平成2年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(藁科義清議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

○副議長(宗 正彦君) 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番藁科義清君。
 〔藁科義清君、登壇〕(拍手)
○藁科義清君 これより数点についてお伺いをいたしますので、知事または関係部長からお答えをいただきたいと思います。
 初めに、平成二年度予算についてであります。
 平成二年度の一般会計当初予算は総額四千二百二十八億円、対前年度八・九%増と、最近では例を見ない積極的な予算であり、新年度にかける知事の並み並みならぬ意欲が感じられるところであります。それは、新しい時代に向けて我が和歌山が一層飛躍するために、企業誘致、観光、リゾートを初めとして本県の活性化につながる諸事業はもちろんのこと、福祉や教育の面においても積極的に取り組んでいこうとするあらわれだと思います。しかし、これら諸事業を支える財政状況については、自主財源の水準はいまだ十分ではないが、県税収入の伸びがかなりの復調過程になり、徐々にではあるがそのシェアも拡大してきていることは幸いであります。
 一方、本県の市町村財政についても、県にも増して厳しい状況にあるということですが、真に活力あるふるさと和歌山を建設するためには県と市町村が車の両輪となって取り組んでいくことが重要であるということで、このたび五億円に上る市町村負担金の軽減、さらに市町村の地域振興事業に対するさきがけ支援事業の導入などを図られたことは、長年の懸案に対する大変な配慮をなされたものと思います。その知事の努力に対しては、改めて敬意を表する次第であります。
 さて、平成二年度における重要事業については、知事説明にも述べられておりますが、関西国際空港の建設も着々と進行する中で、県内各地において企業が立地し、また府県間の交通も整備促進され、紀淡海峡トンネル、そしてこれに関連して本年秋ごろに本県において第二国土軸シンポジウムを開催するとのことでございます。また重点事業としては、まず第一に産業振興であり、交通網の整備であり、そのような観点から、工業技術センターの新研究棟の建設、和歌山リサーチラボを初めとする頭脳立地構想の推進により関連企業の誘致、和歌山マリーナシティの建設促進、世界リゾート博、また南紀の空の玄関口に当たる南紀白浜空港の本格的な着工など、意欲的に取り組まれようとする姿は、いよいよ始動するのだなあということを強く感ずるものであります。
 そのような中で、全体については先日来の質問にもございましたので、この際私は、日高地方の展望というか、これからについて知事のお考えをお聞かせいただければ、一層心強く思う次第であります。
 言うまでもなく日高地方は、県の中央部にあって県下第二の日高平野を有し、温暖な気候など恵まれた自然を生かした野菜、花卉の産地として、あるいは奥地においては林業生産、また沿岸漁業など一次産業を中心に発展してきております。また、周辺には白崎海岸、煙樹海岸、道成寺、興国寺など、景勝地や歴史・文化遺産にも恵まれております。しかしながら、京阪神の大都市からは遠く離れ、人口、産業の集積度が低く、工業については臨海部を中心に木材等の零細企業が多く、雇用力の低下が見られるほか、道路交通網の整備は今なお十分とは言えない状況であります。また、農業を初めとする農林水産業の状況も芳しくないことは御存じのとおりであります。
 このため、県第二次長期総合計画で御坊田園工業都市構想が打ち出され、その後、知事初め関係の方々のさまざまな行政努力は了知しておりますが、依然として御坊市初め周辺町村の人口流出が続き、地域の発展が重要な課題であります。また、紀北と紀南の間にあって本格的なプロジェクトも少なく、新たな活性化対策が問われても不思議ではないものと考える次第であります。
 このようなことから、地域的な状態をお考えいただいた上で、日高地方の展望というか、さきにも申し上げましたように、これからについて知事の意欲的な御所見をお伺いいたしたいと思います。
