平成2年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


県議会の活動

議 事 日 程 第五号 平成二年十月四日(木曜日)
  午前十時開議
 第一 議案第九十三号から議案第百六号まで(質疑・委員会付託)
 第二 一般質問
 第三 請願付託
会議に付した事件
 一 議案第九十三号から議案第百六号まで(質疑・委員会付託)
 二 一般質問
 三 請願付託
 四 休会決定の件
出 席 議 員(四十四人)
 1 番 井 出 益 弘
 2 番 和 田 正 一
 4 番 中 村 利 男
 5 番 山 本 一
 6 番 宗 正 彦
 7 番 岡 本 保
 8  番 鈴 木 俊 男
 9 番 阪 部 菊 雄
 10 番 中 村 裕 一
 11 番 平 越 孝 哉
 12 番 大 江 康 弘
 13 番 中 西 雄 幸
 14 番 橋 本 進
 15 番 古 田 新 蔵
 16 番 浦 武 雄
 17 番  堀 本 隆 男
 18 番 宇治田   栄 蔵
 19 番 下 川 俊 樹
 20 番 石 田 真 敏
 21 番 木 下 秀 男
 22 番 中 村 隆 行
 23 番 藁 科 義 清
 24 番 門 三佐博 
 25 番 尾 崎 要 二
 26 番  那 須 秀 雄
 27 番 木 下 義 夫
 28 番 上野山 親 主
 30 番 尾 崎 吉 弘
 31 番 西 本 長 浩
 32 番 岸 本 光 造
 33 番 松 本 貞 次
 34 番  浜 本  収
 35 番 和 田 正 人
 36 番 浜 口 矩 一
 37 番 山 崎 幹 雄
 39 番 田 中  実三郎  
 40 番 森 利 一
 41 番 村 岡  キミ子  
 42 番 森 本 明 雄
 43 番 中 村 博
 44 番 中 村 千 晴
 45 番 小 林 史 郎
 46 番 渡 辺 勲
 47 番 藤 沢 弘太郎 
欠 席 議 員(一人)
 3 番 町 田 亘
〔備 考〕
 29 番 欠 員
 38 番 欠 員
説明のため出席した者
 知 事 仮 谷 志 良
 副知事 西 口 勇
 出納長 梅 田 善 彦
 知事公室長 市 川 龍 雄
 総務部長 山 中 昭 栄
 企画部長 川 端 秀 和
 民生部長 高 瀬 芳 彦
 保健環境部長 遠 藤 明
 商工労働部長 天 谷 一 郎
 農林水産部長 安 田 重 行
 土木部長 磯 村 幹 夫
 企業局長 吉 井 清 純
 以下各部次長・財政課長 
 教育委員会委員長
  上 野 寛
 教育長 高 垣 修 三
 以下教育次長
 公安委員会委員 玉 置 英 夫
 警察本部長 西 村 浩 司
 以下各部長
 人事委員会委員長
  寒 川 定 男
 人事委員会事務局長
 代表監査委員 宮 本 政 昭
 監査委員事務局長
 選挙管理委員会委員長
  稲 住 義 之
 選挙管理委員会書記長
 地方労働委員会事務局長
職務のため出席した事務局職員
 事務局長 山 本 恒 男
 次 長 倉 本 辰 美
 議事課長 中 西 俊 二
 議事課副課長 松 田 捷 穂
 議事班長 高 瀬 武 治
 議事課主任 松 谷 秋 男
 議事課主事 松 本 浩 典
 総務課長 田 上 貞 夫
 調査課長 阪 上 明 男
 (速記担当者)
 議事課主査 吉 川 欽 二
 議事課速記技師 鎌 田 繁
 議事課速記技師 中 尾 祐 一
 議事課速記技師 保 田 良 春
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 午前十時七分開議
○議長(岸本光造君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(岸本光造君) 日程第一、議案第九十三号から議案第百六号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 41番村岡キミ子君。
 〔村岡キミ子君、登壇〕(拍手)
○村岡キミ子君 おはようございます。お許しをいただきましたので、早速質問をしてまいります。
 初めに、二回にわたる大規模開発問題についてお尋ねを申し上げてまいります。
 今日、リゾートを初めとした大規模開発の波が日本列島を覆っています。リゾート法の適用を受けた二十一道府県の対象地域となる特定地域の面積は、列島面積の二○%近くに達します。適用外の開発を含めれば、何と三○%を超えるとの予測すらされているのであります。
 我が党は、言うまでもなく、開発一般を否定するものではありません。その計画が真に地域住民の利益にかなうものであれば、その民主的な推進に努力を惜しまないものです。しかし、大規模開発について申せば、その内容いかんにかかわらず、どうしても慎重にならざるを得ない今日的な重大な問題があることも事実であります。それは、我が国の大規模開発が、これまでもしばしば貴重な自然環境を破壊して生命をも奪うような事態に至って、周辺住民に大きな犠牲を生み出してきたからであります。日本の現行の制度自体が、環境と住民の安全性の確保や民主的手続の面で重大な欠陥を有しているからであります。私は、さまざまな開発計画に対する基本的な立場はその計画の内容により当然異なるものであろうかと思うわけですが、計画のよしあしをはかる基準は三つが考えられると思うのです。
 その一つは、計画自体が地域住民の利益にかなうものかどうか、二つ目に、地域住民の意見や要望が反映され民主的に運営されているかどうか、そして三つ目に、都市づくり、村づくりの上で他の計画や都市基盤整備の状況などとの整合性が保たれているかどうかなどによって科学的、総合的に分析し、その計画に対する住民の意向を十分に踏まえた上で決定されることが最も肝要だと思います。このことから、大規模開発の基本的要件を満たす前提条件を明らかにする必要がありましょう。
 その条件の第一は、自然環境問題です。
 大規模開発における山林開発の場合、環境アセスメントについての義務づけもなく、県の指導に基づく開発者のおざなりな調査で免罪されてまいりました。自然環境保全法や県の条例も、理念では崇高なことをうたいながらも、乱開発の歯どめの有効な手段とはなり得ていないと思うのです。さらに県は、乱開発を防止するような有効な条例や規制要綱もなく、挙げて開発者を利するようなシステムになっていることも指摘せざるを得ません。
 前提条件第二は、都市生活基盤整備であります。
 特に、道路、下排水問題は極めて深刻な事態にあります。とりわけ、県都和歌山市の紀の川右岸に位置する河北、河西地区においての状況を申し上げますと、県道粉河加太線の六十谷─鳴滝間、天王線の六十谷─地蔵ノ辻間、鳴滝─北島橋間の慢性的な交通渋滞について、有効な手だてはいまだに計画としても大変おくれているという事態です。また、加太、貴志、楠見、有功、直川地区は、数年前から和泉山脈の宅地開発やさまざまなミニ開発が進められ、台風による大雨などで保水力が大きく減少し、平地の田畑も住宅化し、今までの遊水池がなくなったりした結果、周辺への浸水被害が年々増大しているのであります。それは、皆さんも御存じのように、昨年九月の大雨による被害が何よりの証拠であります。しかし、これらの地域の浸水対策計画が明らかになるのは早くても来年四月であり、その完成も早くて十五年から二十年の期間が必要であるとされているのです。今、わずかに残された和泉山脈をさらに開発しようと山林買収が大規模に行われているようであります。たとえ、どのようによい開発であっても、それを受け入れる基本的な基盤整備が満たされていることが大前提となることが当然です。
 条件の第三は、住民合意についてであります。
 現行法のもとでは住民合意の法的義務づけがありません。事実上、本申請となっている事前協議の段階においてこそ地元住民との合意が最優先されてしかるべきであり、そのため計画、資料の公開とあわせて住民が十分意見を述べられることを保障する法的制度をつくることが、今各地で起こっている住民運動からも必要かと思います。
