平成2年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(那須秀雄議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○副議長(橋本 進君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番那須秀雄君。
 〔那須秀雄君、登壇〕(拍手)
○那須秀雄君 けさほど来、大江さん、小林さん、そして今の浜本さんと、三県議から質問が行われました。すべてこの方々の問題点は、原子力発電、そして殿山ダム、椿山ダム、さらに殿山ダムと、関西電力はけさからこぶだらけであります。
 私は、ダム問題についてはさておくとして、エネルギーとりわけ原子力発電問題について所見を述べながら質問をいたしたいと思っております。
 右会津川、奇絶峡の下流の川中というところに小さな発電所があります。今も関西電力が無人で管理をし、発電を続けておると聞いております。その発電所は、今は田辺市内の製材工場一戸分の電力しか供給できないそうであります。私どもが子供のころには、今で言えばおもちゃのような発電所が田中実三郎先生の住む上秋津、そして私の住む三栖村、その付近の村に電気を供給していたのでございます。日和続きで渇水期になりますと、二十燭の裸電球がすうっとかすれていって停電した。また、そのうちにタービンが回り出すと、ぼやっと電気がついてきた。そういうのを今でも思い出すのであります。
 けさほどより論議の的になった日置川の殿山ダムは昭和三十二年に完成され、昭和三十三年に下流に甚大な被害を及ぼす一大水害があったのであります。そうして今日まで、下流の皆さん方は、いつ水害があるかという心配をされながら辛苦されてまいったのでありますが、このダムが起こす電力によって、当地方いわゆる紀南地方の電力供給に大いに貢献し、その恩恵に浴してまいったのであります。しかし、今日的に表現するならば、わずかに一万七千キロワットであります。既にお役御免的な存在になっておるのであります。今朝来の両県議の意見に加えて、将来、このような観点からもこのダムの論議を続けていただいたらありがたいと思うのであります。
 いずれにいたしましても、事ほどさように、文明は電力を要求するのであります。また、人々には、電力は金さえ出せば湯水のごとくふんだんに使えるものとの風潮が蔓延しておるのであります。暑ければ冷房、寒ければ暖房、扉は自動、上り下りはエレベーター、電灯は昼でもつけっ放し、台所には冷蔵庫が二つ三つ、電子レンジにオーブンに、各部屋一台ずつのカラーテレビ、まさに物質文明と電力の需要は追っかけごっこであり、ウナギ登りであります。
 先般の台風でも、停電が何日も続いたところがございました。文明生活の中で停電ということは──かつての生活文明の中では明かりが消えるだけでありました。しかし、今日の食糧事情から言いますと、冷蔵庫の中で食物が腐ってしまうのであります。我々の暮らしの中で、日々のなりわいの中で、電気のない生活が一日も半日も、一時間も許されないのであります。したがって電力会社は、他の大企業と違って、万難を排して国民に電力を供給しなくてはならない社会性を持つものでなければならないのであります。また、極めて独占的な企業でありますから、需要に応じて幾ら金をかけても供給すればよいというものではなく、国民生活を圧迫するものであってはならない、すなわち強い公共性を持つものでもあります。
 そこで、二十一世紀の電力需要の見通しの中で、また今日の中東情勢の不安の中で電力の三十数%を石油に依存している体質を変えるため、また比較的安い電力を供給したいがため代替エネルギーを原子力に求めることは、決して間違った選択ではなかったと言えるのではないでしょうか。また、私ども日本国民は、すべからく既に電力の一七%が原子力によってつくられ、その恩恵に浴していることも、また事実として厳粛に受けとめなければならないと思うのであります。
 原子力発電所とて、人のつくるものであります。大江さんの言われるように、人工のものであります。事故さえ起こさなければ、原子力は未来をつくるエネルギーとして重宝なものであります。このような状態の中で和歌山県仮谷知事は、安全性、立地性、県民の合意すなわち地元住民の合意が整えば進めていきたいということでありました。我が国のエネルギー政策の中で三原則が満たされればという知事のこの政策も、決して間違ってはいなかったと思うのであります。しかしながら、現実に、いうところの三原則の最も大事な住民の合意が得られないのが現状であります。