 なお、この機会にお伺いしたいその一は、ただいまこの日高地方に新しい企業があちこちに立地されております。これは、県の非常な御努力のおかげであろうと思います。しかし、今後、産業構造の転換とともに地域のバランスのとれた企業立地を促進するためにも、本県の中央部、ここ中紀において今後さらに企業導入を図っていかなければならないと考えていますが、最近の企業の進出傾向、企業の進出動機、また今後の中紀における企業導入促進問題について、県としてどのように考えておられるのかをお伺いしたいと思います。
 その二は、日高郡内、印南町を初め各地に多くのゴルフ場の開発計画が起こっております。これは、小規模の企業立地と異なり、大変、広大な面積を要し、時にはいろいろな意見をも聞くのでありますが、関係業者が用地を求め、届け出ればそれでよいのか、関係市町村また住民の意見についてはどうか、ゴルフ場開発計画に対する県の考え方についてお伺いをしておきたいと思います。
 次に、平成二年度農林水産部の主要施策についてお尋ねをいたします。
 本県の農林水産業は、何といっても地域の基幹産業として地域の発展に大きく貢献してきたところであり、今後とも地域経済活性化に重要な役割を果たしていくものであると思います。
 知事は、二年度予算編成の柱の一つとして「新しい時代に挑む力強い地域産業の発展」をうたわれ、農林水産予算については前年に比べ八・四%の高い伸び率の予算を計上されております。このことは、地域の発展を願い、農林水産業を重視する知事の姿勢をあらわしているものだと思います。
 そこで、まず農業の振興についてお伺いします。
 日高地方では、ハウスエンドウから花卉への転換が盛んに行われています。これは、収穫、労働力の問題もございますが、輸入エンドウが高値を抑えているからだという意見もあります。そして現在は、オレンジの問題であります。このように、農業分野においても国際化が進み、適地性を地球レベルで考える必要がある時代を迎えていると言っても過言ではございません。
 知事は、当初予算の県政の重点として、農林水産関係では「輸入自由化を目前に控えた本県果樹農業の活性化を図るためには『味一』といった県産物のブランド化等を推進し」と述べられましたが、品質が問われる果樹を基幹品目とする本県農業を考えるとき、まことに重要なことであります。輸入自由化を目前にして、品質を重視した果樹対策を重点に施策の展開を講じられている姿勢には賛同するものでありますが、既存産地を考えるとき一抹の不安を感じているところであります。それは、自由化もかんきつ園地再編対策も、品目によっては既存産地にとって新たに競合する産地が生まれるということであります。県内の既存産地と新産地が、ともに発展することが肝要であります。
 そこで、農林水産部長にお尋ねをします。
 一つは、農業振興の主要施策でありますが、施策の基本的な考え方をまずお示し願います。
 二つ目は、かんきつ園地再編対策では、転換先作物として梅が非常に多く、花や野菜もあると聞いております。これらの品目は本県農業の主要品目であり、自由化対策の推進による増産の影響を最も心配する品目でもあります。
 そこでお伺いいたしますが、産地対策について具体的な産地を例に挙げて御説明いただいた方が理解しやすいと思いますので、果樹、野菜、花など、多様な品目を産する日高農業に対する施策をお示しいただくとともに、重点施策とされている高品質対策について、日本一の梅など、味一果実以外のふるさと産品への対応もお聞かせ願いたいと思います。
 次に、林業の振興対策についてであります。
 県下の面積の七七%を占めております森林は、戦時中は戦争資材として、戦後は復興資材の供給のために伐採をされ、その後、営々と国、県、民間が一体となって植林を進め、今日、緑の濃い山々が造成されたところであります。林業は、農業に比較し息の長い産業であり、今日、その長い育林の時代から収穫の時期を迎えようとしているところであります。
 このように、地域の重要な資源であるところの森林、林業の重要性について知事も述べられておりますが、具体的に林業振興施策を平成二年度の当初予算の中でどのように展開していくのか、農林水産部長にお聞きしたいと思います。
 次に、水産業の振興についてであります。