 以上、私は開発の基本的条件について申し上げてまいりました。知事は、この私の考えについてどのように受けとめられたのか、御所見をお聞きしたいと思います。
 なお、我が党は国に対してこうした面で抜本的な改善を強く求めるものでありますが、同時に各自治体においても直接、開発許可事務を取り扱うわけですから、自治体独自の諸制度をつくり、住民生活に責任を持つ姿勢を明確にしていくことが必要です。
 今、るる申し上げてまいりました三つの基本的前提条件を、具体的に関係部長にお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず、保健環境部長に環境問題についてお伺いいたします。
 先ほども述べてまいりましたが、大規模開発における山林開発について、国はアセスメントは義務づけていないのであります。しかし、県は業者に対し指導はしているものの、一般的に終わっているのではないでしょうか。環境影響評価を行おうと行うまいと開発業者の自由になっていますから、行政はそれ以上そのことに十分な指導力を発揮し得ない状態にあるわけです。ですから、一定面積以上の開発についてはアセスメントを義務づけることが急がれなければなりません。現在、業者から開発申請が担当課に出された場合、それぞれ個別法によって開発区域に限って審査が行われますが、その周辺全体については審査が行われないことになります。
 例えば、和泉山系における開発の場合で言えば、和泉山系全体についてのアセスメントは不要ということです。本来ならば、和泉山脈全体を自然の宝庫として位置づけるのか、それとも乱開発を許す方向をとるのかによって大きく違うわけですから、和泉山脈全体の環境アセスメントによる管理計画がどうしても必要と考えるわけです。そして、さらに市町村に対しても同様の計画づくりを指導していくことが県の仕事ではないでしょうか。
 なぜかと申しますと、県全体の森林率から見れば和泉山脈の占める面積はごくわずかです。わずかな自然が失われても、森林率から見れば問題にならないと考えられるでしょうが、都市近郊に位置する和泉山脈の山並みは、四季折々のすばらしい景観やハイキングコースとして市民や山を愛するハイカーが親しんでいる里山とも言える貴重な緑を、これ以上破壊することは絶対にあってはなりません。自然環境保護条例を真に生かした環境を保護することが今最も求められていると思うのです。
 このことからも、最低基準も持ち得ていない現状から、少なくとも管理計画、森林の土地利用計画あるいは緑のマスタープランを具体的に持つなど必要だと思うのですが、御所見をお聞かせください。
 土木部長にお伺いいたします。
 先ほどの貴志、楠見、有功地区等では浸水対策のめどさえなく、県管理河川である鳴滝川、千手川、土入川についてはこれまで一定の改修工事は進められてまいりました。しかし、肝心な内水地における浸水対策が具体的な事業化に至っていません。少なくとも、これらの地域の対策は十五年、二十年という長期を要す状況にありますから、現行法でさらに大規模開発が相次いで実施に移されたならば住民に大変な事態を招くことは免れません。平地においても遊水池の役割を果たしてきた田畑が、市街化形成の中で今まさに姿を消そうとしています。このような事態の中で下排水対策の現状を見たとき、これらの地域には大規模開発そのものを受け入れる条件は全く整っていないと言わざるを得ません。少なくとも、こうした基盤整備のおくれが基本的に克服されない限り、一定規模の開発は凍結するぐらいの厳しい姿勢があってもいいのではないかと思うのです。土木部長、あなたはどのように現状を把握し、どのような対応をされようとしておられるのか、お答え願います。
 次に、今、住民運動の最も大きな課題になっている住民合意について、土木及び農林水産部長にお尋ねを申し上げます。
 大規模な林地開発、都市計画法に基づく開発であっても、付近住民に対する計画の情報公開、理解と同意を得るという民主的な手続が非常に欠落していることは明白であります。住民の知らないところで計画がつくられ、住民の知らないところで業者と行政の間で進められているように住民には思えて仕方がないのであります。これらを最重視しなければならない住民が計画を知るのは今の時点では本申請の段階であり、本来なら事前協議の段階で情報公開する制度を今つくることが緊急課題でもあります。
 また、自治会長、区長の同意でよしとしている問題についても、関係住民の総意が十分反映されるような形に改善される手だてが必要と思うわけです。例えば、区民総会での区民全員による投票、自治会総会での多数決による決定など、客観的に賛否が民主的に行われたことがわかるような書類を添付させるなどが必要かとも思うわけです、御所見をお聞かせください。
 続いて、ゴルフ場問題についてお尋ねをいたします。
 これまで二回にわたって諸問題をお伺いしてまいりました。その上に立って、重ねて質問を申し上げます。
 今、まさにゴルフ場建設ラッシュは、計画中及び地元折衝中のものが完成するならば全国的には三千カ所になり、県下でも、計画中やうわさを含めると何と八十カ所を超える状況にあります。異常なほどのゴルフ場建設ラッシュは、ゴルフ人口の急増からではないと思うわけです。企業、銀行等の金余りの財テク、会員権商法とも言うべきものでありましょう。大企業が利潤をふやす三種の神器としての計画がゴルフ場、テニス、スキー場、ホテルなどのスポーツ施設の三点セットの主たる位置づけから見ても、いかに手っ取り早くもうけられるのがゴルフ場であるのかが予測されます。ですから、今後ますますゴルフ場建設に拍車がかかることは明らかです。
 それでは、ゴルフ場一カ所十八ホールを建設すればどれぐらいもうかるのかを見てみたいと思います。一九八九年五月七日付の朝日新聞は、次のように報じているのであります。
 千葉県大栄町──これは成田空港近くにあります──大栄カントリークラブについて十八ホールの総建設費は約二百十億円、一つのゴルフ場でプレーできるのは一日最大でも五十組で二百人程度、ゴルフ場利用料一人二万円として四百万円、一組につくキャディーや従業員の人件費、コースの設備費などの経費、そして税金を引けば利益はそう上がらないという状況にあります。一方、現在四千五百万円すると言われている会員権を見ますと、特別縁故会員権七百万円を百八十七口、一千五百万円を六十三口、縁故会員権三千万円を三百口、一般募集会員権第一次四千五百万円を三百口、一般募集会員権第二次六千万円を三十八口、これらを合計すると八百八十八口で、何と二百七十億三千四百万円。したがって、総建設費二百十億円、会員権二百七十億三千四百万円、この差額約六十億円はまさにゴルフ場経営者の純利益であります。こうやってみますと、ゴルフ場を建設するだけで何十億円もの利益が転がり込むという実態があります。大栄カントリークラブでは会員権を預かり金として運用しているため、この約六十億円は十年間無利子・無担保で運用できる上、成田空港二期工事完成後はさらに周辺の取得地の地価上昇も期待でき、その開発のメリットははかり知れないと会員権商法の実態を報じているわけです。
 なおこの会社は、ゴルフ場開発許可をめぐり、町長や助役、国税査察官などに四千五百万円する会員権を七百万円で特別に譲渡されていたというリクルートまがいの汚職事件を起こした企業でもあります。さらに、会員権の売買が株、債権、土地などと同じく財テク投機の対象とされていること。だから、環境を破壊しようが農薬問題で若干のブレーキがかかろうが、リゾート開発の花形とも言えるゴルフ場建設にばく進する企業の理念がここにもあると言えるのではないでしょうか。
 ここからうかがえるのは、ゴルフ場建設ラッシュの真の仕掛け人は、金余り現象の中でさらにぼろもうけをと血眼になっている開発業者とそれを支える銀行などの金融資本と見るのは的外れではないと思うのです。
 「レジャー白書」によりますと、一九八八年のレジャー産業の市場規模は、ゴルフ用品二千百七十億円、ゴルフ場一万一千三百二十億円、ゴルフ練習場四千三百二十億円で、ほか、ボウリング場千二百十億円、テニスクラブ六百二十億円、アスレチック、ヘルスクラブの二千六百五十億円と比べてみても、ゴルフ場建設は巨大な市場ぶりがうかがえます。しかし、意図的につくり出された建設ラッシュは、また意図的に衰退していくのではないでしょうか。