 昨年の日置川町の選挙、また本年、今まさに投票が終わった日高町町長選挙。日高町長選挙は原発をやらない同士で戦ったと言われておりますが、ボルテージの高い方が勝ったと表現されております。
 かつて、ポーランドのワレサ連帯議長は、「地球上に人工衛星が飛び交い、世界から秘密がなくなって世界は平和になる」と報道されました。今や、地球を回っている宇宙衛星は、サハラ砂漠で鉛筆が倒れるのまでとらえると言われております。鉄のカーテン健在なころなら隠し通されたかもしれないチェルノブイリ事故も白日天下に公表され、和歌山県民は、住民は、原発立地に反対の意思表示をしているのであります。
 新聞報道によりますと、平和の国と言われるスイスでも、向こう十年間、凍結を宣言したと言われております。その凍結を決めるために国民投票をやったということであります。県民投票までする必要もないと思いますが、民主主義はあくまでも主権在民であります。二十一世紀のエネルギーの選択は次の世代の方々に任し、この際、原発立地を凍結しようではありませんか。所見をお聞かせ願いたいと思います。
 前二氏の意見と少し違うのは、浜本先生も小林先生も強く凍結を迫られましたが、私は、原子力の将来はさらに安全性を増し、世界の趨勢として原子力発電の立地が進められるような時期が必ず来ると信ずる者であります。
 次に、石炭火力、LNGについて所見を聞きたいと思います。
 原子力発電についていろいろ所見を申し上げてまいりましたが、私は、電力の需要は電力会社の予測をさらに超えるものになるのではないかと心配するものであります。その理由は那辺にあるかと申しますと、電力会社の予測はあくまでも物理的な予測であろうと思われますが、我々のように物のありがたさ、もったいなさを知るその時代に生まれた者は総じてお年寄りであり、先に死ぬのでありますから、若い世代にどんどんと変わっていくのであります。飽食暖衣の時代を生きてきた人々には、よほどの節約、節資源の思想を普及しない限り、思わぬ資源の浪費をされるのではないかと心配するものであります。
 原子力は凍結せよ、電力需要は予想を上回るぞと。おまえ、まさに矛盾するじゃないかということになりますが、かつて早川先生が生前に提唱された石炭火力専焼発電やLNG火力発電の研究をなされてはいかがでしょうか、御提案を申し上げます。
 LNGはクリーンエネルギーと言われております。石炭火力は、すぐ近くの岬町多奈川に立地しております。またLNGは、大阪南港に立地しております。勉強家の企画部長でありますから既に研究済みかと思いますが、所見をお聞かせいただければありがたいと思います。
 もう一点、私の考えを述べ、知事に御教示いただきたいと思います。
 私は、政治をつかさどる者、行政に携わる者はすべからく清廉でなければならないし、政治姿勢や信念は確固不動のものでなければならないと思っております。しかし、事、政策に関しては、その立案に関しては、広く会議を開き、柔軟な頭脳で論議すべきであると思うのであります。また、一たん決められた政策でも、人々の意識の変遷により、また時代のニーズの変化に対し反応すべきものであると思うのであります。
 政策はあくまで人が立案したものであり、オールマイティーとは言えないと思います。客観情勢の変化や人心の変遷に対応できる県政でなければならないと思うのでありますが、いかがでございましょうか。知事の所見を伺いたいと思います。
 次に、今、紀南地方で行われている住民運動について二点ほど取り上げてみたいと思います。
 まず、これです。(現物を示す)これは小学生の子供を持つ親御さんが持ってきてくれまして、「これ、何とかなりませんか、那須さん」と、こういう話であります。「何とかならんかて、かわいらしい漫画やらよ」と。まあ、あけてみてください。びっくりです。恥ずかしくて見ておれません。本当に。きょうだけ結構ですから、あけてみてください。まさに恥ずかしい。これが、しかも裏を見てびっくりした。講談社や。講談社とか小学館とか、有名な児童の本の売っているところが、こんなコミック漫画を売っておるのであります。これが今、はやっておるわけであります。まあ言えば、「きょうびの子供ら、そら恐ろしいで」ということを言うている大人が、いかに金もうけのためとはいえ、こういう悪書を出版しておるのであります。まさに悲憤を覚えるのでございます。今や、隠れたベストセラーだと言われておるのであります。これを売るともうかるわけです。しかし、もうかるから何でもしたらいいというんだったら、世の中やみでっせ。私はそう思います。しかも白昼堂々と、無防備な青少年、特に幼年期の子供たち、小学校の低学年の子供たちにも売られておるわけであります。
