平成2年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(中村利男議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○議長(門 三佐博君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 4番中村利男君。
 〔中村利男君、登壇〕(拍手)
○中村利男君 私たちは、旅に出ます。団体で、時には小グループで。目的地に着いて、その土地のバスに乗りかえ、名所古跡めぐりへと出かけますが、説明の上手なバスガイドさんに出会いますと、ともすれば見過ごしてしまいそうな何の変哲もない山や森、または海岸線がそのバスガイドさんの説明によって急に息を吹き返し、時にはつわものどものときの声が聞こえるような古戦場であったり、あるいはまた万葉のロマン漂うみぎわであったり、しばしその時代に引き込まれる、そういう体験は皆様方も幾たびか味わわれたことと思いますが、説明もそこまでまいりますと、くだんのバスガイドさんはガイドというよりはむしろ語り部と言った方がいいかもしれません。
 さて、特急くろしお号が大阪を出発をして約四十分、雄山トンネルをくぐると左眼下に紀の川平野が開けてまいります。列車は、いよいよ紀州和歌山に入ったのでございます。そこで、車内放送を通じて、まず紀州和歌山のイメージを強力に印象づけるべきではないだろうかと思いますが、それでは紀州路のテーマは一体何なのかとなりますと、これはなかなか難しいと思います。私は、それは一つは燦黒潮リゾート構想のテーマにもなっている「紀州の海」であり、いま一つは高野山、熊野三山に象徴される「心のふるさと」ではないかと思いますが。いずれにいたしましても、列車が紀州路に入ったそのときに紀州和歌山を強力に印象づけるべきだと思いますが、いかがでしょう。
 さて、列車は和歌山を発車し海南を過ぎるころ、今度は車窓の右側に和歌浦湾が開けてまいります。大阪を出発して初めて見る紀州の海です。「ああ、海や海や。きれいやなあ」、こんな声があちこちから聞こえてまいります。「由良湊ヲ見渡セバ、澳漕舟ノ梶ヲタヘ、浦ノ濱ユフ幾重トモ、シラヌ浪路ニ鳴千鳥、紀伊ノ路ノ遠山眇々ト、藤代ノ松ニ掛レル磯ノ浪、和歌・吹上ヲ外ニ見テ、月ニ瑩ケル玉津島、光モ今ハサラデダニ、長汀曲浦ノ旅ノ路、心ヲ碎ク習ナルニ、雨ヲ含メル孤村ノ樹、夕ヲ送ル遠寺ノ鐘、哀ヲ催ス時シモアレ、切目ノ王子ニ着給フ」──大塔宮が熊野へ落ちていくくだりの一節であります。私も、勝浦から和歌山への行き帰り、いつも見ておりますが、何回見ても見飽きることのない、すばらしい眺めの和歌浦湾であります。
 その和歌浦湾に、今、和歌山マリーナシティの建設用地の埋め立てが着々と進められており、ケーソンによる輪郭が水面にはっきりとあらわれてまいりました。ところが、あの埋立工事が和歌山マリーナシティの建設用地であるとわかる方が一体何人いるだろうか。まして、観光客の方々にはほとんどわからないのではないかと思います。ちょうど関西電力海南発電所の前でもあり、どこかの工場用地の埋立工事をやっているぐらいにしか思わないでしょう。御承知のとおりマリーナシティの建設用地ではありますが、先ほど中村千晴議員も申されておりましたように、三年後の平成五年夏にはその埋立地で世界リゾート博が開催されることになっております。
 先日、県から送っていただいた ウェルネスWAKAYAMA 「世界リゾート博」の基本計画書によりますと、「『世界リゾート博』は、県内外の人々の共感・理解そして参加があってはじめて成功する」として、平成五年に向けてのプレキャンペーン、開催中のインキャンペーン、そして博覧会終了後のポストキャンペーンと、それぞれキャンペーンを展開することとなっており、プレキャンペーンのところでは、開催前の年である平成四年を中心にキャンペーンを展開することとなっております。しかし、それでは遅くはないでしょうか。今できることは今からおやりになってはいかがでしょう。
