平成2年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(渡辺 勲議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 午前十時五分開議
○議長(門 三佐博君) これより本日の会議を開きます。
○議長(門 三佐博君) 日程第一、議案第一号から議案第七十号まで、並びに知事専決処分報告報第一号から報第四号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第二、一般質問を行います。
 46番渡辺 勲君。
 〔渡辺 勲君、登壇〕(拍手)
○渡辺 勲君 おはようございます。万雷の拍手をいただきまして、ありがとうございます。今議会の一般質問日程の最終日でございますので、短時間で質問を行いたいと思います。
 まず初めに、平成二年度予算全般につきまして幾つかお尋ねをいたしたいと思います。
 平成二年度は、本県にあって二十一世紀の和歌山を展望した長期総合計画のもとでの第一次中期実施計画の仕上げの年であると同時に、この十一月には仮谷知事第四期県政スタート以来四年目に入る極めて大切な年となります。この大切な段階を迎えた予算編成でありますから、知事としても相当な覚悟と自信を持って当たられたことと確信しているところであります。
 予算の姿を概観いたしますと、初の四千億円突破、十一年ぶりの伸び率ということで、県予算を報じた新聞記事の中で「攻撃型」という見出しをつけたものもございましたが、確かに積極的というか強気の予算であると感ずる次第であります。このことについては、第一に積極型予算の中身の問題、第二に積極型予算を組むことができた財源面の根拠の両面から質問する必要があると考えます。
 まず積極型予算の中身でございますが、予算書をざっと眺めましても、特にビッグプロジェクトを中心として投資的経費への重点配分が目を引くところであります。これら大規模プロジェクトについては、南紀白浜空港本体土工事の開始、和歌山マリーナシティ埋め立ての開始、新美術館・図書館の最終設計、県立医大の用地購入等、いよいよ目に見える形になってきたという実感がございます。また、近く開通する国道三百十一号新逢坂トンネル、県南北交通のためのふるさとづくり、林道水上栃谷線のトンネルや国道四百二十四号の白馬トンネルの着工等、総合交通体系上の道路網についても、その推進、進捗が見られるところであります。
 これらの積極的な取り組みには、関西国際空港の開港等に象徴されるように、我が和歌山県の新たな飛躍の絶好のタイミングを決して失してはならないという知事の並み並みならぬ決意のほどがうかがえる次第であります。県勢の活性化のために知事を初め県当局が一丸となって努力されていることに対して敬意を表するとともに、我々議会に籍を置く者として最大限の協力を惜しまぬことを、改めて申し上げるものでございます。ただ、大胆な取り組みであるがゆえに、若干心配の残る点もございます。
 まず一つ目の心配は、このように急テンポで増大する事業を計画どおり推進、消化することができるのかという重大な問題であります。
 投資重点という予算を編成したとしても、事業の実行が伴わないとすればどうしようもありません。当該年度中に事業を終えることができず翌年度に繰り越さざるを得ない事業が年々かなり多くなってきており、その理由としては大半が用地買収の困難性であると聞きます。有効利用面積が少ない本県県土において、とりわけ地価急騰の現状のもとでは用地の買収が極めて困難となっており、担当職員の苦労も大変なものと考えますが、いずれにせよ、事業費をふやす一方で事業進捗、特に用地買収のための抜本的な対策を講じなければならない時期に来ているのではないでしょうか。ネックとなっているのがどの辺にあるのか。
 例えば、用地買収担当の職員体制が不十分なのか、公図混乱や地籍調査のおくれなのか、代替地等のストックが不足しているのか、やはり最終的には買収単価の問題なのか等々、私としてはいろいろ想像もしているところでありますが、知事としてどのように現状を認識し、その対策をどのように考えておられるのか、お伺いいたしたいと思います。
 二つ目の心配としては、将来の財政負担の問題であります。
 大規模なプロジェクトを推進するに当たっては、当然のことながら、それぞれの事業について全体計画があり、その計画に沿って各年度の予算措置を行うこととなっているはずであります。ですから、先行きの財政負担についても一定の目途を持っておられることと思います。ただ、投資的事業を行う場合の財源は、県債すなわち借金を充てることとなるわけであり、とりあえず当該年度における県費の負担はないことから、ややもすれば思い切りのよ過ぎることとなりはしないか、生来、小心な私としては、どうしても心配してしまうのであります。このような心配に対して、知事はどのように説明し、我々を安心させていただけるのか、お尋ねしたいと思います。