 さて、県下のゴルフ場建設計画を持つ企業は地元企業よりも県外企業が多く、県外企業が「他府県に比べ何の規制もない和歌山県は開発しやすい、実にありがたい県です」と言うほどでありますから、今後とも、本県がゴルフ場を初めとした開発地としてターゲットになる可能性も十分考えられるのです。
 私は、ゴルフ場の問題点については、自然破壊を初め景観、生態系の著しい破壊を招くこと、農薬公害による大気や水質汚染、さらに二次災害の危険性を指摘してまいりました。今回は詳しく申し上げませんが、ゴルフ場で働くキャディー労働者の農薬散布による被害について、このほどアンケートで実態が報告されています。このキャディーさんたちの実態調査を見て大変ショックを受けている点も多くありますので、皆さんも一緒になって認識を新たにしていただきたいと思うわけです。
 これは、大阪の全国一般労組大阪府本部に所属する、経営の異なる三つのゴルフ場で働くキャディー労働者百三十一名の女性ばかりを対象に、一九八八年十一月に行われたものであります。その結果は、年齢とキャディー経験を見てみますと、三十九歳以下の経験十年以下が十八人、十年以上が七人、四十歳以上の経験十年以下の方が三十五人、十年以上が六十人と七九%を占める割合で、四十歳以上の主婦が圧倒的に多い職場と言えます。
 このキャディー労働者の農薬被害についてのアンケートでありますから、農薬に限っての状況が明記されています。キャディーさんがどんな場所で農薬散布されたものがかかるかという場所の問題、時の問題であります。なお、これは複数回答になっていますので合計が一○○%になりません。
 直接散布している農薬を浴びた二○・六%、散布している霧が体にかかった七一・一%、散布後の芝、草に足がさわった六八%、散布直後の芝、草に手がさわった六五%、農薬付着のボール、器具をさわった六九・一%、農薬付着のタオルで汗をふいた二五・八%。これに伴って、それがかかったときに一体どんな症状が起こったかということでは、目のかゆみ、充血、かすみ五十八人、のどが痛くなった四十七人、目、鼻への刺激四十二人、皮膚のかゆみ三十三人、足がかぶれた、頭痛、鼻水が出る、手がかぶれた、吐き気、涙が出る、口の乾き、顔ののぼせ、息苦しい、こういった順序でこの結果が出ているのであります。したがって、キャディーさんたちが農薬にかかったところ、時というのはさまざまですけれども、この結果において約九割の方たちが自覚症状を訴えているということが確認をされたわけです。
 私は、今までどんなときに農薬がかかるかということが全く明らかにされていない状況の中で、このキャディー労働者のアンケート結果は貴重なものだと思うわけです。こうした結果から、経営者初め行政側は農薬の安全使用の指導要綱に基づき、ゴルフ場経営者に対する厳しい指導が必要であろうと思いますし、何よりもキャディー労働者の健康破壊がさらに進むのではないかと、私は大変心配をするわけです。
 今、県下各地でゴルフ場建設反対の運動が数多く起こっていることは周知のことと思います。建設反対の理由は、地域的な性格の違いはありますが、水源問題、自然破壊、農薬公害、さらに住民無視の開発行為等々、いずれもその地域住民の生活と生命を脅かす行為への怒りであり、ゴルフ場は要らないという意思決定でもあります。
 そこで関係部長にお尋ねをしますが、まず一九八九年、定例九月議会において環境アセスメントの制度化について、尾嵜保健環境部長は「現在、庁内関係課室による検討会を設け、その必要性、対象事業、手続等を鋭意検討しているところでございまして、今年度中──一九八九年度中──を目途にできるだけ早くその検討の取りまとめを行いたいと考えております」と答弁されているわけですが、情勢から見るともう遅いという感もいたします。きょうまでの経過と今後の方向をお聞かせいただきたいと思います。
 あわせて、県下ゴルフ場の農薬使用状況及び種類、調査報告がその後義務づけられているのかどうか、ないとするなら、今後、義務づけと罰則規定を設けるつもりがあるかどうか、もう一つは、ゴルフ場の水質検査と農薬残留検査の結果、今後の具体的計画とその実施、またこれらの検査を住民参加のもとに行うつもりはないかどうかについてもお答えください。
 企画部長にお尋ねをいたします。
 ゴルフ場開発には数多くの問題があります。このまま放置しておくならば、八十カ所にもなろうとしているゴルフ場の過当競争により経営が悪化し倒産などということがもし起こってくるとすれば、その跡地は荒廃し、取り返しのつかないことになるのではないか、私はそういった大きな危惧を持っているのであります。今こそ、科学的調査に基づくゴルフ場指導要綱の制定と総量規制が緊急に求められていると思うのです。私は、住民と行政がともに問題解決とあわせ、この和歌山県の自然をどのように守り、自然を生かした県土利用で町づくり、村づくりの方向が出るまで、厳しいようではありますが、この際、事前協議を含むゴルフ場計画の凍結を検討すべきではないかと思うのでありますが、御所見をお聞かせください。
 今、私はるる申し上げてまいりました。最後に、前回のときにも皆さん方にお示しをいたしました。(地図を示す)
 ゴルフ場については、今つぶさに調査をして地図化しているところで、完全に一致していないのでお持ちしませんでしたけれども。皆さん、これを見てください。これが和泉山系です。これがコスモパーク。ここは森林公園。そして、加太自然の郷ですね。第四団地。そして、この茶色の部分がそれぞれ事業化している、あるいはもう完成しているというのが中心ですけれども。ここらを見てください。河北、河西地域、これはもうミニ住宅がずっと開発されて大変な事態になっています。さらに今、三菱商事のゴルフ場とか、あるいはこの赤の線上になっているところが今後開発を予定されている、もう明らかになっている部分です。
 皆さん、こうやって見ますと、もうここは府県境ですから、ごくわずか残された和泉山脈の自然が全滅の状況になるということになります。その上に、ごらんのように、林野庁を含むヒューマングリーンプランが十三社の大企業によって計画されているということもあります。そして、これは根来破砕帯、中央構造線です。こういうふうに、非常に危険な状況のもとに開発が行われてきている。和泉山系全体がこの中央構造線を挟んで形成されているということにも十分注意をしていただきたいという点から、私は和泉山系のふもとに住む者として大変注意深く監視をしながら今の質問をしたわけです。
 どうもありがとうございました。
○議長(岸本光造君) ただいまの村岡キミ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 村岡議員にお答え申し上げます。
 大規模開発についてでございます。
 お話ございました和泉山脈南ろくは、和歌山市中心市街地の北に位置し、広域的に見ても近畿圏の都市開発区域に当たり、また関西国際空港のインパクトを受ける地域であることから、今後の和歌山の県土づくりにおいて重要な地域であると認識しておるわけでございます。
 したがいまして、大規模開発については県の長期総合計画の趣旨に即して「二十一世紀を拓く県土づくり」を進める県としては、開発に対して本地域に関する自然環境条件、社会基盤条件、土地利用のあり方、県民の理解と協力等、さまざまな観点から検討を加えて、既成市街地との調和を図りながら検討してまいりたいと思っておる次第でございます。
○議長(岸本光造君) 保健環境部長遠藤 明君。
 〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) まず、環境アセスメント制度制定についてお答えを申し上げます。