 例えば、JRと交渉して列車の中で放送するのも一つの方法ではないかと思います。このことは、観光客といった県外の方々ばかりではなく、紀南の方から所用のため列車で和歌山へ来られる方々にもよく知っていただき、その方々の旅行計画の中に世界リゾート博を今から組み込んでいただいておくべきではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 もちろん、現在でも特急くろしお号で車内放送による宣伝は行われております。例えば、紀三井寺付近では西国第二番の札所であるということの説明、御坊に近づけば煙樹ケ浜、日ノ御埼、それに絵説き説法で有名な道成寺、また切目海岸を通過するときには、海の向こうに見える岬は白浜で、熱海、別府と並ぶ日本有数の温泉地であるということ、また串本に近づけば本州最南端であるということ、そして橋杭岩、海中公園と一通りの説明はしておりますが、何かいまいちといった感じで、ぴりっとしたものが感じられません。せっかく年間四百万人という方々が特急くろしお号を利用して和歌山県を訪れてくださるのだから、語り部とまではいかなくても、もう少し紀州路を印象づけるような方法はないものだろうか。JRさんとも相談の上、検討されてはいかがでしょう。お伺いいたします。
 そうこうしているうちに、列車は勝浦に近づいてまいりました。また、車内放送が流れます。今度はグリーンピア南紀の宣伝です。「和歌山県が誇る総合リゾート基地・グリーンピア南紀。野球場、ゲートボール場、テニスコート等、あらゆる設備が整った未来派のリゾート地であります」。私は、この放送を聞くたびに何とも言えない複雑な心境に陥ります。「看板に偽りあり」とは申しませんが、少し誇大広告の嫌いなきにしもあらず。早く額面どおりにしていただきたいと思いますが、グリーンピア南紀及びその周辺整備について関係部長の御所見をお伺いいたします。
 次に、和歌山県文化振興課が一昨年発刊いたしました「紀州おもしろブック なんでもかんでもわかやま」という本です。この本について、仮谷知事はこう言っております。「ふるさと紀州を一度じっくり見つめるため、本県が全国に誇れるものを集めてみようということで調べ始めたところ、『さすがわかやま』というものが次から次へと出てきました。 極端にいえば和歌山県がなければ今の日本の文化はなかったと思えるほどの材料が集まり、とうとうこういう本ができ上がりました。 まずはご一読ください」。読ませていただきました。今まで知らなかった人物や事柄、また物にも触れることができて大変勉強になりました。
 知事が言われるように、本県が全国に誇れるもの、さすが和歌山と言われるものがぎっしり詰まっておりますが、私の感じといたしましては、あの本は県民に対して、和歌山県にはこんな人物がおりますよ、こんな事柄やこんな物もありますよ、だからふるさと紀州をもう一度じっくり見直して、和歌山県に、そして和歌山県民であることに誇りを持っていただきたい、このように県内向け、県民向けの本ではないかと思うのであります。せっかく苦労されて集められた貴重な資料でありますから、さらにこれを活用されて、今度は全国向けの、すなわち和歌山が発信基地になるような本をつくってみてはどうでしょうか。
 これは私の全くの素人考えですが、例えば紀州備長炭を取り上げる場合、いきなり炭の王様・紀州備長炭を持ってくるのではなく、まず全国の炭についていろいろ紹介をした後で、究極の炭・紀州備長炭を持ってくるといった隠し味的手法をとってはどうでしょうか。また、最近はヘルシーブームでもあり、紀州梅を紹介するのもよいだろうし、また鯨を取り上げるなら、和歌山県となじみ深い、「勇魚」という本を書いているC・W・ニコルさんにお願いすれば、世界的な見地から書いていただけるのではないでしょうか。
 いずれにいたしましても、炭なら炭の項を読んでいただければ、雑学的要素も加味されたかなりの知識が得られ、ほのぼのとした和歌山県の宣伝がにじみ出てくるような、そんな本の発刊を考えてみてはどうでしょうか、知事にお伺いいたします。
 次に、農山漁村の御婦人方によって組織されているものに生活改善友の会というのがございます。
 「農山漁村の特性を生かしたふるさとの味をつくろう」、こういった目標を掲げて、それぞれの地域で昔からその土地に根差している素材を使っていろいろなものをつくり出しております。そして、年に二、三度、各地域から持ち寄って発表会を行っておりますが、これがまた外形、中身とも力作ぞろいでありまして、中にはふるさとの味として立派に商品化されているものもあります。こういった生活改善友の会の皆様方の日ごろの努力が和歌山県の食文化のすそ野でもあり、また語り部の役目もしてくださっていると思うのでありますが、この方々に密着して必要な情報を提供したり、地域の問題点を提起したりしながら適切な指導、助言を行っているのが農業改良普及所の中にある生活改善班でありますが、この人員が県下全部で三十名であり、これでは余りにも少な過ぎると思います。ふるさとの香り、そして滋味豊かな和歌山県づくりの下支えとなっている生活改善班をさらに充実すべきだと思いますが、農林水産部長の御意見をお伺いいたします。