 さらなる心配事としては、事業費の大きな伸びがちゃんと全体的な事業進捗につながっているのかという問題であります。
 わかりやすい例として、道路予算について申し上げます。
 毎年度、道路予算額を何%伸ばしておりますというような説明をお聞きするわけでありますが、皆さん御存じのように、地価が急騰しているために、その分、用地取得費がかさんでいるはずであり、さらには人手不足から人夫賃も高くなる。そういう状況のもとで、金額面での事業進捗より、何メートルの道路新設や改良がなされたのかという実態面での事業進捗が大変心配になるところであります。その辺のところ、土木部長としてどのように考えているのか、答弁を願いたいと思います。
 次に、積極型予算についての二つ目の側面、財源面の根拠についてであります。
 その中でも、二年度は税収の伸びがとりわけ目立つのであります。税収総額で九百四十五億円、対前年度一八・一%増となっており、聞くところによると、この数字は四十七都道府県の中で第一位とのことであります。それ自体は大変結構なことと喜んでおります。
 その内訳として、増加額、伸び率双方で大きいのが法人事業税であり、これだけで六十億円を超える増収、対前年度二○・七%増とのことでありますが、従来からこの税金が税収全体を左右すると言っても過言ではなかったわけであります。その中でも、特に鉄鋼、石油、電力のいわゆる大手三法人の業績の動向に大きく左右されてきたのが実情であり、これらの企業が好調なときは税収もよい反面、そうでないときは反動も大きく、要は税収の安定性が乏しいことから、たとえ二年度の税収がよくても手放しで喜べないということになるわけであります。
 また、本県で百億円を超える税収を上げているもう一つの税金に個人県民税があります。本県人口が全体として減少しているときに老人の人口がふえているということは、税金を払っている労働人口がかなり減っているのではないかと推察いたしますが、法人事業税の次に重要な税収であるこの税金の先行きについても大変心配の残るところであります。
 歳出面で種々の事業を展開することによって企業活動等が活性化し、さらに人口もふえていく、その結果、税収の増加にはね返ってくるという循環が理想的でありましょうが、いずれにせよ、財政を論ずるイロハのイは歳入、特に税収を把握することであると思います。二年度における大幅な税収の伸びを見て、県経済の動向を踏まえた今後の見通しや税収構造のあり方についての所見を総務部長にお伺いいたします。
 さて、以上いろいろと心配事を申し上げたわけでありますが、やはり夢のあることも申し上げ、議論しなければなりません。
 知事は、議会冒頭の演説の中で、「九○年代最初の予算であり、予算執行を通じ、活力のある『ふるさと和歌山』への新たな離陸に向けてエンジン始動に全力を傾注する」との意気込みを示されたところであり、今申し上げたような幾つかのハードルを乗り越えて、必ずやそれを実行されるものと確信するところであります。特に知事には、行政の長として、県民に豊かな暮らしを保障するだけでなく、政治家として県民に夢、そしてロマンを与えるという重大な使命があります。その意味でも、二年度予算における積極的な取り組みを二十一世紀に向かってなお一層膨らませていただきたいと思う次第でありますが、知事の胸の中に今後進めたい新たなプロジェクトがあるのか、将来の和歌山についてどのようなビジョン、構想を持っておられるのかについてお伺いして、予算全体についての私の質問を締めくくることといたします。
 次に、関西国際空港問題についてであります。
 県議会において、昭和六十一年九月議会には「関西国際空港の国内便大幅確保に関する要望決議」、平成元年二月議会には「関西国際空港全体構想の早期実現に関する要望決議」、六月議会には「大阪国際空港廃止に関する要望決議」を行っております。
 このような県議会の取り組みを受けて、我が党の坂井弘一衆議院議員が、昨年十二月に「関西国際空港建設等に関する質問主意書」を提出し政府の見解をただしたところ、本年一月に回答がなされました。
 その主な内容は、関西国際空港の全体構想については、「昭和六十三年度から近畿圏における航空需要予測、関西国際空港株式会社の長期的な収支の分析等の基礎的な調査を実施しており、今後、同調査の結果や大阪国際空港のあり方についての検討結果を踏まえ検討することとしている」との回答でありました。