 あるお父さんが本屋でビニールをかぶっておるこの本を見て、かわいらしい漫画だということで、出張から帰りにお土産に何冊か買って子供に与えた。「お父さん、あんたは何と文化の程度の低い人やなあ」と子供に言われた。このお父さんは死ぬまで子供の信用を回復できない。そりゃ、そうや。中を見たら、そう思います。
 この俗悪な書物を追放しようということで、一生懸命にお母さんが立ち上がっておるのであります。新聞社も一斉にキャンペーンをしています。まだまだ一紀南地方における運動にしかなっておらないのであります。しかし、この本が国の将来を背負って立つ青少年を読者とするならば、国家的な問題であります。そこまで運動を盛り上げなければこの悪書は追放できません。
 言論の自由、出版の自由、いろんな自由がまかり通る世の中でございます。真っ暗やみでございます。この中で、これを追放するためには、地域住民も一体になって、行政も一体になって立ち上がらなければならないのではないかと思うわけであります。民生部長の方で既に各地域の本屋さんに対しても何らかの手を打たれておると聞いておりますが、どういう形でこの運動に加担していくのか、お聞かせ願いたいと思います。
 また、可能な限り法的に規制できないものかということを御相談申し上げたいと思います。できれば、こんな本が出回る以前に版元で規制をすることが一番効果があるのではなかろうかと思うのであります。既に運動体の方々が国会の先生方にも陳情を繰り返されたと報道されております。きょうも、おばさん方が「傍聴に行こうか」と言うていましたが、「こんなことは、一生懸命やっておられます皆さんのことを考えると、県会議員が壇上で言うのは当たり前ですから、どうぞ、うちで台風の後始末でもしてください」と申しておきました。こういうことで、本当に真剣に取り組んでおる問題でございます。県の方としても、国へも、そして各地域の本屋に対しても厳しく通達をしていただきたい。このことをお願いいたしたいと思います。
 次に、これまた市民運動として着々としてその成果を上げている田辺市における暴力団事務所買い取り運動についてであります。
 暴力団のことを必要悪──ネセサリーイーブルなどと言うような風潮もあります。まことに嘆かわしいことであります。おおよそ正当な社会生活を営まれる社会において、暴力団などはまさに悪であります。最初に申し上げたような風潮こそ暴力団にはびこらす余地を与えるものであり、人々が秩序ある生活を送る中においては不要のものであります。
 先般来の新聞報道により既に御存じのことと存じますが、これはすばらしい市民運動であります。二十団体から成る田辺市暴力追放協議会を結成し、暴力団体の巣くう物件を落札、買い取りしたものであり、市民総参加のもとに暴力団排除に立ち上がったものであります。これは、田辺市当局や田辺警察署、市民団体の熱心な取り組みによる運動の盛り上がりの成果であります。
 県警本部長はこのことをいかに評価するか。また、四千万円に余る金額を満たすために市民団体の皆さんや市職員、警察職員等が休日を返上して募金運動に参加しておるのでありますが、彼らは、まさにこの運動に参加することは市民文化活動に参加することだと、誇りを持ち続けておるのであります。
 住民運動とは、官民一体となり、住民総参加のもとに行われるべきものであります。その意味でもこの運動は大いに意義があると思うのですが、県警本部長さん、いかがでございますか。その評価をお聞かせ願いたいと思います。
 次に、林業関係であります。
 昨年の六月定例会一般質問において、知事及び農林水産部長に対して県の森林、林業の将来展望について私の所信を述べ、質問をいたしました。御両所からは、その施策について力強い答弁をいただいたところでございますが、森林の資源が年々充実する中で、一方では林業労働者の減少並びに高齢化は森林、林業を進めていく上で大変心配な問題であります。
 日本の経済は、現在、好景気の中で推移しておりますが、一次産業はもちろんのこと、二次、三次産業においても労働力の問題について頭を悩ましているのであります。特に林業労働は自然の厳しい条件下で過酷な仕事をしているわけで、若い人に敬遠されるところが多いわけであります。
 そこで提言をいたしたいと思いますが、山村地域の建設業に従事し、働く場所が同じであっても、パワーショベル等大型建設機械のオペレーターについては興味を引く若い人が結構いるわけであります。ここで私は、林業の作業についても、大型機械を積極的に導入するに当たり、高性能林業機械のオペレーターを養成することが最も肝要と考えるわけであります。
