平成2年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(藁科義清議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午後一時四分再開
○議長(門 三佐博君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番藁科義清君。
 〔藁科義清君、登壇〕(拍手)
○藁科義清君 私は、以下四点について、簡潔に質問をいたします。
 まず、中紀の開発についてであります。
 今、日高地方に、県のお世話で企業の進出が相次ぎ実現をし、またそのほかにリゾート関係、ゴルフ場と要望が相当出ているようであります。これもひとえに、高速道路の紀南延伸、関西空港その他、かねてからの県の努力しているプロジェクトの実現を間近に予想しての結果であろうと思います。
 そこで、私が「中紀開発」と題目を設定いたしましたのは、前に県が県営新空港調査委員会を設置して五十七、五十八年と二年をかけてその空港適地を調査し、五十九年三月に適地と言われた舞が辻、周辺の丘陵地を指して申し上げるわけであります。
 この地についても、いろいろの要望があるようであります。この地は、一千ヘクタールに近い土地のそのほとんどが町有林、村有林、区有林といった公有地で占められておるわけであります。本県の海岸線に近く国道に近いところでこれほどのまとまった土地はどこにもなく、開発の方法によっては、これは県の宝と言っても過言ではないと思います。
 そこで、この地域の今後の開発について県はどう考えておられるのか、お伺いします。
 空港問題の折、南部、南部川、印南と三町村一体となってこれが活用計画を立て、県に申請したことがあります。活用面では十分効果的なものであり、このことに関連をして六十年二月の県会で知事は、「南部西の方、私は、これからの開発の可能性の非常に高い地域だと感じておるわけでございます。そうした点におきまして、この地域の開発を図るために、地元の町長初め関係者と十分相談させていただいて、今後開発を図ってまいりたいと、かように思うわけでございます」と述べられております。
 この言葉のように、この地域については、今日までの経過からして、接続している三町村と県で十分協議をなされ、計画を立て、進められることが適切であり、そのように望むものでありますが、知事の御所見をお聞きしたいと思います。
 次に、国道四百二十四号、四百二十五号の整備促進についてであります。
 四百二十四号については、南部川村辺川より上流部の要改修の延長と事業費はどのくらいか、また、四百二十五号の印南原地区上流部についても同じであります。
 このようにお聞きする意味は、この道路は県内の主要幹線道路であり、また地域住民にとっては生活道路として最も重要な役割を持つ道路だけに、事業のただいまの進捗度合いから見て、もっと事業費を増して促進を図ってほしいと強く願っているからであります。土木部長の御所見をお伺いします。
 次に、切目川の治水対策についてであります。
 例年の状況からして、出水期を目前に控え、一昨年の大水害を思い出しますが、当時、この議場においてその対策について要望いたしましたところ、知事は早速取り上げていただき、六十三年度、平成元年度と調査費を計上され、平成二年度も調査されているとお聞きします。
 そこで、どのような調査で、今後どのように進めていかれるのかをお伺いしたいと思います。
 地元では、本事業推進のため、切目川防災ダム建設促進協議会を設置し、町長、議会議員、沿線区長を合わせ三十一名の組織で住民一致してこれに臨むこととされております。既に県の方々もおいでをいただいて勉強会などもいたしております。そのことについて、土木部長からどう考えておられるのか、お伺いいたしたいと思います。
 四番目は、南紀用水事業についてであります。
 このことについては、さきに木下議員から質問がなされ、今日までの経過と、これについての意見も述べられました。私も同感であります。
 今、南部川村では、村議会においてこのことについて種々協議を重ねられているようでありますが、第二回計画変更ということで、このような状態になったことについて、南部川村の村当局、議会、住民の中に不満というか戸惑いのようなものが見受けられます。
 この事業計画は、当初、日置川水系の水は上富田町、田辺市に、南部川水系の水は南部川村、南部町にということの申し合わせがあり、それを信じて南部川村は受益面積も縮小せずに真剣に取り組んできているものであります。ところが今回の計画変更の話は突然のことであり、その原因は農業情勢というものもあろうが、ほかからの関係でもあり、南部川村としては全く困ったことであると言っております。
 さらに、分水の問題は南部川の水利権にも今後長くかかわることであり、子孫のためにも今の私たちはこの措置について大変心配をしているというようなことも聞いております。これも、南部川村にとっては、水系別の計画であり、また県の強い指導による国営事業であるということに安心をして、乗っかって今日までやってきたのでありますから、その期待を裏切らないようにされるべきだと思います。
 また、変更案によって日置川水系の取りやめということになれば、今後、受益地への水源はすべて島ノ瀬ダムということになるが、一千八百ヘクタールにかんがいができるのか。また、将来、干ばつが起きての水不足などによって、水源を持つ南部川村、南部町に迷惑をかけることになるのではないかということの問題もあります。この事業発足以来二十年近く経過し、農業情勢の変遷、また、自由化をめぐりいろいろな問題が派生している今日、農家の戸惑いも否めないものであります。また、南部町においてもそれなりの意見もあるようであります。
 そこで、このように、今日までの計画変更、国営への統合など、提案をしてきた国、県の責任も大きなものがあると思いますし、南部川水系に係る地域住民の意見を十分聞いて、適切な処置をとられるようにすることが県の立場であろうと思いますので、農林水産部長の意見をお伺いいたしたいと思います。