 大阪国際空港の存廃については、「大阪国際空港騒音調停申請事件に係る昭和五十五年の調停条項に基づき所要の調査を行っているところであり、今後、同調査の結果を踏まえ第六次空港整備五箇年計画の策定作業に併せて検討を行い、速やかに結論を得ることといたしたい」との回答でありました。
 関西国際空港の国内便確保については、「関西国際空港は我が国の国際・国内航空輸送網における基幹空港として設置される空港であることにかんがみ、同空港の国内線の便数については、このような機能を発揮し得るものでなければならないと考えている」との回答でありました。この回答は、政府において閣議を経て文書でなされたものであります。
 このような回答がなされたことを受けて、本議会で再度、大阪国際空港の存廃と関西国際空港の国内便確保の問題、並びに関西国際空港の全体構想について質問をいたします。
 まず、大阪国際空港の存廃と国内便確保についてであります。
 国内便確保に対する政府の回答は、国内線の基幹空港としての機能を発揮するだけの便数は確保するとの回答であります。関西国際空港が国際線を中心とした空港になって、成田空港の二の舞にならないかとの危惧があったわけでありますが、この回答により、まずは一安心できることになります。しかし、大阪国際空港の存廃問題は本年中には結論が出されるとの回答でありますし、その結論も今日までの経過を見ますと存続の結論が出されるのではないかと思うのであります。
 私は今まで、大阪国際空港の存廃と国内便確保について、本会議あるいは委員会において私の考え方を述べ、仮谷知事を初め当局の考え方をただしてまいりました。大阪国際空港を廃止すれば関西国際空港の国内便は十分確保されるとの考え方から、今日まで大阪国際空港の廃止を訴えてまいったわけでありますが、先日、鈴木議員がおっしゃいましたとおり、まだ存続の結論は出ていませんが、大阪国際空港存続の流れをとめることは大変難しくなってまいりました。
 そうした中で、今後、和歌山県としては大阪国際空港の存廃にかかわらず、いかに関西国際空港に国内便を多く確保するか、とりわけ羽田空港との便数を確保するかが重要になってまいります。その場合、便数についての明確な目標が必要になってまいるわけでありますが、私はやはり三案で示されたとおり、四割程度は国内便が就航しなければならないと考えておりますし、特に羽田便については、大阪国際空港は一日十五往復ありますが、それと同程度あるいはそれ以上の便数の確保が必要であると考えております。
 知事としては、どの程度の国内便が確保されればよいとお考えなのでしょうかとお伺いをいたしたいと存じておりましたが、知事の運輸省に対する戦略があると思いますので、改めて知事の国内便大幅確保に対する御決意のほどをお聞かせいただきたいと存じます。
 次に、関西国際空港の全体構想についてであります。
 全体構想については、「検討中である」ということだけの政府の回答でありますし、先日、就任した岐阜県選出の大野運輸大臣が「関西国際空港の全体構想よりも、中部国際空港の方を先にする」との発言をしたとの報道がありました。知事読まれましたか。二階さんが政務次官になったということだけを喜んでいてはだめですよ。海部総理も愛知県の選出でありますし、今の風向きは関西国際空港の全体構想よりも中部国際空港に向いているような感触が強くあります。このような情勢でありますので、全体構想早期実現への道のりは大変険しくなってきております。
 聞くところによりますと、政府特に大蔵省は、関西国際空港の全体構想の必要性は十分認識しているが、関西国際空港会社の採算性の問題があるので、その着工時期をおくらせるべきであるとの考え方のようであります。しかし、採算の問題だけで全体構想をおくらせてよいとは考えられません。この関西国際空港会社の採算性の問題については、関西国際空港株式会社法などの法的な問題もあり、法律改正が必要でありますが、全体構想の横風用の補助滑走路と本体部分との間の内海を埋め立て、その土地を分譲あるいはリースすれば相当の収入が得られますので、何ら問題にすべきではないと私は考えております。
 それよりも、私は昨年の九月議会で申し上げましたし、関西国際空港会社の幹部も申しておるように、横風用の滑走路がなければ風の強い日には夜の便は日本に着陸できないことになりますし、一本の滑走路だけであれば、その滑走路が使用できない不測の事態にも対応できません。諸外国の主要な国際空港を見てみましても、滑走路一本の空港はどこにもありません。また、世界の国際空港は二十四時間空港であります。成田空港は、そういうことからすれば本当の国際空港ではないのであります。我が国初の二十四時間空港である関西国際空港こそが、世界に誇れる我が国の国際空港であります。その国際空港を一本の滑走路だけで長期にわたり放置するということは、世界じゅうから奇異な目で見られることは明らかであります。