 県林業センターにおいては林業技能者養成を行い、既に基礎技術を体得した若い方々が百名になんなんとするほど現地で活躍しておるのであります。私は、この人たちを林業センターに集めて最新の高性能林業機械の操作技術を習得させるオペレーター養成事業や研修・普及用の高性能機械を林業センターに導入する事業を予算化し、具体的に林業労働対策を進めていく必要があると思うのであります。恐らく農林水産部から財政当局に対して予算の要求があろうと思いますが、よろしくお計らいをいただきたい。部長さん、財政課長さん、この辺、よく聞いておいてください。農林水産部長からの答弁をいただきたいと思います。
 最後に、高校野球であります。私は、これはしぶといほど言います。何回でもやります。
 昭和六十三年度、二万三千九百六十人、平成元年二万三千七百三十五人、平成二年度一万九千四百四十八人──一体、この数字は何でございましょう。ここ三年間の夏の高校野球和歌山県予選の入場者数であります。一試合の入場者と間違うぐらいの数でありますが、そうではありません。一日四試合の入場者数でもありません。大会を通じての入場者数であります。何と少ない数字ではないでしょうか。特にことしは二万人を切ったのであります。恐らく他府県には例を見ないような数ではないかと思うのであります。
 ある大会関係者から、ことしは観衆を引きつける人気チームが一回戦で多く敗退したからとの話を聞かせていただきました。なるほど、過去最高の入場者を集めたときは昭和五十二年の箕島高校対田辺高校の優勝戦で、当時の新聞報道によれば七千人だったそうであります。ところが、この学校、両校とも和歌山市内ではないのであります。試合場は和歌山市内、両校とも市外であります。そうして、過去に最高の観衆を集めたのであります。もし、この試合が箕島に近い、あるいは田辺に近いところで行われておったなら、さらに盛り上がったことだろうと思うのであります。
 新聞、ラジオ、テレビ、それこそ笛、かね、太鼓であります。こうしてはやし立てる高校野球、少なくとも和歌山においては甚だ盛り上がりに欠けるのではないでしょうか。
 かつての野球王国和歌山も、甲子園十一連敗。やっとことしの夏、星林高校に勝っていただきました。十二連敗を免れたのでありますが、しょせんは二回戦で敗退であります。野球王国の影も薄れた高校野球、入場者が極端に少ない高校野球。かつての栄光の中で、マンネリ化された和歌山市以外での県予選の開催は考えられないのでしょうか。「それは、とても考えられない」という頑迷固陋なボーンヘッドから脱皮して、和歌山市以外での高校野球県予選を考えてみてはいかがかと思うのであります。
 ある関係者は、「公式試合すなわち春、秋の近畿大会の予選は田辺の市営でもやっていますぜ、那須さん」、こう言うんです。「あそこは、人は入りませんのや。なぎの里でもやっています。千里でもやっています」と言うんですが、普通のマイナーな予選と夏の大会とは違うわけであります。新聞もテレビもラジオも、取り組みが違う。私は、「じゃんじゃんと、あれだけはやし立てられても和歌山市であかんのやさかい、田辺でやろうらよ」、こう言うわけであります。
 私は、四年前、当時の中川教育長にお願いをいたしました。高野連や主催者の朝日新聞に申し入れてほしいということをこの席から申し上げましたが、中川教育長にはお返事をいただけないままに遠いところへ行かれました。高垣教育長さん、このことをぜひひとつ関係者に対して強く申し入れてほしいと思うのであります。私は決して、代替開催地が田辺でなければいかんと申しているのではありません。湯浅にもいい球場があります。そしてまた、それが来ることによってその地域のスポーツが、その地域の教育がさらにさらに飛躍することを確信してやまない次第であります。どうか、この点について高垣教育長からの御答弁をいただきたいと思います。
 以上をもちまして、一回目の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○副議長(橋本 進君) ただいまの那須秀雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 那須議員にお答え申し上げます。
 まず第一点は、本県における原発立地の凍結についての御提言でございます。
 お話ございましたように、現代社会においてエネルギーは欠くことのできないものでありまして、中でも電気はクリーンで使いやすいエネルギーであり、社会の高度化とともにその重要性がなおますます盛んになっておるのが現実の姿でございます。こうしたことから、我が国の経済が健全に発展し、豊かな国民生活を維持するために電気の安定供給は必要不可欠なものでございます。
 本県における原子力発電所の立地問題につきましては、これを地域振興に役立てたいとする地元の町が誘致に取り組んでまいったところであり、こうした地元の積極的な意向を見きわめながら、県としても電源立地に対して三原則を設けて対応してまいったところでございます。