 環境アセスメントについては、大規模な開発に対しての公害の防止、自然環境の保全の観点から重要な制度であると認識してございます。この制度化については、平成元年度に関係課室と、ゴルフ場を含め、対象事業、規模、手続方法等、制度の基本的事項について検討を行い、取りまとめを行った段階でございます。これをもとに、現在、関係部局間で、制度化の時期等も含め調整を図っているところでございます。
 なお環境管理計画については、地域全体、県全体の総合的な環境保全の観点から有効な方策であると考えられるため、今後も研究を進めてまいりたいと考えてございます。
 大規模な開発については、現在のところ林地開発調整協議会や大規模開発計画調整協議会など、事前協議の段階において開発面積百ヘクタール以上の計画に対して、現況調査、予測方法等に関する技術指針を示しながら環境影響調査の実施を指導しているところでございます。
 次に、ゴルフ場周辺の水質調査についてでございます。
 ゴルフ場周辺における水質調査については、昨年度に引き続き、本年六月に十カ所のゴルフ場で延べ二百四十項目の調査をいたしました。この結果、環境庁が示した目標値を超えるものはございませんでした。
 今後の調査予定でございますが、県下の二十カ所のゴルフ場を対象に年二回程度、殺虫剤、殺菌剤、除草剤の中から残留性、魚毒性等と、使用実態を踏まえ、順次調査を行うべく補正予算五百三十七万六千円をお願いしているところでございます。
 ゴルフ場自身の水質検査については、去る六月、農林水産部長及び保健環境部長名で、二十カ所のゴルフ場に対し年二回程度の自主検査をお願いしたところであり、ゴルフ場の水質検査の住民参加については現在のところ考えてございません。
 次に、水質検査の義務化についてでございますが、農林水産部で検討されている要綱の中に盛り込むべく検討してまいりたいと考えてございます。
○議長(岸本光造君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) 大規模開発についての御質問にお答えいたします。
 まず、貴志、楠見、有功地区における基盤整備の状況とその対応についてでございます。
 貴志、楠見、有功地区は、和歌山市の北部に位置し、紀の川を挟んで市中心部に隣接しています。このため市街化の勢いが強く、紀の川沿いの多くは既成市街地となっていることから、都市計画上、平野部の大半は市街化区域に含めています。市街化区域においては、健全で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべき場所として市街地整備がなされる必要があります。しかしながら、本地区においては道路、河川、下水道等の基盤整備が不十分であり、今後、和歌山市とともに基盤施設整備を推進する必要があると考えております。
 道路については、本地区の交通渋滞の解消を図るためには、長期的な視点に立って道路網の整備を進めていくことが重要と考えております。
 河川については、開発行為に伴い生ずる流出増は、開発行為者がその責任において調節池等で流量調整を図り、関連する河川に負担がかかることのないよう指導しているところでございます。しかし、近年における市街化の進展を考えますと、早期に一定の計画に基づいた改修を計画的に進める必要があるとの認識のもとで、本地区に関連する河川の改修を促進しております。
 下水道事業としては、浸水対策として大淀都市下水路が完成していますが、まだこの地区においても浸水地域が多く、その対策がおくれております。このことから、和歌山市では浸水に対する抜本的な対策を講ずるため、本年度から来年度にかけ、調査、計画を行っております。また公共下水道は基本調査を終わり、平成三年度に都市計画決定をすべく、現在、関係機関との調整を行っております。県としては、これらの作業並びに手続を早期に完了し、事業に着手するよう市を指導してまいります。
 以上の基盤整備状況や見通しを踏まえながら、開発許可の運用に当たっては、関係部局等とさまざまな事項について調整しつつ、都市計画法の趣旨に基づき対応してまいります。
 次に、住民合意の民主的ルールの法的制度、情報公開、住民参加についてでございます。
 大規模開発については、許可申請に先立ち事前協議制度を設け、県関係部局の間で調整を図り、申請者に対し、計画内容について総合的に指導いたしております。
 議員御指摘の住民合意については、開発申請者に対し、許可申請に先立って地元説明会等を行うとともに、隣接地所有者、地元自治会等の同意を得るようルールを定め、これに即して指導しているところでございます。
 なお、事前協議済みの開発に関する情報について関係住民の方より問い合わせがあれば、開発計画の位置、計画の概要等について説明することといたしております。
○議長(岸本光造君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
 大規模開発に伴う林地開発の許可に当たっては、森林法に基づく国の通達により、当該市町村長の意見書、地域住民を初め利害関係者の方々の同意を得ることといたしております。これら同意書を徴する際には、住民の方々に開発内容を十分理解していただけるように、開発計画を明確にした資料により説明会を開くよう、事前協議の段階で指導しているところでございます。
 また開発に関する情報については、用地の売買等の利害に絡む難しい問題もございますが、事前協議申し出書の提出があったものについては、問い合わせがあれば開発計画地の位置、計画の概要等を説明することにいたしております。
 いずれにいたしましても、開発計画に対しての地域住民のコンセンサスは大変大切なものと考えてございますので、今後さらに指導を強めてまいる所存でございます。
 次にゴルフ場問題について、農薬の使用状況、種類の報告義務と罰則の問題でございます。
 農薬使用の状況については、ゴルフ場における農薬の適正使用の推進と病害虫などの防除マニュアル策定を目的に、県下二十ゴルフ場を対象に調査を行ってございます。本年五月の使用状況調査によりますと、葉腐れ病等十二病害を対象に殺菌剤が二十三農薬、ヨトウムシ等十四害虫を対象に殺虫剤が九農薬、メヒシバ等十八雑草を対象に除草剤が二十二農薬であり、特に農薬使用上の問題はございませんでした。また農薬使用の実態把握に向け、去る六月二十六日付、農林水産、保健環境両部長名で年間使用実績の記録と保存を通達し、厳しく指導しているところでございます。
 先般、国が指導要綱等策定指針を都道府県に対して示したところであり、現在、県ゴルフ場農薬安全使用指導要綱の策定に向け、関係部局と協議しているところであり、農薬使用状況等の報告義務についてはこの中で十分検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、罰則の問題については、指導要綱でございますので考えておりません。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) ゴルフ場問題についてお答えを申し上げます。
 まず、総量規制とゴルフ場指導要綱についてでございます。
 ゴルフ場開発については、地域における雇用対策、産業振興等々、地域振興策の一つであると位置づけているところでございます。
 本県では、現在、営業中のゴルフ場は二十カ所、工事中は三カ所、各個別法による事前協議中等は二十一カ所でございまして、これらがすべて完成したと仮定いたしましても県土面積に占めるゴルフ場の割合は○・九%であり、近畿においては最も低い状況でございます。したがって、現時点ではゴルフ場の開発に対する総量規制は予定いたしてございませんが、自然環境の保全と安全性の確保を図りつつ秩序ある開発を進めることは肝要であると考えているところでございます。
 議員御指摘のゴルフ場指導要綱については、今後、他府県の動向や市町村の意向等も見きわめつつ、現行のゴルフ場等開発計画に関する取扱によって的確に対処してまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、今後とも地元市町村の意向を重視するとともに、関係の部局とも密接な連携をとりながら対応してまいる所存でございます。