 最後に、ことしの観光対策についてお伺いいたします。
 知事は、二月定例会における知事説明の中で、「本県の有する豊かな歴史、伝統をもう一度見詰め直し、県内外の人々に知っていただくため、一昨年より『ふれ愛紀州路・歴史の道キャンペーン』を展開してまいりましたが、二年度においては、その総仕上げとして、日本三大古道の一つである熊野古道を中心とした『古道ピア』を開催する」、こう言っております。
 知事は、ことしの観光の目玉として「古道ピア」を持ってきているようでありますが、私は先日、熊野那智大社と青岸渡寺でいろいろとお話を伺ってきたのであります。全国で「熊野」と名のついている神社やお寺が三千三百六社もあるそうです。どうしてこのように熊野三山の分霊が全国で三千三百余りも祭られるようになったのだろうか。「蟻の熊野詣」と言われように、現世に救いを求めて熊野へ熊野へとやってきたという、ただそれだけのことでは説明し切れないのであって、既にその当時から、例えば熊野比丘あるいは熊野比丘尼という説教師が熊野曼陀羅、今で言うパンフレットを持って布教宣伝に回っていたのであります。また先達、今で言う添乗員を使って、熊野詣の方々に宿の世話からいろいろと利便を図っておったのであります。
 私は、和歌山県の宣伝ということについていろいろと申し上げてまいりましたが、もう既に七、八百年も昔の平安時代に「熊野」という名が全国各地に広められ、宣伝されていたということになるわけであります。私たち郷土の先人たちが、信仰という形ではありましたが、知恵と努力によって全国各地に私たちの郷土の名と文化、そして何らかのつながりといったものを残してくれております。和歌山県の宣伝を考えるとき、こういった歴史を振り返ることもまた大切ではないでしょうか。
 私は、宣伝ということについて、特に観光宣伝というものは、単に白浜なら白浜を、また勝浦なら勝浦を個々に宣伝すること、これももちろん必要であり、それなりの効果は期待できると思うのでありますが、県全体あるいは地域全体、例えば勝浦ではなく熊野の持つイメージを前面に押し出すとか、そこに根差している風俗や人情といった面も含めてトータルとしての宣伝でないと、息の長い本当の効果は期待できないと思うのであります。
 そういう意味において、「きらめく紀州路キャンペーン」、「ノスタルジア紀州」、「ふれ愛紀州路キャンペーン」、そしてその続編として「ふれ愛紀州路・歴史の道キャンペーン」と続いてまいりました、その総仕上げが来る八月十八日から十月二十一日まで熊野古道を舞台として繰り広げられる「古道ピア」であろうかと思うのであります。そして私は、この「古道ピア」を単に観光の面だけではなく和歌山県の宣伝と位置づけたいと思うのでありますが、知事の言われる「総仕上げとしての古道ピア」、これのねらいとするところは那辺にあるのか、知事にお尋ねをいたします。
 また、「古道ピア」というようなこういった事業は、まず地元の方々と密着して事を運ぶことが一番大切だと思うのでありますが、その辺はどうなっているのか、そして究極的には県民の皆様方の御理解と御協力がぜひとも必要だと思いますけれども、県民に対してどのように呼びかけていくおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(門 三佐博君) ただいまの中村利男君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 中村議員にお答え申し上げます。
 私への質問は、「紀州おもしろブック」の問題が第一点でございます。
 「紀州おもしろブック」は、県の若い職員に和歌山県のすばらしいところ、どんなところをやったらいいかということで検討させました。そうした形であの本ができ上がってまいったわけでございます。県内向けではないかという話でございましたけれども、文化デザイン会議が開催された際に、それの土産にしていただくものとして本が一番いいんじゃないかということで「紀州おもしろブック」を編集させていただいたのでございます。県民の皆さんも知っていただき、県外の皆さんも知っていただく、そういう形でつくらせていただいたわけでございます。