 以上、ごく少時間でありますが、これをもって私の質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) ただいまの藁科義清君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 藁科議員にお答え申し上げます。
 中紀の開発について、特に南紀空港の元候補地であった地域の開発について、地元の南部町、南部川村、印南町と十分協議して計画を立てて進めよということでございます。
 この地域については、きょうも白浜空港の問題が出たわけでございますけれども、特にこの南部の西地域の開発については、あのような経過がございましただけに、私も深い関心を持っておるわけでございます。
 この地域については、話もございましたように、高速道路の南伸により大きく変わりつつあるわけでございまして、近くには工場団地、企業、またパイロット事業等が行われておりますけれども、高速道路の延伸により国土軸との接続ができ、また都市圏地域にもなるわけでございます。臨空都市圏として、これから高い開発性を持つ地域になってくるんではないかと考えておるわけでございます。
 ただいま、第二次の中期実施計画を策定中でございまして、定住圏ごとの意見の交換会もやっておるわけでございますけれども、当地域の開発につきまして、町村長さんともども計画を十分進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 まず、国道四百二十四号、四百二十五号の改修促進についてでございます。
 国道四百二十四号、四百二十五号は、県内の主要幹線道路であるとともに、地域の生活道路として重要な役割を担っている路線であります。
 国道四百二十四号の南部川村辺川より上流部村界までの間については、延長十七・九キロメートルのうち、改良済み延長約七・一キロメートル、事業中の延長約四・五キロメートル、残る約六・三キロメートルが未着手の未改良延長であります。
 また、国道四百二十五号の印南原地内より上流部町村界までの間については、延長二十四・三キロメートルのうち、改良済み延長約七・五キロメートル、事業中の延長約五・二キロメートル、残る約十一・六キロメートルが未着手の未改良延長であります。
 残る区間を改良するためには、いずれの路線も百億円を超える膨大な残事業量があり、厳しい財政状況下ではありますが、両路線の重要性も踏まえながら、その整備促進に努力してまいります。
 次に、切目川の治水対策については、昭和六十年度から局部改良事業に着手し、下流部で護岸工事を実施しているところでございます。
 現在、地元の要望もございまして、昭和六十三年度からダムの予備調査に着手し、治水利水計画調査、地質調査等により、流域全体を考えた総合的な治水対策に加え、利水計画を含む多目的ダムとしての可能性についても検討を進めている段階でございます。
 今後は、調査の精度をさらに高めるとともに、地域の合意形成と地元関係者の盛り上がりを見守りつつ対処してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
 南紀用水事業の今回の変更案についてはさきに木下議員にお答え申し上げたところでございますが、一水源での今回の計画変更案については、最近の畑地かんがいの傾向として、高品質果実の生産等から従来のような大量かん水が見直され、経済的なある程度水量を抑えたかん水に変わってまいってございます。
 こうしたことから、今回の計画受益面積の約千八百ヘクタールに対しては、国の計画基準に基づいて試算をされたもので、十分対応できるというふうに考えてございます。
 また、お話の将来における異常な干ばつ時の対応については、関係市町村及び改良区等の協議による解決の方途も考慮していかなければならないのではないかというふうに考えてございます。
 次に、地域住民の意見を十分聞いて適切な処置をという御意見でございますが、国とともに、田辺市、南部町、南部川村及び受益者間の意見調整を鋭意行っているところでございます。とりわけ、南部川流域の皆様方には十分御理解を得られるよう、国とともに最善の努力を重ねてまいる所存でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(門 三佐博君) 以上で、藁科義清君の質問が終了いたしました。
○議長(門 三佐博君) お諮りいたします。質疑及び一般質問は、以上をもって終結することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(門 三佐博君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問はこれをもって終結いたします。
○議長(門 三佐博君) 次に、ただいま議題となっております全案件は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○議長(門 三佐博君) 次に日程第三、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会にこれを付託いたします。
○議長(門 三佐博君) 次に、お諮りいたします。明六日及び九日は常任委員会審査のため、また七日は議事の都合により、それぞれ休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(門 三佐博君) 御異議なしと認めます。よって、七月六日及び七月七日、並びに七月九日は休会とすることに決定いたしました。
○議長(門 三佐博君) この際、各常任委員会の会場をお知らせいたします。
 職員からこれを申し上げます。
 〔職員朗読〕
 ──────────────────── 
 総務委員会 第 四 委 員 会 室
 厚生委員会 第 五 委 員 会 室
 経済警察委員会 第 六 委 員 会 室
 農林水産委員会 第 一 委 員 会 室
 建設委員会 第 二 委 員 会 室
 文教委員会 第 三 委 員 会 室
 ──────────────────── 
○議長(門 三佐博君) 次会は、七月十日再開いたします。
○議長(門 三佐博君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後一時二十二分散会

このページの先頭へ