 次に、ゴルフ場計画の凍結についてでございます。
 ゴルフ場等の新規開発計画については、昭和六十三年十二月一日に定めたゴルフ場等開発計画に関する取扱によりまして、過疎対策、同和対策、観光・リゾート対策や、その他特に地域振興に寄与する事業と認められ、その上、地元市町村及び地域住民が積極的に要望している計画に限って受け付けているところでございます。今後もこのような考え方で対処してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 41番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 今、知事初め関係部長に御答弁をいただきました。随分御丁寧にいただきましたので、よしとしたいところですが、現実の問題としてはそうはいきませんので、質問をさせていただきます。
 環境アセスメントの問題でございますけれども、保健環境部長から非常に重要な制度であると認識をしているという御答弁をいただいて、大変結構なことだと思います。しかし、昨年度に私が質問した時点から見るとなかなか進んでいないというのが現実ですね。
 そういった点から見てみると、今まさに県土を燦黒潮リゾート、これが覆ってくるわけです。先日、基本構想が本申請として行われたようですし、大体二、三カ月たつとその承認がおりてくると聞いております。具体的にその構想が着実に進むであろうということを予想しますと、この燦黒潮リゾート自体が海岸を中心としてかなりの範囲で開発されるということになります。この点から見ても、環境アセスメントが本当に急がれなければならない。なぜならば、このリゾートは民間企業が事業主体となることが前提条件になっているからです。公共事業の場合にはアセスメントは確実にやらなければならないと義務づけられているわけですけれども、民間企業あるいは第三セクターになるとこれが大きく緩和されるし環境アセスメントが義務づけられてない、ここに大きな問題があると思うんです。
 ですから、私は、今、保健環境部長が申されたことはもっとスピードを上げてやらないといけない、いろんな大規模開発が進んだ後でつくられるというようなことがあってはならないと思います。もっとテンポを速めていただきたい。個別法ではもう限界なんですね。こういった点からも、総合的な観点に立って環境アセスメントは急がなければならないと思いますので、その点については強く要望しておきたいと思います。
 それから、地元合意の問題です。
 今、県下で特にゴルフ場を中心とした開発に関し、多くの住民運動が起こっています。これは、計画の全容を明らかにしない企業に対する大きな怒りと、それを保護しているかのように見える行政側の情報公開が大変お粗末だということです。住民にとっては、言葉は悪いですけれども、業界と行政が結託をして秘密的に開発が進められている、こういうふうにしか映らないわけです。そういった点からも、地元合意の問題はぜひ情報公開を原則にしながら進めていただきたい。これが、本当に住民の皆さん方の信頼を得ることになります。そして町づくりの点では、住民が主人公であるということを明確にしなければならないと私たちは思っています。
 この開発にかかるときの事前協議とか本申請にかかるときの書類の手続上の問題、あるいは添付しなければならない書類の中に「地元自治会長の同意」というふうにあるわけです。それと、「市町村長の同意」を添付することとなってますね、手順から行けば。しかし、この「地元自治会長の同意」というところに非常にあいまいさがあると思うわけです。区長でもよろしい、あるいは連合自治会長でもよろしいと。この開発にかかわる周辺住民の範囲というのをもっと明確にしなければならない。そして、連合自治会長あるいは区長だけにとどめるのか、それともその周辺住民に五十の自治会があるとするならば、その五十すべての自治会の自治会長、いわゆる住民の同意を必要とするのか。そこらの区分が、どうも今ははっきりしていないということです。だから、そこの点で今住民紛争が起こっているのも事実です。
 もう一回、地元自治会長の同意についてどの範囲を示すのか、お答えください。
 それから、基盤整備の問題です。
 今、河西、河北地区については大変おくれていると認識をしていただいているわけですけれども、交通渋滞等の問題についてはもうずっと以前から認識をしていただいていたと思うんです。しかし、遅々として進まない、この原因は何なのかということ。
 それと、開発においては、基盤整備が整わない限り大規模の開発についてはストップをする、凍結をするというような厳しい姿勢があってしかるべきだと思うんです。
 土木部長は、地域住民の皆さん方には健全で快適な生活を保障するために努力をするんだ、そのためにはおくれた基盤整備を何とかしなければいけないと、こうおっしゃいました。この点から見ても、どうしてもそういう立場に立たなくては過大な住民の犠牲の上に開発が成り立つ、その開発自体はどんなにいい開発であったとしても、住民から見れば悪い開発になるということになりますから、その点をはっきりとつかんでおいていただきたいと要望しておきます。
○議長(岸本光造君) 以上の再質問に対する当局の答弁を求めます。
 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) 地元同意を得る範囲についての質問の中で、「自治会等の同意」という項目がございます。その自治会の範囲でございますが、その開発に隣接する自治会というふうに考えます。
○議長(岸本光造君) 答弁漏れはありませんか。──再々質問を許します。
 41番村岡キミ子君。
○村岡キミ子君 細部にわたっては建設委員会で詰めることにいたします。
 企画部長にお願いをしておきますが、ゴルフ場は全部ができたとしてもまだ○・九%や、近畿で一番少ないんやと。そやからということになると、それ以上おっしゃらないわけですけれども、大体ニュアンスとしてはわかります。
 しかし、この総量規制をやらないと、さっきの環境アセスメントと同じように後手後手に回るという可能性は十分あります。一昨年、私が質問した時点では、事前協議十四を含めても○・七三%になります。これはふえているでしょう、一年たって。確実にふえていくんです。そういった点からも十分注意をして、総量規制問題についてはつくっていただきたいと要請しておきます。
○議長(岸本光造君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で村岡キミ子君の質問が終了いたしました。
○議長(岸本光造君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番山本 一君。
 〔山本 一君、登壇〕(拍手)
○山本 一君 今期定例議会の最終の登壇を許されまして、ふさわしくないかどうかということについては取り除いていただき、知事を支えられる部局長のお考えや御意見をこの壇上からお伺いしたいと思います。
 まず、頭脳立地にかかわる問題について質問を始めます。
 頭脳立地法とは、経済の高度化、ソフト化の急速な進展によって産業の頭脳部分のウエートが増大してまいりましたので、今後成長が期待できる産業の頭脳部分を、東京一極、大都市圏集中の傾向を破り、地域に集積させて、地域産業の高度化や地方の弱体、過疎の歯どめを果たして地域経済の発展を導きたいとしているのだと私は思います。経済成長の成否がすべてを左右する時代であると考えられているからでしょう。
 本県は、関西新国際空港開港の好機と地の利に恵まれ、交通運輸網の整備が進展のさなかにあります。二十一世紀への新たな発展を期して頭脳立地を決断し、時代のもらたす力の動きに鋭敏に対処されています。
 特定産業十六種の集積促進地域の構成市町村は四市十二町でありまして、地域面積は七・九九万ヘクタール、人口は六十七万と示されています。
 地域振興整備公団は、活力に富み、個性豊かな地域構築の拠点を海南市に定めまして、二十ヘクタールの買収を行い、分譲面積は十二ヘクタールとあります。公団の主な業務というのは、産業の高度化に寄与できる特定事業の受け皿になる分譲地の造成であります。