 昨年発生した冷水塊は熊野灘に居座る気配を見せており、この影響かどうかはわかりませんが、中紀地方の漁港を回りますと、潮のかげんか、最近、魚がとれないという話を耳にするのであります。
 水産に限らず、一次産業は自然の制約を受けやすいということはある程度やむを得ないことであろうと思いますが、だからといってこれをあきらめていては漁業の進歩も発展も望めません。当初予算の知事説明で知事は、「魚礁、増養殖漁場の造成を進め、つくり育てる漁業の推進に努めてまいります」と水産振興の方針を述べておられます。このことは、一に自然環境の前に敢然と立ちはだかって漁業を振興するのだという決意であろうと理解するのでありますが、平成二年度水産業振興の主要施策について、中紀地方を中心にして農林水産部長からお答えいただきたいと思います。
 次に、高齢者福祉の問題についてであります。
 この問題は、私たちがこの世に生きる限りは、いずれ、だれもが年をとるんだ、そういう意味からお伺いをするのでありますが、本県の六十五歳以上の老年人口は年々着実に増加し、平成元年では十五万八千人余りで県全体の一四・五%を占めており、今後もこの比率は全国平均を十年先取りした水準で推移するものと予測されております。来るべき高齢化社会を豊かで活力あるのものとするためには、高齢者が生きがいのある充実した生活を送ることができる条件整備が必要であります。県では本年一月、長寿社会総合対策指針を策定し、雇用、教育、福祉、医療など各般の分野にわたる総合的な取り組みの具体策を示されました。
 そこでまず第一に、生きがい対策について伺います。
 県が実施した調査によれば、高齢者の八割の方が「自分は健康である」と答えられています。大切なのは、こうした高齢者の方々に、引き続き健康で生きがいを持って暮らしていただくことであると考えます。本来、健康とか生きがいとかいったことは個人個人の日常の心構えによるところが大きく、県民一人一人が自分自身の問題として考えていかなければならないことではありますが、現在、高齢者の方々の中には、健康づくりや社会活動に参加したくとも取っかかりが見出せないでいる人も相当おられると思いますので、このような中で生きがい対策をどのように進められているのかをお尋ねいたしたいと思います。
 第二に、要援護老人対策であります。
 老年人口の増加、特に今後、予測される後期老年人口の増加は、寝たきりや痴呆性などの介護を要する高齢者の増加をもたらすことも十分予測されるところであり、施設対策とともに在宅福祉対策の一層の充実を図っていかなければならないと考えます。
 施設対策については、本県は比較的高いレベルにあるようですが、現在、施設入所人員はどのくらいで、さらに今後どのくらいの方が施設入所を望んでおられるのか、また高齢者の多くが住みなれた家庭や地域で暮らしていくことを希望されており、県でも昨年度から家庭奉仕員、デイ・サービス、ショートステイの在宅福祉三事業の大幅な拡充に取り組まれておりますが、国が新たに高齢者保健福祉推進十か年戦略の中でこれら三事業の一層の充実を打ち出したことでもあり、本県における今後の取り組みについてお伺いいたしたいと思います。
 次に、道路整備についてであります。
 まず、国道三百七十一号線のバイパス、中辺路から殿原までの延長はどのくらいで、これをいつごろまでに完成させようとしているのか、お伺いしたいと思います。
 また、龍神村・旧四村合併の最も大きな条件であり村民の悲願であった柳瀬トンネルも、仮谷知事の英断で三十五年ぶりにこの秋には開通する予定となっておりますが、深くかかわってきた私たちにとっても、何とも言えない喜びであります。
 なお、これに関連する国道四百二十四号線も、おおむね本年度をもって完成と聞くのでありますが、そのとおりであるのかどうかお伺いしたい。
 さらに、郡内主要道路、国道四百二十四号線(旧龍南線)、国道四百二十五号線(真妻線、稲原線)、主要県道御坊美山線、印南南部川線の改修についても一層の促進を図られるよう要望いたします。
 なおこの機会に、さきの国道昇格に取り残された田辺十津川線の寒川地区の早期改修をも図っていただきたいと思います。
