集しているため地権者の方々の御理解と御協力が得られず、計画が中断したところであります。しかしながら、この区間の整備は必要と考えておりますので、今後とも、地元関係者の方々の御協力が得られるように市とも協議してまいります。
 なお、異動に伴う事務の引き継ぎにつきましては、事務に支障がないよう、今後とも徹底を図ってまいりたいと考えております。
○議長(岸本光造君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 以上で、山本一君の質問が終了いたしました。
○議長(岸本光造君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○議長(岸本光造君) 次に、議題となった全案件のうち、議案第百六号平成元年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
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○議長(岸本光造君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○議長(岸本光造君) 次に、お諮りいたします。明五日及び八日は各常任委員会審査のため、また十月六日は議事の都合により、休会といたします。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 御異議なしと認めます。よって、十月五日及び六日、並びに八日は、それぞれ休会とすることに決定いたしました。
○議長(岸本光造君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
 〔職員朗読〕
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 総務委員会 第 六 委 員 会 室
 厚生委員会 第 二 委 員 会 室
 経済警察委員会 第 三 委 員 会 室
 農林水産委員会 第 四 委 員 会 室
 建設委員会 第 五 委 員 会 室
 文教委員会 第 一 委 員 会 室
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○議長(岸本光造君) 次会は、十月九日再開いたします。
○議長(岸本光造君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午前十一時四十八分散会

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