 現時点におきましては、先ほど来申しておりますように、三原則が満たされていないと認識しておる実情でございます。今後、こうした状況を踏まえ、地元の意向を尊重してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に政策の問題について、一定不変ではなく、客観情勢により、また住民の意識の変化等により、時代のニーズの変化により対応すべきではないかという御提言でございます。
 まことにさようでございまして、私も、そうした移り変わる社会情勢の変化、県民のニーズの変遷というものに十分対処してまいらなければならないと思います。
 きのうも、NHKのスペシャルで、ポーランドの変遷の問題が放映されておりました。大きな時代の移り変わりの激しい現時点でございます。それだけに時代に十分マッチした政策を行うことが必要であり、県政においても長期計画というものを行っておりますけれども、三年ごとに中期実施計画を策定し、社会情勢のニーズに合った形で修正等を行っておるところでございます。今後、そうした面について十分配慮してまいりたいと存じておるところでございます。
○副議長(橋本 進君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) 石炭やLNGによる発電への取り組みについてでございます。
 国におきましては、二度にわたる石油危機を経験し、電力の安定供給の確保や低廉な供給のために、原子力発電、石炭火力発電、LNG火力発電等の石油代替電源の開発を積極的に進め、電源の多様化を図っているところでございます。
 議員御指摘の石炭専焼及びLNG火力発電につきましては、自然エネルギーや省エネルギー問題も含め、県民生活を支えるという観点からも勉強していく必要があると考えているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(橋本 進君) 民生部長高瀬芳彦君。
 〔高瀬芳彦君、登壇〕
○民生部長(高瀬芳彦君) コミック漫画等、悪書への対応についてお答えいたします。
 最近、著しく性的感情を刺激するような少年向けのコミック漫画等の悪書が数多く販売され、全国的にも社会問題化しているところでございます。こうした図書につきましては、思慮分別の未熟な青少年の性に対する価値観に悪影響を及ぼし、性的な逸脱行為を助長し、青少年の健全な育成に及ぼす影響は大きいと考えられますので、その対策については、関係機関、団体を初め、広く県民の御理解と御協力をいただきながら積極的に推進いたしているところであります。
 また、近く実施予定の青少年健全育成強調月間でも悪書追放を取り上げ、県民運動として取り組むとともに、今後も和歌山県青少年健全育成条例に基づく有害指定と青少年への販売禁止措置、書店等に対する自粛要請、青少年補導センター等関係機関との連携による監視をより強化してまいる所存であります。
 国としての法規制につきましては、昭和五十九年に国会で議論された経過もあり、現状では難しいと伺っておりますが、本県としても、さきに総務庁に対して出版社等に対する自主規制の指導を強化するよう要望したところ、先般、総務庁から出版社等に対する指導を強化する旨の回答を得たところでございます。
 今後もさらに、家庭を中心に県民に対する認識と理解を深めるため、より積極的な啓発に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(橋本 進君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
 高性能林業機械オペレーターの養成のために林業センターの予算化いかんということでございます。
 林業労働力の減少に対応するため、また低コストの林業を展開するために機械化は大変重要な課題と考えてございます。
 お話のように、昭和五十六年度より今日まで林業センターにおいてグリーンマイスターあるいはグリーンワーカー等の養成を初めとする各種研修を行い、基礎的な機械の操作から木材搬出等に至る技能者の養成も進めてまいりました。
 議員御提言のオペレーター養成につきましては、現在、農林水産省においても、我が国の急峻な地形に適した高性能機械の開発と導入、機械作業システム化等とあわせて、事業化のために平成三年度の予算措置が具体的に検討されているところでございます。これらの動きを注視しながら、本県における高性能林業機械のオペレーター養成の予算化に向けて対応をしてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(橋本 進君) 警察本部長西村浩司君。