 御指摘のように、よそへの宣伝についてもっと配慮しなければならないんじゃないかという御意見、また御提言ございました梅とか炭とか、そうした和歌山県のすばらしいものを全国向けの本にするということ、私も同感でございます。
 現在の考えといたしまして、ことしは「きのくに文学碑紀行」というのを計画しておるわけでございます。本県の豊かな歴史や風土を詠んだ俳句や歌などを取り上げ、その地域や周辺にある暮らしや文化などを紹介することによって、文化の薫り高いふるさと和歌山を県内外にアピールしてまいりたいと考えております。
 また人物編としても、県内はもちろん、小学校五、六年から中学校一、二年までの皆さんに和歌山県の生んだ偉大な人たちの足跡をもう少し知っていただこうということで、青少年婦人課でも現在計画をしておるわけでございます。
 おっしゃられたように、和歌山を発進地として和歌山の宣言、観光宣伝や物産宣伝もやっておりますが、そうしたものを多角的になお一層やってまいりたいと思っておる次第でございます。
 それから、古道ピアでございます。
 一昨年から「ふれ愛紀州路・歴史の道キャンペーン」の一環として取り上げさせていただいたのでございます。これは、観光宣伝もございますけれども、和歌山県の隠された魅力を再発見するという形で和歌山の宣伝をやろうとするものでございます。
 お話ございましたように、熊野神社一つを取り上げても、この前、千葉の人と話をしておりますと、千葉県に熊野神社が二百七十あるということです。沖縄にも熊野神社があるわけです。だから、熊野神社は全国へ布教に回ったんです。広島がカキで売る、富山が薬で売ると同じような形で熊野神社を先達がやったんではないかと思いますし、蟻の行者の問題もあるわけでございます。そうしたものを熊野古道で十分理解していただこうとするものです。
 この前、私は、和歌山県が生んだ偉大な小説家の中上健次さんと話しました。中上さんは、「熊野大学」というのを毎年やっていただいております。ことしの八月四日から五日にかけて、熊野本宮大社の旧社地で「熊野神璽」というのをやろうと計画しておるわけでございます。二十四時間パフォーマンス──歌あり、踊りあり、絵画ありということで、都はるみも参るそうですけれども、そうしたパフォーマンスを全国的にやろうとしておるわけでございます。
 このように、民間の皆さんが和歌山を、また熊野を大きく売り出そうしていただいておるということ、本当に感謝にたえないところでございます。こうした点とかみ合わせながら、中村議員がおっしゃった点を十分配慮して今後進めてまいりたいと思っております。
○議長(門 三佐博君) 商工労働部長天谷一郎君。
 〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) 特急くろしお号におけるPRについてでございます。
 県外からお越しいただいた方々に本県の観光地や名所を知っていただくため、JRの協力を得て、昨年からテープや車掌の肉声による案内を始めたところでございます。
 議員御提言のように、車内放送を通じて紀州路の入り口で和歌山のイメージを強く印象づけることは、和歌山の旅をより楽しんでいただくためにも非常に大切なことだと存じます。今後とも、特急くろしお号の車内での和歌山県のPRについて、歴史的な事柄や現在のビッグプロジェクトの動向なども含め、有効な方策を関係部局やJRと連携を保ちつつ、また広く各方面の御意見も賜りながら種々検討いたしまして、議員御提言の趣旨に沿えるよう努力してまいりたいと考えてございます。
 次に、古道ピアについてでございます。
 近年の観光客のニーズの多様化、個性化に伴い、自然資源のみならず、すぐれた歴史、文化資源を活用した、従来の観光形態とは一味異なる知的好奇心を満足させる旅が求められてきてございます。
 古道ピアは、千年の昔から今に息づく熊野の歴史、文化を通じ、本県の持つすぐれた文化性、歴史性、精神性に触れていただこうとするものでありまして、ストレスの多い社会に生きる現代人に魂の休養を提案するものでございます。
 このため、熊野を訪れ、熊野古道を歩いてくださった方々に対し、地域住民の方々が一丸となって歓迎するといった機運が何よりも大切であると考えてございます。期間中、関係市町で実施いたしますイベントを初め、いろいろの事業については、地元自治体及び観光協会と一体となって推進しているところでございますが、地域住民の方々のなお一層の参加意識の高揚に努めてまいり、地元主導の観光キャンペーンとしていきたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) まず、特急くろしお号での世界リゾート博のキャンペーンの展開についてお答えを申し上げます。