 町村合併以前の旧村で出入りするところが一本の道しかないというのがこの寒川地区で、いまだに大型バスの通れない状態であると聞く。従来よりこれを早くやっていただくようお願いをしておりますが、今の調子では相当な年月がかかるんではないかと思います。一層の御努力を願いたい。
 またこの際、たかの金屋線の青木─田尻間についても、調査の上、改修について促進されるよう要望しておきます。
 次に、高速道路御坊─田辺間はいつごろ通過路線が決定されるのか、確定でなくても大方のめどはいつごろか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
 以上で、私の質問を終わります。
○副議長(宗 正彦君) ただいまの藁科義清君の質問に対する当局の答弁を求めます。
 知事仮谷志良君。
 〔仮谷志良君、登壇〕
○知事(仮谷志良君) 藁科議員にお答え申し上げます。
 日高地方の展望についてでございます。
 お話ございましたように、日高地方は、地理的にも機能的にも紀北と紀南を結ぶ重要な地域でございますし、また県下第二の平野地帯でもございます。そうした関係から第四次長計においては、その基本方向として、産・学・住の調和のとれた定住圏づくりということを目指して進んでおるわけでございます。特に、御坊市を中心とする周辺の町村を一体的にとらえ、地域の自発的な創意と工夫を支援していくことはもちろんでございますけれども、既に事業化された湯浅御坊道路の早期完成、さらには近畿自動車道紀勢線の南伸に伴うインパクトを生かして、まず第一次産業については、現在においても日高地方が施設園芸などの高収益農業が非常に盛んでございますが、暖地園芸総合指導センターを設置して、それを中心として今後なお一層、花卉の品種改良等、バイオテクノロジーなどによって付加価値を高めるべく、鋭意取り組んでおるところでございます。また、山間地帯の林業の問題等については、話ございました国道、県道、林道等の整備を進めておるわけでございます。そうした面において、林業資源の開発を進めてまいります。また水産については、後ほど部長から答弁いたしますけれども、つき磯等を中心とした日高沿岸の開発を進めてまいりたいと思います。
 また第二次産業については、御坊田園テクノタウンの一環としての工業団地・御坊テクノパークを造成し、これを拠点に先端技術産業の導入を促進するとともに、地域産業の高度化を進めることによって企業の集積を図ってまいりたいと思っております。最近まで高速道路網等において交通面が幾らか不便でございましたので、日高地方への企業進出が非常に厳しい中でございましたけれども、最近の高速道路の南伸の進みぐあい等によって日高地方に対する関心は非常に高まりつつあるわけでございます。こうした面においても、企業局において企業誘致、団地の問題について、なお一層地元と連絡をとりつつ進めてまいりたいと考えております。
 また第三次産業については、由良町を初めとして各地にゴルフ場なりリゾートホテル等の進出が計画されておるわけでございます。そのすばらしい自然景観を生かした第三次産業の発展にも努力していかなければならないと思っております。
 今後とも、日高地方の振興については、従来にも増して基盤整備の充実に努めるとともに、工業団地の形成や企業誘致等を進めて、バランスのとれた各産業の振興を着実に進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
 その他の問題は、関係部長から答弁いたします。
○副議長(宗 正彦君) 商工労働部長天谷一郎君。
 〔天谷一郎君、登壇〕
○商工労働部長(天谷一郎君) 日高地方における企業誘致の問題でございます。
 最近の企業立地の傾向は、好景気の持続による製造業の旺盛な投資意欲を背景に、都市部から地方への進出が顕著になりつつあります。本県においても、関西国際空港建設や道路整備を中心とする交通アクセスの進展、大都市部と比較しての地価の安さ、労働力の供給が比較的安易である等により、進出希望企業が増加しつつあります。このような状況において、特に高速道路の南伸が進む中で日高地方においても企業進出がしやすくなり、徐々にその成果が上がっているところであります。