 〔西村浩司君、登壇〕
○警察本部長(西村浩司君) お答えいたします。
 御質問の件につきましては、田辺市を初め、田辺市暴力追放協議会、地域住民の暴力追放に向けての熱意と努力が見事に結実したものと受けとめております。また、地域暴力排除組織である暴力追放協議会が落札し、その費用を地域住民等の寄附金で賄い、足らざるところを行政が負担するという、全国にも例を見ないケースであり、組事務所撤去活動に新たな道を開くリーディングケースとして各地で大いに注目されていると聞いております。長期間御尽力された関係者に対して、深く敬意を表する次第でございます。
 警察といたしましては、今後とも、この件に代表されるように、地域住民が主体となった組事務所撤去活動への全面的なバックアップを含め、地域住民、関係行政機関と一体となり、この種活動を一層強力に推進してまいる所存であります。
○副議長(橋本 進君) 教育長高垣修三君。
 〔高垣修三君、登壇〕
○教育長(高垣修三君) 高校野球選手権大会における県予選の紀南地方での実施につきましては、かねて議員から御提言をいただいておるところでございます。しかしながらこの大会は、御承知のように県高野連と報道機関とが主催となっており、競技役員の円滑な確保の問題、施設・設備面並びに報道体制等の関係から和歌山市以外での開催は極めて困難であると伺ってございます。
 しかしながら、なお県高等学校野球連盟においては検討を重ね、本年度から秋季の県大会一次予選においては紀北のチームも紀南で試合を行うなど、紀南、紀北の二つの会場で開催する配慮をいたしているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(橋本 進君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 26番那須秀雄君。
○那須秀雄君 原発凍結につきましては、けさからお二人も随分食い下がっておられましたが、やっぱりこの場で言いにくいのかなという気もいたします。ただ、時の流れというもの、最後に申し上げましたように、政策というものは常に柔軟に流れていくということを考えますと、ある意味で柔軟な、いわゆるボーンヘッドにならないように、その手前で一歩先に出てショートゴロをとった方がいいのと違うかなという気もいたします。それは要望にとどめておきます。
 ただ、高校野球の話ですが、教育長さんのおっしゃられたように、高野連や朝日新聞の方々は全くそう言うわけであります。そして、さっきも申したように、「いや、紀南でもやっていますよ。やっているけど、人は入れへんで」と言うわけです。一番大きなことは、経費なんですね。「経費を補うのに、入れ物の大きい、人の多いところでやらなんだらあかんのや」と、こう言うわけです。「そうしたら和歌山市でなければあかん」と言うけど、私がさっき申したように、たった一万九千人しか入ってない。たった、一万九千人やで。こんなのは恥ずかしい話です。よその県へ見せられん。
 田辺へ来たら十万入ると、そんな大きなことは言いません。ただ、高校野球というのも教育ですから、その地域に出ていくことによって、その地域のスポーツに、あるいは教育の振興にある程度役を果たさなければいけないのではないか。もう今日、PLや何Lやというような学校だけが野球をやっているのと違うんですから。細々と和歌山県の片田舎で──かつて「野球王国」と言われた和歌山県でも二十一対一の試合があったりする中で、一生懸命に高校生たちがやっている。そのことに意義があるんだということを考えないといけないのではないか。そういうふうに思うわけであります。高野連さん、朝日新聞さん、その辺が少し、言うところのボーンヘッド、「骨の頭」になってはいないかと私は指摘をしたいと思うのであります。もしかしたら朝日新聞さんが来られているかもしれないけど、私はそう思うんです。真剣に思っているんですから、新聞へ書いてください。構いません。そういうことであります。
 以上、要望にとどめます。ありがとうございました。
○副議長(橋本 進君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で那須秀雄君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(橋本 進君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時五十七分散会

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