 地方博覧会は、通常「千日作業」と言われてございまして、本格的なキャンペーンは平成三年度から展開していくこととしてございますが、県内外の皆様方に多数お越しいただくためにも、今から事前のPR等に力を入れていかなければならないと考えてございます。したがいまして、本年度は「県民の友」六月号に掲載するとともに、パンフレットあるいはチラシを作成して県内外に配布させていただいているところでございます。
 議員御提言の特急くろしお号の列車PR放送は、JRと十分連携をとりながら進めてまいりますとともに、あらゆる機会や媒体を通じて効果的なキャンペーン、PR等をしてまいりたいと考えてございます。
 次に、グリーンピア南紀とその周辺整備についてでございます。
 グリーンピア南紀は、燦黒潮リゾート構想において紀南地域における核プロジェクトとして位置づけているところでございます。その整備に当たっては、既存施設と一体となって、より相乗効果を高める施設を整備することを基本に、紀南地域のリゾート拠点にふさわしい質の高いリゾート地の形成を目指して、民間企業を交えた計画研究会を設置して検討を行ってきたところでございます。
 現在、用地の所有者である年金福祉事業団、厚生省等と用地の利用等について鋭意協議を進めているところでございますが、一日も早く事業実施が図れるよう、今後とも関係部局ともどもより一層の努力を続けてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 民生部長高瀬芳彦君。
 〔高瀬芳彦君、登壇〕
○民生部長(高瀬芳彦君) グリーンピア南紀の施設の整備についてお答えいたします。
 グリーンピア南紀について、特急くろしお号での車内放送はJRの厚意でPRがなされてございます。県といたしましても、当該地域にふさわしい、より充実した保養基地となるよう、今後とも努力していきたいと考えてございます。
 昨年来、利用者の意向も聞きながら国及び年金福祉事業団へ強く要望いたしましたが、その結果、平成二年度、三年度で既存施設の充実のための事業が実施されることとなってございます。なお、その内容等については、現在、協議を行っているところでございます。
 以上でございます。
○議長(門 三佐博君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
 生活改善班の充実を図れということでございます。
 農山漁村の生活分野を担当する普及職員は、労働の改善、経営管理、生活環境の改善、地域農産物の利活用の促進や生活改善友の会、若妻グループ、高齢者グループの育成など、地域の課題に重要な役割を果たしており、現在、本庁に専門技術員三名、県下七つの普及所には生活改善班を設置して三十名の職員を配置し、指導助言に当たっているところでございます。増員については、行政改革等、諸般の問題もあり、大変難しいと存じます。しかし、近年における農業情勢の目まぐるしい変化の中で、地域農産物の高付加価値化による利活用もまた、まことに重要な課題でございます。したがって指導助言に当たっては、普及所全員がみずからの研さんと加工、創出など新技術の習得による資質の向上に努める一方、チームプレーに徹し、知恵を出し合い、効率的な運営、円滑な活動体制のもとで多様化する地域の要請にこたえてまいる所存であります。
 また、これら活動の成果といたしましては、お話にもありましたとおり、生活改善友の会グループ等による地域特産品として、現在、県下に百七十余品目がつくり出され、各地域地域において立派に商品化され、定着して評価されている商品も数多くございます。今後も、市町村や関係機関の連携をさらに深め、農山漁村の振興が一層図られるように努めてまいる所存でございます。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(門 三佐博君) 以上で、中村利男君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
○議長(門 三佐博君) この際、暫時休憩いたします。
 午前十一時五十五分休憩
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