 しかし、今の政府に関西国際空港に対する風向きを変えるためには、このような理論だけでは無理であります。鈴木議員の発言のとおり、関西の政治力の総力を結集して取り組まなければなりません。航空審議会の中間報告が出るまでに関西の熱意と底力を示す必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。
○議長(門 三佐博君) ただいまの渡辺勲君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 渡辺議員にお答え申し上げます。
 平成二年度予算について、いろいろな角度から御意見なり質問をいただいたわけでございます。
 第一点として、多くのプロジェクトがあるし、急テンポで事業が増大している、これを消化する上での現状認識と対応ということでございます。
 お話ございましたように、事業を推進する上で一番の問題は用地交渉でございます。その用地交渉の中で用地買収が円滑に進んでいない理由としてさまざまな御意見をいただいたわけでございます。そのようないろいろな原因がふくそうしておるということを十分認識しております。この対応、体制については、先日来いろいろ御意見ございましたし、私も述べさせていただいたわけでございます。
 まず用地交渉について、現在の地価高騰は、県の対策もさることながら、国の対策ということも大事だと存じておるわけでございます。基本法の制定に伴っての諸施策が進められるとともに、県内対策としても、従来の多くのプロジェクトについて、地元の皆さん方の協力、支援を得ているわけでございます。そうした面において、なお一層積極的な御支援をいただくのは当然でございますけれども、現在、県、市町村、国から成る県の用地対策連絡協議会というのをつくっておりまして、全県下的な共通問題として取り組んでおるわけでございます。このレベルアップを図るとともに、庁内の関係部局で構成する公共用地取得促進対策委員会において、そうしたふくそうする問題を検討しておるところでございます。
 今後とも、事業促進についてなお一層積極的な姿勢、体制、また取扱要領で、代替用地の確保等にも取り組んでまいりたいと存じておる次第でございます。
 次に、二年度予算で投資的事業に係る財源的な見通しでございます。
 お話のように、私たちもこの財源をいかにするかということに一番苦慮しているわけでございます。しかし、これらはやらなければならない重要な事業でございます。しかしながら、後年度に大きな負担を残さないようにするために、現在、予算編成において全体事業計画を踏まえた作業を行っているところでございます。これらの事業を推進することによって、本県産業の活性化が図られ、経済への好影響が期待できるところでございます。
 その推進に当たっては、第一に、国庫補助事業の優先採択等、国に対する積極的な働きかけ、第二に、ふるさとづくり、地域づくり事業等、国の財源措置のついた県債の活用、第三に、第三セクター等、民間活力の導入、第四に、基金の有効活用による年度間の財源調整、このように県財政の負担軽減のため、引き続きできる限りの工夫を行いまして、御指摘のように計画的な財政運営に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
 次に、二十一世紀に向かっての今後の進めたいプロジェクト、将来の和歌山についてのビジョンでございます。
 社会経済情勢の変化に対応するとともに、県民の皆さん方の負託にこたえるために、現在、第四次長期計画では、その目標年次を西暦二○○○年とし、県土の均衡ある発展と県勢の活性化を図るために「活力と文化あふれるふるさとづくり」を基本目標といたしまして、今二十世紀から二十一世紀へのバトンを渡す重要なときを迎えて、計画達成に向け、全力で取り組んでいるところでございます。まさに今、関西国際空港が本県の至近距離のところに立地し、大阪湾のベイエリアのポテンシャルが高まりつつある現在でございます。また、南紀白浜空港のジェット化整備が平成六年に完成する中、自然資源に恵まれたアメニティーの高い本県は、関西創生のかぎを握っているものと確信しておるところでございます。