 今後、さらに地域のバランスのとれた企業立地を促進するためには、受け皿の整備や供給可能な労働力の把握等、地元の受け入れ態勢が最も重要であり、各市町村と連携を密にしながらこれらの整備に努め、企業誘致を積極的に推進し、地域の振興に努めてまいりたいと存じております。
○副議長(宗 正彦君) 企画部長川端秀和君。
 〔川端秀和君、登壇〕
○企画部長(川端秀和君) ゴルフ場の開発についてお答えを申し上げます。
 ゴルフ場の開発は、国民的な余暇活動志向に対応した地域振興策の一つであると考えてございまして、この開発による地域開発効果については、建設投資に伴う地域経済への波及効果を初め、雇用機会の増大や地域産品の販売拡大等、地域の活性化につながるものと考えてございます。
 本県における現在のゴルフ場は二十カ所で、工事中は三カ所、事前協議中等十五カ所となってございますが、県といたしましては、ゴルフ場の開発については、自然環境の保全を図りつつ、総合的かつ計画的に県土利用を進めるため窓口を一元化して、関係市町村長の意向を踏まえて取り組んでいるところでございます。
 なお、開発許可に当たりましては、各個別法により対応しているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 農林水産部長安田重行君。
 〔安田重行君、登壇〕
○農林水産部長(安田重行君) お答え申し上げます。
 議員お話しのとおり、農林水産業は地域の基幹産業であり、その活性化に努めることが地域発展の重要な活力となっていくものと存じます。知事から基本的な答弁がございましたが、特に平成二年度の主要施策について御説明を申し上げます。
 農業振興の主要施策については、オレンジの自由化を目前に控えて、高品質、低コスト生産を推進し、高収益農業の実現を図るために、基盤整備、施設園芸の推進、味一果実等、高品質果実の生産拡大、チェリモヤ等、地域特産品の開発普及などを柱に、活力ある産地づくりを推進することといたしてございます。
 こうした中で、本県農業の主要産地である日高地方では、広域農道を初めとする農道整備や相当規模の大きい圃場整備、農地開発などの基盤整備づくりを重点に進めるとともに、野菜、花卉園芸の一層の振興や暖地園芸総合指導センターを核とした技術対策を講じているところでございます。
 また、本物志向の消費者ニーズに対応し、梅等、地域特産品の品質向上を図り、消費拡大に努めるため、ふるさと認証食品品質表示推進事業を新年度より実施してブランドの確立を進め、二十一世紀につなぐ先進農業産地を目指して振興を図ってまいりたいと存じます。
 次に、林業の振興についてでございます。
 本県は、杉、ヒノキの蓄積量は全国五位、中でもヒノキは全国一位の蓄積となってございます。来るべき国産材時代に備え、県産材の需要拡大を引き続き推進するとともに、低コスト林業の確立に向けて、密度の高い林道整備、基幹作業道、集落林道等の基盤整備を図ることといたしてございます。
 森林は、国土の保全や水源の涵養、触れ合いの場としても国民生活に不可欠な資源となってございます。このため、都市の人々との交流を図って山村林業の活性化に資するため、緑の交流空間整備事業等を行い、より健全な森林の造成を図ることといたしております。
 山村地域においては、若年層の減少と高齢化が進む中で、林業従事者の雇用の場の確保や就業の安定化を図るために、森林組合林業労働力確保対策事業や紀州備長炭振興館建設事業等を実施してまいる所存でございます。
 最後に、水産振興についてでございます。
 つくり育てる漁業の推進を基本に、魚礁の設置、増殖場の造成を行い、マダイ、ヒラメ、アワビ等の種苗を放流することといたしてございます。また、漁業の近代化、合理化を図るために、新沿岸漁業構造改善事業の推進、第八次漁港整備長期計画に基づく漁港及び漁港関連道の整備を計画的に進めてまいります。特に中紀地方においては、魚礁設置五カ所、増殖場造成一カ所、新沿岸漁業構造改善事業一カ所、漁港整備十六カ所及び漁港関連道一カ所を推進整備する予定といたしてございます。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 民生部長高瀬芳彦君。
 〔高瀬芳彦君、登壇〕