 なお、産業を高度化されるための研究開発を中心に、研修、情報提供等の機能を複合的に備え、地域の特定事業立地に役立つ中核的施設に出資をする出資事業であって、株式会社和歌山リサーチラボと呼ばれるものだと思います。
 ここで、お尋ねいたします。
 一、海南インテリジェントパークとは、難しい言葉ですが、リゾート地域の中の自然豊かな知的創造のための丘陵と申されるもので、公団が用地買収、開発造成、分譲を行うところであると思います。海南市が進めている用地買収交渉が九五%の進行を見ているようであります。高額の資金調達を要していると考えますが、公団なり県は何らかの財政的救済の手だてを講じておられますか、お聞きします。また、公団はいつ買収を終わり、造成事業に着手されるのか。
 なお、整備公団は、海南市や地域市町村に今後負担を求めるようなことはありませんか。これもお尋ねいたします。
 二、インテリジェントパークの一角に誕生する株式会社和歌山リサーチラボは、地域振興整備公団、和歌山県、海南市及び民間が十七億円を出資して第三セクター方式で建設・運営されるもので、来る十月十七日に発会式を行うと聞いています。建設総事業費は二十億円ということであります。民間出資には、私の聞き及ぶ程度では和歌山市から二つの企業と銀行が一行となっていますが、和歌山県頭脳立地構想の集積促進地域は、前述のごとく四市十二町になっています。海南市、和歌山市を除いた二市十二町の地域内の自治体や民間からの出資者が皆無のようですが、なぜなのか。六十七万の人口を占める地域の理解と認識が大切であると考えますので、お教えを願いたいと思います。
 また、民間出資者二企業一銀行に限られている理由──ちまたに県は将来を深慮してとの声も聞かされますので、お教えを願いたいと思います。
 また、一銀行が出資していますが、産業高度化施設に対する出資事業の説明によりますと、公団、地方公共団体、民間企業等が出資をするとあり、日本開発銀行等民間金融機関が融資を行うとあります。金融機関も多い中で、なぜ一行だけを加入していただいたのか。これもお教えを願いたいと思います。
 今日では、銀行は証券や株式を取り扱っていません。取り扱うということになったら非常に長所があり利便が大きいと思いますが、産業に対しての発言力が強くなるという弊害もございます。歴史において、銀行が産業に手を出すことはよろしくないとしたことがあると申されてもおります。それとこれとは筋が違うと申されるかもしれませんが、株式会社和歌山リサーチラボへの銀行出資について御見解のほどをお聞かせ願います。
 この間、石田議員とともに地元の婦人学級に招かれ、その際、私たちは議員の立場で認識している説明をしてまいりましたが、私なりに身に察知したことで、まことに気にかかることがございます。
 頭脳立地がされても、マリーナシティができても、地場産業には人手不足がつきまとって生業が成り立たない、頭脳立地が全くわからない、地元地場産業に何を与えてくれるだろうかと期待が薄弱であり、和歌山県がやることでおんぶをされて見ている感じが強くいたしました。難しい名前だけが先走っているかのようであります。
 頭脳立地は、本県の進路を定める不可欠の事業でありましょう。本県のメンツにかかわる重大施策であると存じます。それがゆえに、地元に、地域に早期に大義を説いて理解、協力の浸透を図らなければならないときにあると強く訴える次第でありますが、いかがなものでありましょうか。お聞かせを願いたいと思います。
 次に、労働力並びに人口問題についてであります。
 労働省の技能労働者等需給労働調査によりますと、好景気で人手不足が深刻化し、鉄筋工や左官などの技能労働者が百九十一万人不足で、技術者不足にあえいでいるのは従業員三百人未満の中小事業所であり、不足数全体の約九割を占めているのだそうであります。この調査は昨年十一月調べで、建設、製造、サービス業など六十二業種の従業員五人以上の事業所、約一万五千カ所を対象に調べて、全体の動向を推計しているようであります。中でも、小規模な事業所ほど深刻のようであります。
 財団法人和歌山社会経済研究所、和歌山中小企業振興公社、中小企業情報センターが一千百九十八社を抽出して、変動する社会経済情勢が県下企業に与えている影響を二九・四%のアンケート回答によって分析していますが、経営上の問題点では、人材不足が全産業で四五・九%を占め、建設業では七八・六%、製造業では四一・七%、商業では四一・五%、サービス業では三七・八%をあらわしています。
 現在、中小事業所が高卒生の求人に事欠き、積極的姿勢で対処してもだめであります。景気好調の波に乗って大学生は大手企業に大量に採用され、中小企業は全く青息吐息、海南市の地場産業には大学生は見向きもしてくれない始末であります。これには耐えられないので、関西新国際空港の前島かその近くに本社を移したいという声も出ております。
 本県発行の冊子「和歌山県のすがた」によりますと、三百人から三十人雇用の事業所で、昭和六十三年、一カ月一人平均現金給与総額は三十一万九千六百六十一円であって、五十七年以降、全国の伸び率を下回り続け、全国との格差は拡大する傾向にあると申されています。また、本県の人口推計は平成元年で百七万九千二百六十四人で、六十年から元年まで年々伸び率はマイナスを続けています。
 せんだって、テレビに映じていました。田舎のお父さんが息子さんに呼びかけているんです。「帰ってこいよ。田舎にもええことはたくさんあるよ。帰ってこいよ」と。また町長さんが、「みんな帰ってきてくれよ。そしたら百万円」云々と。これは、都会に出ている若い人たちに一人でも帰ってもらおうと訴えておるんです。過疎化したその町の実感に触れたような感じがいたしました。その際、和歌山大学の教授が「大都会がいかに住みにくいか、わかったときに帰ってくるのを待つしかない」と言われた言葉を思い浮かべたのであります。
 総務委員会は、九月初旬に那賀郡、和歌山市を現地視察し、高度化産業の進出にも接しました。近畿大学の造成地も拝見いたしました。関西新空港土砂運搬も折り返しを祝す式典が過日、二十八日にありましたが、順調に進む土砂採取現地も視察いたしました。「和歌山県も変わってきたなあ」と、バスの中で声が出た。「馬力が入ったぞ」と、期せずして一致した期待と喜びの声であったかと私は思っています。
 本県はただいま、頭脳立地に、マリーナシティづくりに四つに組んでいます。喜ばしくありがたいと思う心の中で、本県の中の労働力が強弱の力によって分捕られ、人手不足の災いから抜け切ることができなくなるのではないかと、思いはせつなく深いものがあります。
 小さい事業所、地場産業など、生存のかかった人手不足にいかに対処していただくものやら、私もわかりませんので、お教えをいただきたいと思います。
 昨年、全国の一世帯当たりの出生率は前年度より低下して一・五七人であり、このような調子で行けば八百年後には人口がゼロになるとも聞かされまして、これはと感じました。深刻な労働力の不足、とまらない若者の流出、人口減など、つまるところ、社会経済の変動が左右するかもしれないけれども、本県の人口、労働力はいつの世代も繁栄する礎であると考えるとき、行政に敏感な対処、対応が求められてくるのは必然であります。関係当局の意のあるところをお聞かせ願いたいと思います。
 次に、港湾区域や管理施設に環境整備を行われたいということであります。
 本県は、第四次長期総合計画や関西新国際空港関連地域整備計画において和歌浦湾一体を海洋レクリエーション基地と位置づけ、基盤整備事業として概算四百二十億円でマリーナシティの建設を進めておられます。上物整備その他を含めると数千億円の投資に及ぶものとお聞きし、期待には大きなものがあります。これを契機として、世界に広がりを持つ、創造されたリゾート博を開催いたしたいとの姿勢を示しておられます。
 私は、マリーナシティの進展、特に世界リゾート博が海との深いかかわりを持つ県民に、さらに海洋に目を向け、スポーツレジャーを介して海とともに生きるといった県民の意識の向上、ひいては町づくりの促進、地域の活性化に弾みをつけることを念じています。