 こうした好転しつつある環境のもとで、県内交通体系の整備を図るために、高速道路の南伸を初め、ヘリポートのネットワークを含む陸・海・空一体となった総合交通体系の整備を進め、県内各地を有機的に連結する二時間交通圏の確立を図るとともに、高度情報化社会に対応する情報ネットワークの構築を進めてまいる所存でございます。こうした基盤整備をもとに、関空を中心とした臨空都市圏、南紀白浜空港を中心とする臨空都市圏を核として、国際的にも適応するリゾート地の形成など、六つの定住圏のそれぞれの地域の特性を生かした新たな展開を図り、県民一人一人が真に豊かさが実感できる、ハード面においてもソフト面においても充実したふるさとづくりを行ってまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、関西国際空港問題についてでございます。
 お話ございましたように、全体構想の早期実現、国内便の大幅確保について、坂井代議士が国会に対して質問主意書を提出されるなど積極的に取り組んでいただいていることについて、私も非常に感謝しておるところでございます。
 関西国際空港の国内便確保について、政府の回答もございましたように、国内線の基幹空港としての機能を発揮できるだけの便数が確保されるものだと確信しておるわけでございます。そうした点を踏まえて、話ございました国内便の確保については、引き続き運輸省、また議会における空港対策特別委員会等の意見も聞きながら対処してまいりたいと思います。
 また全国構想の実現についても、非常に厳しいとのことでございまして、私もさように存じておるわけでございます。六次空整については、航空審議会の中間答申が出る夏ごろまでが最初の山場になると考えておるわけでございます。そうした面において、県内はもとより、大阪の政財界一致して当たらなければならないということ、ごもっともでございます。その点について、なお一層努力してまいりたい。いずれにいたしましても、ことしが勝負の年だと思います。
 幸い、国会において、自民党の中西さんは副幹事長、そしてお二人が政務次官の要職にございますし、公明党でも坂井さんが国対委員長、また県内の事情に詳しい社会党の貴志さんが建設委員会におるわけでございます。現在、こうした衆参両議員の優秀な皆さんがおるわけで、私は一番格好のときではないかと思うわけでございます。県会の皆さん方のなお一層の協力を得て、これが推進のために全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○議長(門 三佐博君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 地価高騰などの状況下での事業費の伸びと実態的な事業進捗についてでございます。
 従来は、事業費の伸びと事業量はほぼ比例してきたところでございます。これは、建設省が調査をした建設工事デフレーターを見ましても、昭和五十五年から平成元年三月までの過去九年間で二・八%の上昇にとどまっております。また地価の変動率については、昭和五十七年から五十八年にかけては六から七%の伸びを示しましたが、その後は一から三%と安定的に推移してきたところでございます。しかしながら、最近の急激な地価高騰、代替地の要求、地権者ニーズの変遷等、ふくそうしてきたことから、事業の執行にそごを来すことを懸念しているところでございます。
 今後、事業費の確保に努め、用地取得に全力を注ぐとともに、設計・施行においてもより合理化を図るなど、事業の効率的な執行に努力をしてまいる所存でございます。
○議長(門 三佐博君) 総務部長斉藤恒孝君。
 〔斉藤恒孝君、登壇〕
○総務部長(斉藤恒孝君) 財政を支える財源の問題でございます。
 健全な財政運営を行うには財源の確保、特に安定的な県税収入が望まれるところです。平成二年度の予算については、県税収入に一番大きなウエートを占める法人二税で、製造業、金融業、建設業など全般にわたり好調に推移していること、また県民税利子割、自動車二税についても大幅な伸びが見込めることが大きく影響して、元年度に比べ一八・一%と大幅な伸びを見込んだところでございます。今後の見通しや税収構造のあり方については、御承知のとおり、本県の税収構造から見て素材型産業の比率が低下したとはいえ、他府県に比べなお高い水準にありますので、今後の経済動向のいかんによっては県税収入に大きな影響も考えられるところでございます。県税収入による安定的な財源を確保するためには、加工組み立て型の企業誘致の積極的な推進や産業構造の高度化など、均衡のとれた県経済の基盤の拡大に今後とも努めていく必要があると考えております。
○議長(門 三佐博君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(門 三佐博君) 以上で、渡辺勲君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