○民生部長(高瀬芳彦君) 高齢者福祉の三点についてお答えいたします。
 初めに、高齢者の生きがい対策についてであります。
 高齢者の持っている豊かな経験と知識を地域社会に生かしていけるような工夫が必要であると考えております。
 昨年五月、全国に先駆け、いきいき長寿社会センターを設置し、各種のスポーツ大会を初め長寿大学の開催、地域指導者の養成、健康セミナーの実施など、幅広い事業を実施しているところであります。
 また、老人クラブの活動を活発化させるため、従来から各種の助成を行っているところでありますが、平成二年度において新たに健康づくりや友愛訪問等の社会活動を促進するための補助制度を新設することといたしてございます。
 次に、施設対策でございます。
 現在、特別養護老人ホームに約二千人、養護老人ホームに約一千人の方々が入所しておられます。今後の老年人口の増加は、特に特別養護老人ホームへの入所を希望される高齢者の増加をもたらすことも十分考えられますので、引き続き、入所希望者の状況を的確に把握しながら整備を進めてまいりたいと考えてございます。
 平成二年度では、特別養護老人ホームの新増設をそれぞれ一カ所、三十人定員の小規模特別養護老人ホームの新設一カ所、及び過疎高齢者生活福祉センターの新設などの施設整備を予定しております。今後とも、地域の実情を十分考慮に入れた施設整備を行っていきたいと考えてございます。
 最後に、在宅福祉についてであります。
 家庭奉仕員、デイ・サービス、ショートステイのいわゆる在宅三事業については、既に元年度を初年度とする大幅な拡充を進めているところでございます。平成二年度においては、引き続き三事業の充実に努めていきたいと考えてございます。新たに、地域活動の拠点となる在宅介護支援センターや地域高齢者コミュニティホームの設置を図ることといたしてございます。
 昨年暮れに策定された国の高齢者保健福祉推進十か年戦略においても、こうした在宅老人福祉対策の充実強化が重要な柱とされておりますので、今後ともこの線に沿って在宅介護の促進に力を入れてまいる所存でございます。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 土木部長磯村幹夫君。
 〔磯村幹夫君、登壇〕
○土木部長(磯村幹夫君) お答えいたします。
 まず、国道、県道の整備促進についてでございます。
 国道三百七十一号の中辺路町小松原から龍神村殿原間は、計画延長が約十・八キロメートルあります。このうち、中辺路町小松原から約七・七キロメートルの地点で、さいの谷林道に接続しますので、この間については平成五年に供用を開始する予定であります。残る三・一キロメートルについては、平成元年度に事業着手したところでありますので、今後とも事業の促進を図ってまいりたいと考えております。
 国道四百二十四号の丸滝工区は、平成二年度に完成する予定といたしております。
 また、現在事業中の国道四百二十四号、四百二十五号、県道御坊美山線並びに印南南部川線についても事業の促進に努めてまいりたいと考えております。
 また、県道田辺十津川線の美山村寒川地内については、特改一種事業及び県単道改一種事業で整備の促進を図っており、今後とも寒川地内まで早期に整備ができるよう努力してまいります。
 次に、近畿自動車道紀勢線御坊─田辺間については、平成元年二月に基本計画が決定されたところであります。今後の手続といたしましては、整備計画の決定、さらに日本道路公団に対する施工命令、実施計画策定を経て路線発表されることになります。県といたしましては、早期に整備計画が決定されるよう、引き続き国に強く要望してまいります。
 以上でございます。
○副議長(宗 正彦君) 答弁漏れはありませんか。──再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(宗 正彦君) 以上で、藁科義清君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
○副議長(宗 正彦君) 本日は、これをもって散会いたします。
 午後二時三十四分散会

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