 海南市とマリーナシティとの距離は、わずか百五十メートル足らずであります。そして、海南の前面にその理想郷が展開されるのであります。
 かつて海南市は、チリ津波により大きな被害を受けました。この対策として国は、防潮防波堤、俗称「一文字堤」を構築したのであります。時を同じくして、本県は黒江湾の埋立土地造成事業を興されました。一文字堤の延長は八百五十メーターあります。幅員も約十五メーター強あります。時の経過と潮流の関係で北端部には砂が堆積して、現在、小さい浜ができております。マリーナシティの前方には、新たな防波護岸と運輸省施行の北防波堤、南防波堤、その延長千八十四メートルが築造されようとしています。
 一文字堤はマリーナシティの対岸に位置することになり、本来の津波等の防護機能とともに、親水空間として利用されるものと考えられます。快適空間が創造されるとマリーナシティから見た海南市の顔にもなり得るのであり、この北端には毛見二号橋が海南市道に接続いたします。
 海南港整備に伴う埋立造成事業により、市民は海水に接する海を失いました。単にブロックを積み重ねただけの冷やかな感じを受ける従来の港湾工事も、近年は、港湾に親しみ、水に親しむ環境づくりに力点を置いた港湾行政が進められております。
 そこで、ぶこつな波返しの壁にも創意工夫を凝らし、活用できる方法など検討されたいと思いますが、いかがなものでありましょうか。
 マリーナシティにほど近い温山荘園では、その由来、意義からして、県内外の多くの人々にもっと知られて、天下の名庭園の価値と名声を高めたいとの願いがあるものと考えられます。
 物から心へと価値観が移行する中で、せっかくのマリーナシティ周辺の水際線や施設に対して、豊かさ、幸せを求める内外の人々に安らぎと憩いの場を提供するウォーターフロントが創造されることを祈ってやまないのであります。
 高津子山を望み、マリーナシティの展開に心弾み、温山荘や藤白の山並みに接し、また淡路島を淡く望みながら、さすらう心の人生に喜びを呼び、海南市の活性に資されたいと思いをいたしますが、関係部局の理解あるお答えをお聞かせください。
 次に、県道海南金屋線並びに船戸海南線の問題についてお尋ねしたいと思います。
 一、県道海南金屋線は、昭和四十九年前後でありますが、海南市民球場の前を通る農免道路約一キロが完成したときに県は、農免道路を県道金屋線として市より受け入れたい、これに続く市道を旧国道まで、約一・二キロほどありますが、その入り口のアーケードを撤去すれば県道として改修するということで、日方のど真ん中を通る県道海南金屋線を市が受け入れると公約したことがあります。私が助役として在職中のことであります。問題のアーケードも撤去され、十年以上にもなると思いますが、このような過去は忘れ去られているのかどうかも承りたいと思います。
 また、こういうことは、人事の異動の好ましくないあらわれなのでしょうか。この御感想もお聞かせ願いたいと思います。
 二つ目には、船戸海南線の交通ネックの問題で一部計画変更の協議も過去にありましたが、市では、本省が認めてくれないと申し、バイパス論も通らず、長年月を経、もろもろの事情も積み重ねて今日に及んでいます。土木部には一歩でも前進する意欲がないようにしか私には感じられませんが、こういうことも人事の異動の弊害があるのではないでしょうか。それとともに、対処の姿勢もお聞かせ願いたいと思います。
 この問題は、もう長い間の問題でありまして、私も一期四年の間に一回だけは継続質問をして、気持ちだけは忘れないようにしてほしいなと登壇して申し上げている問題であります。ひとつ積極的な姿勢をお聞かせ願いたいと思います。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○議長(岸本光造君) ただいまの山本一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、頭脳立地に係る幾つかの御質問についてお答えを申し上げます。
 その第一点は、用地問題についてでございます。
 海南インテリジェントパークの予定地につきましては、議員御指摘のとおり、海南市土地開発公社が先行して用地買収をほぼ完了したところでございます。この用地につきましては、地元市が買収した土地代、関連事務経費、金利等の必要経費で地域振興整備公団が買い取ることになっているところでございます。
 第二点は、公団の買収並びに土地造成の時期についてでございます。
 現在、地域振興整備公団が通産省及び大蔵省等と最終の詰めを行っているところであり、予定どおり行きますと、年度内に用地の所有権の移転を行い、現地事務所設置の運びになるものと聞いてございます。
 第三点は、海南市に対する今後の負担についての問題でございます。
 地域振興整備公団が実施する業務用地の造成につきましては、公団みずからの事業として、予算に基づいて実施されることとなってございます。
 なお、本事業に関連して必要なる関連事業、例えば高速道路海南東インターチェンジからのアクセス道路の整備等につきましては、計画推進の上からもぜひとも必要な事業であり、さらに公団事業着手後も、一般的に申して、地元調整等、地元自治体としての協力が必要であると考えてございます。
 第四点は、和歌山リサーチラボへの出資の問題についてでございます。
 株式会社和歌山リサーチラボへの出資につきましては、国の指導に基づき、地域振興整備公団、県及び和歌山リサーチラボの立地する海南市が中核となり、構想の趣旨及び当該会社の目的等に御理解、御賛同をいただいた民間企業十三社からも出資をいただきまして、資本金は合計十六億五千万円となってございます。その中で、金融機関からの出資は現在一行でございますが、今後、この事業に賛同する民間企業等からの出資については、必要に応じて受け入れてまいりたいと考えているところでございます。
 第五点は、集積促進構成地域の理解と共存姿勢についてでございます。
 頭脳立地構想は、情報サービス業や研究所などのいわゆる産業の頭脳部分を地方に立地させることにより、地域産業にとって課題と言われている新製品の開発、生産の自動化、デザイン開発等の高度化を図ること等を目的といたしているところでございます。
 主要事業として、本県においてはソフトウエア業や自然科学研究所等が立地する業務用地の造成が地域振興整備公団により行われるとともに、センター機能を担う株式会社和歌山リサーチラボを第三セクターとして設立し、地域の産業を対象とした研究開発事業、人材育成事業あるいは情報提供事業を行うとともに、テナント型の企業誘致を行うこととしてございます。
 したがいまして、本構想の推進には地元市町や経済界との連携、協力が不可欠でございますので、今後ともシンポジウムや講演会等の開催によって啓発に努め、皆様方の一層の御理解、御協力を求めてまいりたいと考えているところでございます。
 最後に、労働力並びに人口問題についてでございます。
 昭和六十一年度に策定をした第四次長期総合計画におきましては、各種のプロジェクトの推進により、目標年次である西暦二〇〇〇年の人口を百十五万二千人としているところでございます。
 一方、最近の状況を見てみますと、昭和五十八年以降減少を続けてまいった人口も社会経済情勢の好転などの要因によって増加傾向に転じるものと予測しており、明るい方向で進むものと考えてございますが、なお、議員御指摘のとおり、本県の人口の構造上の問題として、特に若年層の人口流出に伴う社会減の問題があることも、また事実でございます。
 こうした問題につきましては、労働力の確保という点、また県勢全般の活性化という点から、特に若者が定住できる環境条件の整備について、企業立地や地場産業の育成を含め、関係部局ともども総合的な見地から推進しているところでございますが、今後ともより積極的な対応を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 商工労働部長天谷一郎君。
 〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) 中小企業、特に地場産業の労働力確保の対策といたしましては、労働条件の改善や合理化、省力化を初めとする企業経営の改善等、総合的な取り組みが必要であると考えてございます。
 また、個々の企業努力もさることながら、事業協同組合、中小企業団体等、それぞれが一体となっての取り組みが求められているところでございます。
 県といたしましては、省力化のための技術改善費補助金制度の一層の促進や、省力化投資等への設備近代化資金、高度化資金融資等、融資制度の効果的な運用に努めるなど、総合的な施策を実施してまいりたいと考えております。
 次に新規学校卒業者対策でございますが、本年三月の高等学校卒業者については、県内就職率の県平均が五六・九%──ちなみに海南公共職業安定所管内では七七・六%となっておりますが、これをさらに高めるよう、関係者の連絡会議の開催、職業安定所職員による学校訪問等、各学校と密接な連携をとりながら県内への就職促進に努めてまいりたいと考えております。
 また、本年度から技術労働力確保対策事業を実施し、県外に在住している本県出身の技術系大学生の就職に関する意向を把握するとともに、県内企業の求人情報を積極的に提供してまいります。
 次に、既に卒業されている既卒者対策といたしましては、全国の公共職業安定所をオンラインで結ぶ総合的雇用情報システムを活用した職業紹介サービスを実施しております。
 また、定年退職者を含め、県外居住者で本県へのUターン就職希望者に、国が運営する人材Uターンセンターへ県内企業の情報を提供しているところでございます。
 高齢化対策につきましては、六十歳定年制を基盤として、六十五歳までの継続雇用の促進、求人年齢の引き上げ等、事業主に対する指導を強化するほか、継続雇用制度導入奨励金等助成制度を一層活用していただくよう努めてまいりたいと思います。
 また、独自に退職金制度を持つことが困難な中小企業に対する中小企業退職金制度への加入促進を、より図ってまいりたいと考えております。
 なお、国におきましては、現在、中小企業の労働力の確保、定着対策として、立法措置を含め、その対策を検討中と聞いてございます。金融、税制、助成措置等、抜本的な対策を講じられるよう、国へ強く働きかけてまいりたいと考えます。
 以上でございます。
○議長(岸本光造君) 保健環境部長遠藤 明君。
 〔遠藤 明君、登壇〕
○保健環境部長(遠藤 明君) 出生率の低下についてでございます。
 人口動態統計から見た合計特殊出生率によりますと、一人の女性が生涯に産む子供の数は、昭和五十年以来、二人未満となっており、平成元年は、議員御指摘のとおり、最低の一・五七人となってございます。
 出生率の動向には、時代背景、社会経済的理由や個人の意思等が複雑に関連いたしますが、現在の出生率の低下の要因としては、晩婚化の傾向や核家族化の進行等、種々の理由が考えられます。
 総理府では、この問題について関係省庁連絡会議を設置して取り組んでおりまして、厚生省においても、子供が健やかに生まれ育つ環境づくりの推進会議を設置し、その対応を検討しているところでございます。
 保健環境部といたしましても、こうした国の動向を見守りながら、母子保健等、保健医療サービスの充実に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(岸本光造君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) 港湾区域や管理施設の環境整備についてでございます。
 議員御指摘のとおり、現在建設中の和歌山マリーナシティの周辺海域に連なる陸域からの眺めは、確かにすばらしいものがございます。このような自然の資源に恵まれたウォーターフロントの資質をさらに高めて市民に安らぎと快適さを提供することは、和歌山マリーナシティ建設の目的にもかなうものでございます。
 この意味からも、毛見二号橋に至る船尾三十二号線の整備につきましては、海岸沿いに遊歩道を設ける等、その手法などについて海南市と協議中であり、またその他水際線についても、関係機関及び地元の意見を聞きながら、マリーナシティとの整合性を十分考慮しつつ親水性のある環境の整備を検討してまいります。
 次に、海南市道八十号線の県道認定についてでございます。
 海南市道八十号線は、JR海南駅東側の市街地を経て高規格道路インターに至るアクセス道路として、交通量の多い地域の幹線ルートであります。当ルートのうち、市民球場前を通る区間約七百六十メーターにつきましては、昭和四十九年九月一日付で県道海南金屋線として認定済みでございます。残る旧国道までの区間千百二十七メーターにつきましては、二百五十メーターの未改良の区間を残して、平均八メーター幅員で二車線の暫定改修済みとなっております。
 そこで、当区間の県道認定についてでございますが、地元及び海南市より市街地を通過する現県道海南金屋線の側溝等の整備要望が強く、県としても生活道路の環境整備事業を行ってきたところでございます。
 今後、過去の背景を踏まえ、県道認定についての諸業務を地元海南市と十分協議してまいります。
 次に、県道船戸海南線の改良についてでございます。
 県道船戸海南線のうち、海南市黒江地内で幅員が狭小な部分があり、交通渋滞が生じていることは議員御指摘のとおりであります。この区間を拡幅すべく、過去に事業化を行いましたが、人家が密集しているため地権者の方々の御理解と御協力が得られず、計画が中断したところであります。しかしながら、この区間の整備は必要と考えておりますので、今後とも、地元関係者の方々の御協力が得られるように市とも協議してまいります。
 なお、異動に伴う事務の引き継ぎにつきましては、事務に支障がないよう、今後とも徹底を図ってまいりたいと考えております。
○議長(岸本光造君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 以上で、山本一君の質問が終了いたしました。
○議長(岸本光造君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○議長(岸本光造君) 次に、議題となった全案件のうち、議案第百六号平成元年度和歌山県公営企業決算の認定についてを除くその他の案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
 ─────────────────
○議長(岸本光造君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○議長(岸本光造君) 次に、お諮りいたします。明五日及び八日は各常任委員会審査のため、また十月六日は議事の都合により、休会といたします。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(岸本光造君) 御異議なしと認めます。よって、十月五日及び六日、並びに八日は、それぞれ休会とすることに決定いたしました。
○議長(岸本光造君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
 〔職員朗読〕
 ───────────────────
 総務委員会 第 六 委 員 会 室
 厚生委員会 第 二 委 員 会 室
 経済警察委員会 第 三 委 員 会 室
 農林水産委員会 第 四 委 員 会 室
 建設委員会 第 五 委 員 会 室
 文教委員会 第 一 委 員 会 室
 ───────────────────
○議長(岸本光造君) 次会は、十月九日再開いたします。
○議長(岸本光造君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午前十一時四十八分散会

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